大蔵委員会 第7号
- 発言数
- 184 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/10/30
会議録
○西村(直)委員長代理 これより会議を開きます。 その前にちよつと御報告いたしておきますが、大蔵大臣は十一時過ぎにこちらへ参りますから……。 議案の審査に入ります前に御報告申し上げます。去る二十七日の委員会におきまして、在外公館等借入金の返済の実施に関する法律案についての参考人の選定等につきまして、委員長に御一任願つておきましたわけでございますが、その決定を見ましたので、その氏名等をここに御報告申し上げます。東京大連会会長山田浩通君、元滿鉄副総裁、元全滿居留民会会長平島敏夫君、元北京総領事華山親義君、元上海居留民団民会議員宮沢綱三君、元京城電気株式会社社長、元京城日本人世話会長穗積眞六郎君、在外公館貸付会返還促進連合会委員長中村猪之助君、在外公館等借入金評価審議会委員岡崎嘉平太君、以上であります。 次に右参考人につきましては、来る十一月一日開会の大蔵委員会の海外同胞引揚に関する特別委員会連合審査会におきまして、その意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西村(直)委員長代理 御異議なしと認めまして、さよう決定いたしました。 —————————————
○西村(直)委員長代理 次に連合国財産補償法案、所得税法の臨時特例に関する法律案、財産税法の一部を改正する法律案、及び法人税法の一部を改正する法律案の四法律案を一括議題といたしまして、前会に引続き質疑を継続いたします。三宅委員。
○三宅(則)委員 私はただいま大蔵大臣御出席でありましたが、予算委員会に出席された関係上、平田主税局長並びに高橋国税庁長官にお伺いいたしたいと思うのでございます。昨日も高橋長官が来られたわけでありますが、局長会議があるというわけで、本日に延びたわけでありますが、御出席でありましようか。——それでは事務当局からさつそく催促していただきたい。 大臣から伺うのが正当であろうと思いますが、局長も来ておられまするから一応お伺いをいたします。この二十六年度租税収入を見ますると、もちろんインフレの増進その他特需景気等もありました関係でありましようが、源泉徴収におきまして非常にふえているわけであります。これは毎年源泉はふえるということを言つておられたのでありますが、予算編成当時と比べまして、六百億も増徴になつておるように考えておるのでありますが、それはやはり給料が上つたという意味合いでありましようか。景気がよくなつたという意味合いでありましようか。どういうふうに局長はお考えになつておるのでありましようか。この際御答弁をいただきたいと思います。
○平田政府委員 三宅さんは増徴とおつしやつたのでありますが、実は増収ということだと思います。お話の通り昨年の予算を見積りました当時から比べまして、給与の水準が少し上つて参りましたので、その結果増収になつておる次第でございます。ちよつとその数字を若干御説明申し上げますが、本年の当初予算を作成いたしました当時は、昨年の十月ごろの水準を大体もとにいたしまして、それに若干の予測を立てて計算をいたしたのでありますが、その当時は昭和二十五年度に比べまして、二十六年度つまり本年慶は給与の水準が五・五%上るというふうに予想いたしていたのでございますが、最近の実績からいたしまして、それが一九・九%上つておる。約三割ほど上つておる。それから例の雇用でございますが、雇用も前回は二・五%程度ふえると見ておりましたが、その後の経済の活況で五・七%上つた。合せまして給與所得が最初は八・二%の増を見込んでいたのにすぎなかつたのでありますが、今回は三六・七%の増を見込むことができた。それによりまして、御承知の通り源泉課税でございますので、ただちに増収になつて実は現われて来た次第でございます。今回の増収は主としてそれでございます。もう一つは、官公吏につきまして給与ベースの改訂がございまして、千五百円ほどの増額を行うことになりましたので、それによる増収もちろん見込んでおる次第であります。 〔西村(直)委員長代理退席、委員 長着席〕
○三宅(則)委員 ただいまの御説明によりまして、給与ベースの改訂、あるいは雇用のふえたということによりましての増収は認めますが、申告納税の方におきまして割合に減収になつております。これは景気が悪いという意味合いでしようか。それとも納税者の方で幾らか遠慮して出さぬというわけでしようか。この辺の見通しにつきまして、局長から露骨にお話願いたいと思います。
○平田政府委員 申告所得税の納税者につきましても、その所得は、最初私どもが当初予算を見積りました当時よりも、今回は上つておると見ております。と申しますのは、生産もふえておりますし、物価も当時に比べますと高くなつておりますので、所得は最初一割二分二厘の増を見ていたのでありますが、今回は三制八分三厘の増加を前年に比べて見ることができるということでございます。ただ減収を生じました大きな理由は、実は前回は二十四年分の決定実績しか明らかでございませんでしたので、二十四年度分の決定実績をもとにいたして二十五年度を見積り、さらにそれをもとにいたしまして三十六年度を予定いたしたのであります。ところで今回は二十五年分の課税の実績が明らかになつたのでございまして、その実績が、実は私ども最初見積りましたのに対しまして、大分開きが出て来た。当初の予算におきましては、二十五年度の決定実績が千九十六億円程度になるだろうと見ておりましたのが、七百七十七億円程度の決定ということに相なつたのでございます。これは御承知の通り、昨年度から特に納税者の申告を尊重して行くというような建前を堅持いたしましたのと、一般的に調査等が十分に手がまわらなかつた等の事情もありまして、若干低目な実績になつた。これが今回所得がさらにふえているにかかわらず、若干の減を見込まざるを得なかつた事情であると考えております。
○三宅(則)委員 今の御説明でありますが、私どもはむしろ申告納税に対しましても、過去におきましてはたびたび更生決定をいたしておりました関係上、申告納税がふえておつたのでありますが、近ごろ更生決定が減じましたから、こういうふうに少なくなつたじやないかということを憂えるのですが、その辺の事情につきましては、局長はどういうふうに考えておりますか、承りたいと存じます。
○平田政府委員 今申し上げました通りでございまして、よく調査をしまして、自信のあるところで更生決定をするという方針で参りまして、昨年大分一生懸命やつたわけでございますが、なかなか十分行き届かないところもありまして、若干低くなつておる。それからどういたしましても、できる限り申告を重んずるといいますか、申告によつてやつて行こうという考え方で参つたのでございますが、その結果、課税の充実という点から行きますと、昨年は私率直に申し上げまして若干低自にできておるのではないか。従いまして本年度といたしましては、最近すでに各税務署も一生懸命になりまして、各納税者の実額調査を徹底させて、実際の所得を的確につかまえるをいうことに、目下非常な努力をいたしておるような次第でございますから、本年度はその辺は相当改善になるものと、期待いたしておる次第でございます。
○三宅(則)委員 しつこいようですが、もう一つ希望かたがた申し上げます。もし主税局長が御答弁できないということであれば、国税庁長官から御答弁になつてもけつこうです。 私どもは、納税申岩、予定申告につきましては、相当な自覚を持つてやつているわけです。ところが税務官吏の方に、申告はするけれども、税金はあとでよろしい、こういう信念を持つているような人もあるわけです。われわれは申告と納税は少くとも同時であるという線を、堅持いたしたいという意見であるのでありますが、税務官吏の方に、一応出しておきさえすれば、あとでよろしゆうございますというような、緩漫な態度に出る者があるわけでありまして、むしろ私どもは、納税思想を涵養する意味合いからいたしましては、申告即納税という線を堅持することが、税務行政の円滑のために最も必要であると思うのであります。これがだんだん延びますると、忘れましたり、あるいはほかの事故ができて参りましたりして、納税が遅れるということになると思いますから、この点はもつと活発に納税者の自覚を促すと同時に、また官吏の方にもそういう心構えをもつてやつていただきたいと思うのです。たとえて申しますと、納税者の方は毎回言う通りお得意様でありますから、よく了承して納めるようにしなければならぬのでありますから、申告と同時に納めていただくという線を堅持されたいと思いまするが、これに対しまして主税局長はどういうふうに考えておりまするか、承りたいと存じます。
○平田政府委員 御意見ごもつともでありまして、私どもも単に申告をするというだけで、正しい納税者の義務が果されたとは考えません。やはり正しい申告をしていただくと同時に、その税額は法律で定めましたそれぞれの納期に納めるということでなければ、正しい行政はうまく行かぬのじやないかというふうに考えております。申告だけしておけということを言つておるという話もございますが、それ自体は悪いとは申し上げませんが、不十分であるという感じを持つております。ただ申告も悪い、納税も悪いというのは最も遺憾と思いますが、申告をしていただきまして、その税額をできるだけ納期までに納めるということを、法律としても建前にしているということは、お話の通りでございます。
○三宅(則)委員 それから今度法人のことでございます。これは法人税の税率の引上げ等もありまする関係上もちろんであると思いますが、当初の予定額より今度は倍以上も上つておるというように考えるのでありますが、これはあまりに当初の見積りが低過ぎたのじやないかという観点もあるわけです。あなたも大蔵大臣を助けまして、予算をつくるときには数字を出されるだろうと思いますが、あまりにも違い過ぎると思うのです。主税局長はどう考えておりますか、承りたい。
○平田政府委員 これはまつたくお話の通り、大分違い過ぎておるのでありますが、率直に申し上げまして、動乱以後の法人企業の情勢は顕著に急速な改善がはかられておる。それは先般も申し上げたかと思いますが、御承知の通り新鮮動乱前を一〇〇といたしますと、鉱工業の生産は今年の七、八月ごろには大体五〇%ふえております。それから卸売物価が約五制も増加しました。賃金は先ほど申しましたように約二割強ふえておりますが、企業の利潤は一年間で急速に増加いたしております。その結果法人税の非常な増収になつたわけでございまして、今年の三月の決、算を見て、実は私どもも驚いたほど会社の状況がよくなつております。その結果がこのような数字になつて現われたと考えておるのでございまして、その内容は先般も若干御説明申し上げましたが、さらに資料を整理しましてお手元に差上げたいと思つております。これは法人企業がこの一年間で非常に改善がはかられつつあるということの証左であると思います。
○三宅(則)委員 国税庁長官がおいでになりましたから、長官に数点お伺いいたします。これは最も平易なことでありまするから、露骨にお話願いたいと思います。 今までの国税庁の方針といたしまして、税務官吏の方も素質が悪かつた、あるいは弱年にして経験が少かつたという意味合いにおきまして、元は三百万円以下のものは税務署、それ以上は国税局、こういう調査方針を法人等に対してはとつておられたのですが、これを下げられまして、二百万円以下は税務署、それ以上は国税局ということで法人等に対して調査されるということであります。私どもの観点からいたしますと、二百万円という線は昔の一万か二万で、ほんとうに小さい零細企業です。こういう会社のみを税務署が取扱つておつて、それ以上は全部国税局の方でおやりになるわけでありますが、私どもは、今の観点からいたしますと、あなたの御努力によりまして、相当税務署の方も整備せられました関係上、もう少しく調査範囲を税務署の方にも広めて、国税局の方はその程度を高めた方がよろしかろう。たとえて申しますと、五千万円以上は国税庁、それ以下は税務署、地方におきましては三千万円以上は局、それ以下は税務署というくらいに大幅に引上げた方が、むしろ円滑に行くのじやないかと思いますが、国税庁長官はどういう考えを持つておりますか。税務製を廃止して国税局のみにしてやるというような意味合いでしようか。その辺のお考えを承りたいと存ずるのでございます。
○高橋政府委員 調査課ができました当初、資本金三百万円以上の法人につきましては、これを調査課所管にいたしたのでございますが、その後いろいり検討してみますと、やはりどつちかと申しますと、大きい方の法人につきましては専門的な、またよく熟練した職員によつて調査する方が、適正を得られるという観点からいたしまして、これを国税局の調査課の所管といたしたのであります。なおいま一つは、調査課の所管のものにつきましては、必ず全部を調査員が調査するという建前でいたしたのでありますが、やはり三百万円程度よりもさらに一百万円程度まで下げて、熟練者によつて調査する範囲を広めた方が、実際適正を得るゆえんであるというふうに考えまして、昨年度においてはこの程度を引下げたのであります。しかしながら今度税務の能率化と申しますか、今後行政整理等によつて職員が減ります際において、さらにこの問題は検討してみたいと考えております。将来の問題としては、今年度内においてはこの建前を堅持して行きたいと考えますが、来年度以降人員が減少したあかつきにおきましては、やはりある程度税務署に返しまして、税務署の所管とすることが適当であろうというふうに考えております。ただその程度につきまして、ただいまお話のように五千万円以上がいいか、あるいは元の制度の三百万円程度がいいか、あるいは五百万円程度がいいかという点につきましては十分検討いたしまして、国税局でやる方がより能率が上るゆえんであると考えられるものについての程度を、きめたいと考えておる次第であります。
○三宅(則)委員 今のお話によりますと、だんだん税務署も整備されましたから、調査課の所管のものでも税務署に移す、こういう意向のように承つたのでありますが、元二十万円以下の会社は同族会社と言いまして、大体個人企業とひとしいのであります。二十万円を物価指数にしてみますと、おそらく四、五千万円に行つておるのじやないかと思うのです。そういう観点からいたしまして、私の希望は、東京のような大都会におきましては五千万円という線を引いて、それ以上のものは国税局、以下のものは税務署でいい、こういうふうに思つている。一応このことにつきましては将来のことになりますが、希望といたしましては、税務署が、くずばかりと言つては失礼でありますが、小さいやつばかりやつているということではあまりおもしろくない、こう考えるのでありますから、国税庁長官ともあろう人は、自分の子供であるところの税務署に対しまして、もう少し同情的な認識を持つてやることを特に希望いたしておきます。 次にこういう実例がございます。長官は雲の上の人で知らぬかもしれませんが、下のことを申し上げますからお聞取り願いたい。小さい事件でありますが、税務署の署員、たしか二十六、七歳だと思いますが、本郷税務署の福永という事務官、私はこれを相手にして闘うわけではないのでありますが、実情を聞いてみますと、突然きよう出張して行くという電話をかけて来た。きようといつても、会社の都合もあるし、税務代理士の都合もあるから二、三日待つてもらいたいというのに乗り込んで来た。私どもは、納税者は敵じやないと思うのです。やはりお得意様であり、あるいは取引先であるという観点を持つておりますから、突然行つては迷惑になる場合もありましようし、また会社の都合もあるから、多少打合せて、たとえば三日なら三日前に打合せをして行くということが必要でありますにもかかわらず、乗り込んで来た。私は、そういう無謀なことはで、きないという観点からいたしまして、都合のあることでもあるから、もう三、四日ばかり待つてくれというのに乗り込んで来た。それで高橋国税庁長官はそういうふうに監督しているかということを承つたのでありますが、それはあまりにも行き過ぎであるということでありまして理解できましたが、今後調査、査察の方は単刀直入に御主張になる場合もあるかもしれませんが、しかし普通の調査の場合には、一応会社の方にも連絡をつけて行くという線を堅持することこそ、納税者の了解を得る早道であると思いますが、これに対してあなたの今の御感想なり御所見なり、今後の御方針なりを承りたいと存じます。
○高橋政府委員 御指摘の通り、私どもは、納税者は敵じやございませんで、私どもの協力者でありますので、また相互に信頼をし合うということが、納税成績を上げる上において最も必要であると考えまして、発足以来その方針のもとに、税務官吏を指導しておる次第でありますので、できるだけ親切に、またよく御理解ができるように、便宜をはかりながらやつて行くという考えで行きたいと思つている次第であります。
○三宅(則)委員 今のお話はまことに了承いたしまするから、その点庁報なりあるいは通達なりにおきまして、下級官庁と申しますか、末端の第一線にまで徹底ずるようにぜひお願いします。 次に、現在東京都内等におきましては法人会、青色申告会というものができ上つておりまして、特に東京国税局では清野部長が中心になつてやつております。これもけつこうであると思いますが、ややもいたしますると法人会の幹部が、昔の所得税調査員当時にありましたようなボス的存在になりはしないか、こういうおそれがあります。たとえて申しますと、青色申告会の幹部あるいは法人会の幹部等が、常に税務署長やあるいは法人係長のところに蟠居して、おれがこういうふうに直してやるのだというような顔をいたしておりまする姿を見るおそれがありますので、そういうことは昔の町のボス調査員制度と同じようなふうに思われはしないかと思うのですが、これに対して監督上、法人会は法制上でき上つているものでありますか、任意ででき上つているものでありますか。私はむしろ任意に育成すべきものであろうと思いますが、これに対してあなたはどういうふうに考えておりますか、承りたいと存じます。
○高橋政府委員 法人税法とか所得税法、ことに青色申告の帳簿の指導等に関しましては、それらの方々が一緒にお集まりになる機会を持つていただくということが税務官庁としては非常に便宜なことが多いのであります。特政府として法人会なり青色申告会をぜひつくるようにという趣旨の指導はいたしておりませんが、もちろんお話の通り任意発生的なものであり、またそういうふうな強制がましいことは絶対にいたさないように、注意をいたしておるのでありますが、先ほどもお話がございましたように、税法をいろいろ御説明申し上げたり、また御承知の通り申告時期が各月法人によつて違うのでありますが、それらの申告時期について御指導を申し上げたり何かいたしますのに、法人会というようなものがありますると非常に便利なのでございます。またいろいろなパンフレツトなりその他のものを配付申し上げるのにも、そういうふうな機関があれば非常に都合がよいという面がございます。できました場合におきましては、それらの機関を利用さしていただくということはいたしておるのであります。しかしながら、御指摘のように、これがボス化するというふうな危険がないとも限りませんので、それらの点は特に注意いたしまして、法人会のメンバーになるならぬということによつて、いやしくも差別的な取扱いがあるとか、または官庁の税務署の背景のもとに、何らかの動きがあるというふうなことは厳に避けしめるように、繰返し注意をいたしておる次第であります。
○三宅(則)委員 私はこの際一言お伺いいたしたいことがあります。露骨な話でありますが、実はやみ酒、密造酒の摘発あるいは防止等々につきましては、川野前大蔵委員長も御存じでありますが、当然これは警察官吏その他官公庁の協力を得なければならぬと考えております。そのために幾らかこの防止に対する費用を増されたことは賛成であります。承るところによりますると、このごろは官庁におきまして——たとえば税務署におきまして特に特配と申しますか、特別な酒を禁ぜられたそうであります。しかるに、産業用のもの、あるいは供出用の奨励の酒は今税務署にあると思いますが、この密造防止に協力を得ましたときには、金も必要でありましようが、やはり酒をもつて慰労するということは当然であると思う。しかるにそういうような特別な奨励用の酒まで、お禁じになつたということを聞いておりまするが、密造酒の防止に対して協力した人に対しては、むしろこれは毒をもつて毒を制する酒をやらなければいかぬと思うのであります。そういう点についてどう考えておられますか。やはりやみ酒を防止するには、そうしたような協力者に対しましては、お礼の意味におきまして、慰安の意味におきまして、多少のお酒などは配給してやつて、慰労する必要があると思いますが、いかがでありましようか、承りたいと存じます。
○高橋政府委員 今年度当初官庁用の特配という制度を、制度としては存置しておるのでありますが、事実上これが配給を停止いたしまして、配給酒はただ農林関係の供出用でありますとか、または労務者に対する配給というものに限定いたしまして、その他の配給は停止いたした次第であります。しかして密造取締り等の際において、従来そういうふうな配給酒が相当大きな力になつておつたということは、率直に認めざるを得ないと考えるのでありますが、官庁用の特配というものにつきましては、限度をきめることが非常に困難であります。全然禁止するか、またはある程度それを認めるか、その辺の区分が非常に困難でございます。ので、そういうふうな濫に流れると思われるような原因をなくすという意味において、年度の当初全部を禁止いたした次第でございます。
○三宅(則)委員 時間が参りましたし、また野党側諸君もおいでになられましたから簡単にお伺いいたします。 ただいまの国税庁長官のお話でありますが、これは川野前大蔵委員長も熱心に言われたことでありまして、川野前委員長からあとで手きびしい質問があろうかと考えておるのでありますが、やはり密造防止の協力者に対しましては、ある程度報いるということは当然であります。これは将来は全部自由販売になる関係もありましようが、本年度一ぱいぐらいは昔の制度を復活させておいた方がいい。密造防止にはそれが必要であると考えております。 次にもう一点伺つておきます。これは国税庁長官にはつきりお伺いいたしますが、こういう事例がありました。税務署におきまして、予定申告あるいは納税は、納税者の方でかつてに書いて出させるという線がありましたから、たとえば五万三千円を納税する場合におきまして、それを書いて出した。そのときに納税者の方も不注意でありましたが、使用人をやりましたところ、五万三千円の五を消して三千円を納めた。そして領収書をもらつてからあとで、かつてに五を入れた。納税者の方は、五万三千円納めておりましたから平気でありましたが、税務署の方からたびたび催促がある。一ぺんは默つておりましたが、にへんも三べんも来ますから、とんでもないことであるといつて税務署へ受取りを持つてかけ込んで行つて引合せてみると、向うの方は三千円になつており、こつちの方は五万三千円となつている。結局中に入りましたお使いの悪い事務員が使つたということになつたのでありますが、これは納税申告をする場合に、ことに税金の令書、もしくは自分がかつてに納めまするその書類には、一番初めに金とかという字を書いて、その上には何も書けないようにすることが必要であろうと思う。国税庁長官は、自分の部下に対しましても、納税額をはつきりさせるために、上の方には書込みができないように、金という字かあるいは¥という字を、必ず書かなければいかぬという線を堅持させた方が、適当であろうと思うのであります。こういうような場合は、納税者に対しましても実際お気の毒に存ずるのであります。事務員かあるいはお使いの者がごまかしたのだといつても、納税の義務を免れられるわけではありません。やはりあとから五万円を持つて行つて納めたわけでありますが、金とか¥という字を先に書くという習慣をつけることが、必要であろうと思うのであります。これに対する率直な御感想を承りたい。
