郵政委員会 第7号
- 発言数
- 148 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/11/27
会議録
○飯塚委員長代理 これより会議を開きます。 池田委員長がお見えになりませんので、私が委員長の職務を行います。 昨二十六日本委員会に付託になりました郵便振替貯金法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。まず政府より提案理由の説明を求めます。
○佐藤国務大臣 ただいま議題となりました郵便振替貯金法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由の御説明を申し上げます。 この法律案は、郵便振替貯金に関する料金の引上げを行い、最近における人件費及び物件費の高騰に伴う経費の不足を補うとともに、払出し金額の制限額を引上げて、利用者の利便をはかろうとするものでありまして、その内容は次の通りであります。 第一は、払込み、振替及び払出しの料金と払出し証書の再交付の料金を改めることであります。その引上げ割合は総体において約二割四分となつておりますが、なおこの機会におきまして料金体系の合理化、簡素化をはかることといたしたのでありまして、部分的には引下げとなるものもあるのであります。 第二は、料金の免除及び低減に関する規定を改めたことでありまして、従来加入者が自己の口座に払い込む場合には、通常払込みの料金は免除し、電信払込みの料金は一般の料金よりも低減しているのでありますが、この規定を悪用して料金の免脱をはかる者がありますので、これを防止するため、この料金の免除または低減は、加入者があらかじめ指定した一つの郵便局においてする払込みの場合に限ることといたしたのであります。これと関連いたしまして、取扱いの便宜上、加入者が自己の口座に払い込む場合の料金は、すべて加入者の口座から徴収することといたしたのであります。 第三は、払出し金額の制限額の引上げでありますが、現在口座加入者が払出しを請求するために差出す払出書の金額は、原則として一枚につき一万円までとなつておりますため、一万円を越える払出しについては何枚も払出書を書く不便がありますので、払出書の金額は別に制限しないこととし、また払出しの請求によつて口座所管庁から発行される払出し証書の金額は、現在払出しと同様一万円となつておりますのを、現下の経済事情にもかんがみ十万円に引き上げることとした次第であります。 以上が、ただいま議題となりました郵便振替貯金法の一部を改正する法律案の内容でありますが、何とぞ十分御審議の上すみやかに可決せられますようお願いする次第であります。
○飯塚委員長代理 これより質疑に入りますが、質疑は通告順によつてこれを許します。受田新吉君。
○受田委員 この法律の実施は十二月一日となつておりまするが、ただいま郵政大臣の提案理由の御説明で、一応この改正の趣旨は了承したのでありまするけれども、これを実施するのにあと三日しかありません。十月の末に、非常に差迫つて御提出に相なつた郵便貯金法とか郵便の料金の改正案につきまして、周知期間がなくして第一線が非常に困つた事実が、現実になまなましい実例としてここに現われておるのでありまするが、これを実際に差迫つた、あと四日後からの実施ということで、実施する上に支障はありませんか。周知期間を置く必要はありませんか。お尋ねをしたいと思います。
○佐藤国務大臣 しごくごもつともなお尋ねであります。本来会期の終りに近づきまして、この種の法案を提案いたしましたこと自体、私ども当委員会並びに国会の皆様方に対して、たいへん申訳なく思つておる次第でありますが、かねてから用意いたしておりましたものが、最近になりまして正式に提案し得る状態になつたような次第でありますので、本日当委員会で御審議を煩わしておるような次第であります。もともとこの法案は、その提案理由のうちにも記しておりまするごとく、事業運営上の基本の問題でありますので、できますならば、料金改正の法案と同時に審議を願いたいと思つて、いろいろ急いで参つたのであります。しかしその点は、先ほど申し上げたような事情で遅れておる次第であります。そこで非常に期間の短かいにもかかわらず、特に御審議を賜わりまして、幸いにして御賛成を得ますならば、一日も早く実施いたしたい、かように念願をいたしておるのであります。そこでただいまの非常な御懸念の点でありますが、部内の取扱者に対しまする周知方法といたしましては、十分徹底を期し得るのであります。ただ利用される方から見ますると、国民一般につきましては、周知期間が非常に短かいということになりますので、御心配のような点もあろうかと考えまするが、これにつきましては、幸いにして御審議を得、御賛成を得ますならば、最近のラジオその他各通信機関等の協力を得まして、十分の徹底方法を講じて参る考え方でおるのであります。重ねて申し上げますが、たいへん期間が遅れて御審議を願つておる点、私ども衷心から恐縮に存じておる次第であります。仕事のしぶり並びに利用者に対する周知方法につきましては、御注意の点もありますので、十分留意して参るつもりでおります。
○受田委員 第十九條の問題でありまするが、ただいまの大臣の御説明の重点である第二の問題で、料金の免脱をはかる意図のもとに、自己の口座に払い込む場合のいろいろな悪用をされる面があるということの改正でありまするが、この点につきまして、加入者があらかじめ指定した一つの郵便局で自己の口座に払込みをする場合にのみ、料金の免除を行うという規定に、今度改められるわけであります。ところが「あらかじめ指定した一つの郵便局」というこの指定するというのは、いかなる方法をもつて指定されるのか、お伺いしたいのであります。
○小野(吉)政府委員 ただいまの御質問は、大臣が御答弁になりましたその点につきまして、実施の円滑を期そうということに御趣旨があろうと思います。実施の円滑を期しまする点につきましては、大臣からいろいろ事務上の万全の用意等につきまして、御答弁に相なつたのでありますが、私どももそういつた意味合いから、実施の万全を期すべく十分な手配をいたしております。部内の問題といたしましては、この法案はすでにこの前の郵便法改正案並びに郵便為替法改正案と同時に、十一月一日実施を目標にいたしまして、内部的な諸般の準備を進めております。勢い内部に関する周知方法は十分に行き届いておりまして、法案成立の事実さえ通知すれば、その通りにただちに流れるようなことに相なつております。しかも料金の関係につきましては、振替あるいは払出しの料金につきましては、従来とも窓口では一々徴収しておらないのでありまして、口座所管庁において、口座から差引く方法をとつております。従いましてこの面につきましては、全然実施期間のいかんにかかわらず、窓口におきましていろいろ混乱を来すことはなかろうと思います。通知を要しまする部内的な数も、全国の口座所管庁二十八でございまして、それぞれ相当な準備も事前にとつておりますので、この面の手配は十分につき得るものと思います。ただ問題は、外部に対する周知並びに外部の人がこの法案の改正によりまして、一定の申出、その他の手続をしなければならないというような点と思います。お尋ねの第十九條の場合も、まさにそういうふうな関係に相なろうと思うのでありまして、この十九條によりますと、従来別段の指定をしなくても、本人あるいはその代理人が、一定の自己の口座に対する払込みの手続をすれば、料金の免除を受け得ることに相なつておつたのでありますが、これは諸般の関係から、かなり濫用もせられておりますので、この濫用を防ぐ意味におきまして、あらかじめ指定した一つの郵便局においてのみ料金の免除をいたそう。その他の場合におきましては、料金免除をいたさない。従つてそういつた濫用を防ごう、こういう趣旨でありますが、従つてこの法案が実施されまして、ほんとうに十九條の趣旨の通り、あらかじめ一定の局を指定する、こういう行為をする間に幾分かの日数が必要であります。しかしながらそういう面につきましても、内部的にはいろいろ手配は盡しておりますが、たとえばこれが二十八日に成立いたしまして、来月一日から実施する、こういうようなことに相なるといたしますと、その間わずかに日数は二日しかないのであります。そういう関係から、所定の一定の郵便局指定の手続につきましては、多少の混乱はあろうかとも思いますが、大体振替貯金口座に加入しておる対象はきまつておるのでありまして、そういう面からいたしまして、ある程度そういつた防止もできようと思います。かりにそういう防止のできない事態が起きましたといたしましても、本法案の主たる改正のねらいはほかの面にあるのでありまして、この方面につきましては、あるいは一時十九條の規定の通りに「あらかじめ指定した一の郵便局において」云々の行為に、一日、二日は参らないかもしれませんが、その点につきましては私どもといたしましても、これはこの法案の趣旨ではありませんが、従来の例によつて取扱うことも起きようかとも思うのであります。しかしそういう事態はできるだけ避けよう、こういうような気持で参りたいと思つております。
○受田委員 あらかじめ指定した一つの郵便局という場合に、この指定の手続はいかなる方法をとるのでありますか
○小野(吉)政府委員 これにつきましては、この條文の趣旨をよく周知いたしまして、それによつてあらかじめ今後の取扱局を指定してもらう。一定の手続をとつていただくわけであります。
