外務委員会 第3号
- 発言数
- 22 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/11/10
会議録
○理事(徳川頼貞君) それでは只今から外務委員会を開催いたします。 一九二〇年六月二十一日にパリーで署名された国際冷凍協会をパリに創設することを目的とする国際條約を修正する條約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 先ず政府から提案理由の説明を求めます。
○政府委員(草葉隆圓君) 只今議題となりました「一九二〇年六月二十一日パリで署名された国際冷凍協会をパリに創設することを目的とする国際條約を修正する條約」につきましてこれを御承認を願う提案理由の御説明をいたします。 「国際冷凍協会をパリに創設することを目的とする国際條約」は、一九二〇年(大正九年)六月二十一日にパリで署名されましたが、この條約によりましてパリに国際冷凍協会という国際機関が設立されたのであります。国際冷凍協会は、冷凍に関する科学上、技術上及び経済上の知識の国際交流を目的としてその後活動を続けて参りましたが、我が国も一九二四年(大正十三年)三月四日にこの條約に対する批准書を寄託しまして、この協会の活動に参加して参つたのであります。ところが一九三〇年当時におきまする国際金融界に大変動がありまして、そのためこの條約に定めておりまする各国の分担金を表示しておりまするフランス・フランの価値も又極めて不安定となりまして、協会の運営にも差支えるという事態に立ち至りましたので、関係各国間に今後分担金を金フランで表示しようという意見が起つて参つたのであります。その結果、この修正を主たる目的として、他に若干の改正を加えまして一九三七年五月三十一日にパリで成立いたしましたのが本日本院の御審議に付せられることとなつた修正條約であります。 この修正條約につきましては、我が国も当時その趣旨に賛成いたしまして、各国と共に署名いたしました。この署名に引続きまして批准が行われる段取りでありましたが、当時の欧州情勢は險悪なものがありましたので、少しく情勢の改善を見ることといたしておりました。ところがそのうちに一九三九年には欧州大戰が勃発し、やがて太平洋戰争が始まりまして、遂に批准の機を得ずに今日に至つた次第であります。 冷凍業が我が国産業におきまして重要な役割を果しておりますることは周知のことでありますが、この方面における技術及び科学の不断の向上の必要性と、更に輸出産業としての冷凍生産物の発展性を考えますとき、国際冷凍協会との協力が極めて望ましい次第であります。 今回の大戰中に、我が国と国際冷凍協会との関係は、杜絶いたしておりましたが、最近復活するに至りました。この間各国はいずれも国際冷凍協会との協力を修正條約に基いて行なつて参つているのであります。 右の事情を了承せられ、何とぞ愼重御審議の上、本件につきまして速かに御承認を與えられますることを切にお願い申上げる次第であります。
○理事(徳川頼貞君) 只今説明になりました本件について御質疑のあるかたは御質疑を願います。
○杉原荒太君 この種の国際條約というものは戰前のやつは戰争によつての效力の関係、それから今度の平和條約の関係からしてどうなつておりますか。
○政府委員(草葉隆圓君) 二国間の條約の場合には一年以内でございましたかに……向うからの申出でによつてこちらが受身の立場で、これを申出たものに対しては三カ月以内に效力を発生するというような、日本は受身の立場でございます。
○杉原荒太君 多数国間のやつですね、二カ国間ではなくて。これはどうだつたかな。
○理事(徳川頼貞君) それでは説明員須山事務官に願います。
○説明員(須山達夫君) 平和條約におきましては、平和條約と同時に宣言されます宣言の中におきまして、この種の多数国間條約につきましては、日本が戰前に加入しておつたものは原則としてその権利義務を回復するという宣言がございます。ただその後に日本がその機関から脱退しなければならなくなつたというようなものにつきましては、それにもう一遍加入した時に初めて権利義務の関係を生ずるのだというふうな規定が置かれております。
○杉原荒太君 これは平和條約の関係とは別個の関係で、つまり今度批准するのですね、そういう解釈ですか。
○政府委員(草葉隆圓君) そのような解釈の下に準備を進めて参つたのであります。
○野田俊作君 この條約の加盟国はどのくらいで、一体会費はどのくらいですか。
