電気通信委員会 第12号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/11/17
会議録
○委員長(鈴木恭一君) これより会議を開きます。 電波行政に関する調査を続行いたします。この際先に当委員会から要求いたしておりまして、お手許に配付してございます標準方式につきまして電波監理委員会の御説明をお願いいたします。
○山田節男君 標準方式の説明を電波監理委員会から伺う前に一応私確認しておきたいことがあるのです。と申しますのはこのテレビジヨンの根本問題の標準方式の試案を電波監理委員会で出すその前に、私は電波監理当局の意向を伺う前に一応確認しておきたい。それは前の一回か二回の委員会で今日のいわゆる電波三法で電波監理委員会が一応この電波、無線に関するために特別に作られた委員会としてそのテレビジヨンの所管の問題になると、これはもう異議はないのです。ところがこのテレビジヨンという問題は、これは単なる技術上の問題だけでない。このテレビジヨンが、それによつて起るだろういろいろな問題があること何遍も申上げた。そこで私はこの第七国会で電波三法が当院の電通委員会において論議された速記録も概略見ました。その中で僅かに新谷委員がその放送法の審議に当つてただ一回だけテレビジヨンのことについて述べている。その質問の要旨は、この放送法は将来テレビジヨンを実施するということが、そういう時期が来るということを予想して作つたものであるかどうか、こういう質問でございます。それに対して当時の小澤電通大臣は、勿論このテレビジヨンというものが将来必要になりますれば、やはりこの放送法によつて放送にこれは含まれるのだと思います。こういうこの一項だけしかありません。それから衆議院の電波三法の速記録、これは非常に厖大なものであります。両方とも厖大なものでありますが、その中には新谷委員の言われたような具体的な質問は一つもない。御承知のようにこの電波三法を見まして殊に放送法は、これは日本放送協会のために作られたようなもので、概念的に私はもうそういうように印象を受けております。勿論あの中に一般放送という放送業務ということもありますが、テレビジヨンの問題も含めて僅か二カ條しかない。こういうような点から見て、私は今日の電波三法の建前において果してこのテレビジヨンを電波監理委員会がこれを決する、これはできるものであるかどうかということを申上げたい。成るほどこの電波の施行規則、或いはこの放送局開設の根本基準等がありまして、テレビジヨンの或いは基準の用語も入つております。ですからそういうような末端の規則においてはテレビジヨンも含まれておるように見えるのであります。ところがこの電波法或いは放送法というものを幾ら熟読しましても、これは曲解すれば、語弊があるかも知らんけれども、曲解すればテレビジヨンが入ることは勿論、又電波監理委員会の設置法なんかを見ましてもそういうように解釈はできます。併しこれはもう私何回も繰返すようにこのテレビジヨンの放送について根本的にこれを一応きめておかなければ仕事にならんからして一応これをきめておくのだというのが前の富安委員長の御説明であります。それはその通りでありまするが、きめるだけではこれは何もならない。これを早晩実現するということは我々としても希望するところであります。併しそれには今日日本の置かれておる経済或いは国際情勢、殊に今日対日講和の批准の問題が日本において或いは外国においてこれから問題になるので、そういつたようないろいろなフアクター、或いはテレビジヨンによつて起るいろいろな産業上の要求がございます。従つてこれに伴う経済上の問題であるとか、それから前の委員会で各委員からも言われたように、又日本に発表されておるいろいろなテレビジヨンに関する論説、そういうものを見ましても、金がかかるということはこれは皆一致した結論であります。而もそれが生やさしい金じやありません。テレビジヨン・セットにいたしましても、たとえ五万円でできるにしても十万台買えば五十億の金になる。そういうようなことをやらなければテレビジヨンというものはこれは普及しない。殊に電波法或いは放送法から申上げれば、成るほど電波放送はこれは公共の福祉を目的としなければならんということは、これは根本原則であります。そういうようないろいろなフアクターを考えて私はこの電波管理委員会がここに一つの試案を出すであろうと思う。そういう建前からいつて私は、殊に標準方式というものについては勿論電波監理委員会が多年研究されて、それから国内においてもあらゆる権威者の意見を総合されてここにお出しになるものだということは了解します。併しそれは我々が申すまでもなく、テレビジヨンの現在の標準方式はいろいろありますが、どれが正しいかという結論は出ていない。又恐らく数年後もまだ出ないかも知れない。併し我々今日の国情に副い又経済事情にマッチし、又電波法或いは放送法の根本理念とする公共の福祉のために使うという態度は飽くまで堅持しなければならんだろうと思う。そういうわけで私はこの電波監理委員会がそういう状態の中においてここに標準方式の試案を国会に報告する、こういう建前で私は今から説明されるであろうと思いますが、先ずその前にこの標準方式というものはどういう建前でこれを出すのか、或いは法的根拠はどういうので出すのか、今日まで一体どういうような技術的な経緯によつたのか、こういう一つのイントロダクシヨンがなければこれは審議に入るべきものではないと思う。これは単なる電波管理委員会の管轄であるかどうかというそういう小さい問題ではなくして、御承知のように我々がこれを審議するに当つては電通省の問題、郵政省の問題、殊に電通省にとりましてはこれは全く一つの革命的な変革を要求されておるのじやないか、そういう観点からこれを先ず説明される前に、どういうようないきさつからそういうようになつたかということ、それからなおこの問題はアメリカのような先進諸国におきましても、このテレビジヨンの標準方式についてはもとより、日々の進歩にマッチしてどういうようにこのテレビジヨンを進歩させるかということについてはFCCにおきましてもいわゆる合同技術諮問委員会、ジヨイント・テクニカル・アドヴアイドリツク・コミテイというものがありまして、斯界の産業或いは科学者、行政者、こういうものがFCCを中心として真剣な研究を続けておる。そういうような態勢を以てFCCの足らざるところ、又満たざる点を補つて、より完璧なものにしようということを期待しておる。然るにこれを電波監理委員会の今我々の手許に配られたスタンダードの試案が決定されるまでの日記的なものを私たちここに見ますけれども、これ以外にも私はいろいろ研究されるものがあるだろうと思う。そういう点を一応一つ明らかにされて、それからこの試案の御説明を願うようにして頂いたほうが、最高立法府としての我々としてこれは審議するために最も妥当じやないか、私はかように考えますので、一応委員にお諮り願いたい。私はさように決定してそういうふうに始めて頂きたいとお願いいたします。
○委員長(鈴木恭一君) 如何でしようか、只今山田委員から試案として今お手許に廻つておる標準方式の説明を電波監理委員会がする前に、そこに至る動機と申しましようか、今日までのいきさつと申しましようか、研究された過程、なお電波三法という見地からどういうふうに電波監理委員会が考えておるか、その点についての説明を標準方式の説明をする前に伺つたほうがよろしいでしようか。
○新谷寅三郎君 これは委員長がこの問題に対して今後どういうふうに進めて行くかという考え方に影響があると思うのですがね。それは私も実はこの標準方式の決定につきましては、この内容だけではなしに、これに関連して政治的に或いは経済的に考慮しなきやならん点が多々あると思うのです。例えばまあ今日平和条約の承認要求があつて審議をしておりますが、ここでやはり各国に対する日本の賠償問題があるわけです。日本は賠償能力がないというような進み方をしておるわけなんですが、それとこのテレビジヨンというものとの関係を政治的にどう考えるか、この点については政府の責任者から日本としてこう考えるという態度を明瞭にしなきやならんと思うのです。そういう点がなお他にもたくさんあります。ですからここでただ標準方式の説明を聞くとか、或いはこの前におやりになつたような各官庁から、例えば電気通信省からマイクロウエーヴの説明を聞くとかということだけでは、この委員会としては一向その結論に達しないので、今後この委員会でこのテレビジヨンの審議をどういうふうにいたして行くかということできまるのじやないかと思うのです。で私もこれは今目標準方式の説明を聞くのは結構です。併しそれによつてこの委員会がどういうふうにして審議して行くかということをきめられたほうが、今山田委員の提案の問題を処理するのに先決問題じやないかと私は考えております。