○受田委員 手続をどういう方法でとるか。書類を出すとか、たとえば国会郵便局がここにもありますし、それでこの地域にたくさん郵便局がありまするが、どこを指定するかということが、あらかじめ指定でありますから、加入者にとつてこの局を指定したいと申し出ますよ。ところがたとえば十二月一日に指定を国会郵便局にしたいということを考えて指定をしたとしても、処理の上で、手続の上で、ここの郵便局ということがどういう方法でなされるのか。何か向うの振替貯金課の方からこちらへ指定されたという通告があつて、初めてここの国会郵便局が、たとえば私の口座であれば、これが受田の指定郵便局だ、こういうことが確認されるわけなんですか。ここへ十二月一日にもつて私が指定局にしますから、すぐここの局で払い込むのはこの料金はいらないのだ。隣の麹町郵便局で払い込めば料金がいるのだ。議会の前の郵便局で払うてもいるのだということになると、十二月一日ということになると、間に合わない。その点手続の上でどういうふうな措置をとられるのか、確かめたいと思います。
○畠山説明員 現在口座に加入している人は、どこの郵便局でもけつこうでございますから、たとえば国会内の郵便局に届を出していただきたいと考えております。その場合に東京中央郵便局に指定をされてもけつこうであります。届の紙には私たちとしましては、ただ口座番号だとか、あるいは住所、氏名程度を書いていただければけつこうだと思つております。別に一定の様式というものは考えておりません。それは届では、たとえば国会内郵便局を指定する。東京口座でございましたら東京地方貯金局へ参ります。そうしますと東京地方貯金局では、すでに東京中央郵便局が指定局であるということがわかつておりますので、料金を徴収しますのは、この場合には口座所管庁でございますから、郵便局は全然料金をとらないで、従つて東京中央郵便局で取扱つても、口座所管庁でありますから、その場合には料金をとらない。他の郵便局でございましたら、これはやはり口座所管庁でないということがわかりますから料金をとる、こういう方法でやりたいと考えております。従いまして過渡期の混乱ということも考えられないでもございませんが、その場合にはやはりすべて口座所管庁で、料金を口座から徴収することになつておりますので、ある郵便局で料金をとつたり、とらなかつたりということは、全然起らないと思います。口座所管庁が二十八ありますので、一万五千の郵便局に手配をいたしますよりは、手続といいますか、部内措置も簡単に参りますので、その点も大して憂慮しないで済むのではないかと考えております。なお新しく加入される方は、加入申込書というものをつくつていただきますから、その加入申込書に何々郵便局を指定したいというふうに書いていただいたら、それでその処理は終るわけであります。こういうふうに考えております。
○受田委員 指定郵便局の変更はいかがいたしますか。
○畠山説明員 やはり指定の届と同じように、どこの郵便局でも指定の変更届を出していただきまして、その郵便局から所属の口座所管庁に送るということにいたしたいと考えております。
○受田委員 変更手続の上に制限がありますか。たとえば一週間以内には住所が移動できないとか、何かの制限を加えていますか。
○昌山説明員 全然そういうことは考えておりません。ただ口座所管庁で処理が済めば、それでいいわけであります。
○受田委員 そうすると、きようは国会郵便局で、ここが自分の指定局だといい、あすは中央郵便局へ行つて、ここが自分の指定局だといい、その次は高輪郵便局へ行くというふうに、毎日変更できますか。
○畠山説明員 理論的にはできるわけでございますが、その都度届書を出していただきまして、口座所管庁で受付処理をいたすわけでありますから、そう簡単には実際問題としては変更される方が手数がかかつて、めんどうではないかと思います。
○受田委員 つまり自分の払い込む局を指定した場合に、料金がいらないのですからね。そうするとこの場合は料金免脱の目的をもつて、今のような手続で簡単に届さえすれば、理論的には毎日でも変更できるとおつしやつたのですが、そうすれば至るところで、旅先から今まで悪用したと同じ面で、きようはここが指定局、きようはここが指定局と、毎日変更が理論的にできると今おつしやつたことは、事実この第十九條のせつかく指定局をつくるという意義が、抹殺されてしまいはしないか
○畠山説明員 現在本人が払い込むということになつておりますので、一部の調査でございますが、約半分はそうでないものと認められるようになつております。それはただほんとうに本人が利用されるのではなくて、たとえば東京のある会社が東京口座を持つております。それに対して代金を払い込む場合に、たとえば北海道、九州、四国その他各方面から送金を、本人払込みという名前でやつておる者が多いのでございます。従いまして実際他人が送金する場合には、そういう今おつしやつたようなことで、たびたび変更することはできないわけでございます。たとえばきよう東京の郵便局が指定されておりまして、あす四国のどこかの郵便局が指定されるとしますと、その場合には北海道で払い込まれる場合には、有料扱いになるわけでございます。従つて全国各地から本人払込みの名で送金手段に供することはできなくなる。ただ本人が転々と居所をかえたりせられた場合は、やはり本人の払込みだとみなされるから、その場合には料金を免除してもいいのではないかと考えております。
○受田委員 「あらかじめ指定した一の郵便局」という、この「あらかじめ」という言葉は、前もつて指定するというのでありますから、旅先へ行くごとに転々と指定の変更をされるということが、理論的に可能であるという今の御説でありますが、局長としてこれに賛意を表されますか。
○小野(吉)政府委員 この十九條の本来の趣旨は、東京都内における一、二の郵便局ということではなく、むしろ東京あるいは名古屋、大阪、そういつた方面におきまして、あるいは本人あるいは代理人の名前におきまして、そういつた料金のかからない払込み行為があるわけであります。これは振替口座に対する払込みと考えればそれでいいのでありますが、実際にそういつた遠隔地相互間における自己払込みの実情を調べてみますと、為替料金免脱の行為、こういうような状況に相なつているのであります。これを防止することが十九條本来の趣旨でございます。従いまして東京都内の一、二の局におきまして、そういつたような事態が起きましても、これは別段に為替に関する料金の免脱をはかる行為とも考えられませんし、「あらかじめ指定した一の郵便局」というのは、表現はこうなつておりますが、運用の面につきましては、そういつた点につきまして、あまりきゆうくつには文字通り解釈しない方がいいではないか、かように考えております。
○受田委員 これは今私が東京のことを例にとつたのですが、大体振替を利用する人は商人が非常に多いのですから、今日は東京で払い込んだが、明日は群馬に集金に行き、その次の日は長野、その次の日は新潟、その次の日は富山、その次の日は石川、その次の日は福井へ行くというように、毎日集金して歩き、その都度旅先から指定郵便局の変更をやつて行くことは、私は可能だと思うのです。これは自己の振込みには間違いないのですから……。こういう点について、この第十九條の目的は、今のように旅先を毎日全国の集金をやつて歩くような場合でも、本人の払込みであればさしつかえないという結論に達するのでありますが、この点結局悪用するものを除く意味であつて、本人が全国各地を毎日のごとく集金をやつて、毎日かえて行つても、それはさしつかえないことかどうか。
○小野(吉)政府委員 本人自身が転々いたしまして払込みをいたします場合におきましては、これは理由があると思うのでありまして、あながち料金の免脱という見地からいう必要もあるまいと思います。現在はそういつた遠隔地間におけるそれは、必ず本人と代理人、こういうような肩書を利用いたしまして払い込んでいる。必ずしも本人のみと限らないのでございます。そういう行為を十九條におきまして防ごう、こういう趣旨でございます。
○受田委員 そうすると第十九條は、事実問題としては、自己の口座に振り込む場合百には、別にあらかじめ指定したということの効果の差がないという結論に達すると思います。この点これをみんなに周知させないと、たとえば集金をする商人が、東京の中央郵便局を指定局にしておるのだから、全国を今から毎日集金して歩くのだというときに、旅先でそういう指定の変更ができないと思つて、旅先で一々料金を払つて行くということは非常に困るから、この点においては、本人の払込みの場合に、そうした住所の変更は随時全国各地でどこでやつてもいいのだという趣旨が徹底しなければいけないと私は思います。この点においてその趣旨を徹底させるような方法がとられますか。この文章で行くとこれはおそらくほとんどの者が中央郵便局を指定したなら、まず一本しかできないのだと思つて、そういう変更の方法を考えないだろうと思うのです。この点について、利用者の便益に供する意味において、この振替があるのですから、指定ということが書いてある以上、翌日変更もできるのだというような、利用者の便益に供するという精神からいつて、この点についての具体的な措置をいかにとられるかということをお聞きしたい。
○小野(吉)政府委員 お説ごもつともでございまして、振替貯金制度自体の本来のサービスの面につきましては、十分にこれを生かして参らなければなりません。従つて十九條の問題につきましても、これによつてきゆうくつに、そういつた本来の振替貯金の制度利用上起きる扱局の変更、こういつたものを阻止する意味では毛頭ないのでありまして、従つてそういつた本来の利用上の便益になる方面につきましては、十分に周知を遂げて参りたいと思います。
○畠山説明員 なおつけ加えて申し上げますが、振替の加入者は比較的少数でございますので、制度なり料金なりがかわりました場合には、口座所管庁から個々の加入者に対して、今まで通知を出すことにしております。このたびも料金の改正その他につきましては、口座所管庁から各口座の加入者に対しましては、個々に通知を出すことに手配いたしたいと考えております。
