建設委員会 第11号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/11/26
会議録
○委員長(小林英三君) 只今から建設委員会を開会いたします。 本日急に建設委員会を開会いたすに至りました目的といたしましては、先般水産資源保護法案というのが衆議院を通過いたしまして、そうして参議院に回付され、これが水産委員会に付託をされておつたわけであります。水産委員会におきましては、付託されたその日にこれを通過をいたしまして、丁度一昨日の議運におきまして、この本会議の上程方の相談が審議があつたのであります。ところが一方この水産資源保護法案というものは河川法に重要な関連を持つておるので、それが建設省でもこの問題について余りタツチしていなかつたと考えられまして、丁度本委員会の赤木委員が議院運営委員であられましたので、このことに気付かれまして、そうして取りあえず本日の本会議に上程することだけは保留してもらいたい、これは先方と関連して非常に重大な問題だと考えられるから保留してもらいたい、こういうことで私どもも一昨日そのことを承知いたしまして、本日詳しくそういう問題について承知をいたしたのであります。そこでこの水産資源保護法案というものはすでに委員会を通過しておりますなら、本会議に上程する運びになつておるのであります。一時保留をされておりますので、本委員会といたしまして、十分に前後の問題を研究いたしまして、そうしてこの問題に対してどういう処置をとるか、すでに委員会を通過したのであるから、そのまま本会議に上程をして、近い将来にこれを修正するか、或いは参議院の本会議においてこれを修正するか、或いはこのままでよろしいのかという問題を一つ検討して行きたいと思つております。先ず水産庁の政府のほうの側から一応この法案について御説明を願いたいと思います。
○政府委員(山本豊君) この法案は実は約半年ぐらい前からでありますか、例の水産関係の司令部のほうから日本の沿岸漁民の直面しております経済的危機とその解決策という意味で大体重要点五つあるわけでありますが、我々は通常これを五ポイント計画とそう言つておりますが、そういう示唆がありまして、それによりまして、その他のいろいろな法案、或いは政府もその改革等をやつて参つたのでありますが、この水産資源保護法案ということもその一つであるわけであります。それでこの法案のいろいろ研究の経過について御説明申上げますと、実は極めて技術的な面が主となつておりますので、そこで水産庁に水産研究会というものがありますが、そこで主として水産の技術面のいろいろ調査研究をしておつたのでありますが、その機関におきまして、これはまあ御承知のように議員の提案になつているのです。そこで衆議院の発議者の主だつた人四、五人、又参議院のかたも二、三人、それに水産庁としましては今日は来ておりませんが、担当官の調整第二課長或いはその係官、それからその他民間の権威者等を網羅いたしました委員会を作りまして、その委員会でたびたびいろいろ研究をしたのでありますが、その過程におきまして、外務省あたりへもたびたび連絡に行つたりしましたが、これは主として議員提案でありますので、役所としては積極的な動きはなかつたのでありますが、内容につきましては専ら調整第二課長が関係しておりまして、本人がおりますと詳しく御説明ができるのでありますが、我々その段階においての経過を見ておつたのでありますが、そういうような経緯でいろいろと研究をいたしました結果、今国会に上程されたのであります。そこで根本問題としましては、御承知のように水質汚濁防止法という問題があるわけであります。この問題が解決しない限りはそういう面のいわゆる水産資源保護の問題はやはり不徹底を免れないのであります。併しこの点は御承知のように厚生省が立案者になつておりまして、只今民間の安本におきまするそういう面の審議会がございますが、そういう方面で今研究中であります。大体結論は出ておるようでありますけれども、鉱工業者その他ともいろいろ対立の問題もございます。そこでそういう各方面のかたを満足させる結論には達していないようであります。それで私どもとしましては、水質汚濁防止法を一緒に出したいという気持を持つておつたのであります。併し片方はなかなか簡単には出て参りませんので、止むを得ず水質汚濁防止法のいろいろ狙つておる強い希望もあるのでございますが、それの解決は将来に譲りまして、現状としてできる範囲のところにとどめまして、そこでこの法律ができたわけであります。