電気通信委員会 第10号
- 発言数
- 27 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/11/13
会議録
○委員長(鈴木恭一君) これより会議を開きます。 本日は電波管理委員会のほうから欧洲におきまするテレビの状況についてお話を願いたいと思います。
○政府委員(長谷愼一君) 只今委員長からお話がございましたので、私のところで調べましたヨーロツパにおけるテレビジヨンの概況につきまして簡単に御説明、御報告申上げたいと思います。 実は私自身としましてヨーロツパのテレビジヨン事情を親しく見る機会を持たなかつたのでございますので、私の体験談ではございませんけれども、幸い私のほうの職員の部長、課長の四、五名の者がいろいろな会議に出席しました機会を以ちましていろいろ見聞をして参りましたので、そういう報告等によりまして概略御報告申上げ、又御質問によりまして関係者がこの席に参つておりますから詳細申上げたいと思います。 先ずテレビジヨンのヨーロツパにおける概況を申上げるにつきまして我々最初に気がつきますことは、アメリカにおいて、先日お話の通り最近非常にテレビジヨンが発達普及を見ておりますけれども、歴史的に見ますというとヨーロツパのほうが早く手を著けておるのでございます。英国、フランス、ドイツ、いずれもアメリカよりは一足先に実験研究を開始し、或いは一般的な試験放送というようなものも割合に早く始めておる状態でございますが、戰争前、或いは戰争始まりましてから次々とそういう業務が中止になりまして、戰争後はいろいろ国際情勢或いはその国の経済状況というような点からと存じまするが、アメリカが御承知のように非常な発展を見ましたが、ヨーロツパにおいては英国を除きましてはまだそう普及発展を見ていない状況でございます。それから先日いろいろお話がございましたが、アメリカにおいて御案内のように商業放送、民間企業体によつてこのテレビジヨンが行われておりますが、ヨーロツパにおきましては現在英国とフランスだけが正式に業務を開いておりまして、そのほかは実験或いは試験放送の段階でございますけれども、いずれも公共企業体或いは国営によつて行われておる。それが全くアメリカにおける場合と対照的な状態になつておる点をあらかじめ申上げておきたいと思います。 ヨーロツパ各国における状況を申上げるに、先ず英国のテレビジヨンの状況を最初に申上げたいと思います。沿革的なことを最初に御参考に申上げますというと、英国のテレビジヨンは一九二九年に実験を開始して、一九三二年、三年後に一般向けの試験放送を開始しております。これは一般向けな定時的な放送を始めたのは、これが世界で一番初めだと存じます。けれどもその後このテレビジヨンが放送と並んで如何なる発達を遂げ得べきか、どういうふうに国としてテレビジヨンを取扱つて行くかという問題を検討するために、一九三四年に郵政長官が、いわゆるセルスドン委員会というものを任命いたしまして、その後英国におけるテレビジヨンの経営形態或いは経営方針、計画、標準方式等の調査を諮問したのであります。この委員会は約一年ばかり検討の後に諮問いたしましたいろいろな重要事項を推奨或いは勧告いたしておるのでございます。この線に沿いまして一九三六年に正式にロンドンのアレキサンドラパレスから放送を開始しました。三十六年の十一月と存じております。このときにはまだはりきりどの方式がいいかということがわかりませんので、ベアード会社のものとマルコニー会社のものと一週間ごとに交互に放送をして、これの実際の結果を見て標準方式をきめよう、こういうことで始められております。更に翌年の一九三七年には、先ほど申上げましたセルスドン委員会の勧告に基きましてテレビジヨン諮問委員会というものが設けられまして、このテレビジヨン諮問委員会が各階各層の人々の実際的な試験放送の結果を批判したり、或いはいろいろ研究調査の結果によりましてマルコニー会社の方式に採用するのが妥当であるということにきめられまして、この方式が正式に採用されたのであります。このマルコニー会社の方式というのは、イギリスで現在行われておるいわゆる四百五本の走査線を持つた方式でございまして、そのほかに大体アメリカの方式ですというと、絵が黒いときに電波が強く出る。白いときには電波が弱くなるという方式であります。イギリスではそれと反対に白い明るいときに電波が強く出て、電波の弱いときに黒い場面になる、丁度反対でありますが、我々はこの英国のほうをポヂテイブモジユレーシヨン、アメリカのほうをネガテイブモジユレーシヨンと称しておりますが、丁度反対のやり方であります。走査線は今申上げましたようにアメリカが五百二十五本を使つておるのに対しまして四百五本、そのほか変調の方式、モジユレーシヨンの方式等もアメリカとは違つております。結局こういう工合にいたしまして委員会は諮問委員会の意見を採用しまして標準方式がきめられたのでございますが、その後一九三九年に大戰の勃発のために放送を中止いたしております。当時の受信機の大体の数は二万くらい普及しておつたと称されております。その後戰争が済みました直後、前のセルスドン委員会に引続きまして、ハンキー委員会というものがやはり任命されまして、戰争後のテレビジヨン放送をどうやつて行くかということが諮問されたのでございます。それで結論的に申上げますと、戰争前にやつておつた方式で再開するのがよかろうということが、これは大体の報告でございますが、報告がありまして、一九四六年にロンドンのアレキサンドラパレスから放送を再開いたしております。