行政監察特別委員会 第13号
- 発言数
- 411 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/11/19
会議録
○篠田委員長 会議を開きます。 専売公社関係事件について調査を進めます。ただちに佐藤会計検査院長より証言を求むることにいたします。佐藤基君ですね。
○佐藤証人 はい。
○篠田委員長 ただいまより日本専売公社関係事件について証言を求むることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁固または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。 なお証人が公務員として知り得た事実が職務上の祕密に属するものであるときは、その旨お申出願いたいと思います。 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。 宣誓書の御朗読を願います。 〔証人佐藤基君朗読〕 宣誓書 良心に従つて、真実を述べ何事も かくさず、又何事もつけ加えないこ とを誓います。
○篠田委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。 〔証人宣誓書に署名捺印〕
○篠田委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。 証人の略歴について述べてください。
○佐藤証人 昭和二十二年に会計検査院長になりましたが、その前には新潟県知事をしておりました。しかしその前私の長い経歴は内閣の法制局におつたことでありまして、これは約二十年くらいであります。
○篠田委員長 会計検査院の機構の中におきまして、事務総局と検査官会議というようなものがあるようでありまするが、その関係はどういうふうになつておりますか。
○佐藤証人 会計検査院の組織は、検査官会議と事務総局からなつておることは法律に示す通りでありますが、事務総局におきまして検査を執行する。そうしてその検査の結果というものを検査官会議にかけまして、検査院の最終的な意思決定をする。しかしてそのおもなるものは、国会に対する検査報告の作成に関することであります。
○篠田委員長 そうしますと、事務総局において決定した案が最終的には検査官の会議でもつて直される場合がありますね。
○佐藤証人 それはもちろんでございます。その点について若干つけ加えておきたいのでありますが、検査報告の作成ということは、検査院としてはきわめて重要な使命であります。しかしてその検査報告の作成にあたつて、御承知の通り現在国民が非常に大きな税金を負担しておる。その税金というものは国の経費としてお出しになつて行くわけでありますが、その会計経理にあたりまして、いやしくも国民がいわゆる血税を払つた、その税金というものが不当に使われるということでは、国民に対してほんとうに相済まぬことでありまして、われわれは国民のために検査するという心構えで、院内の職員に言つておるのでありまするが、その検査の結果を検査報告として作成するにあたりましては、相手方の立場、すなわち検査を受ける者の立場を十分考えなければならぬ。いやしくも会計検査院がその権威をもつて国会に報告する以上は、相手方関係者というものは非常な責任を感ずることになるのであります。それで相手方の責任の問題でありますからして、われわれはできるだけ慎重に、間違いのないように、ことに国権の最高機関である国会に報告するのでありますからして、念には念を押して間違いないようにという心構えで検査報告を作成するのであります。作成にあたりましては、さきに新木証人から述べたかと思いますが、局におきまして一応の審査をする。さらに事務総局で審査をする。そうしてさらに検査官会議にかけるという三段の審査を経ていたすのであります。そこで検査官会議は最終機関でありまして、最も慎重に案の作成をしておるのであります。そこで事務総局の案の作成というものは、例はちよつと悪いかもしれませんが、いわゆる検事の起訴状にも当るものでありまして、われわれ検査官会議というものは裁判所にも当る、こういうふうにも見られるのであります。検事が起訴しても無罪になることはたくさんあるので、われわれの方といたしましても、事務総局の各員は非常に仕事を熱心にやつております。そこで熱心のあまり、ややともすると自分の信念が強過ぎて、諸般の事情を十分考慮しないということも間々あるのでございます。そういう場合に、われわれ検査官といたしましては、あらゆる角度から案を批判いたしまして、たれが見ても間違いないという確信を得て初めて出すのでありますから、事務総局の案が検査官会議において否決といいますか、採用しない場合もときどきあるという状態であります。
○篠田委員長 検査官会議はどういう人たちによつて構成されておりますか。
○佐藤証人 検査官会議は院法に示す通り三人の検査官をもつて構成されております。そうして私院長が検査官でありますが、同時に検査官会議の議長の役を勤めておりまして、そうして多数決できめております。実際の運用を申しますと、意見のわかれるということはきわめてまれでありまして、大体全会一致ということになつております。
○篠田委員長 官庁の経理の決算検査の結果を国会に報告するにあたつて、事務総局案と、言いかえれば事務総局において不当事項として掲載された報告案の中で、検査官会議において報告案から削除された、そういう割合は大体どのくらいの率ですか。それからまたその基準というものを——ただいま裁判官に例をとられましたが、その大体の基準というものがきまつておるかおらないか。
○佐藤証人 ただいま数のお尋ねでありますが、正確な記憶は持つておりませんけれども、そう多いものではありません。比較的少いものであります。それから次に基準のお話でありますが、基準といつて別にきめてはおりませんが、先ほども申しましたように、慎重にやつて行く。たれが見てもこれは無理だ、不当であるという確信をわれわれが得た場合に出すのであつて、そういう確信を得られない場合には、その案は採用いたしておりません。
○篠田委員長 専売公社が日本塩回送会社に対して塩輸送の運賃を過当に支払つて、二十四年度において十五億円余りの回収をした、こういう問題は御存じですか。
○佐藤証人 存じております。
○篠田委員長 その事項の中で、昭和二十四年度決算検査報告に際しまして、事務総局の原案中には不当事項と記載されておつたにもかかわらず、国会に提出された検査報告書には、単に留意を望む事項として、「回送賃率の調整の処置が遅延した点もあつて、相当改善の要があると認められる。」というふうに直して、不当事項として記載されておらない、これは一体どういうわけですか。
○佐藤証人 塩の回送の十五億円の事件と申しますものは、塩の回送会社側及び専売公社の側におきまして、われわれ初めて聞いたときは非常にふしぎに思つたのであります。非常に怠慢であるというふうに考えたのであります。怠慢のみならず、これはちよつと当りさわりがあるかもしれませんけれども、当時われわれの検査しておりましたものの中には、いわゆる浮貸しという事件があちこちに見当つたのであります。長い間たくさんの金がゆえなく保留されておるということについて、実はそういう疑惑を持つたのであります。そういう見地からいろいろ調べたのでございますけども、われわれの検査の結果におきましては、そういう不正事件的なものは見出すことができなかつた。のみならずこの事件は、会社の租税の検査をした税務当局においてまず見つけて、会社に非常にたくさんの留保金と申しますか、金がある、それに対する課税の問題が起つたという話であります。そこで会社側におきましては、公社との間の契約に基きまして、これは会社の利益と考えるべきものではなくして、公社に納付すべきものである、その納付を怠つておつたのだ、こういう話だつたらしいのでございます。そこで税務当局が専売公社に対しまして注意した結果、専売公社も金がたまつておるのに気がついて、その後会社と専売公社との間におきまして、その過剰金の納付を行わして調整したという事件でございます。われわれの方の検査に行つたのは、すでに税務当局の注意によつて専売公社が納付金を収納した、いわゆる是正措置が講ぜられて後に行つた事件であります。
○篠田委員長 それは何年何月ですか。
○佐藤証人 二十五年のたしか九月だつたというように記憶しておりますが、これはどうもはつきり記憶しておりません。専売公社に対しましては、たいてい九月に検査に行つておりますから。すでに大体において是正済みであつた。しかもその事件を見つけたのは、検査院が見つけたのではなしに、税務当局が見つけた、そういう事件でございます。のみならず、その後において私どもの方で検査した結果によりますと、少くともいわゆる不正問題は見つからない、こういう事件でございます。そこで検査報告に対する態度でございますけれども、われわれの方が検査で見つけて、そうしてわれわれの方で是正措置を講じさせたというものについてはもちろん報告しておりますけれども、それ以外のものにつきましては、不正行為としての犯罪事件は別でありますが、大体報告しておらないのでございます。しかしながら事件も大きいし、全般に関する問題でありまするから、公社に十分の注意を与えた。その限度において概括的に記載した、こういういきさつであります。
○篠田委員長 不正事件的なものは認められなかつた。しかも会計検査院の検査において摘発したものではなくて、これは税務当局において認めたものであるから、そういう不正事実として記載しなかつた、大体こういうふうにあなたは言われるのですね。
○佐藤証人 もう一つ重要な点は、会社側においてもうすでに是正しておつた、こういう点であります。
○篠田委員長 しかしこれは検察庁が調査して起訴したことは御存じですか。
○佐藤証人 存じません。
○篠田委員長 そうしますと、犯罪にならない、また見つけたのも自分の方でないからやらなかつたということは、これはあなた方の慣例ですか。自分の方で見つけないことならば、そこに不当があつても報告しないというのが慣例ですか。
○佐藤証人 慣例といいますと少しはつきりし過ぎるのでありますが、大体そういう態度であります。相手方においてすでに是正しおる。われわれの方の職務というものは、法律によりますと「会計経理を監督し、その適正を期し、且つ、是正を図る。」ということが書いてあります。その目的はすでに達せられておるのであるからして、将来そういうことを繰返さないようにという注意を与えたのであります。注意した事件を全部検査報告に書きますと厖大になります。それでなくても検査報告が厖大になりまして、委員会としてこんな大きなものを出されてはたいへんだといわれますので、そこで要点だけを掲げるという態度をとつておるのであります。
○篠田委員長 それではあなたの方で発見されなかつたものを検察庁が発見をして、不正事件としてこれを摘発するということがかりにあるという場合には、そういうことは全部慣例として載せていませんか。
○佐藤証人 先ほど申しましたように、犯罪事実等の不正事件を除きとありまして、不正事件はあげてございます。
○篠田委員長 第二の問題で、税務当局が発見したからと言われるけれども、この十五億円の過当利益金のうち約十一億円がほとんど無記名または偽名、それも一人や二人じやない、二百八十名というたくさんの偽名をもつて各所に預金しておつた。かりにこれを税務当局が発見しなかつたならば一体どういう結果になつたものであろうか。また塩回送会社で横領されたということがわれわれの常識なんですが、こういう問題でもやはりあなたの方では不当ではない、こういうふうに解釈されますか。
○佐藤証人 私もお話の通り、そういうたくさんの金を長い間ほつておかれたということは、横領とか浮貸しとか、何かあるのじやないか、これはだれでもそう思うのであります。われわれもそういう点において非常に気にしたのであります。しかしこの点は了解していただきたいのですが、会計検査院は検査するにつきまして、法律の規定によつてやつている、これは当然の話でありますが、その法律によりますと、民間の方に対してわれわれが検査権を持つて検査するということは、原則としてできないのであります。官庁に対する検査はできますけれども、民間に対する検査は原則としてできないことになつております。そこで公団等におきましてもいろいろ問題があつたのでございますが、一つは法律上検査院にそういう検査権限を与えるかどうかという根本の立法論に関係すると思いますが、検査権限がない。そこで今の塩の問題でありましても、結局公社を検査するのであつて、会社は検査できないのであります。実際問題といたしましては、公社を通じてやるという方法をやむを得ずとるわけです。もちろん検査でなく調査と申しておりますが、そういうことはあります。でありますから今の問題も、当時の運送の、いわゆるマル公と申しますか、認可価格というものが多少高いのじやないか、実際はもつと安いのじやないかということを主務課長は聞いておつて、適当な機会に検査しなければならぬかなというようなことを考えておつたと申しました。それでそういつておる間に事件が向うの方からわかつて来たのでありまして、おそらくもう少し時間がかかれば私の方から、契約条項が履行されておるかどうかということについて検査をしたのではないかと思います。当時はまだそこまで手が届かないうちに事件が発覚した、こういう事情であります。
○篠田委員長 民間に対する検査権限がないということはわかつています。専売公社についてあなたの方で調査された。先ほどあなたの証言によりますと、すでにこれは調整というか、是正措置が講ぜられておつたと言われた。そこで私が検査された日にちを伺つたのでありますが、その際あなたは、多分二十五年の九月であると思う、こういうふうに証言されております。ところが二十五年の九月には完全な是正措置は講ぜられておらない、これは民間を調べるまでもなく、専売公社の経理を調べればわかる。是正措置が完了したのは二十六年一月三十一日に完了しておる。そうすると、あなたの方は二十五年の九月に検査されておるのであるから、専売公社の帳面を見られても、是正措置が完了されておらないということは旧時的に見てはつきりしておる。そういう一億七千万円というものがまだ是正措置が講ぜられておらないにもかかわらず、それが不当でないという検査官会議の結論というものは、一体どういうところに根拠があるのか、それをひとつ説明してもらいたい。
○佐藤証人 是正が終つているとは先ほど申し上げなかつたつもりであります。速記録を見ればわかりますが、大体終つておる、こう申したのであります。
○篠田委員長 あなたの先ほどの証言は、第一には不正事件的なものが認められなかつた。第二には、税務当局が発見したものであつて、検査官が発見したものでない。第三には、是正措置がすでに講ぜられた後であつたという、この三つの理由によつて不当でないと認めた、こういうお話でありましたが、前の二点はまつたくあなたのおつしやる通りであります。しかしこの不正事件的なものは認められないということについては、われわれの国会といたしましては、委員会でもそこには非常に不正的なもの認めておるわけですから、見解が違いますが、発見者があなたがたでないということだげはわれわれも認めます。しかし是正措置が講ぜられた後である、だから不当と記載しなかつたということについては、今言つた通りあなたがたの検査が二十五年の九月であり、是正措置が講ぜられたのが翌年の一月三十一日であつたというところからいつて、まだ講じつつある途中であつたということだけは、私は言えると思う。それを全然この不当措置の中かち除かれたということについての見解をもう一ぺん述べてもらいたい。
○佐藤証人 是正措置を講じたということは、言葉の問題として多少私の言い方が悪かつたかと思いますが、検査報告の作成は十二月の十六日で、検査官会議で問題になつたのは十二月の七日でありますが、先ほど申した通り、十五億のうちの大部分が是正されておりまして、不当であるという点においてはお話の通りでありますけれども、検査報告に各論的に掲載しないでも、概括的な掲載で足りるというふうに検査官会議できめたのであります。だから不当でないということは、ちつとも申しておらぬのであります。いわゆる各論的な記載事項として書くかどうか、それが問題になつたわけであります。それで各論的でなしに総論的に書こう、こういうふうにきまつたわけであります。
○篠田委員長 各論的に書くか総論的に書くかということは、これはあなたがたの会議の自由ですが、しかし総論的にも各論酌にも不当であると認めながら、不当という言葉を使わなかつたことをわれわれはあなたに追究しておる。なぜ不当という言葉を削除して留意というふうに直したかということを聞いておる。
○佐藤証人 その点はちよつと古いことで記憶はありませんけれども、その程度の記載で十分相手方に対する注意は喚起しておりますし、検査の目的は達しておる、こういうふうに考えたのであります。
○篠田委員長 それから先ほどあなたは、民間に対する検査権がないというように言われましたが、大体民間の検査をしないということは建前であろうと私も思います。しかし権限がないということは言えないと思う。それは会計検査院法第二十三条に「会計検査院は、必要と認めるとき又は内閣の請求があるときは、左に掲げる会計経理の検査をすることができる。」その第七号に「国の工事の請負人及び国に対する物品の納入者のその契約に関する会計」第二項「会計検査院が前項の規定により検査をするときは、これを関係者に通知するものとする。」これで検査できるのではないですか。
○佐藤証人 その点私の申し上げ方が足りなかつたかと思いますが、民間の検査につきましては、検査官会議の議決を経て民間の検査ができることになつておるのであります。実際問題といたしまして私の心配いたしますことは民間の検査ということになりますと民間に非常に迷惑もかけますし、御承知の通り綱紀粛正という問題もありますし、よほど確信がないと民間の検査はやつておらぬのであります。今までやつた例といたしましては艦艇解撤につきまして十数社を指定しまして検査をやつたことがあります。この問題は、事務総局におきましても特に指定して検査をしたいという意図もございませんので、この問題はやつておりません。従つて法律上検査はできない、こういうことになつております。
○篠田委員長 それはできないのでなくして、会計検査院法ではできるようになつておつたのだけれどもあなたの方の判断によつて、その影響が大きいということを考えられて、検査をやめられたのではありませんか。
○佐藤証人 それははつきり申し上げますと、全然われわれ検査官は知らなかつたのでありますし、また事務総局の方から検査をしたいという申出もなかつたわけであります。聞いておりません。
○篠田委員長 事務当局から申出がなかつたから検査をしないのであつて権限がないからしなかつたわけではありませんね。
○佐藤証人 権限という意味でありますが、検査官会議で議決すると権限を生ずる、議決しなければ権限を生じない、こういうふうに私は解釈しております。
○篠田委員長 塩の回送について、このほかにまだ数件の相当重要な事項が報告されておつたようでありますが、これも依然として報告されておらない。たとえば輸入原塩の引渡しにあたつて、引渡し場所を誤つて九十三万円のむだ金を払つておる。輸入塩の回送にあたつて、本船から直接トランシツプして回送できるのに、一旦倉庫に入れてから回送したために、四百七十四万円及び二百六十二万円のむだな費用を支払つている。輸入塩の回送にあたり、はしけ運賃を適用すべきものに機帆船運賃を適用して、三千万円をよけい払つておる。輸入原塩の回送にあたり、輸送径路を誤つたために、百五十二万円のむだな金を支払つておる。塩の回送にあたつて、日本塩回送会社が下請業者に委託し、この下請業者がまた次の下請業者に下請させこの一番最終の下請業者が一千万円の利得を得ておる。こういうように中間業者を介入させて多額の利潤を与えているということは、ひいて回送賃率を高価にするものであつて、当を得ないものであるということで、事務総局の案は、おそらくそういうふうに判断し、不当事項として記載したものと思われるにもかかわらず、これも検査官会議において削除されておる、この意味はどういうわけですか。
○佐藤証人 今の事件はちよつと記憶がおぼろげで、答弁が適切を得ないかしれませんが、これは検査官会議で事務総局の者が説明した際に、いろいろ話を聞きますと、多少無理な点もあるということだつたと思います。それでまあ専売公社へは十分の注意はするが、検査報告にあげる必要もない、そういう事件だつたと思います。これは私の記憶だけでありまして、ちよつとそれ以上御答弁いたしかねます。
○篠田委員長 あなたの方は独自の立場で判断をされることは自由だけれども、あなたの方の判断というものは、結局国会に報告される材料になるわけです。これはこういうふうな下請のまた下請というようなことをやつて、実際に何も働いておらない会社が非常にたくさんの金をもうけ、かつこれを非常なたくさんの数の偽名によつて預金をしておる。あわよくば、発見されなければ脱税にもなるであろうし、また不当な所得にもなるであろうというような、そういう危険を防止するために国会は決算委員会というものを設けて、そうして国民の血税によつて支払われた国費が正当に使われているかどうかということを検査する。これは決算委員会の目的でありますが、その決算委員会に対して、あなた方は自分の検査した結果を報告して資料を提出するということが、会計検査院の国会に報告される一つの義務じやないかと思うのです。それを途中でもつていろんな問題を判断するのは自由であるけれども、こういう大きな問題に関してまで、一専売局だけの立場を考えて、不当でないというふうな報告をされてしまえば、国民の払つた税金というものが不当に使われておつても国会ではわからないわけです。国会の審査の目が、結局において会計検査院の材料によつて広げられたりあるいはつぼめられたりするわけであるから、その責任は非常に重大だと思うが、それに対してあなた方はどういうふうに考えられるか。
○佐藤証人 お話ごもつともでありまして、国民が払つておる血税がどうなるかということ、ことに国民のために悪い結果が生ずるということはわれわれとしても国民に対して済まぬことでありまして、これを是正するということにおきましては国会とちつとも考えはかわつておらぬと思います。ただ検査報告を作成するにあたりましてこのごろ事務総局の職員が非常に一生懸命でありますので、検査報告がだんだん厚くなつて来るのであります。私の就任した二十四年と現在と比べますと、検査報告が倍厚くなつている。
○篠田委員長 何ページぐらいですか。
○佐藤証人 ページは覚えませんが、とにかく前年度の分が七百五十件不当事項をあげております。二十二年は二百件以下です。百数十件かと思いますが、そういうふうに非常にふえて来る。これは非常に遺憾なことでありますけれども、会計検査院の職責としてはやむを得ないのであります。ところが一方におきまして、あんまりだくさん書かれるとどれがどれだかわからないという意見もありまして、それでなるべく重点的に記載する。そうしてそれほどでない事件は厳重に注意をするという態度をとつておるのであります。その現われであります。
○篠田委員長 検査報告が厚くなるからやらない、たとえば検査報告が多少厚くなつても、国費が正当に使われているか使われておらぬかということを国会に判断せしめる——国会のだれが言つたか知らぬが、あまり厚くてどれがどれだかわからないという意見がどこから出たか知らぬが、そういう無責任な意見に対して拘泥される必要はごうもないと私は考えます。むしろそういうことを言つた人間があるとすれば、たとい厚かろうと、検査院が非常に苦労をして集めた検査事項を、ただページが厚いから見ないという国会議員があつたとしたら、その国会議員が悪いのだから、そういう文句に対してはあなた方は抗議すべきであつて、何といいますか、無責任な言葉に基礎を置いて、ページ数がふえるからといつて不当事項の記載を減らすということは、会計検査院の職分を誤解しておるのではないか、こういうふうに私は思う。その点はどうですか。
○佐藤証人 検査院の目的は、先ほど申します通り会計経理を監督し、適正を期し、是正をはかるということであります。そこで一方におきまして憲法上国会に報告義務があるわけです。それで前に申した点によりますと、われわれは検査報告として国会に出さなくても常に注意を与え、——事後に注意を与えますし、また事前に間違わないように注意を与える場合もあるのであります。これによつて会計経理の適正を期しておるのであります。そこで国会に報告いたしますことは、国会における審議の従来の状況から見まして、なるべく審議をしやすいように、そして重点的に国会が大所高所から御判断願うという意味におきまして、検査報告の作成におきましては若干の取捨選択をするということは、われわれとして当然なすべきことだと私は考えておるのであります。
○篠田委員長 もちろん会計検査院は独立の機関でありますから、取捨選択をされるということはあなた方の自由です。これはわれわれも認めておる。しかし憲法上国会に報告書を出すという義務がある以上は、その報告書というものは正確になさなければならぬし、また専売公社関係より以上にもつと軽微な事項でも、しさいに検討した場合には、あなた方は国会に報告しているはずです。それがないといわれるならば、われわれの方で材料をいくら提供してもいいけれども、これ以下の事項でも報告しているにもかかわらず、こういう重大な事項に関して報告を怠つたということについて私はあなた方のものの考え方というものを聞いておつたわけだが、何べん繰返してもむだでありますから……。
○佐藤証人 それで私どもの考え方をちよつと申し上げますが、ほかの役所、たとえば税務署が見つけておつて、これよりも軽い事件を報告したということはちよつと私記憶しておりませんが、かりに小さい事件であるならば検査のときに見つけて是正させる。それができない場合もありますけれども、そういう事件じやないでしようか。
○篠田委員長 もちろん私の言う小さい事件ということは、発見者がだれであるかわからないが、事件として小さい事件が報告されているにもかかわらず、こういう大きな事件を報告しなかつた。ただ発見者がよその人間だからといつて報告しなかつたということは、あまりにセクシヨナリズムじやないか、そういう意味で聞いたわけです。それは専売公社が二十四年度におきまして、東京海上火災保険株式会社外七社と火災保険契約をやつて、結局において七千余万円の保険料を払つた。これは会計検査院で不当事項として指摘しているにもかかわらず、その提出された報告書の中には何ら記載されておらない。これはどういうわけですか。
○佐藤証人 先ほど申しましたように、検査報告というものは慎重の上にも慎重を期するという態度でわれわれは臨んでおりますので、報告しなかつたのであります。さらに具体的に申しますと、保険にかけるかどうかということはなかなかむずかしい問題のようであります。と申しますのは、専売公社の——ちよつと名前は忘れましたが、ある審議会がありまして、その審議会の構成メンバーはいわゆる学識経験者でありまして、その審議会におきまして保険に付することがよいという意見が出まして、それに基いて専売公社が大蔵省に予算を要求した。御承知の通り主計局というものはなかなか経費を認めてくれません。これは結局経費を軽々しく認めると、国民負担を増すからなかなか認めない、その主計局も認めたのであります。のみならず国会におきましてもその予算を可決しているのであります上そういういきさつであります。その可決した予算の執行といたしまして保険をかけた、こういう事件であります。でありますからそういう事件でありましても、その他の場合につきましても、たとえば公団については、これはやはり専売公社と同じ国家機関でありますけれども、これも保険をつけていると聞いております。しかしながら他の方におきまして国家はどうか、普通の国家の行政官庁は御承知の通り保険をかけておらぬ。いわゆる自家保険である。だから自家保険にするか保険をかけるか、専売公社というものは御承知の通り工場があつちにもこつちにも全国に相当たくさんありますから、自家保険でもいいのじやないか、民間に保険をかける必要はないのじやないか、そういう議論もできるのであります。そういうふうに両論立つのでありまして、一方が正しくて他方が間違つているということは、検査官会議としては結論に到達しなかつたのであります。なお保険料についてみますと、先ほど申されましたように七千万円ばかり払つておりますが、その保険料たるや一般の料率の約半分と聞いております。そうなつて来ますと、保険にかけたがいいかかけないがいいかということはなかなかむずかしい問題でありまして、かけたのが悪いという断定は少くとも検査官会議ではできなかつた。そこで記載しなかつた。こういう事情であります。