と申しましても、この法律の母体をなしますものは、極めて従来のものを総浚いいたしまして、この水産資源保護という本当の銘を打つということが主眼でございまして、この内容をなしております従来の漁業法、それからもう一つ水産資源枯渇防止法というものが前々国会でありましたか通つた法律があるわけであります。これと漁業法が大体母体をなしております。更に現に政府が今まで積極的に保護政策の面で或いは府県に助成金を出したり、いろいろやつておる仕事があるのですが、そういう予算をいろいろ実施しております面の裏付的な規定というものを若干加味しまして、そこでできた法律案であります。従つてこれはあとで申し上げますが、大体漁業法、水産資源枯渇防止法というものが約全体の三分の二をそのまま持つて来ておるのです。而もそれを作つて参ります関係で、元の法律のほうはその條文は削除しておるわけです。従つて今日も建設委員会で問題になりました点は、工作物などの関係の規定であろうと思うのですが、それらの規定も数におきましてはそうたくさんないのであります。それらの扱います問題がやはり問題になるのではないかと思うのですが、私どもの気持としては、従来水産資源保護の建前からいろいろ河川その他におきまして水産庁としましても関心自持ち、建設省とも連絡をとつておるのでありますが、やはりこういう面における一つの監督行政というものの一つのはつきりした裏付といいましようか、その根拠が非常に乏しい。好意的に我々は建設省から御相談があり、又それに応じて相談に乗つておるという点も相当多いのであります。それらの点をはつきりさせて、強くそういうものを打ち立てることが必要であるというので、議員のかたがたがいろいろ検討されまして、この法律ができて参つたのであります。 そこで大体この法律の内容をなしております点を二、三申してみますと、その一つはいわゆる日本の水産業は、御承知のように沿岸その他におきまして非常にとり過ぎである。そこでこれもいろいろ種類がありまして、一概には申されないのでありますが、或る程度資源が満ぱいになり、これ以上とつてはお互いが困るというふうな面につきましては、水産庁としましては場合によつては減船整理までやつて待機しておるのであります。その一例が今いろいろ問題になつております以西底びき網漁業であります。これは東支那海方面の漁業でありますが、これは実はマツカーサーラインが伸びまして、漁場は従前の三分の一くらいになつておるのでありますが、然るに船は一千隻くらいありまして、これでは到底如何にマ・ラインを撤廃いたしましても結局とり過ぎになるというような非難もございましたので、昨年度でありますか、この水産資源枯渇防止法という法律を作りまして、或る程度調査もございますので、その調査に基ずいたいわゆる隻数というものをきめまして、それ以上に出ておる船をいろいろ業界方面ともたびたび斡旋いたしまして、或る程度船の整理をしたわけであります。勿論整理をする以上は国の命令で減船するのでありますから、許可の取消しに対しては一定の補助金を与えるというようなことをして参つたのであります。この根拠法が水産資源枯渇防止法であります。この法律も全面的にこの新らしい法律の中に取入れておるわけであります。この関係では従つて河川とかいうような問題とは全然抵触がないかと思うのであります。そういうふうな面の規定がございまして、それからその次に第二番目には、現在主として内水面に多いのでありますが、水産動植物に及ぼす被害というようなことが最近のいろいろの情勢によりまして、非常にそれが妨害されるというふうな事態も少くないのでありますが、これらの発生をできるだけ保護したい、こういう気持からこの規定にございます保護水面というようなものを設けまして、その中に例えば資源を培養するという場合には、国の補助金を出してそういう施設なり或いはその培養面というものを補助いたしまして、そうしてこれを保護して行こうというのがこの保護水面の問題であります。これらも従来は実は法律はなくして補助的意味で政府が適当なる指導の下にやつて参つておるのであります。それから又特に北海道の鮭鱒というものの孵化放流の問題、こういうものも又定めておるのであります。これらのうちで所有者が工作物を立てるときは、特に建設省とよく相談いたしまして、いろいろと現在現在建設省に迷惑をかけ、又建設省からいろいろ御好意ある指示を受けておるのでありますが、それらの点を折角法律ができますのですから、或る程度明瞭にいたしたのであります。それからなおこの水産資源保護の指導員とか吏員とか、こういうものも在来あるのでありますが、これを一つやはりこの法律の上にとつて参りまして、例えばこれは海洋におきまする取締船に乗込む人間が内水面におきまして協同組合等に所属して、魚を無理に捕つたり、或いは毒物を投げるとかいつたような違反行為を取締る、こういうことをいたすために積極的に吏員等の関係もこの法案に盛つておるのであります。