水産委員会 第1号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1951/10/12
会議録
○松田委員長代理 これより水産委員会を開きます。 前委員会に引き続き私が委員長の職責を行います。 この際国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。一 海洋漁業に関する事項一 水産資源の保護増殖及び漁業取締りに関する事項一 漁船漁港及び水産資材に関する事項一 漁業制度に関する事項一 水産金融に関する事項以上の各事項につきまして、本国会もこれが積極的な調査を行いたいと存じます。つきましては衆議院規則第九十四條により、議長に対し国政調査承認要求書を提出いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定します。 なお本書の作成並びに提出手続等につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長代理 御異議なしと認め、さよう決します。 —————————————
○松田委員長代理 本日出席の政府委員は水産庁長官、生産部長、海洋課長、それから安本の燃料課長がおいでになつております。 次に最近たまたま石油製品の値上りがあるように聞きますが、これが実情について関係当局より説明を願います。燃料課長近藤君。
○近藤説明員 最近石油製品の値上げの問題が論議されておりますけれども、この直接の主管官庁の物価庁はただいまあとから来られるそうでございまして、私の方としましては、大体石油製品の需給関係がただいまどうなつているかということの概論を説明さしていただきたいと思います。 石油製品のうち、漁業に最も関係のあるのは重油でございますが、重油の需給率は、この四月に入りましてから、民間の資金により輸入が認められました関係上、割当も昨年の同期に比しまして約二倍程度の割当が可能になりました。従つて水産関係も四—六月の割当は、去年の九万六千キロに対しまして本年は十四万キロ程度に増加いたしております。引続き七—九月の割当も相当順調になりました関係上、大体割当の実績は十六万六千キロ程度に上つております。その次に十—十二月の割当も、約一箇月前に完了いたしましたが、とれによりますと十八万九千キロ程度に相なつております。去年は十—十二月は約十一万五千キロ程度でございましたから、本年の割当は、入方キロ程度の増割当ということになつておるわけであります。このように割当の増加しましたのは、原油を輸入いたしまして精製いたしております精製業者の生産額が、去年に比しまして、能力でほぼ二倍近いもりになつたというのが一つの原因でございます。もう一つの原因は、去年はあげてガリオア資金によります輸入に依存しておりましたのが、本年の初めから民間輸入というものが認められました関係で、全供給量の約三分の一というものが製品の輸入によつてまかなわれているという関係に至つたことが、このよな割当の増加ができるようになつた原因でございます。私の方といたしましては、約一・四半期ないし二・四半期先の外貨を現在要求しておるのでございますが、その外貨の折衝は、大体外貨予算の編成というものが、総司令部の方との了解を得られませんとできない関係上、先般ほぼ総司令部の方との了解点に達しました十月から十二月まの外貨の見通しをもちまして、本年の一月—三月ないし四—六月の需給を想定いたしてみますと、大体十—十二月において重油の総体の割当、水産を含めた総体の割当は、約六十一万キロ程度できたのでございますが、今の外貨の見通しをもつてしますと、来年の一—三月には五十五万キロ程度の割当しかできないような見通しでございます。さらに四—六月におきましては、やはり五十四万キロ程度の割当しかできないというような見通しに相なつておるわけでございまして、これを打開するためには、国内の精製能力においてさらに増強することが必要だと存じますが、これをもつてしても、どうしても製品で、ある程度輸入を考えなければならない。さらに輸入の増額を考えなければならないという状態に立ち至つておるのでありまして、この点につきましては、安定本部の長官も非常に努力せられまして、先般のマーカツト会談においても、この重油の輸入外貨の増額については、相当強い発言をしていただいたような次第でございまして、ただいませつかく努力中でございますが、ただいまのところの重油の需給の見通しは、この程度の割当よりほかには望めないというような、やや悲観的な観測に立ち至つておるわけでございます。簡單でございますが、重油の需給につきましての説明を終らせていただきます。
○松田委員長代理 物価庁の方から石油問題に対しての御説明を願います。
○森説明員 重油の価格で現在当面している問題につきまして御説明申し上げます。 現在の重油のマル公は民間貿易で輸入いたしました重油の価格と、ガリオア資金で安く輸入したものを拂下げを受けている低い価格のものと、二つのものをプール計算いたしてありますので、正常のCIF価格よりはやや低い点にきめられておるのであります。しかしガリオアの資金で入れました安い重油が八月一ぱいですでになくなつてしまつたのでありまして、九月からは全部民間貿易による輸入品である重油を使わなければならないということになつております。もちろん原油を輸入して国内で精製してつくる重油も相当多量にあるのでありますが、これらを総合してみましても、今後重油について現在政府で計画いたしておりまする供給量を確保するためには、民間貿易のベースによる重油の輸入を行わなければならないということは否定できないのでありまして、そのために重油の輸入が容易に行われ得る程度に価格の改訂を行わなければならないという問題に、ただいま直面いたしておるのであります。国内の製品——国内の製品と申しますのは、原油を精製してつくりました重油でありますが、これと石油製品として輸入される重油との間に価格の開きが若干ございます。消費者の側から言いますと、それらを一本にして、平均したような価格で新しい価格を設定すると、非常に都合がいいわけであります。しかし輸入を継続して行くという立場から見ますと、どうしても今後国際的なCIF価格を割つたようなマル公を政府がつくることはできないということになるのでありましてその間の調整についてただいまいろいろの関係方面の御意見を聞いて研究をいたしているという段階でございます。
○小高委員 ただいま物価庁及び安本の燃料課長から、石油の価格改訂問題について御説明がこぎいましたが、私どもは本問題について、すこぶる解せない二点を見出さざるを得ないのであります。その一点は、最近の石油類の様子を見ますると、製造会社はもちろん、販売店において相当競争して、場合によつては公定価格を割つてまでもサービスしておるという実情があるのであります。およそ物を上げるには需給経済の原則から参りまして、拂底であるとか、やりきれないから価格を改訂するというなら一応受取れるのでありますが、物が豊富で、現在の市販が公定価を割つておるにもかかわらず、引上げなければならないという理由が一体どこにあるかというこの疑点が一点。いま一つは、消費者本位の政策を政府がとつておられるとするならば、最近の燃料事情ほ、私ほただ單なる燃料事情とは思つておりません。これは、わが国の動力源を語る場合に何があるか。電力及び石炭、農林、水産関係におけるところの燃油、これらを動力源と見るとき、きわめて重大なる関心を持たなければならないのでございます。ことに水産関係におきましては、この使用度が非常に高いがゆえに、ひとしおこの点については水産業の消長に関する大問題でございます。しかるに先ほど申しましたような市中販売が乱れておるというような、この豊富な——豊富とは言い得ないまでも、よほど配給量が増加されておる、三割程度の増量をされておるにもかかわらず、これを上げるということが一つのふしぎで、そういう環境を無視してどうして上げなければならないかという、この点をひとつお尋ねしたいのであります。 私は最初はその程度お尋ねいたしまするが、御答弁によつてまたるる尋ねたいと思いますので、御了承願いたいのでありまするが、第二点といたしまして、わが国の経済方向がどういうように進んでおるか。世界経済の一環としての祖国日本の経済をどう建設して行くかということは、これは官も民もわれわれも一体となつて考えつつあるところの問題の焦点でございます。そういうことから考えますると、最近の政府の態度は、主食さえ統制を撤廃せんとする方向に進んでおります。そこで先般一部機械油の統制を撤廃したあとのものは残してある。これ自体がすなわちナンセンスである。統制をするならば徹底的にあく崖でもしなければならないし、一部解除して、一部残すというようなことは、これは経済研究をしておる者の常識にあり得ないことでありまして、ことにわが国が、自由経済として今後国際場裡に立つて行かなければならない国全体の総合計画によるところの経済建設ということから考えますると、統制というものは当然撤廃して行かなければならない、かように考えておるものでありまして、そうしないと国の今後の経済計画は立たない、かような根本的な疑点を私どもは持つておるのであります。そういう考えを持つておりまする私にとつて、今回の政府のこの価格統制をこのまま存続して行くというふしぎさが一点と、いま一つは、先ほど申し上げました通り、市販が緩和して、価格が最近においては公定価格を、一部であろうけれども割つておるにもかかわらず、何ゆえに上げなければならないという法があるか、まず、この二点についてお尋ねいたしたいと思います。
