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12回国会衆議院1951/10/23

図書館運営委員会 第1号

発言数
62
登壇者
4
会派数
2
開催日
1951/10/23

会議録

東井三代次自由党

○東井委員長 これより会議を開きます。  本日はまず最初に、昭和二十六年度の国立国会図書館の補正予算に関する件を議題といたします。図書館長の説明を求めます。金森図書館長。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 ただいまお手元に差上げてありますところの補正予算の書類に従いまして、順次大綱を御説明を申し上げます。  大体この補正予算の骨子となりますものは三つあるのでありまして、一つは、十月一日から予想せられておりまする職員の一般的な俸給増額につきまして必要な予算を計上する、こういうことであります。一つは、行政整理が一般的に行われますることに付随いたしまして、われわれの方の職員につきましても、ある程度の減員が予想せられておりますので、これに基きまして俸給額の予算が減少したり、あるいはこれにかわりまして退職の手当の予算を計上する、こういうような意味であります。いま一つは、従来本年度のきまつておりまする予算額の中において幾分節約するという方針をとつておりました。たとえば旅費とか、物件費とかいう点につきまして、ある程度の節約をしておりまするので、その節約の分だけ減額する意味におきまして補正を願う、こういう三つの着想から来ております。  数字の順序に従いまして申し上げますると、初めに出て参りますところの国会職員の給与改善等に必要な経費といたしまして、千六百六十一万二千円を計上しておりますが、これは職員一人当りの俸給につきまして千八百六十円を増額する。またこれに応じまして勤務地手当も四百六十五円を増額する。またこれと関連をいたしまして、超過勤務手当の数量にも影響を生ずるというような見地に基きまして数字を変更し、そのほかに年末手当として三百二十六万一千九百円の予算を見込みましたし、それから国家公務員共済組合負担金四十八万四千二百円の増加を含めております。共済組合の負担金は俸給の増額に応じて出て来る数字の変更であります。  次の事項に移りまして、節約による既定経費の減少でありまするが、これは年度初めから、その点を大蔵省よりの要求によつて考慮いたしておりました。旅費一〇%、物件費五%という標準によりまして倹約をして、国立国会図書館の項から二百五十四万一千円を減少し、また国立国会図書館営繕事務費の項から二万四千円、合計二百五十六万五千円を節減をいたしまして、結局これがほかの増加費目とおそらく関連を持つことになるわけであります。  次に行政整理に伴います経費の増減につきましては、御承知のように政府の行政整理は、二十七年の一月一日から同年の六月末日までに行われるという方針でありますが、国会の側におきましても、これに協力をするということになつたのであります。そこで関係当局ともいろいろ折衝をいたしまして、その結果として全体の図書館職員の中で三十名を減少するという一応の方針をとつております。さしあたり昭和二十六年度につきましては、その三十名の中の十七名が整理せらるるものと予想をいたしまして、それに対しまして俸給を四十万七千円を減じまして、それと相応じまして退官、退職手当を三百二十八万八千円を増額することといたしました。この三つの項目の数字の変化によりまして、予算をあるいは増額をし、あるいは減額をするということになり、結果におきまして千六百九十二万八千円の増加修正をお願いすることになつたわけであります。何とぞよろしく御審議をお願いいたしたいと存じます。

