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12回国会衆議院1951/10/27

厚生委員会 第4号

発言数
45
登壇者
6
会派数
4
開催日
1951/10/27

会議録

松永佛骨自由党

○松永委員長 これより会議を開きます。  まずBCG接種に関する件についての厚生大臣に対する質疑を続けて行きたいと存じます。なお、厚生大臣はただいま予算委員会における質疑中でございまして、抜けて御出席を願つたのでありますから、できるだけ簡単明瞭に要点だけをお願いしたいと存じます。苅田委員。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 前回の私のBCGの研究のために、さらに研究費を増額してやるつもりは持つておられないかという質問に対しまして、厚生大臣は、それはさらに先の話であつて、そこまではまだ考えていない。これから研究するかどうかは、きめるのだというようなお答えがあつたと思うのでありますけれども、これは厚生大臣も御存じのように、BCGを主といたしました結核予防法は毎年継続事業として今年も約二千万円ほどの費用が予研に対する委託費とかあるいは研究のために出ておるわけで、今年もこの費用をさらに、こういう重大な問題が起つておる際でありますから、研究を進めるためには、もつと増額してでも研究に力を入れると、こういうような大臣のお考えがおありになるかどうか。それともこれを契機といたしまして、BCGの研究は一応打切る、あるいは力を抜くというので、減額でもなさるようなおつもりがあるかどうか。これは非常に具体的な質問でございますが、それにつきましてお答え願いたいと思うのです。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 減額するようなつもりは持つておりません。BCGの研究というものは、これは非常に必要でありまして、将来もつとやらなければならないと思います。この問題もお尋ねがあつたかと思いますが、私が考えておると申しましたのは今までやつて来たような、ああいう方式のBCGをさらに改良するための研究というもののほかに、なおBCGのもつと大規模な今日行つておりまする有効の度合いであるとか、あるいは完全に無害であるとか、ある場合に誘発症状が起らなかつたかといつたようなものについてそういう問題になつておるようなテーマをとらえての特別研究というものをどこかに命じ、新たに予算をとるかどうかというようなことについては、学術会議も、あの意見書の基礎になつた資料を、あとから送ると申しまして、何でも一週間うちくらいに来るそうですが、まだ来ておらないような関係があつて、そこまではまだ考えておりませんと、こう申し上げたのであります。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 従来から結核の研究費につきましても、各方面から研究費の不足を訴えておるときでありますので、この際厚生大臣が、そのようにさらに続けてやるとおつしやるのでありましたら、どうぞ予算的措置もお考えになつて、ぜひやつていただきたいということを、この際お願いしておくわけです。  これに関連して、ちよつと結核予防会のことについて、大臣にお考えを聞きたいと思うのですけれども、これは委員長からも一応お話になりましたように、結核予防会と厚生省の首脳部との間に、従来からいろいろな因縁関係が伝えられておりまして、私どものところにも、最近に至りまして、いろいろな風説が来ておるのであります。たとえば選挙等に関連いたしましても、経済的な面とか、また人事の方面とかにおきましても、非常に厚生省の首脳部と結核予防会の首脳部との間に、ときによると忌まわしい風評まで聞いております。私どもも、これにつきましては、さらにはつきりした調査を待たなければ、発言できないのでありますけれども、この間の事情は、厚生大臣も御存じと思うのでありますが、全然御存じないか、あるいはこういうことに対しまして、何らか御存じならば、私はやはりこれは大切な国民の厚生行政に関する問題ですから、もし御存じなければぜひこういう輿論を調べていただいて、そうして純粋に学問的な研究なり、あるいはそういつた保健上の処置ができますような勇気を持つた処置をおとり願いたいということをお願いしたいのですが、この点に関しまして、大臣のお覚悟、お気持が聞きたいと思うのです。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 私は先般の委員会で申し上げましたように、結核予防会と厚生省の幹部——幹部と申しましても今日では私を助けて仕事をしてくれる私の部下のことでありますが、特殊の因縁関係があるということを信じたくないという率直な気持を申し上げた次第でございます。ただ苅田委員の御指摘のようなお話につきましては、先般委員長からも御発言がございまして、最近まつたく聞いたことがないとは、私も申しませんけれども、私はただいま申し上げたようなつもりでおるのであります。