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12回国会衆議院1951/11/13

農林委員会 第8号

発言数
18
登壇者
6
会派数
5
開催日
1951/11/13

会議録

野原正勝自由党

○野原委員長代理 ただいまより農林委員会を開会いたします。  委員長が見えませんので、私が委員長の仕事を代行いたします。  昨十二日本委員会に付託に相なりました内閣提出、繭糸価格安定法案を議題といたします。審査に入ります。まず本案の趣旨につきまして、政府の説明を求めます。島村政務次官。

島村軍次緑風会農林政務次官

○島村政府委員 ただいま上程になりました繭糸価格安定法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  わが国経済の自立及び発展をはかりますためには、輸出の振興を大いにはかりますとともに、自立経済達成の基盤とも申すべき農家経済の改善をはかつて参らなければなりませんことは、あえて申し上げるまでもないことかと存じます。  養蚕業は現金収入、家族労働の効率的な消化等の点から、農家経済の改善のため、ひろくその導入をはかる必要があるのであります。また生糸、絹織物の輸出はわが国の輸出貿易において、大きな地位を占めており、特にドル地域向の輸出物資である点に大きな意義を有するものであります。ところが生糸の価格は他の商品に比べ変動が著しく、また生糸の原料である繭は農産物であるために、価格変動に対しその需給を敏速に適応させて行くことができません。また養蚕業は亀とより製糸業も経済的に脆弱であるために、みずからの力で繭及び生糸の価格の変動に対処して参ることが困難な実情にあります。このことは生糸、絹織物の輸出を阻害するとともに、その母体である蚕糸業の経営を不安定にし、蚕糸業振興の障害となつております。戦前に糸価安定施設法がございましたのも、また数年来国内の蚕糸業者はもとより、海外の絹業者からも繭糸価格の安定について熾烈なる要望があり、また政府もその要望実現につき、たゆまざる努力を続けて参りましたのも以上の事情に基く馬のでございます。これが本法律案を提案いたしました根本の趣旨であります。  以下本法律案の主要な内容について概略御説明申し上げます。  第一は、繭及び生糸の価格安定の方法であります。政府は、生糸の最高価格及び最低価格を定めまして、最高価格でその保有している生糸を売り渡し、最低価格で生糸を買い入れ、かような売買の操作によつて、生糸の価格を最高価格と最低価格の範囲内に安定させ、ひいては、繭の価格の安定をはからうとするものであります。なお、生糸の買入れは予算の範囲内で行うこととなつておりますが、これは別途御審議中の補正予算には、三十億円を計上いたしております。  第二は、右に述べました最高価格及び最低価格の決定であります。農林大臣は毎年三月、標準生糸である白二十一中A格の生糸について、翌生糸年度の最高価格及び最低価格を決定することといたしております。この三月という時期につきましては、経済事情を考慮して、四月または五月まで延ばす場合もあります。しかして、決定にあたりまとては、生糸の価格、繭の生産費、生糸の製造及び販売に要する費用、主要繊維の価格並びに物価その他の経済事情を参酌いたすことにしておりますが、蚕糸業の経営安定と生糸輸出の増進との両面をあわせ考え妥当な価格を定めるようにいたしたいと考えております。また政府が買入れる生糸で、標準生糸以外のものの最高価格及び最低価格は、それぞれ標準生糸の最高価格または最低価格に格差を加減したものといたしております。なお一旦きめました標準生糸の最高価格及び最低価格は、経済事情に著しい変動があつた場合等には改定することができることといたしております。  第三は、輸出確保のための生糸の売渡しであります。政府はその保有する生糸を売り渡す場合には、輸出向のものに優先して売り渡すことができるといたしておりますが、これはわが国の蚕糸業の将来が、生糸輸出の消長と密接な関係があることを考え必要な措置であると考える次第であります。  第四は、繭価維持のための特別措置であります。本法におきましては、政府が最低価格で生糸を買い入れることにより、生糸の価格の異常な低落を防止し、あわせて繭の価格の異常な低落を押えることにいたしておりますことは前に申し上げた通りであり、現在のような繭の需給事情のもとにおきましては、これで十分の効果があるものと考えておりますが、本法が恒久法であります関係上、将来におきまして、生糸の買入れだけでは、繭価の維持をはかることが困難な事態が生じました場合には、適切な措置を講じまして、その異常な低落を防止して参りたいと存じております。  第五は、繭糸価格安定審議会であります。これは標準生糸の最高価格及び最低価格の決定並びに改訂等繭糸価格安定上重要な事項を審議し、また繭糸価格安定上重要な事項を関係行政庁に建議するために農林省に設けられるものであります。これは農林大臣の諮問機関となつておりますが、その御意見はもちろん十分尊重して参りたいと存じております。従つて委員の構成につきましても、公正な意見を伺い得るよう広く各界の権威者をもつて構成して参りたいと考えております。  第六は、付随的措置であります。この制度を運用して参りますための付随的措置として、政府保有生糸の貯蔵、整理売却及び新規用途または新規販路向売却とか、また生糸取引の届出制、生糸及び繭に関する諸調査を実施いたすことといたしております。  第七は、特別会計の設置であります。これは本制度に伴う歳入、歳出の経理は一般会計と区分して特別会計によることといたしておりますが、別途糸価安定特別会計法案を提出いたし御審議願うことになつております。  第八は、この法律施行の時期であります。この法律は公布より十五日後に施行されますが、生糸の買入れ、売渡しの条項は六十日以内に施行することといたしております。これは標準生糸の最高価格及び最低価格をきめてからでないと動き得ないからであります。できるだけすみやかに準備を整え、審議会に諮問いたしまして、価格その他重要事項を決定いたし、法律の効果を発動できるようにいたしたいと存じております。  以上が本法律案の大要でありますが、どうぞ御審議の上すみやかに御協賛をお願いいたしたいと存じます。