○受田委員 その場合に、毎ずつと集金をして歩くような場合に、四十箇所も五十箇所もどんどん住所が変更されるわけですが、こちらからの一方的な通知だけで、ここを指定局にするということをその窓口で通告して、その形式は問わないが、とにかく指定局にするという意味の書類を出しさえすれば、その指定局が決定をするのか、あるいは正式には振替貯金課においてこれを確認して、その指定局に確認書を送るような手続をするのか、指定局として指定をしつぱなしで、利用者がかつてにやつて行けばいいのか、この点について伺いたい。
○畠山説明員 これは口座所管庁で確認と申しますか、口座番号簿に加入をすれば、それでよいことにしたいと考えております。たとえば東京中央郵便局が指定されました場合に、東京中央郵便局自体がたとい知りませんでも、料金は事実口座所管庁で処理いたしますから、問題は起らないと思います。なお口座所管庁の処理が済みましたならば、加入者に対して処理が済んだという通知を差上げることにしたいと思います。
○受田委員 問題は悪用をするかいなかという問題でありますが、悪用をするときには、やはり商人が悪用するのです。だからきのう北海道で払い込んでおるが、きようは鹿児島で払い込んだという場合には、はつきりとおかしいぞということがわかるけれども、その間に三日くらい汽車で行く時間の余裕があれば、今までの悪用の面が抹殺される結果になります。実は北海道を旅行しておりましたが、今度はここにするというような、今までと同じような方法で指定局の変更も、結果から見ていくらでもできはしませんか。技術的に北海道からきよう払い込んで、明日は鹿児島で払い込むという場合に、これはおかしいというので、一々日付を見て、振替貯金課の方で調べればいいですが、しかしその間に二日、三日と余裕がある場合には、事実問題としてそういう悪用が、依然としてこの指定局の変更で、結果的には同じことになりはしませんか。
○小野(吉)政府委員 法文の裏をずつと解きまして、たとえばこの十九條の最も利用できる面を、そういう一定の目的を達するためにくぐつて行こうということで行きますと、今のようなこともできようと思います。しかし現在の実情から申しますと、大体の取扱局は一定しておるのでありまして、ただ少数の者がそういつたただ單なる本人払込みに口実をかりておるだけで、送金の目的のためにのみ利用される、こういうような状況に相なつておるのでありまして、こういう預かり方も、事実上はそう場所を転々しておらないのであります。大体一定した都市間において、振替口座に払い込むという行為を利用して、ほんとうの払込みではなく、送金のみに、為替に代用したそのものとして利用される面が多いのでありまして、これを防止しようというのが第十九條の趣旨であります。
○受田委員 これは本人が善意でやる場合には、それはどうやつてもいいのだということが徹底しないと、おそらく同じ東京都でも、中央郵便局で払い込んで、ここを指定局にしたいと思うが、事実は自分の住所は荻窪にある、こういう場合にいろいろ取引は荻窪でしておる、こちらの中央郵便局ではそのときちようど払い込む金があつたというような場合に、適宜変更ができるようにしてやるように了解させないと、これだけ見るとまつたくくぎづけにされるおそれがあるのです。この点利用者の便宜利用という意味から、よほど窓口で指導してあげぬと、結果から見て、法で制約することになつて、利用者の便益でなくて、こんなややこしいことなら、別に振替貯金でなくても、銀行送金でもいいじやないかということになつて、せつかく今大衆を吸い取ろうとしているところの振替貯金の利用ということが、こういう制限を加えたことによつて、印象的に振替というものはいやだというような印象を起すおそれがあると私は思う。この点結果的に見て、利用者から見た場合には痛い條文なのですけれども、そうした悪印象を起す結果が、この法案によつて流れているということにお気づきはございませんか。
○小野(吉)政府委員 ただいまの受田委員の御質問は、振替貯金制度に対して非常に御理解と御同情を持たれた御説でありまして、われわれ非常に感激にたえない次第であります。本條文の適用にあたりましては、私どもも御趣旨の通りに考えておりますので、振替貯金制度の利用の便益が、この條文の文字解釈のみによりまして、非常に不便なもののように印象づけられることは、私どもとして決して本旨としないところでありますので、本條文の運用にあたりましては、御趣旨のような点は十分に取入れまして、できるだけ利用者に振替貯金制度に非常な不便が加わつたという印象のないように、むしろ進んで振替貯金制度は非常に便利だというような取扱いになるように周知もいたし、実際の取扱いもいたして参りたいと存じます
○受田委員 この料金改正によつて得るところの年間の増収は、どのくらいに見積られておりますか。
○小野(吉)政府委員 平年にいたしまして八千二百万円でございます。
○受田委員 ここの規定に「電信に関する料金を基準として省令で定める金額」とありますが、これは現在では省令で幾らと定めてあるのですか。
○小野(吉)政府委員 今日は省令でなく、全部法律で定めております。電信を利用いたします払込み、振替、払出し、ともに法律をもちまして何百何十円也と、そう定めてあるわけでありますが、これは電報料金が常に動くような関係もございますので、その都度法律を改正するということも非常に煩にたえないということで、電報に要する実費を基準としてとる。こういうふうに省令で定めるように今回改正しよう、こういうわけでございますから、従いまして、電報料金としてきまりますその実費の額をもこといたしまして、省令で定めるわけでございます。御参考までに申し上げますと、現在のところでは、電信の払込みにつきましては、現行口座取扱いの一口当りの料金でありますが、二百二十円徴収しておるのであります。これが改正後におきますると、電報の実費で計算をいたしてみますと、百二十五円で、九十五円の料金の軽減と相なるわけでございます。
○受田委員 この法律の実施が十二月一日なのでありますが、もうすでに第一線の局にはこれがちやんと通達してあつて、電報一本で、新料金で徴収するように手続済である。万全を期してあるという御説明でありますが、これがきよう衆議院を通るわけじやなくて、あす採決で、本会議へまわればいい方である。また参議院へこれがまわつて行くことになると、やはり三十日ごろを目安にしなければいかぬと思うのでありますが、私としては、その郵便局へ行つてから初めて料金の改正を知る、払い込む役になつて、きようから上つていますからと言つても、中には事実金をぴしつとしか用意して来ない人もあるのです。そうして今まで二十円でいいと思つていた料金を、ちようどぴしつと持つて行つたところが、窓口で別に五円くださいと言われて、またわざわざその五円の不足を家へとりに帰らなければならぬということが事実起きるのです。公衆の便益のために盡すという郵政関係のいろいろな業務が、大衆がその前の日に知ることができないで、わざわざ五円の追加をとりに行くために、宅まで帰らなければならぬというのでは、大きく考えると、その日の仕事にも支障を来すというようなことも起るのですから、こういうことを考えますと、せめて二日か三日の周知期間を置いて、窓口に、今度振替料金もかわつたぞということを示してやつて、五円の追加を用意するようにさせれば、親が子供に払込みをさせるときでも、ちやんと先にわかつて払込みができるのですが、この周知期間をなくした法律というものは、こういう郵政関係の業務のような大衆性を持つたものとして、非常に不親切な法律である。鉄道料金のようなものはそのままでぴしつと行くのですが、郵政関係の業務だけは、周知期間を置かぬというのは、どう見たつて政府としては不親切なやり方です。今大臣がまことに辞を低うしてお断りになつておつたが、そのようなことでなくして、もう少しこの法律を出すなら早く出さなければならぬし、それがこんなに遅れて出たのなら、実施期間を十二月五日くらいにしたつていい。年間八千二百万円でしたら、平年において月に七百万円足らずじやありませんか。そうすると、それを五日ほど遅らせても百万円である。百万円ぐらいのもうけをするために、大衆にそれだけの不便を感じさせる。五日にすれば少くともそういう不便は感じさせなくて済むのです。私は今までの法律が周知期間を持つておつたことにかんがみて、こういう文化国家と名がついた以上、やはり大衆にこの法律の精神をよく周知させる期間を置くように、法律をつくらねばいかぬと思う。このように差迫つて、電報ですぐ打てるようにしてあると言うのですが、その電報を打つこと自身、全国に打たれるのだろうと思うのですが、電報で打たぬでも、普通の公文書でも間に合う程度にしておけば、電通省に払い込む電報料金が少くて済むのですから、差引してみたら、やはり周知期間を置く方が、法律をつくる上には、政府としては親切なんです。国会でわれわれが承認するにも大衆に親切ということになる。この点前の郵便法の改正のときも、実に不愉快だつたわけです。周知期間が置いてなくて強引に通された。今度も、大したことでもないような問題であるけれども、今のような一例を申し上げても、非常にその点まごつくのですから、こういう点において、周知期間を置かないで三十日公布、一日実施というようなことをしなくて、少し周知期間を置いた方がいいというふうにお考えではありませんか。