○委員長(鈴木恭一君) 委員長といたしましては、結局皆さんの各委員の御意見によつて審議の方法を考えて行きたいと思つておりますが、只今まで私が了解いたしておりまする点を率直に申上げますと、要するに電波三法というものは多少只今山田さんが申されたように完全であるかどうかということに対しては私も疑問を持つております。併し明らかに電波三法はテレビジヨンを一応放送法のうちに包含いたしまして考慮していることは事実であります。そういうふうな意味においてその電波三法によつて電波監理委員会がテレビジヨンというものを実際の行政の面に活かそうとしていることは、これは事実だと思うのであります。従つて前に民間放送、いわゆる音の、ヴオイスの放送認可当時におきましてもテレビジヨンの申請があつたのでありまして、これは言うまでもなく電波三法に基いて申請がなされておるわけであります。従つてこの問題は行政官庁として政府が行なつている、これを法律の面において論議があるならばともかくといたしまして、政府がそれに基いて行政を行なつておりまする場合に、一応私は政府がどういう意図でこれを進行しているか、結局標準方式というものも、これが決定をするというわけではないのでありまして、その三法に基いて行政官庁が一つの考えを持つているということを聞くことによつて、我々としてはそこに更に一層突き進んだ法律の問題、そういうふうなものも出て来るかも知れない、これが我我の研究の過程として当然なすべきことではないか、そういうふうな行政の態度というものがわからないのに、わからないということはちよつと語弊があるかも知れませんが、そういうふうな状態を見ながら我々としては審議をして行くべきではないか、それが国会の態度ではないかというふうに私は了解いたしまして、政府の所信と申しまするか、行政の実態というものを先ずつかまなければならないという意味において今日私は標準方式の説明を願おう、而も当委員会といたしましては資料を要求しておるのでありまするから、その資料の説明を求めることはこれを当然なことではないか、勿論この問題には新谷委員の言われたようないろいろの面からこれは考察する必要があると思います。而もその標準方式はそれによつて決定されるものではないのでありまして一応の案というものが政府になければ今後の調査研究と申しましてもなかなか結論に到達することは困難ではないか、言葉を換えて申しますれば、そういうふうないきさつとか科学的な研究というものを、恐らく政府としては考えておられると思うのです。そういうふうなことに対しましても一つの試案と申しまするか、電波監理委員会の意図が奈辺にあるかということがはつきりいたさないことには話が進展しないのじやないか、かように私は考えております。
○山田節男君 それには今も新谷委員が言われたようにテレビジヨンがどんなものであるかということについては、これはもう朧気ながらも我々は常識で知つている。問題は今日の日本の状態において、それからこれはテレビジヨンは電波監理委員会の管轄だから行政的な、政府の意思はどうであるかを見なければわからんとおつしやるが、その前に我々考慮すべき問題があるから私はこういうお願いを申上げておる。このテレビジヨンを一旦やるということになれば、これはもう文部大臣或いは通産大臣、運輸大臣、電通大臣、郵政大臣、あらゆる所管関係のもので、これがテレビジヨンは電波三法でできるのであるから、電波監理委員会の主宰で然るべきところに諮問をして政府に出せばこれが政府の意思だ、こういう簡単なものでないから私はそういうことを申上げておる。そういう簡単なものでありません。そこに今委員長とこのテレビジヨンの問題に対する認識の違いがあると思います。いわゆるこれは政府がどういう態度をとるか、どういう方針をとるのだ。私この間佐藤電通大臣にマイクロウエーヴ或いはコアクスイアル・ケーブルによつて電信電話を改善する、能率を挙げるということについてどういう態度をとるのか、殊にTVに併行してどういう考えを持つておるかということを言つたら、はつきりしたことを言わない。こういうようなことでテレビジヨンの問題をどんどん進めて行つた場合に将来どうなるか、混乱が起るのみです。ですから私は今新谷君の質問されるのも恐らくそうだろうと思いますが、その前に政府として一体政策をどうするのか、態度をどうするのか、このことを諮らなくて一電波監理委員会でこういう大きな問題を、総理府から外局として任されたからやるのだ、これがもう官僚的です。少くとも立法者としてそういうことを軽々に扱うべき問題ではない。これこそ民主主義に非常に反したやり方である。殊に一九四一年にいよいよテレビジヨンの商業放送を許す、これに対するそれまでのFCCのあれだけ厖大な調査、一般に公表したあの聽聞会なり或いは調査報告書を見まして、実に苦心惨憺である。ここに白黒のテレビジヨンの標準方式は僅かにパンフレット二枚しか出していない。こういうようなものを、僅かこれだけのものを国会に出してわかりはしません、我々はこんなものを見たつて。こういうようなやり方が私はどうも民主国会としての我々電通委員会に対して承服しがたい。もう少しわかりやすく、こんな謄写版の藁半紙に二枚か三枚のものを作つてこれを審議するというようなことは、そんなべらぼうなことはありません。そういう態度がいけない。のみならずもう新谷君も指摘されましたように、もつと重要な問題を考慮されるのがこれは立法者の建前である。こういう問題を殊にこういうアメリカのまるで第二版のようなものは、これはもう目をつむつていてもできる。我々はこういうことを審議するのではない。もつと国策的な部面を一体どういうふうにしてこれを、放送法を、電波三法にきめたらいいか、国民公共の福祉のためにやる電波なり放送というものをどうするのかということを考えなければ立法者として……、我我は技術家ではありません。立法技術家ではありますけれども、そういう意味の技術家ではない。そこを申上げておる。そこに私は根本問題があるから先ほどから前の委員会においてもやかましく申上げておるのですが、先ず政策の閣議決定もないこういうものをここに出すということは、これは実に軽卒極まる。電波監理委員会の管理事項であるからこれはもう政府の意思でありますということは言えませんほど重大な問題である。そこで総理大臣なり関係諸大臣が来てここで説明すべきものである。そうかるがるしく扱つてはいけない。そこで私は先日も委員長に注意を申上げておる。衆議院電通委員会においてもこのテレビジヨンの標準方式をどう扱うかということについては一つ合同の委員会でも開きたいという希望があつたということを私は委員長に御報告申上げた。衆議院の電通委員長にも御相談願つて、又各参議院の電通委員の皆様にもお諮り願つて愼重に一つやつて頂きたいことを私はお願い申上げた。それに対してどういう向うから回答があつたか、まだ委員長からのお話を聞きませんが、そういうことも併せて私がかように申上げることは、この問題が余りに将来日本の経済或いは政治或いは文教、或いは国際外交の面から我々は常に自分の目先ばかり見てはいけない。国外を見、又日本の他の産業、他の政策を、これを勘案することなくしてこういうものを軽々に論議して行くのが正しいかどうかということの私は議を諮つておる。この点は一つ私は繰返して申上げておきまするが、委員長とこの点については根本の心がまえと認識の点においてそういうように異なつておることは非常に遺憾と思いますけれども、私はそう思うのです。
○委員長(鈴木恭一君) ちよつと速記をとめまして御懇談願いたいと思います。 午前十一時三分懇談会に移る —————・————— 午前十一時十七分懇談会を終る
○委員長(鈴木恭一君) 速記を始めて。先に資料として提出されました標準方式につきまして御説明願います。
○政府委員(長谷愼一君) 御説明申上げたいと思います。実は私どもはこの費料なるものをお求めによりまして差上げて、テレビジヨン方式について御説明申上げるつもりでおつたんですが、これは單に内容の技術的な事項だけを御説明するのではなしに、私どもといたしまして標準方式をこの際きめるところまで持つて来た考え方なり経緯なりというようなものも申上げて、それから内容の御説明を申上げるつもりで実はおつたのでございます。後ほど委員長が見えましていろいろ御説明申上げることと存じますが、これまでたびたび当委員会におきましてテレビジヨンの問題について御審議のございましたときに、電波監理委員会の委員長からたびたび御説明申上げたように、この国会の皆様がたばかりでなしに、なお且つ各方面のいろいろのかたの御意見も聞いて、テレビジヨンについてどうやつて行くかということを愼重に考えて、その上立法措置を必要とするようなことになる場合もあるかも知らん、そういうときにはそういう手段をとろうというようなことを御説明申上げておりますが、そういう気持でおるのでございます。この標準方式はそういう問題とは切離してやり得る問題だと私ども考えまして、後ほど申上げますが、今まで各方面の意見を聽取し、又諸外国の現状の状況等も調査いたしまして、一案を出しまして、公聽会によつてなお十分の……これは一回の公聽会で済むかどうかもわかりません。公聽会によりましていわゆるガラス張りの中でオープンに意見を聞き、戰わして最後的なものをきめて行きたい。これは丁度先ほど山田委員からお話もございましたようにFCCが一九四一年に非常な時日と手段をかけて最後的にきめられておりますが、私どもも過去相当長い間この問題を研究して参りましたが、これは何と申しましても電波監理委員会の事務当局が原案を得るためのやり方でありまして各方面の御意見は聞いておりますけれども、やはり広く意見を問うという形、つまり公聽会というものを一〇〇%利用いたしまして、十分なところに持つて行きたい。従つて公聽会の前後を通じまして單に私どもが今まで集めた資料ばかりでなしに、利害関係者或いは学識経験を持つておられるかたがたからいろいろな資料も出て参りまして、場合によつてはこの原案が修正されるということも我々は予期していないわけではないのでございまして、そういう考え方で来ておるのでございます。 なお御参考に日本におけるテレビジヨンの標準方式はどんな工合になつておつたかということを申上げますと、実は昭和十五年に当時の逓信省が世話役となりまして、学界方面といろいろと連絡をとりまして一つの標準方式をきめておつたのです。