しかしながら、ことに事柄がほかのことと違いまして、結核という、国民全体としても実に重大な問題でもあり、ことに病気にかかつておられる方々からいえば、実に痛ましい、そして生活の困窮のもとになる結核の問題でございますし、莫大な租税による国費を使つておる仕事でございますから、私といたしましては、今苅田委員のお話のようなことがないことを信じたいと思いますが、今後におきましても、さようなことのないように、十二分に私も留意し、監督をいたして参りたいと思つております。なお具体的にさような問題につきまして御指摘がございますならば、私といたしまして、決して迷げ隠れをするつもりは毛頭ございません。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 結核予防会の問題につきまして、ただいまの御答弁をいただきましたので、この問題は、いずれ大臣も言われたような具体的な問題を、さらにこちらでも調査いたしました上で、また機会をかえて大臣になりあるいは厚生当局なりのお考えを承ることがあろうと思いますが、本日はこの件はこれだけにいたします。  次にBCGの論争は、これは今春結核予防法ができますまでにも、すでに今日行われておるとほとんど違わない論争が学界でもあつたということを私は聞いておるのであります。私どもの結核の小委員会におきましても、この問題が出たことを記憶しておるのであります。そこで私は今度新たに厚生大臣がこの問題に関与なされましたにつきましては、たとえば先般の委員会で御答弁になりましたアメリカの方面からの文献に従来のそういつたBCGの是否の論に、重大な均衡を破るような、BCGが確かに有害で不確実であるという新説がここに生れたために、こういう処置がとられておるのかどうかということを、一応お聞きしたいと思うのです。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 日本学術会議におきまして意見を持つて来られましたのにつきまして、私も尋ねましたところが、そういうふうな意味があるそうでございます。私はただ口頭の話でもいかぬと思いまするので、学術会議の先生方は十何人かおりまして、それぞれ勉強しておられる方々ですから、自分の勉強でデイスカツスした結果を結論として書いて来られたのですが、私はそういうふうな形で話をすると、これは非常に問題だから、資料として写しをこしらえて届けてもらいたいということを、十二日にもお願いいたしておきました。その後も催促をいたしておりまして、それをよこして来るそうでございます。私が当初承りましたときに、実はこういうふうな話があつたのであります。四日の日にあの紙を持つて来られまする前、日本学術会議の塩田、児玉の両氏が、私に対してこういうお尋ねがございました。BCGの問題については、前々から自分の方がいろいろ意見がある。これは実は厚生省内の若干の手違い等ございまして、日本学術会議との間に六月ごろから若干問題があつたのでありますが、自分もいろいろ意見を言いたいと思つておる、しかし、もしこのBCGの問題に触れることが占領政策の批判になるというふうなことであるならば、遠慮をしなければならないので、実は慎重に調査研究をしてもらいたいという申入れをしたいのだがということで、あらかじめその問い合せがございました。私はそれに対して、そんなことはないのだ、それは日本の法律の問題であり、今日日本政府のとつている政策の問題であつて、私は執行の責任者としてBCGの接種を所管しているわけでありますが、意見を出してもらつて困るということは、法制的にどうこうということはありませんということを申しました。その際に、どうして私はそんなことを言うて来られるのだろうと思つて、非常に不思議に思つたのでありますが、アメリカの結核病学会の会長でありますマイヤー教授のBCGに関する結核病学会の会長としての報告論文のほかに、最近マイヤー氏の書いた著書か何かがあるそうでありまして、その中に、サムズ准将がアメリカに帰つてからの向うでの報告というふうなものを引用して、それに対する一つの疑義を提起しているというようなものがあるそうでございます。日本学術会議といたしましては、そういうふうなものを加味して、今日あらためてBCGの問題を考えてもらいたいという意見を出したのだということを申しておりました。私としては、内容をもう少し書面で出してもらつてから検討いたしたいと考えております。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 ただいまのお話を聞きましても、大臣自身は、どういうことでそうした画期的な新しい説がなされたかということは、十分につかんでおいでにならないようでありますし、それから参議院でもつて、三回この問題で、当のそういう意見書を出された学者たちが来られまして討議されました。私はその二回までの討議は自分も出ましたり、あるいは出席した人に聞きまして大体知つておるのでございますけれども、そこでも、特別このような、今大臣が期待しておられるような意見は出なかつたように聞いておるわけです。私はこの問題ではこれ以上——今日もどうやら時間を急がせられるような形勢が見えておる際でありますから、私は大事なことをぜひお聞きしたいと思うので、このことについて私はこれ以上申しませんが、たつたこれだけのことでもつて今度の声明を出されたり、談話を発表されたということに、私はどうしても得心の行かないものを持つておるということだけははつきり申し上げたいのです。