農林委員会 第14号
- 発言数
- 141 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/11/28
会議録
○千賀委員長 これより農林委員会を開会いたします。 農林公共事業に関する件について議事を進めます。まず農林公共事業小委員会における調査の報告を聽取いたします。小委員長から発言を求められておりますからこの際許します。松浦委員。
○松浦委員 農林関係公共事業が、国土の開発、治山治水、食糧増産、農業経営の改善合理化等を完遂する上に有する重大意義にかんがみて、農林委員会は去る十月二十五日特にこの小委員会を設置して予算の使用状況、明年度要求額とその内容、今後の使用方針等を調査検討せしめられることと相なりましたので、小委員会はこの目的並びに方針に沿いまして、十月二十九日以降三回にわたり、政府より資料の提出を求め、かつ説明を聞き、鋭意審査にあたつて参りましたが、一応今日までの経過並びに結果の概要を御報告いたしまして、皆様の御了承を得ることといたした次第であります。 先ず農業関係公共事業について申し述べますと、本二十六年度予算額は、百二十六億円、これに予算補正額を合計して百四十六億円、災害復旧予算を合算いたしますると、それぞれ二百十一億円及び二百三十一億円と相なつておりまするが、国民食糧確保の必要上、この程度の金額をもつてしてはとうてい所期の目標を達成できないことは明らかでありまして、例年その増額が強く要望せられますことは御存じの通りであります。そこでわれわれとしては、食糧の増産、農家経営の安定のために、この際、直立経済審議会の策定いたしました昭和三十年度千四百万石を目途とする一割増産達成の方針を強く堅持いたしまして、明二十七年度の予算を実現したいと念願しておる次第であります。 農林省の計数によりますると、補助事業として国家財政より支出するために要求中の概算額は、積雪寒冷單作地帯に対する振興費を含めて、灌漑排水事業二百二十一億二千五百万円、土地改良事業七十三億五千八百万円、開墾事業百五十二億五千七百万円、干拓事業六十五億六千万円、計五百十三億円でありまして、これによりまして、七十二万町歩の農地の改良造成を行い、二百七十万石の増産をねらつているのであります。しかしてこれらに見合う融資としましては、補助事業に対する分百三十八億円、非補助事業に対する分として、四十二億円でありまして、この融資による農地の改良造成面積は十万町歩、増産効果は三十一万石と予定しているのであります。 すなわち昭和二十七年度農林省の農地改良拡張費としての概算要求額は、公共事業費五百十三億円、農林漁業特別会計融資額として百八十億円、これによる完成予定面積八十二万町歩、増産効果三百万石という数字に相なつておりまするが、かかる食糧の国内増産のための財政投資は、国民経済的観点より見ましても、食糧の輸入に比較しまして、内外価格の背離する現状においては、きわめて合理的といわなければならないのであります。従いましてわれわれは、この際農林省の算定数字に若干の訂正を施しまして、灌漑排水、土地改良、開墾、干拓の諸事業に要する公共事業費としまして五百六十億円、融資二百億円、計七百六十億円という金額を明年度の財政投資として強く要求することといたしたいのであります。これらの金額中には、積雪寒冷單作地帶の振興費をそれぞれ含んでおるのでありますが、明年度におきましても、法の規定に従つて、自然條件、社会條件の恵まれないこれらの地帶に対する施策をも強力に推進することといたしたいと思います。 農地の改良拡張に関する国の補助事業に対する財政投資は、これを一般に公共事業費中に入れておりますことは御承知のごとくでありますが、国際政局、国民経済よりの至上命令たる食糧の増産という普遍かつ緊急の目的を実現するための経費が、他省の特殊の経費と同列に取扱われ、相互に予算を食い合う現状は、案件の軽重緩急を無視した抽象的な考え方に堕したものとみるべきでありまして、われわれは、昭和二十七年度以降において、食糧の増産のための農地の改良拡張に要する経費は、これを、他の耕種改善等の経費と合せ、むしろ公共事業業費とは別途に緊急食糧増産関係経費として計上し、食糧増産態勢を名実ともに確立すべきであると、考える次第であります。 傾斜地、山間地帶等に多数の耕地が散在するわが農業の特質よりいたしましても、百町歩未満の灌漑排水事業を非公共事業として国家助成の対象より除外する現行の制度は、さきに述べた理由により当然これを改廃し、小団地の改良事業をも食糧増産関係経費として、国家的なる補助並に融資対象に昭和二十一年以前のごとく取上ぐべきであると信ずるものであります。 以上明年度農地の改良拡張費の要求内容に関して、小委員会の意見を簡單に申し述べましたが、次にこれらの事業を農林省並に農林省の出先機関が執行するにあたつて注意すべき二、三の点に関して政府の注意を喚起して置きたいと存じます。 まず、これらの経費の効率の問題であります。国はとぼしい財源を傾けて年々多額の費用を投下しているのでありますから、中央、出先ともに、人事管理、金銭、原材料の経理に一段とくふうをこらし、綱紀の振粛に努めて、最少の経費をもつて最大の効用を発揮いたすよう心がけられたいということであります。しかし他面におきましては、国の助成及び融資の申請の手続等はできるだけ簡素化して、無用の煩を避けまするとともに、農地事務局等の出先機関は、迅速果敢に業務の遂行に励み、職員に対しては信賞必罰の制度を確立されたいのであります。 なお最後に一言つけ加えておきたいことは、国、地方公共団体並に農民は、一方において農地の改良拡張費に莫大なる経費を投下して、増産または減産防止に努力しておりますにもかかわらず、他面においては、災害による耕地の荒廃化、工業敷地等のための無方針な耕地の壊廃、あるいは鉱毒による生産の減退が最近きわめて目立つて来ていることであります。明年度災害復旧費としては、過年度分を含め、三百六十七億円の巨額に上つておりますが、政府は財政の許す最大限度にその復旧費を計上されたいのであります。さらに、最近においては、工場敷地等のため、せつかくの美田が実にむぞうさにつぶされる傾向にあります。農林省の調査によりましても、これらの壊廃地は、災害を含んで年々三万町歩、百万石の減産と称せられております。農林大臣及び都道府県知事、特に都道府県知事は同時に都道府県農業委員会の会長である職責上からも、農地の地目変換にあたつては、一層愼重な態度をもつて臨まれんことを切望する次第であります。 以上をもつて農業関係を終ることとし、次に林業関係について報告することといたします。 まず林野庁の国土省移管問題について申し述べます。目下行政管理庁におきまして、林野庁を新設の国土省に移管する案が検討中であるやに聞くのでありまするが、われわれとしましては、農村と山村とは不可分離であるということ、林業は産業行政の一環であること、これらの二点をあげまして、端的に国土省移管案に反対の意を表明いたします。移管を強行せんか、林野行政は大混乱に陷ることは必至であると信じまするので、政府は本件に関して特に愼重に検討せられんことを要望する次第であります。 次に林業関係公共事業についてであります。二十六年度において、総計八十億円をもつて林業行政を実施しつつあるのでありまするが、二十七年度に対しましては、造林七十八億円、公有林野官行造林八億円、治山百六十五億円、林道七十一億円、その他を合計いたしまして、三百十三億円、昨年度に比して約四倍を要求中であるのであります。 敗戰の結果、わが国森林面積が半分以下に減少しましたにもかかわらず、木材需要はますます増大の傾向にあつて、民有林を主とする既開発林に対し、年々の生長量に比して二倍半以上の過伐を強いつつある反面、それに匹敵する未開発資源が放任され、既開発林の林力が急激に低下しつつある現状は、しばしば指摘せられる通りであります。従いまして、これらの未開発林ないしは過熟林を急速に開発いたしまするには、何としても奥地林道の開設が急務中の急務であり、政府は本年度に引続いて、明年度においても重点施策の一つとして取上ぐべきであります。明年度新槻事業として農林省は、これらの奥地幹線林道を結ぶ、大幹線道路を計画中でありますが、その必要性は言うまでもありませんが、建設省の国道ないしは県道建設計画との連絡調整をはかつて、計画に齟齬なきを期せられたいのであります。 さらに戦時以来の植材の不均衡が累積した結果、国民あげての造林、特に学校植林等集団的造林運動の促進にもかかわらず、造林未済地がいまだに百五十五万町歩も残つていることは、国土保全の上から申してもはなはだ遺憾千万でありまして、十分なる造林費の計上を行う要があります。なかんずく明年度においては、造林の効果を飛躍的に高める手入費に対する補助、造林の基礎である樹苗養成べの補助、特に東北、北陸に多い瘠悪林地の改良補助として、それぞれ十五億円、一億七千万円、六億二千万円を新規計上しておりますが、これらの要求は林業行政の重要対策としてぜひとも実現すべきものと考えるのであります。 さらに治山治水の急務が叫ばれてすでに数年を経過いたしましたが、いまなお荒廃林地三十万町歩、荒廃移行地二十五万町歩があり、また年々の新生荒廃地一万町歩と言われ、ダムを埋め、農地を壊廃し、人命を奪うという被害が続出しておるのでありまして明年度においては引続き治山事業は強力に推進いたさねばなりません。 以上農業並に林業関係の公共事業費の本年度並に明年度予算の概況並びに要望事項をとりまとめて簡単に報告をいたした次第でありますが、本委員会におきまして、本報告の趣旨を御了承願い、政府に対してその実現方に関し、適当なる措置を講ぜられますようお願いして、私の中間報告を終ることといたします。
○千賀委員長 松浦小委員長の発言を了承することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 了承することに決しました。 —————————————
○千賀委員長 次に肥料及び飼料に関する小委員長の報告を聞くことにいたします。これを議題といたします。肥料小委員長河野謙三君。
○河野(謙)委員 この際肥料並びに飼料に関する小委員会の審議の経過を簡単に御報告いたします。 本委員会は十月二十五日に設置せられまして、爾来四回にわたりまして委員会を開催し、その間農林省、安定本部、通産省の各省並びに全国購買農業協同組合連合会の島田常務理事以下関係者を呼びまして調査を進めたのであります。 まず飼料につきましては、御存じの通りに、最近の各販売飼料の高騰にかんがみまして、この価格鎭圧のために緊急の措置をとるべきであるということで、主として畜産局また食糧庁の出席を求めまして協議の結果、すでにこれは各委員御存じの通りに、過日その対策といたしまして小麦の加工割当十万トン、大麦の加工割当五万トンを追加いたしまして、主として飼料対策に備え、また一面輸入飼料もこの際やむを得ないということで、年内に香港方面から五千トンのふすまを輸入するということに決定いたしまして、すでに実施に移つております。なおまた食糧庁手持ちの輸入の五等麦を、とりあえず手持ち二万二千トンを年内に自治団体を通じて放出するということに決定いたしまして、これまた実施に移つておるわけであります。なお明春に備えましては、一月から三月までの間に、食糧としてのわくの中にある五等麦四万五千トンを飼料の方にまわしまして、これまた放出する方針を決定された次第であります。その他小麦といたしまして一万一千トンの放出をするということで、この措置によりまして、目下市況は、ふすま等は三十キロ一俵にして四、五十円価格が低下しておるというようなことで、その効果は順次上つておるようなわけです。もちろん飼料対策といたしましては、単に販売飼料だけの問題ではありませんが、とりあえず販売飼料の緊急対策といたしまして、小委員会の協議に基いて、以上のような措置を緊急政府をして行わしめた、かようなことであります。 次に肥料につきましては、最近の肥料の市価の高騰にかんがみまして、その原因がいずこにあるかということにつきまして調査を進めたのであります。一応政府の説明によりますと、まず需給関係でありますが、最近電力事情の悪化によりまして、肥料の減産が大きく叫ばれておりますが、この減産は一体どの程度まで減産になつておるかということにつきまして調査しましたところ、八月、九月におきましては、予定の量よりも一万トンの増産になつておる。十月につきましては、電気の悪化のために約三万数千トンの減産になつておる。差引しまして二万数千トンの減産であるという程度でありまして、電気の事情がそれほど肥料の生産に大きく影響しておるのではないという実情がわかつたのであります。なお引続き十一月以降におきましては、他の産業に優先して電気の制約を少くいたしまして、今後は大体当初生産計画通りの生産を進められる可能性があるということで、本肥料年度におきましては、輸出の分として、九月の本委員会におきまして政府が説明いたしました硫安十五万トン、燐酸肥料十万トンの増産につきましてはこれはさておきまして、少くとも国内需要割当の分としての生産につきましては、電力事情の多少の問題がありましても、既定方針で行けるということが政府の説明であり、われわれもまたその説明に納得が行くような状態であります。これに引きかえまして、農民の方の需要の問題ですが、需要量につきましては、政府がかねて本委員会で説明がありましたように、窒素肥料につきまして年間二百二十万トン、燐酸肥料につきまして百六十万トンの需要量を見ておるようです。この需要量のよつて来るところは、一昨年政府が農民に直接に呼びかけました需要調査、また昨年八月から今年七月までの実際に肥料が消費されました消費実績から見まして、この需要量につきましては、むしろ少しく大きく見ておるというような傾向さえあるので、かような数字の上に立つての生産、需要の面の需給バランスは、われわれは十分信頼ができる、かような結論になつておるわけです。しかるに実際は肥料が最近毎月二十円、三十円と上りつつあるというような傾向につきましては、その原因がどこにあるかということにつきましていろいろ検討したのでありますが、結局この問題は南方諸地域からの日本に向けての肥料の要求日本から見れば、肥料の輸出の問題、この問題の脅威が農民の心理を大きくゆさぶつておるということと、もう一つは、その結果といたしまして、農民がいたずらに肥料を買い急いでおる、いわゆる仮需要が起つておる。そこにこの肥料の価格の不安定が伏在しておるというようなことに結論が出たのであります。肥料は、第一の輸出の問題につきましては、過日本委員会におきまして農林大臣は、今後の輸出につきましては、国内の需要を十分満たした上でなければ輸出の措置をとらないという言明もありますから、間違いないと思いますけれども、何分今後とも南方諸地域からの肥料の要求は相当強く来ると思いますので、本委員会といたしましても、政府の従来の説明を信じて、それで十分なのでありますけれども、輸出の問題につきましては、十分政府を監視し監督する必要がある、かように考えます。 一方農民の買いあさりの問題でありますが、何分にも昨年から本年にかけて肥料は順次上りつつありますので、結論的には早く買つた農民が得をしているという傾向がありまして、今後ともそういう傾向は大体間違いないだろうというようなことである限りにおきましては、この買いあさり、仮需要というものは尋常一様のことでは押えられないということでありまして、その結果といたしまして、はなはだ不徹底でありますけれども、小委員会といたしましては、全購連等の出席を求めまして、特に農民団体の代表機関である全国購買組合、またこの全購連は肥料の五割以上を扱つておる機関でありますから、この全購連の機関を通じまして、農民に十分肥料事情を納得させる、と同時に現在起つております地域的のアン・バランスを全購連の機関を通じて調整するということにせざるを得ない。とりあえずの措置としてはそれ以外に方法はないということで、今後全購連を中心にいたしまして、これに関係各省が協力いたしまして、肥料の需給調整、価格の安定の実を上げよう、それ以外に方法はないということに結論が出たわけであります。 