内閣委員会 第15号
- 発言数
- 14 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1951/11/20
会議録
○青木(正)委員長代理 これより会議を開きます。 委員長が所用のため、理事の私が委員長の職務を行います。 本日はまず恩給法の一部を改正する法律案につきまして、政府より提案理由の説明を求めます。
○剱木政府委員 ただいま議題となりました恩給法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を説明申し上げます。 今回この法律案によりまして、恩給法に改正を加えんといたしまする事項は、次の二点であります。 第一点は、国家公務員の給与に関する改正法律案が、さきに本国会に提案されたのでありますが、この改正法律適用前の俸給を基礎として計算されている恩給年額の増額改定に関するものであります。現行恩給制度においては、恩給は公務員の退職当時の俸給を基礎として計算されることになつておりますので、公務員の俸給支給水準が引上げられますると、その引上げのときを画しまして、恩給支給水準に差異が生ずるのであります。しかしてさきに本国会に提案になりました国家公務員の給与に関する改正法律案が制定公布になりますると、公務員の俸給の支給水準が本年十月一日から引上げられることになり、本年十月一月以後に退職する公務員の恩給の支給水準と、本年九月三十日以前に退職した公務員の恩給の支給水準との間に差異が生ずることになるのであります。よつて、本年九月三十日以前に退職した公務員の恩給につきまして、その恩給年額計算の基礎となつておる俸給年額に対応する国家公務員の給与に関する改正法律に基く俸給を推定し、その推定された俸給に相当する金額を基礎として計算した場合の恩給年額にこれを改定し、本年十月分の恩給から増額、改定された恩給を支給して、恩給支給水準を統一調整いたそうとするのであります。この法律案の附則第三項及び第四項の規定が、これに関する規定であります。 第二点は、いわゆる多額所得者の普通恩給の一部停止に関する規定の改正であります。 現行恩給法によりますと、普通恩給年額五万円以上で、恩給外の所得年額二十五万円を越える者につきまして、普通恩給年額と恩給外の所得年額との合算額に応じ、普通恩給の一部を停止することになつておるのでありますが、国家公務員の給与が増額改正されますと、今後退職する公務員の普通恩給年額が増額され、またこの法律が制定されるとすでに退職した公務員の普通恩給の年額が増額されることになりますことと、最近の諸般の情勢の推移にかんがみまして、右の普通恩給停止に関する基準金額の水準を引上げ、普通恩給年額六万五千円以上で、恩給外の所得年額三十三万円を越える者につきまして、現行法のような割合で、普通恩給の一部停止を行うことといたそうとするのであります。なおこの普通恩給の一部停止は、現行法では、毎年七月かち翌年六月までの期間を、一停止期間として停止することになつており、本年七月分から来年六月分までの恩給の停止額は、すでに決定され、現在、この決定された額を停止しておりますので、この間の停止につきましては、すでに決定された従来通りの取扱いをいたそうとするのであります。この法律案の第五十八条の四の改正規定及び附則第二項の規定がこれに関する規定であります。 第三点は、日本専売公社の役員または職員で、本年一月一日から三月三十一日までに退職した者及びその遺族の恩給の計算に関するものであります。 国家公務員の給与は、本年一月一月から施行せられました給与に関する法令によりまして増額され、これが現行の俸給額となつておるのでありますが、日本専売公社の役員または職員の俸給の増額は、国家公務員の場合より遅れ、本年四月一日から実施せられた給与に関する規程によつて増額され、本年一月一日から三月三十一日までの期間の給与につきましては、大体この期間の増俸額に相当する金額を一時に支給されたのであります。従いまして、日本専売公社の役員または職員で本年一月一日から三月三十一日までに退織した者及びその遺族の恩給の額は、本年三月三十一日以前の俸給の額すなわち本年四月一日に増額される前の俸給の額を基礎として計算されておりますので、本年四月一日以後に退職した者及びその遺族の恩給の額よりは低い額となつており、両者の恩給の支給水準に差異が生じておるのであります。