予算委員会 第12号
- 発言数
- 196 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1951/11/02
会議録
○西村(久)委員長代理 これより会議を開きます。 質疑を継続いたします。早川崇君
○早川委員 私は昨日の一般質問に引続きまして、主として財政金融、経済自立問題につきまして、御質問いたしたいと思うのであります。 周東安本長官は昨日の私の質問に対しまして、企業の自主性を尊重しつつ計画経済をやつておるのだ、こういう御答弁でありました。そこで私は周東さんにお伺いいたしたいのでありますが、講和後の経済自立を考えます場合に、いかなる総合計画を持つておられるか、こういうことをまずお伺いいたしたいのであります。というわけは、先般講和全権として池田さんその他が行かれましたときの日本経済自立計画というものを見まするに、電源開発に対する外資導入のための一つの経済自立計画といたしまして、二十九年度までに鉱工業生産一九六・二%と私が記憶する総合計画をお持ちになつたと見ておるのであります。ところが八月下旬にそういう御計画を発表せられながら、この電力飢饉に刺激せられまして、先般新たに電源開発五箇年計画というものをお立てになつた。その計画を詳細に新聞その他で見まするに、三十一年度において鉱工業生産一九〇%という、むしろ年限は長くなつておるにもかかわらず、なおかつ鉱工業生産の総合計画は五%くらい低目に見ておるという計画を見まして、安本が経済政策をそう簡單におかえになる理由の判定に苦しんだのであります。この機会に周東安本長官の日本の経済自立に対する計画について御回答をお願いしたいと思います。
○周東国務大臣 お答えをいたします。最近における電源開発に対する計画を詳細に新聞紙上でごらんになつたというお話でありますが、その事柄についてはまだ政府部内においても検討中でありまして、最後決定したものではありません。大体の線はそういう形でありますが、新聞にはまだ発表もいたしておりませんので、この点をまず御承知を願つておきたいと思います。 次に、なるほど日本の未稼働の工場なり、労働の余力というものをフルに活用し得るように原材料の確保ができれば、今お話のように一九〇前後に生産を高めろ可能性はある。その間において問題は、電力、石炭、原材料の確保いかんということになるわけでありますが、実行し得る予想のもとに立てて、その間において多少の変化があることは当然であります。池田君がアメリカへ行かれるときに持たれたという資料も一つの資料でありまして、大して変化はいたしておりません。むしろ電源開発について多少の変化が起るかと思うのは、今度の八月、九月の異常渇水に基いて起きた電力不足、これらに対しまして大きな開発箇所について着手の時期が従来遅れておるので、むしろ計画を考え直してみた場合に、できるだけ早く、二十七、八年くらいに着手する、完成の時期は多少ずれても早く着手することが必要だということの観点のもとに、今研究しつつある案があることはありますが、まだ申し上げる時期に至つておりません。大体従来からの継続箇所二箇所、新規着手箇所三十八箇所、こういうような箇所については、でき得る限り資金なり資材を集中的に投下して、できるだけ早く完成させるように計画を進めております。自家用発電等についても必要な箇所に計画を進めております。こういうことによつてわが国にある未稼働工場あるいは余剰労力の活用をはかるために計画を進めておるのであります。
○早川委員 今周東安本長官の御答弁は、私は非常に問題があると思うのであります。というのは、企業の自主性、自由経済を認めながら計画性を付與して行くということは、結局するにその計画性というものは、リーダーシツプを持たない、むしろ企業の活動にあとづけして、しよつちゆう計画をかえて行かざるを得ない、こういう計画性だというようにわれわれは見受けるのであります。そこに問題がある。現在のように資金、資材、資本蓄積において非常に窮乏化した日本経済の、ほんとうの自立をはかるという場合には、そういう意味の計画性であれば、これはリーダーシツプを持たない。私の申したいのは、どうしても敗戦後の日本を建直すためには、電源開発がこれだけ必要である、鉱工業の生産は、人口の年々百五十万人の増加を勘案した場合に、どうしても一九〇%なり一九六%程度必要だ、そういう観点に立つた総合計画を樹立されて、その総合計画の樹立に必要な重点産業に対しては、ある種の国家のリーターシップを保持しつつ、資金あるいは資材あるいは物価の面においては、補給金あるいはその他二重価格制、いろいろなそういう施策が必要なのでありまして、そこに周東さんの言われる計画性というものが、私はどうしてももう一歩前進を必要とする段階に立ち至つておるということを昨日も申し、本日も指摘したいのであります。というわけは、企業の自主性を自由奔放にまかしているために、一例をパルプにとりましても、外国から輸入して来るパルプは、戰争前と少しもかわつていない、にもかかわらず、パルプの設備はどんどんふえて行つて、生産は五割、六割と上つておる。そのために山林が荒廃に帰するという危機に来ておるのであります。さらに電力の問題をとりましても、ほんとうの総合計画性を持つた産業施策であつたならば、何ゆえに終戰後七年もたつて、わずかに四十万キロワットより電源開発ができないのかという問題があります。あの水力資源の乏しい諸国において、イギリスにおいても昨年で三十万キロワット、西ドイツにおいては二箇年で四十万キロワットも開発されており、アメリカは四百万キロワットというような、各国のそういう、火力も含めての電源開発と比較してみますると、日本はその資源において、水力よりないのです。そういう貴重な電源開発が、終戰以来わずかに四十万キロワット。昭和十二、三年ごろは一箇年で五十万キロワットに及ぶ電源開発がなされておる。こういう実際の事例は、なるほど今まではよかつた、とにかくその電力に見合う設備がフルに稼働するまでの段階としては、一応の効果は認めますけれども、今日以後ここに一歩前進して、あなたの言われる計画性を付與するんだという意味は、單なる受身の生産活動のあとづけという意味でしよつちゆう計画をかえて行くというのではなくして、国家的見地から十分なリーダーシップを持つた計画性に転換する必要があるということを私は強く申したいのであります。こういう点に関する周東さんの明確なる御答弁をもう一度お聞きいたしたいと存ずるのであります。
○周東国務大臣 私が先ほどお答え申したのは、大体あなたの言われるような計画で進んでおります。あなたは今、日本の今後における人口増加の割合、あるいはそれに関連して、産業を復活させなければならぬ目途をどこに置いておるかということですが、この前発表したように、一九〇前後の鉱工業生産の引上げを目途に、必要なる電源は大体四百四十五億キロワット・アワーですから、数字は少し違いますが、一つの目標は立つておる。それに必要なる電源開発を今計画を立てております。あなたの言われるように、国家的に総合的に大きな計画を定めております。しかもこれに対して自由勝手に金を使わすのではなく、これをやるについては、御承知のように見返り資金なり予算的な措置をもつて金を出しておる。これに民間のある種の金があわせ注ぎ込まれなければ足らないわけですが、こういう形において電源というような基礎産業については、ある程度国家がどの場所を開発するについてどれだけの金がいるということについて、計画を立てて行く。でき上つた電気をいかに使うかということについても、必要がある場合においては、それに優先的に使用を命ずるということもできるでしよう。今日のような危機に際して、融通命令を出して緊急な処置をとつているのも一つの処置だと思う。しかし原則は、やはり企業それ自体の自主性を尊重しつつやらして行くところに、今日までの生産の向上があり、鉱工業生産の増加があると思う。このことは認めなければならない。しかし国家的な見地に立つて、大きな基礎産業をどつちに向けて行くかについては、石炭はあなたのおつしやるように、大体二十六年度においては四千五百万トン、大体そのくらいに達する。それに必要な資金を出しておる。去年は三千九百二十三万トンの目標を四千万トンちよつと出ました。その通り計画を進めて、それによつて民間の企業に刺激を與えてやつておるというわけで、何から何まで統制して、くぎづけにして、国家命令によつてでなければ物は動かぬというようなお考えは、私は間違つているのじやないかと思います。ことに、あなたの御指摘のパルプについては、なるほど少し自由放任になり過ぎて会社が幾つもできたことは認めます。しかしそれがために今度は森林法を改正いたしまして、施業案の編成をさせてい植樹、伐採等について施業案に基いてでなければ切れないようにして行こう、これも一つの国家的な山林に対する制限であります。必要なるものについてやるのはいいが、だからといつて、何もかもやるということのみが、日本の国家産業復活のゆえんではないと私は思います。
○早川委員 周東安本長官は、現段階において計画性を付與するという意味をお認めになり、まことにけつこうであります。しからばどういう線に沿つて、どういう具体策があるかということをあと御質問いたしたいのでありますが、橋本厚生大臣にわざわざ御出席いただきまして、どうしてもあと十分ぐらいより時間がないということですから、その質問はあとまわしにいたしまして、橋本厚生大臣に一点だけお尋ねしたいと思います。 それは戰争犠牲者問題でございます。私も兄弟二人を戰争に失つた戰争犠牲者の一人でございますが、この戰争犠牲者問題が日本の終戰後の社会問題において一番深刻であり、重大なる問題だとかねがね存じておつたものであります。たまたま私は西ドイツに参りまして、西ドイツの労働大臣その他にも会いましたし、あるいはドイツの戰争犠牲者救助法というものが、占領軍の反対にもかかわらず、ドイツ国民の一致した輿論の力と、政府の責任者、政治家たちの勇気によつて、この占領軍の、戰争犠牲者に対してはこれは懲らしめなければならない、戰争協力者だ、こういう誤つた占領政策に対して、政治家と輿論の力によつて押し切つて、あの有名な戰争犠牲者援護法案を議会を通過さしたということを、私はまのあたり見て、非常に感激したものであります。その援護費用は驚くなかれ三十億マルク、日本の金にいたしますと二千四百億円にも上るところの厖大な予算である。戰争犠牲者は大体二百万おります。従つてストリヒ労働大臣が私に言つたのでありますが、農民の場合には、夫が戰死して、あとに妻一人、子供三人の家族の場合には、夫が戰死しなかつた以前よりも、未亡人、遺家族の受取る収入の方が多いということを、話されておつたのを思い出すのであります。日本も大体二百万人の戰争犠牲者がございます。それで私はそういう実例を見まして、終戰以来六箇年、なるほどポ勅とかあるいはメモランダムがありますけれども、この問題の処理に対してわれわれ政治家が——あえて私は與党とは申しません。われわれ政治に携わるものが、あまりにもこの問題に対して冷淡であるとは言わないけれども、もつと信念を持つて、勇気を持つて、この問題の処理に当るだけの、何といいますか、政治的勇気がなかつたということを、私は反省させられておるものであります。 そこで私は厚生大臣にお伺いいたしたいのでありますけれども、今度の補正予算に、政府が官房長官あるいはその他の閣僚の口を通じて、補正予算のときには、次の臨時国会には必ずこの問題に対して相当の経費を計上するということを言明しておりました事実を、大蔵大臣も御承知かと思うのですけれども、補正予算には約百億円近いこの戰争犠牲者援護費というものを、政府が立案されたということもあると聞いております。ところが出て参りましたこの補正予算案を見ますと、今から調査ということで、一億数千万円の調査費より計上しておらない。私は全国の戰争犠牲者諸君が、この補正予算を実際見たならば、せつかくの期待がまた一年あるいは半年延期されたということに対して、非常な失望を禁じ得ないと思うのであります。事実毎日われわれのところへ陳情に来るのは、戰争犠牲者諸君の切実な声であります。生活保護法でこの問題を解決すると言うけれども、二百億、二百五十億、三百億内外のもので何で解決ができますか。さらに問題は別であります。これは貧困者のための予算でありますけれども、戰争犠牲者の問題は国家補償の問題です。聞くところによると、パージになつた文官が——戰争協力によつて追放になる。追放になるということは、相当戰争協力をしたという証拠でありますが、追放になつた官吏が、今度追放解除になつた。その意図は、追放前のときにさかのぼつて恩給を支給されるということになつて、すでに金をずいぶん出しておられるそうであります。召集令状によつて召集された一般の兵隊は、パージになつてはおりません。それだけ見ましても、いかにこの戰争に対して責任がなかつたかという証拠であると思う。こういう矛盾をこの補正予算において解決しないで、さらに二十七年度に延期するということに、国民感情として許されない。厚生大臣のこの問題に対する所信と信念をひとにお伺いしたいと思うのであります。
○橋本国務大臣 ただいまの早川委員の御質問の御趣旨でありますところの、遺族、傷痍軍人等の戰争犠牲者に対して、いかに援護が必要であるかということについては、もう政府といたしましてもまつたく同感でありまして、これは全然異論のないところでございます。今日までにおきましても、終戰直後に極東委員会の指令が出まして、当時の幣原内閣がいろいろ打開策に苦慮した結果、遂に遺族については扶助料を、まつたく給することができず、傷痍軍人に対してわずかに国内の同種の制度の最低水準ということで、厚生年金並の手当が存続して参つたということは、これはまつたく残念なことでありまして、昨年以来講和條約の問題が進むに至りまして、ようやく実現の方向に向つて参りまして、政府も本年初頭からこの対策はぜひ実現をしなければならないということで、前任の黒川厚生大臣の時分から案を檢討いたして参つて、私は引継ぎを受けたのであります。ただいろいろな関係、講和條約の締結をめぐるデリケートな問題、賠償問題、いろいろな問題がございまして、ようやく講和條約の締結後に至りまして、表立つたほんとうの検討をし始めるように相なりました。私ども政府全員をあげまして、戰争犠牲者の援護対策というものは、その後の状態において、できるだけ急速にこれが整備をはかつておりますが、何分にもこの同値に関しましては相当いろいろな問題が伏在いたしております。一番大きな問題は、何と申しましても、戰争犠牲者として政府が援護措置に出るところの対象の範囲をどうするかという問題があります。それから財源の問題と関連をいたしまして、その内容をどういうふうにいたすか、それからまた従来の恩給については階級区分がありますが、それの是非に関する意見、いろいろな問題がございまして、今日は私が主体になりまして、急速に具体的な措置を練りつつある状態であります。なおまた戰争後の状態は、ただいま私が申し上げましたように、傷痍軍人に対しましては、わずかに更生年金並の手当をいたして参りました。遺族に対しては何らの手当をすることができませんでしたために、その実態の調査が正確にできておりません。従いまして、かりに今日ごく具体的な法案がすでに整備され、あるいはそれに要する予算を正確に計上することができましても、ただちに権利者を確定をいたして、支給をするということに参りかねる実情にございますので、今回の補正予算には、戰歿者遺家族及び戰傷病者の援護対策のために必要な経費を一億円計上いたしまして、急速に実態調査を完了いたしまして、三月一ぱいには大体目標とするところの対象に対しまして、その権利者を確定し、方策が決定いたしましたならば、四月からただちに支給ができるような態勢を整えるつもりでございます。なお別途に戰傷病者及び戰歿者遺族等の処遇に関する連絡打合会で今立案を急いでおりますが、その方の立案も急速に終えまして、所要の予算を積算したしまして、二十七年度に計上し、かつまた法案をできるだけ早く国会に提出をいたしたいと考えておる次第でございます。戰争犠牲者の方々が戰後六年間しんぼうして来て、講和條約も結ばれた今日、もう一日もがまんできないというお気持はよくわかります。今日まで私どもといたしまして、日本の置かれた状況で最善の努力をやつて参りました。今後におきましても、この遺族、傷痍軍人等の援護問題につきましては、まだ具体的な内容を申し上げることはできませんけれども、財政面におけるいろいろな状況を調整いたしまして、できるだけのことをいたしたいと考えておる次第でございます。
○早川委員 大蔵大臣に伺いますが、しからば厚生大臣の考えておられる二十七年度のこの戰争犠牲者の国家補償あるいは援護に関する費用は大体どのくらい見込まれておるのか。新聞によると、百九十七億といい、二百億といい、あるいはまた三百億という人もありますが、大体の見当がおつきでしたら、ひとつお知らせ願えばれ幸甚と考えます。
○池田国務大臣 先ほどの御質問に、大蔵省は百億円を計上しておつたというお話でございましたが、私は草案にもそんなことを書いたことはございません。来年度におきましてどのくらい計上するかということは、よく実態を調査し、また財政の状況を考えてきめたいと思います。今腹案はございません。
○早川委員 厚生大臣はどの程度御必要と考えておられますか。要求の額です。
○橋本国務大臣 今日打合会において検討をいたしておる次第でございまして、その対象の範囲、それからまた程度等いろいろな問題がございますので、目下愼重に検討中でございます。
○西村(久)委員長代理 次に関連質問を許します。井出一太郎君。
○井出委員 先ほど周東安本長官の御答弁の中に、パルプ会社が近ごろ非常に濫伐、過伐をしておる、これはお認めになつていらつ上やるようですが、これに対して森林法その他適切な措置を講じられた、これもよくわかつております。ところが、この森林法なるものは、いわば仏つくつて魂がちつとも入つておらぬという感じがいたすのであります。たとえばこの森林法の大きな眼目である森林計画という問題でございますが、国家が国の責任において、今後は民有林、国有林を問わず、一つの計画的な植採をやつて行く、その中に政府が介入をした計画性を持たせる、こういう御趣旨でありましようが、従来の施業案に対しては、大蔵省も比較的御理解があつたようでございます。しかし新しく切りかわつた森林法における森林計画なるものに、どうも大蔵省側があまり理解がないというように私は仄聞しておるのでありますが、大蔵大臣はこの計画を打立てるための予算措置を相当に御考慮になる予定でいらつしやるかどうか、これをまず一点伺います。 それから続いて農林大臣に、これはあなたの主管事項でございますから伺いますが、この画龍点睛をせしめる意味において、たとえば林道網の拡充ということによつて奥地林分の開発をする、里山をしばらく休養させるということももちろんでございますが、このための予算が、補正に七億五千万円ばかり出ておりますが、とてもこんなことでは問題になりませんが、明年度予算ではさらに思い切つた拡充を御予定であるか。また需給調整をする意味の資金、山林がみすみす幼齢林のままで切られるというようなことを防ぐための伐採調整資金というものが、これまた五億円程度のぞいておりますが、明年度はとてもそんなことでは問題になりませんが、これはどういう御計画をお持ちになつておるか、この点もやはり農林大臣から伺つておきたい。なおまた……。
○西村(久)委員長代理 ちよつと井出君に御注意申し上げますが、大臣への関連性がすこぶる遠いようでありますので、早川君の質問に関連した点だけにおとどめおきを願いたいと思いま
○井出委員 これは非常に関連があるのです。もうちよつとお聞きください。 それからもう一つは、この山林の荒廃を防ぐために森林計画を立てる、このことを主体的に担当する民間団体としては、私は森林組合を育成強化する以外にないと思うが、その育成強化策をあわせて農林大臣から伺いたい。以上でございます。
○池田国務大臣 森林の育成については十分考慮されているはずであります。
○井出委員 私は森林計画の費用を伺つたのであります。
