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12回国会参議院1951/11/26

通商産業委員会 第16号

発言数
117
登壇者
14
会派数
3
開催日
1951/11/26

会議録

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 只今より委員会を開きます。早速でありますが、本日の商工中金融資問題に関する証人に栗山委員からお申出の警視庁捜査関係官として警視庁捜査第二課第一係長松本三男雄君を追加いたしたいと存じます。御異議ありませんか。    〔「異見なし」と呼ぶ者あり〕

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 御異議ないものと認めさよう決定いたします。それでは早速委員長から議長を経て同君に証人として出頭を求める手続をとることといたしまして、暫時休憩いたします。    午後一時七分休憩    —————・—————    午後二時十五分開会

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 休憩前に引続き委員会を再開いたします。  先ず中小企業金融緊急対策に関する件を議題といたします。  本委員会では先般の委員会で中小企業金融について東京の中小企業者から実情を聞き、意見の開陳を求めたのでありますが、本日は大阪及び名古屋の実情を伺うことにいたしております。参考人のかたにはお多忙中のところ御遠路誠に御苦労様でございます。折角の機会でありますからゆつくり拝聽いたしたいと存じますが、何分今期国会も会期末になつて頗る多忙になりておりますので、誠に恐縮ですが御一人約十分くらいで中小金融事情とその対策につき御意見をお述べを願いたいと存じます。なお甚だ申訳ないことでございますが、こちらからお願い申上げたかたがたはいずれも御多忙でお出かけ願えませんので、その代りといたしまして則武さん、野田さん、成田さんのお三かたが見えておられます。先ず則武さんからお願いいたしたいと思います。

則武仁十郎大阪商工会議所理事

○参考人(則武仁十郎君) 本日この通商産業委員会のこの席上を拝借いたしまして発言させて頂きますことを誠に御光栄に思う次第でございます。つきましてはこの関西におきまして中小企業なるものが、今日の政府自体が何らかの手を講じて頂かないことには恐らくこの三月までには中小企業として殆んど潰滅する次第であります関係上関西といたしまして五団体を代表いたしまして今日政府なり、又参衆議員諸氏のおかたに歎願に参り、又事情をお聞きとり願いたい、そうして是非何らかの手を講じて頂いて、中小企業のお救いに御努力されることを要望に参つた次第でありまして、委員長にはこの趣旨において書類を添附してあります次第で、今日この隣りの野田君より詳細において説明したいとかように思う次第でありまして、私は五団体を代表しいたしましてちよつと御挨拶を述べることにおいて切上げさせて頂きます。

野田新一大阪工業会常務理事

○参考人(野田新一君) それでは私から本日ここに関西の在阪経済五団体、最も有力な五団体が今日この中小企業問題を取上げ、東京に、関係各方面にいろいろ陳情に参りました趣旨等につきまして時間の許す範囲内で申述べたいと思います。  実は御承知のように大阪というところは代表する産業と申しますと、一部の巨大な産業を除きまして殆んど全部中小企業から成つております。大阪は中小企業の代表都市だと申上げても過言ではないと思います。すでにこの点につきましては、皆様方先般御承知のことと存じます。従いまして大阪におきましては、中小企業の対策は過去すでに三十年、四十年来の昔からこの問題がいろいろ論議されております。前議会におきまして、前議会を通過いたしました例の、最近も問題になつております中小企業信用保險法でございますか、こういつた考え方、或いは中小企業の保証の、いわゆる各地方団体でやつております信用保証協会、こういつた考え方というものはその萌芽が三十年前に大阪の経済団体の産業界の有力者の間に唱えられておるのでありまして、それが漸く今日に至りまして漸次一つの政策として取上げられて参りまして、その形ができ上つて来たという状態になつておるのでありまして、にもかかわらずこの問題は絶えず時に臨み、機に応じてこれが問題になつておるというような状況でございます。特に本年は御承知のごとく先般講和会議を締結せられまして、いよいよ日本の経済というものは自立経済に、一本立の経済に突入することになつたのでございますが、この機会におきまして、大阪におきまする産業界、財界方面でも本当の日本の産業はどうあるべきかという点について種々考えておるのでございますが、たまたま本年度は御承知のごとく上半期におきましては輸入引取資金の問題が突発いたしまして、又下半期におきましては御承知のごとく電力問題が生起いたしまして、非常にこれが大きな影響を各方面に與えておるような次第でございます。殊にこの電力問題は東京においでになります皆様方はちよつと御想像もつかないほど深刻な悪影響を與えでおるのでございまして、この九月当時から、我々はこの問題の救済は結局金融の面によつて救つて行かねばならんのじやないか、かように考えておつたのでございますが、丁度十二月頃から電力危機を契機とするいろいろな不安な情勢が醸し出されるのではないか、かように考えておつたのであります。そういう問題がありましたし、かたがた一方いわゆる日米経済協力と申しますか、これが進展するに従つて国家の経済政策というものはややともすれば傾斜生産と申しますか、重点主義と申しますか、集中的な経済政策に移行するのじやないか、こういうふうなことがいろいろ考えられるのであります。そういうことになりますと、この新らしい日本において、一体中少企業というものはどうあるべきか、ここに我々は深刻な反省をする必要があるのじやないか、こういうような情勢に相成りて参りまして、従来大阪商工会議所、大阪工業会、同友会、或いは経済団体連合会、又は関西経営者協会、こういつた団体からいろいろ各個に時に応じて、これに対する対策につきましては政府、政党、その他関係各方面に絶えず陳情して参つたのでありますが、今日、今申したようなものをバツク・グラウンドにいたしまして一応関西の総意というものを結集して見ようじやないかというような情勢になりまして、我々の結論が先般こちらの委員長までお届けしました意見書になつたわけでございます。  先ずこの大阪を中心とする関西の産業界、財界において、中小企業というものに対してどういう工合に考えているか、この点が最も根本的な問題でございますので、この点を少しく申述べて見たいと思います。只今申上げましたように、この中小企業の問題というものにつきましては、いろいろな問題が附随して生じておるのでございますが、結論的に申しまして、今日のこの中小企業の問題に共通の性格というものは、結局経済政策と申しますか、産業政策の無理なしわ寄せというものがここに現れているのじやないか、こういうような観点を持つておるのでございます。今月の金詰りも、更には先に申しました今日のこの年末を控えまして非常に金融状勢が逼迫したということと、先ほど申しました輸入物資の引取資金手当の需要などで金融は非常な逼迫を招来しておつた。そこに持つて来て八月後半以来電力制限の強化に基く大幅な減産ということになつて、その深刻性を増して来たのでございますが、特に中小企業はかかる産業界の不況のしわ寄せが集中的にここへ集まつて参りまして、ゆるがせにできないような状態になつたと、こう考えてもいいのじやないかと思います。ところが、この輸入物資の引取資金の問題にしましても、我が国の経済が端的に申しまして能力以上の無理をあえてしたところに起因するのじやないか、こういう工合にもまあ考えられるのでございます。又最近やかましいこの電力問題にしましても、これを單に自然現象として済ましていいかどうか、渇水ということは、結局大きな目から見ますと、中小企業の問題の表面化する時期を早めたに過ぎないのじやないか、かように考えるのであります。こういうことから申しまして、今申しましたように、結局我が国の経済というものがその能力以上の無理をしたということが今日の結果を生んでいるのじやないか、かように考えておるような次第でございます。これに対しまする経済政策というものを考えて見ますと、いわゆる経済政策というものは概観してあらゆる部門に均衡のとれたものでなければならない、とれたものが必要じやないか、特に戰争中とか或いはそういつた場合を除きまして、一般の場合には経済政策というものは均衡のとれたものでなければならないと思うのでございますが、ところが終戰後今日までの多くのこういつた経済政策というものを眺めて見ますと、先ほど申しましたようにややともすればそれは、重点的或いは傾斜的、集中的という言葉で表現されておりますように、いずれも中小企業の犠牲と負担を強いる以外の何ものもなかつたような状態ではないかと思います。従つて我々関西におきまして、特に中小企業のウエイトの多い関西におきまして、こういつた政策に対しましては、單にそれを社会政策的に取扱うというのじやなしに、政策自体のゆがみを補正する意味の中小企業対策が一刻も早く取上げられるということを特に希望するような次第でございます。中小企業に対する政策というものは、単に金融政策のみならず、一般的に見まして何もこれは国家がこれに恩惠を與えるとかいうような問題ではないのであります、それ自身が一個の補完的な経済政策もあるべきじやないかと思うのであります。従つて一応立会政策的な面はあるとしても、より以上に現在の我が国の経済構造そのものを考えて見ると、これは経済政策の一つとして取上げられねばならないのじやないかと、かように考えるのであります。従いまして先輩各位が今日まで努力されまして、それが諸々の政策の面となつて徐々にながら実現されて、いわゆる中小企業に対する政策というものは一応パイプとしてあらかたできたのじやないか。併しなからパイプはできたけれども一向に水が来ない。水が溜まつておつても栓がひねられないというような状態は、これは今日の状態がそうじやないかと思うのでありますが、その原因は何にあつたかと申しますと、今申述べましたような中小企業対策、殊に金融面の対策等はややともすれば恩恵的なものだろうというような考え方があつたが故に、これがパイプの水が通じないというようなことになつておるのじやないかと思います。従いまして大阪におきます各産業界の意見というものを総合しまして、先ず第一に基本的にこの考え方を今申しましたように経済政策の一環として取上げて頂くように考え直してもらいたい、かように考えておるような次第でございます。この考え方に基きまして我々は一つの今日の殊に年末の金融を控えました点に絡み合せまして具体的な意見を作り上げたのでございますが、時間の関係がございますので一応朗読させて頂きます。  一、基本方針   (一) 中小金融の資源を擴大すること    中小金融の円滑化を図るためにはその資金源を擴大することが最大要件である。然るに現在の我が国の金融構造の下においては、一般金融資金源によつて、中小金融を積極的に行い得ないことは今更説明を要しないところであつて、政府資金によつて中小金融を強化擴充し、以て中小企業の育成強化を図ることが緊要である。   (二) 既存の中小金融機関を擴充すること    仄聞するところによると、政府は政府出資による中小金融専門金庫の創設を図り、大蔵、通産各省ではそれぞれ独自の構想の下に計画を進めているもののごとくであるが、かくのごとき新機関の創設には相当の日時を要すべく、今日のごとき緊急した金融難の解決には増待し得ないから、取りあえず、既存の中小金融諸機関を擴充して、積極的に中小金融を行わしめる必要がある。   (三) 中規模企業に対する金融を促進すること    従来我が国産業界にあつて、中規模企業は中堅的任務を遂行して来たにもかかわらず、大企業の優位性の前に、常に脅威にさらされ、而も政府諸施策の恩恵を受けることは極めて少なかつた。このためこれら中堅企業たるべき中規模企業が真にその実力を発揮するため緊急不可欠の経営の合理化等を阻害して来たのである。この際この種企業に対して積極的に融資を図るならば前記目的を達成し得るのみならず、これらの下部企業に対する支拂を促進せしめることともなり、延いては末端小企業の金融難の改善に資することにもなるのである。よつて今後一層中規模企業に対する金融措置を強力に推進し以て中堅企業の維持と育成を図る必要がある。  二、具体的対策   (一) 中小金融に対する資金供給を増大すること    中小金融の不円滑はひとえに金融機関の融資資金源の不足に基くものであるから    (1) 商工組合中央金庫については現在資本金十億円を二十億円に増額すること(商工中金法第六條改正)    (2) 国民金融公庫については現在の資本金六十億円を百五十億円に引上げること(国民金融公庫法第五條第一項改正)    (3) 商工債券の消化促進のため、資金運用部から七十億       円、一般会計から二十億円、計九十億円を貸付けることによつて引受増加を図るほか資金運用部資金の借入の途を図ること。   (二) 融資対象を擴大し、貸出限度を引上げること    商工組合中央金庫については    (1) 融資対象を單に組合のみに限定せず、その組成組合員にも直接融資をすることを認めめること(商工中金法第一條改正)    (2) 店舗を増設し、業務範囲のを擴大図り、真に中企業専門金融機関たらしめること。    国民金融公庫については    (1) 一人につき五十万円以内、特別の場合百万円とすること(国民金融公庫業務書第一、二、改正)    (2) 連帯貸付について百万円以内、特別の場合五百万円とすること(同第一、二、改正)   (三) 中小企業信用保險法制度を強化すること    中小企業信用保險法制度による利用状況は七月末現在において約七三〇件、約十億円にのぼるが、これが運営も未だ十分といえないので円滑なる運営を図るために    (1) 運転貸金については二ヶ月以上の償還期限のものとすること(保險法第四條改正)    (2) 貸付金限度を中小企業者一人につき五百万円、中小企業等協同組合にあつては二千万円に引上げること(同法第四條二項改正)    (3) 信用保險金額七五%を九五%に引上げること(同法第三條、第六條改正)    (4) 事故発生後三ヶ月後に保險金額の請求を為し得るようにすること(同法第七條改正)   (四) 信用保証協会を法制化すること    現在の信用保証協会を全幅的に活用するために法制化を図り、国家の再保証を実施すべきである。  これが大体の具体的な提案でございますが、但しこのうちはすでに議会におきまして問題になりまして、解決済みのものもあるという旨先ほど中小企業庁のほうからお伺いいたしましたが、大体今申しましたのが具体的なものでありまして、要するに根本的に先ず中小企業に対する頭の切換えをやつて頂きたい。そういう切換えができれば、パイプに十分水を通すことができるのじやないか。これがまあ根本的な結論でございます。  最後にちよつと附加さして頂きたいと思いますが、由来大阪というところ理窟だけじやなしに実行の都市である、こういうことを言われておつたのであります。この中小企業が問題になりましてからも、いち早く大阪には二つの中央金庫ができました。これがそれぞれ中小企業を目途に金融をやつておるのでありますが、これは要するに今まで中小企業者があがき苦しみもがいていたにもかかわらず、何らそれに対する適切な手が打たれなかつたということに対する一つの現われではないかと思うのでありますが、そういう点から見まして、とにかくパイプに早く水を通して頂くということをここに附加してお願いいたす次第であります。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 次に名古屋商工会議所商業課長成田進平君にお願いします。