これは何か他にこの談話の意図があるのじやないか、これは私後にもつと具体的に申したいと思うのですけれども、こういう調子ですと、BCGがいいか悪いかということの論争は、早急には決定できないと思います。大臣は、この問題では先般来結論が出るまでは現状を維持するというふうな御意向だつたと思うのですけれども、こうなりました現在と、こういうものが起きなかつたときの状態とは、たいへん違つておるのでありまして、すでに末端の機関ではBCG注射に対しまして非常に躊躇しております。特に地方団体においては、公費の半額負担で、地方財政が非常に無理な形でとられておりますために、地方財政が困難な折から、特にこの強制に対しましてこういうような大臣の私見が発表されましては、現状を維持するとおつしやつても、BCGの注射に対しましての拘束力といいますか、これをやらせることにたいへんブレーキをかけて来ておることは間違いないと思います。そういうBCGの注射の仕事が非常にここで渋滯するであろうということは厚生大臣もお認めになると思いますが、いかがでしようか。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 私が結論が出ますまでは現状のままと申しましたのは、誤解のないようにお願い申したいと思いますが、こういう意味であります。つまりBCGというものについて、もつともつと基本的な学問的研究を重ねてその上でどの程度に有効であるか、それから生のBCGあるいは乾燥BCGの差がどれくらいあるか、あるいはまたこれによるところの副作用として、どういうものがあるかというふうな問題についての結論を出してから、それからものをきめるのであつて、それまでの間私は何もしないで、現状のままでおるというつもりではございません。私の申しますのは……。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 私が申すのは、実施の面が渋滞するのではないかということです。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 誤解でないように申し上げます。そこで私の申しますのは、日本学術会議の方から、あの調査研究を要するという立論の根拠になつた資料をもらつた上で、これは真実なお調査する必要があるという結論を出すまでは、私は今のままでおる。これはそう長い期間ではございませんけれども、やむを得ないと考えております。この点については少し基本的な調査をなお要すると思うが、これを考えなければならぬだけのデータがやはり存在しておるのだということでありますならば、私はその間において、今日法律で行われておりまするところのBCGの接種ということについては、少くとも罰則をつけてない。従つて定期接種の問題について不安を持つておる人に強制するというような方式は、避けなければならぬじやないかと考えておるのであります。そういうふうな実際的に調査を再開する、それで心配の人、いやがる人に、たつて強制するというような方式をとり続けるか、あるいはそれに対してあまり無理をするのは法の趣旨じやないのだということを申すか、それまでの間はこれはもうしばらく待つよりしかたがない、こう思うわけでございます。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 多少私の質問いたしました点が、答えていただけなかつたのですが、しかし部分的には、これは罰則がないから強制しないというお言葉から、大体推測できるのです。それでは、たとえば東京都の場合、法律によりますと、十月一日から公的な補助を出しまして、公費の半額は東京都で負担して自由に実施しなければならない立場になつておるのですけれども、厚生行政に非常に良心的な橋本大臣も御存じのように、東京都では大体一億一千万円に上るところの結核に対する対策費を、知事の査定で全額切つております。こういうことを御存じと思いますが、こういうことがあれば、法律の面だけでは、BCGはそうした必要者には打たなければならないことになつておるのですけれども、実費で打つというようなことは、現状としてはとうていできない人がたくさん出て来ると思うのです。またそれは法律の趣旨でもないわけです。ですから、すぐひざもとのそうした東京都で行われることですが、大臣としてこれに対しまして勧告なり、あるいはこれは対する何らかの態度なりを発表されるというような対策について、どういうふうに考えておいでになるか、この点についてちよつと御意見をお伺いしたいと思います。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 ただいまのお話は、BCGの問題と違つて、例のストレプトマイシンや気胸や何かに関する問題でございまして、東京都としては、何でも生活保護法との関連において、都の財政で得だとか損だとかいう議論があつたというようなことを聞いておりますが、具体的な問題につきましては、局長からお答えいたさせたいと思います。

