P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
12回国会衆議院1951/11/17

建設委員会 第5号

発言数
52
登壇者
14
会派数
2
開催日
1951/11/17

会議録

藥師神岩太郎自由党

○藥師神委員長 それではこれより会議を開きます。  ルース台風による災害対策に関する件について調査を進めます。前会に引続き質疑を続行いたします。瀬戸山君。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 災害復旧、特に今年度のルース台風に対する対策などは、たびたびこの委員会で問題になつて研究いたしておるのでありますが、事務当局から説明を聞くのはもう度を過ぎておりますので、大臣が来るまではその点に解れずにおきます。ただここに事務当局が見えておりますから、それでわかる点を一つだけただしておきたいと思います。  今度の二十六年度の一般会計の補正予算の中に、農業施設災害復旧事業費五億五千八百万円余、その他災害復旧費を補正減額しまして、一般公共事業費にさらにこれを歳出として組んであるわけでありますが、この点を安本の今泉次長から御説明を願いたい。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉政府委員 実はきよう、その関係の質問ではなかろうと思いまして、計数は持つて来ておりませんでしたが、原則だけはこういうふうになつておりますので、今の瀬戸山委員の御質問にお答え申し上げます。今御指摘になりました点は、地盤沈下に基く災害復旧——これは従来大体南海震災に基くものでございまして、昭和二十四年度まで大体査定が終つて、そしてこれに対して幾らときまつたものについては、災害復旧費にこれを計上して支出いたしておつたわけであります。ところがその後発生して参りましたやはり地盤沈下関係は特に農業関係で、今回関係しておりますのは農業関係、港湾関係、それから都市計画が一部でございまするが、二十四年度以降において発見した分も災害復旧でやつてもらいたいという要望があつたわけでございます。しかし南海震災関係をいつまで災害復旧費として見るかということは問題でございまして、経済安定本部といたしましては、一応昭和二十四年で査定確定したものは災害復旧費で見るけれども、その後起つたもの、——現在も起りつつあるわけでございますが、その後に起きたものをみんなとるとなれば際限がない、これは見なくてはならぬけれども、五年、十年たつても災害復旧費で見るということは適当ではなかろうというので、農林省、運輸省その他関係省とも話合いました結果、そのものについては災害復旧費では見ないけれども、一般改良費でこれを見ようということで、補正予算にそういつた関係の分を計上いたしました。各省としては本年度災害復旧でやりたいということで、当初災害復旧費の中に予定して出してあつたわけでございまするが、それを災害復旧費からはずして、一般改良の方で見るということで、災害復旧の方は減になつて、一般の公共事業費の増になつておる、こういう状況でございます。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 そうすると、今もお話になりましたように、災害は年々継続的に起つておる状態でありますが、昭和二十四年度までに発生して査定した分は過年度災害ということで災害復旧で見る、その後は一般改良事業でやる、こういうわけなのですか。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉政府委員 御趣旨の通りでございます。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 そうするといわゆる公共土木施設災害復旧費国庫負担法には天然災害ということになつておつて、いつまで続くかわかりませんけれども、地殻の変動その他の理由があると思うのですが、これは法律のいわゆる天然の災害ということから除く、こういう考え方ですか。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉政府委員 原因については今度とつたものも従来とつたものについても別に差異はございません。ただ今後一般災害から除こうと申すのは、いつまでたつても発生の度合いがきまらぬというものについて、災害復旧費としていつまでもこれをとるということは適当ではなかろう。ある一定限度、たとえ、南海震災が起きて何年というので見るのが適当ではなかろうか。それで南海震災の分は一応二十四年度で打切り、その後そういつた変化が起つて農地がつぶれたとかあるいは港湾が沈下したものは一般の改良で見るのが適当である。つまりある一定限度で特定の災害は打切つて、それで救済できないものは一般の改良費で見よう、これが区別の存するところであります。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 そうすると、ここに減額補正された六億八千三百万余り、これは昭和二十四年度までの災害復旧費として計上されておつたのですか。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉政府委員 二十四年度までにわかつたものはすでに査定済みでございまして、災害復旧費の中に織込み済みでございます。すでに復旧したものもございまするし、また過年度分として残つておるものもございますが、これは一応国が査定した金額の中に入つております。その後にわかつて来たものについて農林省、運輸省等が当初災害復旧費で見てもらいたいということで、二十六年度の予算の中にそういつたものを予定して要求して参つたわけでありますが、経済安定本部としては、それを災害復旧費として見るのは適当でないということで、まだ従来査定がされていなかつたものを今後においては改良費で見て行こうというわけで計上しておるわけであります。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 大体了解しましたが、先ほども私どもは南海地盤沈下に対して心配しておる地元からの陳情を受けたのであります。昨年であつたか、ジェーン台風の跡を視察に行きましたときも、南海地盤沈下については政府が助成を打切るというふうな空気があるということで、非常に心配されておりました。そこでこういうことが起つて来ると、地元ではやはりそういう心配をされますが、今次長のお話で災害復旧費としては、これは南海地震を起点として何年ということで一応打切る。しかし現実に起つておる地殻の変動その他によつて国土が荒廃する、それに対しては災害復旧費という名目でなしに、一般公共事業費の改良工事ということで将来も続けて行く、こう承つてよろしいですね。