○高橋政府委員 三宅さんも御承知の通り、税金のほとんど大部分は金融機関を通じて納税されておる状況であります。従つてただいまのお話は、それを税務署において収入する場合の不注意だと考えるのでありますが……。
○三宅(則)委員 今の国税庁長官のお話では、どうもおわかりになつていないようだから、もう一ぺんはつきり申し上げます。 最初五万三千円という金を、これだけ納めますと使いの事務員が社長に言つて、それを書いて持つて行く。ところがその事務員が、納める前にかつてにそれをもう一ぺん書きかえて、五を消して三千円だけ納めて来た。そうして、もらつた三千円の受取りの三の横に五を入れたから五万三千円とい)受取りができた。これは税務署の方で¥という字を書いておかないからそういうことになる。だから、¥とか金という字を最初に書いておいて、あとで書込みができないようにしておけばそういう間違いがなくなると思うのであります。これは納税者にも納税官吏にもあることだと思うから、念のために申し上げておくのですが、金をごまかすような悪い者をつくることは、よくないという意味合いで申し上げるのであります。それに対するあなたの御感想を承りたい。
○高橋政府委員 そういうふうな不正が間々あり得ることは御指摘の通りでありまするので、十分に研究いたししみたいと考えております。ただ御承知の通り、先ほどもお答えしましたが、税金のほとんど大部分が金融機関に払い込まれる、従つて領収書も金融機関がお出しをしておるのであります。しかしてこういう場合におきましては、一般の徴収慣例に従つて、多くの場合、金とか¥という字が入つていると考えるのであります。税務署の場合におきましては、これは十分に何らかの方途を講じて、注意させることにいたしたいと思つております。
○夏堀委員長 大蔵大臣がお見えになりましたから、これから質疑をお願いいたしますが、質疑は通告順によつてこれを許します。西村君。
○西村(直)委員 ただいま議題となつております連合国財産補償法案について、二点ほどお伺いいたします。 大臣にひとつお願いをしたいのであります。これは一会計年度支払い限度百億円ということにされております。損害全体は二百七十億くらいとたしか御説明になつております。これはもちろん財政状態なり、為替状態なりをお考えの上で、百億という決定をされたように想像はいたすのでありますが、その間の事情をひとつ御説明いただきたいのであります。なぜ百億円としなければならぬか。と申しますのは、平和条約の審議にあたりまして、実はこれは補償法案の限度において、不利益を与えないようにするという御説明がございましたが、これにつきましては、実は委員会におきまして論議がなかつたわけであります。従つてこれは、この法案がなぜ百億円を限度として、一応想定されたかということを御説明願つた方がいい、こういう考えであります。
○池田国務大臣 大体連合国人の戦争によりまする被害を補償いたしますにつきまして、どの程度補償すべき金額があるかということを検討してみたのであります。大体三百億円程度だという見当をつけました。これは賠償の性質から申しまして、そう長引かせるわけにも行きませんので、まあ年に百億円程度払うことにしたらどうかというので、きめたわけでございます。総体の額から見まして、この程度のものはやつて行ける、越して行けるだろうという見当をつけたわけでございます。
○西村(直)委員 それはわかるのですが、ただ大臣は今百億円くらいならと言われたが、その百億という目安をお立てになつたのは、二年間なり、三年間で返すという一つの財政計画上の観点にお立ちになつたのか。それともあるいはこの条約案を審議する過程において、これはこの提出理由書にも、条約案の中に織り込むべきような法案を別の国内法に譲つた、こう言われておりますくらいでありますから、何かこの条約を結ぶにあたつて、相手国との折衝によつて行くというものを向うからまかされて来たのか。それともこちらの財政計画の観点からお立てになつたか。その点をひとつ聞きたいののであります。
○池田国務大臣 私の財政計画でございますが、なるべく早くお返ししたいという気持がございましたが、そう一度にも払えませんし、三百億円程度なら三年くらいで払うのが適当じやないか、こう考えてきめたのであります。五年にするか二年にするかという問題はありまするが、腰だめと言つてはあれでございますが、百億円ぐらいなら払い得る。そうして向うとも折衝いたしてきめたわけでございます。
○西村(直)委員 それから第二点は、やはりこれも国民感情の立場から、おそらく今後これが実行になると多少問題になりはせぬかと思いますが、戦闘行為による損害を補償するという観点がありますが、これに対しましては、あるいはイタリアの平和条約等の何か先例等を勘案されてできたものであるか。それともいわゆる和解と信頼の条約という建前からこれができたのであるか。いわゆる戦闘行為による損害まで補償するという観点についてであります。
○池田国務大臣 イタリア条約も大体われわれ検討いたしまして、イタリア条約よりも甘いところもございます。イタリア条約の分は、あれは損害額の幾ら幾らと、こうなつておつたと思うのです。しかしイタリアの方は、損害額をきめます場合に、原因につきまして非常に甘いところがございました。われわれは原案しぼりまして、ほんとうに戦闘行為によつたものに限定するような建前をとりました。そうして払うべきものは全額払う、こういうことでイタリアの分とはちよつと違つていると思います。
○西村(直)委員 この戦闘行為に基因する損害というのに対しまして、いま少し国民の納得の行くような御説明がいただけぬものでしようか。戦闘行為から来るものは、これはやはり日本側も受けておる。もちろん在外資産も受けておる。その場合に和解と信頼という建前からいつて、何かこれはよけいな負担を国民が背負わされておるという、常識的な判断が出て来はせぬか。この点なんでございますが……。
○内田(常)政府委員 大蔵大臣の御答弁を補足いたしまして、御説明申し上げます。大臣からも申されましたように、連合国財産の補償ということは、日本の今回の平和条約及びこれに基く法律案が初めてではないことは、御承知の通り・イタリア、ブルガリア、ルーマニア、また古くはヴニルサイユ条約等に規定があるのでございますが、大体損害の原因として、主としてあげられておるものは、いずれも敵、味方の戦闘行為がおもになつております。そこでわが平和条約におきましても、連合国財産の補償を取上げます以上は、この連合国側の戦闘行為による損害というものを、補償原因から除くことはほとんど意味をなさない。これは平和条約の他の条項におきましても、たとえば最小限度ではあるが、賠償の責任を負いますとか、あるいはまた連合国におけるわが国の財産の留置、接収等を甘受するとか、いかに和解と信頼の条約でありましても、敗戦国として最小限度において負うべきものは、わが国としては背負つておる。またそれを皆負うことによつて、今後国際場裡に日本が乗り出します際に、戦争の相手国等町との関係においても、調整の余地が見出されるわけでございまして、さような意味におきましては、わが条約におきましても、また法律におきましても潔く認めたところでございます。そのかわり、大臣からも御説明のあります通り、他の条約には見られなかつた補償額を限定するところの規定を置いてございます。たとえば、各国の条約におきましては、主権の喪失地域における連合国の財産についての損害の補償をすることになつておりますが、わが国においては、主権が回復された地域にある連合国財産についてのみ、補償の責任を背負うとか、またこの補償をいたしますにつきましても、日本がみずから損害の額を計算して補償する建前をとらないで、一定の期限内に連合国人で補償を受ける資格あるものの請求をまつて、彼らの立証に基いて初めて損害補償を実行するというようなこと、また戦闘行為のことは敵、味方両方の原因によるものでございますが、その他広く戦争の結果に基く損害につきましても、第四条に一号から五号まで、当然これは負わなければ意味をなさないという最小限度のものだけを載せまして、その他のものにつきましては、あえて広い意味の責任を負わない、こういう趣旨をとつてございます。いろいろあわせまして、首尾一貫しておるものと考えまして、さような打合せに応じた次第でございます。
○夏堀委員長 川野君。
○川野委員 三、四点お尋ねを申し上げてみたいと思います。一昨日横浜に上陸されましたドツジ氏の談話が、先日新聞に載つておつたわけでございます。その談話によりますと、今日の日本としては減税の時期ではない、世界各国の情勢に相反する、こういうような意味の談話が発表されたようであります。しかしここに減税案が出て、おりまして、今審議中でありますが、常にドツジ氏の支持を第一モツトーとして、予算編成に当つておられまする大蔵大臣としてのお考えを承つてみたいと存じます。
○池田国務大臣 私は日本の現情から申しまして、今回御審議を願つておる程度の減税はぜひ必要だ、こう考えまして司令部の承認を得て御審議を願つておるわけであります。予算委員会でも、この補正予算に変更が加わるかという御質問がございましたが、変更はいたしません。来年度におきましても、この程度の減税はぜひやりたいという考えで進んでおるのであります。
○川野委員 大臣の心強い御答弁を得まして、私非常に感謝申し上げる次第であります。しかし今回の減税等を野党の批評をもつて市しますならば、見積り過大と申しますか、収入を過大に見積りますので、結局は真の減税ではない、増税に相なる、こういうような批評をよく私は聞くのであります。そこで実は私なども地方税務署に参りましていろいろとお話を聞き、さらに納税者のお話も聞くのであります。これらの話を総合いたしますと、実は大蔵大臣並びに国税庁等の考えは、非常に減税に相なるようでありまするが、実際第一線に働く者の考え違いと申しまするか、収入を過大に見積りまする関係上、相当過酷な増税、実際問題として増税ということにも、実は相なつておる場面が多いわけであります。従いまして昭和二十六年度におきましても、一千数百億の増収、こういうことに相なるのでございまするが実際面としては、ただいま申しましたように過大に収入を見積りまして、そうして過酷に徴税いたしておる、こういうような面も私は実際あるのではなかろうか、こう考えるのでございまするが、これに対する大臣の感想を承つてみたいと考えるのであります。
○池田国務大臣 私は租税収入を過大に見積つたことはないのであります。私が主税局長時代におきましても、自然減収になつたことはございません。大臣になり観してから予算を六回つくりましたが、自然減収を出したことはないので、常に見積り過大であると国会では野党の方から言われるのでありますが、これは事実が証明する。決して大蔵大臣は見積り過大のようなことはいたしておりません。従いまして、今回の増収の実績から当然来ることでございまして、法人税にいたしましても、あるいは源泉課税の所得税にいたしましても、毎月々々相当の収入が出ておるのであります。お話になりました申告納税、税務署で更正決定をいたします申告納税につきましては、今回でも予算に対しまして五十二億円の減収を認めておるのであります。昭和二十四年度の当初予算につきましては、申告納税は千九百億円、今度の予算では千億円ぐらいにしておる。法人税は何倍というふうになりましたが、事業所得税等の申告納税は半分になつた、こういうふうな状況で、経済の変動はありますものの、いかにそういう点に注意を配つて歳入を見込んでいるかということは、おわかりいただけると思うのであります。従いまして税務署におきましても、税務職員の想像で申告を更正決定するようなことはやめろと、こういうので、昨年来そういうことをきつく指示いたしましたから、一昨年は四百万件あつた更正決定が、昨年度は十一万件くらいに減つております。原則として調査しなければ更正決定をしては相ならぬ、こういうことにしております。それは数多い中でございまするから、無理な税金をかけた場合が全然ないとは申しませんけれども、全体といたしましては、最近の税務行政は、どちらかといえば、少しゆる過ぎるのではないかというふうなお言葉も、いただくくらいでございます。私は無理な税金は一切とつてはいかぬということでやつているので、ここ一年ばかりの税務行政は、まあまあというところではないかと考えております。
○川野委員 なるほど、ただいま大蔵大臣が御答弁になりましたように、数字の面ではそう参るのであります。しかし実際の上で考えてみますと、今まで法人税の方が非常に税金が安かつた。申告所得の方が非常に高かつた。こういうようなことで、個人が法人組織にほとんど切りかえて参つているわけであります。そういうような関係上、私は法人税が非常に増収になつて、個人税の方が総額が少くなるのではなかろうか、こういうふうにも私は考えているわけであります。しかし大蔵大臣と、これ以上この点については議論を申しません。 次に今行政機構の改革の関係上、地方の国税局を廃される、こういうような風評があるわけであります。さらに国税局と財務局との合併という問題も、実はあるかのようなことを聞くのでございますが、これについて大臣のお考えを承つてみたいと存じます。
○池田国務大臣 行政機構全体の問題としては、政府は今せつかく検討中でございます。ただ私のただいまのところの考え方では、国税局をやめるという気持は持つておりません。財務局と国税局と一緒にするかという問題は、これは前から考えられている問題でございますが、私はまだ結論には達して、いないのでございます。国税局をやめないということは、ただいまはそういう方針でおります。
○川野委員 さきに高橋国税庁長官であつたと思いますが、非常に国税が減つて参つた、そこで税務署の合併を考慮している、こういうようなお話を承つたことがあるのでありまするが、税務署の合併という問題について、大臣のお考えを承つてみたいと存じます。
○池田国務大臣 仕事が非常に減つて来た場合には役所を減すのが、これは当然のことでございます。税務署におきましても、他の税務署と一緒になつて、もう支障がないという結論に達しましたならば、行政費の節約の意味から申しましても、減らして行きたいと考えております。
○川野委員 それではさらに次の問題についてお尋ねしてみたいと存じます。実は地方税法の改正で、酒、タバコの消費税が新設されることに相なつて参るわけであります。そういたしますと、酒消費税あるいはタバコ消費税のこの税額というものは、酒、タバコの値上げによつてお埋めになるお考えであるか、あるいはまた酒税等の引下げによつて、それだけ消費税を酒税の方からカバーする、こういうふうにおやりになるお考えであるか、承つてみたいと存じます。
○池田国務大臣 地方税制の改革につきましては、税制懇談会で御審議になつておるようであります。その際に、酒、タバコの収入の一部を地方に還付するという考え方がおありのようであります。しかしそれは国でとりました酒税あるいは專売益金を、現地に還付するというのでございまして、新たに酒、タバコに対しまして消費税をかけるという観念ではないと思います。従いまして、酒、タバコの収入を現地に還付すれば、それだけ平衡交付金が減つて来る、こういうことに相なると思うのであります。
○川野委員 ちよつと私の質問の点がまずかつたと思いますが、実は消費税がかかりますと、それだけ酒税が下る、こういうことになるわけでありますか。この点をお尋ねしてみたいと存じます。
○池田国務大臣 酒やタバコに消費税をかけるのではないのであります。政府が今の税でとつた分を現地に還付する。どれだけ還付するかというのは、これは地方財政の状況、国の財政の状況によつてきまるので、新たに税をかけるのではたく、政府がとつたものを現地に還付する、こういう考え方でございます。
○川野委員 よく承知いたしました。次に爽は酒造米の問題をお尋ねしてみだいと存じまするが、昭和三十六年度におきまして、一千数百億の酒税をお見込みになつているので、従つてそれに対する六十万石の米の配給があつたのであります。昭和二十七酒造年度におきましてのこの点についての大臣のお考えを、もし今日わかつているならば承つてみたいと存じます。
○池田国務大臣 税収の確保の上から申しまして、酒造米はふやしたいと考えております。が、何分にもわが国の内地米の需要は、相当熾烈でございますので、ただいま幾らふやすという額はぎまつておりませんが、私といたしましては税収確保の意味から、できるだけふやしたいということで、農林当局に話を持ち込んでおります。まだ結論に至つておりません。
○川野委員 物価の値上りによりまして、当然酒価というものは上つて参ると存じます。しかしこれ以上酒価を上げるということは、密造酒をふやすということになりますので、できるならば酒価を上げずして、そうしてこの物価の値上りのカバーをしてもらいたい。これはどうしても減収という問題が起ると存じますので、どうかひとつそういう面をお考えになりまして、酒造米の配給という問題について御考慮を願つておきたいのであります。 さらに最後に一点お尋ね申し上げてみたいと思います。さきにわが国においでになりましたシヤウプ氏が、シヤウプ勧告書なるものを発表されたのでありますが、その勧告書によりますると、できるだけ間接税を廃止して直接税にする、こういう勧告書であつたかのように私記憶いたすのでございまするが、この点についての大臣の構想をお尋ねしてみたいと存じます。
○池田国務大臣 できるだけ実情に沿うように、また密造なんかもないはうに、お話の線に沿つて行きたいと思いまするが、原料米が上るからといつて酒価を維持するために酒税の引下げという考えは、ただいまのところ持つておりません。 次にシヤウプ博士の勧告には、直接税中心主義で行くべきだという勧告があつたが、大蔵大臣はどう考えるか。これは理論的にいえば、直接税中心の税制の方がいいと思います。しかしこれはやはり国情に沿わなければならぬのでございまして、私はただいまのところは高い所得税を下げて間接税はそのまますえ置く、こういう方が今の実情に沿つておるのではないかと考えます。
○川野委員 二十七年度におきまして物品税等をお下げになる、こういう御意思はありませんか。この点を最後に承つて私の質問を終ります。
○池田国務大臣 ただいま申し上げましたような線に沿つて行く考えでございますので、物品税を下げるということはいたしません。いたさないつもりでございます。情勢の変化によつてはまたかわるかもしれませんが、ただいまのところは間接税の減税ということは考えていない。逆に砂糖につきましては、ある程度増税をしなければならぬという気持を持つております。
○夏堀委員長 深澤君。
○深澤委員 ドツジ氏が参りまして声明が発表されまして、政府の発表せられておる見解と幾分食い違いがあるようでありまするが、ドツジ氏の声明が日本政府をどの程度拘束するものであるか。従来はドツジ氏の意見というものは、非常に重く政府を動かしたように聞いておるのでありますが、調印後においては、ドツジ氏の声明がどの程度日本政府の政策を制約するものであるか。この点について大臣の見解を承りたいと思います。
○池田国務大臣 法規的には調印いたしましても、占領治下でございます。今までとかわりはございません。
○深澤委員 減税の問題については、大臣は方針通りやつて行くのだというぐあいに先ほど申されたので、この点はいいのでありますが、米の統制撤廃の問題もドツジ氏が指摘しているのであります。また本日開かれる供出割当の知事会議は延期されたというようなことも、おそらくドツジ氏の声明に関連しているものではないかと思うのであります。米の統制撤廃は、政府の財政的な見地からも非常に考慮されたので、池田大蔵大臣も相当強硬に主張されたとわれわれは聞いておるのでありますが、この米の統制撤廃の方針について、依然としてかわりがないか。その点をひとつ伺いたい。
○池田国務大臣 共産党の方々は、私が減税だと言つても減税でないと言つておられる。あるいはドツジ氏の真意はまだ十分に確かめておりませんが、あなた方の御意見と一致しておるかもわかりません。増税だということになる。私は減税だと言つております。そうしてこれを来年度も続けて行きたいという方針にかわりはございません。米の統制撤廃の問題につきましても、私はドツジ氏が言われた会談を聞いておりましたが、こういう問題につきましては、いろいろな事情をまだ検討していないとい、うことが前提であります。この問題につきましては、所管ではございませんが、ゆつくり話をしてみたいと思います。米麦の統制撤廃につきましては、私は今までと何らかわつておりません。方法その他につきましては、今政府は検討いたしておるのであります。
○深澤委員 この際承つておきたいのでありますが、終戦以来の援助資金が八千億程度債務として確認されたのでありますが、これに対する返済の方法処置を、どういうぐあいに考えられておるか。その点をひとつ……。
○池田国務大臣 まだ申し上げるだけの段階に至つておりません。
○深澤委員 それから日本の財界は今原料高で非常に困つております。国際価格よりも非常に上まわつておるという問題があるのであります。そこで日本の財界が期待を持つのは、政府の言つておる東南アジア開発の問題であります。これが日本の輸出と大きな関係を持つのでありますが、最近聞くところによりますれば、イギリスはスターリング地域に対して、日本への輸出を抑制するという措置をとつておるように、われわれは聞いておるのであります。そういたしますと、東南アジアの開発という問題は、非常に前途に期待がかけられないのではないかというふうに考えるのでありますが、この東南アジア開発に関する池田さんに見解をひとつ承りたいのであります。
○池田国務大臣 東南アジアを開発し、ともにともに栄えて行くということがわれわれの理想であるのであります。従いまして輸出銀行をつくつたり、あるいはその他のあらゆる方法を講じまして、開発資金の供給に当る考えであるのであります。話が出ますと、すぐそれが実現されるように考えやすいのでありますが、こういうことはなかなかやつかいな問題で、ことにまだ平和条約も批准されていない状態でございます。私は平和条約の批准後においては、こういう問題が直接具体的にどんどん進んで行くと思います。しかし今でも鉄鉱石その他につきまして、極力開発についての話合いを進めておる状態でございます。
○深澤委員 そういたしますと、日本経済は現実に、特に鉄鉱資源のごときは、非常に高物価のものを輸入しなければならないという状況に迫られて、東南アジア開発ができれば、この高物価の原材料をもつと安く買えるのだというような、すぐ間に合うような期待を持つておるようでありますが、ただいまの池田大蔵大臣の御説明によりますれば、やはり二年、三年の将来を待たなければ、実際に日本経済に役に立つ状態にならないのだという見解だと承知するのでありますが、そういうことでありますか。
○池田国務大臣 すぐに間に合うものもありますし、二、三年待たなければならないものもあります。
○深澤委員 それから税金の関係でありますが、ただいま池田さんは、共産党は政府の減税政策を増税であるというぐあいに言つておると言うのでありますが、この点についてひとつお伺いしたいのであります。 なるほど基礎控除を引上げ、並びに扶養控除を引上げるという問題については、一応それは税法上の減税であることは間違いないのであります。しかしながら御承知のごとく、朝鮮事変以来日本の物価は五〇%上つておるとドツジ氏も言われておる。従つてこれをカバーするだけの税制改革が行われなければ、事実上の減税にはならないのであります。こういう点でわれわれは事実上の減税ではない。実際納税者というものは、結局税金と生活とマッチしないという見解から主張しておるのであります。問題は国民生活が上昇しておるか、下つておるかというところに基準があつて、税金の負担が重いか、軽いかということが問題になるのであつて、単に税法上の減税だけでは、われわれは実質上の減税にたらないという主張をしておるのであります。従つて最近における税金関係を見ますと、中小企業関係のごときは二十三年、三十四年の一番賞最高の税金の当時よりも、なおかつその納税に困難をしているということが、具体的に申告納税の不振というような状態になつているところに、政府が言う減税は雄に形式上の減税である、実質上の減税になつていないということを、われわれは主張しているのであります。そこで私がお伺いしたいのは、この物価の値上りとマツチしないということころに、問題があるという見解を持つておるのでありますが、その点はどういうぐあいに考えておられますか。
