P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
12回国会衆議院1951/11/27

行政監察特別委員会 第14号

発言数
7
登壇者
2
会派数
2
開催日
1951/11/27

会議録

篠田弘作自由党

○篠田委員長 これより会議を開きます。  公共事業費をめぐる不正事件について、すでに証人喚問も終り、委員会といたしまして結論を出す段階になりました。委員長におきまして報告書の原案を作成いたし、すでに理事諸君と協議の結果、数日前に委員諸君にこれをお送りしてある次第であります。今お手元に配付いたしましたのがその調査報告書の原案でありますが、この原案に対しまして何か御意見はありませんか。

山口武秀日本共産党

○山口(武)委員 私はこれを読みまして、特に第五の結語の問題につきまして、ここに書かれておりますこと自体に特に反対ということはありませんし、賛成いたすものでありますが、なお問題が不明確の点があるやに考えられる感じもいたしましたし、問題の本質につきまして触れていないというような感じもいたしましたので、私の意見を述べて賛成いたしたい、このように考えるわけなのであります。  第一の問題につきましては、先般来関係者をここで喚問いたしまして、その証言態度に現われたところにおきましても明らかに出た問題でありまするが、こうした不正問題が発生いたしましたが、この不正問題が、單に直接犯人と申しますか、直接関係者だけの責任の問題に終つておりまして、それに関係し、監督する立場にあるところの上級の人たちの責任観念の問題、あるいは責任の問題が論ぜらるべきであるにもかかわらず、この点が明確になつていないということが言い得るのではないか、かように考えたわけなのであります。上司がこの場合刑事問題にならなかつたというような点におきましては、検察庁の証言によりましても、立証の方法がないから刑事問題にはできない、このようなことを言つておるか、あるいはまた上司が、その問題について決裁の書類に印を押したにもかかわらず、この印というのが盲判であつた、このようなことのために、刑事問題として上級幹部が追究されなかつた、こういうことになつているのでありまするが、これはきわめて多くの問題を含んでいるのではないか、こう考えるわけであります。たとえば、石川県の土木部長の証言あるいは態度をどこで見ておりましても、自身の責任ということに対してあまり感じておられる様子がない。あまりというよりも、ほとんど感じておらないのではないかというように受取れたのであります。現に土木部長自身が、事件に関係している課長につきましてここで弁護論をやつている。自分の問題としての反省ということがなされていない。それから同時に石川県の県知事は、やはり県の土木部長の擁護論をやつている。それから佐賀県の土木不正問題につきましては、佐賀県の副知事が、不正問題を起した当事者に同情するような証言をしていたわけであります。さらに東北地方建設局幹部の証言を聞いておりますと、問題の発生について直接間接自己に責任があるにもかかわらず、あるいは督監の責任があるにもかかわらず、第三者的態度をとつている。こういうことになつて参りますと、これは上級幹部の責任問題というものがもつと追究されるべきではないだろうか、刑事問題にならないという点がございまするが、刑事問題になるかならないかという問題と政治的な責任の問題は別個な存在でなければならないはずである。今回特に明らかにされた問題でありまするが、さらに盲判という問題が出されているわけであります。盲判ということが認められるといたしまするならば、これは判というものは否定されることになる。單にそれだけでなくて、上級の者が決裁をすることを否定することになる。あるいは現在の行政機構の中におきまして、上司というものの存在の否定になるのだ。こうなりますと、上級幹部の責任感の問題、責任問題ということが当然取上げられなければなりませんし、これがいわれておりますところの綱紀粛正問題についての中心的な問題として考えられることではないか、このように思うわけであります。  それから第二番目に感じました問題は、官公吏の態度の問題なのであります。官公吏がどういう観点に立つているかというような観点の問題なのであります。私たちここで証言を聞いておりまして、あるいはこれまでの問題の処理について判断いたしますと、官公吏に国民の公僕であるという観念がまつたくないということ、上級の人たちに対しましては、あるいは監督機関に対しましては、責任を考えている、あるいは目を向けているというようなことがありますが、国民や県民に対する責任ということは考えられていない。このような官公吏のあり方というものは、明らかに民主主義の否定である。石川県におきましては、不正問題のために、県が單独に費用を出して、橋の復旧をやらなければならなかつた。あるいは死者を二名も出し、重軽傷者を十六名も出している。ところがこういうような重大な問題が発生して、死者あるいは重軽傷者が生じているにもかかわらず、この死者や重傷者についての内訳がどうなつておるかという問題について、ここではつきり証言できなかつた関係者もいたのでありますが、これは刑事問題ではないからということで、県民に対して責任観念がないところからこのような態度が起つたものではなかつたのだろうか。それから佐賀県副知事がやはり当事者に同情をしているということを言いましたが、当事者に同情するというようなことが、はたしてぬけぬけと言つておられることなのかどうか。県税を公文書の偽造行使、詐欺で不正に消費している。こういうことになりますと、県民に対する責任が感じられなければならないのに、この点が明確にされていない。これはまつたく公僕という観念が失われて、県民を恐れないという官公吏の態度がもたらしたものではないだろうか。しかも佐賀県におきましては、一部の監督者がなおもその職にとどまつている。不正に関係した業者が依然入札に参加している。こういうようなことになりますと、不正腐敗問題は、元来国民を無視して国民を支配するという観点に立つている非民主的な専制政治のもとにおきまして、官僚の独善と横暴が生まれ、そういう官僚の独善と横暴というものが不正を発生させる基本原因の一つになつていると考えられる。そういうことを考えますときに、公僕の観念の問題、県民への責任の問題という基本的な考え方の問題につきまして、さらに当委員会が明確なことを言うべきではなかつたのだろうか、このように私は考えるわけであります。  さらにここで触れたいと思いますのは、そのこと自体は、不正事件が起るということに対して、直接的に弁護し、あるいは合理化するというような理由にはもちろんならないのでありますが、災害復旧等の民生的公共事業費というものが現在あまりにも少い。それからまた県が、地方自治体としての自治を失つておりまして、自主性、計画性というものを持つていない。これが單に県だけではなくて、国全体がそうであるということにもなるのでありますが、こうした状況のもとにおきましては、予算獲得に不必要な接待費を使おなければならないような状況に置かれている。これは国民全体がそうであります。單に官吏だけの問題ではないのでありますが、官公吏に責任と希望というものが存在しないところに不正が生ずる條件というものが存在している。元来この不正腐敗の問題につきましてわれわれに特に記憶されるのは、かつて中共が政権をとる以前の中国は、この官吏の不正腐敗というものがはなはだしかつた。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 山口君に御注意申し上げますが、本委員会に関係のあることだけ言つてもらいたい。この報告書について今論じているので、中国の問題を論じる必要はないと思う。私はあなたの発言は尊重しているけれども。

