厚生委員会 第1号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/10/15
会議録
○松永委員長 これより会議を開きます。 まず国政調査承認要求の件を議題といたします。今国会におきましても、当委員会の活動の万全を期するため、国政調査の承認を得ておきたいと存じます。その国政調査承認要求に関する文書作成その他の手続に関しましては、おおむね今までの例によることといたしまして、委員長に御一任願いたいのでございますが、そのように決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 御異議なしと認め、そのように決します。 —————————————
○松永委員長 次に、ただいまおきめ願いました国政調査承認要求に関連いたしまして、あらかじめ御了承を得ておきたいことがございます。それは小委員会の設置並びに小委員の選任に関する手続でありまして、緊急に小委員会を開かねばならないこともあろうかと存じますが、この際委員会を開く余裕がない場合を考慮いたしまして、本日国政調査の承認を得ましたならば、さしあたり委員諸君より御要望がありました遺家族傷い者等の援護に関する小委員会及び看護婦制度に関する小委員会並びに国民健康保險に関する小委員会の三小委員会を設け、小委員並びに小委員長の選任をいたしておきたいのでございますが、以上のことを了承し、その手続に関しましては、すべて委員長に一任するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。 —————————————
○松永委員長 次に丸山委員より結核予防法その他の問題について発言を求められております。これを許します。丸山委員。
○丸山委員 先議会におきまして、結核予防法が制定せられました。その前から結核対策の小委会会におきましても、結核の問題をいろいろ検討して参つたのでありますが、その結果BCGはこれを法をもつて強制するここに一応決定しておるわけであります。その当時のわれわれの調査におきましては、ことに政府当局から提出せられました資料等によりましては、BCGに関するその効力はほとんど疑うべくもなく、またその弊害あるいは副作用と申しますか、そういうようなことに関しても、あまり恐るべきものはないように私どもは承知して、あの法律を制定して参つたのであります。しかるにこの問題に関しまして、先般日本学術会議の第七部会より、これに関するやや違つた意味の文書が出されておるように聞いております。また本日の新聞紙上に伝えられるところによると、厚生大臣がこのことに関して何らかの意思表示をせられたように聞いております。この間のいきさつ及びBCGに関して、現在政府はどういうふうな見解をお持ちになつておるか、これをあらためてこの機会に詳細に承りたいと存じます。
○山口説明員 お答え申し上げます。ただいま丸山委員の仰せられましたように、去る第十国会におきまして結核予防法を御可決いただきまして、四月一日から実施いたしておるのでございます。法に基きまして、健康診断、予防接種、患者の届出、登録、在宅患者の指導というようなことを、実施いたして来ておるのでございまして、医療費の公費負担は、法で定められましたように十月一日から実施を始めておるのでございます。ただいまお尋ねのBCGの問題でございますが、BCGをこの結核予防法に取上げますことにつきましては、国会におきましても、私どもの方から資料を差出しましているいる御検討をいただいて御決定いただいたのでございます。私どもBCGをこれに取上げていただきます根拠といたしましては、BCGが大正十四年に志賀潔先生によつてパストウル研究所から日本に持つて来られました。その後各大学あるいは研究所においてBCGに関する御研究が行われておつたのでございますが、昭和十三年、時の学術振興会におきまして取上げられ、故長與先生を委員長といたしまして、昭和十三年から十八年まで、学童あるいは工場、鉱山の労務者、あるいは医療関係者等、非常に多数の人間について実地に調査研究されました結果、昭和十八年になりまして、学術振興会の第八小委員会の答申といたしまして、BCGを接種することによつて、結核の発病率を二分の一以下に減らすこともでき、また死亡率を八分の一以下に減少することができる。