電気通信委員会 第14号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/11/29
会議録
○委員長(鈴木恭一君) これより会議を開きます。 電波行政に関する調査でございますが、テレビジヨンに関しまして引続いて御質問等でございますれば、官房長官も見えましたのでお願いいたします。
○新谷寅三郎君 官房長官にお願いしたいのですが、この委員会では先般来テレビジヨンの問題について調査をいたしております。それで電波監理委員会に質問をしても十分の回答を得られない、ちよつと計画的な大きな問題でありますので、官房長官から内閣の方針につきまして、その点についてお答えを願いたいのであります。 私たちもテレビジヨンを日本に早く実現するようにしたいという希望は、これは先年来持つておるのであります。何とかして技術的にも経済的にもこれが促進されるように、そういう状態であつて欲しいということを心から希望しておるのでありますけれども、いろいろの事情から考えまして、これは相当の経費がかかる。又政治的に見ましても、只今日本の置かれておりまする国際的な地位というような点から見まして相当時期、方法については慎重に考えなければならん、こういうふうな結論に達しつつあるのでありますが、その点につきまして具体的に二、三お尋ねいたしますと、私から申上げるまでもありませんが、官房長官は特に外交関係に御経験もおありですから、十分その辺のお考えは持つておられると思います。今日対日平和条約がまさに効力を発生しようという段階にありまして、各国との賠償についての交渉も各国のいろいろの要望があつて、非常にアメリカ政府も、それに伴つて日本政府もこれに対して苦心をせられたという事情を承知しておるのでありますが、この賠償のような問題に絡みまして、具体的に言うと、いわゆる戦勝国でも今日なおテレビジヨンを持つていない国が非常に多いのであります。日本は賠償に関しましてはいろいろの席上で述べられましたように、十分なる賠償能力を持つていないということを言つておるのであります。賠償能力のない、戦いに負けた国がテレビジョンを持ち、戦いに勝つた国が賠償を要求しているにかかわらず十分なる賠償を支払つてくれない、而もその国にはテレビジヨンがない、こういうような結果になることは国際関係にどういうふうな影響を及ぼすかということを私ども非常に心配するのであります。これに関しまして官房長官はどういう御見解をお持ちになりますか、その点をお伺いしたいのであります。
○政府委員(岡崎勝男君) なかなかこれは表現がむずかしいのですが、我々が賠償を十分払う能力がないということは、これはお説の通りでありますが、そこでそれじや我々は何もすることができないのかと言うと、そうではなくして、つまり必要欠くべからざるものは新しくも作り、古いものも直して行かなければならないのであります。贅沢品は、贅沢品と言うとおかしいのですが、常識的に言つても贅沢なものをやる余裕はない、若し贅沢なものをいろいろ作つたり買つたりするという余裕があれば、それは賠償に行くべきものだ、こういうふうにとられると思うのです。そこでテレビジヨンが一体賛沢品であるか必要品であるか、こういうことになると思います。それにつきましてはこれは今お話のように、各国でもテレビジヨンを持つている国があり持つていない国がありというので、これはただ貧乏だから持てないとかいうだけではないだろうと思います。それぞれ国の考え方があつて、自分の国はまだテレビジョンを必要としないという考え方もありましようし、又よく研究して非常にいいものを作るために試験をするのだという考えもありましようし、或いはそうではなくてさつさとやつた方がいいというので進んでやる国もありましようし、それは国々の独自の考えできまることと思います。 そこで私はこれは別に閣議できめたり党の方針としてきめたりしたことではありませんから、いわば私見になるかも知れませんが、テレビジョンと申すものは、私の考えでは文化の向上と言いますか、それから生活を豊富にするという意味からは、これはもう今となつては是非必要なものだと考えております。必要品というものはだんだん変つて来るものでありますから、よく言いますように、文明的な不必要品がだんだん必要品になるのだ、こういう話があるくらいで、生活を非常に簡単にすれば要らないようなものも、豊富にして行けば必要欠くべからざるものになつて来ることもありますが、私はテレビジヨンというものは必要なものだと思います。而うして国際連合の規約、ユネスコの規約その他今度の講和条約等に現われている国民の水準を高めるという、文化を高めるという方面から言いましても、これはどうも是非やりたいものである。従つてこれを、テレビジヨンを置けば、何と申しますか、賠償も払わずにテレビジヨンを置いてけしからんというふうに外国が考えるとは私は考えておりません。従つて極端なことを申せば、それは問題になりましようが、普通の意味で、つまり余り無理をせずにテレビジヨンを設備できるということであるならば、外国で賠償も払わないのにというようなことも言われるはずもないと思いますし、又仮にテレビジヨンは贅沢な品物だと思う国がありましても、日本で日本の政府なり日本の一般の世論がテレビジヨンは決して贅沢品ではない、これは生活に必要なものであると考えれば、日本ではその考えでよろしいのではないか、こう考えております。
○新谷寅三郎君 官房長官の御見解は大体わかりました。ただ繰返すようですが、私はちよつと今の官房長官の言葉尻をつかまえるのでありませんけれども、テレビジヨンについての考え方というものに対する具体的な見方というものが少し違うわけなんです。それは私たちもテレビジヨンは文化国としての国民生活にあつて欲しいものだ、極めて望ましいものだということは勿論考えるのであります。併し今日の世界各国の国民生活から申しまして、これが生活必需品だというまでに必要なものであるかどうかということにつきましては、これは必要であるという、その必要という言葉の意味でありますけれども、先ほど申上げたような意味で文化生活をするのには極めて望ましいということは言えるでありましようけれども、生活必需品というところまで果して言い得るかどうか。これは世界各国のテレビジヨンの状況を見ましても、テレビジヨンは現在やつていないということは事実であると思います。それからもう一つは、官房長官がまあ言わば安価に手に入るものであるというような状態であればという仮定でお述べになりましたが、この点は官房長官がどういうふうに、どのくらいの程度で深い認識を持つておられるかわかりませんが、その言葉だけから見ますと、私たちがアメリカで見て参りましたテレビジヨンなんかと比べますと、大分開きがあるという気がするのであります。勿論技術水準が非常に向上いたしまして、この技術水準が上つた結果として、自然的にそういうテレビジヨンが生れて来るというものであれば、これは私は大した問題もなかろうかと思う。今日の日本の技術水準から申しても、これはまだまだずつと先の遠い話であります。今テレビジヨンをやろうとすれば、技術の大部分は外国から輸入して来なければならぬという状態であります。而も経済的に申しますと、先ほど申上げたように、これは非常に経費がかかる、受像機を持つ国民もそうでありますと同時に、これを施設する機関におきましても非常な経費を要する、そういう状態でありますから、私は特にそのほうにそれだけ大きな数十億の経費を割くことができるならば、賠償についても考えるべきではないかというような気持が他の国の間に起る虞れはないのだろうかということを心配いたしまして、先ほどのような質問をしたわけであります。これは根本はテレビジヨンというものに対する官房長官の認識と私の認識とが、つまり事実に対する認識が違う結果そういうことになつているのだろうと思います。これは併し意見の相違になるかも知れません。この点については更にあなたの答弁を要求しませんけれども、私はそういう考えでおる次第であります。 そこで仮に官房長官のような前提に立つてものをお考えになるとして、このテレビジヨンを実現いたしますのには、相当に国が技術方面におきましても経済的方面におきましても力を入れなければならない。つまりその施設者が誰であろうと、国が非常に力を入れないと実現できない。特に日本のような状態におきましては、なおその点は強調していいのじやないかと思うのです。政府がそういうような考えでテレビジヨンを早く実現したいという希望を持つておられるならば、このテレビジヨンの実現に対しまして、政府として予算的に、或いはその他の措置によりましてどういうふうな援助を或いは支援を与えようとするのか、その点について何かお考えになつていることがあれば、この機会に伺つておきたいと思います。
○政府委員(岡崎勝男君) 私はさつき経費が安いというようなことを言つたのじやありませんで、むしろ余り無理をしないで、できるならば早くやつたほうがいい、こういう意味を、無理をしないでと申したのであります。無理をしないでという中には、つまり今おつしやつたような賠償というような関係も考慮しなければなりませんことは当然であります。従つて国民の税金からこういうものに非常な多額な援助をするということは、これは考慮を要するであろう、併し他に国民の負担……つまり賠償なんというものは、要するに国民の税金の一部から出て行く、どういう役務にしても何にしても、そういう方面から出て行くのであつて、その方面の金を横のほうに余計出すということになると、これはよほど考慮しなければならない、併しながら他の何らかの方法で国に負担をかけずに資金を苦慮して行く、又その資金のみならず資材の方面でも、特に他方の重要なる産業を圧迫しない程度のものであるならば、早く実現したほうがいい、こういう考えであります。それがつまり無理をしないというような、資金の面でも、資材の面でも、こういうことになります。それから技術の方面は、私は正直なところよくわかりません。なかなかこれは聞いてもむずかしくてよくわかりませんが、極く素人の常識的な考えで言いますと、今例えばアメリカのごときは非常にテレビジヨンの技術が進んでおると見られます。それから日本のほうは何と言つてもまだそこまで行つておらない。そこで国産とか、国の技術をできるだけ使用するのは結構でありますが、この或る高いレベルまで進んでおるところがあるのに、それをかまわずに、自力だけで問題をどんどん積み上げて、そこまで達しようというよりも、高い技術の程度まではもう発達しておる技術があれば、できるだけそれをそのまま取入れて、その基礎の上に自力で以て改良すべきものは改良して行く、こういうほうが実際的なんじやないかと思つて、その点ではアメリカであろうとイギリスであろうと、或いはほかの国であろうと、進んでおる技術については、できるだけこれを取入れることにやぶさかでないという心がまえが必要であろう、こう考えておりますが、つまり経費、資材、技術、こういう点についての極く漠然たる考えはそういう程度であります。