山口武秀日本共産党

○山口(武)委員 大体世界の植民地、半植民地という状態のもとにおいて、不正腐敗というものが特に顕著に起るという事例が明かになつております。わが国におきましても、特に最近この不正腐敗が起つているという問題は、これは單なる不正腐敗事件というよりも、日本の植民地化の様相であると考えられるのであります。そういたしますと、国の独立という問題、自主性の問題、国の発展という問題を、われわれはやはり基本問題として考えなければならないのではないだろうか。このように考えますので、こうした意見を付して本報告書に賛成するものであります。

篠田弘作自由党

○篠田委員長 他に御発言はございませんか。——御発言がなければ、これより採決いたします。  公共事業費をめぐる不正事件監察調査報告書案を、委員会の報告書として決定するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕

篠田弘作自由党

○篠田委員長 起立総員。よつて本報告書案は委員会の報告書と決定いたしました。なお字句の整理等につきましては、委員長に御一任を願うことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

篠田弘作自由党

○篠田委員長 御異議なければ、さように決定いたします。  次に、本報告書の結論として指摘いたしました認証制度、継続費の制度、予算繰越の制度等につきましては、すでに財政法、会計法等の財政関係法律の一部を改正する法律案として提案され、本委員会の調査の結果も現実に現われていることはまことに喜ばしいことと存じますので、なお参考のために本件報告書を関係各大臣に送付いたすことにいたします。  次回は、十二月八日理事会及び委員会を開き、専売公社関係事件報告書を決定いたしたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。     午前十一時二十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