成田進平名古屋商工会議所商業課長

○参考人(成田進平君) 本日は私のほうの理事の瀧さんが出まして実情について申上げることになつていましたが、まだ出席になりませんので私代りましてちよつと述べさして頂きます。只今大阪のかたが仰せになりましたように、我が国の産業構成において中小企業の占むる地位というものが極めて多いものでありまして、むしろ中小企業を基盤として日本の経済が成り立つているような状態でございますが、かような中小企業であるにもかかわらず、これが従来極めて信用力が薄弱なために、例えば金融の面におきましても極めて不遇な地位にあるわけであります。中小企業の金融としましては、信用保証協会とか、或いは中小金融専門店舗とかその他いろいろ、ありますが、こういうようなものが設けられまして、これが指導育成の面においていろいろ手は打つておりますが、実際の面におきましては、余りこれが効を奏していないというような業情にあるわけであります。こういう面におきましても、いろいろ中小企業に対しまして必ずしも金融の面のみならず、ほかの部門からでも育成すべき面があると思いますが、最も差迫つた問題は金融の問題かと思うのであります。特に私ども名古屋としまして痛感いたしますことは、これを繊維にしましても、昨年の暮から本年の一月初めはかなり繊維は暴騰したわけでありますが、二月以降というものは極めて暴落のみじめな状態にあるわけであります。これは申すまでもなく我が国の経済の基盤が極めて弱いために何か動機がありますと、その物価がひどく変動するというようなことから、特に日本の各商店におきましても、自己資金というようなものの増加率というものと、それから一般物価の上昇率というようなものがアンバランスでありまして、どうしても金融機関の円滑なる融資を受けなければ、満足な事業ができないというような事情にあるのでありますが、事実中小企業は先ほど申しましたように、なかなか金融の面においても余り市中銀行その他から十分な助成をもらえないというような実情にありますので、何らかの一つこの際国家的に中小企業の金融の円滑というとこにつきまして十分な御配慮を頂きたい、かように思うわけであります。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 質疑はありませんか。  なお中小企業庁長官から只今の参考人のかたがたからのいろいろな御意見に対しまして、政府の意見並びに今後の対策をお願いいたします。

小笠公韶中小企業庁長官

○政府委員(小笠公韶君) 只今お話しがありました中小企業金融の問題について簡單に申上げて見たいと思います。  御指摘の通りに、中小企業金融の一つの重点は、資金量をどうして行くかという問題があるわけでございます。この中小企業向けの資金量を殖やす方法として、いわゆる一般資金に頼るということは勿論でありまするが、更に政府の財政的な資金に依存するところが非常に多いということも、大体私も感ずるところでございまして、このいわゆる中小企業向けの資金量の増加にいろいろ努力いたしておるわけであります。中小企業のそういう資金源をどういうふうな形で直して行くかということにつきましては、先ほどお話の中にいろいろ、パイプはできた、ただ水の圧力が足らんのだ、こういうお話があつたようでありまするが、大体そういうふうな事情にあるのでございまして、できるだけ水量を殖やして圧力を上げて行くというふうにいたしたいと考えております。  それからいわゆる中小企業金融のむずかしい一つの面は、いわゆる信用力、或いは担保力が足りないということであるのでありまして、これを強化する方法といたしまして、一つの問題は、中小企業の信用保險という制度があるわけであります。先ほどお話になりました保險制度の利用がまだ十分でないということは、その通りであります。この利用が十分でない理由につきましてはいろいろあろうと思うのです。例えば制度の施行後まだ日が浅いということ、若しくは制度自体に御指摘のような欠陥がまだある、金融機関の側から、利用の意欲をそそるにはまだ不十分な点があるというようなこともあると思うのであります。そういうような点がありますほかに、先ほど冒頭に申上げましたように、資金量を更に殖やして行かなければ結局本制度というものが十分に活用できんということがあると思うのであります。これらの点につきましては、制度論といたしましては、特に私どもはもう少し金融機関が利用しやすい形に改正すべく考えておるわけであります。特に本国会の御協賛を経まして、一企業業者当りの保險金額五百万円、中小企業等協同組合につきましては二千万円ということにつきましては、御協賛を経まして、近く実施の予定に相成つておるのであります。それから信用保証協会の問題でございまするが、これの再保証の問題、法制化をして、更に政府による再保証のお話でありまするが、信用保証協会を法制化することにつきましては、従来いろいろ努力を重ねたのでありまするが、いろいろな事情で未だその実現を見ないのであります。併しながら、この信用保証協会の機能の擴充という見地から、これを国家によつて再保証をすると、再保証の実を挙げるということにつきましては、信用保險法の一部を改正いたしまして、その中に責任保險という一章を設けるということによりまして実現を図ることに、本国会の御承認を経まして、十二月一日から施行することに相成つておるのであります。で、この国家による再保証と言いますか……の実体は、五〇%だけいわゆる国家によつて再保証をしようと、こういう案でございます。以上申上げましたようなところでありまして、更に資金源の問題等につきまして、国民金融公庫の増資等はすでにお聞き及びの通りでございます。  以上簡單に現在までの状況を御報告申上げますと共に、今後更に資金源を殖くして行くという方向に努力を重ねて行きたいと、こう考えております。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 委員のかた御質問ございませんか。

境野清雄国民民主党

○境野清雄君 只今三参考人のかたからお述べになりました問題、我々が再度政府に質問をし、考え方も伺つたのでありますけれども、たまたま今大阪から伺いました問題は、つい三、四日前の委員会で私から銀行局長に質問をしたのであります。そのときに、今の資金供給を増大するというような問題に関しましては、先ず第一番に商工中金というものの資本金を二十億に上げたらどうか、政府が十億出資したらどうかというような問題に対しましても、銀行局自体としては、あれは今二百十万円というような少い金が出ておるので、これはどうも政府と民間との半々の事業ではなくて、民間事業に切替えたいのだというような意向もちよつと銀行局で漏らしたようなので、これは大体望み薄なのではないか。それから国民金融公庫の資本金の問題、それから商工債券の消化促進の問題というようなものが、おのおのどうもこの間銀行局長から私お聞きしたところによると、直ちにこれによりてどうこうするというようなことはできない、まして中小企業自体は年末金融というものを非常に重視しておるので、今度取扱われておるいろいろな問題は、年末金融には殆んど間に合わんのではないか、こんなように思つておりますので、今の商工中金なり、或いは国民金融公庫なり、又は債券の引受というようなものに対して、一体中小企業庁としてはどういうふうにお考えになつておるか。先般銀行局のほうのお話を聞きまして大いに我々は失望したのですが、今後大蔵省とまだ折衝なさると思いますので、そういうような面に対して中小企業庁としてのお考えを聞きたい。  それからその次に、融資対象を擴大して貸出限度を引上げるというこの問題は、この間聞きましたところが、大体一も二もこれはまあすぐできる問題だろうと思うのでありまして、国民金融公庫についての貸付金の限度引上げという問題は、これは一応大きな問題が残るのではないか。ということは、こういうように零細金融機関というようなふうに銘打つておりまして、特に国民金融公庫自体としては、金融業者から金の借入れられないかたを対象にして金を貸出すのが国民金融公庫だと、こういうふうに謳つておる国民金融公庫の貸出限度を引上げるというようなことについては、これはなかなか問題があるのではないかと思いますので、こういう点については、今の参考人の大阪の工業会のかたからでも一つこれについての御意見を私は承わりたいと思うのであります。  それから中小企業の信用保險制度を強化する問題は、これはもう先般来中小企業庁とも再度いろいろ質疑応答をしたのでありますが、やはり我々が中小企業庁に向つて特に希望しておりました、信用保險金額を七五%から九〇%に引上げる、それから保險金額の請求の期間の短縮というような問題は共に強く謳われておるので、これは先般もこの問題が起りましたように、次の国会の早いところで是非こういうものを実施し得るように中小企業庁としては格段な一つ御努力を願いたいというようなお考えでありまして、大体今皆さんのお述べになりましたようなことは、すでに私どもが再度この委員会で取上げておつた問題でありまして、結論は得なかつたのでありまするが、そういうような経過でありますから、今の商工中金の資本金の問題と、国民金融公庫並びに商工債券の消化促進に対しては中小企業庁がどういうようなお考えでいるか、一つその点を企業庁長官からお伺ひしたいと思います。