山口正義厚生技官(公衆衛生局長)

○山口説明員 ただいまのお尋ねの十月一日からの医療費の公費負担は、これはBCGの問題でございませんので、ただいま大臣のお話になりました法律で定められました医療費の公費負担の問題なのでございます。これを十月一日から実施できるようにというふうに各県ではやつておりますが、東京都だけは、ただいま大臣のお話のように、財政的な理由のために十月の都議会に間に合わなかつたのであります。この点につきましては、私どもといたしまして患者の方々の立場もあることでございますので、早急に都として予算を組んでもらうように今折衝いたしております。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 厚生大臣の御答弁は、このBCGを研究するかしないかという問題について、この前私のお尋ねしたときの御答弁と、いささか違つておるように思うのですけれども、その点はおきまして、そういうふうにして厚生省としましては、結核予防対策ということを、大体BCGの強制接種で切り拔けるということを正面の対策としておられるということは、従来私ども一緒にこういう問題をやつておりまして、わかることなんですけれども、今度そのかんじんのBCGの接種ということに対しまして、一番の責任者である橋本厚生大臣が、これに対する疑義を表明なすつたということになりますと、これはとにかく結核予防方面にとりましては、大きな問題だと思うわけなんです。いやがおうでもやはりこの方面の事務は進んで来ない。その証拠には、BCGに対しまして一度契約しておりました品物の断りが、うんと来たりいたしまして、結核予防会の方面では、BCGがうんとたまつているといつたような報告も聞いているわけなんです。そういたしますと、政府の方としてこのBCGを全力的にやつていいかどうか疑問な間、ほかにどういうような結核の予防対策をお考えになつておられるかということを、私はお聞きしたいわけなんです。私が言うまでもなく、結核というのは社会病なので、ほんとうからいえば、私どもはBCGを打つだけで結核が予防できるというようなことは、考えていないわけなんです。この点につきまして、私は厚生大臣のこういう結核の予防につきまして、BCGと関連してお聞きしたいと思います。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 私はBCGもきわめて有力な結核予防対策として、今後も、つまり三十才以下の人に、今のようなかつこうで非常に強く接種を勧めるという方式を、何らか改善するかいなかにかかわらず、BCGの接種というものを、より一層研究し、改善するということは、私は必要なことだと考えております。くどいようでありますが、いずれ文献を見てからお答えをいたしたいと思いますが、BCGの発案者であるカルメツト、ゲラン両氏とも、感染してからあとやるのは、からだにいろいろ問題があるということでありまして、未感染時にだけしかやらぬということが最近の状態であるというようなお話もありますし、ごく最近のニユース・ウイークをごらんになつても、イギリスでは生後三週間以内の者にだけBCGをやるのだということが書いてあります。私はいろいろな改善方法を講じつつ、BCGというものが最も有効に使い得るような方策というものは、今後もやつて行くべきものだと思います。ただ結核の問題は、苅田委員からもお話のありましたように、環境衛生一般の問題でありまして、何と申しましてもやはり生活水準が高くなり、暮しが楽になつて、環境衛生一般がよくなることが、第一に必要なことでございます。それからまた、実は昨日閣議で決定いたしたのでありますが、真剣に受胎調節の普及をはかるつもりであります。こういう面から、非常に無理して子供ができたり、母体をいじめたりというふうなことも結核の原因になりましようし、ほかにも相対的にいろいろな方法を講じて行かなければならぬと思つております。その一環といたしまして、BCGの改善ということは、法的措置の方法の改善とは別問題としては、なお研究をして行かなければならないものだと考えております。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 ただいま大臣から、単にBCGにとどまらないで、他の国民大衆の環境を改善するためにも努力するという意味の御返事がありましたが、私はこの点はたいへんに満足するわけなんで、ぜひ大臣はそのお覚悟で、従来よりも画期的な、日本から結核を追い出すために、国民の生活水準を引上げることに、言葉だけでなくて、実際に努力していただきたいということをお願いするわけです。それに関連して、これは大臣も御存じだと思うのですけれども、特にそれをするためには、一つには現在労働者、あるいはうんと生活の苦しい人たちの中に、結核が非常に蔓延しておりまして、死亡率は近年非常に下つておりますけれども、罹病率の方は、労働省の基準局から出しております定期健康診断の結果報告を見ましても、この一年の間に約三割ぐらい高まつておるわけなんです。しかも実情をいえば、労働者は結核という刻印を押されることによつて、生活の保障がゆらぐために、健康診断を恐れる傾向が非常にあると思う。これはだれでも職場に入つた人は知つているのです。ですから、まだまだ私はこの数字の上に現われない患者がたくさんおると思うので、私はやはり罹病率を低くするためには、たとえば労働者の賃金を引上げることだとか、あるいはただいま大臣もおつしやいましたように、うんと予算をとりまして、結核の病床をふやさなければならぬ。