東井三代次自由党

○東井委員長 ただいまの説明に対しまして何か御質疑はございませんか。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 三十名を減少するというような御説明でありましたし、また本年度において十七人を整理せねばなるまいというようなお話でありましたが、三十人というのはどういう根拠から出て来たのでありますか。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 三十名を計算いたしました基礎の考え方は、大体一般の行政整理の標準と、図書館の特殊事情を考えるということとの二つを加味して折衝をしたわけであります。大体この方針といたしましては、一般的に官吏、職員と普通に言つておりますが、行政事務を担任いたしますものは、よその振合いでも多少程度が厳重であるということになります。それから現業職員と申しまするか、具体的に項目をきめて、身体をもつてただちにこれに接触するというような現業事務の方は、なかなか大きい数字の減少を認めることができませんので、これはせいぜい五分くらいの見当よりほかに減らすことが不可能であるということにもなりますし、ある特殊の職員は何としてこれは減らすことのできないというものもございまして、結局その幾つかの標準をあてはめましたところが、全体におきましてこれがほぼ百分の五になつております。と申しますのは、現在の職員の定数は五百九十三をでありまして、大づかみに言えば六百名でありますから、結果においてはその五分に接近しておりまするが、一つ一つの考え方は、そういう荒つぽい考え方ではありませんで、いろいろの同じ種類の職員を一まとめにいたしまして、その一まとめになつたものに対しまして、あるものは一割の整理率を見、あるものは二割の率を見、あるものは五分の率を見るというようなこまかい考慮に基きまして、いわばある集団ごとに具体的に計算をした結果つくつたわけであります。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 今まで各委員会または本会議で政府の方で答弁をしておるところによりますと、必ずしも天引一律の行政整理をやるのではない、その仕事の分量や重要性、質、量を考えて、最も合理的にやるのだという説明をしておるのであります。図書館の方で三十名を減少するということにつきまして、仕事の分量、その他一般図書館利用者に対する影響というようなものは、さらにないのでありますか、どうでありましようか。仕事によりますと、物理的に二人分はやれないという仕事もあるのでありまして、朝から晩まで一生懸命やつてみましても、距離が離れておれば、二箇所の窓口、あるいはカードを受持つということはできないというようなこともあるのであります。そういう点から考えまして、この三十名の減少が図書館の運営にどういうふうな影響があるか承つておきたいのであります。  それからもう一つは二十六年度、これは十七人分についてでありましようが、それのみに対する予算関係を見ますと、これによる減少は一月後のわずかの間のことであるからでもありましようが、四十万七千円の減少であります。それで退職手当等に出す分は三百二十八万八千円ということで、二十六年度に関する限り非常に増加の方が多いようであります。これは年度の終りごろの整理でありまするから、当然やむを得ぬことではありまするけれども、これだけを整理することによつて、年間を通じて大よそどの程度の節約になりまするか。予算的な面も承つておきたいのであります。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 この行政整理の善悪等につきましては、実は私ども大体の情勢に対しまして協力するという立場をとつておりますので、あまり根本的に善悪を申し上げるだけの適当な状況にいないわけであります。ただ私ども仕事と組み合せて考えます上におきましては、一体行政整理というものが、論理的に言つてどうして正しいのかということは、私どもにはほんとうにはわかりません。と申しますのは、従来必要なる職員をいろいろな方面の御賛成を得ましてきめておりますので、私どもが過去においてうそを言わなかつたとすれば、その中から若干の人を減らすということは、どうしてもどこかに無理ができるというふうに覚悟しております。ただこの全体の案に対しまして、図書館として協力をいたします考えは、全体の情勢を見まして、各人が自分たちの創意とくふうとによりまして、また努力によりまして、結局ある程度能率を高くするということが、人間の精神的な動きによつて多少はできるのではなかろうか、こういうことを考えますると、まあ百分の五くらいはたいていのところでやれるのではなかろうかというので、図書館の仕事の一般的な部門において、この百分の五というものを考えたのであります。しかしながら、さらに普通の官庁で申しまする行政事務という面におきましては、今まで事務能率を考える上におきまして、多少不十分な点もあつて、これをやや強くくふういたしまするならば、もう少し強い人員の縮小をしても事務にさしつかえなかろう、こういうような気持で、そういうところはいささか程度を高めております。けれども私ども図書館としては、一つ特殊な事情があります。というのは、今日の図書館はまだ完成した図書館ではございませんで、これからぐんぐん仕事の量をふやして行くのであります。建物にたとえますれば、新築の一階をつくつただけであつて、二階、三階、あるいは複雑なる装置というものは、これから発展すべきところでありますから、今日人を縮小いたしますと、今後の働きに相当の停頓を生ずる危険性はあるものと思います。そこで特に主張いたしまして、どうしてものつぴきならぬ部面につきましては、それは今のところ一番不自由を感じておる部面でありますが、つまり私の方の専門の言葉で言えば、書物の整理をするということであります。与えられた書物を適当なる形において分類をして、きちんと実用になるように持つて行くというのは、どうしても遅れがちでありまして、動きのつかぬような状態になつておりますので、そこのところの人員の縮小というものはとうてい不可能であるということで、これを避けております。大体そんな計算で、今申しました三十という整理人員が出ましたけれども、これは私どもあらゆる努力をしまして、事務の上に影響を生ぜしめないように努むるつもりではありますけれども、物理的の面もございますので、かなり苦労をしなければならぬことと考えております。  それから節約の金額の点につきましては、今のところ一月から三月までの間に人の減ることを予想しておりますので、結局俸給の予算の計算では、一箇月分だけ減らすという気持で出しております。でありますから、これを年額に計算いたしますと、十七人を整理するものといたしますと、二百三十八万円の予算の減少ということになります。これは十七人だけのものでありますから、次の年度に予想せられる十三人につきましても、またこれに対応する数が出て来ることになります。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 金額の点は、四十万七千円は一箇月分だけを出したとおつしやつたのであります。それで年額二百三十八万円というのは、ちよつと不釣合いのようでありますが、その点ひとつ伺いたいのと、もう一つは、今館長もお答えになりましたが、国会図書館は創業時代に属するのであつて、まだ最後の発展段階に至つておらないということでありますが、まことにその通りであります。従つて百分の五ぐらいの努力はもつと生み出してもらうということ、これは私も大賛成でありまして、五%ほどはうんと働いてもらうことは、これはただに国会図書館の職員のみならず、全部の人にお願いせねばならぬ情勢に立ち至つておると思うのでありますが、五%だけ今までよりも力が出るからといつて、それを減らさないでも、まだ創業中でありまして、やらねばならぬ仕事はいくらでもあるのでありますから、五%は十分出してもらつて、そしてそれを五%だけの図書館の充実に充ててもらうという考えの方が正しいのではないかと思うのであります。と申しまするのは、今三十名を減少いたしましても、すぐにこれを三十五名も四十名も補充せねばならないという時期が来るのではないかというのでありまして、ただ一時の宣伝的な部面、また一つのある流れに迎合するような政策はとるべきでない。こう思うのであります。これを三十名減してもこのままで図書館は数をふやさないで、ぐんぐん目的の通り進ん書けるものであるかどうか、この点に対する御信念を承つておきたいと思います。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 先ほど私の数字の説明がちよつと間違つておりました。俸給一箇月分だけ見込んでおるということを申しましたが、これは当初の考えがそうであつたために、私覚え違いをしておりました。実際は一人当り二万三千九百四十一円を減額の方に見込んでおります。だからこれは一箇月半ないし二箇月に近い金額であります。それで終局の一年分の減額といたしましては、一人当り十四万円という前提をとりますと、二百三十八万円が十七人について減額になるということは、私の申し上げましたところを補正いたしますれば、その説明ができるのでありまして、恐縮いたします。  それから次に、今図書館の発展段階にあるときに、整理をするというこはどうかという前提のもとにお話くださいまして、まことにそれはありがたき御所見である、私どもも実はさように考えております。しかしここのところの考え方は、一応の今までの仕事をいたしますためには、五分ぐらいは減せるであろうという前提でありまして、今までの仕事よりも新たにふえて来る図書館の事務につきましては、別に増員の要求をする。これは二十七年度の予算の中に載せていただきたい、こういう希望を持つておりますので、ここで減しましても二十七年度の図書館の職員の人員をいかに計算するかということは、今後の折衝の問題になるものと考えております。

東井三代次自由党

○東井委員長 ほかに御質疑はございませんか。——お諮りいたします。昭和二十六年度の国立国会図書館の補正予算につきましては、勧告を付さないでこのまま議長に送付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