○説明員(須山達夫君) 現在修正する條約のほう、つまり現在御審議を賜わつております條約の加盟国は約十二、三カ国でございますが、ちよつと読上げますと、フランス、スエーデン、ノールウエー、デンマーク、フインランド、イギリス、ベルギー、ポーランド、オーストラリア、イタリア、南ア連邦、ギリシア、オランダ、カナダ、モロツコ、こういうふうになつております。 それから分担金につきましては、この新しい條約におきまして前と同じように六つの等級が設けられておりまして、その六つの等級は一番高いもの、第一等級におきましては一年に分担金としまして四千八百金フランを払うということになつております。それから順次に三千六百金フラン、それから二千四百金フラン、千六百金フラン、八百金フラン、四百金フラン、この六等級に分れておりますが、我が国は戰後にこの協会がまだよく活動をしておるかどうかわからない時代におきまして、古いほうの條約のことでございますがこれに加入しておりますと、まだ協会がよく活動しておらないうちにただ分担金だけの義務を負つてしまうということであつてはいけないというので、昭和二十四年のことでありますが、日本は第二等級として入つておりましたのを第六等級に、一番びりに引下げる旨の通告をいたしましたので、この新しい條約に批准いたしますと年額四百金フラン、ドルに換算いたしますと約百四十一ドルを払うことになります。
○曾祢益君 この協会に加盟することによつて、利益のほうは主として国際経済協力とか技術上の点とかいろいろあると思いますが、義務のほうは日本の冷凍業或いは水産の輸出業等に関して何か負うということはどういうふうになつておりますか。
○説明員(稻田清助君) 只今の御質問でございますが、條約の第三條にこの協会の主要目的が掲げられております。これに従いまして加入いたしました国といたしましては、やはりその国の立場において科学技術の資料を提供する、或いは又生産に関しまする各種資料を提供するというような義務が生じて参るわけでございます。
○曾祢益君 まあそういう程度の統計資料とかそういうものの提出の義務のほかには、私も今ここで拜見しているのですが、第三條の終りのほうに書いてあるのですが、一国の経済的利益、立法及び行政に関する一切の問題は、国際冷凍協会の権限より除外せられるものとするというようなことが書いてあるようなんですが、つまり資料提出の義務という以外に、法制上のその他の何かの拘束を、この協会に加入することによつて、国際的な拘束を受けることはあるのかないのか、そういう点を伺いたいわけなんです。
○説明員(須山達夫君) 只今の御質問の特別な拘束を受けるかどうかという点は、分担金を出したり或いは報告を出すという以外には何ら拘束はございません。
○理事(徳川頼貞君) ほかに御質疑はございませんか。他に御質疑がございませんければ質疑を終局し、討論に入ることに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(徳川頼貞君) 御異議ないものと認め討論に入ります。御意見のおありのかたはその賛否を明らかにしてお述べを願います。 他に御発言もございませんようでありまするから討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(徳川頼貞君) 御異議ないものと認めます。それではこれより採決に入ります。本件を承認することに賛成のかたの挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○理事(徳川頼貞君) 全会一致と認めます。よつて本件は承認すべきものと決定いたしました。 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりましてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりまするが、これは委員長におきまして本件の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(徳川頼貞君) 御異議ないと認めます。 それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき、多数意見者の署名を附することになつておりまするので、本件を可とされたかたは順次御署名を願いたいと存じます。 多数意見者署名 曾祢 益 杉原 荒夫 團 伊能 金子 洋文 野田 俊作
○理事(徳川頼貞君) 御署名は終つたものと認めてよろしうございますか。御署名洩れがないことと存じますので外務委員会はこれを以て散会いたします。 午前十時三十九分散会