現在のように大の男一人の生活基準が二千三百九十円ですか、婦人であれば千八百円で、これが日本の文化的で健康な生活の標準だというような、こういう生活保護法のむちやくちやな基準があつては、なかなか結核の羅病率を低くすることはできない。私はそういう意味におきましても、どうか他の関係ある省に、そういう結核をなくするための、厚生当局としての努力をしていただきたいし、特に来年度の結核の費用に対しまして、これを削減するのでなく、できるだけただいまの大臣の御決心を、そういう予算の面に現わしてもらつて、予算を増大する、あるいは生活保護法の基準を、もつと常識でわかるような基準にまで引上げる、こういうことを私は実現していただきたい。そういう予算措置をとつていただきたいということをお願いしたいのですが、これに対しまして、大臣はどういうお考えであるかということをお聞きしたいわけです。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 生活保護法の金額といたしましては、生活保護費が今日二百数十億という相当莫大な金額にも上つておりますし、もともとが万やむを得ない場合の足し前の問題でございますから、今日の状態からいつて、あまりに多くを望むことはできないと思います。ただ物価の値上り等に応じまして、順次これを改善いたして参つております。ただ今日の状態でも、今申しましたような相当大きな金額に相なつておる。しかもこれはやり方が非常に大事だと思いますが、なお一部には惰民を養成しておるようなきらいのある場合がある。当委員会においても、そういうことを御指摘を受けたことがあるくらいでございまして私はただいちずにこれらの基準を非常に上げることが望ましいかどうかということは、よほど検討を要すると思つておるのであります。  なお結核の予防対策の問題といたしましては、それはもう十分にいろいろな手、たとえば住宅対策の問題とか、あるいはまたいろいろなほかの問題についてはなおなお考えて参らなければならぬのであります。  なお今羅病率と死亡率の問題で御指摘がございましたが、その通りでございます。ある言い方をする人はよれば、なるほど死亡率は下つておるけれども、羅病率はちつとも下らないところを見ると、今日までやつて来た治療的な措置は効果が上つておるけれども、予防措置というものがあまり効果が上つていないのじやないかというふうな議論をする人もございますので、この罹病率に対する統計というものは相当いろいろな要素が入るのじやないか。特に昨年から非常に多くなつているのは、在宅患者に対する砂糖の配給なんかの問題が、相当響いておるのじやないかと私は思います。それからもう一つは、従来は結核というものを非常に隠したがつておつた傾向がありましたけれども、今日では、いなかでもあまり隠されない、むしろ表に出して治療を受けたり配給を受けたりするというふうな空気が強くなつて来ておりますので、罹病率に関する統計というものが、実際の結核患者と罹病率の差異を示すものかどうかということは、これはもう少し統計的にも内容の検討を要するように私としては考えております。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 今までわからなかつた患者がふえたということは、確かにあると思います。それにいたしましても、ともかく日本の国民の中に少くとも五十人に三人——これは労働省の統計から出ておるのですが、こんなに大勢の患者がいるということは実情で、まだこれでは足らない、実数はまだまだ多いだろうというのが実情ですから、これに対しましては、私はもつと思い切つて生活を改善する措置を大臣としてはとつていただきたいと思うわけです。それには先ほど生活保護法の基準の話がありましたが、これは足らないのを足し前とおつしやいますけれども、さつき言いますように、女の人は千八百円あれば生活できるものとしてこれで押えておつて、足し前もこれ以上は出ないような措置になつておるのが実情なんです。生活保護法の費用が非常に莫大なのは、それだけやはり生活に苦しんでいる者がおるということの実際の現われなんですから、そういう点におきまして、大臣がはつきりした御決意を持つて、もつと人間的な生活ができるような基準をきめていただくことを、私はこの際ぜひお願いしたいわけです。  それから結核対策の費用につきまして、こういうものを見込んでこの次は増額していただけるかどうか。こういう点と一緒に大臣の御覚悟のあるところを伺いたい思います。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 予算の点につきましては、内容をできるだけ合理化しつつ、総額においてできるだけ多くするにいたしたいと思つております。今日でもやりたいことでやらぬでおりますことは非常にたくさんございますし、結核対策としては特にそうでございます。何と申しましてもベツドをたくさんふやしたい、あるいはまた在宅患者のめんどうを見たり、いろいろの問題があると思いますので、御希望に沿うようにできるだけ努力するつもりでおります。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 今年の夏時分に、今年やつととりました八十四億の結核対策の費用が、総理大臣の考えといいますか、とにかくこれが半減されるというようなうわさが一般に伝わりまして、私どものところまで参りまして、大騒ぎしたことがあるわけです。