それからもう一つ水産資源保護の関係におきまして、水産庁全体の一つの諮問機関としまして、中央漁業調整審議会というものができるのでございます。大体そういつたような内容を持つておるのであります。これは実は我々といたしましては、この法案ができたために、飛躍的に水産資源の保護培養がすぐできるとは考えていないのであります。この法は一応体系ずけまして、大体すぐには現状がえらく変つて行くわけではありませんけれども、将来の方向ずけといたしまして、順を追うて予算の獲得、又は行政面の更に親切なる指導というふうな方面に持つて参りたい、こういう考えでこの法律ができておる。少しく細かくなりますけれども、大体従来の水産資源枯渇防止法、それから現在の漁業法の規定を大体そのまま援用しておるものが多いのでありまして、全然新らしく入りました規定を申上げますと、第一條、それから第十三條、十四條、十五條、十六條、十七條、十八條、十九條、二十條、二十一條、二十五條、二十七條、二十八條、大体そういうものが実際上は新らしいのでありまして、そのほか附則とか罰則規定は大体漁業法と大同小異であります。或いは向うから援用したもの、或いは新らしく作りましても、それに準ずる問題であります。
○委員長(小林英三君) ちよつと山本さん、枯渇防止法と漁業法のほかに新しく入つた條文をもう一度御説明願いたいと思います。
○政府委員(山本豊君) 第一條これは目的、内容はありません、それからその次が第十三條、十四條、十五條、十六條、十七條、十八條、十九條、二十條、二十一條までですね。それからその次に二十五條。
○委員長(小林英三君) 二十四條は。
○政府委員(山本豊君) 二十四條は従来あるわけです、
○委員長(小林英三君) そのままですか。
○政府委員(山本豊君) はあ。それから二十五條、二十七條、二十八條、大体そんなものです。
○衆議院議員(石原圓吉君) この法案の小委員長をやつたものでありますが、甚だ済まんのですけれども、ちよつと一言だけ発言を許して頂きたいと思います。
○委員長(小林英三君) 石原さんは提案者で、一番この問題に精通しておられます。どうぞ。
○衆議院議員(石原圓吉君) この問題はヘリントン氏が水産部長をやめられて帰るときに、日本政府に対する勧告があつたのであります。そのうちの一つに資源保護の問題を強く要望されてあるのでありまして、これは現在アメリカ、カナダ等かも代表者が参りまして只今漁業協定をやつている。この問題に重要な影響があると思うのであります。第一アメリカ、カナダの主張しているのは資源保存、国際資源の保存ということに重点を置いているのでありまして、その意味から戦争前に日本の漁業者が余り北太平洋等に進出したということで、今後も日本の漁業者が密漁を、濫獲をするということの心配が非常にあるわけでありまして、そういうような点が勧告となり、又日本自体においてもだんだん荒廃する漁場を保護しなければ、全く日本の漁業者が立ち行かない状態になりましたので、それで第十国会にこれを提出しましたが、一、二の意見の相違がありましてOKがもらえなかつたのであります。そのために経済科学部へ書面を以て何故にOKをくれないかということを質したのでありまするが、結論として私のほうに二、三の疑点があつて送れん、併し十分な協定の余地がありますという回答を受けでおりまして、それから今回の臨時国会の初頭からこの問題をOKについて努力をいたしまして、やつとOKが参りましたので衆議院のほうで決議を得たわけであります。根本は国際信義を守つて、保護繁殖、取締、濫獲防止ということが根源になつて、日本が世界一の水産国としてこの法律によつて今後の漁民が救われて行くというところに重点があるのであります。大体只今山本次長上り説明しましたように、漁業法の五十一條等がこれに全部取締の関係が移りまして、そうして今後濫獲防止、保護繁殖、合理的な漁村の立ち行くような法律としてここに出発するわけであります。どうかそういう意味合で特に審議を下さりまして、今国会に是非とも通過になるように御高配のほどを切に希望するわけであります。以上であります。
○赤木正雄君 建設省は別にこれに対して立案したわけでも何でもありませんから、我々委員会として審議する過程において建設省の意見を聞いたらどうですか。建設省は全然これに関係していないですからね。
○田中一君 今の趣旨はよく了解できるのです。建設省が仕事がやりいいように、その趣旨を生かす意味においてやりいいような点について意見をまとめて行きたい、こういう形でもつて進めたらどうかと思うのです。今の説明の趣旨には何も異存はないわけなんですから、そういう点で気がついたところというか、若しも建設省でこの問題に御意見があるなら、事務上の手続のしたおいて意見があるなら、それを伺う、その点について逐條我々話合つて行く、こういうことにしたらどうかと思います。進行上ですね。