その後丁度一九五一年、今年の暮にいわゆるBBCの、英国放送協会のロイヤルチヤーターによりますところのいわゆる特許権と申しますかが丁度年限が切れる時期になりますので、一九四七年にイギリスにおける放送、テレビジヨンを含めまして、如何にあるべきかということも検討するために、いわゆるビーバリツジ・コミツテイが任命されまして、これがそれから約二年余りかかりまして放送を従来通り公共企業体でやつて行くのがいいか或いは独占でやらすべきか、或いは再建を考えるか、而もそれが民間放送、一般の民間企業体ということを考慮するかどうかというような問題、或いはテレビジヨンをイギリスにおいてどういう工合に取扱つて行くかというようなことをいろいろ調査されまして、これは昨年の暮にその報告ができ上りまして、今年の一月に報告書が発表になつております。このビーバリツジ・コミツテイのレポートを元といたしまして、後ほどいろいろ御参考に申上げて見たいと思いますが、このビーバリツジ・コミツテイにおきましては、BBCが考えましたテレビジヨン五カ年計画というものをいろいろ検討いたしまして、大体その妥当性を認めております。このテレビジヨン五カ年計画というのは、BBCが一九四九年、一昨年発表いたしまして、その線に沿うて目下拡張工事を進めておるのでございまして、一昨年の暮、一九四九年十二月にロンドンに引続いてバーミンガムの近くのサツトン・コールドフイールドという所に、現在では電波を送る送信機の、出力といたしましては世界最大の設備を作り上げております。その後も引続きまして工事中でございます。その内容等につきましては後ほど申上げたいと思います。こんな工合にいろいろ委員会の定めた或いはBBCの考えた拡張計画というものに副いまして目下建設中でございますが、その後の国際情勢或いは国内の経済状況から、今年の三月にテレビジヨンの五ヵ年計画は変更になりまして、一部延期になつております。 大体今申上げたような経過を辿つておるのでございますが、テレビジヨンのいわゆるこれの視聴者、見たり聞いたりする人、こういう何がどのくらい殖えておるかということをこの際申上げてみたいと思いますが、大体一九四八年の末には九万三千、一九四九年の十二月には二十四万、それから昨年の末が五十八万六千、今年の二月の末が七十万、大体最近は百万に達しておるだろうと見られておるのでございます。大体こういう状態でございますが、昨年の末の五十八万、約六十万という数字をとつて見ますというと、その当時はロンドンとバーミンガムの二局ができておりましたが、この二局のいわゆるサービス・エーリアの中の人口と比較して見ると約四、五十人に一台ぐらいの割合になつておつたそうでございます。 なおこの際受信機の問題に触れましたので、それの製造方面のことにつきましてちよつと申上げてみたいと思いますが、大体イギリスには約二十社から三十社ぐらいのテレビジヨンのメーカーがあるようでございまして、戰争後特に非常にこのテレビジヨンの製作に力を入れて来ておるようでございます。昨年度におきましては年間約五十万台くらいを作つたようでございます。過去三カ年くらい見ますというと年々倍加しておる状態のようであります。勿論アメリカの非常な厖大な生産の何と比較しますと、相当その間に距離はございますけれども、普及率と大体マツチして行くような生産過程をとつておる。なお後ほど申上げる機会もあるかと存じますが、イギリスにおきましてはできるだけ簡易な安い受信機ということで、確実な絵の映る立派なものということを心がける一方、コス下が成るべく安くなるようにということも考えているようであります。後に申上げるテレビジヨンの設置計画、置局計画というものと睨み合わしてみるとよくわかるのでございますが、例えば一つの波しか受けられない、その附近にはアメリカと違つて同じ都市でたくさんの数種のテレビジヨンを見るというような形になつておりませんから、そこから出ているテレビジヨンさえ受ければ十分であるので、電波の切替装置というようなものは設ける必要はない。従つて又使用する真空管の数もそうたくさん要らないというようなこともありまして、がんじようなしつかりした受信機を作る一方、簡略される所はどこまでも簡略をして、コストの低くなることを心がけておられるようですが、大体値段を見ますと税抜きで一台三十ポンド、普通の売価でこれがやはり五十から六十ポンドになるようであります。邦貨に換算すると約五、六万円ぐらいになるものと存じます。 経過とその事情の関係を申上げたんでありますが、BBCがどんな工合に運用しておるかという点を二、三申上げてみたいと存じます。大体BBCは先ほど申上げましたように音の放送と一緒にテレビジヨンもこれを独占企業いたしております。この点は先ほどちよつと触れましたが、いろいろ議論もあつたようでありますが、ビーバリツジ報告書はこれを一応サポートしておるようであります。この英国放送協会の中の組織を見ますというと、大体音響の放送とテレビジヨンというものとの総合的な運営という建前から、全然テレビジヨンは分けておるというようなことをせずに、総合的な観点から運用するように組織をしておるようでありますが、併し最近はやはりテレビジヨンはテレビジヨンとして独得の技術が必要である。番組の上におきましても或いは純技術の上におきましても分けるべきだというようなことから、例えばテレビジヨン・サービスセクシヨン或いはビウローというようなものが設けられたりしまして、だんだんテレビジヨンの色がクローズアップして来ておるようでありますが、大体同じ組織の中に運営されているという状態のようであります。それからこの建設資金、テレビジヨンの建設資金は大体借入金で行くのが妥当であろう。BBCとしましては全額国庫負担等を主張し希望しておつたようでありますが、ビーバリツジ委員会でテレビジヨンの将来が相当プラスになつて行く、相当十分賄える事業であるということ等を考えてみまして、借入金で行くのが妥当であるという結論を出しておるようであります。国として、但しこの借入金の限度を一千万ポンドに制限をしてそれまでは面倒を見てやろう、こういう工合に結論を出しているように思うわけであります。この財政的な点でビーバリツジ委員会でいろいろ報告してありますうちで、御参考になる所を少し拾い上げてみますというと、結局テレビジヨンというものは非常に金のかかる事業であるということを強く言つております。