○池田国務大臣 予算の要求が出ましたら、できるだけ考慮いたします。
○根本国務大臣 お答えいたします。現在森林の成長量に対して木材の需要が非常に多いために、そのバランスがとれていないということはお説の通りであります。そのために御指摘のように、森林法を制定し、この間の調整をはかることと、さらに現在奥地に未利用資源が相当ございまして、これがまた一面においてそのままに放置していることが、むしろ災害を予防しているという点もなきにしもあらず、こういう点から、本年の当初予算において七億五千万円の林道費を、そして同額の七億五千万円の補正を見たのでございます。これは絶対の要請量を確保すれば、また満足する段階ではございませんけれども、現在の予算の範囲内では相当大蔵省も理解してやつてくださつたものと思つております。明年度につきましては、やはり何様の趣旨をもつて予算の範囲において、できるだけ予算をいただくために目下折衝中でございます。 なおこれに関連して、森林組合の育成ということが大事ではないか、その通りでございます。その意味におきまして、実は農業協同組合再建整備法のときには農業協同組合と森林組合が若干違つているということで、除外する向きも多かつたのでありますが、さらに今回は漁業協同組合と森林組合もこの再建整備の対象にして助成育成いたしたいと考えている次第であります。 伐採調整資金は現在農林漁業融資特別会計で先ほど御指摘の通り五億数千万円獲得しているのでありますけれども、明年度は相当予算措置を講じなければ、実際上の役に立たないではないか、かように思いまして、現在事務当局の試算も命じておりまして、これができましたならば、大蔵省との事務折衝を強力に推進したい、かように考えております
○西村(久)委員長代理 この際早川君の質疑を午後にまわしまして、都合によりまして川島金次君の質疑を継続いたしたいと考えます。川島君。
○川島委員 私は事情によりまして、午前中若干の時間をさいていただくことになりました。たまたま農林、安本、大蔵三大臣がおられますので、三大臣に対して一点程度ずつ簡單にお尋ねいたします。しかし答弁はできるだけ親切に具体的にお願いいたしたいと思います。 まず第一に大蔵大臣にお尋ねいたしますが、わが国の講和條約に伴いまする賠償は、言うまでもなく、條約の中に明記されておりまするように、日本の経済自立を困難ならしめないことと、国民生活の水準を切り下げないような形において行わることが、賠償の基本的方針にあることが明記されております。そこで大臣にお伺いするのですが、国民生活の水準をこれ以上切り下げないのだということが、しばしば大臣の口からも言明されておるのでありますが、そのこれ以上切り下げないという国民生活の水準というものは、一体どこに時点を置いての水準を示すものか。この点は言葉により、見方によつてきわめて明瞭を欠くおそれがあり、また国民にとつても非常に解釈に苦しむ点もありますので、その点についての明快な大蔵大臣としての方針を、この機会に明らかにしていただきたい、かようにまず思うのであります。
○池田国務大臣 国民生活の水準というのは、お話の通りになかなかやつかいな問題でございます。川島君はどういうことをお考えになつておりまするか知りませんが、安本の調査にいたしましても、あれは昭和何年でございましたか、一世帶八十八円の月給取りを基準にいたしまして、今の平均通常の家庭の給料を出して、物価高をやつてみて、そうして生活水準を推定する、その間に調整もありまするが、これを今まで安本長官その他社会党の人は生活水準と言つております。これによりますると戦前を一〇〇にいたしまして七五、六になつたり、あるいは七〇を割つたり、二、三年前は六〇程度でございました。こういうやり方で行きますると、今ちよつと下つているようであります。しかしこの算定につきましては、私はよほど疑問を持つております。それからもう一つは、われわれのところでやつているのですが、今の生活水準を見ますのに、いわゆるCPIとそれから賃金の増加とによりまして、たとえば朝鮮動乱以前のときのCPIの上り方、賃金の上り方、そうして減税の分、こういうことを見ますると、先ほど申し上げましたような生活水準の標準でやつたのと、今あとから申しまするCPIと賃金の問題から出したのと必ずしも一致しない。それからまた先ほどの戦前の八十八円の月給取りを標準にして換算いたしました分でも、月々によつて物価の動きが違つて来ます。そこで生活水準を下げないということは、前の月よりも今月が下つたか下らぬか、こういうふうなことはなかなかむずかしいことで、長い目で見て一昨年よりも去年はどうだ、去年よりも今年はどうだということで考え、あるいはまた一年で限るのも無理かもわかりません。だから長い目で見て生活水準を下げないようにする、こういうことよりほかにないわけであります。確実な統計というのが実際むずかしいのであります。戰前の八十八円の基準の分と、今のCPIと賃金のここから出したのと、必ずしも一致しないのであります。私はこの生活水準を見るのにどれをとるかということは、わが国の統計が不備である点もありまするが、長い目で、今言つたような二つないし三つの方法で検討して行くよりほかにはないと思います。
○川島委員 今の大蔵大臣の話としての気持は、わからないわけではないのでありますが、それでは安本長官は、安定本部において、この議会においてもしばしば言われておりまする国民生活の問題については、今日以上に国民生活の水準を切り下げるようなことをせずして、賠償その他の問題も解決をはかつて行きたい、こういうふうなことが政府の一致した見解でありますが、といたしますれば、安定本部におきましては昭和九—十一年という一種の基準がありますが、そのときの国民生活の水準というものを一〇〇として、一体どの程度にこれを押えて、それを目途として賠償その他の問題の処理に当るかということについても、さだめし腹案があろうと私は信じますが、その点安本長官の御意見を伺いたいと思います。
○周東国務大臣 ただいま大蔵大臣から申されたことと結論においては私は一致します。私どもの方で計算しておる国民生活水準というものにつきましては、先ほど大蔵大臣も言いましたように、戰争直後六〇前後になつたこともあります。それがだんだん回復して、ことにわが政府のとつた二十四年暮れからの政策の効果が現われて、三十五年の五、六月ごろまでには七七、八まで回復した。それが朝鮮事変発生以後、物価の高騰によつて下つて、一時は六九まで行つた。最近は七二前後のところにおります。私どもの考えでは、現在のこの状態よりも下げないで、徐々にでも上げたいということが一つの目安です、これはこの間ここでも申しましたように、これは理想的には戦前の通りに一〇〇に回復したい。しかしこういうことを望むことは、これは不可能です。むしろ私が国民に望みたいことは、終戰直後の二、三年間における生活というものは非常にひどかつたことは事実です。それがようやく最近の状況として、とにかくそれは階層によつていろいろ違いますから、個別的には違いますが、一般的に見まして、何となくよくなつていることは事実です。それが表にたまたま現われたところを見ると六九、七〇前後に今あります。今後の施策にいたしましても、この点を下げないで、徐々にでも上つて行くように、国家の生産をふやし、国民所得をふやし、各個人々々の生活が少しでも上つて行くようにしたい、これが大きな目安であります。
○川島委員 もつと具体的にお話が願いたいと思うのです。たとえば私がお尋ねしたい目途というものは、今年の四、五月ごろは国民生活の水準は、CPSその他で勘案した場合に八〇に近かつた。しかるに最近また漸次引下げられてそれ七〇台になつてしまつた。一体その国民生活水準を、この四月ごろの現象として現われたその水準に置くのか、それとも七〇台になつた今日の水準をもつて目途とするのか、あるいは今両大臣から言われたように、終戰当時から二、三年の間は国民生活水準は非常に困難だつた、これはやむを得ないが、そういうやむを得ない困難な事情もあつたのだから、あるいは場合によればそこまで引下げなければならぬかもしれぬというようなことを、含みとして考えられておるかどうか。端的にいえば、戰前の平均生活水準と比較いたしまして、どの程度の国民生活水準を確保するという確固たる基本方針に基いて賠償その他の処理に当るか。これは国民の生活にとつて非常に重大な事柄でありますので、もう一ぺんくどいようですが、お伺いしておきます。
○周東国務大臣 私の申し上げたことは、現在の標準よりも下げないように努力して行きたい。なるほど最近二、三年の状況において、非常に経済状態はよくなつて来ていることはお認めになると思います。この状態の一番よかつたときは日華事変の始まる前である。そうして日華事変が始まつて、国際競争が非常に熾烈になつて来て、いろいろ変動がありましたが、今日ではややおちつきかけて来て七〇台のところにとまつておる。この状態以上に続けたいというのが一つ。それから自立経済においては二十八年度までに大体八九、これは今後の状態いかんにかかつて来ると思いますが、将来の目安としてはそれは何としても七〇でとまつてはいけないから、八〇、九〇に持つて行きたいということはありますが、今日いろいろな賠償その他の国際信義に基くいわゆる負担の問題は、それを払いつつ行く場合には、少くとも今日よくなつている状態を下へくずさないで、徐々に上る方へ持つて行きつつそれを払つて行きたい、こういう考えであります。総理がよく申しますのは、今日までの状態はようやくここまでよくなつて来た。この日本の経済の状態をくずしてまでそれをやつて行くということはしない。ようやくこの二、三年のうちにまあまあというところまで今来ている。こういうことをおつしやつておられるが、今一足飛びに八〇にせよといつても無理です。それは今後の生産状況その他によつて上げますが、一面に賠償負担の問題も起つて参ります。しかし国民も今の七〇前後のものを七二、七三というふうに上げて、協力しつつ、これを片一方の支払いの義務も果して行きたい、こう考えております。
○川島委員 そこでくどいようだが、その問題についてもう一ぺんお伺いしておきたいと思いますが、安定本部においては経済自立計画を立てまして、その計画によれば、国民生活の水準を最低八五ないし九〇に持つて行くという計画を当初立てておつたと私は思います。しかるにその後講和條約の締結、賠償その他のいろいろの問題がからみ合いまして、その生活水準の向上の目安というものには、重大な一つの問題がからんで来たと思うのです。そうすると、当初経済安定本部で計画されました経済自立計画の中の国民生活水準の向上の一つの目安というものは、当分これは一応たな上げにしなければならぬというような事情であることを安定本部では認めておるのであるかどうか、その点を伺いたい。
○周東国務大臣 決してたな上げとは考えておりません。むしろ私どもの方では当初の計画とかわつて、あなた方も御承知のように、昭和二十八年度に鉱工業生産を一三〇くらいにまで持つて行きたいと思つておつたのが、ことしの七月がすでに一四〇という形になつておる。これはいろいろな條件が重なつたからでありまして、そのまま推移するとも思いませんが、しかし相当に鉱工業生産が上り得る可能性がはつきりして来ている。そこで先ほどどなたかのお尋ねに答えたように、電力その他のことを解決すれば、日本の未稼働工場なり過剰の労働というものを活用して行つて一九〇まで行こう、こういうことです。こういうような形において生産をあげるという一つの目的を達成して行かなければならぬ。それが達成されれば、私はそれと見合いつつ賠償その他の負担を払つて、相当程度まで国民生活の水準の引上げに対して、実行が可能であるということは認めます。
○川島委員 それではその次の問題についてお尋ねをいたしますが、賠償問題は国民の重大な関心事の一つであることは言うまでもございません。講和條約によれば、申し上げるまでもなく、役務あるいは加工ということが重点になつておるわけであります。しかしながら一説によれば、単なる日本国の役務、加工だけで済まざる事情や場合が起るのではないかという杞憂が国民の間にも起つておる。そこでこれは大蔵大臣でも安本長官でもどちらでもよろしいのでありますが、日本の現状においていわゆる金銭的な、財政的な賠償が今日可能であるかどうか、また事情によつてはそういう財政的に、役務、加工のほかに、現実的にしなければならぬような事情に立ち至る見通しがあるのかどうか。そういつた事柄についてこの機会に、明らかにされる程度のものでけつこうでありますから、お示しおき願いたいと思います。
○池田国務大臣 平和條約第十四條に書いてある通りでございます。何もこちらから金銭賠償なんかを言われはしまいかといつて心配する必要はないのであります。
○川島委員 そうすると、われわれの理解するところによれば、財政的の賠償というものは一銭一厘といえどもないという理解で行つてよろしいのですか
○池田国務大臣 財政的賠償ということはどういうことでありますか。
○川島委員 現実の金銭的な賠償です。
○池田国務大臣 賠償として連合国の賠償要求にドルや円で幾ら払いますというようなことは平和條約では書いてございません。役務、賠償、加工、賠償、沈船引揚げによりまして、国民にただで働けというわけに行きませんから、その分についての国の支出は考えなければなりません。
○川島委員 そのことはわかつております。わかつておりますが、やはりこの問題について国民の中には若干の危惧を持つておるものがあるのであります。役務、加工に要する国内的財政的支出は必要であることは、われわれは言われるまでもなくわかつておる。しかしそのほかの事情によつては、相手国の要求によつては、あるいは交渉のいかんによつては、現実に金銭的の賠償を要求されるのじやないか。またそれに応じなければならぬような事情に当面するようなこともあるのじやないか。こういう危惧が事実上国民の中にはあるので、一応念を押して国民にかわつてお尋ねしたのでありますが、そういうことが実際上はないということでありますれば、それで了承いたしました。 次に農林大臣にお伺いいたします。食糧統制の撤廃の問題については、ここ数日来国民の当面の重大なる関心事として、いろいろと国民の間にも話題の焦点になつており、注目の的ともなつております。この問題の成否いかんは、政府の面目の上にも大きな影響があるものとして、一層の注目が払われておるわけであります。そこでこの間も早川君から若干の質問があり、同時にさかのぼつては竹山君からも若干質問がありましたので、これ以上蛇足を加える必要はないと思うのでありますが、大分事情も現実においてはかわつて来たようでありますので、一、二点農林大臣にお伺いをしておきたいと思つております。 主食の統制撤廃問題は、一時何か暗礁に乗り上つたような感じがする報道が世間にされておりましたが、今朝あたりの新聞の報道によりますと、池田大蔵大臣の必死の努力もあつたのでございましよう、大分その事情がかわつて来たやに報道される向きの新聞もわれわれは拝見いたしておるのでありますが、ただこの記事に私どもは非常に奇怪と思う点があるのであります。と申しますのは、さきに農林大臣は統制撤廃後における米の自由価格というものは、実効価格によつておそらく百円内外であろう、こういうような比較的に一般が予想しておるよりも、低目の価格を示しておられたのでありますが、本日の新聞の報ずるところによりますと、これは安本当局の発表のようでありますが、統制撤廃後において——しかも條件がついておる。政府が今後統制撤廃はしないで、四月以降から一日一人に対して一合程度の配給を続けて行つても、おそらく米の値段は一升百二十五円大十四銭になるであろう、とこういうふうに新聞は報じておるのであります。しかるに農林大臣は、先般の同僚の質問に対して、配給量というものを全然抜きにして一切合財が、統制をやめまして、輸入米は別としますが、そういうものを別としてやつた場合でも、百円内外でとどまるんではないかというふうに言明されたと私は記憶をいたしておるのですが、今日の新聞によりますと、一合配給をかりに続けるといたしましても百二十五円六十四銭になるであろう、こういう重大な記事が出ておるのであります。この記事の真偽は別といたしまして、一体われわれの承知いたしますところによれば、根本農林大臣は明年の四月一日から既定方針として主食の統制のいわゆる撤廃を行う。しかるにきようの新聞の報道によりますと、一合配給をやるんだというようなことが出ておる。値段も計算をいたしますと大分違つておる。こういう間のいきさつはどういうふうになつておるか。また今でも一合配給というものを考えていないのか。急に一合配給というものを考えに入れて統制問題をひとつ処理したいということになつて来たのか。あわせて今申し上げました統制撤廃をかりにいたしました場合に、一体米の値段というものは、どれくらいの目途へおちついて来るんだという、この間の大臣のいわゆる百円程度の値段に対して確信を持つておるのかどうか。安本で発表しました値段というものは、これは農林大臣と大いに確信が違うのかどうか。その点についての明快な所信をひとつお尋ねしておきたいと思う。
○根本国務大臣 お答えいたします。先般の質問は、自由にした場合において、政府は需給調整の方法をもつて需給並びに価格の操作をしようとするか、そのときの目安はどういうふうに考えておるか、こういう御質問でございました。そこで需給調整の内容については目下愼重に各般の資料に基いて検討いたしておりまするが、目安を現在どこに置くかと言われまするならば、私は現在においては実効価格を目安として操作を考えたい、こう申したのでございます。従いまして統制撤廃した場合に現在の実効価格になるという断定ではございません。これが一つの前提としてお聞きを願いたい。それから本日の新聞に出たことも私本日見ました。しかしこれは農林省できめたことでもなければ、また安本からも正式に発表されたものでないと思います。おそらくいろいろ研究の過程において、これは御承知のように、物価の推定というものにはいろいろ前提條件があろうと存じます。その前提條件のつかみ方いかんによりましては、相当高い値段もつくであろうし、それからまた政府がどういうふうな操作をするかによつてどの程度まで下げ得る、いろいろの前提條件があろうと思いまするが、一合配給してそうしてどうなるという前提についても何ら承知しておりません。幸い安定本部長官がおりますから、そちらの方からあるいは御説明があるかもしれませんが、農林省としては承知いたしておりません。 それからもう一つ一合配給を続けるかどうかということについても、実は協議を受けておりません。この問題はしばしば申し上げましたように、のほうずな統制撤廃ではなく、これは生産者にも安心を與え、すなわち価格の支持もでき、また一面におきましては、統制撤廃で著しく主食の値段が上ることによつて、国民に重大なる脅威を與えることはなすべきではないのでありまして、従いましてこの方針については、総理並びに私、並びに関係閣僚から申し述べた方針で、目下生産者にも安定を與える、消費者にも不安なくやるためには、いかなる具体的な措置を講ずべきか、これを検討中でございまして、これの立法並びに行政措置について成案が出ましたならば、上程申し上げて御審議願いたい、こう申しておるのでありまして、その善後措置の具体的な措置については、まだ何もきまつていない次第でございます。
○川島委員 安定本部長官。農林大臣のお話はお聞きの通りでありますが、きようの新聞は、ことに有力な東京紙は一斉に安定本部の計数を発表しているようです。これは安定本部が正式に発表したのかどうかは別といたしまして、安定本部の方としては、かりに今政府が基本方針として考えておられるような一合配給もやらないで全面的な統制を撤廃する。その場合において一体米の市価というものが、どのくらいになつて行くかというようなことについても、安定本部では相当試算をされていると思うのでありますが、きようの新聞の数字が事実なのか、それともまた別な試算がされているのか、その点についての内容だけひとつ明らかにしてもらいたい。