実際は、八十四億が半減になつたということは、はつきり聞かないのでありますが、こういう状態から察しまして、どうも政府は結核対策費を、今日でもこれだけあるのを持て余しておられるのじやないか。なるべくこちらの方面から削減するということを考えておられるのじやないか。たとえば厚生大臣がああいう談話を発表されたということは、期せずしてではあるかしりませんが、結核対策で従来とつておつた強制的な措置というものに要する費用なんかも、非常にここでぐらついて来るのじやないか。こういうことを言われますことは、予算をとります上において悪い結果を来すというふうに考えるのです。特に厚生大臣は、ちようど行政整理の長官も兼ねておられまして、行政整理をしてできるだけ国の費用をとつて、これを今度の条約できめられた再軍備とか、いろいろな費用にまわさなければならない。こういう関係から、これは私の思い過ぎかしれませんが、どうも今度の問題が率直に受取れない。もし、そういうことは絶対に考えていないのだ、結核の費用を減らそうと考えているどころか、もつと結核に対しては費用をとつて、十分これに対する措置をしなければならぬとおつしやるのでありましたら、私のそういう考えが間違つているということを、根拠をもつてお話いただきたい、こういうふうに思います。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 結核の予算のことに関しまして、今苅田委員のお話のような政策的のことは、ちつとも考えておりません。私は今日でも、結核の問題は、金さえあつたらできるだけ一ぺんにたくさんほうり込んでしまつた方が、純経済的に考えても有利だと思う。もちろん人道的に考えたら、なおのことだというふうに私は考えております。再軍備云々というお話がありましたが、これは率直に申し上げて苅田さんの偏見でありまして、今日行政整理によつて出た費用というものも、まず第一に減税と公務員諸君の待遇改善に充てらるべきものでありますし、今後におきましても、公務員諸君の待遇改善や減税の費用というものは、第一の財源を行政の能率化に求めるのは、国民に対する義務からいつても当然だと私は考えております。要するに、問題は結核の予算に関しましても、今日の貧乏国の日本として、どの項目といえども、これで十分だというようなものがあろうとは、私は考えておりません。常にいかに金を有効に使い、そして有効な金をたくさんとるかということが必要であると私は思うのであります。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 結局厚生大臣が、結核の予算は減らさないと言われたことだけで、私どもはこれ以上は聞けないと思うので、そのことだけでもぜひやつていただきたいのです。さらに結核の予防のためには、どうしても必要な、それに従事しておりますところの技術者、あるいは従事員も、今行政整理の対象に上つているようですけれども、そういつた厚生行政に従事しておる、たとえば国立病院とか療養所の医者とか技術者、あるいはそれに従事しておる人たちの間に、現在でも十分な療養ができるだけの処置がないという実情も見ておりますし、訴えも聞いておりますので、こういうことは少し無謀ではないか。少くともBCGの問題でこれだけの思い切つた処置をとられる大臣であれば、それだけ良心的に考えていることであれば、そうした部門の行政整理ということに対しましては、私は大きな疑義がある。厚生大臣の日ごろの主張とはまつたく反対ではないかと思うので、これに対しまして御意見を伺いたいと思います。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 病院、療養所の職員については、一般庶務的なものについてごくわずか整理をいたしますほか、ほとんど整理をいたしません。なお、むしろ整理云々の問題よりも困つておりますのは、病院の医者などは定員が非常に継続的にたくさんあいておりまして、埋めようとしてもなかなか埋まらない。これは一つには、旧陸海軍病院時代には、非常ないなか等にあつても、陸海軍の任命異動という関係で行つたのが、今日一般病院になつてみると、そういなかには行きたくないということがあると思うのであります。むしろ私どもとしては、従来特に医者に関しては定員の穴を埋めるのに非常に苦労しておつた状態で、全国で今二千名くらいのあきがあると思います。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 私はお医者だけでは、やはり病院は持つて行けないと思います。しかし私が聞いておるところによりますと、そういつた国立関係の療養所、病院にも、相当の人員整理がある。今ここにちよつと数字は持つておりませんけれども、相当の整理が大体内定しているというふうに聞いております。それは私の聞いたのは間違いかもしれませんが、大臣はそうした人員の整理などはなさらないおつもりか。あるいはあつてもごくわずかということですが、ごくわずかでも、私は今のところふやす方がいいのではないかと思いますが、大体そういう方針と理解してよろしゆうございますか。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 病院療養所は、約四万何千人かおる中で約千何人でありまして、ことに看護婦は全然触れておりませんし、医者も今申し上げましたように欠員に困つているくらいでありますから、庶務的なものについて約千幾らかという、ごくわずかの整理があることになつておりますが、これは国全体の行政の能率化という点から見まして、当然それくらいのことはやらなければならないと思つております。

