大蔵委員会 第20号
- 発言数
- 117 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/11/20
会議録
○夏堀委員長 これより会議を開きます。 旧外貨債処理法による借換済外貨債の証券の一部の有効化率に関する法律案を議題として、質疑に入ります。
○高田(富)委員 ここに配られた資料では、ちよつと判明しない点があるのですが、まずお伺いしたいことは、これによつて処理される、すでに期限到来分の元本並びに利子、それから今後予定される期限未到来分のそれぞれの総額、これをちよつと御発表願いたいと思います。
○石田政府委員 今回の法律案におきましては、いろいろ條項がわかれておりますが、結局元の証券を今回有効といたします。これはもちろんどの程度まで、大蔵大臣が指定するかということによりまして、かわつて来るかと思うのでございますが、大体大蔵大臣が指定するかあるいは指定しないかという判断の対象となりますところの元本額、これは英貨、米貨、仏貨がございますが、これをドルに換算いたしまして、元本額は大体千百円十一万ドルに相なろうかと存じております。それからまた証券についておりますところの利札の分は、六百九十三万九千ドル、従いましてこの元本額と有効となります利札の分とを合せますならば、千八百三十四万九千ドルと相なろうかと考えておる次第でございます。なお元本証券はそのまま生きておりまして、利札だけを無効といたしたものにつきまして、その利札が有効となる金額をドルに換算いたしまして、千八百五十二万七千ドルと相なろうかと、かように考えておる次第でございます。
○高田(富)委員 これの外債の処理の仕方について、今後所有主の所属する国との間の折衝等によつて、新たにこれを返済するのではなく、新しい債券に借りかえ、書きかえんというふうな方法は講ぜられる見通しでありますか。
○石田政府委員 今度有効となりますものと、それから従来有効でございましたものと一括いたしまして、外債処理の対象に相なるかと存ずるのであります。その場合におきまして、借りかえという方法を行うか、その他の方法によりますか、これらの点はいろいろと考え方がございますが、まだどういうふうになるかということにつきましては、ここで確定的に申し上げかねるような事情になつております。
○深澤委員 ただいまの外貨債の内訳でありますが、その中には地方債、社債等もあるように承つておりますが、その内訳はどういう状態でありますか
○石田政府委員 先ほど申し上げました数字を基礎にいたしまして、そうして結局今度の法律案におきましては、そういう有効にされたものの元利拂いを政府が承継するわけであります。従つて地方債、社債は政府の引継ぎということに相なろうかと思うのでございます。その数字は、やはりこれも二つにわけて申し上げた方がよろしいかと思うのでありますが、元本と利札と合せまして承継するものは、地方債及び社債を合せ、米ドルで換算いたしまして二百八十二万四千ドル、それから利札だけを承継いたします分が七百四十四万六千ドル、かような数字に相なろうかと存じております。もちろんこれも先ほど申し上げましたように、対象となる数字でございまして、大蔵大臣の指定いかんによりましては、この範囲内におきまして数字がかわつて来るものと存じております。
○深澤委員 どうも法案の審議が抽象的になつてしまうのですが、社債といえばどういう会社の社債なのか、地方債といえばどういうものかという、その具体的な資料が、この前のときにも具体的な資料を提出願うように話してあつたのですが、どうもそういう漠然としたことでは、つまり平和回復後の処理の問題がまことに抽象的で、われわれには明確にならないわけですが、そういう具体的な資料をひとつ御提出願うか、それとも御説明願えるならば、御説明願いたいと考えております。
○石田政府委員 地方債といたしましては、東京市のものと横浜市のものと大阪市のものと、三件に相なろうかと思つております。それから社債につきましては、旧東洋拓殖株式会社以外はほとんど全部電力債でありまして、これは台湾電力、それから大同電力、東邦電力、信越電力、日本電力、東京電燈、宇治川電気、こういう内訳になつております。
○深澤委員 そうすると、それらの社債が復活されましてどういうことになりますか。これは元本並びに利札の代金に相当するものを返済して、そういう社債は死んでしまうのか。それともその社債が有効になつて、その後大同やあるいは東邦等がだんだんかわりまして、現在の電力会社に移つておると思いますが、そういう電力会社の社債を所有するということになるか。消えてしまうのか。現在の電力会社の社債として生きて来るのか。それはどういうことになりますか。
○石田政府委員 これは旧外貨債処理法におきまして、いわゆる借りかえになりませんでした国債は、もちろん国がそのまま責任がありますが、借りかえできなかつた地方債、社債につきましてはすでは全部国がこれを引継ぐことになつております。今回のものは一応証券がもうなくなつてしまつたのだと思つたものを、国債についても復活するものもございます。それから地方債についても復活するものがあります。それから社債についても復活するものがあるわけであります。これは外債として、外貨証券として復活するわけでございます。他方におきまして、地方公共団体とかあるいは電力会社その他の会社、外債を発行しておりましたところの会社は、すでにその借りかえが有効に行われたと思つて、かわりの円貨債券をそれぞれの所有者に交付するとか、あるいは国にその代価を拂いまして免責されておるわけであります。従いまして今度の法律案におきまして、対外関係におきましては、そういうふうな外貨証券が再び日本の法律によつて一ぺん殺したものが生き返る、こういうことに相なりまるすると同時に、国といたしましては、その債務を地方団体あるいは会社にかわりまして引継ぐわけであります。従つて残りの方のすでに発行されておるところの邦貨債、あるいは支拂いを受けたところの元金、利子に相当するお金というものは、安拂いを受けられた方から返していただく、こういうことに相なると思うのであります。
○深澤委員 そうしますと、今の社債は結局社債として残るということになるのですね。
○石田政府委員 これは法文にも書いてございますが、社債は現実の問題といたしましてはすでに海外に残つておるわけであります。日本政府がそういうものは無効である、こういう宣言を日本の法律によつてしたわけであります。それが対外的に対抗できない、不当であるというので、それをまた有効とする措置を講じようというのが本案でございます。
○深澤委員 そうすると東邦電力、台湾電力、信越電力、東京電燈というものは、会社としてはもう消滅しているわけですね。それがいろいろな形でかわつて来ているわけですが、その社債はどこに対して債権を持つようになるのですか。
○石田政府委員 これは今度の法律案におきまして、一ぺん無効になつておりましたものが有効だということを言います場合に、もちろんその証券の所有者は日本政府に対して請求権を持つ、こういうのが本法律案でございます。
○高田(富)委員 さつきちよつとお伺いしました金額ですが、すでに期限が到来しておつて、元本も拂わなければならぬというものが、大体円貨にしましてどのくらいになつておるか。そしてその政府の方の支拂い計画といいますか、返済の予定、これをちよつと御説明願いたいと思います。
○石田政府委員 今お話がありました今回の証券元本の中で、期限が到来いたしておるものは四十一万六千ドルでございます。これをどう処理するかということでございますが、これにつきましては、この法律案によりまして有効となりまするものは、従来日本政府が無効となる措置をとらなくて、初めから生きておりまするところの外貨債全部の中に統合されまして、それと一括いたしましていかに外債を処理するか、こういうことになるのでございます。これだけ取出しまして、どうするかという問題にはならぬかと考えております。
○深澤委員 そうすると今の外貨債は、政府が債務を持つておるということになりますが、そうすると期限が到来すれば、今後政府がこの外債の償還をやつて行かなければならぬという責任が出て来るわけですね。
○石田政府委員 先ほど申しましたようなぐあいに、期限の到来いたしておるものと到来いたしておらないものとございます。それから本件のものは元利合せまして二つにわかれまして、両方ともそれぞれ千八百万ドルだという数字を申し上げたのでありますが、この数字を全部合せまして、来年の三月末において日本の外貨債の状況はどうなつておるか、こう申しますと、大体元本の額と未拂いの利子の額を合せまして、四億四千八百万ドルくらいに相なろうかと計算いたしております。従つてこれをどう処理するかということは、外債処理の今後における交渉の眼目に相なろうかと、かように考えております。
○深澤委員 そうすると四億四千八百万ドルというこの外債というものが、非常に厖大なものになつて来るのですが、そうするとすでに期限の到来したものは、これを支拂いしなければならない責任が生じて来ておるわけです。その支拂いの方法というものはまだ考えられておりませんか。