なおこの機会につけ加えておきますが、現在の肥料の価格は、昨日の全購連からの説明によりますと、硫安が大体十二月のもので九百二、三十円のように聞いております。過燐酸が大体五百六十円と聞いております。かような価格で来年の春の肥料価格を推算いたしますと、硫安で全購連が製造会社から買うものが九百七、八十円になる計算になります。そういたしますと、これが中間の諸経費、すなわち運賃、手数料等を加えますと、大体来年の春の肥料は千円を突破いたしまして、千五十円程度になるのではないか、かようなことになつておりますが、これは必ずしもわれわれは妥当な価格とは考えませんので、これらにつきましては、価格をいかなるところで安定させるか、適正価格とはいかなるものであるかということにつきまして十分検討の余地が今後に残されていると思います。なお燐酸肥料につきましては、現在の五百六十円という価格を来年の春の価格に推算いたしますと、もちろん六百円以上のものになるのであります。かようなことになりますと、現在の価格でさえも国外の燐酸肥料と内地の燐酸肥料の価格とは、すでに内地の燐酸肥料は価格が一部高いような現状にありますので、今後は燐酸肥料の価格対策といたしましては、少くとも政府は積極的に燐酸肥料の輸入対策を立てなければならぬ、さようなわけで、一応根本的な対策というものは持ち合せませんが、少くとも現状におきましては、一部全購連の機関を通じて価格の安定をはかり、地域の調整をはかると同時に、燐酸肥料におきましては、輸入によりまして価格の安定をはかる、こういうことが小委員会の結論となつたわけであります。 なおわれわれはこの小委員会として、もう一つ問題の調査を残したのでありますけれども、この際つけ加えておきますが、肥料の工業には相当農民の資金、すなわち中央金庫からの資金が出ておると思います。この農民資金と肥料工業との関係につきまして、現在どういうふうになつておるか、この実情を聞きまして、今後これの運用につきまして、われわれは少くとも本委員会として意見をとりまとめて、政府を通じて強く要望したい、かように考えるのでありますが、この問題につきましては、時間の関係上、昨日までに調査が残りましたので、この点も今後の問題として大いに調査をしたいということをつけ加えまして、大体かいつまんで小委員会の審議の経過を御報告した次第であります。 何とぞ委員会におきまして、十分われわれの調査の結果に基きまして、肥料施策につきまして、農民のために強力な具体策を政府みずからもとられるように要望いたしまして、私の報告を終ります。
○千賀委員長 お諮りをいたします。ただいまの肥料小委員長の報告を了承するのに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 御異議なしと認めます。了承に決しました。 なおお諮りいたしますが、さきの公共事業小委員長の報告と、ただいまの河野君の報告とは、いずれも来年度の予算編成その他に関係が多いと思いますので、只今の報告及び今会期における本委員会の国政調査の中、必要だと思いまする部分は、これを議長に報告したいと思いますが、その手続等につきましては、委員長に御一任いただきたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 御異議なしと認めます。さようとりはからうことにいたします。 —————————————
○千賀委員長 続いて肥料に関する件について、質問の通告がございますから、これを許します。河野委員。
○河野(謙)委員 中金のことについてお伺いいたしますが、現在全購連が肥料の五割以上を農民の代表機関として扱つておる。私は全講連として五割程度の扱い量は非常に少いと思う。そこでこの全購連の肥料の取扱いにつきましては、われわれが承知しておる範囲では、農民の資金を持つ中央金庫が、全購連の肥料の取扱いについて大きなバツクをしておる、かように承知しております。なおこのバツクの手段としては、單に全購連に金融するというだけでなく、肥料工業にさえも、農民資金を中金を通じて融資して、そうして結果的には全購連のバツクをする、こういう形になつておると思いますが、最近肥料工業に中央金庫がどの程度の肥料金融をしておられるか、これをまず伺いたいと思います。
○江沢説明員 それでは今のお話に対してお答えを申し上げます。 その前に、農林金融につきましては、当委員会の方々に非常に御配慮にあずかつておりまして、幸いますまず円滑に行つておりますことを御礼申し上げたいと存じます。特にこの四月から始まりました農林漁業資金融通特別会計の設置につきまして、いろいろ御心配にあずかつたわけでありまするが、これによりまして、戰後荒廃されました土地の改良を、多少なりと回復し得るような状態になりましたことは、皆様とともに、私どもも非常にありがたいことと存じておる次第であります。ただ、ほかの商工業の関係につきましては、年々千億、二千億というような資金が、設備資金として投入されておるのでありますが、これに対しまして今回の特別会計による資金は、新付加予算を入れまして百二十億というようなところでございまして、まだまだ全般的需要を満たすには不十分であります。今後この資金の増額等につきましては、一層の御配慮をいただきたいとお願いいたしておきます。特に今回のルース台風その他による災害地の救済、それから農業手形制度の改正、それから農林中央金庫法の改正等につきましても、特段の御配慮を煩わしたい、こういうふうに存じております。 さて今お話のありました肥料の問題につきまして、農林中食が今までどういうような施策をとつて来たかということを、一通り御説明申し上げたいと思います。昨年度におきまして、肥料の統制が撤廃されまして、これに応じまして、農林中金といたしましては、肥料の予約認証制度というものを創設したわけであります。これは御承知のように、農村の方から必要な肥料の購買量を予約させまして、それを全購連に終局的に集めまして、全購連ではそれに対して手形を出す、これを中金が認証するという制度でありまして、この認証された手形をもつて全購連が肥料会社に拂う、肥料会社は全購連の認証手形を中金に持つて参りまして、これを担保といたしまして中金から金融を受ける、こういうような制度であります。これがスタートいたしまして、たいへん円滑に動いております。昨年度の肥料の生産高は、すなわち昨年の八月から本年の七月までの一年度間における生産高二百四十九億円ということになつておりまするが、このうち全購連の取扱いました額が、百六十八億円、四八%、これに対しまして今のような方法で金庫が金融いたしました額が百十一億円、こういうような額になつております。これと並行いたしましてこの本年の六月から九月までは肥料の不需要期でございますが、これに対し肥料会社その他の要望もございましたために、不需要期対策というものを講じたわけであります。これは今の方法にある程度似寄つておるのでありますが、農村に対して一年間の必要な肥料を計画的に購買するようにというような運動を起しまして、この間硫安において十万六千トン、石灰窒素において二方三千トン、過燐酸石灰において五万八千トンというものを購買させたわけであります。この関係の資金が三十億円、こういうような額に上つたわけであります。これらを合せまして肥料の金融は比較的円滑に動いて参つたのでありまして、現在におきましてこれらの残高、すなわち認承手形を担保といたしまするところの肥料会社に対する中金の貸出しが、十月末で二十八億円、こういうようなことになつております。大きな金は動きましたが、円滑に行つて、残高としては少額で済んでおります。こういうことを今までやつて参つたのであります。 しからば今後の春肥料対策をどうするかということになるのであります。すなわち硫安、過燐酸石灰、石灰窒素等に対する十一月から三月までの生産額を、適当に農村に確保するにはどうしたらいいかということでございます。先ほど河野さんもたいへん御心配なすつておいでのようでありましたが、これにつきましては、お話はすでに全購連の方から詳しくお聞き及びのことと存じまするが、そういうような措置を中金としてはとつたわけでございます。この五箇月間における各生産会社の出荷数量幾ら幾ら——詳しい数字がございますが、御必要ならばあとで御報告いたします。それからそれに対する各月の引渡し価格というものを全購連と生産会社との間に協定いたさせまして、その総出荷価格の二割に相当するものを中金から融資するというような方法を講じたわけであります。これが漸次軌道に乗つて参りまして、こういう関係の融資が現在におきましては九億七千五百万円、こういうようなことになつております。ところがこの関係で全購連の要求しますところの計画は二十五億円ということになつておりますので、あとの分につきましては、先ほど申し上げました認証手形の制度というものと、それからいわゆる銀行保証の短期貸しの制度、それから今申し上げましたようなかつこうの制度を併用いたしまして、漸次その資金を供給いたしまして、これによりまして農村に必要な肥料を確保し、その価格の極端な高騰を押えよう、こういうような措置を講じておる次第でございます。これにつきましては、今後の情勢いかんによりましていろいろ問題はあると思いますが、中金といたしましては、肥料の金融、それから主食の金融というものは最も重要なる金融として考えておりますので、何らかの方法において御心配のないように措置したい、こういうふうに考えておる次第でございます。 簡単でありまするが、今まで肥料金融について中金のとつて参りました措置、今後とらんとする措置を一通り御説明申し上げました。あとは御質問によりまして詳しくお話を申し上げたいと存じます。
○河野(謙)委員 今の程度の金融しかできないというのは、この資金のわくの関係ですか。それとも他の事情によりますか。予約購買の制度で、農民が全購連を通じて買いたいという数量は、そんな程度のものじやないと思う。これは肥料会社が全購連にはこの程度しか売れないという結果からその資金の程度になつたのか、それともあなたの方自体の資金のわくの関係から押えておるので、全講連の扱い数量がそのようになつているのか、その点をひとつ伺いたい。
○江沢説明員 今のお話ごもつともだと思います。需要は非常に多いのでございます。ただ現在の状態におきましては、御承知のような渇水期による電力の不足その他がございまして、生産会社といたしましても十分な数量がなかなか出て来ないという事情もあります。これが一つ。もう一つは、私どもの立場といたしまして、日本銀行の年末における通貨の増発を抑制するという政策には、これまたできるだけ協力しなければならぬ立場にございますので、肥料金融全体といたしまして、認証制度によるものは約三十億というようなわくに押えられております。今度の前渡金金融というようなものにつきましても、ある程度のやはり日本銀行の了解を得つつやるというような状態なんでございます。ほかの金融との関連においてある程度抑制されるというようなことはやむを得ないかと存じますが、その範囲内においてはできるだけの折衝もし、また協力もして行きたいというふうに考えております。
○河野(謙)委員 そうしますと、重ねて伺いますが、今の全購連の取扱数量というものは、製造会社がその程度しか売れないということよりも、あなたの方の資金の制約、その限度からしてそういう結果になつた、こういうようなことですか。
○江沢説明員 それは今お話申し上げましたように、双方の立場からであります。生産会社としてもこれ以上は全購連におまわしする自信がない、こういうようなことがあります。それから資金の点から申しましては、今申し上げました年末における通貨の増発抑制というような大きな政策に協力するという、この二つの制約によつてそういうことになつております。
○河野(謙)委員 そういたしますと、あなたの方の資金のわくから行けば、何分にも農村の一番大きな資材の問題ですから、これは極度に出さなければいかぬ。その極度に出した場合には、今よりももう少しやりようによつては出せる。製造会社が出してくれれば出せる。たとえば数量的に言うならば、約五割の扱い数量を六割制度までふやせるとか、七割までふやせるとか、資金だけの関係ですけれども、その点はどうなんですか。
○江沢説明員 それはお説の通りでございます。今申し上げましたように、生産会社の承諾を得、しかもまた日本銀行の了解を得さえすれば、私どもの方としてはできるだけの御協力はしたい、こういうふうに考えております。
○河野(謙)委員 いや、協力ではなくて、あなたの方で一体どのくらいまで金を出せますか。
○江沢説明員 私どもの方の資金の余裕は——今が資金としては非常な豊富なときでございます。資金について私どもの方としては不足しているということはないのでございます。必要があれば幾らでもお出しできます。
○河野(謙)委員 そこで私は伺いたいのですが、製造会社の方は、資金さえあれば、あなたの方のにらみと申しますか、あなたの方の手段によつて、もつと全購連をして扱わしめる方法は、あなたの方の力で、あると私は思う。そこでもう一つ伺いたいのは、今の予約購買の制度によりまして、手形によつて融通しておるわくの以外に、あなたの方が製造会社に、設備資金じやないでしようが、何か資金を出しておられるのがあると思いますが、それはどのくらいありますか。
○江沢説明員 肥料会社に今のような全購連の手形担保で出します分は除いてのお話だと思いますが、その分が二十八億、そのほかに、金庫が銀行保証その他で單名で肥料会社に出しておる、これが九億七千五百万、先ほどちよつと触れましたが、こういうような数字になつております。なおこの数字は今後の情勢によりましては若干の変動があると思います。ふやしてもさしつかえないような状態になつております。
○河野(謙)委員 この金はどういう基準で出しておられるか伺いたい。たとえば全購連によく協力している会社に出すとか、それとも肥料の製造業組合の方の何か一つの資金の配分の基準か、こういうものによつて出しておられるか、そういう点を伺いたいと思います。
○江沢説明員 これは先ほどお話申し上げましたように、全購連と肥料会社と話をさせまして、全購連に対して肥料会社としてもできるだけの出荷をする、全購連も、そういうようなものに対しまして一応の価格をきめまして、その総額の二割に相当するものをさしあたり融資するというふうな方針でやつております。全購連の立場をこれによつて援護するというような方針にはかわりはないのであります。
○井上(良)委員 ちよつと関連して……。あなたは今五箇月間の出荷数量を全購連とメーカーとで協定をさして、それに二割の金融の裏づけをする、とこう言うのですが、ところが全購連の方の話では、過燐酸の方は三月までの価格協定が大体できておりますけれども、硫安系統は全然まだ価格協定ができていない。この方が実は重大であるのに一向話ができていない。それはできたらそれと同じようなやり方でそれだけの金融の裏づけをするのですか。
○江沢説明員 井上さんの御質問でありまするが、私どもの方としては、価格の協定ができませんと、その二割という額が出て来ないわけであります。ですからそれができました分からどんどん融資にとりかかる、こういうことになる、価格の協定さえできますれば出してもさしつかえございません。
○河野(謙)委員 そこで今九億幾らとおつしやいますけれども、大体あなたの方では、全購連取引の数量から金を出すのではなくて、あなたの方で一体幾ら全購連の取引について中金から製造会社に便宜を與える金額があるのか。そういう数字は出ませんか。