小笠公韶中小企業庁長官

○政府委員(小笠公韶君) お答えいたします。商工中金の出資の問題でございますが、先ほどお話がありましたように現在十五億、そのうち政府は見返資金から優先出資五億を支出しており、商工中金の一般会計から出資をしておる。こういうことにつきましては、その前提として商工中金の性格をどう見て行くかということだと私は思うのであります。中小企業金融の疏通をよりよくして行くというふうな見地から申しますと、前の昭和十一年に商工中金が設置せられたときには……いわゆる政府民間半々の出資を以て設立せられたときのような性格に私は返して行くほうが適当じやないか、即ち半政府機関的な感覚に持つて行つたほうがいい、そういうような意味において、商工中金に一般会計から政府出資をするということで行つて、いわゆる中小企業金融の一つの中核的な組織形態に特つて行くということが私は適当だというふうに実は考えておるのであります。もとよりそのほかに商工中金の性格を純民間的な機関としてそのまま存置して、別に政府の出資を待つてそこに中小企業金融機関の一つの筋金を入れるという意味において新らしい組織を作るということも一つの考え方ではあろうと私は思うのでありまするが、現在の制度をできるだけ活用して行く、こういうような趣旨において私は前者のほうを考えておるのであります。そこでそういうような考え方の下に、二十六年度の補正予算の編成に当りまして大蔵当局ともいろいろ話を進めたのでありまするが、なお実現を見ることができなかつたのであります。二十七年度予算につきましても私どもといたしましてはこの希望を実現すべくなお努力を続けたい、こういうふうな考え方でおるわけであります。  それから第二点のいわゆる商工債券の引受と申しまするか、消化に盡力する、こういうような意味におきましての考え方は、現在商工中金の発行しておる債券は二種でありまして、一種は利附債券であります。もう一つは割引商工債券であるわけでありまするが、現在の利附債券ににつきましてはすでに四割市中を引受がありますというと六割だけ資金運用部において引受ける、こういう形に相成つておるわけであります。そこであとの割引商工債券について資金運用部が四対六の割合で引受けるということにいたしまするならば、そこに資金を集めることにおいて非常に便利に相成りますので、私どもとしてはこの割引商工債券の資金運用部による引受を是非実現いたしたい、こういうふうに考えてなお大蔵当局と話を進めておるわけであります。このことは問題は資金運用部の資金計画の修正を要するということは恐らく銀行局長からもお話しがあつたと思うのでありますが、それをやることによつて、実際上制度を変更するということもなしにやられるので、最も手近なやり方であると思うので、私どもにいたしましては是非これを大蔵当局の承認を得て実現を図りたい、こういうように実は考えておるわけであります。

野田新一大阪工業会常務理事

○参考人(野田新一君) 先ほど御質問がございました点についてお答えいたします。先ほどの御意見伺つておりまして、至極私も尤もなことだと、かように存じておるのであります。我々がここにこれを取上げました趣旨と申しますのは、この百万円とか五十万円という数字が上つておりまするが、決してこれにこだわるわけではございません。可及的に一つ幅を広くして頂きたい、こういう意味でございます。御承知のごとく今日このインフレーシヨンの下におきましては、普通の小口の国民金融公庫から現在受けております五万円、十万円というものを考えました場合に、果してこれでどれだけのことができるか、たとえ零細企業といえども、かなりこの程度のものでは中途半端なことに終るのではないか、こういうような危慎もございまして、かたがたそういう面からできるだけこういうところへも或る程度豊富に廻わして、一旦金を注ぎ込んだらそれが生きるようにいたしたい、こういうような考えもございましたので、五十万円、百万円という数字になつているわけであります。本日も先ほどちよつと中小企業庁長官とお会いいたしましたときに、只今のような御意見も承わりました。それはむしろ社会政策的な意味が非常に強いのだというようなふうにもちよつとお伺いいたしました。我々は別にこれにこだわつているわけではございませんので、又帰りまして、東京のほうでこういう御意見があつたということをよく申し伝えます。なおその点につきましては、おつしやる通り非常に大きな問題を含んでいると思いますので、もう一度よく慎重に検討いたしたいと、かように考えております。

境野清雄国民民主党

○境野清雄君 今の点についてもう一度大阪の工業会のかたにお聞きしたいのですが、今の御説は御尤も私非常によくわかつたのでありまして、これは不躾な質問ですが、お答えできましたらお答え願いたいと思うのでありますが、こういうように国民金融公庫の貸出限度の引上げというものは、最近の世評によりますと、国民金融公庫は非常に貸付がスムーズだと、言い換えれば簡單に借入れられる。然るに商工中金は同じでも非常に不評でありまして、最近は金の借入方がなかなか困難になつて来ているというような点から、商工中金と国民金融公庫というものを睨み合せをして大阪の工業会としては国民金融公庫の貸出限度を引上げてもらつてそうしてやるのでなければ、商工中金と分野を分たれておつたのではなかなか困るのだと、こういうような意向があるかないか、一応お伺いしたい。

野田新一大阪工業会常務理事

○参考人(野田新一君) 問題は非常にデリケートでございまして、余り私変なことを申しますと、大阪に帰つて叱られますので、できるだけ率直に申上げます。成るほど仰せの点は実際面では非常にそういう面があるのじやないかと思います。併しこれを取上げました当初の意図におきましてはそれだからごつちやにするのだというようなはつきりした意図も持つておりませんが、半分はどうも商工中金というものはややともすればいわゆる中小企業に偏る、零細企業といえども、零細と申しますか、小企業といえども或る程度の金が要るのだから、もつと借りやすい面でもう少し借りられたらいいのじやないか、こういうような考えもなきにしもあらずと思いますが、今おつしやつたようなこれを政策的な意味で意識的に掲げたというわけでもございませんので、その辺一つ御了承願いたいと思います。

境野清雄国民民主党

○境野清雄君 もう一度中小企業庁長官にお伺いしたいのですが、今のお説では商工中金は元昭和十一年に立てたときの当初のような一千万円の資本金を五百万円ずつ半々というような出資比率の形態に戻したい、これは私どもも非常に賛成でありまして、そういうような形態を整えないことには片手落じやないか。言い換えれば政府はちつとも出資されないで、役員は官選というようなことを一方的にやつておるので、こういう問題は金を出さないのなら一つ官選も私たちのほうはやめて頂きたい、そういうような問題もどうしても出て来ますので、これは是非中小企業庁としてお骨折を願いまして、一つ半額ぐらいなら出資は政府からやらせるように御努力を願いたい。併しいずれにいたしましても、中小企業の金融難を打開するのにはもう国家資金を思い切つて注ぎ込む以外に私は途がないじやないか、こういうようなふうに考えますので、たまたま先国会において通過しましたような、農林漁業の金融のためには農林漁業資金融通特別会計を設けたように聞いておるのでありまして、こういうものを中小企業金融のためにも特別会計というものを設置しなければ、私はこの中小企業金融というものはいつまでたつてもなかなか解決しないじやないかというようなふうに思いますので、先ほど長官のお話にありました商工中金の出資を政府から十億ばかり出させるということと同時に、この中小企業金融のための特別会計設置ということに関しても中小企業庁自体はお考えになつておるかどうか。若しどうしても商工中金の政府出資というものを大蔵省が承知しないのならば、それについては逆に特別会計を設置するかというようなことを御交渉になつたかどうか。その点についてお伺いしたいと思います。

小笠公韶中小企業庁長官

○政府委員(小笠公韶君) 私は先ほどお答えいたしましたように、中小企業金融の一つの形態として、既存機関としての商工中金を強化するという線を先ず考えるべきであるという考え方を実はいたしておるのであります。第二としてそれが若し行かない場合に新らしい特別会計を作る、何かの一つの中小企業金融公庫のような法人を作つて、それに特別会計を附置して行く、こういう考え方もできると私は思うのであります。併し実際の問題から申上げますと、農林漁業関係のものは設備改良資金を中心にしていたしたものであります。商工業の資金は設備資金のほかに短期の運転資金をも必要とするというふうな関係から申しますと、成るべく商工中金のような制度を活用したほうが手つ取り早く資金が流れるのではないか。こういうような点も考えられますので、先ずその強化策というものを考えて、どうしても行かないときに第二段を考えて行くというふうにいたしたい、こういうふうに実は考えておるのであります。お尋ねの、その問題につきまして大蔵当局と交渉したか、こういうお話でありますが、私どもまだその点まではいたしておりません。案自体は御承知の通りに、もうすでにできておるのであります。先ず今の考え方から申上げますと、その時ではないと考えまして、まだいたしておりません。