○池田国務大臣 ドツジ氏が五割の物価が上つた、こういうお話でございますが、もつとその点ははつきりしてもらいたいと思います。あれは卸売物価が五割上つたので、消費者物価はそんなに上つておりません。 それから実質上の減税だとか、あるいは形式上の減税だとか言つておられまするが、そんな議論は、私は日本のここでちよいちよい聞くだけで、世界的には私が過去二年間やつたことは減税だといつておる。世界的の標準から言えば減税であります。しかしこれは自由国家の方でございますから、共産系の方は減税でないと言うかもしれません。私は減税だと確信しております。しこうして生活水準が下つたという標準は出ますが、私は朝鮮動乱前の状況からいたしまして、賃金の値上り、物価の値上り等を考え、しかも減税をいたしておりますので、朝鮮動乱勃発前の状態と比べまして、私は国民生活はそう悪くなつていないという確信を持つております。
○深澤委員 なるほど朝鮮事変によつて莫大なる利益を上げましたのは、特需関係に関連するところの大企業でありまして、これにむしろ逆行いたしまして、平和産業関係は非常な苦境に陥つておるということは、事実これは否定することができないのであります。従つて今般の税制改革につきまして、も、私はこの法人税七%の引上げという問題があるのでありますが、この法人と申しましても、先ほど川野委員からも申し上げましたように、非常に零細な法人があるのであります。この法人に対して値上げするということは私は非常に苛酷に考える。ところが、大企業の法人に対する引上げは七%どころでなくて、もつとこれは引上げてもいいのでありますが、法人税を一律一体に税率をきめて、段階がないということは、非常に私は不合理であると考えるのであります。この点は何らか大蔵当局は検討されたことがあるかどうか。その点をひとつお伺いしたいと思います。
○池田国務大臣 法人企業の実態並びに今の税率の点から申しますると、差等を設けるということはかなり困難な問題だと思います。税率が非常に高くなればそういうことも考えなければならぬと思います。アメリカにおきましても、所得の額によりまして税率に差等を設けております。日本におきましても、前に臨時利得税等のありましたときには、特例を設けた場合もあるのであります。そのころの税負担の状況と今と比べますと、法人はかなり安くなつておりますので、差等を設ける段階に至つてないという結論に到達いたしておるのであります。
○深澤委員 最近大蔵当局は預金に対する税務関係の調査について、非常にゆるやかな態度をとつているやにわれわれは聞いているのであります。これはシヤウプ勧告の趣旨から申しまして、非常に矛盾する態度ではないかというぐあいに考えるのでありますが、その点はいかがでありますか。
○池田国務大臣 税制というものはやはり経済全体とマツチして行く必要があるのであります。従いまして、日本の経済を安定発展さして行くためには、そこに税制につきましても、やはりある程度の変更を加えなければならぬのであります。シヤウプ博士の勧告をかえた場合は相当あります。これは実情に沿つた税制にして行かなければならぬと考えまして、預金につきましても、ある程度の税制を考慮いたしております。
○深澤委員 実情に応じて税制の改革をやつて行く、あるいはまた税制の方針をかえて行くということについては、異議ないのであります。そこでわれわれが問題にするのは、先ほど私が申し上げましたように、同じ法人といつても、中小企業の法人は現在非常に苦境にある。あるいは申告納税関係の中小企業関係は非常に苦境にある。これに対しては、私も昨日は隅田税務署の実情を見て参りましたが、軒並の差押えを断行している。しかもその税金を納めるためには、無尽会社から非常に高率な金を借りて払わなければならない実情にあるのであります。従つて大企業に対し、あるいはその他の預金等に対して、実情に即した方針をとられるならば、これらの中小企業関係に対しても、実情に即した徴税方針をわれわれは確立してもらいたいということを申し上げまして、私の質問を終ります。
○夏堀委員長 宮腰君。
○宮腰委員 先ほど各委員からも法人税の問題について質問があつたようでありますが、大臣は以前の委員会からも再三、再四今日資本蓄積を強行しなければ産業の発展ができない、こういう意味合いで、資本蓄積ということを中心に、経済問題を盛んに論議されて参つたのでありますが、今回の法人税の問題について、三十五から一躍四十二に引上げる、こういうことについては、各界の意見も非常にまちまちでありますが、大体は非常に不当である、ぜひこれは修正してもらえぬものかという陳情が、たくさん参つておるのであります。この前の委員会でも議題になつておりますが、この三十五をそのまますえ置きまして、特例な超過所得税というものを設けた方が、かえつて合理的に、また小さな資本の法人を救う上においても、非常に役立つように考えられますが、現存の法律はやむを得ないにしても、将来はこういうことについて何か修正する御意思がありますかどうか、お伺いしたいと思います。
○池田国務大臣 これは今回普通の法人につきまして、税率三十五を四十二に上げましたのは、今の法人の収益状況を見てやつておるのであります。私が特に法人税を今まで低くしておつたのは、資本蓄積という観念からやつておつたのでありますが、償却を除きましても、一昨年は六百億程度、昨年が千五百億程度、今年度は二千四、三百億円程度の積立金の増であります。こういう状況を考えますと、二百億程度の増税は、国の財政の状況からいいまして、やむを得ないのではないかという結論に達したのであります。とにかく昨年に比べまして、この償却の分を加えますと、積立金と償却で三千五、大百億円、今年になりまして昨年のほとんど倍近いというふうな状況を見ますと、片一方で非常に重い所得税を負担しております場合におきまして、この程度の引上げは、私はやむを得ないとして承諾していただけるものと確信いたしております。そこで片一方で税率の引上げをやりましたが、納税の場合にしましても、また退職積立金にしましても、また重点権業の償却にしましても、緩和の適当の措置をとつておりますので、大体この辺でよいのではないかと思うのであります。 それから第二段に、一律に引上げるよりも、超過所得税等のことをやつたらどうかという問題でございますが、私は今の法人企業に超過所得税をやるのはまだ早過ぎる、こう考えております。資礎再、評価の問題もございますし、また税制の簡易化から申しましても、私はまだ一、二年は超過所得をやるべきでないという考えを持つておるのであります。
○宮腰委員 法人税は昨年度から今年にかけて相当な自然増収があつたわけでありますが、それから考えると、法人税は上げるどころか、一般法人は現状維持のままにしまして、かえつてそういう利益の上つているところに対しては、超過利得税をかけた方がいいのではないか。他方また税の均衡上から所得税を軽減する、こう申されておりますが、私は所得税であつても、十万円以下の方には税をとらない方がかえつていいのじやないか、こう考えています。その意味においても、二百万円を五十五まで引上げておりますが、私はこの上の方の厖大な所得を取り得る階級に対しては税を重くしまして、十万円以下の人たちに対しては無税にしてあげる方が、かえつて勤労意欲を高める上に役立つのではないかと考えておりますが、いかがなものでありましようか。
○池田国務大臣 お説ごもつともでありまして、そういう方向で行つております。今回は臨時国会でありまして、税制の根本的改正でなしに、臨時措置として実は出しておる状態であるのであります。お話のように、私は普通の家庭ならば、十万円以下の者はかかつていないと思います。それから高額所得の方につきましては、富裕税等の関係がございますので、そういうものとにらみ合せまして、通常国会に御審議願いたいという気持を持つております。
○宮腰委員 ごく最近所得税は減税し、他方それを救う意味において物品税は引上げなければならないのだ、あるいは現状維持にしなければいかぬという意見が大分出ておりますが、この問題につきましては、ことにこの物品税の中にも、現在生活必需品に相当するものがたくさんあります。中でも水あめなんかも現在税がかかつておりますが、他方またぜいたく品で約一割くらいより税がかかつていないのがたくさんあります。こういうような場合に、どうもこの物品税が不均衡な問題がたくさん横たわつております。これを、今回の国会では考えておりませんが、次の通常国会には、こういう不均衡な問題を是正するお考えがありましようか。
○池田国務大臣 われわれはなるべく不均衡のないように、物品税をあんばいしておる考えでおりまするか、もしこれはどうしても不均衡で、直さなければならぬという結論に到達すれば、何ら修正にやぶさかではありません。ただ全体といたしまして、物品税を減税するという考え方は今持つておりません。
○宮腰委員 それから地方税と国税との問題でありますが、ごく最近自治団体の市長の方々が上京されて、政府並びに議員方に陳情されておりますが、地方自治団体の税の限界もほぼ見当がついております。従つて自治体をこれから運営するところの財政が、まかないができないということになれば、地方の農村の食糧の生産増強をする上においても、非常に障害となるのでありますから、シヤウプ勧告の第一次案、第二次案によつて、地方税、国税を通じて、これから大いに修正しなければならぬ点がありますが、今度の国会でこの問題について積極的にお考えになりまして、改正する御意思があるかどうか、その点いを伺いたい。
○池田国務大臣 国税につきましても、ただいま検討を加えておりますが、地方税につきましても、関係当局において検討を続けておるようであります。私の見込みでは、国税、地方税を通じて相当の改正案が、次の通常国会に出るのではないかと期待いたしております。何分にも国税につきましては取急ぎまして、今の所得税の軽減と法人税の引上げは、特にこの臨時国会にお願いしている次第でありますが、国税におきましても、その他の点でまだ検討を要する点がありますので、そういう問題は次の通常国会に譲りたいと思います。地方税は多分出て来ると思います。
○宮腰委員 もう一つ伺いますが、この委員会にも再三織物消費税の陳情がありまして、他方予算を伴う問題でありますので、大臣が御出席になつてから伺おうと思つておりましたのですが、酒の減税の場合は非常に処理をうまくやりまして、小売店に迷惑がかからないように処理をしたのであります。ところが前回の織物消費税撤廃のときの庫出税は、いわゆる小売商人に相当負担をかけているようでありますが、この織物消費税を元の人々にお返しするお考えはありましようか。これは政府に直接陳情なされていることであろうと思いますが、再三参るものでありますから、この点についてお伺いしたいと思います。
○池田国務大臣 酒の減税のときには非常にうまく行つたが、というお話でありますが、うまく行きました。これは何といつても取扱い業者が免許業者でありまして、数の点、その他帳簿の監督上、日ごろからよくできておりますので、よく行つたのであります。しかるに織物の方につきましては、これは第二次製品その他いろいろな点があり、また取引の点その他から行つてなかなか困難であります。そこで織物消費税の四割を無税にいたします場合に、このことは特に注意いたしまして、いろいろな検討を加えて、できるだけの善後措置は講じたのであります。しかし織物には二次製品その他がありまして、取引が非常に複雑であります関係上、やむを得ずもどし税ということはいたさなかつたのであります。織物のもどし税ということについて、たびたび陳情を受けておりますが、これをやりますと、他の物品税の化粧品その他いろいろな類似の事例がありますので、政府はただいまの場合織物のもどし税は考えておりません。
○宮腰委員 それから証券の譲渡利得税の問題ですが、この問題については、私も委員会を代表いたしまして、実際の問題を日本橋の税務署で調べた経験を持つておりますが、再三いろいろな団体から譲渡利得税は廃止しろということで、その理由を聞いて参りますと、資本蓄積にあるようであります。これは一方、譲渡利得税をなくしようということになれば、脱税というような問題がありますので、他の税との均衡上、不当になる危険があろうかと考えられます。しかしこの問題については、譲渡利得税をなくすこと自体が、非常に将来の取引が隆盛になりまして、長期資金の獲得も証券市場でできるように考えられますので、譲渡利得税を廃止して、あるいは移転税を少し引上げた点においてやることが、証券の流通を円満ならしめて、長期資金の確保ができるのじやないかと思いますが、その点についてちよつとお伺いしたいと思います。
○池田国務大臣 証券の譲渡所得につきましては、前から議論がありますし、また実際から申しましても、徴税がなかなか困難でござす。そこでお話のような議論がありますので、私としても検討をいたしております。ただ証券投資の問題につきましては、先般来いろいろな手を尽しまして、今はかなり平均株価も上つて参りました。昨年の一月に比べますと、六割ぐらい平均株価が上つておる状況であります。しかしこれだけでまだ満足はできません。いろいろな点を考慮いたしまして、今お話のような譲渡所得をやめて、有価証券移転税を復活するというふうな議論もございますが、ただ片一方では、シヤウプ勧告の今の根本的な建前が、譲別所得、いわゆるキヤピタル・ゲインを徹底的に把握するという前提で、大体の税制ができております関係上、一挙に私はここで譲渡所得をやめる。ことに証券の譲渡所得をやめるということを、はつきり申し上げられないのも、税制全般から来ていることであります。しかしこれは経済の安定発展のために必要だという結論に到達いたしましたならば、適当の措置を講じたいと思います。今は結論が出ておりません。
○宮腰委員 もう一つお伺いしますが、資本の蓄積という関係からお伺いしたいと思います。無記名定期預金は前回からいろいろ議論があるようでありますが、あの無記名定期預金がされることにおいて、たんす預金の吸収が相当考えられまして、私らも九州の方へ大蔵委員として調査に参つた節も、二、三そういう意見を聞いたこともありますが、この無記名定期預金かあるいはそれに近い制度を考えまして、このたんす預金を吸収するお考えがありましようかどうか、この点を伺いたい。
○池田国務大臣 この問題も証券の譲渡所得と同じように、税制の根本に触れる問題であるのであります。私はいたずらに租税の公平論にとらわれずに、経済の実態に沿つたようなやり方をしなければいかぬということを、昨年の財政演説で申し上げて、議論を巻き起したのでありまするが、昔ありました源泉選択課税の制度も復活いたしまして、こういうことをやりまして、徐々に、公平論にはとらわれずに、実態に沿つたような考え方で行きたいと思つておりまするが、無記名定期ということは、税制の根本にもある程度触れる問題でありますので、慎重に検討をいたしておるのであります。この問題もいずれは結論を出したいとは考えておりますが、まだそこまで行つておりません。
○宮腰委員 もう一つ、日本の国内における在外財産の補償の問題について、前回から議論になつておりました十五条によつて補償する問題について、アメリカの修正案が三度ですかかわつておるようでありますが、あの条約の十五条につきまして、七月案と八月案と異なつております。七月案では、サンフランシスコの条約を調印する前に、外国人の財産補償法をつくつて、その補償法の規定を十五条に織り込んでやろうという計画であつたようでありますが、それを変更しまして、八月案では条約調印後にやるという経過になつたのです。これは先ほど来議会の審議権の問題でいろいろ議論があつた問題でありますが、これは結局日本の議会の審議権を尊重する意味で、こういうふうに二度も変更したものでありましようかどうか。その点をお伺いしたい。
○内田(常)政府委員 ただいまの御質問の通り、講和条約の草案がたびたびかわりまして、第一回が七月十三日に発表せられ、次に七月二十日に改正案が発表せられ最後に八月十五日に「草案」という字がとれたのでありますが、前二回におきましては、御質問の通り確かに講和条約の調印前において、日本国会で法律を制定し、その法律の番号を条約の中に引用する、こういう仕組みになつておりました。しかるに最後の八月十五日の最終案におきまして、法律を制定してその番号を条約上に引用するということを変更いたしましたのは、この条約が調印される前に、従つてまたその条約第十五条における原則が明確にならないのに、その原則を取入れた法律をつくるということは、これは議会の立法権とは違つた意味におきまして、疑義があるという結論に到達いたしましたために、変更いたされまして、調印されました条約に見られるように、十五条における補償の実施細目は、十五条の原則を取入れて日本国家が法律措置をとる、こういうことになつた次第でございます。
○宮腰委員 今の条約の問題に関連しまして、旧憲法の場合は外交大権が天皇にあつたので、ただちに条約を公布することにおいて、効力を発生するのだという議論があつたようであります。今回は憲法によつて、この批准を国会でやるということであれば、この条約それ自体が法律と同様でありますから、その内容についてはこまかい補償法を制定しないで、政令でできなかつたかという疑問が起きて参つたのでありますが、この点についてお伺いいたしたい。
○内田(常)政府委員 現在の憲法によりますと、政令が行われるのは、憲法または法律の施行に関連して、必要がある場合には政令で定める、こう書いてありまして、条約の施行のために政令を用いられるかどうか、若干疑問の点がございます。実質論といたしましては、御質問の通り条約で原則がきめられ、またその実施細目に関連いたしまして、七月十三日の法律案がある以上は、この法律案に定める条件を下らない内容をもつて政令で定めることも、あるいは条約上はできるかもしれませんが、ただいまの憲法の政令論と、もう一つは、これは世界の連合国に対しまして、単に内閣たけの処置をもつて補償細目をきめるよりも、条約がちようど内閣の署名の後国会によつて承認せられ、批准せられると同じように、内閣も国会も一まとめにして、日本国家としての立場から補償の細目をきめた方が、連合国にとりましても一つの安定感が与えられる。そもそもこの補償つきましては、たびたび御説明いたしますように当初は条約の一部分として考えられておりましたものを、むしろ各国の足並をそろえて条約の成立を早からしめる、こういう趣旨におきまして形式上分離したものでございますから、その趣旨から考えましても、政令を用いないで法律にいたした方が適当かと存じて、この法案を提出した次第でございます。
○夏堀委員長 奥村君。
○奧村委員 大蔵大臣にお尋ねいたします。時間がありませんので、多少私の意見が多くなりますが、意見を申し上げて、大臣のお心構えを承りたいと思います。 それは、大蔵大臣は最近税制度の確立について、御熱意を失われたのじやないかという疑いを持たれる節がありますので、伺つてみたいと思うのであります。講和に伴いまして国家の財政負担が重くなる。しかも一方経済再建はますます進めて行く。これがためには資本の蓄積も進めねばならぬ。かつまたインフレを抑制して行かなければな”らぬ。これがためには税制度をあくまでも確立して行くということが、財政政策の基本でなければならぬと思うのであります。ところが大蔵大臣はこれに対して多少御熱意を失つておられるのじやないか、こういうふうに思うのであります。それは、終戦後日本の税務行政がかなり混乱いたしまして、その混乱した税務行政がまだ十分に立直つていないと思うのであります。一例をとつて申し上げれば、昭和二十四年度においては、当初予算で申告所得税を千九百億見積つたが、実際において徴税されたのは千三百七十億、当初予算と比べれば非常に赤字を出した。しかもこのときの税務行政の混乱は非常なものであつたことは申すまでもない。従つて滞納も非常にふえた。これに恐れをなしたか、昨年度は、これはまた当初予算に比べて、決定においてすでに六百億も少かつた。実際徴税は補正予算と比べても二百億少かつた。昨年度は税に対する不満は非常に減つたとはいえ、そのかわりに公正な税が賦課されたとは私は思えぬ。更正決定を減らしたということが、必ずしも私は自慢にはならぬと思う。要するにこの税務行政はまだ十分に立直つておらぬというふうに考えるのであります。その際において、昨年つくつた画期的な税制度をまた片つぱしからかえて行こう、こういうふうな機運があるから、なおのこと政府の態度について疑いを持たざるを得ない、こういうふうに考えられるのであります。すなわち第一に銀行預金の調査について、政府は今度相当大幅にこれを制限しておられる。これは銀行局長及び主税局長の通達もあるようであります。これはもちろん資本蓄積のためには必要であるかはしれぬが、税の調査について公平を期し得られないということは、これは議論するまでもないと思うのであります。また無記名定期預金の制度を何とか復活させよう。これも資本蓄積の立場からはけつこうであるが、税の公平の面から見れば、これが公平を阻害することは言うまでもない。これはおそらく政府としても早急に実施なさるまいとは思いますが、すでに事実上に おいては、そういう手段がとられておる。また今回は退職所得に対して、これはまた昨年度通過したあの税法と比べると、あまりにも大幅な軽減措置をとられておる。これもけつこうではあるが、一部また公平の原則からいうと、これはたいへんな不公平なことになりはしないか。もしこれをなさるとするならば、これと同じような一時所得である山林の譲渡所得、山林所得及び譲渡一時所得、株式の譲渡所得、こういうようなものに対して相当減税の方策をとらなければ、がかる一時的な所得に対しての公平は保てぬということになる。これをまた一律に特別の対策を講ずるとすれば、昨年度われわれがせつかくつくつたあの画期的な税制度を、根底からくずしてしまいはしないか、こういうような不安を持つのであります。大臣は経済情勢とマツチしなければならぬ、従つてある程度税の公平は阻害してもやむを得ぬと言われるが、税制度の確立にとつて、公平ほど大切なものはないと思う。もし、かりに不公平な税制度であるという観念を持たせないならば、どうして税の制度は確立できるか。私は今までの政府のとり来つたことを悪いとは言わないが、軽々に税の公平というものをなげうつてもらつては困る。またそういう感じを国民に与えてもらつては困る。おそらくさような言論がどんどん出るとすれば、税務官吏みずからこの税務行政について熱意を失うのではないか、こういうふうに思うので、おそらく税の公平というものは、第一番に確保なさる決意ではありましようが、ややもすると今日までいろいろとり来つた政府の政策について、税の公平を失うのではないかという国民の不安がありますから、私の意見を申し上げて大臣の心構えをお尋ねしておく次第であります。