○江沢説明員 これは日本銀行次第でございます。ただ生産会社の方でも、全購連に出し得る数量というのは、これは大体あまり無理なことも言えません。それは全購連と肥料会社の折衝に待つという以外に手はない。その限度においては資金的に御不自由なく資金の融資ができる、こういうふうに考えているわけです。 御参考までにそれでは最近における中金の資金状態をちよつとお話申し上げますと、金庫といたしましては、日本銀行の今度の余裕金が非常に多くなるというような予想がございましたので、あらかじめ日本銀行と折衝いたしまして、余裕金の運用についてはある程度の了解をとりつけたわけであります。その了解に基きまして現在までに実行したところを申し上げますと、系統外すなわち銀行に対する貸出しというような形で融資の運用をはかりました分が二百二十億くらいになつております。これは主として銀行に金を貸しまして銀行をして日本銀行に対する借入れ返済さす、それで返済されました担保を中金が握る、こういう方法によりまして、いわば日本銀行の貸付の肩がわりをしたものでございます。それ以外に先ほど申し上げた肥料金融これが二十八億、それからいもの購入に対して借りました分が、これは系統外でございまするが、これが五億、それからその他の農林漁業関係に対する短期の貸付、銀行保証でございますが、これが四十三億、七十六億、こういうような実績になつております。もし必要の場合には、資金的に申し上げますならば、この日本銀行の貸出しを肩がわりしました二百二十億を私どもとしてはいつでも動員できる態勢に置いてございます。特にそのうちの百億は、いわゆる融通手形と申しまして非常に短期のものでございます。一月とか一月半とかこれがぐるぐる期日がまわつて参りますから、資金の点については今は非常に潤沢な状態にあります。そういう意味で肥料金融について資金的に私どもの方としては決して足りないことはないということを申し上げております。
○河野(謙)委員 そこで私は最後にひとつ意見もつけ加えますが、先ほど私は肥料の小委員会の方の経過を報告した中にも言つたのでありますが、今の肥料の価格の高騰というものは、決して需給関係から来ているのじやないのです。問題はこの農家の肥料の将来に対しての不安感からの買いあさりから来ておる、これは御存じの通りである。これはもう一つは輸出の関係、輸出は政府はやらぬというのは、結局農民の心理を安定させるということである。それにはどういう機関があるかというと、全購連をしてこの農民の心理を安定させるために買いあさりを防止するという方法以外にはない。そうなると全購連の今の扱い数量が五割程度ではどうにもならぬ。結局この全購連の扱い数量を七割、八割ということにしなければならない。まつたく単位組合の肥料の扱い分は、これは全体の八割五分まで行つている。これが全購連の方に行くと五割になつてしまう。その間の差額の三割五分が商業資本の方から単位組合に行つている。こういう事実を見たときに、全購連も責任がありますが、その金の裏づけをする中金が、もう少し農民の要求にこたえて、もつと積極的に私はやるべきだと思う。やつておるとおつしやればそれまでですが、私は場合によつたら全購連はとるに足らない、おれの方がやつてやるというくらいの勢いで、あなたの方でやることによつて肥料会社の二つや三つを押えることは何でもありません。一方において商業資本に出しておる資金というものは売掛が重なつて、この年末に行つて回収に困つているような状態である。肥料会社が金に困つている。ちようどいい幸いである、ここであなたの方で積極的に重点的に——万遍なく、九億や十億の金をあちらこちらへ少しずつやるからだめなんだ。もう少し重点的に、全購連が二つ三つの会社を支配する。また支配権を持つように、あなたの方で私は施策があるべきだと思う。すでにあるのかもしれない、あればそういうことを伺いたいとともに、なければ今後そういうことについて何かあなたの方で全購連が扱う数量は五割ではいかぬ、少くとも将来あなたの方で全購連に七割、八割の数量を扱わせなければならないという計画があると思う。あるいはその計画がなければ、それについてどうするという金融の面の御意見を私は伺いたいと思う。
○江沢説明員 私どもも非常に同感でございます。今の価格の高騰が、需給関係もございましようが、それよりもむしろ農村の買いあさり心理に基いているということは同感でございます。全購連になるべく多くの力を持たせるということによつてこれを押えるということも、また私どもとしてはどうしても進めなければならぬことだろうと思うのであります。それについては生産会社に対して金融的圧力を加えて、これを促進したいというお話にお伺いいたしました。これが私どもといたしましてはできるだけのことをしておりますが、あまり過度にやりますと、これまたいろいろな非難を招くおそれもございますので、肥料会社としてもできるだけの協力をさせる、その協力の程度に応じて金融の方も私どもの方で見て行くという面で、運営を円滑にまとめて行くということに努力しておる次第であります。なお全購連と肥料会社との交渉につきましては、私ども側面から強く進めまして、今お話のありましたように、五割にとどまらず、七割あるいは八割まで入手できるような態勢に持つて行きたいと思つておりますが、それにつきましても、全購連の力をさらに強くするということが前提となろうと思うのであります。いろいろな問題は残ると思いますが、それについては私どもは全力を盡して行きたいと思つております。
○河野(謙)委員 肥料を安く買いたいというのは農民の切なる要求である。肥料を安く買うには全購連をしてたくさんの数量を扱わせるよりしようがない。従つてこれはあなたの方の意見というよりも、農民の意見が全購連をしてもつとよけいの数量を扱つてもらいたいというのであつて、これは何もあなた方中金の当事者が意識的に圧力を加えるとかなんとかいうのではなくて、あなたが農民の代表として農民の意思にこたえれば、あなたの方の業務計画は当然結果はそうなつて来ると思う。これはぜひとも積極的にやつてもらいたいと思います。同時に、今日金融課長が見えましたが、金融課長は、この肥料の問題もそうですが、さつき御説明があつたような中金の金融の配分はこれでいいと思いますか。中金の現状についてのあなたの御意見は一体どうか、これを伺いたいと思います。
○富谷説明員 中金の余裕金の運用をどういうふうな配分でやるかという問題なのでありますが、これに対しましては、実は採算の問題が表面に出ましたので、そこで余裕金の総額をそれぞれ幾らに上げるかというわくの按分がなされまして、それの交渉は中金と日本銀行との間でおやりになりました。私ども中金としては、採算がとれれば別に異存がないということを言つておつたわけであります。しかしその後今お話のように、直接貸しの肥料メーカーに対する分のわくがきゆうくつであるという事態が出て参つておりますので、その都度私どもも御一緒にその修正に努力しておるわけであります。必要がありますれば、いつでも計画の改訂には参画し、また御援助申し上げるつもりでおります。
○河野(謙)委員 どうも最後がたびたび重なるのですが、もう一ぺん申し上げたい。富谷さん、あなたはどうも消極的で困る。あなたの方でもう少し積極的に、中金はかくあるべきだということで行つてもらいたいと思う。同時に中金の当事者の方も、農民の要求にこたえてもつと積極的にやつてほしいと思う。私の邪推かもしれぬけれども、どうもこのごろは農業団体が商人と同じようなことをやるようになつて来たと思う。私は昨日も率直に全購連の方に言いました。他の委員の方も言われましたが、全購連自身が商業資本の経営と同じような形態になり、中金がまた利息本位の経営になつたら、これはもうそんな中金はいらないし、全購連もいらない。でありますから、農林省の金融課にもつと積極的な方針があり、この方針に基いて中金にも商業資本ともつとかわつた方針がなければならぬと思う。これは私の邪推だと思いますが、出て来た結論が、そこらの金融資本の行き方とあまりかわらないという結果になつておるので、これはもう邪推であつても何でも、そういうことを一応言わざるを得ない。どうも話があちこち当り散らすようですが、富谷さんもう一ぺん。私はこれ以上言いませんが、相談があつたら何かやりますというのじやなくて、これはあなたの御関係はそういう立場ではないと思う。まあ、ここに中金の責任者がおられますから、おつしやりにくいのかもしれませんが、もし場合によつては個人の意見でもいいから、個人としてはこうやるべきだということを、ひとつおつしやつていただきたいと思います。
○江沢説明員 今採算に流れてほんとうの仕事をせぬというお話でありましたが、採算関係からいいますと、肥料会社に対する融資は二銭五厘、それから先ほど申し上げました余裕金の運用としての手形の買入れは二銭三厘でありますから、この方が有利であります。しかし肥料会社に対する貸出しはそれだけ通貨の膨脹になるわけであります。それから先ほどの手形の買入れというのは日本銀行の貸出しの肩がわりでありますから、それだけ消えてしまうという金であります。そこに採算関係ではなく、こういう措置をとらざるを得なかつたという理由があるわけであります。日本銀行の、あるいはドツジ・ラインと申しますか、通貨をできるだけ押えて行くという線にある程度同調しなければ、大きな資金でございますから、なかなか運用ができないという点があつたわけであります。但し今後肥料金融についてこれだけの必要があるという場合には、一箇月あるいは一箇月半で返つて来るようなごく短期の運用でありますから、いつでも動員できる態勢に置いてあるわけであります。ですから全購連と肥料会社との折衝によつて、さらに全購連としては多くの肥料が入手できるという見込みがついた場合におきましては、それに対する資金手当は十分にじて行ける自信があるわけであります。この点は御了承いただきたいと思います。
○富谷説明員 言葉が足りませんで申訳ございませんが、私どもの方でも、むろん原局であります農政局とも打合せの上研究も行つておりますので、今後一層勉強して努力いたしたいと思います。
○吉川委員 関連して。今副理事長さんの御説明にあつたのですが、たいへん通貨膨脹を心配していられるドツジさんや池田大蔵大臣の意見に非常に賛成しておいでになるような感じを受けるのですが、この通貨の膨脹を押えるには、すなわちインフレを押えるには金融の措置だけでできるという考え方はおやめにならないと、日本のように彈力性のなくなつた経済ではとても押え切れなくなるのです。そこで肥料関係に融資するということは、決して通貨の膨脹にならない。生産を増強することがインフレ対策の非常に大事な要素になるのですから、その辺は見当違いをなさつて、そうして金融措置だけでインフレーシヨンが押えられるというような考え方で肥料金融をやられますと、これは農民は生産できませんよ。その辺どうぞひとつお間違いのないようにお願いしたいと思います。
○江沢説明員 インフレが通貨の抑制だけでとめることはできぬということは私ども御同感でありますが、通貨の側からもなすべきことはせんければならぬということもよくおわかりだろうと思います。肥料金融は生産金融であつて、それによつて生産が増加するのであるから、通貨は出ても物とバランスがとれるから決してインフレにはならぬということもよくわかる。それで先ほど私どもるる申し上げましたように、肥料の増産に必要な資金でありまするから、私どもといたしましては、何をおいても供給に事を欠かぬようにしようという覚悟でおりますから、そういう点は御心配いただかぬでいいのじやないか。ただ問題は、全購連がどの程度の肥料を生産会社から確保できるかという、全購連の力の問題であります。それからもう一つは、肥料会社の生産がどの程度伸びるかという問題に帰着するだろう、こういうふうに存じております。
○井上(良)委員 この際二、三点について明確にしておきたいと思います。さきに河野小委員長からも報告がございましたが、大体肥料生産は順調に計画通り進む見込みだというお話がございました。また政府側もそれを盛んに申しておりますが、どうしてもわれわれ納得行かない問題は、生産計画が予定通り進行するという見込みがはつきりしており、かつその通りの実績があつておるという事実に基いておりますならば、どういうわけで一体春肥の価格の安定が見通されぬかという問題です。われわれが一番心配するのは、春肥の需要期に入つて、春肥が暴騰した場合にどうするかという問題を、今から考えておかなければならぬというので議論をしておるのでありまして、大体需要に応じて供給の生産が予定通り進行し、予定通り計画が進むから間違いはないという、そうなら予定通りの価格が見通されるわけなんです。それが見通されていない、安定する見通しが立たぬという理由は、一体どこにあるのでしようか、これをまず伺いたい。
○渡部説明員 先ほど小委員長からお話がありましたのではつきりしているのでありますが、要するに一般的には、昨年の朝鮮事変の前に比べまして、諸物価の高騰が六割も七割も上つている。それからその傾向が必ずしもおちついてないということが先日来議論になりましたように、農家の側においても早く肥料を買えばそれだけ得だ、こういう考えから買気が起つておるのであります。これを一概に頭から買うなといつたところでだめなんであります。しかし肥料は春肥でありますれば、稻の肥料は西の方は七月上旬までで間に合う、東の方は、東北地方ならば四月上旬までで間に合うのだ。それを法律的には制度はできませんけれども、関係官庁なり、あるいは関係団体、あるいは消費者の方に、そういうふうにそう急がんでもいいのだということを周知徹底して行く以外に方法はないのであります。生産の見通しをはつきりし、需要の時期にどういうふうに計画的に入れるかということをはつきりしない限り、この仮需要は下らないのであります。原因は要するに、先ほど小委員長からも報告がありましたように仮需要でありますので、これを解消するあらゆる手段を講じて行かなければならない、こういうふうに考えております。
○井上(良)委員 私の聞いているのは現在の価格の変動ではないのです。三月以降の春肥の需要期に入つた場合に、価格が一体どの線で安定するかということが一番問題になるわけです。そこで、生産は現状では予定通り進んでおる、計画通り実績は上るという政府は見通しに立つている。従つて春肥に何ら不足を告げるようなことはない。従つて価格の暴騰もないという一つの見通しを政府は持たれておるのであろう。しからば一体何ゆえに、先ほどもお話がありました通り、硫安系統のメーカーが全購連との売買契約といいますか、というものをしないか、価格の協定をしないかといえば、これはまだ上ると見ておるからしないのです。上らぬと見ておる過燐酸系統は、大体三月までの協定をしておるわけです。硫安系統はしてない。してないところは、上るという見通しに立つている。そうなりますと、これは上らさぬように、上げないようにやつて行く手がここで打たれなければならぬ。現に政府も御存じの通り、東北その他の地方においては、実際不足をして奪い合いの状態にある。なかなかこれが円滑に行つていないという状態でございますね。それだから問題は、今の相場は極端にいえばから相場だ。いわゆる買いあさりから生じる一つのから相場であつて、漸次生産も、買いあさりも安定化するならば、そういうことはなくなつちやうだろう。そういう一つの放任といいますか、まあ先行き見とれということで行きますか、三月になつて肥料が千円越すというようになつてもかまわぬという政府の考え方か、それとも千円以上になつたのでは非常に重大な問題になつて来る。そこで今からこれに対する対策を、具体的にこうこうこういう対策を立てなければならぬというようにお考えになつておるからという問題です。それから三月になりまして、春肥の需要期になつた場合の肥料価格の妥当な点というものを、どう一体見ており、これ以上上つた場合は実際上農家の経済の上に重大な影響を及ぼして行きますから、その場合に対応する今からの対策というものを、どういう手を打つておけばいいかということでなければならぬと思う。現にメーカーの方は全購連との価格協定も応じてない現状ですから、上ると見て価格協定をしない結果を来しておりますから、そういうこともやむを得ないとお考えになりますか、その点について明確にしてもらいたいと思います。