○周東国務大臣 私もはつきり申し上げますが、そういうことはまだ最後の結論に至つておりません。将来四月以後の問題であります。私政策をとる場合に、こういう程度であらしめたいという希望はありますが、これは公定価格制度というものはなかなか簡單にきめられるものでない。いろいろな施策はいたしておりますが、そういう問題は関係大臣が相談し、最後に裁断し、それも一つの資料として交渉の資料になります。まだきまつておりませんし、またそれ一つが問題でもなし、私は詳しくは聞いておりません。
○西村(久)委員長代理 川島君、まだ長いですか。
○川島委員 もう一言、この主食の統制撤廃問題は、非常に国民の生活にとつても重大な問題であり、また日本の経済全体の上から行きましても、きわめて重大な関連を持つ一大転換方策になるであろう。それだけに政府は最も愼重を期して、万遺憾なきを期しておられるでありましようが、われわれの観点から行きますと、との問題は非常に疑念が多く、また国民としても不安が多いのであります。そこで農林大臣に承つておきたいのですが、この主食統制撤廃問題は、今後どのような事情にあろうとも、いわゆる配給量を全然なくしての既定の方針に従つて初志を貫徹するという建前に立つているのか、それとも各般の調査研究の上において、何らかの改訂がこの基本方針に加わるのか、あるいは場合によつては、既定方針である四月からの廃止について、中止あるいは見合せというような事柄になるということも考えられるのかどうか。その点についての農林大臣の見通しをひとつお聞かせ願いたい。
○根本国務大臣 お答えいたします。この点はしばしば御説明申し上げましたように、政府としては、すみやかに統制を撤廃し、それにかわつて需給調整並びに価格の調整をするという方針で検討いたしておるのであります。従いまして、具体的な内容がきまり次第、正式に上程するということでありまして、今いろいろと御質問がありましたことは、すべて仮定のもとに立つておりますので、そうしたことについて一一今私が申し上げる時期に達していないと存じます。
○西村(久)委員長代理 午前中の会議はこの程度にとどめまして、午後は一時三十分より委員会を再開して質疑を継続することといたします。 これにて暫時休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ————◇————— 午後一時四十八分開議
○小坂委員長 休憩前に引続きまして会議を開きます。 質疑を継続いたします。早川崇君。
○早川委員 大蔵大臣、安本長官、公益事業委員長、並びに通商産業大臣全部にお伺いしたい問題がございますが、今まだ御出席になりませんので、御出席の上伺うことにして、まず通商産業大臣所管の問題の二、三をお質問したいと思います。 第一は貿易上の問題でございます。通産大臣も御存じのように、中共貿易が政治上の理由で杜絶状態になつております。それと同時に、必然的に起つて来ます貿易上の基本的構造の変化は、ドル不足という問題でございます。なるほど現在までは、あるいは朝鮮の特需により、あるいはまたガリオア資金の援助によりまして、辛うじてドル收支のバランスは維持されて参つたのでございます。ところがガリオア資金は打切られて参つて、すでに輸入の二五%程度を占めておりましたドル資金がなくなつたわけであります。かような状態において、今後の日本の貿易政策を考える場合に、いかなる有効適切なドル不足対策を持つておられるか、まずその問題からお聞きしたいと思うのでございます。
○高橋国務大臣 お答え申し上げます。ドル不足の傾向がありはしないかという御質問でございます。これは非常に大事な問題で、私もその点を非常に心配しております。それに対して何か有効適切な施策と申しますれば、できるだけスターリング地域から食糧その他のものを輸入するように切りかえ、輸出の方はドルを少しでもかせぐようにするということが、適切なことですが、これはなかなか実際にむずかしいのです。たとえば米の問題などは、スターリング地域の方へ転換し得ると思いますが、実際は急には行かない。われわれの希望するようなふうには行かない。あるいは綿花にしましても同様で、非常に憂慮しておるのでありますが、しかしスターリング地域もだんだんふえて行く傾向にはあります。またスターリング地域でもやはり輸出したいのです。だからスターリング地域の方の輸出を考えたらいいということも、日本の経済事情からいうとそうも言えません。実際これから輸出増進といいますと、結局スターリング地域でだんだん諸外国と競争をして行かなくちやいけないことになりますし、その方面に輸出が伸びるのだと思います。それで行政措置で、オープン・アカウントの地域なども、だんだんスターリングの決済をドルに振りかえるとかいうようなことも努力しております。これはぼつぼつできております。しかしわれわれの期待しているようには進んでおりません。このスターリングの問題では、日英支払協定というものが、このままにしておけば、ますますスターリングの手持ちがふえることになるのじやないかというふうの御意見も、もつともだと思いますけれども、現在の日英支払協定というものは、御承知のように、実際やつてみて、そういう点で日本に不利益であれば、いつでも解除して新たに協定をするということになつております。できたばかりでありますが、ただスターリング地域の輸出には、あの日英支払協定は、相当実際には貢献していると私考えます。それと、これは私は実現を信じないのですが、ポンドの切下げの風評が相当立ちましたのでそのためにスターリング地域からの輸入が阻害せられている面もあるし、またとかくポンドで決済せずに、ドルで決済を、外国の商社もしたがつているという傾きはあります。私は今後において、あなたと同じような心配をしておりますが、現在の実情を申し述べて御参考に供します。
○早川委員 まことに御正直な御答弁で、本会議の安本長官、大蔵大臣の御答弁とはたいへん食い違う。通産大臣はドル不足対策に、現在のところ有効適切な打つべき手はない、まことに今のままではそういうことにならざるを得ないと申されますが、私も心配をする一人であります。ただ日英支払協定に対して、今通産大臣が非常に大胆な御言明がありました。というのは、この日英支払協定では振替勘定がきかないために、どうしてもドル不足になつて来る。但しそれ以前の状況に比べれば、オープン・アカウントの諸国に対しては、行政的にイギリスの中央銀行あたりが許可を與えれば、ドル勘定ができるということが一つの大きい特徴だと思うのであります。何らかそういう点において、ドル不足緩和のために具体的ないい見通しが得られる状態にあるのかどうか、この点はいかがでありましようか。
○高橋国務大臣 今の御質問の点は、私どもとしては、できるだけポンド地域からの輸入に転換することを慫慂しております。先刻も申し上げましたように、どうもまだ私自身満足できる程度に行つておりませんが、ぼつぼつ実現しておりますのが現状であります。
○早川委員 中共貿易のことを御質問したいのでありますが、中共貿易の見通しと、日本政府のこれに対する態度、これも重要な問題だと思います。先般関西の経団連において、陸軍省の占領地経済担当部長のリード博士が日本の中共貿易という関西の貿易業者の希望に対して、綿糸布を與えて石炭、鉄鉱石を入れるということは、自由諸国家群に対して重大な悪影響を及ぼすという発言がありました。片一方、日本政府の方のこの中共貿易に対する考え方、これはいかなる考え方で進んでおられるのか。とともに、中共貿易は私の聞くところでは、たとえば石炭を入れる場合にも管理貿易でございまするので、アメリカから粘結炭を運ぶ値段と同じCIF値段で日本が買わなければならない。それでは中共貿易というものは、近いから安いからというようなことでこの魅力があつたわけでありますが、そういう実情では中共貿易の意義の大半が失われる。そういつた面を勘案いたしまして、中共貿易の見通しと、これに対する政府の態度、自由国家群はこれを有害といつているが、どういうつもりでこの問題を扱つているか、一応承りたいと思います。
○高橋国務大臣 中共貿易はいろいろな角度から論ぜられておりますが、私は中共貿易が輸出入とも現在の事情を打開されて盛んになることを非常に望んでおるのであります。ことに今あなたのお言葉のうちにもありましたが、粘結炭であるとか、そのほか日本にほしいものがたくさんあるのですから、そういうものが以前のように輸入されれば、第一鉄の価格なども下げることができる。私は中共貿易というものが旺盛になることは非常に希望しておる。その点は率直に申し上げます。ところで現状はなかなか困難で、また中共貿易がスムースに行つていないために、香港などを通して中間の搾取が非常に多い。その事実も御指摘の通りなのであります。ただ国連協力の意味で戦略物資を出すことは今日も禁ぜられておるわけなのです。ところが最近に始終私どもの耳に入るところでは、やはり中共側へ鉄であるとか、機械であるとか、あるいは綿布にしましても、うつかりしていると、厚い、重さのかかつておりますようなものが出て行くおそれがある。それから実際に、いろいろのことが、私今大阪辺の実業家から耳にいたしますが、天津、上海などの商業界の実情はますますで、どこが真相であるか、非常に違つた情報を耳にする。一つここに動かせない事実は、昨年まではバーター貿易で、品物を日本へ輸入いたしまして——、中共から塩であるとか、あるいは開らん炭であるとかいうようなものが入つて来て、その見返りを積み出しておる。そういう形式であつたのですが、最近には中共からいつて、輸入先行式というか、自分の方へ品物を先に入れて、それでその見返りを出すという輸入先行式を非常に強硬に主張しておるのです。これでは私は中共貿易というものが、なかなか思うように改善せられないだろう、それが現在の現実の事実と私は見ております。しかし根本的に考えてみると、中共のようなああいう非常に大きな消費地が、日本という非常にまた大きな生産地と国を隣しておるのでありますから、経済的に考えて、その間の貿易が盛んにならぬということは、これは間違いで、結局それは政治的な意味で阻害されておる。それは私一向見通しがありません、五年続くか、十年続くか知りませんが、そういう不合理な状態はいつまでも続くべきではないと思います。私はそういうふうに見ております。
○小坂委員長 早川君ちよつとお諮りいたしますが、文部大臣が実は三時から重要な会見がありますので、それまでにお願いできればと言つておられますが、あなたの御質問は、ほかの大臣、通産大臣もいた方がいいように思われますが、文部大臣の御質問ももしよければやつていただきたい。
○早川委員 通産大臣にあと一点、そのあとは大蔵、安本総合して御質問申し上げたい。あと一点というのは、安本長官その他は国内の鉱工業生産は七—十一年のレベルに対して一四〇%に回復した。ところがこれはなるほど日本としてけつこうな生産回復でありますけれども、国民が忘れておる問題は、貿易の回復がおそいということであります。言いかえれば、昭和七年—十一年の平均に比べて、輸出入の実績においてはいまだに四〇%内外のレベルを歩いておる。そのために国民生活は、かような生産拡充にもかかわらず、いまだに七〇%から七九%の線を上下しておるということを案外忘れがちであります。そこで貿易には今も申しました中共貿易、その他の問題もありますけれども、その問題はまた別にいたしまして、ただ一つ私は通商産業大臣にお伺いしたいのは、貿易会社の弱体化の問題であります。言いかえれば、戰前の貿易会社に比べますと、通商白書を見ましても、わずかに資本額において一二%、資本に対する貿易量の比率は戦前は大体一・五倍であつたが、現在は貿易額は資本額に対して七倍の大きい量を扱わざるを得ないような弱体ぶりである、こういうわけでございます。そこで私は通商大臣にお伺いしたいのは、これは独禁法と関係を持つておる大きい問題であります。独占禁止法によりましていろいろな協定ができないので、貿易の振興を阻害しておるのであります。そこでこの貿易業者のきわめて弱体な状態を建て直すために、なるほどアメリカにおいてはアメリカ国内における事業活動には独禁法というものがありますが、海外貿易に対してはないのです。日本だけが独占禁止法あるいは事業者団体法の適用を受けているということでは、資本の弱体性と相まつてとうてい今後の日本の貿易の振興は望まれないと思うのでありますが、大臣の御所見を伺いたい。
○高橋国務大臣 日本の貿易会社が非常に弱体化しておるということは、これは私もまつたく御同感であります。現在私が輸出貿易を所管として持ちまして、この点は非常に痛感しております。輸出増進というような面でも、貿易業者が弱体化しておるというので非常に困るのです。たとえば東南アジアの貿易にしましても、パキスタンとかインドなどに対してプラント輸出といいますが、私が期待したようにまだ伸びて行かない。それは日本の物価高というようなことも影響しておりますけれども、実際その地方に派遣した者の報告によりますと、イギリスが政治的には退却しましたけれども、経済的には民間で非常に力があるのです。しかし日本の商社は全然ないわけです。それでバイヤーといつても、あの地方の新興の、信用があるかどうか全然わからぬようなバイヤーを相手にして行かなければいけない。今の貿易会社は、その資本金に対して現在の貿易の数字がこういうふうになつておるというお話でございますが、その通りであります。それに加うるに、私の承知しておりますのは、たとえば三井物産のニユーヨーク支店だけで、最後には一千万ドルまでは支店長限りで自由に金を使うことができる、そういうふうな力を持つておつた。まるで夢のような感じです。その点は非常に遺憾に思つております。 なお輸出組合のお話がありましたが、こういうものを私は必要だと思います。昔の日本の輸出組合には相当弊害があり、非難もあつたのでありますけれども、これから輸出をふやして行くのには正しいそういうものが必要だと思います。それでお言葉の通り、独占禁止法とかなんとかいうことで、まだそれが実現できないのでありますが、私は何とか早くこれを解決し、実現するようにと念願しております。だんだんその方に向いて来ておりますから、いつと申しますことは、私まだ申し上げることはできませんが、うまく行けばあまり遠くないうちに、輸出組合というものが実現するのであろうかと思います。せつかく努力をいたしております。
○早川委員 それでは独禁法は解除したいということを最後にして了解いたします。 文部大臣が時間がないそうでありますから、文部大臣に二、三点だけにして財政質問に返りたいと思います。 第一は、われわれ国民として非常に重大な問題と思われる問題がございます。それは新聞で報じておつたのでありますが、参議院の委員会かで、今後日本の再建のためには、国民の道徳の中心を天皇に求めて、精神を復興しなければならないというような重大な御発言があつたのであります。私はその内容を新聞紙上以外には詳しく存じないのでありますが、自由と民主主義、人格を中心に置いてわれわれは敗戦以来現在までたどつて参りました。かような面に道徳の中心を求めて行けば十分なんです。かような時代に、しかも文部行政の責任者であられまする天野文部大臣が、内外ともに非常に大きい影響のあるこういう御意見を述べられた御真意を、まずひとつお伺いしたいと思うのであります。
○天野国務大臣 お答えいたします。早川さんの御了解になつたのは、私の述べたことと違つておりますので、まずそのことを申し上げたいと思います。私は国家の中心は何かと問われた。それで国家の中心ということになると、日本としては天皇が中心といわなければならない。けれども、この天皇が中心としても、それを宗教的中心と考えてはいけないと思う。それを崇拝する中心と考えれば、天皇は神となるからいけない。またこれを権力の主体と考えてもいけない、そうしますと、主権在民という精神を阻害することになる。でありますから宗教的であつてもいけない、権力的であつてもいけない。そうではなくして、天皇が中心とは言つても、それは国民が親愛して行くところの中心でなければいけない。親愛ということ、あるいはあこがれの中心と言つてもよいかもしれませんが、あこがれというと、いくらか宗教的意味を加えて来ますが、親愛の中心ということになると、これは道徳的なカテゴリーだ。そういう意味で、日本国の中心は天皇だけれども、その天皇は道徳的の中心だと私は言つたのです。すなわち中心ではあるが、道徳的意味を持つた中心である。こういう考え方によつて天皇を宗教的な崇拝の対象とする思想をしりぞけ、また天皇に権力がある、権力の主体とする考えをしりぞけておる。そういう意味で道徳的中心という言葉を使つたわけでございます。決して道徳の中心と言つたのではない、道徳的意味における中心である、こういうことを申したのでございます。従つて早川さんのお考えのようなことと矛盾する考えだとは私は考えておりません。道徳の中心とか、教育の原理とかいうことはまつたく別なことであつて、ただその中心を宗教的、権力的と考えてはいけないから、それで道徳的中心と言つたのであります。
○早川委員 それと同時に、文部大臣として国民実践要領というようなものを御用意しておるということも報道されておりまするが、これはどういう内容で、どういう扱いをされるおつもりであるか、お伺いしたいと思う。
○天野国務大臣 私は元来何か道徳的な徳目を並べて、それを暗誦しさえすれば、それで国民の道徳が改善されるというような考えは決して持つておりません。けれども世間で何かそういう基準を示してくれないか、こういう声は国会議員の方からもしばしば承りましたし、また学校の先生からも、また社会の人からもたびたび承りました。ある人は私にこういうことを申した。教育勅語がなくなつた、そうすると「父母ニ孝ニ」とか、「兄弟ニ友ニ」とかいうことは、すでに道徳としての意味を持たないのではないかということを考える人さえある。だから何かここにはつきりとした道徳の基準はこうだとかいうことを示してくれないかということをしばしば要求されております。ところで私一は体これを示すといつても、その主体は何にしたらよいのか、どこが一体こういうものを出すべきかということについて、非常に考慮をいたしました。それが天皇であり得ないことは当然であります。内閣総理大臣ということになつたらどうであろうか、やはり何となく社会を圧迫するようなことになりはしないか、あるいは委員会というようなことも考えました。その要求に応じて、しかも少しも世間の人を圧迫するようにしないで、ただ参考として出すという方法はないだろうかということを、私は事務当局に研究させました。そうしましたら事務当局の言うのには、それは文部大臣天野貞祐というので出したらいい。けれども訓令などではいけない、訓令ということになると、また何か人を束縛するようなものになるから、そこで日本語ではうまく言えないから、個人的とか、私的とかいう言葉を用いたゆえんでございます。何も人を束縛しない、けれども国民がもしよしとするならそれを参考にしてくれろ、こういう意味で出そう。その内容はきわめて平明な、個人としての心構え、家族、社会、国家、世界というようなものであつて、そうして個人としては人格の尊嚴であるとか、あるいは社会としては輿論であるとか、そういつたような個人と国家の関係であるとかいうことを体系的に組織して、そうして平明に、人の座右の何か参考になればよい、そういう考えのものをつくつたわけでございますが、まだ全部でき上つておりません。しかしそれを出すのは、私が文部大臣として出すのが適当であるか、あるいは委員会等から出してもらうのが適当であるか、なお研究いたしておりますが、いずれにしても私個人だけでつくるということは行き過ぎかもしれませんから、私は適当な委員会に見てもらつて、そこでよいと言つたらそれを出すのがよいのではないかと今は考えております。