○委員長(小林英三君) 河川法に関連して、この法案が通過して河川法と関連して運営上こういう点が困るという点があるのじやないですか。
○田中一君 そういう点のみを審議して行こうと思うのです。法律そのものはもうこれでよく了解したと思いますから。
○赤木正雄君 審議なさる前に、私一つお伺いしたいのですが先ほどのお話の水産研究会といいますか、この法案を何した或いは調整第二課長と申しますか、厚生省との連絡はなすつたらしいですが、最も関係のある建設省との連絡はなぜなさらなかつたか。又水力発電の関係がありますから、やはり通産省ともこれは大いに影響があると思います。それに対しても連絡があつたかないか。単に厚生省のみ連絡があつて、ほかの建設省或いは通産省とはなぜ連絡がなかつたか。その点を伺いた
○政府委員(山本豊君) その点は実はお話のように実際はなかつたわけであります。けしからんじやないかというお話も出ると思うのでありますが、まあ従来そういういろいろ細部に亘つた折衝ということになりますと、我々まあ別に所管荒しの気持は持つていないのでありますが、いろいろ議論が紛糾しまして、簡単にできるものもなかなかむずかしくなるという事情もあるものですから、結局は議員提案というような形で、そうして議院のほうで、衆議院のほうが主でありますが、議院のほうで御研究になつたわけであります。ただ一つには私たちの気持としましては、それはそれにおいても事務当局で積極的にすべきじやないかという御意見も出ると思うのでありますが、それを飽くまでしなかつたゆえんは、一つには先ほども御説明申しましたように、大体骨子になるものは現在の漁業法であり、又水産資源枯渇防止法丸写しの部分が相当重要部分を占めておるのであります。併し水質汚濁の問題になりますと、厚生省の考え、通産省或いは我々のほうの考えとは開きがあるのでありますが、その点は一応将来の問題に残されておるわけでありますので、総括的に河川行政を積極的に妨害するというふうな意図は勿論ありませんし、又実際問題としてもそう大きな問題は出ないだろうということと、もう一つはこの條文の体裁を御覧になるとわかりますように、大体政令なり勅令等に手続的な点は讓つておるのであります。我々としましては国会で通りました以上は、これを施行する責任があるのでありまして、第二の段階になりますけれども、それらの際に十分我々としましては建設省或いは通産省と御相談をして、手続の上ではそんな行き違いのないようにいたしたい、かように考えておるわけでありますが、これは今後の問題でありますので、実はまだはつきりした具体案も持つていないのであります。併し法律の上ではそういうことも若手予想せられておると思うのでありますが、大部分勅令省令に讓つておるのであります。それを円満に持つて行きたい。それからもう一つ、在来建設省とは、最近司令部あたりの何もありまして、これらの問題についてもいろいろ勧告があつたりして、建設省あたりにお願いに行つた筋もいろいろあるのでありまするが、従来そう対立的になつておらないのであります。又今後我々としましても、これはこれとしましても、漁村行政を邪魔しようというような考えは毛頭ないのであります。事実上よく理解し合つてやつて参ることが最も効果があるわけでありまして、ただできないことを法律できめたからやり通すのだという式では実際問題として如何かと思うのでありますので、その点は今後の問題でありまするが、我々としましても十分よく連絡をとつてやりたいというふうに考えておるわけであります。
○赤木正雄君 法律できめて、あとの些細な問題は政令できめて両者の間は円満にやつて行こう。こというふうの御意図であつたがために建設省或いは通産省とも連絡しなかつたというのですが、併し法律が骨子になるのでありますから、その骨子を作る法律を作る場合にあらかじめどういうふうにやるか、それを両者の間、或いは三省の間に協定なすつて、些細の問題こそこれは政令へ讓るべきものだと思います。根本の法律に対して全然両省の間の連絡をおとりにならなかつたという点に私は非常に了解しがたい点が今以てあるのであります。そういう点から私はこの條項を審議してみたいと思う。
○田中一君 今の赤木委員の議論も尤もなことで、今の山本次長の説明について河川局の意見を聞きたいと思います。
○委員長(小林英三君) 河川局のほうとしてこの法案が通つた暁において、例えばこの條項の中にどういうような支障があるというような意見を……。