これは暫定方式と当時称しておりましたが、例えば走査線を四百四十一本、当時としてのテレビジヨン技術界の標準とされるものをきめまして、それで放送協会或いは早稻田大学、或いは浜松の高等工業学校、或いはメーカー等がその線に向つて研究をされておつたのであります。その後戰争のためにそういう研究が中断いたしておりましたが、その後戰争後新らしい技術の下においてどういう方式を我々としては目途として研究調査を進むべきかというようなことから、やはり学界方面、それから工業界、そういうかたがたのところで、その当時は政府としての技術的な相談なり関與ということは余りありましたけれども、監督官庁というような形での関與はありませんでしたが、そこでいろいろ検討されまして、やはり暫定的な方式として走査線の数が五百二十五本、絵の数は関東と関西の電力のサイクルの関係がございまして二十五枚或いは三十枚という工合なところがきまりまして、現在に至つておるのでございます。一方お話もございましたように電波法なり放送法というものは、建前の上からはテレビジヨンというものはその中に包含されている恰好になつております。従つて私どもといたしましては仮に申請書を受付けないということはできないので、申請書が出て来ればこれを審査しなければならない立場にあるわけでございます。又一方先ほど申上げましたような暫定的な標準方式というものが現に日本にございましてその方式によつていろいろの、現在は日本放送協会が東京に実験局を持つていろいろやつておりますが、その実験局或いはこの実験局から出る電波を利用しまして、将来テレビジヨンが日本で本格的に実施される場合の準備としましていろいろの製造会社が放送協会の実験の電波を利用しまして受像機の製造の研究をいたしておるわけであります。こういうものに対して本当に国が或いは国民一般が認めた標準方式というものがきまつておりませんというと今後の発達に支障がある。或いは無駄骨を折つておるということになるわけでございます。従いまして私どもとしましては日本において本格的なテレビジヨンの事業がいつ始まるということは別といたしましても、最近の標準の方式というものを各関係方面或いは経験有識者の意見を聞いて十分討議の上できめておくということが何をおいても必要だろうということで、実は昨年以来この方面の本格的な研究を始めたのでございます。 勿論その前旨いろいろな面で調査はいたしましたけれども、本格的に始めましたのは昨年からであつたのでございます。実は電波委員会には御案内のように附属機関といたしまして電波技術審議会という機関がございます。これには各方面の電波の技術に関する権威者に委員になつて頂きまして、相当厖大な機構でいろいろ技術方面の審議をいたしておりますけれども、テレビジヨンの問題はやや特殊な問題になりますので、特にその技術審議会とは別個に考えて行くのが或いはいいかも知らんというようなことで、現在までは各方面の、後ほど申上げますが、いろいろテレビジヨンに関する経験、知識を持つておられるかたがたの御意見なり或いは海外の資料を元にいたしまして調査を進めて来たわけでございます。そうしましてできるだけ早い機会に公聽会によつて十分にこのあとの固めをしたい。こういう考え方で進んで来たわけでございます。なお御案内と存じますが、日本放送協会その他がテレビジヨンの実験、研究をやつて参りましたのは相当日本として歴史が古うございます。現在は学校その他は経済上の理由かと存じますが、現在行われておりませんで、日本放送協会だけがやつておる。もう一軒読売新聞社が東京芝浦電気と共同して実験的な放送をやりたいという申請がありまして、これは実験でございますので、その用途或いは放送する内容その他が或るところに限定されておりますので、これは過般関係方面の意向も経て予備免許を、これは大分前でございますが、出ておりますが、まだこれはスタートいたしておりません。今後果して今申上げたのが始めるかどうかもまだ私どもはつきりした返事をもらつておりませんが、そういう状態でございますが、一方テレビジヨンの熱がアメリカ等の発達に刺戟されまして民間においても非常に関心が高まつておりまして、現在東京附近におきましていわゆるアマチュアというような形で、いわゆる学生やなんかが非常なテレビジヨンに対する熱心さの余り、みずから受像機を造り上げて実験のテレビジヨンを受けて楽しんでおるのが、はつきり数字はわかりませんが、すでに百を突破しておるということでございます。又一方先ほど申上げましたように製造会社もそれぞれいろいろの準備を進めておるようでありますが、これが若しも将来標準方式というものが定まつていないというと、そういう人たちが無駄な経費をするわけであります。大きな変更があつた場合に非常に影響が大きいわけでございまして、これはどんどんそういう傾向なり施設が殖えつつある現状からいたしましても、成るべく早く標準方式というものはきめてやつたらよかろう、こういう考え方で実は私ども考えておるわけであります。従いまして今後本格的なテレビジヨンが日本においていつどんなステップを踏んで、又どういう形で行われるかというような根本的問題は、先ほど申上げましたように愼重にこれは考えて行かなければならんけれども、現実の姿を見ましても、又従来からの日本のテレビジヨンの研究又或いはいろいろな準備ということから考えましても、標準方式はこれは極めて技術的な限られたことでもございますので、きめてやつて差支えないんだろうということで準備を進めたわけでございます。勿論公聽会その他で、このテレビジヨンの標準方式の技術的なことだけをまあ公聽会でやつて頂くつもりでおりますけれども、或いは本格的な性格論もその公聽会で出ないとも勿論限りませんけれども、そういうことで標準方式の内外の十分なる御検討を経た上できめて差支えはないのではないかということで準備を進めて来たわけでございます。 お手許に差上げましたテレビジヨン標準方式に関する資料というものの中にこう日記みたいな簡單なものでございますが、経過として御説明を申上げるのに参考になるかと思いまして書上げて見たのでございますが、これは先ほど申上げましたように逓信省或いは電波庁時代の何は、やはりテレビジヨンに関する調査なり標準方式についての研究調査ということがあつたのでございますが、委員会と切替わりましてから本格的に始めましたのは昨年からであつたのでございます。昨年の十二月、これは十二月まで何もしていなかつたという意味ではございませんが、外部との折衝の始つたのは昨年の十二月でございまして、十二月に部外の学識経験者を組合しました、主として海外のテレビジヨンの標準方式の調査を開始したのでございます。これは約四カ月ばかりかかりまして、その結果が今年の六月にテレビジヨン標準方式の調査報告という形で出て参つたのでございます。又一方テレビジヨンの標準方式につきましては国際電気通信連合の無線通信諮問委員会、これを俗にC・C・I・Rと称しておりますが、そのC・C・I・Rにおきまして過般いろいろ研究されおりまして、それの意見も出ておつたのであります。そういう国際的な標準ということがどういう工合に進んでおるかということも、我々といたしましては十分に考えに入れなければならんので。ございまして、たまたまその委員会が今年の六月から第六回の総会が開かれまして、その結果がどういうところに行くかということを我々としては非常に関心を持つておりました。その結果も勘酌の上で日本の標準方式の試案を作りたいと、こう存じておつたのでございます。一方七月に電波監理委員会とされまして、委員会において日本の標準方式を調査して行く方針、これは先ほど申上げましたようにそれまでの間は内外の資料の収集ということに專ら力を入れておりましたので、日本の標準の方式の案を作り上げるのにどういう考え方でやつてみるかという調査の方針がいろいろ検討されまして、そのときの議事録は手許にちよつと持つて参りませんので、記憶の上で申上げたいと思いますが、日本としては、将来天然色に移るということも考えられるが、取りあえずは白黒を対象とした標準方式を作つてみる。但し将来天然色に移る場合にできるだけ支障がないような或いは少いような方式というものを考えて見るようにと、こういうことであつたのであります。私どもといたしましてはその電波監理委員会できめました調査方針に則りまして今日までいろいろ研究をいたし、又関係の方面の、これは官庁といたしましても電気通信省或いは通産省、業工技術庁、それから学界方面、製造界の方面、今までテレビジヨンの研究に携つて来られたかたがた等の御意見も十分にお聞きいたしまして、いろいろその御意見の間には必らずしも一致した御意見ばかりではございませんでしたが、併し大体これならばと思うところで試案を作り上げまして公聽会にかける段取りに進めたい、こういうところで進んで来たわけでございます。公聽会を開く前には必らずその事案は関係方面のアプルーヴアルを得るということになつておりましたので、過半そのアプルーヴアルも得て公聽会を開くところの段取りまで来たわけでございます。いろいろ最近特に全国的なテレビジヨンの放送を本格的にやろうというような申請が一、二出て参りましたので、如何にも我々がこの標準方式をきめようというのが丁度それに追いかけられて急いで十分の備えもなしに標準方式の決定をやろうとしておるという工合に誤解されがちなんでございますが、実は私どもとしましては今の一、二の申請が出て来るずつと前から必要性を感じて準備をして来たわけでございまして、たまたまそういう場合にぶつかつたのでそういう誤解をよく受けるのでございますが、全然そういう気持は持つておらないのでございます。その点を御了承願いたいと思います。 