○新谷寅三郎君 大体気持はわかりましたし、そのお気持に私も同感なんです。ただ何と言つても、先ほど私申上げたように、テレビジヨンというものに対する技術の認識が、多少官房長官と私と違うのじやないかと考えるのであります。今お話のように、例えば技術方面にいたしましても、技術方面ということは、結局日本の生産ということに結んで考えなければならん問題でありますが、今日本だけの力でテレビジヨンをやろうと思つても、これは非常に時間がかかるし、経費もかかると思うのです。これはまだあなたには御報告していませんが、我々が行きまして、アメリカの関係の方面との話合いをしたところが、若し日本でそういうようなことを実現しようという考えが出て来れば、アメリカのほうとしては、極めて低廉な、名目だけの特許料でいいから、我々の技術なり製造方法なりというものを提供してもいいのだというような意見を、アメリカの関係会社の最高首脳部の人が我々に話してくれたのであります。これは払は非常に大きな収穫であつたと思うのであります。単に通信工業だけでなしに、特許料の問題が今後の日本のあらゆる生産部面に非常に大きな影響を持つて来るわけでありまして、これを今までのように単にコマーシヤル・ベースだけで、ビジネスとして扱つて特許料を取られますと、殆んど日本のすべての工業は大打撃を受けるということは確実なんで、幸いにしてそういうような非常な寛大な意思表示をしてくれたことは、これは私非常に愁眉を開いていいのじやないかと思うのです。従つてこのテレビに関しましても、アメリカの技術を取入れる、或いはこれはアメリカに限りませんが、ヨーロツパがいいと思えばヨーロツパの技術を取入れる、そこをスタートにしてやつて行くということは、これは私も反対はないのでありますが、ただこれは技術の基準を取入れる、やり方を取入れるというので、こういうふうにテレビジヨンとか或いは放送とか、こういうような国民全般に関係をするような、いわゆる国民的なものについては、これはどうしても受像機のようなものは日本で生産しなければならないと私は考えるのであります。ところが日本で生産をするのには、こういう資材を使つてこういう方法で製造をするのだということがわかりましても、それを製造するまでに日本のメーカーの持つておる今の工作機械類、物を作る機械類、機械設備、そういうものは、これは非常な改善を加えないとできない、これは単に技術だけでなしに機械がない、機械類がない、ここに私は相当このこの部面だけ見ても研究をして、そうしてその機械類を整え、技術者を整え、それから国内で生産ができるように処置をするまでには相当の経費も要るし、又日数もかかるのであります。そういうふうなものでありますから、私は先ほど、特に政府がこれに対して直接、間接にどれだけの援助をしようとするのか、どういうふうな種類の援助をしようとするかということをあなたにお聞きしておるわけであります。単に技術だけの問題じやありません。技術、経済、両面に亘りまして、これは国がよほど力を入れて援助し支援してやらないとできつこないものなのであります。誰かやるからやらしておけば自然にできるだろうということでは、テレビジヨンは到底できない。ただアメリカから技術を持って来、それから向うから受像機も受信機も皆持つて来てやろうということであれば、それは極めて簡単です。それでもやはり多少調整は要るようでありますけれども、これは簡単な問題です。この国民的なものについては、そういう措置は私は許されんだろうと思う。そこに私は問題があると考えております。その点は官房長官はどういうふうにお考えになつておりますか。
○政府委員(岡崎勝男君) まあこれは国民的なものではありましようが、私はそれほど自分では堅く考えてはいないのでして、元来こういうものは需要の関係もありまして、大量生産ができる段階になればかなり安いものもできるけれども、需要が少いときには施設は非常に金がかかる割に生産高が少いので、同じいいものができても値段が非常に高くなるということは、これは当然だと思います。そこで例えばまあ需要の点からいつたら非常に大きな要需のある、一例を取れば例えば自動車のごときものも、これは比較的テレビジヨンよりは簡単な製作工程でできると思いますが、戦前におきましてもこの頃でも、国産の自動車をできるだけ使えという趣旨で、いろいろ国産の自動車もありまするけれども、やはり日本の国内で動いておつた自動車は、戦前でもアメリカの自動車が一番多かつた。まあほかの国の自動車もありましたけれども……。これはやはりコストが安い、能率がいいという点もあるので、そういうことになつたのだと思います。戦争中は無論これは輸入ができませんから、国内の自動車工業は非常に発達しましたけれども、併し只今又比較して見ると、やはりアメリカの自動車のほうが格安につくというような実情であろうと思います。これは彼私相通ずるもので、日本の特異な、いいものはたくさん製造してよそへ出して、むやみに金がかかれば、仮に同じ程度のいいものができても、経費の点から言つて困るから輸入をする。そのうちにだんだん国内の工業が発達すれば国内の工業に移つて来る、こういうことで、どうしてもこれは国産でなければいかんというまでには考えておりませんけれども、他方において、例えばアメリカからとかどつかから輸入するが故に、ドル資金等が非常にたくさん要るということになれば、これはまあ無理をしなければ輸入ができないということになります。この点は今度純然たるテレビジヨンの技術とか計画とかいうことに関係なく、今度は外貨の面で考慮しなければいけないと思います。又例えば成るほど心の糧としては、テレビジヨンは非常に私は重要なものだと思いまするけれども、併しもう目前に、例えば電話とか電信とかいう非常に必要なものもあるのだし、国内で作るにしても、これはまあ技術のことで例が違うかも知れませんが、例えばほかの通信機材のもつと緊急重要なものがあるのに、それを抑えてテレビジヨンを作るというわけにも行きませんでしようから、資材の面でも、やはり国内で作るようにしても同じようなことになるかも知れませんが、これは甚だ常識的な御返事ですが、要するに結論はどうしても国産でなければいかんとまでは、私は堅くは考えておりません。ただ資金その他の部面でドルが枯渇している現状において、そうむやみに輸入することができるかどうかということは、これは全く別問題で、別の見地から考慮しなければいけない、こう考えております。
○新谷寅三郎君 その点は自動車なんかと比較されることは、テレビジヨンと私は種類が違うと思いますから、まあここで問題にしたくないのですが、戦前から自動車なんかは大分日本でも相当進んではいるわけですけれども、どうしてもアメリカのものに比べれば性能も悪いし持ちも悪いというようなことで、而も自動車というものは、今日の交通機関としてどうしてもなければならんものだというような点から、外貨の許す範囲内において、必要最小限度の自動車というものを外国から購入することを認めておられるような政策をとつておられると思うのです。これも向うのほうがいいから、どんどん需要するものをどんどん入れてやろうということではない、併しテレビジヨンのほうは、少くとも数から言いましても国民に普及しなければ何にもならないのです。五千や一万ぐらい持つておつたところで何にもならない。少くとも、今まあラジオのほうは約一千万ぐらいに近ずいておるわけですが、その程度に行くのが望ましいし、少くとも数百万台という程度に行かないと、これは国民の文化などと言つても、一部の金持の人が買うだけで、それじや国民の文化向上などということは言えないだろうと思うのです。やはり国民全体、各層の国民が受像機を持つて、テレビジヨンによる文化の恵沢に浴するというのが目標であろうと思います。そうしますと、そういつた大量のものを国民に持たせるためには、その生産の方面、製造方面においてもはつきりとした一つの政策を持つていなければならんと思うのです。そういうふうな大量のもので、而も私が申上げた国民的なものでありますから、これは多少私はアメリカなどに比べまして性能が悪くても、だんだんよくすれば、いいのですから、これはどうしても国内において供給するような措置をとつて行かないと、先ほどあなたがおつしやつたような外貨方面でも行詰つて来るのではないか。日本の工業という点から考えましても、そういつたものを外国のほうが安ければ外国から入れたらいいじやないかというような程度の生ぬるい考えでは、私は政策としては余り感心した政策ではないと思うのです。我々がアメリカへ行きましていろいろ懇談をしましたときにも、向うの人は、将来東亜地域でも或る程度テレビジヨンというものがだんだんに普及するであろう。その場合に日本自身がその供給をするような地位にならなければならないのだし、又それは当然だろう。そのためには我我は協力を惜しまないのだ。こういうような意味のことを言つておるのであります。日本の関係の工業で、少くとも日本の国民の需要するものは日本で作り上げる、のみならず、この東亜地域の諸外国が要望すればどんどん日本から供給してやるというくらいの理想を持つて行かないと、私は政策方面だけを考えましても、テレビジヨンに対する政策としては欠けるところがあるのではないか、これは日本の今の国情からいたしましてもそういうことが言えるのじやないかということを考えるのであります。その点は岡崎さんと相当の開きがあるようです。重ねて同じことをお聞きしても同じような答弁かも知れませんが、これは岡崎さんももう少しテレビジヨンの将来というものについて時間をかけて専門的に御研究になつて頂きたいと思うのです。
○政府委員(岡崎勝男君) 私どもはまあ専門的に研究するといつても、元来知識がありませんから、極めて常識的な財政経済とか、その他一般の情勢から判断するよりほか仕方ありません。併しあなたのおつしやることに別に反対ではないのです。ただ私はどうしても国産品だけを作らなければならんというほど堅く考えてはいないのです。国内でできればそれは結構なことです。併しながら政府がこれを補助して作らせるのだというような気持は持つていないという程度なのであります。これはまあ我々の政策がそうなのであつて、何といいますか、外貨が足りない、払えないからどうしても嫌でも国の、国内で作らなければならんというような制約があれば、どうしても国内で作らなければならないでしよう。併しそうでなくして、外貨に余裕があつて、国内で作るよりは輸入のほうが安く能率もいいということになれば、輸入も妨げないという程度の方針をあらゆる方面に適用しておるのであります。従つて非常に堅く考えていない、こういうだけのことであつて、国内でできればそれに越したことはないのは当り前の話であつて、又それを望んでいることも当然であります。今新谷君のおつしやるように数百万のテレビを国内で備え付けて行くというようなことはなかなか急には行かないことで、だんだんやらなければできないことです。それにはいつまで研究して見ても、できるかというとそうも行かないので、先ず始めてみるという考え方もあり得るわけです。又三万や十万じや何もならんかというと、そうでもないので、勿論備え付け方であつて、個人が持つているのも無論いいでしようが、例えば学校であるとか或いはその他の集会をする所であるとかいう駅に備え付ければ、一般の人々が自分の家になくたつて見る機会は十分あるのであつて、これはやり方、方法も随分考えようがあると思います。で私の考えでは、無理をしないでできるならば、成るべく速かに国民にこういうものを見せて、生活を豊富にしたいという考えで終始しておるわけであります。