境野清雄国民民主党

○境野清雄君 まだこの法案が廻つて来たばかりで、私はここで今頂戴したばかりですが、企業合理化促進法案というものが出ておる。この内容はよく知つておりますので、こういう企業合理化法案ですか、前の設備近代化法案ですか、これとて大企業と中小企業との差が格段にできてしまうということは、私どもはこの法案の審議に当つてはその点を十分政府に申上げるつもりでおりますが、いずれにしてもそういうようなふうに大企業の金融問題なり、或いは企業の合理化というようなものはどんどん促進されるにもかかわらず、中小企業はいつも置いて行かれておるというようなことで、中小企業庁としてはもうこれは古くて新らしい問題でありますから、なかなか困難だとは思うのでありますけれども、今のようなこういうような企業合理化促進法案というようなものが出ておるというようなところで、余り引込思案でなく、一つ商工中金のこの政府出資もやれ、併せてこの中小企業金融のための特別会計を設置しろ、一つをやれば一つは遠慮してもいいというのじやなくて、どんどんたくさん大蔵省は出さなければなかなか納得しないと思いますので、こういう点は余り引込思案でなく、我々も後援をしますから、もつと一つ大膽に出て行つて頂きたいと思うのであります。  なお委員長にお願いしたいのでありますけれども、先般中小企業問題は当委員会において相当論議せられておつたが結論が出ておらない。結論が出ておらないということは、結局は大蔵大臣が出て来ておらないので私は結論が出ないのじやないか、こう思いますので、明日の委員会に一つ大蔵大臣を当委員会に呼んで頂きまして、中小企業の問題に関して結論を私は出してもらいたいと思いますので、この点一つ委員長から各委員にお諮り願いまして、大蔵大臣を明日呼んで頂くようにお願いいたします。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 只今境野君の提案の大蔵大臣を呼ぶことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) では明日大蔵大臣の出席を求めます。  この中小企業金融問題につきましては、本委員会におきましても小委員会を作りまして中小企業問題の結論にまで達しかけておるのであります。こういうようなわけでありますから、もう会期も殆んどこれからの会期全体に対しましても中小企業のことばかりと言つても差支えないと思います。本日参考人としておいで下さいました皆さんも誠に御遠路のところ恐縮でございますが、只今の質問その他によりまして御承知の通り、我々のほうでは十分にやつておりますから、どうかさよう御承知を願いたいと思います。本日はどうも有難うございました。  ではこの問題は一応これで打切ります。   —————————————

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) それでは次の議題に移りたいと思います。  次に商工組合中央金庫の融資に関する件を議題といたします。本件は十一月十五日の毎日新聞並びに時事新報に商工中金の融資に関してかんばしからん報道が載つておりますので、その報道に関する真相を突きとめない限り、現在この委員会に付託されておりまする商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案を審議することができないので、本日の委員会で豊田さんほか三人のかたに証人としておいで願つたようなわけであります。  次に証人のかたに御証言願う前に「議員における証人の宣誓及び証言等に関する法律」第二條により宣誓をして頂かねばなりませんが、宣誓に入ります前に、証人のかたがたに念のために申上げておきます。  これから宣誓を行なつて証言を頂くのでありますが、若し虚偽の証言を陳述されましたときは、「議院における証人の宣誓並びに証言等に関する法律」第六條により、三ヶ月以上十年以下の懲役に処されるのであります。それから正当の理由なく宣誓若しくは証言を拒むときは、同法第七條によりまして一年以下の禁錮又は一万円以下の罰金に処せられることになつております。但し同法第四條により、「民事訴訟法第二百八十條(第三号の場合を除く。)及び第二百八十一條(第一項第一号及び第三号の場合を除く。)の規定に該当する場合に限り、宣誓又は証言若しくは書類の提出を拒むことができることになつております。念のために民事訴訟法第二百八十條の該当部分を朗読いたします。  「第二百八十條 証言カ証人又ハ左ニ掲クル者ノ刑事上の訴追又ハ処罰ヲ招ク虞アル事項ニ関スルトキハ証人ハ証言ヲ拒ムコトヲ得証言カ此等ノ者ノ恥辱ニ帰スヘキ事項ニ関スルトキハ亦同シ   一 証人ノ配偶者、四親等内ノ血族若ハ三親等内ノ姻族又ハ証人ノ家ノ戸主但シ親族ニ付テは親族関係力止ミタル後亦同シ   二 証人ノ後見人又ハ証人ノ後見ヲ受クル者  次に民事訴訟法第二百八十一條の該当部分を朗読いたします。  第二百八十一條 左ノ場合ニ於テハ証人ハ証言ヲ拒ムコトヲ得   二 医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教又は祷祀ノ職ニ在ル者又ハ此等ノ職ニ在リタル者カ職務上知リタル事実ニシテ黙秘スヘキモノニ付訊問ヲ受クルトキ     前頃ノ規定ハ証人カ黙秘ノ義務ヲ免セラレタル場合ニハ之ヲ適用セス  以上であります。なお議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第五條にある「証人が公務員である場合又は公務員であつた場合(国務大臣以外の国会議員を除く。)その者が知り得た事実について、本人又は当該公務所から職務上の秘密に関するものであることを申立てたときは、当該公務所又はその監督庁の承認がなければ、この公務員の場合、委員は証言を求めることができないことになつておりますから一言申上げておきます。  それでは証人のかたに先ほど申上げました順序によりまして先ず宣誓を求めます。    〔総員起立、証人は次のように宣誓を行なつた〕    宣誓書   良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。         証人 松本三男雄    宣誓書   良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。         証人 豊田 雅孝    宣誓書   良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。         証人 五木田慶三郎    宣誓書   良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。         証人 芳賀新太郎