○石田政府委員 これは契約の條文から申しますと、相当の額が支拂い期限が到来いたしております。元本にいたしましても相当な額が到来いたしております。未拂い利子もほんとうの約款通り申せば、拂わなければならぬということに相なつております。しかしこれは大きな額でございまして、日本の国力から考えましても、ただちにその償還をするということは困難かと思うのであります。国力に相応いたしました支拂い方法というものを、債権者と今後協議いたしまして決定いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○深澤委員 四億四千八百万ドルという外債の内容を国別にすると、特に米英等の国別にしますと、どのくらいありますか。
○石田政府委員 これは出しました証券が英貨債である、米貨債である、仏貨債である、かようなことは数字がございます。しかしながら所有者はこれは米貨債は米国人が買わねばならぬ、英貨債は英国人が買わねばならぬという問題はございませんので、今国別に現実にどういう人がどういうものを持つておるかという状況は、われわれの方にはわからないわけであります。ただ大体申しまして、米ドルのものは従来のあれから言いまして、大体こういう証券の大部分は、イギリスとかアメリカとかあるいはフランスとかいう国籍を持つておる人が、よけい持つておるだろう、かような推定はできるわけであります。
○深澤委員 そうするとこの四億四千八百万ドルというものが日本の国力にとつては実に重大なものになつて来るわけですが、政府は大体最近外資導入とかいろいろのことを言つておりますけれども、こういうものが外資導入の形になつて復活されるということも考えられますが、そういうことはありませんか。
○石田政府委員 これはすでに外資導入されましてやりました結果のことでございまして、これがこれからの新しい外資導入になるのだというわけには参らぬかと思つております。
○深澤委員 外資が導入されたには違いないが、それは敵産処理によつて一応消滅した。それが復活してこれだけの債務があるわけですが、大体この債務というものはまだ現実に経済界に運用されていないわけです。従つてこの四億四千八百万ドルの外債によつて、たとえば日本の電力株を買うということになつて参りますれば、それは電力にその外債が入つて来るわけです。外資導入という形になると思います。そういう形で日本のたとえば電力株なら電力株というものが大きく支配されて来るという結果になる。そういう大きな役割を果す可能性があると私は考えますが、いかがですか。
○石田政府委員 旧外債の問題につきましては、本法律案にありますようなぐあいに、地方債及び社債の政府承継が行われるわけでありまして、これは政府の債務となるのだということは申し上げた通りであります。しかし一番初め外債の募集が行われましたときにおきましては、地方公共団体なり、あるいは電力会社なりが、外資の導入を行つたわけであります。この処理が債権者の満足の行くような方法で、かりに処理ができたといたします。そういう場合には、日本という国は信用ができる国である。そこで新しい、たとえば違つた主体に対するところのいろいろの外資の提供といいますか、そういうことが便利になるだろう、こういうことは考えられるかと思います。
○深澤委員 四億四千八百万ドルというものは、とにかく日本の国の債務になつているわけでしよう。従つて債権者の意思によつて、その四億四千八百万ドルなら四億四千八百万ドルは、それでは電力株を全部買いたいという債権者の意思があつた場合には、日本政府はそれをやはりそういうぐあいにしてやらなくちやいかぬわけでしよう。そういう責任があるでしよう。だから債権者の意思によつて、この四億四千八百万ドルは、たとえば日本から引揚げようということもできるし、あるいは日本のほかの会社に投資しようということにもできるというぐあいに、われわれは理解できるが、その点はいかがですか。
○石田政府委員 この外債自体から考えますると、外債をどう拂うかという問題になります。拂いましたところの手取金をそのまま向うがとつてしまつて、自分でそれをほかの用途に使つてしまうか、あるいは日本に対して新しく投資をするということに使うか、それは二つの道があろうかと思つております。
○深澤委員 それでは大体所有者は個人でありますか。それとも法人とか、あるいは政府とかいうような差別があると思いますが、債権者の種類を……。
○石田政府委員 この外債が発行されましたときには、英米仏等におきまして、それぞれ証券市場が相当活溌に動いておりました。そうして応募者は大体個人であつたのであります。そのときの状況がずつと終戰後におきましても続いておりますれば、個人がうんと持つておる、こういうことに相なろうかと思います。しかしそれがその後どこへ参りましたか、遺憾ながら日本側では、まだいわゆる債権者団体と交渉が始まつておらない段階でありますので、まだどうなつておるか、今のところはつきり申し上げかねる状況になつております。
○深澤委員 そうすると大体国別にどこの人が持つているのか、そうしてどこの国、たとえばアメリカならアメリカの人が持つているらしいが、一体その人はだれなのかさつぱり見当がつかない。しかし四億四千八百万ドルという外債があることは間違いない。その支拂いの責任は日本にある、こういう状態の中で、この外債の処理を法律案にしてやつてやろうという、まことに御親切きわまる態度に出ているわわけですが、どうもわれわれは債権者も明確でない、どこの国の人が所有しているかわかちない、それなのにこれだけ厖大なものを何とかして支拂つてやろう、その準備をしようということは、少し早過ぎのじやないかというふうに考えるのですが、その点はどうですか。
○石田政府委員 四億四千八百万ドルという数字、今度の法律案に直接関係する部分というものは、先ほど申し上げましたように、この数字ではないわけであります。その点は私の御説明が悪かつたらもう一ぺん申し上げますが、本法律案の対象となりますのは、元本が生き返えるために、それと合せて利札が生き返るものが千八百万ドル、それから利札だけ生き返るものが千八百万ドル、こういうことになりまして、その数字が他の現存しておりますもの、すでに生きておるところのもの、従つて今後日本政府として何らかの措置を要するものを合せますれば、四億四千八百万ドルになろうか、こういうことでございます。なお四億四千八百万ドルは、今度の法律案におきまして、どうしようというふうなことを規定しておるわけでは全然ないわけで、その問題は別途交渉される。と申しますことは、本法律案におきまして三千六百万ドルないし三千七百万ドルのものが、かりに生き返るといたしましても、それは生き返るというだけのことでありまして、どう処置するかということは、別途またきまるのである、こういうことでございます。 —————————————
○夏堀委員長 次に請願及び陳情書を一括議題といたします。 請願及び陳情書につきましては、小委員会を設置して審査を進めて参りましたが、この際小委員長の審査報告を聽取いたしたいと存じます。請願及び陳情書審査小委員長佐久間徹君。
○佐久間委員 ただいま議題となりました請願及び陳情書について、小委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 ただいままでに本委員会に付託された請願件数は百七十二件、陳情書件数は七十件でありまして、明十九日小委員会を開催し、愼重に審議いたしました結果、請願中百五十六件を採択の上内閣に送付すべきものと決し、また陳情書についてはこれを了承すべきものと決しました。 なお請願中目程九六、旧軍港市転換法による転換地域の再接收反対に関する請願については、特にその緊要性にかんがみ、小委員会において議決することは不適当と認め、本委員会において議決すべきものと決した次第であります。 右御報告申し上げます。
○夏堀委員長 請願及び陳情書につきましては、小委員長の報告の通り決定するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○夏堀委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。 それでは次に宮原幸三郎君外五名紹介の旧軍港市転換法による転換地域の再接收反対に関する請願を議題として、まず紹介議員の紹介をお願いいたします。
○宮原委員 紹介議員として御説明申し上げます。 本請願は、先刻開会前に特に委員長のお許しを得まして、横須賀市長から概略の御説明がありました通りでございますが、本年九月七日に突如として米陸軍の兵站部のために、再接收の内命の下調査とかいうのでもつて、横須賀にそれぞれの政府機関を通して照会があつたので、業者は晴天の霹靂のごとく驚いた次第であります。この対象となつております追浜地区の業者は、現在二十二会社あります。本問題の重要性は、第一に考えなければならない点は、この二十二会社、工場というものは、終戰後横須賀海軍基地司令部の強力なる誘致、指導、援助、奨励によりまして、育成せられたものであるという点であります。もとより業者の自発的進出意欲が旺盛であつたからでもありましようが、歴代の司令官は全力をあげてこの二十二会社、工場の育成に努力を続けられ、現にその情勢は一層強化されているという現状なのであります。 第二に考えなければならぬ点は、横須賀市にとりまして、この会社、工場はまことに経済的に中心的役割を果しておるということであります。その投資額は、資本、施設すべての投資額合せてすでに五億円以上であり、年生産額は二十億円以上に達し、関係従業員一切を合せて一万人以上にもなり、敷地は十万坪以上の敷地であります。その事業の種類は各種各様でありますが、一種の工場デパート的の存在をなしておりまして、横須賀市といたしましては、追浜地区の事業の盛衰ということが、横須賀市の経済的、政治的、社会的方面を左右するというのが現状なのでありまして、まことに重大な問題になつておるのであります。 