今泉兼寛経済安定事務官(建設交通局次長)

○今泉政府委員 まつたく御趣旨の通りであります。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 建設大臣が過日来誠意を示して、現在でも非常に御努力を願つおりますから、たびたび申し上げるのはお気の毒のような気がしますけれども“」の前の委員会でも申し上げました通り、ルース台風の災害が起つてからすでに一箇月を経過いたしまして、ある程度の手配はされましたけれども、まだ政府の根本の方針がきまらないというきわめて不手ぎわな状態であります。建設大臣が努力をされておることは十二分に承知いたしておりますが、しかし政府全体の台風に対する態度はきわめて怠慢である。怠慢という言葉はあるいは当らないかもしれませんけれども、結果においてはさようになつております。そこで建設大臣にさらに繰返して意見を承つておるわけでありますが、安本の事務当局その他建設省、農林省の事務当局は早くこの災害に対する緊急の手当をいたしたいということで徹夜までして努力をされて、一応緊急にやるべき対策の結論は出ておる。この前の委員会においてそのことを建設大臣も言明され、今日まで努力はしておられますが、結局それが実行に移されておらない。この点についてもう一度ここで、現段階における政府の動きをひとつ忌憚なく発表してもらいたい。

野田卯一自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 お答えいたします。政府全体といたしまして、ルース台風の災害復旧に対する対策が比較的スピードが出ておらないという点につきましては、私もきわめて残念に思つております。しかしながら建設省といたしましては、補正予算を組まなければならないという見解から、それに関する準備を進めております。今大蔵省並びに建設省合同の現地調査は着々と進んでおりましてこの前の会議におきましては、補正予算の提出は十二月の通常国会にならなければできないかもしれませんと申し上げたのでありますが、情勢によりましては、この臨時国会中にでも補正予算を出し得るような態勢に現地の調査を切りかえて今やつております。これはいろいろと関連することもあるのでありますが、そういう場合にでも臨み得るような態勢に切りかえてやつておるのであります。住宅等の問題についてはすでに準備態勢になつておるのでありまして、今各府県に着々と手を打つて、御要求を、むしろこちらからありませんかと言つて督促するような形になつておるのが実情であります。なお今各県で新たに復旧工事が進められつつあるのでありまして、たとえば学校を建てるとか、あるいはその他のものを建てておられますが、その際に、この間の台風の経験からいたしまして、あまりに弱いものを建てますと、特に風に対して抵抗力の弱いものを建てますと、また同じことを繰返しますので、現地におきまして各県の関係者を全部集めまして、たとい応急のものを建てる場合におきましても、極力台風に対する抵抗力を強めるという意味合いにおきまして、現地会議を開きまして、今住宅局長は九州に行つておりますが、各県の人を集めまして、今やりつつある工事につきましても、少しでも台風に対する抵抗力を強めるということで指導いたしております。  その他金融上の問題につきましては、私その所管でありませんので各省にお願いしまして、できるだけ敏速にやつていただくようにいたしておるのであります。  なお一番大きな問題でありますところのつなぎ資金の問題でありますが、この点につきましてはどうも私はつきりここで申し上げる段階に至つておりませんが、つなぎ資金を出す場合においては、その裏づけになる予算に対する見通しがつかないとつなぎ資金が出しにくいというような状況にあるのであります。それで補正予算を出すということになりますと、一応司令部との関係をつけておかなければ、あとでいろいろな問題が起つて来たときに暗礁に乗り上げるおそれがあるというわけで、大蔵当局は愼重なステップを踏んでおるような実情でありまして、われわれといたしましても大蔵省と協力いたしましてこの局面打開に当つておる、こういう状況であります。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 大臣が極力努力しておられることは、私承知いたしておると同時に敬意を表しております。ところが大臣のその希望が全然達成されておらない。もちろん補正予算に組むということが早急に間に合わぬことは私どもも承知いたしておりますし、大臣も先ほど申された通りであります。そんなことでは間に合わないから、さきに十何億かのつなぎ資金を早急に出されたように、今度の台風に対しても衆議院でお聞きの通りの事情で全会一致で決議されたような状態でありますので、すみやかに応急の復旧ができるようないわゆるつなぎ資金を出すことについて、今日までお互いに検討し、要望もいたしておつたのであります。聞くところによると、安本の見込み査定の原案によつて、その合計は大体五百三十四億余りになつておりますが、これは各県報告の総合したものに対しまして七〇%になつております。それを基礎にして補正予算に百二十億ほど組む方針をきめられた。またつなぎ融資を、今まで出されておる十何億を含めて、六十億だけ早急に出そうという協議をされたことも承知いたしております。