○早川委員 この問題はこれ以上触れませんが、私の願うところは、天野さんはあくまであの「道理の感覚」をお書きになつた、ああいう立場で今後進んでいただきたいと思うのであります。文部大臣という立場で各学校にそういうものを流すということは——内容はまだわれわれは聞いておりませんから、何とも申せませんけれども、いまだに文部大臣というと、たいへん偉いものだという、昔の古い教育的な考えが残つております。官尊民卑といいますか、われわれ代議士よりも大臣になつたら偉い、とんでもない話であります。大臣というのは召使いである、われわれが主人だ。それをそういう古い印象が残つておりますから、よほど愼重にお考えになつていただきたいということを希望しておきます。 ついででありますから、あと二、三今問題になつております制度上の問題について、御所見を伺いたい。第一は天野文部大臣の御努力で、学校給食問題がともかくも今年度は継続する予算が組まれたことを、非常に私は喜ぶものであります。ところが池田大蔵大臣にもお伺いしたいのでありますけれども、来年度は打ち切るのだ、こういう御意向であります。現在の自由党内閣の政策から申しますと、平等感を持たすということは主義にお合いにならないかもしれません。貧乏人のむすこはいもの弁当を持つて来る、金持ちのむすこはりつぱなおかずを持つて来るというような差がつくのが当然かもしれませんけれども、私たちはかような強い者勝ち、金持ちだけがということを童心に持ち込みたくないのであります。もしここに福祉国家を今後日本がつくつて行くというのであれば、多少の費用はかかりましても、同じかまの飯を食うという生徒のこの意識は金銭でかえがたい大きい効果を持つものだと私は了解しております。外国の占領軍からやられたいろいろな政策の中には行き過ぎもありましようが、このような政策は私は非常に継続して行くべきりつぱな政策だと思う。婦人少年局あたりもその一つでありますけれども、日本が占領されなかつたら、そういう考えは出て来なかつたような、りつぱな政策の遺産だと私は思つておるものであります。私はこういう意味でこの学校給食というものを、今よりも費用がかからないようなくふうはけつこうでありますけれども、今年限りということを盛んに言われるようでありますので、まず文部大臣のこの問題の継続に対する御所見と、大蔵当局の池田さんの御所見を伺いたいと思います。
○天野国務大臣 私は学校給食ということは教育上非常によいことだと思つております。できれば来年もやりたいのですが、しかしどんなよいことでも財政の都合によつては、それをすることができないということもまたやむを得ないかと思います。しかし今までと同じような予算を組んでもらつてというのでなく、何らかの方法を講じて、これを継続したいという考えております。
○池田国務大臣 非常な議論があつたのでありますが、今年度内は給食を続けて行こう、来年度からは財政負担の方法でお考え願いたいということで閣議で了解しております。
○早川委員 次に教育制度の問題で伺いたい。教育委員会廃止の議論が出ております、さらに学制改革の案が出ておりまして、せつかく建ちました地方の大学を、二年制大学と総合的な四年制大学、さらには大学院の改革案も出ております。さらにもう一つは、義務教育費の全額国庫負担というわれわれ民主党がかねて主張して参つたこの案を、文部当局が最近お持ちだということを新聞で見ておるのであります。かような点に対して簡單でけつこうでありますから、責任ある御答弁を文部大臣からいただきたいと思います。
○天野国務大臣 教育委員会制度につきましては、教育委員会制度協議会というものを文部省内につくりまして、その答申が昨日出たわけでありますが、この問題についてはこれを委員を公選にするか、推薦制にするかということが最重要な点ではないかと思います。教育委員会の廃止という考えはこれは問題にならない、教育委員会は存続すべきものだ。ただその際委員の選挙ということが非常に問題になりますが、私は原理的にいうならば、これはどうしても公選ということが守らるべきだ。しかし今の通りで公選というわけには行きませんから、どういう方法かでそれを修正するとかいうことを考うべきではないか。答申には公選と推薦とが同数であります。きまつておりませんが、私自身の考えはそういう方法で行きたいと思つております。 それからまた四年制の大学を二年に切りかえるというようなことが世間に流布されておつて、ことにそれが学芸大学とか教育学部についてそういうことが流布されて、そうして文部省では四年のものを二年にするのだということがいわれておりますが、これは私どもは非常に迷惑している話で、私は、国会においてもまた文部省内においても、すべての四年制の大学、学芸大学を二年にするということなんか決して言つたことはない、ばかりでなく、できておるものは育てたいということを言つておるわけであります。ただしかし多数の教員を供給するためには、二年で終る課程もなければいけないということを考えておるわけでありまして、一般にいつて、四年を二年に切りかえるという考えは全然抱いておらないのであります。 教育財政のことにつきましては、従来の平衡交付金の制度でございますと、どうしても教育費を確実にすることができない。それで御承知のように、標準義務教育費確保の法律案というようなものを、高瀬文部大臣のとき以来考えて来ましたけれども、これはやはり地方自治に干渉するというような原理的な反対があつて、今日まで成立しませんでしたが、最近、府県知事また市町村長等によつてからさえも、地方自治のそういう首脳者からさえも、教育の国庫負担という議論が出ておりますので、私どもの方でも、従来の平衡交付金の制度ではどうしても行きませんので、ここで国庫負担制度というものを新しく研究して、そうして今関係の各省等にも交渉いたし、そういうような新しい方法で教育財政の確立を期したいと考えております。
○早川委員 それでは、文部大臣に対する質問はその程度にいたしまして、補正予算を中心にした財政問題について、池田大蔵大臣に御質問いたしたいと思うのであります。 〔委員長退席、西村(久)委員長代理 着席〕 第一にお伺いいたしたいことは、今度の予算は、二十七年度の予算との関連においてのみ、われわれは審議いたしたいのであります。というのは、いろいろわけのわからない費目がたくさんあることが第一でありますが、来年度の予算の大綱というものが、大体各省に予算要求をすでに命じておられる現段階においてお持ちであろうと思うのであります。そこで、従来の、二十六年度までの予算で支出費目として頭を見なかつたようなものがたくさんあると思うのであります。第一に防衛分担金というものがまず出て参ります。さらに警察予備隊を含めまして、内容的は国土防衛安全保障という問題の費用というものは、どのくらいふえるものであるか、大体の御見当をお聞かせ願いたいと思うのでございます。
○池田国務大臣 まだ見当ついておりません。
○早川委員 しかし、予算を八千億以内、池田さんに言わせれば七千九百幾らと、こまかい数字までこの前の委員会で言われましたが、少くともそういう規模がおわかりになつているのに、重要なそういつたものの荒見当というものがまだ全然わからないというのは、まことに私は遺憾であります。財政の規模をこれだけにするならば、少くとも、こういうものはどれくらいに押え、どれくらいなら支出できるという荒見当は当然お持ちのはずであります。私は率直な御意見をもう一度お伺いしたいと思うのであります。
○池田国務大臣 防衛分担金の荒見当はだれもついていないと思います。またついておつても、そういうことは、そのときが来なければ、責任ある地位の人が言うべきではないと思います。
○早川委員 それでは、次に新しい費目として出て参りますのは、連合国の財産返還費でございます。大体この費用は、少くとも四百億円程度に見積るべきものだと思うのであります。連合国財産の補償であります。してみれば、これは一年で補償費を出す必要はないかもしれませんが、たとえば三箇年でこういうものを返還して行くと計算いたしましても、百億あるいは百二、三十億というものが見積られると思うのでありますが、これに対する大蔵大臣の御所見いかん。
○池田国務大臣 連合国人の財産補償は、大体二千六、七百億円と見積つております。しこうして一度にそれだけを払うことはとうていできませんから、一年百億円を限度として支払うことになつております。
○早川委員 次に新しい費目といたしましては、外債の利払いの問題だろうと思うのであります。明年の三月までの未払い利子だけをとりましても、一億八千万ドルでございます。邦貨に換算して六百四十八億円であります。元本の期限到来を含めますと、一億五千万ドル、邦貨にいたしますと、大体八百億円ぐらいの外債の元本期限到来が参るのであります。これを合計いたしますと、大体千四百四十八億円という数字が出て参りますが、こういう問題に対してどう考えるのか。来年度予算の編成で、当然そのある部分は考慮せざるを得ない問題だと思うのでありますけれども、大体本年度並の財政規模だと言われる池田さんの腹中に、どのくらいをお見込みになつておるのか、お聞かせ願いたい。
○池田国務大臣 他の機会でも聞かれましたのでお答えしたのでありますが、まず第一は、私は今年度と同じ程度とは言つていない、大差がないと言つているのでございます。しこうして予算の規模は八千億円台と言つております。それを前提としてひとつ御質問願いたいと思います。 それから外債の元利含めまして、お話の通り四億四千八百万ドルでございます。すでに期限の到来した元本並びに支払うべかりし利子もお話の通りでございます。これをどういうふうな払い方にしようかというのは、私がきめましても、相手のあることでございますから、相手とよく相談しなければなりません。従いまして今、来年度にどれだけ元利払いのために組むかということもきめておりません。
○早川委員 最後にもう一つ大きい項目はむろん賠償であります。午前の川島委員の質問に対しまして、外国へはマネーを払わないような條約になつておるけれども、無料で労力を使うわけにも行かない、技術を使うわけにも行かないから、当然それに対しては、国内的に費用を持たなければならないという御言明があつたのであります。さらに日本に対するガリオアその他の援助費は、総額二十二億ドルに上つておるのでございますが、この問題も、イタリアの場合には債務打切りということになつております。日本の場合には、賠償その他デリケートな事情がおありかと思うのでありますけれども、講和條約によつて債務であるということがはつきりいたしたのであります。かようなものの費用も、今までになかつた、かなりの、二、三百億かあるいは五百億か知りませんけれども、相当の負担が当然予想されるのでありますけれども、この面もちよつとお答えはむずかしいかもしれませんが、大体の見当はやはりおつけになつているのじやないか、お伺いいたします。
○池田国務大臣 大体の見当もただいまのところついておりません。
○早川委員 そうなりますと、八千億円台という見当、並びに来年度も本年度と同じ税法によつて八百億程度の税法上の減税ができるという、委員会における御言明は、いかなる根拠で言われたのか、私はあまりにも大蔵大臣として無責任なる言明であるとさえ思うのであります。その点をお答え願いたい。
○池田国務大臣 全体の予算のわくというものは、私の腹にありますので、八千億円台と言つたのであります。各費目が幾ら幾らということは、これからきめるのであります。
○早川委員 そういたしますと、二十六年度以後の講和に伴う厖大な諸債務というものは、八千億円台の中に全部押し込めてしまうというようなお考えと了解してよろしゆうございますか。
○池田国務大臣 経済上重大なる変化のない限り、八千億円台に納めてしまうつもりであります。従いまして、そういうことを前提として、外債の利払いとか、賠償とか、分担金とか、あるいは警察予備隊というものをきめるというのであります。これが金がいるからいくらでも予算のスケールをふやすということは、大蔵大臣大きらいでございます。国民がこれくらいしか負担できない、これくらいで行くのが日本経済の建直しによろしいという、大体の輪郭を持つておりますから、それで行こうというのであります。
○早川委員 八千億台といいましても、八千億ぽつきりと、八千九百億とは、たいへんな相違でありまして、私は一千億円の幅のあるこのお考えを、この委員会で初めて聞きました。今まで二十六年度の予章と同じ範囲内で、しかも税法上八百億円減税するという、こういう誤つた考えを国民に言われるのは、私はあまりに政治的な発言だと思うのであります。 〔西村(久)委員長代理退席、委員長 着席〕 八千億台という意味の中には、私もよほど含みがあると思うのでありますが、今後日本の鉱工業生産が、朝鮮特需のようなああいう特殊な事情によつて、一四〇%に及ぶ生産増加、そのために法人税の自然増が来ましたけれども、今後はそういう五割程度の鉱工業生産の増加というものは、一年間で見込まれるものじやありません。せいぜい一割とか、あるいはもつとひどく、案外なものになるかもしれないと私は思つておるのであります。そういう観点からいつて、あまりに楽観的な御構想はおやめになつた方がいい。私はその点を憂うるのであります。 さらにもう一つ大蔵大臣に私はお伺いしたいのは、なるほど八千億台ということは一応わかりましたけれども、問題は、あなたの胸の中にある、どうしようと練られておることを御発表にならないので、私はそれをどうこう言うのではありませんが、私をして言わしむるならば、先般本会議においてあなたは、各国の国民所得に対する税率の比率を日本は一七%だ、あるいはイギリスは三〇%だ、フランスは二十何パーセントだと言つて、誇示せられましたけれども、その予算の内容が問題なんです。イギリスの場合には税の比率が国民所得の三〇%ちよつとと言いますけれども、三分の一が社会保障費なんです。食糧を安くするためのソーシヤル・サービス、あるいは健康保險、あるいは国営の医療費というものが占めておる。これは国民所得の再配分なんです。それが日本の場合は社会保障費十二、三パーセント、これと比較して誇示せられるのは、あまりにもひどいしろうとだましです。そこで私は池田さんにお伺いしたいのは、かような八千億台という、非常に幅のある中に押し込めてしまうという場合に、頭を出して来る、今申し上げました、講和條約後の賠償その他の厖大な費用のしわ寄せが、あるいは社会保障的な支出の面において、あるいは補給金とか、その他富の再配分に使われるべき、言いかえれば、福祉国家に必要な社会保障的なものに対する圧迫によつて、押し込められるのであるならば、国民にはなるほどこれは八十億あるいは八千九百億というようなものであつても、内容は非常にかわつたものになつて来るのであります。この点においてあなたの言われる八千億台という予算規模は、現在の予算の中において占める社会保障的な費用、あるいは教育的な費用——先ほどありました学校給食の問題も、社会保障と教育両方の費用であります。そういつた面を圧迫しないで、なおかつそういう租税の自然増その他によつてまかなえるというようなお考えなのか、これは重要な問題点であります。
○池田国務大臣 この問題について私が各国の例を申し上げたのは、今お話の国民所得に対する税の割合ではないのでございます。歳出の割合でございます。 それから楽観的であると仰せられましたが、私は楽観的ではなくて、今の経済状況からいつたら、予章のわくはこのくらいでがまんしなければならないから、これをその中に押し込めて行こうという苦しいやり方であつて、決して楽観は少しもしていない。お話のように、社会保障費というものを削つて、少くしてわくに入れて済むなら、何も大蔵大臣苦労はない。そういうものはできるだけふやすという考えを持つて、入れようとするところに、苦労があるのであります。だから役人の月給を少くしたり、社会保障費をうんと削つたり、これで賠償額あるいは外債は払われはいたしません。それは平和條約にもあるのであります。
○早川委員 池田さんとしては従来のあれと違つて、社会保障的な面は何ら今の線を下らない、さらにこれを強化して行こうというような含みのある御答弁であります。私はその点を了承しておきます。ただしかし、私は悲観論者と言われるかもしれませんけれども、どうしても独立するために負わなければならない十字架として、かような費用が、かかつて来るということは、われわれとして覚悟しなければならない。そういつた場合に、また所得税なり直接税なりの増徴というような事態が、万一にでも起るのではないか。すでに法人税はこのたびの改正において三五%が四二%までに高まりました。さらに地方税と合せますと、法人は六〇%の重税ということになるわけであります。これすらわれわれは反対しておる。しからば税源をどこに求めるかといいますと、アメリカのように非常に所得率の高い、国富の高いところにおいてはいざ知らず、日本のような場合においては、私はシヤウプ氏の勧告のような直接税中心の税体系というものを、この際相当根本的に再検討されてはどうかと思うのであります。直接税と間接税の比率が、日本においては六対四であるということを、この間理財局長からお話がありました。ドイツ、イタリアにおいてはこれが逆で、七、八割が間接税であつて、その直接税から来る非常な圧力というものを持つておらない。ただ英米、特にアメリカ中心の税体系がそうなつておる。これは資本蓄積が非常に充実しておつて、国民所得が高いための一つの現象ではなかろうかと思うのであります。今後こういつた独立のために負わなければならない大きい負担増加を前にして、さらに日米経済協力、あるいは電源開発というような、どうしても資金の効率化をはかつて資本蓄積を進めて行かなければならないという講和後の日本経済再建を考えた場合に、私は消費を押える面のみならず、同時に直接税と違つて、かなり心理的に受ける影響の少い間接税というものに対して、ある種の税源を求めて行くという方向が、同時に消費を押え、さらに直接税のように資本蓄積に悪い影響を與えず、重税感を緩和するという意味において、私は大蔵大臣の考え方をただしたいのであります。これが同時に今後起るべき日米経済協力、電源開発、さらには資本蓄積の問題に関連する問題でありますから、御所見を伺いたいと思います。
○池田国務大臣 法人に対する課税が六〇%になると、こういうお話でございます。それならば御反対なさるのも無理はございませんが、私の計算では、五二%にしかなりません。事業税というものはみな損金に計算いたします。 それから直接税と間接税との関係でございまするが、税理論からすれば、直接税中心で行くのが、論理的でございます。しかしこれはやはりその国の事情によらなければいけません。従いまして、私はただいまのところは全体として直接税を軽減して行く、そうして間接税は軽減しない。来年度におきましては、間接税の砂糖消費税をふやす考えであります。ただいまの方向といたしましては、直接税中心主義を堅持するという建前では行つておりません。
○早川委員 そうすると直接税としては、今の税率の問題は、私は五二%ということがちよつとわからないのでありますが、それはともかくといたしまして、直接税の面においては、もうこれ以上、たとい二十七年度、いろいろな負担がかわつても上げるべきではないという線を堅持していられると理解してよろしいですか。
○池田国務大臣 ただいまのところは、直接税の方は引上げる考えはございません。できれば私は所得税等は、まだ減らし得れば減らす、減らす機会が早く来ることを望んでおるくらいでございます。
○早川委員 そういう御趣旨からいいますれば、結局奢侈的な面を押える意味の間接税の方向において、もしそういう支出がふえて来た場合には、財源を求めて行くというような方向に池田さんはお考えになつておると理解してよろしいのですか。
○池田国務大臣 間接税を引上げるというふうな考えも持つておりません、砂糖消費税以外は。
○早川委員 これはお互いの議論になつてしまいますので、私はむしろ法人税を現在上げたことすら資本蓄積に悪い影響を與える。もしこれだけの法人税を上げるのであれば、むしろ消費を押え、直接の資本蓄積意欲を害しない方面にこれを求むべきだ、かように思つておつたのでございますけれども、この問題は議論になりますし、私は二十七年度の予算はそう甘くないいろいろな問題を心配しておりますがゆえに、お伺いしたのであつて、この問題はその点で打切りたいと思います。 次に池田大蔵大臣に補正予算の種々の問題点について、本年度の補正予算についてお伺いいたしたいと思うのであります。この補正予算をながめた場合に、私は初めて、終戰後から国会に出まして、非常に不可解な予算に接したのであります。池田さんは税務関係を長くやられて租税徴収の名人だ。その池田さんが二十六年度の当初予算の審議のときに、すでに朝鮮事変が始まつておつた。だからこれがどのくらい日本の生産力に影響するかということは、当然お考えになつておつたと思うのであります。ところが本予算の三分の一程度の厖大な自然増收が補正予算として出て参つたのであります。私は池田さんはそういう見通しを持つておらなかつたと思いません。むしろ政治的な識見からこれを予想して、リザーヴを予想しておつたとすら私は思うのであります。私は池田大蔵大臣が、こういうことに対する見通しをどうお考えになつておつたか、まず従来の予算と違う点でありますから、その点からお伺いしたい。