第三に考えなければならないことは、二十二会社は單一工場であつて、これは他の会社、工場の支店、出張所的また分工場的な存在ではないのであります。ここで再接收になりますれば、再起は不能であり、その会社、工場というものは破産をしなければならぬことにに相なります。 また第四の点は、その従業員の数は、関係従業員、下請関係者合せて一万以上にわたるのでありますが、これは地元住民を使役しておるのでありますから、再接收のあかつきには、これら全部が失業いたします。その家族を合せると莫大な失業者を出すということに相なるのでありまして、まことに労働、社会問題として看過することのできない点であります。 こういう点を考慮に入れますと、本件は横須賀市としての重大問題であります。しかし單に横須賀市の重大問題だけでなく、かかる再接收が行われるということは、昨年制定せられました旧軍港市転換法に対する逆行であつて、旧軍港市全体の問題である。私どもは旧軍港市関係議員六十四名で、旧軍港市転換促進議員連盟というものを結成いたしておつて、この旧軍港市転換の促進、完成につきましては、今政府に対しまして十分その施行上についての監視をいたすだけでなく、地元に対しても相協力してその完成を期しておるのであります。この議員連盟の立場から、この成行きをまことに重視いたしておるのであります。なおこれはある意味において、全国各地に同様な問題が起りつつあるかのごとく仄聞するのでありますから、小委員会におかれて、これを本委員会に重大問題としてお出しになるということは、まことにその当を得たことであつて、当然のことであろうと私は考えるのであります。こういう重大な請願でありまするから、横須賀市長だけでなく、市議会の議長、商工会議所会頭、横須賀工業倶楽部、追浜工業会、これら五団体がこぞつて一致して、この請願をなされたわけであります。本日もこの委員会に、痛心の余りここに傍聽に来ておられることは、皆様ごらんの通りであります。 追浜地区の業者は、終戰直後横須賀海軍基地司令官の勧奨によりまして進出をしたのでありますが、その当時は、追浜地区の土地、建物、施設、財産、あらゆるものは荒廃その極に達しておつて、当時の資金資材の極度の窮乏を克服して、まつたく命がけで拮据経営をいたして、幸いにして今やその事業が軌道に乗つたのである。そうして今後に大いに業者としても期待をし、横須賀市としても、また全国から見ても、一種の旧軍港の廃墟からの転換事業の育成という意味で、これを重視している今日に、しかもすでにわが国会においては、一昨日をもつて両條約に対する批准の承認を国会が與えておるという今日、占領方針とはいいながら、再接收のうき目を見るということは、とうてい耐えられないところであろうと思つて、まことに同情にたえないのであります。でありますから、われら紹介議員は七名のものが相結束して、ここに力強く御紹介をいたす次第であります。 どうか当委員会におかれては、全員一致で本請願を御採択くださらんことを、特に力強くお願い申し上げる次第でございます。
○夏堀委員長 本日政府側からの出席者は、特別調達庁長官根道広吉君、特別調達庁管理部長長岡伊八君、外務省連絡局地方課長田中弘人君の三名であります。ただいま御紹介のありました請願について政府当局の御意見を聽取いたしたいと存じます。
○根道政府委員 ただいま宮原委員よりるる御説明がございました本件に関しましては、特別調達庁といたしましても、直接に関係の方々の御陳情を受けまして、まことにごもつともな御陳情、まことにお困りの事態であろう、こういうふうに考えましたので、さつそく私どもの方より関係の軍当局に連絡をとり、その陳情の趣旨を伝えたわけであります。大体の考え方といたしまして、今般のようなことが起りますことは、できるだけない方がけつこうであるということは、もちろんでございます。ことに経済再建の意図をもつて非常な困難を克服して再起せられた方々が、そういううき目にあうということは、まことに御同情に値する点であります。またそれらせつかくつくり上げました施設が、もし無になるといたしますれば、それも国家経済といたしまして、まことにもつたいない話でございます。また一面、国といたしましても、補償しただけではなかなかむずかしい点もあると思うのであります。軍に補償をいたしますと申しましても補償されたから、関係の方々がことごとく喜ばれるものではないのでありまして、多くの場合には、補償をされましても決して喜ばないのが実例でございます。従いましてこういうような問題が起きますごとに、われわれといたしましても、被接収関係者の迷惑にならないように、おのおの事柄を運んで行くという考え方をもちまして、もしそういうことをする適当なところがありますならば、できるだけ少い迷惑を他人に與えるような、何か考え方がないかということを、軍関係当局に連絡するわけであります。またそれが国の経済的、社会的にいろいろの影響を及ぼし、国として国費をもつて補償しなければならぬというその額が、場合によりましてはこれほど大きなものになるのだということをいろいろ伝えまして、でき得れば他の代案をお考え願いたいというような意味を、私どもから連絡するのが常なのであります。しかしながら場合によりますれば、軍の必要によりまして他にかえられない場合も、往々にしてあるのでございます。本件は私が聞いておりますところ、まだ最後の決定には至つておらないやに思われます。また同時に軍の方より横浜市当局に対しまして、もし接收するような場合には、地方の経済状態等については、十分の考慮を拂う用意があるというようなことを伝えて来ておつたというようなな話も聞いておるわけであります。私どもといたしましては、でき得るだけ関係者の御迷惑の少いように、こいねがつておる次第でございます。簡單でございますが、考え方をちよつと申し上げました。
○夏堀委員長 ただいまの政府からの出席者のほかに、管財局の総務課長小林英三君が出席になつております。 ただいまの政府当局の御意見に対し、御質疑があればこの際これを許します。
○宮原委員 他に代地があればというところまで献策をして、本案の中止を懇請せられるというような、ただいまの長官の御説明には一応満足いたしますが、しからばといつて、現段階は過去の調達命令と同様にお扱いになる段階ではないであろうと思うのであります。従来慣例上は軍の命令であるからいたし方がないということで、泣寝入りなさつた例はもちろんたくさんあるでありましよう。しかし今や米本国でさえも両條約に対する批准を、来年の一月あるいは二月にはするという情報が伝えられる今日であります。従来の先例は私は先例にはならないと思うのであります。もつとも来年の二月か三月に終る占領方針が、その間において横浜の追浜地区が緊急に必要がある、こういうものであるならば、これはいたし方はありますまい。しかしその間にわれわれはどうも納得の行かないものを見出すのであります。もとより私は占領軍の占領方針を批判しておるのではありません。占領方針を批判するのではなくて、特別調達庁なり政府として占領軍に対する献策というか、昔言葉で言えば、一種の輔弼というものについての意見を、私は申しておるのであります。今日の段階で従来と同じように強制的の接收をするということは、どうしても国民の納得の行くだけの説明がなければならない、こう思うのであります。講和條約発効後引続き必要であるというような問題であるならば、講和條約発効後に行政協定の段階において、それぞれ御使用に相なる道はあろうかと思うのであります。わずか二、三箇月の間に、先ほど来紹介説明でも申し上げましたような、重大なる社会問題を引起すことを日の前に見て、再接收的なことをなさるということは、そこに特別調達庁なり政府として、業者なりまた市民一般に対して、納得する説明を必要とするのではないかと私は思うのであります。もとより軍の機密に関したことをわれわれは伺おうというのではありませんが、もつと腰を強く、従来の先例を超越して、占領軍に対しまして大いに懇請をしていただきたいと思うのであります。せつかく今日まで強制接收というような民意に反した事例はあまり見なかつた。それゆえに国民は連合軍に対して好意ある支持をして来たのであります。今日に至つてかかる反対を押し切つてまで、強制接收をしなければならぬというに至つて、ここに従来の事例に反し、またこれを裏切る結末になつて、ひいては国民感情が悪化するということが起つたならば、事はただ單に追浜地区の再接收というような、一つの問題にとどまらない結果を起すのではないか、こういう点を心配いたすのであります。どうかその意味におきまして従来の先例をこのたびの先例とせずして、総司令部に対しまして日本政府、特別調達庁長官として、このたびの問題を一層力強く御推進していただくことを希望するのであります。その希望に対して長官はどういうお考えをお持ちになつておるか。この点を特に伺つておきたいと思うのであります。
○根道政府委員 ただいまの御意見はまことにごもつともでございまして、私どもといたしましてもてきるだけ御趣旨に沿うよう、私どもの権限の範囲内におきまして、最善を盡したいと存じます。
○宮原委員 再接收の中止を懇請してもそのかいがなく、再接收が実現した場合についての補償の問題について、先刻長官から御説明がありましたが、その問題についてすでに特別調達庁においては、相当の資料を御用意になつておりますか、どうでありますか。