副作用としては、接種局所に潰瘍ができ、ときによつては相当長く続くこともあるけれども、それによつて全身的な害を及ぼすことはないということでございます。BCGを接種することによつて、結核を発病させる、あるいは潜在性のものを誘発させるおそれはないという御結論になりまして、昭和十八年、当時国民学校を卒業して新しく工場に入つて来るいわゆる少年工に結核の発病が非常に多うございましたので、それの対策に行政的に取上げまして、この少年工たちに実施いたしまして、その結果も非常にいい結果を得て来たのでございます。それに従いまして、だんだん範囲を広げまして、国民体力法においても取上げられ、その実施を続けて来たのでございます。昭和二十三年に予防接種法が制定されました際にも、BCGは、絶対的のものではないけれども、有効であり、局所の潰瘍を除いては全身的な害を及ぼす心配はないというので、予防接種法にも取上げられて参つたのでございます。ただ当時、それまでは液体のBCGを使つておつたのでございますが、これを法律に基いて国民に義務づけるためには、国がそのワクチンの製造に責任を持たなければならないという建前から、国家検定を実施するということになつたのでございますが、液体のBCGは保存期間がわずか一週間ないし十日ぐらいでございます。検定を実施いたしますのには、少くとも三箇月かかるので、液体BCGを使つておつたのでは国家検定を実施することができない。そのために、それ以前から研究されておりました乾燥BCGを製造するということになり、乾燥BCGについての検定基準というものを設けることになりまして、その基準をつくるのに少し時日を要しましたので、実際に予防接種法の中に取入れましたのは、昭和二十三年七月一日からでございますが、実際に行われましたのは、昭和二十四年の秋から乾燥BCGの接種が行われるようになつて来たのでございます。その後引続いて実施いたしておりましたが、先ほど申し上げましたように、局所に潰瘍ができるということ以外に、全身的な結核を発病させるという証明が全然なされませんで、そういう心配もないということでございましたので、先般第十国会において結核予防法を御審議いただきます際にも、政府提出の原案の中に、結核に対する予防接種を、法律によつて一定の年齢層のものに義務づけるということをお願いし、御説明申し上げ、御審議の結果御可決いただいたのでございます。その後実施いたして参りまして、四月から七月までの実施の状況は、統計調査部に参つております統計によりますと、七月の報告はまだ十県ばかり参つておりませんが、大体四百四十万実施いたしているのであります。ところが当時——当時と申しますか、六、七月ごろから、新聞紙上にBCGの効果、あるいはBCGによる害ということについて、いろいろな記事が出ました。たまたま七月七日に日本学士院のあの上野の建物におきまして、文部省総合結核研究会の結核予防接種科会と、日本BCG研究協会とが合同で開催されまして、そのときに当時新聞紙上にいろいろな記事が出ておりましたので、御出席になつた結核の專門家の先生方が、BCGをめぐる疑惑に答えるという文章を御発表になつて、その席に御出席になつた大阪の今村先生、東北の熊谷先生、九州の戸田先生、東京の岡先生外三十七名の方々が、有志の方々として署名をされました。そうしてBCGは局所の潰瘍はできるけれども、全身的な結核を発病させる心配はない。従つて、BCGは有効であり、無害のものであるというふうな御意見を御発表になつたのでございます。私どもといたしましても、現在BCGは有効なものであつて、局所の潰瘍を除いては、全身的な害をもたらすものではないと信じまして、その方を御可決いただいた通りに進めて行くつもりをいたしております。ところが先ほど丸山委員から御質問のありましたように、去る十月四日付で、日本学術会議第七部会の有志の方々として、厚生大臣あてに、現在実施されておる結核予防法に基くBCGの強制接種については、現段階において世上にいろいろ問題があり、医界にも疑惑を抱く者があるから、十分研究するようにという御意見が出たのであります。