○委員長(鈴木恭一君) ちよつとお諮りいたしますが、官房長官は今衆議院のほうで恩給法の改正で今呼ばれておるので、簡単に願います。
○新谷寅三郎君 今岡崎さんのお話でよくわかりましたが、結局前提が違つたのです。それにはもう少し言わなければならないのですが、私はこういう前提に立つているのです。日本の外貨不足という事実、特にドル不足という事実はこれは早急に解決できない問題だ。殆んど日本の今の置かれておる国際的な位置からいいまして、これは努力しなければならんが、相当将来長く続く、日本に課せられた一番困る問題の一つであるという前提に立つて私はいつもものを言つておるわけなんです。岡崎さんのお話によると、外貨にも余裕があればというようなお話ですけれども、その点は私はもう言わずとも、今日内閣が一番苦しんでおられる問題の一つです。ドルの不足という問題は……。これはもう将来とも根本的に解決する途は容易なことではない。よほど世界の情勢も変り日本の経済状態も変つて来ないとそういう事実は生れて来ないという前提に立つて私はお話しておるわけなんです。その点から見まして、もう少しお考えになつて頂きたい。私はそういう意味で言つているのです。
○山田節男君 まあ今岡崎官房長官と新谷君の問答を聞いてみますと、私はどういうわけで官房長官を呼んだのか知らないが、内閣の番頭ということで呼んだんじやないかと思いますが、これはあなたも戦後不幸にしてアメリカベおいでになつていない。殊にアメリカのテレビジヨン産業の実際を知らんので、抽象的なことしか言えないのは仕方がない。私は官房長官、これは番頭で、そういう問題であなたに責任があるというようなことは言えるわけでないし、これは大蔵大臣或いは総理大臣、或いは電通大臣、郵政大臣並びに電波監理委員会と話すべき問題である、私はあなたに専門的なことを聞いても無理な話だと思います。あえてそういう新谷君との問答のようなことは極めて常識的な表面的な意見しか出ない。これは仕方がないと思います。私はあなたに御質問申上げても無理だと思います。まああなたに関する返事のできそうなことだけ二つぐらいお伺いします。 先ほど来新谷君も言つておりますが、テレビジヨンというものがいろいろなフアクターがなければ成立しない、テレビジヨン産業というものが社会、経済、教育方面、文化方面に非常に寄与しますが、同時に悪くなるとこれはどうもできないのであります。今アメリカは困つておるのであります。たまたま我々がここへ帰つて来たときに電波監理委員会でいわゆるテレビジヨンの標準方式、スタンダードの試案を作つて関係方面の了解を得たというので国会へ報告された。そこで我々特にテレビジヨン専門ではございませんが、需気通信を主にして行つたのでありますが、テレビジヨンのことは非常に向うで盛んになり、困つておる問題がある。四大会社の実際を見、又経営者の首脳部に会つていろいろポリシーとしてどうするか、我々立法者であり、技術者ではないからポリシーをどうするかということをいろいろ各方面の最高権威に会つて聞いて来たのであります。そこでそういうものが出ているからびつくりして、而も二、三民間等から申請書が出ております。こういうようなことで非常に実は痛感して、とにかく電波監理委員会で一応用意された標準方式、これ又専門的になるけれども、要するにテレビジヨンのスタンダードがたくさんある、四つある。アメリカ式を持つて来て、そこにアメリカにおいて実際見て、専門家から聞いた言葉と相当違いがある。国策として、ポリシーとして見て異論があるというので、電波監理委員会はこれを賢明にも更に再検討するということになつておりますが、これはあなたにお答えできる範囲で私は質問しますが、一つはテレビジヨンというのは、今あなたのお話ではまだまだ失礼だけれども、実際の実施に関するものは御存じない。が電波監理委員会のそういう試案、標準方式は、鉄道でレールの幅をきめるようなものですが、一応の試案を作つたことについては、総理大臣か或いはあんたかに電波監理委員会がら何かの相談があつたと思いますが……。
○政府委員(岡崎勝男君) 電波監理委員会から報告は受けております。併しながらこれは電波監理委員会がその権限内でできることでありまするから、我々のほうから干渉することはいたしません。
○山田節男君 それが私は甚だ遺憾だけれども、又官房長官がさつきおつしやつておるように、テレビジヨンは誰でも必要を認めておる、それを一日も早く国民に普及したいという気持は持つておるのであります。ただそこにはいろいろの制約がある。一つのフアクターが関連して起つておるのであります。そう素人の考えておるように行かない。ですから電波監理委員会の権限でできるならこれは我々は何も心配する必要はない。そこにいわゆる国策としての一つの大きな問題がある。電通大臣なり総理大臣なり大蔵大臣なりが、この電気通信の貧弱な日本においてどうするか、これはテレビジヨンこ関連が深い。これは決して電波監理委員会のきめるべきものでない。複雑な要素を持つておるから、我々も意見を持つて、我々は権限外だと言うことではいけない。あなたはテレビジヨンこ対してもう少し勉強してもらわなければなりません。それはわかりました。 それから安全保障条約が批准された暁に、批准される前に行政協定の部面、殊に外務省を中心にしていろいろ交渉がある。それで今のところこれは日本に陸海空軍の基地が設置されることになるでしよう。これはテレビジヨンではありませんが、電波を相当使用すると思います。ですからアメリカのぺンタゴンに行つて見ても、軍の持つておる電波では足りない。ですから若し国内へ駐屯して基地を持つ向うさんとしては、電波をどうしても必要とする。そういうことになれば、今の日本の電波監理委員会が監理すてき周波数、フリーケンシー・バンド、そういうような割当について非常に問題があると思いますが、安全保障の行政協定の中には電波問題について非常に議せられておるか、或いはそういう行政協定に基いて占領軍として新らしく日本政府と電波の周波数の、テレビジヨンのバンドの割当等について交渉があることを予見せられておるかどうか、この点についてどうですか。
○政府委員(岡崎勝男君) 行政協定の具体的内容についてはまだ話合つておりませんから、初めのお答えについてはノーであります。あとの御質問に対してはこれはいずれ話合いをすべきものだと思つております。
○山田節男君 それは行政協定の内容については今進行中であろうから明言は要求しませんけれども、私はそれは可能性はある、かように信じております。従つてこれは電波監理委員会の主管事項でありますけれども、これは電波監理委員会のみでなく、日本の空間を使われるのですから、官房長としてもその点は留意されたいと思うのです。 それからもう一つは、ニユーヨークのヴオイス・オブ・アメリカ、これは我々が行くと直ぐ録音をとつて放送するというので、我々をスタジオに連れて行つてやらせたのです。向うで見ますと、相当向うでも短波でやつておるものがある。それから日本へも知らせるという意味で相当なこれは材料を使つておるのじやないかと思うのです。御承知のように「アメリカ便り」といろものが放送されて、これも一つの安全保障条約に基いた行政協定の一部としてもつと具体的になるのか、具体的と申しますか、もう少しプログラムを拡大するのか、そういうことについて今までのあなたの承知しておられる範囲で、そういう話はまだ出ておりませんか。
○政府委員(岡崎勝男君) これはまだ出ておりません。
○山田節男君 ちよつと長谷長官に伺いますが、周波数割当の問題なんですが、この間示してもらつた日本政府のやられておるスキヤツピンで割当てられておる周波バンドのアロケーシヨンですね、二十五メガ・サイクルから一万五百メガ・サイクル、これはスキヤツピンで命令的にきめられておるのだから、この条約が批准になつて効力が発生すれば、そのスキヤツピンというものは当然撤廃されると思うのです。そうすると今のあなたの所で作つておられる周波数割当というものは、これは今度は日本の政府の自由になるのですか。
○政府委員(長谷慎一君) 指名での御質問でございますから申上げたいと思います。 御案内のように終戦後日本で従来使用しておつた一切の電波は一応凍結されまして、その後進駐軍の支障のないものから随時使用を許されて来ておる。それがスキヤツピンに基いてなされて今日に至つておるわけであります。その全般の電波のうちで、周波数バンドのうちで、この範囲では進駐軍から支障がないというものは、バンドとして日本政府にその許認可の、或いは使用の自由を任されておりますが、殆んど大部分は一つ一つの電波の使用につきまして現在まで進駐軍と交渉をしましてその許可を得て使用いたしておる現状でございます。お話のように私どもといたしましては、講和条約が発効されました後には、当然スキヤツピンというものの効力がなくなりますから、先ほど官房長官とのお話の間にも出ましたような行政協定というようなものにでも是非入れてはつきりしなければならん性質で、日本として、我々としましては、一つでも多くの電波が日本側として自由に使えるように持つて行くように努力したいと考えておる次第でございます。
○山田節男君 そうすると今この進駐軍、占領軍がやはり電波を相当使つていると思うのですが、資料として頂いたこの周波数バンドですね、この中には占領軍のは入つてないようです、この中に含まれているのですか。
○政府委員(長谷慎一君) 先般資料といたしましてお目に掛けました表のは、どこからどこまでの周波数はどういう業務に使うことにしたい、こういうことでございまして、例えば五三五から一六〇五までは普通の放送、或いは何メガから何メガまでの周波数はテレビジヨン、そういうことをきめたものでありまして、どこの放送局がどの電波を使つておるということはあの表の中には明記されておらない。日本政府が電波法に基きまして免許を与えました無線局は私どものほうから局名録というようなリストといたしまして詳細公表いたしております。それによりまして日本において現在どのような無線がどこで誰によつて使われておるということが一切明らかになつております。併しその中には進駐軍の関係は含まれておりません。