○石原(圓)委員 ちよつと関連してお尋ねをいたします。今回の燃油の値上げにあたりまして、国会が開会をするとうるさいから、国会の開会しない前に値上げをしてこれを発表しようという、これは安本かあるいは物価庁かどつちか知りませんが、そういう説があつて、関係筋と折衝中であつたが、国会開会までに発表することができなかつた、こういう説があるのであります。 それからもう一つは、ガソリンを値下げしで燃油を上げようという説があつた、しかるに燃油を上げることは理由がないということで、それが中途にぶらついておる、こういう話もあるのであります。こういうことは一体どこから出るのであるか、また安本及び物価庁ではそれに対してどういう方法をとつたか、どういうお考えであるかということを、ついでに小高君の質問に合せて答弁を願いたいのであります。 それからもう主食の統制を撤廃しようという政府の方針であります。この場合に燃油は当然統制を撤廃すべきであるという意見を私は持つておるのでありますが、これに対して物価庁並びに安本はどういうお考えを持つておるか、この三つをあわせて御答弁を願います。
○森説明員 お答えの便宜上、先ほどの御質問の順序と少し逆になりますが、まずなぜ統制を撤廃しないかという点から申し上げます。この点については、現在まだ政府としても確たる結論に到達いたしておりません。ただいまいろいろくふうをいたしておるところでございまして、これは私からるる申し上げるまでのことではございません。現在のところでは、まだ撤廃するという結論が政府の全体の方針として確定いたしていないようであります。その結果といたしまして、配給統制を撤廃しないでマル公だけを撤廃するということが非常におかしいことになつて参るのであります。お説のごとく、現在の市販価格はマル公に近いもの、あるいは場合によつたらそれより低いという場合もあることは私たちも聞いておりますが、しかしまた高いという事例もあるのでございまして、配給統制が撤廃せられた場合には、当然マル公も撤廃するわけでございますが、それが存続されておる限りマル公だけはずすということは非常に困難な状態でございます。この問題は九月初めから、輸入価格が現在のマル公では赤字になつて来るというので、われわれとしてはできるだけ早くこの問題を解決したいということで、努力をいたしておつたのでございます。 なおガソリンを下げるという問題でございますが、この点も結論に到達しておりませんが、ただそういう考え方が起つた理由を申し上げますると、重油とか軽油がもしCIF価格に上げられますると、国内の精製業者が相当採算がよくなつて来る。それは少し不当であるから、ガソリンの方を下げて国内精製業者の原価計算を大体適正なものにした方がいいのではないかといず考えからそういう説が起つておるのでございます。
○田口委員 ただいま森部長のお話で、統制撤廃ということは、政府としてまだそこまで話が進んでいないというようなことでございますが、私は結局事務当局においてほんとうに決心をされないために、政府が方針決定をしないということになると思うのでございます。それについて価格統制をやられます場合におきまして、今のような価格の調整機関がないときにおきまして、製品としての輸入価格と、原油輸入により内地において製油をしたその価格と、そこに差がある場合におきましては、ほんとうに適正な新価格というものができるかどうか、その点をまずお伺いしたいと思うのであります。
○森説明員 ただいまの御質問の点はまことにごもつともでございまして、価格調整機関がない場合には、完全な適正な価格ということは非常にきめにくい事情にあると考えます。そういう意味で、価格調整公団等がない現在としては、石油の価格の問題は相当に困難な事情を伴うということは否定できないと思います。
○田口委員 ただいまの御答弁によりまして、現在の段階におきましては適正価格を設定することは非常に困難だ、これは普通考えましてさようと考えるのでございますが、適正なる価格の設定が困難な場合におきまして、無理に価格をつくつて、そうして価格統制をするということは不可能と考えるのでございます。日本側においてほんとちに決心すれば——部には先方において許さないというような話もありますけれども、りくつの前にはおそらくどこの国でも頭を下げると思うのでございますから、不可能なことを可能にして、そうして統制をしておる現在は非常にあやまつておると考えるのでございます。この点から考えて、適正な新価格ということは不可能だ、この理論のもとに水産庁も、あるいは安本も物価庁も一緒になつて、先方にぶつかられるとよくりくつはわかると思うのでございます。できないことを無理にしておるというところに、そこに非常に無理があると思うのでございます。 それから石原委員の質問に対して、製油業者が利益が非常に多くなる、従つてガソリンの値を下げて、そうして利益を與えないようにするということでございますが、なるほど製油業者の問題はそれでいいかもしれませんが、漁業者と製油業者というような大きな観点から申しますれば、漁業者自体はやみで買つて、現在なおマル公よりも安いものが入手できる、そういう状態におきましてなお重油の値上げをして、そうしてガソリンの方が下ると、いわゆる自動車なんかを使つて運搬する人はますく安い油を使用できるが、現在軽油に困つている漁業者が高い油を使つて、ますます漁業経営が困難になる、こういうような事情になると思うのであります。自動車の場合におきましては、あるいは使用者に転嫁することができましようけれども、漁業者の場合は御承知の通り、今漁獲物の値を上げようといたしましても、これはなかなか上りません。従つて生産費が高くなつたそれだけが赤字をますますよけいにするというような事情になるのでございます。転嫁のできる自動車の油を安くし、転嫁のできないととろの漁業者の油を高くする、こういうようなことは、大きな目から見て製油業者に利益を與える、これは不都合だ、こういう観点より見てもまだ非常に大きな意味があると考えるのでございます。ことに私らがこのガソリンと重油との価格比率のずつと長い期間の資料を調べてみますと、重油一に対してガソリンが大体三倍ないし三倍半ぐらい。大部分の年がそういう率で行つておるのでございますが、それが最近におきましては重油一に対してガソリンが二程度に下つておる。言いかえますと、昔の比率が破れてガソリンの方が非常に安くなつておる。こういうような事情においてガソリンの値をなお下げて重油を上げるというようなばかなことはないと思うのであります。そういう点から考えまして、どうしても私らはこの油の統制は撤廃された方が、すべてに無理がなしにスムースに数量的にもあるいは価格の点も円満に行くと思いますから、この統制撤廃ということにつきましては、各省協力して先方に当つていただく。できないことをぜひやれというようなりくつはないと思いますから、適正な新価格が設定できないというような点から、ぜひ実現に努力されるように強く要望するものであります。
○森説明員 価格改訂の方針は、物価庁としてもまだ内部にいろいろ意見がございましてきまつていないのでございます。今後研究を進めて行く上につきまして、ただいまのような行き方を十分に研究して参りたいと思います。
○小高委員 先ほど物価庁の森部長からお話がございましたが、私はまだ納得いたしかねる。私が先ほど指摘いたしましたのは、今後国際社会に復帰する日本の経済をどうするか。統制経済で行くか、自由経済で行くか。当然すべてを自由にしないと国家経済の再建が基礎的にできない、設計ができないのだということに対して、あなた方がいかなる協力態勢とお考えを持つておられるかということを聞きたかつたのでございます。これは上の長官もおることであるからと言われればこれまででございますが、今後どうか頭の置きどころを国家の根本的建設ということに切りかえを願いたい。環境が一変いたしたのでありますから、そこで今後行われとする各国に向つて準備されておるところの通商條約等の際に、あなた方中堅どころの明晰なる頭脳を振り向けていただきたいことを特に希望いたしておきます。 これからの論議は水かけ論になつてもいけませんのでこの程度で打切りますが、いま一つの問題は、先ほど来同僚からいろいろ論議されておりますが、どうしてもこれは統制を撤廃すべきである。理由がないじやないか。理由がないというのはしいてつければつきますけれども、いやしくもわれわれが物価改訂をせんとする場合に、基礎計算が明らかで、各製造工場は合理的な経営をして原油をとつて、その五割を重油にしておるか、あるいは三割を重油にしておるか、あるいはまた五五%を重油にしておるか、そういうガソリンも軽油も重油もとれる段階において、機械油の方は別途にこれは十分な採算がとれるからといつておつぱなしておると、そのときはすでに相当の値上りを示しておる。そこでこの原価計算をあなた方から説明していただかないうちは、こな値上げについてわれわれは了承するわけには参りません。なぜかなら、ば、私どもが研究しておる範囲においては、おそらくただいま原油の国内における製造というものは、原油に対して五〇%くらいの重油を生んでおるのではなかろうかというような気がいたすのでありますが、それらに対する詳細な基礎資料をお示しを願いたい。これはあくまでもわれわれは消費者本位の立場でありまして、わが国の総合的な全体的な産業ということを考えますと、メーカーもつぶしてはいけない、立てなければなりませんけれども、それよりも基礎的に考えなければいけないことは、国の産業をどうして興して行くか、油が高いために水産業というものをぶつつぶしてしまつたならば、祖国日本はどうなるのか、経済的に沈没するのではないか、こういうようなことを中心として議論をしておりますがゆえに、ただ一局部の視野においてこれを取上げるということは断じて許されないことである、かように考えておりますがゆえに、もし上げるとすれば、現在の資料においては上げるだけの理由が確然としておらないから、私どもを納得せしめるまでには行つておらないから、承服いたしがたい値上げの基礎が薄弱であるからという理由が一つと、いま一つは、そういうような段階にあるものを無理やりに資料をでつち上げるよりも、むしろここで統制撤廃を断行してしまうことこそきわめて賢明なる策であると信ずるのであります。 以上特にあなたの質問に対して希望意見を添えて今後の考慮を促したいのであります。