先ほど申上げました一九四九年の十二月、バーミンガムの近くのサツトン・コールド・フイールドという所に新しくテレビの放送局ができましたときに、BBC会長がこの点を非常に強調しておる。又この強調しておる点をビーバリツジ委員会もそのまま引用いたしておりますが、この委員会等で検討して来たところによりますと、過去の例をちよつと引いて御参考に申上げますと、一九四九年から五十年の年間におきましてテレビジヨンの収入というものは約十万ポンドでございますが、テレビジヨンに要した金額というものは百十数万ポンドでございます。従つてその差の約百万ポンドというものはこれは勿論BBC或いはその監督官庁も認めているところでございますが、一般のサウンドの放送の収入からこちらへ廻わしておる、これが約一一%の金をテレビジヨンのほうへ廻しておる状態であります。こういう状態を、一体どこまでこういう状態を予想しなければいかんという点が非常に興味があるのでございますが、BBCが計画を立て、先ほどの委員会が一応認めております十カ年計画の間の財政上の予算と申しますか、収支予算の関係を見ますというと、十カ年の間で大体一般の放送の料金收入の二〇%がテレビジヨンのほうへ廻してやらなければいかんだろう、併し大体テレビジヨンがイギリスにおいては五百万台に達すれば収支が十分バランスして行く、それまでの間は国家が補助をするか或いは今申上げたように一般の放送の料金からテレビジヨンのほうへ流してやらなければいかんというような予想を立てておるようでございます。なおこれらの点からしまして、BBCは一般のラジオの放送の聽取料は一年間一ポンド、聴取者がテレビジヨンをかねて一緒に持つ場合は更に一ポンド加えで二ポンドにしておるのであります。これは集金は御承知のように郵政庁がその手数料を差引いた、これは現在は七五%くらいの手数料を郵政庁が取るように記憶いたしておりますが、この残りのうちの八五%はBBCに渡しまして、一五%は国庫に保留しておくという形において、これでは十分な運営ができて行かないから、BBCとしては郵政庁の取られる集金手数料を差引かれるのは止むを得ないが、残りは全部BBCにもらいたい。いわゆるネツト・ライセンス・フイーは全部BBCにくれということを言われております。この点をいろいろ委員会でも検討されておるようであります。なお委員会は先ほど申上げたように相当多額の金が一般放送の收入からテレビジヨンに流して行くということ、それからテレビジヨンそのものが先ほど申上げたように非常に金のかかる、建設においても或いは運営においても金のかかるということからしまして、二ポンドという料金を再検討する必要があるだろうというようなことも言うておるようでございます。そうして従来とかく一般放送とテレビジヨンとの会計というものを一緒くたにしておるが、これは当然明らかに分離をして、両者の関係がどうなるかということをはつきりするように分離計算をして行くべきものだというようなことを勧告いたしております。 それから御参考に番組の点を申上げてみたいと思います。大体先ほど例に出ました一九四九年から五〇年の間の主なる番組の構成の状況を見ますというと、大体当時は午前、午後二時間ずつ、夜間は二時間乃至三時間、平均しまして一週間四十二時間ぐらい放送しておるようでございますが、一番多いのは何といいましてもフイルムを通じての放送でございまして、約四三%はフイルムを使つたテレビジヨンの放送をやつておる。その中でニユース・リールとか或いはドキユメンタリーの番組が約二〇%、娯楽物の番組が一二%、それからデモンストレーシヨンが一一%、そのデモンストレーシヨンは特にテレビジヨンの普及、発達のためのデモンストレーシヨンであります。それでスタジオから直接生のドラマというようなものをやるのは大体一六%ぐらい、それからスポーツを屋外から中継するのは約一四%、これが大体主なる番組のようでございます。いろいろ英国のテレビジヨンに関する技術陣も相当アメリカとは違つた行き方を、今申上げたようにやつておりますけれども、いろいろの点でデベロツプした点がたくさんございまして、例えばフランスから、これはプログラムの内容は私存じておりませんが、たしかドーバー、カレーの間の海峡を超短波で横断しまして、フランスからプログラムを中継してテレビジヨン放送をやつたというようなことをやつておる。或いはボートレースを後から追いかけて行つてボートレースの状況をテレビジヨンに出してみたりいろいろなこともやつているようであります。併し何と言つても経費の点等から今申上げたようにフイルムを通じての放送が大部分を占めておるように思います。 さてこのテレビジヨンの五カ年計画というものは一体どういうものかということを申上げてみたいと思いますが、五カ年計画は大体ロンドンと、いわゆるミツドランドをカバーするバーミンガムの近くに作られたるサツトン・コールド・フイールド、この二つはすでにできておりますが、そのほかに北部のほうスコツトランド、それからウエールズとか西のほうのいわゆるブリストル・チヤンネルのあたりをカバーするようなもの、その総計五つの大電力のテレビジヨンを作る、これで大体全国の七〇%から八〇%の世帶はカバーできるという計画のようであります。そのほかに補助的にニユーカツスルとかサザンプトンとか、そういう所に五カ所ばかり、いわゆる補助的な、これは中電力のものを作りまして、全体で八五%から九〇%の世帶をカバーする、こういう計画のようでございます。目下大電力のものは二つでき上り、残りの二つも現在工事中でありますが、先ほど申上げましたように今年の三月にいろいろ経済的な理由からあとで申上げた五つの補助的なものは当分延期する、五つの電力のものだけをやつて、一応ほかのものは延期するという決定を見ておるようでありますが、この五つができましても、先ほど申上げましたように七〇から八〇%はカバーするような状態になる、それでこれは極めて専門的な話になりますが、この大、中両方の局を合せて十局を置くということですが、これに対して一体電波はどのくらい予定しておるか、これは大体五つの、私どもはチヤンネルと言つておりますが、五つの電波を予定しております。