○池田国務大臣 当初予算は御承知の通り昨年の十一月ごろ見込んであつたのであります。朝鮮事変によります原因、あるいはその他の原因によりまして、当初は昭和二十五年の中ごろから六年にかけまして、こんなに生産が急激に伸びようとは思つておりませんでした。 〔委員長退席、西村(久)委員長代理着席〕 非常な伸び方であります。私の見るところ以上に、よくなつて来た。私はいつも楽観的だといわれますが、そういうふうに自然増收がわあつと伸びるところも、非常に実は悲観的だと思うのであります。国民の努力あるいは内閣の施策がよろしきを得たと思うのであります。
○早川委員 ところが国連軍の血の犠牲による朝鮮事変のおかげをこうむつて、かくも厖大な自然増收による予算が浮いて来たのであります。私はこのまことに天の恵みというべき二千億近い予算の手持ちを持つたということは、講和後の日本を再建する場合に、絶好のチャンスを現在の日本国民全体に與えたものと私は思う。ところが私はこの補正予算をずらつと見まして、あまりにも官僚的な羅列主義、さらにはまたあまりにも何と申しますか、大蔵大臣のリザーヴのポケツト資金のようなものが多いのを見まして、せつかくのこの天佑ともいうべき二千億近いものを、ほんとうに日本再建のための一つの識見と情熱によつてこれを編成しておるということを思えないのを非常に残念に思うのであります。 そこで私はまず大蔵大臣に具体的にお伺いいたしたいのは、平和回復善後処理費という問題でございます。一体これはいかなるものをさすのか、私は国民の代表としてまずお聞きしたいと思うのであります。
○池田国務大臣 六年間の占領が終りまして、そうして終戰処理費がなくなつた場合に、相当の経費が発生することを見込んでおかなければなりません。これはここで申し上げかねる点もございまするが、講和が非常に早くでき上つた、今年度内に相当早くでき上つたといつた場合に、それに要するいろいろな経費を見積つておるのであります。
○早川委員 アメリカの上院は、日本のこの講和條約の批准を来年開かれる上院の会合にかけようといつております。今年度以内にということはあり得ないことであります。さらに私は、この平和回復善後処理費というものは、主計局長がおそらくこの予算委員会において、どうこれを使うのかということを説明するのに、ほんとうに困つておる費目だと思います。率直に困つておるのなら困つておると言つてもらいたい。そういう今年度以内に講和條約の批准が全部済むということはあり得ないことだと思う。私は外電その他を見まして、そう考えるのでありますから、その点はもう少し詳細に、主計局長がいろいろお考えになつておる点を、ひとつ大蔵大臣から納得の行く御説明を願いたいのであります。
○池田国務大臣 何も講和條約が本年度内にできないときめてかかる必要はないと思います。われわれは早くできることを望んでおるのでございまして、しこうして大蔵大臣はそういうことを期待しつつ善後処理を講ずる準備をしなければならぬ、これが全部今年度内に使えないことも予想されますので、これは来年度へ繰越すことも考えておるのであります。少くともこの程度のものはあげておかなければならぬ、こういう考えであります。
○早川委員 サンフランシスコへ行つた厖大な費用は、一体どういう費目から出されたのか、そういうものも含むのですか。
○池田国務大臣 これは既定の予算で行つておりますので、それは平和回復善後処理費から出しません。これは対外費として十五億円程度昭和二十六年度に見込んでおつたと思います。しかしサンフランシスコに行つた費用はもちろんそんなにはかかつておりません。
○早川委員 次に大蔵大臣にお伺いいたしたいのは、これまたまことに私は不都合だと思うのでありますが、国際通貨基金並びに国際開発銀行の出資といたしまして二百億円の費用を予定しております。ところがこれはあらゆる人の大体の見解として、本年度内にはとてもこの通貨基金に入るチャンスはなかろうという意見でございます。実際そういうものがいるのであれば、そのときまた考えればいいので、貴重な資金でありまするから、全然はつきりした見通しのつかないものを、かくも多額に計上するということはどうか、私はこの問題に対する大蔵大臣の見通しをお聞きしたいと思うのであります。
○池田国務大臣 十月十九日に開かれました通貨基金の会議では、私の言う今年度内に入れるという希望は、相当強く確かめられております。あなたと見通しが違いますが、私は十中八、九まで今年度内に加入できるという見通しを持つておるものであります。
○早川委員 これと関連いたしまして、大蔵大臣は先般の荒木君か勝間田君かの財政演説に対する本会議の質問に対して、国際通貨基金に入ると、国際輸出銀行あるいは復興開発銀行から六億ドルの借款を得ることができるという御発言があつたが、これは何かの誤りではないですか。
○池田国務大臣 誤りではございません。借り入れ得る限度がその程度になるのであります。しかしこれは貸してくれるかくれぬかわかりません。向うから借り入れることのできる限度がそうなる、こういうことでございます。
○早川委員 私がなぜこういう平和回復善後処理費、国際通貨基金その他は本年度内にあぶないということを言うか、大蔵大臣はこれは絶対に年度内にできるというお話でありますけれども、私はこの予算を見たときに、財政法二十五條による繰越し使用のあれが非常に多いのです。そもそも二十五年度の補正予算をながめた場合に、高潮対策のために要する十二億五千万円程度の財政法二十五條による繰越し承認の要求も、正式に載つているのはそれだけなかつた。ところが今年度の予算をながめてみますると、厖大な繰越し使用の承認を、財政法二十五條において求めております。まず警察予備隊費の百五十億、平和回復善後処理費の百億、国際通貨基金の二百億、その他合せて七、八百億円にも上る、国民から得たこの税金に対して、この予算書に書いてある説明も実に不親切だ。それを財政法二十五條によつて繰越し使用の承認を求めるというのは、一体ほんとうに国民から徴収したこの血税による予算の編成として、まじめであるかどうか伺いたい。
○池田国務大臣 どこがふまじめでございましようか。私は、日本が平和を迎え、国際経済社会に入り得るこういう段階において、予算を要求して、しこうして国際的にきまらない場合におきましての繰越し使用は、まじめな予算編成方針だと思ます。
○早川委員 しからば警察予備隊百五十億は繰越し使用をし得る、これは説明によると、物品費だとかあるいは施設費だとか、そういうものを中心にしておるので、百五十億を出してこれもまた繰越し使用を求めるというのは、従来の財政法二十五條による繰越し使用の承認を求める行き方といたしましては、少し私はどうかと思う。この点はどうです。
○池田国務大臣 いろいろな装備や施設の費用でございますので、年度内に使つてしまわなければいかぬというやり方では融通がつかないと思います。
○早川委員 それではいろいろな国鉄の費用もしかり、あるいはまたその他の土木費用もしかり、すべてがそうであります。私が言うのは、なぜこれを特に、そういうような財政法二十五條によつて来年度も使うという承認をお求めになるのか、そういうことを言つているので、その点を伺いたい。
○池田国務大臣 治安の確保を十分にしますために、当初予算一年間で百六十億円と見込んでおつたのを、これから予算審議が終りましてあと四、五箇月でございますので、当初予算にほとんど匹敵するようなものを計上いたしまして急速に整備するのでありまするから、これについて来年度へ残るような場合のことも考えて、繰越し使用にした方が、予算の使い方がうまく行くという考え方に立つておるのであります。
○早川委員 私はこの財政法二十五條による繰越し承認のあまりに厖大な額を見て、池田大蔵大臣の平和回復あるいは国際通貨基金加入の強気な御言明にもかかわらず、その点において非常に自信のない一つの現われをここに発見したのでございます。さらにまた今の警察予備隊費百五十億円を来年度までずつとやろうという御議論も、一体どういう面における支出をはからんとしておるか、その点はこの予算委員会に御説明がないのであります。もし来年度ずつと使用して行こうというのであれば、どういうものに使われるのか。聞くところによると、どこかもう官舎もつくつておると聞いております。われわれはこの重税下における国民として、この厖大な費用がどう使われておるかということは、ぜひ聞きたいところなのであります。財政法二十五條による来年度繰越しということすら、少し疑念を持つのですけれども、そういう点もひとつお聞かせ願えればけつこうだと思います。
○池田国務大臣 内容を主計局長からお話申し上げます。
○河野(一)政府委員 警察予備隊の百五十億円の経費の内容につきましては、この前も申し上げましたが、この百五十億円のうち大体百億円程度が装備関係でございます。トラツク、ジープその他通信機材等であります。それから約四十億円というものが施設関係でありまして、各種キャンプの施設あるいは学校その他の経費でございます。約十億円程度が旅費及び今回の給與改訂に基きます警察予備隊職員の給與改訂の経費ということに相なつております。
○早川委員 とにかくこういつたものは、相当今年支出する見込みのない可能性のある費用だということだけを了承しておきます。 次に、私が大蔵大臣にあなたのリザーヴ資金だという費目に食管特別会計百億円があります。この予算書を通覧いたしますと、食糧買入費という費目がございます。この機会に農林大臣をぜひ委員長に呼んでいただきたいのです。この食糧買入れの予算は、大体年間三千万石を買い入れるという標準によつて立てられております。ところが今度閣議決定その他いろいろながめてみますると、二千五百万石すらあぶない。二千三百五十万石、あるいは実際は私はそれすら困難ではなかろうかと思うのであります。してみると、ただちにそこに六百万石から七百万石というものの買入れを必要としないものが出て参るのであります。にもかかわらずここにさらに百億円の食管特別会計というインヴエントリー的な費用を、この貴重な資金を効率的に動かさなければならないときにあえて組み入れる。これは食糧統制撤廃その他の問題が起きて、実際に供出可能量というものがはつきりして来た現段階において当然これは改むべきものであると思う。大蔵大臣の御意見を伺いたい。
○池田国務大臣 この食管会計の分は、お話のように内地の米、麦に限つていないのであります。輸入の米麦もこの金で買うのであります。従いまして米価の値上り、あるいは外国から入りまする米麦の値上り等によりまして、この百億円が必要と相なつて来たのであります。なお閣議決定二千何百万石というお話でありますがこれはきまつておりません。
○早川委員 しからば大蔵大臣に伺いたいのは、食糧買入費は国内の米麦にきまつておらぬというお話でありますけれども、現在農林当局——農林大臣が来てもらえばわかるのでありますが、農林当局並びに外為その他いろいろから聞いてみますると、とりあえず本年度は三十五万トン、さらに六十万トン。三十五万トンを輸入いたしたといたしましても、せいぜいそれは二百万石です。さらに六十万トン全部入れたといたしましても、それに六倍かけてせいぜい三百六十万石であります。とうてい三千万石と二千五百万石あるいは二千三百五十万石との差の六、七百万石近い数量を埋められるものではありません。そこに予算のごまかしがあるわけです。
○池田国務大臣 あなたのひとりぎめの議論のようであります。われわれは内地米につきましては二千五、六百万石だつたと思いまするが、そういうことを予定いたしております。また緊急輸入も当初の三百二十万トンを越える見込みでおるのです。従いまして数字の根拠につきましては、また主計局長あるいは係官から説明してもよろしいのであります。いらぬ金をいるということは申しておりません。
○早川委員 それでは私は当然この食管百億円というものは訂正すべきもので、不必要なものである。たとえば二千五百万石といい、六百万石といつてもなかなかそれは不可能な数字です。私は先ほどの通商大臣のように正直に言つていただきたい。池田さんのようにできない数量を無理に言われると、問題がこんぐらかつて来ます。さらに値段が違います。それは補給金というものはつけなければなりませんから、結局数量が合うようにして、この食管百億円というものがほとんど不必要になるという点を率直にお認めになつて、この貴重な、終戰後始めて二千億近い予算が浮いて来たから、これをどう最も効率的に使うかということに、施策の重点を置きかえるということの立場で、私はその点における正直さ、率直さを大蔵大臣にお聞きしたい。数量的に主計局長が説明するなら聞きましよう。
○池田国務大臣 率直に申し上げて、いりますから入れたのであります。従いましてあなたは供出が非常に減ることを前提としての議論でございまするから、そういう結論になると思うのでありますが、私は二千五、六百万石の供出を期待いたしまして予算をつくつているのであります。
○早川委員 それでは次に外為特別会計三百億円の問題をやはり私は大蔵大臣に質問いたしたいのであります。外国為替三百億円の計上は実は私は驚いたものであります。すでに本年度五百億円、昨年度三百億円か二百億円になりますか、手数百億円に上る外為会計へわれわれの税金は充てられているのであります。しかもこのインヴエントリー・ファイナンスといわれる外為会計への一般会計からの繰入れという問題は、これは時期的な一つの輸出と輸入のバランスが合わないとか、いろいろ円の散布超過になつたらインフレを起すからいかぬというような理由から、とにかくも金融的なものであります。われわれ民主党は従来からこのインヴェントリー・ファイナンスというものは、日銀あるいはその他の金融的方面でつじつまを合せて行くという主張であつたのでありますが、さらにまた本年三百億円、これを計上して来るということは、いわゆる均衡予算でない、超均衡予算といわれるゆえんであります。私は大蔵大臣のこの問題に対する所見を聞きたいのであります。
○池田国務大臣 これが私の財政政策の一つの型でございまして、前から議論のあるところでありまするが、昨年度におきまして百億円、今年度当初伍百億円であります。実を言つたらもう二百億円——とにかく五百億円の一般会計からの支出を要する程度にドルがふえて参り、貿易が拡大いたしたのであります。しかし五百億を入れるうちで国際通貨基金へ入る分はドルで出しますから、二百億円だけ国際通貨基金がまかなわれ、三百億は外為会計に入れたのであります。これはドルがふえ、輸出がふえた関係でございます。われわれのやつて来た、私の財政計画の一環として入れておるのであります。
○早川委員 そこで私は、その方針を全面的に否定するという立場でありません。すでに今まで実施したから、われわれ反対したけれども通して来た。問題は具体的な三百億円の問題になつて参ります。国際通貨基金への繰入れ二百億円がこれまたインヴエントリーになるということ、これもその通りであります。ただ三百億円を計上しなければならない理由がないのです。どういう点でないかといいますと、予算委員会における理財局長の説明では、輸出入計画を本年度大体輸出二十一億四千四百万ドル、輸入は二十億四千二百万ドル、一億二百万ドルの輸出超過になるから、インヴエントリーが必要だという御説明でありました。ところがここにこの輸出入計画に対して一つの変化が参つたのであります。どういう変化が参つたかというと、自由党の唱える食糧統制撤廃政策のために参つた。それはこの理財局長の説明の輸出入計画をくずすものである。さらにこの輸入計画に加うるに六十万トンの食糧を輸入しようというのであります。してみれば、これはさらに一億ドル以上の金がこの輸入に加わりまするから、当然ここにインヴエントリー・ファイナンスとしてさらに三百億円輸出超過の分を穴埋めせねばならぬという理由はないと思う。
○池田国務大臣 どなたが六十万トン三月までに緊急輸入するとおつしやいましたか。私はそういう考えで予算は組んでおりません。これは輸出超過の分ばかりではないのでございまして、今の日本銀行への関係で、信用状を発行したときには一〇〇%ドルを組むということを、今年の三月の末だつたと思いまするが、五〇%にした関係上ふえる。この二つの原因であるのであります。輸出超過ばかりではないのであります。
○早川委員 どちらも理由だという苦しい御答弁であります。すでにユーザンスの改訂その他で、この公聽会でその道の專門家が指摘されている。私はそのときに数字的なことは申し上げなかつたけれども、そもそもインヴエントリーそれ自身が、日銀なりあるいは金融機関的なものでやるべきで、一般財政から出すべきものでないという、これは一つの議論として成り立ちます。しかし池田さんはその政策をとらない。それはよろしい。しからば池田さんのそういう政策からいつても、この政府の輸出入計画からいえば、一億以上のドル・バランスが、輸入が足らぬから、ドルに円を払わなければならない、国内に物資がそれだけ入つて来ないから、インフレになるからという有力な理由で、あなたはインヴエントリー・ファイナンスというものを押し通して来た。ところが今度の食糧統制撤廃に件つて、この輸入計画にさらにプラス三十五万トン——六十万トンということは私はこの実現性を疑うが、ここに安孫子長官がおつたはずでありまするが、少くとも三十五万トンを従来の三百二十万トン計画にプラスするという必要に迫られる。しかも外為その他で調べてみると、これは今までの輸入計画にプラスしなければならぬものなんだ。これは六十万トンでありませんから三十五万トンといたしましても、六千万ドルに上る輸入がふえて来るのです。それは日本の金にすれば二百億円程度のものであります。してみれば、三百億円というものは全額支出しなくても、せめて百億円くらいにとどめるべきが当然である。あなたの言うインヴエントリー・ファイナンスをやらなければ日本がインフレになるという主義からいつても、つじつまが合わないじやないですか。
○池田国務大臣 数字的に主計局長から説明させますが、三百億円を入れる場合におきましても、予備費として百十六億円あつたと思います。御承知の通り、五百億円入れましても九月の終りから十月の初めにかけて、この五百億円と日銀からの借入れの五百億円、合せて千億円四月から九月まででほとんど使い切つてしまつた。ちよつと一時新聞には出ましたが、スワツプなんかやつておるような状態であるのであります。私は百億円の準備を持つておれば、大体切り拔け得られると思いまするが、まだ輸出その他の貿易規模が大きくなればこれでも足らないようになるかもしれない。内訳は主計局長からお話申し上げます。
○河野(一)政府委員 お答え申し上げます。輸出入の差額が先ほど早川さんのおつしやいましたように一億二千九百万ドル、円に換算して四百六十四億円、それから甲種ユーザンスの減少、これは先ほど大蔵大臣が言われましたように、当初予算編成の際におきましては、信用状発行の場合でもマージン、マネーを一〇〇%組んでおつたのでありますが、三月十九日から五〇%になつたということが一点。それからもう一つは一月ないし三月のときにおいては相当輸入を急いだ。従いましてその期間におきまして、繰上げ輸入というわけでもございませんが、相当輸入が多かつた。従つて外貨売りが多かつたわけでありますが、それが平準化いたしました。そういつた関係で甲種の貸付が減りまして、その関係で七百三十七億円でありましたかユーザンスの円收入が減る、こういつた関係になります。合計いたしまして約千二百億円でございましたか、その分を八百億円の一般会計の繰入れ、そして国際通貨基金の出資は外為のドルを買つて行う関係でその金が二百億円、それから前年度の繰越しの金が三百十七億円だかございました。そういつた関係で年度末におきまして百十六億円の予備費ができるわけであります。この予備費は、当初予算のときには四十五、六億だつたかと思いますが、相当多い、二百億は減らせるという御議論かもしれませんが、現在外為におきましては一日七、八十億円程度の取引をしていることがあるのでございます。最近多少はわかつて参りましたが、そういつたような点から考えますと、この程度の予備費は当然必要であつて、これを減らすというようなことは、ちよつと外貨の売買の上からいつて支障があるのじやないか、私はそう考えております。