松永佛骨自由党

○松永委員長 ちよつと苅田委員に申し上げます。本会議の開会中でもございますし、なお、簡単に十分か十五分ぐらいというのは、四十分も経過したのでありますが、派生的な便乗質問はやめていただいて、きよう厚生大臣を招致いたしましたBCGを中心とする質問にとどめていただいて、次会は社会保障制度に関する問題を中心とした委員会をやりたいと思いますから、できるだけ簡単に願います。

苅田アサノ日本共産党

○苅田委員 今委員長は、派生的な問題とおつしやいますけれども、私は実際を言うと、今度の問題は、やはり結核の予防対策を中心にして生れた問題だと思う。単にBCGの問題というところに、やはり従来の結核対策の不十分さがある。こちらの点は非常に大事な質問だと思つて、特に私は厚生大臣にお伺いしたいわけなんです。しかし大体ただいまの御返答以上のことは、今いただけないと思いますし、結核に対する予算措置は減額しないで、できるだけ増額する、あるいは生活保護法の基準、その他についても、できるだけの努力をするという点に関しまして、さらに別個な委員会で大臣の御出席を得ました上で御意見を伺いたい、あるいはこちらから希望もしたい、かように考えまして、きようの私の質問を終ります。

松永佛骨自由党

○松永委員長 金子委員。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 BCGの問題につきまして、二日間にわたりましてお忙しい大臣の出席を求めまして、いろいろと各委員から質問があつたのでありますが、どうも今までの二日間にわたる質問の過程におきまして、BCGの強制接種に対してどうするかという大臣の態度が、私ども頭に明瞭にピンと来ないために、くどいことは一切やめまして、結論だけをお聞きしたいのであります。というのは、大臣が、学術会議からこれだけのことがあつた以上は、相当考慮しなければならない。これも私はもつともだと思う。それから、そうかと思うと、この法律は強制はしておるけれども、罰則がないから、あながちほかの罰則のある種痘などとは違うというような見解を披瀝されたのを見ると、法律はあるけれども、あくまで強制はしないというようにも聞えるし、また厚生省、いわゆる行政庁として何らかの処置を考えたかという質問に対しましては、行政の府はあくまで行府の府であるから、そういうことに対して何ら命令も指示もしていないというふうな点、それからこれらを勘案いたしましても、どうも私には、大臣の今後の行政上の措置がぴんと頭に入つて来ない。それは私どもにぴんと来ないばかりでなく、この間の委員会のあくる日の新聞を見ても、ある新聞によると、法律である以上は強制するというふうに解釈して記事を出しておるかと思うと、一方の新聞は、強制しないといつて書いてある。こういうことでは、とにもかくにも現行法として出ておりまして、実行しているのでありますから、たくさんの国民は非常に惑うと私は考えますのでぜひこの問題につきまして、いろいろの経緯なり、あるいは問題は、重々お聞きしてよくわかつたのでありますが、結論として、ただいま今日から、この法律がある以上は、あくまで、たとい罰則がなくても強制は強制だという建前で強制接種をおやりになるのか、それとも疑義が出た以上は、一応法律はあるけれども、罰則がついていない法律であるから、拒む者にまで強制するような態度はとらないというふうな措置をとられるか、その二つの点について、どちらかはつきりした大臣の御回答を願いたいと思います。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 私は、実は今まできわめて明瞭に申し上げたつもりでありますが、繰返して申し上げます。日本学術会議の意見に対しましては、口頭でいろいろな話を聞きましたけれども、私は何らかの措置に出るためには、そういうことでは困るので、いろいろな文献というものを、そのまま全部長いものを写してくれないでもよいけれども、立論の根拠になつた重要なものについては、文書として第七部長の名をもつて送つてもらいたいということを要望いたしまして、それを待つておる次第であります。私も、委員会からいろいろお尋ねもございまして、私の結論を出しますのに困りますので、催促をいたしております。あと一週間ぐらいのうちにこれをまとめて送るという話でございまして、私はその上でこういう理由に基きましてこうするということを申し上げたいと思つております。その際におきまする措置につましては。これは内部的な問題でありますが、私の判断だけによるわけにも行きませんから、省内でも相談いたしまするし、閣議でも相談いたしまして、そうして私の態度をはつきりきめて、所要の解釈のもとに所要の措置に出るつもりであります。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 そうしますと、ただいまのお話では、学術会議からのこまかいデータを見た後に、これに対する考え方をきめるというのでありますが、すでに大臣があなたのお考えを発表なすつてから相当の時間もたつておるのでありますが、この学術会議の結果がわかるまではどういうふうな方法をとつてやつて行きますか。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 私の考えを発表したと言われますけれども、私は今日まで考えを発表したことはございません。私の考えと申しまするのは、日本学術会議からこういう意見を受けた、これは黙視して抹殺すべきものでないと思うから、現行の法律に対する問題で非常にやつかいな問題であると思うし、責任の地位にある者としてなかなかむずかしい問題であると思うので、やはりこれを取上げて検討しなければならないと思つている。私にとつて非常に重要な問題ですから、政府部内においても相談のもとに、とにかく文献を出してもらいたいということにいたしまして。いやしくも考えるとなれば考えた上で、初めから方法を考えて——一応考えたような顔をするけれども抹殺してしまうのだというようなことは考えないで、良心的に検討するというふうに考えているわけでありまして、それまでの間は、これはもう何らかの結論が出るものでもありませんから、しばらくこのままでいると言うよりしようがないと思います。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 そうしますと、お考えになつて研究の見通しがつくまでは、現行法の通りやらせる、こういうことでよろしゆうございますか。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 私は、現行法通りやらせるというのではなくて、何らかの措置に出るまでは、現行法が今までの厚生省なり関係当局の解釈によつて行われているという事実があるだけだと考えております。

金子與重郎国民民主党

○金子委員 それでは、今までの事実がある以上は、それをやるやらないでない。それが当然だ。それからまた、学術会議のデータが出ましてから一つの結論が出ますならば、そのときに一つの措置を考えよう、こういうことで了承いたしたいと思います。それから、なおこの問題は、はなはだ老婆心のようなことで失礼でありますけれども、私もこの結核行政の専門家ではありませんけれども、この法の審議に携わりました責任者といたしまして、たとえば新聞紙上の問題なんかを取上げるのではありませんけれども、その当期の責任者であつた黒川前厚生大臣は、当然あれはやるべきだというような意味のことを言つておりますし、それから現橋本厚生大臣は、それは良心的な気持からということで、よく私どもその気持は了承するのでありますが、一応一般に取上げられていることは研究しなければならないというところに、問題があると思いますので、私はひが目かもしれませんが、こんなふうに問題がこれだけ大きくなつたということは、単に学術会議からそういうものが出たということだけでなしに、その後におけるその衡に当る方々の言動なりあるいは言葉なりが、どういう形でここでとは申しませんが、何かの原因がなければ、これだけ大きく問題にはならなかつたというふうに考えております。しかもこの大きな問題になつたことが、決して、国民的に、あるいは結核予防の上に、そうプラスにはならない、かえつてマイナスになつているということだけは、私は申したいのであります。それであるがゆえに、法が強制しておるかないか、罰則があるかないかということは別といたしまして、この種の問題につきましては、今後ぜひともこういうふうな問題が起らないように、と申しますと、あなたの方では、私に責任はないとおつしやるかもしれませんが、そうばかりは言い切れないと、私どもは考えておりますがゆえに、老婆心でありますが私は申し上げておきます。