大小、大きな電力のものと、補助のものと二つずつ組になつて同一の周波数を使つて行くということを考えておるようでありますが、私どももいろいろ日本の将来のテレビジヨンの置局計画を考える場合に、基礎となる技術的な調査を進めておりますが、イギリスでも同じ電波を使う相互間の距離は少くとも三百マイルぐらいは離さなければいかんというような技術的な制約もありまして、この十局を置くのにでさえも五つの電波が要るのだという状態のようであります。この電波の使用の割当方につきましてはアメリカと大分違つた行き方をやはりとつております。これは先ほど申上げましたように標準方式も違いますし、又発達しました道程、経過も違つておりますので、そういうようなことになつておると思います。なおこれはやや具体的なことになるのでありますが、御参考までに現在でき上つておる二つの局の規模を申上げてみたいと思います。 ロンドンにできておりますいわゆるアレキサンドル・パレスにありますステーシヨンは、海抜三百フイートの所にありまして、鉄塔の高さが三百フイート、これはできるだけ高い所にアンテナを置いて、サービスの区域を広くしよう、こういう考えからだと思いますが、サービスする範囲は三十マイルから三十五マイルの範囲をカバーするという状態でありまして、電力は最大十七キロワツトの電力を持つております。スタジオは大体ロンドン市内にありまして、聞くところによりますと、昔の映画スタジオを改造したものだそうでありますが、まだまだ不十分でありますので、五カ年計画の一環としましてロンドンの郊外のホワイト・シテイにテレビジヨン・センターを建設する計画があるようであります。これは相当思い切つた計画を持つておるように聞いております。ミツドランドのいわゆるサツトン・コールド・フィールドにある局は更に電力が大きくてピークで出る電力が四十キロワツトございます。これは海拔五百五十フイートの地にあつて、一両も鉄塔は前のものより倍も高い七百五十フイート、非常に高いアンテナを立ててサービス、スフイアは四十五から五十マイルの範囲をサービス・スフイアに持つておる。先ほど申上げたようにできるだけ効果的にカバーレージを広くしようという観点でイギリスの場合行つておりますから、大分アメリカの行き方とは違う点があるように思います。 次に中継設備であります。これは郵政庁がみずからやつております。これは有線と無線とを総合的に考えて行く、而も有線の場合等には一般の電話、多重電話の設備とテレビジヨンの設備と総合的に考えて行くというような総合計画に基いて進めておるようであります。すでにロンドンとバーミンガムの間には同軸ケーブルとマイクロ・ウエーヴ、超短波、VHF、UHF、無線設備と両方ができ上りまして、双方の比較研究をやつておる状態であります。なおこれは余談でございますが、英国は国防的の観点からこの超短波或いはマイクロ・ウエーヴの中継網をできるだけ早く全国の間に作り上げようということで、非常に大きな関心を持つて力を入れておる様子であります。これも余談でございますが、イギリスが戰争前からテレビジヨンに非常に力を入れて、研究に非常に力を入れて行つたというのは、一つの国防的の観点もあつたように我々想像いたしております。例えばレーダーのようなものも御承知のように英国が一番早くこのテレビジヨンの技術に基礎を置いて生み出しているのもその一つの現われじやないかと私ども思つておる次第であります。ビーバレツジ委員会の報告書もここに持つて来ておりまして、御質問に応じて詳しく申上げたいと思つておりますが、この報告書は最近のニユースによりますと、この七月に英国の議会の下院、それに引続いて上院に報告されまして、いろいろ論議をされているようであります。その論議の詳細は私どもはつきりつかめないでおりますが、いろいろイギリスにおける一般放送並びにテレビジヨンの今後の進み方ということに対しての非常に含蓄ある報告書のようでありまして、議会における論議も、様子さえ知ることができるならば我々も非常に参考になるものと思つておる次第であります。 なお英国の標準方式等についてちよつと御参考に申上げてみますと、これは御案内のように走査線数が四百五本、絵の数が毎秒二十五枚、それから先ほど申上げましたように変調の方式がいわゆる正変調ポジテイブ・モジユレーシヨンの方式をとつているのでございますが、走査線数が少し少いので、アメリカの五百二十五本、或いはヨーロツパの大陸でいろいろ試験されている六百二十五本等と比べるとやや劣るような感がないでもない。従つて余り絵を大きくすることは少し困難かも知れんが、家庭で見るのには勿論何ら差支えない。なおこの点はどこに起因するかいろいろ問題はありますが、現在イギリスのテレビジヨンをいろいろ見た人の話を聞きますというと、明るさがまだ十分でないと言つているので、アメリカほど明るい部屋で楽しむところまでまだちよつと行つていない。それからもう一つ非常に大きな問題で我々が日本において実施を考える場合も考慮しなければならんのは雑音の影響であります。これはイギリスの場合は今申上げましたようにポジテイブ・モジユレーシヨンをやつているために余計雑音の影響を受けております。いわゆるラヂオのイグニシヨン・コイルからの雑音が非常に問題になりまして、一九四九年に郵政長官の諮問機関としてこのテレビジヨンに対する雑音妨害対策を主として検討するために諮問委員会が設置されまして、と申しますのは郵便長官に無線に、特にテレビジヨン等に妨害をする、雑音妨害を規正する規則の制定の権限が與えられましたので、それのための諮問委員会等を設置されて、目下いろいろ調査を進めている様子でございます。なおイギリスの問題につきましては御質問に応じまして又附加えて申上げることにいたしまして、そのほかの国の状況を簡単に申上げて見たいと思います。 