○早川委員 責任者の大蔵大臣がおりませんので、欠席裁判みたいになりますからまことに残念であります。大蔵大臣は本会議の席上では輸入は非常に順調だというお話でありました。ところが、この委員会ではむしろ輸出輸入が見合わないという御言明、まことに矛盾がありますが、質問を継続できないのを遺憾に思います。いつお帰りになりますか。
○西村(久)委員長代理 関係方面に今おいでになつたので、ドツジさんときよう会う用件でございますが、定めし予算関係のお打合せではないと思いますから、きようは時間中にはどうかと考えられます。従いましてあなたの要求されております公益委員会の委員にお尋ねやら、その他の関係の出席大臣について質問を御継続願いたいと存じます。
○早川委員 それでは大蔵大臣に対してもつと重要な問題があるのですが、これは大臣の御出席を待つて論ずることにいたしまして、公益事業委員会の事務局長も見えておられますので、周東安本長官並びに公益事業委員会の委員長、それの責任大臣は法制上まことにあいまいです。総理大臣になつているのですけれども、岡崎官房長官に総理大臣、内閣の代表としてひとつ責任ある御答弁を願いたいと思います。 午前中の委員会におきまして、電源開発に対して国家的立場から強力な計画性を持たして、新聞その他で報道している範囲の生産増強をはかりたいという御意見は、安本長官まことにけつこうでございます。そこで私はこの機会に政府の電力問題に対する政策を質問いたしたいのであります。われわれは御承知のように電力九分割案というものが、この前あるいはこの前の前の国会であつたかもしれませんが、出たときに、いろいろその欠陷を指摘いたしたのでございます。ところが、ポ勅であの法案を強行せられまして、やつてみるとなかなかうまく行かない。そこで最近周東さんあたりが中心になりまして、電源開発公社案なるものを提案せられているのでございます。私はそういう面において自由経済の修正としてその趣旨を多とするのでありますが、同時にあなたの政府の落し子である電力事業委員会の方は、それじや困る、私企業の圧迫だ、全然異なつた電源開発の会社による開発を提唱しているのであります。私はこの二つの意見は非常に大きい相違であろうと思うので承りますけれども、一体政府はどの方向にこの問題を持つて行くのであるか。また事業委員会の責任者は、自分の主張をどういうところに根拠を見出しておるのか、ひとつ誤解のないようにまずお聞きしたいと思います。
○周東国務大臣 お答えいたします。今政府及びその関係箇所で相談しておりまして、まだ最後決定に至つておりません。しかし今御指摘のように、今後の電源開発を一つの公社というような形だけでやるというのならば、御指摘のような御議論も出ましようが、私どもは一つとは限らない。九分割された会社が、今開発されておるものの継続中のものはもちろんこれをやる。また自家発電についても考える。しこうして大きなものについて、必要な箇所につきましては、まだ具体的には決定いたしておりませんが、政府の出資等による一つの特別な法人に、開発をさせる必要があるということについて研究中であります。要は電源開発という大きなものについて、一つの会社だけが、あるいは一つの主体だけが全部引受けてやるということでは、なかなか間に合いませんし、急ぐ場合においては手をわけてやる方が早い。従つて私どもが今研究いたしておりますのは、箇所別に考え、継続しておる事業について、進むだけ早く進めろという人があるときは早く進めるし、新規着手のものについては、それぞれ適当な主体を定めてそれに必要なる資金、資材を投じて促進しようという考えでおります。この案につきましては、大体公益事業委員会とも話合いを進めつつありますので、そこには意見の齟齬は大体ないはずであります。
○早川委員 それはおかしい。それでは公益事業委員会が新聞に発表していることは根拠がないのですか。
○松田政府委員 ただいまの、電源開発を今後どういう機構で進めて行くかという問題につきましては、ただいま周東長官の方からもお話がございましたように開発の規模によりまして、いろいろな方向を考えなければならぬと思つております。ただ最終の決定と申しますか、政府全体としての方針を決定していただくところにまでは、今日まだ至つておりません。近く経済閣僚懇談会その他で公益事業委員会の考え方をさらに御検討を願えるかと思つておるのでありますが、公益事業委員会といたしまして一応考えておりますことは、電気事業再編成の本来の趣旨から申しまして、また従来のいわゆる純然たる国策会社のやつて参りました成績等にかんがみまして、やはり五体はどこまでも民営という形で行くべきではないか。もちろん只見川でありますとか、熊野川でありますとか、そういうような大電源地帯につきまして、従来の電力会社にそのままそれに專念さすということは、これは実際問題としてむずかしいと思いますので、そういつた際に新しい会社をもつてやつて参るという必要は認めております。しかしながらその形態を、今お話のような形態で行くかどうかということにつきましては、一応委員会といたしましては、やはり民有民営式な性格で行くべきだと思つております。なおその内容等につきまして、具体的に最後的にどういうぐあいにおきめいただくかということにつきましては、十分政府全体として御相談いただいてきめていただく、かように考えております。
○早川委員 私は日本の経済の自立の希望を電力に置いておるものであります。私は、この電力開発こそほんとうに愛国運動でなければならぬと思います。将来の子孫のため、人口の増加に備えて、何をおいても電源開発をやらなければならぬ。私は政府がすでにこの問題を取上げるのが、おそきに失したことをまことに残念に思うのであります。しかし過去のあやまちを、九分割の誤謬を、これ以上責めるのはあまりおとなげありませんから、今後の問題として周東安本長官に伺いたいのでありますが、安本の計画による五百何万キロワツトでありまするか、厖大な一つの水力開発計画が出ております。これをもつてしてもなおかつ、公益事業委員会の資料による年々の需要増加というものと比べると不足するのです。そこでこの安本の計画の根本の隘路は、この企業形態をどうするかということをすみやかにきめることであるとともに、資金の問題、資材の問題が根本であります。終戦後の日本を再建さすものはまず石炭だといつて、超傾斜生産に日本の経済力を動員いたしまして、今度は石炭は一応四千五百万トンまで上つた。すでに着手がおそいのですけれども、水力開発にほんとうに挙国的な力を結集するというのであれば、野党として決して協力を惜しまないものであります。ただその資金計画がどうなるか、私はその点をまずお伺いしていろいろ批判を加えてみたいと思うのであるが、七千億円を越えるその資金をどういう方向へ調達して行くか、うまくやらなければ、電源開発をやつたのはいいけれども、それまでにインフレが高進してしまつて、せつかく電力ができたころには、悪性インフレのためにどうにもならぬというような資金計画では、われわれの念願する電源開発は目的を達しないのです。私はその点をお聞かせ願いたいと思います。
○周東国務大臣 午前中もお話しましたように、大体今計画をまとめておりまして、近く関係閣僚の間で相談をし、公益事業委員会等とも話し会つて最後決定に至るはずであります。従つてまだすぐにお話を申し上げる時期ではないと思います。しかし概していえば、大ざつぱな数字でありますが、大体現在の発電力といいますか、それよりも約百億キロワット・アワー近く増加になりましよう。四百四十五億キロワット・アワーということを目ざして行く、それはロスを考えてです。それに大体六千億円程度のものがいるはずであります。これを一期、二期にわけて考えて、年に千億程度。確定はいたしておりませんが、その中には見返り資金もありますし、また開発銀行から借りる分もありましよう。また資金運用部の資金というものも出て参ります。それと、民間資金の幾ばくかがこれに加わつて参ります。まだ具体的な最後決定に至つておりませんから、詳細は適当な時期に申し上げます。
○早川委員 まことに残念なのは諸外国の電源開発に比べて終戦後非常に差があるのです。西ドイツに対しても、けさほど述べたように非常に差がある。ところがもうすでにこの電源問題が朝日新聞の輿論になり、毎日新聞の輿論になり、読売新聞の輿論になつた後も相当日数がたつておるのに、まだ資金計画も、あるいは開発の方式もきまらない。まことに残念です。しかし私は周東さんにお伺いしたいのでありますが、今見返り資金と申しましたけれども、なるほど二百五十億円の見返り資金を本年度の補正予算に組んでおります。本日の新聞によると、この二百五十億円の見返り資金すら、これはわずかに百三、四十万キロワットの公益事業委の案のための費用です。今言われた安本の五百数十万キロワットをふやす案とは別個の問題です。実に低い。とても日本の経済自立に役立たない。電源開発に対する資金においてすら、ドツジさんが参つて、いろいろこれがまたややこしくなつて来ているということを聞いて、私は電源開発問題の前途を楽観するものではありません。この点はどうでございますか。
○周東国務大臣 私は、新聞に出ておることにつきまして、一喜一憂はいたしません。電源開発というものは、すべての産業の基礎であり、日本に対する経済協力について、いろいろ話合いが進められているときに、電源というものが確保されなければ、生産の増強は望めないということは、おのずから懇談すればわかると思います。ことしはえらい少いとおつしやるけれども、すでにその額というものは、百億はもう済んでおる。今度新しく出すとすれば、新規着手のものであります。初め百五十億でそれが今度百億になつた。それは投資済みであります。今度新着手のものをできるだけ早く着手しなければ、完成もおそいわけでありますが、その資金として百億を出すことにきめたわけであります。いろいろ新聞に出ておることは、必ずしも真を伝えておりません。私はそれだけで一喜一憂はいたしません。もちろん将来の問題として、こういうことをそれぞれに強く遂行して行く形においては、他の産業に優先させるということは起ります、多少の影響は起るということはあるかもしれません。しかし少くともあなたの御指摘のように、だからできぬだろうということを言うよりも、われわれはこれをやつて、そうして他の経済の復興に資するということの行き方を考えております。
○早川委員 大言壯語はだれでもできます。大きいビルデイングは、最初のれんがの一積みから仕上げて行くのであります。私の申したのは、わずか百十何万キロワットの、公益事業委員会の、新情勢には全然マッチしない計画においてすら、この見返り資金の百五十億円が問題になつているということを、深憂のあまり私は安本長官に質問したのであります。これすら心配である。しからば六千億、七千億円に上るこの大電源開発というものは、よほど今からそれに対する準備を、資金的にも、あるいは政府の施策においても、しなければだめだということなのです。そこで私は周東さんにお伺いいたしたいのは、結局電源開発資金というものがたくさん出ることは、ほかの産業の資金に対して圧迫を加えることになる。見返り資金においてしかり、市中銀行においてしかり、ほかの産業ができなくなつて行くということであります。そこでその負担をあえてするという腹、これはけつこうです。私もそこまでやれというつもりではありますが、さらによりいい考え方というと、これはどうしても財政資金でまかなつて行くという方法の方がよりベターです。私はそういう意味で先ほど大蔵大臣に、あまりにもポケツトのレザーヴ資金が多い。預金部資金、見返り資金を合せますと、驚くなかれ千七、八百億円の金が遊んでおるのです。金融の方はオーバー・ローンで一〇二%の貸越超で日銀の方は再割引が三割に上つておる、こういう財政と金融の不均衡というものが、私は今の日本の経済の一つのひずみになつておる、これにお気づきにならなければならぬ。そこで私はこういう電源開発の資金は、相当な部分を財政資金によつてまかなつて行くというのでなければ、ほかの産業を圧迫し、インフレを起すと思う。そこで周東安本長官にお聞きしたいのは、これは来年度の問題じやない、補正予算の問題です。公聽会でもいろいろ補正予算についてそういうものにしないであの遊んでおる金を電源開発の方にぶち込むような補正予算にしろという意見があつて、私はそれに同感なんです。私たちの主張がそうだつたのです。この点は一歩前進しませんか。
○周東国務大臣 補正予算においては、ただいまの見返り資金の増額ということについて考えておるのであります。そうして来年度以降の計画になるわけでありますが、それについては、お話のように、国の出資による特別の法人ということに対する財政資金の投資もありまするし、先ほども申しましたように、資金運用部資金というもののことも頭に置いて、すべてを計画いたしております。
○早川委員 非常に大きい私たちとの見解の相違です。来年度やる。われわれはもうすぐにかかれという意向でありますが、これはまた予算の審議の過程において現われる見解の相違でありまするから、これ以上論議をすることはやめたいと思います。 さて恒久的な電源開発の問題は、長くなりまするから、その程度にいたしまして、とりあえずの電力緊急対策に関して、私は若干の時間をひとつ岡崎さん、周東さん、松田さんにおさき願いたいと思うのであります。のど元通ぎれば熱さを忘れるといいますけれども、あの一時の非常な危機が過ぎて、少しまた熱さを忘れておるのじやないかということをおそれるのであります。そこであのときの電力危機のいろいろな原因を探究してみますと、根本においては九分割がいけなかつたのです。分割するのであれば、せいぜい五分割であるべきだつたのです。この点は今後考えなければなりません。 次には公益事業委員会との責任の所在の不明確です。この公益事業委員会というものは、一体どこに監督されているか、わけがわからない。小坂委員長の言う通りです。これは法的に疑義がある。しかしそれはいいといたしましても、一番の根本は安定本部と通産省と公益事業委員会との、この連絡の不十分でございます。私はそれを具体的な例をもつて申しますと、公益事業委員会の松本委員長は、記者会見のお言葉をそのまま申しますと、こういうことを言つておるのでございます。初めの公益事業委員会は、発電用石炭は年間六百五十万トンどうしても必要だといつておつたのに、安本は五百五十万トン以上はいらないはずだといつて反対した、それが今になつてみれば、実際七百万トン近く使う結果となつてしまつた、電気料金の値上げに反対して、電力会社をまた不健全な赤字の状態に置いているのは一体だれの責任か、電源開発にしても、公益委の、需用が年に一割を増すことを前提としてつくつた案が正しいことが証明されたじやないか、怠慢の責任こそ通産省と安本にある。と語気鋭く記者会見で言明しておるのであります。私はこの公益事業委員長の言葉を聞いて、電力をあすこまで麻痺せしめて、生産を五割近く大阪その他東北で落した責任は、安本長官にあるということを、私はこの言明で知つたのでありますが、この石炭の問題はどうですか。
○周東国務大臣 私は松本さんがどういうことを言われたかよく知りませんが、そこに書いてある通りだとすると、数字を少しよく御存じないのじやないかと思います。実際上の今年二十六年度の火力用石炭というものは、大体六百五十万トン近くが計画されておつた。下期は四百七万トン、上期にはちつともいらないという大体の予定で、下期は四百七万トンです。これについては、大体順調に来ておつた。問題は水力の異常渇水によつて起つた二〇%ぐらいの減、それと生産が極度に増強して来たために不足する九%、これが問題なんです。この水力の異常渇水による不足を補うために四百万トン近くいる。従つて本来、そういう事情をよく御存じならそういうことは言えないはずです。それでずつと平水における状態をとる。しこうして火力発電を補うために六百万トンもいる。それが大体順調に進んでおる。しかも下期四百七万トンというものは、石炭の四千五百万トンの計画の中に、火力用石炭として織り込まれた数字です。しこうして四千五百万トンというものは、大体八月ごろまでの状況からいうと、それを上まわるだろう。そこで水力異常渇水が来た、そして水力の異常渇水によつて起る二〇%の減、生産の異常な増強によつて九%の不足が来た、これと一緒になつた。これをどう補うかということが問題です。
○早川委員 松本公益委員長の方が結局責任者——罪人になつたようなことになつておりますが、松本さんはおらぬから松本委員長の名誉のために、私は周東さんだけの御意見がはたして正しいかどうか、これは疑問だと思いますが、保留します。結局この問題はその後あなたが中心になられて、公益委員長、大蔵大臣が電力問題のいろいろな機構をつくろうという動きが進んで参つた。私は今の電力事業というものを、この危機の底から生じた必然的結論であると思つて注目しておるのであります。今後ともこの問題は公益事業委員会だけではいけない。これ自体が問題である。さらに安本と通産大臣の総合調整が必要なんだ。これができておらぬ。そこでだれが悪い、これが悪いという責任のなすり合いになつている。総合的な電力対策機構をつくろうという案はどうですか、その後どういうように進んでおりますか。
○周東国務大臣 私は決して松本さんの責任だとかなんとか申し上げておりませんから、その点誤解のないように事実を申し上げます。今御指摘のように、電力というものは、割当から供給についての責任は公益事業委員会にありますが、しかしこれは政府の一つの機関である、従つて私どもは産業の立場から全体を通じまして、どこに責任があるかということよりも、全体よく連絡しまして、緊急の対策を遂行し、恒久の対策を確立するという線に沿うて今案を進めております。今関係各省並びに公益事業委員会等の共同の懇談会等は継続しております。
○早川委員 責任がどうこうというのでありますけれども、今の官界なり政府において欠けているのは責任問題なんだ。国民はこの不手ぎわのために、企業がうまく行かないために、損失したものはたいへんな額であります。そういう意味で松本さんの責任問題すら起つておる。そこで私はかく言つたのであつて、松田さんにその代理を勤めてもらうのは気の毒でありますからこれ以上責任問題の追究はやめます。 そこで今言つた調整の方向に進むことを希望するのでありますが、もう一つ私は岡崎官房長官にお聞きしたいのは、せつかく公益事業委員会ができて、あの強制的な融通命令の規定があるのです。さらに石炭がないときには、臨時物資需給調整法によつて強制出荷の道があるのです。それをあれやこれや言つておる間に、そういう融通ができないために、いろいろな事業が甚大な被害をこうむつておる。ところがそれを発動することを躊躇してますます被害が大きくなつたという。この政府の不決断——インデイシジヨン、これが問題であります。今後この電力危機が冬場の渇水期は本格的になつて行くのであるから、この貴重な体験を生かして、たとい再び——今も危機ですが、もつとひどい状態が来ても、なおかつ九分割案による電力の不融通な状態をうまく融通さすための電力危機対策を、経験を生かして愼重にお立てになつておるかどうか。これはこの前の実に苦い経験からお聞きしたいのであります。