○石原(圓)委員 私の質問の中の一部にはお答えがなかりたのでありましすが、どうもお答えがしにくいように思います。ところでただいま物価庁の方から、まだ価格を改訂する段階に行つていないからというお言葉があつたのであります。それを信じます。従つてあくまでもただいまということは当分ということになると信ずるのであります。民間輸入業者の中には、外国の油が値上りをしたのに日本が値上げをしないのならば、われわれは輸入のことには関心を持たない、輸入が激減してもよろしいかというような暴言にひとしいことを吐いておる輸入業者あるいは石油業者があるということも間接に聞いておるのであります。これらははなはだ不都合なる言説でありまして、それらのことも統制を撤廃すれば一切解消するのであります。われわれは自由党に属する議員であります。また現在は自由党内閣でありまして、自由党は統制を撤廃することが根本であります。物価庁においても、また安本においても、水産庁においても、この時の政府の大方針に従つて改善するものはすべきであろうと思うのであります。ゆえにこの際、価格を引上げないという言説は得ましたが、この機会に統制を撤廃する順序、段階について、各部門において特段の御研究があつて、そうして上司にその点の意見を到達せしめるように特に希望を述べて、私の質問を打切ります。
○松田委員長代理 森部長に申入れますが、ただいま石原委員からの御発言のごとき十分御研究を願いたいのであります。 それから価格の改訂を行わんとする場合においては、当委員会と密接なる連繋をとつて、納得の行くときにおいて初めてそうした行動に出ていただきたい、かように私は要望するものであります。 ちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○松田委員長代理 速記を始めてください。 石原登君から委員外発言を求められておりまするが、これを許しますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松田委員長代理 それでは委員外発言を許すことにいたします。石原登君。
○石原登君 私は委員外でありますが、皆さんの御同意をいただきまして、今度の石油問題について二、三お尋ねしておきたいと思うのであります。 実は漁業を営む上において、これに要するところの重油の使用は相当大きなパーセンテージを持つておる。ところが突如としてこの重油を値上げする。その理由としては、せつかく入つて来た重油がどうも業者の採算に合わないために引上げなくてはいけない、そして引上げるについては、いろいろなバランス上重油を引上げて、今度はガソリンが若干下げられるというようなことが伝わりまたために、お見かけの通りここにも数人の業界の代表の方が見えておりますが、津々浦々までたいへんな反響を呼んでおります。実は私は委員外でありますが、この重油の持つ水産業に対するところの大きなウエートから考えてみて、これが放置できないと考えますがゆえに、今日はお尋ねに参つたのであります。今度の重油の値上げは、確かに将来の重油を確保するために、その価格を上げなくてはならないという理由に基いて、物価庁あるいは安本では考えられていることであるかどうか、その点をまずお尋ねをしておきたいと思うのであります。
○森説明員 ただいま重油は、その供給量の四割程度を輸入にまつておるのであります。もしこの輸入がなくなるとすれば、需給のバランスは非常に混乱するのであります。ぞの輸入を阻害ぜぬような道を講ずることは、われわれとしても重大な研究課題になつているのであります。その意味で政府は輸入のできないようなマル公をきめることは非常に困難な事情であります。
○石原登君 ざつくばらんに申し上げたいと思うのでありますが、最近日本におけるところの油の事情は、しろうとでもはつきりわかる。一時確かに重油が不足のために国民が困つた。特に水産業者が困つた。その間非常に高い重油をやみで入手したという時代があつたことは事実であります。ところが今日の需給の状態を考えてみますと、まず東京についてみますと、従来円タクはみな木炭で走つていた、それが今日大麦の円タクはほとんど見ない実情であります。また皆さんはどういうふうに了解されているかしらんが、重油の場合にでもマル公を割つて、これがやみで取引される事実をあなた方おそらく御存じだろうと思う。小高委員でしたか、さようなことを言つておつた。私はこれ以上価格を上げて、重油をこれ以上とる必要があるかということを、実にしろうとながら増えている。もしこの間にいろいろな問題があるとすれば、非常に重大なことだと思う。しかも私は、納得できないのは、一番油を使つて、国内的に日本の再建に寄與することについて——もちろんガソリンを使つておる業者もいろいろ問題がありますが、水産業者にたいへん御苦労があつたろうと思う。それはなぜかと言いますと、今度の講和会議で日本の国土は四五%減つておる。日本の農業生産の面から考えてみましても、ある程度限界がある。ところが水産に関する限り、これには断じて限界はない。私は従来特に考えていることがありまするが、日本の農林行政というものは、水産に重点を置いておる。こういろようなことから重油を考える場合に、この方面に使われる油のしお寄せが漁業者に持つて来られたら、これはたいへんな間違いだと思う。そういう意味から考えてみまして、この全資材の二〇%に当るだろうという重油の持つ水産に対する、ところのウエートが、さらにさらに大きくなるとすれば、私は水産業者は成り立たないと思う。何がゆえにガソリンを上げて、何がゆえに重油を上げようとするのか、この理由、それからそれが国力の全体に及ぼす影響、それらについて皆さん方の基礎的な考え方でもけつこうですから、承つておきたいと思います。
○森説明員 最初申されました、これ以上さらに重油を輸入する必要があるかどうかという軍油の需給計画の問題は物価庁としては何とも申し上げられない。これは安定本部からお答えすると思います。次の問題からお答え申し上げます。 ただいまも申し上げましたように、需給計画の上から、今後やはり全体の需要量の四割の重油を入れなければいけないということになわましたならば、輸入をして赤字を出すようなマル公をつける考えはない、こういう声もあります。しかしながら統制を廃止するということになれば、また問題は別でございますが、もし統制を続けて行くということにすれば、物価庁としては、やはり輸入をして赤字の出るようなマル公をつけたのでは、どうも説明ができないということを考えておるわけであります。
○石原登君 実は私が言いたいのは、日本は戦争に負けて、耐乏生活に耐えて行かなければならない国なんです。そういう意味で、われわれは過去六年間に、いろいろな点からガソリンにしても使わないで、木炭車で間に合わしておつた。現にそれで間に合つておる。ところが今日では、皆さん方御承知の通り、東京ではガソリン自動車ばかりで、木炭自動車は一台も見受けられない。どちらかというと、不急不用の面にまで大事なガソリンを使つている。しかもそういうようなガソリンは、円タクで、しかも歓楽の面に使われているのがあるのです。そういうときにおいて、日本はさらに値段を上げて、重油を輸入しなければならぬかどうかということは、われわれの日本を再建するという決意に対して、非常な矛盾となる。これは、日本の水産のためにきわめて重油が不足しており、そのためにやむを得ないのでありますけれども、実は先ほど言つた通り、水産の面にも、ある場合においてはやみの方が安いというような部面が現われて来る。そこで私は安本に尋ねたいが、こういうような無理な需給計画を立て、そういつたような無理な輸入をするのは、むしろ率直に言つて、そういうようなことをされると業者は迷惑をする、国の再建にも非常に悪い影響を来す、私はかように申し上げたい。そこで安本の石油課長にお尋ねをするが、このいわゆる需給計画の内容は、何にどれだけ使つて、何にどれだけ行つているのか、その点をまず明らかにしていただきたい。
○近藤説明員 ただいまのガソリンと重油の点について、需給計画の概要を申し上げることにいたしたいと思います。ただいろいろな産業についてここで申し述べても時間の浪費でございます。大体十月から十二月までの一・四半期におけるガソリンの割当量は約二十三万八千キロということになつております。それで先ほど十月——十二月の重油の割当は六十一万キロ程度ございますということは申し上げたのですが、その中でガソリンは製品としての輸入は一トンも認めておりません。従つてこのガソリンは、国内に原油を輸入してこれを精製業者がガソリンにして売つているわけでありまして、御承知のように原油を一トン入れますと、その中の二五%程度はガソリンができるわけであります。そのガソリンがこの量でございまして、重油を六十万キロつくるためには、原油を約これの二倍程度入れなければならない。それが燈油になり、軽油になり、潤滑油にもある点なりまして、それで六十方キロというものができて来るわけであります。こういうふうに原油の得率を考えまずと、国内に原油を入れて製品をつくつて、それで大体カバーしておりますのは揮発油と燈油と潤滑油でございまして、どうしてもこの得率上製品として單味で買わなければならないものが軽油と重油とだけということであります。この軽油と重油を全部国内で原油からつくつたら、今のような問題は起きないのじやないだろうかというような問題もございますけれども、これは今徐々に精製工場が能力を拡張しておりまして、行くくはそういうような状態になるかもしれませんけれども、現実の状態では、どうしても軽油と重油はその一部を外国から直接に製品で輸入しなければならない現状でございます。それでそれならどの程度軽油と重油が国内でできて、どの程度外国から製品で入るかといいますと、ざつと考えますと、重油六万キロのうち、約二十五万キロは外国から製品で入つております。従つて物価庁で今一番頭痛の種になつておりますのは、この二十五万キロがさしあたり入つて来なくなつてしまつた場合に、国内の需給関係がどうなるだろうかということ、私の方から言うのはおこがましいのですが、この二十五万キロが入つて来なくても国内の需給バランスが合うであろうかどうであろうかというところに問題があるわけであります。この二十五万キロの輸入の量が、はたして今の価格で輸入業者がペイするであろうかどうであろうかということが、ただいま問題の中心になつているというふうに私は考えております。