○池田国務大臣 税の公平はその根本でございます。これには異論はございません。しかし公平のみにとらわれて、今の経済政策的に税を考えるということをやめたならば、これは運用上よくない。ことに経済を急速に発展せしめなければならぬというときに、やはり税の原則以外に、経済原則ということは必要であります。そこで私は源泉選択課税を置きますときに、いたずらに公平理論にのみとらわれるなというのは、これなのでございます。それから理論的に申しますと、お話のありました無記名預金というものについて、これは税をとらぬというのじやない。これは無記名預金を設けたからといつて、税の公平が阻害されたとは言えますまい。なぜかと申しますると、もしそれならば、預金するかわりに品物を持つて、金を買つて隠しておつたらどうか。金の調査条例を出しますか、これは出せません。これは徴税技術上にそういうことがあれば、ベターというだけであるのであります。源泉選択課税を設けて無記名を置いた場合におきましては、そうのりを越えた不公平論にもならぬと思うのであります。そこで今いたずらに預金調査なんかをして、そしてたんす預金を奨励するようなことをやるということが、日本経済全体としていいか悪いかという問題を考えなければならぬ。そこで先ほどの宮腰先生の御質問に対しましても、これは相当重要な問題だから考慮して結論に達していない。もちろん税の根本は公平であり、公平をひどく阻害しない程度に、経済政策にマツチした税制を今はやるべきではないか。日本の発展の過程から申しましても、何も全部の所得を総合するということでやつたわけじやございません。この全部の所得を総合することになつたのは、ごく最近のことです。そこであの、机の上で理論的にこしらえた税制でも、日本の実情に沿わぬ場合においては、それに沿うように、公平をあまり阻害しない程度に、経済原則にマッチしたような税制にするのが、国全体のためにいいのじやないか、こういう考えをもつてやつておるのであります。 退職金につきまして、今回大幅な減税をいたしました。今私は勤労意欲の高揚その他から申しまして、この際退職金の減税は行うべきであるという結論に到達したのであります。しかもこれは昭和二十七年からの施行であるのであります。山林所得その他の譲渡所得についての特別の法は、本国会でなしに、通常国会に出しましても、おそくはない。退職所得というものは源泉でございますので、早くやつておかなければならぬから、それで臨時国会に出したのであります。しかし山林所得や他の一時所得は、次の国会に出しても下権衡にはならない。そこでとくと考慮する。それでは退職所得を相当大幅に減税したから、山林所得とかあるいは変動所得につきまして、これと同じような減税をするかといつたら、これは所得の性質によつて、かえて考えなければならぬ。私は全体を調整しながら適当に——行き過ぎたと申しますか、あるいは実情に沿わない点は、租税の公平ということを保持しながら、適当に合うようにやつて行きたいというのであります。
○奧村委員 この点まだいろいろありますが、時間がありませんから、もう一点専売関係でお伺いいたしたいと思います。かようなことを大臣にお尋ねするのはどうかと思いますが、専売関係のみに政府委員を煩わすのはお気の毒でありますから、大臣から御答弁を願います。 今度の補正予算で専売益金の増収を四、五十億見込んでおりますが、それに関連してタバコ小売業者が、タバコの硝化について非常に努力をしているということは、御存じの通りであります。物価が相当上つて、またこの消化に非常に努力しておるが、タバコの小売口銭というものは非常に押えられておるので、全国的に小売口銭を適正にやつてもらいたいという陳情が多いのでありますが、これについて政府は今度何か手段をおとりになりますか。
○池田国務大臣 タバコの増収四十五億円は、当初八百二十億本の売れ行きを予定しておりましたのが、八百三十何億本と、ある程度売れ行きがよくなつたのと、ピース、光の売れ行きが予定よりもある程度いいので増収になつたのであります。かかる場合におきまして、小売人の手数料を引上げたらどうかというお話でございますが、もつともな点がありますので、私は多分十二月一日から引上げることにいたしておつたと思います。こまかいことは知りませんが、陳情を受けまして、しごくもつともだから適当にとりはからうべしということを、主計局長に言つておきましたから、多分十二月一日ぐらいから手数料を若干上げることにしたと思います。
○夏堀委員長 有田君、時間がありませんから、どうぞ簡単にお願いします。
○有田(二)委員 ちよつと大蔵大臣に一点だけお愚ねしたいのでありますが、間接税の問題であります。先般も私は高級織物というようなことを申し上げたのでありますが、ただいまの川野委員からの質問に関して、間接税は動かさない、物品税は動かさないというお話がごございましたが、私は動かさないどころでなく、とるべきものはもつととつてもらいたい。四割の消費税を一ぺんになくしてしまつたということは、何としても大蔵行政にりつぱな功績を積んで来られた池田さんとしては大失敗であつたと思う。少くとも百億以上の税収を一ぺんになくしてしまつたということは、非常に遺憾でありまして、今日これを消費税でとるということは、実際としてむずかしかろうと思うのでありますが、奢侈税というものについて御検討を願いたい。現状の物品税の中には、全体にかかるものと、免税点を設けて奢侈税的な扱いをしておるものと、二つあるのでありますが、先般もさる繊維関係の代議士と話合いまして、高級織物にどうしても課税したい。高級織物に課税せずして零細な物品税をとるということは、私はどうかと思うので、どうしても高級織物に課税しなければ、間接税それ自体のあり方がないという点をいろいろ力説して、しからば消費税として課するならば、異存がないというような意見もあつたのであります。この間接税のあり方については、主税局長も遠くフランスまで行かれて御勉強になつて来られたそうでありますが、間接税については私も重大な関心を持つておるのでありまして、ぜひとも私は今日の物品税を二分して、奢侈税的なものと、その他のもの、すなわち免税点を設けないところのものと、それから免税点を設けて行くところの奢侈税的なもの、二点にわかつて、特に高級織物については奢侈税的な税のとり方をするならば、国民も反対するものはおそらく一人もない、かように考えられますが、これについての大蔵大臣の御所見をひとつ承りたいと思います。
○池田国務大臣 お答え申し上げます。私はなるべく税金は数多くしたくないという気持を持つております。織物消費税につきましても、実はこれは北清事変のときにできた税かと思いますが、最近まで世界で織物に課税しておる国はほとんどなかつた。最近ではイギリス等におきましても、洋服で十五ポンド以上のものにつきましては、本税的なものをかけておるようであります。これは徴税の技術上、あるいは民業圧迫と申しますか、いろいろな点がありますので、私は、先般高級織物の課税が議論になりましたときにも、実はあまり賛成しなかつたのであります。できるだけ新しい税は設けたくない、そして税金はとりたくないというのが、私の趣旨でございまするが、今後の財政の状況によりまして、あるいはまた税の公平観念からいつて、そういう場合があれば検討いたします。今ここで織物消費税を復活するとか、あるいは高級織物に対して課税をいたしますとは、明言しがねる問題であります。とくと研究いたしたいと思います。
○有田(二)委員 大蔵大臣の考え方については、われわれも決して異存はないのであります。しかし治にいて乱を忘れずで、今日は千五百億という多額の自然増を見ておりますけれども、敗戦後の日本の財政というものは、将来必ずしも楽観を許さない。従つて特に間接税のあり方というもりについては、大蔵大臣の御所見では私は納得できない。間接税の将来のあり方、こういうものについて、私は十分に大蔵当局において御検討を願つて、特に主税局長は非常な御見識を持つておられるそうですから、この点を特に将来とも御検討願つて、特に零細な物品税、もずか年間三千万円とか、四千万円程度の、あるいは一億にも満たないようた物品税で、しかも大してこれを課税の対象とするに当らないというようなものについては、徴税技術の面からいつても、私はこういうものはむしろ廃止して、そうして相当額とれる、しかも奢侈税的なものであるならば、国民としてもおそらく敗戦後の日本の状態から考えて反対のないものをとつて、そしてそういうような零細なものをとらないようにする。今日全国の物品税を払つておる業者が、むしろ旗を立てて、国会なり自由党本部にやつて来て、減らせというような運動がかりに猛然と起つて来たというような場合も考えて、事なかれ主義というようなことでなくして、ひとつこの際はつきりした線で間接税のあり方を御検討願うと同時に、御決定願いたい。文句を言うものはやめておく、文句を言わないものは課税して行くというような行き方でなくして、どうかひとつ零細なものはこれを特別に考えて改革して行くと同時に、奢侈税的なものについては、ひとつもつと大蔵大臣に熱心に御検討を願つて、そういう方面の課税をお願いいたしたいと思います。大体大蔵大臣に対する質問はそれだけであります。
○夏堀委員長 三宅君。
○三宅(則)委員 せつかく大蔵大臣がおいでになりましたから、一点だけ御質問いたします。実は大蔵大臣の所管外かもしれませんが、閣僚中の有力なる大臣でありますから、国務大臣としてお伺いいたします。 税制改革によりまして国税、地方税が一貫してよくなつて参りました。私は国税の方は先ほど来たび来たび質問しておりますが、ただ地方税、特に東京都あたりにおきましては、地方税務事務所というものができ上りまして、隅田の税務事務所のごときは、ほんとうの税務署より、地方税務事務所の方がりつぱにでき上つており、人員も確かに多い、こういう矛盾を私は見ているのであります。そこでこの際徴税技術面等から考えまして、中央官庁であり、また国家の公器であります税務署の方はだんだんよくなつて参りました。税務事務所というのは、昔区役所にありました税務課が税務事務所と昇格いたしたのでありますが、その方は、人間の数は多いのでありますが、素質におきましても、経験におきましても、きわめて粗雑であり、徴税技術面においても不明確であります。でありますから、私が大蔵大臣にお伺いいたしたいのは、国税と関連いたしまして、地方税も、むしろ事業税あたりは附加税にした方がよかろう、こういうふうに考えますから、地方税を改革いたしまして、二重に調査することを省いて、最初シヤウプ勧告案のときには、中央は中央でよく調べる、地方は地方でよく調べる、こういうわけで、中央と地方は別々に調査する機関を設けたのでありますが、今日の段階におきましては、地方の方があまりに貧弱であります関係上、中央の、いわゆる税務署で調べたものに附加税としてかけるということが、地方財政上きわめて緊要であると思いますが、国務大臣といたしまして明確なる御判断を承りたいと存じます。
○池田国務大臣 地方税の確立によりまして、当然の結果として、税務署が所得の調査に行く。府県が事業税の調査に行く。町村が住民税の調査に行く。またその間に遊興飲食税の調査、こういうのがありまして、納税者は応接にいとまがないということは聞いておるのであります。地方税制の確立もさることながら、納税者のことも考えなければならぬという気持を待つておりましたところ、最近地方税の税制懇談会にそういう議論が出たそうであります。附加税ということでなしに、事業税の基本は税務署でやつたらどうか。その基本によつて税率を乗じて税額を算出する、こういう方法がよいのではないかという議論が出‘、いるようであります。私はもつともなように考えているのでありますが、何分所管が違いますので、はつきり申し上げられませんが、実情からいつたら、国も府県もあるいは町村も、同じ実態を調べるのであります。だれかが一人権威あるものであれば、それでよいじやないかという考えは持つております。
○三宅(則)委員 ただいまの大蔵大臣のお話は、了承するにやぶさかでございません。基本は、やはり中央官庁である税務署が見るということにいたしまして、地方税務事務所等の調査というものは、根幹を税務署に置いて、それに賦課する。あるいはそれを基本として決定する。但し異議があつた者のみに対して地方が再調査する。このくらいにいたしましたならば、今の地方税務事務所等は、三分の一もしくは四分の一に減じましても円滑に行くと思うのてありますから、国務大臣であり、有力な閣僚であります池田大蔵大臣は、特に閣議においてひとつがんばつてもらいたいと思うのです。そうして国民が安心して地方の調査に対して信頼ができるという、こういう線を堅持して行きたいと思いますから、もう一ぺんその点大蔵大臣から御意見のほどをお聞かせ願いたいと思います。
○池田国務大臣 先ほど来議論のありましたように、形式理論に——これは実質理論かもわかりませんが、理論というものと実際の行政のやり方というものは、できるだけ両立するような方法でやらなければならぬと思う。地方に課税権があるのだから、地方の役所で調べるというのは理論であります。しかし実際面としたらかえつてよくない場合もありますので、お話の御趣旨は私はごもつともな点が多々あると思います。閣議でどういう発言をするかということはここでは申し上げられませんが、御趣旨はごもつともな点が多多あると申し上げて、御了承を願いたいと思います。
○奧村委員 ただいま議題となつております連合国財産補償法案、及び日本輸出銀行法の一部を改正する法律案の両法案につきましては、すでに質疑も尽されたと思いますから、この際両法案につきましては、質疑を打切られんことを望みます。
○夏堀委員長 ただいまの奥村君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○夏堀委員長 御異議ないようでありますから、連合国財産補償法案、及び日本輸出銀行法の一部を改正する法律案の両案につきましては、以上をもつて質疑を打切ることにいたします。 昨日深澤君より資料要求の件について委員長にお尋ねがありましたが、この問題は内田政府委員よりもすでにいろいろ御答弁申し上げましたが、各外国人の個々の調査がまだ届いておりませんし、またこれからも申請等によつて、新しくどういう方面からどういう事実が現われて来るかもわかりませんので、今ただちに資料を政府の方よりお示しを願うということは、ちよつと困難なようでありますから、御了承を願います。 これをもつて休憩いたします。午後は一時半より会議を開きます。 午後零時四十三分休憩 ————◇————— 午後二時二十九分開議
○夏堀委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 議案の審査に入ります前にちよつと報告申し上げます。在外公館等借入金の返済の実施に関する法律案についての参考人の件でありますが、なお一名、引揚者団体全国連合会委員長北條秀一君を参考人として追加いたしまけことに相なりましたので、御報告申し上げます。 なお先ほどお知せいたしました参考人のうち、元満鉄総裁、元金満居留民会会長平島敏夫君の申出によりまして、元満州電業株式会社理事長、元長春居留民会会長平山復二郎君をかわりに参考人として招請することになりましたので、右御了承願います。 —————————————
○夏堀委員長 次に所得税法の臨時特例に関する法律案、財産税法の一部を改正する法律案、及び法人税法の一部を改正する法律案の三法律案を一括議題といたしまして、質疑を続行いたします。内藤君。
○内藤(友)委員 まず委員長に一つお尋ねしたいと思います。法人税法の一部改正法律案のことでありますが、これは従来の課税率よりも引上げるという重大な法律なのであります。国会法の第五十一条によりますと、「総予算及び重要な歳入法案については、前項の公聴会を開かなければならない。」ということがあるのであります。この法人税をこれだけ引上げるという問題は、これは非常に大きな問題だと思うのであります。今まで与党の皆様からどういうお尋ねがあつたか存じませんけれども、これはなかなか大きな問題でありますので、こういう問題は当然国会法に示してあるとこるに従いまして、公聴会を開かなければならないものだと思うのでありますが、委員長はそういう公聴会をお開きになるおつもりであるかどうか。まずそれをお尋ねいたしたいと思うのであります
○夏堀委員長 お答ええいたします。なるほど一応そのようにも考えられますが、しかしこれはいわゆる重要法案としての取扱いをすべきものであるかどうかということを委員会で決定して、お諮りをして、その上でいたしたい、こう考えておりましたが、大体これは臨時措置法というようなことで、次の通常国会にどうせ法律案として提出になるだろうと思いますので、臨時措置法というような意味で、もしおさしつかえなければ簡略にして、政府の方でも非常に急いでいるようでありまするから、明日中にでもこの法案を上げたい、こういうようなことで、内藤君がちよつとお留守でありましたけれども、各委員諸君にその御意向を伺つておる次第であります。
○内藤(友)委員 どうも委員長のただいまのお言葉では了解しかねるのでありますが、重要法案と思われるけれどもというお言葉でありまして、そのお言葉じりをつかまえるわけではありませんけれども、委員長の御職責としては、重要法案とお考えなさるならば、当然暫定処置の法案であろうがそうでなかろうが、やはり一般の輿論を聞く、そういうことが今度の国会の基本的な建前になつておるのでありますから、これは今からでも私はおそくないと思います。ことにこれはあした中に上るものでもないと思うのであります。あした本会議にかかりましても、参議院というものがあるのでありますから、やはり十一月になると思うのであります。会期はまだ大分あるのでありますから、やはり国会法の精神に従われましておやりになることこそ、委員長の、ことにわれわれが尊敬している委員長としての仕事ではないかと思うのであります。開かぬというならばともかく、自分は重要な法案であると思うがと、私のお尋ねを半分ほど肯定していらつしやるのでありますから、今からでもおそくないと思いますから、ぜひひとつ公聴会を開いていただきたいと思います。ことに私どもあまり会社経営などに知識がございませんので、そういう方々の御意見を承つて、慎重にこの法案を勉強したいと思つております。ただいまで上げろということになりますれば、お前はわからぬのだから盲判を押せというふうなことになるのでありまして、はなはだどうも法案審議の上に遺憾な点があるのであります。ぜひ早急に公聴会をお開きいただきたいということを、重ねてお願い申し上げます。
○夏堀委員長 私が重要法案と申し上げましたのは、内藤君が重要法案だとおつしやられたので——当委員会に提案します法案はすべて重要法案であると存じておりますので、この重要法案という言葉については、あなたも重要法案と言つたから、私もその通り重要法案と言つたにすぎないのであつて、ただこの法案の取扱いについて公聴会智開くかどうかということは、あらためて委員会に諮りをして決定すべきであると存じますので、そのようにおはからいしてよろしゆうございますか。
○内藤(友)委員 どうかひとつよろしくお願い申します。 委員長に重ねて申し上げておきますが、所得税法の臨時特例に関する法律は、これは引下げるのでありますから、まあそれは重要法案ではないとは申しませんけれども、税金をふやすという方は、相当慎重に取扱うという態度こそ、この委員会としてとるべきことだと考えるのでありまして、ぜひひとつ委員会の皆さんに御相談いただきまして、その方面の実際家の意見をこの委員会に反映さすことを、お願い申し上げたいと思います。 平田さんにお尋ねしたいのでありますが、平田さんはなかなか御答弁がお上手でありますので、一生懸命になつてお尋ねしてもころころ逃げられるのでありまして、いつも遺憾に思つておるのでありますが、きようはそうでなくて、それはよろしいとか、それじやいけないというふうに、親切に御答弁をいただきたいと思うのであります。と申しますのは、私は第一国会以来この委員会に関係いたしておりますが、実を申しますと、今までいろいろと主税局長にお尋ねして参つたことを今日になつて考えてみますと、私ども心配しておりましたような線がだんだん具体化しておるのであります。なるほど法案をお出しになつたときには、それをこのまま通さなければならぬという立案者の良心的な態度、それはわかるのでありますが、しかしそれは今これを修正するとかしないとかいうことは別問題といたしまして、そういうことは問題だ、それはひとつ考えなければならぬことだというふうな親切なお態度で、ことに私どもは税金のことにつきましては、非常にしろうとなのでありますから、ひとつそういうことで御相談申し上げるということで、木で鼻をくくつたようなことでなしに、お願いいたしたいものだと思うのであります。 そこでこの所得税の問題でありますが、いろいろお尋ねいたしたいことがあるのでありますが、まずお尋ねしたい第一のことは、農山漁民に対する所得税のかけ方であります。これは昨年シヤウプさんが来られて第二次勧告をせられましたときに、一五%だけ引下げろというようなことを勧告せられたのでありますが、これはいまだに実現しておりませんので、もうそろそろ臨時特例に関するというふうな法律になつて現われて来るかと思つて、楽しんでおつたのでありますが、今日まだ出ておりません。そこで農村漁民に対する勤労控除と申しますか、それをひとつこの次の改正のときにでも入れていただいたらどうだろうか。と申しますのは、いつも私申し上げることでありますが、今日日本の農業所得というものは、これは日本の農業の特殊性でありますが、実はその大部分が勤労所得なんであります。資本による所得というものもあるにはありますけれども、それはごく小部分で、日本農業の本質から考えまして、ほとんどが勤労所得であるというふうに農業を見ておるのであります。そうであるとするならば、勤労者と同じような扱いをすることが当然なことではないかと思うのであります。しかし今度は低額所得者に対しての優遇措置といたしまして、基礎控除を五万円とせられたのでありますからそれでいいじやないか、こうおつしやるだろうと思うのでありますが、しかし最低生活を保障するという原則から見ますると、これはまだ十分でないと考えられますので、それでシヤウプ先生が昨年勧告せられましたように、一五%を差引くということをひとつ何とか立法化する。これは金高にいたしましても、昨年シャウプ博士が勧告せられましたときに三十億という数字が出ておるのでありますが、そう大したものではないと思うのであります。他に自然増収が非常にたくさんあるのでございますから、そういう農漁民に対する勤労控除という制度を、そろそろ立法化しなければならぬときではないかと思うのであります。平田さんの、この次やるとか、その次の次まで待つてくれとか、何とかひとつ色よい御返事を得たいものだと考えるのであります。
○平田政府委員 農村漁民に対する所得税の所得の計算上、一〇%程度の控除を認めたらどうかというような勧告がありましたことは、内藤さんの御指摘の通りでございますから、その点につきましては前国会におきましても若干論議を尽していただいたかと思うのでございます。今内藤さんもお話のように、基礎控除なり扶養控除の引上げによりまして、一番減税の効果を受けているのは実は農民、農業所得でございます。これはほかの所得と比べましても比較的多くの利益を受けている。と申しますのは、家族が比較的多いのと、所得水準が概して低い。従いまして基礎控除、扶養控除等を引上げますと一番利益になるのでございます。御指摘の通り昭和二十四年度におきましては、農業所得の納税者が約三百二十万人程度ございましたが、今年の改正見込みでは百五十三万人程度に減る。昨年、二十五年の実績におきましても百八十四万人ほどに減つております。もう一つ前の二十三年はたしか三百七十万くらいの納税者でございましたのが、改正によりまして農業所御者の納税人員は非常に激減している。税金の方も、総税額で二十四年度は四百二十一億円ほどの農業所得税の決定でごさいましたのが、今年の見込みでは所得税が百七十九億円程度になる。半分以下であります。所得は二年間で相当増加しております。ことは内藤さん御承知の通りでございますが、税金は絶対額におきましても減つておりまするし、納税人員におきましても非常な減り方である。これはほかの所得者を通じて考えまして、農業所得者の方が最近の所得税の控除の改正で、実は最も利益を受けているのであります。従いまして、私ども最近の情勢から見まして、今回も基礎控除をさらに大幅に上げることにいたしましたから、農民の負担としましては、現在のところまず特別な勤労控除を認めなくてもいいのじやないか、こういう考え方を持つておるのでございます。しからば将来どうするかという問題でございますが、将来におきましては、やはりそのときの財政需要なり、あるいは各種所得者間の所得税の負担の状況がどうなるかをよく見た上でないと、実際問題として結論はつけがたいと存じます。理論としては農業所得でも営業所得でも同様でございますが、自分で働いて得た部分の所得がその所得の中に入つておることは事実でございまして、そういう意味におきまして、給与所得に対する控除と同じような控除を認めたらどうかということは、これは理論的には確かに一つのりつぱな意見だと思います。しかし今申しましたように、最近までの実情は、一般的な控除の引上げによつて一番利益を受けております。それから、内藤さんも御承知の通り、二十五年度の改正で、今まで二五%の勤労控除を認めておりましたのを、一般の給与所得者については一五%に引下げたのであります。引下げた理由は、二五%ほどの差をつける理由はない。必要ならば、むしろ一般的な控除の引上げによつてやつた方が合理的である。こういう見方もありまして、そういうことにいたしたのでございますが、農業所得者なり営業所得者等につきまして、この際今すぐ給与所得者と同じ控除をするということになりますと、給与所得者との負担のバランスがはたしてはかれるかどうか、非常に疑問じやないかというふうに感じております。しかし理論としては確かに一つの理論でございますので、私どももこの問題は将来なお検討し続けて行きたいと思いますが、当面の問題といたしましては、そのようなことで十分の解決がはかられておるというように、考えておる次第でございます。
