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12回国会衆議院1951/11/13

文部委員会 第4号

発言数
78
登壇者
7
会派数
2
開催日
1951/11/13

会議録

長野長廣自由党

○長野委員長 開会いたします。  これより学校給食に関する件を議題といたします。  本件に関しましては小委員会を設置して検討いたしておりますが、この際一応結論を小委員長より報告いたします。  ただいまより給食に関する小委員会の結論を申し上げます。一、国の食生活改善という大局的な立場から、農林委員会に協力方を申入れ、食糧政策の一環として、学校給食は、その普及徹底のための基礎的方法としてはどうか。二、国民の栄養、衛生等の見地から厚生委員会との協力も求める。三、文部省に学校給食実施方法と予算等に関する調査資料の提出を求め、学校給食法を立案し、恒久性ある予算措置を講ずることにしてはどうか。  以上であります。御意見がありますならば承りたいと思います。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 私小委員会に出ておりませんので、どういう議論から、そういうような結論になつたか知りません。大体それについては、目標とか方法とかにおいて、いろいろ疑問はありますけれども、今後考究して行くということには賛成であり、給食を続けるということにも賛成であるので、農林、厚生との合同審議の場合に意見を述べることにして、それに賛成です。     —————————————

長野長廣自由党

○長野委員長 この際お諮りいたしたいことがあります。  教職員の待遇改善(給与別表)に関して、日本教職員組合及び日本高等学校教職員組合より、それぞれ参考人を招致して意見を聴取してはとの旨の御要求が、委員からありますが、参考人を招致することに決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長野長廣自由党

○長野委員長 御異議がなければさように決します。  なお参考人の人選及び意見を聞く期日等に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長野長廣自由党