○根道政府委員 補償の場合の調査と申しますものはまだ始まつておりせん。大体におきまして相当多額の補償を要することであろうという大体の見当だけでございまして、いまだ補償に関する詳細の資料はございません。われわれといたしましては、現在の関係者及びたまたまその場所は国有財産である等の関係から、国と関係者との法律関係等も、その基礎を明らかにしなければならない、十分な調査もいたさねばなりませんので、こまかい資料は整つておりません。
○宮原委員 先ほど代地を考えておるというような御発言があつたようでありますが、具体的に何か総司令部に懇請をせられているものであるか。それともそれは單に長官の念頭に置いていられるだけにどまるものであるか。その点について伺いたいと思います。
○根道政府委員 ただいま他に代案があれば——代地という言葉じやありません。代案であります。代案があれば考えていただきたいということは、私どもとして口頭などで非公式に申し述べたことはございます。しかしかわりにどこをどうするということを、向うに申し入れたことはございません。
○宮原委員 大蔵省管財局の方に御質問いたします。追浜地区の業者の権利関係であります。これは一時使用の形で、大部分の業者がこれを使用しておるものと承知しておりますが、中にはまた一部拂下げを完了した者もあるようであります。この一時使用という権利が再接收の対象になつた場合に、大蔵省は一時使用の権利についての業者の立場を、どういうふうにお考えになつておりますか。
○小林説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。この一時使用というのは、まだ賠償指定の解除とかいうものがない場合におきまして、その施設を使う、いわゆる転活用の問題として、一時使用という形を使つておるわけであります。ただいまの追浜地区につきましては、賠償指定の問題、それから軍事返還的な問題も解決されておるのでございますが、形式的には一時使用という形になつております。これは実体的には賃貸と同じ問題でございまするが、ただ私ともの方といたしましては、こうした施設は早く売拂い処分をするということになつておりますが、現在いろいろ交渉したり、あるいはまたこれは話合いの関係で、売拂いまでに至つておりませんので、現在一時使用という形にしております。しかしこの一時使用も、先ほど申しましたように、私どもとしては賃貸借契約というように、実体的には考えております。この一時使用の問題につきまして、いろいろ問題はあると思いますが、こういう問題につきましても、私どもの方としてはただいま申し上げたようなことで解決いたしたい、こういうふうに考えております。
○宮原委員 一時使用の契約の内容をなすものでしようが、業者がそれを政府に返還する場合においては、補償しないというような契約に何か一般がなつておるようでありますが、追浜地区についてもあるいはそういうことになつておるのでありますか。しかしそれは行政各方面の実情においては、たといそういう規定があつたところで、それは他の部面においては多くは空文になつておる。実際は補償するというのが実際の取扱いのように、われわれはたびたび体験をいたしておるのであります。今回の場合についても、その規定があつたとしても、それにはあまり拘泥せずに御処理相なるべきもののように、われわれは考えるのでありますが、それについて大蔵当局の御意見を伺つておきます。
○小林説明員 ただいまの御質問につきましては、私よりはむしろ特別調達庁側の方で、いろいろ司令部と折衝したり何かの関係でわかつておると思いますので、特別調達庁の方から御説明をいただいたらいかがかと思います。
○長岡政府委員 一時使用の條項のあります土地につきましての補償の関係を一応御説明申し上げます。本件は補償まで問題が参りますと、現地の御希望が達せられませんので、この一時使用の條項云々ということは、不必要になるように希望するところでございます。 もし接收になりましたときの補償の関係はどうなるかという見通しにつきまして、御説明申し上げておきたいと存じます。実は一時使用の條項が相当借り主に嚴重に相なつております。軍の方ではかような條項のある土地であるならば、補償の必要がないではないかという意見があります。この條項が日本の他の強行法規、あるいは民法の九十條の規定に違反するものであるかどうか、契約條項として違法性がないかということが問題になつて参ります。この点につきましては、軍としましては、特利調達庁と申しますよりも法務府の見解をただして、その意見を付して来いという命令を受けております。つきましては法務府の見解をただしましたところ、契約條項としてはまさに違法性はない、有効なものであるという御意見であります。これはかような補償の問題の起きましたときに、軍にこれは国内法上拂う義務があるのだということを申し入れますときの問題になるのであります。但し法務府といたしましても、たといこの條項がついておりましても、その後の事情の変更ということもございまして、單にこの條項がついているのみで、補償の義務があるとかないとかいうことをきめるよりも、個々のケースについてその後国家と借り主の方とのどういう意思表示があつたか、その他の事情を十分審査いたしまして、その上で決定をしていただく。従いまして本件ももし接收に相なりましたときには、特別調達庁といたしましては大蔵当局の御意見、その後の事情を十分に審査いたしまして、軍に申し込みたいと考えております。われわれといたしましては、いたずらにりくつばかり述べまして、借り主の方に御迷惑になるようなことはかる気は毛頭ございません。なるべく御満足の行くようにいたしたいとは思つておりまするが、これにつきましては、接收のときに支拂いますためには、ただいま申し上げましたような手続をとりまして、軍の了解を得る必要がある次第でございます。
○宮原委員 本件について外務省当局の総司令部への折衝の状況を、現段階の程度を伺つておきたいのでありますが、本件は、政府としては單に特別調達庁だけにその交渉をまかせるような、そんな問題ではなくてこれは、一種の外交問題であろうと思うのであります。もちろん占領中に外交はないと言えばそれまででありますが、そういう意味でなく、総司令部に対して協力するという意味合いでもつて、外務省は力強く本件の取扱いをなされなければならないことと私は信じておりますから、外務員は本日政務次官、大臣の御出席はないようでありますので、まことに心もとない感じがするのでありますが、開けば総司令部の方に行つていられるということでありますから、やむを得ず本日御出席になつております外務省の当局から、おわかりになるだけをここで御説明願いたいと思うのであります。
○田中説明員 外務省の事務当局といたしましてはうこの問題の軍側の調査が始まりまして以来、総司令部、横浜の兵站司令部、さらに横須賀の海軍基地、三箇所において数度の折衝を行つて来ております。この折衝の間におきまして、外務省といたしましては関係者の御希望、さらにその間に收集をいたしました関係官庁からの資料に基きまして、実情を軍当局に説明をし、現に操業中の日本の企業の利益が十分擁護されるよう、軍側の考慮を促したわけであります。これら折衝の結果、現段階におきまして軍側が大体どういう態度でこの問題を研究しているかと申しますと、最近におきましては、新たに接收をする場合、それから建物でありましても土地でありましても、日本の国民生活に與える影響ということを十分に考慮してこれを行う、こういう軍側に方針もあり、かつ関係者の御事情また御希望という点が、軍側にも相当程度理解されたものと見えまして、この問題については、現在ではまだ最後的な判断を下していないというのが実情でございます。今後の問題につきましても、日本側関係者の利益は十分に考慮したいという言明を得ております。これが従来の経過でございます。
○宮原委員 ただいまの御説明に、日本側の利益を十分考慮するという言葉、その利益という意味が、この再接收が実現した場合の補償によつて、その損失を補填するという意味合いにおいて、利益を考慮するという意味ではないと思うのでありますが、それではまことに困るのであります。そこで外務事務当局に伺いたいのですが、横須賀海軍基地司令部から、本件について総司令部に何がしかの働きがなされているかのごとく、われわれは伺つております。外務当局はその件について何か関知せられておりますか。さしつかえてない限り、ここで御発表できれば御説明を伺いたい。
○田中説明員 ただいまの件につきましては、海軍基地司令部からは確かに総司令部に、正確に申しますと総司令部のG—4でありますが、海軍としての見解が申し進められ、そのような書類が出ているようであります。ただこのたびの計画は、駐屯軍全体としての計画でありますので、言うまでもなく決定権は総司令部にあるわけでございます。
○宮原委員 地元の横須賀の市長から総司令部に対して、直接陳情書が出ている事実がありますが、これに対して総司令部は、ある程度の意思表示を、回答の形で何か文書をもつて発せられているように聞いております。外務当局は本件について何かお聞き及びがありますか。
○田中説明員 文書の回答という点につきましては、私はまだ聞いておりません。ただ総司令部の当局が、関係者からの陳情書を愼電に研究をいたしていることは事実でございます。従いまして当初の計画を、ある程度変更するというところまでは来ておりませんが、先ほど申しましたように、新たに接收をする場合は、日本の国民生活に與える影響を十分考慮するという方針に基きまして、どういう措置が日本側への影響を最小限度に食いとめ得るかということの、具体的な研究中であると了解をいたしております。