お許しを得ましてこの資料に基いて大体標準方式を決定するところまで参りました方針とそれからその内容の特に主なる点を拾い上げまして御説明申上げたいと思います。 なお私どもの手許には極めて技術的ではございますけれども、いろいろ各外国の現状なり或いは各方面で標準方式をきめるというところに至つた段階等のことについての調査資料もございます。これは余り部数がたくさんございませんので、御必要のかたが若しも御希望でございますならばお眼にかけ得ると存じますが、本日は取りあえず要点だけを一応申上げたいと思います。このテレビジヨンの標準方式は御案内のように極めて技術水準の高いものでございます。又その国国の経済事情なり或いは電波のサイクルの問題とかいろいろございます。そのために現在世界的に統一された形にはなつていないのであります。これは資料の附録のほうに極めて見にくい表でございますけれども、各国の標準方式を一応挙げてございますが、大体大別いたしますというと、アメリカの方式とそれからイギリスの方式、それからヨーロッパ大陸が現在まだ実施はいたしておりませんが、いろいろ研究、実験をやつておる方式、これは先ほど申上げました国際電気通信連合の無線通信諮問委員会の研究委員会の推薦をしたものを使つておりますが、このヨーロツパ大陸の方式、それからその中でも又フランスは別な方式を使つております。大別いたしますと四つの方式が外国に、世界に行われておるという現状でございます。こういう現状でございますが、一方天然色のテレビジヨンの研究、発達が御案内のように最近非常な急速な進歩を遂げまして、特にアメリカにおきましてはお話もございましたようにいろいろな、大体大別しまして三つの大きな違つた方式が出て参りまして、数年間いろいろいきさつがあつた末におきまして、本年の五月に最後的にCBSの方式を以てカラー・テレビジヨンの方式ときめられたのでございます。ところがアメリカにおきましては御承知のように白黒の方式と、それからこの採用されましたCBSのカラーのシステムとは相当大きな懸隔がございますために、その間に白黒とカラー・テレビジヨンとの間のいわゆるコンパテイブル、融通性という問題があつていろいろ審議をされたのでございますけれども、方式からいうと非常に違うために、いろいろな附加装置が必要であつたりいろいろなことが結果になりまして、標準方式というものを、アメリカが現在の標準方式を採用することに至つた過去のいきさつ等から考えていろいろ議論になつているようであります。併し仮にこれは私の甚だ以て私見でございますが、仮にCBSの代りにRCAの方式でアメリカでカラー・テレビジヨン方式として採用されたのであつたならば、やや標準方式に対するアメリカの輿論というものは現在と違つておつたのではないかと思います。これはいろいろのいきさつがあるのでございますが、そういう形になつております。最近もRCAの研究、結果もだんだんと長足の進歩をいたしておるようでありますが、又一方御案内のように最近カラー・テレビジヨンの製造禁止というようなこともあつて、今後どうなるかわからない状態にあるわけでございます。一方日本といたしましては先ほども申上げましたように、従来から暫定的な標準方式というものを、これは国として認められた方式ではございませんけれども、ございまして今まで研究をやつて来ておつたわけでございますが、何と申しましてもアメリカから或いはそのほかの先進国からテレビジヨン技術につきましては相当年数の遅れておるということは否めないと存じます。特にカラー・テレビジヨンの研究というのは最近或るメーカー等は研究を日本においても始めておつて、或る域に達したというようなことを聞いておりますが、何といつても本格的なことはやつておりません。従つて日本でたとえ本格的でなくとも実験的なテレビジヨンを行うといたしましても、当分は先ず白黒を以て始めるのが適当であろう、こういうことで将来のことはさておきまして、取りあえずは白黒の方式についての標準方式を作るのが先ず妥当であろう、こう考えまして取りあえず白黒の標準方式を、又先ほど申上げましたように電波監理委員会としての標準方式の調査の方針ということもございましたので、そういう考え方で案を作り上げたのでございます。でこの標準方式を決定するに当りましていろいろ御意見もございましたが、日本が諸外国に例のないような独特の標準方式を作つて行く、そうしてみずからの途をみずからが開いて行くということも一つの考え方だと存じますが、何と申しましても日本はテレビジヨンの技術では非常に外国に遅れておる、而もパテントという問題もある、そういうようなことがありますし、又今後テレビジヨンが相互にプログラムの交換ということもあり得ると思います。又先ほど引用いたしました国際通信連合の諮問委員会におきましても、各主管庁は四つの方式のいずれかを採用するようにということも進めておるのでございまして、結局先ほど申上げました四つばかりのうちのどれか日本に最も適当したようなものを考えてみたいというのが一番実際的なことであろうということで、大体いずれも比較検討いたしました結果、アメリカの行なつている方式か、或いはCCIR、国際無線通信諮問委員会の推薦しておる方式、これのいずれかをとるのがよかろう、こういうことに一応大きな線が出まして、この間の両者の比較検討をいろいろやつたのでございます。この比較検討をやります上におきまして画面の精密度、それからふらつきの程度、そういうような問題、又電波としてテレビジヨンが出されます場合に、そのテレビジヨンの電波が占める幅でございます。これが余り広いというと、ほかにたくさん無線を活用しようというそのスペクトラムが占有されますから、成るべくは狭い幅で、範囲で同じものが送れる方式であればそれに越したことがないわけであります。そういうような問題等を勘案して見たわけでございます。それらの主なる点を申上げてみたいと思いますが、先ず一秒間に絵を何故テレビジヨンで送るか、これは御案内のように映画は二十四枚送つておるわけでございますが、二十四駒送るわけでございますが、テレビジヨンもやはりそれ以上或いはそれに近い絵を送らなければちらつきとなつて来るわけであります。而もだんだんこの真空管の技術が進歩いたしまして画面がだんだん明るくなつて来ると、余計ちらつきというのが目につくのでございます。従つてちらつきの点からだけを申し上げますというと、成るべく毎秒の像の数が多いほうがよろしいということが言い得るのでございます。而も最近どんどん技術が上りまして、明るい部屋でもテレビジヨンは見られるようなところまで来つつございますので、毎秒の像の数は三十、アメリカ式の三十というのを考えてみたのでございます。ところがこの三十という駒の数は、従来は電源の電力のサイクルと重大な関係がございます。大概今まで実施されておる点は、電源のサイクル、電力のサイクルが六十サイクルの所では丁度その半分の三十という駒の数を、又五十サイクルの所では毎秒の絵の駒数を二十五という工合に、結局送るほうと受けるほうが同じ電力の系統を使つておるので、それで絵の同期と申します。が、絵がずれては駄目なので、その同期を保つために同じ電力のサイクルを活用いたしまして同期をやつておつたのであります。それで大概ヨーロツパのような五十サイクルの所では二十五、アメリカの六十サイクルの電力の所では三十というのが一般用となつたのであり事。ところが最近どんどん技術が進みまして、一方国際間のプログラムの交換ということもございますし、又電力のサイクルが電力事情によりまし、ては、御案内のように五十サイクルの正規のものが四十八から四十五という工合に下つて行く、殊に日本のような場合には電力事情が決して楽観できませんから、この電源のサイクルに全部頼つておつたのでは十分なテレビジヨンというものの絵を送ることができない、従つてこれは国際間でも推奨しておりますが、電源の周波数からは無関係な同期方式をやろう、これを独立同期と称しておりますが、そういうやり方が技術的に可能になつて今各国ともこの方向に進んでおりますから、日本としても独立同期とした、これは日本の場合は御案内のように関東は五十サイクル、関西は六十サイクルでございまして、この電力の違つておるために、電力のサイクルが違つておるために東京と大阪のプログラムの交換ということも、電力のサイクルによつておつたのではできないことになりますので、どうしてもそういう点からも独立同期ということが必要となつて参りまして、そういう工合に案を立てて見たのでございます。それでなおこの一秒間に三十送るのと、二十五枚送るのと、結局関東のほうの場合を考えたらいいか、関西を考えたらいいか、たとえ独立同期といたしましても三十にするか二十五にするかによつて、関東と関西と受像機の些細の部分で多少違う点が出て参ります。三十にしておけば関西のほうの受像機はやや簡單たが、関東ではややちよつと複雑になるという点がこれは否めないのであります。併し一方テレビジヨンの放送におきましては経費の点等からフイルムを通じての放送というものが恐らく大部分であろうと思います。アメリカでも相当大部分がフイルムを通じての放送をやつておるようでありますし、英国やフランスでは大体半分近くの時間はフイルムを利用しておるという状態でございまして、フイルムをうまく送るということを考えた場合には、大体三十枚を送る式のほうがより簡單に送れる、有利であるということが技術的にわかつておりますので、その点からも毎秒の像の数は三十を適当とするということに結論を得たわけでございます。 その次に、このプリントには走査像数となつておりますが、これは実はミス・プリントで走査線数でございます。甚だ恐縮でございますが、御訂正置き願いたいと思います。