○渡部説明員 現在硫安業界、硫安メーカーと全購連の値段の協定につきまして、まだ最後的結論が出ておらないようでありますが、これは結局公定価格がないのでありますから、買手と売手とのネゴシエーシヨンで相当の日にちをかけるのは、これはやむを得ないと思います。それに加えまして、結局メーカーは一つでありませんので、メーカーがどの地帯にどれだけの肥料を持つて行くかということが、全購連との契約では具体的に問題になるわけであります。従いまして遠距離に持つて行く量が多くなるメーカーは、できるだけ近い地帶に持つて行きたい、こういう希望があります。具体的な問題になりますと、いろいろこまかい問題が出て来て、なかなか簡単にはきまらぬのではないかと思います。しかしきのうも全購連の方から話がありましたように、だんだん結論に到達しているというふうに私どもは承知しております。それでその春肥の相場は幾らにおちついたらいいかという問題でありますが、これは農業生産者の側からいえば、肥料の値段炉安ければ安いほどいいのは当然であります。メーカーの方からいえば、生産費を償う価格を維持したい、最低を確保したい。それ以上にどれだけのもうけをしたいか、こういう問題になるかと思いますが、結局先ほども申し上げましたように、現在は法制的な措置が打てませんので、関係官庁が中に入つて、メーカーに不当にコストを割るような価格を押しつけることは無理だと思いますが、その範囲内でできるだけ安く値段を先まで押しつけて行くように話合いをして行く以外に方法はないのではないかと思います。そのためにさきに農林省の方でも、出荷調整といいますか、メーカーあるいは関係府県あるいは農業団体というものと一緒に会合しまして、来年の春の相場が、現在懸念されているように不当に高くならないようにせつかく努力しておるわけです。きちんと井上委員のおつしやるようにやるには、値段をきめて押える以外には、現在のところ手はないと思います。
○千賀委員長 ちよつとお諮りいたしますが、ただいま中金の方から江沢副理事長と栗本業務第一部次長両君は至急帰つてくれという要求が強くありますので、退席を許したいと思いますが、御同意を願います。
○井上(良)委員 中金の方に一点だけお伺いいたします。私さきにあなたから中金の資金の貸付状況を御説明願いましてちよつと変に思いましたのは、日本銀行の肩がわりの貸付といいますか、系統外への貸付が二百二十億の巨額に上つており、かんじんの農林関係への短期融資その他のものはここにわりかに七十億ぐらいしかないのです。日本銀行のお世話にならなければならぬ関係があつて、いろいろ向うとの相談の上でこういうことをやられておるかもわかりませんけれども、現実に各農協その他の農林関係においては、短期資金その他において非常に資金に困つておるわけです。その方へいかにしてうまく金を貸し、うまく回收するか、そのためにはいかにうまく経営さすかという方面の積極的な手が打たれずに、最も資金の回収の困難な、安易な貸付にこれを出しておると言われてもこれはしかたがないですよ。私はこれが逆に二百二十億が農林関係の短期融資その他にまわされておつて、他がそういうやむにやまれぬ事情のために百億余りのものが日本銀行の肩がわりに使われておるというならば、これはまた農林中金としてはやむを得ないことであろうと思うが、どうも今お話のようなことだけを聞くと、そういう結果になつでいるのですが、もつと積極的に、そんな金があるなら、実際上この肥料の買付資金にしても、各メーカーが協定した場合は出荷に対する二割の金融をするということになつておるが、これも三割なり四割に引上げてもいいし、いろいろ手はあろうと思います。そういう面に何でもつと力を入れぬのですか。その点何で二割というような限定をするのですか。
○江沢説明員 井上さんのお話にお答えいたします。ただいま私どもの方に集まつておる金は非常に巨額な金でございますが、これまたすぐ米の供出とともに拂い出される短期のものであります。これを固定するとどうにも動きがとれぬという状態になりますので、大部分は今申し上げましたようないつでも金にかえられるというような状態に置いておかなければならぬわけです。これが日本銀行の手形の買取りという形で、それを持つて行けば、いつでも日本銀行は金にしてくれるという形にして置いてあります。そういうような事情をひとつ御了承願いたいと思います。 それから現在におきましては、農林中金は余裕金が多い、と同時に系統関係においても余裕金が比較的に多いのであります。それでほんとうに必要な資金は、その余裕金をもつてまかないまして、しかもそれが余つて中金に上つて来るという関係になつておりますので、農林漁業関係に必要な資金をおろそかにしておるということは決してないと私どもは信じております。現在私どもの方の貸出し総額は、十月末で六百八十二億になつております。このうち今申し上げました二億円というものがごく短期のために、いわば日本銀行に預け金になつておるというようなものを除きまして、四百億近いものがいわば農業手形、それから信連に対する貸出し、あるいは購繭スタンプ手形、全購連に対する貸付、全販連に対する貸付というようなことで運用されておりまして、これは非常にうまく行つておると私どもは信じております。
○千賀委員長 では中金の方御苦労さまでした。
○井上(良)委員 今渡部さんからの御答弁で、私はどうも納得できません。という意味は、一体政府は一方食糧の統制をやり、米価の決定をやつてこの食糧の統制による米価の決定が、他の一般物価の全体的な組立てになるというところで米価の決定をやるわけでしよう。その米価を構成する重要な要素となります肥料の価格は一体何ぼが妥当な価格とするかということは、当然そこから出て来なければなりません。従つて私どもが伺つておりますように、かりに千円なら千円を妥当とするが、もし千円を上まわるという見通しがあります場合は、法的処置なりその他の方法を今から準備して、通常国会へ、これ以上上つた場合は政府が補給金を出すなり、あるいはまた公定価格の法的処置を講ずるなり、何とか手を考えなければいかぬということでしよう。それをあなたに伺つているのです。従つて供給が相当豊富になつて、実際は千円以上上る見込みがないのだから、そういう法的処置は考える必要ありませんというなら別です。しかしメーカーがいろいろ雲行きを見ているのは、やはり冬季期間の渇水状況がどうなるか、石炭の出荷がどうなるか、国際的な情勢がどうなるかという全体をにらみ合した上で、三月以降の価格について今から見通してこの値になるということは、メーカーの方においてもなかなかはつきりきまらぬじやないか。三月以降政府が予定するように、高い価格なら別ですが、安定した価格で農家の庭先に需要期までに完全に必要なだけ確保できるという状態にはないと私は見ている。そこに価格に対する不安が起つて来ますから、従つてあなた方の方で、一方においては米価を決定して物価全体を安定さそうという手を打つておりながら、かんじんの肥料価格についてはつきりした見通しを立てず、それに対するはつきりした安定的な対策も考えないというのはおよそおかしな話です。だから私は、この際もし千円を越える——千円がかりに妥当な価格だとするならば、千円を越えた場合はこういう処置をとるということを、具体的に農民にわかるようにしてやりませんと、農民は納得しません。何も私は法的処置を講ぜよとは言わぬ。それならそれで千円を下まわるような価格で、春肥の需要期に必要な量を必要な所へ完全に配給する、庭渡しをするという手を打つてやりさえすれば、何も必要以上なものを買う必要はないのですから、それによつて価格操作ができます。しかしそういうことがまつたく不可能な事情にあるという見通しを立てておつて、さらに千円以上価格が上廻るという見通しが立ちます場合は、やむを得ませんから、法的処置によつて価格の調整をはからなければならぬという問題がここに起つて来はしないか。それをそのときになつてやつておつては間に合いませんから、第十三通常国会も間近に開かれますから、至急に政府は来年度予算の編成に伴つて、この肥料価格をどうするかという問題について愼重に検討してもらいたい、これだけ私は希望しておきます。
○千賀委員長 横田君。
○横田委員 委員会としては、肥料を海外に持つて行つてはいけない、こういうように要求をしますと、政府としてもさようでございますと言つております。そう言つておりながら、肥料は実際海外に出ておる。しかもそれが私たちの一番きらいなアメリカの要請で肥料が外国に出てゆく、こういうようになつて来ると、日本の農林委員会や日本の農林省が、肥料の番をしていて番ができないと言う結果になる、こうなると一体どこでどういう処置をとつたら肥料が日本農民に確保出来るかということが問題になる。占領下であつたらこれで泣寝入だつたが、もう批准が終つている。アメリカでも講和條約の発効が問題になつているにもかかわらず、こういうような現状では困るので、まず第一点として伺いたいのは、年内に台湾あるいはフイリピンに硫安二万トンを輸出したい、こういうふうにきめておられるが、この二万トンのことをもう一回確めておきたいのですが、本年窒素肥料だけでも九千三万トン、過燐酸石衣でも十三万トンを東南アジア諸君に出してくれないかという日本に対する要請があつた。もちろんこの中には朝鮮も入つております。これに対して閣議でいろいろ論じた結果、窒素肥料が朝鮮に対して四万トン、さらに台湾に対して四万トン、あるいはフイリピンに対して一万トン、琉球に対して五千トン、過燐酸石灰も朝鮮に対しては二万五千トン、台湾に対しては七万五千トン、こういうようなことをきめて非常に値切つたつもりでおる、その値切られた中に二万トンがあるのじやないかと思うが、そうじやないのかということをまず第一点として伺いたい。
○渡部説明員 お話のように、東南アジアの各地域からの要求は、今お述べになつた数字の要求がございます。ところが日本の現状からしますと、できるだけ努力をして、当初予定で国内需要をまかなつて、その上に電気の特配でありますとか、燐鉱石を追加輸入することによつて、増産し得る限度しかその要請にはこたえることができない。その増産可能量から割出した輸出可能量が、先ほどお話にありましたような窒素が十万トン、燐酸が十万トン、こういうことになつておるわけです。それもこの十月の非常な電力飢饉から、すぐ出すことは困難であります。その十万トンの約束は来年の七月までの約束になつておるわけでありますから、それをいつ出すかということにつきましては、国内の需給状態とにらみ合して逐次実行して行く、こういうことになつているわけであります。従いまして今お話にありましたような、フイリピン一万トン、台湾の一万トンが、前に約束した量の一部実行と、こういうことになります。
○横田委員 ドルの御主人の要請に対しても、要請に応じられないと答えられる。この気持が日本政府にあるということは、日本人である限り間違いないということはわかる。ところが世界のどこかで戦争が始まつたならば、火薬の原料であるアンモニアはどこでもひつぱりだこになる。アメリカは今気違いのようになつて軍拡をやつている。朝鮮ではいやというほど爆弾を投げている。こんな国とおつき合いはできない。幾らでも肥料の要請があるのはあたりまえだ。これは余談になるからこれ以上言いません。要は、アメリカ其の他が東南アジアに化学肥料を供給しておつた。それが戦争によつて狂つた。アメリカの工場が化学肥料をこしらえなくなつたがために供給できなくなつた。従つて東南アジアとして化学肥料を求めるのは、東洋の化学肥料の生産国である日本に持つて来た。こうなつて来るのですから、今までアメリカ其の他が、東南アジアに供給しておつたところの化学肥料の供給量というものに対する数字がありますか。もしありましたらそれを知らせてほしい。なぜこんなことを聞くかといいますと、その数字はやがて日本にかかつて来るのじやなかろうか、私はこう思うがゆえに聞くのです。あなたのアメリカの要請に応じられないと言うのは議会言葉であつて、経済の実態としてはそうなるのではなく、逆になりはしないか、こう思います。
○渡部説明員 ただいま手元に明確な数字を持つておりませんが、大体アメリカから東洋方面に肥料が出たのは、終戦後日本に来た量が大部分であります。東南アジア各地に来ておつたのは、ヨーロツパ、主としてドイツ、イギリスから来ておつたのであります。戦争前には、やはり相当数量が支那を含めた東洋に来ております。詳しい数字は今手元にありませんので、この程度で……。
○横田委員 ドイツの西半分は、工業的ないい肥料生産條件の所はアメリカが押えている。それからイギリスに至つては、アメリカがおとなしいイギリスをけしかけて、軍備に狂奔させておるから、これは非常にアメリカの責任があると思うが、それはともかくとして、ドイツとイギリスから東南アジアに出ておつた数字を、後刻書類でもらいたい。このことが一つ。 それから粒状肥料のことを聞きたい。今粒状肥料がはやつております。私もソビエトの農業映画を見まして非常に感心したのですが、粒状肥料は非常によくきくらしい。それでここで問題があるのですが、日本経済新聞の報ずるところによりますと、日本で粒状肥料にいたしますと、農民がつかう場合価格が大体一割から二割高くなるということがいわれておる。そこで石灰窒素を例にとつて比較して見ますと、石灰窒素は只今六貫かますが大体五百八十円と見て、もし粒状肥料が二割高くなるなら、六百九十円なりあるいは七百円以上になるこうなつた場合二割高くてしかも同量のものを使うのですから、結局肥料のきき目として、どつちがいいのか悪いのかということが問題になる。どつちが百性として得するのか損をするのか、この点を承りたい。
○長尾説明員 お答え申し上げます。今粒状肥料の問題のお話がありましたが、特に今お話のありました石灰窒素等について、いろいろ各社で試作をいたしておるようであります。それで肥効についても各社でいろいろやつております。またわれわれの方でも、その肥効をいろいろやつております。その肥効が価格に見合うだけあるかどうかという点につきましては、まだいろいろ試験の最中でございまして、はつきり申し上げる段階でないのであります。
○横田委員 これは安本に対する質問とからまつて来るのですが、安本の人は、さきにも言いましたように、ドルの御主人の要請があつても応じられない、こういうことを言われますが、しかし信越化学というところがあります。ここで石灰窒素をこしらえております。この石灰窒素を今まで粉であつたやつを今度粒状にすることになつた。こういう場合工費が——ここは大体年額三万トンの生産である。そこが大体工費二億円の金を費したならば粒になる。この金はたしか開発銀行にお願いをした、開発銀行としては融資準則A級に加えて一番先に出す、こう言つておられる。しかも大体海外のものは粒状が多いのであつて、輸出用にも粒状が非常に必要なために、この信越化学はこうするのだ、こう言つている。あなたはドルの御主人の要請があつても、日本の内情から出せないと言つておられる。結局それは電気が不足のためで、今年の冬もやはり大きな問題で、一体その責任は、安本長官の頭にかかつて来るのですが、安本の長官が非常にばかな人で、みその中にいわしをすり込んで食えというようなばかなことを言う人である。大体戰後の安本長官というものは、こういうような悪い食い物をいかにして人間の口から離すかということが、安本長官の仕事であるにもかかわらず、戦争中の竹ヤリ長官竹ヤリ料理人以上のことを考えて電気の番をしている。だから停電が続くそれで私は聞くのですが、あなたは肥料の輸出というものは要請にも応じられないと言つておきながら、工場設備としては、こういうふうに海外用のものをこしらえている事実がある。しかも粒状化が国内においてはまだ試験の結果がはつきりしておらないにもかかわらず、二億円の金をまつ先に出すというようなやり方は、これは一体何のことですか。しかもその結果として農民は二割高くなつたところの、きくかきかぬかわからないような肥料を使わなければならない。こういうふしだらなやり方の中に、みその中にいわしをすり込んでパンにつけて食えというような安本政策があるのではないか。だからあなたに聞くのですが、要請というものをどの程度で食いとめたか、はつきり言つてもらいたい。