○石原登君 それで大体問題がはつきりして来たと考えます。今説明された、重油として入つて来る二十五万キロの価格が、日本で原油から精製する重油の価格に比べて割高だ、こういうことになるわけでありますね。そうしますと、こういうような高いものをわれわれが入れることは非常に好ましくないことでありますし、またそれについては、皆さん方も同意見であろうと思う。そこで政府としては、これに対しては精製設備を拡充強化するということが急がれなければならぬと思う。しかしながらそれも今すぐ間に合わないことはあたりまえでありますけれども、二十五万キロの重油を確保するという目的のために、それがただ軍に、いきなり水産業者にあるいは重油の需要者に転嫁されるということが正しいことであるかどうか、私はそれを実は非常に恐れるわけであります。こういうことはひとり重油だけではない、いろいろな面において外国石油と日本石油の価格の調整は非常に問題である。特に重油の場合は、実は日本がこれから最も期待しなければならない、育成しなければならない、また原始産業の中で、これまで政府において、あるいは国民的にもあまり協力してないところの零細な水産業者に與える影響が大きいから、ここのところを政府として当然考えてやらなくちやならぬ、こういう意味で申し上げているわけであります。あなた方のいろいろな苦労はよくわかりますが、これはひとつ物価庁でも十分お考えくださつて——ただでさえ水産業者は非常に脆弱である。しかもそのくせ国民の水産に対して寄せておる将来の期待というものは非常に大きいわけであります。私はさらにこの二十五万キロの輸入という面についても、これはこの席でははばかりますが、当然いろいろ研究すべき余地があると思う。それはなぜかといいますと、日本の石油をこれほど統制するならば、もうちよつと使用の面に制限をして、こういうような割高の石油をなるたけ入れないようにしていた、だきたい。そうしてもつと日本の国内の資源でまかなえるものはまかなつて行くという方向にしてもらいたいと思う。先ほどの物価庁の御説明では、従来ガリオアで買つておつたために安かつた、それが自由貿易になつたために高くなつた、それでは今の情勢に引合わない、こういうような御説でありましたけれども、ある程度物が入つて来なくても値段の面では、自由経済になると、必ずプレミアムがつい来る。私はこの点をぜひ無視していただきたくないのであつて、今のように、むしろ日本ではガソリンが浪費の面に使われておるのが非常に多い、こういう面をむしろ皆さん方が規制してもらいたいと考えておる。この価格がまだ決定してないということは、先ほどから再三言明がありましたから、私はこれを確信いたしまして、今後の価格の改訂については、水産業者の負担によつて、ただ皆さん方の行政事務上の都合がいい、あるいは一部のガソリン消費者の都合がいいということにしないように、十分考慮をしてもらいたいということを特に申し上げておきたいと思います。 なお、先ほどから出ておりましたが、これだけ物が出て参りますると、価格にしても配給にしても、私はいつまでも統制をしておく必要はないと思う。そこで私ども自由党としては、統制を撤廃すべくさつそくもうただいまから研究いたし、努力をしておりますが、そこで一点だけ念を押しておきますが、この統制の撤廃をいたしました場合、定本として、あるいは物価庁として非常にお困りになり、あるいは行政的に支障を来すような問題があるかどうか。そのことを一応承つて、そういう問題についてもわれわれはあらかじめ研究を進めながら、この問題の解決をして行きたいと思いますので、この際率直に言つてもらいたい。これは本日皆さん方にいろいろな問題があろうと思いますから、あらかじめアウト・ラインでもいいから、ひとつはつきりとお示しを願つておきたいと思う。
○森説明員 物価庁といたしましては、配給統制が廃止された場合には当然マル公を廃止すべきであると考えます。現在のやみの状況を考えまして非常に特殊な場合について見ますと三割とかいう一事例もございますが、大体一割くらいじやないかというふうに考えております。われわれとしては配給統制を撤廃すれば、マル公は当然撤廃してさしつかえがないというふうに考えております。
○近藤説明員 統制を撤廃いたしましたときに事務官庁としてほんとうに困ることを率直に申し上げますと、実は先ほど申し述べましたように、十——十二月に現実に割当てました数字は六十一万キロでございましたから、皆さんがおつしやるように、確かにある一面では預りもできておると思います。それからある一面ではいまだに前渡しのような現象もあると思います。これは先ほども申し上げましたように、去年の同四半期に比べますと約二倍の配給量になつております。去年は大体三十万キロが限度でございましたのが、六十万キロの配給ができるということになつたので、われわれとしてはこれははなはだ嬉しいことでありますし、同時に統制撤廃の希望も出て来たおけでございます。ところが先ほどからの外貨の折衝は、まだわれわれだけの自主的な運営にはまかされておらない点もございますので一——三月におけるわれわれの割当の希望としましては、少くとも六十一万キロ程度のベースを割りたくなかつたわけでございますが、今の外貨の事情をもつてしますと、これが五十四万キロ程度に減らさなければならないような状態でございます。それから四月—六月の見通しを今から立てざるを得ないのでありますが、そのときは五十三万キロ程度のベースに落ちるように今のところ考えております。これにつきましては、いちずに外貨の増額を要請するよりほかには、今のところわれわれとしての事務的な手はないのでございまして、ただいまのところ外貨の要請に努力はしておりますが、その経過としましては、ただいまも申上げましたように、だんだん割当量を減らさざるを得ないという実情にあることが——これは事務的な問題でございますが、統制撤廃を考えるときのわれわれの一つの頭痛の種でございます。
○石原登君 それでは、統制撤廃をいたしますと、輸入量がどうしても少くなりはせぬか、こういうよらなお考えですか。
○近藤説明員 統制撤廃とは関係ございませんけれども、歳入量が激つて来るという状況にあるときに統制を撤廃するということが、われわれとしては非常に心配の種だということであります。これをちよつと言い直しますと、結局統制を撤廃したときには価格は安定していなければならないわけでございますけれども、今のような割当の減少と、それからその反面石炭その他の動力源の不足を重油で補うという運動が起きて来ております、その両方の作用によりまして、価格をはずしたらむしろ上るという現象が起きはせぬかということが一つの心配なのでございます。これはわれわれだけの事務的な危惧で終ればけつこうなのでございますけれども、現実の需要量が上つておるということは否定できないことでございます。それから割当の予想が減るということ、これはもし統制を撤廃すれば以後はもちろんわれわれが割当をしなくても済むようになると思いますが、輸入量ということで置きかえてみても、輸入量が減るという現象と需要がふえるという現象のために、価格の統制をはずした場合に価格が上りはぜぬか、それから配給の統制をはずした場合はわれわれが思つているようなところに品物が行かないような現象が起きはせぬかということが、一応の問題になると思います。
○石原登君 私は実はその点をお聞きしたがつたのであります。新しい需要者に対しての割当なら割当、そこに問題がある。ところでお尋ねいたしますが、世界的な油の需要供給の状態は、私の勉強した限りにおいては非常にノーマルなものだ、かように私は承知いたしておりますが、あなたのただいまのお説によると、どうもそうでない。かえつて世界的には需要に対する供給量が非常に少い。こういうような前提での御答弁のようであります。 それからもう一つあなたの頭の中に入れておいてもらわなければならぬことは、講和会議も無事に済み、すでに自由貿易も進んでおります。講和会議の批准も近くできると私は思う。そういう状態になつた場合に、日本の貿易はある程度の支障があるとはいいながら、相当思い切つた貿易ができると思います。今、現在入つて来ておる石油は、アメリカその他がおもでありましようが、あるいはその他にもこの供給を仰ぐことができるわけである。これらの面に対する石油供給の見通しなどについて、安本では具体的にどのような研究をやられておるか。あわせてこの機会にお尋ねしておきたい。
○近藤説明員 非常に重要な大きな問題でありまして、私ごときものの答えるべきことではないと思いますけれども、ざつと現状を申し上げますと、石油製品の輸入の隘路になつておることに二つあると思います。それは一つは国内的な問題でありますし、もう一つは今おつしやいました国際的な問題、これであります。私の先ほどから御説明いたしておりますのは、これは国内的の問題でございますから、完全に講和の批准その他の問題が解決しますれば、おそらく国内的に解決できることかと思います。言いかえますれば、今の外貨の事情が悪いために、輸入できてもできないような状態でございますから、これは皆さんの御努力で将来外貨をよけいつけていただければ、このくらいの量は入つて来るだろうと思います。その点は統制撤廃と関係を持たせて、皆様にひとつわれわれを御支援願えればけつこうかと思います。 なお簡單にもう一つの国際的な問題について申し上げますと、世界的に見まして、石油は大体需給が、バランスしておるのが、去年の中ごろまでの状態でございます。朝鮮事変が始まりましても、なおかつ石油に関しては一応バランスをしておりました。ところがこの五月ごろから起きましたアバダンのイラン問題、これが契機となりまして、世界的に今製品は不足しております。それはアメリカが不足しておるのではございませんで、アバダンの供給を受けておりました、主としてヨーロツパを中心とした需給が、非常に緊迫して参りまして、イギリスのごときは、むしろ日本よりも今のところ石油の需給関係は悪いかと思います。そういう状態になりましたために、アメリカは民主諸国を援助する意味で、アメリカの供給源をそちらの方にまわしておる関係で、アメリカも製品高になつております。ですからただいまのところは、アメリカの重油は未曽有の高値を示しております。それから英国はもちろん海軍の増強その他の関係で、ますます高値を示しておりまして、われわれの方で外貨をつけても、はたしてそれだけのものが入つて来るかどうかは、この今の輸入面においては、われわれには予測は今のところまだできません。
