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12回国会衆議院1951/12/08

行政監察特別委員会 第15号

発言数
8
登壇者
2
会派数
2
開催日
1951/12/08

会議録

篠田弘作自由党

○篠田委員長 これより会議を開きます。  日本專売公社関係事件につきましては、すでに証人喚問も終了いたし、理事諸君とも御協議の結果、本日の委員会において結論を出すことに意見の一致を見ましたので、委員長においてすでに諸君のお手元に配付してある通りの報告書原案を作成いたした次第であります。この專売公社関係事件の報告書原案について御意見のある方の御発言を許します。山口君。

山口武秀日本共産党

○山口(武)委員 この日本專売公社関係事件調査報告書、これは第一章から第三章までにわたつているようでありますが、第一章、第二章の調査の経過と内容につきましてはひとまずがまんをいたすといたしましても、第三章の結論につきましては、第一葦、第二章からの当然の帰結といたしましても、このような結論では少々物足りない。さらに相当の違いがあるではないか、このように考えまするので、私の方で念のためにつくりました結論を申し上げまして御考慮を願いたい、かように考えるわけであります。それで最初に私の方でつくりました文案の結論を読み上げまして、それにつきまして説明いたしたい、こう考えるわけであります。  結論——專売公社の業務運営には多くの不当と不正がある。幹部職員の間に腐敗と言えるものが存在しているのであるが、これはこれまでの公社のあり方、運営に起因していると考えられる。そこには公社と関係会社の間に正常ならざる結びつきが行われ、また公社関係退職者が情実をもつて、公社内部を左右している状態が特に目立つて見られている。  塩輸送の問題については、公社は運送ブローカー的性格の日本塩回送会社に一手委託を行つているが、これはその会社の重役が、公社退職者によつて相当部分を占められるという慣習より生じた情実関係のためである。不当なプール運賃率がとられ、損益調整が協定され、しかも行わるべき監査を行つていなかつたのは、いずれもこの情実関係から出たものである。  十五億円にも達する血税の不当収得に対し、会社側は責任を感じていないことが判明したが、これは従来の情実関係からして、公社が必要なる措置をとれなかつたことにも原因している。  資材購入にあたつても情実関係が支配し、やはり公社出身者が重役になつている会社との取引が行われ、そのため競争入札という原則が無視されて、大半が随意契約になつている。  火災保険契約は保險会社及び公社関係退職者に利益を與えるために行われたことは明白である。火災損害保障のための契約という説明は、どこにも見出し得ない。生命保険契約をタバコ生産者、小売人等と結ぶのに、公社と中央生命保険相互会社が協力したことは、公社がその立場を利用して、耕作者、小売人等に圧迫を加えて強制した不当行為でもあり、また公社と会社とのなれ合い関係を示すものである。  このような状況に公社があるにもかかわらず、これがこれまで必要な処置をとられて来なかつたことは、会計検査院の態度にも一半の責任がある。特に会計検査院長は事実を知りながら、国会に対てその決算検査報告書で、事態の本質と必要な処置を明らかにしなかつた。当委員会における院長の態度にみても、厳正な立場にある者としての態度は見られず、会計検査院長として不適格であることを思わせた。  以上公社の業務運営は乱脈をきわめたものといわざるを得ないが、この事態の発生は最近特に著しくなつた官公吏の腐敗事件と軌を一にするものである。内外の歴史を見ても明らかなように、植民地、半植民地という状態のもとにおいては、官公吏の不正腐敗は特に顯著に現われる。今回この公社の事件を考えても、国の独立かいかに必要であり重大であるかを気づくのである。  今までが私のまとめた結論の本文なのです。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 それではただいまの結論についての説明を、山口委員からしていただくことにします。