○田中一君 その前に、今次長が言つたように、省令によつて摩擦のないようにするというお話なんでありますけども、併しこの法律そのものから見場合には我々どうしても支障があると見るのです。多くは政令で以てものをきめて、法律は抽象論にとどめておくというような傾向があるので、この際河川局次長にもそういう点をはつきりと、山本次長の言われておることであとで解決つくのだという考えでなく、この法律そのものの見地からの御意見を伺いたいと思うのです。
○説明員(伊藤大三君) 実は水産資源保護法案というものにつきまして、我我も誠に不注意でございましたけれども、こういうものが出ておるということを存じませんでした。実は一昨日か、赤木先生からこういうものが出ておるが、君のほうはどうかというようなお話もございまして、実は誠に申訳ないのですが、それからあわててこれを拝見さして頂いたわけであります。従つて私どもにおきましても十分慎重審議この内容について調べておるというところまで行かない点もございますかもしれませんが、取りあえず我々の感じた点につきまして一応ここに御説明申上げたいと思うのであります。 先ほどお話がございましたように、この法案に盛られましたものは、従来の法律案にありましたるものが大部分で、若干新らしいものが入つている、こういうお話でございました。そこで従来の問題につきましては後刻申上げることといたしまして、新らしく入つたものといたしまして、先ほどお話がありましたものの中で、河川行政上特に我々として御注文をしたいという点を二、三申上げて見たいと思います。先ず第一に先ほどお話がございましたように、十五條の保護水面の問題でございまするが、確かに先ほど水産庁からお話になりましたように、保護水面というものの規定の必要も了承いたしました。ただ我々海面の問題は別といたしまして、河川におきましては、河川の管理をいたしまする河川管理者といたしまして、この河川の中におきましていろいろの工事もいたすのでございます。例えば浚渫もいたしますれば、或いは掘鑿もいたしますれば、そこにいろいろの工作物も設けます。又河川法の河川管理者の権限といたしまして、他からのいろいろな申請のありましたる場合におきまして、これの許可、認可というような点もいたしているのでございます。その場合におきまして、保護水面という所がはつきりいたしませんと河川の管理者といたしましてはそれについて自分の権限として或いはいろいろの工事もいたしましようし、又いろいろの許可もする、許可もする、こういうような問題が出て来るわけであります。保護水面の指定そのものには大した意味がないにしても、それに基きまするところの、例えば十八條におきまする工事のごときものがいろいろ出て来るのでございます。従つてこの保護水面の指定に当りましては、一つ管理者に協議をしてもらい、そうして、保護水面というものはどこにあるかということ、どういうものだ、それが河川の工事をする上においてどういうような支障が生ずるかというような点、並びに許可、認可する場合におきまして、何か間違いを生じないかというような点を十分あらかじめ協議をしてもらいたい。こういうことが保護水面の指定に当りまして先ず我々が望むところでございます。それから先ほど申上げましたように、保護水面の区域において十八條のような工事をせられることでございまするが、これはいろいろ意見がございましようが、我々の立場からいたしますれば、この問題につきましては、河川管理者としていろいろの自分の権限として工事する場合、又十七條から、十九條までの許可をするというような場合におきましては、これは一つ河川管理者に讓つて頂きまして、そうして河川管理者から農林大臣なり、保護水面の管理者の都道府県知事と協議をする、こういうふうにしたならばこの点において間違いが生じないことになりはしないか、こう考える次第であります。 それからもう一つ、これは新らしい計画として二十條に、さく河魚類の増殖を図るためにいろいろな人工孵化を実施せられることになつております。こういうような計画は十分我々のほうへも一つ知らせておいて頂けば、工事をやる建前もありましようし、いろいろな問題からいたしまして、いろいろの水利権を許可する場合にも種々参考になることと、こう考えるわけであります。強いことを望むわけではありませんが、計画をお定めになつたら、これを建設大臣なり、或いは農林大臣なりに一つ御通知願えれば、こういう点については非常に都合がよいのじやないか、こう存ずるのであります。 それからこの差迫つた場合におきまして、すでに従来の法規にある問題についてかれこれ申上げるということは我々としても非常に忸怩たるものがあるのでありますが、先ほども田中委員からのお話もありましたが、我々の最も強く感ずる点だけについて御意見を一応述べさして頂きたいと思うのであります。