○渡部説明員 ただいまの輸出の点町今年度の問題であります。日本の国としては東南アジアにそれだけの需要がある。またそれで不足食糧をその地域からもらつて来る、こういう考えがありますので、大いにつくつて大いに出したいと念願しておるわけであります。従いまして肥料を今より以上に大いに増産したい、こういう念願があるのです。ただ、ただいますぐの問題としては、まず内需を優先にして増産をはかつてから出したい、こういうことを言つているわけです。来年になればもつと電源開発をやつて数年後には数十万トン出す、こういうような目標を立ててやつておるわけです。それまでの試験として粒状の問題も片づけて行かなければいかぬので、これはただ輸出用に向けるだけ、こういう考え方ではないのであります。国内で粒状を試験的にやつて非常に評判のいい向きもあります。ただお話のように採算的にどつちが得かという問題がまだ多少残つておるのじやないかと思います。ただ持運びの点とか、あるいは流亡防止の点とか、そういつた利点も非常にあるわけです。これを強制的に農家に粒状で押しつける、こういうようなことではなしに、いろいろな使い方によつて値段の上つた分をカバーできるというようになれば需要が出て来る。それだけの知識が農民になければ粒状をつくつても売れない、こういうことになりますので、これから粒状によつて二割コスト高になるが、これを一割でとめるということもやらなければいけない、あるいはこの使い方の研究もして行かなければならない。こういう問題ではないかと思います。
○横田委員 この粒状肥料がいいというのはソ連の農業事情より見て農林省より私たちの方が知つておる。そこで問題になつて来るのは、粒状肥料がいいといわれているにもかかわらず、これを使う場合に十分な検討もしておらないし、ただちにこれをやるためには、また他の肥料設備としても非常に金が足らぬところがあるのではないですか。そこに二億円という金の問題がある。これはソビエト映画に出ていますが、大体農村へ粉で配給する、農村ではさつそく簡單な設備で、しかも動力があるのですから、それで簡單に粒状にできる、そういうところへ二億円なら二億円の金をまわしたら、農協の收益とか失業とか、いろいろな問題の解決の一助にできるのです。こういうような会社に先に金をまわして、それから海外で需要があるからそのために粒状にしたということに反感を持つておるのです。だからこの点についてお願いしておきたいと思うことは、粒状というのはもつと早く研究を進められるということが第一点。粒状にしても価格を高くせずに、農民にうんと使えるようにしてもらいたい。稻作で病虫害を防ぐためには深水がいい。日本の農作事情から必ずきくし効果があるのです。これに対して二割とか一割五分とかいうような高値にしないようにする。その高値の負担は政府においてやつてもらいたいというのが私の頼みなんです。 それから次に五番目ですが、ことしの硫安、これは大体七月から十二月までに硫安が四十八万六千トン、大体秋肥に対しているのじやないですか。石灰窒素が九万二千三百トン、過燐酸石灰が約五十万トン、これくらいいるのじやなかろうか、こういうふうに思つていたのに対しまして、石灰窒素のごときは余計出ておりまして、大体四万九千七百トン。硫安のごときは三万九千トンも余計に出ている。こういうふうに余計に出ているという数字が出た。この実物ですが、これは一体農村か、あるいは商社か、どういうふうなところへ入つた肥料の量か、これが今後の農作にどういうふうに影響するか。この点に対するあなたの見解を承りたいのです。
○渡部説明員 秋肥に入つた量は、お話のように当初予定より余計入つております。それは私どもの調べでは、地方の経済安定局あるいは経済調査庁関係の方で値段の点等を一緒に調べてもらつたのですが、中間の段階にとどまつておるのはほとんどないようであります。これをどういうふうに使うかということは、結局先ほどから議論になつておりますように、早く安いときに買つておきたいというつもりで買つておるのではないか、こういうふうにわれわれは考えております。
○横田委員 安いときに買つておきたい。そうできる人が農民だつたら文句を言わぬというのです。ところがこの日本国情、肥料の事情のもとにおいて、伊藤忠というやつは、去年政府拂下げの石灰窒素を安い値段で買つて農民に高く売りつけていろいろ悪いことをした。この悪い強欲な人が公益事業委員会の委員という名前で電気の番をしておる。それが日本の現状ではないか。私の言うのは、安いときに買つておきたいというのが農民だつたらいいのです。それが農民ではないのです。間抜けな強欲やろうが政府の権力に結びついて買つておるではないか、その点に対する配慮があるかないかということを聞いているのです。大体さきにも聞いておりますと、買うものに対して自制してほしいとか、安いものを買いたいのは人情ですとか言われるが当然のことだ、戦争中のあの強奪経済理論とこんがらかつたような答弁をしておる政府委員だが、ひどい思惑買いさえ起らなければということを、新聞においても政府当局は言つておる。そうすると春の肥料は上らないだろということを言われておるのです。ところが私の考えでは、戦争が始まると火薬がいるのですから、必ず肥料は困るし、しかも地域的に見て、東南アジアからの無心が来るし、フィリピンでは日本の天皇制軍隊が強盗をやつたり、強姦をやつたりめちやくちやなことをやつた。それで八十万ドルの賠償金、それを六十万ドルにまけてやろうじやないかと言つた大統領派は選挙に負けておる。今度はそれではいかぬという比島になるのです。こうなつてくると義理合からも肥料がうんととられるのです。だからひどい思惑買いさえなければと期待するだけばかで、抽象的な言葉で言えば、期待を持つておるなんて言うことは希望的観測に終る、こういうふうな状態がないという肥料のあり方に私たちはしてもらいたい。これに対するところの政府の施策があるかないかということを聞きたいのです。おそらくあなたは気がねして答えないでしようが、ゆつくり考えておいてください。
○千賀委員長 進行いたします。吉川久衛君。
○吉川委員 時間がないようでございますから、私は簡單にお尋ねをいたしますが、われわれの肥料小委員会の結果は河野小委員長から報告をされた通りでございます。そのように肥料事情はあまりよい状態にないのでございます。われわれはこの際なおさら先日の農林省の肥料需給調整法案というものを、いまさら回想して実に惜しいことであつたと思うのですが、これはいろいろの事情で遂に鶴の一声でおやめになつたそうでございますが、先日の主食の統制撤廃の問題のときに、農林大臣のお答えによりますと、統制撤廃とはいえ自由放任にするのではない、間接統制である、需給調整をやるのだ、こういうことができるのだというお答えをしていられました。従いまして、この肥料の非常に変則な状況を安定させるためには、もう一ぺん需給調整法案を通常国会にお出しになつた方が、農民は安心して生産に努めることができると思うのです。ちようど農政局長がおいででございますから、この問題についてどういうふうにお考えでございますか、今度は大丈夫政府はできると言つているのでございますから、御安心になつて出していただきたいと思うのですが、それについてどういうふうにお考えか。 それから食糧の増産問題でありますが、これに関連いたしまして、農業委員会の問題をちよつと伺つておきたいと思います。食糧の確保といいあるいは農地調整の問題といい、農業生産力の増強問題は国民経済に及ぼす重大な問題でございます。三つの委員会を統合いたし、そして簡素化することによつて強力なより以上の効果が上るであろうというねらいであつたのでありますけれども、統合されて日なお浅く、まだその成果は十分に上つておりません。この成果を十分上げるためには、むしろ私はもつと強化する必要さえあるのじやないかということを考えているのでございますが、いろいろ財政上の関係から、これ以上強化するということは問題があるかもしれませんが、少くとも予算を現在よりも削減されるようなことが絶対あつてはならないと思うのであります。昭和二十七年度の予算編成の時期にあたりまして、農林省といたしましてはどういうふうにお考えでございますか、大体の方針を伺つておきたいと思います。
○東畑政府委員 肥料の価格なり需給を安定いたしますことは、需給調整法があるなしにかかわらず必要だと考えております。最近肥料価格が相当上りましたことをはなはだ遺憾に思つております。われわれといたしましては、少くとも生産御当局に、電力不足にかかわらず生産の増強の方をお願いをしておりまして、最近若干生産の方は好転をいたしております。従つて地域的な需給の不均衡が起りますと、また思惑その他価格つり上げの要素となりますので、たとえば北海道、宮崎、鹿兒島等に最近いろいろ起りました事態につきましては、関係官庁、関係業会から行つていただきまして、そのときどきの問題を合理的に解決するよう努力をいたしております。需給調整自体の根本的な解決として、そういう法案が必要かどうかということになりますと、事務当局の問題を離れるのであります。先般の委員会で農林大臣の御答弁になりました趣旨によりまして、実施する以外にないと考えております。 第二の農業委員会の問題につきましては、われわれといたしましては、農業委員会は成立以来まだ数箇月でありまして、これをどうするかということは今後の実体の活動によると思います。実体の活動自体がこれを強化して行く道であろうと思いますが、さしあたり来年度予算要求が迫つておりますので、ただいまのところ農林省といたしましては、委員の手当等が若干少いという非難がありますので、これにつきまして若干増加するという点、従来の書記その他の予算等につきましては、ベース・アツプ等を考えまして、そのままこれを継続延長して行く、金額にいたしますと総額におきまして約三十億程度でありますが、そういう予算の要求を実はいたしまして、これを堅持して行きたいという強い熱意で予算折衝をいたしておることを御報告いたします。
○吉川委員 農業委員会の予算の問題につきましては、事態の進行を拝見した上でわれわれはなお責任当局にただしたいと考えておりますから、その辺にいたしておきたいと思います。 それからせんだつて通産省の御意見を伺いますと、肥料の生産が上らないで余分な数量を確保する見通しのないときに需給調整をやつても意味がないということを伺つた。私もごもつともなお説だと思います。しかしながら今まで政府の生産関係省、農林省、安本等のお話を伺つておりますと、本年度の電力危機は何十年来という特異なものでございまして、このときを標準に物事を考える必要はないじやないかと思います。またどんな有力な政府といえども、天候まかせで政治的な施策を行わないというような、そんな無政治状態はおそらく今後二度ないと思いますので、私は電力事情というものがより好転をして行くようなだんだん強力な施策が進められて行くということに、しかも自由党内閣は強力な内閣であるはずでありますから、私は大きな期待をかけております。従いまして肥料の増産ということは、政府がおつしやる通り私は御信頼を申し上げたいと思います。従つて相当の増産が確保できるわけでございまして、この需給調整法についての通産省の御懸念になる問題は解消するわけでございますから、農林当局においては、勇敢にこれを進めていただきたいと思います。 それから肥料小委員会において問題になつたのでありますが、特に河野小委員長は、農協と申しますか、全購連に非常な期待をかけられました。全購連に期待をかけられることはまことにけつこうでございますが、実はこれには法的の裏づけと金融の措置がない限り、これに期待することは非常に困難でございます。幸いに農政局長は農協関係の仕事を担当しておられますから、今後この農協に対して格段の配慮をいたしてしかるべきと考えます。これはお答えをいただかなくともけつこうでございます。私から注文を申し上げまして私の質問を終ります。
○千賀委員長 残りの目程は請願、陳情書の審査でございますが、これは午後二時から再開して審査することにいたします。 暫時休憩をいたします。 午後一時九分休憩 ————◇————— 午後三時五十分開議
○千賀委員長 休憩前に引続きただいまより農林委員会を再開いたします。 まず請願及び陳情書の審議に入ります。これに先だちまして、請願及び陳情書審査小委員会における審査の経過並びに結果につきまして小委員長の報告を求めます。川西委員。
○川西委員 請願及び陳情書審査小委員会の審査の経過と結果について御報告いたします。 農林委員会に付託されました請願は合計百九十九件でありまして、これについて去る十一月二十二日小委員会を開き審査いたしましたところ、このうち百十二件は採択すべきものと決しました。なおその内容及び議決理由につきましては、お手元に配付いたしました報告書をごらん願いたいと存じます。 次に陳情書につきましては、十一月二十一日までに農林委員会に送付されましたものが、百四十九件でありまして、その内容趣旨とも小委員会において了承いたしました。 以上簡単に御報告いたします。
○千賀委員長 ただいまの小委員長の報告によりますと、委員会は本日の請願日程中第一より第九、第一一より第二二、第二四より第四〇、第四二より第四四、第五〇より第五六、第六四、第六六より第七三、第七八より第八四、第九五、第九七、第九九、第一〇 ○、第一〇二より第一〇三、第一二〇より第一二四、第一三四より第一三六、第一三八、第一四〇より第一四二、第一四八より第一五〇、第一五四より第一六〇、第一六四より第一六八、第一七〇より第一七二、第一八〇より第一八三、第一九〇より第一九二、第一九五より第一九九の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送達すべきものと議決すべきであるとの報告であります。 これより採決いたします。ただいまの小委員長の報告通り決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 御異議なしと認め、小委員長の報告通り決しました。なおただいま採択と決しました請願の報告書に関しましては、委員長に御一任願いたいと思いますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 次に陳情書についてでありますが、先ほどの小委員長の報告は、本日の陳情書日程中第一より第一四九については、その趣旨を了承という取扱いにしたいとのことでありますが、その後本委員会に送付になりました陳情書十五件、すなわち本日の陳情書日程第一五 ○より第一六四までの各陳情書も含めまして、小委員長の報告通り取扱いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 井上君から発言を要求せられておりますからこれを許します。なるべく簡単に願います。
○井上(良)委員 小委員長から本委員会に請願並びに陳情書の審査の経過についての報告書が提案され、ただいま可決すべきものとしての案件は可決されたのですが、ただここで問題は、保留にされておりますものについて全然報告がございません。たとえばこの報告書の中にも、これこれのものはこういう理由で保留した、あるいは採択したということが全然書いてないのです。民の声を国会に採択してもらいたいとして、せつかく陳情並びに請願の形で出ておるものが全然取上げられず、ただ以下何件全部これを保留にするというようなことは、あまりにも民の声を無視する行き方であります。特に私ども伺つておきたいのは、米麦の統制撤廃反対に関する請願が相当多数各党の議員の紹介で提出されているのでありますが、これが全部保留になつておる。これは一体どういう理由で保留をされましたか、その経過をお話願いたい。なおその他保留になつておる案件についても、一応その理由について御説明願いたいと思います。