○周東国務大臣 ごもつともな御質問であります。これに対しては、私どもは少々雨が降つたからということで、少しも手をゆるめておりません。雨が降つて五、六日よけい水がたまつたくらいの話で、渇水期に入る今日においての対策の手をゆるめておりません。今のお話の融通命令をなぜ出さないかということであります。これにつきましては、今後の事態におきまして必要がある場合においては、公益事業委員会委員長において融通命令を出すべきだ、こういうことで話をしております。向うもその場合においては考えるということになつております。 それからもう一つは、電力の優先出荷ということの命令をするか、こういうお話であります。これもごもつともであります。必ずしもこれをやらなくても、実はそれに似たような強行手段をとつております。というのは、これは通産省の大阪通産局長あたりが率先して、資源局の次長まで出まして、ほかの仕向地の産業に送られている石炭を、とにかく話合いとはいえ、電力会社に集中する策をとつております。そして大阪にもと一万三千トンくらいしか貯炭がなくて、七千トンくらいたく能力があるとして約一日半であつたが、今日は大体十日分もたまつております。その手はなお続けて行くつもりであります。 そのほかに増炭として、各石炭業者に協力を求めて、中小炭鉱等に資金の融通をいたしまして四十万トンを出す。その他に必要な相当量の——これは数字はお許しを願いたいが、相当量の輸入の確保の道をつけております。それから一部はどうしても石炭を重油に転換するということで、この方もきまつているものは、十万五千キロリツトルの電力用重油の輸入です。十—十二月で九万キロリットル、これを使うということになると、石炭の倍の能力になります。これで約十八万トンの石炭に当る重油を使う、こういうふうな処置をつけつつあるのであります。 もう一つは、従来一番問題になつておりました自家発電というものに対する協力を求める。これが従来できなかつたことは、御承知のように自家発電をやれば少し高くなる。それで能力があつてもやらないということになる。これも公益事業委員会と話して、自家発電を行つた当事者が、自家発電量を増加したために、買電の量を節約し得たという場合の数量に対しては、委託発電の形式——買電の形式をとつてもらう、こういうふうに自家発電の方面を強力にやらせて、でき得る限りの許可をするという方法をとつておりますが、ざつくばらんに申しまして、それらの計画がそのままに進んで三月まで行つたとしても、先ほど申しましたように二九%の減に対して十六、七パーセント不足する。こういうものに対しては融通命令なり、また節約しなければならぬ場合においては、均等の節約をさせるような形をとるように今相談いたし、準備を進めているということだけは御承知願いたいと思います。
○早川委員 農林大臣はどうしました。
○西村(久)委員長代理 農林大臣もGHQのスケンクさんのところに行つておりまして、まだ帰りませんから……。
○早川委員 一応電力問題はこの程度で終りますので、給與関係の大臣並びに專売公社の総裁を呼んでいただきたいと思います。それまで私は保留します。 〔西村(久)委員長代理退席、委員長 着席〕
○小坂委員長 川島金次君。
○川島委員 若干時間があいたようですから、その間安本長官に少しく物価の問題を中心としてお尋ねをしておきたいと思います。 大蔵大臣は本補正予算を編成するにあたりまして、安定と能率と発展とを財政基本政策としておるということを言明されたのであります。われわれの観点から申し上げますと、はたして現内閣の、ことに池田大蔵大臣の財政経済政策というものが、言うがごとく安定と能率と発展という基本政策に適合しておるかどうかということについては、非常な疑問を持つておるものであります。ことに政府は八月に米価の引上げを行い、今回はさらにまた鉄道運賃の、旅客においては二割五分、貨物運賃においては三割という、近来にない大幅の値上げを実行することになりまして、きのうからその実施に入つたわけであります。この間においてさらに電力料金の大幅な引上げが実施されております。一方郵便料金はこれまた最低四割という大幅な引上げであります。しかもその上に問題は、政府は来年の四月からでき得べくんば主食の統制の撤廃を断行して行くという方針のようであります。この統制撤廃が実施されますと、国民生活の基幹である主食の市場価格というものは、相当大幅に引上げられるであろうということは、政府みずからもこれを認めておるところであります。こういう一連の物価引上げを実施いたしますことは、これがいずれも国民生活にはね返つて来て、またそれが工業生産のコストの方にも響いて、それがさらに一般物価の騰貴を誘発するということは、きわめて明白な事実でないかと私どもは考えるのであります。このように政府は一種のインフレ誘発政策のような形を実施いたしております一面に、公務員の賃金ベースはきわめて少い引上げにとどめておこうという考え方にあるようであります。しかしこのような物価政策を実施いたしますれば、必然に公務員の生計にそれが大きな影響となつて、再びさらに給與の引上げを行わなければならぬという、いわゆる物価と賃金との悪循環がここに再び展開されるのではないかという懸念が十分にあるのでありますが、この一連の問題に対して、安定本部長官はどのような見通しと確信のもとに立たれておるか。もしこれ以上の物価と賃金との悪循環がないのだという見通しでありますならば、そのないという科学的な根拠を、われわれに納得のできる程度までに御説明を願いたい、こういうことを要求するものであります。
○周東国務大臣 お答えいたします。八月における米の消費者価格のみならず、電力料金の値上げ、最近における私鉄、国鉄ともに運賃の値上げ、それから郵便通信費の値上げという問題について、これがどう影響するか。このことは必然的に生活費に及んで、国民の生活を圧迫しないかというお尋ねでございます。御心配まことにごもつともであります。しかし私どもはこれらの米、電気、ガス、水道、通信、運賃等における値上りは大体織込み済みでこのベース・アップと減税の問題を考えて来たのであります。資料を差上げるとよろしいのですが、大体今申し上げましたようなものの値上げ各個について考えますと、今手元に資料はありませんが、大体直接に関係するものとしては四・五%くらいだつたと思います。それが今度税金の引下げということによつて浮きます減税額と比較しますと、直接関係における影響というものはむしろない。そして多少減税の方が大きく残つて来るという形になつておるはずであります。但しこれはあなた御勉強なさればすぐわかるのだが、電気料金を直接消費者に與えた場合の考えであります。そのほか間接的にすべての生産それ自体における電力料の値上げが、どういうふうに上るかということを考えてみますと、約六%くらいになるはずであります。そうすると差引一%くらいの生計費の上昇でありますので、大体今度のベース・アップ等から考えてしのげるのではないか、かように考えております。従つて今申し上げたような物の値上げそれ自体から、ただちに生計費の圧迫になる、工業賃金等の増高というような悪循環が出て来るとは考えておりません。
○川島委員 長官は政府の立場に立つておりますので、なるべくならば、そういう物価と賃金との悪循環がないんだという説明をしたいという気持はよくわかります。しかし、したいということと、そういうことがないであろうということを期待するという、希望と現実とは少し違つて来るのではないかという考え方をわれわれは持つのです。論より証拠、ここ二、三年の物価、賃金、生産をひつくるめた全体の経済財政を見ましても、生産が上れば国民の生活が安定してインフレもとまるであろう、物価も安定するであろうと一般的にはいわれ、それが期待され、また希望されておつた。しかし最近政府がしばしば言明される通り、生産は比較的順調に上昇の過程をたどつて来ておる。しかしながら国民生活は、その生産の上昇と並行しての安定の度合いというものは見ておらない。しかも一面において生産が上昇したにかかわらず、物価はそれと並行して逆に上つて来ておるという現実であります。そしてその現実から受けて、一般の勤労大衆の生計というものが、逆に生産が上りながらも、かえつて苦しい形に追い込められて来ておる。そこでまた公務員の給與べースを引上げなければならぬという現実が起つて来ておる。しかも公務員の給與ベース引上げの政府原案は、過般人事院があらゆる條件を検討調査しまして、これがぎりぎりの最低だという一万一千二百何円かの下を行かなければならぬような、政府の引上げ程度にすぎないという状態であります。しかもその上に、ただいま申し上げましたように、政府は四月一日からもし主食の統制を廃止いたしまするならば、これは当然に米価が上つて来る。米価が上つて来れば、当然産業方面におけるところの生産コストの上にも大きな影響があるのみならず、国民の台所に直接大きな影響を與える。ということになれば、必然的にそれはさらに今日以上の物価騰貴を誘発することは、これは政府がいかに説明されましても、明白な事実でなければならぬとわれわれは思うのでありますが、それでもなおかつ政府は、この運賃の値上げ、郵便料金の改訂、米価の八月以来の引上げ、電力料金の改訂を大体の終点として、もはやこれ以上明年に入りましても物価は上昇しないという見通しと確信が、政府はあるのかどうかということが、私のお尋ねした重点であります。この点についてもう一度安本長官の明白な見通しと確信を、われわれの納得の行くような形において説明を願いたいと思います。
○周東国務大臣 ただいま答弁いたしましたように、八月値上げした米、ガス、電気、水道、運賃その他のものについての値上りは、今度の減税と見合つて、大きな影響を生計費に及ぼさないということをまず第一に申し上げましたが、しかし今お話のように、昨年の朝鮮事変以後における内地における物価の上昇率は、御承知のように生産財において五割くらい、消費財において二割四分というように上つておりますが、しかし私は、このこと白旗がただちに悪性インフレーシヨンの形になつて、国民生活を圧迫したとは思いません。その理由は、主としてこの値上りの原因というものが、生産資材等について見ましても、外国から輸入する原材料の価格の騰貴による影響が一番大きいのであります。しかもその間においては、国際的に軍拡競争が行われて価格が上つたということと、運賃の関係ということもありましよう。しかしこれだけ上つていたにかかわらず、終戰直後に見るがごとき、三月おきくらいにおける賃金と物価との悪循環による値上げ問題というようなものが起らなかつた原因はどこにあるか。これは大きく考えて、その当時における物価と賃金との悪循環の形と、今日そういうことが起らない二つの相違点は、明らかに今はインフレとかいうようなことになつていないということです。ということは、終戰直後における二、三年の問題は、生産されるべきものがなくて、そして賃金がふえたということであります。その当時は何と申しましても、各国における日本に対する信用の度合いといいますか、友好の度合いが進まないときでありますから、何としても必要なものは日本に入らなかつた、ストックを食い延ばすだけでありました。従つて物が足らぬし、物が上る、それを買うために賃金も上げる、上げてみたところでいつまでたつても物がふえぬから、これは悪性インフレの極端な事例でありまして、そこに物価と賃金の悪循環を来した適例を見るのであります。この二、三年の間、生産財において五割くらい、片一方は二割四分上つておつても、そういうことが起らなかつた理由はどこにあつたかということを、二つよく区別しておかなければならぬ点だと思います。私どもはそういう意味合いにおいて、物の生産ができておつて、しかもそれに対して物価の上り方の原因というものは、現在外国に仰いでおるというところに大きな理由があるということを、まず認めて行かなければならない。そういう意味合いにおいて、そういう原因があるからといつて、ただちに悪性インフレになつて、御心配のような賃金と物価の悪循環は、すぐには起らないじやないかと私は思います。しかしながら問題はそれだけでは納まらないのでありまして、どうしてもこれは外に向つての関係において物価を下げなければ、生産も伸びない、必要な原材料も確保できないから、国際物価に近づけるということは、これはやはり努力して行かなければならぬので、むしろそういう面であまり上り過ぎては困るという関係が起つて来ると思います。これにつきましては、この間申し上げましたように、やはり原材料の低位なところから獲得するという意味において、供給地の転換をはかるということであります。あるいは思い切つて企業の合理化というものをやつて、コストの引下げということを努めなければならぬ、かように思つております。こういうような面から、それらに対処して行くということが必要であることは私も認めますが、値の上ること自体をとらえて、すぐに生活を圧迫するというようなことにはならぬじやないか、かように考えております。
○川島委員 私はこの政策が明日ただちに悪性インフレに入るのだという意味ではなくて、そういう糸口に入るのではないかというきざしを感じますので、お話を申し上げたのであります。そこで先ほど長官も言われ、また従来しばしば大蔵大臣からもお話があつたのですが、一方に物価が上つた、しかしながら一方においては相当物価の値上りを吸収するに足ると思われるだけの減税をしておるから、勤労大衆の生計への圧迫はそれほどひどいのではないのだ。こういうふうな説明をしておりますが、これはなるほど一面においてはそういうことに該当する層もあると思う。しかし今の日本の状態では、税金を払いたくても払えぬ、また税金をとろに足らないところのいわゆる貧困な階層というものが国内におそらく一千数百万、人数にすればおるのではないか。明細にあげれば、あるいは二千万人ぐらいおるかもしれない。この二十万人にも及ぼうと思われるところの、税金の対象から除外されておりまするところの貧困な人たち、これらの人たちは物価の騰貴によつて減税という措置がないのでありますから、この大衆の生計というものが著しく圧迫されるであろうということは、間違いのない事実であろうと思いますが、そういう方面に対する政府の配慮というものがほとんどされておらない。こういう事柄についてはどういうふうに長官は考えておるか、この点についての意見を伺います。
○周東国務大臣 御指摘の点はごもつともでありまして、これに対しては、政府も今度のベース・アップあるいは減税との関係と並行して、生活保護費の増加をいたしております。
○川島委員 何か交替の要求があるようですから、私は一応これで……。
○小坂委員長 早川崇君。
○早川委員 岡崎官房長官並びに專売公社の責任者及び大蔵省の主計局長、三人にお伺いしたいと思います。 今度の補正予算によりますと、公務員千五百円の給與引上げが盛られておるのであります。この問題は人事院勧告の線まで持つて行くべきでありますが、昨日の大蔵大臣の御答弁では、今の財政状況が許さない、こういう御答弁でありました。ここまではまあ一応議論になりまするから、われわれは人事院勧告までやるべしという意見でありますが、これはこれといたしまして、問題は国鉄と專売裁定の問題でございます。特に国鉄の場合には調停案が一万八百二十四円、これが四月遡及になつております。ところが政府案によりますと、八月以降実施ということになつております。さらに專売裁定は、一万四百円の裁定が十月の十二日に下されました。ところが本予算によつてこの專売裁定と比較いたしますと、千五百円ベース・アツプでは九千三百二十四円よりならないのであります。その間きわめて大きい開きがあるのであります。私はこの国鉄あるいは專売のような公社方式をとつておる職員は、現場職員として、当然一般公務員と同様一律の扱いをする必要はないのであつて、もしこの公社なりあるいは国鉄その他でやりくりをする資金が出て参りまするならば、当然この裁定案にまで引上げるべきが至当と思うのでありますが、その点に対する官房長官の御意見を承ります。
○岡崎政府委員 政府もいろいろその点では考えておりますが、これは一律には行かないものだとわれわれは見ております。というのは、そこに働く人人の年齢だとか経験だとか、いろいろのものがあります。これは專売とか国鉄とかいうものは別にしまして、たとえばある裁判所のごときは平均給與が非常に高い。それは大体四十歳以上の人ばかり働いておる。しかもちやんとした学歴を持つた人ばかりだからというようなこともありますし、專売の方だと、まだ非常に年の若い者でもつてやつて行かれる、そうすると平均給與というものは非常に低くなるというようなことで、こまかいことはここに主計局長もおられまするから説明させますが、その給與の相手方の実態を見てみないと、一律には行かないと思います。過去におきましても、昔の專売局でありますが、その当時の平均給與と鉄道職員の平均給與とは、やはり一定の差額がずつとついて来たようであります。これはわざとつけたのではなくて、自然そういう差額がついて来る、こういうことがあるのであります。そういうふうで、政府としてはすべて一律に考えるわけには行かないと思うのであります。
○小坂委員長 この際ただいまの質疑に関連して、森山委員より関連質疑を行いたいという申出がありまするから、これを許します。森山欽司君。
○森山委員 專売裁定につきましては、昨日大蔵大臣から、また本日官房長官から御答弁があつたのでありますが、要するに公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定によつて国会の議決を求める、そして公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定によつて、これを予算上不可能とお認めになつて国会に出されたわけであります。公共企業体労働関係法第十六條第二項の規定については、さきに国鉄裁定の際、非常に法規論争として大問題になつたところでございます。いまさらこの論争をむし返そうとはいたしませんが、ともかく不可能であるということの考え方について、ひとまず御説明願いたいと思います。
○岡崎政府委員 これはこの前今おつしやつたようにいろいろ法理論がありまして、とにかく今予算に組んである、その組んであるのが予算上可能な範囲であつて、それ以上はこれをかえなければいかぬ、こういう議論だと私は記憶しております。
○森山委員 これは岡崎官房長官が公共企業体労働関係法をお読みになつておらないから、そういう解釈が出る。ところがお読みになれば、第十六條第二項の「予算上」とは総予算を言つておるのではないのであります。まあ專門家に出ていただい三ひとつ第十六條の第二項の説明を官房長官にお聞かせ願いたいと思います。
○河野(一)政府委員 第十六條第二項の予算上資金上不可能であるか可能であるかという問題でありますが、もし專売裁定一万四百円というものをのみますと、五十二億ほどの金になるのでございます。現在の当初予算におきましては四十一億七千九百万円で、先ほどの五十二億に比べて約九億九千万円不足するのであります。従いまして予算上資金上不可能である、こういうことになるわけであります。
○森山委員 公共企業体労働関係法第十六條第二項の御参説明が官房長官のような意味でありますと、非常に重大な事態が生じますが、今政府委員から御訂正がありました。御訂正の趣旨は、予算上とは当初予算を意味するのである、こういうことでございます。そこで当初予算につきまして何ゆえ不可能になつたかということをひとつ御説明願いたい。
○河野(一)政府委員 裁定をのみますると、先ほど申し上げましたように五十一億何ぼいるわけでございます。予算と申しますのは現在成立しておる予算で、補正予算が成立いたしますればまた別でありますが、その予算ではそれだけの金を払うことができないので、予算上不可能だというわけでございます。
○森山委員 前回の国鉄裁定の際と違いまして、非常に重大な点は、給與総額という概念が入つておりまして、給與に関して流用を許さないということになつております。前回の国鉄裁定の際の予算上可能であるか、不可能であるかという予算は、当初予算の全額を意味しております。今回の予算でありますと、当初予算のうち給與総額というふうに、政府は御解釈になつておるようでありますが、さしつかえございませんか。