○小野(吉)政府委員 御説ごもつともでございまして、私どもできるだけそのようにとりはからいたいのでありますが、何分にも諸般の事情から御提案が遅れましたことは、何とも申訳ない次第であります。ただ振替貯金制度につきましては、窓口で現金を徴収する面は、従来といえども少かつたので、今回の改正によりましてこれがうんと縮まりまして、振替の手続並びに払出しのそれにつきましては、従来と同様全然窓口で現金の収納といつた事態はないのでありまして、すべて原簿所管庁におきまして、口座から差引くというようなことに相なつております。払込みの点につきまして、ごくわずかではありますが、窓口で現金を収納することがないではございませんが、これとても先ほど説明員から御説明申し上げた通り、振替加入の人たちは大体限られてもおりますし、原簿所管庁でちやんとわかつておりますので、一々この法案の通過と同時に、個々にごあいさつを申し上げるようなことも考えております。ここに五日なり一週間なりの、そういつた安全な期間を設けないということは、まことに遺憾にたえないのでありますが、何しろ諸般の事情で提案が遅れましたということは、何としても申訳ないのでありまして、できるだけそういつた混乱のないように努めて参りたいと思います。
○受田委員 今の払込みの問題ですが、加入者の場合は、これは別なんですが、その外部の第三者が口座で払い込む場合に、料金を今まで通り別に出さなければいかぬのですか。
○小野(吉)政府委員 その場合におきましては、御承知の通り料金加入者負担の判を押したものがほとんど大部分でございます。従いましてこれにつきましては、払込者本人から料金を現実に窓口で払込み、徴収するのではないのでありまして、口座所管庁に参りまして、加入者の口座からこの料金を差引く、こういうような結果に相なるわけでございます。
○受田委員 それは保険とか特定の場合であつて、普通の場合には、払込者が原則としては料金を添えて払い込むようなことになるのではありませんか。今のお説は特例の場合じやありませんか。
○小野(吉)政府委員 そういつた場合もございます。大部分の振替の利用の状況におきましては、そういつた加入者に対して、あるいはそれが一定の法人でありますとか、あるいは商社でありますとか、そういつたものについてある種の代金あるいは会費などが払い込まれるわけでございますが、大部分はあらかじめ加入者の方から、代金の支払い方法はこういう方法にしていただきたい、こういうので振替用紙を支払う者に届けまして、それが払込みの形になつて来るものが多いわけであります。これは大部分加入者負担、こういうことに相なつておるわけであります。
○受田委員 私はこの加入者が負担をするとか、利用者の側から加入者の口座へ振り込む人の便益に供するいろいろな方法というのは、これは條文のどこかにそういうことができるという規定があつたと思うのですが、原則としては、この料金を添えて払い込むようになつている。つまり注文するというような場合に、向うから振替用紙を送つて来ないのが原則であつて、来るのは加入者がそういうサービスをするのであつて、普通であれば、物を注文する場合には、こちらが書いて、それに記入して出す。それから加入者でも一一払込み料金加入者負担というスタンプを押していないので、やはり利用者にこれを押させるというような場合が相当多いと思うのですが、保險のような場合などは別であつて、そのほかの場合はやはり第三者が払込み料金を払うようになつておると私は思う。法の原則は、條文ではどうなつておりますか。
○小野(吉)政府委員 これは原則も例外もないのでございまして、実際の建前は、そういつた送金の方法といたしまして、自分が送りたい相手方の口座番号がわかつておれば、その口座へ払いたいといつて郵便局へ持つて行けば、それが自分の送りたい人の口座へ入つて行くのが、振替貯金の建前でございます。この実際の事情からいたしますと、送金を受ける方も、これは個々の特定人間の問題ではなく、不特定な場合が多いのでありますから、そういう金を送る場合には、こういうふうな方法もあるからこういう方法によつてもらいたいというようなことを、実際には事前に手配をいたしておるのが大部分でございまして、そういうものは御承知のように振替用紙までちやんと用意をいたしまして、料金は自分が持つ、こういうスタンプを押して配布する。あるいはまたそうではなく、たばその方法だけを教えまして、そういつた加入者負担の振替用紙も入つていないような場合もございます。送金は小為替とかあるいは銀行の小切手、またはそういつた振替の方法、こういつた振替の方法のみにとどまつております場合には、一定の振替用紙に所定の事項を記入して、送金する人が料金を払つて払い込まなければならぬ、この取扱いもあるわけでございます。
○受田委員 その取扱いが原則ではないのですか。郵便局の窓口へ渡して、そうしてそれを払い込むというのが原則であつて、加入者が振替用紙をつくるというのは、何か特別に加入者がつくることができるという規定があるのではないですか。郵便局で出すのがあたりまえであつて、郵便局と同じ規格で加入者が印刷することができるという特別の方が、今の原則のような形になるのじやないですか。
○小野(吉)政府委員 その通りでございます。建前といたしましては送金者が払い込むわけでございまして、取扱い規定の上で、そういつた振替口座加入の人が料金負担の用紙をつくつてどうこうというようなことは、全然規定には現れておりません。ただ事実問題といたしまして、加入者といたしましては、送金を促進をし、これを安全に受けるために、そういつた方法を利用することが便利でもありますので、そういつた取扱いが原則的なような実態を示しておるにすぎないのであると思います。
○受田委員 それで振替貯金法の第二十條の料金徴収方法で「払込の料金は、払込の際、払込人からこれを徴収し、」とありまして、原則としては払込人からとるということになるのでありますが、そうなれば十二月一日に郵便局へ持つて行つた場合に、料金がかわつたということになると、払込人は足らぬ分だけまたうちへとりに帰らなければならぬという事態が起るわけです。今の原則は実際問題としては、加入者負担の便宜をはかつた方がいいと言うけれども、保険以外のものは多くそういう振替を利用すると思う。そういうことになると、法律というものは原則を重点的に考えなければならないと思う。今のように印刷したものを出すことができるという規定の例外の方が中心でなくして、第二十條の原則の法文の方を重点に、この法の改正を考えて行かなければならぬと思うのです。私はこまかいことを申し上げるようですけれども、実際このこまかいところが、非常に大衆に影響すると思うのです。ですから十二月一日から料金がかわるということが、もうきようくらいにわかつていないと、郵便局の窓口で十二月一日から次のごとく変更されますということになれば、わずかのことでも民衆は、たとえば五百円送るのに今まで十円で送れたのに、今度十五円になれば、民衆はその五円をあせるのです。その民衆に対して突如として今度の料金をやられたときには、その郵便事務の不親切さを確かに恨みますよ。大衆の周知期間をぜひ設けてもらいたい。ささやかではあるが、そういうところに政府の親心がいるのであつて、突如として夜陰に乗じて電報でだつとやるとか、今度は、午前中は旧料金をとつて午後は新料金をとつたというような、この間のような失態が起らぬように、特に郵政官庁のような大衆サービス機関では、ぜひこれはやつてもらいたい。私は法律の実施は、かようなわずかな金のことを言うのではないが、ほんとうに国民に親切に、予告期間を置いて、そうして川知徹底せしめ、喜んで改正料金を払つて行くところに、郵政事業の親切があると思う。私はどうもこの点に、今度の振替貯金法の改正が、突如として差迫つた二、三日前に出されて、そうして十二月一日で間に合わなければ十二月五日でも済むのだから、そういうところがまことに当局としてのいわゆる欠陥があると思うので、この点においての当局の気持、これは郵便法及び郵便振替貯金法、郵便為替法の改正にあたつての、当局の周知期間を置かないでも大衆はついて来るのだという安易な見方に対しては、重大な警告を発しなければならないと思う。かかる法律は周知期間を置くべき法律であると思うのでありますが、この点について大野次官は、総括的に見られていかなるお考えを持つておられるか。当時周知期間を置かぬでも、すぐやれるのだということを強力に御主張なさつたのでありますが、政府として周知期間を置いた方が、実際は大衆にはよかつたのだという反省をしておられるか。今後もそういう点においては親切に大衆を納得させて、改正の趣旨を徹底させるのがいいのじやないか。この点は法律をつくる基本的な考え方になると私は思うのですが、この点についてひとつ次官の御意向を伺いたいのであります。 〔飯塚委員長代理退席、風間委員長代理着席〕
○大野説明員 われわれの業務はすべて大衆のサービスでございますので、すべての制度の改廃等につきましては、相当の周知期間を置くべきであるという受田委員の御意見は、私どもまつたくその通りに感じております。ただ先ほど大臣からも一応申し上げました通り、いろいろの事情でまつたくやむにやまれずかような事態に相なつたのでございまして、これでいいのだというふうには私ども決して考えているわけではありません。ただかような事情で遅れて御提案をし、御審議を煩わし、従つて周知期間がないというようなことになつても、とにもかくにもサービスの方では食い違いのないよにする手だては講じております。しかしそれだからといつて、すべてこの調子でサービスが万全だというふうに考えてはいないというところの苦衷を、お察しを願いたいと存ずる次第でございます。
○受田委員 諸般の事情ということについて、ひとつお伺いしたいのであります。もし必要があれば速記をとめてもお伺いしたいのですが、この法律を出すについての諸般の事情はどういうところにあるのか。今のように十二月一日から実施しなければならないと言うけれども、三日前に出された法律が、三日後には公布され、翌日実施というこの差迫つたような法律、国会議員に審査の機会も與えずどんどん行くということになつて来た、この事態について、その理由を簡単にお伺いしたいのです。