次はフランスでございますが、フランスは御案内と存じますが情報省と申しますか、いわゆる国営でございまして、建物も情報省の中にあるのでございますが、いわゆるフランス放送テレビジヨン協会、ラジオ・デイフユージヨン・エ・テレヴイジヨン・フランセーズが行なつております。いろいろ経過的に申しますというと、これはいわゆる有名なエツフエル・タワーの頂上から現在も行つているのでありますが、すでに二十年ぐらい前から、いわゆる一九三一年頃から実験を始めております。併しその当時は非常にまだ幼稚なものでありまして、本格的なところに来ましたのは一九三九年頃からでございます。特にフランスの場合は、この前の山田さんからのお話にもありましたように、フランスの特徴は走査線の数が非常に多い、非常に精密な絵を出す方式をとつている。これは一九四六年に無線技術者協会の二十五週年記年にこれを発表しまして世界の注目を買つたのでございますが、この八百十九本という方式でずつと続けておりますが、もう一つ四百四十一本というものも併行して行つておりまして、現在パリで両方式の放送が行われております。フランスでも国営でテレビジヨンも相当力を入れておりまして、例えば一九四七年にいわゆる長期経済計画、いわゆるモネー・プランというものの中にもテレビジヨンの計画は盛られております。それによりますとやはり五ヵ年計画によつてパリのほかにリヨンその他八局、それから補助局十二局、合計二十局ぐらいの局をフランス全土に亘つて設けたいというような構想で進んでいるようでございます。現在はパリのほかにリールにもでき上つております。リヨンでも目下工事中だという話を聞いております。併しこのフランスの普及状態を見ますというと、まだ相当ほかのイギリスやアメリカと比べましてそう多くございませんで、現在二万五千と称せられておりますが、人によりましては、もう五万台に行つておるということを言う人もあります。その点はつきりはいたしておりません。なおこれは先ほどフランス放送テレヴイジヨン協会と申上げましたが、或いは協会でなしに、国営でございますから何と申上げたらよいかちよつとわかりませんが、やはり受信料を納める形になつております。大体テレビジヨンについては一般の放送の三倍の額三千フランでございます。なおフランスでは單一料金になつておりませんで、いわゆる公共のホール、たくさん人の集るような所でたくさんの人に見せるような所では倍額の六千フラン、それから商売で金をとつて見せるような所では更にその倍の一万二千フランという工合に段階を設けているようであります。大体現在行なつておるのは、一週間に約二十五時間くらいパリでは放送をやつておるようであります。又リールでは約十五時間くらいやつておるようでありますが、大体映画フイルムを通しての番組が大部分のようであります。聽取者と申しましようか、受信者の数がはつきりいたしませんので、比較検討できませんけれども、一体このフランスにおいてテレビジヨンにどれだけの金を注ぎ込んで使つておるかというの一を見ますというと、一九五〇年、昨年度におきましては総額二億二千万フラン、それから今年の一九五一年度の予算におきましては五億一千七百万フラン、これだけの金を予定しておるようでありますが、どうもいろいろ実際に見て来られた人の話を聞きますというと、まだ盛んというところにはちよつと行つていないという話でございます。 それからそのほかの国の様子を簡単に申上げて見たいと思いますが、ドイツについて申上げたいと思います。ドイツは先ほど申上げましたように、試験放送を始めたのはやはり相当古うございます。特に一九三六年のオリンピツクの場合にはオリンピツクの状況をテレビジヨンに現わして放送したりして、相当活溌な動きを戰前見せておつたのでありますが、戰争後はすつかりとまつてしまつた。併しドイツの戰争前の技術が或る程度相当の域に達しておつた点もありまして、戰争後一九四八年にハンブルグにおきましていわゆる北西ドイツ放送協会、NWDR、そこが実験を再開いたしました。昨年の暮には定時試験放送も開始しておりまして、いろいろ様子を聞いて見ますというと、月、水、金、三回、二時間ずつ放送をやつておるようであります。併しまだ今後どういう形でやりて行くか、いわゆる長期計画とか或いは資金計画、従つて料金を取るとするならばどういうふうな料金にするかというような点はまだ未定なようでありますが、いわゆる試験放送はやつておるようであります。その後いろいろ情報によりますというと、今年の三月に西ドイツの各放送を行なつておる、これは大概協会というような組織になつておりますが、そういう関係者がテレビジヨンの問題の討議のために会合を開いておるようであります。一九五一年の秋頃から本格的な放送をやり始めたいというような決議もしておるようであります。同時にハンブルグ或いはケルン、ランゲンベルグ、ハノーバーというような所に次々と放送局を作つて行きたい、こういうような検討をしておるようであります。来年にはフランクフルトにも作つて行きたい、なお別途ベルリンでも実験的な放送は行われておるようであります。一方郵政省では大体有線のケーブルでこれらの局を連絡するという計画で、これはもうすでに着工中ということであります。と申しますのは郵政省は戰争前から戰争中にかけて或る範囲、同軸ケーブルを敷設しておりましたので、それを恐らく活用するのではないかと想像いたしております。その会議では、来年の一九五二年の夏頃からは西ドイツの数カ所の都市で、本格的なテレビジヨンの放送の実施を可能にするようにということを申合せておるようでありますが、実際その後どういう工合に進捗しでおるかは遺憾ながら今のところ不明でございます。なおこの放送局を作つて行くと同時に、受信機の生産のほうはどういうふうに考えておるかと申しますと、大体七カ年計画を立てて、ドイツの各生産メーカーを動員して約二百万台作り上げるということで計画を進めておるようでありますが、これも不確かでありますが、情報によりますと、今年中に一万台を作り上げる、来年は約五万台の生産をやろうというような計画を持つておるということでありました。