○石原登君 もう一点だけお尋ねしておきますが、現在ただいまの状況では、重油の新しい需要が来ないという前提において、日本におけるところの重油の需給態勢はノーマルに行つておると、こういうふうに私は考えますが、事務当局においては、数字的な計算は別として、今日の実情については、現に問に合つているとお認めになるかどうか、それともなおかつ現在においても不足だというふうにお考えになるか、くどいようでありますが重ねてその点をお尋ねいたします。
○近藤説明員 十—十二月におきましては大体六十一万キロで私はカバーできると思います。しかし来年度に入りますと、御承知のように石炭が非常に緊迫している関係で、ちようど重油と石炭は価格から申しますと大体トン当り二倍でございますが、カロリーも二倍の効率を持つておるという関係で、石炭の入手の足りないところはあげて重油に転換されることを今予測しております。その関係と、もう一つの問題は、電力の不足を反映いたしまして、緊急停電の場合に操業度を落さないために重油による発電をみな用意しております。それから重油による動力を動かしまして、脱穀、製材その他そういうものは操業度を落さないように、各業者、特に中小企業の方が今努力しております。そういうものに対してわれわれが重油を供給するということを頭に入れますと六十一万キロ程度のものではとうてい追いつかないだろうというのが見通しでございます。相当ふえるものとわれわれとしては考えております。
○石原登君 新しい需要が来ることは私も大方予想がつく。その新しい需要のための、いわゆる需給のバランスの均衡が破れたことによるしわ寄せが、先ほどから申し上げました通り一番弱い水産業者によつてまかなわれる、こういうことが不本意なのであつて、皆さんの作業上のお立場はよくかわります。どうかこの点については、物価庁においても十分お考えよあつて、——私は価格の決定を絶対的に拘束しようというような気持はございませんが、要するに一番弱い、また国家的に一番強く期待を持たなくちやならない水産業者にこれ以上の無理が行かないようにお願いいたしたい。たとえば鉄鋼の場合なんかでも相当重油を必要とすると思いますが、御承知のように鉄鋼部門はもうかつておる。あるいは電気の場合にしても相当不当なことをやつてなおかつもうかつておる。現に電気従業員が日本での月給とりの中では一番高い月給をもらつておることは皆さん御承知でありましよう。その中にあつてひとり恵まれない水産業者が、ああいううらぶれた姿であるにかかわらず、さらに高い重油を使わせられるということでは、政治のあまりにも不均衡を私ほ嘆かざるを得ない。どらかこういも点は十分に考慮して、この問題については格段の御注意をお願いしたい。おれくはこの問題に非常に関心を持つておりますとともに、決して政府をいじめようなどということは考えておりません。われわれも協力をいましてこれがスムーズに行くように努力したいと思いますから、できる限りにおいて十分の措置をとられるように切に希望いたしまして私の質問を終ります。
○松田委員長代理 田淵委員。
○田渕委員 私は終戰後最もいち早く復興しておるのは、連合軍の援助もあつたけれども製油、いわゆる重油の精製工場であると思う。たとえば和歌山県の東亜燃料などは戰前以上の能力を発揮しておる。それで、輸入をカバーするために原油を輸入して精製能力を増加させておるという。その精製能力——つまり一トンのうちの二五%はガソリンがとれる。そのあとの七五%ほ燈油あるいは潤滑油、それに重油が何パーセントとれるかというのが第一点。それから四〇%を輸入によつて供給しておるというならば、そのうち漁業方面に重油が何パーセント出ておるかというのが第二点。私の三点というのは、安本だとか物価庁だとかは最も不必要なものだ。私は持論としてこんなものは早くつぶした方がいいと思つておる。ことに物価庁なんか必要はない。こんなものを置いておるから、物価庁と安本の中において統制と物価と連絡しておる。あらゆる部分がことことく統制を撤廃されておるときに、何を好んで諸君が座席を占めんがために、まだ物価をいじくつておるか。やみがあるとかどうとかいうことは、それがすでに物価庁の無能力を暴露しておるわけである。先ほどの小高委員の質問に対して答えた、この点重ねて伺いたいのは、つまり原油の精製能力は終戰直後と今日とではどのくらいになつておるかということを伺いたい。
○近藤説明員 ただいまの精製能力がどの程度にふえておるかという御質問に対しましては、終戰後、御承知のように、国内の精製工場はスクラツプにすべしという議論が圧倒的であつた関係上、これは相当に立ち遅れて復旧いたしたのでありますが、一昨年の初めに、初めて総司令部の方も日本の精製技術に一応の敬意を表してくれるようになりまして、それから迅速な復旧をいたしております。去年のベースは一日に処理能力三万バーレル程度であつたものが今では五万七千入貢バーレルまで上つております。ですから終戰後から言えば、ほとんどゼロから五万七千八百まで立ち直つたというふうに見ていただたいてけつこうだと思います。そのために先ほど申し上げましたように、ほとんど軽油と重油を除くほかは、国内で自給が完成しているというような現状に立ち至つておるわけであります。 それからガソリンがどれくらいとれて、その他のものがどれくらいとれるかということでございますが、先ほど申し上げましたように、ガソリンが二五%、その次に出ますのが燈油で、四%ぐらい。それから軽油が大体九%から九・五彩程度、一割に足りません。それから重油が三五%程度。その次に一番重いもので、潤滑油が入彫程度、アスフアルトのようなものが四%程度、パラフインが三・四%とれます。都合全部合せますと、八七%程度になります。あとの一三%というのは、しぼるために自家燃焼いたしますし、その他歩どまり、目減りがございますから、そういうことになつております。それが大体経済的な得率でございまして、精製業者にはこの程度の得率で今生産をやらしておるのでございまして、われわれもその生産に基いて需要計画を立てております。 漁業方面は十月から十二月までの間におきまして、六十一万キロの中で十八万九千キロ程度割当てております。従つて大体三分の一程度でございます。
○松田委員長代理 石油問題はこの程度で打切ります。
○松田委員長代理 次に、最近インド政府の要請により日本漁船がインド洋方面に進出するようでありますが、これら南方諸国と日本との協力漁業に関し、政府よりこれが行政方針について説明を聴取したいと思います。
○十川説明員 これはお手元に「東南アジヤ諸外国を根拠地とする漁業に対する援助」という刷りものが差上げてございましすが、終戰の後に、これらの諸外国と日本との漁業上の技術的援助、それから船舶を向うへ派遣することにつきましての交渉のあつたものが記載されております。三つの事柄があるわけであります。 その第一は、澳門、これはポルトガル領でありますが、澳門を根拠地といたしまして、底びき網漁業を招請されまして、徳島水産株式会社と申します。る底びき網漁業者が、自分の持つております底びき網漁船を、香港にあります新生実業公司に譲り渡したわけであります。内容は「提携して」とありますが、実質は底びき網漁船二隻を新生実業公司に輸出する手続をとりまして、譲り渡したわけであります。そうして技術員が乗つて参りまして、実際の指導をいたしておるのが実情でございます。また最近に同じく以西の底びき網漁業の村山広雄と申します者も、やはり澳門の遠東漁業有限公司と話をいたしまして、底びき網漁船をさらに二隻透ることになつております。これもやはり底びき網漁船を向うへ輸出するという形においてなされたものと思います。 第二に御説明申し上げますのは、インドの漁場調査、開発のために、大洋漁業株式会社の第十七大洋丸を向うへ派遣いたしまして、インドのボンベイを根拠地にいたしまして、トロール漁業を試験的に操業いたす。これはまだ出発いたしておりません。 〔松田委員長代理退席、川端委員長代理着席〕 十月の下旬あるいは十一月の上旬に出発するかと考えております。 それから第三には、台湾に対しまして漁業の調査研究機関を設置いたしますために、二人の漁業の専門家が台湾政府の招請に応じまして渡航いたすことになつております。これは主として学術的の研究機関でありますが、これとは別にほんとうの経済的の何か開発の顧問をいたしますために、日本人の調査団五名をやはり台湾政府と経済協力いたしまして、派遣することになつておりますが、これはまだ出発いたしておりません。 以上申し上げましたのは、多くは個個の業者別当該政府の要請に応じて契約をいたしまして出発いたしたわけでありまして、特にこれを一貫いたしました政策をもつてどうこうするといつた問題ではございません。もちろんそのうちの一、二のものにつきまして、渡航の申請等について水産庁を経由して書類を出したものはございます。以上でございます。