○風間委員長代理 それでは速記をとめて。 〔速記中止〕
○風間委員長代理 速記を始めてください。
○受田委員 私は年間わずかに八千二百万円という増収にすぎないこの法案が、三日か四日周知期間を置く間に、どれだけ政府の増収になるかということを考えるのですが、もうすでに予算は通つておりましても、その実収がないことにしておけばいいのでありますから、大衆の便益を十分考えた上で、この収入が多少減ることは、むしろ多少減つた方が、大衆の便益に供する意味においては、政治的にはりつぱな手だと思つておるのです。こういう意味で今後法律が——今大野さんも御了解になつたと思うのでありますが、周知期間がいる法律の場合には、ぜひ周知期間を置いてもらいたい。その上に実施を少しずらすということ、それは国内問題で解決できる問題じやないかと思うのでありますが、こういう点について、今後の改正にあたつて、常にそれを頭に置いてやつていただきたい。鉄道の運賃とは違うのですから、これはしばしば申し上げておるのです。おそらくこの問題でも第一線の郵便局などで、端の方の島などにおいては、今申し上げたような料金を前の料金で持つて行くような利用者が相当あると思いますし、それに対して電報が行かなかつたとか、または災害地とか、山間部には行かなかつたというようなことで、実際問題としてやはり少数の料金の過納とか不足の場合が、私は起ると思います。それの皆無を期するという意味において、周知期間を設けて、この精神を今後郵政当局において生かすようにやつていただきたい。なおこれに関連して、原則的には明日で終る会期に対して、まだ大事な郵便貯金法の改正案も出ておらぬのでありますが、これらはあわせてやらなければならぬ問題で、これらについては非常に意見が多いのでありまして、こういう点についても、郵便貯金法及び簡易保險法などの改正が間に合うのかどうか。この点について政府はこの会期の迫つた期間にやるという意思があるのかどうか。あるいはこのたびは遠慮しようとしておるのか、公式な御答弁を願いたいと思います。
○小野(吉)政府委員 郵便貯金法の提案がたいへん遅れておりますことは、これまた私ども非常に遺憾に思いますが、この国会に是が非でも提案できるように、実は数日来一生懸命努力しておるような次第であります。今日の段階では、司令部の審議を促進するよりほかにないのでございますが、その方面につきましてもできるだけの手は盡してございます。まだどういう状況になりますか、この模様ははつきりはいたさないのでありますが、できるだけそういう手を盡しまして、今国会で御審議を仰げるように努力いたしたいと考えております。
○林(百)委員 この料金を上げました基準ですね、どうしてこういうように上げるか、その基準をまずお聞きしたいのです。こうするとどうなるんですか。たとえば十八條で一例を申しますと、通常払込みの場合に、従来が十円だつたのが十五円になる、五円上げますね。どういうところからこの五円が出て来るのですか。
○小野(吉)政府委員 今回の改正におきましては、大体におきまして——これは非常に逆の行き方かもわかりませんが、振替貯金事業におきまする収支の状況から申しまして、現在の料金そのままでは、もちろん取扱い口数の趨勢にもよりますが、赤字を出しておるような状況でございます。そういう赤字の状況は、あるいはぺース・アップの関係、経費の値上り、そういうところに原因因するものではありますが、その不足分を料金によつてまかなつて行く、こういうような見地からまず本年度内におきましては三千四百万円、平年化いたしまして八千二百万円の財源が必要である、こういうような計算に相なるわけでございます。それを大体客種の取扱い料金体系の均勢がとれた面をも考えながら、割振つたような状況でありまして、その点から申しますと、大体こういつたような料金に持つて行くことが最も合理的であり、妥当である、こういうような計算が出るのであります。同時に従来の金額の刻みから申しますと、五百円以内とか、五百円を越えるもの、こういう段階がございましたが、郵便為替法におきましてもさようでございますし、また郵便法の中にあります現金書留の場合もそうでございますが、最低の刻みを千円というふうにいたしておるのでございます。郵便振替貯金におきましても、大体千円を最低の刻みとしてする、こういうようなところからかような案に相なるわけでございます。
○林(百)委員 これは国家会計からいいますと、郵政事業特別会計の中へ入る一事業と考えるべきですか。それとも郵便貯金特別会計の一部門の事業になりますか。
○小野(吉)政府委員 これは郵政事業特別会計所属でございます。郵便貯金特別会計とは全然別個なものです。
○林(百)委員 そうするとこの振替貯金ですが、私もあまり振替貯金というのはやつたことがないですが、郵便振替貯金として貯金されているものの運用はどこへ行くのです。資金運用部へ行くのですか。
○小野(吉)政府委員 これは資金運用部へ参つております。
○林(百)委員 今この貯金はどのくらいあるのです。
○畠山説明員 振替貯金の現在金額は、常時二十億ないし二十五億、多いときは三十億ぐらいに達するときもあります。
○林(百)委員 それでこの郵便振替貯金会計の費用はどのくらいですか。
○小野(吉)政府委員 今年度の予算におきまして三億九千万円です。
○林(百)委員 そうすると大体貯金額の一割が経費にいると見ていいのですか。
○小野(吉)政府委員 一割ではございません。一割と申しますと、さつき三千四百四十万円と申しましたのは、現在の三億九千万円の歳入で不足をいたしますので、さらに三千四百四十万円をプラスいたしませんと——この事業は業務収入で支出をまかなう、こういうことに相なつておりまして、もちろん郵政特別会計の中には入つておりますが、振替貯金の面によりますと、振替貯金の料金として入つて参ります収入で、その支出をカバーするという建前に相なつておるわけでございます。
○林(百)委員 ですからこの郵便振替貯金事業の一年の経費というのは、三億九千万円でしよう、そう見ていいのですね。そうすると貯金額が三十億だとしますと、大体の経費が一割必要だ、その一割必要な経費が、振替貯金業務から入つて来るものだけではまかなえないというように解釈していいのでしよう。
○小野(吉)政府委員 そうです。
○林(百)委員 そうするとこの三億九千万円の費用は、人件費はどのくらいの費用になりますか、そういうものは何かありますか。
○小野(吉)政府委員 今その資料をちよつと持つておりません。
○林(百)委員 そうすると赤字の原因は何です。
○小野(吉)政府委員 これは振替のみでなく、一面には郵便為替による事業があります。為替、振替を一本にいたしまして操作をいたしておりますので、為替は為替、振替貯金は振替貯金と、わけては計算しておらないわけです。
○林(百)委員 それはわかりますが、それにしても何で今ごろになつて特に赤字が出て来たのです。当初予算ではそういう赤字があるからといつて、一般会計から三十五億補填しているわけでしよう。それがこの期になつて赤字が出るというのはどこに原因があるのです。
○小野(吉)政府委員 これは物件費の値上りもございますし、また人件費の増加もあるわけでございます。
○林(百)委員 物件費は何がどう上つたということと、それから人件費はどういうものがどうなるのです。
○小野(吉)政府委員 これは先ほど申しましたように、物件費の件につきましては、この事業は非常に紙をよけい使います。紙の値段は、本予算を組みました当時の単価から見ますと相当上つております。そういつた物件費の増加でございます。人件費の面では、ベース・アップの関係があるわけでございます。
○林(百)委員 しかし人件費というのは、何もこの事業だけでなくて、郵便局の従業員がやつているわけでしよう。だからこれはこれで、人件費のうち、振替業務の赤字はこれだけ分担するというのはどこから来るのですか。一人の郵便局の従業員が貯金もやれば、振替貯金もやれば、為替もやつているんでしよう。そうすると人件費の赤字はここだけで背負うのですか。
○小野(吉)政府委員 人件費の関係につきましては、御承知の通り郵便に所属する人もあります。郵便貯金に所属する人もあります。また為替あるいは振替貯金に従事しておる者もあるわけです。それぞれそういつた人件費の増額、それは同じ原因に基いておりますので、郵便事業のそれは郵便料金でいろいろ計算するその方面に入つておりますし、また郵便為替、郵便振替貯金、そういつた為替料金並びに郵便振替貯金の料金收入で歳出をまかなう、こういう建前になつておりますので、これに従事する人に対する所要経費は、この事業の収入でまかなつて行かなければならない、こういうことになつております。一方郵便貯金の面につきましては、これは別個の特別会計になつておりますので、振替貯金の業務収入とは直接には何ら関係を持たないものでございます。
○林(百)委員 そうすると将来為替料金も上げますし、貯金の業務の料率も上げて行くつもりですか。
○小野(吉)政府委員 為替の関係につきましては、先般すでに法案を改正いたしました。
○林(百)委員 わかりました。そうすると三億九千万円のうち、物件費はどのくらい、人件費はどのくらいですか。
○小野(吉)政府委員 そういつた資料はただいま持ち合せておりません。
○林(百)委員 それがわからないと、一体何が原因で赤字になつて、どう赤字かということがわかりません。そこでお伺いをしますが、この会計はこの会計でやらなければならないという原則はだれがきめたのですか。郵政事業は一般の公共的な性格を持つておるから、一般会計から補填ができるわけでしよう。その方はどうしても補填してくれないというのですか。