数日前に厚生大臣がこの第七部会の署名をされました有志の先生方の、一部の方々とお会いになりまして、私もその席に同席したのでございますが、先生方にどういう点でそういうふうなことをお考えになりましたかという御質問も、大臣からあつたのでございますが、先生方の方では、当日は別に具体的な資料をお持合せございませんでしたので、いずれ具体的な資料を出すというふうなことで、お話が終つておるのでございます。私どもといたしましては、現在BCGの有害性、あるいは効果ということについて、現在は疑義を持つておりません。ただ、ただいま丸山委員から御指摘がございますように、大臣が吉田総理に会われてお話になつたということが、けさの新聞に載つておりました。私このことにつきまして、大臣からお話を伺いたいと存じておりますが、大臣御多忙で、現在も参議院の本会議に出ておられます。早くお会いしてお話を伺いたいと思つておりますが、ただいままでのところでは、そういう経過でございます。
○丸山委員 実は私今月の八日に上京いたします際に、列車中で、偶然に第七部会の部長でおられる塩田先生と同席したので、いろいろ御意見を承つて来た。そのときに、塩田先生は、BCGの專門家ではあられませんでしたが、その部会に属しておる專門の人たちがいろいろな見解を発表しておる、自分としては、概括的な考え方ではおるけれども、これをまだ法律で強制する段階に立ち至つておるものとは信じられないというようなことを、実は私に話されたのであります。それで、ああいう文章を出されました以上は、学術会議の第七部会としては、今後どういう動きをなさる御意向でありますかということを実は聞いた。そのときに、今あれ以上具体的な積極的な働きかけをしようとは思つておらないけれども、研究者がありますから、その研究者の考え方によつて、あとどうなりますかというようなことで、その点については明瞭にせられなかつた。ともかくも日本における権威ある学術会議の第七部会でございます。その方面からある一つの疑惑を投げかけられたということは、ちよつと私どもとしては納得いたしかねます。またわれわれが法律を制定するにあまりに軽卒であつたという非難を受けたくはないと考えます。今後この点はあくまでも明瞭にしていただきたい。第七部会の方から積極的な働きかけがないにしても、政府の責任においてその点を明確にして、国民に納得の行くような説明をせられたい。そうでないと社会不安が起つて来る、これが一番の問題なのであります。急いでぜひその線に沿つての政府としての態度をはつきりさせ、国民にこれを納得させるという御処置をおとりになることを私どもは特に要望する。 なおあわせて希望をいたしますことは、乾燥BCGが今の検定においてはたしてどういう結果が出ておりますか知りませんが、それが末端において使用するという、その段階に至りますまでに、相当にワクチンの効力が減じておる。菌が死んでおるために、今の規定よりはもう少し量を多くしなければならぬのじやなかろうかというような意見も聞いております。しかるに、量を多くすると副作用が多くなるということも聞いておる。こういう技術的な面におきましても、国民の納得の行くように、また国民が喜んでこの注射を受けるようにせられるように、ひとつ大至急にその処置をとられることを希望いたします。
○山口説明員 丸山委員から御懇切な御意見、ありがたく拜聽いたしました。私どもといたしましても、従来やつて参りましたBCGによる結核予防接種に、国民が疑惑を持つというようなことでは、まことに申訳ない次第でございまして、この点につきましては、至急にはつきりさせなければならないと存じております。結核予防法によつて設置せられております結核予防審議会におきましても、予防方法に関する小委員会が設けられておりまして、すでに一昨日で二回会合が開かれているのでございます。その予防小委員会に、大臣の諮問としまして、予防方法について諮問するということもございますが、その説明としましては、BCGの効果の向上について意見があれば答申してほしいということになつております。予防審議会におきましても、先般の塩田先生外有志の方々の大臣への申入れを非常に重視されまして、予防審議会の委員であられる專門の方々、あるいはその方々からまたほかの專門の方々にいろいろ意見を聞かれて、早急に国民の疑惑を解くようにしたいという御意見でございます。