この走査線というのは、御案内のように画面を放送する場合に、細かに線に分解して、その線で順々に送つてやるわけであります。この線に分解するのが、細分すればするほど絵がきれいになることは、これは申すまでもないわけであります。現在はCCIRと書いてあります。これは先ほど申上げました無線諮問委員会の推奨案では六百二十五本に分け、現在アメリカでは五百二十五本で行なつております。理窟から言うと、先ほど申上げたように多いほどよろしうございますが、これを幾ら細分してみましても、受像機のほうで絵に再現する、ブラウン管と申しておりますが、大きな真空管、これの精密度がやはり一緒に進まないというと、送るほうが如何に細分いたして精密な絵を送りましても、受けるほうがそれにフオローしないと何もならない。又家庭で一般に見る場合は、そう大きな像というものは要らない。アメリカでは一番今大きいのは十九インチの大きさまで進んでおりますが、そういう程度の絵で家庭で見るのであるならば大体五百二十五本で十分であるという状態でございます。で、若しもこれが絵をもつと大きく出すとか、或いは真空管なり、いわゆるブラウン管と申しますが、この絵を出す真空管の一つの種類でございますが、こういうものの技術が非常に進んだときには、或いはもつと多いのもいいかと思いますけれども、現在のところでは五百二十五本で十分のように思われております。なお御案内のように英国では四百五本でやつておりますが、英国の四百五本でも大体実用上は十分な結果を得ておると言われておる点から申しましても、むやみにこれは多くする必要はなかろう、又映画館とか或いは多人数に見せるために最近投射型というのができておりまして、丁度八ミリや十六ミリの映画と同じ程度に映写して見せる方式が出ておりますが、これでは六百二十五本としても五百二十五本にしても、やや映画に比べますと画面がまばらと申しますか、はつきりしていない、十分ではないと思われまして、この程度の差でははつきりしない、結局どちらをとるかということになりますと、これは後ほど申上げます周波数帯の幅との関係もございますが、結局五百二十五本で満足してよろしいだろうという結論を我我といたしまして得ておるわけでございます。 それから周波数の幅でございますが、これは先ほどもちよつと申上げましたように、我々電波の監理や電波の行政の仕事に関連しております者としては、できるだけ電波を各方面に広く活用してもらうというような観点からしますというと、成るべくこの幅は狭いほうがいいのでございます。そういう観点から見ますというと五百二十五本の走査線で三十枚、白黒のテレビジヨンを送るのに一番適当した周波数の帶の幅は六メガサイクルということが結論的に出ます。これは結論的に申上げますと、大体アメリカの方式と一致するような恰好になるのでございます。なおこの六メガサイクルを妥当として、一応そういう試案になつたのでございますが、これがカラー・テレビジヨンになる場合に六メガでは不十分ではないかという議論もあるのでございます。併しこれはアメリカでは六メガサイクルの幅でCBSの方式も或いはRCAの方式もカラー・テレビジヨンとして十分な結果を得ておりますから、これを日本において七メガに拡げて、又アメリカとすつかり変つたやり方をするということは、折角もうすでにそういう技術が到達しておるところを、強いて別な方式を考えて同じ道程を日本みずからやる必要もなかろうと我々は考えたわけでございます。外国で長いことかかつて到達している技術は、支障がなく、事情が許されるならばそのまま我々のものとして、その上の発展は我々として力を集中するけれども、外国のすつかり完結をしておる技術のあとを追いかけて、もう一遍あとを追うということも如何かとも思われたのでございまして、そういう点からも強いて……、六メガでカラー・テレビジヨンということを考えるだけで、七メガにするということは一応とらなかつたのでございます。 大体主なる点を申上げたのでございますが、結論として、先ほど申上げましたように、アメリカの方式と同じ方式を日本において採用するのが大体妥当だという結論になりまして、別刷で、これは二、三枚のものでございますが、標準方式案というものを作り上げまして、これを広く公表いたしまして、大体公聽会においては少くとも二週間以上、いろいろ関係のある方面の人々に検討してもらつて、公聽会でいろいろ意見をお聞きして行くということになつており、従つてこれはその公聽会で審議するための発表する事案でございます。これはまだ公聽会の事案としては電波監理委員会の正式な決議をまだ得ておりません。従つていつ公聽会を開くかというようなことはまだきまつておりませんが、私どもといたしましては、先ほど来申上げましたような事情もございますので、できるだけ早く公聽会を開いて各方面の意見を十分頂いて、検討して頂く、而もこれは一回で、一日では勿論済みませんし、一回ならず数回やるような必要になるかとも思つておるくらいでございますが、やはり電波監理委員会としての従来の行政のやり方、根本的な考え方からいたしまして、單にいつまでも委員会としての案を持つておるということでなしに、広く各方面の御意見を聞いて十分な検討をした上で決定したい、こういうことで審議を進めておるわけでございます。この事案の内容は、例えば用語の定義とか、これはテレビジヨンが今まで規則その他のほうでもはつきり出ていないために用語の上でいろいろ誤解もある点もございますので、用語の定義から始めまして、先ほど御説明申上げました映像の絵の数とか或いは走査線の数とか、或いは電波を送り出す場合に、私どもは搬送波と称しておりますが、いわゆる放送で言いますと、五百九十キロサイクルとか五百七十キロサイクルとかというような音なり絵を乗せて送り出す電波でございます。それと絵なり言葉なりを送る電波との相互的な関係とか、或いは電波に乗せまして音声なり絵を送る場合に、大概はその電波の強さを絵の明暗なり或いは音の強弱によつて変化して送るのでございますが、一体その音の電波の強さを変更してやるのか、或いは電波の振れと申しますか、そういうことを変更してやるのか、いろいろ方式をきめないというといけませんので、そういう極めて技術的な問題もございますが、そういういわゆる変調、モジユレーシヨンの方式等が語つてあるのでございます。やや技術的な而も数字的なことになりますので、あえて御説明申上げるのを避けるわけではございませんけれども、御質問なり御質疑によりましてなお詳細申上げることにさして頂きまして、一応説明を終えたいと思います。
○山田節男君 今の長谷長官の、この電波監理委員会からの標準方式に対する試案の説明があつたわけですが、今電波監理委員会が仮に一つの結論に達してこの方式が出るまでには、單にいろいろ学者とか技術家とか或いはメーカー等を集めて、まあ机上と言つてはおかしいのですが、機械的な操作、実験的な操作はなくて、ただ文書により或いは写真によつてきめられたものか、或いはこうした結論に達するまでには相当メカニカルな実験、比較検討した結果こういうものになつたのかどうか、この点一つお聞きしたい。
○政府委員(長谷愼一君) 只今御質問の点は、日本において余り広くテレビジヨンの実際的な研究なり実験が行われていないために、我々として具体的なデータを得られなかつた部分もないわけではございませんけれども、幸いその規模なり技術的なレベルという点については多少問題があるといたしましても、製造会社及び日本放送協会等で永年に亘つて研究をいたしました結果がございますので、そういうものに、十分そういうものを参考といたしましてこういうような結論を出したわけでございます。
○山田節男君 機械的な実験が大体この結論が出るまでどのくらい用いられたかということを一つ。
○政府委員(長谷愼一君) 現在日本放送協会が実験として行なつておりますテレビジヨンの方式と、今公聽会によりましてきめようとしております試案とは必ずしも一致いたしておりません。従つてこのもので実験をやつたという何はございませんが、先ほど御説明申上げましたように、公聽会によつてきめようとすることの原案となりましたのはアメリカの方式でございますので、この白黒の場合の結果というものは大体向うの結果をそのまま参考にできるわけでございますので、そういう観点からきめたのでありますが、なお私どもといたしましては、現在NHKが行なつておりますテレビジヨンの実験もできるだけ早くこの標準方式によつて実験をやつて、将来の本格的な実施のときの参考にしてもらいたい。現在におきましては何らテレビジヨンの方式について国が命令権を持つておりません。従つて放送協会なり或いは製造会社がいろいろ実験なら研究をやりますのにこの方式でやれという命令権はございませんので、これは規則なり或いは法律によつて許された手順を踏みまして、国として標準方式というものを一応取決めますならば、自然研究や家験をやつている所もその方式に則つて今度はやるわけでございます。なおこの標準方式をきめるにつきましては、日本の標準規格を担当されております通産省の工業技術庁等とも十分に連絡を取つてしているわけでございます。従いまして先ほど御質問に対してのお答えとしてはやや不十分なる点もあるかと思いますが、この標準方式を早くきめて、実験をやつている人にもこの方式に切換えて頂いて、十分なる準備的な実験を早くやつて頂く、こういう気持でございます。