○小野(吉)政府委員 その点ははつきりとそうなつておるわけではございません。これは郵政事業特別会計法の中にあるわけでございまして、そういつた業務収入でまかなえないものがあれば、郵便事業も同様でありますが、一面会計からの繰入れということはあり得るわけであります。
○林(百)委員 だから大蔵省の方に話して、その繰入れをしたらどうですか。
○小野(吉)政府委員 それは郵便法の改正の際にもそうでありましたが、今の情勢下におきましては、一般会計からの繰入れということは、国家財政の現状から申しまして非常に至難である、こういう状況のもとに料金の改正をはかつて値上げをせざるを得ない、こういう結果に相なつたわけであります。
○林(百)委員 次官の大野さんにお聞きしたいのですが、この郵政事業特別会計の赤字、これは本年度どのくらいになりそうですか。それは一般会計の三十五億では足りなくて、みなこうやつてはがきの料金を上げたりしなければいかぬですか。
○大野説明員 本予算の際に三十五億、一般会計繰入れをしてもらいましたので、これが赤字でございますが、その後における物件費の値上り、人件費の増加、これらをまかないますために、どうしても本予算で、成立しておる歳入をもつてはまかな、得ないその不足、つまりプラスされる赤字というものが郵便事業関係で三十三億、それから為替振替の関係で三億九千万円、そのほかに貯金関係では十五億というふうな数字になつておるわけでございます。
○林(百)委員 そうすると郵政事業一般で三十三億、このほかに郵便貯金振替で三億赤字が出て、それから郵便貯金特別会計で十五億赤字が出るというふうに見てよいわけですね。それは一般会計からの補填は断念して、それぞれの会計で料金を上げたりいろいろしてまかなうよりほか解決の道がないとあなたの方では考えておるのですか。
○大野説明員 料金の改正によりましてまかないますものは、郵便事業プロパーと為替、振替関係でございます。郵便貯金関係につきましては、一般会計の繰入れによりまして、ただいま申し述べました十五億の赤字を補うことにいたしておるわけであります。
○林(百)委員 私は前からずつと郵政委員会に出ておりませんからよく知りませんが、そうすると、大体三十六億の赤字というものは、郵政事業と振替貯金の業務の中で自分で補填して行くよりほか道がないというわけですか。この前の郵便料金の値上げ、いろいろで大体埋まるということなんですか。
○大野説明員 その通りでございます。
○林(百)委員 もう一つお聞きしますが、大蔵省の方へ一般会計から補填してもらいたいという交渉はしたのですか。その経過を、速記をとめてもいいですから言つてください。
○風間委員長代理 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○風間委員長代理 速記を始めて。
○林(百)委員 資金運用部から利子を幾ら受けておりますか。五分五厘ですか。
○小野(吉)政府委員 これは期間によつて違いますが、最も高い段階が、五年を越える預金につきましては五分五厘でございます。
○林(百)委員 五分五厘というのは私はわからない。資金運用部では八分から九分で利用しているんですから、小野さんの言うように、会計事業を独自でやつたら、金もあなたたち使つたらいいじやないですか。それはいつも問題になる点ですが……。そこでもう一つお聞きしたいのは、資金運用部から逆に今度は郵政で貸付を受けます、この利子は幾ら払うのです。
○大野説明員 たしか五分五厘だつたと記憶いたしますが、ちよつと今資料を手元に持つておりませんので……。
○林(百)委員 両方とんとんですか。郵政はそれでよいかもしらんが、たとえば国有林野、国鉄その他で貸付けている場合は、ずつと有利に貸し付けているわけです。だからもしあなたの力が五分五厘しか利子を受けていないで、逆に資金運用部から借りた金がそれ以上になつていれば、ここにも赤字になる原因がある。その点も、やはり将来大蔵当局と政治的に解決する問題があるならあるとして、知つておきたいので伺つておきたいと思つたのですが、結論を申し上げます。 いつも問題が出て参りますが、あなたの言うように、特別会計の独自性ということを主張するならば、その運用はこつちにまかしてもらうということが第一だと思うのです。 それから第二の問題は、資金運用部が非常にうまいことをやつておつて、下働きだけこつちでやらなければならない。それが末端の、たとえば小さい郵便局の従業員、局長あたりが、郵便貯金の割当などで非常に苦しんでいる実情があるので、そういうこともよく考慮してもらいたいと思うのです。 もう一つの問題は、一般会計から補填を受けると税金の負担になる。そうして税金でとつた金が警察予備隊とか、国防分担金とか、そういう軍事的方面に非常に使われているわけです。警察予備隊の補正予算が百五十億ばかりだつたと思いますが、今度郵便特別会計の赤字三十億くらいは、警察予備隊の七万五千の人たちに使う金の二割で足りるわけですよ。これは山本自由党政務次官に対して申し上げたいのですが、そんな鉄砲のたまや大砲のたまに使う金の二割くらいで、こうした大衆に及ぼす影響が避けられるのだつたら、そういう金をこちらへまわして、やはり郵政事業というものは、あくまで大衆にサービスをし、コストを割つてもやつておるということで、初めて郵政、事業が大衆に親しまれると思う。これがただ物が上つたから、こつちも上げるということでやられたのでは、影響も大きいし、郵政事業本来の使命を全うすることにならない。そういう方面で、郵政事業そのものが、大蔵省との板ばさみになるし、一般会計から圧迫を受け、しかも公共性を貫かなければならないというので、非常に苦しい立場にあると思うのです。そういうことを山本次官は、あなたそこにただすわつているだけではだめで、そういう問題をどんどん腹をすえて、けんかをしてこそ——きよう大臣がおつたら大臣に言おうと思つたのですが、大臣がいないから、あなたによく言つておきますから、なるべく大衆的な負担にならなくて、一般会計の方から、ことに軍事費の方にまわすような金があつたら、こつちにつぎ込んで、郵政事業の公共性を貫くように、あなたも努力することを、苦言を呈して私の質問を終ります。
○山本(猛)政府委員 郵政に関係のありませんことは、お答えの限りではございませんが、ただいま日本の政府では、軍事費なんというものは考えておりませんことは、林君の御存じの通りであります。ただいまの御意見は参考として承つておきます。
○受田委員 ちよつと、たいへんこじつけなことを申し上げて失礼なんでありますが、大事なことに関係しますので、もう一度次官もしくは貯金局長さんにお尋ねを申し上げたいのであります。この改正案の最も重点は、料金を上げることと、もう一つは加入者が局を指定するということでありますが、今のように、加入者の便益に供するということは、たとえば住所を変更する場合には指定局の変更ができる、あるいはまたこの局からこの局へ便宜上かえることができるという今の御説明だつたのですが、ただいまの大臣の提案理由の説明の第二のおしまいの方に、「この規定を悪用して料金の免脱をはかる者がありますので、これを防止するため、この料金の免除または低減は加入者があらかじめ指定した一つの郵便局においてする払込みの場合に限ることといたしたのであります。これと関連いたしまして、取扱いの便宜上、加入者が自己の口座に払い込む場合の料金は、すべて加入者の口座から徴収することといたしたのであります。」とありますが、つまり指定しないところで払い込んだ分は、みな加入者の方から料金をとると、はつきりと規定してあるのですが、この最後の規定によると、もう指定した局以外は、全然変更できないという印象を持つし、そうして悪意でなくて、善意の加入者が、たとえば中央郵便局を指定したら、もうほかの郵便局に変更できないという気持で、すべて別個の人として振込む場合があると思うのでありますが、今のような、善意の加入者の便宜をはかりたいという趣旨からいつたら、「取扱いの便宜上、加入者が自己の口座に払い込む場合の料金はすべて加入者の口座から徴収する」と書いてあることは矛盾しはしないか。趣旨弁明のところの比較をひとつ、これは今の説明の方のお答えとあわせてお聞きいたしたいと思います。
○畠山説明員 あとの方でおつしやいましたのは、料金の徴収方法だけの改正でございます。と申しますのは、今の払込みの料金は、先ほどもお話が出ましたように、加入者負担以外のものは、すべて払込みの際、郵便局において徴収するというのが建前になつております。従いまし、て本人払込みでも、たとえば現在電信払込みというようなものは、電信料金に当るものをとつておりますが、これは現在郵便局で納めていただくことになつております。それをこのたびはすべて地方郵便局におきまして、口座の貯金からとるということに、料金徴収方法をかえたいという改正でございます。つまり今まで郵便局の窓口で納めていただいておりましたのを、地方郵便局で口座から徴収するということに改正するという趣旨であります。
○受田委員 そうしますと、加入者があらかじめ指定した一つの郵便局で払込みをする場合は、今まで通り料金はいらないのですね。ところが指定しない局で払い込んだ場合は、今の最後の二行に、それを含むのではありませんか。指定しない局でもやはり料金はとられるのではないですか。
○畠山説明員 仰せの通りであります。