○内藤(友)委員 今の平田さんのお答えでありますが……(「満足したか」と呼ぶ者あり)そこに実は満足できないところがあるのであります。それはこの前よりも今度は減つているのだ、さらにまた減るのだ、だからいいじやないかというお話でありますが、昔とられておつたのは、これは実にりくつに合わぬものがとられておつたのでありまして、それがだんだん農業の実態に即して正しくなつて来た、こう考えておるのでありますから、私はそういうことにつきましては実は承服できない。ことに先ほども申し上げましたように、日本の農業所得というものは、これは全部が勤労所得なんだ。資本による所得というものはそうないのである。そうであるならば、これは他との均衡上当然そこへ持つて行かなければならぬのではないか。さすがにやはり今までの税法にとらわれていない税の学者であるシヤウプ博士は、日本の農業をずつとながめてみて、なるほどこれは一五%引かなければならぬというふうにお考えになつている。これはあたりまえだと思うのであります。だから私は、過去にとらわれずに農業所得の実態というものをよく御研究いただいて、理論まさにその通りだとおつしやるならば、その通りにひとつ税法を改めていただくという」とで、この次くらいに臨時特例をお考えなさるときには、入れていただけるかいただけないかということを、お聞かせいただきたいと思うのであります。
○平田政府委員 内藤さんは理論の点を御強調になりますが、実際問題といたしまして、所得の適正な把握と申しますか、そういう関係と関連して、実際の給与所得者と農業所得者、営業所得者等の負担の関係がどうなつておるかということは、これはもう私どもよりもむしろ内藤さんの方が、市町村民税等を通じてもよく御承知だと思うのでありますが、やはりその辺の問題もあわせて考えて、やるかやらないかを決定すべきであつて、単に一片の理論だけでこの問題は処理すべきではないと思います。しかしさきに申しましたように、農業所得の中で全部が勤労所得者だとは私は思いません。今日のように自作農が大部分でありますが、しかも、所得税の納税者は自作農以上の人が大部分であります。農業者の中で百五十万人程度が納税者でございますから、三分の一くらいしか農業所得者の所得税を納めないことになる。もちろん耕地面積の広い分の納税者もいるかと思いますが、どちらかと申しますと自作農以上の人が多いと思うのであります。そういう所得者の場合におきましては、やはり例の農業生産費の計算におきましても、利潤部分とか土地資本利子部分、地代の部分を若干見込みますと同じように、やはり他の要素も入つていることは間違いないのであります。従いまして、給与所得と同じに見るのは理論的に当らないと思います。その辺のところをやはりよく考えまして、この問題につきまして適当な解決を見出すべきではないかと私は思つておりますが、さしあたりといたしましては、先ほど申しましたように、ただちに控除を設けるということは適当でなかろう、こういうふうに考えておるのであります。
○内藤(友)委員 それはひとつ私の希望として、次のときに何とか御同情いただきたいと思うのであります。 その次に課税所得算出の方法について少し伺つてみたいと思います。と申しますのは、現在の法律によりますると、課税所得を算出いたしまするのに、総所得から雑損控除を引きまして、その残りから医療とか、扶養とか不具者どか基礎控除、こういう順序で引くことになつておるのでございます。これをもしでき得まするならば、総所得からまずこの法律に書いてありまする医療、扶養、不具者、基礎控除、こういうものを引いて、そのあとでこの雑損所得を引く、こういうふうに改めていただけないものだろうかというのであります。と申しますのは、農業のように一度災害を受けますと、雑損控除を行いましても、他の控除の恩典というものはほとんど認められないということになるのであります。そういうときに、この法律によりまするこういう恩典であります医療費を引くとか、あるいは扶養家族を引くとか、不具者のことを引くとかいうことをまずしておいて、そうして最後に雑損控除をする、こういうふうになると農業のように手痛い災害を受ける、こういう業にありましては非常にいいと思うのでありますが、そういうことでひとつお願いできないものか。これは私から哀願するところでありますが、平田さんのお心持を伺いたいと思うのであります。
○平田政府委員 所得の計算上どういう控除を先にするかという問題で、これは考えようによつてはなかなかいろいろな意見があるかと考えますが、現在の建前は、お話の通り、まず本来の所得が幾らであるかという所得計算を先にいたしまして、そうしてその後におきまして、適正な税負担を定めるための基礎控除なり、扶養控除をして、その残りに税率を適用する、こういう立て方にいたしておるのでございます。雑損と申しますと、結局所得の原因にそれだけ所得をマイナスするフアクターが出て来ておるわけでありまして、これは理論から申しますと、やはり年々の所得を計算して、それから元本の損失その他の損を差引きまして、しかる後に所得がある場合におきまして、基礎控除、扶養控除等をいたしまして、所得税を課税する。これが私ども所得税の普通の理論から行きまして、当然のプロセスではないかと考える次第でございますが、それでは特別損失が生じた場合の繰越し控除がそれだけ少くなるじやないか、こういうお尋ねかと思うのでありますけれども、理論的に申しますと、今私が申し上げましたことで、大体所得税の負担の点からいうと、うまく行くのではないかと考えます。しかしこれはちよつと技術的に相当やつかいな問題もございまするし、なおよくさらに掘り下げて検討いたしてみたいと思いますが、所得税の普通の考え方から申しますると、現在のような制度に自然になる。それを何か特別に考えるかという問題でございますので、もうしばらくよく検討いたしてみたいと思います。
○内藤(友)委員 今のは実は筋の通らぬことをお願い申し上げたので、それで声を小さくして哀願したのでございます。どうかひとつその点を御研究いただきたいと思うのでございます。 そこで次には青色申告の問題でございますが、実は私どもも農村に簿記を何とか普及するようにという運動を、 一生懸命やつて参つたのでありますが、正直に申しますと、なかなかうまく行かぬのであります。それでうまく行かない原因はいろいろとあるのでありますが、しかしその原因はさておきまして、その原因から考え出されますことは、こういうことに熱意をもつてやろうとする納税者に対して、制度上もう少しあたたかい何か手が打てないものだろうかと思うのであります。たとえて申しますと、この記帳費の控除とかいうものも考え、あるいは様式につきましても、かなり簡素化されておりますけれども、しかしまだ税務当局の要求に対しては、納税者がいろいろと文句を並べるのでありまして、もう少しこれを考え直してみる。ことに家計費の精算におきましては、もつと考えてみるべき点があるのではないかと思うのであります。要するに、私どもは、この青色申告という制度は非常にいい制度であると思うのでありますけれども、初めのころは非常な熱意を持つて、相当多くの農家が賛成してやつてくれたのでありますが、もうこのごろになりますると、当初の熱意が非常にさめまして、実はただ制度上にこんなものがあるという程度になつたのでありまして、まことに残念に思つておるのであります。そういうことに対して、主税局として、また国税庁の高橋さんもお越しでありますが、何かこの際打つべき手がないか。その手をひとつお聞かせいただきたいものだと思うのであります。
○平田政府委員 青色申告の制度につきましては、今お話の通り、私どもも非常にこの制度に期待いたして実は始めたわけであります。現在も同様でございます。ことは、繰返し申し上げる必要もないかと思います。記載方法につきましても、内藤さんからたびたび御意見がございましたし、私どももできるだけ簡易化と申しますか、必要最小限度の要求をいたしまして、それに適合するものは、青色申告者として該当するというふうに持つて行くようにいたしておることは、御承知の通りでございます。しかしこの点は、なお簡素化する必要のあるものにつきましては、さらに将来簡素化するやにやぶさかではないのでございますが、ただやつてみた結果に基きますと、相当まじめにやつていただいておる方は、むしろ記載事項等をもう少しよくしたいという声がありまして、かえつて相当正確な記帳と申しますか、そういう方向に行かなければあきたらないというようないい傾向も、現実問題として生じておるところがあるようでございます。私はそういう方向につきましても極力誘導いたして参りたい。それから今お話の帳面の作成費ですが、これは私は当然必要経費として差引くべきものと考えております。もしも差引いてないものがあるとすれば、よく注意いたしまして差引くようにすべきじやないか。これはやはり農業の事業に関連した費用でございますので、これは当然該当するものと考えておるわけであります。なおその他損失というものも、農家の場合は少いだろうと思いますが、最近設けましたいろいろ課税所得の計算上の特例は、青色申告者に限つて認めておる場合も多々ありますことは、御承知の通りでございまして、そういう点は将来も一層考えまして、この制度の普及をはかりたいと考えております。ただ一つ、農業につきまして、青色申告に熱の失われましたことは、所得税の負担が大分下つたものですから、一つはそれほど熱の入れ方が足らなくなつたというような面もあるようでございます。これでは私はどうかと思うので、青色申告は単に所得税だけではなく、農業経営全体にもいい影響があると思いますので、私どももできる限り理由のつく恩典は、今後も与えることにいたしまして、助長して参りたい。ただ所得金額を、青色申告者につきましては、一定額最初から差引いて課税してくれ、こういう要望があるのでございますが、これはどうも所得税法の本来の要求に反しないか。やはり税法の規定に基きまして出て来た所得に課税するというのは、これはいかなる所得につきましても、おしなべて通用すべき大原則でございまして、そこまで認めるということになりますと、どうも所得税の法律の適正な執行という面からしまして、くずれて来るおそれがあるのじやないかということで、まだその点はどうも私どもそこまでやるという決意をしかねております。そういう以外の方法で、できるだけ恩典を与えて助長するようにいたしたい、かように考えております。
○内藤(友)委員 記帳費の控除ということは、簿記代だけではないわけでありまして、記帳する手間代もひとつ含めてくれということも、実は入つておるのでありますが、これは小さなことでございますからよろしゆうございます。 そこでその次にお尋ねしたいのは、兼業農家の計算の分離課税方針です。これはお認めいただいたので非常にいい制度だと思うのであります。ところが、実際農村へ行つてみますと、正直を申しますと、これが徹底しておらぬのであります。それが合算されましたために、零細兼業農家の税金が、専業農家よりも割高になつておるという事実があるのであります。これは法律においてはそういう大方針はきまつておるのでありますけれども、第一線の税務署の諸君が、いやそれはやはりお前の経営じやないか。お前は村の組合で働いているけれども、それはお前の経営だからというので、事業組合へ行つて働いておるその主人も、ほんとうに農業にやつておらぬで、家族がやつておるのだけれども、そういうことで徹底しておらない向きがあるのであります。今日農村をずつとまわつてみますと、ほとんど農業経営とそれから他の事業とをやつて、どうにか生活を営んでおるという者が半分ほどあると思うのでありまして、この半分がさつそく認められたが、この制度が徹底していないために非常に損をしておる。これも全体からみますれば大きな問題ではございませんけれども、こういうこともひとつ徹底さしていただきたいものだと思うのであります。これは高橋さんにお伺いしたいことなんでありますが、どうも農村へ行きますと、これが非常に不充分なのですが、この点どういうようにお考えになつておりますか、お伺いしたいと思います。
○高橋政府委員 具体的なケースといたしまして、相当判断の困難な面があり得ると思いますが、できるだけこの趣旨を徹底するようにいたしたいと考えております。それからひまひまにおいてと申しますか、主体が農業であつて、小づかいかせぎにちよつとときどき出ているという程度の方については、主体に従わざるを得ないかと考えております。
○内藤(友)委員 これは平田さんにお尋ねしたいと思うのでありますが、今、度の法律の第一条に、一万七千以下の所得者はこれを扶養家族として、それ以上の者は扶養家族としない、こういうことになつておるのですが、一体どういう基礎から一万七千円ということが生れて来たのか。これではあまり少いのじやないかと思うのですが、ちよつと教えていただきたいと思います。
○平田政府委員 これは結局扶養控除の金額と同じ金額を規定することにいたしておるわけでございまして、それ以上の所得のある人は、分離課税しますと、基礎控除でさらにそれ以上の控除を受けるということになりますし、扶養控除としまして申請を受け得る人は、所得が一万七千円以下の場合、こういうことにいたしておるのでございます。これは分離課税とそれから扶養控除の性質に顧みまして、扶養控除額と同額以下の所得がある場合にだけ限つた方がよろしかろう、こういうことでございます。理論的に徹底しますと、どんなに少くても、その所得金額は扶養控除額から差引いて、控除するということも可能なんでありますが、それは手続も非常にやつかいでございますし、実情にも沿わぬ場合もございますので、そのような規定を設けておるわけでございます。
○内藤(友)委員 所得税の全体についての問題でありますが、実はこの所得税というのは非常にむずかしいのでありまして、農業のように所得がはつきりするものもあるし、中小企業のようになかなか真相をつかめないものもあります。そうすると、勢い想像で中小工業者と妥協して、これくらいにしようじやないかというふうなことで行つておるのが、今日の現状であります。これは給料生活者も大体農業者と同じように把握ができて、そのまま鏡に出て来るのでありますから何でありますが、そこでこういうふうな所得把握の容易なものとしからざるものとを区別しまして、容易なものにつきましては少しゆるくしてやる。それからなかなか所得把握の困難なものは今のままにするというように、何かそういう甲乙をつけた方が、実際に即して公平な課税になるのではないかと思うのでありますが、いかがでありましようか。これは御相談であります。
○平田政府委員 勤労所得者は比較的よく所得が把握されておる。そして農業所得者がその次によく把握されておる。営業所得者が一番むずかしい。大体におきましてそういう傾向のありますことは、私どもも認めておるのでありますが、しかし営業所得者の中でも青色申告をしておられる方、あるいは記帳がはつきしておる方、あるいは税務署の調査が徹底して行われた場合の方は、きちつと納税しております。また申告をし、あるいは決定を受けて納めておられる農業所得者の場合におきましても、内藤さん御承知の通り、主作物の収入は割合にはつきりしておりますが、副収入等になりますと、地方によつてはなかなかわかりにくい。従つてその調査が徹底しない場合もございます。勤労所得者の場合でも、役所とか大きな会社等は比較的はつきりしておるのでありますが、小さい商店等になりますと、なかなかはつきりしない場合もある。これはなかなか一概には言いにくいのであります。税金はあくまでもその個々人の問題でございますので、営業所得者全体が少し悪いから、まじめにちやんと申告して納めている人は、反対にきつくなつてもいいというわけにも行かないと思うのでございまして、こういう問題を解決する方法としましては、やはり先ほどから内藤さんお話のように、なるべく青色申告のような方法を助長し、推進する。税務署の調査にあたりましても、できる限り調査を徹底させまして、申告と査定に不公平のないようにする。それは一にかかりまして、どういうふうにすれば、税法に規定する正しい徴税法が見つかり得るかということに目的を置きまして、納税者も努力していただきますし、役所においても勉強するということによつて、公平な所得税というものができ上るのではないか。それを今のようなお話の状況からいたしまして、適当なしんしやくをするといたしますと、かえつてそれは公平な所得税にならないおそれがある。そういう点を考えますと、常識上お話のような議論も、確かに傾聴に値する節もあるのでございますが、所得税のほんとうの公平をはかるという意味から申しますると、やはりそういう規則を具体的に立案しまして、実行に移すのはどうであろうか、かように今考えております。
○内藤(友)委員 私は正直者がばかを見るということにしたくないというので、そういうふうな制度を立ててみたらどうだろうかと考えるのでありますが、農業所得は、供出のある方の側ははつきりするけれども、そうでないものははつきりしないというふうなお話でありますけれども、そうじやないのでありまして、みかんをつくりましても、野菜をつくりましても、これは自分の家の中でひそかにつくつておるものではございませんので、だれでもごらんになれる。大ぴらにつくつておるのでありまして、見ますと、この木に何貫なつておるかわかるのであります。組合に行けばみかんの相場はどれだけかということはちやんとわかるのでありまして、これほど天下にはつきりと示してやつている生産は実はないのでありまして、屋内でこそこそやつておるのとは大分趣が違うのであります。私今日所得税額をはつきりときめられるのは、この勤労所得者と農業所得者だけだろうと思うのであります。ほかはたいてい税務署となれ合いで、よしわかつた、それくらいにしようということで行かれる。これが今日の現状であります。しかし将来こういう制度をお考えになつて、まじめにやればいいんだよというようなところに、やはり制度として持つて行つていただくのがいいのじやないか、こう思うのであります。 それはそれといたしまして、次にこれもそういうことにならぬものかと思つておることの一つで、源泉徴収しましたものにつきまして、また収入が多いと総合所得税になるのであります。あれを、源泉徴収したものは総合所得で行かないのだ。それを制度の上で何とかできないものか。これもひとつ伺いたいと思うのであります。
○平田政府委員 私どもは制度の上でできるだけ源泉だけで済まされるものは、済ますようにという趣旨でやつておるのでありまして、たとえば給与所得の場合でありますと、源泉で差引きます際に、基礎控除、扶養控除、その他の控除も一切いたして、あまりあとで総合課税して過下足を調整する必要がないようにいたしております。年末調整もいたしまして、なるべく源泉で片づけよう。従いまして給与所得の場合も、一箇所だけに勤めておられる人の場合は、大体もう申告はいらないということになるのでございますが、しかしほかに所得がある場合もある。たとえば配当所得があるといつたような場合におきましては、やはり所得税の建前上、累進課税でございますから、総合して合せて計算して税額を出さないとはつきりしない。そういうものはどういたしましても、一定のときに申告していただきまして、全部の所得を合計して税額を出して、それから源泉で納めた額を差引きまして、過不定を精算する、こういう制度にならざるを得ない。従いまして御趣旨のようにできるものは極力やつておりますが、どうにもできないものにつきましては、やはり総合しまして負担を調整する、こういう制度にいたして、おる次第でございます。 〔委員長退席、西村(直)委員長代 理着席〕
○内藤(友)委員 それから次は法人税について少しお尋ねしたいと思うのであります。今度は百分の三十五を百分の四十二に引上げられたのでありますが、この法人税の引上げは、かねがね大蔵大臣がおつしやつておられる資本蓄積ということと、どういうことになるのでありますか。もう資本蓄積はおやめになつたのですか。それをひとつお伺いしたいと思います。
○平田政府委員 その点は大臣からもけさからお話がございましたが、実は私も先般御説明申し上げておいたと思います。法人の最近の成績が非常によくなつておる。そして積立金なども二十四年は二百七十六億、昨年が九百四十三億程度であつたものが、今年の見込みでは税金、配当を差引きまして、二千四百七十七億程度できる。そのほかに償却の方も、二十四年は百五十九億程度であつたのが、二十五年は五百五十九億程度に増加し、さらに本年は千百十五億円程度に増加するだろう、償却と積立金、これが広い意味の会社の社内留保になりますが、それを見ましても、今年は三千五百九十億円程度の結果を上げ得るのじやないか。このように非常に状況がよくなつておりますので、私ども最近の法人の業績等から顧みまして、やはり法人税につきましては若干の増税をはかりまして、所得税はできるだけ大幅に軽減する、こういう行き方をとつた方が、税制として今の経済界あるいは国民の所得の実相に即応するのじやないか、こういう趣旨で法人税の増徴をはかることにいたしたいと思つております。
○内藤(友)委員 実は今度も二割ほどの増徴になるのでありますが、これを上げられますと、はたして今政府が考えておられるような税金が上るかどうかという心配を、私は持つておるのであります。これはやはり御確信があつてのことだろうと思うのでありますが、どうでありましようか。また料理屋あたりがはやるというような現象が、起きて来るのじやないかと思うのでありますが、政府がいろいろと甘い考えを持つておられるような気がしてならぬのであります。はたして今政府が考えておられるような税額が、これだけ増徴しても上るという御確信がほんとうにあるのかどうか、私は心配になるのだけれども、ひとつ政府のお心持を伺いたいと思います。