野原正勝自由党

○野原委員長代理 繭糸価格安定法案につきましては、この審議は次会からやることにいたします。     —————————————

野原正勝自由党

○野原委員長代理 次に、これから農林漁業組合再建整備法の一部を改正する法律案を議題といたし、前会に引続き審査を行います。

足鹿覺日本社会党(第二十三控室)

○足鹿委員 委員長に議事進行についてお願いしたいのです。一昨々日のこの審査の際に千賀委員長にもお願いをいたし御了解を得ておいたのでありますが、この法案につきましては異論はなく賛成いたしたいと思つております。しかしながら問題はかような部分的な問題をもつてしては農協の現状に対する基本的な対策とは言いにくいのでありまして、問題は米麦の統制撤廃問題と密接な関連におきまして、農協はその経営の面におきましても非常に重大な危機に直面をいたしているのであります。従つてこれらの問題に関連をして、農林大臣の農業協同組合に対する基本的な御所見をこの機会に承りたい。さような意味から委員長の御了解を得ましたところ、本日は出席方の善処する旨がありましたけれども、大臣がお見えになつておりません。従つて委員長におかれまして、次会に大臣に御出席を願う機会をお与え願いますならば、別にこの法案の審議についてとやかく申し上げるのではありませんが、そのことを御確約いただきますならばと存じておりますので、その点ひとつおとりはからいを願いたいと思います。

野原正勝自由党

○野原委員長代理 お答えをいたします。農林漁業組合再建整備の問題に関連いたしまして、今日の協同組合に対する基本的な問題等に関しまして、特に大臣の意見を聞きたいということでありまして、その点に対しましては、本日は知事会議等の関係で大臣の出席がないことははなはだ遺憾でありますが、足鹿君の要望されます点に関しましては、大臣に必ず出席を願つて十分御納得の行けるまで御答弁を願うことにはからいたいと思います。  この農林漁業組合再建整備の問題が今議題になつておりますので、これに関しましては格別御異存ではないということでありますので、私から特にできますなら御了解を得たいと思いますが、大臣に対する基本的な問題等は、大臣の出席の上に十分意を尽して御納得の行けるだけ御質問を願うことにいたしまして、この再建整備の問題に関しましてはいかがでしようか。この際政務次官もおりますし、また東畑局長も見えておりますので、もし政務次官や農政局長に御質問がございますれば、この機会に御質問願うということにいたしたいと思いますが、いかがでありましようか。

吉川久衛国民民主党

○吉川委員 ただいま委員長の御発言に対して足鹿委員にそれでは質疑を保留してというような何か声が聞えましたが、これは保留をしてこれを通すということはちよつとあり得ないことと思います。そこで今足鹿君のこの提案はそれを条件として本日はこれを通すということならさしつかえないと思いますが、委員長はそれを確約されますか……。