○篠田委員長 あなたの御説明で一応大蔵省の主計局がそれを通して、国会が審議して予算をとつている以上は、保険にかけたことは法律上何ら違法ではない、当然の話だ、これは法律上の解釈から行けば、われわれとしてもあなたの言われることをもつともだと思う。国会が審議したときに、その予算を通したということは、国会の責任もありますから、だからもちろんそういうりくつから言えばその通りですけれども、しかし内容は三十年間に百九十万円きり火災の損害がない。大正十一年から今日まで、今度の戦災と関東の大震災を入れて千六、七百万円の損害しかない。しかし関東大震災と戦災は保険料をかけても払いませんから、結局保険のとり得る損害というものは百九十万円きりない。三十年間に百九十万円の損害しかないのに七千万円の保険料を払つたということは、明らかに不当であつて、これは国会の盲点をついたものであると私は考える。国会にも責任なしとはしないが、その盲点をつかれておる。そういうところは国会としてはなかなかわからない。それを検査院が発見をして是正せしめるということが、また会計検査院の一つの義務であろうと思います。そういう意味において検査院はこれを不当として認めたのであるから、すでに成立した予算の当否は別として、今後に対する対策からいつても、これはやはり会計検査院としてはお考えになつた方がよかつたじやないかと私は考える。 その次に専売公社で、もちろん専売局当時からの慣例でありましようが、数千万円の懇談会費というものを使つております。これは予算の中の消耗器材費からおもに支出しておるようでありますが、そういう事実は御存じですか。
○佐藤証人 存じております。
○篠田委員長 これは会計検査院としてはどういうふうにお考えになりますか。
○佐藤証人 実はその点はあまり詳しく聞いておりませんが、その予算のきめ方の問題でありまして、そういう消耗器材費からそういうふうな経費を出すことはさしつかえないというふうに、私は聞いております。
○篠田委員長 それは長年の慣例だからさしつかえないというのですか。
○佐藤証人 慣例でなしに、法律上できるのじやないでしようか。その点は実はあまり追究しておりませんのですか……。
○篠田委員長 そうしますと、接待費という項目が別にあつても、消耗器材費から接待費を出すことができると院長は解釈されますか。
○佐藤証人 その点実は私あまり研究しておりませんで、よく知りませんが、ちよつと聞いた範囲では、予算の流用でなしに、その中に積算されておる。従つて出してもさしつかえないというように実は聞いております。
○篠田委員長 それは接待費という項目がない場合じやないですか。接待費という項目が別にあつて予算をとつておるにもかかわらず、さらに接待費を別の項目からとるということは、流用でないのですか。
○佐藤証人 それは接待費として出しておるのか、食糧費として出しておるのか、その点実は私資料がありませんので、聞いておりません。
○篠田委員長 あとでよく調べて資料を出してください。
○佐々木(秀)委員 証人に二、三お伺いいたしますが、この十五億の過当利払いが検査院において調査せられたのは、昭和二十五年の九月ころという御証言があつたのでありますが、そうしますと検査官の態度としては、これを是正せしめる、その是正の段階に入つていたから、これを不当と認めなかつたということでありますが、私たちの考え方からいたしますと、先ほど院長の申されました通り、是正ということは、十五億の金が全部専売公社に入つたときというように常識上思つているのであります。そのときにまだ一億七千万円の金が未払いになつておつた。そのことの御報告が院長のところにありましたのですか。
○佐藤証人 その点は、実は私記憶があまりしつかりしておりませんが、大体是正されたという話で、少くとも収納の決定はしたものと私は記憶しております。
○佐々木(秀)委員 完納はされていないとしても、そのときは十五億完全に入るということの認定がなされたかどうかお聞きしたい。
○佐藤証人 その点は先ほど落しましたが、収納措置を講じられ、しかも会社にはどんどん金が入つて来るというのでありますからして、多少時期は遅れても、いわゆる完全なる是正ができるものと思つておつたのであります。
○佐々木(秀)委員 普通こういう専売公社あるいは塩回送会社と関係のない他の官庁なり、あるいは会社なりの問題でありますと、十五億の金を無記名で、二百八十名の名前で貯蓄していたということだけでも、われわれから考えますと、すでにこれは脱税にもかかると思うのであります。あるいはまた不当な利益として解釈されることも一応考えられるのであります。それがたまたまこうした多くの金が国税局において見つけられ、しかも検査官の手によつて調査せられて、それが是正せられたということで問題は解決したのでありますが、われわれはその間において、しからばどういうところにそういうような結果が生まれて来たかということを、十分に国会としては調査しなくちやならないと思うのであります。そこでこの問題が起き、しかもこうした多額の金を無記名で貯蓄したにもかかわらず、検察庁の手も入らなかつたということにおいては、どうしてもそこに抜け道がある。その抜け道は何かというと、いわゆる運送賃の調整をやるということがわれわれは最も抜け道でないかと考えるのであります。こうしたいわゆる専売公社の仕事をする営利会社、私に言わせれば、これは完全なる営利会社であります。その営利会社に、専売公社が調整などという文字を用いて、そうしたものが調整されれば犯罪にならないというようなことが今後あるとするならば、われわれとしても容易ならぬものと考えなければなりません。そこで今後こうした会社との契約において、調整などという文字を使つてこういうようなことが繰返されるとするならば、検査官として調整などという言葉が認められるものであるかどうかということを承りたいのであります。
○佐藤証人 それは同じような問題が——実はこの前新木証人、これは非常な大蔵事業のエキスパートであります。同じような問題が印刷局のみつまた運送についてもあつたのであります。その点はよく調べまして、やはりたしか一率の運賃をきめておつたのがいかぬというので、実費計算でやらせるということをやつたのであります。おそらくこの塩の回送につきましても、もう少し時間があつたならば、新木君は見つけたと思います。そういう関係でありまして、調整というのがいいか悪いかというのでありますけれども、調整を適切に行えるならば悪いとは思いません。ただこの事件につきましては、調整ということが特約には書いてある。しかしながらそれをまるきりほつたらかしておいて、いかにも私が考えると、関係者は何をしておつたのだろうかという疑問が起るのみならず、お話のように、何かそこに不正事件があつたのではないか、これはだれでも考えるので、そういうふうに考えたのであります。しかしながら御質問の調整という点はいかぬとは考えないので、調整が正確にやられるならばそれでもさしつかえないのじやないかと思います。
○佐々木(秀)委員 そういう御答弁になりますと、調整があれば、赤字の場合は調整して運賃の割合を是正するということになるのであります。そうすると、その会社は赤字の場合は専売公社に向つて、赤字が出たから運賃の値上げを要求するということになると、営利会社にあらずしてもう専売公社のいわゆる一貫した事業形態のようにわれわれは考えられるのです。営利会社であるならば、もうけられるときはその会社の腕でもうければいいし、損した場合は、その会社がいわゆる契約の間違い、あるいはいろいろな採算の間違いから損したのであるから、それに対してもかまう必要はない、こう考えるのでありますが、そういう考え方と院長の考え方とはどう違いますか。
○佐藤証人 私の答弁は少し不完全でありますから、是正しますが、御質問の趣旨は、会社が不当にもうける場合にその納付金をさせる、そういう点をついて私は答弁したつもりであつたのであります。正確に申しますと、お話の通り会社は損する場合もある、もうける場合もある、損する場合はどうかというお話であります。これはごもつともでありまして、とにかく認可価格でなくて、マル公をきめておるにかかわらず、会社が損したからそれ以上やるということは、これは公定価格違反の問題になります。また場合によりますと、専売公社でありますか、これで行くと結局補助金の問題であります。予算を必要とする問題でありますから、そういう意味におきまして、赤字が生じた場合に補足してやるということは、公定価格については公定価格違反という問題も起りますし、また予算につきましては、特に補助金という項目がなければできないのでありまして、そういう意味におきましてはいわゆる特約調整、今度問題になつております特約は、私は非常に疑問に存じております。
○佐々木(秀)委員 疑問にしておるというお答えで、私は同感なんであります。反面に損した場合は今お答え願つたのですが、不当にもうけたという言葉が出たのですが、営利会社が他のいわゆる事業団体と契約をするときには、いろいろな見積りをとつて契約するのだろうと思うのです。だから当然営利会社がもうけるのはいくらもうけてもいいので、もうかるような契約をする方が悪いのであつて、もうかるものに対して不当ということは私には解釈できないのですが、それについてはどういうお考えですか。
○佐藤証人 これはもう少しつけ加えなければわかりませんが、調整勘定をした場合の話でありまして、一般的に申しまして、営利会社がもうけるのはあたりまえで、それはいわゆる不当なもうけではなく、正当なもうけです。役人がぼんやりしておつたからもうけられてしまつたということになります。だから役今の方ではあまりもうけさせないように上手に契約しなければならぬと思います。
○佐々木(秀)委員 私はその答弁がほしかつた。役人がぼんやりしておるから不当にもうけられると思うのです。その点、いわゆる役人というものは、やはり国民の血税を使うのだという考え方を持つてもらわなければいかぬというのがわれわれの考えでするこの問題につきましては大体お答えを願えたので、次に移ります。 保険契約の問題でありますが、国会はもちろん予算は通過いたしました。また委員長の御質問の中にもありましたことく、専売公社として三十年間のいわゆる火災によるところの損害というものはごくわずかであります。そういう問題についてやつたがいいかやらないがいいかというのは、これは認識の問題でありまして、私がどちらがいいという判断をするのではございませんが、第三者的な立場にある個人会社に対しては、一つの議決を経なければ調べられないという会計検査院の立場も考えられますが、しかしながら専売公社を通じて、その会社のあり方を一応調査されても、一向さしつかえないのではないかと考えられます。しかるに七千万円の保険料を払つた会社を見ますと、専友社にしてもその他たくさん何とかといういろいろな代理店の関係の会社がありますが、これらはととごとく専売公社のいわゆる出身者、かつては長官であつたとかあるいは局長であつたとかいうような、悪い言葉でいえば腐れ縁のある人たちによつてできている代理店なのであります。保険料を払うということは、代理店を使つても使わぬでも同じということになりますが、そうした専売公社と腐れ縁のある連中によつてつくられた代理店などを使つて多額の保険料を支払うなどということについては、会計検査院としては、そういうところまでお調べになるのですかどうですか、お答えを願いたいと思います。
○佐藤証人 保険料の問題につきましては、御承知の通り国会の議決した保険業法ですか、これによつて大蔵大臣が十分な監督をしておる。保険料というものはそれできまつておる。その保険料をさらに約五〇%割引したというのです。言いかえますと、それで会社がやつて行けるのですかち、保険料はずいぶん高いのだという気がするのです。しかしながら、とにかく政府の認可を得てやつておる保険会社が五〇%も割引してやつたということになりますと、その保険料が高いのかどうかということはわれわれにはなかなか判断できないのです。ただお話の代理店でございますか、その点につきましては、実はこれは新聞でありますが、いろいろなうわさも飛びましたので、関係者に十分その点は調べてくれとは申しておいたのでありますが、別にその結果怪しいというような報告は受けておらなかつたのであります。
○佐々木(秀)委員 私も法律上の、あるいは手続上の不正とか怪しいところがあるとは考えないのでありますが、そういう私情をからむようないわゆる代理店と契約を結んだというところに世間の疑惑が生れて来るのだろうと思います。保険の点についてはいろいろ考えもありますが、この程度にしておくことにいたします。 次に先ほど委員長もお問いになられたのですが、いわゆる交際費、会合費、懇談会等の費用が消耗器材費からとられておるのでありますが、一般の官庁の予算を見ると、食費としてこれが予算処置をとられております。また専売公社の予算を見ますると、いわゆる交際費等が四十万円ですかありますが、これは専売公社の総裁が使う個人の交際費だということでありました。しかし消耗器材費という予算項目は、いかにもわれわれとしては流用したと見られるのであります。今後こういう消耗器材費から交際費なり懇談会費を使うということになれば、いろいろなテクニツクでそれが利用されるのではないかと思われますので、会計検査院からいたしましてこうした公社に対しても、食費とかあるいは交際費なら交際費として、それ以外には消耗器材費から使うことはできないというような意見書なり、あるいは会計検査院法上の的確を期する上においてもそういうお考えがありますかどうか、お答え願いたいと思います。
○佐藤証人 きわめてごもつともなお考えであります。これは結局予算の編成方法と申しますか、積算と申しますか、そういう問題に関連して来ると思います。お話の点はとくと研究いたしたいと思います。
○島田委員 先ほど申された通り、塩回送会社の過当利益金とみなされる十五億円というものは、正式にいつていわゆる不当利益金でなくて、調整を必要とした過当利益金であつたと私は見るのであります。ところがこの過当利益金を生んだような支払いにつきまして、当初のマル公による運賃契約をそのままたてに、塩回送会社の成規の請求書を待たずして契約通り手放しで支払つておるのか、あるいはその都度請求書を入手して後に支払つておるのか、この点をお伺いしたいと思います。
○佐藤証人 はなはだ遺憾でありますが、そういう詳しいところまでは私は実は聞いておりませんので、今ちよつと記憶しておりません。
○島田委員 おそらくこういう過当利益金が手放しで支払われている点から見て、その都度の請求書ではなく、当初の請求通り専売公社の方では手放しで支払つておるものだと、こう観測するのですが、そうすると当時の事情から推して、マル公運賃を割つて安くなる情勢にあつたことも大体知つておつただろうと思います。ところが契約自体は、マル公を割つてどういう限度でこれを契約するかというようなことは非常にむずかしい問題で、勢いマル公を基準として契約されたものと考えるのでありますが、しかしその局にあつた者は、おそらくその当時の経済情勢から推して、運賃はマル公を割つて安くなりつつあつた。またおそらく調整を必要とする過当利益金もすでに生じているだろうということに対しては、双方ともある程度認識しておつたものと私は判断するのであります。そこで会計検査院としては、当時公社を調べた際に、もし公社がそういうことに対して全然事情を明らかにせずに、ただマル公で契約通り支払つているのであるから当然であるというような態度をとつたのか、あるいは少くともこういう調整が必要であるという判断のもとに、会計検査院側といわゆる協力をするつもりでその検査に応じたか、こういう点が私は相当疑念が持たれているのではないか、かように考えるのでありますが、もし善意的にそういう情勢を正確に判断して検査に応ずるという態度ならば、すでにその当時会計検査院においても早期の発見もできたであろうし、また調整を必要とするある程度の過当利益金に対しても、相当これに対しては見通しがついただろうと考えるのでありますが、この辺の事情について、検査院も当時こういつた経済情勢に対して一つの判断資料を持つておつたかどうか、また公社自体がそういうことに対して好意的に、協力的に出ておつたかどうか、この辺の事情をちよつとお伺いしたいと思います。
○佐藤証人 ただいまの御質問の趣旨でありますが、実は私あまり詳しく存じておりませんが、私の入つてからの方針といたしましては、会計検査院が相当充実されて来たのであります。人数的に量的にふえて来たのであります。そこで質的にいかにして向上しようかということを考えたのでありますが、私どもの入る前の会計検査院は人数も少かつたので、いわゆる法規的な違法かどうかというような点のみといつては相済まぬかもしれませんが、それに非常に重点が置かれて、そのほかのいわゆる能率的であるかどうか、経済的であるかどうかというような点に検査の手が及ばなかつたのであります。そこでみんなの検査能力をだんだん高めて、国費を能率的、効果的に使う、こういう面から検査をしようということを実はやかましく言つておるのであります。そこで今の輸送費の問題でありますけれども、先ほど申しました通り、もう少し税務官庁の方で見つけなかつたならば、おそらく会計検査院が見つけただろうと思うのであります。同じような事件を、先ほど申しました通りみつまたの運送につきまして、新木課長のもとで検査をしたのであります。おそらくこれはもう少し時がたてば——と申しますのは、何と申しましても会計検査院の人数が少いのであります。 〔委員長退席、佐々木(秀)委員長 代理着席〕 これは余談になりますけれども、会計検査院の人間をふやせという意見があるので、私は今まで比載的消極的な態度をとつておりましたのは、量をいくらふやしても質の低い者を出しては何にもならない。そこで従来大分量をふやしたのです。憲法の改正によつて約四倍になりました。それをある程度引上げて相当の検査能力ができたときに、第二の拡張計画を考えよう。第二の計画もそろそろ考えてもいいのではないかと思いますが、そういうふうに人数が非常に少いものですから、あれもやれこれもやれと言つておるのでありますけれども、なかなか手がまわりかねる、そういう事情でありまして、もう少し時間があつたならば、おそらく有能な新木課長でありますから、見つけたろう、こういうふうに思つております。
○島田委員 次にこの十五億と称せられる過当利益金でありますが、これはマル公を基準とした正当な契約のもとに輸送が行われて、その間経済事情の変化によつて、マル公を割つた安い値段で輸送されたがために、自然にそういう増収というか、利益金というものが生じて来たというその当時の事情から判断いたしまして、これをただちに調整を必要とする総額と認めるか、あるいは会社としては一応課税の対象として相当程度の——まず徴税に応じて税を払つて、その余剰分に対して調整を必要とする額として返還をするか、こういうことも私は考えられるのでありますが、これに対してまず順序として課税し、次にその剰余額に対して返還すべきものは返還するということが本筋ではないかと考えるのでありますが、これに対する見解を伺いたいと思います。
○佐藤証人 これは税務当局のことでありますから、私の考えが必ずしも当つておるかどうかわかりませんが、調整という契約がありますから、調整に応ずべき額は未払金であつて、従つてその額は経費、損金として計上すべきものであつて益金ではない、従つて税務署としては課税すべきものではない、おそらくこういう扱いではないかと思つております。
○島田委員 次にこの過当利益金の十五億と称せられる額でありますが、これは専売公社と業者との間に結ばれておる調整を必要とする条項に従つた正確な根拠のもとに算定した額と実際に返還された額と一致しておるかどうか、これをお伺いしたいと思います。
○佐藤証人 そこまで私は点検しておりませんが、事務当局がびしつとやつておりますから、一致していると思つております。
○藤田委員 具体的な個々の問題に関しては先般新木君から一応証言がありましたので、私はやや抽象的な全般の問題を院長にお伺いしたいと思います。 まず第一は、こういう問題に関連して、現在の財政法と会計法と会計検査院法、会計検査院法施行規則、会計検査院規則等の諸法令がありますが、この法規に基いたそのわく内で院長は答弁を続けておられますが、何かたとえば最後の委員長の質問項目にありました消耗器材費から今度は宴会費が出ておる。こういう非常に苦しい予算の執行をやつておる。これに関して現行法制の改革に対しまして会計検査院として何か研究されたことがありますかどうか。この点に関してまずお伺いしておきたいと思います。
○佐藤証人 検査院法によりましてわれわれの方が検査の結果、法令あるいは制度の改正を必要と考える場合、こういう場合におきましては、主務大臣に対しまして意見を述べることができるのであります。すでにそういう点におきまして意見を述べた機会もありますので、もちろんそういうことはわれわれとしては平素検査の結果に照して研究をいたしております。
○藤田委員 先ほど来の証言によりますと、会計検査院の事務機構をふやして行けば十分な仕事ができるというふうな御答弁をされておりますが、われわれはこの際外国の例をとりまして、どうしても内閣に属してはおりません日本の会計検査院というものが、現実には内閣の公務員と同列にありまして、そこにいろいろな弊害が起きておる。たとえば終戦後地方自治法ができまして、地方団体の自主性というものが非常に法律上は強化されておりますが、現実には会計検査院の現地検査によりまして、府県並びに市町村は非常な迷惑をこうむつております。おそらく公務員で接待費を最もよけいに使つておるのは会計検査院の職員でございます。この職員の検査によりまして、いかに接待をうまくやるかいなかによつてこの決算委員会に対する報告書の内容がかわつて来るとまでいわれております。従いましてわれわれはこの際会計検査院の機構、本質まで検討する必要があるのではないかと当委員会において感じております。従来の法制に基きまして、会計検査院法を含め、財政法等に関連しまして、簡単でけつこうでございますが、どういう点を今後改革したいと思つておられますか、この点をお伺いしておきたいと思います。
○佐藤証人 ちよつと今の御質問の要点がのみ込みかねるのでありますが、私といたしましては、会計検査院というものは政府のやつたことを見るのでありますから、政府から独立するという現行憲法の趣旨は、これはかえる必要はないのじやないかと思います。但しこの点につきましては、会計検査院を国会の機関にしてはどうかという意見はあります。しかし私はただいまのところでは、現行日本の憲法の制度というものはかえる必要ありとは考えておりません。
○藤田委員 現行憲法制度からいいましても、会計検査院を国会所属の機関にすることに法律的な疑義は私はないと思うのでありますが、そういう意見も会計検査院内にあるということを拝聴しまして、非常に有力な参考にいたしたいと思つております。会計検査院の部内の綱紀がしつかりしていないと、どうしても職務の本質上いろいろな弊害、こういう問題の起きた場合に徹底的に粛正ができないわけでございますが、会計検査院の綱紀粛正に関しまして、特に治安の役所でありました内務省に長年おられた院長は、どういう措置をとつておられますか。最近会計検査院そのものに関する批判もありますので、この際お伺いしておきたいと思います。
○佐藤証人 きわめて適切、御親切な御質問と思いますが、私も実はその点を非常に気にしておるのであります。先ほど申しましたことは、多少私の言い方が悪かつた関係で、民間の会社は検査できぬというふう、に言いましたが、それは検査官会議の議決を経なければできないということで、検査官会議の議決を経ればできることになつておるのであります。現在でさえも私は非常に心配しておるのでありますが、とかくのうわさを聞くので、もし民間を検査させるということになりますと、ますます私の心配は多くなるのです。そこで私といたしましては、部内はもちろん部外に対しても——部内に対しては、検査をするんだから、饗応を受けると饗応を受けたために検査を軽くしてやつたという——そういうことはあるまいと思うけれども、そういう誤解を招くだけでも非常にやりにくいのだから、饗応を受けるな。さらに検査を受けるところの官庁に対しましても、事務総長をしてたびたび、饗応をしてくれるなという通知を出しておるのであります。そういうふうにして、できるだけ自粛をはかつておるのであります。のみならず、それに違反してやめさした事例もあるのでありまして、お話の点は御同感であります。私もその点を非常に心配して、できるだけ悪い事態が起らないようにと心がけておる次第であります。
○藤田委員 これは新しい会計法でははつきり規定いたしておりますが、こういう問題の発生の根源を追究するのに必要なことでありますので、伺つておきたいと思いますが、それは会計法に、直営工事の場合公示競争入札、指名競争、随意契約の規定がございます。こういういろいろな規定があるために問題が起りやすいというふうな懸念をわれわれは抱いおります。長年会計検査の第一線に立つておられます院長も御承知の通り、現在の会計法の二十条の規定、これはいろいろの紛議を起しております。たとえば国鉄におきましては、公然たる入札によつで湘南電車をつくれば、故障だらけのものをつくつてしまう。これを指名でしつかりした業者にやらせれば、ああいう問題も起きなかつたということもいわれておりますが、公示入札、指名、随意、どれが最も国の貴重な予算を使うのにいい方法であるか。直営工事に関しましても、印旛沼事件のごときものが簇生いたしておりますので、この際院長は、この契約方式に関する結論でもありましたならばお伺いいたしておきたいと思います。
○佐藤証人 ただいまの御疑問ごもつともでありまして、私も個人としては非常に疑問な点があるのであります。現在の会計法のやり方がいいか悪いかという点は、要するに現在の会計法というものは、従来の官吏を規律する法規がそうであるように、官吏が悪いことをしないように、こういうことに主眼をおいておるのであります。そこで今の契約につきましても、競争入札にして一番安いものに落すというように契約——担当官に選択の自由を与えますと、そこに不正が起る危険がある。そこでおそらく最低価で入札させるという制度をとつておるのだと思います。ところが実際問題は、普通の値段よりも不当に安くなるということになりますと、会社は損をするからして、何とか損をカバーしなければならぬという問題が起りまして、粗雑な工事をするということがありがちなんでございます。これに対しましては、制度上におきましては政府が十分な監督をすればいいじやないかということになるのでありまして、そこで競争入札にして十分な監督が行われればいいんでありますが、それが人員その他の関係でできない場合に、いろいろな不当な結果を生ずる。そうかといつて一番低い入札価格でないものに落すということになりますと、理想的に行けばもちろんいいのであります。資産、信用のあるもの、しつかりしたものにやらせればいいのでありますけれども、それが場合によりますと、いろいろな弊害の起る元になる、こういうので現行制度ができておるのであつて、現行制度も意味はあるけれども、その運用いかんによつてはまた逆な弊害も起る、これが現状だと思つております。