東井三代次自由党

○東井委員長 御異議なしと認めまして、さよう決しました。     —————————————

東井三代次自由党

○東井委員長 次に国立国会図書館の運営経過につきまして、館長から報告を願います。金森図書館長。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 過去大よそ一年、つまり昭和二十五年十月から昭和二十六年九月までの国立国会図書館の大よその事務の状況を御説明申し上げたいと思います。書類が前半期分と後半期分と二つにわけてございまして、そしてまたそのおのおのの分は報告要綱と報告の資料と二つにわけておりますが、そのうち報告要綱の方の文字に従つて要点を御説明申し上げます。  まず昭和二十五年十月からの分について申し上げますと、大体において次第に発展の道行きをとつておりまして、格別の変事はないというふうに御説明を申し上げ得ると思いますが、その期間内におきましてやや目ぼしい点を拾つてみますと、報告要綱の第一ページの組織とあります中に、神奈川県横浜市の大倉山に大倉山分室を設置したということが、一つの目ぼしい点であります。これは従来から大倉山に民間の比較的大きな図書館がありまして、これを国の手で管理しようという計画を持つておりましたが、この当時にはまだ正式の予算を得ておりませんで、特別に支部図書館とするという段階にもなりにくい事情がありましたので、大倉山分室という名前で十月一日からしばらく継続をしておりました。後に報告を申し上げまする時期になりますると、これはあらためて支部図書館になつたのであります。  次に二ページに当りますところの三というところになりまして、国会への奉仕という面がございます。これはわれわれの任務の一番重要な一つでありまする、議会に対する奉仕の御説明になるのでありまするが、立法考査局の考査件数は、簡易なものを除きまして二百四件、調査資料として刊行いたしましたのが二十六件というふうになります。あと閲覧状況その他、掲げてある通りであります。  さらにそこの国会への報仕ということも、少しく不適当なきらいがございまするが、その同じ項目の中で4と書きましたところに、憲政資料収集状況というものがあります。これは近ごろのいろいろな世の中の変化によりまして、明治の初めごろの日本の憲政に関しまする資料が、次第に分散をするという危険な状況になつておりまして、今まで丁寧に保存しておつた書類がいつの間にか散つてしまう、はなはだしい場合は外国へも流れて行くというような懸念がございますので、何とかしてこの貴重なるものを集めておきたいという考えから、その中に出ております渡辺国臣、勝海舟その他いろいろな家に伝わつておりますものを購入いたしましたもの三千七百七十九点、購入はいたしませんけれども、お預かりをいたしまして散逸を防いでおりましたものが一万七千八百二十三点であります。これは、現物はこの国会の建物の第四階の一室の中に保存されております。  それから先のところは省略して行きまして、六の国際交換業務のところに入らしていただきます。国際交換のために外国と交渉します面がだんだん広くなりまして、ただいまのところでは、そこにありますようにずいぶんたくさんのもの送り出し、また受取つております。送り出しましたものは、国及び地方公共団体の出版物につきまして三万二千九百五十五という数になつておりまするし、受入れましたものは、図書、雑誌を合せまして、そこに出ておりまするように、相当大きな数字になつておるのであります。  それから次に七のところへ入つて行きまして、図書館資料の収集及び整理でありますが、図書館の生命といたしましては、今日では格別でなくとも、だんだんと蓄積をいたしまして、ほんとうの誇るべき充実した図書館といたしますために、どうしても図書館資料を増加させなければいけませんので、あらゆる方法を用いて集積しております。その期の数はそこにありますように、種々雑多な材料からできてはおりますが、図書の三万八千八百四十二冊を主にいたしまして、いろいろな材料が入つておるのであります。こういうのがはたして理想的であるかと言いますと、私どもの立場から申しますると、はなはだ理想を離れておるものでありまして、今私どもの図書館はできてからわずかに四年であるということが一つの申訳の種にはなつておりまするけれども、世界のどこへ出してもいばれる図書館では決してございません。一年にせいぜい何万という書物を集めておりましても、体系をなした図書館は容易にできません。当初図書館ができまするときに、比較的短かい期間に一千万冊の書物を集めるということが助言せられておりましたけれども、年に七、八万の書物を集めつつ、一千万冊の図書館をつくるということは非常に縁遠い話でありまして、今のところでき上つておりまする図書館を管理する、前の大倉山のような、ああいう方法で冊数をふやしておりまするけれども、本筋から申しますと、はなはだ遺憾なところがあると考えまして、心を砕いておる次第であります。大体初めの半年につきましてはそのようであります。  次に二十六年の四月からの分の経過報告要綱をごらんくださいますると、大体姿は同じようでありますが、この期におきまして特に大きな変化が発生いたしましたのは、私どもの方の主務といたしております調査立法考査局というものの仕組みが非常に弱体であり、とてもこれではほんとうの仕事はできない。こういうようなことで、議会の方から特に御援助を受けまして、この年度におきまして六十人ばかりその部分に定員をふやすことになりました。それが姿を現わして来まして、調査立法考査局三課四室が三課十三室に擴充するということになり、この擴充はそれ以後ずつと引続いて現在にまで及んでおるのであります。この点は非常に重要な点でありまして、もしも調査立法考査局の働きが不十分であるならば、せつかく国立国会図書館の設立がありましても、はなはだしく目的を離れるということになるので、特に苦心をいたしております。来るべき年度におきましても若干の充実を期したいという気持を持つて、関係部局との間に相談を進めております。  それから同じページの2と書いてありまするところに、支部特別調達庁図書館が一つ増加しております。これでもつて行政、司法の支部図書館は二十三ということになりました。当初行政司法の図書館はどういうふうに私どもと連繋をとつて発展して行くであろうかということは、法律に従つて仕事をしながらも、多少の疑いを持つておりましたが、やつてみますると、案外深い意義を持つておりまして、現在のところ各支部図書館も熱心であり、その間の連絡もかなりよく行つております。たとえば一般的な書物は中央図書館から巡回文庫その他の方法で供給をする。各支部図書館はそこの専門の書物を集めるのに重点を置くというので、この点はアメリカの制度よりもややよいのではないかというような自覚を持つております。  その紙をはねまして、ちようど紙のまん中どころでありますが、定員の増加というところに、九月三十日現在で定員がふえております。これは調査立法というものの充実を実現したということに関係を持つております。  それから先の紙の方に入つていただきまして、国会への奉仕というところに移りまして、調査及び立法考査局の考査件数が相当多くなつておるという点が、やや特筆し得るような気がいたします。だんだんと議会へサービスをすることの数がふえて行きまして、もしもアメリカで見受けられまするように、一年に何万件というサービスがでまるようになるならば、図書館としては非常に光栄の至りであると予想しつつも、年々それが発達して行くことを喜んでいる次第であります。  次の紙に移りまして、四の行政、司法各部門への奉仕というところは、先ほども申しましたところによつて、各支部図書館と連繋をしているということを示す数字でありまするけれども、この数字で勢いよく働きが伸びて行くような気がしております。  それからさらに先の方に行きまして、四枚目の表のどころに印刷カードの作成数というものがここに頭を出しております。これは新しく発行されまする日本の書物につきまして、印刷したカードをつくりまして、これを必夢な部面に売つてやる。こういうような考えは、この図書館ができたときからの計画でありましたけれども、なかなか予算の都合がつかないために、十分のことはできませんけれども、だんだんそれが板について参りまして、この半年間に七十七万枚、要するに図書七千八百二十六冊分について七十七万枚というのでありますから、実はカードとしてはあまりりつぱなものではございません。これは予算の関係と需要の関係との双方から来ておりますが、これこそは図書館の能率を上げまする上に非常に意義がありまして、中央でこれをつくりますれば、地方の図書館では相当人員の節約ができる、行政整理の趣旨にも合うものでありますが、こういう面に今後なお格別の努力をいたしたいものと考えておるのでございます。  あとはいわば常例のようなものでありまして、一応説明を省略いたします。以上をもつて私の説明を終ります。