○松田委員 去る五日の委員会に十川部長は出席されておつたのであります。当時委員会においては、将来結ばれんとする漁業協定の問題が非常な議論になつたものであります。いろいろな環境からある程度までのお話があつてそれで終つたのでありまするが、将来これに対して、あらためてわれわれと政府との間に協議する方法を講じようということになつたのであります。ところがそのときにあたつて、十川部長はこうした問題に対して一言も触れなかつたのであります。要するにこうした問題は一つの政策ではない、しかしこれは将来日本の国が新しい漁場に向い、日本の漁民の優秀なる技術を、世界に向つて戰前の漁業に達するように努力せんとする一つのきつかけである。まことに喜ばしいことである、かようにわれわれも考えておりますし、これに賛意を表するのだが、今日は一つの政策ではないという御説明であつた。ところがたまたまその翌日にインド政府からの要請によつて大洋漁業が派遣されることになつておる。十川部長はこれに対しあつせんをしておるのだという記事が載つておりました。事実、だろうと思つております。さて、ここに問題があるのであります。委員会に対しては一つもこういう問題をわれわれに非公式にでもお話がなかつた。政策でないからこうした問題を話さなくてもよかつたというのかもしれない。しかし大洋漁業はどういう会社であるかということだ。あなたの調査によると、大洋漁業という会社は現に機船底びきが五十日の停船命令を食らつておる会社である。この会社を今日本が新しく指導の立場に立つべき世界の漁業に、どういう理由によつて推薦したか、この点であります。しかもこの会社は、現在の日本の漁業に対してどういう影響を及ぼしておるか。たとえば北海道において、さばのきんちやくを一万トンの船を持つて行つて、そして漁業協同組合からその権利をある程度までも借りて、一つもこれに対する漁獲の報告をせず、むしろ脱税さえしているではないか。そして沿岸漁民に対してどういう影響を與えておるか。魚価維持対策のためならばよろしい、また指導するためならばよろしい。こうした大きな会社は、要するに世界に向つて中小漁業者のやつて行けないものをのみやつて行くのが大きな会社の使命でなければならない。何も南方の捕鯨を大洋漁業に許可されたのではない、日本政府に許可されたのだ。それをああしたりつばな会社であるがために、政府はそれに許可を與えたのである。それまで保護しておるではないか。それだのに日本の沿岸に対するあなた方の観点から見て、大洋漁業は今日どういう仕事のしぶりをしておるか。あなた方日本政府かつくつた、われわれがつくつた漁業法に対してどういう悪影響を及ぼしておるか。ややもすれば水産庁を籠絡し、その役人を籠絡しておけば、自分らは意のままにやつて行けるということを彼らは考えておるのではないか。日本の国の進むべき漁業協定を今結ばなければならぬときにあたつて、かような不当な、日本の水産いな新しい漁業法をも蹟噛するがごとき会社に対して、あなた方がこれを推薦したという理由いかん。しかもおれくが今漁業協定を行わんとする大事なやさきにおいて、委員会においてこれを論議しているときに、君は一度もわれわれに非公式なりとも言わなかつた。どういう理由なのか、これをまず聞きたい。
○十川説明員 お話の点は、インドに第十七大洋丸が行きますことについて、いろいろと御意見を加えられてお話になつたことと思いますが、それにつきまして私があつせんをしたと申されましたが、あるいは見方によりましてはあつせんをしたということになるかもしれません。いま少しくこのことにつきましては詳細に説明を申し上げた方がいいように考えますので、その間の事情をもう少し詳細に御説明を申し上げたいと存じます。 本年二月に太平洋漁業会議がインドのマドラスで開かれまして、私がオブザーバーとしてこれに出席いたしたわけであります。これよりさきに、インド政府の要請によりまして、日本から、インドの漁業を開発するために、だれか技術者を送つてくれないかという話がありまして、これは水産庁をまつたく通じないでいたした契約でございますが、三人からなります何と申しますか、一つの団体をこしらえまして、インドのボンベイに送つたわけであります。事情をもう少しく明確にいたすために、インドの漁業につきまして、きわめて概略に御説明を申し上げた方がよろしいかと存じます。インドの漁業は、現在年産約六十万トン程度のものをとつております。そのうちの約四十万トンは海の生産になつておりますが、しかしインドは独立をいたしましてから後、現在非常に食糧に困つておるわけであります。たくさんの人が飢餓に瀕しておりますために、この飢餓に瀕しております人々を救うために最も早い方法は、海の資源を開発いたしまして魚類の供給を十分にいたし、そうしてたくさんの人を飢餓から救いたいというのがインド政府の念願であつたわけであります。これに関連しまして、三人のチームからなります日本の技術者を招聘いたしたわけであります。この技術者は大洋漁業から送られた技術者でありまして、その指導者になつた人は上田大吉という人でありますが、それと発動機及び機械に経験のある人がついて行きまして、それともう一人漁夫がついて、三人で向うへ招聘に応じて行つたわけであります。そこで今までインド政府はイギリスからも技術者を招聘いたしましたし、アメリカからも招聘をいたしましたけれども、漁業をなすことに成功をしなかつたわけであります。幸いに日本から参りましたこれらの技術者はきわめて優秀な人でありまして、それがためにようやくインド政府といたしましては、インドにおける漁業を再建することの職務を得たわけであります。これらの人々がさらにインドの漁業を実際に開発いたしますためには、もう一歩踏み込んでやらなければならない、こういうことになりまして、これらの人々と、それからインドのボンベイの州の水産局長のセツトナーという人でありますが、この人とが二人協議をいたしまして、そしてこれは正規のトロール船を一隻送つてもらいたい。これはなぜトロール船でなければならないかと申しますと、日本の船が参ります場直は、続航能力の関係から、現在のところでは底物をとるといたしますとトロール船以外は参れないわけであります。もし底びき網船を持つて参るとすれば、続航のときの関係で途中で補給をいたさなければならないのであります。それともう一つは先ほど申し上げました上田大吉氏外二名の一つのチームがありまして、これが大いに、ボンベイの水産局長の信用を博しまして、そしてインド政府から大洋漁業の船を派遣してくれないかということをGHQを経て申請して参つた次第であります。そうしてインド政府と大洋漁業との間に契約ができまして、今申しました十七大洋丸を派遣することになうたわけであります。それにつきまして私どものいたしましたことは航海の許可を得なければならないわけであります。この航海の許可を得ますためには現在は御存じの通りマツカーサー・ラインがありまして、マツカーサー・ライン外において、たといインド政府が承認いたしましても日本漁船が操業いたしますためにはそれらの航海の許可を得なければならないことはちようど南氷洋の捕鯨と同じであります。それでその航海の許可を得ますために私どもの手を経て依頼をして参りました。この航海の許可は極東海軍に申請いたしますのでありまして、業者から直接出すことはできないのでありますから水産庁に頼んで参りまして、航海の許可のあつせんと言つて参つたわけであります。私は趣旨からいたしましても、この何千万という人間が飢餓に瀕している時分に、将来インドの漁業を再興されますために日本が持つ技術を貸與いたしまして、たくさんの人の生命を飢餓からの死亡するところを救おうとするところの行いに対しまして、私は大洋漁業がお話になりましたような、いかようなことがありましようとも、人類の一人として私は努力いたしたいと考えるわけであります。
○松田委員 あなたの御趣旨も私どもの考えていることも同様であります。インドの住民を救うためにまた日本の漁業を海外に広げるためには絶好の機会と存じているのであります。 さてそこで私は一問一答いたします。あなたは大洋漁業の漁船が煙突を隠してマークを隠してアメリカの飛行機に写真を写されたことを御存じでありましようか、どうでしようか。
○十川説明員 それはGHQから私どもの方にそのような通知がありまして承知をいたしております。
○松田委員 新しい画期的だと言われ、世界に称讃されておる漁業法は、日本政府によつて、自由党内閣によつてできたことも御承知でありましよう。
○十川説明員 お説の通りであります。
○松田委員 この漁業法を守る最も重要な役目をするのは水産庁ではありませんか。
○十川説明員 お説の通りであります。
○松田委員 この漁業制度改革と、農地改革を守ることが日本を赤化から救つたものであり、今日の日本の経済の建直しをしたものである。それを破らんとする漁民があつたならば、これに対してどういうような考え方をあなたは持つておられますか。
○十川説明員 破らんとするものがあれば当然阻止すべきであると思います。
○松田委員 身をもりて、職をとしてこれを処置されるお考えを持つておられまするか、その点をお聞きします。
○十川説明員 私の責任の命ずるところに従いまして行動いたします。
○松田委員 しからば日本国内はいざ知らず、アメリカの飛行機にまでさような違法行為を行つて、それでまだあえて五十日の停船命令を受けた漁船が、大洋漁業の漁船としたならば、あなたはどのように大洋漁業と関連があるかは存じませんが、この点に対するどういう御処置を考えておられますか。
○十川説明員 違反船に対しては私どもは事実を究明いたしまして、そしてこれを処分することは今までやつて来ておりますし、今後もやるつもわでおります。なお補足いたしまするが、御指摘になりました煙突のマークを隠して操業しておつた船がある、こういうことにつきましては、渡されました材料が写真、だけ渡されたわけであります。この写真だけ渡されまして、そしてそれで位置をただちに確認することはできないわけであります。つきましては私どもの方といたしまして、取締船がおるわけでありますから、これらの船につきましてただちに事実を調べまして、事実が明らかになりましたならばこれを処分する、また同時にGHQに対しましてもこれだけでは証拠が十分でない。つきましてはだれがいつ何船に乗つて見られたのかということを調べることを願つておるわけであります。
○松田委員 水産庁及び現内閣は漁業協同組合育成強化を叫んでおるとわれわれは信じてこれに協力しておるものでありますが、この点に対して水産長官並びに十川部長はどのようにお考えになつておりますか。