私どもといたしましては、予防審議会の答申を早急に出していただくことをお願いしておるわけでございます。 それからただいま丸山委員の御指摘の乾燥BCG、乾燥ワクチンは国家検定をいたしますので、一応細菌、生物学的製剤の基準によつてきめられました検定を通過したものでございますが、その後の保存の方法等によりまして、ただいま御指摘のように、実際に末端において使用されます場合に、ツベルクリン反応の陽転率が非常に弱くなつておるということも指摘されております。そういう点につきまして、基準の改正につきましては、基準委員会の方でお考えを願うことになつております。また接種方法、たとえて申しますと、現在実施いたしておりますのは皮内接種の方法でありますが、これを経皮接種、たとえば多刺法、あるいは乱刺法を行いますことによつて、潰瘍をずつと少くすることができ、ほとんど皆無にすることができるという御調査もあるのでございます。そういう点についても、結核予防審議会の方から早急に御答申をいただいて、現在国民がBCGによつていろいろ困つておられる部面、すなわち潰瘍ができるという点を一日も早くなくすようにしなければならない、そういう考えであります。 この際私から申し上げさせていただきたいことは、皆さん方の御鞭撻によりまして、私ども結核予防行政を実施いたしておりますが、今年の上半期の統計によりますと、三つの特徴が現われております。死因統計によりますと、現在までわが国の死因の第一位は、長い間結核が占めておつたのでありますが、本年の上半期の統計によりますと、結核が第二位になつて、脳の血管損傷、すなわち脳溢血による死亡が第一位になつております。それからもう一つは、上半期の状態から見まして、本年の結核の死亡は十万を割るのではないかというふうな見通しでございます。これは昨年来国会等において結核予防対案をいろいろ御審議いただきましたときに、私どもといたしましては、五箇年計画で九万四、五千にしたいというような希望を持つておつたのでございますが、今回発表されました死因統計の状態からいたしますと、本年ですでに十万を割るであろうというような明るい見通しが出て来ておるのであります。もう一つの特徴は、いわゆる青少年層、十五歳から三十歳ぐらいのところの結核死亡率が非常に顯著に減少いたしております。もちろん三十歳以上の年齢層におきまする結核死亡も減少はいたしておりますが、特に青少年層の結核の死亡が減少いたしているのでございます。おかげをもちましてこういうふうに結核の死亡が減つて参りましたことは、まことにありがたいことでございまして、これは通過いただきました結核予防法等によりまして、結核の対策を実施いたしておりますその効果が、こういうふうに現われて来ているのであると考えておるのでありますが、これは決してBCGだけがそういうふうな結果をもたらしたというふうには考えられません、すべての対策が総合的にこういう結果をもたらしたものであるというふうに、私どもは考えなければならないと思います。しかしその中にBCGというものが大きな役割を占めておるということは考えなければならぬ点である、そういうふうに考えているのでございます。先ほど丸山委員から御指摘になりました点は、私どもといたしましても、早急に国民の疑惑を解くように努力するつもりでおります。 —————————————
○松永委員長 次に金子委員より国民健康保險に関し発言を求められておりますので、これを許します。金子委員。
○金子委員 保險局長がお見えのようでありますから、国保の問題について二、三御質問申し上げたいと思います。 御承知のように、今社会保險が数多くありまするが、その中でも国保の状態というものは、経営の主体が経済力の乏しい市町村に置かれており、同時にまたその保險に対する公的な扶助といいますか、補助といいますか、そういうものもほかのものに比べて実質的に少いということが、結局今度の全面的に保險組合の経営の困難だという時代にあたりまして、ことさらに国保の問題が大きく出て参ると思うのであります。そこで、まず最初にお尋ねしたいのは、去る国会において、目的税にすることができるということを法律改正いたしました。その結果として国保組合の新設なりあるいは再開なり、国保の状態においてどういうような結果が出ておるか、その点について、法律改正後における国全体の状況を概略御説明願いたいと思います。