なお値段は現在邦貨に直しまして約十万円ぐらい、いわゆる千マーク、来年度からは六百から八百マークぐらいに下げ得るであろうというようなことを言うておるようでありますが、これも計画を出ないようであります。 そのほかの国につきましては、例えばソヴイエトも戰争前も或る程度の実験或いは試験放送を行つておりましたが、戰争後再開をし、現在はモスコー、レニングラード等で六百二十五本の走査線によるいわゆるCCIRの勧告に基く方式で行なつております。併し或る情報によりますと、これは最近アメリカ式に変更しようと思つておるというようなことも言われております。なお言い忘れましたが、ドイツの方式は走査線数が六百二十五本、絵の数が二十五枚というような大陸方式で行つております。 それからイタリーでございますが、イタリーは例えばチユーリンで数年来、約二年余りになると思いますが、六百二十五本の方式とフランスの八百十九本という精密な精細な方式との両方を比較試験しております。大体結論が得たようなことを言われておりまして、恐らく六百二十五本を採用して本年中に、つまり一九五一年中に本放送に切替えたいという計画だというように言われております。イタリーの放送協会としては第一期計画として約一億八千万リラの支出を決定をして、大体ローマその他八カ所にテレビジヨン局を設けて、この普及を期して行きたい、こういうふうなことを言われております。 それからオランダ、これはあすこにフイリツプのアイントンホーヘンに大きな工場がありまして、フイリツプは御承知のようにラジオ界では非常な力を、歴史を持つておりますが、このフイリツプが相当早くから試験放送を始めておりますが、一方オランダ放送協会、NRU、これもウトリツヒという所でやはり六百二十五本の大陸方式で試験をいたしておりました。さだかにわかりませんが、やはり六カ年計画程度で全国に五局、五つの局を設けて行きたい、こういう計画を持つておるようであります。併し大体六カ年計画でも二十万から三十万程度の聽取者じか予定はできないだろうというようなことが言われております。併しそれでも年額としてはどうしてもテレビジヨンのためには四百万ギルダーと申しますから約四億円くらいになるかと思いますが、その程度の金は要るであろう、受信料として年額三十ギルダーくらいを予定しておるということでありますが、まだ確定はしておるように聞いておりません。そのほかスイスもいろいろ実験をやつておりますが、最近單なる試験放送から定期的な放送に移つたと言われておりますが、これはローザンヌでやつております。そのほかの国々でもチエツコスロバキアとかデンマーク、フインランド等におきましてもいろいろ実験をやられておるようでありますが、詳細の点ははつきりわかつておりません。なお御質問に応じまして追加して説明を申上げたいと思います。
○委員長(鈴木恭一君) ちよつと速記をとめて。 午前十一時三十一分速記中止 —————・————— 午前十一時四十三分速記開始
○委員長(鈴木恭一君) それでは速記を始めて。
○新谷寅三郎君 それでは監理長官にお伺いいたしますが、配付せられた資料によりまして各国のこのテレビジヨンに対する周波数のことを考えると、日本に割当てられた周波数というものについてもう少し愼重に検討する必要がありはしないか、なおこのテレビジヨンに対する関係だけじやなしに、一般の無線の通信というようなものに関連しておるのかどうか、それについてどういうふうにこの周波数が日本にとつて有利であるか、その全般的な問題に触れて御説明願いたいと思います。
○政府委員(長谷愼一君) 只今の御質問に対してお答え申上げます。 この電波の使用につきましては世界的に、全世界一様にきめるべきであり、又きめられるところはそういうふうにきめてございます。従つて世界、ヨーロツパでもアメリカでもアジア地域でもこの範囲は無線放送、これはテレビジヨンを含めまして放送用ということに世界的にきめられたところと、それから地域々々できめた部分とございます。この地域的にきめたところは、ところによりましては或いは或る部分によりましてはヨーロツパ、アメリカ、アジア三地域間において多少食い違つておるところもございますけれども、その相互の調整は技術的に不可能であるという程度のものではないと私ども承知いたしております。併しできるならば今後の電波というようなものは常に世界的に見て行かなければならんという観点から、只今御質問の御趣旨もありましたように、我々の方向としては特殊の事情、避け得ない事情がない限りは世界的に一様なものにして行くということに努力をしなければならんと存じておるのでございます。一方日本の場合、国内事情を申上げますと、国際会議で一応テレビジヨン或いは放送にも使える、使つてもいいという工合にお互いに了解を遂げた範囲のものが実際に公衆通信とか或いはほかの通信に使われておるところが現にございますので、それらはすでに既得権を持つておると申上げると恐縮でございますが、設備等もほかに変え得ないような設備で全国的に相当普及しております。これは止むを得ないので、そういう支障のないところをできるだけ代りにテレビジヨンのほう或いは放送のほうに向けて行くということを現実的には考えております。将来としてはお話のようにできるならば世界的に統一したものに向つて行くようには当然考えて行かなければならんのじやないかと思います。
○新谷寅三郎君 それについて少し立入るようですが、アメリカやイギリスなんかの周波数を見まして、日本での四十メガから八十メガあたりの周波数ですが、これは例えば今占領軍が使つておるとか何かそういう特殊の事情でもあるのですか。