○川西委員 小委員長の報告の際に、保留になつたという言葉は使いませんでしたが、百九十九件のうち百十二件を採択いたしたと申したのでありますから、論理的に言うて残りは保留ということになるのであります。それから米麦統制問題に関する陳情、請願は、井上君の御紹介のものを初め十数件ございましたが、すでに衆議院においてこれと違つた議決をいたしておりますので、委員会ないしは議院としての意思が二つになり、別々の意思を決定いたすことは一事不再議と申しますか、その点から不合理と考えて、小委員会において井上君御同様の意見もありましたけれども、保留いたすことに決した次第であります。
○井上(良)委員 私は寡聞にして本国会において米麦統制が撤廃されるという法案及び予算案をきめたことは知りません。国会が統制撤廃を決定したから、従つてこれに反対する陳情書は受付けるわけには行かぬというのなら理由が成り立つ。ところがまだ今日米麦統制撤廃に関する法律案なり予算案なり、それに関する何らの処置はとられておりません。ただ政府の一部から、たとえば麦を一月から四月までにはずすとか、あるいは十月一ぱいまで米の統制は続けるが、それ以後ははずすとかいうようなことが放送されますので、国民の一部には、そのことに不安を抱いて、統制撤廃をやめてもらいたいという切実な声がございます。この声を採用するかどうかということは、今後政府がこれを政策の上に反映するかささぬかとという問題であつて、国会としては多数の人々からのまじめな陳情、請願があります場合、この声がもつともな声であるというのならば、やはり政府にそれを取次いでやるのが、私は請願及び陳情の趣旨であろうと思います。従つてあなたの今おつしやるように、本国会において米麦の統制撤廃の法律案なり予算案が通過し、われわれもそれを通しておるという責任があつて、それと相反する請願ということになるとわれわれとしても困る。こういうことなら一応理由は成り立ちますけれども、まだそういう措置はとられておりません。従つて国民からそういう請願があります場合は、やはり政府からの一部の放送のために不安が起つてこの請願になり陳情になつておるのですから、これはすなおに採択して政府に送達し、その陳情なり請願を将来政策の上にどう生かして行くかということは、政府の考えるべきことであつて、一応国民の声として国会に出された案件は政府に伝達してやるということは、これが非常に矛盾不合理なものでない限り当然のことではないかと私は考えますが、その点についての意見を聞きたい。これ以上はあなたと議論していてもしようがないから、これは本委員会においてこの問題について御審議を願いたいということを委員長にお願いします。
○川西委員 小委員会におきましても、井上君のただいまの御意見同様の意見を開陳された方もありましたけれども、多数決によつてただいま御報告いたした通り議決いたした次第でございます。これは否決したというわけではないのでありまして、保留の分につきましては適当な時期にさらに審議いたしたいと考えます。
○井上(良)委員 議事進行について。私は小委員長報告としてはそれで十分であると思います。私自身は本委員会でその報告を受けて、保留にするかしないかということについて議題にしてもらいたいと思う。そして多数で保留にしてもいいという決定をされるならばやむを得ませんが、国民としては政治に対していろいろ希望や要求を出されて来る。その希望や要求が現在の事態と矛盾不合理をする、また国会としてはそういうものを取上げることは非常に不見識だという事態があるものの案件については保留にしてもいいが、そうじやない切実な要求、しかも米麦の統制撤廃に関する陳情、請願というものは何万何十万という人の署名がとられているものがたくさんあります。そういう声を国会が全然ほおかむりをして行く、知らぬ顔をして行く、握りつぶすという行き方は、私ははなはだ遺憾だと思います。政府がそれを採用するかどうかは将来の政策の上における考え方であつて、国会としては国民のそういうまじめな要求については愼重に聞を傾けてそれを採択して、政府に送達して行くというやり方が、私は当然とらるべき民主国会としての任務ではないかと考えます。しかもそれをあえてあなたの方で、そんな必要はない。小委員長の報告の通り保留にするというのならば、それは採決いたしてもらいたい。
○千賀委員長 委員長からお答え申し上げますが、先ほどの採決は、全部小委員長の処理通りにわれわれも処理することに同意をしたものであります。だから井上さんがいまさらそれを言われるのは少々筋違いと思いますが、いま一歩讓つて……。
○井上(良)委員 私はあなたのやつていることについて多少疑義を持つているのです。今あなたがそこでお読み上げになつたのは、小委員長報告の何件から何件までの請願は採択してこれを内閣に送付する、何件から何件までの陳情書はこれを了承する。それ以外の分については保留するという宣言をしましたか、これはしてないでしよう。してない以上は、この以外の分についての取扱いはどうするかということを私は今提案しているのですから、これに対して、小委員長が報告される通り、残余の分は保留するなら保留する、不採択なら不採択ということにしておかなければ、請願の取扱いの結論はなさぬ、こういうことになります。それで小委員長の報告によると、今あなたが採択し、内閣に送付すべき案件はこれこれだ、それ以外の分については全部保留するという報告らしいのです。そのことはまだあなたは諮つていないじやありませんか。私はそのことについて、やはり委員会として残余の分は保留するなら保留する。保留してもらつては困るというのが私の意見だから、これは諮つてもらわなければならぬ。
○千賀委員長 それでは井上君の発言を動議とみなしましてお諮りいたします。井上君の、その他の請願は留保しないで採否を決することに賛成の方の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○千賀委員長 少数。反対の方の御起立を願います。 〔反対者起立〕
○千賀委員長 多数。保留することに決定いたしました。 暫時休憩いたします。 午後四時十三分休憩 ————◇————— 午後四時二十九分開議
○千賀委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 次に積雪寒冷單作地帶の振興方策問題について調査を進めたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 異議なしと認めます。質疑を許します。小淵光平君。
○小淵委員 ただいま請願小委員長の報告によりまして、私さきに請願をいたしておきました群馬県の寒冷地に編入方に関する件の請願が採択になつたことに対して非常に満足いたしておるものであります。群馬県の事情は、請願書にすべてしるしてありますので、いまさら呶々の必要はありませんけれども、群馬県の積雪寒冷地帶は県全体からいたしまして五〇%以上の地域にわたつておるわけであります。この寒冷地を科学的に調査いたしましても、かりに東北方面の年間平均温度十度四分に比較いたしまして、群馬県は十度六分、北陸方面の十三度に比較いたしますればやや群馬県の方が平均温度は低い。最低温度にいたしましては、たとえば東北方面の二度四分、北陸方面の五度六分に比較いたしまして、群馬県は二度六分という非常に最低温度の低い地域になつておるわけであります。しかもこの地域は、お隣の長野、新潟に境を接しまして、この地帶は一連の地帶となつており、福島県にも隣接いたしておる地帶になつております。かような地域でありまして、しかも初霜等におきましては、東北、北陸方面に比較して非常に早くおりる。さらに群馬県特有のから風が非常に強く、風害が多いのであります。かような事情にありますので農民の生活状態も非常に低く、この地帶のエンゲル係数等を調べてみますと、平均の五二・六二に比較いたしましてこの地帶で五九・〇五というふうに非常にエンゲル係数が高い地方になつておるわけであります。この地帶は当然寒冷地としてあまねく恩恵を受くべきでありますけれども、いまだに編入にならない。それは言うまでもなく、この法に示すところの審議会の議決を経てこれの編入が決定になることになつておるのでありますが、この審議会の指定基準を見ますと、耕地利用が年間一三〇%以下であり、あるいは根雪が三十日以上、撮氏五度未満の低温にある期間が年間百七十日以上である。この根雪の期間と五度未満、いずれもその一方でよろしいということにはなつておりますが、かような指定基準に制約されておりまして、この地帶がどうしても編入にならないということになつて今日に及んでおるわけであります。この審議会の指定基準というものは、どういう建前でこういうことになつておるか、しかもこの法に示すところの精神から行きますと、その第一條にもありますように、積雪寒冷がはなはだしく、経済的に遅れた積雪寒冷單作地帶における農業生産の基礎條件をすみやかに整備して農業生産力を高める、積雪寒冷がはなはだしくて、経済的に握れた地帶であれば、その地帶は当然編入になるべきである、農地利用率が低くて農業生産力が劣つておれば、当然この地域に編入になつてひとしく恩恵を受くべきであるというふうに私どもは考えておるわけでありますけれども、ただいま申し上げましたように、審議会のこの基準というものに制約されて今日どうしても編入を見ないのであります。この審議会というのは、どういうふうな建前でこういうさくを設けておるのであるか、この点を官房長からお伺いいたしたいと思うわけであります。
○塩見政府委員 積雪寒冷單作地帶の問題につきましては、立法も民主的に議員提案で行われまして、全員一致の可決を見て施行されておるわけでございまして農林省としましては、当初からして名実ともに民主的な立法であるという点を尊重し、審議会の意見も尊重いたしまして、事務局として仕事の方を処理しておる、こういう状態にございます。それでこの法の第二條にございますように、積雪寒冷單作地帶の指定というものは審議会の議決を経てきめるということになつておるわけでございまして、審議会の方ですべての点は十分考慮されて決定せられるわけでございますけれども、この地区の指定に対しましては、その経過から申し上げますと、先ほど小淵委員がお話になりましたところの單作という点については、当初は県として耕地の利用率一三〇%以下、それから積雪、寒冷いずれかの條件に該当することと、この二つの條件に該当するような県だけに限るというふうな意見と、それから県のうちの大半がこれに該当するような心のはとにかく入れたらいいじやないか、こういう意見と両方ございまして、それで第一回の審議会でその問題が一番重要な問題となり、なかなか論議が盡せないで二日がかりになりまして、二日目にやつときまりました。それはその県全体が大体そういうふうな所であるのと、それから五郡市以上がそういう條件を満たすというふうな県を指定しよう。ただその一部を指定されるような県につきましては五郡市以上、その郡市の地区というふうなものをとにかく制限づきでもつて指定する、こういう措置をとろうというふうなことで決定を見たわけでございます。その後その指定によりましてその郡市において——ことに郡においてですけれども、過半の町村がそれに該当しない限りはその郡は指定されないわけだものですから、郡のうち一部町村が該当していたのでは指定されない、そういう点で一部指定されましたところの県におきましては、隣合せの村で非常に不均衡を生じましたので、その地帶の指定をさらに追加いたしまして、これにつきましては九月二十日に第三回の審議会が開かれ、その審議会の席上で決定されましたことは、一部指定の県におきましては、指定された地帶に接続する町村と、それからまたその当該町村の隣接地帶であつて地区指定基準に該当するものについては、府県知事の方から農林大臣に申請してその承認を経れば指定し得るというふうなことになつたわけでございまして、附帶決議としましては、これはとにかく非常に制限的に取扱つてほしいというふうなことと、その町村の指定というのは、あまり長引いてずるずるべつたりになつても困るから、十月末日までに手続すべてを完了する、こういう附帶決議がございまして、そういうふうな形で処理したわけでございます。それで今お尋ねの点から考えまするに、とにかく問題の焦点というのは、五郡市以上というふうに府県を限つたところに問題があるように存じまするけれども、どのくらいが適当だという点については、審議会の方でもいろいろ苦慮されて、一番当初の地帶指定のときに二日もかけて、ここにほとんど中心題目を置いて検討したような状態でございます。五つがいいか、半分以上の郡市というのがいいか、どういうのがいいかという点については、いろいろ問題もございましようけれども、この種の事案を処理して行く方法としては、はつきりと科学的に幾つがいいという基準もないわけで、だだ非常に荒い見当として、五郡市以上ということならば相当重みがあるからという意味で決定されたものと、経過的に申し上げますと、そういうふうに私の方は存じております。
○小淵委員 経過は一応お伺いいたしたわけであります。もちろん審議会の会長がおいでにならないのでありますから、審議会でどうしてこういうふうにきめたということがおわかりにならないことも無理でないと思いますが、この法律を解釈いたしますると、たとえば第二條によりまして、農林大臣は各都道府県を地帶として指定をする、都道府県はその府県内の該当市町村を指定するという仕組みに法律の明文にはなつておるように思うのであります。審議会が審議いたしまして決議をしたところの結論を見ますると、ここに岐阜県、滋賀県、京都、兵庫の四府県についてはその郡市が指定をしてある。もちろん郡については、法律には郡をその区域として指定をしていいとも、して悪いとも書いてないのでありますから、郡というものを一応その区域として地域限定をして指定をしたことはいいとして——これは押問答になりますけれども、これは市まで入れてこの限定をした、指定をしたという結果に相なるわけであります。この市を入れたということについては、どういうことで市が入つたか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○塩見政府委員 一般的に申し上げて、郡と市はあらゆる面で、とにかく農業的な重みからいうと非常に郡の方が重いわけですけれども、一つの区域というふうなものを見た場合に、相当大きな市もございますし、郡と市というものが同じような意味で区域としては取扱われているというふうな経過から、郡と市は一緒にした並行したものとしてとにかく並べ上げたということと存じております。
○小淵委員 第二條の三項に、この区域内における農地利用率が低くて、農業生産力が劣つている市町村の区域を都道府県知事は指定をするということに、はつきり明文にうたつてあるわけでありますけれども、この市というものは当然知事の指定すべき範囲に属するものであつて、農林大臣はその県という行政区域を指定するだけにとどまることに法律の解釈は当然すべきであると考えます。これについて、どういうわけで市がそこへ入つておるか、この点をいま一度お伺いいたしたいと思います。
○塩見政府委員 そこらの点については、法律上いろいろ問題があると思いますけれども、この第二條の道府県の区域というふうなものについては、道府県全体を農林大臣の方で指定しなくても、道府県の一部区域というふうなものを限定して指定してもさしつかえないのだ、そういうふうな点にいろいろ問題があろうと思われるが、この條文はそういうふうな趣旨によつてこういうふうに書き表わしたのだ、そういう意味に立案をされたとここで説明をされたと審議会の委員の方から承つておるわけであります。当然市の方は県知事が指定すべきであるというふうな点でありますけれども、県全体が指定された場合には、どの市ははずすか、どの市は入れるかという点は知事の指定範囲になるわけですけれども、一部地区を指定する場合においては、これは郡には属しないわけですから、一部地区としては郡だけを指定したのでは困るので、どうしても市も中に入れてやらなくちやならないというなことで、一部指定した場合には、どうしても郡と市と両方入れて指定しないとぐあいが悪い、こういうふうな関係からして、一部指定の府県に対しては市まであわせて指定した、こういう形になつておるわけです。