東井三代次自由党

○東井委員長 ただいまの御報告に対しまして御質疑なり、御意見があれば御発言を願います。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 お尋ねしたいことがあるのですが、その前にちよつとこの印刷物について二、三箇所疑問があります。たとえばあとから御説明の分の、表紙をのけて三枚目の裏に算用数字の2、考査状況というのがあります。これはほかにも出ておりますが、これは何でありますか。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 考査状況といううちの、考査という言葉がいかにも奇妙な言葉でありますけれども、これは図書館の方の一つの用語でありまして、レフアレンスという言葉に対応する図書館用語であります。つまり図書館を利用する人が簡單または複雑な質問を発して来る、これに対して答えを出す、こういうことが本質であります。たとえばこういう事項を調査するには何と何を読めばいいか、こういうふうなこともございますけれども、あるいは日本の中でどういう特別な図書館があつて、あることを調べるにはどこの何図書館に行けばよいか、こんなふうな質問がありますればこれに答える。あるいはもつと複雑な形になりますと、自分たちの持つている書物をもとにいたしましてある程度の調査をつくり上げる。一つの例をあげてみますれば、たとえば外国から日本の国旗というものはいかなる文献を基礎とすればよくわかるか、その国旗が発明せられたことを明らかにする書物、あるいは国旗の様式が定まつたところの法令を明らかにする書物、そういうふうにかなり込み入つた質問をして来られる場合もあります。ちよつと今空想的でなくて具体的の最近のものを申し上げますと、日本の仏画、特に羅漢図に関する書物作成の件、これは外国の人が言つて来ております。あるいは天工開物に関する研究論文所在調査の件、これはアメリカの議会図書館から来ております。この天工開物というものは中国の書物でありまして、一種の工業生産事業を説明した営利の書物でありますが、それについての研究論文がどういうものがあるか、どこにあるかというような質問をして来ております。まだいろいろなものがございますけれども、大体そういうたぐいのものであります。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 一般の国民といいますか、利用者とのつなぎ合せの関係でありますが、ただいまのようなことは文書で館長あてに出すのでありますか。閲覧に行つて、書物を読んでおつて不審が起つてそれを聞きたい、いわゆる考査の場合は窓口はどこにあるのでありますか、どういうふうにいたしますか。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 このレフアレンスというものは、別にはつきりした形はございませんので、めんどうな調査でありますれば、要点をはつきり文書に書いていただいて、間違いのないように輪郭を御相談をして答える、これが一番正式なものであります。それから比較的簡易なものでありますと、その場で職員に対して口頭で御質問になりますと——たとえば自分のむすこがソ連の何とかいう村に行つているが、一体どこだ、地図を見せてくれ、こう言われますれば、それもレフアレンスの一つになるのであります。なおもつと簡便に、電話でお答えするということも考えておりまして、そうたくさんもございませんけれども、特に国会の関係などでは電話で考査をするということもやつております。なおここに掲げております数字はそんなにこまかいことまであげられませんので、ややまとまつたものについて、ここに数字を掲げておるものと存じております。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 私は平素から思つておつたのでありますが、日曜日または祭日等に図書館を利用さす方法はないかという点であります。ここに八万人とかいろいろ数字をあげておりますけれども、大体特殊な学生その他以外のものはみんな職業を持つておるのでありまして、せつかくりつぱな図書館ができたそうであるから、行つてみたいと思いましても、日曜祭日以外には休んで行くということは困難であります。図書館を設けた根本の目的が、広い意味の社会教育といいますか、いわゆる全部の知識水準を上げようという点にありますならば、まず利用者の立場に立つて図書館を経営するということが、根本の御眼目でなくてはならないと思います。館長におかれては日曜祭日等開館して利用せしめるという方針を、どのように持たれておるのでありますか。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 仰せの通り、日曜祭日の開館をしなければ、図書館の冥利に盡きるということはつくづく感じております。一体書物というものは、御承知のように人々が普通には使わない時間を利用して読むという場合が非常に多うございますから、できるだけ休日等には図書館をあけるということがおそらく本筋であろうと思つております。ある国の図書館では、クリスマスの日だけは休むけれども、それ以外は、正月であれ祭日であれ、ことごとく開く、こういう制度を見ますと、飛びついてそんなふうにやりたいという気持を持つております。私の方でも当初は別といたしまして、ある時期から日曜祭日の開館をしたいという考えを持ちまして、それに必要な費用を予算として要求しておりまするが、これは職員の勤務の時間におのずから制限がございまするので、日曜祭日を開くといたしますれば、それだけの勤務時間は増員その他の方法をもつてくふうをしなければなりません。案外これがたくさんいるのでありまして、大体私目算だけしかいたしておりませんけれども、人員としても三割くらい増加しければなふないというふうになるのであります。その点を避けまするために——上野の図書館と大倉山の図書館では、実は日曜日開館しております。開館しますと、それだけの人をふやすということもしなければならず、大岡山図書館のごときは、一週間のうちほかの日を埋め合せに休ませるという方法で調節をとつておりますけれども、中央図書館といたしますると、これは二つの性質を持つておりまして、一つは議会及び行政官庁のために働くということになりますから、そういうところの普通の勤務の日に休むことはできません。だから普通の日は休めない。どうしても予算の増額で人員をふやしてやつて行くということよりほかに道がございませんので、実は年々それを大蔵省に要求しておりますけれども、まだ志を達しませんでおります。ただいま伺いましたところをもとにして、もう少し強くやつてみたいと存じます。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 私は熱意さえあれば、方法はあると思うのであります。今の館長のお話を伺いますると、いわゆる国立国会図書館は二つの作用を持つておる。一つは一般の観覧者に書物を見せるということと、もう一つは名前通り国立国会図書館であるから、国会が開かれておる限り、いつでもいわゆる先ほどからのお話のレフアレンスに応じてやらねばならぬ、これはごもつともであります。しかし国会図書館に五百九十三名の職員がいらつしやいましても、国会からの要請に応じて仕事をするというものは、そのうちの高級の方のみでありまして、おそらく百人もおればいいと思うのであります。それらの方には普通の通り日曜を休んでいただくとしましても、一般の閲覧者の関係の部面の方は——現にデパートのごときはそれぞれやつておるのであります。月曜は休んで日曜をやるところもありますし、また木曜を休むところもあるのであります。デパートであろうと、たとえば交通機関であろうと、日曜とか、お祭りとか、あるいは正月というようなときに忙しい、それをやるのがいわゆる公衆へのサービスなのでありまして、そういう点をほんとうにやる気でお考えになるならば、方法はあると思うのでありますが、それに対してどういうふうにお考えでありましようか。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 一週間のある日を除いて、日曜祭日に振りかえるということは、これは小さい図書館だと割合にやりやすうございますけれども、私どもの方のように、かなり複雑な形をとつておりまするところは、案外混乱をするばかりであつて、多くの効果は得られないのじないかと思つております。