○長野委員長 御異議がなければさようにとりはからいます。     —————————————

圓谷光衞自由党

○圓谷委員 久保田局長がお見えになりましたから、給食について、今文部省でどういう経過になつているか、ひとつ御報告願いたいと思います。

長野長廣自由党

○長野委員長 それでは久保田政府委員。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 前の委員会をお開きいただきました時分に、ある程度のことを申し上げて、小委員会をつくつていただくような結果になつて来たと心得ておりますが、ちようどそのことをお願いしておりますころには、米の統制撤廃が、ほとんど確定的に実施されるであろうというようなことも計算におきまして、その場合に、国民の主たる食糧の中に、特に麦を利用してもらうという線を強くする、一つの食糧政策というような面からも、この給食の問題を助けていただくというような線を考えまして、簡単に申しますと、外米を輸入する場合に要する政府の価格差補給金と、外米そのものの値段と麦との差額、また補給金についても同じことでありますが、その両者の差額をもつて学童給食の費用の援助に充てるような考え方をしていただけぬものであろうか。そうすれば、学童給食の方に直接・補助金を出してどうこうという問題でなくて、同時に食糧政策としても成り立つわけでありまするし、従来国民がいささか粉食と申しますか、食生活の改善と申しますか、こうした面にある程度のなれを持つて来て、今後この国民のなれに、よりよい粉食を指導いたしますと申しますか、そういう線が出るならば、食糧政策の上からいつても、たいへんにいい結果を期待できるのじやあるまいが。そうした場面を、一応どこでやればよろしいかという考えをいたしますと、従来文部省がやつて参りました学童給食といつた場面が、訓練なり、指導なりをいたします上に、一番よい舞台でありますし、また一番効果的な仕事のできる舞台でもあろうと私ども信じておりますので、そういう線から一応の案を考えておつたのでございます。先般お配りしました資料の一部に、そうした一応の計算をいたしておりますが、大体三、四十億の金額が出て来ることになつております。そうした場合にも、なお、ぜひ私どものお願いしたいことは、生活保護法の関係でへ現在厚生省の予算のわくになつておりますが、その部分から、学童の学童給食費をまなかつていただく一つの手段が講じてございますが、この学童給食のための援助費というものが、教育扶助という一つの大きいわくに一本になつておりますので、これを分割して給食費そのものを独立させるような方途を講じますならば、従来の非常に広い意味の援助にかえて、相当の救済がそこでできるであろうというふうに考えておるのでございます。このことは簡単に申しますと、かりに教育扶助を一本にしておくと、二百円なら二百円まるまる幾人かいただきますが、二百円いただくには及ばぬ、五十円だけでよろしいというような場合の救済方法が、そこにはないという現状になつております。私どものお願いしたいことは、その二百円を幾人かにわけることの方がありがたいのでありまして、二百円いただく分が不必要と申すのではありませんで、二百円は二百円としてやつていただきたいけれども、別にそれよりも少くても、ぜひこの際手を差延べてやらなければならぬというものが相当ある。その部分の救済をぜひお願いすることができるならば、今までの援助の関係が大きく削られても、そういう大きな救済線が残るであろうから、ぜひそういう方式をとつていただきたい。この二面だけが従来の考え方以上に特にとり加えて考えております線でございまして、従来の教育的な効果なり、また家庭的なつながりといつたような意味合いにおきます考え方は、全然かえておらぬのでございます。予算要求の関係から、むしろこれを単に文部省の従来の教育的な観点以上に、政府全体と申しますか、大きく生活改善といつたような面も加え、食糧対策といつたような面も加えて、大きな政策として打出していただきたいというふうに希望いたして、大体交渉を進めておるわけでございます。おかげさまで小委員会などをつくつていただいて、これから関係の方面とも、そうした段階で交渉を進めさせていただくことのできますことを、非常に感謝いたしておるのであります。  以上でございます。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 給食問題について、久保田管理局長に、お尋ねいたしますが、管理局長は、九月十八日の日本経済に載つておつた、給食関係において不在問題があるのではないかという記事をごらんになりましたですか。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 存じております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 それについて、若干お尋ねいたします。この記事によりますと、みそ、しようゆをつくつたり、搾油したりする場に、競争入札によつて業者をきめることになつておるのに、文部当局ではそうしなかつたという記事でありますが、その点はどうなつておりますか。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 最も通常の場合には、競争入札できめて行くという私どもの原則的な決定をもつておりまして、たいていの場合はそういう手段によつて業者の選定、品物の選定というようなことはやつておるのでございます。御指摘の場合には、特別な事情がありまして、競争入札にすることが、必ずしも適策でないのではないかというふうに考えたのでありまして、その間の問題については、いつか委員会で一応御報告したことがあると記憶いたしております。もし御必要があれば、また特別に一切御説明申し上げたいと存じますが、その辺の関係は、一応また御相談願つてお話申したいと思います。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 給食の受給権者は児童であつて、それが学校長に委任され、さらに府県の教育長に委任されるということが、原則になつておると思いますが、その点はいかがですか。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 受給権者と言われる、その点が、ちよつと私にはつきりいたしませんが、司令部の放出物資をどういうふうに考えるかという問題として、その点をお答え申すよりしかたがないかと思います。私どもはああいう放出物資を受けましたときの考え方として、これは司令部から、私どもに口頭でいつも説明のある問題でありまして、とりあえず文書の上にどうこうということの厳格なものではありませんが、司令部は放出を許可するのであつて、学童の口に入つて消耗されるものは、所有権は司令部にあるのだ、その間の管理権を私どもが——この辺が非常に法律上むずかしい部分になると思いますがたまたま給食の仕事をやつておりまする私どもの、いわば非常に個人的な性格における委託事務のような性格になるものと心得ております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 給食を受けるのは児童であつて、その材料を文部省が受けるという建前にはないと思います。やはり受給権といいますか、それは児童にあつて、これが学校長に委任され、さらに府県の教育長に委任されるというのが、われわれは原則だというふうに考えておりますが、文部省はそれを直接に、この場合委任なしにやつておるというような形になると思うのですが、この点の見解はどうですか。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 ただいまの御指摘の点は、府県なり単位の学校長なりが、そういう所有したものを処理する立場にあつて、文部省がそういう人々の委任なく、かつてに始末をしておるじやないかと、こういう御指摘のように思うのでございますが、さようでございますか。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 そうです。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 これは、むしろ私どもまつたく反対の考え方であります。