○藤田委員 会計検査院の権限は法律に明定されておりまして、会計経理を監督し、その適正を期し、ときと場合は是正をはかることでございますが、現在国家と地方公共団体の関係がいろいろ問題を起しておるものに、補助金制度があります。この補助金制度を全廃すれば、会計検査の面からも非常に明朗になるのではないかとわれわれは感じておりますが、会計検査の現実におきまして、補助金制度に対して何か院長として一つの結論でもありましたならば、この際伺つておきたいと思います。われわれはシヤウプ博士の勧告通り、あくまで補助金制度は全廃した方が、会計検査の面からも非常に明朗になるのではないかと感じますので、伺つておきます。
○佐藤証人 補助金の問題は、要するに地方財政をどうやつて行くかという非常に大きな問題に関連するので、地方財政が補助金によらなく、独立の財源でやつて行ければそういう問題は起らないのです。ところが現在の地方財政は、独立財源だけでやつて行けないので、補助金を受けるということになつております。そうなつて来ると、やはりこの補助金の問題は、その財源の配分の関係からしてやむを得ないのだと思います。それでこの委員会でありましたか、公共事業費についていろいろ問題があつたのです。従つて私の方の関係としては、従来よりもさらに馬力をかけて、補助金が適正に使われておるかどうかということを検査したい、こういうふうに思つております。
○大泉委員 二、三点お伺いいたします。政府のあらゆる機関よりも、会計検査院、裁判所というようなところは、私どもは信頼性をおかなければならないと思つておりますが、各官庁に対して、たとえば国税局とか税務署、あるいは公社等に対して、検査官会議が政治的な含みをもつてこれを裁量されておるのではないですか。
○佐藤証人 政治的な含みというお話でありますが、どういう趣旨で言われたのか、ちよつと私の解釈が誤つておるかもしれませんが、会計検査院といたしましては、いやしくも検査官は身分の保障があり、独立した地位を持つておりますからして、決していわゆる政治的な考慮といいますか、他に対する気がねというようなものは、実はしておらぬのであります。たとえば閣議で決定しまして、寒冷地手当、石炭手当に準ずるものを払つておりますが、それに対しましても、会計検査院としては、法律がないのにそういう給与をするのはけしからぬという報告をしております。そういうふうに純然たる独立官庁でありますからして影響を受けない。また他に遠慮してどうこうというようなことは全然やつておりません。
○大泉委員 やはり各官庁の機関は、それぞれ非常に組織立つた活動をしているので、一方に疑惑があつても、やはりみな関連性があるから、それに対してはある程度みな連帯性でもつて、結局何らの成果もあげられないというような一つの仕組みになつておるのであります。たとえば国税局においてもあるいは専売公社においても、お互いが先輩、後輩の一つの取組みになつている。しかもどうも途中までそれを調査しても、それが奥に行つてもうろうとなつてしまうというようなことが多々あると思うのです。今度大阪国税局で塩の回送会社を調べた結果、十五億円のいわゆる隱し金というか、隱し利益があつた。これは当然課税の対象として取上げるべきである。これがもし民間会社であつたならば、とても調整金の十五億円返したぐらいでは治まらない。もし厳密な計算で行われた場合、脱税で告発される、しかも追徴金をとられる、それに懲罰的重加算税を課される。そうして行つたならば、これはとても十五億や二十億では治まらない勘定になる。これはどうしても契約の不当な利益があつたならば調整金によつてという但書によつてこれを返して税を免かれるというようなことは、やはり国税庁の内部においてそういうふうにきめられてしまえば、会計検査院としてはそれを承服された方が手取り早い、こういうような考え方から会計検査院としても取上げなかつたのではなかろうかと思うのです。この点においていろいろ政治的な裁量がそういうところに加えられたと私は思うのです。この点についてお伺いしたわけなんですが、ただいまの答弁で大体わかりました。もし専売公社が今の厳密な計算によつて行われた追徴金その他の額で比較されたならばどうなつたであろう、どういうふうな計算が成り立つたであろうというようなことは、会計検査院としてはこれは不問に付されるのですか、どうですか。もう解決してしまつたという今日においてはしようがありませんけれども、課税の対象として厳密な計算が成り立つた場合には、これはやはりそのままにしておきますか、どうしますか。
○佐藤証人 課税の対象になるかどうかという問題でありますが、もしこれが課税の対象であり、しかして国税庁が税金をかけておらぬということになつたならば、私の方としてはそういうふうな違法なことをしてはいかぬということになりますけれども、先ほども申しましたように、調整勘定として過剰金を払うというのでありますから、いわゆる未払金でありまして利益じやない、従つて課税するものじやない、そういうふうに私は思つておるのであります。
○大泉委員 それでは預金その他において、二百数十名の偽名預金をしておつたということは、すでに脱税の意思は歴然としていると私は思う。これを国税庁が取上げなかつたから会計検査院として不問に付するということは、私ははなはだずさんでなかろうか。民間会社であつたならば破産してしまう。今日どうも税務官吏があらゆる税の査定において、恐喝的態度に出る、ほどんどやいばをもつておどされるというよりもむしろより以上な恐怖感を与えるような税の査定の仕方をしておる。しかも徴税に至つては実に辛辣な方法をとる。民間会社の、ことに個人経営などではほとんど二十三年以来の徴税旋風によつて破産しておることは、実に枚挙にいとまがない。あるいは重役の、あるいは担当者の自殺、あるいは一家心中というようなことが起つておる。それにもかかわらず、どうもこういう公社のような特定の一つの企業体のみこのままにしておくことは私はできないと思う。これに対する検査院としての態度はあまりなまぬるいのではなかろうか、こう思うから私はお尋ねしたのであります。
○佐藤証人 御心配の点はよくわかりました。しかしながら私の方としては、先ほど申す通り未払金が払つてないのだから、未払金は利益ではないと思つておりますが、御質問の点もありますから、租税の検査の方の者にもう一ぺん言いまして、なお検査させてもいいと思つております。
○大泉委員 これは専売公社でも、未払金であり調整金であるから、利益じやないということを再々申しておりますが、われわれ民間会社においては、お得意から完全に利益を獲得したものを得意先に金を返した。それはもう脱税は免れない、それはかつてに返すのだというような結果になる。それを利益をとつたものを返したので、課税の対象にならないというのでは話にならない、それだつたらだれもやりたい。これはどうも私は一般民間会社と同一に取扱うべきである。ひとり専売公社が公共企業体であるからといつて、特例に取扱うべきではない、こう思うのでありますが、これは大体押し問答になります。 もう一つお伺いいたします。各行政官庁が年度末になりますと、剰余金があるというと、来年度の予算に関係があるからなるたけそれを消費してしまうという傾向がありますが、会計検査院としては、こうした立場における各行政官庁の処置に対してどんなお考えを持つておられるか。
○佐藤証人 御心配の点ごもつともでありまして、そういう事例はわれわれの方でも感じておるのであります。そこで最近、前年度の年度末でありましたか、私の方から——たしか事務総長から各省次官、それからこちらの検査するところへ特に照会を発しまして、年度末というので国費が濫費されるという傾向があるように聞いておるが、ぜひそういうことのないようにという警告を発しております。しかしてその警告は閣議においても取上げられ、多分大蔵大臣と思いますが、各省大臣にも話があつたというふうに聞いておりまする
○小松委員 専売公社の業務費の中で、私どもの見るところによりますと、塩、タバコの運送費がきわめて多いと思うのであります。たとえば二十五年度の決算を見ましても、三十三億余万円に相なつております。その中で塩が十七億三千余万円、タバコが十五億四千余万円になつておることでも明らかだと思うのであります。従つて公社の会計検査をなさる場合には、かような運送費及び保管費というようなものに対しては、相当重点を置いて精密なる御調査をなされておつたと思うのであります。従いまして公社が今日まで支払つておりますところの運賃の支払い方法、それから運送の委託契約をしておりますその契約方法は、正しいものとお認めになつておるかどうか、まずその点を伺いたい。
○佐藤証人 契約につきましては認可価格でやつておるのでありまして、別段誤つておるとは思つておりません。
○小松委員 その認可価格というのはマル公の賃率のことを言うのですか。
○佐藤証人 いわゆる広い意味のマル公であります。
○小松委員 そうすると会計検査院の立場におきましては、もしマル公より以下の運賃を支払つておるということについては、別にこれを正当とか不当とかいうようなことは申さないわけですな。
○佐藤証人 ただいまの問題は、マル公でやつておるから一応それは認めたというふうに検査に行つたものは言つておるのであります。と申しますのは、マル公というのはいわゆる最高価格でありまして、それよりよけいな価格であれば、これは明らかに違法でありますけれども、マル公以内であればさしつかえない。それで実際の取引値段というものがマル公よりも相当安いという場合には、どうしてその値段でやらぬかどいうことを、先ほど申しました検査を実質的にやるという意味において追究させておるのであります。ところが公社の事件は、人員その他の関係で手がまわりかねて、まあ一応マル公でやつておるからというので検査を済ませた、こういうふうに私は聞いております。だからもう少し余裕があつて、手がまわつて、そのマル公は正しいかどうか、実際の値段はマル公より安いのではないかということを見出したならば、どうしてそんな高い値でやつておるかということをおそらく追究したと思うのであります。
○小松委員 私どもの希望するところは、この運賃が、そのときの市場の賃率は実際にマル公より安いという場合においては、当然その運賃によるべきだと私は思うのであります。現に日本塩回送会社の問題の点も、昭和二十三年下半期から二十四年上半期にかけまして、機帆船の運賃や小運送賃が非常に低落して、半額になつた。そういう際にもかかわらず、公社はこの日本塩回送会社に対しては契約のマル公賃金を払つておる、ここに問題が起つて来たのであります。こういう点は十分会計検査院として御検討の上、御注意を願わなければならぬことだと私どもは思うのであります。こういう点については、会計検査院では手が足りなかつたとおつしやるけれども、こういうところに重点を置いて御検査を願うべきだと思いますが、いかがでございますか。
○佐藤証人 きわめて適切な御意見でございまして、先ほど私が申しました通り、従来の会計検査院は手も少かつたし、いわゆる形式的検査でありまして、マル公でやつておればいいということで済ませたのであります。ところがそれでは不十分であつて、ことに先ほど申しましたように、国民が重税を納めておるのでありますからして、でぎるだけ経費が効率的に有効に使われるという見地から、実質的な検査をやれということを私が申しまして、だんだんに実質的になつておるのであります。その意味におきまして今の問題でも、マル公ではあるけれども、そのマル公が正しいかどうかということを当然検討すべきだと思います。ところが手不足、急いだというような事情でできなかつたと思いますが、その点は非常に遺憾でありまして、なお一層実質的検査をするように努力いたしたいと思います。
○小松委員 その点は強く希望しておきます。 次にお伺いしたいことは、日本塩回送会社の十五億二千万円の利益金、これが問題になりまして、このうちの四千六百万円かはこれを正当の利益と認めて会社にとどめ、十四億八千万円を不当利益としてこれを公社が回収した。この点について、会計検査院でもこの結果は御検査なさつたと思うのです。この数字は正しいものであるかどうか、どういうぐあいに会計検査院としてお認めになつたか、これを伺いたい。
○佐藤証人 四千数百万円の利益というものは、私の聞いておるところでは、会社の従来の利益率を標準といたしまして一定の算式を出して、それによつて出たものだと見ております。でありますからして、従来の利益率というものによつたことがいいか悪いかという点は問題となり得ると思うのであります。しかしながらその数字も、私の方の検査した者の話では、そう不当なものとは思われない、そこで四千六百万円というものを認めた、こう申しております。
○小松委員 その点はこの程度にしておきまして、その次に伺いたいことは、この公社では物の買入れとか、今のような運送契約等につきましても、公社の会計規定から行きまして、当然競争入札にするべきだと私どもは思うのでありますが、随意契約が非常に多いのです。こういう点については、会計検査院ではどういうふうな御注意を与えておつたか。現在の行き方で正しいかどうか、どういうぐあいにお考えになつておるか。
○佐藤証人 随意契約が多いか少いか、私は数は計算いたしませんが、相当競争入札にさせておると思うのでありますが、要するに政府の会計規定によりまして、ある場合には随意契約ができるという規定がありますが、その規定の趣旨によつてやつておるならやむを得ない、原則はどこまでも競争であるというのが会計法の趣旨でありまして、その趣旨でやつておると思つております。しかし会計法に違反しておるという事実があれば、当然われわれの方で文句を言うわけでありますが、それは私どもは聞いておりません。
○佐々木(秀)委員長代理 委員長から申しますが、専売公社では競争入札に付しておるのは、全購買契約や何かの三%しかやつていないのです。九七%がことごとく随意契約だという数字が出ております。
○小松委員 会計検査院としては、ただそろばんの数字だけの問題でなくして、こういう根本のところを検査するべきだ思うのであります。われわれは今回この問題を取上げてからいろいろ調査して、こういうことが明らかになつたのであります。こういう根本の問題を調査せずして、実際の会計の内容はわからないと私は思う。これはひとつ十分御留意を願いたい。そういう関係の一例を申し上げますると、新光鋼材会社というものから鋼材を五千五百万円も買つておる。それから二十五年度末にセメント三千袋も買つておる。これはみな最近の例でありますけれども、随意契約であります。しかもこの新光鋼材から買入れた鋼材のごときは、現品が入つておらないのに現品が入つたことにして金を支払つておる。こういう点については会計検査院ではあまり御調査なさつていないのですか。
○佐藤証人 現品が入らないのに金を払うということに対しては相当敏感に私どももやつております。今度の事件は、おそらくまだ新しい事件であつて、時間的にいえば古いかもしれないが、おそらく検査報告になる事件だと思つております。
○小松委員 これは二十五年度末に買つたのですね。そうすると、二十五年度末の検査をあなたの方では二十六年の幾月に検査するのですか。九月ですか。
○佐藤証人 二十四年度まで検査報告を出しまして、現在二十五年度の検査報告を作成中であります。おそらく事務当局の方からそういう案が出て来ると思います。
○小松委員 もう検査はなさつたのでしよう。
○佐藤証人 検査はいたしましても、検査だけでは実はわれわれにはわからないので、検査した結果をとりまとめて報告案をつくるのです。この報告案を検査官会議にかけるので、実は今検査官会議が一番忙しいときで、今作成中であります。
○佐々木(秀)委員長代理 今係官が検査しているので、報告はまだ上の方に来ていないということです。
○小松委員 なおそれに対して私どもは重ねて御注意を促しておきます。そういうものが事実あるのです。ここに官紀の頽廃も生じて来ておるのです。今あなたの方で検査報告を作成中かもしれないが、十分御注意を願いたい。公社の方では、現品が入つて来て、それから請求書が出て、三十日以内に支払うということが公社の会計規定です。それを現品が入つておりもしないものをただちに金を払つて、現品がまだ全部納まらないという状態にある。こういう点を十分御検査願いたい。これをひとつ希望しておきます。
○田渕委員 証人に伺いますが、先ほど経歴のうちで、二十二年に院長になられ、その前が新潟県知事、内閣法制局の方に二十年という証言でありましたが、大蔵省関係におられたことは事実でありましよう。
○佐藤証人 略歴というお話、略歴のおもなものを申し上げたのでありますが、正確に申しますと、大正、…。
○田渕委員 大蔵省関係にどのくらいおられたかということであります。
○佐藤証人 学校を出てすぐ入りましたから、二年くらいおつたと思います。
○田渕委員 大蔵省の何課におりましたか。
○佐藤証人 理財局におりました。しかもそのあとで税務署長をやりましたから、合せて二年くらいです。
○田渕委員 それで経歴はわかりました。そこで院長は憲法八十三条の規定と憲法九十条の規定、これをどういうぐあいに解釈されていますか。先ほど憲法九十条の規定の、国会に対して報告の義務があるということを一応認められております。その義務を完全に遂行しないということについては、国会を軽視しておるという点がはつきりして来た。この八十三条と九十条の関連というものをどういうぐあいにあなたは解釈されておりますか。まずこれから伺います。
○佐藤証人 ちよつと憲法の条文を持つておりませんので……。
○田渕委員 八十三条の規定は「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」ということと、九十条は、あなたは国会に資料を提出しなければならない、いずれも義務規定であります。なぜ私がこれを伺うかというと、この消耗器材費は交際費に流れ、あるいは施設費に流れている。大蔵委員会あるいは予算委員会でこれを流すことを認めておりません。それで私は伺うのでありますが、こういう規定に対して、この関連性をどういうぐあいに院長は解釈されておりますかということを、もう一度確言願いたい。
○佐藤証人 消耗器材費の点は、私は事務総局の者にそう聞いて来たのでありますが、従つて検査院としては問題にしておらぬのでありますが、一般的に申しまして、私が第一線に立つて各役所を全部を検査して、みずから書類を作成するわけではありません。事務総局にやらせて、検査官会議というものは事務総局のやつたことに対する決定機関でありますから、検査官会議に報告されないもの全部を聞かれましても、実は答弁に窮する次第でございまするが、検査院といたしましては、検査官会議の判断によりまして、憲法、それに基く検査院法に従つて忠実に職務をやつておるというふうに私は言つてさしつかえないと思つております。
○田渕委員 それではまだ私は納得いたしません。その解釈がはつきりいたしませんが、次に、院長はこの留意という定義と処置当を得ないものというのと、不当と三つに区分されておりまするが、留意という解釈は、どういう点を留意すべきであるか、あるいは処置当を得ないものはこういうものである、あるいは不当とはどういう定義である、あるいはどこまでをいうのであるか、この三点を明らかにしていただきたい。
○佐藤証人 不当と申しますのは、検査院法によりますと、法規に違い、または予算に違つた、こういうものが最も不当な場合でありまして、その以外におきましても、先ほど申しました経費の効率的使用という点から考えて著しく不経済に使つておる、不効率に使づておるというようなのが不当と考えております。この不当性がわれわれの判断によりまして比較的薄いものにつきましては注意しろとか、留意しろとかいう言葉を使つております。
○田渕委員 そこで先ほど委員長の質問に対する証言として、あたかもこの検査官会議は裁判所のようなもので、事務総局案というのは検査のようなものだ。こういうようなぐあいにして、すべて事務総局案を、熱心に研究し調べて来たものを、つまり裁判所の例になぞらえてやみからやみに葬つておるというのが今日の検査院の三人会議であります。そこで私が伺いたいのは、もしも院長の言うがごとく、三人会議が裁判所のようなもので、事務総局の担当課長が調べて来たものは検事の起訴状のようなものだ、もしもこういう仮定をとるなら、裁判所が不当の判決を下した場合には検事控訴という規定を設けておるが、あなたの方の事務総局の下僚である課長が検査官会議で否決されたものに対して抗告するとか、あるいはこれに反抗するということが機構上できておらぬ。そういうものをあたかも裁判所の検事の起訴状と考えて処理するということは、大きな私は間違いだと思うのでありますが、十分それに対して上司に向つて、院長に向つて抗議をして行くところの硬骨漢の検査課長がたくさんあればよいが、結局うつかり闘つたのでは自分が左遷される、あるいは首にされるというようなことで、検査院の絶対最高官である院長が検査官会議の議長であつて、それがかつて放題の判決を下すというようなことがあつたのでは、将来会計検査院の検査官の士気というものに影響するのではないかと考えます。
○佐藤証人 検事の起訴状と裁判官というのは一つのたとえであります。たとえでありますけれども、検事の起訴状が絶対なものなら裁判はいらないので、昔の警察国家でよいのでありますが、やはり裁判というものは慎重にやらなければいかぬ。そこでわれわれの方でも慎重にやつておるのでありまして、たれが見てもいかぬというものだけを、検査報告自体の大きいものを掲げるのであります。検査官会議の決定に対して、異議申立機関がないというのが現在の機構でありまして、裁判所が最高裁判所の決定については何とも言えないと同じものと私は考えます。
○田渕委員 そこで先ほど院長はやはり質問に対して、是正されておつたから不当と思わなかつたというような証言であつて、さらに委員長から全部が是正されておらぬじやないかと言つたところが、大部分是正されておつたからいいと思つた、こういうようなぐあいに証言がかわつて来た。そこで先ほどの証言では、いわゆる十二月七日の検査官会議においてこれを否決しております。その十二月七日以前に一億七千万円というものがはつきり残つておるということを新木検査課長があなたの方へ詳細に報告しておる。Cの三〇〇号というところに、新木委員、柳橋幹事(6)大蔵事業とはつきり出ておる。ここに一億七千九百六十四万六千五百十二円は、二十五年十一月現在まだ回収されていない。最初は是正されておつた。今度は大部分が是正されておつた。それをあなたは大部分是正されたと言う。約一億八千万円の金が是正されていないのに、大部分是正されておつたというのはどういう解釈になりますか。十五億円の金のうち一億八千万円なら、少くともそのパーセンテージからいつても大部分とは言えないと私は思う。
○佐藤証人 是正と申しますのは、現実に収納するのを是正、これは一番完全な是正ですが、収納の告知を出して相手方がこれを納めるというのも是正の段階である。しかしてその是正の段階におきまして、幾らですか、あと一億数千万円残つておるのでありますから、その見通しもついておれば、これは広い意味で大体是正されたと言つて私はさしつかえないと思います。
○田渕委員 ところがそうではありません。あなたが十二月七日の会議で大部分が是正されたと言つておるが、金が入つたのは二十五年十二月九日、それから二日後であります。それから十二月三十日、それから二十六年一月十六日、同じく二十六年一月三十日、この四回にわたつて初めて約一億八千万円というものが収納されておる。十五億円のものでもつて一億八千万円、この大金はまだ海のものとも山のものともわからぬうちに、これを完全に是正されたとあなたが解釈された。これは少くとも新木検査課長の報告を抹殺する根拠になる。これを取上げておらない。
○佐藤証人 大部分かどうかという点は、あなたは大部分と思わぬかもしれぬが、私は大部分、私といいますか、検査官会議としては大部分、それからその先の見通しもついたというので、大体において是正されたものという判断を下したわけであります。
○田渕委員 しかもこのC三〇〇号による検査課長の報告には、公社から同会社に支払つた請負費のうち、同会社の益金を認められるもの十五億円、これははつきりあなたの方の会計検査院としては益金と解釈をして、断定を下して、これを検査官会議に報告しておる。ところが国税庁の方では、これを益金とは認めない、調整されたものである、こう言つておられる。十五億円の益金というふうに検査課長が認めておるが、これをどういうぐあいにされておつたかというと、これは確かに会社の帳簿に完全に記載されて、あるいは預金されておつたものだ。益金あるいは延納金でありましようが、先ほど委員長が聞いた通り二百八十幾日の架空の名義、偽装の名義、しかもこれを当時の国税庁はただ二人しか偽名はないというようなことを証言しておるが、ここに大きな狂いが出て来たのでありますけれども、少くとも偽名、そうして貯金が七種類、こういうような意味で十五億円というものを隱しておつたところが国税庁からあげられた。そうしてこれは利益だ、こういう利益を上げたのだ、こう検査官会議に報告しておる。そうすれば、これに対して国税庁は何と言おうとも、国税庁とのセクシヨナリズムは別にしましよう。あなたの方では、この利益金に対して脱税行為の方法を国税局がとつておるか、あるいは公社はどういうふうにこの処置をとつておるかということをなぜ検査官会議でお調べにならなかつたのかということを伺いたい。
○佐藤証人 その預金がたくさんにわかれておるというようなことはごく最近聞いたのであつて、検査官会議のときには何も聞いておりませんでした。益金が十五億あつて、そうしてその中から会社の正常利益四千六百万円を差引いて、あとを収納させるという話だけを聞いたのであります。
○田渕委員 それから先ほども会計検査院としては食が少いし、いろいろであるので、また一部国会議員の無責任なる放言といいましようか、資料が厖大過ぎるからというようなことに便乗して、専売公社のこれだけ当委員会が取上げた大きな事件が潜在しておるのをわずかにページでいえば八ぺ一ジ、文字にすれば三千文字か四千文字にしてしまつておる。少くともわれわれはこういう予算のようなものを厖大と見るのだが、わずかにこればかりの昭和二十四年度決算検査報告をあなたは厖大な資料と考えておるか、これを伺いたい。第一あなたが厖大な資料という、しかも専売公社として政治問題、社会問題を起そうというこの問題を、わずか八ページ足らずの三千文字そこらに圧縮してしまつて、しかもその圧縮したものは、いいものを圧縮しているのならいいけれども、ことごとくろくでもないものを三千文字に入れて、大事な点だけ抜かしてしまつておるということはわれわれ納得が行かない。会計検査院がやつた行動に対して納得が行かぬ、この点に関してあなたは厖大な資料と言うが、われわれがいう厖大な資料というのはもつど大きなものである。何がゆえにこの大事な点を載せなかつたかという点を、この検査官会議の状況を納得の行くように説明していただきたい。
○佐藤証人 厖大であるかどうかということはなかなかむずかしい問題と思いますが、二十四年度の決算検査報告を国会にこの一月に出しております。ところがまだ国会で前年度の二十三年度分がやつと終つたくらいだと思いますが、二十四年度はもちろんまだ途中までしか行つておりませんが、決算委員会も非常に御多忙のようでございまして、なかなか全般を見ていただくのに時間がかかります。そこでこういうものはおそくなつてしまえばしまうほど関係者もわからなくなつてしまう場合もあるので、なるべく早く見ていただきたい。それにはどうすれば早く見ていただけるか、すなわち国民のために国会として十分な御活動を願えるかということをわれわれは考えておるのであります。その見地から申しますと、私の就任以来検査がだんだん徹底して参りまして、資料が方々から集まつて来て、あまり厚くされては国会にも御迷惑をかけると思いまして、重点的にやつて行きたいというので、私の方の検査状況において比較的重要性の少い事件は当局に注意をすることでとどめまして、報告には掲げてないのであります。そこで今の事件がどうかという点は、先ほど私がるる説明しました通り、ああいう理由で掲げなかつたのであります。しかしながら全然掲げてないのではない。一般的な総括的な説明として掲げたのであります。われわれとしてはあの程度でいいと考えたのであります。私はそういうふうに思います。