と申しますのは、各官庁からいろいろな書物を求めて来られまするときに、結局そういう人たちが平素からいなければわかりませんので、たまたまその日はそういう人たちがその場にいないということになると——かなり無理をしてやればくふうがつきますけれども、結局能率を害し、全体の系統を乱すことになりますので、私どもやはり新しく予算をもらつて必要な人員をふやして、そして日曜も祭日も遺憾なくサービスをする、この形が一番いいと思つております。だからほかのものと振りかえるということは、実はまだ考えたことはございませんので、まつしぐらに人をふやすという面に向つております。私どもの図書館は、今のところ本館五百人おりますけれども、しかしこれは大部分は複雑な調査とかあるいは書物の分類整理とか、いろいろ図書館に本を見に来る人と関係のない仕事をしておりまするので、実際閲覧業務に携わる者の数はそのはたくさんございません。そこの閲覧業務に携わる者若干と、それから建物の番をし、あるいは来た人の保護をするというような管理事務の職員若干、これだけを加うれば実はできるのでありまして、たびたびやつておりますけれども、微力にして今までまだ成功いたしませんで、はなはだ恐縮いたしまするが、できるだけといいますか、毎年押問答してやつておるのでありまして、そのうちにものになるのじやないかと思つております。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 私も月曜から土曜までのものを、一日休んで日曜をやるのがよいというのではないのでありまして、あくまでも年間通じて、特に日曜の開館の必要があるという点につきましては、館長とまつたく同意見なのであります。そこでそれは今までもずいぶんやつておられるが、なかなか目的を達せぬということでありまするから、それならば、やむを得ず一月か二月、日曜をやつてほかを休むというような方法でもとつて、熱意のほどを示して、それによつて日曜祭日——ふだんはもちろん全部図書館を開くことのできるような方向に、一日も早く進んでもらいたいという意味であります。これは図書館を設置いたしました趣旨から考えまして、なお一層熱意をもつて日曜祭日の開かれまするように、ぜひとも人員を整備していただきたいと思います。先ほどの補正予算についても、これはすでに決定したのでありまするけれども、三十名を減らすということは、私たちは、日曜祭日を開くというような点からいつても不服であります。しかし最後の御答弁の中に、一応整理は整理として、あとまた二十七年度で、当然事業を拡張するために必要な人員はふやしてもらうつもりであるという御答弁がありましたから、われわれはこれを異議なく一応了承いたしたのでありまするが、それも実を申しまするならばわずか一箇月か一箇月半やめて、今度入れるとなれば、常識で考えましても、すでに図書館になれている、かつて一度適当なりとして採用しておつたその人を入れるのが当然でありまするから、そうすると、ただ一時行政整理に順応するという名目だけの、一月か一月半か休んでもらうという結果になると思うのでありますが、また事実二十七年度には、そういうふうにふやしてもらうことを私たちも希望するのであります。そういうことになるとすれば、むしろ引続いてわれわれは図書館の方によけい精を出してもらつて、なお整備を早めて、日曜祭日を開くというふうに運んでもらいたいのはやまやまでありまするが、しかし今度の行政整理は、一応それに歩調を合せねばならないという立場があればやむを得ぬと思うのであります。ともかく一日も早く日曜祭日——これは一一般のデパートであろうと、バスであろうと、あるいはいろいろな乗物であらうと、そういう休みの日に利用さすというのが、サービスの根源でありますから、この点を特にお考え願いたい。それによつて日本の文化の向上にも資することができますならば、これは決してむだな経費ではないと思いまするから、特にこの点を要望いたしておく次第であります。  それから、同じ趣旨からお尋ねいたしたいのでありまするが、ここに巡回文庫の利用状況が報告されております。これは日曜祭日等を開かないということから考えまして、せめて巡回文庫で貸し出して、夜寝ながらでも見せようという、非常によい計画と思うのでありますが、この巡回文庫の利用方法について、たとえば要求があるものを全部出すとか、あるいは何日ぐらいにどういうふうにしているとか、もつとこれについての詳細な御説明を伺いたい。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 ただいま巡回文庫のことを仰せになりましたが、これは実はお考えになつているところと少しく趣旨が違つております。と申しますのは、この巡回文庫は二種ございまするが、一つは国会の方々に役立てるというので、議員宿舎とか議員会館というところに始終巡回文庫として配る、いま一つは、各行政官庁の支部図書館を目当に巡回文庫を順次送りまして、その図書館で利用してもらう、こういう考え方であります。ことに行政官庁の方につきましては、どうしても各支部図書館では一般的な娯楽向きの書物を買うくせがありまして、それが官庁の経費の面から見まするとおもしろくないので、そこで一般的な教養の書物というものは、巡回文庫でそこへ貸しつけて、各支部図書館ではもつぱら専門の本を買つてもらう、こういう考えでやつておりまするので、残念ながらまだ一般の面の巡回文庫の方はいたしておりません。これは私も外国へ行きましたときに一、二のものを見ましたが、巡回文庫はやはり地方の公共団体の図書館がやられる方がいいのであつて、大体そういうところにまかせておるようであります。私どももだんだん東京都の図書館、各区の図書館が発達をいたしますれば、自然一般的な意味の巡回文庫が開かれるであろうと存じております。そこで私どもの方では、ただいまのところはそこまでは考えておりません。ただその埋め合せといたしまして、貸出し制度というものを開いておりまして、もしも日曜、休日、土曜というようなときに、家で本を読みたいという人がありますると、われわれの方の図書館へ来られて、そうして本を借りることができる。全部の本ということには行きませんけれども、いくらか余裕のある書物、たとえば重複本があるとかいうふうの趣旨からして、館内の閲覧事務に害を起さない程度の書物数千冊を選びわけまして、これは無償で相当長い期間、自分の家へ持つて読んでもよろししい、但し念のために保証金だけは預かつてなく、こういう形でやつておりまして、これが一般的の問題から申しますると、非常に細いあわれな線ではありますけれども、一般に対してサービスをしておるというふうになつておるわけであります。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 国会巡回文庫は、ここに書いてあります通り、議員宿舎とか、議員会館等で貸し出しておられるようでありますが、これはその会館、その宿舎から書物の名前を出して要求すれば、その要求通り貸し出してもらえる制度でありますかどうか、伺つておきたい。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 それはその巡回文庫に関係なく、われわれの方の図書館の書物を、国会議員の方がお読みになりたいというときには、どんなものでも御要求になれば、貸出しすることになつております。ですから、この国会の建物の中に私どもの図書館の分館がございますから、そこへ御要求くださいますれば、本館から分館の方へ書物をまわします。そうすると議員の方は、その分館を利用する一般の方法によつて自由にお読みくださる、こういうことになつております。巡回文庫の方は、もう少し簡便に行つておりまして、大体新刊の本で、このくらい出したら皆さんのお役に立つだろうというものを順々に、引きかえ、とりかえ一かたまりにして、まわしておるわけでありまして、もつと簡便な種類のものに属すると思つております。