私どもはその放出許可を受けるときの条件として、私の全責任の限りにおいてこれを始末するということになつておつたのでございます。一般論はどうであるにかかわらず、今度のお話の件については、私が今申したような立場に理解いたします。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 今度の場合は、今管理局長が言われたように処理されたという事実は、認められるわけです。しかし、一般論はともあれ、今度の場合は、大体管理局長の専断ともいうような形においてなすことが、何らかの形で認められたというふうな考え方が、第一おかしいと思うのです。問題は、そういうことの行われた結果が重大になつて来るのであつて、この新聞によりましても安本の方でこの製造業者のリストをつくつて、文部省あてに業者の中から競争入札によつて指定した方がいいという連絡をした。ところが文部省の方では、これは関係当局の—というのは、まあGHQのことだろうと思うのですが、それの指令によつたものだというふうに答えたと、こうあります。それはそういう、ふうにお答えになつたのですか。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 第一の問題の点が、少し私の言葉が足りませんので、誤解があるようでありますが、あの場合に限つてそうあつたという意味ではございませんで、あの場合もそうであつたというのでありまして、地方の学校長なり教育長なりが、子供各人の委任においてでないのと同じように、私どもが扱いますことは、子供各人の委任においてでないという事実において、全然かわつておりません。しかも現在放出物資として扱つております粉ミルク、それから玄麦、一切同じ行き方をしておるのでありまして、あの場合に限つてそうやつたという意味では、毛頭ございません。  それから第二の点は、直接安本からそういう意味の業者の特定数のものを推薦されて、そういう応答があつたと事実は、私は知りません。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 では安本の方から、そういうふうな、さつき申し上げましたような連絡が、文部当局に全然なかつたとおつしやるのですか。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 公式に、たとえば文書で私あてにいただいたとかなんとかいうことであつて、それがどうこうという意味では、私全然承知いたしておりませんし、また係同士で、そういう程度の話合いがあつたかどうかは、私聞いておりません。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 この記事によりますと「安本ではこれに不審を抱き調べたところ関係当局の指令なるものは文部省のタイプ用紙に「取扱業者は太平油脂、富士醤油の二社にやらせて欲しい」との文部省から関係当局に対する連絡書であり」というふうに新聞では載せてあるのです。つまり文部省の方では関係当局からの指示があつたので、特定業者としてこの二社を指定したのだというふうに主張したところが、安本ではそれに疑義を抱いて調べたところ、そうではなくて、逆にその二社にやらしてほしいという文部省からの連絡書であつた。それで「この点を文部省に早速交渉したところ」━━当の久保田氏自身が、「「大豆の件は自分が扱う、何も変なことはない」との回答があつたと安本では語つている」こういうように書いてあります。従つて安本からの連絡等の関係をあなたが全然知られないということは、私はないと考えておる。またこれほどの問題が起きた事柄について、新聞記事にさえもこういうふうにはつきり出ている事柄について、あなたがそういう関係が全然なかつたとおつしやるだけでは、委員としては了解できないと思うのです。この点ひとつ釈明してほしい。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 新聞記事にさえも、という保証においてのお話であります。私はその新聞記事を見て当然抗議を申し込むべきところであつたかもしれませんが、私が直接そういう回答をした記憶もありませんし、もし安本からそういう意味の直接の話合いがあつたとすれば、私の記憶に誤りない限り、私は何らかの手段を必ずそこに、形式的な証拠として残すぐらいの努力をしておるはずであります。その新聞記事に対しての釈明を私に言えとおつしやるのでないならば、そういう問題は、安本の方の、そういうことを発表した、その関係の人を洗つていただくべきであつて、私がそのときにそういう応答をしたか、せぬかは、私は全然ないと御返事申し上げる以外に方法はございません。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 その問題は新聞記事の全然誤りということに仮定したとして、次にお聞きしますが、これだけは確かなんですね。この二つの業者に——これは久保田管理局長の権限であるかどうかは知りませんが、見解によつて二つの業者に決定したんだという点だけは、疑いないですか。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 私が私の見解と、私の持つておりますスタッフと申しますか、組織によりまして決定したことは、間違いございません。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 どういうふうな見解から、この二つの業者が特定業者として適任であり、この二つの業者にだけこれをまかすべきものだというふうに考えられたか、その根拠を明らかにしてください。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 第一の問題は、これが関係方面からの推挙によるものであるということを、私が誤解であつたということが、かりにあるとしても、その当時確認をしておつたということは、間違いございません。  それから第二の点は、当時の業界における品物のストックの状況、それからもう一点は、その当時の業界に、こうした仕事を委託した場合に、起るであろう状態といつたようなものの判定から、この際複雑な関係に置くよりは、できるだけ単純な方法で行つて、推挙の線に対する答えをはつきりしておいた方がよろしい、こういう考え方に立つただけでございます。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 ではなぜ二つの業者が、こういう特権を得る運びになつたか。諸方からいろいろな業者が申し込むとか、あるいは他の手続で競争入札するとかいう手段があつたのに、二つの会社だけがこの申込み、あるいは優先的に承認されたといういきさつを、聞きたいと思います。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 今の焦点は、第一の答えの部分で、大体私は尽きておると思つております。今のお話の根拠には、無条件でその連中に請負わせたといつたような前提があつてのお話のように思いますが、私どもは価格の決定なり、規格の決定なり、そうした部分については、特定の条件がついておるわけでありまして、その条件を満たす限りにおいては、単純な形式上の責任を果すという意味の競争入札よりは、厳重にその間の連絡を責任一本にさせる方が、先ほど申します推挙の線に合せやすい、そうした場合の責任がはつきりしやすいという見解をとつたのでございます。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 言われわれの調査によりますと、久保田局長がこの富士醤油の土屋氏と、非常に親しい友人関係にあるということが明らかになつておるのでありますが、そういう友人関係にあるのでありますか。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 私は、土屋という人は、この契約がいよいよできるという時に直接会いましただけで、それ以前に、友人関係というものは毛頭ございません。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 それでは内容についてお聞きしますが、この大豆は今年の四月神戸港についたララ物資であつて、四千四百トンであつたのですが、これが会津若松の油会社に送られた場合には四千百八十トンになつておつた、つまり二百二十トンがなくなつている。