野原正勝自由党

○野原委員長代理 私から見解を申し上げます。私は条件というふうにかたく考えていないのです。足鹿君の質問の、大臣の出席を求めて農政上の基本問題と、協同組合に対する根本的な意見を十分聞きたいということに関しましては、必ずこれは大臣の出席を求めて、十分意を尽される機会をきわめて近いうちに持ちたいと確約を申し上げたいと思います。この協同組合の今議題になつております問題に関しましては、大体これは共産党までが賛成しておられる、そこでもう質疑等も十分尽されたと考えますので、質疑を省略いたしまして、これから討論に入りたいと思いますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野原正勝自由党

○野原委員長代理 御異議なしと認めます。討論の通告があります。竹村君。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 私は日本共産党を代表して本法案に若干の意見を付して賛成するものであります。先ほどいろいろ問題になつておりますが、協同組合に対しますところの政府の対策は、先般私がこの問題について島村政務次官にお伺いをいたしましたところが、根本的な対策は政府にない。ただ国民の税金を一応協同組合の再建をはかるために、利子補給の道を講じたにすぎない。こういうような結果が現われておるわけであります。由来現在の協同組合にこういうような形の再建整備だけを行うことについては、決して民主的な正しい協同組合の発展はあり得ないと私たちは考えておるのであります。協同組合の発展は、その根底をなすところのいわゆる日本の農業政策、少くとも農民の経済的な安定と向上の政策が立てられなければ、ただ一片の利子補給だけにおいては農業協同組合の発展はあり得ない。遺憾ながら政府は、従来この政策を立てていなかつた結果がこういうような法案を出さなければならないはめに落ち込んだものであります。従つてこの法案には一応われわれは賛成しますが、しかし政府が日本の農業に対するところの根本的な施策を樹立して、少くとも農民生活が安定し向上しますたらば、協同組合に対してこういうような利子補給をしなくても、自然に民主的な農民の力で協同組合を育て上げ得るような経済的な基礎を農民に与えるところの根本的な施策を、早急に樹立することを特に要望しまして本案に賛成するものであります。

野原正勝自由党

○野原委員長代理 これをもつて討論は終局いたしました。  これより農林漁業組合再建整備法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕

野原正勝自由党

○野原委員長代理 起立総員。よつて本案は可決すべきものと決しました。  なおお諮りいたします。衆議院規則第八十六条により、本案に関する報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野原正勝自由党

○野原委員長代理 御異議な上と認め、さよう決しました。     —————————————

野原正勝自由党

○野原委員長代理 次にお諮りいたします。国際連合食糧農業機関憲章を受諾することにつきまして外務委員会との連合審査会を開きたいと思うのでありますが、その措置等に関しましては、委員長に御一任を願いたいと思います。

小林運美国民民主党

○小林(運)委員 先般定員法の問題につきまして本農林委員会と内閣委員会その他の委員会と合同審査をやつたのですが、その際合同審査の主任の委員長である内閣委員長は、われわれ他の委員会の委員の発言を非常に制限したのであります。こういうような問題は合同審査を要求するからには、各委員会とも相当意見は持つている。それを発言の機会を非常に制限されることは、われわれ非常に遺憾とします。従いましてこの問題も合同審査を要求して向うと話合いの上にやる以上は、委員長はこの主任の委員長と十分検討していただいて、発言時間を十分に確保するように御協力を願いたい。前例もありますので、これはしつかりひとつ委員長から交渉願いたいということを、希望しておきます。

野原正勝自由党

○野原委員長代理 小林君の発言はまことにごもつともでございますので、その点に関しましては十分に善処いたします。     —————————————

野原正勝自由党

○野原委員長代理 次に小委員の補欠選任についてお諮わいたします。委員の異動に伴いまして目下肥料及び飼料に関する小委員、蚕糸に関する小委員がそれぞれ一名欠員になつておりますが、この際その補欠を委員長において指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野原正勝自由党

○野原委員長代理 御異議なしと認め、肥料及び飼料に関する小委員に井上良二君、蚕糸に関する小委員に小林達美君を指名いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時十四分散会

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