○平田政府委員 本年度としましては、予算は大分自然増収を出しましたが、これは大体九月の決算を相当的確に見込みまして計算いたしたわけでございまして、大体間違いないと思います。今後におきまして法人の利益がどうなるかということは、なおなかなかいろいろな問題がございますが、やはり電力等の対策よろしきを得まして、工業の生産も若干増加するということになりますれば、私は法人はやはり相当な成績を上げて行くのじやないかと考えます。税金を引上げた場合に、経費として費用を出したがる傾向になることは、私その範囲におきまして否認はいたしがたいと思うのでございますが、三十五の税率が四十二になるのでございます。その程度でございますれば、私は一面におきましては、健全な方はやはり税負担がふえるというので、経費を引締めて来るという会社も中には出て来るのがあるのじやないか。単に税金が高くなつたから、濫費してしまえという会社ばかりではないと思います。ただ非常にまた無理に苛酷な課税と申しますか、たとえば超過所得税みたいな税を設けまして、ほとんど利益の大部分を課税してしまうということになりますと、これは私はよほど心がけのいい方向ではなくして、みな悪い方向に追い込むというおそれもあろうかと思いまして、まあこの際私どもはやはり超過所得税の方は、実行しない方がいいのじやないかと考えまして、法人の税率をできるだけ低く引上げるという方法を、採用することにいたした次第であります。
○内藤(友)委員 法人の税金は単にこの法人税だけではないのでありまして、地方税も相当あるのであります。従つて半分以上が税金になつてしまうのだろうと思うのであります。ただいま局長は、税金が重いから、ひとつ内部経営を引締めてやつて行こうじやないかというのもあるとおつしやつたが、確かにそれもありましよう。しかしそれは私は比較的経営が、何と申しますか、あまりよくない——よくないということは悪いけれども、堅実にやつている会社というのはそういうようにして行きましよう。ところが中にはどうももうけがあり過ぎて隠し場がない、そういうのが税金の方に持つて来てくれればいいのだけれども、それがひとつ何だからといつて、経費の方にたくさん持つて行くというのが相当あると思うのであります。だから今お話のように二割の引上げでありまして、そう大した影響はないとおつしやるけれども、実にこれが相当こたえて来るのじやないかと思います。これは実績を見た後においてのことになりまして、今は想像でありますから、これ以上は議論になるから申しませんが、そこで今度は、なるほどかねて私どもが主張しておりました農業協同組合のような法人がすえ置きで、その他が四十二になりましたので、ようやく他のものと、こういう農協あたりのような公共性を帯びておる団体との間に、開きをつけていただきました。ようやくこれはあなた方が落城せられたと思うのであります。そこで落城せられたついでに、もう少し落城していただきたいと思うところがあるのであります。それはこの公共性を帯びた法人におきましても、まだ非常に弱いものがあるのであります。一つの具体的な例をあげて申し上げてみますると、出資組合でありますとか、その連合会でありますとかいうようなもの、それから出資組合におきましても、最後の利潤というものが、前年度末に積み立てた準備金よりも、はるかに少いもうけしかなかつたというふうなものにつきましては、免税にするというぐらいのところまで行かなければ、この公共性を帯びた法人というものは、なかなか伸びないのであります。もちろん今日は農協再建整備法とかいう法律がありまして、非常にぐあいの悪いものは、別な方法でいろいろと再建に当つておりますけれども、税の面からも、そういうことをひとつ考えてしかるべきではないかと思うのであります。そういうふうなことにつきまして、何かいいおたよりはございませんか。それをひとつ伺いたいのであります。
○平田政府委員 内藤さんの御指摘のように、特別法人につきましては、今回税率をすえ置いた次第でございますが、これはやはり最近のこういう法人の実情からいたしますと、あまり理論一点ばりでもどうであろうかということを再反省いたしまして、実はこのようにいたした次第であります。 それからさらにもう少し違つた救済方法はないかというお話でございますが、たとえば農業協同組合の場合でございますと、一昨年あたりから大分欠損を生じておるものが多いようでございまして、目下再建整備の計画が進んでおるようでございます。そういう法人につきましては、青色申告をしていないものが大分多かつたようでありますが、今後は青色申告をするということを前提といたしまして、ここ一、二年に生じました欠損は繰越して課税所律から控除する。そういう特例を、再建整備の方の法律案の方で認めることにしたらどうかというふうに考えております。私どもはこういう法人の再建と発展はやはり必要であると考えますので、税の上におきましても、著しく負担の不公平を来さない範囲内におきまして、実情に応ずるように考えてみたいと考えておる次第であります。
○内藤(友)委員 今度税について出されました法律案の中には、相続税のことは出ておりませんが、これはこの次の通常国会にはお出しなさるのではないかと思うのであります。そこでひとつ希望を申し上げておきたいと思うのであります。それは相続税につきましての免税点でありますが、その免税点をもう少しお引上げ願えないか。ことに今日インフレになりまして、貨幣価値も非常に下りまして、以前の免税点ではどうもと思われる点があるのであります。ことに農業の相続税につきまして、もう少し制度上お考えいただきたいと実は思つておるのであります。農業資産相続特例法という法律も、しばしば農林省におきまして考えられたのでありますけれども、これが民法の規定に違反するというので、今日まだ日の目を見ておらぬのでございます。従つて今日農村におきましては遺子相続が行われない。せつかく農地を改革いたしましたけれども、その農地というものが二代目になりますとかなり分散する。そこで何とかこれをまとめて、経営の合理化という線に持つて行かなければならぬのであります。ところがそうなりますと、相続税の問題がひつかかるのでありまして、この点はひとつ十分に御考慮いただきまして、次の相続税の方をいじられますときに、お考えに入れておいていただきたいと思うのでありますが、平田さんはただいまのところどうお考えになつておりますか。それを伺いたいと思うのであります。
○平田政府委員 相続税の基礎控除は、御承知の通り一昨年二十五年度の改正で、従来五万円でありましたのを十五万円に引上げたのでございます。それで取得者ごとに課税しますので、たとえば相続人が三人おれば四十五万円まで税がかからなくなる、こういうことにいたしたわけでございますが、御指摘の通り農村等におきましては、財産の分割というのは必ずしも行われがたい。あるいはむしろ行わない方が農業経営の実際に即するというような点もございまして、十五万円はまだ低過ぎるという議論がございますこ とば、私ども承知したしております。一従いましてこの十五万円につきましては、目下検討いたしておりまして、自作農の課税の限界等の問題もよく研究いたしまして、できる限り引上げるという方向で具体案をつくりたいと、目下検討いたしておる次第であります。どの程度に引上げるかということにつきましては、まだ本日申し上げる段階に至つておりませんが、相当引上げられるだろうと考えております。
○内藤(友)委員 もう一つあるのでございますが、はなはだ長くなつて恐縮でありますけれども、森林の相続税であります。実はこれは非常に高率になつておりますので、森林所有者が一たび相続というふうな問題がありますと、ほとんど伐採して売つてしまわなければならぬ。これは評価が問題になると思うのであります。従つてこういうふうなものに対しましては、特に御考慮を払つていただきたいと思つております。と申しますのは、今日は森林法によりまして伐採はすべて府県知事が許可する。これは一月一日からでありますけれども、その森林法の制度と相続税の課税の行き方と矛盾して来ます。せつかく森林法で森林資源の涵養ということを考えましても、相続税の方でくずれて来るような節なきにしもあらずと思われますので、そういう点もひとつ十分お考えいただきまして、この相続税の御研究をなさるときには、そういう方面の専門家も入れられて意見を聞いていただきたい。これは希望でありますが、お願い申し上げておきます。
○平田政府委員 山林に対する課税につきましては、所得税をどうするかという問題、これがやはり相当ややこしい問題でございまして、目下研究中でありますことは午前中申し上げた通りであります。相続税につきましても同様でございますが、今御指摘の通り、評価の問題と税率の問題と二つあろうかと思います。相続税の税率は一昨年大分改正いたしましたが、何しろ五千万円超過九〇%という非常に高い相続税の税率を、今持つておるわけでございます。この点は日本の今の資産家の状況、資本蓄積の必要等からいたしますと、九〇%という税率は、やはり高過ぎるのではないかというふうに感じておりまして、これはある程度引下げたらどうかというふうに考えております。それから評価につきましても、幼齢樹林の評価をどうするか、奥地樹林の評価をどうするか、こういう点につきましてはいろいろ問題がございまして、国税庁としてはすでにその点につきましては、相当具体的に検討いたしまして、妥当な案を得るように進んでおるようでございますから、御指摘のような問題は、よほど今後解決を見る面が多いのではないかというふうに考えます。もちろん案をきめます際におきましては、よく関係者の意見を聞きまして妥当な案をつくりたいと考えております。
○有田(二)委員 最初に国税庁長官にお尋ねしたいことは、由来法律というものは、国民に便宜なように解釈するのが妥当なものであると、われわれは考えておるのでございますが、税法についても同じことが言えると思うのであります。これについて国税庁長官の御所見を伺いたいと思います。
○高橋政府委員 お話の通り、税法の解釈についてどういう態度を持つておるかという点につきましては、納税者の利益、国の利益、また税の公平といういろいろな角度から検討いたしまして、妥当な解釈を見出して行きたいと考えておるのであります。現在の税法は、法律自体としては非常に包括的な規定になつておりまして、こまかい解釈がございませんので、私どもといたしましては、その解釈に関する部分を通達の形で出しまして、これを一般に公表していろいろ御批判を仰ぎ、率直に反省もいたしまして、改正すべき点があれば改正いたしたいと考えておる次第であります。
○有田(二)委員 法の解釈はもちろん国家のためでもありますけれども、納税者になるべく有利なように解釈するということは、おそらく国税庁長官も私の考えに御同感であろうと思うのでありますが、第一線の税務吏員の税決定の態度におきまして、はなはだ遺憾に感ずる点があるのでありまして、先刻大蔵大臣から、第一線が非常によくなつて来たというお話がありまして、私も一部賛成することにやぶさかではないのでありますけれども、まだまだ第一線の方々の税決定の態度につきましては、非常に遺憾な点がある。たとえば経費を否認するという場合におきましても、十分でないものがある。ぜひひとつ国税庁長官から、十分第一線に御通達を出していただいて、税の解釈をでき得る限り苛酷にならないようにしていただきたい。先刻も大蔵大臣から、できるだけ調査をして決定をするようにという御趣旨の発言がありましたけれども、第一線ではまだ問答無益というような態度が非常に多いのでありますが、この点につきまして、長官の御所見を承りたいと思います。 〔西村(直)委員長代理退席、委員 長着席〕
○高橋政府委員 税法の実際の適用につきましては、お話の通りできるだけ親切に、また適正にこれを実行するということは、私どもの最も意を用いておる点であります。しこうして従来ややもすれば、記帳の誤りから納税者においてはこれを経費としていなかつたという場合に、これを積極的に経費と認めるというようなことは、ほとんど絶無だつたかと思うのでありますが、私どもはそういうような経費として記帳してなかつた場合におきましても、実質が経費である場合においては、経費として認めて行く努力をするようにという指示をしておる次第であります。
○有田(二)委員 一例をあげますと、大阪の淀川税務腰長である丹羽という人がおりますが、同君のごときは、国税局の徴収部あるいは間税部等の指示をほとんど仰がないで、独善的に徴収している。一例をあげると、先般予算委員会で国税庁長官にも申し上げましたが、医師の社会保険の金を差押えする。あるいは同じく歯科医師の国民保険の金を差押えする。医師の社会保険の金を差押えすることは税法で許されおりますけれども、今日税務署は淀川税務署だけではない。こういつたものの差押えについては、国税庁にもやはり徴収部というものがあつて、徴収に対する一定の方針を決定してやらなければならぬと考える。その他のやり方につきましても、たとえば七月二十日に納期が終りますと、淀川税務署ではただちに税額の多いものは銀行預金を差押える。商人というものは銀行から金を借りますときに、一千万円なら一千万円の預金を置いて、二千万円を借りるというやり方をやつておるのが多いのであります。しかも銀行の要望もあつてそういう仕組みでやつておる。従つて預金はあつても、実は金はもう借りて出ておるというような状態です。預金を差押えすることも、決して税法では悪くないのでありますが、こういつた運営については、国税庁にそれぞれ調査査察部があり、直税部があり、間税部があつて、それぞれの方針を決定して各局の各部を通じて各税務署に一つの指示をしておる。ところが淀川の税務署長に私が会いまして、いろいろと懇談をしたのでありますが、何がゆえに国税局の徴収部、あるいは直税部、あるいは間税部とかいうものの意見を聞かなければならないか。税務署長というものは税法一ぱいにとる権限を持つておるものであるというようなことを、私に語つておつたのでありますが、国税庁長官が一つの方針を示してやらせるというのと、およそかけ離れたやり方をしておる。そのときに私は、新しいことをおやりになるのはけつこうであるけれども、徴収に関しては、局の徴収部長の意見を徴して、こういうことを新しい試みとしてやつてみようと思うが、どうであるかということを相談してやるべきである。しかも今日の医師の問題にしましても、国民保険の支払いその他におきまして、政府のいろいろな手違いその他から十分に行つていない点が多く、非常に遺憾な点があることは、厚生省みずからも認めているところであります。従つて国民保険に対する医師の犠牲というものは相当あるのでありますが、これを滞納という面から考えまして、しかも局の徴収部の指示も何も仰がす、一税務署長が自分の考えだけで独断でやつて行くというやり方が許されるならば、国税庁の存在も必要がなければ、国税局の必要もない。大蔵大臣のもとに税務暑だけあればいいという結論に到達すると思うのでありますが、長官の御意見をお伺いしたいと思うのであります。
○高橋政府委員 税務署長が税法に基く権限を持つておりますることは当然でありまするが、その税法を実行する面につきましては、最も適正妥当に全般に行われるように、また全国的な調整がとられるように、それぞれ措置をいたしておるのでございまして、その行政命令に従わない場合においては、これは当然その従わないゆえをもつて、相当に従うような方向に指導をし、またはそれぞれ処置をするということが、当然だろうと考えるのであります。ただいま御指摘になりましたような事実に関しましては、なおよく調査いたしてみたいと考えます。お話の通り、たとえば現在の金融の慣行におきましては、両建預金というものがほとんど全般的になつておりまして、そういうふうな預金を全面的に差押える、またはこれを徴収するというような事柄につきましては、特に慎重を期するように、私ども注意をいたしておる次第であります。
○有田(二)委員 長官にお願いしたいことは、税務署は淀川だけではないのであります。淀川税務署管内の人は、本社を淀川署管内に置いておいてはたいへんだというので、二百万以下の会社の方々は、本社を他の税務署管内に移そうという傾向があるのであります。従つてどうか国税庁の方で全国的に統一して、税務署はそこ一軒ではない、納税者がちよつと本社をよそに移せば片のつくことでありますから、とにかくさようなことのないようにひとつ十分やつてもらいたい。特に本人は徴収出身の税務署長でありますが、徴収についてはまつたく気違いのような考えを持つておる。非常に遺憾な点がたくさんあつて、管内においても相当不満があり、またわが党の衆参両院議員も、この点については結束して一致した意見を持つておるので、国税庁として十分御調査願いまして、万遺漏のないように将来ともお願いいたしたいと思うのであります。 さらに私が国税庁にお願いしたいことは、国税庁の中でひとつ人権擁護という建前のことを、十分に考えた機構をつくつていただきたい。これは現状の機構の中でも、協議団とか監督官とかいう制度が、国税庁長官のもとに置かれておるのでありますから、これらの機構を通じて人権擁護をやる。片一方は直税部あるいは調査査察部を通じて、税金をとる方法の指示をして行くが、その指示をして行くことに対して、これが行き過ぎにならないようなブレーキの方法を考えていただきたいと思う。昨年私が国政調査のために、今法人税課長になりました吉国君と田中調査員を連れて大阪に参りましたときにも、二十件のうち徹夜が実に八件あるのであります。こういうような事実を知りましても、一つの計画を立てる当時の大阪直税部の計画が、二日で最後の結論を出す。計画は非常にいい計画でありますけれども、同じ一つの業者のうち一番評判の悪いものを選び出す。当時は三百万円が直税の方の関係でありますが、三百万円以下の会社で特に評判の悪い会社を、同業者の中から二件ずつ出して、それを特別に調べるというやり方であつて、計画は非常にけつこうな計画である。しかしながら二日間で最後の結論に入るという計画でありましたし、それに相手も、同業者のうちでも相当評判が悪いと目されているところでありますからなかなかがんばる。がんばるけれども、二日目の晩までにはどうしても結論を出さなければならないから、徹夜で調べるというような結果になつた。計画はそういういい計画であつたけれども、二日間というところに無理があつて、その結果が徹夜をしなければならぬという結論になつた。先般私がそれを注意しました結果、今年の三月三十一日までの問題として、東京の国税局でもその調査をやりました。これはそういう徹夜式のものではなかつたのでありまするけれども、三月三十一日に近づくに従つて人権蹂躙の事実が幾つも現われて来た。初めの間はおつとりしておつたのでありますが、三月三十一日に近づくに従つて、苛烈な行き過ぎが現われたというようなことがあるのであります。また岐阜の北税務署におきまして、これは調査課所管であるにもかかわらず、直税課の所得税の係の者が、岐阜のいとう旅館というところへ十二月の終りの二十五日の日に行つた。北税務署の人が各員に四万円ずつという責任額を持たされて、滞納税金の徴収に歩いた。そのときにそこへ行つたところが、おかみさんの態度が悪いということで上り込んで家宅捜索を行つた。徹夜をして三人で次の目の十二時近くまで調べて帰つた。このいとう旅館というのは調査課所管のところでありまして、岐阜北税務署とは何ら関係のないところであります。しかしながらおかみの態度が、おつたくせに居留守をくらわしたということで腹を立てて上り込んで、そうして職権外のことをやつて、一晩徹夜をして飯を十五食食つて、そうして三千円払つて帰つた。私が翌年の一月十一日に、ちようど岐阜のいとう旅館にとまりましたときにまたやつて来て、やはり徹夜をする。私の隣りの部屋で調べておるので、十一時ごろに、もうおそいから日をあらためて、あした来て調べたらどうかということを申し入れましたが、代議士が何をぬかすか、なまいきなことを言うなという声が聞えましたので、けしからぬということで私が入つていろいろ聞いてみますと、これは調査課所管のところで、北税務所は何も関係がない。そういうことで非常に行き過ぎがある。これなんかも調査課と税務署との間の感情上のもつれもある。特に今日法人二百万円以上、個人百万円以上は調査課にとられておるので、税務署が非常にさびしい。俗に淋病にかかつておると言う人もありますが、税務署が非常にさびしい関係上、そういう行き過ぎがあつたと思うのでありますが、その他いろいろな行過ぎがまことに枚挙にいとまがないのであります。国税庁長官はアメリカからお帰りになつてからというものは、非常に慈悲心を出されて、納税者にあたたかいお気持を持つておられることは、よく了承するのでありますが、先刻も予算委員会で申しましたように、第一線が親の心子知らずでありまして結局これをいろいろ突き詰めて考えますと、税金にほれ過ぎてしまうのであります。税務官吏は税金にほれてもらわなければ困るのでありますが、ほれ過ぎてしまうと行き過ぎが行われる。この行き過ぎをセーヴする機関を国税庁として置かるべきであつて、すでに監督官というものがあるけれども、大体これは女でいえば月経の上つたような人間が多いのであります。税務著長の古手とか、役に立たぬような人間を、仕事のできないような人間を監督官にしておる。だから、ほんとうに国民の税法の運営がうまく行つておるか行つていないかということを、大義親を滅してやるという慨がないのであります。こういう点について長官はどういうお考えを持つておるか。御所見を承りたいと思います。
○高橋政府委員 私どもといたしましては“単に人権擁護というようなことではなしに、さらに一歩を進めて、納税者に親切に、信頼を得るような方向に態度をとるようにという指示を、繰返しいたしておる次第であります。しかして御指摘になりましたような事例につきましては、その当時有田さんから一々詳しく事実もお聞きいたしましたし、またその後もそれぞれ処置をつけて参つた次第でありますが、一つの原因は、相当悪質な脱税者等である場合におきましては、その事件も、本来ならば査察の関係に移して査察の事件として処すべきものを、何と申しまするか、業績が上ると申しますか、そんな気持も手伝つたかと思うのでありますが、とにかくその係で全部完結させようというようなことからある程度無理が出た。そういう点は認めざるを得ないと考えるのであります。そういうふうな事柄もございまするので、昨年以来調査課または税務署の段階において調査する事件についても、相当悪質な脱税に関する問題につきましては、調査の途中でありましても時々査察に連絡し、査察の事件として調査するという方向に行きたいと考えておるのであります。 なお監督官の人選について御指摘がございましたが、監督官はなるほど年をとつております。しかし私どもとしては、むしろ税界の至宝とも言うべき人に、監督官になつていただいておるのでございまして、決して月経が上つて役に立たないというような人を、選んでいるわけではないのでありますから、この点はあしからず御了承を願いたいと思うのであります。