○宮原委員 ただいまの御答弁はいささかふに落ちないのですが、総司令部から出ましたただいまの文書というものは、本件を批准直前に処理するごとなくして、行政協定によつてこれを処理する方針であるかのごとき意味合いが、その文書に盛られているというような解釈を、総司令部の某方面から私は確実に入手しておるのであります。外務当局が三箇所にわたつて総司令部と御折衝を続けていられまして、そして総司令部に御協力をなさつているという労は多といたしますけれども、かかる重大な問題について、もう少し御認識を深められまして御処理が願いたいのであります。そうでなければ、せつかくここに請願を取上げまして、われわれが声をからして政府にお尋ねをしたり、請願を紹介してみたところで、かんじんの折衝に当る御当局の御研究がそんな粗雑なことであつては、私はまことに心細い感じがするのであります。私は、公表をはばかるのでありますから、ことさらにここで公表はいたしませんけれども、外務当局がお調べになればすぐわかることであります。よくその文書を御研究になつて、もしもそれが私の得ております情報通りであつたとしたら、その意味合いでこの席で御答弁があつただろうと思うのであります。でありますから、今後においてもその文書等をお調べを願いたいのでありますが、そこまでやるという御決心であるかどうか。事務当局にお伺いしたのではあるいは筋違いかもしれないけれども、念のためにここで最後にお伺いいたしておくわけであります。
○田中説明員 この問題が行政協定まで持ち越されまして、そのときに日米政府間の交渉の対象になるということは、私は存じておりません。もしそういうふうな総司令部側の意思表示があつたといたしましたならば、それはまことにけつこうなことだと存じますので、外務省に帰りまして、かようなことがあつたどかうかはよく調査をしてみたいと存じますが、もしそうであるならば、その方針に従つて努力をしたいと思います。
○高田(富)委員 先ほどから横須賀市長のお話を伺い、またただいまの質疑応答を通じまして明らかにされましたことは、この問題は單に横須賀市の問題というよりは、非常に大きい、しかも非常に重大な問題であるということを痛感したわけです。大臣が出ておらないということは、先ほどもお話がありました通り、この審議にも非常に根本的な点でさしつかえがあると思いますが、本日はやむを得ない用事だそうでありますから、次の機会にぜひ大臣を呼んで、こういう問題についての日本政府のはつきりした態度、方針というものを、われわれは明らかにしておかなければならぬと思うのであります。特別調達庁長官その他に、この機会に、これらの点について、相当のはつきりした方針を持つてもらわなければ困ると思いますので、念のために質問したいと思いますが、今問題になつております横須賀を例にとれば、こういうふうな重大なところを接收するというのは、本年の九月の、しかもサンフランシスコ会議以後において、こういうふうなものが出されるというようなことは——大体現在占領軍としては、占領目的は達成されたという前提に立つて、講和條約発効後丸十日以内に撤退するということになつておるのでありますから、もしこういう大きな接收等を申し出られました場合に、これが占領軍当局の占領目的達成上必要なものであれば、これは特別調達庁において当然やらなければなりませんが、もしそうでなくして、将来占領軍が撤退した後に新たに日本に駐屯することになるはずの外国軍隊の駐屯軍の必要のための施設であるということであれば、これはもう特別調達庁において扱う筋合いのものでなく、当然今日交渉の過程にあると伝えられている行政協定において明確化された方法で、少くとも対等の立場でいろいろの問題について折衝する。日本がお願いして外国の軍隊にいてもらうのでありまして、日本の必要ということが、駐屯軍の必要と合致しなければならぬわけでありますから、日本国政府の意思に反して押しつけられるということは、ない性質のものでなければならぬわけです。この切りかえ時でありますから、その間の事情を明確にして、そして日本政府としましては、これに対して明確な態度で臨むという基本方針を堅持されなければ、国会において今回の両條約が不幸にして可決され、批准され、成立しているという建前上、今後この折衝に当る責任ある政府の態度がぐらぐらであつては、かりに行政議定で、両者対等で今後の駐留軍についてのいろいろなことが折衝される建前になつておつても、事実上はほとんど自由に基地をどこでも設け、また自由にどういうものでも接收でき、ほとんど日本としては、将来においても何も言えないというようなことになつてしまう危險性が多分にある。従つて私はこういうような問題が起きました場合に、政府当局は今までの、占領軍の命令をただ聞いて執行するという立場に立つのではなくして、それは今後の駐屯軍の必要に基くものを、現在やるのではないかどうかという点について、率直にこれを占領軍当局に質問し、納得の行くような説明を求める。そしていやしくもここにいささかの了解に苦しむような点があれば、堂々と要求すべきところを要求するという態度でなければ、今日からの行政協定の折衝などは政府にはまかせられない。この問題について先ほどからの御説明を聞きますと、何だか今までと同じように、不本意ながらどうもやむを得ないじやないかというようなことで、日本側の、日本国としての国民生活の問題、あるいは平和的な横須賀の復興ということについての要望を出してやつておるという、確固たる気魄が全然見えない。これではせつかく市当局その他が相当力を入れて熱烈な叫びをあげておられても、この国会の問題になつておるこの重大問題につきまして、先行きが非常に案ぜられるわけであります。政府当局としまして、今後この問題について明確な態度をとつて、あくまでもその間の不明朗なところを明らかにして行くということで、進んで行く決意を持つておられるかどうかということを、直接事務に当るのでありますから、今日出席の政府委員からも、はつきりした言明を承つておきたいと思います。
○根道政府委員 特別調達庁といたしましては、御承知のごとく占領軍の占領目的のためにする調達を扱つておる役所でございます。従いましてもし接收等の問題が起きますれば、その範囲において行動しておるわけであります。またいろいろ御意見がございましたけれども、政府にかわりまして、おつしやるようなことを私から申し上げることはどうかと思いますので、差控えさせていただきたいと思います。
○高田(富)委員 それではぜひ次の機会には、これは相当大きい問題だから、大臣の出席を求めて、この折衝に当る政府の方針を鮮明にしてもらう必要があると思います。これは一つの前例になるし、現在聞くところによりますと、横須賀のみならず、これに類似した問題が若干起つておるように聞いております。厖大な土地の接收等があるようでありますが、これらの問題については、もう両條約批准後の今日であつて、政府としてもこの国会ではいろいろな言明をされておる。今後は対等の折衝関係に入るというようなことを言われておるやさきに、こういう問題が今起つたのであるから、あらためてこれらの問題に対する政府の方針を、明らかにしておく必要があると思います。交渉に当る政府の腹をしつかりさせておく必要があると考えますので、次の機会には、責任ある大臣の出席について、至急に委員長においてそのとりはからいをしていただきたいことを要求する次第であります。
○夏堀委員長 了承いたしました。
○深澤委員 特別調達庁長官は、占領目的のために特別の調達をやる機関であるから、向うのおつしやることならば、これを一生懸命にやる機関であるという御答弁でありますが、あなたは昨年の国会において、旧軍港市転換法が制定されたことを御存じであることは、間違いないと思うのですが、今度の処置がこの旧軍港市転換法とまつたく逆行するものである、旧軍港市転換法の処置を無視する処置であるということは、考えられたことがあるかどうか。その点をまずお伺いしたい。
○根道政府委員 ただいまおつしやられましたような関係が生ずるということは承つております。
○深澤委員 日本の国会が制定いたしました旧軍港市転換法に抵触するところの軍の要求があつた場合においては、特別調達庁は占領目的のために動く機関であるからといつて、そういう問題について占領軍当局に理解を求めるとか、こういう状態になつておるから、そういう問題は困るとかいうような、占領軍当局に対するあなた方の立場、日本の利益を主張するというような態度をとつておられるのか、おられないのか。ただ唯々諾々として、法を無視するようなことであつても、それに従わなければならないという態度をとつておられるのか。その点のお考えをお伺いしたい。
○根道政府委員 ただ唯々諾として言うことを聞いておるかということでありますが、さようではございません。先刻来申し上げましたように、いろいろな問題が起りますときに、公式非公式にわれわれとしての意見は先方に伝えるわけであります。もしこれが究極的に接收という要求になつて参りますれば、これは占領軍当局としての命令でありまして、日本政府の義務として、やむを得る得ないは別問題といたしまして従わねばならぬ。また特調としては、これを執行しなければならぬ義務を持つておると思います。