山口武秀日本共産党

○山口(武)委員 ただいま結論の点についての私の意見を述べたのでありまするが、この調査報告書の結論によりますれば、調査によつて專売公社の業務運営にあたつて、経費の節約ということよりもむしろ方法の安易ということが第一次的に考慮されていることであると書かれております。しかし私はこのようなことではないと考えるわけであります。業務運営に多くの不当行為があり、不正があるということでなければならない。安易な方法がとられていたというなまやさしいことではなかつたと思う。このことは幹部職員の腐敗を示すものであり、さらに公社そのものが責任を問われ、解決を迫られている問題を持つているということである。  塩の運送について、送能力を相対的に僅少しか持つていない運送ブローカー的性格の日本塩回送会社という一回送業者に一手に委託していることは、その会社の重役の若干名が專売局退職者によつて占められるという慣習から判断しても、なれ合いの情実関係があることは明白に推論されるところであります。それゆえにこそ運送距離の長短にかかわらず、一律のプール運賃というルーズの運賃質契約が公社と会社の間に結ばれていたものである。さらに損益調整が契約條項に入つておりますが、これはルーズということよりも、正確には不当な契約を世間から指弾されたときの逃げ道とも見られ、また損害についてそれを補償するということは、損益ともに会社の責任において行われるという通常の会社においてとられる契約方式と異つて、公社は会社を不当に擁護するといわざるを得ないと思うのであります。こうしたことは公社という立場において、情実関係のない限りとうていあり得ることではありません。契約の附帯協定にある会社の帳簿検査を公社が正規に行わなかつたこと、会社の帳簿が乱脈になつておるにかかわらず、それがかなりの期間許されていたこと、法外の利益を会社が公社に報告しなかつたことなどもなれ合い状態から生み出されたものである、かように考えられるわけであります。しかもこの会社が十一億という巨額な銀行預金を隠蔽するという不法行為をしながら、その責任追究においてはなはだ不徹底なものがある。公社は会社の重役三名に退職を促したというが、職を退いた重役は、何の理由で退職したかを知らない。事件についての責任をとつたのではないということをここで証言しているわけであります。公社のとつた処置というものの正体が、これでは何のことか一向わからない、かようなことになるわけであります。秋山公社総裁は善処を考えていると証言をしましたが、この善処という言葉があいまいであります。私はこの善処ということが、会社に対して善処するということを申しますならば、もちろんそれでは足りませんし、あるいは公社の関係職員を処置するということでありますならば、もちろんそれでも足りないわけであります。秋山総裁自身が責任をとらなければならない。ところがそれにもかかわらず、本委員会における証言を見ておりますると、秋山君はこのことを何ら気づいてもおりませんし、反省する様子も見られなかつたわけであります。  資材購入についてはそれが競争入札ということが原則として公社に採用されているにもかかわらず、その原則が完全に無視されている状態であります。報告書にも書かれている通り、日本装器株式会社との木箱の取引、專友社との取引、専売需品株式会社の場合等々、専売局関係退職者を大部分の構成員として設立された会社との取引が増加しておりまするが、これこそ情実関係を物語つているものと考えられるわけであります。この情実関係があるために、競争入札の原則が無視されるという状態が生れたものであります。このような公社内の取引態度というものが、新光鋼材会社との鋼材取引において現われたのであります。この会社はわずか資本金百万円の、しかもやみでもうけた金でつくられたというブローカー会社であります。鋼材五千五百万円分を公社が購入する相手としては、きわめて適性を欠いた会社であります。しかもその取引に際して現品の受渡しが行われずに、代金が前拂いされている、架空の保管証が受取られている、偽造の検査証書が作成されている、こういうふうなことは公社のやり口から見て、当然起るべくして起つた不当行為といわざるを得ないものであります。  保険契約の問題で過去二十六箇年間に専売局所属財産で罹災した金額は一千七百三十六万円ということになつております。しかしこの中には関東大震災及び戰争による損害が大半を占め、それを除く通常の損害は、わずか百九十万円にすぎないにもかかわらず、年間支拂い保険料七千六十八万円の火災保険契約を結んだことは、いかなる説明をもつていたしましても納得できる事柄ではないのであります。これを説明する唯一のことは、火災保険会社及び大蔵省関係の退職者に不当な利益を與えるためになされたという一事だけであります。火災保険会社と公社幹部が結んでいること、及び大蔵省関係退職者が情実にからんで公社を動かす力と関係を持つておることが、明白に推論されるのであります。また生命保険関係で、中央生命保険相互会社と結んで、公社に対し弱い立場にあるタバコ耕作者、小売人及び製塩業者等に生命保険加入を事実上強制したことは、明らかに不当な行為であります。また公社と保険会社の情実関係を示すということが言えるわけであります。このようなきわめて容易ならざる状態に現在まで公社はあつたので、現在もなおこの関係を清算はしていないのであります。  なおここで特に強調される点は、会計検査院のとつた態度であります。特にその最高審議機関である検査官会議及び院長に問題があろうと思われるわけであります。公社問題について会計検査院の国会に提出した報告は、明らかに現実の調査を無視し、当然強調すべきことを強調せず、歪曲したものになつております。しかも佐藤院長が当委員会においてとつた態度は、きわめて確信のない態度であり、会計検査院長として見識を欠くものであつたということは、だれの目にも明らかであつたはずであります。内閣より独立した厳正な立場を保持すべき会計検査院の院長としてより、安手の会社員か商への態度が想像されたのであります。そのことは速記録に明白であるので省略いたしますが、このような院長の態度、会計検査院のあり方が、公社問題を今なお本来の解決に導かない原因の一つであると思われます。また会計検査院そのものについても、監察と処置が必要であることを考えさせられたわけであります。  最後に官公吏のこうした腐敗は、もちろん幾つかの事情によるものではありまするが、官公吏に国民の公僕としての自覚がないことに起因するものもあろうと考えられるわけであります。官公吏の自覚は民主主義が行われ、国民が真に目的と希望を持ち、国の発展が行われ、そのもとで国の発展と国民の幸福に公僕として奉仕するというところに生ずるものであります。しかるに現在のわが国におきましては、民主主義はなく、国家に本来の目的もなくなり、国民に何らの発展も希望も約束されていないのであります。かかる状態、植民地的状態においては、必然官公吏の自覚は失われるわけであります。それを思うにつけましても、本問題解決の基本といたしまして、国の独立がいかに必要かということが特に痛感されるわけであります。  以上の理由により本報告書原案には反対の態度を表明いたす次第であります、

篠田弘作自由党

○篠田委員長 他に御発言はございませんか。——御発言がなければ、これより採決いたします。日本專売公社関係事件報告書原案を、委員会の報告書として決定するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕

篠田弘作自由党

○篠田委員長 起立総員。よつて本報告書原案は、委員会の報告書と決定いたしました。なお字句の整理につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

篠田弘作自由党

○篠田委員長 御異議がなければさよう決定いたしました。  なお、本報告書を関係当局に送付することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

篠田弘作自由党

○篠田委員長 御異議がなければさようとりはからいます。  本月はこれにて散会いたします。     午前十一時三十五分散会

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