○田渕委員 私はこの性質がいいとか悪質とかいうようなことを言うのではない。憲法八十三条の国の予算がどういうぐあいに適正にやられておるかどうかということを、目付役である会計検査院として、数字の大きいものを重点的にとるのか、あるいは数字の少いものを重点にしてとるのか、この検査官会議の様子を伺いたい。
○佐藤証人 何が重点であるかということ、これまた判断の問題でありまして、なかなかむずかしいのでありますが、いろいろな点から考えまして、数字の大きいものと小さいものとは、これは大きい方が重点である。また他の見地からかりに数字が大きくても、その内容たるやきわめて簡単なものである。逆に数字が小さくても関係職員の不正行為があるというようなものは、大きいものと考えて取上げております。
○田渕委員 院長がそう答えられるならば、私はもう一つつつ込んでみたい。しからば新木検査課長があなたの方の検査官会議に出した資料の七件のうち、まず五千二百何十万円という厖大な不当支出を指摘しておる。そのうちこの資料に出したものはたつた七百万円にしか匹敵しないところのわずかなものしか載せておらぬという点はどういうわけでありますか。五千何百万円のうち最も数字の大きい悪質のものというならば、三千万円の問題である。そこに検査官会議の、あなたのおつしやる運営して行く趣旨精神と、ここに現われて来た報告の内容と大きな食い違いがあります。大きなもので行くならば、なぜこの三千万円というものを取上げなかつたか、わずかにこれをごまかすために七百万円だけのもので圧縮してしまつたというところに私は納得が行かぬ。この七百万円のうちどれが一番大きいものと思われるか、もし御記憶があるならば伺いたい。
○佐藤証人 ただいまの事件でありますが、検査官会議は三人で十分慎重な態度で会議しております。そこで具体的な問題についての記憶は私今のところありませんが、金額が大きくても、こちらの方が責める点において、いわゆる検査報告を出す点において、向うの立場を十分了解しない向うの言い分があつたのじやないか、そういうふうに考えております。先ほど申しました裁判所の態度と申しますが、検査の職員というものは仕事に非常に熱心でありまして、その点は非常にありがたいのでありますが、私先ほど申しましたように、税務署長をしておつたのでありますが、税務署の人間は税をとるということを非常に大事に考える、その結果無理な税をとつておるということは現在も聞いております。そういうふうに、検査に行くものは自分の考えというものを非常に強く考えるので、諸般の事情の検討が足らぬ場合がある。それをわれわれ検査官会議で補うのでありまして、具体的に例を覚えておりませんけれども、何かそういう事情で採用にならなかつたと思います。なお相手方から策動されたとか政治的考慮をするというようなことは絶対にならないということをここに断言いたします。
○田渕委員 そうでなければ、国の財政のにらみつけ役の会計検査院としての威信というものは地に落ちます。そうでなければなりません。しからば私は具体的に院長に聞きたい。もつともこの七百万円というのは大した問題ではない。
○佐々木(秀)委員長代理 田渕委員に申し上げますが、この七百万円と三千万円が具体的にわからぬと思いますから……。
○田渕委員 具体的にわからぬから、私はここでこれを速記にとどめてもらいたい。これならば、私は少くとも検査官会議で検査された資料があるからこれで十分でありますが、なお時間を省略するために、私は簡単に申し上げまするが、専売公社の門司支局の扱いで、二十四年に日本塩回送株式会社が扱つた事件であります。三菱化成株式会社山牧山工場へ輸入塩を八万一千六百二十六トン機帆船で運んだと称して、四千九百九十一万四十二円という金を専売公社が日本塩回送株式会社に払つておる。この塩というのが、二十五年の八月に会計検査院がその実際を調べてみますると、当時機帆船を使用して回送したものはわずかに八千三百五トンであります。約五千万円の運賃を払つたのが、実際機帆船を使つたものは八万一千六百二十六トンのうちのわずかに八千三百五トンで十分の一である。この残りの七万三千三百二十一トンははしけで回送しておる。そうすると、今度は機帆船とはしけの価格の差を申し上げますと、機帆船が昭和二十四年四月から七月までは一トン八百七十三円八十銭という規定であります。ところが七月末、土用に入りまして二十四年八月からずつと夏、秋、冬にかけて、五百十四円に機帆船の運賃が低下いたしておるのであります。そうすると塩会社がトン当り三百五十九円八十銭という不当な利得をいたしておる。かりにこのはしけのトン当りの百九十九円六十銭というもので済むとすれば、少くとも三千一万二千六百四十四円というような大きな過払いをしておる。これがこの検査院の報告から抹殺されておる。そうして小さな方の七百三十六万円、これを出しておる。大阪地方局の扱いで昭和二十四年の四月から二十五年二月までに、十万三千五百四十六トン余という塩を輸入本船から荷おろと、倉庫に入れる作業をいたした事件であります。これを新木検査課長は詳しく報告しておる。そうすると輸入本船から、つまり輸入の大きな船で来る、そいつからはしけでとつて倉へ入れる。これを実施中に、そのこととさらに別に、一万四千二百九十九トンを機帆船で、すでに倉入れを了しておる輸入塩を倉出ししてよそへまわしておる。何も本船からはしけへとつて倉に入れずにやれるのに、倉に入れておる。そうして指摘しておる問題は、結局トランシツプによつて回送することができたと認められるものが八千三百六十一トン。輸入本船から直接機帆船に荷おろしして回送すれば、はしけ賃と倉入れ費用というものは約四百七十四万七千円節約できておる。これが結局不当な処置だといつて七百三十六万円というものをここに報告しておる。これと、今申し上げました大きなこの門司支局の扱いの三千万円も不当なもの——八万トンの輸送費というやつがわずかに八千三百トンで、あとはあたりまえのはしけでやつて、しかも大きな機帆船の運賃にして一トン三百五十九円、約三百六十円というような値下りがあるのを払つてしまつておる。これは大きな不当だ。こうしておるのを、まず検査官会議でこれは不当でないとあなた方がとめられた。今度は常識論で行く。——私は科学的にすべてをやつておると思う。また検査院の威厳としても決して政治的やその他のものでやつておるのじやないと言うが、少くともこの塩回送株式会社の重役というものは、全部専売局の長官とか、部長をした者がやつておる。これは調査によつてはつきりわかつておる。そこでこれが不当なものとしてどんどんそうやつて七つも八つも報告されておるのに、わずかにこの二十四年度の検査院の報告というものは、国会の決算委員会というものを侮辱しておると同時に、国会を軽視しておる。その証拠に、タバコ事業と塩事業、この二項目に「塩の回送については、操作が不手際であつたり、運賃率の適用を誤つたりした事例もあり、又、回送賃率の調整の処置が遅延した点もあつて、相当改善の要があると認められる。なお、公社もこれに留意し、二十五年七月末あらたに輸送部を設け、回送経費の使用について鋭意改善に努力中である。」こういうような四行ぐらいで、どうして決算委員会でこれを取上げられるか。しかるに新木君は何と言つたか、そういうことを報告しておるのを調べるのが国会じやないかと言つて、啖呵を切つておる。あなた方は検査官会議を裁判所になぞらえたり、検事局になぞらえたりしておるけれども、ほんとうに下僚であるところの新木検査課長が七つも八つも出しておるのに、わずかに七百万円の小さなものだけ取上げてあとは国会に報告しなかつたということは、あなたは憲法違反と思わぬか。この点もはつきり聞きたい。
○佐藤証人 古いことでちよつと記憶がありませんが……。
○田渕委員 去年のことだ。
○佐藤証人 契約条項なり、あるいは当時の倉庫事情上やむを得ない点があつたのじやないかと思つております。
○田渕委員 それでは私は納得いたしません。少くとも先ほど申し上げました憲法九十条、同八十三条のこの議決権、これによつて行使されるところの財政面の支出が不当であるか悪意であるかということのにらみ役のために検査院というものが置いてある。私はここにおいて想起する。院長がそこまで責任を転嫁するといおうか、まあ図太いといおうか、われわれ良心的であつたとは思えぬ。一昨日かにも社会党の三宅正一君外百十八名の綱紀粛正に関する決議案が本院に提出されておる。その最もひどいものは公務員の汚職事件に関するその責任を明らかにせい、こういうておる。ここへ来るというと、この最も綱紀が紊乱し、今日こうなつて来たところの公吏の汚職事件というものが、ことととく財政面に携わつておる会計検査院のにらみがきいていないところからこういうことになる。会計検査院がてきぱき摘発をやつて行くならば、私はこうまで公務員の汚職事件というものは現われなかつたと思う。しかもこの二十六年十一月十一日の東京朝日新聞の夕刊にこう書いてある。いろいろな監査制度は設けておるけれども「わが国でも寸会計検査院が多頭の三人検査官になる以前の単独官庁の方が能率を上げていたようだ。」と書いてある。ゆえに単独官庁ということになれば検査院長一人の責任であるけれども、三人の検査官会議であらゆるものをやみからやみに葬つてしまつておる。ことにあなたは大蔵省に関係しておつたこともある。税務署長もしておつた。この大蔵省の専売公社の関係のやつらがことごとくつくつたのが、十七会社四十九人という専売公社を取巻くところのいわゆるトンネル会社の不逞のやからなんだ。こういうものがやつて来て不正なことをするのだ。塩回送会社はその大きなものだ。その塩回送会社の最も大きな事件を取上げないで、小さいものだけ取上げて、わずか四行でどうして国会の決算委員会がこの資料に基いてやれるか。もしあなたが国会の決算委員長だつたらどうするか。これでやれますか。これらに対して私はあなたの良心を疑う。少くともあなたが先ほど言われたのは問わず語りだ。政治力やその他の情実でやつたのでないというが、はつきり情実でやつたということがここに現われて来たじやないか。なぜ検査官会議で、せつかく熱心に現地に行つて調査して来たところ新木検査課長の七項目というものを、やみからやみに葬つたかということを聞きたい。少くともこれでは専売公社の十五億円というような厖大な不当に隱しておつたものが、やみからやみに葬られておる。決算委員会が取上げなかつたというが、どこでわかるか。この点はつきり聞きたい。どういう意味で大きな事件を取上げなかつたか。先ほど院長が言つた、金額の多少ではない、事の性質であるというが、これほど悪いものはないじやないか。三千万円——機帆船で八万一千トン運んだといつてその一割しか運んでいないのに、なぜ三千万何ぼというものを専売公社が払つたのか。日本塩回送株式会社が専売公社を欺いてとつたのか。この三千万円をやつた悪質と、七百万円の金額はどつちが悪いかということを私ははつきり説明してもらいたい。どう考えても私はこれでは納得できません。この点ももう少しはつきりしてもらいたい。これは何も私が聞くのじやない、国会が聞くのであり、われわれは国民の代表である。あなたはさつきも言つたじやないか、国権の最高の機関である国会に対して義務を負うておるということを自覚しておる。ことに内閣法制局に二十年もおつたことがあるから、われわれよりかあなたの方がエキスパートだ。どういうわけでこの大きい悪質なものを抹殺して、小さい悪質でないものを取上げてここに報告したか。これは院長の責任だと思う。検査官会議の責任ではない。どういうわけでやつたということを納得の行くように説明を願いたい。
○佐藤証人 この点につきましては、先ほど来何べんも申し上げたつもりでありますが、御納得の行かないのは非常に残念でございます。すなわちこの事件は繰返す必要があれば繰返しますが、この事件は検査院の発見した事件ではないという点、それからすでに是正措置も大体とられておるし、ことに一番大事なのは、公社なりあるいはまた会社が非常に怠慢であつたということは考えられるけれども、いわゆる不正的な要素というものは私どもの方では発見しておらぬ。そういうような事情で簡単な記述であつたのであります。
○田渕委員 私はそれでは納得いたしません。しからば会計検査院はあなたは二十二年からやつておる。二十四年の十月に専売公社の友藤需給課長が会社に注意をした。それまで会計検査院は二年も三年も何をしておつたのだ。幸いにもこのへそくり十五億円も、銀行へ架空名義で二百何十口も五つの名目で隱しておつたものを国税庁がかぎ出して来たからわかつたが、これがわからなかつたら会計検査院として無能じやないか。何がために二十二年から二十四年の十月まで会計検査院は検査官に対して調査させなかつたか。この点をはつきり伺いたいと思う。
○佐藤証人 検査院の検査する箇所は八千箇所もありまして、これを約七百人足らずの人間でやつておるのでありますから、なるべく重点的にやろうと思いますけれども、手がまわらぬこともあるのであります。のみならず二十二年に職員が急激に四倍になつたので、量はふえたけれども、検査能力におきましては先ほども申します通りなかなかわかつて来ないのです。それでその能力を引上げて十分の検査をしたい、そういうのでありますから、要するに限られた人間、限られた予算でこの八千箇所をどう検査するかという問題でありまして、お話のこの事件が早く検査院の手で見出せなかつたということは非常に遺憾でありますが、そういう事情でありまして、この点につきましては将来一層努力して御期待に沿うようにいたしたいと思つております。
○田渕委員 それでは少くとも国の名にし負う一般、特別会計、あるいは公社のこの国家機関の予算という莫大な予算数字を今日うやむやに放つておる。これはあなたの先ほど言つたように国民の血税だ。この血税の何千億、何兆というようなものがどういうふうに使用されておるか、どういうふうに適正にやられておるかという目付役はすなわち会計検査院だ。その会計検査院が手が足りぬ、いやどうだこうだというような逃げ口上で、あなたは会計検査院長として責任を全うしておると思われるか。私は少くともこれに関する限りにおいて、ただ専売公社の千七百億円という独立採算制の予算においても、わずか十五億くらいの金だとあなたは思うかもしれないが、これはなかなか容易なものではない。十五億あれば今日ルース台風の一部のつなぎ資金として災害復旧ができると思う。冬が来るといつて罹災者が困つておるときに、十五億円もへそ繰りをしていたものをよそからあげられて来た。これは会計検査院の無能だ。すなわち国税庁とのセクシヨナリズムで自分らは関心を持たぬということは、会計検査院長として信任することはできない。この点についてもう少し納得の行くように言つていただきたい。
○佐々木(秀)委員代理 田渕委員に申し上げますが、お答えが一緒のようでありますから、この辺で……。
○田渕委員 もし時間がなければ、午後にでも納得の行くようにしなければ、われわれは国民に対して完全に衆議院議員としての職責を果したということは言えないのでありますから、私はこの点において納得の行くようにしてもらいたい。誠意がないからだ。そんなことで国会が通ると思つておるのか。
○佐藤証人 十五億の金でルース台風と言われますけれども、十五億の金は納付が遅れたのであつて、なくなつたのではないのであります。それから検査院の能力が足らぬとおつしやいますが、私だつて現在において、現在の与えられた人間、与えられた予算では十分にやつておるつもりでありますが、抽象的に考えて、国家の会計を検査する検査院がこれでいいかと言われれば、私の方だつてもつと有能な人間をうんとふやして十分検査をしたいのです。しかしながら先ほど申し上げます通り、そう急に人を得られるものでもないし、またいたずらに人を増して予算を食うことは国民の負担を多くするということで、そういう点は私は十分考えておるつもりでありまして、私といたしましては、現在の職員は非常に一生懸命やつておりますので、現在の職員で現在の予算の範囲内においてはベストを尽しておる、こう申し上げてさしつかえないと思つております。
○田渕委員 私はあなたの下僚の硬骨漢の新本検査課長を十分信頼いたします。こういうふうな検査官が出なければならぬ。そこでこれほど君がはつきり調べたものを三人検査官会議で否決されたことに対して、なぜ対抗しなかつたか、こういう質問をいたしましたが、三人会議で否決されたものに対しては、われわれは下僚として何とも手がありませんということを言つておる。いかに人間をふやしても、無能な者をふやしたのでは何にもならぬ。新木検査課長がしつかり調べて来たものを、あなた方三人会議でやみからやみに葬つて行くというようなことに、われわれは現在の会計検査院というものは信任できないと思う。あなたは人間をふやし、予算をとれば行けるかもしれないかと言うが、人間をふやし予算をとつたところで、完全に調べないものなら何にもならぬことではないか。会計検査院をかりにセパードにたとえたならば、この十五億というものは会計検査院というセパードが見出すのがほんとうだ。ところが何ら関係のない国税庁といういたちみたいなものが大きないのししを追い出して来たという結果になつておる。まことにわれわれの不徳のいたすところで相済まぬと言つて、われわれに対してほんとうに良心的に陳謝でもするならともかく、機構が足らぬの、予算が足らぬのという。この国家財政の大きな問題を当委員会がかぎ出さなかつたら、やみからやみに葬られてわからぬ。しかも今日国の最高の責任者ともあろう者——が私はもう一つ言いたいことは、われわれ国会の議員として、天皇を迎えた国会の開会式には、あなたと衆議院副議長、参議院副議長、内閣総理大臣、最高裁判所長官を一番上席にすえておる。これはだてや何かでやつておるのではない。そこらの大きな職責、あるいはそれだけの権限を持つておる者が人員が足らぬ、機構が足らぬ、どうだのこうだのということで、この委員会で陳謝するならともかく、われわれ不信をとなえなければならぬ。あなたが現在の心境でおるならば信任いたしません。辞任する意思があるかどうか、それを伺いたい。
○佐藤証人 私の言葉が少し悪かつたかもしれませんが……。
○田渕委員 悪い。不謹慎きわまる、━━。
○佐藤証人 それは非常に遺憾であります。私といたしましては先ほど申します通り、国民の血税が使われておるのだ。それにはどうすればよいかということが私の頭に一ぱいありまして、その見地でできるだけのことをやつておるのでありまして、先ほど御批判になつたように、足らぬ点もあるかもしれませんが、その点につきましては将来一層注意して、御期待に沿うようにいたしたいと考えております。
○佐々木(秀)委員長代理 田渕委員に申し上げますが、ただいまのお言葉のうちに━━というお言葉があつたようですが、国会の速記録にそういう言葉が残ることは遺憾に思います。これは委員長から取消すようにとりはからいます。
○田渕委員 その点は取消します。私は少くとも会計検査院長が、この問題に対して恥を知るならば慚愧にたえない、まつたくこういう検査官会議の審査の疎漏、ずさんなためにうかつにもこういうことになつたと率直に言うのならば私は認めますが、やれ人員が足らぬのへちまだのといつて、一生懸命下僚の提案して来たものをやみからやみに葬ることを三人でやる。この会計検査院のワン・マン政治とかワン・ワン政策の行いを是正しなければならぬ。だれが是正をするか、国会がやらなければおそらくあなたの下僚の検査課長でも言えるものではない。結局われわれは憎まれでも何でもやらなければならぬ。私はあなたに私情も何の恨みもない。あなたは大きな会計検査院長としての重責にいるが、これでは信頼できぬ。これだけの大きな問題を当委員会にかけられて、証人となつてこれだけの速記録が残ることは決してあなたの名誉ではない。速記録は後世に残る記録てす。あなたはほんとうに済まなかつたと陳謝する意思があるかないか、これを承りたい。
○佐藤証人 何べん言つても同じことだと思いますが、私はできるだけやつておるのであつて、それでその点について御不満があるならば陳謝してもよろしゆうございます。私は人をふやせとは言つておらぬので、人をふやしてもすぐ何にもならぬと申し上げておる。その点は誤解のないように申し上げておきたいと思います。
○田渕委員 あなたのように法制局に二十年もおつて、相当年配の人が、陳謝せよというのならしてもよろしゆうございますというが、みずから心の底から陳謝するという誠意があるかないかということを聞きたいのだ、直率に言うならば。
○佐藤証人 私は良心に従つて国民のために一生懸命やつておるつもりであります。のみならずこういつた件は、とにかく検査官会議で一月くらいの間に約千件くらいあります。その千件くらいのものを毎日ちよつとの間にやりますから、あやまちが絶対にないとは言えません。従つてこの問題につきましても、お話の通りあるいは多少手落ちがあつた、多少というとまた語弊があるかもしれませんが、手落ちがあつたと思います。もしそういうふうでありましたならばここに陳謝いたします。
○山口(武)委員 先ほど来の証人の証言を聞いておりまして、これは私一人ではなかつたと思うのでありますが、聞いておられた方は大半会計検査院というものに対しまして認識を改めたことだろうと感じたわけです。それは私どもの期待しておりましたのは、検査院の院長であるあなたはもつと毅然として動かない証言をするのではないだろうか、このように期待していたわけです。それから会計検査院というものについて、先般会計検査院の新木君の証言がありましたが、新木君には少くとも一つの見識があつたようです。院長であるあなたにはもつと見識があり、もつと動かざる毅然たる態度を示してくれるのではないか、こう期待していたわけですが、残念ながらこれを根底から否定されてしまつた、このような感じがしておるわけです。それでこの状態では国の会計検査というような重大な任務が果せるかどうかということについて、私ども多大な疑問というよりもそれ以上のものすら感じてしまたのです。 第一にあなたにお聞きしたいと思いまするのは、あなたは先ほど事務総局というものは検察庁である、それから三人の検査官の会議というものは裁判所である、こういう例を申された。しかしながらこの例の引き方というものがいかに誤りであるかということは明白だと思う。少くとも検察庁というものと裁判所というものは別個のものである。三人会議と事務総局というようなものは別個な関係に置かれておりません。三人会議の指揮監督によつて事務総局というものは動くものです。それからあなたは事務局からの報告というものを三人会議で検討する。そうしてそのうちの重要なものを取上げる、小さいものは場合によつては捨てる、こう申したわけです。しかし私はそうではないと思う。事務総局でつくつた案が不徹底だ、問題の本質をついていない、調査の欠陥があるのか、あるいは行き過ぎがあるのか、そういう問題について指導監督するのが三人会議の任務だろうと思う。とするとあなたはなぜあのような引例をされたのか、あの引例は今もあなたはよいと考えておられるのであるかどうか、これをひとつ聞きたい。
○佐藤証人 たとえばと申したので、これは言い訳になりますけれども、私の方は実はそういうふうに検事的なやり方とそれから判事的なやり方という言葉を従来から使つております。そこで申したのでありますが、実際は今議員の御質問の通り、報告が出て来ますと、その報告で意見を通すにはこういう点で調査が足らなかつたのではないかということで、それで再調を命ずる場合がずいぶんあります。それからこういう意見に対して君はどう考えるか、そういうふうに検討いたしまして、場合によりましては、こういう質問があつたらこうじやないかというふうな、第三者の冷静な判断のいわゆる反対的な見地から案を検討しておるのでありまして、そういう結果否決になるのもあります。だから言葉が少し足らなかつたが、法律を見ますと、検査官会議は事務総局を指揮監督して検査をやらしておるのであります。実際はそうでありますけれども、検査報告というものは、事務総局の人としてはなるべく自分が案を出したいという非常な強い希望がありますので、相当無理なものが出ます。そこでわれわれは判事的なやり方をやる、たとえて申して、おるのであります。だから裁判所は検察庁を指揮監督するのではないのでありますから、そういう意味では裁判所でもない、検察庁でもない、一つの行政官庁であります。行政官庁の執行機関であり、しかして決定の機関であります。
○山口(武)委員 そういうことを聞いておるのではない。さつきの説明が悪いかいいかを聞いておる。
○佐々木(秀)委員長代理 山口君に申し上げますが、たとえて言つたのですから……。重点的にお願いいたします。
○山口(武)委員 先ほどの事務総局は検察庁であり、三人委員会は裁判所であるという引例があなたは正しいと思つておるかどうかということを聞いておるのです。
○佐藤証人 法律的には正確ではありません。ただ実際の働きを見て、内部でそう言つておるのであります。法律的には正確でありません。
○山口(武)委員 今のあなたの答弁を聞きますと、法律的には正確でないというようなばかばかしいことを言つておられますし、しかも先ほどの話によりますと、そういうたとえが会計検査院の中におきまして慣習になつておるとまで言われておりましたが、こういうところに会計検査院のあり方の問題について多大の疑惑を感じてしまつた。 〔佐々木(秀)委員長代理退席、委 員長着席〕 あなたは先ほど事務総局の者の報告に対して政治的な考慮をしていないということを言われましたが、会計検査院というのはもう少し正確な態度、正確な用語というもので問題を処理しておるべきてなかつただろうか、もつと毅然たる動かない言葉というものが出て来るのではないだろうか、こう思つていたのです。それで先ほど来のあなたの答弁を聞いてみますと、会計検査院が政府から独立した機関としての地位を有しておる、こういうような規定があるのですが、これがどう理解されておるのですか、少くともあなたの先ほどからの答弁を聞いておりますと、一番たちの悪い政府委員の答弁です。会計検査院長というような見識を持つた人の答弁じやないのです。例をあげてもよろしいのです。あなた何と言いましたか、民間の調査権については、会計検査院にはないと一番初めに言つたでしよう。そのあとでは、検査官会議を開けばあると言つたでしよう。どつちが正しいのですが。逃げ口上ばかり使つておる。
○篠田委員長 山口委員に申し上げますが、質問をしてください。
○山口(武)委員 それから塩会社の問題については税務当局が見出したのであつて、事務総局が見出したのではないから、これは慣習上やらない、こういう慣習とか何とかいうことで私は会計検査院というものが動かれるものではないと思つたわけで、一番初めの質問ですが、内閣に対してあなたたちが独立の地位を有しておるというのはどういうことですか。このことを聞きたいのです。
○佐藤証人 内閣から指揮監督を受けないのであります。
○山口(武)委員 それは何のためですか。
○佐藤証人 検査の公正を期するためであります。
○山口(武)委員 私もその通りだと思います。ところがそうでないような問題が出ているからここで問題になつたと思う。あなたは御承知だと思いますが、国会に対する報告書の中におきまして、塩の回送についてあなたの記憶が明瞭になるように、ちよつと簡単なものだけ読み上げてみたいと思います。「塩の回送については、操作が不手際であつたり、運賃率の適用を誤つたりした事例もあり、又、回送賃率の調整の処置が遅延した点もあつて、相当改善の要があると認められる」。こういうのを国会に送られましたね。
○佐藤証人 そういうような検査報告が出ております。
○山口(武)委員 それについて先ほどあなたの証言によりましても、三人会議で調査の結果確信ある報告として出されたと思うのですが、その通りでしようか。
○佐藤証人 そうであります。
○篠田委員長 山口君に申し上げますが、あまり重複した質問をしないで、あなたの方の質問をしてください。
○山口(武)委員 ちよつと待つてください。必要があつてやつておるのですから、一本やりの質問だけをされたのでは困るんですよ。
○篠田委員長 同じ質問を委員長もやり、各委員もやり、全部がやるのでは何ですから、できるだけ重複しないようにやつてください。 〔「別の角度からやつたらどうだい」と呼ぶ者あり〕