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 それではその議員病舎で、これこれがこの次は見たいというようなことがありました場合は、それは当然貸してもらえるというふうに承知してよろしいのでありましようかどうか。  それからついでにほかのことをお尋ねしたいのでありまするが、地方に移動図書館とか、あるいは一般的な図書館がぼつぼつでき上る機運になつて参つておるのでありますが。ぼつぼつと言いましても、その地方ではぼつぼつであつても、全国的にはこれは相当の数になるのではないかと思われます。その場合に、これはいろいろ文部省等の管轄に属する点もありましようが、国会図書館としてはどういうふうな指導——指導というとあまりおこがましいのでありますが、関連をもつて進まれるおつもりでありまするか、その点を承りたいと思います。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 仰せになりましたように、地方の図書館行政というものは、全部文部省の所管になつておりまして、官庁の権能の分配から申しますると、国立国会図書館から手出しをすることは、ややもすれば限度を越えるということと同時に、非常に反感を招くおそれがございまして、私個人図書館長の立場から申しますると、ある程度まで盡したいという気持を持つておりますけれども、いたずらに官庁の内部にフリクシヨンを起すようなことは希望いたしませんので、そこまで積極的には出ておりません。ただ将来考えておりまするのは、私どもは地方にあるあらゆる図書館の上級組織ではなくて、同じ平面に立つておるお友だちという関係で、そこの中に飛び込んで行つて、あらゆる援助と努力を供する、こういうことを考えております。これは国立国会図書館法の中にも多少そういうことを予測した規定はございます。だから少しも権力を用いない、少しも高ぶつた立場をとらないで、まつたく仕事を同じうする人間の相互協力で、こういうものの発達助長に貢献をしたい、こういう考えを持つております。でありますから、そこのところはあまり正式な方法ではできませんけれどもいろいろ御相談においでなりますれば、あらゆる便宜を供する。また私自身といたしましても、地方の各府県に新しく府県の図書館協会が発展して、事業の進展をはかりたいというようなときには、何か個人的な資格でそこへ行きまして、一種の連繋をとつておるという面もございます。それからまた私どもの方で外郭体の雑誌をつくりまして、この雑誌を流して地方の便宜をはかり、また日本図書館協会という一つの社団法人がございまして、その中にはさみ込むことによつて、その地方のあらゆる面と接触をするように考えておりまするし、これはまだどうもできませんけれども、地方の図書館に中央図書館から書物を貸してやるということが、ある時期にはできて来るのではないかと考えております。図書館と図書館との相互の連絡というものは、書物を貸し付け合うということが一番有益なような気がいたしますけれども、日本では系統が違うとか何とかいうことで、非常にそこのところが連絡がまずいのでありまして、私の方で貸そうとしても、向うの方の受入れ体制もないようなわけでありますし、だんだんその制度が発達して来て、その地方にある図書館がございまして、たまたま閲覧者の要求に応ずることのできないような書類が現われたときに、地方から貸してくれ、一月なら一月貸してくれということになりまして、私の方は図書館の方の責任を信頼して貸し付けるということになりますならば、非常によくなると思います。これは今後の問題として考えております。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 最後にもう一点だけ承つておきたいのでありますが、報告のあとの方に、七月一日に調査立法考査局の三課四室を三課十三室に擴充したとあるのであります。国会の方からいろいろ調査を依頼するためにも承つておきたいのでありますけれども、いわゆる専門調査員というものを今年の春何人かふやしておるのでありますが、どういうふうな専門の部面に携わつておるのか承りたいと思います。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 ただいま専門調査員は実際上は七人おりまして、予算の面から申しますると、九人おることになりますが、ただいま二人だけはまだ人を探しておるという状況になつております。現在おりまする専門調査員の七人は、人によつていろいろと能力の幅の広い人と狭い人とございまするが、七人の内訳を申しますると、一人は外国の法制に非常に詳しい人であり、ことに公法関係を熟知しておる人であります。ですから、外国の憲法制度がどうなつておる、行政組織がどうなつておるというときの専門調査員、これが一人であります。それから一人は民法、刑法、主として刑法について日本の現在の法学の世界におきまして、権威者として知られており、同時に憲法もわかる、こういう人が一人おります。一人は外務関係であります。これは外国の公使等の経験も持つておる人でありまして、今回の平和條約等につきましても相当立ち入つた研究をしております。一人は大蔵関係と申しまするか、財務、財政の面における特殊技能者でございます。一人拡農業、主として農業行政に関するエキスパートであります。一人は主として内務また内務から発展をいたしました厚生関係、場合によつては労働関係にも乃ぶ、こういう人であります。一人は純粋の経済問題一般——一般と申しましても、各政治行政の面に現われて来ますところの経済問題一般を研究する、こういう面になつております。そこであと二人残るのでありますが、これは私どもの内輪の側から申しますると、やはり私ども場合によりましては、法律の案文をまとめて起草しなければならぬというような職責を持つておりまして、その方面の適任者が——実は今も物色しておるのでありまして、ある程度までは見当をつけておりますけれども、まだ得られないのであります。と申しますのは、こういう専門家というものは、日本にそうざらにはいないのでございまして、いろいろ暗中模索しつつ、心当りを探つておる、こういう状況でございます。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 今七人のそれぞれ専門の担任というような意味合いの方々の御説明を承つたのですが、私はこの際ひとつ希望を申し上げておきたいのであります。予算が九人で、七人の説明が今ありました。残り二人はいろいろ立法関係に堪能な方ということでありますが、私もう一つここでお願いしておきたいと思いますことは何といつても日本のこの小さい面積で、大勢の人口を宿命的に養わなければならぬということになりますと、国立総合開発といいまするか、いわゆる総合計画のエキスパートが必要だと思うのであります。私は今の安本のごときいのは早くやめてしまつてもいいと思う。しかし国立国会図書館には、いわゆる内閣の安本に相当するものが、一番の中心になつてやつてもらわなければならぬと思うのでありまして、そういう方面の、今の安本のもつと学究的なもの、もつと科学的なものをひとつ国会図書館にぜひ置いていただきたい。そうして内閣の安本のごときものは早くやめてしまう、こういう方向でやつていただきたいと思います。これを一つ要望しておきます。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 今お話くださいましたことは、たいへんありがとうございましたが、私どもの七人のうちには、実は国土総合計画についてかなりの経験と識見を持つておる人がおります。農業と申しましたのがそれで、もう一人は内務方面なのですけれども、この二人がそういう方面について今までの閲歴も持ち、相当の見識を持つておる人であります。今後人を選びますときには——およそ総合計画というものは、今までそれ自身でエキスパートというものはございませんので、何かを本務にして、それを中心としていろいろなことを考えておつたという人が割合に多いのでございますが、そういう人を物色して——私どもの方の予算というものは、今年度の増額いたしましたものも一ぺんに受けるのではなく、順次時期を切つてとれる。その最後の分が十月にとれるということになつておりまして、そんな関係でまだ具体的に人をきめられませんけれども、一生懸命そういうことにも適する人を探しておる実情でございます。