○有田(二)委員 さらに一つ長官にお願いしたいことがある。先般大阪の天王寺税務署管内で、判事の令状をとつて旅館を三軒調べたのであります。それが脱税という容疑で、しかもこれを摘発してやるという精神でやつておられるならば、けつこうでありますけれども、税金をすみやかに自分の思う線に持つて来させるために、判事の令状をとつて来た。しかもそれを、署長も知らなければ、もちろん直税においても知らないというような行き過ぎがありまして、大阪の直税部長なり天王寺署長に十分注意しておいたのでありますが、全国的に判事の令状をとるというような場合でも、査察課の問題は別でありますが、その他のところで判事の令状をとつてこれを調べるというようなときには、十分慎重にやつていただきたい。税金を早く自分の思う線に持つて来るために、判事の令状をとつてだ、だ、だ、だとかきまわしておいて、おどかしてきめるというようなやり方は、これはおそらく高橋長官の意思に反したやり方だろう。また大阪南税務署では、以前に三人で薬局の税金を調べに行つた。今は法律でヒロポンは持つことができなくなりましたが、今から約一年前、このヒロポンが店の中にあつたというので、商品のヒロポンを南税務署で持つて帰つて来た。お前はヒロポンの密売をしておるから、これから検察庁に届を出すというような調子で、非常におどかした。さらに三人が、直税課長の了解も了承も得ずして、本人の住まいの奈良県の富雄というところへ行つて家宅捜索をした。そのときに、お婆さんが病気で瀕死の重症にあつたが、そこへ上り込んでいろいろやつた。そのためにそのお婆さんは三日後に死んでしまつた。そういうような事実があるのであります。当時法律で薬局がヒロポンを持つておることは許されていなかつたので、そのヒロポンの商品を持つて帰つて来て、そうしてそれをだしにしておどかして、税決定に持つて行つたというわけですが、こういうようなやり方は非常に行き過ぎであると私は考えるのであります。先刻も墨田税務署の話が野党の諸君から出ましたが、墨田税務署員が法人会でどういうことを言われたかと申しますと、二号さんがある人は税金を高くするという声明をしておられるのであります。二号さんと申しますか恋人と申しますか、恋人と税金がどういう関係にあるのか。税法上こういうことはおそらくないだろうと思う。そういう感情で税金をきめるというあり方が、まだ第一線には多分に残つている。あいつはなまいきだからよけいとつてやれとか、あいつは二号があるからよけいとつてやれ。二号とか恋人と税とはどういう関係があるか。これははなはだ変な例になりましたけれども、しかし最もわかりやすい例でありますから申し上げますが、こういう税務官吏の考え方というものを、根本的にかえて行かなければならない。また間税課の吏員の中には、われわれは非常な権限を持つておる、権力を持つておる、何をやつてもいいんだというような考えを持つておる者がある。従つて間税課員の中には、非行が枚挙にいとまなくあるのであります。間税課が御存じの通り飲食税を担当しておりました当時、役得のごとく間税課員が料理屋に行つて食い荒しておつたことは、皆さんも御承知の通りであります。そのときの残渣が今も残つておつて、業者と間税課員、この因果関係というものは、相当粛正する必要がある、かように私は考えておるのであります。この点につきまして、私どもは将来物品税あるいは間接税のあり方というものについて、熱心に考えて行かなければならぬ、真剣にとつ組んで行かなければならぬと考えておるのであります。この間税課員の指導の仕方ですが、先般も大阪の浪速税務署管内でありまするが、大阪間税部の監視課員が、ある冷蔵庫屋さんを調べに行つた。そうしてそこの預金通帳を調べまして、銀行から逆算して調べて、その原料を入れておるトタン屋さん、地金屋さんを調べた。そうしてそこへ行つて、何だ、こんな帳面じやだめじやないかと言うと、そこのおやじが、それじやどうかひとつ計理士を世話してくれと言つた。よしというので世話して、そこへ行つて酒を飲んでおる。監視課員を監視をするのが商売であつて、職業安定所の職員にはなつていない。また先般申しましたように、調査課員が税務代理士の仕事をやつておる。この点も厳重にやつていただきたい。最近大阪では調査査察部長が吉田さんにかわられてからというものは、非常に締めた。私のある熱心な応援者の一人が料理屋をやつておるが、そこへ私が行きましたら、有田さん、実は困つたものだ。今度の調査査察部長の吉田さんというのは、非常に厳重であるために、実に困つておる。今までは調査課の何人かの人が客引きをしてくれて、非常に景気がよかつたのであるが、夏枯れと、調査査察部長がかわつてからというものは、厳重にごちそうになることを禁止されて、そのために不景気になつて困つておるということを聞いて、私は非常に喜んだ。それほど大阪ではごちそうになることを何とも思つていない。これからこの会社の税金を調べなければならぬという相手方からごちそうになる。直接ごちそうにはならない。間接にごちそうになる。なかなか上手なやり方でありますが、こういうやり方はいけないということを、私は吉本君時代にも注意しておつたのでありまするが、吉田さんはやはり監督官の経歴を経られただけに、これからごちそうになる場合には、必ず部長の許可を得べしという指示をした。従つて調査課の課員は非常な動揺を感じまして、一時ストライキを起すような形勢でありましたけれども、結局それがなくなつて、今日ではそういうごちそうが非常に減つて来た。以前はこういうことが非常に多かつた。どうかひとつ全国的にこういう事態のないように、ひとつ国税庁長官としてもやつていただきたい。特に調査課の運営につきましては、先般も申し上げましたけれども、調査課ができました目的は大体達成されて非常にけつこうであります。私は調査課が上げた実績というものは、非常なものであろうと考えるのでありますが、今日におきましては、相当調査課につきまして、いろいろな魔の手が伸びつつあるのであります。若い税務吏員の意思で、何百万円あるいは何千万円という税決定をするのであります。非常な権力を持つておる。この権力に、ちようど砂糖につくありのごとくに、魔の手が伸びるのは当然であります。しかも今日税務吏員は非常に薄給で、しかも営々として仕事をしておられる。従つてこれに対しても誘惑の魔の手が伸びるのは当然であつて、これをどうして防ぐか。この点について国税庁長官としても、機構の面において十分検討していただきたい。特に私は税務署と一緒になつて税決定をやつて行くというような方向へ行くのが、非常にいいじやないかと思う。先般も申し上げましたが、岐阜の南税務署の東海製糸の競売の問題にしましても、局の徴収課と南税務署との間で共同でやられたら、あの問題は起らなかつた。岐阜税務署だけでやりましたために、二千万円の値打ちのあるものが、四百万円で競売された。しかも競売のその日に、工場で公売するということを十日前に発表しておきながら、その日になつて一日で公売しておる。これは税法違反であります。こういうようなやり方で公売がなされるということは、税務署のみにまかせたからであります。しからば局にまかせたらどうか。局だけにまかせましてもやはり間違いが起るのであります。ありは砂糖につくのであります。そういう権力のあるところには、どうしても誘惑が多いのであります。十分ひとつあらゆる面から監視をして、誘惑の芽を防ぐようにしていただきたい。しかも今度法人税が四二%に上りましたが、この法人税の問題につきましても、今日の会社の労使という字は、使用人の使であります。資ではない。従つて今日の会社の社長あるいは重役というものは、ほんとうの資本家でないのでありまして、自分が社長になつて、役得のごとく料理屋に行く、あるいはごちそうを食うというようなことのために、結局経理部に頭が上らない。経理部が非常な権力を持つ。この経理部の対象になるのが、この調査課であります。会社の金を自由にする力を持つておる。しかもこれが帝大を出た、あるいは大学を出た優秀な人が経理部員になつておりますから、その誘惑のやり方も非常に知能犯的なやり方であります。従つて調査課員だけが悪いとは私は簡単に考えないのでありまするが、どうしてもありは砂糖につくのであります。どうしたら、ありが砂糖につかないようにできるかという研究を、税制の面におきまして、主税局長におかれても、国税庁長官におかれても、その観点から実際の税法の運営の面において、十分に御検討いただきたいと思うのでありますが、御所見を承りたい。
○高橋政府委員 最初にお話のありました、税務署員が令状を持つて調査に臨み、その令状を利用して税の決定をするということは、もちろん邪道でありまして、そういうことは絶対に慎むべき点であると考えます。のみならず、令状を署長の承認を得ずして請求するというようなことは、絶対に避くべき問題でありまして、この点は私ども繰返して通牒その他で厳戒しておるのであります。 なお御指摘になりましたように、税務吏員の汚職という問題につきましては、私どもも最も痛心しておる点でございまして、そのために昭和二十五年度から新しく監察官の制度を設けまして、監察官に警察権を持たせまして、税務官吏の監督に当らせておるのでありますが、今年の春さらにこの定員を倍化いたしまして、今日百二十名の監察官をフルに活動せしめまして、これが監督に当つておるのであります。これが防止にあたつては、納税者から受取りました税金を途中で横領して、帳簿をごまかすというような事例も相当ありましたが、こういうのは税務署の帳簿並びに納税者双方を調べれば、割合簡単に調査がつきます。従つてこれらの面については、今日あまり出て来ないような傾向になつて参りました。それで最も悪質であり、最も調査しにくいのは、ただいまの、納税者からあるいは饗応を受け、あるいは収賄をするという問題であります。この点が法人等になると、なかなか証拠を残さない。また調査がしにくいのでありまして、私どももこれが監督については、最も頭を悩ましておるのであります。従つてこれが方法といたしましては、調査課等におきまして、必ず各課に一つの係を設けまして、東京では審理係といつおりますが、名前はいろいろでありますけれども、とにかく一つの係を設けまして、調査すべきものの担任を決定し、そうしていつ、どこに調査に行くかということを、離席を必ず明らかにして、しかも調査したら調査した都度必ず報告を提出せしめる。しかも調査期間中に係長なり、またはその他の責任課長なり責任者が、何とかしてそこの場所に臨んで、またはその様子を見に行つたりというような方法によつて、それを監督するというふうにいたしまして、これが不正の防止に努力をいたしますと同時に、また一方監察官の活動にいたしましても、主力をそういう方面に注いで、そして事件がありますものの摘発並びに防止ということに、今後力を注いで行きたいと考えております。ただ有田さんの御指摘のように、税務署あるいは局の共同責任にしたらどうかというお話でございますが、これはややもすれば双方が責任のなすり合いになりまして、結局その仕事が非常に非能率的になつて、諸事を遅らせるという結果になることが、過去の実例等から考えて普通でございますので、やはりいずれの責任ということをはつきりいたしまして、そうして一定の能率をもつて敏速に処理して行けるように、指導して参りたいと思います。
○有田(二)委員 御所見はよくわかりましたが、調査課の問題につきましては、二分して両方に責任を負わすという意味では、決してないのであります。先般も青森へ参りましたときに、仙台の国税局の調査課の方が調べに来られたけれども、十分な調査ができていない。わずか三人の方がやつて来られて、三日か四日の間に何十件というものを決定して帰るといつたところに、非常に無理があると思う。税務署の中に調査係というものを置いて、調査課の出先を置いて、そうしてその地方における二百万円以上の会社、百万円以上の個人の所得に対するいろいろな情報、あるいはいろいろな材料、あるいは帳面の指導その他をやつておかれる必要がある。従つて税を決定する場合において、一応税務著長の意見も徴して決定する。決定するのは、調査査察部長において決定することはもちろんでありまするけれども、税務署の意向を聞く。私は青森の税務署の直税課長の意思を聞きましたが、非常に安くきまつて、かえつて非常に迷惑しておる。もつと税金がとれるはずのものを安く決定するというのは、結局資料を持つていない。向うは帳面がないが、こつちは資料を持つていない。資料を持たずして、仙台から青森まで行つて、そうして宿屋にとまつて、二日か三日で税決定を行うというようなやり方のために、もう少し調べれば税金が把握されて出て来るのにもかかわらず、わずかな期間で調べもせずに税金を決定しよう。先刻大蔵大臣が言われたように、調査しなければいかぬ。ところが仙台と青森では、旅先で旅館にとまつておつて、十分な調査というのはでき得ない。そこに国費をもつて税務署の建物も建て、そうして何十年という税の経験を持つておる税務署長も配置しながら、それらを一切使わない。そうして調査課員が行つても、神様でない限り正しい税の把握というものは、私はでき得ないと思う。税務署もたしか国税庁の一部だと考える。税務署も国税庁長官の指揮下にあり、調査査察部も調査課もまた国税庁長官の指揮下にある。しかも税務署は、非常に多額の国費をもつて、青森なら青森に税務署を置いておきながら、そこに二百万円以上の会社の税金の調査をさせない。あるいは百万円以上の個人所得のいろいろな情報なり調査をさせない、言い分も聞いてやらないというような行き方である。しかもこのために調査課としては、秋田に調査課の分室を設けておる。さらに新潟に分室を設けておる。これは憲法違反であります。分室を設ける場合には国会の承認を得なければならぬ。承認を得なければならぬのに、国会の承認を得ていない。調査課がすでに行ぎ詰まりつつある一つの証左であると私は考えるのであります。調査課の分室をつくられるのもけつこうであります。おつくりになるならば、なぜ国会にその法案をお出しになつて、内閣委員会に出されて、そして正々堂々と分室をおつくりにならないか。国税庁みずからが法律に違反した行為をしておられるということが、言い得られるのであります。そんなことをしないでも、全国に税務署というものがある。しかも建物があり、長年税の経験を持つところの税務署長を置いておる。その指揮下に調査課あるいは調査係を置いて、平素から情報なり、あるいは帳面の指導なり、いろいろなことをやつておいて、そして税決定をする場合には局から出かけて行つて、それらの資料に基いて、別の観点から正しい税決定に持つて行くというようにすれば、比較的今日よりは正しい税決定に持つて行けるのじやないか。今日の国税庁内部におけるセクシヨナリズム——長官が親心を持ち、大蔵大臣が親心をお持ちになりましても、役人というものはその部その部、その局その局、その課その課で対立をして、なかなかお互いに助け合おうとしないのが、日本の官吏道であります。それで迷惑を受けるのは国民であります。私は国税庁長官のもとにおいて、この機構をさらに一歩前進してお考えになる御意思があるかどうか、承りたいと思います。
○高橋政府委員 調査課の所管事項の範囲をいかにするかという問題につきましては、午前中三宅委員の御質問がございまして、答弁を申し上げておいたのでありますが、繰返して申し上げますと、御指摘の通り、調査課の業績が相当今までに上つて参りまして、しかもある程度その使命は果したという点は、同感できる点があるのでございます。同時に今回明年度から行政整理によりまして、相当の税務官吏の減員を行わなければならぬという事態に相なつたのであります。こういうふうになりますと、やはり税の調査の能率化という観点からも、この問題を再検討しなければならぬというふうに考えまして、今年度一ぱいは従来の通りの建前で行きたいと考えますが、明年の四月からはある程度標準をかえまして、一部分税務署に返すという方向に行きたいと考えております。 なお御指摘の税務署の署を利用しないということは、これはわれわれの考えておることと全然逆でありまして、税務署の署を必ず利用するようにという指示をいたしておるのであります。中にはそういうふうな事例があつたのでありましよう。はなはだ遺憾とするところであります。 なお調査課分室の点について御質問がございましたが、これは私ども調査課の職員をして出張させます際の詰所にいたして、やはり一つの詰所を中心にして、その附近を調査せしめるということの方が、非常に能率的でございますので、一時的な便宜の措置として、ああいうふうな措置をとつたのであります。もちろんこれは恒久的な制度ということになりますと、国会の承認を得るのは当然であろうかと考えておるのであります。
○有田(二)委員 これはもう納税者の便宜をはかるためにおやりになつたことで、決して趣旨として悪いとは考えないのでございますが、そういうやり方は、分室であればやはり国会の承認を得るのが妥当であつて、そういう見解が許されれば、何でもできるということになるのであります。やはり国会の承認を得るのがよい。特に私は調査課をやらずして、直税部をねらつてやつているのは、現在の調査課の非行その他を摘発いたしますと、税収入の上にも大いに影響があると思いまして、大阪の場合においても大阪の直税部を調べ、東京においても東京の国税局の一直税部を調べ、北海道においても直税部を調べて、調査課をわざとはずしたゆえんのものは、直税部から例をあげて来て調査課の方に指示をもらいたい、こういう精神からでありまして、調査課の指導ということについては、十分ひとつ国税庁長官みずから検討してやつていただきたい。特に北海道などの一例をあげてみますと、直税部の所得税課の一人が函館へ参りますと、その会社は個人から法人にかわつておりますが、せつかく札幌から来たのだというので、今は法人であるけれども、個人で税金を決定されましても異存はありませんという、おかしな念書を入れさせておる。しかもそれを協議団の書類の上にはつきり載せておる。私は当時の国税局長の西川さんにはつきり注意しておいた。全国たくさん歩いても、こういうような念書は見たことがない。そういうのが幾多あるという例を申し上げて、十分注意しておきました。こういつた点も、まだまだ第一線は戦後新しく入れられた税務吏員がおられて、徴税技術の面において非常に遺憾な点が多いということを私は痛感しておる。最近では関東、信越国税局管内にもいろいろ問題があつて、そして直税課長に、納税者は非常にやせたということをある納税者の奥さんが話したら、やせるくらいはけつこうなことだ、税金で死んでいる人がたくさんあるのだ、こういう暴言を直税課長は吐いておる。さらに直税課長がこの家を借りたいということを言つたところが、向うが断つた。断つたところを目ざして非常に税金でいじめる。こういうようなものが枚挙にいとまなくまだあるのであります。もちろん昔から見ましたならば、非常によくはなつておりまするけれども、いろいろ調べてみますると、まだたくさんある。ただ根本のいわゆる徴税技術の進歩というだけでなくして、税務官吏の精神的な指導という面を、ひとつ十分考えていただきたいのでありまして、この点国税庁長官に希望を申し上げます。 さらに先般私が浜松税務署に参りましたときに、会計検査院が参りまして昭和二十一年の税金を調べた。そしてこれはこういうように課税しろと言つて帰つた。それによつてただちに更生決定をして出した。こういう例があるのでありますが、事情を聞いてみますると、当時は団体交渉で、そして業者に比率を出させて税決定をしたら当時の情勢というものを会計検査院が十分調べないで、帳面づらだけ見てこれをやるどいうやり方はよくないので、先般も会計検査院の事務局次長に注意しておいたのでありますが、各国税局をまわる場合には、国税庁と十分打合せをして、会計検査院というものはどういう観点から、各税務署なり国税局の会計検査を行うかということを打合わしてやる。第一線で、今日はそうでないのでありますが、以前では話合いで、あそこは幾らだからここは幾らと業者に一定の比率をかけておいて、そうして頭から大体税額は幾らと業者の数で割つて、税額を決定した時代があるのです。それが今日大蔵委員会で非常に問題になりました。一昨年あたりから漸次少くなりましたけれども、それ以前のいわゆる談合で話合いがきまつた。これを会計検査院が帳面づらだけで押しつけて、これをこうせい、ああせいということは私は当らないと思う。それを言えば全部やらなければならないということになるのでありまするが、国税庁長官の御所見を伺いたいと思います。
○高橋政府委員 ただいまの会計検査院との関係の問題につきましては、御指摘のような点が確かにあると考えます。これは事前にと申しましても、むしろ調査しまして出て参りました結果の問題について——問題は多くの場合国税庁当局が普通でありますが、国税庁といたしましては十分その点注意いたしたいと考えております。ただ現地において、はつきりした事実、はつきりした根拠に基いて、検査院からこれを課税せよと言われた場合に、課税しなかつた場合には、必ず不当法規として出て参りますので、それらの点、やはり根本的に十分上の方で話合いをしていただきませんと、解決がつかない場合が非常に多いかと思いますので、十分注意いたしたいと思います。
○有田(二)委員 最後にひとつお願いしたいことは、これは大阪の阿倍野の医師会からの決議文、声明書であります。これを簡単に読み上げたいと思います。 声明書 我々阿倍野区医師会員一同は昨年来より所得申告に関し、阿倍野税務署の団体諮問を受けて来たのである。然るに去る二月十六日係官より各人宛申告確約額を通知されたが、その席上「只今から皆様方へお渡しする申告確約額に就てはイエスかノーかを御聞きするだけであつて皆様方の御意見を聞きに来たのではありません。税務署としては色々調査の上決定した額であつて之より下げる事は困難な線である。若しノーのお方があれば徹底的に調査して出たとこ勝負で行きましよう。尚場合によつては昨年一昨年にもさかのぼつて税金を頂戴に上ります。今迄は皆様方と和気靄々の中に折衝を続けて参りましたが、之を御渡しした後は本来の税務官吏に立ち返つて応対致します。尚之に基いて十九日から税務署で各個に申告指導を行いますから、左様御了承下さい」と述べ、会員一同呆然たるうちに各自封筒入りの申告確約額を渡され係官はそのまま引き上げたのである。会員はやがて封筒を開いてその申告確約額を知り大多数のものはその租税能力を越えたるものとして、且つは係官の前言を思い浮べて長嘆息をしたのである。かかる重税は我々個人並びに家族の生活を破壊するのみならず特に支払遅延診療内容の圧縮制限等種々問題を提起している。健康保険収入を一〇〇%捕捉し、所得決定の重要なる根拠とされている点は単に保険医のみの問題でなく、広く一般勤労大衆たる被保険者に与える影響の甚大なるを憂うるものである。かかる現状は国民の健康を確保し、診療の第一線に挺身する医師として黙過し得るであろうか。払えない税金は健保診療の破壊をもたらすのみならず、その赤字をカバーすべく必然的に一般診療にも及び、医療費の引上となり、結局之は患者に肩代りされ、高い診療費の払えない貧乏人は医療から遠ざからざるを得なくなる。又医師はかくて医学医術の研鑽を放擲し、ソロバン片手の商人にと転落する恐なしとせず。この原因は勿論税金の面ばかりでなく他に幾多の要素はあろうが、現実に徴税面に最も濃厚に現われている。今回係官の独善的言辞を以て示された申告確約額が如実にこれを示しておりはしないか。思うに医師の生活の破綻はその社会性から考えて決して個人的な問題でなく重大なる社会問題に発展する可能性がある。徴税当局は以上の現実を正しく認識し虚心坦懐に我々の声を聞き、法の運営上深甚の考慮を払われん事を要望するものである。 右声明する。 昭和二十六年二月二十日 阿倍野区医師会 〇右は二月二十日阿倍野区医師会緊急臨時総会に於て決議されたものである。というのであります。ここに詳細に出ておりますが、詳細の面は抜きまして、とにかく税務吏員が二言目に検察庁にやるとか、あるいは告発するとか、あるいは昨年、一昨年あるいは五年さかのぼつてやつてやるとかいうような言葉をよく弄するのでありますが、こういつたことについて国税庁長官の御所見を承りたいと思います。
○高橋政府委員 有田さんもよく御存じの通り、現存の税務署の職員の能力をもつてしては、全部の納税者の所得の調査をすることはとうてい不可能でございます。従つて大体実際の完全な調査をなし得るものは約二〇%程度かと考えるのでありますが、その他の人につきましては、一つの基本を捕捉いたしまして、把握いたしまして、その基本から、その人の所行を推定するという方法より、しかたがないのではないかと思います。そうしてこの二〇%の調査対象を選定する場合におきましては、やはり最も無理の起きない、またはその申告に最も信頼できにくいような方を主として選択いたしまして、大多数の方にはできるだけ信頼をして、申告を是認して行くという方法をとりたいと考えております。ただいまの医師の場合につきましては、医師の所得というものは御承知かと思いますが、非常に捕捉のしがたい、調査の非常に困難な業種目に当つておるのであります。しかしながら非常に苦心をいたしまして、あちらこちら調査をして、それらの調査を基本といたしまして、その他の方々につきましては、一つの保険診療につきましては、保険所として社会保険の収入がはつきりわかつております。そういうものから経費を差引いて、所得を推定するという方法をとらざるを得ないのであります。しかしながらその際における取扱いとしては、ただいまお読みになりましたような事実があるとすれば、それははなはだ遺憾な点でありまして、そういうような心がけ、またそういう態度というものこそ、税務官吏として非常に大切な点であると私ども考えますので、常々いろいろと訓示等もいたしおりますが、税務職員の教育等におきましても、単に税法の解釈であるとか、税法の取扱いとかいうような技術的な面のみならず、人間の訓練、人格、教養という点についても非常な留意をいたしまして、これが向上をはかつて行きたいと考えておる次第であります。