○山田節男君 そうすると今の占領軍が使つておる電波というものは、全然独自の立場で使つておるものと思われるのですが、先ほど官房長官に質問したようにいよいよこつちに安保条約に基いて基地を設定する、これはやはり行政協定ですね、そうするとすでに或る方面からそういつたようなことに関して何か意見の開陳があつたかどうか。
○政府委員(長谷慎一君) 只今までのところ特別にございません。
○山田節男君 これは私は極く電波には無智な人間として質問するのですが日本では二十五メガサイクルから一万五百メガサイクルまでという非常に幅の広い一つのアロケーシヨンを持つておるわけですね、ところがアメリカでは二十五メガサイクルから千メガサイクル、FCCの示しておるところによると……。そうして日本のと比較して見て著しく差違があるものは、二十五メガサイクルから三十メガサイクルの間をアメリカでは非常にこれを細分して使つている、今電波監理委員会のを見ますと、規格が四つくらいしかない。これは二十五メガサイクルから三十メガサイクルというものに対して割合にアロケーシヨンを贅沢に使つておられるということと、それから、アメリカでは二十五から千メガサイクルまででやつておるのを、こつちは一万五百メガサイクルまでの幅を持つているのはどういうわけか、これは素人の笑うべき質問かも知れませんけれども……。
○政府委員(長谷慎一君) アメリカは御案内のようにFCCのは民間の無線局の監督だけをいたしておりまして、御案内のように政府或いは軍の無線局のことは関係をいたしておらないのでございます。従いましてアメリカにおきましては民間の無線局と政府なり或いは軍用の無線局との間の関係をスムースに行くように、この間はいわゆるガバメント・ユース、政府用或いは軍用という工合に、軍用も政府用の中に含まれておりますが、政府用と一般用という工合に分けておるのが一つ事情が違う点でございます。現在日本におきましては御案内のように電波法或いは電波監理委員会設置法に基きまして、民間たると政府機関たるとを問わず、全部電波監理委員会の一つに取扱われておるわけでありますが、従いまして電波監理委員会といたしましては、只今御質問の周波数の割当表というものは国際会議で大体の根本がきまりまして、その枠内でそれぞれの国情に応じたようにするということになつておりますので、そういう観点に立ちまして一切の国内の割当をきめておるのであります。もう一つは、従来日本の国内におきまして如何に使われておつたかということも頭に置いて行きませんというと、現実と非常に違つた割当表というものを考えますと、一般に使われておる電波の割当の変更に伴つて施設の変更或いは相当の経費のかかる改造等を行わなければならんようになりますので、そういうこともできるだけ避けて行きたい、こういうことからアメリカにおけるのとは多少違つた結果になつておると存じます、 なお御指摘になりました二十五メガサイクルから以上は、これは国際的には余り混信問題を起さない波長でございまして、国内で相当自由裁量的に割当てることができるのでございますけれども、御案内のように航空機を初め、国際面でどこへ行つても同じ波長の範囲内で使用できるように統制をとつたほうがよろしいということは考えられるわけでございまして、そういう点から国際的にどことどこの間はどういう仕事に使う、こういうことの大綱だけがきめられまして、細部は先ほど申上げましたように主管庁がそれぞれの国情に応じて割当てておるというのが実情でございます。なおアメリカが現在割当てておるのよりも日本のは非常に広い、高い所まで一応表ができておるようだが、どうかということの御質問でございますが、お話の通り電波監理委員会で公表いたしました周波数分配表は非常に高い所まで一応やつておりますが、これはそこまで全部今開拓されて使われておるという意味ではございません。国際条約でそこまでの割当の根本の方針がきまりましたので、日本としてそれにマッチした割当表を一応作り上げたというところが事実でございまして、日本では只今のところ特殊の試験研究に使われているものは別といたしまして、せいぜい四、五千メガサイクルまでしか使われていない現状でございます。
○山田節男君 最後に周波数バンドのアロケーシヨンですが、今あなたのほうでは電波監理委員会のほうでは十一のクラスに分けておる。それをアメリカを見ると十五に分けておる、日本のは四つ少ない。その中で見まして、例えばフアクシミル放送、それからシチズン・ラジオ、これは私はどういう意味かよくわかりませんが、将来やはりこういう電波の各方面の研究が進歩するに従つて、日本でもこういつたようなフアクシミルの放送とかシチズン・ラジオというものが、これは日本の環境に向かぬかも知れませんが、アマチュアでもない、一つのそういう自治団体が何かそういうラジオに使うという、こういうような建前をとつている。日本ではそういうのをとつていない、十一のクラシフイケーシヨンを今後変更できないのかどうか、この点一つ。
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。最初にフアクシミル放送でございますが、現在もこれは本格的に使つておりませんけれども、現在試験的にフアクシミル放送も日本で行われております。これは放送バンド、この表においてBC、ブロードキャストと、書いた範囲でない所を使つておるのでございまするので、これはフアクシミル放送が本当に一般の人が自由に受けられる、いわゆるラジオやテレビジヨンと同じようなところまで発達する場合には、いわゆる放送として取扱わなければならんと存じますが、日本においては現在は特定の人から特定の人に、勿論受けるほうは多数でございますけれども、特定の人が受ける形になつておりますので、一種の固定業務という工合に考えまして、固定バンドの所で行われております。その次にいわゆるシチズン・ラジオでございますが、これは私どもといたしましても、この方面の国内における普及発達を期待いたしまして、四百六十メガサイクルから四百七十メガサイクルの間は、これはシチズン・ラジオ専門というふうに考えまして、この表の上には明らかになつておりませんが、電波監理委員会の規則の中には明らかにこの条項を設け、その具備すべき条件等も具体的に示しておる次第でございます。
○山田節男君 それから御承知のようにアメリカのFCCは民間の使用している電波の管轄といいますか、管理をやつている。日本では電波行政に関する限りはこういうことをやらないで、国内で一元的に行こう、併しこれも平和条約、安保条約の批准が発効した場合に、例えば警察予備隊であるとか或いは国家警察であるとか、或いは陸軍、海軍というような雛型でもできた場合には、これは私は相当強い主張があるだろうと思う。割当を、自分のほうのアロケーシヨンの中で自由に使いたい、それから政府も今余り使つていないようですけれども、各政府官庁も電波の割当を相当要求して来るという可能性があるだろうと思う。そういう場合飽くまで電波行政は現在のように政府の割当とか或いは軍の割当とか、これに対する管轄権を持たない、いわゆる一元化で飽くまで行くべきか、或いはアメリカのように三元化して行くのがいいか、この点に対しての電波監理委員会のこれは富安委員長からの御返答を願いたい。
○政府委員(富安謙次君) 私も実はまだアメリカのその辺の事情について極く詳しく存じていないのがありのままでありまするけれども、アメリカと日本との間におきまして、只今仰せになりましたような点について相当違つたような建前になつているようでございます。私どもの希望といたしましては、立法当時の趣旨にいろいろ検討せられました点に鑑みまして、電波監理委員会の手においてすべての電波に対しまして管轄権を持ちたいというところの建前で進みたいという考えを持つております。
○尾崎行輝君 この国会が開かれて以来もう三十日余になりますが、だんだんと皆さんのお話を伺つて、殊に山田、新谷両議員の御意見で、持つておられる非常に豊富な知識を伺つて、非常に得るところもあつたのですが、同時にこちらがどうもテレビジヨンのことについて余り知りませんので、よく呑み込めない点もあります。大体のところ、併し山田委員は時期尚早論であるようでございますし、新谷委員のは、これからの段階をしつかりしなければ進むのはどうかというふうなお考えのように考える。これに対しての富安委員長の御返事は、雲煙模糊として含みが非常にあるのでありましようが、どうも呑み込めないのであります。これはどうもいわゆる古池や蛙とびこむ水の音の宗匠にははつきりわかるでありましようが、さびとか何とか、我々にはどうもその音がぽんというのかばしやんというのかはつきりしないで、誠に判断に苦しんで、実はここに三十日たつてしまつた。そうして自分で何か判断を持出そうと考えて見たのでございますが、何分にもこの方面の知識が低いので、科学的に判断できない。そこで一つの方法として、私は大分前からの考え方でありますが、今までの科学文明が日本に入つて来た経路はどうであるか、どんなふうであつたかということ、今度のもそれとそう違わないのだろうというようなところから、定規を当てて測つて見たのであります。鉄道、電信、電話、自動車、飛行機というようなものが入つて来て、それから日本でどんなふうな状態であつた、それから現在どうなつているか、これを見ますると、よほど今度のテレビも、今わからならままにも将来が推察せられると思うのであります。こんなものが入つたときには非常な反対があつて、意外な変な反対があつたし、又異常な困難にぶつかつておつたようであります。それを一つ一つ申上げておりますと長くなりますから……、例えば自動車をとりますと、先ほど岡崎官房長官が自動車のことを言われたが、私はそれが適切な例だと思つておりますが、非常に不自由なものである。殊に道が非常に日本では悪かつたために、こんな悪い道で自動車が発達するかと言つておりました。これも一つの見方でありますが、私どもは道をよくすればいいのだというような考え方である。特にその時分は前のほうに廻つてぐるぐる廻して漸くスタートするような自動車、私は非常に古い運転手でありますが、そんなことで非常に苦労して来たのでありますが、ところがそのときにすでに乗つていてすぐにスタートする車ができなければならんと思つておりましたが、果してできて来た。私どもどうも……、それからそのほかいろいろありまするが、結局人間が要望しておることは必ず出て来る。それから出て来たものが七の国に、アメリカならアメリカ、日本なら日本でどれくらい利用されるかというと、どうも国力に応じ、それから人間の習性と申しますか、何かによつて大体きまつて来るもののようであります。例えば自動車……、新谷委員は、テレビが各家々にずつと入らなければならんと考えておられますが、私はどうもそういうテレビジヨンなんかはそう各家庭に入らないと思う。