それは第四條の四号とか五号等に関係するのでございます。これは先ほど申上げたようなことから全部これに影響するわけでありますが、この四條五号に関するようなこういう省令を出しまする場合に当りまして、実は河川法の十九條その他に基いて府県においていろいろの規則を出されるのといろいろと衝突し、又それに基いて出す許認可とこれが食い違いますと、折角許認可したものに非常な支障を生ずるので実際上働かない、こういうような問題もできます。又この農林省の規則を無視するということになればそれは又水産動植物の増殖の障碍になる、そういうようなものを許認可するということもこれは河川法上から行きましても非常に面白くない、こう思いますので、こういう問題が衝突しないように河川管理者もいろいろ命令を出しておりますので、これらとうまく調和のとれるように一つ相談をするようにして行きたい。こういうふうな考えが私のほうにもあるわけでございます。 それから二十三條とか二十四條の問題でございますが、この問題につきましては、実は先ほど水産庁の山本次長からもお話がございましたように、我我のほうにおきまして一番よく問題の起りますのは、発電、水利の関係が主なものでございますが、これにおきまして、我々といたしましては漁業権の問題については相当慎重に考えまして、よく水産庁のほうでもその問題のありますものについては一応認可いたします場合に事前に協議を申上げまして、水産庁の意見を十分伺い、それと摩擦のないようにいろいろと調節して認可もいたしておるようなわけでございます。そういうような何もございます。こういうような点については一つ我々のほうにも御協議が願いたい。それは我々のほうにおいて例えば二十四條におきましては、許可又は認可の下りたものが農林大臣の何で撤去を命ぜられてしまつたということになると、権限の問題が変な恰好になりまするので、そういう点に食い違いのないように考えたい。二十三條の問題はこれは先に発表をして頂くということも如何かと考えておりますが、一般的な水面の一定区域内における工作物の設置の制限又は禁止というようなことについて全般的に一つの方針がございますが、そういうようなものを確定したものの御協議が願えればそれによつて私のほうの行政の取扱もうまく行くのじやないか。こういうようなことを我々は今考えておるのでございます。私どもが一応眼を通しまして感じました概略の点につきまして、簡単に意見を申上げた次第であります。
○田中一君 先ほど電力特別委員長から自分のほうの所管の問題についても関連性があると思う。自分の意思は留保して、今日ここに来たけれども出席しないと言つて帰りましたけれども、公共事業令を見ましても、第五條の二十三項に、「発電水力の開発に関し、都道府県知事に対して、河川法に基く処分につき勧告をすること。」こういうものがあるのです。結局元が河川法になつているわけです。その際若しも保護水面として指定された上流において仮にダムを建設するような場合、これは恐らくこの法に触れるわけです。従つて開発ができんということになるわけです。むしろはじめから発電計画というものが各河川についてきめられているならばこれは調整がとれるでしようけれども、一応この保護水面というものを河川においてきめられて、後にダムの開発をするという問題が起きますと、この法に阻められて到底これは実現ができない、各省間の紛争が起るわけです。殊にその保護水面を利用している業者なんかの補償の問題とか、いろいろ面倒な問題が起るわけです。こういう問題も一つ次長はどういうふうにお考えになるか、この点を一つお伺いしたいと思います。
○説明員(伊藤大三君) 従来におきまして、こういう発電所のダムの問題で一番問題になりますのが漁業権の問題、特にさく河魚類の問題が一番問題になります。従つて常にこの問題につきましては、水産庁と我々のほうといたしましては常に協議いたして、そうして水産庁の御意見を拝聴いたし、又一方許可権を握つておりますところの知事が申請する前におきましても、こういう漁業の問題につきましてもよく地元におきまして必ずまとめて出て来ておるわけであります。従つてこういう問題については、現在においては建設省当局が指導役になりまして、或いは漁業権の問題、或いは農業用水の問題、或いは流木権の問題、いろいろにつきまして意見を拝聴し、調整しているわけであります。個々の場合におきまして、今度の法規におきまして実は恐らく協議をして頂くことであろうとは思いまするけれども、二十四條のように急にさつと農林大臣だけでやられましても、この補償の問題があるからいいとおつしやるが、やはりいろいろの各種の水利権の間の権限の調整も私どもは一役かつているし、又河川法において与えられたる権利が動かないというようなこともこれはおかしいから、そういうような点について実は御協議を願つたならばどうかと、こう存ずるものであります。実際においては私はその点を申上げて向うから御協議を受けているわけでございます。