このうちには來雑物及び輸送のロスが含まれてはいるが、二百二十トンというものが、どういう計算で差引かれたかということを—お聞きすることができるかどうかは別として、まず二百二十トンは四千四百トンの実に五%に相当する大量である。このロスの上に、さらに七七%を脱脂大豆と見込み、結局四千四百トンのものが、三千百余トンですね、こういう形で契約されておる。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 ただいまのような数字の点は、私、責任を持つてお答え申しますが、すでに最初から何パーセントか減つておつたのだ、行方不明だなどという事実は毛頭ございません。何かその辺誤解があるのではありませんか。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 時価で一トン当り三千二百円で契約を結ばれたということは事実ですか。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 ただいま三千二百円とおつしやるのは、油をしぼりましたあとの豆かすと申しますか、油かすと申しますか、それを償却しますときの単価でありまして、三千二百円だつたかと思つております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 三千二百円で、何と言いますか請負いさせた、ところが、そのときの時価は、約四千円くらいであつたというふうなことが、われわれにわかつておるのですが、その点の事情はどうなんです。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 直接その線の交渉を、私やつておりませんで、どういう応答があつたか、具体的なことは存じませんが、その当時三千六百円くらいのところが相場であるということを一応聞いておりました。その場合に、それは個々の取引、小さいある程度の単位の取引の場合のそれが相場ということでありまするし、さらにそれには、かますとか麻袋とか、そうしたいわば部品といつた種類のものを差入れての計算で、大体三千六百円ぐらいが相場ではないかというふうに聞いておりました。ただ大きくそういう取引をまとめてやる場合の単価としては、三千二百円ぐらいがいいところじやあるまいか。—これも単に文部省一人で独断にきめておりませんで、そのときに私どもが物価庁なり関係のところに相談に、係の人をやりましたという事実においては、かわりございません。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 大臣が見えておるので、大臣に対する質問が、かなりあるそうでありますから、もう一つだけ質問して次の機会に譲つておきます。  この二つの会社にやらせることが有利でもあり、かつ妥当であるというふうに考えられたと言われるわけですが、しかしながらこの二つの会社にこういうことをまかせることによつて、非常に大きな負担が他面かからざるを得ない事情にあると思うのです。第一には、たとえばこれが各府県の教育長等によつて業者が決定されるということになれば、各府県に業者ができるのであつて、従つて神戸港に陸上げされた材料が、直接に各府県に行くということが可能であるし、また当然であつたと思うのです。ところがそういうことはなされずに、一定の業者にのみまかされたことによつて、輸送関係が非常に複雑になつて来る。たとえば東京に持つて来て、それから会津若松に行つて、それから諸方に配給されるというふうな点からいつて、いわば運賃の上からいつても、また倉庫料の上からいつても、非常に不当な経費がこれにかかつて来る。その結果は、児童が高い給食費を払わざるを得ないということにならざるを得ない。なぜ各府県にそれを分配しておけば、神戸から直接に送れるものを、このような複雑な形をとつて、高い運送料と倉庫料を出してまで、こういう形をとらなければならぬか、その点のあなたのお考えを聞いておきたい。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 私は、この問題に限らず、全般として考えておりますことは、こういう種類の仕事は、できるだけ責任者を一つにしておきたい。ただいまのようなお考えによりますと、全国にこれをばらまいて、全国にそういう責任関係を起させる形になるのでございますが、この問題に限りませず、大体中心の一箇所でこういう責任を負うて行くようにありたいという考えを、私は全般として持つております。今度のような場合においても、ただいま御指摘のように、これをある部分のところで始末することによつて、運賃が非常に損をしたのではないかというふうにおつしやつておりますが、これは全国プールの仕事をいたします場合には、どこへ置いても、計算の上では同じことになるのでございます。数字的にこれの計算もできておりますので、必要であれば、またお示しをいたしますが、ああいう非常に簡単な状態にあるときに、できるだけ長い距離を走らせまして、複雑な状態にあるときに短かい距離を走らせるという形の方が、運賃計算の上では非常に得になるのでございます。この場合、あれを全国単位々々の県に振りわけて、その振りわけたものを単位々々のところでまた二段の輸送をやり直すという形をとります方が、むしろ金額的には高くかかるのであります。これらは計数的にお示しすることもできます。  それからまた大事なことは、私どもは油がほしくて大豆を買つたのでありまして、みそ、しよう油を直接の問題としたのではなかつたのであります。従つて、私どもは油としてこれを扱う関係を考えなければならなかつたのであります。しかも、油であれば大体どの学校も間違いなくこれを受けてくれることにおいて、私は確信を持つておりましたが、みそ、しよう油については、まつたく確信がございませんでした。なぜならば、これは各地方の嗜好ということもありまするし、またどの程度にこれを使わせるかという分量的な問題についても自信がありません。それで、豆かすはできるだけ一箇所に保管させて、将来それの処分という問題を考えなければならぬ。全国にばらまいてしまつてから、全国でしかるべくそれを始末しでよろしいという意味の許可は、全然私どもは持つておりませんので、私どもの全責任においてこれを始末しろという大前提が、そこにございました。従つてこれを分散させるということの危険は、第一番に私が申しました私の考え方と一致しておる考え方なのでございまして、措置もまたそのようにいたしたわけであります。現在のところ、みそ、しようゆについては、約四分の一ぐらいが大体消化できる、また確かに自信のあるところでありまして、四分の三ぐらいの豆かすの残りを、今後どういうふうに処理すべきかという点は、私はまだ結論を持つておりません。品物が品物でありまして、従来考えておりますように、所有権は私どもに絶対ないということを考えておりますから、そういう意味の手続もして行かなければならぬと思つておりますが、まだこれの処分は現在地方の需要の面がない限りにおいては、決定するわけに行かぬという状態にあるくらいであります。大体の経過はおわかりと思いますので、これくらいにしておきます。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 久保田管理局長の意見によりますと、この九月十八日の日本経済に出ておつた記事はでたらめである、少くも真実でない、安本からもしかじかの申込みもなかつたというような点が明らかにされたと思う。従つて、これは新聞の不徳問題になつて来ると思うのですが、しかし新聞の不徳問題より重要なことは、このように重大な、文部省の収賄事件とさえ言われ、大きく取上げられた社会的問題を、局長が知りながら、これを取消しもしないというところに、私は非常に問題があると思う。このような問題が残されたのでは、天野文相がどのように道徳問題を説かれても、これは世間が承知しないと思う。従つてこの問題は、大臣においても十分調査されることが必要であると思うし、われわれは、今日の局長の説明だけでは、大きく疑問を残しておるのであるから、日本経済の方にも、この記事が事実であるかどうかを確かめ、さらに安本の方にも聞いた上で、今後の説明をさらに求めることになりましよう。これで今日の久保田局長に対する給食問題についての質疑は打切ります。