やはり官房長官も言われたように学校とかバーとか、それから料理屋でありますとかレストラン、そういうような所、公衆的な所にだけ備わつて、各家庭に入りにくいのではないか、値段の関係や何かで……。まあ例えばピアノなんかというものは、どうも持つておる者が割に少い、外国では殆んど持つておる。自動車も持つておる。日本人はどうも自動車ぐらい、或いは音楽を楽しむにはまあ蓄音器ですか、あの程度でどうも細るのではないかと思います。飛行機なんかもそうであります。初期においては複葉だの単葉だの、水上飛行機だ、飛行艇だとか、随分議論がありました。どれがいいとか悪いとか、或いは発動機にしても単発がいいか双発がいいか、多いほうがいいか、そういうふうなことで相当の技師が、単発のほうがいいのだ、余計に発動機を持つとそれだけ故障が多くなるからというような、実に私から見るとおかしな反対論を唱えていた人が、れつきとした技師の中にあるのであります。こういうことはなかなか将来のことはむずかしい。ただ先を見通す人によつて初めてわかるのだろうと思います。細かなことは申しませんが、私、その時分の金で数千円或いは一万円以上の金を何とかかんとか工面してこしらえて、而も命がけで飛んだ男であります。それから見るとテレビジヨン、非常に高いものでありますけれども、そういうものが出て来て一生懸命やる、そうすれば発達して行くのではないか、それが時期尚早であるから暫く待てということは、どうもいけないように思うのです。まあやらして見るという……少し無頓着と言いますか、用心が足りないというか、新谷委員あたりから叱られそうでありますが、どうもとにかくやらして見るということが大切じやないかと思うのであります。それで無線電信等においても、初めに二十何年か前にラジオが入つて来て、私も鉱石のようなものをやつて一生懸命聞いていた。そのうちにアメリカからどんどんと古いものが入つて来て、いろいろ組立ててそれから初期のものをやつた。そのときには電燈から電源が取れないで、セコンダリー・バツテリーを使つて苦労しておつた。これはどうしてもいけない、電燈から取れるということは、我々の頭によく映つておりました。そんなことで、テレビもカラー・テレビがいいにきまつておる。機械的にやるか電気的にやるか、これは電気的にやるにきまつております。そういうことのいろいろこの辺を見究めて進んで頂きたい。さつき鉄道の例をとりましたが、鉄道が狭軌で、今でもあれが広軌であつたらどれだけよかつたかということ、電気のほうでは五十サイクル、六十サイクルで苦労しでおるというような、いろいろ不自由がありますから、そういう轍を踏まないような方法に進んで頂きたい、こういうふうに思つております。どうしてもこれはもう公聴会にでもかけて、そうしてどんどんと進んで行きたいというのが私の希望であります。昨晩のラジオでは、電波監理委員会では公聴会を開くということをラジオで言つておつたように聞きましたが、そうでありましようか、ちよつと委員長に……。
○政府委員(富安謙次君) 私実はラジオを聞きませんでした。何か私どものほうでかねて考えておりまして、この席におきましてもお話申上げました諮問委員の顔触れ等について放送されたということだけは伺いました。実は若しお許しが頂けまするならば、この際私といたしましてテレビの問題に関しまして委員会の考えておりまするところを一まとめにしてと申しまするか、先ほどもだんだんと恐縮いたさなければならないような言葉を頂いたのでありますが、それらもありまするし、かたがたいたしまして、私どもの考えをこの際申述べさして頂くことをお許し願えれば大変仕合せだと思います。
○委員長(鈴木恭一君) よろしうございます。
○山田節男君 その前に、今尾崎委員は、私が時期尚早論だというように印象されておるのですが、非常に部分的な取られ方であつて、私は時期尚早論者ではない。もう何遍も申上げておるように、今回の電波監理委員会の標準方式の試案の出し方が、そこに私は慎重さを欠いておると申上げておるのであります。ですから早くやりたいということは、もう国民の望むところであろうし、又我々も実際に早くやりたい、問題は電波監理委員会がああいうような方式で出したということについて僕は異議を申立てております。これが早く成規の手続をやつて、或いはその他のこれに附属する電通省の問題とか或いは大蔵省の問題、こういうものが片附けば、これは一時も早いほうがいい、その点で私は慎重ということは言えるかも知れません。慎重論者である。殊に今自動車、飛行機の例をお出しになつたが、成るほどそういうこともテレビジヨンについて言えます。のみならずテレビジヨンの進歩は前にも申上げたように、今後の半ヵ年間、いわゆる原子科学が非常に発達して来たために、これからの十年よりも今後の半カ年間が、カラー・テレビジヨンにしても或いは白黒テレビジヨンにしても、革命的に完成される見込が多分にある。これはこの間ミスター・ドナルド・フインクがパリから帰つて来られて言つておりました。あなたお聞きになつたかも知れませんが、ミスター・フインクが、殊にフランスはやはり天才的国民である、フランスがああして八百十九本、四百何ぼでやつておる、そうするとフランスはさすがに天才だ、フランスの最近のカラー・テレビジヨン方式を見て、このアメリカの私がきめた五百二十五本というものに対して自信がなくなつた、アメリカもやつておるけれども、ヨーロツパもこれは恐るべきものだ、こういうことを言つておるのであります。ですからそういうようなことが私頭にこびりついておる。これは最高権威者、RCAのサーノツフ社長が僕に言つた。ですからそういうことから見て、そんなに半年も一年も待てというのではない、そういう意味の慎重もありますけれども、私は今の富安委員長のこの標準方式の試案の但し方の心がまえを速記をとつて私お聞きして、私の意見を開陳しているわけです。お読みになつて頂けばわかる通り、私は時期尚早論者ではないのであります。それは取扱い方の慎重を欠くということを申上げただけであります。これは一つ誤解のないように……。
○尾崎行輝君 私の誤解のようであつたようでありますが、よくわかりましたから……。
○新谷寅三郎君 尾崎委員から私の名前を挙げて反対の意見を述べられたようですから(笑声)私も一言……、これは尾崎委員が余り会議にお出になりませんから、あとで速記を御覧になりますと、私の言つている意味がよくおわかりになると思うのですが、今お話のように、例えば鉄道の例をお引きになりましたが、山田君が再々言うように、標準方式をきめますのは鉄道のゲージをきめるようなもので、これは事実だと思うのです。それだけに今日であれば、あなたもおつしやつたように、広軌であつたらもつと速かも出るだろう、動力も増すだろう。今日は広軌にしたいかも知れませんが、これはできない。一旦これをきめてしまつて或る程度国民に普及してしまうと、間違つたからあとで取換えるというわけに行かないのです。ですから私はこのテレビジヨンのスタートに当つてあらゆる基礎的な調べをし、そうして間違いのない実験もして、そうして国民にこれは間違つたということのないようにしなければならんという意味で私は慎重論を繰返しておるのであります。丁度あなたのおつしやつた例を引いてもおわかりになると思うのです。 それからテレビジヨンが一体どういうふうに普及して行くかということにつきましては、これはいろいろ見方もございましよう。併し私たちはここで論議しますのは、テレビジヨンに対する政策の問題を論議しておるのであります。放つておいてどうなるだろうかという見通しの問題のごときは、これは我々論議すべきものじやないと思うのであります。政策でありますと、その一つの目標を持ちまして、そうしてこういうふうにテレビジヨンは普及せしめたいのだ、それには国会なり或いは国家機関がどういうふうな措置をとればいいかという政策を我々は討議しておるのであります。放つておけばカフエーとか集会所のような所でしか或いは持たないかも知れません。併しそれは我々は望まないのであります。もつと国民の生活の上に文化国民として持たせたい、見せたいというならば、これは国民的に努力しなければならん。そういうふうな一つのポリシーを持たなければならんと思います。カフエーやレストランに行く人の種類は大体きまつております。銀行会社に行く人の種類も大体きまつておりますし、大体勤務時間というものもきまつております。まさかカフエーやレストランに朝早くからテレビジヨンを見るために行く人もないだろうと思いますし、銀行会社でテレビジヨンを見るために居残りをする人も少なかろうと思います。そういうことがあつては困ると思います。ですから大きな対象というものは やはり国民に基礎を置かなければならん。そうして国民全体の文化水準を高めるように我々は政策として努力をしなければならんということを、私は将来の目標として行くべきだという主張を持つておるのであります。従つて尾崎委員のおつしやつたテレビジヨンかとう普及するであろうかというお見通しの問題については、放つておけばそういうふうになるかわかりませんが、この点は同感でありますけれども、てありますから国会の我々といたしましては、そういうことではいけないと思う。もつと国民的に普及させるには、孜々としてはとるべき態度かあるではないかという方針について論議しておるのでありますから、この点は誤解のないようにお願いしたいと思います。
○尾崎行輝君 私の趣旨を放つておくようにお取りになりましたが、これは新谷委員のお聞き違いと思います。放つておかない程度にリードして行くのであります。ただその種類によつて国民の受ける程度から推定して、私はこうなるだろうという私の推定を最初に申上げたのでありまして、是非ともそこに行かなければならんというものではありません。 それからこれは先のことでございますからどうなるか、当るか当らんかわかりませんけれども、公衆的な所でテレビジヨンを見るということは、これはまあ大本であろうと思います。各家庭にあるということはちよつと日本では望めないと私は存じております。なぜかと申しますと、ラジオというものは特に私ともも家庭では殆んど聞かないのであります。家に帰つてからちよつと聞くぐらいのことでありますけれども、ラジオならば家庭にある限り、家庭において一番聞いておる者は主婦ではないかと思います。テレビジヨンになりますと、今度は見ておらなければならんので、仕事ができないという問題も予想されますので、私はそれらの点から、実際的にはそう新谷委員のように、家庭に入つてテレビジヨンで教養を高めて行くというふうには望めないのではないかという実際的の私の推定なんてあります。まあそれらはとにかくとして、富安委員長の御意見を伺いたいと思いますが、如何ですか。