○赤木正雄君 ちよつと水産庁のかたにお伺いします。第四條の第四号「水産動植物に有害な物の遺棄又は漏せつその他水産動植物に有害な水質の汚濁に関する制限又は禁止」、それから第五号の「水産動植物の保護培養に必要な物の採取又は除去に関する制限又は禁止」とありますが、これは今度新らしくこの法案に盛られたのでありますか、今までの漁業法にこういうものがあつたのでしようか。
○政府委員(山本豊君) これは従来の漁業法の六十五條にそつくりそのままあるわけです。
○赤木正雄君 そこでお伺いしますが、河川法の第十九條で実は十分取締り得るのであります。今まで河川法のほうの取締りにどこか悪いことでもあつてこれを入れているのでしようか、或いは漁業法にあつたからそのまま入れているのか、河川法の不備とか、そういうことをお考えになつているのでしようか、どうでしようか。
○政府委員(山本豊君) この点は大体漁業法に現在ございますから、これを深く……。これは私提案者でないので申上げにくいのですが、大体その考えをとつていたに過ぎないのです。ただこういう問題があると思うのです。実際問題として建設省と我々のほうとは非常に密接にやつておるのですが、出先でこれは建設省の所管だとかいうような式で、末端のほうで簡単にこれらの要望に対して農林省は権限がないとか、こういうような事態も少くないのではないかと思うのでありまして、一応はやはりこれは結果は同じになりましても、いわゆる魚族保護の立場からの取締り、河川のいわゆる今の工作物その他の関係からの取締りといいますか、そういうものは落ち着くところは一つになるかも知れませんが、考え方は両方あつてもいいのじやないかという気がするのですが、この法律を作りました際にはそこまで論議があつたかどうか、私はよく存じないのですが、大体現在の漁業法にあるそのままを書いたというのが本当じやないかと思います。
○赤木正雄君 今おつしやる通りに本省においては別に議論もなしに両省の話合いでうまく行こうと思いますが、一番問題を起すのはどの官庁でも出先機関です。その観点から法律をはつきりして、出先の機関で文句が起らないようにしなければならない。その意味から政令に譲らないで法律ではつきりしておいたほうが実際に出先機関が助かるのみならず、そうしないと本当の仕事ができない。こういうような考えを以ちまして、この法案はその意味から十分検討して頂きたいと思うのです。
○田中一君 今赤木君の質問された第四條の四、五ですね、この点は海の場合、海面の場合には問題はない、恐らく今の漁業法の場合というのは海面を想定したのではないかと思いますが、河川の場合も踏み込んでいるのかどうか。
○政府委員(山本豊君) これは実際問題としましては、お説のように大体海面が多いと思うのです。併し規定自体は漁業法というのは海面も内水面も一つに規定しているのですから、解釈だけは広く考えられるわけです。併し事実問題はお説の通りじやないかと思うのです。
○赤木正雄君 殊に今後は日本の動力資源は水力発電より方法がない、これは一般世論であります。従つて水力発電所がたくさんできよう、そういう観点でありますから、これはその点からも通産省と申しましようか、そういうほうから十分一応検討してもらわないと、その観点からこの法案ができて、いよいよ水力電気を起そうとい場合に支障があつては困る、こういうふうな観点を私は持つております。遺憾ながら今日は通産省のかたが見えておりませんけれども、そういう考えを私は持つております。
○田中一君 あとは懇談にして、この問題を議院運営の上から言つてもどうするかということを一応話合つてはどうかと思います。今両次長から御説明があつたのではつきりしましたから、明日、明後日に迫つているところの本会議上程問題について善後措置を懇談の上で相談したらどうかと思います。
○赤木正雄君 ただ議運の問題でないということははつきりして頂きたい、議運の問題であるべきはずがない。水産委員会で可決して実は本日上程になるところを、委員長のおつしやる通り上程を延期してもらつただけで、若しもこれを延すならば、或いはこの法案が可決しても上程されないような方法と、修正するならば本会議で修正意見1を出して行くより方法はない。