圓谷光衞自由党

○圓谷委員 給食は、食糧問題から、大体明年度も続けるという方向に、自由党の政調会も進んでおります。それで天野大臣は、この前には、食生活において、道徳的見地からも大切であるという答弁をされておりますが、私はもつと大きい問題があると思う。今食糧の統制を解く主かなんとか、大問題を起しておりますが、これは食生活ばかりからでなく、どうしてもこの給食を持続しなければならぬ。私は食糧問題のみでなく、別な方面からも考えておるのですが、きようは長くなりますから申し上げません。文部省は、もつと基本的な問題を取上げて、恒久的なものとしてこれを法制化して行くというような考え方を持つておりますかどうか、これをお伺いしておきたい。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田政府委員 本年度のような状態にありますときには、法制化は非常に困難であると考えておりましたが、先ほど御説明申し上げましたように、食糧政策という点を加味しての態度をきめるということであれば、これも一つの法制化の方式だと思つております。いま一つは、食糧政策というようなことと関係なく、単純な補助金の形においてこれを固めるというのであれば、これも一つの法律形式の場合だと考えております。私はただいま圓谷先生のおつしやつたように、自由党の政調会あたりで、一つの政策としてそういうものをきめていただくというふうのことが確定しておりますならば、これは食糧政策を加味した意味での法制化と、教育的な扱い方といつたようなものを加味した法制化と、両面から考えて法制化すべきものであるというふうに考えております。     —————————————

長野長廣自由党

○長野委員長 次に文部省所管の行政一般に関して、質疑に入りたいと存じます。  本日は大臣、法務総裁も御出席願うことになつております。なお江口警察予備隊本部次長も御出席になつております。

圓谷光衞自由党

○圓谷委員 神戸海技専門学院の問題ですが、これは御承知の通り、昭和二十三年に船員教育委員会において、海技専門学院を二十六年度から新制大学にして新制教育を行うことを決定しております。さらに第六国会の昭和二十四年十一月には、政府委員の鈴木文部次官、山口船員局長の答弁にも、海技専門学院の復興を急ぎ、高等商船学校と同時ではないが、大学に昇格させたいということが、岡委員からの質問に対してですか、記録されております。運輸省は海技専門学院をなお持続したいということであつて、文部省の方では、昭和二十七年度よりこれを大学に昇格して行くというような予算処置が、まだできていないのであります。そこで自由党の政調会の文部会においては、数回にわたつて、運輸省及び文部省の次官、並びに大学局長等の臨席を求めて、この問題を検討いたしておりましたが、政調会においては、日本の国策上将来この大学を設置する、人員の養成は急速にはできない、船ならば一年に何ばいもできるが、この際優秀なる船員を養成することは一日も早くしなければならぬということに決定いたしまして、本日総務会においても、了承を求めたような次第であります。ところが、きよう総務会において、天野大臣は、大学の整備をしなければならぬ場合であるから、この点においてこういう大学の設置が、はたしてどうであるかというような御見解を持つているという話も出たのでありますが、これは普通のものと違つて、特殊な日本の国策として重要なものである、日本に戦前において五つあつたもので、そういう大学を二つ日本に船員養成機関として置くことが妥当であるというような結論に達しておつたのでありますが、大臣はどういう御見解を持つていらつしやるか、お伺いしたい。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私は今おつしやいましたように、現在は大学をふやすということは、もうできるだけ避けて行かなくちやならぬというときですから、それでそういうような大学はできるだけふやさないような方針でおりますけれども、しかし、ぜひともそういうものがなければならぬということであれば、これはまた別の考えでございます。私は、これは運輸省と文部省の事務当局によく話合うように、次官同士で話合いをするようにと言つているのであります。それ以上に私の考えを述べたことはございません。

圓谷光衞自由党

○圓谷委員 そうすると、今の大臣の一御答弁では、全然この海技専門学院は、日本の現状よりして、設置しなければならぬというお考えは持つていないのですか。——これは非常に国策において重要だから、一日も早くやらなければならぬ。そこで私はお伺いしているのですが、ただ大学が多いから、今新らしい大学を置くということはどうも考えられないが、次官同士の話合いによつてきめろということであれば、大臣は白紙なんでございますか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 大学をできるだけふやすまいという点においては、白紙でございません。けれども、今の大学については、白紙でございます。

圓谷光衞自由党

○圓谷委員 戦前において六百五十万トンの船隊をもつて日本が世界に雄飛しておつた。戦後昭和三十年までには、三百八十万トンの船隊をつくるという運輸省の計画、こういう場合においては、すべての大学は、なるほど大臣の言われる通り、ふやすことは——つまり、これは特殊な学校で、日本の国策として将来この海運を発展させるという大きな構想のもとから、この大学は必要であるとお認めになつているのか。それともやはり、大学をふやすことはいけないから、どうでもいい、こういうお考えでありますか、どちらでありますか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 どうでもいいというと、表現が非常に悪いのです。だから、私がそれはこういうふうに大学をふやしてはいかぬというときでも、どうあつてもこれをふやさなくてはならぬと確信するだけの材料をまだもらつていないので——これは運輸省の方では、今の再教育というものはぜひとも必要なんだ、これをやめるわけに行かぬ。だから、大学をつくるとすれば、それは存置した上でつくらなければならぬということなんです。存置した上で、ぜひとも今船員の需要上、これがなければいかぬというところまで、私が事務当局から聞いていないものですから、それで今これは必ずつくるのだというはつきりした御答弁ができないことを、自分は遺憾とするものでございます。しかし、事務当局とも、なおよく相談いたしたいと思います。いろいろな問題が山積しているものですから、それでこの問題を、必ずというところまでは、まだ研究していないということを申し上げることを、許していただきたいと思います。

圓谷光衞自由党

○圓谷委員 自由党の方では、政調会全員ほとんど一人の反対もなく、参議院の方の自由党も合同審査の結果、本日総務委員会において了承をしていただいたわけであります。つまり総務委員会においては党議でございますが、国策としてこれを遂行するという線に行きましたときには、それでも文部大臣は、なおまだただいまのような御態度でいなさるかどうか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 これば自由党内閣でございますから、自由党がそういうふうに党でおきめになつて、内閣もそういう方針でいいということなら、もちろん私もそれに従わなければならない。