○深澤委員 形式的に考えれば、講和條約発効までは、占領軍の命令は国内法に優先するということは、だれでも知つておる。ところが事実上は、すでに調印が済みまして、講和條約が半歳ならず発効されるという段階に来ております。従つて占領目的——日本の民主化、日本の軍国主義を排除するという努力は、この六箇年間行われて来た。あと半歳しか残つていないときに、占領目的のために、新たに日本の国内法を無視する再接收が行われるということは、だれしも疑問を持たなければならない。これはゆゆしき問題であると私は考えるわけです。そういう点について長官は疑問を持たないのかどうか。その点をお伺いしたい。
○根道政府委員 疑問を持たないのかということですが、その疑問という言葉に疑問がございますが、そういうこともあわせて常時いろいろ考えてはおります。
○深澤委員 旧軍港市転換法によりますれば、国有財産の旧軍港市の転換事業に関する状況は、内閣総理大臣は毎年一回国会に報告する義務を負つております。しかるに現在旧軍港市転換法を無視するような重大問題が進行しつつある。そして今政府当局のいろいろな御答弁をお聞きいたしますと、外務省においても非常に折衝され、特別調達庁においてもいろんな努力をされておる。そのことはわれわれ了承いたしますが、しかしわれわれは初めてこの問題を知つたのです。私はまだ旧軍港市転換事業に関する報告は、この法律が発布されて一箇年以上経過しておりますが、読んでおりません。出しておるのかいないのかわかりませんが、そういう報告の問題はあとの問題といたしまして、こういう問題が、そのように重大な問題として起つておる以上は、まず国会に対して報告し、国会の意見を聞くということも必要じやないかと思うわけです。ところがわれわれは、この問題を先般の横須賀市当局並びにその他の陳情書によつて初めて知り、そして昨日の請願審議においてこれを取上げ、それを本委員会において問題にしたのであります。もちろんあなた方の御努力は、われわれ十分承知するのでありますが、この問題がどう処理されるかということは、今後の日本のあり方にとつてまことに重大であると考える。こういう関係から、あなた方事務当局の腹の中には、もちろんいろんな問題がございましようが、しかしこれはやはり形式的に取上げて、不当に日本の立場が不利に置かれることに対しては、何とかして努力しなければならない責任がお互いにあると思う。ところがお話によりますと、もうすでに接收はやむを得ない、ただ賠償をどういうふうにするかというところまで行つておるようであります。しかしわれわれは国会において議決をし、旧軍港市転換法によつて審議会を設けて、軍占領が解除され、賠償問題が解除され、そして一部はすでに民間に売拂いが行われ、大部分は一時貸借という形にはなつておりますが、すでに処理済みであります。その処理済みのものがもう一ぺん再接收される。しかも講和條約発効半年前という今日の状況において、再接收されるということは、まつたくわれわれは疑問なきを得ないのであります。こういう見地から、私はでき得る限り有利な賠償によつて解決しようという、あなた方の努力はわかりますが、そうではなくて、再接收がされないようにする努力こそ必要だと思います。この点については、どういうようにお考えになつておりますか。ひとつお聞きしたいのであります。
○根道政府委員 先刻来申し上げましたように、私どもといたしましては、できるだけ再接收の起らぬようにという意味で、努力を重ねておるのであります。また一般的のお話でございますが、日本が独立を回復した後のことを考えて、あとにそういうことに対する妨げのないように、今のうちからしておかなければならないのではないか。これはまことにごもつともなお話であります。もとより私どもといたしましては、将来に向つて日本が完全な独立になり、名実ともにほんとうの国家であるという形になりたいということを、心の底から念願いたしておりますので、ものの処理の具体的の問題は別の問題といたしまして、事柄自体全般の問題としては、常時当然にそのような心がけでやつておる次第でございます。
○深澤委員 あとは事務的な問題でありますが、旧軍港市転換法によつて、旧軍港市国有財産処理審議会というものを設けて処理されて参つておると思いますが、このたびの問題につきましても、一応はこの旧軍港市国有財産処理審議会にかけられて、対策を講ぜられるということも、一つの法にきめられた道であるとわれわれは考えるのでありますが、こういう審議会にかけてこの問題を処理されているかいないか。直接的に軍命令という形で、旧軍港市転換法によつて規定された手続を無視してやられておるのかどうかのその点をひとつ伺いたい。
○小林説明員 旧軍港市転換処理委員会のことにつきましては、最近開く予定になつておりますが、その下に実は幹事会というものがありまして、各軍港市の関係の方と大蔵省も出まして、いろいろこの問題につきましても、外務省それから私の方で折衝し、いろいろ幹事会で審議し、またいろいろ相談しているわけであります。それでまた審議会が開かれるようなときに、この問題を御相談いたしたい、こう考えております。
○深澤委員 こういうことはまことに事務当局の怠慢であると考える。一応旧軍港市転換法によつて、その審議会によつて処理がされて、そうしておちついているものに対して、今度はそれに逆行するような再接收命令が出たという場合に、まず第一番に審議会にかけて対策を講ずべきであると思う。事務当局だけがいろいろ努力されておることはよくわかります。 〔委員長退席、奥村委員長代理着席〕 わかるけれども、一応日本の法律によつてきめらられた審議会があるのでありますから、この審議会にかけて、そうしてこの審議会を十分動かしてこの処理に当るということこそ、われわれは日本の法律を運営する皆さんの当然とるべき態度であると思います。ところが幹事会だけで相談した。また今後開く機会があるならば、審議会にかけましようというような御答弁は、まことに私は責任のない御答弁だと思います。まず第一番にこの審議会にかけるべきであると私は考えます。その点についての御見解を、もう一ぺんお伺いしたいと思います。
○小林説明員 追浜地区の問題のところについては、まだ旧軍港市転換法によつて処理したものではございません。しかしお話のありましたように、そういう重要な問題でありますので、近く開かれる予定になつております審議会の方に、いろいろ御意見を承るということにいたしたいと考えております。
○深澤委員 今追浜地区の問題については、旧軍港市転換法によつて処理したものではない、こういうことでありますが、まことにわれわれは不思議に思うのであります。どうしてそれはこの旧軍港市転換法によつて処理しなかつたのか。
○小林説明員 旧軍港市転換法によらなかつたのではなくて、今後旧軍港市転換法に基きまして、審議会に諮問するということになつておりますが、まだその方の売拂いと申しますか、その方の申請が出ておらないということになつております。
○深澤委員 旧軍港市転換法は、すでに住民投票によつて圧倒的な多数で、横須賀市においてはこれに対する賛意が決定されているわけです。従つて横須賀市自体に対しては、旧軍港市転換法の適用が行われているわけであります。そうすると、当然にこの法律の発効と同時に、今まで処理されて参りました国有財産関係に対する問題は、この法律によつて急速に処理しなければならぬ。それにもかかわらず、一箇年間経過しても、まだ申請がないから処理されていない、こういうことでは、一体法律の運用というものが、まことにわれわれ了解するに苦しむのでありますが、これは関係者が申請をしなければ、この旧軍港市転換法というものは全然運用されるものではない、申請がなければ永久にこの法律は死文にひとしいようなものになつてしまうのですか。やはり政府として、当局として、これを具体的に運用するということに努力をすることが、必要じやないかと考えるのですが、一体これはどういうことになるのですか。
○小林説明員 旧軍港市転換法の第四條でありますか、それによりまして実態的な問題といたしましては、売拂いの処分をする。そうして延納の期間を認めるというのが実態的になつております。精神的なものとしましては、すでにいわゆる一時使用という形におきまして適当だ、それからまた要望のあつた方に施設を使つていただくということになつておりまして、実態的な問題としましては、すでに旧軍港市転換法の精神的なものはやつておるわけであります。ただ形式的な法律に言う、いわゆる譲渡処分という問題についてのものが、まだ済んでおらないということになつております。
○奧村委員長代理 これをもつて休憩いたします。午後は二時から開会いたします。 午後零時五十七分休憩 ————◇————— 午後二時三十分開議
○夏堀委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 未復員者給與法等の一部を改正する法律案、旧外貨債処理法による借換済外貨債の証券の一部の有効化等に関する法律案、昭和二十六年度における給與の改訂に伴う国家公務員共済組合法の規正による年金の額の改定に関する法律案、及び旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の規定による年金の額の改定に関する法律案の四法律案を、一括議題として質疑を行います。