○安田説明員 目的税にしたために、どの程度調子がよくなつたかというようなお尋ねだと思いますが、まだ統計として集まつたものが私の手元に来ておりませんので、またよく調べまして申し上げたいと思います。しかし、大体税にいたしましたために、全般的によくなつておるということは確かだと思います。また従来保險料でやつておりましたところも、税にするような傾向にございます。私はそういう意味で国保の経済における收入対策としては相当効果あり、こういうふうに概括的に申し上げることができると思うのであります。
○金子委員 次に、今の国保が経営が困難だということが、全国的に、おそらくこの国会中には相当いろいろな問題が出て来ると思いますが、現在の国保の徴收金の未納状態というものに対するはつきりしたトータルが出ておりますか。
○安田説明員 たいへん申訳ございませんが、今資料を持ち合せておりませんが、大体八割か八割五分くらいじやないかと思います。これは御承知のように二十五年度がようやく集まつた程度だと思つておりますけれども、町村からの報告が思うように集まらないのであります。これは国庫補助その他を要求する場合にも、実ははなはだ困つておるのであります。大体、その程度だと私は思つております。
○金子委員 そういう古い統計では、今日の段階においての参考資料としては、比較的効果が薄いのでありまして、はなはだ御迷惑でもなるべく早い機会に、主として農山村地帶のサンプルでもよろしいですから、概略をつかめるような、現在国保の納入すべき組合費がどれくらい滯納されているかというデータを出していただきたいと思います。 次に、これはすぐにもわかると思いますが、国保に加入すべき一つの国民層がありますが、その加入すべき人口に対して、現実に国保の組合員としてこの恩典に浴しておる人数がどれだけあるか、そしてそのパーセンテージはどれだけか、それはわかると思いますが、どうなつておりますか。
○安田説明員 大体今国民健康保險の全国の被保險者の数を二千七百万ぐらいに見ております。そういたしますと、市町村の数で申しますと五千二百でございますけれども、二千七百万と申しますと、ちようど健康保險が組合管掌と政府管掌と両方で六百四、五十万、それから共済組合が二百三十万、船員保險が十二、三万、約八百万と見まして、それに家族が一・七人ぐらいあるだろう、それを総人口から差引きまして計算してみればわかるわけでありますが、大体そんなことになつております。
○金子委員 それもほかの社会層においてほとんど全加入に近い場合、この国保に入らなければならない立場に置かれておる国民層の比率が、比較的私は低いと思います。ですから、この数字も、先ほどの数字と一緒に、なるべく正確に近いものを一年出していたがきたいと思います。 次にお伺いいたしますが、最近この予算請求にあたりまして、国保の医療費の一部国庫負担、いわゆる二割補給の要求をしておる説明を聞いたのでありますが、これの大蔵省に対する折衝の状況なり、現段階の見通しはどうなつておりますか。
○安田説明員 前回この委員会で説明申し上げました通りに、大体給付費の二割と、事務費は御承知のように大体全額近いものでございますので、これは若干單価を上げたものにいたしておりますが、給付費の二割が約五十億になります。それともう一つは、赤字で悩んでおりますところの国民健康保險の保險者に対しまして長期の融資をしたいということで、これを大体過去三箇年で二十七億とわれわれは計算をいたしたのであります。その中でほんとうに貸してもうまく行くというものを半分と見まして、十三億何がしのものを現在要求いたしておるのであります。ただいまのところ、私ども事務的な折衝の途中でありまして、実は大蔵省から第一次の査定の内示もまだないような状況でありまして、わかりませんけれども、この問題はやはり保險全体の医療費、つまり給付費に対する国庫負担という大きな問題に発展いたしますので、事務的に相当困難が予想されるのではないかと私は考えておりますけれども、しかしぜひひとつわれわれも通したいと思つて、せつかく努力いたしております。