圓谷光衞自由党

○圓谷委員 大分村瀬君から長いいろいろの御質問がありましたが、この前の委員会のときに、二十七年度の予算においてどうしてもやらなければならぬ問題は、現在の国立国会図書館、赤坂離宮ですが、これは非常にりつぱな建物ではあるが利用価値がない、利用価値としてはどうも遠いし、それから集まるのに不便であるから、ぜひ国会のそばにそうした建物を着々建設して行く必要があるということで、この委員会においては、極カ二十七年度予算においては、敷地なりその計画のもとに相当予算の計上を国会の方から提出しておつたのであります。現在その予算が査定で安本に行つておるのですが、そのお見込みはどんなふうですか。ひとつ館長の御説明を承りたい。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 実は私の方のほんとうに命がけでやらなければならぬ仕事でありまして、あつちこつち気を配つておりますけれども、今のところあちらこちらへ行つておじぎをしておる程度で、たとえば大蔵省のある部局へ行きましても、承りおくという程度で返事をしてくれないものですから、それ以上に何ともわかりませんでして、ひとつ御盡力をお願いしたいと思つております。

圓谷光衞自由党

○圓谷委員 このことについては図書館委員としても、委員長が主となつてこの予算獲得に盡力することをここできめたわけですが、委員長はその後どういう見通しですか。

東井三代次自由党

○東井委員長 皆様にいろいろ御相談を申し上げたいと思つて、まだそのまま経過をいたしておりますが、近々一度お集まりを願つて御懇談申し上げたいと思つております。どうかその節はよろしく……

圓谷光衞自由党

○圓谷委員 もう一つ、国会図書館が、全国のどこにいかなる図書があるというようなことを、大きな構想をもつて調査して、それをカードにして、そうして全国の図書をただちに国会図書館で見ることができるというような計画をなされているということをこの前承つたのですが、その後この計画はどんなふうになつていますか、それをお伺いしておきたい。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 これは順次なるべく経費を節約してやつておりますが、ちようど今日ごらんに入れましたこの経過報告要綱の中にございます。今のところ、最近の半年の間にカードは二万七千三百二十一枚ございまして、累計いたしますと十七万九千八百二十四枚ございます。これを整理してカード箱に繰込んだのが、累計して十五万一千五百二十二枚になつております。十五万というと普通ならば多い数でございますけれども、日本の目ぼしいものの全数に比較いたしますると、まだ非常に前途遼遠でありまして、まだ相当の年数を要することと存じております。

圓谷光衞自由党

○圓谷委員 相当の年数というのはどのくらいの年数を見込んでおりますか。またこれに要する経費等をひとつ……。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 私がアメリカで見ましたのは、大体千五百万枚を持つておるという図書館を、少くとも三つは見て来たのであります。千五百万というのは、千五百万種類の書物がひきだしの中にちやんとカードで整理されておつて、どことどこへ行けばこの本がわかるというふうになつておりました。それがコングレス・ライブラリーにもあり、ハーヴアードにもあり、ミシガンにもある、内容は少し違うかもしれませんが、大体そういうふうになつておりました。私の方は今のように今までに一生懸命やつて十五万……。

圓谷光衞自由党

○圓谷委員 百年かかりますね。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 けれども日本では書物の種類がそんなにたくさんございませんから、多くの図書館が何百万と言つておりますけれども、それは同じ本をよけいに含んでおりますので、大体百万くらい集まれば、ひとまず役に立つと思います。まだなかなかかかります。

圓谷光衞自由党

○圓谷委員 十年ですね。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 十年かかります。

東井三代次自由党

○東井委員長 ほかに何か御発言ございませんか。——ほかに御発言もなければ、ただいまの図書館の経過に関する報告はこれを了承するに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

東井三代次自由党

○東井委員長 御異議なしと認め、了承するに決しました。     —————————————

東井三代次自由党

○東井委員長 次に図書館法第十一條の規定に基き提出せられております国立国会図書館組織規程の一部を改正する規程案を議題といたします。図書館長の説明を求めます。金森図書館長。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 国立国会図書館では、各司法、行政の部局の中の図書館を漸次国立国会図書館の支部図書館といたしまして、中の仕事の連絡を円滑にするというふうに努めて来ております。しかしいろいろの事情によりまして、ただちに全体の系統の中に入れられないのが残つておりまするが、今日ここに御賛同を願うために申し入れましたのは、中央気象台の図書館を国立国会図書館の支部にしたいという意見でございます。  この中央気象台の図書館は、各部局に付属しておりまする図書館としてはなかなか充実した材料を持つておるのでありまして、場所は中央気象台の中にございます。いろいろの災厄、火事にあうとか、あるいは戰火によつて災いを受けるという面もございましたけれども、その相当の部分が安全に保有せられておりまして、今日気象に関しまする書物として、ことに外国との交換によつて得られました貴重なものがございまして、蔵書数は統計資料、学術雑誌、單行本、パンフレット類を合せますると十三万五千種になつております。これが各官庁の図書館並にだんだんと整備せられ、ほかの図書館との連繋も簡便になつて行きますると、非常に都合がいいと思いまして、そこで支部図書館の一つに編入したいというのがこの案の精神でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