○山口(武)委員 私はほかの委員のことを聞いてはいない。 この結論を出されるにつきまして、あなたたちは公社と塩会社の関係、ここに行われていた事柄について十分な調査をなすつた結果、このような結論が出たのですか。
○佐藤証人 調査をしたものの報告を聞いたのであります。先ほど申しました通り、約一月間に千件くらいの審査をするのでありますから、そう多くの時間を費すということは実はできないわけであります。与えられた時間の範囲内でできるだけのことをします。
○山口(武)委員 しかしこの結論につきましてあなたは確信を持つておられるのですね。
○佐藤証人 さようでございます。
○山口(武)委員 そうしますと「操作が不手際であつた」というのはどういうわけですか。
○佐藤証人 操作の不手ぎわはたしか塩の甲から乙へ輸送する、そういうふうな関係をいつたように記憶しております。
○山口(武)委員 私はこの結論に問題があると思うのです。操作が不手ぎわというのは、やり方が単にまずかつたということならそれで操作の不手ぎわでよろしいと思う。ところが問題はそういうことにはなかつたはずなんです。少くとも当委員会がこれまで調査した結果はそうじやなかつた。塩の回送につきまして日本塩回送会社というものに一手にこの回送を委託している。しかもこの塩回送会社というものは運送ブローカーである。自分では輸送能力を持つていない会社である。それが下請さしている。そうして仕事をしているというふうなところに問題の本質があつたと思う。しかも塩回送会社には大蔵省の古手の役人が乗つかつて重役になつて仕事をしている。そのいう問題が本質だと思う。
○篠田委員長 山口君、それは秋山総裁に質問されたらどうですか。そういうことは会計検査院長の職分じやないと私は思う。
○山口(武)委員 これは結論について問題にしている。 それについてはどうなんですか。
○佐藤証人 私ちよつと聞き落したのですけれども、恐れ入りますがもう一ぺん……。
○山口(武)委員 あまり無礼なことを言わぬでください。
○佐藤証人 それでは聞き得た範囲で申し上げます。回送会社は直営が三〇%、下請が七〇%、私どもの調査ではそういう関係でありまして、塩回送会社がもちろん下請に相当部分を出とておりますけれども、まるつきりやつておらぬとは考えておらぬ。
○山口(武)委員 しかしあなたの話の通りだといたしましても、この塩回送会社というものが運送ブローカーの性格も持つて七〇%の下請をさせている、こういうところに問題が起つて来る本質がありはしなかつたか。検査院が単に不正だけの事実を調べたとしても、あなたたちは問題のさらに裏にあるもの、底にあるもの、こういうものを見きわめられて結論を出さなければならないと思う。これは検査院会議の責任じやないか。こういうことになつて来ますと、これはこういうような操作の不手ぎわというような言葉で表現されることにならないことになるじやないか、こう見ている。
○佐藤証人 私の方の対象といたしましては、賃率の調整という点をついているのでありまして、今お話の点は操作の不手ぎわという中には入らないと思います。これは結局公社を検査しているのであつて、回送会社というものは間接になるので、当時検査権限を与えておりませんので、こういう点は検査の直接の対象とはなつておりません。こういう事情であります。
○山口(武)委員 会計検査院の任務ということには、単に不正の摘発、不正を見つけたりというだけではないと思う。これは政府の行政に関して改善すべき事項があつた場合には、関係官庁に対してこれを改めるように要求する、こういうような権限もきめてあるはずであると思う。そうだとすると、この塩回送について問題が起つたということの本質を見て来ますると、日本塩回送会社というものに対して、しかもそれが運送ブロ—カー的の会社に対して一手に委託した、こういうことに問題の本質がありはしないか。これをなぜあなたたちはきわめられなかつたか。こう言つているのだ。
○佐藤証人 今の点は、要するに検査を実質的にやれ、形式的な検査でなしに実質的にやれということで、しごく御同感でありまして、私もそういうふうにさせているのであります。しかしながら先ほども申しました通りまだそこまで手がまわらなかつたのは遺憾な点であります。
○山口(武)委員 報告は全部出ていると思う。事務当局でつくつた報告をわれわれは見た。それによりましても、その判断の上に立つてあなたたちはそういう結論を出せるはずである。しかも運賃率の適用を誤つた、こういうことを言つておるのでありますが、運賃率の適用を誤つたのじやないですよ。それから回送運賃の調整の処置が遅れた、こういうことをあなたたちは言つておりますが、こういうことは回送運賃の調整の処置が遅延したいということでなく混乱していたのです。これができなかつたのです。現在なお、できたとは言つているが、実際を見ますると伝票は焼かれている、帳簿の整理ができてない、こういう状況でわれわれはどうあつてもこれが遅延したものであるという単純なことには見られないのですが、あなたたちの認識はやはり単なる遅延であつたと考えられるわけですか。
○佐藤証人 賃率の調整が遅れたというように解釈しているのであります。
○山口(武)委員 それは確信を持つて言い切ることができますか。
○佐藤証人 さようであります。
○山口(武)委員 それでは私の方から申し上げましよう。塩回送会社の経理課長に聞きました。できないというのです。帳簿の整理がなくてできないのです。伝票が焼けてるというのです。
○篠田委員長 ちよつと山口君に申し上げますが、これは会計検査院法というものがありまして、検査の範囲は、第二章の第二節に検査の範囲というものがきめられておるのです。そういう契約の方法とか、そういうところまで会計検査院というものはタツチできないということになつておるのです。あなたの御質問されておることは、会計検査院長に聞くということよりも、むしろ専売公社の当事者に聞くべき質問を会計検査院にしておられるように私は聞いておるのです。ですからその点をもつと注意してもらいたい。もし御希望であれば会計検査院法という法律がここにあります。検査の範囲というものがありますから、読んでもけつこうです。
○山口(武)委員 わかつてます。(簡単にしてくれ」と呼ぶ者あり)簡単にしてくれつたつて、そんなに簡単にできないよ。
○篠田委員長 いや質問されることは長くてもいいが、あとから総裁が見えますから、公社そのものにすべき質問を検査院長にされても困りますから、それを注意しているのです。
○山口(武)委員 それからさらに公社の状況を聞いてみますと、調整に当るために実情を調査する係官もいなかつた、このようなことを言つておる。現在まだ係官も存在していないというのです。当時もいなかつた。それで問題がどうして解決できたかというのです。
○佐藤証人 われわれの方の注意もあり、また向うの自発的な関係もありまして、塩の回送につきましては特別の部を設けたと聞いておりますが、それにもかかわらず何もやつておらぬかどうかということは、ちよつと私疑問に思いますが、いかがなものですか。
○山口(武)委員 あなたは疑問に思われるといわれるかもしれませんが、これはきようまでの当委員会の調査によつて明らかに証言されたことなのです。それでもなおあなたはこの問題については誤りを是正した、あるいは不当を是正した、こう言われるのですか。
○佐藤証人 私の方としては契約上剰余金を公社に納付させればこれで一応問題は片づいた。その是正が非常に遅れて、会社にも関係者はほとんどいないし、公社の方でも投げやりだつたということは、新しいので——そういうことは非常に遺憾でありますが、とにかく金を納めたということであれば是正したというふうに考えております。
○山口(武)委員 そうすると会計検査院は、単にその事柄の問題だけを見ただけであつて、しかも私たちの考えからいいますと、正確には見てないわけですが、この会計検査院法に規定されておりますところの制度または行政に関して、改善を心要とする事項があるかないか、こういう問題については考慮は払われていないのですか。
○佐藤証人 払つております。向うの機構が足らぬときは、ここの機構が足らぬから、もう少し考えて十分の働きができるように、たとえば今申し上げました働きをしておらぬというお話ですが、塩の輸送部を設けるというふうな重要な問題について、機構が不十分である結果起る問題については、適切な注意を与えておるつもりであります。
○山口(武)委員 この専売公社の今回の問題については、これを与える必要を感じなかつたのですか。
○佐藤証人 感じておりますし、すでに主務課長が注意をしたものと思つております。
○山口(武)委員 あなたは先ほど公社に十分注意を与えたということを証言されておりますが、どのような注意を与えたのですか。
○佐藤証人 その注意は私直接与えておりませんから、どのような注意を与えたということは申し上げかねます。が、各検査の局なり、局長なり課長から、直接過去のあやまちを改めて、将来そういうことは繰返さないような、適切な注意はその他の場合にも与えておるのでありまして、同じような意味において与えておると思います。
○山口(武)委員 与えていると思いますというのですか。
○佐藤証人 さようでございます。
○山口(武)委員 そうしますと先ほどあなたは公社に十分の注意を与えたからと言われたのは、これはあやまちですか。
○佐藤証人 それは私が直接与えておりませんから、言葉としては不正確かもしれませんが、事務総局は与えておるのであります。
○山口(武)委員 他人がやつたから思うという言葉を入れたと言われますが、しかし与えたかどうかということは当然検査官会議で問題になる重要な事柄なのでしよう。しかも与えたとすれば、このような点について与えたというような報告があなたのところへ来たわけでしよう。
○佐藤証人 とにかく先ほど申しました通り、非常に会議が多くて、件数が多いものですから、はつきりした記憶はありませんけれども、従来のいきさつから考えて、注意を与えたという報告は受けたろうと思います。
○山口(武)委員 そうすると先ほどの公社に十分の注意を与えたという証言は、根拠の薄弱なものですか。
○佐藤証人 公社に注意を与えたということは確かであります。ただそれを私が直接与えないので……。
○山口(武)委員 大分食い違うじやないか。
○佐藤証人 注意を与えたという報告を受けたので、私が直接与えてないから、ほんとうに与えたかどうかということは公社に聞いてみなければわからぬ、そういう意味で与えたと思う。だからおそらく与えたのだろうと思います。
○山口(武)委員 しかしその注意事項というのは、会計検査院としましては、きわめて重大な仕事であり、どのような注意を与えたか、単に公社に与えた注意でなくて、それが官庁全般に対して共通点を持つていはしないだろうか、あるいはそれが問題の本質になるような問題ではないか、こういうことがあるとしますと、会計検査院の三人会議におきまして、重大な問題として取上げられたはずであります。しかもあなたはきよう専売公社の問題について証言するためにここに臨んでおられるわけですから、そのような不明確な証言というものはないと思いますが、なぜそういう不明確な証言をなさるのですか。
○佐藤証人 何しろ約一年前のことでありまして、記憶があまりしつかりしておらぬから、そういうふうにお耳に達したのだと思います。
○篠田委員長 山口君、会計検査院長は直接与えないで、組織を通じて与えた、しかしどういう注意を与えたかということは、自分直接で与えないのでわからないので、そういうふうに言つたのだという点を証言しておるので、これで了解できませんか。もう二時になりますし、あと証人を呼んでおります。食事もしてないのです。同じことを何回も繰返すということは時間の関係上先ほどから注意を申し上げておる次第でありますから、少し考えていただきたいと思います。
○山口(武)委員 それではまあよいでしよう。
○加藤(充)委員 まず本質的な方からやりますが、諸般の事情を考慮してあらゆる角度から検討する必要があつて、そういう立場で国会に対する報告書をまとめ上げたという、ところがそれを具体的に聞いてみますと、まずこの問題は国税当局が手をつけた問題だからということであつて、そのあとは明確じやありませんけれども、手控えをしたとか遠慮すべき仁義になつておるとか、そういう習慣があるというようなことであつたと思うのであります。ところが国税庁が手をつけましたけれども、調整金の返納ということで、だれが見ても明らかに脱税のはずの問題が、脱税ということにならずに、一応チヨンになつてしまつた。大蔵省の予算運営との検査のやり方については、明らかにあなた方の職務権限の範囲だと思うのでありますが、ところがそういう態度で処理をしていたために、脱税の問題、従つて大蔵省の運営の問題は消えてしまつたし、またそういう処置を大蔵省がやつたために、検察庁方面でも、積極的に事件の発展をしなかつたような証言もあなたからありました。私はこういうことがあらゆる角度から検討するという内容になつてはならないと思います。それからまた権威をもつて報告する報告書であるから、相手方の立場を考慮する必要があつて、それで今当委員会で問題になつているようなあなたの会計検査のやり方があつた。とりわけそれが国会に対する検査報告書にまとめ上げられて今問題になつています。そこでお尋ねするのですが、権威をもつて報告するのだから、相手方の立場も考慮する必要があるというのですが、あなたも国家機関であり、特別の権能と職責を持ち重要な責任を持つておる。しかも検査を受けた相手方というのも、これも公社とはいえ、国家予算の上に大きな関連を持つておるものである。だからあなたの権限の中に加えられておるわけであります。相手方の立場も考慮するということの中に、一元化された国家の権威というのも、決して紙に書いたいばつた演説じやございません。国民がこの重税負担の中で血税を納めているのであります。この国民の血税の苦しみというものに対して、あなたは国家機関として権威のある職責を全うしなければならないのであります。ところが相手方の立場も尊重するということで、国民の立場が無視されて来てしまつているという結果は、否定すべくもないのであります。その点で諸般の事情を考慮して、あらゆる角度からあなたの会計検査が検討されるということについて、いま少し詳細にわれわれの納得行く程度の御説明をぜひ承りたいと思います。
○佐藤証人 相手方の立場を考慮してという意味が、私の申し上げました気持と、お聞きになつた気持との間に、多少開きがあつたのじやないかと思います。と申しますのは、全部の検査官がみんなそうだというわけではありませんが、検査に行く者が、場合によりますと、ある事件をつかまえて、頭から相手方は悪いのだということで、相手方の弁明等を十分に聞かない場合があるのです。そういう事件が若干あつたのです。相手方の立場を考慮してというのは、相手方に言いたいことは全部言わせて、しかして後になおかつ相手方が間違つておるかどうかという問題であります。去年もありましたが、あれは倉庫の問題でありましたか、いわゆる検査の相手方というものが、十分に説明すれば問題にならなかつたのを、実は検査に行つた人があまりいきり立つているものだから、つい言えなかつたという場合があります。あとから聞いてみますと、実はこういうわけだ、それじや君の方の主張が通る、どうしてそう言わなかつたかといつたわけでありますが、そういう意味で十分相手方の主張を聞いてもらいたい。検査官会議としては、相手方としてはこういう弁明ができるのではないか、その点はどう検討したかということを言います。そういう意味でありまして、今おつしやつたような意味で相手方の立場を考慮するというのでは、ちよつと誤解になりますが、もし私の言い方が悪かつたなら訂正しておきます。
○加藤(充)委員 これ以上言つてもしかたないからやめますが、あなたの検査の対象の相手方は個人では決してないということです。私は言葉じりをつかまえるのではありませんが、あなたのいわれた相手方の中に、あなた自身おやりにならなくても、会計検査の仕事の対象として、あたかも検査を受ける相手方のたまたまのその人間個人が問題になつて、それで飲まされたり、あるいは丁寧な言葉を使つたりされるとなまけて来る。あるいは少し硬骨の態度をやればしやくにさわつたりする。こういうような相手方という考え方、扱い方があつてはならないのである。私はもう議論はいたしませんが、検査のやり方に対して弁解は十分聞くべきだということは言われるまでもないのであります。そういうような弁解も聞かないというやり方こそ官僚主義でありますが、しかしやつた結果を見れば、弁解は聞いたけれども、弁解だけ聞いて来て、しかもそれは一通り実際に適切に検査すべき資料とか帳簿の点検とかいうものについては、十分やつていなかつたということですね。それは人手が走りなかつたからできなかつたということを逃口上にしておられますが、こういうところに私は問題があると思う。 それからもう一つ、検査のやり方もそうですが、検査をやつた結果についての処置です。それは私がなまいきに言うまでもなく、いろいろな処置をすべき職責をうたつております。三十一条にも三十四条にもそのことが書かれておる。このことについては、山口委員からも、あるいはその他の委員からも言われましたが、あなたはやはりその処置について十分な会計検査の職責を果すべき十全の処置をしていなかつた。十全ということは神に求めるべきであつて、人間に求めるべきじやないというお答えがありそうですが、私はそういう意味で十全と言つているのじやなくて、きわめて看過すべからざるところの不十分さをわれわれはここで発見した。問題なのは報告書であります。万全な権限の運用による職責を果す立場からは、もつと報告書の中に盛られる量が、あるいはその量を通じてこの検査を受けました専売公社のこの事案の性格というものが、明らかにできたはずだと思う。明らかにできたはずのものが、そのままの姿で私どもの国会に出される報告書の中に記載されぬならば、その報告書というものは無用の報告をやつたにひとしいのである。私は厖大な報告を出せというのじやありません。しかし厖大なものというのじやありませんけれども……。
○篠田委員長 加藤君に申し上げますが、御意見はあとまわしにして質問していただきたいと思います。
○加藤(充)委員 そういうことであなたの方の報告書というものはきわめて不十分である。田淵委員も言つたように、ああいう一つの質量と、ああいう一つの摘出のやり方では、国会に対する冒涜である。国会に対する冒涜ということにならなくても、会計検査院として果すべき職責を、あの報告書は果しておらぬということがあつたのでありまするが、こういう点について、あなたのいわゆる三人委員会で、下からの報告書は量質ともにもつと気のきいたものであつたことは明らかでありますが、ああいうようなものにまとめ上げてしまつて、これが国会方面で問題になると、あなたはその当時お考えにならなかつたというが。お考えにならなかつたとすれば、その理由をお聞かせ願いたいと思います。
○佐藤証人 先ほどの話に、ちよつと私の言い方が悪かつたかもしれませんが、相手方というのはこういうわけであります。相手方の役所を検査するのだが、同時にその役所の会計処理をする職員にも関係するのでありまして、現に予算執行職員の責任に関する法律ができまして、その処理が悪いと、その人は弁償責任を負わなければならないのです。そういう意味において相手方という問題も起るわけであります。 それから次の問題でありますが、これは先ほど来何べんも申し上げているのでありますけれども、検査報告に掲げた程度でわれわれの方としてはいいんだと思つてやつたのであります。これについては先ほど来いろいろ御批判がありました。その点は将来なお御意見を参酌して行きたいと思います。
○加藤(充)委員 制度としてのあなたの方の機関が独立性を保障されているということはあくまでも尊重されなければならないことだと思います。しかしそこから国会に出される報告書が当を得なかつたということについて、あなたの方の責任が少しも軽減されるものでないことは知らなければならないと思うのです。これは意見じみて来るかもしれませんけれども、よからざる報告書を出すということは、報告書を提出しなかつたということと責任上は同じなんであります。そういう点で、今ここで国会が問題にいたしておりまするときに、あの当時はあなたはそれでいいと思つたけれども、今になつてふり返つて見るならば、あのような報告書で今後もああいうやり方でいいというふうにお考えなのか、その点を……。
○篠田委員長 私も席をはずしておりましたが、先ほどもそのやり方についてはいろいろ批判もあり、また考えるべき点があるから、その点は自分の方も足りなかつたということをここで証言されたんじやないのですか。そうだとすれば、もう同じ問題になると思うのです。先ほど来山口委員にも申し上げましたが、二時になつておりますし、証人もひる飯も食つておらないし、あなた方もわれわれもそういうわけですから、同じ質問であればすでにもう陳謝という印象を与えるまでやつておられるのですから……。どうでしようか。
○加藤(充)委員 私は始まつてまだ十五分くらいしか質問しておりませんが、時間の問題ではございませんが、ああいう報告書でいいか悪いか、十分であるかどうかということについて、一般的に陳謝いたしますというようなことはありましたけれども、報告書の盛り方などについてはまだ私は聞いておらなかつたと思うのであります。簡単なことだから、答えさしてもらつたらいいと思う。
○佐藤証人 あの報告は、作成した私たちとしては、あの当時あれでいいと思つたのでありますが、先ほど来たびたびお話もありましたように、あれじやわからない、検査の目的を達しないのじやないかという御意見もありますので、その御意見を十分尊重して将来の検査報告を作成したいと思います。
○加藤(充)委員 先ほどほかの委員の方から、会計検査制度というものに対する立法政策的な質問がありましたけれども、私は将来会計検査をどうするかというような問題もさることながら、当委員会は、現行制度の運営の上にきわめて重大な不十分さ、あるいはその運営の不当を明らかにすることが問題だと思うのであります。こういうふうな問題は専売公社の腐敗だけじやなしに、その腐敗が今日まで明らかにされておらなかつたということ、会計検査院制度がありながら、それを十分に果しておらないということ、これは私は単なる偶發的ないわゆる不祥事件ではない本質を持つていると思うのであります。大体に言つて、先ほど最初にお尋ねしましたように——これは習慣であるから、あるいは相手方の立場もというようなことも言つております。これを詳しく分析したり質問したりすることは遠慮いたしますが、やはりこの官僚の制度のなわ張りあるいは高級官僚の仁義立て、顔の問題、こういうようなものが会計検査院制度の運営の中にも歴然と残つていること、ここに問題の禍根があるということ。従つて私どもはここで、ほかの委員も言いましたから、また委員長の注意があると思うから遠慮いたしますが、やはり三人会議の運営の問題、それから会計報告書のまとめ方の問題、ここに私は会計検査院制度が内閣に独立といい条、その反面実質上独立はしておらぬ、しかも独立したという制度の中にいわゆる会計検査の盲点がありまして、二つがからみ合つて今日の不祥事件を起していると思うのであります。大体今のような会計検査院制度、国会が責任をもつて推薦をし承認を与える検査院長ではありますけれども、結局官僚が官僚を……。
○篠田委員長 加藤君に申し上げます。けれども、あなたの御意見を聞いているんじやなのです。証人を尋問しているのですから……。さつきから聞いていると、あなたの意見ばかり発表している。証人の答え悟わずか一秒か二秒、せいぜい多くても十秒くらいで、あなたの演説が十分も二十分もとつている。それでは委員会というものを開いている意味がない。質問してください質問を。あなたの意見なら文書で出してください。もし御意見があれば委員長まで御提出願えば、その意見は言います。質問だけしてください。われわれも意見は述べません。質問ばかりしております。委員長も何箇条かにわたつて言いましたが、決して意見は述べておりません。質問をして多少の意見が加わることも質問を明瞭にするために必要かもしれませんけれども、御質問の大部分が意見で終るということは委員会の本旨でないと思います。
○加藤(充)委員 そんなことは注意されないでもわかつております。
○篠田委員長 だからその通りにやつてください。
○加藤(充)委員 私はここで委員長と議論をするつもりはございませんが、委員長はおかわりになつたりしているから、必ずしも今席にすわつている篠田委員長だけの問題じやないと思うけれども、われわれはいま少しこの委員会の発言の整理をやるならば、飯を食わないという御配慮はもつともながら、時間がおありになつた今までどんなことで発言が続けられて来たかということについても、非常な発言の運営の不公平を委員長みずからがやつているというそしりを受けても弁解の言葉がなくなると思う。
○篠田委員長 発言の内容につきましては、後ほど速記録によりまして、もし不適当な発言がありますれば、その委員に注意をいたします。しかし先ほど来申し上げましたように、まだあとにもう一人証人が控えております。その証人は一時に呼び出して、またこれで一時間以上待つております。そこであなたの御質問に対して制限を加えるという意味ではございません。質問になつている部分がわずかであつて、あとはみな意見の開陳である。そういうことではまことに委員会として不適当であるということを申し上げているのであつて、他の委員がもしそういう発言をしておれば、私は速記録を見ましてその委員に注意いたします。
○加藤(充)委員 それでは最後にお尋ねしますが、いわゆる三人委員会の決定、それから国家に対する報告書、こういうようなものがあればよかつたと考えるのはよほど検査院の最高責任者としてのあなたの立場に問題があるように思う。こういう事柄は、やはりこれだけ大きな血税のまわし方なのでありますが、そしてまた役人が役人を監察するということのむずかしさ、歴史的、制度的むずかしさもよくわかりますが、過去の憲兵制度や軍法会議が、軍人の特権を擁護する機関になり終つたというようになつて来たことは疑いないところであります。それで、あなたがこれでいいと思つたのは、理論的に思つたのであるならば今申し上げたように問題であるが、理論的にではなしに、事実上こういうような報告書や、こういうまとめ方をしても、どうせこれだけの血税がまわるところにまわつて行くものであるから、事実上は問題にならぬで済むだろうというような、なまぬるい考え方があつたのではないかと思うのであります。予算はますます大きくなります。血税はますます強くなる。そのときに今の警察予備隊や海上保安庁の不正腐敗、ああいうものの中に、今申し上げた点で、どうせ事実上は問題にならないだろうからということで、あらゆる角度から万般の検討をした上でなんと言つて、検査をやつたりあるいは報告書をまとめ上げたり、あるいは会計検査院が、それで万全じやないけれども、責任を果されるというようなことを考えておつたりしたのでは、とんでもない間違いだと思うのですが、この点については田淵委員からも陳謝をするかと言われて、あなたは陳謝すると一片の言葉は述べたけれども、その言葉だけでは満足し切れない深い罪質を運営の中に持つておると思う。この点をあらためてあなたからはつきりと承つておきたいと思います。
○篠田委員長 ちよつと申し上げます。すでに証言をされて、不十分であると言つて陳謝された以上、さらにその意見を聞くということは行き過ぎであると思います。でありますから、もしそういう意見をあなたが特に聞きたいというのであるならば——ぐるぐるまわりをしていてはいくらたつても際限がありませんから、特にそういう意見を聞きたいというなら、加藤君から委員会に何か書類を出してもらつて、私の方で聞きましよう。ここはとにかく証言を求めるのでありますから、一応その問題について陳謝した以上は、それ以上追究するということはどうかと思います。 他に御発言がなければ佐藤証人に対する尋問はこれにて終了いたしました。証人には御苦労さまでした。午後は二時四十五分から再開いたします。 暫時休憩いたします。 午後二時十三分休憩 ————◇————— 午後三時一分開議