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 先ず最初に警視庁捜査第二課第一係長松本三男雄君の御証言を願います。去る十五日の毎日、読売両新聞に東京製材及び東京洋紙商の両協同組合に対する商工組合中央金庫の融資について贈賄、收賄の事実があり、不正融資の疑いもあるという報道があります。この件に関して貴官の捜査によつて判明した事実について御証言を願いたいと存じます。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) それでは只今からそのお尋ねの点につきまして申述べたいと思います。只今新聞紙上に贈收賄の点と不正融資の点が報道されておつたというお尋ねでございましたが、贈收賄の点はございましたけれども、不正融資の事実については現在までのところでは認められません。それだけです。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 まだ商工中金のかた、並びに両協同組合のかたの御証言があるわけでありますが、この委員会がこの問題について証人喚問をいたしました意味は、只今委員会に付託になつておりまする商工中金法の一部を改正する法律案に関係しておるのでありまして、要は贈收賄の問題もさることでありまするが、商工中金というような性格を持つた金融機関が、不正融資を行なつたということであれば由々しいことであるわけであります。従いまして先ず警視庁の松本係長を中心にいたしましていろいろと質疑を行いまして、それから後ほど三証人の証言を求めると、こういうことに議事の進行を計られたいと思うのであります。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 只今栗山君からの御提案に対しまして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 御異議ないと認めましてさよう取計らいます。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 只今松本係長からは極めて簡單な証言があつたのであります。私は十五日の日に出ました毎日並びに読売新聞の信憑性についてやはり質しておく必要があるのではないかと思うのであります。本日も参議院におきましては全会一致を以で綱紀粛正に関する決議案を提出し、又カニエ君からは極めて辛辣な表現を用いまして官公吏の汚職事件に対する具体的な事例を挙げて警世の句を述べられたのであります。国民は毎日々々殆んど欠かさず新聞紙上を賑わしておるこの種の事件について顰蹙をいたしておる程度のことではなくて、まさに国の行政に対する非常な不信を訴えておるのではないかと思うのであります。そこでそういうような事態の中にありまするから、新聞によりました記事の信憑性を明らかにするということも、この委員会が法律を審議して参ります上において極めて重要なことであろうと考えまするので、以下数点に亘つてお尋ねをいたしますので、一つ明確にお答えを願いたいと思うのであります。  先ず第一に読売新聞によりますると、東京製材協同組合の副理事長野澤榮君に逮捕状が出されたという工合に書かれておりますが、さような事実がありましたかどうか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) 逮捕状が出ておつた事実はございます。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 その次に商工中金の営業部融資係長でありまする品川勇君に対しまして、検挙が開始せられたと、こういう工合に記事が載つておりまするが、さような事実がありましたのでございますか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) はい、検挙いたしまして取調べもいたしております。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 次に毎日新聞の記事によりますと、商工中金の融資係長品川勇君は收賄容疑、東京洋紙商協同組合参事兼事務長である加藤文吉君は贈賄容疑、東京製材協同組合参事兼事務長高橋武治君は業務上横領の嫌疑がかけられておるということが述べられておりますが、この事実に相違ありませんか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) 只今の点でございますが、東京製材協同組合参事兼事務局長高橋武治、これも検挙いたしまして取調べをいたしましたが、この容疑は最初横領の被疑事実で逮捕いたしまして取調べをいたしました結果、それが贈賄もあるということにだんだん発展いたしまして、贈賄の被疑事実で調べをいたしましたが、これは取調べも身柄拘束をいたしまして、取調べいたしたのであります。次にこの高橋を取調べました結果、高橋事務長を調べました結果、商工中金の融資係の品川に贈賄したのであります。この品川を身柄拘束の上取調べました結果、只今お尋ねの東京洋紙商協同組合、その他教団体から物品或いは金銭饗応等の收賄の疑いが出て参りましたので、続いて東京洋紙商協同組合の事務長の加藤文吉を逮捕取調べをいたしておる次第であります。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 只今品川君を取調べた結果、数団体から收賄をしておるというお話でありますが、その数団体の団体名をお願いいたします。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) それではお答えいたします。東京洋紙商協同組合ほか数団体と申上げましたが、先づ東京納材協同組合参事兼総務部長松岡忠光、これは去る十九日に逮捕いたしました。贈賄の被疑事実といたしまして逮捕いたしまして、目下取調べ中であります。他の団体につきましてはもう一、二容疑の団体がございますが、差支えませんでしたら控えさして頂きたいと存じますが、如何でございましようか、まだこれは全然捜査を……。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 そうしますと数団体と申しますのは、すでに挙つておる東京洋紙、それから東京製材、東京これは納材といいますか、それとあと二件でございますが、只今のところ……。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) さようでございます。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 それからもう一つ、やはり毎日新聞の記事には自由党の代議士或いは元通産次官等にも波及する虞れがあるということが書かれておりまして、そのところに東京洋紙商協同組合の事務長である加藤文吉君に某自由党代議士の秘書をしておつた関係上その間に相当な働きをいたしたように書かれてありますが、この加藤文吉君が秘書を務めておりました自由党の代議士というのはどなたですか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) 只今の自由党代議士云々と新聞に報道されたことにつきましては、私どもはそういう事実は認められておりませんです。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 事実取調べた結果さような事実がなかつたということですか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) そういう人が加藤文吉氏に対しまして、何か運動なり、或いはこの人の事件に関して、そういう人の、自由党代議士某という人は私どもでは聞いておりません。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 私がお聞きしておりますのは、非常に政治的な工作が商工中金になされたかの感じをこの毎月新聞の記事を読みますると深くするわけであります。従いまして私が心配いたしておりますることは、商工中のような性格を特つた金融機関が、政治的な配慮によつて金融の操作に影響を及ぼすというようなことがありましては、これは非常に重要なことだと思うのであります。従いまして加藤文吉君が記事に載りましたので質しておるのでありますが、某自由党代議士の秘書をしておつたということであるならば、その秘書をしておつた自由党の代議士はどういうかたであるか、これは別に調べる方法はありましようが、お知りになつておるならば伺いたいと思うのであます。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) 事は私直接この加藤文吉君に当つて調べておりませんので、或いは直接の捜査に当つております主任のところへおいでになつておるかどうかはわかりませんが、私の報告を受けておる範囲では、そういうかたはお見えになつておるということは聞いておりません。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 この問題は又別にいたしましてお尋ねいたします。それから次に読売新聞によりますと、当局とありますが、当局は恐らく警視庁のあなたのところだろうと思うのでありますが、当局では商工中金の課長級数名について收賄の確証を握つたと書かれてありまするが、さような事実がありまするか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) 只今の点は確証を握つたというのは私どものほうではございません。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 それではそういう疑いが若干発生しておることはあつたわけではありますか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) さようでございます。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 次に警視庁でありましよう、当局は商工中金の要員に対して八ヵ所の家宅捜索を行なつたというふうに書かれておりますが、さようなことが行われた事実がありますか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) 只今の八ヶ所と申されましたが、六ヵ所の協同組合の事務所に対しまして、組合の書類、簿冊の押收捜索を行なつた事実はございます。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 それは商工中金の職員の家宅捜索ではなくで、組合のほうの事務所の家宅捜査でありますか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) さようでございます。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 わかりました。更に大体お聞きいたしますと、この新聞紙に書かれておりますることは、まだ細かい点は相当ありますが、お聞きをしなければならん点がありますが、大体の模様は警視庁で取扱われておるところの内容と大体大差かないように只今の感じで受けたわけでありますが、この記事は、警視庁において新聞発表をせられたことに取材の原因があるとお考えでございましようか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) この記事は、私ども捜査を始め、而もこの中金の職員の品川君を検挙してから相当日数たつてから出たのでありまして、私のほうでは極力歳末でもありますので、殊にこういう事件を今新聞に報道されるとその影響も相当大きいことを考えまして、極力報道機関には秘匿に努めたのでありますが、暫らくしましてからどこから取材をしましたかわかりませんが、二三の新聞に報道されたのであります。私のほうとしましては発表はいたしておりません。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 大体わかりました。それでは一番問題になつておりますのは商工中金の品川勇君の容疑でありまして、品川勇君の行為については毎日新聞は品川君は加藤文吉君から昨年春から本年八月頃までに数回に亘り数十万円の收賄をしておつたというようなことが書かれてございました。又読売新聞には品川君は野澤君から料亭で数回に亘り饗応を受け、多額の金品を收賄し、野澤君は不良手形と知りながら一億三千万円の融資を行なつたと、こういう工合に書かれておりますが、そこで品川勇君が行われたいろいろなこういう收賄の事実につきまして、お差支えなければお話を願いたいと思います。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) 先ず最初にお話のございました東京洋紙商協同組合から数十万円の金品の贈賄を受けておつたというお話でございますが、そういう多額な收賄をしておる事実はございません。それから次の東京製材協同組合の野澤副理事長、これから相当多額の金品を数回の饗応というお話でございますが、饗応は相当回数受けておりますが、金につきましてはそう多額というほどではありませんが、金品を受けておることは認められております。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 警視庁のほうにおきましては、東京製材ほか問題になつております組合の帳簿検査を行なつておられますかどうか、伺いたいと思います。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) 目下それは捜査中でございます。極く関係の一部分だけしかまだ進んでおりません。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 これも捜査中でありますので、それに支障が生じましては私どもも本意ではないのでありますから、差支えがあれば、それをおつしやつて頂けば結構でありますが、東京製材組合その他各組合は予算において数百万円の接待費を計上しておつたということが毎日新聞に書かれておりますが、そういうような事実がありましたかどうか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) この点は目下捜査中でございまして、その点申上げるところまでまだ捜査が進んでおりません。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 そこで最後の質問といたしまして、先ほどあなよは贈收賄の疑いはあるけれども、不正融資の点は認められないと、こういう工合におつしやつたのでありますが、不正融資というものをどういう工合に御解釈になつておられるのでしようか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) まあこの不正融資……新聞に何億何千万円の不正融資と載つておりますあの不正融資は、考え方によりますが、私の考えといたしましては、中金側といたしまして或る融資の限度があると思います。或る基準と申しますか、限度があると思いますが、その限度を不正に、不法に超過して貸出す。そういうような、当然例えば或る基準を越す場合には主務官庁の認可と言いますか、許可と言いますか、受けるのじやないかと思いますが、それを或る一部のものに不正に、つまり浮貸し、そういう方法もあるでしようし、不法に超過して貸出すというのもその不正じやないかと思います。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 御承知のように、只今中小企業は非常な金融難に陥つておりますが、金融をつける遂については百方手を盡しておることは御承知の通りだと思います。従つて商工中金に対しても各方面から融資の申込があるわけであります。先ほどもここでお話がありましたように、商工中金はなかなか金を貸してをくれない。国民金庫のほうが却つてよく貸してくれるということを大阪の工業会の常務理事のかたが言われておつたのであります。そういうような状況でありますから、これは一定の規則に定められたる限度内においての融資におきましても、いわゆる袖の下の多寡によつて融資の先が左右せられるということは、これは私はやはり贈收賄ばかりではなくして、融資そのものについても正しかつたとは私は言えないと思いますが、如何でありますか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) 私のほうといたしましては、贈收賄はし只今の限度を越す、越さんにかかわらず、その融資にからんで收賄をしておれば、やはり刑法による收賄と認めまして、その容疑といたしまして捜査をいたしております。ただその限度を越したものにつきましては、これは別個の問題であります。法の範囲内でありましたならば、私のほうで特に取上げてやるということはやつておりません。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 私が申上げている不正融資の解釈の点は、大勢の人が申込んで参りました場合に、申込順に調査を、いたしまして、信用状態を調査して、そうして規則に定められた通りの資格を備えておれば、先着順にどんどん融資をして行く。そういうような形が商工中金のとるべき姿であると考え、そういう順位を離れて、一応そういう順位をこしらえるかも知れませんが、そこで袖の下の多寡によつてそれが二番飛ばされたり、五番飛ばされたりしてあとの順位の人が先になり、或いは金額が殖えるとか、そういうことになれば、贈收賄だけではなくして、融資そのものが私は不正ではないか、こういう工合に私は認めております。さような御解釈をおとりになりませんかと、聞いているのです。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) それで、その点私も只今のような、或いは法の上ではどうなつておりますか、やはりそれも一つの不正とは思われますが、ただ私のほうといたしましては、それを以て直ちに違反というわけでは取上げておりませんが、ただ職務に関する便宜を與えたというような場合にそれを調べております。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 これは一番重要な問題でありまして、あなたが一番最初に極めて明確に御証言になつておりまするので、この点は私としても明らかにしておかなければならん問題だと思うのであります。で、私は贈收賄が事実であつた。まあ取調中でございますけれども、一応は疑われているということにいたしても、この贈收賄の疑いがあつたということはこれは私も了承いたします。併し不正融資は全然ない、こういう工合におつしやつたのでありますが、こういう袖の下が必ずこれは業務のほうの運行においても不正が行われたものであると私は認定せざるを得ないわけであります、従つてあなたが証言として不正融資がなかつたという工合にはつきり言い切られることが、これは甚だ僭越でありますが、間違いないかということを念を押しておいた次第であります。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) 実は私が不正融資の事実が認られられなかつたと申上げましたのは、最初に申上げましたように法ですか規則ですか、或る限度を定められたその限度を不法に越えて、或る一部の人に融資しているというような事実は認められなかつたのでありますが、併し現在貸出が非常にむずかしい、而も融資がなかなか申請通りに行かなかつた、限度内においてもむずかしいというような場合に、或る組合にはそのほかの組合よりも非常に率としてはよく融資されておるというような点はあつたかどうか。その点はまあ一つの不正とは思われるかも知れませんが、現在の取調べにおきましては、まだそこまでは行つておりません。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 それで了解いたしました。ただそういうような点はこれからの取調べで是非これは明らかにして頂きたいと思います。限度内におきましても、限度内において、只今の復興住宅の申込と同じでありまして、たくさん押しかけておるわけです。復興住宅のほうは抽籤をやつておるわけで、割合に公平に行つておると見ているわけであります。ところが金を貸すのでありますから、抽籤をやるわけにも行かん。信用状態の調査等もいたすわけでありましようそのときに袖の下が足りなかつたために落ちるとか、袖の下がないためにあとへ送られまして、袖の下のあるほうがどんどん先に融資を受けて行つたということになる。これは私は一般市中銀行においても問題になると思いますが、商工中金という特別な性格を特つた金融横関においてさようなことが行われるということは私はおよそ許しがたいことだと思います。従つてこれはあなたの言われる純犯罪的な意味における不正融資はなかつたかも知れませんけれども、少くとも又別個の意味においての私は不正融資というものを十これは究明して頂かなければいかん、こういう工合に考えるわけです。私の質問は一応これで終ります。    〔委員長退席、理事廣瀬與兵衞君委員長席に着く〕

廣瀬與兵衞自由党

○理事(廣瀬與兵衞君) それでは豊田さんに一つお願いいたしたい。商工中金の両組合に対する融資の事情に関して証言をお願いしたい。もう一つは品川勇氏の收賄事実についても御証言を願います。

豐田雅孝商工組合中央金庫理事長

○証人(豐田雅孝君) 過般新聞に掲載せられました東京製材協同組合、東京洋紙商協同組合は、実業之日本の十一月十五日号でありましたか、協同組合といたしましては成功した事例として紹介せられておるような組合でありまして、取引振りも極めて優良であります。融資に際しましては商業手形を担保にいたして融資をいたしておりまするのが多いのでありまして、これは振出人の取引銀行へも照会いたしまして懸念のないという回答のありましたものを担保に取つておるわけであります。なお念のために一部不動産を担保に取りまして、なお歩積預金もしてもらつておりますし、更に組合から商工中金に対しまする出資金も相当額に相成つております。これらを一括いたして見ますると担保は十分なものだと考えております。  次に品川の問題でありますが、これはたまたま東京製材協同組合に内紛がありまして、その組合幹部が乗務横領の容疑を以て取調べを受けたようでありますが、これに関連いたしまして当金庫の職員品川が、去る一日警視庁に出頭を命ぜられまして留置せられておつたのでありますが、一応去る二十一日に釈放せられて帰つて来ているのであります。本人は融資係長というふうに新聞に書かれておるのでありますが、これは融資係の一係員でありまして、    〔理事廣瀬與兵衞君退席、委員長着席〕 二十四年七月に当金庫へ、途中から経験者として採用いたされたものでありまして、事件の内容は收賄容疑で取調べられているのでありまするが、私どもにも正確なところはまだわからないのであります。先ほど警視庁のかたからお答え願いましたような段階にあるというふうに考えておる次第であります。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 次に五木田さんから東京製材協同組合が中金より融資を受けるについて贈賄したかどうかというような問題が出ておりますが、これに対するあなたのほうの御見解を承わりたいと思います。