○千賀委員長 関連してひとつ私から伺います。愛知県にはこういう例がある。碧海郡という郡が一つあつて、その中に市が三つあるのです。それから隣りの郡は、たとえば額田郡でもよろしいが、額田郡なら岡崎市がある。そうすると二郡でもつて郡市が五つあることになるのですが、そういうところが気候條件が合えば、五郡市というところに入つて行つて、この適用を受けるはずだと思うのですが、これはどうです。
○塩見政府委員 それは郡だけでなくて、市の條件もこれに該当すれば、五郡市以上ということで中に入らないわけに行かないと思います。
○千賀委員長 そうなると非常に不合理であつて、ある県は一郡でも、一郡の中に四つ市があれば五郡市になつてしまつて、これが指定を受けて入つて行くのに、市のないところは、非常に面積を持つており四郡寒冷地帶でありながら、指定を受けられなかつたら、これはもうめちやくちやなものだと私は思いますが、そんなようにきめられて、あなた方が答申を受取られるのに、政府の役人としてそれを執行できると思つてその通告を受取られたか、その点で何にも反問はなかつたか、その心境はどうでした。
○塩見政府委員 その点については先ほども申し上げましたように、郡と市というものは一応並列的なものであつて各種の統計その他あらゆるものでの取扱いにおいて、何々郡の中に何々市があるというふうには取扱われていないような形になつておりますので、郡が広くてその中に市がぽつんとあるというふうな場合に、とにかく郡を指定すれば市も当然入るのだという解釈は成り立たない。市は市で指定しない限り、郡を指定したからといつてその中の市は入らない、こういうふうな解釈をとつております。
○千賀委員長 解釈はいいのですが、それであなた方は、行政をやつて行く上についてうまく行くと思いながらそういうものを押しつけられたか、困ると思いながら押しつけられておりますか、ないしはここで適当な修正をしてくれれば公平になる、科学的な基礎のある修正をしてくれた方がやりいいと思われますか、その点はどうですか。
○塩見政府委員 その点については郡と市はやはり別箇に並列的に扱わないと、実際上は困る場合が多いだろうと思います。たとえば福岡なら福岡市といつた場合に、これが該当したときは何郡を指定すれば福岡市が入るといつた場合、ちよつと指定のしようがない。やはり郡を指定すると同時に、そういう市を指定しなければ一部区域を指定したということになりにくいので、どうしても郡を指定するとともに市も指定するというふうな形をとりませんと、限定して地区を指定した形にはならない。従つて今までの審議会の議決というようなものは、そういう点では障害はないと存じております。
○千賀委員長 それで私はよくわかつて来たのです。そうすると、あなた方が各県を地域として指定するのに、その県の何分の一か何かがそこにあるということは全然問題外にしておいて、ただ五郡市の頭がそろえばそれで指定する。その広さが県の十分の一になろうが、二十分の一になろうが、あるいは三分の一になろうが、その点については全然無関心である。こういうことでやられたので、われわれはこの点についてどうしても関連性を認めることはできません。
○八木委員 議事進行上、今の点が法律の解釈論として問題なのです。そこで私は法制局を呼んでこの解釈を明らかにしていただきたい。ただちに院内の法制局を呼んでいただきたいと思います。
○千賀委員長 承知いたしました。
○大森委員 官房長にお尋ねいたしたいのでありますが、この地域の問題であります。地域の問題で二十町歩以上を限定したことになつておりますが、二十町歩というのは、その郡内において散在して、つまりわかれておつてもこれがまとまつて郡内に二十町歩以上あれば、それが寒冷地帶の適用を受けるかどうか、この点を伺いたいと思います。
○塩見政府委員 それはその地区の指定の問題ではなくして、單作地帶における土地改良の補助金の配付される基準としての面積の問題だと思います。これは大蔵省の方では、当初百町歩というような団地を基準として、それ以下のものには補助金は出せないという態度をとつておりましたけれども、最近その問題については、それでは対策法をつくつた目的に沿わない、県営事業みたいなものだけが救われるだけで、そういうふうな地帶で最も農民の要望しておるところの小団地が救われない、それにはある基準があろうというわけで、二十町歩というような單位に相なつて来たと思いますが、一つの事業として二十町歩まとまつていなければいけないわけです。関連のない飛地がばらばらとあつて、それを集めて二十町歩というようなことでは、その二十町歩の中には入らない、こういうふうに解釈されると存じます。
○大森委員 今の答弁では、二十町歩が一区画になければ土地改良の対象にはならないというようなお答えのようでありましたけれども、私どもの聞いておるところによりますと、その点が非常に問題だろうと思う。そこで積雪寒冷地帶なんというものは、一箇所に二十町歩固まつているような所は、積雪寒冷地帶のあれの必要がない。非常に小さな所とか、あるいは谷とか、こういうふうなものが非常な冷害を受け、災害をこうむるのであります。しかるに二十町歩ということに限定して、そうして一区画にまとまつていなければならないということでありますならば、それは何県かのためにつくつたことで、私の地方などでは適用を受けないということになると思います。あなた方は、ただ審議会の審議のみによつてこれを決定するというようなことではなく、もう少し真剣にこの問題を調べなければならぬ。そうしてどういう所が積雪寒冷地帶としてこれを保護しなければならぬかというようなことに対して、あなた方の方には何ら調査はないのでありますから、私どもとしては、この調査が十分でないと——今申し上げましたように、私どもの地方においては二十町歩固まつた所ということになりますと相当区画整理もでき、あるいは耕地整理もできているような所になるのであります。そうすると今の積雪寒冷地帶の恩恵というようなものはないのであつて、もう少し小さな方面においてこれが必要であるというふうに私は考えておるのでありますが、その点はいかがでありますか。
○千賀委員長 あなたの御質問は小淵君の質問に関連がないようですから、あとにしてください。
○小淵委員 ただいま八木委員の方から、法制局を呼んで、そうして解釈をしてもらうということになつたので、正しい解釈が伺えると思うわけですけれども、私のお聞きしてみたいと思うのは、この二條の明文にはつきりしているところの、農林大臣は府県を指定する、府県知事は市町村の該当した所を指定する、こういうふうなことになつておりまするので、先ほど私は、郡は当然、しても悪いともよいとも書いてないから郡のことは別として、市町村をなぜしたのかということをお伺いいたしたわけであります。この郡と市と、同じ取扱いに大体なつているような官房長のお話ですけれども、地方自治体の行政をされておるものは県と市町村が当然あるわけでありまして、こういう意味から市町村というものが出ておる。この解釈に基いて、市というものをどうして郡と同じようにこういう解釈で進んだかというところに非常な疑問を持つておるわけでありますので、この点をいま少しわかりやすくお話を願いたいと思うわけであります。
○塩見政府委員 ただいまの問題は、郡を指定しただけでは市というものが入らないから、市を郡と並べて指定するという点はおわかりになつたと思います。なぜ市というものと並列的に町村というものを指定しないかというふうなお尋ねと思いますけれども、町村につきましては、一応統計的に見れば耕地利用率の一三〇%というふうな点については、基準年次を昭和二十二年にとるか、あるいは最近の一九五〇年の農業センサスにとるか、一応の資料があるわけであります。ところがこの積雪寒冷というような点に関しましては、根雪期間三十日とか、あるいは寒冷度において最低気温が攝氏の五度未満の日数百七十以上というふうなことになつておりますので、そういうふうな統計については、町村になりますと資料として政府の方で十分集め切つていないし、そういうふうな点についてははつきりした基準をきめにくいという関係から、この指定自体も、町村の段階については府県知事に讓つた、こういうような形になつているんだと考えております。立法当時の趣旨は大体そういうふうに承つております。農林大臣が審議会の議決を経て指定する場合に、町村についてはそういう点であまりに地域が狭過ぎるので、十分なデータをとても整備し得ないという関係から、町村という段階まで限定して地帶を指定しなかつたというようなことだと思います。
○小淵委員 そうしますと、ただいまの官房長のお話によると、市と町村と比べると、市等ではしつかりしたデータがあるが、町村の場合はデータがないから、市の場合は郡と同じように、取扱いができるが、町村になりますとできないんだ、こういうふうに解釈してよろしいか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○塩見政府委員 市の方はデータがあるからということではなくて、郡ぐらいの広さのものを、中央の審議会としては資料を検討した上で指定したいという場合に、郡を指定することによつてその中の町村は入りますけれども、市となると郡を指定しただけでは入らないというふうな意味で、市はやはり郡と並列的に考えなければならないので、市は市として、町村よりは一応資料は集めやすい。それは区域として、狭い市もございますから、データが市ならばあるからというふうな意味ではなくて、郡を指定しただけでは市が入りにくいから、それで市は市で別に指定するというような意味であります。
○小淵委員 市の場合はある程度はつきりしたものが町村よりはつかみ得る、こういうお話でありますけれども、これはもちろん私の意見もはさみますが、たいへん間違つた観測が根本的にあるのだと解釈するものであります。たとえば市にいたしましても大都市もあれば中都市もあり、町村の人口と相当接近しておるものがずいぶんありますので、官房長の言われる理論はどうも解しにくいのでございます。さらに五郡市以上ということになつておるときに、岐阜県のごときは、どうしても郡が四つしがなくてあと市を入れなければこの県が落ちてしまうんだというふうなところになりますると、その他の地区から見ますと非常に問題になるのであります。たとえば群馬県のごときは、すでに五郡市あるのでありますが、その中の三郡は一応資料の上から五〇%未満であるということで、どうしてもその中に編入されないということになります、こういう解釈の点に非常に困難な、また非常な猜疑心を持つて見て行かなければならないような結果が生ずるので、この点は私どもどうも納得が行かないのであります。さらにお伺いをいたしておきたいの、は、この審議会は、結局單作振興法に盛られた審議会でありますので、ごういつた基準は審議会独自で一つのわくをつくつて、そのわくの範囲内において設定されるということはやむを得ない結果となつて出ると思うのでありますが、たとえば一県の中の郡なり、市なり、町村なりを指定するようにということをはつきりうたつて、この審議会で審議の基準として出すという法律ができなければ、結局審議会の意思にまかして行くよりしかたがない結果になるのじやないか、私かように解釈をいたしておるのでありますが、この点について、その解釈が誤つておるかどうかお伺いいたしたいと思います。
○塩見政府委員 その点は審議会の決定できまつて来るわけで、法律的にいえば五郡市に制限される理由は、必ずしもないわけです。
○遠藤委員 積雪地帶の振興法律の問題についていろいろ議論が出ておるようでありますが、私ども静岡県の関係から見ますと、静岡県等においても、山間部には積雪地帶とほとんど條件が同じような町村がたくさんあるわけでございます。ところがそういう村については落ちてしまつておる。そこでこういう積雪地帶とほとんど條件を同じくするような町村の救済の方法はないかということが問題になるわけでありまして、あらゆる点から見ましてもこの法律の適用によつて恩恵に浴すべき性格を持つておる、こう思うわけであります。ただいまいろいろ法律論が出ておりましたが、私どもこの法律が通るときの事情もよく知つておるわけですが、これは議員提出の法案でありましたし、率直に申しますと、おそらく政府の方ではその解釈もよくわからないのじやないか。そこでむしろこの問題は議員の間で懇談会を開いて、修正すべきポイントをはつきりきめて行く、同時に政府の方にも協力していただいて、両方で集まつて改正すべき要点をきめて行く、こういう取扱い方をしていただいたらどうかと思うわけであります。そこでなるべく早くそういう機会をつくつて、修正の原案をつくるということに向つて私ども努力をしたい、こういう考えを持つておりますので、それについて皆さんの御賛同を得たいと思うわけであります。
○八木委員 ただいま遠藤君の言われたことには賛成でありますが、明瞭を欠いておる点は明らかにしなければなりませんし、私もこの法律の提案者の一人として、立法の精神に沿わない執行、法律違反の執行を見のがすわけに行かない。そこで審議会長をぜひとも呼んでいただきたい。もしできなければ審議会委員の一人はおるはずですから、呼んでいただきたい。その間に私は法制局に解釈論について御答弁を願いたい。 この第二條に道府県の区域を指定する、とありますが、この「道府県の区域」というのは、区域とするか地域とするかということが、相当問題となつた結果、これは区域となつたのであります。区域とすれば、先ほど執行部の塩見官房長の言われたように、都道府県全体を区域として條件を見て行く、当然こういう解釈で執行するはずなのであります。だから審議会においては、立法の精神がそこにあるし、審議会の委員も提案者であつて承知しておるから、議論がやかましくなつて二日にもわたつて論議されたのだと思う。かような意味から私は「道府県の区域」とは道府県の全部または一部という意味ではなく、道府県全部の区域を指すものと解するのですが、これはとらわれない立場に立つて法律論としてどう解すべきか、解釈論としてお伺いする次第であります。
○鮫島法制局参事 この積雪寒冷單作地帶振興臨時措置法という法律は、ちようど私が法制局の第三部長をしておりますときに、立法の過程において關與した法律でありまして、今その法律について問題が生じておるのでありますが、そういう非常に疑義の多い法文ができましたことは、まことに申訳ないと思つております。この法律を立案いたします過程におきましても指定の問題については相当に論議したのでありますが、結局農林大臣としてはその末端まではわからないのが普通でありますので、農林大臣は道府県を指定する。それから指定を受けました道府県の知事においては、今度はよく事情がわかつておる県内のことでございますから、その指定を受けた道府県の知事におきまして、その県内における市町村を指定するということが、地方行政の運用において実情に即するのではないかという結論に達したと存じております。そこでその点をいかように表現するかという点で、やはり非常に苦労した記憶があるのでございますが、今も八木委員から仰せがありましたように、表現について、道府県の区域とするか、地域とするかということを研究したのであります。結局趣旨としては道府県の全体を指定するので、そこの表現としましては、地方自治法の第五條に「普通地方公共団体の区域は、従来の区域による。」とあります。ここの区域をかりて来て、第二條におきましても、道府県の区域、あるいは市町村の区域という表現を持つて参つたのであります。でありますから立案当時の考え方といたしましては、道府県全体の区域を示してもらう。また知事におきましても市町村全体の区域を示してもらうという趣旨であつたのであります。今から法文を読みまして、その点が非常に明白であるかどうかということになりますと、疑問がないでもありませんので、それは申訳ないのでありますが、立案当時の趣旨といたしましてはそういう趣旨でございましたし、また区域という表現も地方自治法の第五條のあたりから持つて来てそういうふうにいたしたのであります。