○佐久間委員 ただいま提案になつております旧令による共済組合等から年金受給者のための特別措置法の規定による年金の額の改定に関する法律案につきまして、二、三質問をいたしておきたいと思います。 本法案は共済組合の年金受給者に対する年金の額を、新給與水準まで引上げようとするものでありまして、また国家公務員共済組合法施行前の公務に基因する年金についても、同様に増額しようとする、まつたく温情あふるる法案であるのであります。そこでお尋ねいたしたいことは、政府はせつかくかようなあたたかい気持をわけ與えようとする一面に、手続上のわずかの手違いを冷酷に取扱つておることは、まことに遺憾に存じます。すなわち旧陸軍共済組合員で二十年以上永年勤続者でありながら、終戰の際に年齢が年金受給資格に達しないために、この恩典によくさないでおる者があるのであります。これらの者に対して旧海軍共済組合員及び国家公務員共済組合員同様の資格を與えてもらいたい、こういう熱願がなされておるのでありまするが、これに対して御所見を承りたいと思います。
○岸本政府委員 ただいま御質問のございました旧陸軍共済組合の組合員でありまして、たまたま終戰時におきまして、年齢が四十五才に達しなかつた。それがために今回のこの特別措置法の適用に相ならなかつた方々の措置を、どう考えるかという御質問でございます。こういう方々に対しまして、終戰という、いわば組合員の方々にとりまして思いがけない事情によつて、将来の希望を打ち碎かれた。特に多年にわたりまして、老後の生活の安定を目的にいたしまして、掛金を蓄積いたして参つたわけでありますが、その希望が失われてしまつたという事態に対しましては、まことに御同情にたえないところでございます。ただ政府といたしまして、この特別措置法を適用いたします場合に、どの範囲までの組合員を対象として考えるかということにつきましては、いろいろ考えたわけでございますが、ただいま御指摘になりましたような陸軍共済組合のような事例は、他の外地の旧令共済組合の場合にも同様の事例がございます。勤続年数のほか嚴格な年齢制限をやつておる組合も若干ございます。そういう年齢制限があつたために、たまたま終戰時において受給資格がなかつたという方々まで、取入れるということになりますと、どこまでで線を引いていいかということが、非常にむずかしい問題でございます。逆に年齢制限の方の條件は満たしておる、しかし勤続年数の方で一年か二年足らなかつたというようなことが、出て来る場合もございます。これは旧令の共済組合に通ずる問題でもあるわけでございます。こうした事情をいろいろ考えまして、さしあたりは終戰当時におきまして受給資格が発生していた方々だけを対象としよう。受給資格はすれすれの線までは来ていたが、まだ受給資格のついていなかつたという方々に対しましては、なお今後研究して行こうという考えで、特別措置法案ができ上つたわけでございます。旧陸軍共済組合のような、特にすれすれの線まで行かれた方々のお気持はよくわかるのでありますが、現在の段階といたしましては、そうした年齢制限なり、あるいは勤続年数の過去の制限をこの際はずして行く、あるいは緩和するということは、非常に影響するところも大きいのでありまして、一挙にこれを解決することは非常に困難ではないか。この点については、今後も検討を続けて行きたいというのが現在の考えでございます。
○佐久間委員 ただいま御説明をいただいたのでありますが、たとえばこの陸軍共済組合員のいわゆる年齢條項に適合しないものを除いておるのでありまして、こういつた例が他にもたくさんあるというお話でございますが、それらはここにわかりましようか。その数がもしわかれば御説明を承りたいと思います。
○岸本政府委員 旧令の共済組合でございまして、年齢制限のございました組合は、旧陸軍共済組合のほか朝鮮の逓信共済組合がございます。これは勤続年数はやはり二十年以上、年齢四十五才以上、それから台湾の専売がございます。これは勤続年数の方の制限は十五年でございますが、年齢としては四十五才以上ということになつております。それから同様に台湾の営林関係がございまして、これも勤続年数は十五年でございます。しかし年齢は四十五年以上、あと台湾の逓信につきましても四十才以上という制限がございます。なお蛇足に失するかとは存じますが、現行の国家公務員共済組合法は、動続二十年以上、但し五十才まで支給停止という建前になつておりまして、年齢制限はございません。しかしこの共済組合法ができましたのは二十三年の七月以降でございまして、それ以前におきましては、各現業にばらばらに共済組合があつたわけてございます。その当時の各現業の共済組合の規定を見ましても、やはり嚴格な年齢制限をとつていたところが多いようでございます。たまたま国家公務員の共済組合ができまする直前にやめられた方で、動続二十年以上であるが、年齢はまだ四十五才に達していなかつたために、国家公務員共済組合法の恩典に浴し得なかつたという方が、内地にもあるわけてあります。それは旧令による陸軍共済組合の先ほどの問題を考えました場合に、やはり政府といたしましては統一的に考えて行かなければならない問題だと考えております。
○佐久間委員 ただいま外地にあつた者で、年齢の資格を規制されておる者があるということで、その例を二、三おあげになり、そのほかに内地にもこれに該当する者があるような御説明でありましたが、この数は私の聞くところによりますと非常に少い数である。これらを合せても大したものでないということです。人数が少いからどうこうという意味で申し上げるわけではないのですけれども、せつかくこうしたいい政治を行う上においての救済という建前から、この法案が提出されるわけでありますから、できるだけ広い範囲にこの恩典に浴するようにしてやりたい。それにはやはり乏しい中に政府があえて出そうとするわけですから、その点経費という面も十分に考慮に入れなければならない問題であります。しかしかように人数があまり多くないというものには、経費の点もさほどでもないと思いますので、できるだけこの恩典に浴するよにしてやりたいものだ、こういうことをわれわれは考えておるわけであります。そこで一方海軍の方は一体どういうぐあいに処理されておつたのでございますか。この点をひとつ御説明願いたいと思います。
○岸本政府委員 旧海軍共済組合の年金の資格の発生要件といたしましては、勤続二十年以上、年齢の制限はございません。ただ五十才未満の者は支給を停止するという、若年停止の規定があつたわけであります。
○佐久間委員 そうすると陸軍の方は四十五才未満と称しておりますので、そこに多少年齢の制限は陸軍の方が緩和されておるように思うのであります。海軍の方はかりに終戰時五十才でなくとも、二十年以上の勤続者に対しては、これを支給するということに相なつておるように承知いたしておるが、はたしてそうですがどうですか。
○岸本政府委員 仰せの通り海軍の方につきましては、五十才にならなくとも二十年以上勤続していれば、一応資格は発生いたします。
○佐久間委員 同じ日本国民であつて同じような仕事に携わつておる者が、片方はこの恩典に浴する、片方は嚴格にこれを施行して行く、こういう二つの形がここに現われて来るということは、おもしろくないじやないかというようなぐあいに、私は考えるのでございますが、この私の考えは間違つておるかどうか。この点ひとつ御意見を承りたいと思います。
○岸本政府委員 たまたま終戰時における制度上の相違によつて、非常にアンバランスの状態が現在において生じておるということは、これは決していいというわけには参らぬのでございますが、ただ先ほど申し上げました通り、現在の段階といたしましては、まず終戰当時におきまして受給資格のあつた方々だけを対象として考える。それ以外の方々につきましては、いわば昔の規定を現在の目で見て改正し直すことになるわけであります。その影響するところも相当広範囲に及ぶものですから、もう少し愼重に検討を加えた上で、何らかの処置があれば考えてみたいということでございます。終戰時におきまする特別な事情で気の毒な境遇にあられる方々は、そのままでいいんだという気持で、われわれは放擲しておるわけではございません。研究しておるという段階でございますので、御了承願います。
○佐久間委員 ただいまの御答弁は非常に同情を持つたお答えであります。質問者といたしましても、この言葉に対しては敬意を表する次第であります。もともとこういうような救済という性質を多分に含んでおる法案であつて、あたたかい気持で、戰争犠牲者をできるだけ救い上げてやろう、というような気持の盛られておる法案でありますから、その法案の趣旨に従つて、将来とも考えていただかなければならない。そういつた手続上の問題とか、あるいは法規を冷嚴にこれに当てはめてどうこうするというような筋合いのものではないじやないか。むしろこの法案本来の趣旨に従つて考えて行くべきじやないか。そうしててきるだけ広範囲に救い上げて行くというようなことが、最も望ましい行き方ではないか。私はこういうぐあいに考えるのであります。特に一方におきましては、もうすでにその道が開かれている。その例をこうして現実にわれわれが見ておるのでありますから、片方で非常に嚴格にこれを考えて行くというようなことをいたさないで、歩調を合せて両方がうまく行きますように、できるだけこの恩典に浴するようにしてやるという親心を示してこそ、初めてこの法案が生きて来るというぐあいに、私は考えざるを得ないのであります。将来御研究くださるということでございますから、これにはわれわれは大きな期待を持つのてあります。政府におかれましても十分この立法の精神にかんがみまして、このような戰争犠牲の不幸な人たちが救い上げられ得る、何か一つの段階でもあるならば、それをきつかけにいたしまして、その人たちを救い上げてやるというような気持になられますように、衷心からお願い申し上げまして、私の質問を打切ります。ありがとうございました。