○篠田委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 日本専売公社関係事件について調査を進めます。ただちに秋山専売公社総裁に証言を求むることにいたします。 ただいまより日本専売公社関係事件について証言を求むることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。 宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産姿、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁固または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。 なお証人が公務員として知り得た事実が、職務上の祕密に関するものであるときは、その旨申出願いたいと存じます。 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。 宣誓書を朗読してください。 〔証人秋山孝之輔君朗読〕 宣誓書 良心に従つて、真実を述べ何事も かくさず、又何事もつけ加えないこ とを誓います。
○篠田委員長 それでは宣誓書に署名捺印を願います。 〔証人宣誓書に署名捺印〕
○篠田委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は、証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。 証人はいつ公社総裁になられましたか、またそれ以前の略歴を簡単に述べていただきたいと思います。
○秋山証人 私は明治四十三年以来大日本製糖株式会社にもつぱら勤めておりまして、その間関係会社等の仕事にも従事いたしました。昭和二十四年の六月一日に現在の公社総裁に就任いたしました。
○篠田委員長 日本専売公社は、旧専売局当時から今日に至るまで、塩の輸送を塩回送株式会社に一手に委託しておりますが、昭和二十一年八月から二十四年十二月までの期間におきまして、日本塩回送株式会社に塩の運賃約十五億円を過当に支払つたということで、これを公社に回収した事実がありますが、これを知つておりますか、知つておればその概要を述べていただきたいと思います。
○秋山証人 ただいまお尋ねの塩回送会社に塩の回送を専売局当時から委託をしておりまして、私就任後も引続きやつておるのであります。昭和二十四年の八月と記憶いたしますが、当該係の需給課長から塩の運賃界も相当変動があつて、ただいまは——ただいまというのは当時であります。だんだん下落の途上にあるから一応運賃の改定を要すると思いますから、調査に行きたいということで八月調査に参りました。しかるに数日を経て帰つて参りまして、意外なことは、塩回送会社の帳簿の整理というものはまことに不整理であつて、所期の目的を達するには相当な時日を要する、ことに伝票、帳簿等の不整理はその極に達しているので、はなはだ残念でありましたが、整理を命じ、また経理の担当者もはなはだ少くてとうてい短時日にはあれは整理はできまいから、担当員の充実をはかつて至急に整理をするようにという申しつけをして帰つたということでありました。私もそれを聞いてはなはだ意外に思つたのでありますが、やむを得ないことであろうと思いますから、その言を聞いてそれがよかろう。——その後に十月に参つて、このたびは完全に調査ができるものと私は期待しておりましたけれども、これまた大した整理もできない、非常に厳重に申し渡しはしておりますけれども、整理は格別進展をしておらない、しかし当時の報告によりますと、一億六、七千万円と思いますが、これはどうも過当な支払いのようになつておりますからこれは回収したいということであつたのであります。その後大阪の国税局が会社の納税上のことから調査を進めて行くと、意外にも多額の預金を持ち、相当な利益を上げているというような報告を聞いて、私も実にびつくりしたのでありますけれども、これはなかなかよつて来るところはいろいろな事情でそうなつたのだと思いますけれども、はなはだ意外なことであつて、これの調査をいたしまして、会社との契約上不当な場合にはこれを調整するという一項によつて、これを全部公社に取上げるがよかろうというようなことに相なりまして、そういう措置をとりました。
○篠田委員長 そういう事実をあなたがお知りになつたときに、日本塩回送会社はこの過当利益金を隱匿する意思があつたものであるとお考えになつたかどうか。
○秋山証人 私も多年民間事業に従事いたしておりましたが、私の常識から申しまして、まことに了解に苦しんだのであります。しかるに当該係の者が百方調査もし、かつまた尋ねもした結果は、当時まことにふに落ちないことが多々ありましたが、係の見るところは、別に悪意を持つて隱匿というようなことはないようであるという報告はありました。しかし私はその点においてはまだ今日に至るまで釈然とはいたしておらないわけであります。
○篠田委員長証人 この事件の関係者に対してどういう責任を問いましたか。
○秋山証人 当時原現社長が就任をせられました。この社長も前のことは詳しくはないようでありますが、しかしながら公社と契約をしておる運送会社として、さような経理は、たといそれが作為はなくとも不正であつたということは免れない、責任をとるのが会社重役としては当然じやないかということから、社長に会社の重役の改組を慫慂したのであります。会社としても大荷主たる公社の意はもちろん尊重してしかるべきものとして、私はそういうふうな措置をとつたのでありますが、社長も専務以下常務は解任をするというようなことを私には回答しておるのであります。しかるに当時の神戸支店長でありますか、森田取締役はしばらく会社の席を離れることを猶予してもらいたい、こういうような話がありました。それはどういうことかと申しますと、自分は新任であるが、社中の統卒上、また株主の意向もある程度尊重しなくてはならぬのだから、現業には携わらせないけれども、いろいろな事情もあり、私の仕事をやつて行く上において便宜になるから置いてもらいたい、こういうふうな話で、これは無理からぬこととも思いますから、多分そのうちには解職をするだろうということで、今日に至つておるのであります。その間その私に対する言葉を貫いたことにはならないので、数回私は社長に忠告をしておるのでありますが、どういう都合でありますか、まだ今日まで在職しておるということを聞いて、実は私もはなはだ意外に思つております。
○篠田委員長 森田君もこの前ここへ来まして証言をしたのですが、森田君は井上、吉田両重役がやめたから自分も道義上やめることにした。しかし株主が平取締役としてぜひ留任しろというので留任しておる。しかし自分の心境からいうと、二人も何のためにやめるべきであつたかわからない、こういうことをこの委員会で森田君は証言をしておるわけであります。しかしその整理の跡を見ますと、塩回送会社の重役三名のうち森田君はそういうふうだし、あとの二人ももちろん子会社の重役として就任しておる。それから森田君もまた塩回送会社から数百万円の金を出している子会社の社長を兼ねている。しかもそういう責任をとつた人に、井上重役に対して百万円、吉田重役に対して七十万円という退職手当を出している。これじや責任をとつたことになるのかならないのか、実はわれわれの方としてもちよつとふしぎに思つているのですが、あなたのお考えはいかがでありましようか。
○秋山証人 ただいま委員長のお話の解職慰労金の金額等については——私はなるべく会社の内容には立ち入らないと考えておりましたから、金額の高ということは私聞き及んでなかつたのでありますが、この席上でさような証言があつたということをほのかに承りまして、実は私も意外に思つておるのであります。それから関係会社に就職するということについては、社長に人事のことにおいて若干何かの考えがあると思いますから、その点は私ははなはだ緩慢であつたかもしれませんけれども、見ないふりをしたということでありますか、そこまでは要求はしなかつた。
○篠田委員長 これはあなたの方から見ると、大体において誠意を尽しておられるようでありますし、そうかといつてまた一面からいうと、深入りしておられない、適当な処置を向うの良心に訴えてやらしたというふうに聞えるのですが、しかし一方この会社側の方から聞くと、そういう人たちは公社のかつての関係者であるというので、必要以上に専売公社との関係を心配して遠慮したのではないかどいうふうにも見られるのですが、その点はどうでしようか。
○秋山証人 私はその点につきましては、専売公社は私になりて以来は会社に何の注文もせず、何の世話にもならず、また特別な世話はしておらないので、さような考えは私はないと思つております。またそういうことはあつては相ならぬと思つております。
○篠田委員長 友藤課長が二回も調査に行かれた、しかしその結果発見できなかつた。これはもちろんあなたのさつきの証言によつて、伝票も帳簿も見せておるということでい友藤課長としてはあなたに非常に詳しく報告しているようですね。あとで国税局が発見できるものが友藤課長に発見できなかつたという点については、どういうふうにお考えですか。
○秋山証人 私の考えるところによりますと、主として預金の調査が不十分であつたのだろうと思います。この点につきましては国税庁に専売公社は、いかに荷主といえどもおのずから調査の権限も違うのじやないか、その当時私は友藤に責めたのでありますけれども、私には銀行の預金まで強制的に調べることはできなかつたということを聞いたように思つておるのであります。
○篠田委員長 塩回送会社は大部分塩の輸送を自分でしないで下請をさせておる。その下請がまた下請をさせて、しかも一千万円という利益を塩回送会社の下請が上げておる。こういう事実から見て、塩回送会社というものの性格は何か歴史的な存在理由がある、あるいはまた何らかの習慣によつて必要はあつたかもしれないけれども、今日から見るとほとんど七〇%がトンネル会社であるという点から見て、この塩回送会社に対して公社は将来とも現在と同じ状態で塩の輸送を一手にさせるつもりであるかどうか、それをちよつと承りたい。
○秋山証人 私はただいまの非常に乱脈な整理をしておるという一事からだけでも、この問題はいまだに私は解決しておるとば存じておりません。それにつきましては、いろいろ社内におきましても調査をいたしております。とりあえず対内的の関係を持つ輸送機関というものを会社においてこしらえる方がよかろうということから、まだ外部に発動しない前にまず自分のからだを整備しようということから、実は輸送部というものを設けまして、賃率の改訂、その他尋来に対する工作というものにつきましては調査中であります。ことにこの委員会のお取上げになつたという時期は、もう数箇月前でありまして、その後は、私は特にあわててこれを改訂するということが、何か心境を疑われるような気がいたしましたから、全部そういうようなことは、今日においてはストツプしております。しかしこれをもつてこの塩輸送会社との関係が正常に復したとは毛頭存じておりません。
○篠田委員長 専売公社では、タバコの製造用の資材、その他物品を購入するにあたつて、日本専売公社会計規程第五十一条に「公社の結ぶ契約は、すべて公告に付し、一般競争によることを原則とする。」ということがありまして、実際問題としては、いろいろな都合もあると思いますが、ほとんど全部が随意契約であつて、この原則が守られている部分がわずかに三%であるということを、経理局長でありましたか、製造局長でありましたか、証言されておる、この点についてどういうふうにお考えになりますか。
○秋山証人 専売公社の仕事が特殊なタバコ製造であるということは、私もよく存じておりますが、ただいまのお尋ねの建前は、競争入札ということが本来であろうとみずからも信じております。しかしなかなか戦争中から今日に至るまで、物資の購入その他につきましては、不如意の点も数々あつたように聞き及んでおりますが、しかしこれは私は門戸は広く開放すべきものという考えから、でき得るだけ一般の人に専売公社と取引が開始し得るような方式に改めて行きたい、こういう考えを現在は持つております。
○篠田委員長 随意契約によるため、相手方の選定が情実に流れる、そのために非常に割高のものを買つておるというようなことはあると思うのです。たとえば日本装器会社というのがありますが、これはタバコの輸送箱をつくつておるようでありますが、この委員会でも調べたところによりますと、この会社は、資本金が初め二十万円で二十三年に設立されている。二十四年八月に百万円、二十六年、ことしの四月に二百万円、しかも現在重役を含めて七名の従業員は、全部社長以下専売局の退職者というような状態で、毎年非常に多額の箱の、吉原式というものの注文を受けているが、しかもそれを自分のところで一つもつくらないで、全国二十八の木箱製造業者にこれを請負させてそのさやをかせいでおる。これに対するいろいろ証言もありましたが、こういうことは結局その箱をつくつて——適当なものをつくれるかつくれないかということは、ここで議論する余地はありませんけれども、非常におかしな話で、専売公社を出たものが七人でもつて、社長から社員までやつておる。そこに年々何千万円かの注文が発せられて、これが全国二十八の木箱業者に下請させておるという事実を見ても、私はこういうやり方は、非常に情実的であつて、専売公社関係以外の者からは、物を買わぬという世間の批評はこういうところで裏書きしていると思う。こういう点について、あなたはどうお考えになりますか。
○秋山証人 吉原式の木箱につきましては、この委員会においても担任者から詳しく説明があつただろうと存じますから、その点は申し上げませんが、今お話のように専売公社のかつての従業者がそういうような関係を専売公社と結ぶということにつきまして、世間の批判を受けるということは、まことにもつともなことと思うのであります。しかしながら特殊なものにつきましては、またこれは一面やむを得ないこともあるのではないかというのは、私は少し冗長にわたるかもしれませんが、お聞きを願いたい。ずつと古い昔はいずれにしても、私朝鮮事変以後における物資の配給面につきましては、非常に心配をいたしまして、最も大きな木材関係のものにつきましては、なるべく回収のできるものを使うがいいじやないか、従つて吉原式というのは数回回収をして、結局一つ当りの単価が非常に下るのでありますから、そういうことにつきまして配慮の結果、私は担任者のいずれは別としても、ああいうような特殊なものは使つて行きたいと思います。しかし大方世間の批判を受けるようなことにつきましては、私今後できるだけ改めて行きたいと思つております。
○篠田委員長 昭和二十五年度の専売公社の予算が、年末に行つて約一億円ほど残つた、これでもつて本社建築用の資材、鋼材とかあるいはセメントを購入する、こういうことのために実際購入したようであります。これはまず第一にお聞きしたいところは、三点あるのですが、消耗器材費が施設費にまわされるということは、これは一種の予算の流用にならないかということが一つ。次に資材の購入をする場合に、セメントとかあるいは鋼材というような特殊的なものでないものは、競争入札によるべきものではないか。いま一つ、新光鋼材に五千五百万円を前渡しして、鋼材を買うことになつた、ところがその新光鋼材の責任者は、これを持つて、全部ではないけれども、そのうち一千万円を持つて、北海道へ豆を買いて行つておるというような事実がありまして、先般来この委員会で調べた結果、全部それが明らかになつておる、こういう点について、まず第一に消耗器材費が施設費に流用されるということがどうか、器材の購入は当然一般入札によるべきじやないか、あるいは現金を五千五百万円も前渡しするということは、一体どういうことであるか。半額渡してあと半額は代金決済というようなことはあるかもしれないが、全額を渡してしまつたということはどういうことか。この三つについて。
○秋山証人 消耗器材費が施設費に流用されたというお尋ねでありますけれども、当時、ただいま申しましたように、朝鮮事変ということから、私は非常に資材の面において不安を感じまして、備蓄をするということを各方面に命じましたために、鋼材を買う、あるいはセメントを買うということに至つたのでありますけれども、これは特殊な用途をきめて買つたのではなくて、大体において広汎な仕事をいたしておりますから、鋼材にしても、セメントにしても、なかなか買えないじきが来るということを考えて、消耗器材費を使つて買わせたのであります。これは私は流用とは存じておりません。 それから恐縮でありますが、二番目のお問いは……。
○篠田委員長 そういう一般的の資材の購入は、当然競争入札によるべきであるという………。
○秋山証人 当時の情勢からいたしますと、なかなか一般的にこれを買うということはできなかつたのでありまして、おそらく担当者は一般入札を求めたのでありましようけれども、これは不可能なのであります。ために競争入札はできなかつたという特殊な事情があるのであります。 それから前渡金につきましては、担当者は検収ができたということで、上司にも報告をし、私どもにもそういうことを申しておるのでありまして、その間において担当者に多少の欠点があれば、これは私が責任者として責任を負わなくちやならない、こういうふうに考えております。
○篠田委員長 専売公社では消耗器材費の中から交際費を出しておる。これは前に経理局長の証言では、そういうことが従来慣例的に認められておるので、流用にならない、こういうことを言つておるのです。しかし交際費という費目があるのに、なぜほかから交際費をとつて来るか。それから慣例として消耗器材費予算の中に積算されておるというが、一体慣例というものはごまかしでも長い問やつておると慣例になるのですが、この点についてあなたはどういうふうにお考えになりますか。
○秋山証人 交際費の費目はあるのでありますが、これは四十五万円で、もつぱら私がこれを使つておるのでありまして、本社及び十七、八の地方局等に対しても、交際費というものはないのであります。しかし仕事の上から申しますれば、ことに戦争後においては、いろいろしきたりも従前とはいささか違つたのではないか、会議をするといつて、会議も相当開きましたし、また外部との折衝においても、必ずしも官庁並のようなこともできないということから、消耗器材費を使つております。消耗器材費はやはり会議費というようなものに使うという積算はあるのでありまして、必ずしも私はごまかしではないのじやないかというふうに考えております。
○篠田委員長 そうすると消耗器材費の中に会議費とか接待費というものが予算化されておるという意味ですか。
○秋山証人 接待費というと非常に広汎になりますが、まず会議費及び食糧費そういうものを見てある、こういうことであります。
○篠田委員長 専売公社は二十四年度にタバコ製造工場あるいは葉タバコ再乾燥場というものに火災保険をかけまして、その保険金額約七千万円を支払つておる。しかし先日もここで経理局長が証言されたようですが、関東の大震災と今度の戦災を入れても、その被害が二千万円にならない。保険料をとり得るものは、この三十年間にわずかに百九十万円ぐらいのものでありますが、こういうものに対して、公社になつたからといつて、火災保険をかけて七、八千万円もの火災保険料を払つたということは、どういうふうにお考えになりますか。
○秋山証人 専売公社が完全な独立企業体であるとすれば、私は火災保険をつけるのがほんとうであろうと思つております。しかしながら今お話のように、実際の損害の実績から申しますると、火災によつて失われたというものはまことに僅少なものでありまして、ことに現在のごとく予算制度でやつておるうちは、私は必ずしも火災保険をつけなくともよいのじやないかというふうに考えております。
○篠田委員長 それをつけたということは、代理店の中に専売公社の、たとえば専友社であるとか、そういつた専売公社あるいは専売局をやめた人たちがたくさん重役をやつておる、あるいはまた代理店の幹部をやつておるというような、専売公社との特殊的な個人関係からそういうふうになつたのじやないのですか、その点はどうですか。
○秋山証人 私はただいま申し上げたように、大月に就任いたしまして、実はどういう人がどういう会社の関係者であるかということもよく存じませんでしたが、経理局長には、これは自家保険でもよいではないかという話をした記憶があります。しかし自家保険というものについては、なかなかむずかしい法律上の問題もあるしするから、やはりこれは予算をすでにとつてあるのでありますから、本年はこの通り進めましようという進言に基いて、私は決定いたしました。しかし保険の代理店は、当時経理局長もよく知らなかつたようでありますが、代理店口銭を払つても、保険の料率というものはかわらぬというのが一つの建前になつております。でありますが、専売公社もひとつ初めてやるのだから、君ひとつやつてみたらよかろうというので、代理店の世話にならぬでもやるという決心を私はしたのでありまして、公社としては、代理店は使わないという方針で進めたのであります。しかし保険の会社が代理店を使うということであれば、それは受入れてもよかろうということで、専売公社の代理店ではないのであります。坊間いろいろ伝えられるところでは、ただいま委員長のお話のようなことも耳にせないでもなかつたのでありますけれども、結局なるべく公社としてはそういう疑いも持たれないように、断じて直接自分で代理店を使うということはよせ、こういうふうに申しつけてやつた次第であります。
○篠田委員長 もちろん代理店というのは、あなたの方の代理店ではなくて、保険会社の代理店であることは、それはわかつております。そうして六つか七つの代理店があつて、そのうち実際の実務をやつたものは一つであつて、残りのものが全部手数料をもらつている、これは調査の結果事実です。そうするとあなたの考えは、代理店を使わないというお考えであつたかもしれないが、逆に代理店というものが動いて、その保険をかけさせるように事務当局に働きかけたというようにも考えられる、この点どうですか。
○秋山証人 私はその点については存じておらないのであります。公社としては、火災保険の問題については世間からも非難はないものだ、料率についても相当やかましく折衝をした結果、料率も必ずしも私は高くない、相当低いところできめられたというふうに考えております。
○篠田委員長 専売公社の職員の中に非常に不正が多い。最近、昭和二十五年度だけでも十九件、その金額二千万円、しかもこれは支局長程度の人に多いようであります。中には裁判の確定したものもあるし、またそうでないものもあるでありましようが、ただいま国民が非常に税金——間接税ではあつても、血税を払つておる、そのタバコの売上金六百五十万円を横領しておる、こういうような事実はどういうふうに考えられますか。
○秋山証人 職員の不正問題というものは、常に私の頭を非常に刺激している問題でありまして、何とかしてこれを撲滅といいますか、そういうことの起らないようにしたいということは、私は日夜考えております。しかしながら会社としましても、相当戦後に雇い入れたような人も多い。それから下級の若い人が、ごく末端においてかなり大きな金額、また品物も、たちどころに金になるようなものも扱つておることは、まことにこれは会社として、組織上においてまずいことであるというように考えておるのであります。お説のように国民の税金をもつて経営している公社においてわずかな人によつて莫大な着服とか、そういうふうに使われるということはけしからぬということで、私も相当これについては頭を悩ましておるのでありますが、この点はまだなかなか名案と申しますか、撲滅の案がないのであります。これとてもこのままにはしておけない、あるいは組織をかえる、そういう点において目下研究をいたしております。
○篠田委員長 専売公社の業務運営上に何か障害になつている点があつたら述べてもらいたい。
○秋山証人 この問題は、私こういう仕事を初めて取上げたのでありますが、申し述べますと、相当にいろいろあると思いますけれども、大体においてもう少し専売公社に自主性を与えて、予算の運用について必ずしも行政官庁と同じでない予算組織を設けたならば、今よりはもつと専売公社も公共企業体としての成績が上るのじやないかということを考えております。
○山口(武)委員 先ほど来秋山総裁の証言を聞いておりますと、何か他人の問題であなたが証言なさつているような感じをずつと受けていたのです。日本塩回送会社との間におきまして問題があり、日本塩回送会社が運賃十五億円の不当利益金を上げたという問題につきましても、あなたは会社の方の帳簿が乱脈であつた、調査に行つたがこれがわからなかつた、このようなことを言われまして、会社側の非をあげたのはけつこうでありましたが、公社側の非というもの、欠陥というものがあげられていないのであります。この点は公社側には欠陥というものがなかつたのですか。この十五億円の不当利益金を生み出すということについての公社の手落ちというものがなかつたのですか。
○秋山証人 私はただいま申し上げたのは決して他人事として申し上げたのではないことを御了承願います。公社に欠陥がないとは申し上げられないのであります。公社といえども非常な運賃界の変動のある折には最も注意をして対処しなければならぬということは当然のことであります。その点において公社に手落ちのあつたということは私は認めます。 〔委員長退席、島田委員長代理着席〕
○山口(武)委員 そうしますと、あなたの認められるのは運賃の変動があつたということにつきまして、当初契約のとき、その変動を公社側が見通す目を持つていなかつた、この点が欠けていた、こうおつしやるのですか。
○秋山証人 見通す目ということよりは、契約したならば常にその契約の成行きを見ておつて、契約期間中といえどもこれを訂正すべきものは訂正するのが至当であるということを申し上げたのです。
○山口(武)委員 あなたはそう言われますが、相手の帳簿が乱雑で、公社として意外の状況にあつた、調べたが事態がわからなかつた、こういうことになりますれば、契約の期間中にどうこうせいといつても、事実上どうこうできないのではないですか。
○秋山証人 ただいまのお尋ねは書類が乱雑であるから会社は調べられないというお尋ねでありますが、まことにその通りでありまして、公社も当時六月に発足いたしまして、ほとんど係官の者もみな更迭をいたしたわけであります。八月でありますから、まずその間二箇月ばかりというものはまつたく検査にも調査にも行かなかつた。しかしその以前のことは私存じませんが、ともかくも運賃界の形勢を見ますると、改訂を要する時期ではないかということを判断をして、責任者は私によく調査をしたいということを申し入れたのです。
○山口(武)委員 秋山総裁のこの問題に対する釈明というものは、大体本質はわかりました。本質はわかりましたが、本質がわかつただけに、大分問題が出て来たのです。あなたは事をきわめて簡単にいわれておりますが、一体この契約というものはプール運賃で支払われている。そういうことになりますると、当然附帯協定としてその間に調整の問題が生れて来る。調整が生れた場合、調査というものが必要になる。そうして調査のとりきめもしてなかつた。これはこういうような特に変動するときには、プール運賃率というものをきめた以上、当然の前提の条件となつておつたはずである。ところがあなたの方ではそういうことになつたとすると、会社に対して帳簿をよく整えておけということが、第一の要求条件になるわけである。それからその次にはあなたの公社の方におきまして、この会社の方の状況を調べるために、いつでも検査ができるために係官が配置される、あるいは配置されなくても、必要なときに出せるというような構成をしておかなければならないのに、こういう点がなされていなかつた。それはすでにこれまでの証言において明らかなことであります。この問題に関する限りはあなたから証言がなかつたのであります。わきの方の問題、枝葉の問題をちよつと言つただけです。私の言つておるのも枝葉の問題であり、幹の問題はまだ言つていない。そういうことになつておるが、あなたが先ほど言われたような制度の欠陥しか公社側にはなかつたわけでありますか、もう一ぺんお聞きいたします。