○千賀委員長 遠藤君に申し上げます。先ほどの遠藤君の発言は動議のようでもあつたと思いますが、いずれ最後にはそういうことに到達すると思いますけれども、まだ時期としてはこの論議を盡すことが問題の真相を確かめる上に必要だと思いますから、もう少し論議を続けたいと思います。八木委員。
○八木委員 ただいまの解釈は、この法律をつくつた私も同意しておる、その通りです。地域給という言葉が頭にあります。地域給はなるほど一部の一定の地域を観念的に表わしておる。常識からいうたつて、道府県の区域といえば道府県全体を指す。でありますから、この運用に入るときも私は東北、北海道と大体常識でわかる区域を考えた。ところがだんだん見ておりますと、審議会の経過も先ほど塩見官房長官の言われた通りでありますし、実際にこれが執行される情勢を見て行きますと、農林大臣は六月二十九日に農林省告示第二四三号をもつて、第二條第一項の規定に基いて地帶を指定している。この地帶の指定には、全区域に及ぶものが一道十三県、それから岐阜県のうち何々郡、滋賀県のうち何々郡、京都府のうち何々郡、市、兵庫県のうち何々郡、こう一部分の地域を指して指定せられましたので、これは法律違反である、少くともかような法律解釈で執行するということは、執行部の責任である、こういう感じを深く持つて見て来たのであります。この点は解釈論になりますから、二條の区域を全部の区域と解して行く建前をとりますと、どうもこの告示は法律違反であるとさえいわなければならないと思いますが、これについてどう考えますか。
○鮫島法制局参事 もう一つ、今のお答えをする前にこの法文の解釈といたしまして先ほどの説明を敷衍いたしますが、これは非常に微妙なところの表現で、あまりはつきりしないのじやないか。あるいは自己満足的な表現を用いたといわれるかもしれませんが、第二條の一項におきまして、「その区域内における農地の利用率が低くて農業生産力が劣つている道府県の区域」とありますが、その区域内におけるというここの区域は、あとの方の道府県の区域を指しているわけでございますが、ここに、その区域におけるといいませんで、「その区域内における農地の利用率が低くて」といいますのは、結局ある道府県の区域内における農地の利用率が低いということを言つた趣旨でございます。これは三項の市町村の場合におきましても、同じく「その区域内における」と、やはり「内」の言葉が使つてあるのでございますが、これがもし農地の利用率が低い地帶そのものと一致しておりますならば、ここに「内」というような言葉は使いませんで、むしろその区域におけるというような言葉でもいいんじやないかというような感じがいたします。 〔委員長退席、河野委員長代理着席〕 それからただいまお尋ねの点につきましては、道府県の区域が道府県全体の区域という解釈が正しいといたしますならば、それはやはり違法という問題が起ると思います。
○八木委員 この区域内の「内」の字が問題になりましたが、「区域内」というところに、たいへん実際問題として困つた問題が出て来るのであります。解釈をよくして、道府県の区域の指定を受けなければ、その内部において法律の目的に合致した地帶が歴然としてあります。ただいま小淵議員が述べられ、請願の採択になつたような群馬県の地帶を適用しようとする場合に、全体の区域を見て指定するのだという解釈で行きますと、群馬県はそれに入つていない。従つてその「内」の字を利用するときには、群馬県には適用しないけれども、岐阜県だとかあるいは滋賀県とか、京都だとか、兵庫とかいうところには、その「内」だけを利用いたしまして、法の前にきわめて不平等な、不明朗な問題がここに出て来ておるのであります。私はこの際、この解釈を間違えられて、都合のいいように利用しようとしておる審議会の諸君の出席を求めて、これをたださなければ、どうしても引込むわけに行かない。自分らの地域代表のような意見に無理に法を解して、二日もかかつて、立法の精神を無視し、法律の前に不平等な、ともに天をいただかざるような事態をことに惹起しておるという責任は、私は審議会にあると思う。だから審議会の委員をだれか呼べ、こういうことを言わざるを得ない。すみやかに審議会の委員を呼び出していただきたい、いなかつたら、現在審議会の委員は登院しているかいなか、調査して報告されんことを望みます。
○河野委員長代理 八木さんに御報告いたします。委員長の松浦さんは今こちらにおられないそうです。他の委員の方で一、二おられるそうですが、これは出ても委員長とよく相談の上でなければ、御答弁がしかねるということで、御出席が願えないそうですから、これもまたやむを得ないことと思いますから、この席はひとつそういうことで御了承願います。
○八木委員 審議会を来月七日とかに招集するやにも聞いておりますが、私はこの審議会の要求をすることが月余にわたつておるのですが、遺憾ながらその審議会を招集されない。これは決定しておるのですか、決定してないのですか。
○塩見政府委員 それは十二月の七日に招集の手続をとつております。 〔河野委員長代理退席、遠藤委員長代理着席〕
○八木委員 七日に成規の手続をもつて審議会が招集してありますれば、その機会に発言を求めて、発言をさせるという了解を、ただいまただちに当該委員に連絡をつけて、返事をしていただくよう、委員長においておとりはからいを願います。
○塩見政府委員 それは会長の裁量によつて、委員会の委員外の人でも、発言は今まで認めております。
○遠藤委員長代理 八木委員に申し上げます。引受けるわけには行かぬけれども、交渉をしましよう。
○八木委員 なお私はこの法律の運用について不可解に思つておりますのは、その後の——日はしつかり覚えておりませんが、速記録に基いて見ますと、非常に怪訝な事態があるのです。接続町村を追加指定することができるという運用の方針を審議会できめている。それを読みます。「岐阜県、滋賀県、京都府及び兵庫県におきまして、その地域指定地帶に接続する町村及び当該町村の連接地帶であつて、地区指定基準に該当するものについては、当該府県知事が農林大臣の承認を経て指定し得るものとする。」いわゆる接続町村は指定を受けた府県なるが故に、特権がありまして、順次接続地帶を差延べて行くことができる。こういう運用方針をきめて、これを最後として、本年はあとこの指定問題は取上げないという審議決定をいたしている。そこで私は八月に愛知県、長野県の県境に接続する寒村僻地の單作窮迫地帶をわらじがけで歩いたのであります。こういう事情をずつと見て参つたあげく、これで指定問題は本年はもう打切りだ、かように取扱われたのでは、法の権威の前に黙するわけには参らないとして、かような質疑を行い、明瞭に朗らかな形をつけるまでは、引つ込むわけには行かないことになつたと申し上げたいのであります。しかし審議会の責任者が出ないということでありますから、私は質疑は一まず保留いたしまして、これを打切ります。
○塩見政府委員 ただいまのは、先ほども御説明いたしましたように、九月二十日の第三回の審議会で、今お話のあつたような形で決定されております。
○河野(謙)委員 この問題は審議会が決定すべき問題でありますけれども、私は官房長個人でもいいから、官房長としての意見、批判を伺いたい。私は神奈川県でありますから、担当地区はどうこじつけてみてもありません。公平な第三者です。でありますから私は伺いますが、もともとこれはこの法律の名前からいつて積雪寒冷地帶の救済法案であります。何も東北、北海道、北陸救済法案ではない。名前からいつても他の府県がお情でわけてもらうということをやるような現状はおかしいと思う。すべての助成というものは人が対象だと思う、同時に人に付随する土地が対象である。それを五郡市であるとか、やれ何であるとかいう制限を加えること自体に矛盾があると思いませんか。私はそれをまず伺いたいと思います。
○塩見政府委員 そこいらの点になりますと、一町村でも該当すれば指定するかどうかというふうな点は、行政的に見て、いろいろ補助金の配付であるとかその他これにはいろいろ市町村の方で農業振興計画を立てなければならない、またそれに基いて道府県の方でも振興計画を立てるというふうな形で、その振興計画を立てる手続等についても、公聽会を開いて関係者からその意見を聞くとか、なかなか複雑な手続になつておりまするし、そういうふうな点から見て、ある範囲で切つて行くというふうなことは審議会の方で考えられたと思うのです。それでとにかく非常に高い山があつて、南の方の府県であつても、積雪寒冷というふうな点で、また單作地帶というふうな点で、この條件に該当するような村が一箇所あるというふうな府県を指定しても、手続的に見ていろいろ複雑でもあるし、実際手続を経ただけの効果があるようなそういうふうな補助なり、融資なりというものが行くかどうかというような点を考えた場合に、ある範囲で切るということを審議会の方としては考えられたものと思います。また一つはもう完全に東北と北陸というふうな範囲だけに限定してしまう。県の大半がそれに該当しているからというふうな意味で、そういうふうな形で考えるか、それとも一村でもそういうふうなものがあればそれを指定して行くかというふうな点について、りくつの上から言えばどつちかですけれども、実情その他から中間的な形でどこかで切るというふうなことを考えられて、先ほど御説明したように五郡市というふうなところが適当と考えられてやられたものと思います。
○河野(謙)委員 私は何もめちやくちやな理想論を言うわけではありませんが、理想から行けばどこまでも人が対象であり、土地が対象であると思います。ただ現実の事務の処理の面から言つて、一々一軒の農家とかまた一町村とかいうようなことは煩瑣に過ぎるので、これを現実の面でどこかで單位をきめなければいかぬということはわかります。しかしどこで切るかという点については、郡市というのはおかしいと思う。大体農家戸数、それに付随する利用度の低い土地の問題は、こういうものがどこまでも切る場合の標準になると思う。その場合に、東京都のような所は別ですが、大体地方の市の持つておる農家戸数、またこれに付随する土地、それと郡が持つておる農家戸数及び土地、これはまつたくけたが違うのです。このまつたくけたの違うものを、法制的にはどうりくつがあろうとも、一つのわくの中に入れて郡市として、その郡市が五郡市、六郡市でなければいかぬということは、私は非常におかしいと思う。これについて農村事情に精通しておられ、しかも特に地方の実情に精通しておられる官房長は、私が言うまでもなく、矛盾を感じておられると思う。今小淵委員の言われた群馬県のことも私よく知つている。これはほかの県の五郡市とか六郡市の問題ではない。土地の面でも、農家戸数から言つても、根雪の期間から言つても、温度の点から言つても完全に第一に入るべきものである。そういうものを單に形式的な五郡市ということで除外するということは、これは愛知県にもそういう場合もあるでしようが、まつたく法の精神を放れている。どこまでも相手は人であり、それに付随する土地である。そういう観点からいつて、あなた方も積極的に審議会を動かしてもらいたいとは言いませんが、あなたの御見解はどうですか。あなたに責任はないのですから、責任のない立場で言つてください。
○塩見政府委員 五つが適当かどうかについては、立場々々によつていろいろな御意見はあるものと存じますが、これは一応十分に検討した上でないと簡單に御返事は申し上げかねますけれども、立法された中心になつた方々が審議会におられるわけであります。ので、法の全体の趣旨から言つて、そういう立法された方々が検討された上で意見をきめられたわけですから、私としてはもう少しその点は考えてみないと即答はいたしかねます。
○河野(謙)委員 鮫島さんはたまたまその当時の立法に参與されたと思いますので、五郡市ということについていろいろ相談にあずかつたのではないかと思いますが、五郡市ということにきめられた基礎はどういうところから出発しているか、もしあなたが御存じなら承りたいと思う。 〔遠藤委員長代理退席、千賀委員長着席〕
○鮫島法制局参事 五郡市が指定されました経過につきましては私全然関與しておりませんし、そういう事実があつたことを存じませんで、先ほどそういう事実があつたことについて法律の解釈はどうかということを質問されたような次第であります。
○小淵委員 いろいろお伺いいたしたいことはある程度わかりましたので、この際先ほど遠藤委員が提案された議事進行の件で、何とかこの不明朗なことを明朗にし、かつこの法律そのものはいわゆる積雪寒冷がはなはだしくて、経済的に遅れた地区をよくするという精神から、明朗にこれを運用し、さらに強化して行かなければならないことは当然なことでありますので、本日この委員会において如上申し上げました趣旨によつた決議をいたしたいと考えますので、委員長からお諮りを願いたいと思います。
○千賀委員長 ただいま小淵委員から決議をしたいとの申出がありますが、これを採択するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 御異議なしと認めます。これは採択することになりましたから、その案文の朗読を願います。
○小淵委員 案文をつくりましたので、朗読をいたします。 積雪寒冷單作地帶対策の強化拡充に関する決議 さきに第十回国会において成立した積雪寒冷單作地帶振興臨時措置法は、劣悪なる條件の下に孜々営々として食糧増産に励む農民の多年の要望に応えたものとして、全幅の支持を吝まないものであるが、之が地帶指定に当り政府並に積雪寒冷單作地帶審議会が、法の運用に当り不公平なる結果を招来しつつあることは、実に遺憾とするところである。 よつて我々は積雪寒冷單作地帶対策の是正と完璧を期するため、左記事項のすみやかなる実施方を要望する次第である。 記 一、農林大臣並に積雪寒冷單作地帶対策審議会は、積雪寒冷單作地帶振興臨時措置法第二條の規定に基き、同條の條件に該当し、しかも指定洩れとなつている市町村に関して、調査資料を蒐集整備した上、すみやかに、地帶指定に必要な措置を講ずること。 二、政府は、明年度予算において、積雪寒冷單作地帶対策費を大幅に増額すること。 右決議する。 昭和二十六年十一月二十八日 農林委員会
○千賀委員長 お諮りをいたします。ただいまの小淵委員の御動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 御異議なしと認めます。(拍手)
○小淵委員 本決議の今後の処理については委員長に一任いたしたいと考えておりますので、委員各位にお諮りを願いたいと思います。
○千賀委員長 ただいまの決議の参考送付その他の点は、あげて御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 御異議なしと認めます。さようとりはからうことにいたします。 —————————————
○千賀委員長 本日はこれをもつて一応会期終了ということになつたのでございますが、ただいま代議士会及び委員長会議において、二日間さらに延長が決定になりました。しかしその後はおそらく議了されるごとと思いまするが、その後の閉会中の審査の件についてお諮りをいたします。 閉会期間中も、農政に関する重要問題について委員会の審査活動ができますようにいたしたいと思います。つきましては、審査事項等については委員長に御一任願うことにいたしまして右の件を議長まで申し出ることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
○八木委員 議事進行について……。本日長時間を費した積雪寒冷地帶対策は重要なもので、このまま会期が延びたならば、明日、明後日、適当な時期を委員長に一任いたしますが、この問題を議題として、正規に農林委員会を招集せられんことを望みます。
○千賀委員長 八木君の御提案に御異議がなければさよういたしますが、いかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千賀委員長 御異議なしと認めます。さようとりはからうことにいたします。 本日はこれをもつて散会いたします。 午後五時四十四分散会