○政府委員(富安謙次君) では先ほど申上げました趣旨によりまして、この際委員会の考えておりますものを重ねて私より申述べさせて頂きたいと存じます。 先ず以て当委員会におかれまして先般アメリカの実地を御覧になつてお帰りになりました委員の各位を初め、委員の皆様かたから始終貴重な御意見を拝聴させて頂くことができまして、私どもといたしましては誠に有難く感謝をいたしている次第でございます。 電波委員会はテレビジヨンの問題につきましては、このテレビジヨンは日本の経済、産業、文化そのほかあらゆる方面に重大なる関係を持つている事柄であることに鑑みまして、各方面の代表的な御意見を伺うために、テレビジヨンに関します委員会のプライベートな諮問機関を持ちたいと考えまして、それぞれの権威あるかたがたにお願いをいたしまして御承諾を得ました。そのかたがたのお名前をこの際申上けさせて頂きたいと思うのであります。安部能成氏、石川一郎氏、石坂泰三氏、大橋一郎氏、大山松二郎氏、佐藤喜一郎氏、津田正大氏、八木秀次氏、これらのかたがたであります。これらのかたがたから忌憚のない御意見を聞かせて頂きまして、委員会か職責を行なつて参ります上に万遺憾なきを期したいと存じている次第であります。 それから黒白の標準方式については、かねてお手許に配付申上げました資料にも書いてありますような段階を経まして、今日までにおきまして私ともの考え得る限り、でき得る限りの手段を尽して考究をいたしました結果、一応の意見を取りまとめまして、それて近くこの案を公聴会にかけまして、十分に世論のあるところを問い質しました上で、委員会としての最後の決定をいたしたいと存しております。このことは日本に対してできる限りテレビジヨンの実現を早くさせたいという考えからいたしまして、私どもといたしまして先ず第一にいたすべき準備であると考えたのであります。かくしまして標準方式を世論に問いますと共に、他方におきましては、法律に設備に関する技術、基準を定めること、それからテレビジヨン放送局の開設の根本的基準を定めること等をいたさなければなりません。これらを規則として制定いたしますためには、それぞれ法律によりまして公聴会を開かなければならないことは御案内の通りであります。又これららの規則の制定につきましては、事柄の性質からいたしまして、その準備といたして広汎な技術的な試験研究その他諸般の調査をいたさなければならないのであります。これらの事柄を了しまして、テレビジヨンに関しまして主管官庁といたしましての準備態勢が一応整うというわけに相成るのてございます。この準備の整いましたところて、申請者から出ておりまする申請を審議するという段階に入るわけでございます。その申請の審議に当りましては、当委員会におきまして承わりました御趣旨等も十分に考えまして、慎重を期するということは事柄の重要性に鑑みて申すまでもないことであります。かくのごとくいたしましていわゆる申請を許可するか否かという段階に入るわけてありまするが、これらの経過を経まする間におきまして、前申しました諮問機関の意見を十分に聞きますとか、国会において伺うことを得ました御意見を尊重いたしまするとか、その他委員会が持ち得るあらゆる資料、あらゆる材料によりましてこれらを勘案いたし、あらゆる角度から検討を加えまして、テレビジヨンというような重要な問題につきましては、出発において日本の将来を誤るというようなことがないように私どもといたしまして十分な万全を期するという所存でございます。
○山田節男君 今富安委員長からの御説明ですが、私非常に結構なことだと思うのです。それて現在二、三の経営者からテレビジヨンの放送について申請が出ているわけです。これをどう審査されるか。その前にもすでに電波監理委員長並びに電波監理長官の説明があつて、今日国際的に見てテレビジヨンの放送の経営形態は公共放送と商業放送に分れておる。電波監理委員会としてその申請者を審査する、経営形態を将来どうするかということについて何と言いますか、決定なくしては申請の処理かできないと思う。これに対して電波監理委員会としてはとういうようにこれを考えておるか、その点一つ。
○政府委員(富安謙次君) お答えいたします。只今のお言葉のありましたテレビジヨンの経営形態ということにつきましては、電波監理委員会としての考えを持つていないわけではありませんけれども、これを今日この席におきまして、これが電波監理委員会の考えてあるということを申上げないほうがよろしくはないかと考えまするのは、只今申上げましたように諮問機関を持ちまして、全く自由な意見を自由な立場からそれぞれの面から見て後討議を願い、意見の交換を願いたい、こういう態度でおりまするので、その委員会と申しまするか諮問機関におきましては、経営形態のごときことは最も重要なる案件の一つとして必ずや論議されるはずなのでありまして、そういう点に関する意見のどこにあるかということを聞きたいというのが、私ともの諮問をいたしまする趣旨なのでございまするから、それらを十分に考えましたして、委員会は初めて意見を発表するという段階に持つて参りたい、かように存じております。
○山田節男君 これは経営形態という問題は、テレビジヨンそのものから言えばテレビジヨンの放送の運営ということになつて来るのであつて、電波監理その他と切離して考えなければならない。殊に又日本の電気通信の非常に遅れている現状から見て、テレビジヨンの放送局、これはテレビジヨンの全国放送ということになれば中継問題、従つてマイクロ・ウエーブの中継設備が必要になつて来る。これは申すまでもなく日本の今の不能率な電話を改善するのにもやはりこういう問題も喫緊な問題として考えなければならない。通産省・郵政省・政府全体としてのこれはポリシーの意味があるわけです。私はこれは重ねて、時期尚早論者じやない、慎重論者なので、今までたびたび電波監理委員会に苦言を呈したように、殊にこの経営形態の問題なんかということになりますと、これは電波監理委員会の問題として余りに大きな問題だ。標準方式と違います。非常に国家経済に或いは社会教育、これこそ各国のいいところ悪いところ、これは慎重に、むしろ国会がやるべきである。御承知のようにイギリスにおいてああいつたようなビヴアリツジ・コミツテイというものがあります。私その経営形態のデテスカツシヨンを読んでおります。そのビヴアリツジ・コミツテイの中にその証言を求める三つの段階がある。非常に権威のある団体てある。例えばフエビアン・ソサイテイ、こういつたような社会改良主義的な思想団体まで交えて慎重な論議を出しておる。これは独占がいいか或いは複数がいいか、或いは公共放送がいいか或いは商業放送がいいか、これについてももう非常に慎重な態度を以て、私重ねて申上げて置きますが、この問題については過去において標準方式の仕上げにおいて我々が非常に不満を感じたというような不満を再び我々に味わさないようにする、これこそ慎重に一つ処理されんことをお願い申上げて置きます。
○平林太一君 只今山田君から慎重論のお話があつて、至極私も同感であります。それから今富安君の御説明も伺いまして、漸くこの委員会の今日までにいたして参りましたことが最終の段階に到達いたしたということの感じを只今まで受けた次第でありますが、誠にこれは結構なことだと思います。それにつきましてやはり先刻官房長官を招致いたしまして委員会が意見を求めたということに対しましては、国内の現状から国際的にどういう反響、影響があるかということは、来るべき問題としてこれは処理いたしたいというような、質疑応答の結果、招致いたしたのでありまするが、実は官房長官を招致いたしまして成る程度の意見を聞くということの、結果から見ますれば言わば親が思案に余つて子供に意見を聞いたというような程度の問題でもりまして、甚だ私といたしましては、委員会といたしましては余りこれは好ましからざることであると、かようにさえ感じておる次第であります。そういうふうな感じがいたすのであります。併しその結果いわゆる国際的にはテレビの問題は何ら苦慮するほど心配しなくてよろしい、当面の賠償関係等に対する一部の見解の持ち方はありまするが、むしろ国民生活を充実して、そうしてその充実したところから一切の生産産業というものが上り、生産産業によつてむしろ賠償その他に対することの進展の上に寄與するもの石ある。テレビの問題は、要するに教育文化にいたしましても、教育文化を基本としこ経済生産の進展、これが家庭生活の充実を完うできるということでありますから、私は前から考えておりまする通り、やはりこの際実施を促進するということは極めて妥当なことであると、かように考えておる次第であります。只今富安君からもお話でいよいよやるのだということに相成つたのでありますが、そこでやるんだということになりましたのでありますから、非常に山田君が慎重を求められたことにつきましては、私ども国会といたしまして、この際言を厚ういたしまして、是非手遅いのないようにやつて頂きたい。そこで考えられますことは、やはり諮問委員会ということを非常に何か富安君重視されておりますが、私は先ほどもこれはくれぐれも申上げておきましたが、諮問をすること、いわゆるテレビをやることがいいか悪いかということに対して諮問をするということに諮問委員会の重点がかかつておるのである。それからこの企業に対しまして、実施に対しまして、只今申請をいたされております。この申請に対しましてどういうものにこれをさせるかということを諮問することに対して、この諮問委員会に対する目的があるということでありますが、いわゆるすでに前者におきましては委員会が衆参両院におきましてこれほど審議を慎重にされましたので、前者における諮問のことにつきましてはもはや必要は私はないと思います。それて若しそれ必要がないのでありますから、従いまして今度は申請に対しましてどれを選ぶかというような感覚なり予感を委員会が求めるというために、この諮問委員会を重視するということになりますというと、これは甚だ無用の長物であるのみならず、却つてこれは百害あつて一利ない結果を招来することを恐れなければなりません。只今格間委員会の委員のお名前も富安君から卸売長になりましたが、私の感覚を以ていたしまするというと、まあ石川一郎何がしとか数へ述べられてありまするが、こういうものを見ますというと、これはいずれも何か私の感じでは、その申請者に対しまする許可に対しまする一つの諮問、電波監理委員会は何だかこれは圧力を受けて、そうして結果においては足手纏いのような結果になるということを非常に警戒をすべきものであると思います。名前を挙げられた人々の個人的なことは私承知いたしませんか、私は政治的性格の上から考慮いたしまするというと、いずれもこれらの人々というものは時代便乗の最たる者である。戦争中においては自己の信念を以て国家の運命を救うということの気魄の極めて少い人々である。それが今度こういう時代になつたので、時世に羽を伸ばしてそれぞれの面に、あらゆる面に、今日の国家のいやしくも重要な問題にはことごとくこれが名前を出しておる。