五木田慶三郎東京製材協同組合理事長

○証人(五木田慶三郎君) 私どもは中金から融資を受けておりますが、私どもの組合はみずから成長の組合と称するくらい資本蓄積ということに努力いたしておる組合でありまして、共同購入をいたしました材料を組合員に配分する場合に、五分の手数料を組合としては取るわけでありまするけれども、そのうちの二分というものは組合員の出資金に振当てるべく還元することになつております。従つて組合の経費というものは、資上高の三分というものが組合経費に充当されることになつております。それからもう一つは、商手を以て組合員に融資の斡旋を頼んで来た場合には、組合といたしましてはその商手を一応は調査いたしまして、なおその上に役員の個人保証をいたしますには、手形を以つて中金から融資を受けて、それを組合員に渡すわけでありますけれども、この場合中金の歩積という、百分の三というものが定期預金として預けられるわけであります。それを私どもは非常にいい制度であると思いまして、その百分の三の歩積というものは、ことごとくその融資を仰いだ組合員の出資金に充当するというように申合せをいたしておりまして、それを実行しているわけであります。従つて仮にここに一億の融資を受けたということにいたしますというと、それがまとまつて受けたということにいたしますというと、三百万円という歩積ができるわけであります。それが年に何回か繰返されるということになりますというと、なかなか少なからん金になるわけであります。初年度の成績から行きましても、僅か三百六万円拂込んだ組合が、十ヶ月の成績によりまして六百何万かのそうした金ができたわけであります。そうして組合は、只今一千万円の全額拂込の組合となつております。そうして依然としてそれを継続いたしております。中金のほうではそんなに歩積をせんでもいいというようなお話もあつたようでありますけれども、いやいやそうではない、我々はこうして蓄積さしてもらう以外には蓄積のしようがないからということで以て、今日までなお継続しておるわけであります。只今のところでは一千八百万円以上のそうした歩積が中金にできておるわけであります。それで中金の出資金は、これは組合が中央金庫に出資いたしておる金が八百万円であります。それから商工債券を組合で以て引受けた額が四百万円であります。それから組合の所有になつている宅地名義になつておりますが、これは堀でございますが、貯木場でござまいすが、これを担保に入れてございますが、これが八千四百何坪、八千五百坪になんなんとする不動産、これはちやんと登記をして担保に入れてあります。そのほかに組合役員の工場、建物その他のものを、今担保に入れてないものもみんな担保に入れ、証券を残らず中金に提出いたしております。そういうような手続を経まして、そうして組合員の持つて来る商手を更に役員が個人保証をいたして融資を受けておるのでございまして、組合員が組合に向つて発行した手形では只今のところは一銭も融資を受けておりません。皆商手でございます。そういうようなことで以て融資を受けておりますから、私どもといたしましては資本の蓄積というものは偉大な功績を挙げておつて、決してそんなに中金に対して饗応するの、賄賂するのということまでして融資を受けなければならんという、そんな弱みはないと私どもはかように信じております。そうして融資を受けておりますが、不幸にしてどうも私どものその中金の有難さというものはこれは別問題で、こうして今日営業ができて、そうした蓄積ができるということも、一にそうした金融機関のお蔭でできるのでありまするから、それに対して盆暮で以て品物を贈つたことが、贈賄だの何だのというような問題で大層調べられたわけでありますけれども、私どもといたしましてはそういうような弱みを特つて、そうしてそういう饗応をせなければならんというような必要は絶対に感じておりません。それで私どもはどこまでも差支えないものだと、こういうくらいの確信を持つてやつておるわけでありますが、これは見る人によりましてどうとも、泥棒にも三分の理なんということがありますから、如何ように御解釈になられても止むを得ないのでありますけれども、私どもといたしましてはそういうような観点に立つて融資を受けておるわけであります。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 一点だけお伺いいたしますが、普通の融資は受けておらなくて、商手の割引ですか、そういう面だけを受けておられるのですか。

五木田慶三郎東京製材協同組合理事長

○証人(五木田慶三郎君) そういうわけです。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 中金からは別に組合としても、或いは個人としても受けておらないということですね。

五木田慶三郎東京製材協同組合理事長

○証人(五木田慶三郎君) 受けておりません。私どもの組合では金を借りて来て、さてここに借りて来たから皆さんお使いになりませんかということを言わないで、何でもその人が仕事をするならば、原料が要るなら原料を組合で買つてやろう、金が要るなら組合で面倒を見てやろうというので、活動をする人には出すというのが私どもの組合の建前になつておりますから、手形一枚も持つて来ないで、ろくな仕事ができないという人は、組合員としても置いてきぼりになつてしまうというので、特に不平があるということになれば不平があるかも知れませんけれども、私どもは活動する人には出すというのが主眼でありまして、どうもただ人の借りて来た金を割り前だけとつて使つてしまおうという人に金を出すということは、私どもの組合の建前になつておりませんから……。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 次に芳賀さんにお伺いいたしますが、警視庁の松本さんからのお話で、中金の品川さんの捜査と申しますか、尋問をしておるうちに、加藤さんの贈賄ですか、收賄というような問題が起つて来た、贈收賄が起つて来た、こういうことを言つておられるのでありますが、どういうわけでこんなふうなことが起つて来たか、御事情をお話願いたいと思います。

芳賀新太郎東京洋紙商協同組合理事長

○証人(芳賀新太郎君) 五日に突然警視庁のおかたが四名ほどお見えになりまして、私のほうの組合の事務所の帳簿の全部をことごとく押收されて行きました。当日は加藤君がその前日から風邪を引いて寝ておりまして、本人もおりませんでした。役員も不幸にして誰もおらなかつたのでありまするが、その押收状によりますと、品川何某君の收賄容疑によるというふことでありますので、早速これは中金の品川さんに違いないというので、加藤君のところへ何か心当りがあるかと尋ねましたところが、品川さんのところに、新築をしたときに、何かお祝いでもしようかと申しましたところが、別に何も要らんけれども、何か子供の通学の、子供のものに困るというようなことをちよつと言われたので、金額にして六、七百円の子供のジヤンパーを買つて贈つたというようなことをその当日言われたので、たまたまあとでこれはわかつたことなんですけれども、そのジヤンパーの包紙に私どものほうの組合の名前が書いてある。それが警視庁のかたが品川さんの家宅捜索をされたときに出て来たのだと、それが発端だというようなことをあとで聞きました。ほかに何か贈つた物はないかと言つたところが、鏡台をお歳暮に、極く粗末なものでしたが、それも贈つたというようなことがわかつたのでございますけれども、それ以外にないかと言つたところが、それ以外にないということでありまして、その点はお中元とお歳暮程度のものが贈賄になつたのではないかというようなことを考えております。品川さんと当組合との物のやり取りはそんな程度だと私は承知いたしております。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 次にあなたのほうの組合は、中金からどれくらい借りておられますか。

芳賀新太郎東京洋紙商協同組合理事長

○証人(芳賀新太郎君) 現在では約四千万円くらいの手形の割引を願つておるのであります。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 東京製材のような商手の問題だけではなくて、普通の融資も受けておられますか。

芳賀新太郎東京洋紙商協同組合理事長

○証人(芳賀新太郎君) 大体東京製材と同じようであります。担保に商業手形を出しまして、あと手形に個人保証をいたしまして、その他歩積などの預金も大体今六百四十万円ほどございまして、割引商工債券は、これは組合員が個々に買つておりますので、百五十万円ほど買つておりますし、そのほかに差入担保としては組合員から家屋、宅地、店舗などを取りまして、これは時価約二千万円くらいのものが提供してあります。担保といたしましては、市中銀行はそういう担保は要求されませんが、商工中金だけは担保を要求されますので出しております。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) もう一つお伺いいたしますが、そういう問題に対して中金は非常に便宜にやつておられますか、非常に、なかなかむずかしいか、この問題はどうですか。

芳賀新太郎東京洋紙商協同組合理事長

○証人(芳賀新太郎君) 條件は非常にむずかしうございます。併しながら金融ベースに乗つて信用さえ頂ければ、我々中小企業の者としては唯一の金融機関として非常にみんな喜んでおります。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 次に委員のかたに御質問願いたいと思います。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 今のお話をお聞きしておりますと、東京製材、東京洋紙、この御両名ともどうも贈賄をしたという工合に言われるのは、誠に心外であるというような御発言であつたようでありますが、そういたしますと、今問題になつている程度のことは両組合とも各方面に亘つておやりになつているのでしようか。

五木田慶三郎東京製材協同組合理事長

○証人(五木田慶三郎君) 各方面と申しますというと、どこのことをお指しになるのですか。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 他の金融機関等におきましても、或いは商工組合中央金庫の品川君だけじやなくて、ほかのほうにもその程度のことはおやりになつているのでしようか。

五木田慶三郎東京製材協同組合理事長

○証人(五木田慶三郎君) それは私自分で歩きませんからよくわかりませんが、大体盆暮に僅かの品物を持つてお伺いするということは、大体その当事者として、下のほうに働いて夜遅くまで、七時までも六時までも毎晩々々やつて頂いているものでございますから、そのくらいのことはどうもしなければならんだろうというのは街の習慣として皆そう考えておりますから、その程度のことはいたしておりました。

芳賀新太郎東京洋紙商協同組合理事長

○証人(芳賀新太郎君) 私のほうの組合の方針といたしまして、御中元と御歳暮は、我々のほうの組合の関係者並びに取引先に対して、そのときの組合の業績に従いまして、一括予算を組みまして、その予算の範囲内において、今申上げました先へ謝意を表するということを我々はきめているのでございますけれども、その贈り先、内容については大体事務長に一切任してあるので、併しながらその金額は極めて少額なために、なお贈る先も非常に多いために、なお特に金融機関というのは公務員と同じであるということであるから、贈賄の疑いを受けるようなことのないようにということを特に指令してあるのでございまして、併しながらこれは警視庁で調査されていることではありますから、内容はほぼおわかりのことと存じますが、それを一つお調べ願えればはつきりすると思います。その内容につきましては、私はまだ加藤が戻つておりませんからわかりませんです。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 私は内容のことは、盆暮に行われる各取引先等に対して、いわゆる世間並みの儀礼的な贈與が行われたということについて、それを贈與せられた物、物件が贈賄のところまで行くのか、或いは社会的な通念でほんの贈與のものであるか、これは私どもがここでとやかく申上げることでなく、警視庁のほうでそれをお取調べになることであると思う。私はそういうことを言つておるのでなくて、先ほどのお話の中には、品川君のことがときたまたま問題となりましたけれども、その程度のことは社会通念として行なつたのであると、こういう工合におつしやつたから、然らば品川君だけでなくて、そのほかの関係の人々にも大体そういうような常識で以ておやりになつておつたかどうかということをお尋ねしたわけであります。大体さように行なつておるというお話でありましたから、まあこれで私は了承しましたが、次に商工中金にお尋ねをいたしますが、先ほど警視庁の松本係長のお話によりますと、品川君だけでなくて、課長にも数名收賄の疑いがある。收賄の確証を握られたかという質問をいたしましたが、疑いがあると、こういう工合に言われたのでありますが、それは御承知になつておりますか。