○政府委員(長谷愼一君) 只今御指摘のありました四十メガから八十メガ或いは百メガあたりのところを見ますと、アジア地域ではそつくりアメリカと同じでございませんので、少し放送に割当てられているところが少うございます。これは私或いは間違つておるかも知れませんが、アジア或いはヨーロツパにおきましては、国内の一般通信施設というものがアメリカほど発達しておりません。従つてアジア地域の各国においても有線が十分に発達していないために無線で固定通信とか或いは移動通信等をできるだけやりたいという考え方がございますが、アメリカでは御案内のように有線施設が非常に極度に発達しておりますから、無線は殆んど全面的に放送、飛行機等の関係、或いはアマチユアというものにできるだけ開放しておるという行き方をとつておりますので、そういう観点から必らずしも放送というものの周波数の割当計画がアメリカ地域とほかの地域が同じじやないようでありますが、只今御指摘のありました所でも、アメリカは相当部分放送に割当てておりますが、アジア地域或いはヨーロッパ地域ではそれほどには行つておらないのであります。なお御指摘になりました国際会議で放送にも使い得るという工合になつておるところが、日本における現状では先ほど申上げましたが、公衆通信に使つておるところがございます。これは北は北海道の根室から或いは釧路の方面から鹿児島まで縦貫し或いは横断しておるところも数箇所ございまして、この施設が将来技術の発展によりましてほかのほうに転換し得るような状態になれば別でございますが、予算等の関係もありましようし、これはすぐには放送には使えないように思います。そのほか御指摘のありましたように関係方面で現に使つておるところも相当ございます。それらの点につきましては目下いろいろ交渉いたしておりますけれども、まだお答え申上げる段階に至つておりません。
○尾崎行輝君 さつきの御説明ですが、聞き間違いかとも思いまするが、欧州では要するに全体的の独占的のテレビジヨン放送というものはなかつたように伺つたのですが、そうですが。
○政府委員(長谷愼一君) お答え申上げます。先ほどもちよつと申上げましたが、ヨーロツパにおきましては国営か或いは公共企業体の経営状態になつておりまして、その企業体が複数である場合もあるようでございますけれども、いわゆる民間企業というようなものはないようでございます。
○山田節男君 長谷長官が、さつきヨーロツパで主として標準的に使つているのは六百二十五アドラインですね、これはCCIRとありますが、これは何か六百二十五というのは国際標準か何かの中に規定されているものですか。
○政府委員(長谷愼一君) この標準方式のことにつきましてはできるだけ早い機会にいろいろ御説明申上げまして、我々が日本においても採用する場合に、どういう方式を妥当と考えるかというような点に関連しまして御説明申上げたいと思つておつたのでございますが、今御質問の点について申上げますというと、この六百二十五本、毎秒の絵の数が二十五枚という方式は国際電気通信連合の無線通信諮問委員会、これをCCIRと申しておりますが、その諮問委員会が四年前でございますか、一九四八年にストツクホルムで会合を開きましたときにこの方式を標準方式として推奨するという決議がありまして、特にヨーロツパの各国におきましては、御案内のように各国が境界線を同じうしてたくさんの多くの国が隣合つておりますものですから、その間に少くともほかの大陸とは違つて標準方式というものを一様にして行かなければ、プログラムの交換とかその他の点について非常に不便があるということで、ヨーロツパの大陸では率先して推奨された六百二十五本というものを採用して、試験放送或いは実験放送を始めたようでございます。ところが今年の六月から第六回のCCIRの総会が開かれましたときに、この問題をもう一度取上げましていろいろ検討しました結果、アメリカにおいて五百二十五本というのが非常な発達を見たのでございます。又ヨーロツパ大陸において六百二十五本の方式をいろいろ試験しているところでも、五百二十五本というものとの比較というものをいろいろ考えて来られた向きもあつて、国際会議の諮問委員会として、六百二十五本の方式を正式に推奬するということは取消されまして、ただ世界中にテレビジヨンが実施されている状況からしまして、世界中に或る標準となるような方式はいわゆるアメリカの方式、イギリスの方式、それからフランスが現在行なつている方式、それから今申上げましたCCIRが推奨したこの四つの方式が現存するのだと、各国ではそれぞれの立場でその四つの中のどれかを適宜に選ぶのがよかろうというようなことに変更になつております。
○山田節男君 このCCIRというのは、国際連合の中の国際電気通信委員会ですか。
○政府委員(長谷愼一君) 国際電気通信連合でございます。国際電気通信連合の一つの條約上にはつきり語つてありますところの諮問委員会でございます。大体技術上及び運用上の無線に関する問題を審議するために設けられた委員会で、殆んど連合のメンバーが全部参加しまして、四年に一度ぐらいずつ会合を持ち、その期間の間も各国がそれぞれ分担をして研究調査を進めておる機関でございます。
○新谷寅三郎君 もう一つ伺いますが、御説明によりますと、欧州の各国とも現在まだ試験或いは実験放送をやつておるのが多い、本格的な放送をやつておる所でもなお実験放送を続けておる所が多いように伺つたのであります。日本のような程度の国で、これは標準方式の電波の問題に関連するのですが、実験放送をやるのはまだ殆んど行われていない。僅かに一週間に数十分のためにここ一、二年の間試験的な電波を出したに過ぎないわけですね。そういう状況で、つまり実験放送のようなものを拔きにして、いきなり本格的な放送に入るということは、これはもう非常に不得策だということは明瞭だと思うのです。そういう実験放送の段階を見ないでもいいというお考えを電波監理委員会はお持ちになつておるのかどうか、一応の試案でも決定になつて、これで行こうということをお考えになつておるのは、実験放送拔きでもいいのだということでございますか。或いはこれから実験放送でもやつて行こうということですか。そのどちらの方針をお持ちになつておるか、根本方針ですから伺つておきたいと思います。