○金子委員 最後に、最近公立病院を初めといたしまして、一般医師会から、今の医療に対する一点單価なり、あるいは点数というものは、過去のずつと古いべース時代にきめたものであつて、今の契約で行くならばどこの国立、公立病院もとうてい経営ができない。そしてある団体のごときは、もしこれが改正できなければ契約を破棄するという段階にまで入つておるかのように聞いておりますが、今の国保の状態に、かてて加えて医療費が上るということになりますと、これは保險経営上重大な問題になつて来ると思います。これは安田さんの方に聞くのは変でありますが、これに対してはどういうふうにお考えになりますか。
○安田説明員 今お話のような陳情なり御意見が所々にあることは、私十分存じております、医療費の單価のきめ方というものは、なかなかむずかしうございまして、一部の人が言つておるほど簡單には参りません。そこで御承知のように保險者でありますとか、医療担当者でありますとか、あるいは学識経験者をもつて組織いたしました社会保險医療協議会というのがございますが、これに第一にかけなければならぬ。現在すでに社会保險、医療協議会を開いておりまして、小委員会も三回ぐらい開いたのでありますが、派生的な問題のためにこの進行が阻害されておるような状況であります。しかし二十二日には再開いたしまして、できるだけ早くこの問題を片づけて行きたい。そこで、上つたならばどういう影響があるだろうかということでありますが、私どもが調べましたところによると、かりに單価を一割上げますと生活保護法の医療扶助を含めまして大体五十四億ぐらいが上つて来る。二割上げますとその倍でありますし、三割上げますと百六十億になります。これは非常に大きな影響を国民生活に與えるわけでありますし、さらにはまた一般の物価というものに対しても、一つの影響力を持つものだと私は考えておりますが、その際に一番影響を受けますのは、社会保險の中で最も脆弱でありますところの国民保險ではないか。ほかの方は、たとえば物価が上りましても標準報酬が上るということがございますから、それに従つて所定の保險率をかけますことによつて、收入がある程度確保できるという問題も考えられるのであります。しかし国民保險の方は、そういつた場合に、一般の賃上げがあつたからといつて、ただちに農民の生活が楽になるというわけでもないので、私どもの一番苦労の種になりますのは、国民保險に対する経済的な影響がどうなるかということであります。まだ私がどの程度上げるということについて、ここで申し上げる時期に至つておりませんけれども、なるべく早く適当なところにおちつけまして、今おつしやいましたようなことにつきましては万全の策を講じて行きたい、こういうふうに思つております。
○福田(昌)委員 関連して御質問申し上げたいのでございますが、国保の医療給付二割、約五十億というお話でございます。われわれとしても耳にたこができるほど聞いておるのでありますが、この五十億なるものが政府から援助されるということになりますと、大体今の国保の赤字経営というものは、これは黒字になし得る、あるいはとんとんになし得るという御自信がおありになるかどうか。
○安田説明員 大体国民保險の全国の決算の結果から申しますと、予算額の一割ぐらいが赤字になつて翌年へ繰越されるというような状況ではないかと思います。そういう点から見ましてもこの赤字が必ずしも全部赤字として焦げつくわけでもありませんので、大体今のような二割の医療費の負担があれば、私は大部分の国民保險というものは、やつて行けるのじやないかと思う。もちろん国民保險は、御承知のように各市町村がそれぞれ経営主体でございますので、事情は千差万別でございます。従いまして、中にはそれでもうまく行かぬというものがあるかもしれません。また同時に、それだけもらわなくても現在やつているところもございますので、はつきりしたことは申し上げられませんけれども、大体そういう見通しを私は持つております。
○福田(昌)委員 先ほど国保の徴收金報告の資料のお話がございましたが、市町村からのはまだ未納分も相当あるというお話でございました。これに対して厚生当局はどういう御努力をお拂いになつておりますか。