○山田節男君 これは日本でこういうものを、まあ標準方式をきめる場合、今までこういう民間のメーカー或いは技術研究所にしても非常に数が制限され、技術が進んでおらなかつたためにこういう結果になつたんだろうと思うんです。それでアメリカのカラー・テレビジヨンの場合を見ても、まあ十に近いいろいろな実験、大きなこの研究所があつて、そうして最後にこのCBS、NBC、CTIと三の方式が出て来た、そのどれをとるかというのでFCCが、御承知のように非常に詳細な審査をしたわけですが、日本の場合ですね、そういつたような各国のすでに或る一つの答えが出ているので、四つばかり出ているんです。これをどれをとるかというようなことを比較検討された場合に、今ここに出された、試案としての標準方式一つをここに出されているわけですが、今およそ世界に大別して四つの標準方式があるんですが、この一つの結論として今試案が出された、最後の一つの案が出るまでに四つの中で、その中で例えば二つのスタンダードをこの一つの標準として出したほうがいいとか、或いはそういつたような議論があつたかどうかお聞きしたい。
○政府委員(長谷愼一君) お答え申上げたいと思います。只今のところでは各国の例を見ましても、大体御言葉にありました世界において現在採用されております四つの方式の比較検討ということはもうすでに結果的には大分わかつて来ておりますので、その国その国の事情でいずれをとるかということをいろいろな面から検討するだけでございます。ただ例外としましては、フランスの方式は御承知のように八百十九本という非常に走査線の多い方式をとつておりますので、例えばイタリアのようなところは八百十九本の方式と六百二十五本の方式とを併行してやつてみてきめようとしたようでありますが、結果的にはやはり六百二十五本というところに落着いておるようであります。その他の国におきましては大体先ほども申上げましたように世界的なテレビジヨンの技術の現段階といたしましては、各方式間の比較論は大体きまつておるような形になつております。と申しますのはこれはいわゆる例が適当じやないかと思いますが、鉄道の広軌で行くか狭軌で行くかというようなことと同じようなことでございますので、大体それぞれの国の事情に合つたようにきめて、今更両方の比較検討は実際的にはやつていない現状でございます。日本といたしましては、勿論もう一遍やつてみるということも考えられないことはありませんが、それはむしろ私どもといたしましてはカラー・テレビジヨンというものとの関連で考える必要はあるけれども、白黒としての標準方式としては、大体国の電力事情とか或いはその他の観点からきめていいのではないかと思つておるのでございます。
○山田節男君 今の最後に言われたことは、私は勿論この長谷長官はこういうテレビジヨンの問題に関しては技術的には勿論専門家であつて、我々がとやかく言うべき筋合でないのですが、ただ私は前にも委員会で申上げましたが、ニューヨークにエレクトリツク・マガジンの主筆をしておるドナルド・フインクという人がおります。丁度パリから帰つて来たばかりだつたのですが、RCAの所長のジエネラル・サーノフと、それからあそこの副社長で、主として技術的な方面をやつておるエツフイングナーという副社長が是非このミスター・フインクに会え、私なぜ会つたかと申しますと、スタンダード、標準方式を一体どうしたらよいかということを聞くのには世界の最高権威者だという紹介で会つたわけであります。約一時間半ばかり私いろいろ話をしましたが、このときにミスター・フインクの結論は、成るほど今日世界に四つ乃至五つのいろいろな標準方式がある。フランスのように例えば八百十九本をやつておる。又フランスには更にそうでない、千二十九本だつたと思いますが、千二十九本の走査線まで出してみたりやつておる、まあ大体五百二十五本、六百二十五本或いは七百二十五本、或いは八百十九本、いろいろあるが、これがどれがいいかということはこれはもう言えないというのです。併しこの電子科学が非常に急速な進歩をしておるから、恐らくこの数年のうちには結論が出るだろうと思うけれども、今走査線或いはフレーム、或いはフリーケンシイ・バウンドですね、今お話があつたようにカラー・テレビジヨンを睨み合してのメガサイクルをどうするか、七メガがいいか五メガがいいか、六メガがいいか、或いは更にもつと大きなメガサイクル、百メガサイクル以上がいいかどうかということも、まだ各国とも試験の過程にあつて、アメリカが今の標準方式で絶対いいということは言えない、或いはフランスがいいかも知れない、或いはイギリスがいいかも知れないが、とにかく結論はやがて出るであろう。併し今大陸式がいいかアメリカ式がいいかということは誰も予見することができない、こういうことをこの人がはつきり言つておつたのです。だから日本のスタンダードをきめるという場合には、これは鉄道のゲージをきめるようなものであるから愼重にやらなければならんが、同時に世界の今行なつている現実のトップのものを参考にとるのが一番いい。それはアメリカがトップだということも一つの理論でありますが、ミスター・フインクの話によれば、大陸の、或いはフランスのやり方のトップも見なければならん、こういうことを口を極めて言つておつた。それが長谷長官の言われたことと、私が先月九月の末に世界最高権威としてアメリカで尊敬されておる、標準方式の著書もあり、そうして著作の中に書いてありますが、とにかく電子科学の進歩というものが急激に今後進歩するということについて、スタンダードということについてはどれがベストであるか言えないということです。ですから今ここに仮にアメリカと殆んど違わない、恐らく走査線から、フィールドはどうなつておるか知れませんが、フリーケンシイ・バウンドにしましてもフレームにしましても或いは走査線にしても、アメリカの全くその第二版のようなことになる。それでいいのかどうか、そういう問題が私はあるだろうと思う。ですから先ほど来申上げたように委員長の御答弁を要求したのは、こういう技術的な結果に至る、こういう一つの具体的な数字においての標準方式が出るまでには一体どういう経緯があつたのか、又その国が、新谷君が言われたように、これに対する政府の態度はどうするかということにあると思うのですね。ですから今長谷長官がそういうことを、さつきのようなことの話がありましたが、私の聞いた、真剣に日本のためにこのテレビジヨンをどうするか、標準方式をどうするかという問題については、そういう意見があつたということを私は附加えておきます。
○水橋藤作君 一つ、二つお伺いしますが、この標準方式の案をお作りになる場合、無論日本の国の地形及び経済、文化、財政、いろいろな意味から十分検討されたことと思うのでありますが、無論方式をおきめになる場合の基準だろうと思うのですが、もう一つここに我々として考えさせられることは、十二月の二日に日本テレビジヨン放送協会から申請され、又二十七日に日本放送協会からも申請されているということです。そこで又ほかにも会社が成立するやに伺つておるのでありますが、この各社とも放送形体と申しますか経営と申しますか、放送の方式がいろいろ違つた形の企画を持つておられるので、その企画によつては標準方式と相マツチしないところがあるんじやないかと我々は素人で考えるのですが、こういう点はどうですか、技術的に我々にはわからんものですからお伺いしたいのですが、つまり広告放送を目的とするとか或いは文化的とか、そういうつまりいろいろありますが、まあ都会だけに重点を置くとか、或いは全国的に全国民に反映させようというような考え方、いろいろあると思うのですが、そういう点に関係して、今きめられたところの方式がどれにマツチするか、又その方法によつては全然役立たないものであるかどうかというようなことをお伺いしたいのです。
○政府委員(長谷愼一君) お話のように現在総計四社のテレビジヨンの申請が出ておりますが、これらの申請の中には標準方式については申請書の上に現われておりません。いずれにするか、現われておらないのであります。と申しますのは、実はテレビジヨンの標準方式は公聽会を経て決定されましてその決定を見た上で何らかの形で規則の中に盛られて行くのではないかと私ども考えておりますが、そうなつた曉において各申請者がこの標準方式に合うようなものに申請を追加して頂くということになるのではないかと思つております。これは極めて手続上のことで申上げたのでございます。
○水橋藤作君 そうしますと、こういうふうに解釈していいのですか、標準方式がきまればその各会社の持つているところの経営形体がそれに合せて来るのだから、どの会社でも合うという、こういう恰好になるというふうに解釈してよろしうございますか。
○政府委員(長谷愼一君) 只今経営形体というお話でございましたが、この標準方式は経営形体とは関係がございません。従つて例えば民間企業でやられても或いは公共企業体でやられても、国営事業でやつても、この標準方式がどういう方式をとるかということとは関係なしに、別個にもつと広い観点から研究の上きめるべき問題だと思います。
○水橋藤作君 わかりましたが、もう一つ。この放送する目的ですね、つまり広告を目的とするとか或いは文化的に重点を置くとかいうような場合でも、その関係は差支えございませんか。
○政府委員(長谷愼君) お話の通りで、これはどういう方法でテレビジヨンをやるかという純技術的な問題でございますので、お話のありましたようなことは別個に考慮できることであり、又考慮すべき問題だと思います。
○水橋藤作君 もう一つお伺いいたしたいのですが、先ほどもちよつと申上げました通り、日本の国情から行きまして、仮に六大都市に重点を置くとか、或いは全国的に網羅するという場合にこの方式には関係ありませんか。