○藤田政府委員 協同組合の実情から申しまして、協同組合を正しく発展させたい、その方向に育成強化したいということは水産庁として一番に考えておることであります。
○十川説明員 長官が言われた通りであります。
○松田委員 一例をあげますが、北海道に対してさばの旋網漁業が許可された、それは漁業協同組合に許可されたものもある。それを大洋漁業が傍系会社をしてこれに従事させた。しかもそれには時価千四百円なわ千五百なりしているものに、六百円でその魚を仕切つた。こうして自己の利益を上げておるという数字においてはなつておりますが、これに対しては取引は自由であるからそれでいいと考えておられまするか、との点をお聞きします。
○藤田政府委員 もちろんわれわれは法律の定めるところに従つて、それについてこれをやつておるわけでありますが、実際のいろいろの取引については、軍にわかつている点だけで判断することもまた真相がつかめない場合があろうと思います。従いまして、そういうようなものについては、具体的にそのときの実情をよく調べて、もちろんわれわれとしては法規には抵触いたしませんでも、やはり大きな資本漁業者の沿岸漁民に対する扱いについては、細心の注意を拂つて、沿岸漁業と協力して行くという気持でやるように指導して行きたいと思つております。
○松田委員 自由経済になりましてからは、時価というものがそのときの相場になるのでありますが、一方において千四百円、一方において六百円ということでは、税務署にその収入を申告するとき、これはただちに脱税になると考えているのであります。この資料を私はしつかり持つております。しかも大洋漁業のやり方は、自己さえ漁獲すればというので、あらゆる施設、電波探知機、暗号等をもつて自己の船のみの連絡をしている。それがために沿岸漁民は三分の一も四分の一も漁獲できなかつた、これが釧路の実態、小樽の実態であります。かようにして一万トンの船を魚価維持対策のために持つて行つたとなれば、非常にりつぱなことでありますが、自己のもののみをそれで処理された。かように大資本漁業が沿岸漁民の漁場に入つて行くことを水産行政としてどのようにお考えになつておりますか、その点をお伺いしたい。
○藤田政府委員 根本的なお考え方としては、やはり沿岸漁場は、できるだけ沿岸漁民の手によつて、協同組合の手によつて守つて行くというやり方をとつて行きたいと考えております。しかしながらこれはまた資源によつていろいろ趣が異るのでありまして、あるいは底棲魚族の場合、あるいは回遊魚の場合、あるいはまたその回遊魚等について、特に資源保続の見地から、とりましてもそう濫獲にならぬということがはつきりした場合については、またおのずから別途の考え方をしてもよいだろう、従つてやはりこれは具体的な問題で結論を出さないと一概には申せないと考えます。
○松田委員 近い将来締結されんとする漁業協定は、世界の漁業協定の中に入り、日本の水産の行くべき道を開かんとするものであります。われわれ委員会においても、また水産庁においても、日本政府としても、行き詰まれる沿岸漁民と遠洋漁業の間に相剋摩擦のないように、資本漁業は法規を守つて沖合いに出漁し、沿岸漁民の立つて行くようにして行かなければならない、このことはあなた方もさように考えていると思つているのでありまして、これには何ら異存はないと思います。しかるに資本漁業は、自己の利益であつたならばどんなことをしてもよいと、いうので、現に以東底びきもやつているのではないか、また中小企業のちくわ、かまぼこまで手を出している、また停船命令に違反して、あなた方の手によつて処罰されたのが大洋漁業である。犯罪は確立していないが、アメリカ人の飛行機によつて写真をとられだのは大洋漁業である。われわれは沿岸漁民ができ得ないところにこの大資本漁業が進出して行くことが国策であり、そうあるべきだと思う。何のために沿岸漁業、中小企業者に圧迫を加えんとするか。われわれ自由党は資本主義の政党である。どこまでも資本主義をもつて新しい日本を築いて行きたいというのである。それに対して、現在行つている大洋漁業の行き方は古い、最もいまわしい、日本を敗戦に導いた資本家のやつていることと同様じやないか。何一つ委員会の意向を聞いたことがあるか。しかもそうしたことがはつきりわかつておりながら、長官は良心があるか、十川部長は良心があるか。あなたの手によらずんば、この手続ができ得ないのである。新しい漁業法を制定したあなた方が、何でかような違反行為をあえてするか。この大会社に対してあらゆる援助を與えている。これを手続するなどということは、いま少し良心があつてしかるべきだ。かような良心のない人が日本の水産行政に立つて行かれると思うことであつたならば、われわれはここにおいて考えざるを得ない。私は何も大洋漁業ひとりを文句言うのではない。あなた方に良心があるかということを聞くのである。われわれは無一文の者であつても、あえて日本の漁業法を守つて行こうというものである。侵略漁業を阻止しようというものである。今日も委員会において漁民のあらゆる問題に対して今までかかつている。もつともつとこの石油問題も解決せんと努力するものである。これが国会議員の役目である。あなた方は職は賭してまでも新しい漁業法の精神を生かして行かなければならぬ立場にあるのだ。われわれもそれに協力するのである。漁業法はわれわれが制定したものであるが、あなた方は政府提案として出したのである。それをあなた方みずからの手によつて破つているではないか。あらゆる便宜を與えているではないか。これに対して、あなたに良心があつたならば、ただちにおやめなさい。私は勧告いたします。何たることであるか。あなたの御意見を承りたい。
○田渕委員 私は時間がありませんので、ちよつと関連して……。私は、インド政府から司令部に照会があつて、司令部から水産庁にあつて、水産庁はこれをのんだというように伺つておりまするが、今日講和條約が結ばれ、まさに独立せんとする日本であります。たとえいかなるものがあつても——われわれが水産委員として北海道漁政視察をやつたときに、函館に大洋漁業の一万トン級の船体が岩壁に並んでいるのを見て、これは沿岩漁民を助けてやつてくれればいいが、これがあくどく出たらつぶされるぞと言つたけれども、その通りにやつている。そういうふうな悪辣なことをやつた。またもう一つ、五十何隻が停船命令を受けている。少くとも当局の戒告なり命令を受けたものを、何の基準をもつてこれを選定したか。およそ選定するには資本力、技術あるいはそり経営者の能力というものを見て行かなければならないが、大洋漁業の経営能力というものに至つては、私はその指導者の指導精神というものは、わが国家の政策と相反しているので、そういうものをどういう基準から選んでこれを司令部に回答したか、何が来ても司令部から来れば、ただちにイエスということを言う。そんなことは腰抜けと言わざるを得ない。これに対してどういう基準で報告したかということを、私は松田委員の答弁とともにお答えを願つておきたいと思います。
○藤田政府委員 大洋漁業の従来の漁業のあり方につ要して、いろいろ御批判があるわけでありますが、これはひとり大洋漁業のみならず、一般の大きな会社と、沿岸の漁民との関係については、御指摘のようなむずかしい問題もいろいろあるわけでありまして、非常に日本の漁業が行き詰まつておる。漁場関係その他で行き詰まつております関係で、さような点に相剋が出て来るわけでありますが、もちろんお話のように、われわれといたしまても、大きな会社が沿岸漁場、いわゆる沿岸漁民の生き場所でありますところの沿岸漁場に対して出て行きます場合には、十分その点は注意して行かなければならぬのでありまして、そういうふうな点については、われわれも従来ともいろいろおれくの気がつきます範囲においては、注意をいたし、また話をしておることもあるわけであります。なお足りませんで、問題を起しておりますような点については、今後とも十分注意をいたしまして、そういうふうなことのないようにいたしたいと思つております。ただこの大洋漁業が非常に違反船が多い。そういう違反船の多いようなものを、このインド漁場に行きますものとして推薦をするということがけしからぬというようなお話でございますが、これは私どもといたしましては、やはりいいものはいい、悪いものは悪いということで、あくまでも大きなものであうても、悪い点は厳重に処断して行きたいと考えておりますが、やはり本来その漁業会社の持つておりますところの力、あるいは技術の優秀さ、そういうふうなものは、やはりこれを日本漁業の全体のために利用して行きたいと思つております。従つてもちろんこういうふうな場合には、これは大洋漁業の会社の一事業でないので、やはり日本の漁業を代表して選ばれた選手として行くのでありますから、そういうふうな心構えについては、日本全体を代表する考え方から、大きな立場で行くことを、われわれといたしましてもよく話もしておるわけであります。しかしながら違反船が多いから、これをやるのはいかぬというようなお話もございますが、これはやはり問題々々によりて、いいものはいい、悪いものは悪いというようなことで、けじめをつけて進む、そういうふうなやり方で行きたい、その点はひとつ御了承をいただきたいと思います。
○川端委員長代理 関係当事者としての生産部長の弁明を求めます。
○十川説明員 水産庁が何かたくさんあります中で、特にこれを選定し、推薦したというふうに御了解になつていただいては事実と相違いたします。これは先ほども私が説明申し上げましたように、インド政府と、それからその当時もうすでに行つておりました大洋漁業の上田技師と先ほど申しましたが、それとの間にすでに下相談ができておりまして、その手続について許可を得たいために水産庁の手を経て参りましたわけであります。
○松田委員 あなたは先ほど自分の職責の上においていかなる方法も講じたいということを言われておるが、漁業法を蹟噛したこうしたものに対してどういうお考えを持つておるか、それをまず伺いたい。
○十川説明員 先ほども申し上げましたように、違反につきましては、厳重に事実を取調べまして処分いたすわけであります。