そうしてやつておる。こういう人の力というものは決してその一人を以て万物に通ずるものではない。石川一郎の使命とするところは石川一郎の特質、特徴とするところの一つ以外になく、二つないのであります。国家がこれを利用せんとする場合は、それを利用することはよろしいが、併しそういうような時代の何かが、羽振りがいいからと言つてことごとくそういう人物を集中することは、曾つて日本が戦争の際にああいうような翼賛政治形態というものが縦横に羽を伸ばして、国家の運命をしてあの侵害の運命に至らしめた。こういう者が、いよいよ登場、採用されておることが無軌奔放に行われますと、我が国の民主主義というものがやがて崩壊するということの不吉な予感をさえ私は感ぜざるを得ない。今回電波監理安貞会がこれらの諮問機関を作り、而も今名前を羅列したことに対しましては、私は国会といたしまして、その一員といたしまして満腔の不平不満を訴えるものてあります国家の、而もこのテレビの進展の問題のために、若しそれ今日において私は富安君及びその監理委員会の諸君が、真にこの電波監理の問題をおのれの持つ最高至上の使命として、今日の国家のためにも誤りなからしめるということを期する覚悟があるならば、今日でも遅くはない、かようなものは断つて然るべきだ。そうしてもう諮問の形態に対しては我々国会。意見をここで徴して、なお且つこれを公開して国会以外の各方面の人々に周知、白昼の間においてこれを公開して論議せられることにおいて十分これは事足りるものたと思います。でありますから、なお且つこれをやるということに対しますというと、諮問委員会というものを立ててやるということに対しますと、先日私が申上げた通り何かこの許可の問題に対しまして、そうして電波監理委員会が一つのやはりそういうものを名分に、名前にして、そうして何か自己の非違を免れんとするかの行為に出るというような結果を私は非常に恐れざるを得ません。でありますから、私は後日のために必ずこの諮問委員会というものを以ておやりになりますというと、許可の問題に非常に重要な圧力となつて来る、そういう結果が現われて来る。私どもはそういう場合に断固としてこれは糾弾せざるを得ない。それよりも今日いわゆる電波監理委員会がそういうようなものに隠れる必要はない。又これらの諸君の智慧を聞いたからと言つて、それ以上今日富安君の持つておるこの遂に対するところのその抱懐せられておるところの御意見というものは、諮問委員会などの諸君の意見よりも遥かに上のものがある。いわんやこの委員会の人的スタツフというものに至つてはそれ以上である。でありますからそういうようなことは高く自分みずからを評価せられまして、そうしていわゆる国会の諮問を徴したそれらのことを十分勘案玩味されましておやりになりまするならば、これは極めて公正公明な途によつてそれが行われるべきものである。私はかように信じますので、この際強く諮問委員会の設置のことに対しましては改めて重要なる反省を求めておくということを申上げておきます。 それから只今山田君からもお話がありましたか、所詮はこれは先刻官房長官を招致して聞きましても、国家予算でやるのでありませんから、これは同じくほんの狐につままれたようなきよとんとしたような顔付きしかできないのはこれは当り前のことである。要するにやる者は今回申請をいたしておるところの会社にやらせる以外にないかも知れない。それともそれを改めて御破算にして、国家施設として、官房長官が、国家予算の中から何十億か出してやるならばこれは格別でありますが、併し今日の法律下におきましては、これは申請いたしております者に対しまする意思を尊重をすることが、やはり具体的には正直に率直に申しますれば、極めて私は国会といたしましては忠実な態度であると思います。ただその形態において山田君も御心配になつておられます通り、公共企業体を選ぶべきか、或いは非公共企業体を選ぶべきか、それとも新らしく公共企業体をテレビの専門のために一つここにそういうものの出て来るような性格を持つておる申請にそれは与えるべきか、いずれそういうことに私は落着くと思います。それでもはや最後でありますから申上げておきますが、やはり今日申請をいたしております状況から見ると、公共企業体と非公共企業体に対しまして、いずれを選ぶかということに対しては、その間隔がありますが、一長一短がある。例えば公共企業体に対しまして、今日申請をいたしておりますることに対しましては、すでに非常に何か官僚独占と申しますか、そういうような一つの公共企業体の独占的形態に対しては、これは非常に一考しなければならないということ。それから然らばそれならば非公共企業体の商業放送でやるということになるということうだろう。山田君が御心配になつておられますように、現在アメリカにおいてはそれてもう困つておる。要するにストリツプ・シヨーが家庭までどんどん入つて来る。そうしていわゆる商業放送としての利益、利潤のみに重点をおいた、ただそういうことのみにおくというわけでもないが、そういう点がないでもないでありましようが、いずれにいたしましても自由、何らの拘束を受けない、国家の拘束を受けないということにおかれますというと、これは非常に残虐無道な事実がどんどん営利者を通じまして各家庭に入つて来るというようなことになつたときに収拾のつかない結果になる。テレビがいわゆる教育文化のために図つたことが、却つて教育文化を破壊するような結果に陥つて来るということは、山田君はアメリカの実情を御心配になられてお話になられたことは、私にも肯けるのであります。それでありますからそういう面を考慮する。それから現在のいわゆるNHKがやつておりまする公共企業体に対しましても、これ又そういうものであるならば、自由奔放な弊害があるならば、やはり国家がセーブできる公共企業体にやらせるということに考えられるのでありますか、NHK自体の、何かこの際いわゆる一般放送も又テレビもやるということに対しましては、これ又考えなければならない事態があるということであります。それてありますから、そういう面を今度公共企業体に委すということになりますれば、テレビだけで公共企業体を作つて行くという、そういうことの又考え方も出て来ましよう。或いは今日申請いたしておりまするおのおののいい部面を全部一つずつ取上げまして、そうしてこれを合体した一つのものとして委せることができる。併し以上私が申上げたことが理想として実現できない場合は、現在出ている一連のいずれかのものに対して、最もいい部面を持つているもののほうにきめて行くというようなことにもこれは相成るのではないかと思います。今日は最終であるから私は申上げているのであります。さてそういうことをするについても、決してこれ以上私は……委員会は公聴会という最も民主的な、そうして公聴会の中にはあらゆる者が包含されております。今回いわゆる委員会が目的としておりまする諮問委員会というものも、公聴会の中には十分にこれは包含されているわけてあります。そうして最も広い民間の多数の意見が公聴会によつて十分にこれは聴取できるのでありますから、ですからこれ以後は公聴会の意見を徴して、そうして監理委員会のあなたがたの持つておられまするいわゆる識見なり又は調査の実力なり抱負を持つておきめになられるということが私は極めて妥当であると考えるのであります。そういう点につきまして、私はいわゆる慎重論に最も賛意を表し、それから速かにこれは促進するということに対しましては、私はやはりなかなか困難な問題も促進ということにさてなりますとあるでありましようが、幸いにいたしまして申請が出ておりますから、これらの申請をして十分に実力を発揮せしめまして、そうしてこれらはいわゆる民力でありますから、民力の高揚暢達を委員会といたしましては大いにこの際図りまして、そうしてこれが実現することにぐんぐん一つ進めるということを私はこの際申上げさせて頂きます。でありますから、今の諮問委員会に対しては、この際一つ決意決断を以て御破算にしまして、そうして聴聞会一本でおやりになるということを一つこの際申上げておきます。但しこの際富安君及び委員会の諸君に、これに対する説明の答弁を伺うということは私みずから遠慮いたします。さような軽卒な問題でありません。本日御返事を伺うというような……。でありますから幸い私の意見を、それを御相談になつて、いいと思つたら御採用になる。それから悪かつたというので御採用になりませんならば、私は他日の機会におきましてこれに対しましては十分監視をいたして、又私の今申上げたことに対しまして改めた機会におきまして十分なる糾弾を行うということを申上げておきまして、委員長に対しましては私は答弁を求めません。
○水橋藤作君 今平林委員からいろいろ御意見を述べられましたが、その中て官房長官を呼んだのはおかしいというような発言のようでしたが、これは私が希望したので、而も私がほかの事情で遅れて来まして恐縮なんですが、これは委員会の総意でやつたことでありまして、その点誤解のないように一つ……。了解を頂きたいことは、先ずテレビジヨン問題、このくらい大きく国民に新聞報道その他に伝えられている問題であるにもかかわらず、政府としてはどういう考えを持つておられるか、今日本の経済財政方面から比較して、このテレビジヨンというものは日本にどれだけの必要性があるか、政府はこれに対して援助する意思があるかどうか、そういつた方面の政府の考えを一応聞いておく必要があるだろうという考えでお伺いしたのであつて、決して委員会としてはただ軽卒に、面白半分に官房長官を呼んだというふうな考え方には、我々は平林さんの御意見には納得できない。その点は平林さんに御了解願つておきたいと思うのてあります。