○有田(二)委員 最後にお願いをしまして、野党の質問があるそうですから譲ります。 今長官がおつしやつたことでよく了承できるのでありますが、要は言葉の使い方であります。長官がアメリカへお越しになつて、納税者はお得意先である、お客様であるというお考えを発表されましたが、私はまことにけつこうだと思うのであります。由来日本人は官尊民卑の風がある。官尊民卑ということは反面悪いことでもありまするが、私はまたいいところもあると思う。日本の役人さんを非常に尊重する、特にまた必要以上に恐れるという点もあるのでありまして、役人がやさしく言葉をかけてやれば、一部の政党に関係する人は別でありまするが、まあまあ正上い納税者は、私は税務署に協力するものとかように考えるのであつて、そういう反税的な運動をする者は、これは拒否されてけつこうでありまするが、正しい納税者に対しては言葉やさしく、そうして言うことも聞いてやり、相手に十分の納得できるというわけには行きませんけれども、どうにか納得できるように、私は国税庁長官の御指導が賜わりたい。第一線では、さきにも申し上げましかように、恋人があるやつは税金が高くなる。恋人と税金は関係がないので、そういう考え方を根本的に改めてもらいたい。税金というものは税法によつてとられて行くのであつて、恋人があろうがなかろうが、税金には関係がない。あるいは大阪でも、大阪の浪速区の婦人会の会髪しておられた方が、たまたま大阪の調査課で調べられたところが、一部税が落ちておつた。これを指摘して、こういう脱税をするような人間が大体婦人会の会長をするようなことはけしからぬ。しかも終戦後そういう婦人会というのは許されておらぬのである。しかるにこれは何たることかということで、目の前で辞表を書かせて、その婦人会長をやめさせている。これと税金とどう関係があるか。私は深く悩んだのでありまするが、税務吏員は税金をおとりになるのが御商売であつて、そういう恋人のことを言つたり、あるいは婦人会長をやめさせたりすることは、税務吏員の本務でないことをよく長官から訓示していただいて、どうぞ言葉づかいを丁寧にして、官尊民卑である日本の国民性にマツチするやり方をお願いして、一応私の質問を打切ります。
○深澤委員 政府の減税政策と申しますか、それは結局税法上の減税だけであつて、実際上の減税でなくて、末端には今有田君が申し上げましたような問題が、全国的に幾多あるのであります。ここに事実上の減税でなくて、これはあくまで税法上の減税にとどまるのだという、われわれの主張の根拠があるのでありますが、私も一つ徴税問題について、国税庁長官にお伺いしたいのであります。 実は墨田税務署に参りましたところが、驚くことには、前国会で国税徴収法を改正いたしまして、昭和二十六年の法律七十八号で改正が行われておるところの、差押えの禁止物件の問題でありますが、税務署長はこの国税徴収法の改正を御存じないという事実を、われわれは明確に知ることができたのであります。しかも署員に対して、この国税徴収法の改正が十分徹底していない。そのために差押そ禁止物件であるところの、業務用の菓子屋さんになくてはならないモーターや、あるいは機械や攪拌機というようなものを差押えておる、そういう事実があるのであります。これは私は事実を見て参りました。ところが税務署長は、最初は、いやそういうものは差押えられるのだという見解をとつておつたので、私はやむなく国税徴収法を見せまして、そうして解釈を求めたところが、初めてそういうものが禁止物件であるということを知つたというような事実があるのであります。 またさらにもう一つの問題は、同じ墨田税務署に、差押え調書にない物件を三件引上げて参りまして、そうして納税者に対して非常な迷惑をかけておるという事実もありまして、これも税務署長が認めているのであります。このような問題が末端に幾多あるところ に、税金問題がやかましいという根拠があるということを、われわれはまず知らなければならないわけであります。そこで私が国税庁長官にお伺いしたいことは、一体この国税徴収法等の改正の問題を、税務官吏あるいは税務署長が知らないというようなことは、まことに私は遺憾しごくであると考えるのでありますが、こういう事実があるとすれば、一体どういう処置をとられるのか。その点をひとつお伺いした いと思います。
○高橋政府委員 最近毎年のように税法等の改正が行われておるのでございますが、税法の改正の際におきましては、大体国会に提案されましたころから、できるだけ早急に末端までこれが徹底するようにという意味をもちまして、詳しいところの解説をつけまして、末端の税務署、特に法規等に関しましては各税務官吏、国税徴収法に関しましては徴収関係の職員でありますが、個々にわたつてまで回付することをいたしておるのであります。そのほかに講習とかその他各種の会議とかいう方法によつて、徹底をはかつておるのでありますが、非常に税法等の改正が多い場合におきましては、またはその人によりましては勉強が足りぬというようなことのために、そういうことを承知しないというような場合があり得たかと思いますが、こういうふうなことは、もちろん税務官吏の職権の内容をはつきり知り、そしてそれを理解して適正に行うということについて、最も責任のあるところの職員が、それについて全然承知しないということは、非常に遺憾な事柄であると思うのであります。
○深澤委員 この点はひとつ十分御警告を願いたいと思うわけです。 それからまだ末端におきましては二十三年、四年の滞納税金が相当問題になつておるのでありますが、二十三年、四年の滞納税金は全国的にどの程度ありますか。その点をひとつお伺いしたいと思います。
○高橋政府委員 二十三年、四年の滞納は、これは非常にむずかしいのでありまするが、二十五年度から二十六年度に繰越しになりました滞納の税額が、たしか九百四十五億円に相なつておると思うのであります。そのうち二十五年度中に発生したところの滞納の税額は四百六十五億円でありまして、残りの四百八十億円は二十四年度以前の滞納にかかる分でございます。その後今年度に入りましてから相当に整理を進めておりまするが、最近におけるところの年度別の数字は現在調査いたしておりません。
○深澤委員 そこで主税局長にお伺いしたいと思いまするが、所得税の問題に関しては、このたびの法案に関する限りはあまり問題はないようであります。ただ米麦の自由販売が行われるという前提の上で、政府もいろいろな処置をされているようでありますが、この米麦の自由販売が行われた場合の農民に対する課税の標準を、どこへ置くかという問題が出て来ると思います。この点について主税局で来年度の予算をお立てになる場合に、大体御研究ができていると思いますが、その点をひとつ伺いたい。
○平田政府委員 御指摘の通り、これは主として来年度に影響のある問題でありまして、歳入を見積ります場合におきまして、農業所得が一体どうなるかということを、来年度の予算におきましては、撤廃後における状況をある程度予測いたしまして、計算する必要があるかと思います。ただ、最近大分こまかいことがきまりつつあるようでございますが、まだ具体的な的確な計画が全部でき上つているわけではざいませんし、目下のところまだ詳細に、私どもその面から具体的に計画を立てるほどには行つていないのでございます。いずれ具体的に計画ができますれば、それに基きまして見積り等も予測させてみたいと考えます。
○深澤委員 まだ具体的につかんでいないというお話ですが、自由販売後における米一石が、どの程度の見積りをされて課税されるかという程度の問題は、大体大づかみにつかんでおられるのではないかと思いますが、その点はどうなんですか。
○平田政府委員 その点が、今世間でも盛んに論議がありますように、一番むずかしい問題で、その見方がどうなるかということによつて、撤廃に対する意見も相当左右されるというくらい、最も重要な問題であり、かつむずかしい問題ではないかと思います。従いまして、私どもの方からあまり先走りして見通しを立てることも困難でございますので、来年度の予算を固めますまでに、ぎりぎりのところで、できるだけ的確なものを見積りたいと考えておりまして、まだ私どもの方で幾らぐらいというところまで申し上げる段階に入つていないことを、御了承願いたいと思います。
○深澤委員 法人税について少しお伺いしたいのであります。今度法人税は三五%から四二%に引上げられることになつたのでありますが、先ほどからの御説明によりますれば、法人所得が非常に増加しておるとおつしやられますが、それは朝鮮事変のために特需関係等が特に増額が行われたと考えられるのであります。ところが、そういう特需関係等によつて恵まれた法人の増加額を全部に引きならして、今度は三五%から四二%にまで上げても大丈夫だろうとお考えになつておるのでありますが、しかし逆に朝鮮事変のために営業が非常に困難な状態になつておる中小の法人が、相当たくさんあると思うのであります。従つて政府の方のお考えの、法人所得が非常にふえたという、その巻添えを食うところの、逆に法人所得が減つているものまでも、四二%の税率の引上げにあうわけであります。こういう点は、今後相当大きな社会問題になる可能性があると私は思うのでありますが、政府当局が一律一体に四二%に引上げるということによつて、これは全部の法人がそれに耐えるかどうか。その問題についての御見解を承りたいと思います。
○平田政府委員 お話の通り、法人の業績が非常によくなりましたのは、実は昨年から本年にかけてでございます。ことに今年三月の会社の決算、並びに本年の下期の決算の見込み等を立てますと、大体たとえば取引所に上場されているような会社は、おしなべて相当な好成績を上げている。漸次跛行状態がなくなりまして、無配の会社も少くなつてしまうというような状態で、最近の経済界の動きが、最初は特需関係の一部が非常によかつた、あるいは糸へん、金へんがよかつたのが、むしろ最初によかつたものは少し落ち目になりましても、そのほかの一般の産業の方は漸次よくなり、機械工業等も、中小の工業もございますが、最近になりまして大分立ち直りつつありまして、大きな会社等におきましては業績もはつきりいたしておりますが、今まで無配であつたのが配当をするという状態になつております。石炭のようなものも、昨年あたりまでは大分悪かつたのが、今年は大分よくなつておりまして、ひとり大企業だけでなく、中小の炭鉱の方も最近は大分よくなつているようでございまして、情勢といたしまして、相当普遍的に会社の状況がよくなりつつあるのが今の一般じやないか。ただ御指摘のように、一部の方面におきましては必ずしもそうでない。あるいはよくなるにいたしましても、程度がきわめて微弱である。あるいはものによりますと、大きな企業が進出して、若干下り坂にあるというようなものも、これは決してないとは申し上げませんが、概して申し上げますと、大体において状況がよいように見受けるのでございます。そういたしまして、前々から申し上げておりますように、法人と個人の負担の状況でございますが、中小の法人になりますと、個人の負担との比較が非常に大事でありまして、その点常に問題になつておつたのでありますが、最近まで法人成りが非常に多い。ことに二十五年度のシヤウプ勧告の税制を実行いたしまして超過所得税をやめましてから、中小の法人の負担が急激に減りまして、どちらかと申しますと、個人よりも法人が軽いという傾向にあつたのでございます。これはもちろんやり方次第によるのでございますが、法人になりますと、たとえば給与で報酬を相当払う。あるいはその他いろいろなやり方がありまして、どうも個人の所得税が重いのに比べまして、法人の方が軽いのではないかという傾向が確かに見受けられまして、従つて法人成りが非常に多いという状況でございましたが、その点から考えましても、法人につきましては、この際中小の法人の場合におきましても若干増税をはかつた方が、むしろ均衡がとれるのじやないか。個人の方は下げて、法人の方につきまして若干負担がふえれば、ちようどバランスがとれる。なおあるいは法人が高い、あるいは個人が高いと、所得金額によつて若干の差はあるかと思いますが、大体今度の方がむしろ傾向としてよくなつたのではないか、こういうふうに見ておりまして、法人につきましてはこの際一律に引上げるという方がいいのじやないか。所得税の税率等を将来もしも大幅に下げるという事態でも参りますれば、私は中小の法人の税率については、それとバランスをとつて均衡をはかるということも、あるいは生ずるかもしれないと思いますが、今のところ、まだそのような点につきましては逆でございまして、むしろ法人の税負担を幾分増加した方がバランスがとれるのじやないか、このように考えておるのであります。
○深澤委員 どうも政府の方針は、大体上の方の企業に重点が置かれて、特にいろいろな重要産業方面に重点が置かれて、それから物事をはじき出すという傾向が非常に強いと私は思うのです。私は上の方は、四二%どころでなくて、五〇%以上でもさしつかえないという状態にあると思う。ところが下の方の、個人企業とあまりかわらないような法人は、なかなか困難な状況にあるという意味で、この法人税も累進課税にする必要があるのではないかという意見を持つているわけです。午前中も大蔵大臣にちよつと御質問申し上げたのですが、法人税に対する累進課税の方針をおとりになるような研究あるいは御意見は、今まであつたか、なかつたか。あるいは平田さんはどういうお考えを持つでおいでになるか。その点をひとつお伺いしたい。
○平田政府委員 法人税の累進課税の問題は、実は私も多年主税局におりまして、たびたび議論いたしておりますし、研究いたしております。また外国の税制等の点も研究いたしておりますが、会社の場合におきましては、やはり原則として比例税率が一般的のようでございます。と申しますのは、会社が大きいからといいまして、株主が必ずしも大きいわけではない。小さい会社でも、少数の株主がおりまして、その株主としては非常に大きな所得者がある場合もございますし、大会社の株主といえども、ごく零細な株主もいるというようなわけで、個人の所得税のような累進課税の考え方を、法人の課税に持つて行くのはどうであろうか。そういう実例は、世界の例を見ましても、ないようでございます。ただ法人と個人との負担の比較等からいたしまして、先ほど申し上げましたように、小さい法人につきまして緩和税率——累進税率というよりも、むしろ中小の法人に若干税率を低くして行くという例はあるのでございます。アメリカの例がまさにそうでございます。アメリカの所得税は、御承知の通り税率が下から順次に高くなつておりますが、所得金額がたとえば一万ドル前後でございますと、個人の所得税の負担は一割五分くらいにしかなつておりません。二万ドルくらいでも二割強くらいかと思います。そういうぐあいにして法人の税率は大体四十七、今度は五十二にしたわけでございますが、それをその辺に持つて行くのは無理だろうというので、下の方の部分につきましては若干税率を低くする、こうやつておる例がございます。そういう必要は、あるいは将来日本の所得税と法人の負担の関係上、出て来るかもしれないと思いますが、今のところ、先ほど申し上げましたように、そういう必要はない。その他イギリスの法人につきましては全部比例税率で、ドイツもやはり五〇%の一律の課税をいたしておるようであります。所得の額による累進の税率は、法人の場合はほとんど例がない。超過所得税的な考え方はまた別であります。これは企業の利潤率が資本金に対しまして非常に高い場合とか、あるいは過去の利益に対しまして、一定の事態のもとに利益が非常に増額した場合、そういうものを標準にいたしまして、超過所得税を課税する例はございますが、利益の絶対額による累進税率という問題は実際問題としてございませんし、理論上も必ずしも成り立たないじやないか、かように考えておるのであります。
○深澤委員 それから今度の法人税で、徴税猶予の規定を設けられたようであります。聞くところによると、製鉄、紡績、化繊等の大会社は、すでに三箇月の納税延期を承認されておるやに、われわれは聞いておるのでありますが、そういう実績に基いてこの徴税猶予の方針が出て参つたのかどうか。その点をひとつ伺いたいのであります。
○平田政府委員 この猶予を認めました理由は、先般申し上げたかと思いますが、やはり事業年度過ぎましてから、二箇月内に全部の金をすぐ納めるというのは、今日の実際の企業のやりくりからして、どうもなかなかうまく行かないところがある。ことに大きな法人は三月と九月に片寄りまして、そのころ一時に納税資金が金融機関に殺到する。そうしますと、金融機関としてはなかなか出しにくい。勢い非常な金詰まりを生じまして、ますます悪い影響を生ずる、こういう影響がございますので、半分につきまして三月ほど延ばす。今は法人税が三月と九月ですから、実際は納期が五月末と十一月末に片寄るわけでございますが、それをなるべく分散する意味におきまして、このような制度を採用した方がいいのではないか。ただあくまでも納税上の金繰りの都合を考えた猶予でございますから、四銭の利子税だけは納めさせよう、こういう考え方で立案いたしておる次第でございまして、現在東京の場合におきましては、事実上督促を少し遅らしておるのもあるかもしれませんが、それとは関係なく、今の実際の状況からいたしまして、この方がいいという考え方でいたしたのであります。
○高橋政府委員 現在大会社等について、徴収猶予を実際にやつておるということに基いて、やつたのではないかというお話でありますが、会社等につきまして、そういう事実上督促をしないというふうなことは、できるだけ避けるように、特に大会社につきましては、そういうふうなことを厳重にいたしておるのであります。もちろん三日や五日遅れたからといつて、すぐ督促状を出すようなことはいたしておりません。これは常識論でありまして、できるだけすみやかに出すように、そうして遅れた場合には必ず督促状を出しまして、四銭の延滞利子のほかに、さらに利子の四銭を徴収しておるような状況であります。
○深澤委員 それから退職手当の積立金を損金と認めて課税しないということですが、これも結局大企業には非常に有利でありますが、零細企業にとつてはこれは利益がないわけであります。この点についてはどういう見解を持つておりますか。
○平田政府委員 この点も青色申告をしている法人ですと、大企業、小企業を問わず、実は同様な条件で認めるつもりでございまして、条件としましては、労働協約等によりまして、はつきり労務者との間に約束ができておるということと、その資金の半額程度を預金に積み立てておく、この二つの条件さえ具備しますれば、大小を問わず全部認めるつもりでございます。ただ青色申告者でないと経理がはつきりいたしませんので、青色申告をする法人に限るというふうにいたしておるのであります。
○深澤委員 現状としては、これは大会社等はたいてい青色申告をやつておるのですが、やつていないところもあるのですか。
○平田政府委員 大きな会社は概してやつておるところが多いと思います。中小の会社も個人に比べてその率が多いのであります。経理のしつかりしておるところは青色申告をして損することはないので、今後もどしどしやつていただく方がいいと思います。そういうふうになりますと、大小にかかわらず該当するということになります。
○深澤委員 重要産業の近代化のためり特定機械につきまして、その取得の年に半額を特別償却として税をかけないということと、現行の特定機械設備の償却を認めるというこの二つの問題でありますが、この特定機械というのはどういう機械なのですか。それからもう一つは、すでに設備されておる特定の機械というのはどういうものなのですか。具体的にその例がありましたらお聞かせ願いたい。
○平田政府委員 御指摘の通り、前回の国会で御承認を得まして、一般の産業の近代化をはかるために、一定の機械や船を取得した場合に、普通の償却の五割増の特別償却を認めるということになつております。それに関してどういう機械が該当するかは、先般お手許に差上げました租税法規集に相当詳細に載つております。これは主として通産省なり各省の意見によりまして、業種別に相当こまかい指定をいたしまして、それに該当するものは認めることにいたしております。それから今回新しく認めようとしまする重要産業の特別償却の方は、もう少しさらに大幅な効果が生ずるようにという意味で、半額を最初の一伊に償却できる、こういう趣旨でございますが、これは税法上の相当の恩典でございますので、やはり日本の経済全体に相当重要性を有する産業と申しますか、そういうものに限つて認めるようにしたらどうか。それによつて全体の生産を左右する、ひいては国民生活全体にもいい影響があるといつたような種類の産業を指定いたしまして、特別な償却方法を認めたい、このように考えております。
○深澤委員 もう一つ、これは今度の改正には出て来ないようですが、新聞等には載つております。たなおろし資産の評価の変動準備金制というものを設けまして、その準備金に対しては、これを非課税にするというような問題が研究されておるように、伝えられておるのでありますが、これは通常国会か何かに御提出になる準備ができておりますか。その点をひとつ伺いたい。
○平田政府委員 御承知の通りずつと前は——ずつと前と申しましても、昭和二十四年以前におきましては、たなおろし資産や有価証券の期末の評価につきまして、時価の一割程度まで低評価をすることを認めていたのでございますが、シヤウプ勧告によりまして、たなおろし資産等につきましていろいろな評価方法を新しく認めると同時に、その時価以下の評価は認めないというふうに変更いたしたのでございます。ところで最近の日本の企業の実情を見ますと、非常に経済界の変動がはなはだしく、ある期は利益がありまして、翌期値が下つてすぐ損になつてしまうというような事情が非常にはげしいために、やはり評価につきまして何か特例を設けた方が、より企業の実情に即応するのではないか、こういう意見が大分ございますので、今までのような低評価というわけには行きませんが、一種の変動準備金みたいなものをやはり将来は一割、さしあたりはそれより少くして、順次認めて一割までのつもりでおりますが、そういうように経理を明らかにして認めるような方法をやつたらどうかということで、これは目下具体案を検討中でございます。間に合いますれば臨時国会に提案いたしたいと思つております。なおまだ若干問題がございまして、決定には至つておりません。
○西村(直)委員 ただいま議題となつております税法三案のうち、所得税法の臨時特例に関する法律案、財産税法の一部を改正する法律案の両案につきましては、すでに質疑も尽されたと思いますので、この際右両案については、質疑を打切られんことを望みます。
○夏堀委員長 ただいまの西村君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○夏堀委員長 御異議なしと認め、右両案については質疑を打切ることにいたします。 —————————————
○夏堀委員長 なお法人税法の一部を改正する法律案につきましては、先ほどの内藤委員の要求もあり、公聴会を開会いたしたいと存じておりますが、時日の関係等もありますので、右案につきまして参考人を招致して意見を聴取し、本案審査の参考といたしたいと存じます。この点御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○夏堀委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました、 なお参考人の選定、時日等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。 本日はこれをもつて散会いたします。 午後四時五十二分散会