○河野(一)政府委員 その通りでございます。前回の国鉄裁定の際におきましては、予算におきまして給與総額の点がなかつたのでありますが、ことしの予算から給與総額というものが專売公社法によつて規定されまして、その予算と申しますのは、給與総額の意味でございます。
○森山委員 それではあらためて官房長官にお伺いしたいと思います。私は政府の十六條第二項に対する解釈については、追つて労働委員会において法規論争をむし返すつもりでおりますけれども、かりに政府の考え方に従うといたしまして、十六條第二項の「予算上」というのは給與総額であるということになります。団体交渉をし、調停、仲裁、裁定と進みまして、ある程度のベース・アップが認められたといたしましても、給與総額で縛られてしまいまして、実際はベース・アップの問題——これは団体交渉の中でも、これを除いたらほとんどゼロに近いほど重要な問題でございますが、こういう重大な問題が全然骨拔きになつてしまう。こういうような考え方は、公共企業体労働関係法として、一般の労働法規とは別個に立法しておる、その立法の精神に反すると思いにならないかどうか。公共企業体労働関係法というものを政府は骨抜きにしようとしておるのではないか、それをひとつ御返事願いたいと思います。
○岡崎政府委員 これははなはだ平凡なお答えになりまするが、むろん政府はそういう考えを持つておるわけではない。ただ現在の法規の解釈を今主計局長の言つたようなふうにしておる、またそういうふうになつておる、こういうことであります。
○小坂委員長 森山君にちよつと申し上げますけれども、関連質問というのはここでは実は一問に限つてやつておるのです。御質疑に対する答弁は必ずしも御満足でないと思うからこれを許しているので、関連質問をいくらやつてもいいという慣例は委員長としてつくりたくないと思つて言つているのです。その点はつきりしておいてください。
○森山委員 先ほどの速記録を調べてみるとわかると思いますが、官房長官の言われるように、骨拔きにするのが政府の腹でないといたしますると、これは政府の解釈の方がちよつとまずいのだというような逆の結論が出て参らないかどうか伺いたい。
○河野(一)政府委員 必ずしも私はそういうようにならぬと思います。予算の範囲内、つまり給與総額の範囲内におきまして、そういう仲裁、裁定があることも予期せられるのであります。ことにこの前の、これは裁定まで参りませんで、調停の段階において済みましたことでありますが、これは今年の五月ごろでございます。その場合におきましては人を減らしたり、あるいは超過勤務手当から流用するとか、能率を上げて人件費を節約して給與の増額、実質的た單位当りの額を増す、こういうようなこともあつたのでありまして、決して公労法の精神に反してこの運用が行われておるとは考えません。
○森山委員 私はできるだけ簡單にやりたいのでありますが、政府委員の御答弁が少しひねくれますので、もう少し申し上げます……。
○小坂委員長 なお他に労働委員会もありまするし、大蔵委員会の機会もありましようから、大体あなたの見解だけはつきりさしておいて、他にも政府委員並びに説明員が来ておりますから、その方向で進めてもらいたい。
○森山委員 もう一つだけ河野さんにお伺いしたい。河野さんのお話ですと、他にも団体交渉の対象として、政府の今の解釈に縛られないものがある。確かにございましよう。しかしそれは量においてわずかであるばかりでなく、団体交渉の質的比重からいえば非常に小さなものなんです。質的比重の有する、しかも量的比重の最も大きな問題が実際に骨拔きにされるような運用をされるとすれば、これは公共企業体労働関係法というものを骨拔きにしようとしておると断言して大体さしつかえない。さもなければ岡崎官房長官の言うように、骨抜きにする気持はないからというので、一番最初のようなお考え方にかわつていただけば、すなわち補正予算まで含めて、広い意味の予算上可能であるか不可能であるかというように御断定になりまするならばいいのでありますが、一体どちらが正しいか、官房長官にひとつお伺いをしたいと思います。
○岡崎政府委員 私が先ほど言つたのも、主計局長が言つたのと同じ意味だつたのでありますが、言葉が十分でなかつたわけであります。今主計局長が御説明したと同じ趣旨でありまして、われわれは必ずしもそれが公労法を骨拔きにするというふうには考えておらないのであります。
○森山委員 それでは官房長官にはこの問題についてはこれ以上お聞きしません。ひとつ專売公社の方で十六條第二項の規定をこういう解釈の仕方でやつて行かれたら、公労法の精神が一体生きて行くかどうかという問題について、專売公社側の御意見を伺いたい。これは監理官にお伺いするのではない、專売公社側の曽田総務局長さんがおいででございますから、ひとつ……。
○曽田説明員 お答え申し上げます。ただいまのお話でありますが、御承知のように、私どもの公社といたしましては、給與の決定につきましては法律によつて決定するのではないのでありまして、組合と団体交渉をいたしました結果、労働協約に基いて決定する建前になつております。これは公共企業体労働関係法の第十六條第二項によりますと、ただいまお話がありましたように、労働協約を締結いたしました場合におきましても、また労働協約が締結するに至らず、仲裁委員会に係属いたしました結果、仲裁裁定が出た場合にいたしましても、予算上、資金上不可能の場合におきましては、外部からの拘束力を受けた公社としては実行できませんので、この実行を可能ならしめるような措置を、政府に常にお願い申し上げて参つて来ておるような次第であります。さような関係がございまして、国会におきましてもその辺の御審議を願えればけつこうかと思います。
○森山委員 曽田局長にもう一度質問したい。あなたは私が聞いておることを少しも返事しないで、手続のことばかり言つておるが、手続は聞いていない。そういう政府の解釈で、しかもそれに予算総則の第五條ですか、六條ですか、そういうふうなものが加わつて解釈して来ると、これは公共企業体労働関係法というものは骨抜きになつてしまうじやないか、公社としてはそういうふうに骨拔きになるというふうに考えないかと聞いておるのです。それにあなたは少しも答えないで、むしろ手続ばかり小さな声で言つております。本日は秋山総裁が來られればもう少し毅然たる答えもできると思いますが、あなたは昔大蔵畑にいたために遠慮しておるのではないかと思いますが、そういう官僚的御答弁はやめていただきたい。
○曽田説明員 お答えいたします、ただいま御質問のございましたことにつきましては、先ほど来政府側からの御説明にありますように、本年度の予算からは、確かに予算上資金上可能不可能の場合の予算は、予算総則に定められました人件費の総額ということになつております。これはまさしく客観的な事実でありまして、私どもはそれを中心にして可能、不可能を考えざるを得ないのでありますが、お話のように、さようなことでなくして、現在成立いたしておりまする公社予算全体をこの場合の予算だということにいたしまするならば、公社経営したいへん妙味も出て参るかと思うのであります。
○小坂委員長 それではひとつ川島金次君、関連質問をお願いしましよう。(発言する者あり)あなたは順番が来ておりますから……。関連質問は今申し上げるように要するに関連質問なんで、あなたが單独質問をおやりになるなら、またあらためて申し込んでいただいてやつていただくようにお願いしたいと思います。川島君は関連質問ですから……。またあらためて申し込んでくれませんか。そうしてやりましよう。その方が筋が立ちはしませんか。(「継続中だ」と呼ぶ者あり)関連質問が継続中だということは委員長が判断するのであなたが判断されても困る。——それではひとつ森山君、せつかくあなたのお話ですから、もう少しお続けください。
○森山委員 時間が制約されるようですから、もう少し專売公社側の意見をつきたいのでありますが、一応これをもつてとどめたいと思います。 次に私がお伺いしたいのは、專売公社の職員の給與について、これを国鉄と対比し、公務員と対比され、傾向があるのであります。專売公社の職員の給與というものは、一体いかにあるべきかについて政府の御答弁を承りたいと思います。
○河野(一)政府委員 公社職員につきましては、いろいろ特色があるわけであります。一般公務員からの沿革もありまするが、おのおの特色もあることは事実であります。しかし給與の本質上政府の責任であります以上、それだけの立場を主張するということもできかねるかと思うのであります。従つてその両方の特色をかみ合せて、そこに合理的な給與が生れる、そういうふうに考えておるわけであります。
○森山委員 日本專売公社法第二十一條の規定は、今の河野さんの御趣旨を述べたものでありますか。
○河野(一)政府委員 その通りであります。
○森山委員 それでは專売公社と比較的類似しております公共企業体——公共企業体は現在專売と国鉄と二つあるわけでございます。国有鉄道が一昨日の仲裁裁定の申出を取下げまして、調停案である一万八百円のベースを労使ともに承認いたしました。これとの均衡において、專売公社の今回の裁定はのむべきものでないかと私は考えるのですが、いかがでございますか。
○河野(一)政府委員 私は必ずしも国鉄との均衡においてのむべきものであるとも思わないのであります。御承知のように国鉄職員は一週四十八時間であります。專売職員は一週四十四時間でございます。また職員の構成という点から考えまして、また国鉄については年末手当がないことも考えまして、向うが一万八百二十四円であるから一万四百円になる、そうすぐに参らぬと私は考えております。
○森山委員 私は、時間がないので……。国鉄との対比の問題は、仲裁裁定を申出ておつたところの裁定の申出が取下げられた以上、この際政府としてことさら国鉄との均衡を考える必要は、あるいはないのではないかと思うのであります。 今度は別の問題といたしまして、公務員との問題であります。これは專売公社の場合、公務員と同じくベース・アップを今度はしておるのであります。それでは公務員と全然差がないと思うのであります。一体何ゆえに公共企業体労働関係法というものを労使関係としてつくり、またその前提として従来大蔵省專売局であつたものを、日本專売公社という公共企業体に持つて行き、吉田内閣は再三にわたりましてこれを民営にしたらいいということを言つております。財政上とか国民経済上の理由がなければ、これは大体仕事自体としては民営としてやつて行けるような内容を持つておるのだ、こういう御見解だと思うのでありますが、給與の実態に至つては、これは公務員と同じような取扱い方をしている。一体そういう考え方が、公共企業体、しかもそれがいわゆる独立採算制でやつて行くというような考え方から見ると、矛盾しないかどうかということを承りたいのであります。
○河野(一)政府委員 專売公社従事員とついての給與が、一般公務員に常にならつておるではないか、こういうお話でありますが、これは先ほど申し上げましたように、現在の專売職員の給與というものは、二十一條によりまして、その責任と職務に応ずるものでなければならない。その責任と職務に応ずる給與というものが、どの程度のものであるかということを判断してきめておるのであります。一般職員と全然同じになつておるではないかという御議論に対しましては、私は必ずしもそうは思わないのでありまして、たとえば生産報償金のごときものがある点におきましても、一般政府職員よりは違つておる給與である。私はそう考えておるのであります。
○森山委員 それでは最後に……。
○小坂委員長 関連質問があるそうですが、おなたは初陣だから大いに敬意を表してやつておるのだから……。それではもう一言に願います。
○森山委員 それでは一つだけお伺いしたいのでありますが、先ほど公社の曽田総務局長から、予算全体というような解釈をされる、要するに予算上給與の総額ではなくて、現在の日本專売公社の当初予算全体というふうに考えられれば非常にやりいいというお話であつたのでありますが、非常にやりよいということであれば、給與全体の面、従つて現在の予算を全然動かさない費目の流行をするだけで一体今度の裁定をおのみになれると思つているのであるかどうか、承りたい。
○曽田説明員 お答えいたします。今回の仲裁裁定によりますと、現予算に対しまして約九億、また今回の補正予算案におきます給與改善費から見ましても四億数千万円の不足を来しておるわけであります。しかしながら公社といたしましては、先ほど申し上げましたように仲裁裁定は最終的に公社を拘束いたします関係がありますので、これを実施いたしますために、不足財源につきまして新しく追加していただかなくては実行ができないのであります。さような意味合いから、新規の財源といたしまして、新たに売上げ増收による收入増加をお願いいたしたのであります。(「予備費があるじやないか」と呼ぶ者あり)また今のお話のように予備費の問題につきましては、当時、裁定がありました十二日以後の状況といたしまして、私どもの一番大きな支出科目であります葉タバコの買收購入費とか、あるいはまた災害復旧費といつたような問題につきまして、見通しが立つておりませんでしたので、ただいま申し上げましたような財源でもつてお願いをいたしたわけであります。今日におきましては、多少葉タバコの收納事務も進行いたしました。かつまた最近の災害によります被害の程度も順次判明いたしつつあるのであります。さような観点から申しますると、予備費につきましても、現在のところ若干の金額は融通できるような機運にあるのではなかろうかと存じております。
○小坂委員長 風早君が関連質問があるそうですから、これを許します。(発言する者あり)節度を守つてください。風早君。一問だけ許します。
○風早委員 大体今の問題は、問答の中で明らかになつたと思いますから繰返しません。ただとにかくこれは非常に急いでおる。この全專売の労働組合も連日のごとくに実際陳情に来ておる。この陳情の資料もあるわけであります。すでに問題の解決点も、実際問題として解決点が出ておると思うのです。今もいろいろ委員の中から発言がありますように、この予備費の二十億円のうち実際今まで何に使つたか。葉タバコあるいは災害その他ではありますけれども、まだ明らかに四億九千万円というものは残つておるはずです。今四億円さえ出せば問題は一応解決するわけであります。そういう点でこれはぜひとも——この法律の問題の再検討は一応別としても、この際実際できることでありますから、この点を政府としては十分にお考え願いたいのであります。この予備費の残額が今実際に幾らで、そうして四億円というものは出せるのだということは、政府が責任をもつてお答え願いたいとわれわれは切望してやまない次第であります。
○池田国務大臣 予備費があるから裁定をのんだらどうかということでございますが、この予備費は裁定とかなんとかいう問題ではないので、專売事業関係の予備費でございます。裁定をのむかのまぬかは、予章の総則に載つております給與総額できまつておるのであります。予備費が幾らありましても、給與総額をかえない以上は裁定をのむわけに参りません。
○小坂委員長 風早君。一問というお約束ですから……。
○風早委員 それはやはり先ほど官房長官も言われ、また主計局長も言われたように、要するに公労法の精神にはのつとりたいということでありますから、結局問題を具体的に解決ができればいいわけです。池田大蔵大臣は年中予算の流用、転用、こういつたことはきわめて円転滑脱にやつておられるわけであります。この際ばかり、しやくし定規な解釈はちと受取れないと思う。こういうことをひとつお考えになりまして、私はもうこれ以上ここに立つことはできませんから、これは十分に考えていただきたい。その点だけをひとつお願いしておきます。
○池田国務大臣 私は專売公社を監督しておる立場でよく事情は存じております。しかし公労法並びに予算総則というものは、大蔵大臣ははつきり守らなければいけません。
○小坂委員長 森山欽司君、あなたは非常に御熱心で、もう一問質問したいとのことですから、特にこれを許します。
○森山委員 実は私は現在の日本における最大の財政家であられる池田大蔵大臣に、ひとつ将来の宰相の器としての大きな政治的な御飛躍を願わなければならぬのではないかと思います。もちろん公共企業体労働関係法第十六條の二項の法理解釈とか、あるいはその他予算流用の問題とか、いろいろの技術的な問題はございますが、しよせんこれは議論の末でございます。ただ公共企業体労働関係法というものができ、また従来の專売局から日本專売公社という公社制度のもとに一昨年でございましたか、出発いたしました。この公社の実情から考えまして、ともかく労働者の立場からはストライキは認めないけれども、団体交渉権を認め、それに仲裁とか裁定とかそういうようなある程度手続を認めておるのであります。一方においてストライキ権を奪つたのでありますから、他方においてできるだけこの裁定の線を尊重してやるという意味において——これは補正予算の、予算の総額をかえない範囲内でできるところの修正であります、あるいは訂正であります。こういつたことをひとつ高度の政治的な見地から御実現できないものかどうかと私は思うのであります。特に私が心配いたしますことは、これは決して私は大蔵大臣に不逞な恫喝などをいたすのではない。ただ公共企業体労働関係法の中に認められておる範囲内における合法闘争によりまして、たとえば休日勤務をやめる、あるいは超過勤務を拒否するというようなことによつて、たつた一日で三億や五億の金はふつ飛んでしまう、こういうようなことを考えますならば、この際この仲裁、裁定をのんでやるということが、私はきわめて高度の政治性の現われであると思うのであります。そればかりではなく、今国会の審議におきましても、こういつた問題を従来の予算委員会の大波の中にもみ込んでしまうということは、まことに残念だと私は思う。しかも予算委員会でこれをもむだけでなく、おそらくこれを政府がお認めにならないということになると、全国会を通じて、すなわち衆議院、参議院を通じて、この問題を最後までもみ抜くのではないかと思う。私はこの際池田大蔵大臣が高度の政治性を発揮されることによりまして従来の行きがかりにとらわれず、ぜひともこの裁定の線をおのみ願いたいと思うのでございますが、いま一度池田大蔵大臣の御見解を承りたいと思いますとともに、またお願いいたす次第でございます。
○池田国務大臣 昨年の四月一日からかと思いますが、法律がかわりまして、それまでは公労法第十六條第一項の予算上資金上の問題がありまして、国鉄の第一回の裁定のときには非常な議論があつたのであります。しかるところ昨年の四月一日から四十三條の第二項かと思いますが、これが働き出しまして、これは予算の総則によるほかにないということになつたのであります。しかしてそういう規定になつたが、予算の総則をかえればいいじやないか、こういうことであります。いかに高度の政治性を発揮いたしましても、先ほど来主計局長が答えましたが、專売公社自体の状況、ことに五、六年前から考えてみまして、專売公社の職員の給與の上り方並びにその構成の状況をつぶさに検討いたしまして、国鉄との関係、公務員との関係——私は自分の所管のことでございますので、ほかの所管でももちろんでございますが、特に高度の政治性を発揮すべく、あらゆる考慮をめぐらしたのでありますが、今補正予算で御審議願つておりまするように、四十七億何ぼというところで行かざるを得なくなつたのであります。(「四十二億円だ」と呼ぶ者あり)四十一億円何ぼというのは当初予算でございます。今度補正によりまして、四十七億幾らになります。しこうして五十二億円とはまだ開きがあります。しかし予算が通りましたならば、今労働委員会の方に出ておりまするあの議決を求めるの件の数字を、四十一億何ぼを、四十七億円とかえる考えでおるのでございます。どうぞそれで御了承願います。
○小坂委員長 川島金次君、質疑を続けられますか。
○川島委員 本日はもう時間もおそくて、ぐあいが悪いので……。
○小坂委員長 それでは本日はこの程度にとどめまして、明三日は文化の日、明後四日は日曜日でありますから休むことといたしまして、次会は十一月五日午前十時より委員会を開会して質疑を継続することといたします。 これにて散会いたします。 午後五時九分散会