豐田雅孝商工組合中央金庫理事長

○証人(豐田雅孝君) そこらの点については、私どもといたしましてはつきりいたしません。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 あなたは今の問題、警視庁のほうではどうも收賄の疑いがあると言つておられる。それから両組合のほうではそうではない、まあ社会通念的な贈物に過ぎないと、こういう工合に言つておられますが、受けられた品川君のほうの最高責任者である豊田理事長はどういうふうに思つておりますか。

豐田雅孝商工組合中央金庫理事長

○証人(豐田雅孝君) 品川のことでございますか。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 それから又そのほかにも、あなたのところに関係者がおられるかどうか知りませんけれども、社会通念としてどこにも品川君にやられたぐらいのことはやつておると、こういうふうに言われましたから、そのことを元にして、どういうふうに思つておりますか。

豐田雅孝商工組合中央金庫理事長

○証人(豐田雅孝君) 品川の場合も、私のほうに参つております、情報程度のものでありますが、これも社会通念による程度のものであるというふうに聞かされております。そうして他にこういうものがあるかということでありますが、今のところははつきりいたしませんけれども、どうも他にありましてもこれよりは軽いものではないかというふうに考えておるのでありまして、従つてこれも勿論社会通念による程度のものであるというふうに考えております。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 そうしますと、私はまあ最後にもう一つ松本係長にもお尋ねいたしたいと思つておりますが、その前に豊田理事長、五木田理事長及芳賀理事長にお尋ねいたしたいのは、とにかく東京における大新聞がこういう工合に商工中金の問題に関しまして、これほど大きく問題を取上げて、そうして只今綱紀粛正の掛声が参議院でも極めて鋭く取上げられることになりましたが、その一つの材料提供のような恰好になつておることにつきまして、あなたがたはどういうふうな工合にお考えになつておられましようか。只今のお話を聞いておりますと、どうも社会通念的なことを行なつただけであるのに、このような工合に取上げるのは甚だ迷惑千万だというように私は理解するわけですが、そのような御意思のように私は理解するわけでありますが、何如もありましようか。

豐田雅孝商工組合中央金庫理事長

○証人(豐田雅孝君) 前半の質問につきましては、御案内の通り特定の二新聞でありまして、さつきもお話がありましたが、発表記事ではないのでありまして、お尋ねではありませんでございましたけれども、例えば箱根で五十万円の豪遊をしたというような記事が出ておるのですが、これは單に営業部長が招待いたされまして、これにつきましては先ほども申上げましたが、組合の中に紛争、摩擦もあるというようなことで、その経緯等を問い質す必要がありまして、出席をいたしておつたような程度もありまして、当金庫へ働きかけの手段といたしまして、私ども以下幹部を箱根に招待したというような事実は全然ないのです。又或る新聞によりますと、二百数十億円に上る融資の三分の一が不良貸付であるというような記事も出ておつたのでありますが、この二百数十億というのも数字も違うのでありまして、今年の九月の貸出残高は約百七十億であります。いわゆる延滞というようなものは、三ヶ月以上の形式的の延滞一切を入れましても六%というような程度であります。記事は非常に誤り伝えられておると思うのでありまして、誠にこの点遺憾至極に存じておるのでありまして、目下それぞれ新聞社にも抗議を申入れておるような次第であります。綱紀の粛正につきましては従来から特にやかましく申して来ておるのでありまして、勿論この組合金融は組合自体が御承知のように一つの団体でありまして、いわゆるガラス張り経営をせざるを得ないような行き方になつておりまするから、それほどのことはないとかねがね信じて来たのでありまするが、特に綱紀の粛正、又サービスの改善につきましては、去る九月にもわざわざこれがために会議を開いたような実情でありますが、にもかかわらずかような事件が一部にせよありましたということにつきましては、もう返す返ずも遺憾に存じておる次第であります。併しこれを契機といたしまして、更に今後一層綱紀の粛正の徹底を期したいというふうに考えてある次第でございます。どうか御了承願いたいと存ずる次第でございます。

五木田慶三郎東京製材協同組合理事長

○証人(五木田慶三郎君) 私ども新聞記者につきましては、誠にどうも真実を伝えるということが新聞の使命であるならば、かようなる與太記事を興味本位に書かれるということは非常なるこれは社会を毒するものだと、かように私どもは考えます。折角中小企業者がこの中央金庫という唯一の金融機関にすがつて前進又一歩前進というこうした際にあつて、こうした與太記事を飛ばして我々の頭をどんと打つことは、これはどうも善良なる、又真実を伝える新聞記事の使命では私は絶対にないと思う。私どもは誠に残念でもあり、口惜しく思う。誠にどうもこれは私どもとしては許しがたいことだとまで考える次第であります。

芳賀新太郎東京洋紙商協同組合理事長

○証人(芳賀新太郎君) あの記事は、私どもの組合の掲載されておるのは毎日新聞一つだと記憶しておるのでありますが、私どものほうの、新聞に出ておる加藤事務長が警視庁へ連行されて、その翌朝の新聞だと思いました。その日にも私は加藤君と一緒に警視庁へ連行されましていろいろいお尋ねがあつたのでございますけれども、その翌朝にあの新聞が出たのであります。新聞を見て実に驚いたので新聞の信憑性ということに対しては非常に大きな疑惑を特つたわけであります。全く事実無根なのでありまして、何のためにああいうことを書いたのかさえも実はわからないのであります。非常に迷惑に存じております。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 大体よくわかりました。そこで最後に松本係長に三点ばかり伺います。  第一は商工中金並びに東京製材、東京洋紙のかたがたは口を揃えられまして、只今問題になつておる点は、不正融資の点は勿論今の御発言ではいささかもないとお考えになつておるのでありましよう。そうして贈賄の点につきましても、さような事実はないと、ただ盆暮に行うところの社会通念的な行為に過ぎないと、こういうことを力説せられておりますが、警視庁では先ほど收賄の疑いがある、贈賄の疑いがあるということをここで御証言になつたわけでありまして、大分ものの考え方に隔りがあるように感ずるのでありますが、どうお考えになりますか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) 只今いろいろお話がございました通り、確かに儀礼的なものもあると思います。併し私のほうといたしましては、社会通念上からいたしましても、これは單なる儀礼的なものの程度を越しておるというふうな疑いのあるものにつきましては、それぞれ検察庁の担当の検事が指定されますので、その検事とも十分打合せをいたしまして、單なる儀礼程度でないと思われるものにつきましては、やはりその疑いあるものと見まして、一連の取調べをやつております。今後も又そのつもりでやりたいと思つております。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 それから業者のほうのお話を聞きますと、こういうような問題が起きたのは、東京製材の組合の内部における内紛が動機になつておるようにお聞きをしたのでありますが、警視庁のほうで本件を取上げられまして調査を開始せられた動機は、どういうところにあるのでありますか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) 本件の捜査の端緒となりましたのは、やはり投書並びに聞込みであります。まあ聞込みと私どものほうの言葉では言つておりまが、そうしたことが行われておるというような話を聞いたのでございますが、その投書並びに聞込みによりまして、私どものほうの上司に報告をして、私の下におりまする警部補四名一組に命じまして捜査を始めたのが、この捜査の端緒でございます。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 この事件が一応一段落をいたしまして、事件の内容がほぼ確定的に明らかになりますのは、大体いつ頃のお見込でございますか。

松本三男雄警視庁捜査第二課第一係長

○証人(松本三男雄君) これは事件の見通しといたしましては、非常にむずかしい問題でありますが、あいにく歳末にもなつておりますので、私どもも捜査やいろんな歳末の警戒その他もありますので、はつきりしたことを申上げかねるのありますが、大体年内には終るのじやないかと思います。併し新たに別の特別な線でも発覚いたしました場合には、来年に跨がるかも知れません。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 最後に豊田理事長にもう一言お尋ねをいたします。豊田理事長は先ほどこういう事件が起きたのは極めて遺憾であるという意を表されて、且つ今後更に綱紀粛正のためには努力をいたして行きたい、こういう御意思を御発表になつたわけでありますが、具体的に人事刷新その他のお考えもあろうかと思いますが、どういうような御構想をお持ちになつておるのでありましようか。なぜ私がそこをお聞きしたいかと申しますと、これは今日証人喚問をいたしまして皆様方のお考えを聞くようになりました当委員会の目的の結論であろうかと思うのであります。ということは、商工中金の改正法律案が出ておりまして、更に中小企業に対する融資の大きな役割を商工中金に演じてもらいたいというので、法律案の改正が今行われようとして本委員会で審議をいたしておる。ところがたまたまこういう事件が起きましたので、言われるがごとくにこういう内容の非常に不明朗な金地機関でありまするならば、私どもはさような法律案のように幅を擴げる改正には断乎として反対しなければならん。若しさようでなければ大いに中小企業金融の責務を果すために御援助を願いたい。その判断をして決意をする段階に入つおりますので、従つて要は、先ほどの両組合のごときは新聞がこういう與太記事を飛ばしてけしからん、迷惑千万であると言われて御両者とも非常に強い意思表示がありました。これはさような御意思のあることは一応伺つておきますが、併し商工中金の理事長であるあなたは、そう大したことを行なつたわけではないが、新聞を通じてかような疑惑あるごとくに国民に発表されたことについては遺憾の意を表する、そうして綱紀の粛正はやつて行きたい、こういうことを述べられたわけであります。従つて本委員会の意のあるところも御諒察を願つているのであります。今後商工中金のこの一つの誤りを契機といたしまして、どういうふうな工合に国民的な負託に具体的に応えて行かれる御意思があるかどうか、その点を伺います。