そこで、恩給法の準用を受ける日本専売公社の役員または職員で、本年一月一日から三月三十一日までの間に退職した者及びその遺族につきましては、本年四月一日に適用されていた日本専売公社の役員または職員の給与に関する規程が、その役員または職員の退職前から適用されてだとした場合に、退職当時の俸給となるべき俸給の額を基礎として、その恩給の額を計算することとし、すでに恩給を受けた者につきましては、その恩給の額と右の改正規定によつて計算した恩給の額との差額を追給することとし、またこの法律案の附則第三項で恩給年額を増額改定いたします場合には、右の改正規定による退職当時の俸給を恩給年額計算の基礎たる俸給年額とすることとしまして、両者の恩給の支給水準を統一調整いたそうとするのであります。この法律案の附則第五項から第七項までの規定がこれに関する規定であります。 以上がこの法律案を提出するに至りました理由であります。 何とぞ、御審議の上、すやみかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
○青木(正)委員長代理 御質疑はございませんか—御質疑がなければ次に進みます。 —————————————
○青木(正)委員長代理 次に先日に引続きまして請願及び陳情書の日程の審査を行います。紹介議員の見えていない請願及び陳情書につきましては、文書表の朗読を省略いたし、審査を進めたいと思います。 日程第二の公務員の新恩給制度確立に関する請願を議題といたします。人事院の所見を求めます。慶徳給与局次長。
○慶徳説明員 ただいま請願になつております新恩給制度につきましては、国家公務員法第百七条及び第百八条にそれぞれ規定がございまして、新しい公務員にふさわしいところの新恩給制度に関する根本基準がそれぞれ定められておるわけでございます。この根本基準に従いまして人事院がすみやかに調査研究をいたしまして、その調査研究にかかりますところの成果を国会及び内閣に提出しなければならないというふうに義務づけられた規定でございまして、目下人事院といたしましては、この条項に従いまして、諸般の調査研究を続けておる次第でございます。特に今回請願になつておりまする問題のうちで、現在の恩給受給者、特にその中で昭和二十三年七月前の退職者に対する恩給と、その後に退職された者との間において、大きなアンバランスがある、これを是正してほしいという趣旨の問題であるのでありますが、この問題につきましても、われわれ人事院の立場といたしましては、現在布職していまする人に対する恩給のみでなく、退職されておりまする方方につきましてむ公正な恩給を支給する建前をとることといたしまして、退職者に対する安心感を与え、これはまた志気を鼓舞し、まあいわば公務の能率的運営に寄与し得るゆえんであろうというような意味合いからいたしまして、二十三年七月前のいわゆるでこぼこ是正という点につきましても屋下調査研究を続けておる次第でございます。大体事務的な検討は遂げられたのでありますが、何分にも内容がきわめて複雑になつておりまするので、事務的な案としてもまだ最終的なものには達しておりません。現在の見通しといたしましては、ここ数日の間に一応事務的な結論が得られる予定に考えておりますので、その際にあらためて考え方を申し上げたいと存じます。 —————————————
○青木(正)委員長代理 日程第四の元軍人老齢者の恩給復活に関する請願、文書表番号第一七号及びこれと同趣旨の日程第一〇及び第二〇を一括して議題といたします。紹介議員の青柳一郎君より紹介説明を願います。
○青柳一郎君 一つは山口県防府市山田与作以下三万名からの請願、もう一つは山口県、福岡県、大分県三県の代表者からの請願であります。同趣旨のものでありますのでまとめて趣旨を弁明いたします。従前の日本の軍人、兵隊さんはほとんどその大部分が自分の意思から兵隊、軍人になつたものではないのであります。元来これらの老兵は恩給法という国家の制度に信頼して、わずか四銭か五銭かの日給で奴隷のような取扱いに甘んじて、あたら人生の最盛期を国家の犠牲にささげて来たのであります。今や高齢に産し、活動力は低下し、生活能力が弱化するという次第でありまして、恩給がいよいよ必要になつたこの際に、昭和二十年連合国の指令によつて国民との誓約を無視して恩給を停止されたのであります。政府にほんとうに新電法を尊重する精神があるならば、人生の最盛期をほとんどただで国家にささげた補償の意味において、老兵に対し恩給が支給できなければ別個の生活補償を講ずべきであると信じられるのであります。ことにこれらの老兵のうちには大東亜戦争の前にすでに恩給を受けておつた者もあります。また高齢だつたゆえに大東亜戦争には一度も出ておらない者もあるのであります。また文官の恩給を受けていた者で、この恩給の基礎年数にわずかに一、二年の兵役年数が加えられたために、恩給をもらつておつたごとき者も、全部恩給を打切られたというようなことであるのであります。従前から軍人となることは国家の最大の栄誉なりと言つて国民を教えてくれた教員、職員、これらの人々の恩給は何ら減額せられ、あるいは停止せられていないのであります。