圓谷光衞自由党

○圓谷委員 もちろん、内閣においてはこれは相談になりますが、大臣も閣僚の一人でございます。運輸大臣の山崎さんとは、私過日交渉いたしましたが、大臣の見解は、方針としては賛成である、但し海技専門学院の養成機関は廃止してはいかぬ、こういう見解でありますが、大学の別科としてこれはもちろん存置しなければならぬ。再教育でありますから、これは必要欠くべからざるものであることは了承しております。この点は、文部大臣と運輸大臣とがよく御相談くださつて—、次官とか局長ばかりにおまかせにならないで、日本の国策上よく御相談して、円満なる解決をされることを希望して、私の質問を終りまする。

佐藤重遠自由党

○佐藤(重)委員 文部大臣にちよつとお伺いしておきたいのですが、私の信ずるところによりますと、日本の民族の将来を、敗戦の現在ということから大局的に検討いたしましたときに、結局お互いが祖国再建にほんとうの力を振うのは教育だ、結局教育をおいてなし。この前の委員会のときにも、私は、あまり近ごろの文教関係の論議が、すべて当面の予算だけに没頭していることを遺憾に思つた不満を、ちよつと吐露したわけでありましたが、ただいま問題になつております商船大学のごときは、どう考えても一番緊急な問題なりと、こう私は確信いたしております。せんだつて相当深く私どもは研究いたし、相当な資料を専門的に集めて、今結論を得て、どうしてもこれは急速に、しかも来年度からただちにこれを実施すべしという結論を得たのであります。自由党としてもちろんでありますが、今圓谷君から御紹介の通り、党として、根本においてそういうような方針をきめたのであります。ただ惜しむらくは、先ほどからのお話を聞いていると、大臣は、どうも事務当局をたいへんお頼りになつているようであります。ややともすると、事務当局に引きずられるのうらみがありはせぬか。私は、どうか文部大臣が百尺竿頭一歩進んで、国務大臣として大いなる抱負を、この際ひとつ抱いていただきたい。大体私の見ているところによると、事務官僚は—こう言つてははなはだお気の毒の感がありまするけれども、どうもセクシヨナリズムにとらわれたり、それから識見が小さくてややともすると事務的な見地から小さなことばかり考えておる。大体日本の海運を三百万トン、四百万トン、そんなけちくさいことを考えていること自体が、私は誤りであると考えております。あまり事務官僚を頼らず、事務官僚は一つの参考にするにすぎないようにしで、どうぞひとつ大局的見地から、私どもの党が決定いたしましたこの大方針に驀進されんことを切に希望いたします。むろん御反対ではなかろうと存じます。ただいまの御答弁によりましても、政党内閣であるがゆえに、政党が決定した以上は、その方針で行く。こういう御答弁ではございましたが、どうかひとつその決心をこの際新たにしていただきたい、こう考える次第でございます。蛇足のようでありましたけれども、希望を述べまして、さらに大臣の強き御決心の御答弁を得ることができましたならば、この機会に伺つておきたいと思います。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私は実は事務当局とばかりお話しておるのではなくして、運輸大臣とも、このことについてはよくお話をしておりまするまた党がそういうふうに御決定になつたということであれば、運輸大臣とそのことをよくお話をして行きたい、そういう考えでございます。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員 実はゆうべの東京新聞、あるいはけさの東京で発行されておりまする各新聞に載つておる、京都国立大学の学生の、いわば騒擾事件でありますが、その点について、ちよつと文部大臣にお伺いしたいと思います。まず代表的なものとして、朝日新聞の記事を読み上げてみます。「十二日午後一時二十分、京大に陛下がお着きになり学長室にお入りになつた後、学生約五百名が陛下の空車の回りに押寄せ人ガキをつくつた。京都市警では学校当局からの要請により警官二個中隊を出動させ学生の整理にとりかかつたが、依然空車をとりかこんだまま平和の歌を高唱し続け、学校当局では陛下が本館会議室で各学部代表教授の研究状況の説明を聴取されている間、同本館の表玄関を閉じ、京都市警ではさらに警官一個大隊を増援、学生たちを退去させた。陛下は予定より十四分遅れて車に乗られ、京都陶磁器協同組合へ向われた」━他の新聞を見ましても大体大同小異でありますが、ある新聞によりますと、これは計画的事件である、要するに、その前の晩、共産党系の連中と、その学生たちが協議をしたという事実を指摘しているのであります。これはそうであることは想像にかたくないのでありますが、そういう事実があつたことを新聞が報道いたしております。渡部君にははなはだお気の毒でありますけれども。そこで新聞によりますると、これはどういう目的であつたかと申しますと、この両条約につきまして、陛下の意見を求めるといつたような公開状を陛下に渡すためにであつたということが、記載されております。しかし、京都国立大学の学生ともあろう者が、現在の憲法におきまして、批准の権限が内閣にあり、承認の権限が国会にあることぐらいは、三歳の童児といえども知つているはずだ。それを単なる象徴たる天皇、すなわち政治に対して今然権限を持たないところの天皇に対して、そういつたような難くせをつけようというところに、共産党一流の暴挙といいますか、やり方があるのでありまして、これははなはだおかしな話である。ところで、こういう事件につきまして、大臣のところに何か報告が参つておりますか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私は非常にこの事件を残念なことに思つております。しかしまだ何にも報告を聞いておりませんから、今よく調べるようにしておるわけであります。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員 大臣は、この事件についての新聞記者のインターヴユーに対しまして、たしか読売か毎日だつたと思いますが、自分は非常に最終的責任を感じておるというようなことを述べておられるのであります。非常に責任感の強い大臣としては、新聞記者のインターヴユーに会うと、そういう返事をするのは、当然かも存じませんけれども、実は現在の文部大臣の権限は、国立大学に対して真の意味の監督の権限はない。それでこういう学生の騒擾事件であろうと、またもう一つは南原総長—これははなはだけしからぬことであると思いますけれども、任期が来るのを奇貨として、学生を非常にアジつておる。しかもこういう問題につきまして、ああいうように学生をアジることは、はなはだけしからぬことであるというので、この委員会においてつるし上げをやつた。ところがいささかも改俊の情を示さず、来年の中ごろですか、任期満了だという最後の段階において、学生を煽動した。しかも前以上であつた。こういうふらちなことを国立大学の総長がやつておるにかかわらず、大臣に監督の権限がないということに対しては、私たちとしまして、非常におかしなことであると思う。要するに民主化のはき違えであつて、大臣たる者が最終的責任を感ずるような法的な措置をしなければならぬと思います。ただ道義的に責任を感じますというような制度、そういつたようなふらちな学長等に対して、何らの措置もできないということでは、はなはだ不都合でありますので、現在われわれの委員会におきまして継続審議をやつておりますところの大学管理法を一応撤回されまして、そういつたような条文をはつきりとうたつた法案にして出し直すというお考えがあるかどうか、お伺いいたします。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私文部大臣の地位についてから、いつも痛切に感じておりますことは、文部大臣というのは、義務ばかりあつて何も権限がない、権限がそれに伴わない。これは何も自分がこの地位におるからではなくして、文部大臣という地位として、これはひとつ研究を要するものがあるということを常々感じております。ただ、ただいま申されました、大学管理法案を引下げて、さらに研究し直すということ、それについては、なお研究をいたしてみたいと思います。