○田中一君 それは時間的に……結局電力委員会のほうからも一応留保して合同審議をしたい、こういう提案があるのですから、まあ会期が延長になるといたしましても、二、三日の問題です。従つてどういう形で持つて行くかを一応懇談会にして相談しようと言うのです。無理に本会議でやられて修正するとかしないとかいうことは別にしまして、御説明を今伺つたのですから、これからいろいろ御相談したいと思うのです。
○委員長(小林英三君) ちよつと、ではこの問題について竹下さんのほうの意見を拝聴したいと思います。
○説明員(竹下雄吉君) 竹下でございます。では私から御説明申上げます。 この発電の開発につきましては、この漁業の問題は非常に関係が深いのでありまして、それでいろいろな従来問題が起きているわけですが、河川の有効利用の点から発電にこれを有効に利用しようとしますれば、それは水産の面から申しますと、河川の水が減る関係上どうしてもそこに問題が起るというようなことになるわけでございまして、今度のその法案のありますことを私どもまだよく存じませんので、内容もよく十分に拝見をしておりませんので、この点につきまして申上げるということはできませんのですが、従来のこの問題点等につきまして、これで今後この法案を制定されますにつきましてお考え願いたいと思いますことは、この発電に水を有効に利用いたしますと、どうしても漁業のほうは水が少くなつて来ますので、それで自然問題が起るわけでありますが、これにつきましてはダムを作りまして、そうして上流の池に持つて行つて、年々琵琶湖から鮎の稚魚を持つて参りまして、放流してそれを補うという方法をやつておる所もありますし、それから漁業組合に対しまして建設のときに金で補償いたしまして、そうしてその金によつて或いは養殖の施設とか、いろいろなそういう施設によつて補うというようないろいろな方法が設けられておるわけでございますが、私ども考えますのに、今年琵琶湖から鮎の稚魚を一匹持つて来ますのに、神奈川県の相模ダムの例によつて見ますと、一匹が三円についておるわけです。それで或る一定量を放流するということになつておりますので、今年なんかも三百万円に相当するものを放流しております。それでその鮎が実際放流いたしまして、本当にそれが漁獲できるのがどれくらいな高になるかというようなことは、数字的にこれはつかむことが甚だ困難な問題でありまして、それでダムを建設いたします場合に漁業に対しましてはそういうその金で補償いたしまして、養殖の施設を県で総合的に考えて頂きましてやつて頂くとか、そういう方法でとにかくこの国の水の資源を一番国家的に有効に利用できる方法に持つて行つたら一番いいのではないかと考えるわけなのでございます。それで漁業組合のほうで一時に金を受取りましても、いろいろそれがすぐに施設として残ればよろしいのでございますが、それがそのまま組合で消費されるとまあいろいろ問題が残るのみで、将来において何らその利益になることが残らないというような状態にありますので、これはどうしても計画的に各地点の開発をいたしまするに伴いまして、そういう必ず最上流部の魚の殆んどいないというようなところは別に問題はありませんけれども、その他の地点におきましては、濁水その他特例を除きますれば、殆んどそういう関連があるのでありますから、計画的に養魚の施設を県でおやりになつて、そうしてそれによつて漁業組合のほうに潤おすとか、そういう恒久的な計画的な施設を以てそれを十分補つて行くような方法にやつて頂ければ、一番国の水の資源を有効に利用いたします上からいいのではないかと私は常に考えておる次第であります。それでこの法案につきましては、いずれ又よく研究させて頂きまして、そうして本当にこの国家の水の資源が有効に利用されるように、そうして漁業者の立場のほうからも十分やつて行けるような工合にいたして頂きたいと考える次第であります。 簡単でありますが……。
○委員長(小林英三君) どうですか、あと懇談会にいたしますか。
○赤木正雄君 まあここに一つの案がありますから、修正案といいますか、修正意見といいますか、これがありますから、これを懇談にいたしまして、そうして公益事業委員会としてのこれに対する修正意見があろうと思います。公益事業委員会として……。これは我々の関知するところではありませんから、委員会の修正意見だけを一つここで取りまとめて、それに対して或いは水産委員会はどういうふうにお考えになるか知りませんが、そうして行けば一番早く行くのじやないかと思います。
○委員長(小林英三君) それでは一応委員会は閉じて懇談会にいたします。 ちよつと速記をとめて下さい。 午後二時五十五分速記中止 —————・————— 午後三時十二分速記開始
○委員長(小林英三君) 速記を始めて下さい。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後三時十三分散会