○政府委員(長谷愼一君) これはこの標準方式に全然関係がないと言い切れない点がややございます。と申しますのは、全国的にテレビジヨン網としてたくさんの局を置いて行く場合には、そのテレビジヨンがどれだけの電波を占有するか、又一方テレビジヨンには日本においてどれだけの電波を割当得るかということと関連して参りまして、従つてこの方式のきめ方で非常に広い範囲の電波を一つの放送に入れるような方式を採用されますと、従つて全体のテレビジヨンに割当る電波の数が減るわけであります。結局三十の周波数があるうちを六つずつ取つて行くと五つになりますが、これを七つずつ取つて行くようにすると五つは置けなくなる。こういうような関係がございますので、全然無関係ではございませんけれども、むしろお話の問題は、いろいろお話の出ましたマイクロウエーヴの中継とか、そういう問題のほうがむしろ重点でございまして、標準方式と今申上げた点だけではやや関係がございますけれども、この方式のきめ方如何によつて六つなり七つが置けなくなるとか何とかいうことは余りないと思います。
○山田節男君 もう一つ、アメリカの専門家が日本にテレビジヨンを開設する場合に最も注意しなければならん点としてアメリカと違つて日本は非常に山が多い、殊に全国網にする場合に技術的にこれをどうするか、これは恐らくアメリカも経験したことのないような困難に会うに違いない、こういうことを言つております。恐らくそうだろうと思う。素人が考えてもそうです。殊に私今アメリカでの記録を見ておりますが、これは技術的に間違つておるかも知れませんが、おりましたらその点御訂正願いたいのですが、今ここに示されておる映画信号、音声信号、それから同期信号、これを見ると、おのおの別々の電波を使う建前のようになつておるのじやないかと思うのです。そういうような場合には、私がアメリカで聞いたのでは、将来電波の割当或いは経済問題ということを考えて、非常にこれはいろいろ困難な問題が起きて来る。であるからして、例えば音声信号だけは、これはいわゆる何と言いますか、別の電波を持つているが、同期信号と映画信号は、電送する場合には一つの電波を用いる、こういうようなことを私は聞いて来たのですが、そういうことは、ここで電波監理委員会がこの標準方式をきめる場合に考慮されたかどうか、こういうことを一つお伺いしたい。
○政府委員(長谷愼一君) お話のごとく音声信号を送る搬送波と映像を送る搬送波との関係は十分考慮しなければいかん問題でございまして、これは音と絵は同じ搬送波で送るということは、今のところ技術的に困難でございますので、どうしても離さなければならない、別々でなければいけませんので、それができるだけ電波を占める範囲を少くなるように最小限度のところに持つて行こうといたしております。但しお話のありました同期信号を送るのは映像信号搬送波を変調して送るようにしております。同じものでやつておるようになつております。
○山田節男君 同じ電波ですか。
○政府委員(長谷愼一君) はあ。これはお手許に差上げました標準法式案の四ページに二枚目の裏の最初の所にはつきり示しておるわけであります。
○山田節男君 それからもう一つは、大体日本に割当られたこの周波数のフリーケンシイ・バウンド、この割当の中で一つのテレビジヨンに今度アメリカのスタンダードみたいに六メガサイクル・バウンドを取るわけですね。そういうふうにしますと将来日本のテレビジヨン関係の、政府或いは将来国防的にもこういうものが必要になつて来るだろうと思うのです。大体今フリーケンシイ・バウンド或いはフリーケンシイ周波数から見てどのくらいの余裕があるのか、六メガサイクルとしてこれを使つて、それはものによりましようけれども、何チャンネルぐらいの、電波監理委員会として他の目的に使用し得るチャンネルの数を一つお伺いしたい。
○政府委員(長谷愼一君) 只今の御質問は周波数の割当問題になるわけでございますが、これは御案内のように国際会議で地域的に協定がありまして、どこからどこまでの電波の範囲はどういう仕事にしようということを国際的に協定があるわけであります。その線を日本としても出るわけには参りませんので、その線に沿うて考えているのでございます。又一方日本におきましてはアメリカ等と違いまして、国内の一般の通信網がまだ十分発達いたしておりません。アメリカにおきましては御案内のように有線の施設が極度に発達いたしておりますから、無線は放送とか、或いは航空とか或いは船舶とか、移動体との間の通信か放送のようなもの、或いはアマチュアというようなものにできるだけ解放いたしておりますけれども、日本のような国もそうでありますが、ヨーロツパとかアジア地域ではほかの業務にも相当無線を使わなければならんために、必ずしもアメリカと同じようにテレビジヨンその他放送にたくさんの電波を割当てておらないのであります。その点がアメリカと相当事情の違う点だろうと思いますが、日本におきましては大体国際的には全部で約……将来技術が発達いたしますと、テレビジヨンも例えばマイクロ・ウェーブに近いほうまで、或いはウルトラ・ハイ・フリーケンシー、UHFと申しますか、そういう方面を使うようになりますが、現在はまだVHFいわゆる超短波の範囲を主として各国とも使つておりますが、その範囲でテレビジヨンに使い得る範囲は日本においてどうなるかという点でございますが、これは国際会議の上では一応七つのチャンネルを置けば置き得ることになつております。ところが日本におきましては、そのうちの一部分はすでに電通省におきまして北は北海道から南は九州の鹿兒島まで、いわゆる超短波の多重無線電話に使用されておりまして、数十の局がこの範囲で使つております。又先ほど申上げましたように、ほかの国と違つた実情もございますので、これをテレビジヨンに開放することは今すぐには困難であろう。又そのほか五つ残るわけでありますが、この五つは電波監理委員会としては全部テレビジヨンに優先的に使うということが方針としてきめられまして、決定の上でこれは一般に公表されております。ところがこの五つのうちで日本政府にその使用の任されておりますのはただ一つだけでございます。現在においてはただ一つだけでございまして、残りの四つはまだ関係方面がいろいろ使用されておりますので、目下残りの四つをでき得るならば全部テレビジヨン用に近い将来開放してほしいということで折衝いたしておりますが、まだ見当が付いておりません。現在は一つだけ日本側の使用になつておりまして、これを活用しまして、例えば日本放送協会が実験のテレビジヨンに使つておる次第でございます。
○山田節男君 さつきも申上げましたが、アメリカの專門家が、テレビジヨンの最高級の專門家が口を一にして言うことは、この山国である、又地勢が細長い島であるという所に殊に全国放送網としてのテレビジヨンを施設する場合にはアメリカの経験しない困難があるだろう、これはもう一致した意見です。我々が今日世界で正式放送をしている国を見ますると、先ず第一アメリカ、それからイギリス、イギリスもこれは殆んど山らしい山はありません。スコツトランドに行けばありますが、ウエールズやそれからスコツトランドの大半、南部イングランド、それからノースアイランドにおきましても、日本に比べて殆んど山というような山はありません。それからフランス、フランスもよく御承知のように山らしい山はアルプスに行かなくてはない。この極めて平野或いは高原的な地勢に惠まれた英米仏で正式放送されておる。メキシコが今困難しておるのは、やはり地勢の結果だそうであります。そういうような、英米仏のような極めてテレビジヨン放送というものに惠まれた地勢にある国において、文化の程度もありましよう、技術の進歩もありましようから、正式放送の程度に達しておる。而も違つたスタンダードを用いる。ここに私は非常に大きな示唆があるということを向うが言われたことを忘れることはできません。それで今ここに電波監理委員会がアメリカのモデルにない、レプリカにないような、全く同じようなスタンダードを日本にこれを適用する、こういう場合に電波監理委員会として、若しこれを全国放送網にやつた場合に、今日のラジオ放送でもいわゆるブランケット・エリアと申しまして、聞えない場所がたくさんある。ましてこういうような超短波ですけれども、むしろ中短波じやないかと思いますが、そういう電波を放射して音と姿を送るという場合には、果してブランケット・エリアがどのくらいのパーセントを占めるものか、こういう一つの算定をされたかどうか、極く大まかに見て、極めて経費を節約したマイクロ・ウェーブのリレー・ステイシヨンを作つて、且つ今の地勢、日本の地勢から見て、何%がほぼ完全に見たり聞いたりできるか、そういう算定をされたことがあるか、算定されたら、どのくらいのパーセントがテレビジヨンらしいものを見得るか。この点を一つ……。
○政府委員(長谷愼一君) お答え申上げます。只今の御質問の点は、日本においてできるだけ多くの人がテレビジヨンを受け且つ楽しめるために、テレビジヨンの放送局を日本にどういう工合に置いて行くかという設置計画、置局計画と申しましようか、そういうことになるのではなかろうかと拝聽したのでありますが、この問題はこの標準方式とは又別な問題だと私ども思つております。併し私どもとして大体の見当は持たなければいかん問題でありますので、これは電波の伝わり方、伝播の問題にもつぱらかかりますので、いろいろ電波の伝播の……私どもに電波観測所という機関もございますので、そういうものとの連繋の下において只今調査を進めておりますが、まだ具体的に申上げる段階に至つておりません。又一方このテレビジヨンには都市の人工雑音、これが非常に大きな問題でございます。特に自動車のイグニツシヨン・コイルから出る雑音はテレビジヨンの画面に非常な影響を及ぼしますので、これもアメリカでは御案内のように自動車は雑音を出さないようなシールドを全部しておりますけれども、日本製の自動車はまだその点が十分行つていないように思われます。この方面の調査も十分しないというと、果してどれだけの電力のテレビジヨンを置いた場合に、どれだけサービス・エリアにカバーできるかということは言えないわけであります。この方面の調査も実は鋭意進めておる状態でございます。