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員 大臣の仰せられた通り、現在の制度というものは、いたずらに義務のみ課せられて、権限がない。こういう制度は、われわれとしましても、当然改めなければならぬという考えを持つておるのでありまして、京都の学生の騒擾事件といい、南原総長の暴言事件といい、これらに対して、大臣が実にお気の毒にも、道義的責任をとらなければいかぬという立場に、むしろ御同情いたしまして、法制的にこれを整備するということを、文部大臣といたしましても、またわれわれ国会といたしましても、今後急速に考えたいということを申し上げまして、私はこの点に関する質疑を終ります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 関連して——今、岡委員からの発言の中に、南原総長の教養学部における演説が、許すべからざる暴言であるというふうな言葉が出たようであります。これは岡君に対してどうこうという問題ではなくして、大臣の考え方という上でお聞きしたいと思うのですが、南原総長が講和条約反対の意見を述べたということは、暴言というような形で取上げ得るものかどうか。またそういうことを述べる自由が、大学教授及び学長にないのかという点です。この点はどういうふうにお考えですか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 私はまだその演説について、何も知つておりません。知らないことについて、ここでかれこれ申すことは、差控えたいと思います。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 私は南原総長の演説の内容について、大臣にお伺いしておるのじやないのであつて、どの大学の総長であれ、またどの大学の教授であつても、あるいは他の人であつても、条約反対ということを述べるのが不当であるのかどうか、教職員にそういうふうな自由が与えられていないのかどうかということについての大臣の見解、これは非常に行政上重要な問題だと思うので、伺いたい。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 そういうことはすべて内容と関係しているものであつて、ただ形式的に論議すべきものではないと私は思います。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 内容の重点は、私が言いました通り、条約に反対する、現在の具体的な条約に反対するというのだから、それ自身がもう具体的な内容です。そういうふうな具体的な条約に反対するということが、大学教授とか総長とか、そういう立場の者にとつては、なすべき言でないのかという問題です。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 そういうことは、純粋に学術的に述べておるのか、あるいはある意図を持つて若い者を煽動するというのであるか、そういう、つまり同じことでも、述べ方とかいろいろなことの内容がこれに関連して来るのであります。渡部さんのような方から、そういう形式的な論を聞くことは、非常に意外なことであつて、あなたからは、歴史家として、いつも内容を持つたお話を伺いたい。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 私が話すと、いつも渡部さんのような方からとおつしやいますけれども、それは別に重要な問題ではなくて、問題は現在の条約に反対するということです。それはどういう言葉であり、反対するか賛成するかという点においては、われわれは非常に具体的な問題だと思う。これ以上具体的な問題はないのです。従つて現在政府の政策に反対するということが、教授とか、学校当局とかいう位置にある者にとつて、不当であるというふうに文部省では考えておるのか、大臣は考えておられるのか、その点です。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 それは、まつたく純粋に学術的に述べられているものかどうか、そこに問題があると思うのです。大学は学問の場所なんですから、あくまで、すべての問題が学問的に取扱われなければならないと思うのです。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 しかし、大臣は常に、学校は単に学問を科学をするという所だけではなくて、人格とか、あるいは人物を養う所であるということを、いつも強調されておると思うのです。かりに南原総長が、この条約に反対することは、日本の民族を守り、戦争を防ぐことである、従つて現在の日本人であり、またほんとうに民主主義的な、平和を愛好する人であるならば、この条約には反対すべきものであるという信念を持つて述べられ、従つて諸君はこういう立場から反対すべきであると言うことは、大臣の人間の教養の立場からいつても、人間の教育という、大臣が常に強調される立場からいつても、当然その結論は出て来ると思うのです。そういう場合に、それを煽動と考えるか、当然教育者としてなさなければならない言であると考えるかという点に問題はかかると思う。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 渡部さんの御議論は、学問というものと人間というものを離して考えておられます。しかし私は、大学における人間育成というのは、常に学問に媒介されなければならないと思つております。学問に媒介されないのであつては、それは大学の使命に矛盾して来る、こういう考えであつて、人間教養をやるのだから、学問とは別だというような考えは、まつたく間違つた考え方であるというように考えております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 それは、まことに大臣の言われることは確かなんです。確かなんですが、私の言つておることと全然別個な考えをもつて答えておる。そうじやなくて、私は学問と人間というものの具体的な統一こそが、ほんとうの学問であるという信念の上に立つておればこそ、今の問題を出しているわけです。単に学問だけをして、そうして社会的、政治的な諸問題について無関心であるという学者は、私は学者だとは思わない。真実の学問とは、現実の上に基礎づけられた、現実の上に立つたものが真実の学問であつて、現実に戦争の危険があり、日本民族が隷属されておるといつたような状態のもとで、民族を解放し、戦争に反対しなければならないという学問的な推理が出て来るのであり、その推理に基いて初めて南原総長なり他の学者なりが、それを学生に伝える、こういうものこそがほんとうの学問なのであつて、煽動とか云々という問題よりも、そういうことをはつきり学生に伝えて、その向うべき方向を具体的に指示する。この条約に反対せよ、これは戦争を誘発し、民族を隷属させるものであるから、これに反対せよと唱えることこそが、私は学問であると思う。従つて、私は南原総長のあの言葉——どういう演説かということはわからないとしても、戦争に反対し、平和を守るためには、あるいは民族の隷属から民族を解放するためには、この条約に諸君は反対しなければならないと言うのは、学者の立場から来るところの一つの結論でなければならぬ。こういう点についての大臣の見解を伺いたい。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 学問と人間育成ということは関係があると言つたのですが、あなたと私とは、そこが非常に、言葉は同じでも、違つているのです。あなたは、学問が人間育成と関係があると言えば、何か政治の問題を論じたり、いろいろするということでなければいけないというような考えです。私はそういう考えじやない。純粋に物理学者が物理学の研究をしても、それが人間育成に役立つ。大学というところは、常にそういう純粋な学問を媒介として人間の育成ということを考えて行かなければならぬ。南原さんのお話は、私は聞いていないから、それは批判できない、これ以上答えられません。