さらには総理徴兵官たる内務大臣、師管徴兵官たる地方長官、連隊区徴兵官たる道府県書記官など、日本の兵制に大きい役割を果した文官や教職員が依然として恩給を支給されておることは矛盾きわまる片手落ちであると考えられるのであります。ことに最近追放解除せられた人々は、その解除の日から恩給を支給せられることに相なるのであります。これら老兵が恩給を停止せられた同じ昭和二十年の十一月のデイレクテイヴによつて恩給をやめさせられておつた追放者が、解除せられると同時に恩給をもらえるに至つたという点も考えていただかなければなりません。さらに軍人の遺族や傷痍軍人に対する援護のいろいろの給与も近くできようとしておるのであります。この際これら老兵に対しまして何らかの方法によりまして恩給を復活していただきたい。山口県下在住の老兵及びこの請願に関係を有する三万余名は、憲法の定むるところによつて平等の取扱いを得べく、高齢軍人の窮状を政府に真情して、その善処をうながすというのがその趣旨であります。
○青木(正)委員長代理 政府の所見を求めます。
○城谷説明員 ただいまお述べになりましたこの軍人の恩給は、先ほどもお話がございました通り、昭和二十年十一月十四日に連合国軍最高司令官から日本政府に発せられました覚書に基いて制定されましたところの昭和二十一年の勅令六十八号で、軍人の公務傷病恩給を除きまして、一般軍人の恩給は支給せられなくなつたのであります。これを今ただちに復活することは、右の覚書の趣旨に照しまして困難であります。しかし何分この問題は非常に大きな問題でございまして、将来この六十八号の関係をどうするかということにつきましては、目下厚生省で連絡打合せ会議護けまして、そこでいろいろ研究されておるのであります。これにつきまして、まだ政府の方針としましてどういう方向に進んで行きますか、確定案は聞いておらないのであります。ただわれわれ事務屋としましては、どういう方向に進むにしましても、これに即応するような一応の準備をいたしておるような次第であります。
○青柳一郎君 昭和二十年十一月十四日の覚書の内容は、軍人に関して遺族の扶助料あるいは老兵の恩給をやめさせると同時に、傷湊軍人につきましては従前よりも少額の恩給を出すことを認めておつたのでありますが、追放者については恩給をやらないということが同一の覚書に載つておるのであります。それが最近追放該当者が解除せられますと同時に、追放解除者に対してはその日から恩給を与えてよい、こういうことに相なつたのであります。このデイシクテイヴの効力はすでに現実に半分なくなつておるのであります。あと半分だけのことであると私は思うのであります。この点につきまして恩給局当局の、さらに政府当局の御善処を切にお願いいたします。
○青木(正)委員長代理 次に日程第五、戦傷病者に対する恩給増額の請願、文書表番号第二八号、及びこれと同趣旨の請願、日程第六、第七、第一一、第二二を一括して議題といたします。政府の所見を求めます。
○城谷説明員 今議題になりました戦傷病者に対する恩給の問題でございますが、これもちよつと先ほど申し上げました連合国軍最高司令官の覚書に基きましてつくられました昭和二十一年の勅令六十八号によつて現在の傷病恩給は支給せられておるのでありますが、ところがこの傷病恩給にそのデイレクテイヴによりますと、一般のものとは特に異なる優遇をしてはならないというようなことを申しておりますので、この六十八号の基準となりました金額は、厚生年金保険法等の傷害年金が基準になりまして、その金額が定められておるわけであります。そちらが上りますと、私の方も従来からこれを増額改訂いたしまして、現に過去二回増額改訂をいたしておるのであります。しかしながら、この種の恩給につきましても、いろいろと先ほど申しました打合せ会議で調査研究されており、また事務局当局としましても研究いたじておる次第でありますが、まだ申し上げるほどの結論には達しておりませんから、さよう御承知願いたいと思います。
○青木(正)委員長代理 御質疑はありませんか。—なければ次に請願及び陳情書の日程について委員会の態度を決定いたしたいと存じます。 本日の請願日程中、第一ないし第一二、第一五ないし第二〇、及び第二二の各請願は採択の上内閣に送付すべきものとしへなおこれら採択の上内閣に送付すべき請願と同趣旨の第一、第五、第六、第八、第一四、第一八の各陳情書及び第一九の行政機構改革に関する陳情書は、委員会において了承すべきものと決したいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青木(正)委員長代理 御異議なければさように決定いたします。本日はこれにて散会いたし、次会は明日午後一時に開きます。 午後二時二十二分散会