○安田説明員 私ども面接市町村に出かけて行つて話すわけにも参りませんけれども、やはり都道府県の健康保險課でありますとか、あるいは国民保險課が独立いたしているところもございますけれども、そういうところを督励いたしまして、そこからまた市町村に対して資料を出させる、こういうようなことでやつているのでございます。だんだんよくなつておりますので、今の要求の資料もできるだけ早くお目にかけたいと思います。
○福田(昌)委員 深くお尋ねして恐縮ですが、報告を全然よこしていないというような町村は、どのくらいの数でございますか。徴収金の状態の報告、あるいはさらにまた国保の赤字はどういう状態であるかという詳細な報告をよこしていない町村は、どれくらいございますか。
○安田説明員 大体現在五千二百ばかりの市町村が保險をやつているわけでございますけれども、やはり私どもが見てみますと、うまく行つているというのが半分で、あとの半分くらいは少しぐあいが悪いというのがあるのでございます。そういつたところは、報告をよこそうにもうまく行つていないというようなこともございまして、それらをひつくるめてわれわれは報告の数字が必要だというような事情もございます。それほどたくさんはないと思いますけれども、さて何箇町村かということは覚えておりません。
○福田(昌)委員 私、国庫補助が国民健康保險の給付金に対して大蔵当局の決定が五十億なされたといたした場合に、厚生当局におかれまして、五十億なるものをどういうふうに按分なさるかということに多少懸念を持つものでございますから、今お尋ねしたわけでございます。大体金額もはつきりいたしませんが、よし私どもの希望が通りまして、五十億というものが国庫から融通されるということになりました場合に、厚生当局ではどういうふうな按分の方法をおとりになるのでございますか、概略お聞かせ願いたい。
○安田説明員 まだはつきり申し上げるほどきまつておりませんけれども、やはり標準医療費というようなものを設けまして、そして受診率がどのくらいであるとか、あるいは保險料がどのくらいであるとかいうような数字を出しまして標準医療費を持つて来る、標準医療費に対して幾らということでやつて行く。たとえば一例を申しますと、世帶当り保險料を千八百円なり二千円なりとつておる。それでもつて受診率が一二〇、そして一件当りの点数が五十点なら五十点というようなところを押えまして、それに対して何割ということを掛けて待つたならばいいのではないか。もしそれが二割に達しないようなところは、そこまで私は圧縮するよう努力すべきだ。これをただ漫然と医療費に対して幾らということになると、努力をしない町村に対して、つまり赤字に対してどんどんつぎ込むようなことになりますから、大体私はそういう方法になるのじやないかと思つております。 —————————————
○松永委員長 この際委員諸君にお諮りいたしたいと存じます。新聞紙等によつて御承知の通り、去る十三日の土曜日より傷痍軍人の陳情デモがあり、無届のゆえをもちまして取締り官憲との間に摩擦を生じ、一部はハンストに入つた模様でありまして、まことに遺憾でございます。十三日の土曜日は、私も午前九時半に国会に出動して、午後六時過ぎまで委員会庁舎におつたのでありましたが、何らの陳情等を受けておらなかつたために、不幸そういつた事態を翌日の新聞紙上によつて知つたのであります。事本委員会の担当分野である傷痍軍人に関する問題でありまして、これを不問に付するわけにも参らぬと存じますが、当委員会としてはこれをいかに取扱いますか。先ほど、本件については金子與重郎君よりも御相談を受けたのでありますが、あらためてこれが取扱いについてお諮り申し上げたいと存じます。 ちよつと速記をやめてください。 〔速記中止〕
○松永委員長 それでは速記を始めてください。 ただいまの御懇談の中で、委員諸君の御意思のほどもよくわかりましたし、本問題は等閑不問に付すべき問題でもございませんので、ハンストに至るまでの経路その他、一応当委員会としてもこれを取上げて調査をし、またハンストというような最後の手段は、なるべく早くとりやめてもらう必要もございますから、委員会として適切な方法をあとで相談の上、可及的すみかやに実施したい、かように存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 それではさよういたします。 本日はこれをもつて散会いたします。 午後零時八分散会