○山田節男君 今の私の後半の質問は、要するに先ほど来申上げたようにアメリカやイギリス、フランスとは地勢が根本的に條件が違う。殊にアメリカにモデルをとるという場合に、先ほど来何遍も申上げたように、アメリカの專門家が口を一にして言うことは、日本の地勢がアメリカとは全然変つておる。そこにアメリカのスタンダードを持つて来て、これを全国的に多数の者にこれを見せるということには、非常に金がかかるということ、これはアメリカの経験しない金がかかるということ、それからそれをかけてもなおいわゆる電波法或いは放送法の法律の根本趣旨と、公共福祉のためにやるという建前から考えると、アメリカのスタンダードを持つて来たのでは日本ではよほどの金を掛けなければ普及させ得ない、聞こうと思つても聞けない、見ようと思つても見れないものがたくさん出て来る。技術的に出て来る。そこにいわゆる音声信号、同期信号或いは映像信号、或いはFMのそういう技術的方面から見て、アメリカのスタンダード以外の要素を我々は考えなくちやいかんのじやないかということを我我は暗示を受けて帰つて来たわけなんです。それに対する用意があるのかどうか、ただ單にこれは六大都市に行ければいいというスタンダードなのか、或いは北海道の果或いは九州の果まで将来はテレビジヨンを見せる聞かせるというためのスタンダードの建前でお作りになつておるのかどうか、これは長谷長官でなくて、私は最初に申上げたように富安委員長から聞くべき問題かも知れませんが、こういう技術的な面に関連して長谷長官にそういう意味において御質問申上げます。
○政府委員(長谷愼一君) お答え申上げます。今御質問の問題は確かに日本の地勢の上から電波の伝わり方が外国とは一様に行かない点がございます。これは先ほども申上げましたように、私どもといたしましては十分調査の上で置局計画、どういう工合にテレビジヨンが日本に置かれて行くか、これは企業の方向の予想というようなものと結付きますので、單に我々だけでは考えられませんけれども、日本で若しも全国的なテレビジヨン放送網を本格的に将来行われる場合には、どの電波がどういう工合に割当てられて行くべきかという点は、もつぱら電波の伝播に関係する、又先ほど申上げましたように日本が国際條約の線に則つて幾つのチャンネルをテレビジヨンに與えるとか、而もそのチャンネルがどういうメガサイクルのところのチャンネルかというところに関連がございますので、そういう点も考慮して進めておりますが、これは或いは御説明が十分でなかつたと思いますが、標準方式とは別個であり、これはどの電波を利用してやるかという電波の割当の問題と、割当し得る数と、又日本にどういう工合に放送局を置いて行くかという計画とに関連いたしますので、私どもとしましては別個にその調査を進めておるわけでございます。なおこれは中継の場合のマイクロ・ウエーブとの関係もございますので、そういう方面との連繋も十分にとつて考えなければならんごとだと存じております。
○山田節男君 もとよりそれを前提として私は御質問申上げておるのであつて、アメリカの專門家が言うのは、こういう特殊の地勢であるからアメリカと同じようなつもりでやつちやとんだ目に会うぞという一つの忠告があつたわけです。ですからスタンダードをきめる場合でも、今あなたがおつしやつたような電波の問題である、電波の問題だと言われるけれども、これはすぐ経済問題になつて来る。殊に今言われたマイクロ・ウエーブが放送に附き物です。中継や配置をどうするかという問題、これも非常に向うとしてはきついアドヴアイスを與えてくれておる。こういうような一環のいろいろなフアクターを考えてこのスタンダードを出したのかどうかということをもう一遍お聞きしておきます。
○政府委員(長谷愼一君) 只今お話のございましたような中継の問題或いは置局問題等も十分斟酌いたしましてこういう案が一応出たわけでございます。
○山田節男君 私に関する限りは、これは今日は聞き置く程度として、まだ聞きたいことは技術的な問題もありますけれども、今日は私はここで質問を打切ります。
○委員長(鈴木恭一君) 最近海外放送を実施されるように我々承わつておるのでありまするが、この際富安委員長より海外放送の点につきまして御説明を願います……。
○山田節男君 先ほど最初に私がお願いしたことは当委員会で否決されたわけではないので、一応バツク・グラウンドとしてそういうことになつておる。今便宜上長谷長官の試案の説明を聞いたわけです。これは若し時間がかかれば今日でなくてもよろしうございます。時間ももうすでに相当何しておりますので、それで富安委員長の我々の要求した質問に対する、新谷君の質問と併せてこれに対する……、時間がかかればこれは又後日次の委員会においてでも結構でありますから。
○委員長(鈴木恭一君) 如何でしようか。それはこの次の機会にして頂きたい。
○山田節男君 それは私はかまいません。時間もありませんから。
○委員長(鈴木恭一君) 午後まで継続されますか……。それではその問題は後日に譲ることにいたしまして、次の委員会の際にお願いすることにいたします。 海外放送の説明をして頂きたいと思いますが、時間がなければこの次にいたしましようか。それでは国際放送はあとにいたしまして、加藤次官のほうをお願いします。
○政府委員(加藤隆太郎君) お許しを得まして、大臣に代りまして委員各位に御釈明申上げまして、多分の御理解を頂きたいと思うのでございます。 実は電気通信省の職員に対する不祥事件が最近頻発するような傾向にありまして、この点につきましては我々といたしましていたくその責任を痛感いたしまして、再びこうしたことのないことを期すると共に、大臣初め我々自己反省をいたしまして、現に皆様に対しまして、電通事業が非常に資金難に悩む現状下におきまして、国民の皆様の御信頼を得ることにより、特に業務の運営上又国民の要請にお答えができる途であるということを根本義といたして精進いたしておるのでありますが、たまたま又昨日来電気通信研究所の不祥事件に絡みまして施設局長が留置されるような事態が起りましたことは誠に遺憾千万でありまして、深くその責任を痛感いたしておる次第でございます。 実はこの最近に起りました不祥事態の内容をこの際概要申上げまして、皆様の多分の御理解を頂きたいと思うのでございます。電気通信研究所の会計課長の横山君が現にその容疑中でありまして取調べを受けておるのでございますが、この横山君は昭和二十六年の十月十日に大森警察署に検挙されまして、十一月二日に業務上横領罪で起訴されたものでありますが、容疑の内容は、昭和二十四年度或いは二十五年度中に研究所が国家地方警察本部から委託を受けました超短波無線関係の研究に充当すべき委託経費の中から百万円を横領してグリーン・パーク株式会社の株券を他人名義を以て購入したものであるというのでございます。又会計課の器材契約主査の榊原君は、本年の九月十六日に大森警察署に検挙されまして、十月十日に収賄罪で又十月十二日には業務上横領罪で起訴されたものでありますが、容疑の内容は、本年の三月末に研究所の不用物品売却処分を行うに際しまして買受人中野某から十万円を収受し、又本年八月同買受人から約七十五万円を借用の形で収受し、後に後記新垣隆雄と共謀しまして、昭和二十六年の三月以降六月までの間におきまして、運送業者、建築業者に対する未拂金、研究所職員に対する旅費、前記不用品拂下げ代金の中から約二百二十万円を一時横領したものであるということであります。又会計課の出納主査である新垣君は本年の九月二十一日に大森警察署に自首いたしまして、十月十二日に業務上横領罪で起訴されたものでありますが、容疑の内容は、前記榊原君と共謀して本年の三月以降六月までの間におきまして運送業者、建築業者に対する未拂金、研究所職員に対する旅費、不用品拂下げ代金の中から約二百二十万円を一時横領したものであるという事件でございます。これらの容疑者は目下当省といたしましては休職を命じてございますが、その内容につきましては一に司直の手によつて結果を見た上で更に処断する考えでございますが、これらの会計課長その他の容疑者に関連しまして、只今施設局長が留置されて取調べを受けておるということでありまして、その施設局長の内容につきましてはつまびらかにいたしませんが、結局これらの事件は誠に我々といたしまして実に遺憾に存ずる次第でありまして、とかく今日官紀が紊れ、綱紀の粛正を叫ばれておる際におきましてかような不祥事の頻発いたしますことは、心から恐縮に存ずる次第でございます。 私どもはこれらの被容疑者に対しましては嚴正にその処断をいたしまして、今後更にこうしたことを再び繰返さないよう努めて職員に対して戒飭を加えておるような次第でありますので、何とぞ各位におかれましても、この事件に対しまして国民に深き疑惑を抱かせるような事態を惹起したことにつきましては心から恐縮いたしておる次第でありますが、今後一層努めて再びこうした不祥事を繰返さないよう努力いたすつもりでございますので、何とぞ各位の格段の御理解を頂きとう存じまして、一応概要を御報告申上げる次第でございます。
○委員長(鈴木恭一君) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十二分散会