長野長廣自由党

○長野委員長 渡部君に申し上げますが、大臣は大分お忙しいようでありますから、あと、この次の機会でいかがでしようか。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 次の機会でもよろしいです。それから私は法務総裁の出席を求めてあるのですが……。

長野長廣自由党

○長野委員長 法務総裁は、両条約案に関しまして、どうしても席を離れられないそうであります。これも次会にひとつお譲り願いたいと思います。     —————————————

長野長廣自由党

○長野委員長 この際私から一言文部大臣にお尋ねをいたしておきたいと思いますが、それは商船大学に関連した問題であります。私の方でも公式に、また非公式に、この問題について運輸当局とも話合つてみましたが、運輸当局は大学設置ということにはきわめて賛成である。但し海技専門学院の船員の講習といいますか、色あげといいますか、そういうことだけは自分の方でやつて行きたい、こういうようなお話でありまして、圓谷君その他の方から、現在の党の事情についてのお話があり、また大局から見られた佐藤君のお話などがありまして、しごく私賛成であります。内容は申しません。ただ一つ運輸当局の賛成せられておる点は、大学において、学問の蘊奥をきわめると同時に、一層実力のある者を養成する必要がある、こういうことでありました。もしさようとしまするならば、大学に昇格をして大学そのものが、より高い教育ができ、設備万般においても、りつぱなものになるとしますならば、それを基調として、そこにおいて海技専門の色あげ教育をするときにおいては、より以上の実績があがり得るのであると思います。これは絶対に私、議論のない唯一の結論であると考えております。かりに私のこの考えが是なりとしまするならば、またこの問題については、運輸当局も賛成せられておりますから、この際ひとつ商船大学をつくつて、そのふところにおいて、また別の意味で海技専門の現在の教育を一層能率的に行つて行く、こういうふうにせらるるということについては、ひとつこの際文部大臣は直接運輸大臣とも御折衝をいただきまして、そうして一日も早くこれが実現をはかつていただきたいというように私考えております。申すまでもなく、わが国の貿易は、わが国産業の抜本塞源の要道であります。この優秀なる技術員を養成して、船のより一層の活動をはかるということが、まさに間違いないとしまするならば、どうか大臣とせられましては文部大臣と同時に国務大臣として、ひとつこの点についでも御力説を願いまして、一日もすみやかに、寸刻を争うて、本問題を解決するように御尽力を願いたいのでございます。いかがでございましようか、この次の委員会ぐらいまでに、大体のその辺の御決心をされるように願えないものでございましようか。

天野貞祐文部大臣

○天野国務大臣 できるだけ早く運輸大臣と相談をいたしまして、御返事をいたしたいと思います。

長野長廣自由党

○長野委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十三分散会

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