○秋山証人 私は制度の欠陥のみではない。やはり担当者としての最善の注意が足りなかつたということを申し上げておるのであります。
○山口(武)委員 私のいうのは注意以上の問題だというのであります。注意しないのじやないのです。本来ならば附帯協定を結んだとき公社側ではこのような調査の係官を配置して、これが監視して調査に応じられる状態にしておく、これが一つだと思います。これは注意以上の問題であると思います。これを公社側ではなしていなかつたというのであります。公社側は会社側をどうこういわないで、公社側として反省すべき問題がたくさんあつたというのです。これをあなたは反省していない。お気づきになつていないというのです。
○秋山証人 その点は私反省をいたしまして、その点の注意も、あるいは条項としてそういうことを要求しておかなかつたということについても、私深く足らぬことを自覚しております。
○山口(武)委員 それではその次に、この問題につきまして、先ほどあなたは会社側の重役の改組を請求した、こう言われておりましたが、この証言に重ねてくどく聞くようでありますが、間違いはなかつたでしようか。
○秋山証人 ただいま証言として申し上げたことに間違いはありません。
○山口(武)委員 この重役の改組を請求されたあなたの目的というものは、このような不当の行為があつたから責任を会社側にとらせる、それからさらに二度と同じような誤りを将来繰返さないためにこのような改組を要求した、目的はここにあつたと思いますが、いかがでしようか。
○秋山証人 ただいま御質問の通りであります。
○山口(武)委員 私の言つた通りだといたしますると、一つわからない点が出て来るのです。それは会社側の森田取締あるいはその他の人、この人たちに聞いてみますると、この十五億あるいは正確には十一億の不当利益金の問題、この問題のために公社側は日本塩回送会社の役員の改組を要求して来たのではないのだ、後進に道を開けということで要求して来たのだ、もともと専売局から推薦された重役の方であるから公社側からそう言われればやめざるを得ませんと言つておる、そういたしますると、せつかく重役の改組をやろうといたしましても、あるいは多少やつたといたしましても、やられた趣旨というのは明確になつてない、これでは塩回送会社側に対して公社が責任をとらせる目的が達成されたのだろうか、また将来そういうような誤りを繰返さぬというような保証がどこになされているか、本人たちはごうも責任を感じていない、公社側からこれを請求されたと思つていない、こういうのですが、この矛盾はどうしたことなんでしようか。
○秋山証人 公社としては、ただいま申し上げましたように、塩回送会社の重役の諸君と個々に折衝したのではないのでありまして、私はもつぱら現社長とそのことを話し合つたので、社長には私が先刻申し上げたような趣旨を申し伝えておるのであります。社長が自分の社内の重役に、いかような趣旨をもつて進退を迫つたか、あるいはなしたか、その点においては、私は申し述べることはできないのであります。
○山口(武)委員 あなたは、今言われたようなことで社長に改組を要求された、そうしますと、社長がどういう言葉で、どういう言いまわしで、あるいはその問題の本質に触れないで言われることもあると思いますが、重役の改組を要求してもかまわないのですか。あなたのお話の通りに会社の重役に伝えなくてもかまわないことになりますか。
○秋山証人 私は先刻も申し上げたように思いますけれども、森田証人が、自分は後進に道を開くために云々ということがあつたというお話でありますけれども、私は初めてそのことを聞くのでありまして、私は今日に至るまで原社長は私の意を体して会社の重役の処置をした、こういうふうに私は考えておつたのであります。
○山口(武)委員 もちろん秋山総裁の考えの通りだろうとだれでも思うだろう。それ以外の方法があろうはずがない。これが大体常識からいつて、それ以上の例外というような場合は、通常あるいは絶対といつてもいいくらいあり得ない。それにもかかわらず、日本塩回送会社の社長が重役に事を伝えていないとすれば、その塩回送会社の重役連中、あるいは社長というのはきわめて不遇なやからです。これはどう考えてみても……。
○秋山証人 ただいまの御質問に私は意見を申し述べませんが、私は、まだこの問題は先刻も申し上げたように終末とは考えておらないのでありますから、そういう点においては、なお社長に対して私どもの考えるところを述べまして、私の意思は遂行したいと思つております。
○山口(武)委員 あなたがこの問題はなお解決したと想わない、こういうことを言われる意味は、今私があなたの前に問題に出して来ましたところの、社長が重役に責任辞職であるという事実を伝えなかつたということまで含めて、そう言われたのですか。
○秋山証人 その通りであります。
○山口(武)委員 そうしますと、当然この問題についても将来公社側の会社に対する善処があると考えてよろしゆうございますか。
○秋山証人 ただいまの善処というお言葉は、まことに含蓄の広い言葉だと私は了承するのでありますが、善処を考えております。
○山口(武)委員 それでは総裁があまりわかりがいいようですので飛ばしますが、公社側の予算を組まれるときの態度の問題ですが、できる限り経費を節約して行きたい、そういうつもりで予算を組んで来た、こういうことを経理局長が証言をいたしておりましたが、この点はやはり総裁としても同意見でおられますか。
○秋山証人 まつたく経理局長の申す通りに、私もそういう考えでおります。
○山口(武)委員 それではちよつとお聞きしたいのですが、先ほどあなたの証言を聞いておりまして、私よく聞きとれなかつたのですが、朝鮮事変が起りまして資材のことについて不安を感じた。そうして備蓄をするようにした、こう言われましたですね。そうしますと、この備蓄を指示することにつきましては、他の消耗品を節約してという意味で、備蓄の資材を買われる金ですね。これをつくられるような話だつたでしようか。
○秋山証人 必要なる器材はやはり買わなくちやならぬのでありますが、限られた金額のうちからそういうものを買えば、おのずからあまり急がぬものは買わない、そういうものを主として買つて用意をする、こういう意味であります。
○山口(武)委員 そうしますと、消耗品費を節約しろというような意味だつたことになりますか。
○秋山証人 節約と申しますると、単に消耗器材費のみでなく、経営面において、支出という面においてできるだけむだなものは使わないというような意味に解釈しております。
○山口(武)委員 しかしセメントや鉄材を買われたのは、消耗品費を節約して買われたのじやないのですか。その余剰で買われたわけじやないですか。
○秋山証人 余剰というとなんですが、やはり器材費の節約の結果出たものから買つたということになります。
○山口(武)委員 先般の経理局長の証言によりますと、この消耗器材費から一億円の余剰が出た、これは物価の変動ということも一つの理由ではあつたが、もう一つの理由としては費用を節約したのだ、こう言われていた。そうしますと、公社の予算というのは、公社側で節約しようと思えば、消耗器材費の中から一億円も金が浮くほどの組み立て方をしておるのか、こういうような疑問がわいて来る、つまり予算の組み方のときに、かなり公正でない組み方があつたのではないか、このような疑問が起つたわけなんです。それであなたに、この朝鮮事変云々の問題を聞きましたのも、あなたも経理局長と同じように、備蓄用にするために他を節約する、こう言われたわけでありますが、これが経理局長の言葉とたまたま一致したわけなんです。そうなつて参りますと、公社の予算というものはそういうような余裕を持つた組み方をしているものかどうか、これをお聞きしておるわけです。
○秋山証人 私は、余裕のあるもので買うのならば節約ではないのじやないか、やはり公社は、さような杜撰な予算の編成はしておらぬのであります。またそういうことであれば、御承知及びのように大蔵省の主計局もなかなか私どもの案を通すわけもないのであります。決して公社の予算はさようにゆるやかな予算ではないということを申し上げます。
○山口(武)委員 それではあなたの方ではこの節約をして一億円を浮び上らせたことにつきまして、何を節約して、その節約のためにどのような不便を来し、現在支障が起つておりますか。
○秋山証人 広範なこの消耗器材費の使途について、私まだ一々記憶にありませんですが、そういう何はもし必要とあれば、文書にでもしてお届けしたいと思います。
○山口(武)委員 ごまかさないでもらいたいと思う。あなたは先ほど節約するようにというような指示まで出しておるということを証言されておるわけなんです。節約をするということになりますれば、あなたがかつてに頭の中で節約ということを考えたのではなくて、あなたの方の幹部会なりあるいは係官の意見を聴取されて、こういう点が節約の目途になる、このような見込みがある、こういうことを考えられた上で節約という言葉を出されたと思う。そうだとすると、あなたは何を節約できるかというような問題はわかつているはずです。お答えになれないですか。
○秋山証人 今の私のお答えの通りでありまして、今詳しく、何をどういうふうに節約したということはお答え申し上げかねるのであります。
○山口(武)委員 私一番先に始めたから、遠慮して、ここらでやめておきます。
○内藤(隆)委員 秋山総裁の陳述を聞いておりますると、まことに率直で、われわれ非常に心証をよくしておるのであります。実はもう少しやろうかと思つて大分資料を持つて来ましたが、率直に悪いところは悪いと認められ、ことに日本塩回送会社の十一億に上るこの過当利益金の問題につきましては、いまだ釈然たらざるものがあるという総裁のお言葉、その点、われわれは釈然どころではない。ますます奇々怪々なものであるということを考えておるのであります。この点に関しまして、今あなたのお話を聞いておりますと、友藤需給課長が二回にわたつて調査しておつた。しかるにその二回目に約一億六千万円程度のものを発見したのであつて、二回とも調査の目的を達していない。こういう御答弁であつたのであります。そうすると、友藤需給課長の参られたのは、経理状況の調査に行つたと私は思う。この経理状況ということになりますると、さいぜん総裁は銀行預金までは調べていなかつたと、こう言われます。これは私はたいへんな手落ちではないか、預金の面を調べずして、どこに一体経理調査の目的を達せられるか、この点いかがでしよう。
○秋山証人 私はそれでありますから、友藤の調査というものは、必ずしも完璧を期した調査とは思つておらないのであります。御説の通り、銀行預金について尋ねるのがほんとうであります。この点においては私今も遺憾に思つておるのであります。
○内藤(隆)委員 そこでこの友藤需給課長を先日調べたのですが、この経歴を聞きましても、大蔵官僚として相当優秀なものらしい。だからこういう頭の人が行つてもわからぬものが、たまたま大阪国税庁の手によつて摘発されたということは、何としても専売公社の大きなマイナスであると思うがいかん、この点は……。
○秋山証人 私もまことにその通りに思つて、遺憾に思つております。
○内藤(隆)委員 それから森田という日本塩回送会社の重役の証言と、あなたの証言とはたいへんな食い違いがある。森田は、私はここで偽証とまでは申しませんが、確かにわれわれ国会をなめておつたと思う。私は道義的に去つたのであつて、決して専売公社の、いわゆる上からの懲罰と申してはいかぬが、責任をとれという意味で退職したものでは絶対にないと思つている。ただいま総裁のお言葉を聞いておりますると、そうではない、社長を通じて責任をとれということにおいていわゆる厳重な退職処分を行つたと、かようなことになつておる。これは個人の偽証という問題にも関しますから、もう一応きつぱりしたことをひとつお聞きしておきたい。
○秋山証人 これは責任を持つて仕事をする人が、その意向は隱蔽するとか、脱税するとかいう意思でなくとも、専売公社の重要なる仕事をしておる者が、かくのごとき帳簿の不正、そういうことをして迷惑をかけたということであれば、法の上でなくとも、道義的にも私は当然責任を負うべきものだと思う。しかるに私は原社長の陳情で、自分は仕事をよくわからない、またいろいろな因縁のある株主もありますから、その意向もあり、かたがた仕事の習熟するまで大目に見てもらいたい、但しその衝にはつかさない、そういうことで、これは私も一応原社長の言を聞いたのであります。しかしここで証言が責任云々ということは主観的な問題でありまして、それゆえに私はこの問題は、まだ私としては解決をしたと思つておらないのであります。こういうことであります。
○内藤(隆)委員 いや、その程度でようございましよう。人が罪に落ちるか、落ちぬかということなんですから、私は多く申しません。それでよく専売公社の立場のことがわかりました。要するにこの森田という証人のごときは、罪を、矢頭という、当時の塩回送会社の経理課長級の者に、その不正の責任を負わして行こうということがありありとわかつている。 それからもう一つ、ただいまの総裁の証言と、専売公社から出て来られた総務局長並びに経理局長と私たちとの間の質問応答において、食い違いが一つも二つも出て来るのですが、この点は総裁の部下に関する問題でありまするから、相当慎重にお答えを願いたい。ただいま総裁は、一億円、いわゆる二十五年度消耗品費予算の残つたものから、朝鮮事変等の関係において、いわゆる物資が集まりにくいかもしれないから、備蓄品として買わした、かような証言だつたと思つております。ところが内藤という——これは不幸にして私と同名ですが、(笑声)経理局長の証言では、あなたと同様なことを申しておる。ところがこの関係者の会川——会川というのはあなたの方の会社の者らしいが、この会川並びに野口証人の証言するところでは、本社の建築用としてさような随意契約をした、こう証言しております。これは備蓄用と本社の建築用とでは、たいへん目的が違つて来るのですが、これはいかがでしよう。
○秋山証人 本社の建築というのは、まだ当時はきまつておりません。あるいは話には上つておつただろうと思いますけれども、私はやはり備蓄用として買うつもりであつたのであります。
○内藤(隆)委員 そうすると、その野口という鋼材の会社の契約をした証人の言うことは間違いであるということになるわけですな。
○秋山証人 野口という人は商売人の方でございましよう。
○内藤(隆)委員 商売人の方でございます。
○秋山証人 この人はどういうようなことを聞いておつたのか私は存じませんけれども、会川もあるいはそんたくして申したのではないか。もしそういうことを申しますれば、上から買えということを命ぜられたということは、そういうふうに会川そのものの解釈ではなかつたかと思うのであります。
○内藤(隆)委員 そうすると、その会川と野口の間において上の気持をそんたくして、建築用と言うたかもしれない、こういう証言ですか。
○秋山証人 私、そういうふうに想像いたします。
○内藤(隆)委員 それからこの問題は、要するに私はその根本を考えてみると、専売局時代の長官、そういつた幹部級の役人が退職した結果、職がないと申しまするか、自分の古巣のことだからよく知つておるのであります。そこで相談をし合つてかような会社をつくつたり、あるいはその会社に名前を貸すというところに私は問題があるのではないか、こう思われるが、総裁はいかが考えられますか。
○秋山証人 私も古い専売局当時の従業員と専売局との感情というようなことについてはよく存じませんけれども、退職者が自分の勤めておつたところはあたかも古巣のごとく考えておるという感じのあることは認められるのであります。また後輩の者といえども、これをなるべくよかれということもわかるのです。しかしこれの関係はやはり常識をもつて——かえつてひいきの引倒しということにならんとも限らない、そういうことについては、専売公社の先輩諸君もよくわかる人でありますので、将来において公社に累の及ばないように、好意は好意、自分の一身のことは一身のことということにお話をいたしますれば、みなよくわかつてくれる人だ、こう思つておりますが、今後については私はさような心構えでそういう人たちに接して行きたいと思つております。
○内藤(隆)委員 これは賢明な秋山総裁ですからよく御承知だろうと思いますが、大体今の専売公社を取巻いておる会社は、当事務局で調べたものだけでもたいへんな数になつておる。しかもその重役陣を見ますと、ほとんどが専売局時代の関係者である。一例をとりますと、専友社のごときは、その会社の中に元の専売局長官が一人、二人、三人、四人も顔を並べている。しかもこれが生命保険の代理店をやつて莫大なもうけをしておる。しからば重役として常勤した者はおるかと聞いてみると、ほとんどが出て来ないのであります。そうして高給をはんで看板を貸しておる。ここに私は国民の一大疑惑がわいて来ると考えざるを得ない。先日も専売公社の総務局長である曽田君を調べたときにも、この点について私は強く触れた。曽田君も、総務局長として初めはそうまで明言しなかつたが、なるほど決していい組織ではない、かようなことはやはり国民の疑惑を招くから、漸次かえて行かなければならぬというような証言がありました。しかしこれはどうも総務局長程度だが、幸いに秋山総裁が今日おいてだから、どうぞひとつここで、こういう専売局や大蔵省官僚のいわゆるうば捨て山のような会社とは、日本専売公社は全然関係をしないという決意があなたはできますか。
○秋山証人 これはまことに私には難問題でありますが、専友社ですかの問題について、これも少し冗長でありますけれどもお聞きを願いたいと思います。私にももちろん悪いところはあるのであります。当時専売協会というものは職員をもつて組織しておる会でありまして吉凶相慶弔するというような会でございます。この中にどうも結婚しようにもなかなか資金がないというようなことから、組合を通じて公社にそういう金を出してくれないかという話があつた。これはなかなかできない。たまたまそういう資金を寄付されるということであれば、生命保険の一部の仕事を協会の人にやらせて、そうして寄付という形でもらつたらいいのじやないか、これはまことに甘い考えでありましたけれども、私も結婚もできないというようなのははなはだ気の毒に思つて、これを私が承認したということに一つの誤りがある。結婚の方はまことに盛んに、予定以上にできてしまつて、現在はその協会は莫大な借金をしておるというような実情でありますが、専友社のごとき、いわゆる古い長官とかそういう者が関係しておるということは、いかように私が陳弁しても、ただいまお尋ねのような批判のあることは当然であります。私といえどもこれを専売公社の関係者から全部払拭するということは、今一時には私はできないと思いますけれども、その批判というものは、重大なる批判と心得て私は今後の態度を決したいと思つております。
○内藤(隆)委員 こちらの下意とは、少し弱いけれども、大体において了承するところに行つたと思います。どうかこれはきようを機会に善処するというお気持でひとつ進まれんことを強く要望しておきます。
○田渕委員 私どもは約二週間十七人の証人を喚問いたしまして、秋山総裁のように率直に自分の責任は責任とし——たとえば会川君が非常に病弱でありまして、神経衰弱にかかつておる以外に他の病気もあるのではないかと思つたのであります。会川証人に相当聞きたい点もありましたが、実は当委員会で調べました、たとえば海外同胞引揚げの問題のときに、相当峻烈に調べたこともありました。その関係ではなかろうが、とにかく責任を負うて共産党のアクチーブであつた菅君が三鷹で自殺をいたしておるのであります。また薪炭需給特別会計関係の取調べをいたしまして、津の木炭事務所長が一千万円の幽霊切符を出して、近畿日本鉄道に飛び込んで責任自殺をいたしておるのであります。また日本塩回送株式会社の矢頭経理課長のあとに入つた大橋君が、神経衰弱だとはいえ、これまた鉄道自殺をいたしておる。かような点から考えまして、これ以上追究すると、あの心神耗弱の会川証人が、もし万一間違いがあつたらと思つて、実はあまり質問しなかつたのであります。けれどもこの会川証人のやつたことも、完全に自分の責任だと言われる点は、私は非常にこれを了とし、あなたの御人格もわかるのであります。しかしながらいかにせんかような意味で会川証人の証言の食い違い、また内藤経理局長の証言の食い違いがある。今日まで喚問した十七名の証人のうちで、あなたを私の良識ではほんとうに信頼します。日本塩回送株式会社のほんとうの実権者で、やり手であつた森田重役に対して、数回にわたつてわれわれはやりましたけれども、知らぬ存ぜぬの一点張り、八日に調べて、一週間の期間をおいてさらに十五日、多少反省するかと思つて聞いたところがちつとも反省していない。しかも今賢明な、人格者の総裁から伺いますと、まつたく相反した証言をいたしておるのであります。 〔島田委員長代理退席、委員長着席〕 この点については、後刻理事会を開いたときに、私は内藤経理局長並びに森田証人に対して、これはとにかく偽証の疑いがあるから、告發したいと思いますが、いすれにしても罪人を出したりするのが目的じやありません。結局私が総裁に率直に伺いたいのは、この専売公社の会計規程の随意契約という範囲において、十三会社、三十六人かの専売公社関係のトンネル搾取会社があるのであります。こういうような点は、今内藤委員の言われるように、つまり総裁を信頼して、われわれは改革していただきたいのでありますが、一ぺんに改革することは、まつたくそれは不可能でありましよう。むずかしい問題でありますが、せめてそういうものを寄せつけぬためには、制度、機構上からいつても、現在の専売公社の会計規程あるいは施行細則において、この随筆約というものをだんだんぼかして行つて、だれでもできるというような点に欠陥があると思うのでありますが、この点われわれは立法的に、議員立法でもよろしい、あるいは内閣提出でもいいのでありますが、そういう点で行く方がいいか、あるいは総裁の言われるように、門戸開放で行く方がよろしいか、どちらが日本専売公社を改革する上においていいかということを、率直に伺いたいと思います。
○秋山証人 私の長年の事業上の経験から、あまりやかましい規則を設けて、管理、監督だけしたのでは、私は改革はできないのじやないかと思います。やはり仕事は人にあるのでありまして、どうしても信頼し得る人を得るというのでなければ、実際どれだけやかましい規則を設けても、これは病気と予防薬との関係と同じことでありまして、やはり巧みな脱法行為とか何とかで、なかなかそういうことは絶えないのであります。でありますから、特殊な仕事をする者には、ある程度の裁量の余地を与え、しこうしてその間に歪曲が行われるというならば、断固してこれを排撃するというようなことが必要だと思います。それゆえに、ここではまだ申し上げませんでしたが、少し冗長でありますが、内部監査という機構を設けるということについては、あらかた公社内においては一致して、こういう今回のような尋問を受けることは懲りましたので、早速そういうことにとりかかつて、できるだけ内部の監査をするということにしたいと思つております。なお委員長から、この会の初めにお話のありましたように、建前と違うじやないか、わずかに三%しか競争入札によつていないじやないかと言われましたが、私は今までそれほどとは思わなかつたのでありますが、これも少し行き過ぎのようであります。この公社の全体の契約を見ますと、四〇%くらいは各局を合わせれば競争入札にはなつております。けれども、公社の大きな金額を扱うところの契約がさようになつておるということでありますから、この点も十分に考えて、直す必要があるということを、私率直に申し上げておきます。
○田渕委員 そこで会川証人の非常な食い違い、もちろん完全なからだじやなかつたから無理もありませんが、少くとも別途の意味において支出負担行為の責任を持つべき地位にある経理局長の内藤君が、業平の倉庫、それから品川の専売公社の構内において、りつぱに検収をいたしておりますということを、はつきり断言いたしておるのであります。ところがその後着々調べを進めて参りますと、一切検収ということはしておらぬのであります。これは総裁は初耳だろうと思うのでありますが、五千五百万円の金を、これは私は公文書偽造行使だと思うのですが、検収もしていないのに、人のものを見せて、その持主、倉庫主にも会わずに、ただ新光鋼材の者を連れて行つて、そしてこれを検収したと称して、保管証を野口につくらせて、そしてこれで五千五百万円の金を払つた。三月以内に納めればいいということで、先ほど委員長が言つたように、そのうち一千万円を持つて北海道に豆買いに行かせた。こういうことは、私はいかに国家予算を使うことを与えておつても、まことに不都合だと思う。検収してそれから請求書を出しても、二十日あるいは一月、さらに三月も来ないというのが各官庁の例です。それで年度末で金が余つて急ぐというので、さつと五千五百万円を、ほんとうにほご紙に等しい保管証で出した。これはもちろん会川が検収をやつたと言つてしていないので、その責任を総裁にまでわれわれは追究したくないのでありますが、こういうようなことは、私はやる方が悪いと思う。これは一つの詐欺です。あとで納めているから詐欺はかわつたものの、もし納まらなかつたならば詐欺である。そのためにあれだけ精神を使つて神経衰弱になつたのじやないかと思う。まことに鉄道自殺の一歩手前でわれわれは食い止めた、こう思うのであります。かようなことは、要するに経理局長の責任であり、あるいは営膳課長の責任だと私は思うが、とかく現われたものを下つぱに責任を負わせてしまつているというのが、今まで当委員会でたくさん調べたうちにあるのであります。つもりこの五千五百万円の金を、保管証をつくらせて、いまだ検収も完全にしておらぬ、品物が手渡ししておらぬものを、したとしてこの金を払わせたということに対して、経理局長としては私はその責任は免れないと思うのでありますが、これも経理局長の責任はわしの責任だ、こう仰せられれば、あなたの人格を信頼して追究する気持はありませんが、こういうような欠点は一体どういうふうにしたら防げるものであるかというような点について、ひとつ安心を与えていただきたいと思います。
○秋山証人 私はつねそれ、公社において末端の人が、自分の裁量によつて仕事はきまるというようなことを外部に言うことが、一番弊害があると思います。それで今度の問題は一番いいきつかけだと思いまして、若い人にも私は申しておりますけれども、いかようないい案でも、自分一人で実行するということは絶対相ならぬ、これは系統がちやんとあるのであつて、最後は私が責任を負うのですが、私に何も言わずにかつてにそこらでやられたのでは、法規の上では私が責任を負うのだから、それは困る。必ず、係長でもその上に課長があれば課長に通す、それから課長は局長に通す、局長は総裁に話せ、こういうことは私はつねに訓令しておるのでありまするが、たまたまただいまのようなことは、これは組織の上からは免れない私の責任であります。それを知つていて私が責任を持たないのではない、知らないで負うということは困るから、みんな系統的に承認を得たものでなければ決定してはいけない、こういうふうにしておるのでありまするが、どうもなかなか末端までそれが届くのが相当困難な事情にあります。仕事の仕ぶりは私はそういうふうに考えております。
○加藤(充)委員 委員長の再三の御注意があつたんで、その当を得ているかいないは別として、御趣旨に沿うたような質問をいたしたいと思います。(笑声) それで第一にお伺いしたいのは、日本塩回送会社のごときはブローカー的あるいはいわゆるトンネル会社である。これに対して将来とも輸送を一手に委託するつもりであるかどうかという質問がなされましたが、それに対して考慮中であるということですが、それは契約の面ですか、それとも当事者のやりかえということについての御考慮でしようか。
○秋山証人 ただいまのお尋ねですが、事非常に具体的になりましたけれども、この席で私はまだ完全に腹案が練れておらないのでありまして、具体的なお答えはできかねますが、考慮中というのは両様の意味において考慮中であります。