東井三代次自由党

○東井委員長 ただいまの図書館長の説明に対しまして何か御質疑はございませんか。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 これはまことにけつこうなことと思います。職員のところで事務官、技官、技術員、事務員、技工、計四十人というのがありますが、この職員はどういうふうになるのでありますか。これは国会図書館員ということになるのですか。その予算的な関係等も聞きたい。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 行政、司法の各官庁にありまする支部図書館は精神的な系統に属しまして、経済と人員の関係におきましては、そこの役所の所属になつております。でありまするから、国会図書館の方では人件費も何も負担しておりません。だからこの四十人の職員も、そこの省のやり方に従つて秩序を整えられて行く、こういうふうになつております。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 そこはちようど二十九度線の向うの、主権が残るというような感じなんですが、どうなるのでございますか。運営も、本の出し入れも全部向うがやつて、そうしていわゆる国会図書館のものになつたというわけなんですか。官庁としての管理その他運営に対する権限はどうなりますか。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 行政部局等の支部図書館がどういう取扱いを受けるかということは、当初図書館法ができまするときに考慮せられたことと思つておりますが、分立と統合という二つの面がございまして、理想的にいえば、中央図書館で自分の思うようにこれを統轄して行くことが望ましい姿であります。けれども、こういう図書館は実は各官庁の一部として発達して来ており、その一部ととての仕事をしておりまするので、ただ形式的に統一をするといつても事実上不可能でありまして、そこを調和させるために、法律の方に若干の制限がございまして、その支部図書館長は——ちよつと複雑になりますが、図書館相互の間を統轄いたしますために、図書館の連絡調整委員会というものがございまして、そこの中には最高裁判所の代表者も出ておるし、それから行政部の代表者も出ておるわけであります。行政部は今のところでは文部大臣が出ておりますが、そういう形になつております。その文部大臣の手で推薦をして人をきめて来ますると私の方で任命をする、こういう間接な形になつております。でありまするから、私どもとしてこれに働きかける道というものは、一つは中の分類の方法等についていい助言を与える。たとえば講習会を開いて、そこの人に私の方へ来てもらつて知識を得てもらう。それから一つは実質的に行政連絡を緊密にして図書の貸出しとか、そのほかの便宜をはかる。それからまた予算をとるときに、支部図書館の予算がこれだけできるように大蔵省に陳情に行くというふうなお世話をする、こういう有機的な方法で関係を持つておりまして、法律的な面のつながりは、かたいというか、狭い範囲で連絡をとつております。でありますから大きく統轄しておつて、個々の点は、人件費も物件費も、その官庁自身が処理しておるという姿になつております。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 いま少し明らかにしておきたいと思うのでありますが、たとえばこの中央気象台図書館が第三十号として国立国会図書館の組織の中に入つて来るわけであります。その場合に、今のお話では予算等の世話をしてやるのだということでありますが、やはりここにそれだけの本があり、それだけの建物があるのでありまするから、この維持、管理、運営に当る職員の四十名はそれだけ必要と思うのであります。その四十名に対する予算はやはり従来通り運輸省においてとるのでありますか。その予算は運輸省でとつておいて、しかし国立国会図書館の第三十号の支部図書館、中央気象台の図書館である。それに要する費用は運輸省で出す、こういうことになるのでありますか。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 大体の筋はお説の通りであります。ただ一つの消極的な制限がございまして、もしその各行政部局で、図書館の予算を他の費目に流用するとか、またはこれを減額しようということになりますと、それだけではできないのであつて、連絡絡調整委員会の委員と、それから図書館長の承認がなければ、その費目は減らせないということが、国立国会図書館法の中に書いてあります。だからそれだけは少くともささえになるというふうに、法律できまつておるわけであります。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 国立国会図書館の組織規程第一條に、今まで三十四号あつたのが一つ加わりまするから、三十五号かになるわけでありますが、今お話になつたような、いわゆる名目的なものだけを得て、そして実際の運営や人員はその部署々々で持つておるというものは、この三十五号ですかあるうちのどれから下は全部そうなのでありますか。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 国立国会図書館の支部図書館というものは、性質が二種でございまして、行政、司法の官庁にある支部図書館というものは、各その館長が実質上の権能を持つており、国立国会図書館長は、ただそれに対して法律の定めておりまする若干の働きをするだけである。つまり今のように、予算の流用について承認をする権利を持つておるとか、あるいは仕事の方針について指示を与える権能を持つておるとかいうようなことが、図書館法の十七條、十八條あたりに書いてあるのであります。ところがそのほかに行政、司法の官庁には属していない支部図書館がございます。それは上野の図書館と静嘉堂文庫と東洋文庫と、大倉山図書館で、この四つだけは行政、司法の官庁に属しておるのではございません。これはまつたく中央図書館と一体をなして、同じ予算、同じ行政統轄に属しておるわけであります。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 国立国会図書館組織規程の第一條にずつと三十四号ございます。今度一号加わると三十五号になるわけでありますが、これの何号から何号までが今おつしやつたようなものになりますか。

金森徳次郎国立国会図書館長

○金森国会図書館長 この第一條は、図書館ばかりではなく、官庁の中の部局まで並べてございますから、ちよつとまぎらわしいのでありますが、一から七までは、普通の役所の中のある部分であります。八にあります国会分館というのは、支部図書館とは言いませんけれども、まず支部図書館に似たものでありまして、この議事堂の第四階に幾つもの部屋を持つているいわば半独立の部局であります。九にあります静嘉堂文庫、十にあります東洋文庫、十一にあります大倉山文化科学図書館、この三つは、直接中央図書館の管理を受けておりまして、いわば同位一体をなしているということになります。なおそのほかに別の規定によりまして、従来の上野図書館が私の方の支部図書館になつております。それを除きますと、前に申しましたように、いわば外様大名的な支部図書館ということになるわけであります。この規定で言えば、十二から以後に書いてありますものは、みな外様大名ということになります。

村瀬宣親国民民主党

○村瀬委員 わかりました。

東井三代次自由党

○東井委員長 ほかに御質疑はございませんか——御質疑はないようでございます。  それではお諮りいたします。国立国会図書館組織規程の一部を改正する規程案は、これを承認するに御異議ございませんが。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

東井三代次自由党

○東井委員長 御異議なしと認めます。よつて本件はこれを承認するに決しました。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時七分散会

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