豐田雅孝商工組合中央金庫理事長

○証人(豐田雅孝君) 本件が一日も早くはつきりすることを切に願つている次第なんでありますが、只今品川の件もまだはつきりいたさんのでありまして、すべてはつきりいたしましたならば直ちにそれに応ずる人事的な措置は勿論でありますが、又更に全国営業店舗に対しましては、もう先ほども申上げました通り重々従来からも注意をいたしておりますけれども、更にこの際これが綱紀粛正の徹底を期したい。こういうふうに固く考えている次第でありまして、一部にかような事件が起きましたということは、ただ疑いを受けましても非情に遺憾とするところでありますが、併し全体の貸付振り、事業内容というものは先ほど来からいろいろ組合等からも申述べられましたような点から大体おわかり願つていると思うのでありまして、私どもは営業の基本方針それ自体には何らやましいところはない、俯仰天地に恥じんのでありまして、その点におきましてどうかさようなことで中小企業の金融の円滑化を阻害するということの絶対ないように今後とも御援助をお願いいたしたいと存ずる次第であります。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 先ほど来のお話を拝廳いたしておりますと、品川勇君というかたは営業部の融資係の一職員に過ぎないということが述べられたわけであります。そしてこの一職員に対しまして、両組合のほうからは極くあり来たりの盆暮のつけ届けをしたのだ、そして警視庁のほうでは、いや、それではなくしてそれを若干越えているような、収賄の疑いのある行為ではないかと思つて調査している、こういうことを言われました。そうすると、これはこういう大きな団体への金融でありますから営業部の融資係の一係員が専管するという問題じやなくして、これは係長あり、課長あり最後には理事長もあられるわけであります、従つて一つの組織としてこういうような仕事は行われて行くべきものと思います。そうすると国民がこれを読みまして、品川勇君の大体行われたことがはつきりして参りまして、これは好ましからざる行為である、こういうことになつたときにやはり社会通念上から言ふば、一係員にこれだけのものを贈れば係長にも贈り、課長にも贈るというのが社会通念だと思うのであります。そういう点が一つの疑惑としてこれは残るのじやないか。一係員だけでなくして上のほうに行くということになりますが、そういうようなことを考えますると、この綱紀粛正ということはなかなかむずかしいことだろうと思うのであります。従つて口では簡單に言いまするけれども、金融機関のうちにある社会通念というものを先ず第一にこれを吟味しなければならないと思います。それと同時に商工中金の問題もあろうかと思いますが、いずれ本日証言して頂いたわけでありますから、これを大いに参酌をしながら法律案の審議に私どもは当ることができるようになつたわけでありますけれども、まあ本件とは別に私は強く要望を申上げておきますが、本日即刻から、一商工中金が、とにかくこれは不名誉なことが起きたことだけはこれは事実でありますから、さようなことの再び起きませんように、即刻一つ刷新をして頂くようにお願いを申上げるわけであります。こう思います。

豐田雅孝商工組合中央金庫理事長

○証人(豐田雅孝君) 只今御発言のありました点についてなお念のため申添えておきたいと思つておりますが、私のほうの貸出のやり方におきましては、本店は営業部長というので、まあこれは東京支店長みたいなものであります。先ず営業部長が一応お話を聞くことになつているのでありまして、大体よさそうだという場合には融資のそれぞれの組合を担当いたしておりまする係に調査せしめる、更にこれが営業部長の下におりまする次長代理の手にかけて審査せしめまして、更にそれを営業部長が見ると、更に全体の再審査をやる機構がありまして、その審査部で担当して調査をもう一度やるのでありますが、その場合に又審査部にその係員がおりまして、その係員が担当に応じて調査をいたしまして、それから審査部の次長が見、審査部長が見、それから理事室に廻りまして、理事室では理事の会議制に相成つておりまして、それぞれの角度からこれを見ましていいということになりますと副理事長が見、最後に私のところに出て来るということになつて来ているわけであります。融資の一係員にどうしてこういうようなことが起るのだろうかと実は私ども不審に思つているようなわけなんであります。併しこれが今や起きているということになりますれば、やはりお話のように私どもは非常に遺憾に考える次第でありまして、先ほど申しましたような趣旨によりまして、只今申しましたような機構には相成つておりまするが、これの運用につきまして更に一層の注意を加えるようにいたしたいと思う次第であります。

栗山良夫日本社会党第二控室(左)

○栗山良夫君 今豊田さんの言われたところが非常に重要なところなんですね。理事長としましてはそういう工合に、もう何ら欠くるところのないような組織を以て忠実に業務を執行しておいでになる、それで一係員である品川君がこういうような出来事を起すことは不可思議千万である、そういう工合に考えるとおつしやる、全く私はその通りだと思うのですね。ところがこういうものが出て、国民が見てみれば今度は逆になるわけですね。一係員ですらこれだけのことを行なつている、係長なり、部長なり、理事長は何を一体やつている、一商工中金はまるで伏魔殿ではないかというような一つの誘導的なものの考え方が起きて来るということは、ここが商工中金が名誉回復をするためには最も意を用いなければならんところではありませんかと、こういうことを私は申上げている。殊に先ほど来言われているように、今ここで御証言になつた両組合のかたのように、盆暮のつけ届けぐらいほうぼうに出している、そんなことを問題にするのはけしからんと、こうおつしやるような証言であれば、それによつていろいろな問題も起きるでしよう。私もそれは会社のためにしたことがありますからよく知つておりますが、盆暮のつけ届けというのは、やはり一係員にタオル一放持つて行くときには課長にはシヤツ一枚持つて行くとかいうように、位置によつて品物の差がありますよ。差がありますから、これもやはり一つの社会通念です。社会通念だから私はそういうことを繰返し申上げているので、この点は警視庁でも私は同じことを考えておられるのではないかと思いますが、こういう点をやはり真劍に考えて頂いて、そうして商工中金の名誉回復はそういうようなところを中心にしてやつて頂かなければならん、こういう工合に考えるわけです。

古池信三自由党

○古池信三君 先ほどから証人の各位から詳しい御発言もありまして、事情は我々大体了解できたりでありますが、目下捜査中の事件が警視庁その他の御当局において公正に判断をし、捜査を進められるわけでありますから、本委員会しとしまては、証人に対する質問応答はこの程度で打切りまして、本来の法案の審議に入られたらどうか、こういう希望を委員長に申上げます。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 証人のかたにちよつと申上げますが、実は衆議院議員提出の商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案いわゆるあなたのほうの豊田さんの中金の強化擴大になるわけですが、これが出て参りましたから、我々委員会といたしましても、一度あなたがたを証人としてお呼びし、又警視庁のかたにも来て頂きまして、大体我々の頭を作らなければならない。我々に、商工中央金庫が擴大強化されるについていろいろな問題が、疑義が、疑惑があつてはいけない、こういうわけでお願いしたわけであります。我々の考えによりましては、警視庁の考え、又業界のかたがたのお考えに対しまして、大体委員のかたも御了解になつて、大体話がついたのでありますので、本日は誠に……。

中川以良自由党

○中川以良君 一言申上げます。只今御所見を承わつて私どももよく了解できたのでありますが、特に商工中金においては豊田理事が今御発言になつた通りに、直ちに綱紀粛正に関して嚴重なお取締り並びにこれが御励行に対して御質疑になつておりますので、これは大変結構だと思います。是非今後とも十分この機会を捉えて商工中金本来の使命に向つて正しき道に邁進して頂きたいと存じます。ただ私が憂いますことは、こういうような事件がございましたために、余りにもおびえ過ぎて、商工商中金の機能が締まつてしまう、即ち今や年末にかけまして、中小企業の人々は急速な融資を各方面から仰いでおります。然るにこのような事件のために事務が渋滞して、各相当の係において、従来の期間よりよほど多くの日数を要するとか、或いは萎縮して事務が停滞をするというようなことがないように、この面も十分に私は中小企業全体のために御注意を頂きたいと念願をいたしますものであります。  それから両組合の理事長のかたの御証言もよくわかつたのでございますが、この機会にただ徒らに報道陣営を御攻撃になることなく、やはりみずからお顧み頂きまして、いやしくも従来公務員に対処する途をどうぞ組合の皆さんのかたがた等にも十分に御注意を頂きまして、こういうようなこと以て、中小企業全体が迷惑をこうむるというようなことについて、一つ御反省と今後の御奮起を願いたいと存じます。私はこれで一応証言も終つたと存じますので、只今の古池君の御発言の通り、これで終了をいたしていいだろうと思います。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) もう一点豊田さんにお伺いするのですが、中金はなかなか金を貸さない、こういうことが世間に言われており、我々のほうも耳に入つておるのでありますが、只今聞きますとなかなか機構がむずかしくて借りるためには何段階かわかりませんが、五段階か、七段階か、八段階かわかりませんが、余りにむずかしいためにそこに疑惑が起ると思いますが、中金の運営方法につきましてはもう少し簡素化して、理事長の責任においてやれるようにお考えになつたことがありますか、どうですか。

豐田雅孝商工組合中央金庫理事長

○証人(豐田雅孝君) 恐らく又一面からそういうお尋ねがありはしないかと思つておつたのでありますが、併し金融機関というのはどこでも大体こういう機構になつておるのでありまして、ひとりこれが中金に限るということではないので、特に御了解願つておきたいと存じますのは、組合金融ということになりますと、組合として一件の申込ではありまするけれども、これが組合員に転貸せられますような場合には、仮に五十人おりますれば五十件として調査をいたさなければならんのでありまして、それがためにもどうしてもこれは時日が普通の金融よりもかかるのであります。そういう点につきましては止むを得ない点があるのでありまして、如何に改善いたしましてもそういう特殊な事情はありまするけれども、併しできるだけ事務の簡易化を図りたいというふうに考えまして、一例を申上げますれば、單に資金の貸出等につきましては、ただ一枚の紙にそれぞれ書込みまして、これを地方の支所、出張所から、下から全部判をつき、それを送つて来ますと、最後にその書類に私自身も判を捺しまして、一枚で処理するというようないたし方までいたしておるわけであります。問題は、資金源が乏しいために貸出したくともつい貸し得ないところがそういう資金源の関係も行つておるということはなかなか外部から御認識、御了解がにつきくいのでありまして、何か貸せるものを貸さんかのごとく誤解をせられるのでありますが、そういう面からも資金源をこの際特に確保するように、又別途御考慮願いたいと存ずるのであります。御承知のように商工中金が今回組合員の預金が直接扱えるようになりまするが、それでもなかなかこれは組合の組合員に限られるという関係から、そんなに急には預金も伸びないと思いますが、今まででありますと、組合の預金だけしか使えないということでありますので、到底預金では資金源が迫れがない。外部資金に依存しておるだけに、ときどき資金が波を打つて参りますから、その波の底になりますと如何なるものでも貸付ができんというようなことから、只今申されまするような誤解等も起つて参ると存ずるのであります。事務の簡素化と、今後御援助、御協力によりまして資金源も漸次確保せられることになりまして、お述べになりましたような是正には盡力したいというように考えておる次第であります。

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 結局日本の経済の底が浅いのだから、いわゆる金融機関に及ぼするということになつております。でありますからどうしても頼る。今度は組合員も入る、こううような法律が通りますれば、そういうことでありますから、我々のほうの委員のかたがたが非常にこれに対して熱意を持つております、こういう点を御考慮に入れまして、今後の運営に対して御留意を願いたい、かように存ずるのであります。先ほどの古池君の御動議のごとくでございまして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹中七郎国民民主党

○委員長(竹中七郎君) 御異議ないものと認めましてさよういたします。誠に本日は御両氏とも御多用のところ恐縮であります。誠に有難うございます、厚くお礼を申上げます。  本日はこれを以て会を閉じます。    午後四時二十九分散会

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