松谷天光光無所属

○松谷委員 ただいまの金子委員の御発言で、大体この問題の休止符は打たれたと思うのであります。今回までこの問題をめぐりまして委員会が開かれて参りましたが、その間に大臣が御答弁くださいましたお言葉と、ただいまの御発言との間には、幾らかの相違があるような気が私はいたします。しかしそれは今取上げようとは思いません。少くとも、ただいまの御発言をいただいて、私も納得はいたしました。ただ一つお尋ねをいたし、なおはつきりさせておきたいと思いますのは、十月二十二日付の東京新聞に出ております記事でございます。今月の十五日に、山口公衆衛生局長に対しまして、大臣が、「BCGの強制接種は慎重に取扱い、積極的に行わないよう各都道府県知事あてに通達を出すよう」というようなことを指示されたというふうに書かれてございますが、そうした事実がございましたかどうか、参考までに伺わせていただきたいと思います。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 こういうふうに通達を出せという命令はいたしません。先ほど申し上げましたように、いろいろ検討中でございますから。ただ私は、もしこれがいろいろな疑義があり、研究を要する段階にあつて、今のままの形で従来のやり方をするのが危険だということを考えました場合には、この法の趣旨に従つて、あまり無理をするなという通達をする必要があると思いまして、そういうことを考えて、研究しておいてもらうようにと申しておいたのでございます。

松谷天光光無所属

○松谷委員 それでは重ねてお尋ねをいたします。なおそれと同じ記事の中でございますが、厚相の談話として、「法的な強制は一応見合すべきではないかと考える」ということも、御発言になつておられるようでございますが、あるいはかりにそういう御発言があつたとしても、きようの金子委員に対する御答弁は、そうでない。少くとも現状のままを、はつきりとした結論が出るまで、あるいは厚生省の態度がきまるまでは続行するというように言われた。その御発言が今の大臣の新たなる御心境あるいは御態度と解釈してよろしゆうございましようか。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 私は終始一貫一つもかわつていないのであります。新聞記事の問題につきましては、今金子委員から御指摘のありましたように、こうした公開の席でみんなが聞いているときでも、翌日違つた新聞記事が出るくらいで、一つ一つ究明されると、私も迷惑でございます。私は、日本学術会議の進言のように、学問的な問題もあつて、相当調査研究が必要であるということであるならば、これはとにかく現在までやつて来ているやり方というものも考えなければならないのじやないかということは考えてもおりまするし、申しもいたしました。それはただいままで申し上げた通りのことでありまして、何もかわつていないのであります。

松谷天光光無所属

○松谷委員 そうすると、一応割切れた考えが、またちよつと疑義が出て来るのでありますが、これはどこまで参りましても同じことであろうと思いますので、やめます。  それでは私どもの最後の解釈といたしましては、厚生省はとにかく現在施行通り実施を続行するということで、強制措置にはかわりなしというふうに解釈をいたしてよろしゆうございますか。

橋本龍伍自由党厚生大臣・行政管理庁長官

○橋本国務大臣 先ほど私が申し上げた通りでありまして、学術会議の方は、結論だけ出されて、その結論の判断の基礎になる文献をもらわないのは迷惑だから、早くよこせということを申しております。私それをなるべく早く見まして、そうして今のままほうつておくなり、何らか考えるなり、考える場合にはどうせ新たな研究調査の方法も考えなければなりませんし、しなければならないと思つております。もし学術会議の結論のように、研究調査を相当やる必要があるということであるならば、少くとも今のようなやり方について、何らかの改善がいるようになるかもしれないと考えております。それの判断のきまりますまでの間——そう長いことではないと思いますが、これは現在の法律により、現在までの関係法律のやり方によつて行われるということに相なるわけでございます。

松谷天光光無所属

○松谷委員 大臣に対していろいろ希望を申し上げたいと思いましたが、これは金子委員がすでに御発言になりましたし、同意見でございますから省略いたします。  なお局長に一言お尋ねしておきたいのでございますが、けさの毎日新聞に、BCGにまさるワクチンが研究されたという記事がございました。これは矢追博士の御研究として出ておりましたが、このBCGにまさるワクチンに対しての厚生省の御研究なりあるいは御関心はどの程度でございますか、現在のところを伺わせていただきたいと思います。

山口正義厚生技官(公衆衛生局長)

○山口説明員 けさの新聞に出ておりました矢追先生の結核マーゾニン・ワクチンのことは、私はまだ詳細承つておりません。しかし私どもといたしましては、結核の予防接種につきましては、先ほど大臣からお話がございましたように、絶えず新しく進むということをやつております。

松永佛骨自由党

○松永委員長 次会は三十一日水曜日午後一時より開会し、特に社会保障制度に関する件を重点として取上げたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十八分散会

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