○松田委員 あなたの手では腐れ縁があるからでき得ません。ボス的なああした横暴を日本国内至るところでやつている。しかもあの三浦三崎にあるまぐろつりの会社に対してもどういうような手段を講じておるか。このままで行つたならば大洋漁業のためにあらゆる漁業会社というものは併呑されるであろう、中小企業はほとんど立ち行かなくなるであろう、かような会社である。あなたの手ではでき得ないのだ。われわれはそう考えておる。この問題はもつと聞きたいが、時間がないから、今日はこの程度にしておきますが、毎国会この問題は徹底的にやるということを警告しておきます。
○川村委員 東南アジア諸外国の日本の漁業の招請について、いろいろな角度から松田委員並びに田淵委員を鋭くついておりますが、私はむしろ別な観点から、この諸外国の現在日本の漁業技術その他漁船、漁具等を取入れたいという希望について、沿岸漁業との関係、特に現在日本の底魚資源というものはもう枯渇しております。従つて過般から問題になつておりまするところの小型機船底びき網の整理はいよいよ昭和二十六年末期から断行しなければならぬことになつたのであります。私は去る十月の五日から十日まで大阪府並びに和歌山県、徳島県その他九州、中国方面を視察し、さらに関係漁民並びに関係官庁の集合を求めて、いろいろ懇談して参つたのでありますが、あの地方は特に底魚資源というものは枯渇しておりまして、どうしても大転換をさせなければならぬということがはつきりしたのであります。極端に言うならば、減船をし、漁民をいろいろな方面に転換をさせなければならぬ、漁業を継続することができないというところまで行つていることが事実となつて現われたのであります。そこで日本の底魚資源を漁獲する小型機船底びき網にしろ、あるいは以東底びき網漁業にいたしましても、その他の大洋漁業の操業する漁業にいたしましても、大体これ以上発展することはでき得ないばかりでなく、特に先ほどから申し上げます底魚資源、いわゆる底棲資源というものは、これ以上漁業を継続させることができない運命になつております。そこで一方今日問題となりました、東南アジア諸外国から何とかして日本から漁船、漁業技術等を持つて来てもらいたいという要求があり、さらに八月ころの委員会であつたと思いますが、朝鮮の国会議員で、水産委員がわざわざわれわれに懇談を申込んで、朝鮮でも機船底びき網漁業を日本から入れたい。船も世話してくれ、網も世話してくれ、技術屋も世話してくれという懇清があつたのでありまして、私は、この東南アジア諸外国の漁業に行く会社な問題は別といたしましても、日本の沿岸漁業の行き結まりを打開するということについては、こうしたような機会が絶好の機会だと思います。それからさらに講和條約の締結後におきますところの、近く結ばれんとしておる。いわゆる国際漁業協定の問題についても、行き詰まつた沿岸漁業、その方面に相当の援助をして転換をせしめることこそ、ほんとうに今後の日本の漁民を生かして行く道である、漁民の幸福をもたらす大きな問題だ、かように考えておるのであります。そこで今政府で考えておりまするところの小型機船底びき網——やがて昭和二十八年からどうしても機船底びき網の減船整理もしなければならぬのであります。これといかなる関係を持たせることがいいかというようなことを私は今考えましたので、ただいま問題になつておりまする諸外国の漁業、いわゆる招聘されておる漁業と沿岸の特に整理される漁業について、どういうように進んだらいいかという長官の御意見をまず承つておきたいと存ずるのであります。
○藤田政府委員 日本の漁業の行き詰まりを打開いたしますためには、何といたしましてもやはり——国際協調ももちろんでありますが、できる限り公海における漁業について進出する機会を與えていただきまして、そういうふうなことによつて一方内地沿岸の行き詰まつておる状態を極力緩和することが必要であろうと思います。それとまた漁業協定の内容というものは、大体公海漁業における協定、こういうことになるのでありますが、さらに一声を進めて行きまして、われわれといたしましては、将来やはり日本の水産上持つておりますところの特質を生かして、これを世界全体の人類の幸福のために、その技術を各国に提供して、これによつてまだ開発されざるところの資源を開発して行く。そうしてお互いに相栄えて行く。こういうふうな態度をとつて行きたいと考えております。そういうふうなやり方といたしましては、方法はいろいろあるだろうと思います。ある場合には、もちろんその先駆者といたしまして、やはり力の強いものを先にやる。——これは非常に危險なときもあるわけです。損害をこうむりました場合は、零細なもので立ち直ることができないのでありますから、やはり力のあるものをやつて、そこに一つ基礎をつくつて行くというようなやり方もあるわけであります。あるいはまたそれが近所のものでありますれば——近所と申しますと、たとえば朝鮮でありますとか、台湾でありますとか、そういうふうな問題でありますれば、これは相当従来経験のあるものもおるわけでありますから、そういうふうなものの進出ということについても、それがあちらに行きまして、日本の技術をあちらで大いに利用していただくという機会をつくつて行くことも必要であろう。いろいろ方法はたくさんあることであろうと思いますが、そういうふうにいたしまして、あらゆる機会に日本の技術を世界各国のために利用していただくというふうな機会をつくつて行くことによつて、日本の沿岸漁場というものをできる限り緩和し、これの資源の維持をはかつて、これをいつまでも永続きさせるというようなことと相まつて、日本の水産業を発展させて行きたい、かような気持でわれわれとしては考えております。
○川端委員長代理 川村委員にお諮りします。時間の関係がありますし、あとで漁船保険のこともちよつと御相談申し上げたいので、簡單にお願いします。
○川村委員 具体的に取上げて言わなければ、長官がちよつと抽象的に——私も抽象的に質問したから、長官も抽象的にお答えしておりますけれども、私の今申し上げておることは、もうすでに行き詰まつた底びき業者のはけ口は、この機会が最もいい機会じやないか。東南アジア諸国並びに朝鮮からの要望というものが、主として機船底びき網漁業を入れたいという希望を持つておるし、実際はやはりここに機船底びき網が行く、またやつたということになつておるのであります。そこで特に瀬戸内海方面の機船底びき網業者、これはもちろん今は型が小さいので小型機船底びき網漁業と言われておりますけれども、彼らは私の見たところでは、以東底びき網漁業ぐらいのことであるならば当然やり得る技術も持つておる。見方によつては、現在無許可にはなつておるけれども、以東底びき網に準ずるところの船舶並びに漁具を使つておる。はなはだしきは、私が調査に航海中二そう式で十五組も堂々とやつておる。そうしますと、わずかの政府の援助があるならば、当然この東南アジア諸国の海域において漁業し得るということがはつきりするのであります。そこでこうしたよらな場合において、むしろこちらから進んで、行き詰まつた沿岸漁業の打開のために、いわゆる技術屋、船、漁具、こうしたものをやるからと言つて呼びかけて、この行き詰まつた関係漁民をあちらの方にやつたらどうかということであつて、あまりに抽象的に互いに時間を費しておるということは決して当を得たものでありませんから、私は端的にそのことの打開の道として、今整理せんとする漁業とこれらの漁業とは完全に結びついて何ら私は不安がないと存じますので、あなたに質問をしておるのでありますから、どうかあなたも率直に、やる意思があるかどうか——北海道に移民計画を立てておりますが、瀬戸内海の漁師の諸君が、あの北洋の荒波や吹雪と剛つて、はたして一体魚田開発ができるかどうか、私はこれを心配するから、むしろ暖かい方は南方にやつた方がいいのではなかろうかという考え方で今質問をしておるのでありますから、率直にお答えを願いたいのであります。
○藤田政府委員 具体的にというお話でございますので、具体的にお答えを申し上げますが、現在朝鮮方面から船の要求のあることは事実であります。私どもといたしましても、今度の小型底びきの整理なり、あるいはまた将来起つて来ます中型底びきの整理の問題についても、もしできるならばこれをそういうふうな方向へ転換をして行きたいということは、全然同意見でございます。小型底びきについてもいろいろ今具体的に考えております。ただ問題は、海の状態が違うわけでありますから、技術的にはたして、瀬戸内における小型底びき網漁船があちらに向くかどうかという問題もあるだろうと思います。もう一つは、あちらといたしまして、はたしてそれの技術者というものが備わつておるか、船だけ出してもはたしてこなせるかという問題もある。われわれの希望としては、できるだけ技術者も遜り、さらにできるならばその機会において日本の漁民も乗ぜて行きたい、こういうふうな考えを持つております。そういうようなことで、これは今後あらゆる機会をとらえまして、そういう方向に——これはもちろん話合いできまるわけでありますが、日本としてはやつて行きたいと思います。
○川端委員長代理 それでは大体御質疑も盡きたようでありますから、この問題は本日はこの程度で打ち切りたいと思います。 続いて漁船保険の問題について大蔵省から佐竹主計官も参つておりますから、御相談を申し上げたいと思います。ついてはここで散会をいたしまして、引続き懇談会をいたしたいと思いますが、いかがで、ございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川端委員長代理 なお今後本会期中における委員会の開会は、基本として火木山の週三回を原則といたしたいと思います。緊急の場合は例外でありますが、こういうふうにはからいたいと思いますが、いかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川端委員長代理 さようにいたします。 本日はこの程度で散会いたします。 午後一時一分散会