○政府委員(長谷愼一君) 実は本日はヨーロツパの実情を話して見よと、こういうお話で伺いまして、ヨーロツパの批判を加えること、乃至我々の得ました情報によつてヨーロツパの事情を申上げたわけでございますが、今御質問の問題は極めて大きな日本のこれからの方針にかかる問題でございまして、いろいろ私どもも検討いたしておりますのですが、今御回答を申上げる段階に至つておりません。
○新谷寅三郎君 今でなくても結構ですが、これは標準方式をどういうふうにきめるのか、そうしてその標準方式によつてどういう段階でテレビジヨンを実現するかという場合に、非常に大きな根本的な問題だと私思つております。でありますから、我々がアメリカに行つております間に一応の標準方式の試案をおきめになつたというのですが、これについてもこの実験放送に関連して実は私個人としては非常に憂慮しておるのです。でありますから次の標準方式の御説明を聞く場合に伺いたいと思いますから、電波監理委員会で十分御検討になつて、あなたがたの根本的な方針の一つとしてやはり御説明を頂かなければ、これは会議が進まんだろうと思いますから、この点あらかじめ御承知を願いたいと思います。
○山田節男君 今新谷君の言われた質問、これは最も重要ですから、これは一応電波監理委員会の標準方式の試案を立てられて、而も関係当局の〇・Kももらつておる。我々の留守の間の出来事であつて、その経過も知りません。今新谷右の言われたような、そういう時期の問題もありますが、私昨日も申上げましたようにこの標準方式の問題は、そう簡單にきめ得るかどうかという技術的な問題、それから甘木の経済社会状態から見て、殊に日本がまだ占領軍政下にあつて、講和條約の批准前にある。批准後においても国際上の問題が、日本の対外情勢、賠償問題その他がある。こういうもののフアクターを考えたのかどうかということは、これは根本的に討議しなければいかん。これは昨日も私申上げたと思いますが、日本が講和條約の署名が済んだあと、とかく日本人が非常に浮ついておる、これは非常に外国に対しても惡い印象を與えておる。このテレビジンを扱う場合に、これは物好きとか或いは国民のためとかいうことばかりでなく、そういう方面を考慮し、憂うべき状態であると思います。テレビジヨンをただ單に技術的に考えてやるか、かるがるしく標準方式を作つたとか或いは二、三の会社がこれに対して申請をするというような、そういうゼスチユアすら対外的にはいい反響じやありません。こういうことを私は最も今憂えておる一人でありますから、今新谷君の言われた質問は、この点勿論必要でありますし、その他いろいろのフアクターがある。本委員会としては、電波監理委員会が今度発表される標準方式の試案という問題に対して、我々は一応議題に載せて頂いて、これに対して根本的な審議をしてもらうということにしないと、電波監理委員会の当局者もいろいろな理由があつたろうと思うのです。これを一つ総合的に説明して頂いて、それから我々の希望を述べる、こういうように議事進行をして頂きたいと思います。
○委員長(鈴木恭一君) 本日は欧州のテレビジヨン状況を電波監理委員会からお聞きするというためにお集りを願つたのでありますが、だんだん御意見なり根本問題に触れて参るようでございます。これはいずれの機会にかと私も考えておるので、本日はこの程度にいたしまして、明日中継線を中心としての問題に対して電通省から来て頂いて質問なり説明を願い、その次に時間がありますれば、或いは日を変えてもよろしいのでありますが、只今のお話の標準方式を中心とした電波監理委員会のお考えなりについて、これを中心として討議したら如何かと思つておりますが、如何でございますか。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○新谷寅三郎君 標準方式の問題と、それから電通省で公衆通信のためにどういうふうに将来無線通信を活用するかという問題がやはり非常に関連する問題でありますから、これはできれば討議はあとにしても一緒にその説明を聞いたほうがいいと思います。質問はどうせそれに関連しますから、標準方式の御説明を願い、そして電通省の無線通信に対する将来の計画なり方針なりを合わして聞くというほうが審議に都合がいいと思います。
○委員長(鈴木恭一君) 如何でしようか、只今のお話で進めて行つて然るべきと思いますが……。
○山田節男君 もう一つ根本問題を……。これはどうもわからないのですが、御承知のようにアメリカでは放送テレビジヨン、これはいわゆる公衆通信でない、コンモン・キヤリアでないのですね。日本の電波監理委員会はこの放送をコンモン・キヤリア、公衆通信と見るかどうかということです。これは私今まで不明にして知らなかつた。これを一つやはり我々わかるようにしてもらわんと、今後の電通省との関係、例えば電通省とも密接な関係となつて、これはコンモン・キヤリアと見るかどうか、これは根本的な問題でありますから、これも法的に見まして一つ電波監理委員会の根本的な、現行法でどう見て行くかということをきめてもらわんとどうも筋が通らなくなる。これも一つお願いいたします。
○尾崎行輝君 日本の放送はオーストラリヤのそれに似ておるが、テレビジヨンのほうも極く簡單でいいが伺いましようか。私の聞きたいのは独占的にやつておるのと民間と両方でやつておるが、日本の将来はそういうようになるのが、参考になるような……。
○委員長(鈴木恭一君) 同時にカナダの状況も併せてお聞きすれば、濠州とカナダでは共通の点もございますので、共通というか同じような形が現われて参るかと思つております……。
○尾崎行輝君 それと欧州がなぜ商業放送を……。
○委員長(鈴木恭一君) これは時間も参りましたから、この次の会議の冒頭にお願いしたら如何でございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木恭一君) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五分散会