○加藤(充)委員 先ほどの御証言の中に、何せ戦時中からのいろいろなものがあつたり惰力的なものがあつたりしておる、なかなか気がついてもやりにくい問題である、こう言われました。これについても一応私どもも無理からぬ理由もあると思うのですが、しかしながら悪い方からいいように切りかえるということは、やる気になるならば相当短期にできるのではないか。すでに戦時中という問題がありましたが、敗戦後満六箇年を経過しておるのでありまして、改めるに遅れてならないということわざ通り、その点で総裁の決断力を至急に求めたいと思います。
○秋山証人 困難だと申したのはもちろん何事にも困難が伴うのでありますから、それを避けてやらないというのではありません。私は現在においても、微力でありますけれども、でき得る限りやつております。またこういう機会を利用する——というと語弊がありますけれども、これは専売公社に対する国民の批判、いろいろな意味もありますから、これを自省いたしまして、もちろん改善すべき点は改善いたすつもりでおります。
○加藤(充)委員 次の質問に移りますが、専売公社会計規程の五十一条を見ましても、その施行細則の百七十五条を見ましても、明らかに随意契約をなす場合にはきわめて例外的に限る、しかもそれをやるについてはいろいろな条件が詳しく規定されていると私は思うのであります。ところが条文をつくることが能ではない、実は運営の妙によつてその人を得ることだとおりしやつたのですが、そういうやり方でこういうような運営をやられたんでは、せつかくの条文も運営を見ないで死文化してしまう、こういうことをわれわれはおそれるのでありますが、なぜとうとうとして無視されているようなこういう詳しい規程並びにその施行細則というようなものが、履行されないにかかわらずりつぱに飾られておるのか、運営しないんだつたら、それは改めるかなくしたらいかがですか。
○秋山証人 先刻の私のお答え、言葉が足らなくてもし私の考えておるようなことと違つて御了解を得たならば、私は先刻の言葉を取消します。決して私は条文を尊重しないで、ただ裁量の余地を多くしろというような意味で申し上げたのではないのであります。でありますから契約面におきましても、ただいま御質問のような趣旨に基いてできるだけ門戸を開き、また競争入札をふやして行く。そうして一般の非難のないように努めたい、こういうことを申したのであります。
○加藤(充)委員 私は、どうせ履行しない、また履行することが実情に合わないというような規定であるならば、私はそれをやめた方がいいと思う。そういうふうなものを狭い門のように、入口は狭いぞというようなととをさし示すために、そういうむずかしい条文を考えなければならない、このことはかえつてその狭き門にあこがれる人たちの競争、こういうようなものを激化し、しかも運営しない条文だということになりますれば、そこに一般の役人がそれを奇貨として不正、腐敗を働く原因をつくつている、こう思うのであります。履行しない狭き門の看板みたいなものをつくつていること自体が少くとも官僚の不正、腐敗の大きな原因をなしていると思う、この点はいかがでありますか。
○秋山証人 競争入札と随意契約の比率が非常にアンバランスになつてしまつたということは、過去における物資の不足とかいろいろのこともあつたでありましようけれども、漸次世の中もかわり、ほしいものも自由に得られるというような時期に相なりつつありますから、その点は私はできるだけ競争入札によつて物資を買うというふうに行きたいと思います。
○加藤(充)委員 これまた委員長からお言葉がありそうですが、政府は憲法があるのに基本人権を無視したり、あるいは憲法の条文があるのに事実上再軍備をやつたりしているから、ここらでおれの方はりつぱな条文があつてもせぬでもいいというようなもしお考えであつたならば、これはとんでもないりようけん違いだと、こう私は思う。 次の質問に移りますが、二十五年度に約一億円ほどの消耗器材費予算が浮いたのであります。これは一体どうして浮いたのか。予算の見積りがずざんであつたのか、それとも運営上浮かざるを得なくなつてしまつたのか、明らかにしていただきたいと思う。
○秋山証人 私はずさんな予算はとつたことはないと思います。先刻も申し上げた通りであります。いろいろな節約もあり、また事情の変化から使い得ないものも生じた、こういう意味にとります。
○加藤(充)委員 まあそういうお言葉ですから、さらに進めばいたしませんが、ずざんの予算ではとつた覚えはないと言われるのでありますが、あなたの気持はその通りかもしれませんが、しかしながら備蓄用に買い入れたというようなやり方で、こういうような予算の運営をやること自体が私は問題だと思うのであります。しかも前例もないということがほかの証言で明らかにされております。少くとも備蓄用というようなことで、セメント三千トンというようなものは、これはだれが考えたつて、資材の値上りに対応した資材のたくわえであるというように、一億円それに充てたということは、あなたの予算運営の処置を是認するわけには行かないのですが、その点はいかがですか。
○秋山証人 私は当時三千トンが妥当である、こう信じてやつたのでありまして、この多い少いということは見方によつて大分違うのじやないかと思いますが、私は妥当な数字と心得て買つたのであります。
○加藤(充)委員 それはそれでいいでしよう。 次に専売協会の件についてお尋ねするのですが、ほかの委員もこの点には触れておるようですから、簡単に一、二点だけメモ的に申し上げます。専売公社では職員にいろいろな体のいい名目をつけて内職をさせておるのではないですか。
○秋山証人 専売公社は美名を掲げて内職をするというような事実は私は存じておりませんが、もし具体的に例があればお示しを願いたい。
○加藤(充)委員 当委員会で明らかになつたことでは、専売協会がほかの保険の代理店をやつておる。しかもそれは総務局の厚生課か何かの仕事である。それで三十四年度、二十五年度の両年度だけにわたつても、相当な手数料か報酬かをもらつておるのであります。しかも一面において専売公社の従業員は給料をもらつて、厚生課の職務をやつているのだと思うのですが、こういうようなことをなぜさしたか、私は本来の公社の社員としての職務に相当な影響を受ける、妨害を受けておると思うのです。また妨害を受けてないような簡単なことで、数十万——多額の手数料をもらうというようなことを、代理店との契約でやつたとするならば、そこに何か臭いものをわれわれはかぎださなければならないということになる。この点いかがでしよう。
○秋山証人 私はさいぜんも申し上げましたように、公社の社員には職員または従業員のうちに気の毒な人もあるということから、さような措置を承認したということに私の誤りがある、これは訂正いたさなければならぬ、おわびも申し上げなければならぬということを最初に申し上げておるのです。
○加藤(充)委員 最後に、委員長の方からもお聞き願つたことなのでありますが、専売公社職員の不正が多いようであるがということです。しかもわれわれがここで問題にしなければならないのは、高級職員、相当重い責任を持つ立場にある者に不正を働いておる者が多いという事実でありますが、こういう原因は一体那辺にあるのか、対策を一応あなたからお聞きしたのですが、原因の突きとめが足りないとなると、対策がいいか悪いかを判断するわけには参りませんので、この点をお尋ねいたしたいと思います。
○秋山証人 不正を働く動機ということはなかなか予測できないのでありまして、もしこれが完全にできれば世の中の罪悪も減るのじやないかと思います。この点は私も勉強が足りませんから、よくその原因については研究もいたしますけれども、何せ公社になつてから、前からの不正も摘発されたという事実もあるので、公社になつたから特に多いというふうに私考えておりません。しかしそれでいいかというのではないのであります。これはもちろんいろいろなことを考え合せて、方策も講じたいと存じております。また現に講じてもおるのであります。
○加藤(充)委員 これは多分田淵委員から御質疑があつたことであつて、私は決してそのことで資材係長か何かやつておりました、末端で働いておるお気の毒な、健康もそこなわれておるような会川さんを首切れということを主張するものではございませんが、先ほど総裁がおつしやつたように、一人で末端の者がやるのはいけない、課長から局長に、局長から総裁にという形で事務は運営ざれなければならないとおつしやつたのでありますが、この会川さんを首切れというのでは毛頭ございません。そういう意味で御質問しておるわけではございませんが、何ら進退伺いも出さずに済んでいる。あるいは総裁の方からも、あの処置について行ぎ足りなかつたんじやないかというような、強い進退を決すべきような意思表示が何らなかつたと聞いておるのでありますが、先ほどの総裁の言葉と思い合せると、課長、局長、総裁と一連相まつて、この年末約一億円の剰余予算を急速にセメントにかえ、鋼材にかえるという中には、会川を単に個人として処分できないような情実やかかわり合いが、課長や局長ぐらいまでのところにあつたのではないか。あなたが運営の上で、制度の上で、末端でどういう仕事を社員がやるかということについてお述べになつた言葉と関連して、私は重大だと思うのでお尋ねするわけであります。
○秋山証人 会川社員の決心については私も間接には聞いておるので、決して彼は責任を感じないというような態度ではないのであります。いずれにしてもそういう問題は当委員会の終末を待ちまして、私が処置すべきものなれば処置いたします。
○加藤(充)委員 さつき不正の多い社員の対策についてお尋ねいたし、あわせてその対策のよつてもつて立つ原因というものを確かめたのですが、複雑でなかなか犯罪を未然に防止するということは困難だということをおつしやられたのです。私はここに犯罪の原因——少くともその一部があるということを、会計検査院が昭和二十四年度決算検査報告としてまとめた中に見るわけであります。御参考のために御紹介いたしまして、先ほどお尋ねした点についての総裁の決意のほどをあらためて確かめたいと思います。それはさきに読みました昭和二十四年度決算検査報告書の六二九でありますが、「物品の購入に当り処置当を得ないもの」の中に、「日本専売公社で、昭和二十四年六月から九月までの間に、三南商事株式会社から盗難防止用亜鉛引有刺鉄線二〇〇屯を価額一〇、七〇五、八五六円で購入し、各支部局に保管転換したもののうち、在庫となつているものが二十五年四月から九月までの本院会計実地検査の際調査したところ、一六八屯余(価額約九百万円)あり、不急の物品を購入したものである。」とあります。これはなるほど外部からの侵害を防衛するために有刺鉄線をお買いになつた。遅れてから舌をかむということがあつてはならないように、まあいつぱい買つておくのはそれは心がけとしてはよろしいでしようが、二〇〇トン、価額にして一千七十万円ほど買い入れたうち、百六十八トン余、価額にして九百万円も余つてしまうような物を買い入れるというのであるならば、かぎや鉄線はどこに張るべきかという問題が必ず出て参ると思うのであります。先ほど一億円浮いた消耗器材費というものの予算の組み方についてお尋ねいたしましたが、ずぼらな予算は組んだことがありませんということでありました。御答弁としてはそうだと思いますけれども、こういうような消耗器材費予算ばかりでなしに、今読み上げましたような、どろぼうを防ぐというような予算の運営からいいましても、まるきりなつておらない。会計検査院はその不当を報告しているのでありまして、これでは予算の運営が、正直にまじめに運営されているとは思わないのであります。しかもこの予算を節約するという表看板のもとに、先ほど会計検査院の方でも話がありましたけれども、人員が減つているというようなことも言つておりますが、安い給料で職員をやらしておいて、そうして中にはハン・ストまでやつているのに、表向きだけは予算を定額で……。
○篠田委員長 加藤委員に申し上げますが、本質的な質問をしてください。
○加藤(充)委員 さようなことをやつておつたのでは、犯罪防止の対策というものはなつておらぬ。そういうやり方はずるいやり方であつて、道徳的にいつても、ハン・ストをやらせるというのは残忍だと思うのですが、その点いかがでございましようか、最後にお尋ねいたします。
○秋山証人 ただいまの資材買い過ぎの問題も事実あつたのでありまして、その点においては、私は必ずしも弁解は申し上げませんが、この点は会計検査院からも指摘されているのでありますから、それは私どものやり過ぎであつただろうと思つております。この点はおわびを申し上げますが、別に公社の社員の給与のみ険しく、ほかのものを買うことが緩慢だというふうには、私は思つておらぬのであります。
○篠田委員長 加藤君に申し上げますが、ハン・ストまで出て来るようじや、質問は大体終つたと思いますから、もうその辺で切り上げたらどうですか。まだほかに質問したい人がたくさん残つておりますし、時間も迫つておりますから。
○加藤(充)委員 それでは一点だけ、質問よりも私の希望ですが、盗難を防止するという目的の予算の運営で、そこにまた内部的に不正が行われるというに至つては言語道断でありますので、この点については、今後の犯罪防止、不正、腐敗根絶のための根本の対策について万全を期せられたいと思います。
○藤田委員 労働基準時間も非常に迫つておりますから、演説をやめて簡単にお聞きしたいと思いますが、まず第一は消耗器材費の流用の問題です。これはほとんど各役所の常識になつております。それで現在の財政法の建前、予算の組み方を部、款、項にわけておりますが、これに何か本質的な改善を要するのじやないかというふうに考えておりますが、その点総裁のお考えがありましたら、お聞きいたしたい。
○秋山証人 私もさように考えておりますけれども、長い間そういう予算措置というものになれませんので、どういうふうにやつたならばよろしいか、他官庁とつり合いもとれ、かつ公社の自由の活動に便なるものということの具体的の措置については、私に案がないのであります。
○藤田委員 海外の塩、タバコ等の購入状況に関して簡単にお伺いしたいのですが、こういう海外物資の購入の場合も、塩に関しては日本塩回送会社その他が国内物資と同様に請負をやつておりますかどうか。この点をお伺いいたします。
○秋山証人 この塩回送会社の起りは、御承知のように十州塩田の製塩を対象として起つたのであります。その後だんだん形勢がかわりまして、海外塩も港から港というような運搬については日本食塩がやつておるのでありますが、これは大体塩の回送会社でありますから、タバコは扱つておらないのであります。
○藤田委員 この日本塩回送会社の問題に関連して、重役の退陣だけではなくて、総裁として何か根本的な対策を考えているような印象を先ほど来の証言から想像いたしておりますが、何かありましたら、この機会に根本的な対策をお示し願いたいと思います。
○秋山証人 この問題は非常に複雑でありまして、私の考えておるところはまだ結論に行つておらないのでありまして、あるいは地域的、あるいは塩の種別か何かで、ともかくも複数にするということだけは考えております。
○藤田委員 次にお伺いしたいのは、この問題が当委員会で取上げられて以来、専売公社の業務運営に非常な支障を来しておる、係員が精神的に相当参つておるというようなうわさも拝聴しております。専売公社は御存じの通り国家予算の五分の一を一般会計に繰入れておりまして、もし専売公社の事業が不振であれば、ただちに国家財政に重大な影響を及ぼします。この点に関しまして、何かこの問題等によりまして専売公社の営業に影響があつたかどうか。これは非常に抽象的な質問でございますが、お伺いいたします。
○秋山証人 これは私自身相当心理的に影響を受けております。もつとも私は名利のために専売の事業を引受けたのではないのでありまして、公社から当委員会のごやつかいにならなくてはならないというようなことが発生したことについて、私は非常に自分で心を苦しめております。また私の率いる四万の従業員に対して、私の時代に国会のごやつかいになつて弁疏をしなければならないような事態が発生したことについて、私従業員に対しても相当の責任を感じております。ことに専売という長い歴史を持つている事業が国民の不信を招くということについては、何とも申訳がないと今考えておるのであります。各地方から私に来る手紙あるいはことずてなりから申しますれば、非常に専売事業というものに対して心配をしておる。これはまつたく私の不徳のいたすところでありますから、この点は事志とまつたく違つたのであります。まことに恐縮にたえないのであります。しかしそういつてはおられないので、これを転機といたしまして、専売公社としても十分に緊張もし粛正もして、今後国家の負託に報いたいという考えを私は持つておるのであります。私ははなはだ微力でありますけれども、国家のために幾らかでも役立つなればと思つて参りましたが、私の存在が一日でも国家のために不利であるということを自覚すれば私は特別に考えるつもりでおります。
○藤田委員 本質的な問題をお伺いしたいのでございますが、先ほど総裁の答弁にもありました通り、この現在の公社組織を強化するために大蔵省からの予算の独立、会計の独立というような意味のことを言われているのですが、専売裁定の問題が今国会で非常に大きな問題になりまして解決いたしたのでございますが、またこの行政監察委員会の問題等も実はこれは表面の現象であろうと私たちは想像いたしておりますが、現在の専売公社の機構のもとで、何か総裁としては、先ほどたとえば予算の独立というようなことを言われましたが、改正方策に関してお考えがあるだろうと思います。その点をひとつ当委員会の総合的な結論としてお示し願えば非常に幸いじやないかと思います。
○秋山証人 事は非常に重大でありまして不肖でありますけれども私の一言一行がやはり専売事業に影響があるのでありまして、私はいかにしたならば専売事業が完全に運営できるかということについては夢寐も忘れませんけれども、まだ遺憾ながらこういうふうにしたらよかろうという結論には到達しておらないのであります。いずれを見てもどこかに支障があつて、ただ理想だけ申しますれば幾らもありますけれども、なかなか国としてこの専売事業をどうするかという問題になりますと、まだ私には遺憾ながら結論は出ておらないのであります。
○篠田委員長 藤田君に申し上げますが、時間が大分おそくなつておりますからごく簡単にしてください。
○藤田委員 次にお伺いしたいのですが、この問題まだ研究中のようでございますが、われわれは専売制度調査委員会をつくつてこの問題を研究中でございます。うわさに聞けば公社自体もすでに審議会か委員会をつくられまして、これと取組んでおられるというようなことを聞いております。ところが今の総裁の御答弁では、ほんとうに現機構の改正を真剣に考えられているかどうかまだはつきりしない点がありますから、いま一度審議会をつくつておられる状況その他で、いま少しく具体的にお示し願いたいと思います。
○秋山証人 審議会という名のつくものではありませんで、私の周辺の者及び相当こういう問題について知識のある者を私的に私が集めて研究をさせているのであります。専売には理事会とかそういう正規の機関がありますけれども、それとはかけ離れて、私の腹案をつくる意味における会議は持つております。これもまだ途中でありまして、私責任を持つて御披露申し上げるほどのところまでは行つていないのであります。
○藤田委員 最後にお伺いしたいのでありますが、われわれは破壊的な監察をやつておるのでなくて、あくまで建設的な監察をやつておるわけでございますが、せつかく三十年の民間財界の体験を持たれまして、初めて民間から総裁として公社に入られたわけでありますから、その意味におきましては、国民的期待も非常に大きいわけであります。しかも公社自体が国家予算の五分の一を背負つておるこの現実からしまして、われわれ国会としましては、公社の運営というものに関しまして、多大の関心を払つているわけでございます。それで自分の腹案を練るための一つのグループを持つておられるということを言われましたが、大体その腹案というものは、いつごろまでに具体化し、どういう方式でこれを実現させたいというふうに考えられておりますか。これはおそらく委員長あたりも相当真剣に知りたいと考えておられる点じやないかと思いますので、最後にひとつお伺いして私の質問を終ります。
○篠田委員長 ちよつと藤田君に申し上げます。あなたの質問に委員長のことまで言う必要はありません。 それから先ほど来聞いておりますと、秋山総裁は、まだ発表の時期でない、いろいろ自分でも案を練つている、しかも自分の周辺の専門知識を持つている者に庁内の機関とは別にやらしているというのでありますから、それ以上しつこく追究されて時期を命じましても、おそらく私はできまいと思います。
○藤田委員 実はこの問題に関連しまして、総裁が腹案を研究中であるということは、ある意味においては非常にこの委員会の一つの大きな成果であろうと思いますので、もしできましたら大体どういう方向で、いつごろ——これははつきりでなくてけつこうでございますから、委員長の御注意もありましたが、お示し願えれば、私の最後の質問としたいと思います。
○秋山証人 私ははなはだ何ですが、ただいま委員長の私の心中をそんたくしてお話になつた通りで、まだ具体的の案もできませんので、適当なる時期に適当に申し上げたいと思います。
○田渕委員 ただいま藤田委員からの何でありますが、私は委員長が先ほど島田委員長代理とかわられておりましたときにもやつたのでありますが、少くとも十七人の証人のうち当委員会で一番人格を尊重し、徳のある方というのは秋山総裁よりないのであります。結局総裁のお徳をもつてしてこういうことができたということは、総裁が就任前であります、少くともこの事件の出たのは。総裁は二十四年の六月一日に総裁になられているのであります。ところがマ書簡が二十三年に出ておりまして、マ書簡によるところのコーポレーシヨン・システムというものがこういうようにして来ているというふうに私は思うのであります。日本のあらゆるものがまだ十分アメリカのレベルまで行つていないのに、木に竹を継ぐがごとくただちにコーポレーシヨン・システムに持つて来たところに欠陥があつた。同時にずつと見まして、十七人のうちり太部分の官庁側の証言というものは非常にあいまいであるのに、民間会社で三十年たたき上げた総裁の今日の率直なほんとうにありのままの何に対して、私たちは非常に意を強うして総裁を信頼し大いにやつていただきたいのでありますが、こういうコーポレーシヨン・システムというものが日本の現在の道義観あるいはまた現在の物資の状況、国内政治上経済上社会上、こういうようなすべての社会状態から見ていかぬ、いかぬから、アメリカのコーポレーシヨン・システムはこんなものじやないというので、現在日本のやつているコーポレーシヨン・システムをアメリカのやつているところのコーポレーシヨン・システムというものに対して比較研究されるようなことがなかつたか、ひとつ伺つておきたいと思います。
○秋山証人 コーポレーシヨン・システムの本も出ておりまして、そういうものは一瞥いたしておりまするが、なかなかアメリカにもコーポレーシヨンというものは多種多様あるらしい。しかも時勢の変遷とともに幾らかずつかわりつつある。そういうことから公社は幸いにして海外派遣を許されまして、原価計算課長を先般アメリカにやりまして、研究をして数日前に帰つて参りました。まだ公社においてその報告を聞く余裕もないのでございますが、いずれは場合によつたらあるいは世間にも出し得る報告書があるのではないかと思います。
○大泉委員 私は、責任者としての人事行政の問題に対してちよつとお伺いしたいと思う。 この事件はまつたく公社、会社を舞台として数名の者が不正利得をわけようとしたのが原因でありますが、大体私は今日まで感じたことは、元権力を持つておつた者は、残つた権力をいかに財物化しようか、いわゆる自分に利得化しようか、こういう一つの企てがもとの線をなしておる。そこで何と言つてもものをやるのは人でありますから、人をかえなければとうてい思う通り解決できないと思います。それで秋山総裁のような、こうしたりつぱな人物が、いかに一人でがんばつたつて、周囲がこれに協力しなければ何にもならない。行政官吏は、経済団体の活動に対してはあまり法規にとらわれて、どうも経済的な利益を逃がす。自己の弁解、あるいは立場のみにきゆうきゆうとしているような状態がある。たとえば原則として競争入札であるけれども、この随意契約をすると、個人経営のものであつたならば、ほんとうに思う通りにその利益を代表して、その人が契約できる。公社の官吏であると、いつもほとんど背任的な結果に終つてしまう、こういうことで、やはりその人を得なければればならないと思う。こういう点から、人事行政に対する根本的な改善の意思があるかどうか。また私がこの際総裁にお尋ねしたいのは、民間人を登用する。いわゆる長く民間にあつて、体験のある人材を登用する御意見があるかどうか、こういうふうに人物、人材の登用について御意思を伺いたいと思います。
○秋山証人 事の問題はまことに微妙であります。私も今お説のように、ただ一人専売公社に参つたのでありましで、いささか遅ればせながら、専売人の心理もわかり、仕事のしぶりもわかつて来たのであります。幸いに——私の口から申しまするとはなはだなんでありますけれども、専売の人は、能、不能は別として、よく私に協力してくれております。その点においては、私は三十何年おつた日糖と、二年半の専売というものについて、愛社心というものについてはかわりはないのであります。私は専売について決して不満も持たず、今一生懸命に、あの人たちと一緒のなべの飯を食つて仕事をするという気構えになつておる。でありますから、民間には能者はいろいろおりますので、はなはだ申しにくいのでありますが、理想としては専売に民間人を持つて行きたいのでありますけれども、待遇その他の問題で、そうなまやさしくはないのであります。幸いにして専売人は相当優秀人が多いのでありまして、私は入社当時から前だれがけ、角帯の気持でやつて行こうじやないか、これは一般の社是となつているのであります。しかし長い間官庁の生活をした人が、一年や二年では簡単にさようにはなり切らぬのでありますけれども、微力ではありますが、私はそういうふうに率いておつて、ぜひもう少し私企業の精神を打込みたい、こういうつもりで——もちろん有能の士があれば民間からも引入れたいのでありますが、そういう点についてまだ私の力が足らないのでありますけれども、そういう決心で私が日常の仕事に親しんでおるということを御了承おき願いたいと思います。
○篠田委員長 他に御発言がなければ、秋山証人に対する尋問はこれにて終了いたしました。証人にはたいへん長い間御苦労さまでした。 この際お諮りいたします。本日の委員会におきまして、会計検査院長佐藤基君に証言を求めましたところ、その中に記憶に誤りがあつた点を訂正する旨の文書が委員長あてに参りました。速記録を訂正することはもちろんできないのでありますが、この文書を読み上げまして、速記録にこれをとどめたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○篠田委員長 御異議なしと認めます。 それでは文書を読み上げます。 昭和二十六年十一月十九日 証人会計検査院長 佐藤 基印 行政監察特別委員会 委員長篠田 弘作殿 ただ今の証言中私の記憶に誤りがあつた点があるから証正致します。 会計検査院法第二十三条の規定によりますると、国の工事の請負人及び国に対する物品の納入者のその契約に関する会計の検査に対しては検査官会議の議決に基き検査をすることができるが、塩回送の分は、運送請負契約であつて、右の規定に掲げる事項に該局しないから現行法規では検査はできないのであります。以上であります。 なお本日の委員会散会後開会する予定でありました理事会は、都合によりまして明後二十一日、水曜日午前十一時に変更いたしますから御了承願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十七分散会