○奧村委員 ただいま議題となつておりまする未復員者給與法等の一部を改正する法律案、昭和二十六年度における給與の改訂に伴う国家公務員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案、及び旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の規定による年金の額の改定に関する法律案、以上三案につきましては質疑も十分行われたことと存じますから、この際質疑打切りをいたしたいと存じます。
○夏堀委員長 ただいまの奥村君の動議のごとく決定するに、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○夏堀委員長 御異議なしと認め、右三法律案につきましては、質疑を打切ることにいたします。 それでは未復員者給與法等の一部を改正する法律案を議題として、討論に入りたいと存じますが、本案については修正案が提出されておりますので、まず提出者より修正案の趣旨説明を聽取いたします。提出者奧村又十郎君。
○奧村委員 ただいま議題となりました未復員者給與法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、提案趣旨の説明を申し上げます。 未復員者が死亡した場合において、その遺族に支給するところの遺骨引取り経費は、現在死亡者一人当り二千二百円となつております。これは遺族二人分に対する宿泊料、目当及び鉄道運賃を、国家公務員の旅費に準じて算出したものであります。しかるところ御承知の通り鉄道運賃は、去る十一月一日より約二割四分の引上げを見ることとなつたのでありまして、これに伴いまして遺骨引取り経費のうち鉄道運賃に相当する部分は、当然改訂されるべきものであつたと考えられるのでありますが、本改正法律案中にはこれに関する規定を欠いておるのであります。よつてこの際遺骨引取り経費を二千二百円より二千三百円に引上げて、右欠陷を是正いたそうとするのが本修正案の趣旨であります。なほ本件修正に伸う予算増額は約百四十万円の見込みでありますが、この程度の増額は未使用額も相当ありますので、本年度予算の範囲内において十分まかなうことができるものと考えられる次第であります。 何とぞ御審議の上、御賛成あらんことを希望いたします。
○夏堀委員長 修正案の趣旨説明は終りました。 これより原案及び修正案を一括議題として討論に入ります。
○奧村委員 ただいま議題となりました未復員者給與法等の一部を改正する法律案及びその修正案につきましては、討論を省略してただちに採決に入られんことを望みます。
○夏堀委員長 ただいまの奥村君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○夏堀委員長 御異議ないようでありまするから、本案につきましては討論を省略してただちに採決に入ります。 まず奥村君提出にかかる自由党、国民民主党、日本社会党三派共同提出の修正案の採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の起立を願います。 〔総員起立〕
○夏堀委員長 起立総員。よつて本修正案は可決されました。 次に本修正案の修正部分を除いた原案に賛成の諸君の起立を願います。 〔総員起立〕
○夏堀委員長 起立総員。よつて本案は奥村君提出にかかる三派共同提案の修正案のごとく修正議決されました。 次に昭和二十六年度における給與の改訂に伴う国家公務員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案、及び旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法の規定による年金の額の改定に関する法律案の両法律案を一括議題といたします。
○奧村委員 ただいま議題となりました両法律案につきましては、すでに質疑も打切りとなつておりますので、この際両案につきましては、討論を省略してただちに採決に入られんことを望みます。
○夏堀委員長 奥村君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○夏堀委員長 御異議なしと認め、右両法律案につきましては討論を省略し、ただちに採決に入ることにいたします。 右両案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○夏堀委員長 起立多数。よつて右両案はいずれも原案の通り可決されました。 なお右三案に関する報告書の点につきましては、委員長に御一任を願います。 旧外債処理法による借換済外貨債の証券の一部の有効化等に関する法律案を議題といたしまして、質疑を続行いたします。
○奧村委員 旧外貨債処理法による借換済の法律案について二、二お尋ねいしたいと思います。 この法律に外貨債と称せられるものと、それから現在の一切の外貨債、その大体の金額はどのくらいになるか、お尋ねいたします。
○石田政府委員 いわゆる外貨債と申しますものにつきしては、一番初め発行いたしましたときには、その券面額を合計いたしますと、米貨に換算いたしまして、大体八億二千二百万ドルぐらいの額に相なろうかと思います。それが旧外貨債によりましていろいろの処置をいたします直前の数字は、五億八千八百万ドル程度に減つて来ておつたのであります。そうしてその五億八千八百万ドルのうち、旧外貨債処理法によつて処理せられました元本額は、大体三億二百万ドルばかりであつたかと思います。従つてそれを差引いたしますならば、約二億七千九百万ドルというものが元本として現在残つておる、こういう関係になるわけであります。しかるにこの旧外貨債処理法によりまして処理いたしましたものにつきましては、日本側の考えによつて処理いたしまして、その扱いが妥当でなかつたと思われるものがございます。それが本法律案の対象となるものでございまして、これが英貨債と米貨債とございますが、元本額で申しますと、米貨債の方が八百七十七万ドル、英貨債の方が七十五万一千ポンドでございます。これをドルに換算いたしますと、千百四十一万ドルと相なるわけてございます。本件が処理されることに相なりますと、今後政府が処理しなければならないものの対象は、元本額といたしましてはそれだけ増加する、かように相なるわけてあります。
○奧村委員 ただいまの御答弁によりますと、旧外貨債処理法によつて処理されたものは三億二百万ドルで、この法律による外貨債、すなわち不当に処理されたと見られるものは、総額で千百四十一万ドルといたしますと、約三億ドルというものの処理は、旧外貨債処理法によつて、どういうふうな方法によつて処理されたのか。
○石田政府委員 旧外貨債におきましては、発行者が自分て持つておりましたものは償却してしまう。これが一つのカテゴリーでございます。それからもう一つは本人の承諾を得まして、それによつて外債を邦貨債に借りかえる、こういうことをいたしたわけであります。ところが当時の事情といたしまして、本人の承諾をとりますのにおいて、確実でなかつたというものが一部ございます。それからまた本人の同意は得たけれども、質権者の同意が得られなかつたというのもあります。また本人、質権者の同意は得たのだけれども、しかしながらその証券が外国にある。その外国にあります分につきましては、内地にあるものとは違いまして、いわゆる償却手続が済んでおらぬわけであります。外地にありますものについても、これはいろいろと穴を明けましたり、抹消をいたしたりすることに努力いたしたのでございます。しかしながら穴が明かず、抹消ができなかつたものがあるわけであります。こういうものは向うにあるものが転々流通する、無記名証券でありますから、こういう性質のものであります。そういうものに対して日本に邦貨債を渡したから、これは無効だという建前をとつておつたわけであります。その部分が本件といたしましては、比較的多いということに相なるかと思います。
○奧村委員 そういたしますと、本法律案におけるところの外貨債というのは、現在すべて外地にあるものであるまた現在外地にあるものすべてを外貨債というのか、その点をお伺いいたします。
○石田政府委員 本法律案の対象といたしております証券は、外貨債につきましては、全部海外にあるものであります。それからなお今申し上げました数字は、穴明け、抹消等ができなかつたもの全部の数字を大体申し上げておるのであります。その中に所有者の承諾を得なかつたものもございますし、質権者の承諾を得なかつたものもございますし、それから質権者や所有者の承諾は得たけれども、依然残つておる、こういうものと大体三通りあるわけであります。 —————————————
○夏堀委員長 それでは旧軍港市転換法による転換地域の再接收反対に関する請願を議題といたしまして、質疑を続行いたします。
○佐久間委員 ただいま議題となつた旧軍港市転換法による転換地域の再接收反対に関する請願につきましては、紹介議員より紹介説明を聽取いたし、政府当局の意見も聽取いたし、質疑も盡きたと思われまするので、この際本請願については採択の上内閣に送付すべきものと決定せられんことを望みます。
○夏堀委員長 ただいまも佐久間君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○夏堀委員長 御異議がないようでありますから、本請願は採択の上内閣に送付すべきものと議決することに決しました。 本日はこれをもつて散会いたします。 午後三時十分散会