○受田委員 結局加入者が自己の口座に払い込む場合の料金ということになれば、普通の本人払込みになるわけですね。それを含むのでしよう。だから加入者が本人払込みとして自己の口座に払い込む料金は、すべて加入者の口座から徴収することになりますと、これは善意の加入者を圧迫することになると思うのです。この点趣旨弁明は明らかに、本人払込みでも指定局以外から払い込んだ場合には、ちやんと口座から徴収するとあり、徴収料金は本人払込みでも普通の徴収料金と同じものをとられる、そういうわけでありますから、加入者はこの趣旨弁明によつても、明らかに一つの指定局以外では、全部本人払込みとして別料金をとられるように印象づけられると思うのです。これはせつかく法の改正が、加入者の便益に供しようとしたその精神にもとりはしないか。だからこれは善意の加入者を不利に陥れしめないような措置が必要だと思うのです。その点何とか考えてもらいたいのです。 私は今お調べを願つている間に、次官、局長にお尋ねしたいのですが、これは悪用を戒める意味の改正ではないかと思うのです。ところがその意味で、善意の加入者が、たとえば国会郵便局を指定したのが、麻布にかわつて行く、あるいは高輪に行く、荻窪に行くというようなぐあいに、市内をかわるような場合、適宜変更できるようにしておけば、本人たちは振替の利用を非常に喜ぶだろうと思うのです。この改正のように、指定した局以外は全部どこの局でも、すぐ隣の局でも料金をとるのだ、たとい本人払込みであつても料金を徴収されることになると、非常に圧力を感ぜられ、利用熱が下ると思うのです。たびたびそういう実例が起ると思うのですよ。たとえばさしあたり自分の指定した局が便利が悪い、雨が降つたら行きにくい、しかしここで急に変更したいという場合に、変更できないで料金を払うというような場合も、実際問題として起ると思うのです。この点、この趣旨弁明にある加入者の便宜ということは、全然失われることになるのです。変更するか、あるいは何か善意の加入者を痛めぬという意味で——この悪意の加入者を戒めるというのは、本日提出していただいた法案の最も大事なとこるだと思うのです。 それから私も、先ほどから林さんが御質問になつている間に思つたのですが、この法案を先ほどここに来てもらつて、そうしてすぐ質問せんければいかぬというので、実は非常に苦労しているのです。残りがまた明日出やせぬかと思うのですが、大体種はわかつた、ごく簡単な改正であるけれども、今の重点のところは一歩も譲れぬ、悪意の加入者を戒めるというのはいいけれども、今申し上げたように善意の加入者を痛める——そういうことはたびたび起りますよ。近い局に変更したいが指定してあるからとてもだめだという印象を持ちますから、提案理由の善意の加入者を何とか大目に見るような弁明に、ちよつと直していただくといいと思うのですが……。
○小野(吉)政府委員 ただいまの受田委員の御質問の御趣旨ごもつともでございます。第十九條の改正は、お説の通りそういつた濫用を防止しよう、こういうような気持でつくつたのでありますが、同時にそのことが非常に善意な利用者の不便を来すようなことがあつては相ならぬと思います。そういう意味におきまして、この運用につきましては細心の注意を払つて参らなければならないと思いますが、実際の本人払込みの実情から申しますと、大体局は固定しておるのでございまして、ただ旅行先から払い込む場合、代理人なりあるいはそういつた本人にかわつて払い込み得るというように、今の法律の規定で許されております。それを使いまして払つておるような実例はございますが、そういつたこの方面の払込みの実情は、実は口座へ払い込むのではなくて、為替の代用にこれを使う、こういうような利用の状況に相なつておるわけであります。本人が実際に払い込みますものにつきましては、多少長い期間を経過いたしますと、Aの郵便局に今まで払い込んでおつたけれども、いろいろな事情でBの郵便局にかえた方がいい、こういうことはあり得るのでございますが、それにはその都度取扱いの郵便局の指定をかえてもらえばできるわけでございまして、短い期間にAの局なりBの局なりCの局に払い込まなければならない、こういうような取扱いの実情はあまりないわけであります。従いまして御本人に最も便利な、最も払込みに利用しやすい局を指定いたしていただいて、そこで払い込んでいただけば、一方そういつた濫用を防ぐ規定の運用が、善意の振替貯金の利用の面にさしたる不便を来すようなこともないと思います。かりに不便を来すようなことがあれば、これはわれわれとして最も避けなければならないので、そういう面については十分注意を払つて参つておるわけでありますが、この規定の運用につきましても、私どもそういつた振替貯金の利用の面について濫用を防止するために、ほんとうにしんからこの制度本来の趣旨に従つて、利用する方々に御迷惑をかけようとは毛頭考えておらないような次第であります。
○受田委員 局長の御意図は了といたしますが、ここで問題は「これと関連いたしまして、取扱いの便宜上、加入者が自己の口座に払い込む場合の料金は、すべて加入者の口座から徴収すること」とあるのですが、これと関連してでありますから、今のような悪意の人に関連して、指定した局以外では料金をこれと関連してとると解釈するのですが、そうなると実際問題としては、取扱いの便宜上悪意の加入者が自己の口座に払い込む場合は、加入者の口座からとるということになると思うのです。これは提案理由の説明の第二面のおしまいですが、取扱いの便宜上、加入者が自己の口座に払い込む場合は、これは悪意の加入者という場合に限るわけですね。この提案理由とこの法案の改正とは、面接の大拝な結びつきがあるから、もし何でしたら、この提案理由を何とかかえて、実際問題として、まじめな意味で利用者が自己の口座に払い込む場合は、たとい隣の局で払い込んだ場合でも、住所の変更とか何とかすぐ手が打てるようにしておけば、絶対に料金を徴収されることはないわけですから、善意の加入者が口座からやめさすような実際の運用の面は避けられるじやないかと思います。その意味からこれははつきりと、加入者が指定した局以外は全部払い込むということになりますので、運用の面における問題になると思うのですが、これをちやんとこうして明文として書いておくと、もう指定局以外の本人払込みは、全部料金徴収という印象が非常に強くなるのです。これが非常に心配で、一番ポイントであり、重点であると思いますので、念を入れて何回もこうしてお尋ねするのですが、この提案理由の説明の印象からは、われわれそういう感じがしますが、提案理由を何らかここで改めるような道はないでしようか。
○石原(登)委員 ただいまの受田君の質問に関連して私も質問いたしますが、これは今まで本人が払い込む場合は、どこの郵便局であつても、本人払込みという場合は無料だつたでしよう。そうしますと、今度はその本人払込みだということを主張して、第三者がそういうことをして無料にならないために、今の制度をやるわけです。ですから今度は指定した郵便局以外で本人の名前で払い込んでも、料金は徴収するわけですね。
○小野(吉)政府委員 そうです。
○石原(登)委員 その場合と、それからもう一つ、この電信の払込みによる料金はいるのでありますから、この料金を窓口でとらないで、口座の中からその都度とるかどうかしらぬが、口座の中から差引く、こういうことになると、私はそう実害はないと思うのですが、ただ憂うるのは、かえつてそういうような口座からとるというために、仕事が煩瑣になるのではないかということを考えますが、指定局以外は料金をとるのだということになりますと、私は善意にも悪意にもそう問題ではないじやないか、こういうふうに考えます。
○受田委員 私はこういうことを申し上げたいと思うのです。つまりこの法はこのままにしておいて、但し加入者が悪意の払込みをした場合には、別に料金を徴収することとするというようなことにしておけば、つまりそれだけのものが振替貯金へ入れられておるので、きのう北海道で払い込み、きよう鹿児島から来た、そうすると悪意の加入者として、そのときにはすぐ料金の徴収通牒を出す、こういうことにすると、加入者が自粛自戒すると思うのです。私の申し上げるのは、法律はこのままにしておいて、今のような悪意の利用者に対しては特に料金の徴収をするという規定をつくつておいた方がいいと思う。
○風間委員長代理 ちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○風間委員長代理 速記を始めて。
○小野(吉)政府委員 ただいまのお気持ごもつともでございますが、実はそういつた但書的な規定の仕方もなるほどあるわけであります。ただその場合には、それがはたして濫用であるかどうか、いろいろ認定の基準も非常に困難でございます。またどういうふうな基準を設けましても、認定にあたりましていろいろ物議をかもしますから、かえつて振替貯金の制度自体に不信の念を抱かせるようになりはしないか、こういうように考えるのでありまして、むしろそういつた疑念のない方法、こういうことで実は十九條のような改正を考えたわけでございます。しかもこの問題は御懸念ごもつともでございますが、実際の取扱いの実情から申しますと、本人払込みの局はほとんど特定しておるのでございまして、そう二、三の局にいろいろ払込みの事実があるようなことはないわけでございます。そういつたような状況でございますので、ちようど郵便で私書函を利用するような状況で、大体口座に払い込む局を特定しておるような実情から申しますと、こういつた規定を設けましても決して濫用を防ぐために、かえつて振替貯金制度に対する信用を非常に大きな面にマイナスを来すような面はなかろう、かように考えておるわけでございます。
○受田委員 今の第二の提案理由の説明によると、加入者ということがあるが、これを二行削除しておくか何かして——何かまじめな加入者は自己の口座一つ以外にいけないというような気がするのですが、それは運用の面において当局で適当にやられるというお約束をくだされば、それで結論ではいいことになるのですが、どうもこの提案理由の説明は、はなはだ利用者にきゆうくつを與えるような気がするのです。