○新谷寅三郎君 この委員会が何か討論のような形になつてしまつたのですか、私は討論をするつもりはないのであります。富安委員長の報告を聞きますと、監理委員会として何か今お話のような程度まで準備措置がまとまつて来たというように私は承わつたのであります。それて行政権の範囲内でこういう措置を近日進められるということは結構であります。私も極めて慎重に而もそれを促進すべしということを再再申上げておつたのであります。その意味においと私は富安さんの話を伺つたのであります。一応結構だと思います。そこで私からお尋ねしたいのでありますが、これは今日は余り時間もないようでありますから、他の機会に譲つてもいいし、或いはこれは文書で以て頂いたほうがなお結構だと思いますか、再々私か申上げております点は、要するに極めて慎重な態度を以て促進をされるのにどういう方法をおとりになるかということを私は心配しているのであります。で、一、二の例だけは今お聞きいたしました。併しこれは各委員からも言つておられますように、単に電波監理委員会たけてすべての問題をきめてしまうことのできないような広範な分野があるわけでありますから、この点について私は政府の意見を聞きたいのであります。先ほど岡崎さんといろいろ話合いましたが、岡崎さんは十分また御承知かないと見えまして、私の言つたことに対しましても十分な返事はできなかつた。これはまあ岡崎さんの立場上そう言つても止むを得ないと思います。併し政府としてはこれを実施に移すべく第一歩を踏み出したという以上は、先般の懇談会で話合いをいたしましたように、例えば受像機の国内生産化の問題、或いは技術者の養成の問題、或いは中継の問題、それから技術基準を確定するための実験の問題、或いはそれに関連する各般の調査、試験等の問題、これは実に広汎に亘る問題でありまして、必ずしも電波監理委員会だけではできると思いません。従つてそういう問題について私とも数十日間ここで話合つて来たのですが、その点についてはまた政府のどこからも私は回答を頂いておりません。従つて私の心配はまた解消しないということになるのであります。これらの問題につきましては、政府でこういつた国家的な国民的な仕事に手を著ける以上は、それに関連する各行政分野とも歩調を揃えて、そうして一つの腹案と申しますか、一つのものを持つてなければできつこないのであります。でありますから、各官庁ともお打合せの結果、私の今指摘しましたような点について、具体的にどういう段階でどういうふうなステツプを踏んでこれを実現に持つて行こうとするかということについて更に私はこの機会に質問いたします。これについてあなたのほうで現在御準備かあれば早速それを資料として御提出願いたいのであります。こういうことをやりますということを御提出願いたい、これは私の希望として申上げます。若しその結果私が更にそれらの問題について意見がありますれば関係官庁と又審議をしたいと思うのであります。 それからもう一つは、これは秘密会で行なつた懇談でありますから、その内容をここに逐一は申しませんが、政府委員のほうから私の質問に関連してお答えになつた一つに、今度のこの措置によつて政府としては相当この政府の責任において、只今電波監理委員会の責任におきまして実験放送をやるべく考えておるというような意味のお話があつたのであります。それについてはどういうふうな形で、そうして今度の標準方式を一応公聴会にかけて電波監理委員会が実験をせられますのか、その点だけ富安委員長からこの際ここで答えて頂きたいと思います。
○政府委員(富安謙次君) 最後にお述べになりました実験放送のことであります。で実験放送ということが、実用化試験ということとは又別なのですか、そのちよつとどういうような……、実験放送と申しますのは先ほど申しましたように……。
○新谷寅三郎君 これはここで又懇談会における議論を蒸返すということは……秘密会でもありましたから私は避けております。これはこの委員会におきましても、秘密会におきましても私はしばしば申上げたのであります。長谷長官からお答えがあつた問題であります。これはこういう誰がどこで実験をするかというようなことを言うのじやありませんが、その施設を申請しておる人たちが、すべて自分たちが実行する一つのプロセスとしてそうして試験をする、これて本当に電波が出るかどうかということを試験するという意味で、新たな実用の試験ということを言つておられるとしますれば、そういう意味ではないのであります。電波監理委員会が来年度は相当の予算を計上して実験研究の費用に当てたいという考えを持つておるのだ、今要求中であるということもお話になりました。通産省でも同様のことをやつとおるということを聞いております。でありますから言葉の用語はまた熟しておりませんから実用化試験とか何とかということになりますと、又聞違いがあるといけませんから、私の申上げておるのは電波管理委員会が主管庁として自分の責任において実験放送のようなものを、この併進方式を一応公聴会できまつた後におやりになりますかどうですかということをお聞きしておるのです。
○山田節男君 議事進行について。今新谷君の質問、私尤もだと思いますが、従来の参議院の議事規則の慣習として秘密会の議題を一般委員会でやるということは秘密会の意議がない、これは厳に守らなければならん重要な問題ですし、私も所信もあるのだが、どうですか、委員会で秘密会の議題は取上げない……。
○新谷寅三郎君 秘密会でなしに、秘密会でも問題になつたけれども、これはこの委員会でも再々公開のときに申上げておる。その点は秘密会においても議題になつたけれども、これは画然と区別できる問題ではなくて一貫した問題だから……。
○山田節男君 議事進行について申上げておるので、従来の慣例からいつて、これはもう我々としてもこれは電波監理委員会でいいといえば異議ありませんよ。その部分は秘密駅談会でやりましたけれども、オープンでも言えますというならばいいのですけれども、併し今までの議事の進行上或いは議事の慣例として、秘密会で言つたことを一般委員会で言うということはこれはものによつて政村委員がいいといえばいい、そこは委員長として注意して進行されたいということを私は言つておる。
○委員長(鈴木恭一君) 電波監理委員長如何でございましようか。
○政府委員(富安謙次君) 只今新谷委員のお尋ねの点に関する限りは電波監理委員会としましては秘密会において出ました問題でありましても触れても差支えないと存しております。
○委員長(鈴木恭一君) 御答弁を願います。
○政府委員(富安謙次君) ほぼ了解をいたしました。秘密会においてお答えを申上げましたのは、こういう機会であつたと存します。電波監理委員会におきまして予算に調査、実験のための費用を計上いたしております。そのことに触れて予算を取つておるのであるから、それを使つて実験をするということは当然考えられるという意味において申上げたのではなかつたかと私は記憶いたしております。そういう意味におきましてならばまさしく実験はしなければならんことと考えております。先ほど私が申上げました基準を作るとか根本的標準を作るとかということにつきましても、広汎なる技術試験的な実験、調査等を要すると申しましたのは、そのことにも関連をいたすわけでありまして、そういう意味におきまする試験或いは実験というものはいろいろ必要に相成ることかと存しております。その予算をどういう方法において使うかということにつきましては、またここで申上ける段階ではありませんけれども、ずつと予算を取つておるのだから、その予算を使いまして、それが只今仰せになりましたような実験、試験、調査、そういうことに使われる目的であるということは申上けられる程度てございます。
○平林太一君 先刻水橋君から私に対する御注意がありまして、これは了承しろというので了承いたします。それから新谷君からのお話でありました、質疑であるとか討論であるとかというお話でありましたが、併しこれは質疑であるとか討論であるとか別に分けてない、それから物事の是非のことを諮るについてはそれは討論のような場合もあるし質疑のような場合もあるというのでありますから、今日は別に討論はいけないとか質疑はいけんというのでないのでありますから、その点は私から私の名誉のために申上げておきたい。私全体といたしましては、先刻尾崎君のお話がありましたが、私極めて妥当だと思います。要するに何か物を起そうとする場合にあつては、計画する企業者、或いはこのような場合は電波監理委員会たけて何かこれをやるのだというような大それた考えを起してはいけない。要するにこれは国民の民力がこれを消化するかしないかということにこれはかかつてあるのであります。ところが我が民力というものはそれが必要なるものでありますれば、いわゆる物の高いとか安いとかというようなものは克服してしまう。現にラジオのようなものも初めにおきましては極めて地方の僅かの有力者にしかこれが利用されていなかつた。ところがこれは我が民力がラジオを消化いたしまする消化力の旺盛のために、今日は全国のこの国民生活の中になくちやならないものになつちやつた。それでありますから恐らく私はテレビのごときものも国民生活の中になくてならないものにこれがなつておる。それからそれが大衆的になつて行きますれば、いわゆる民力みずからによつて低廉にこれを利用することを自然に裏付けてしまうのであります。これは少数のいわゆる利用者でありますれば、一つの企業といたしましても、何としましてもこれに高い負担をかけなければやつて行けない、併しこれが多数になればみずからつまりこれは要求せずして低廉なるものによつてやつて行けるということは、企業家がやつて行くのではない、利用する消化力が、つまりそのように多数の力によりまして安いものにしてしまうのだ。それでありますから、これは今回のテレビのこの実施に対しましては、私はそこに深い、いわゆる民力というものに対しまする極めて謙虚な態度を以ちまして、電波監理委員会はこれか実施に対しまする方向をおとりきめになるべきだと思います。決して今申上げた通り、何か大きなことをそれらの双肩によつてやるのだというようなことの一つお考えでは、全然今まてのことは皆間違つておる。皆一つ下の国民全体の個々の力によつてこれかできるのだ、そのやつてもらうことを我々か職務として事務的な取扱いをするのだというふうに、平易に一つこれは極く身を低ういたましてこの際お考えになつて、そうしてその方向をおきめになられるということを私は強く要望するものであります。でありますから、実施に対しまする対象に対しましては、それからそういう感覚、角度から行きますれば一つの成案が出て来るはずである。人の知慧を求めないでも、いわゆる民力、多数の人々が最も幸福、最もテレビの恩恵を受けてそうして最も低廉にこれが利用をできるということになりますれば、その企業形態はどういうもので作つて行くべきか、又どういうものに許可すべきか、併しこういうものは出ておる会社、いわゆる申請しておる会社以外にはどうするというわけにも行かないのでありますから、選挙と同じて、立候補者以外には投票できない、でありますから、現在申請しておりますのに対して、取捨選択よろしきを十分に、そのエキスになるところを取上げまして、(「議事進行」と呼ぶ者あり)そうしておやりにならなくちやならない。それは大衆的なことですからこのことを私は申上げるのでありますから、真剣なる態度で、これをあえてお話申上げて置く次第であります。
○委員長(鈴木恭一君) テレビジヨン実施の問題は極めて重要なものであることは申すまでもないのでありまして、過去一カ月に亘りまして当委員会各位が執心に標準方式を中心として御討議頂きましたことを委員長として感謝いたします。 只今申上げましたように実施に対しましては極めて慎重なる態度を持たなければならないことは申上げるまでもないのでありまして、委員会におかれましても、当委員会で論議せられましたことを十分体せられまして、万遺憾のないような措置を講じて頂きたい。これを要望いたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後一時三分散会