○小野(吉)政府委員 ただいま御質問の御趣旨の通りに取扱つて参りたいと思います。運用の面におきましては十分に御趣旨を取入れまして、そういつた振替貯金事業につきましては、議会の御同情の深いその御趣旨を曲げないで進めて参りたいと思います。
○林(百)委員 振替貯金業務に従事している人員は何人ですか。
○小野(吉)政府委員 これは先ほど申しましたように、ただいまその資料を持合せておりませんが……。
○林(百)委員 振替貯金業務の固有の人員はあるのですか。あなたが局長なら別として、末端に行つたらそういうものはあるのですか。貯金、為替、振替と、みな同じことをやつているのではないのですか。
○小野(吉)政府委員 大体予算上の見当はございます。現実におきましてはその業務の繁閑に応じまして、為替事業、貯金事業、振替事業は、人員の面ではいろいろ総合操作をいたしておりますので……。
○林(百)委員 あしたその人数を聞かしてもらいましよう。それから預金部特別会計のころ、振替貯金特別会計への利子は幾らだつたのですか。今度資金運用部になつてみんな五分五厘になつたのでしよう。それまではそれぞれの会計でもつて、預け金に対して利子をもらつておつたわけですね。それは幾らだつたのですか。
○小野(吉)政府委員 貯金特別会計の面につきましては、先ほど申し上げました通り五分五厘であります。
○林(百)委員 今はそうですが、従前は幾らですか。
○小野(吉)政府委員 従前はそういつた利子収入というものを、予定しておらなかつたのであります。今年度から郵便貯金特別会計制度なるものができまして、その会計は特別歳入歳出の計算をするようになつております。従来は必要な経費をその都度折衝して経費を受ける、こういうような状況になつております。
○林(百)委員 大野さんにお聞きしたいのですが、これは従来郵便貯金特別会計として、六分七厘の利子をもらつておつたのではないですか。
○大野説明員 御承知のように従来郵便貯金特別会計というものはなかつたのです。なかつたということは、郵便特別会計の固有の事業であつたわけです。そうして郵便貯金事業自体に要する経費は、これはりくつから申しましても、昔の預金部特別会計で負担すべき経費でありますから、その実費をそちらの会計から郵政特別会計に繰入れてもらつておつたわけです。それは何分何厘と言わず、何億何千何百万円という具体的の金額でもらつておつたのです。
○林(百)委員 そうするとそれは大体貯金の総額、あるいは預金額のどのくらいに当つておつたのですか。
○大野説明員 今正確にどのくらいに当つておつたかということをお答えいたしかねますけれども、まず目の子算で行きますと、現在の五分五厘よりは上まわつておつたことは事実でございます。
○林(百)委員 それからもう一つ、こまかいことをお聞きしたいのですが、今度の改正を見ますと、たとえば十八條もそうです。方々にありますが、「省令で定める金額との合計額」というのは方々に出て来ておりますね。それはどういうわけですか。もう国会にかけるとめんどうなのがいるから、大体省令できめるというのですか。
○小野(吉)政府委員 これは決してそういうようなずるい考えではないのであります。電報料金がしよつちゆう動くわけであります。従来のそれから申しますと、普通の払込みの料金に電報料金を加えたもの、それを徴収することが、電信を利用して振替の払込みあるいは振替の払出しをする場合の料金であつたわけであります。従来はその額をちやんと算定いたしまして、法律の上に金何百何円なり、こう規定しておつたわけであります。それは電報料金が動くたびに法律改正の手続をふまなければならない、こういうふうな状況にもなつておりまして、たまたまその電報料金が動くときに常に振替料金が動けば、それは問題ではないのでありますが、振替貯金の料金としましては動かす必要がない場合に、電報料金が動くときもあります。そういうような見地から、電報料金は電通省の方でやりまして、一目でわかるわけでありますから、それを加えたものを料金として省令で定める、こういうふうにとりはからいたいと思います。
○林(百)委員 そうすると電報料金の方は電気通信省の方になつた、この方は郵政省、ところが今大体うまく行つているが、そこがうまく行かないからというのですか。電報料金がかわつたら、当然今までのように国会の審議にかけたらどうですか。大体電報料金を上げることに賛成するような與党を持つている政府だつたら、この振替貯金の料金を引上げることだつて賛成して、それに反対することはないと思うのです。(「めんどうくさいからだ」と呼ぶ者あり)めんどうくさいということは、国会を軽視することになる。国会を軽視するからめんどうくさいのだ。
○小野(吉)政府委員 それは先ほど申し上げましたように、電報料金の動きと振替貯金を変更する動きとが、常にマッチしておれば問題はないのであります。ただ電報料金は動くが、振替貯金を何ら操作する必要がない場合に、一々法律を改正しなければならないという煩を避けるために、電報料金は国会で審議を受けるわけでありますが、その額を加えたものが料金になりますので、その辺のところがありますので、省令で定めることにしたわけであります。
○石原(登)委員 これは希望ですが、国会内にある郵便局が非常に場所が悪いために、国会の直接の関係者以外に、参観者とか国会に非常に関心を持つて出入りする人が、利用ができなくて困つておる。あの国会内の郵便局を適当な場所にぜひかえてもらいたいのですが、どうですか。その変更はめんどうくさいのですか。今、国会の関係者以外に、外部から来て非常に利用したい人が困つておる。私の秘書などは、電報を打つてやるのに追いまくられておるような状態ですが、これを会館のところに移すとかなんとか、ぜひ御努力願いたいと思います。
○松井政府委員 国会内の郵便局をもつといい場所に移すようにというお話でございますが、私らはそういうふうに願えたら非常にけつこうでございます。これは国会内のいろいろの御事情もあろうと思いますが、私たちの方から事務当局に訴えたいと思いますので、どうぞ御協力を願いたいと思います。
○石原(登)委員 この問題は外部の人も非常に助かるし、郵便局も助かるし、また郵政事業の収入の面からもいい結果になるから、ひとつ委員長から議院運営委員会に申し込んで、議院運営委員会としてもこれに善処するようにお願いしたいと思います。
○風間委員長代理 石原君の御意見は尊重いたしまして、そのようにとりはからいます。
○飯塚委員 先ほどの大臣の提案理由の説明においては、人件費及び物件費の高騰に伴う経費の不足を補うためとありましたし、先ほどの林君の質問に対する小野貯金局長の御説明の中には、八千二百万円の財源を確保するためという御説明がありましたが、そういうことになりますと、本年と同様、来年度においても物価の高騰、人件費すなわち賃金のベース・アップということになれば、また料金を上げなければならぬということになりはしませんか、その点について御説明願いたいと思います。
○小野(吉)政府委員 現在予想いたしております事態よりも、そういつた経費の要素をなす方面に非常な変動が起きまして、料金を上げなければならないような事態になるといたしますれば、あるいは料金改正で行きますか、それとも一般会計繰入れで行くことになりますか、この辺のところは現在のところではまだ予測いたしかねております。
○風間委員長代理 本日の質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○風間委員長代理 これより請願の審査に入ります。 下原簡易郵便局を無集配特定局に昇格の請願、本多市郎君紹介、第一五三八号を議題といたします。紹介議員がお見えになりませんから、飯塚君にお願いします。
○飯塚委員 下原簡易郵便局を無集配特定局に昇格の請願でありますが、下原簡易郵便局のある地域は、東邦亜鉛株式会社対州鉱業所の発展に伴い、本年五月から下原簡易郵便局の開設を見たのでありますが、近時対州鉱業所の飛躍的発展に伴つて、人口、戸数は著しく増加し、簡易郵便局の限られたる事務だけでは、その地区の住民が非常に不便になつて参りますので、これを無集配特定局に昇格せしめていただきたいという請願であります。
○風間委員長代理 それでは政府の意見を求めます。
○山本(猛)政府委員 下原簡易郵便局を特定局に外格するという本件のことでありますが、現在の当局におきまする事務量にかんがみまして、早急にこれを実現することは困難と思われますので、御了承を願いたいと思います。いずれ適切な時期が到来いたしますならば、本請願は当局におきまして十分考えたいと思つております。
○風間委員長代理 ただいま審査をいたしました下原簡易郵便局を無集配特定局に昇格の請願を議題とし、その採否を決したいと思いますが、御異議ありませんか。
○飯塚委員 この際動議を提出いたします。すなわち、ただいま議題となりました請願は、議院の会議に付して採択すべきものとし、議院において採択の上は内閣に送付せられんことを望みます。
○風間委員長代理 ただいまの飯塚君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○風間委員長代理 御異議なきものと認めまして、それではそのように決しました。 この際お諮りいたしますが、衆議院規則第八十六條による報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○風間委員長代理 御異議なきものと認めて、さよう決定いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十九分散会