ところがそれがそのままになつている。これはもちろん関係方面のこともあるでありましよう。占領下であつてしかたがないとたびたび言われることでありますが、しかしこういうふうに国民が塗炭の苦しみをしておるときには、もちろん関係方面もそれを全然不問に付せられるわけではないと思います。従つて政府は一体となつて国民の窮状を——少くとも今回の台風においては数百万の国民が苦しんでいる。それだけの窮状を救うのに、そう大して手間はかからない、それほどの決意をもつて当つてもらわなければ、ただ行つて見て空気をうかがつたという、とは聞いておりますが、そういうことでは国民の要望にこたえる政治ではないと私ははつきり申し上げたい。もうすでに国民は憤激せんばかりになつていることは事実であります。たつた五十億や六十億で、しかもこれは当然に出すべき金を正式の手続を経たのでは間に合わないからさしあたりこれでやつておこうということでありますので、こまかくそろばんをはじいて予算書を作成して国会にかけるというようなめんどうな仕事ではないと私は考えますから、もう少し真剣に——建設大臣は真剣になつておらないと私は申し上げませんが、政府全体がもう少し真剣になつてやらなくてはいけないと思う。きのうであつたと思いますが、建設大臣は自由党の災害に対する委員会にも誠意を披瀝されました。そのときの委員会の空気はきわめて險悪であつたことは建設大臣十分御承知であります。昨日私どもは別に九州の代議士会を開きましたが、これもきわめて險悪でありました。はつきり申し上げておきます。来る二十日でありますか、そのときには院内において九州の代議士会を開いてこの結論をどうするかということで正式な談判をするように相なつております。国民がそこまで窮状を訴えて苦しんでおります。しかも年末は着々近づいている、こういう場合にもう少し政府全体が真劍になつてやつてもらえればいくら関係方面が経済財政の計画云々でとやかく言われても、国民全体をつぶすような経済政策であれば決して国民の期待する政治ではないと考えておりますので、この点は一建設大臣に私は申し上げるのではなくて、政府全体の問題として取上げてもらいたい、早急に結論を出してもらいたいということを要望いたしておきます。  それからルース台風に対してはもうくどくは申し上げませんが、建設大臣はしばしば事の重大性を認めて今回のルース台風からは、三、五、二の三箇年計画で災害の復旧をするようにいたしたいということを言明された。そのとき私は建設大臣はそれを真劍におやりになる御決意であるかということと、予算の関係からいつてそれを確約される御自信があるかということを尋ねましたが、建設大臣はきわめて御自信があるようなお口ぶりで、むしろ自由党の議員がそういう弱いことを言われては困るということをこの席で仰せられた。私は建設大臣のその強い御信念と、災害復旧に対する理解に対しては敬意を表するのでありますが、これからは私は——私ばかりでありません、国民全体と申してもよろしいでありましよう。この委員会も全体であります。日本が災害のためにますます貧弱な上に貧弱になりつつあることに対しては、現在のような姑息な手段で、銀行屋がそろばんをはじくような政治をいたしておつては、日本がつぶれはしないかと真に心から憂えております。現在のような考え方を改めて、これらに相当な大手術をいたさなければ、日本は決して貿易の振興云々では助からないでありましよう。ルース台風でも先ほど申し上げました国庫の補助対象になる災害だけで、現在計算されておるのが五百三十四億、そのほかの隠れたるいわゆる一般民家、農作物の被害を加えますれば千億を越して、おります。千億日本の富をふやすということはなかなか困難でります。私どももちろん積極的に富をふやすということも考えなければならないし、そのためには強力に進まなくちやなりませんけれども、少くとも消極的に現在ある富を守ろうじやないかという政治はきわめて重大であります。そこで建設大臣に、将来に対するお考え方をこの際確かめておきたいのであります。ことしのルース台風に対しては、真の査定はありませんから、ある程度不正確でありましよう。しかし経済安定本部が明確なる調書をつくつておりますから、一応それを基礎にいたす。それと同時に、ルース台風以前のことしの災害が四百九億余りであります。そのうち現在の法律に従つて計算いたしました国庫の負担分が三百六億、これは学校関係と厚生省関係を除きます。もちろんこれは本年度予備費から四十五億余り出しましたから、それを差引いてもなおルース台風以前の昭和二十六年度の災害復旧の国庫負担分が二百六十一億余りになつております。それから過年度災害、いわゆる昭和二十五年度まで、昭和二十三年、二十四年、二十五年の三年分が現在千七百二十一億五千万円、そのうち国庫で負担すべきものが千二百九十一億、そのうち今年度三百二億余りを出しておりますから、差引九百八十八億九千万円、これが二十七年度からやらなければならない分であります。専門の建設大臣に何もこういう数字を言う必要はありませんけれども、一応数字を申し上げなければいけないから申し上げるのでありますが、合計いたしまして、ルース台風まで入れて、これは見込みも入れてでありますが、学校関係と厚生省関係を除いて二千百二十四億、そのうち国庫の負担分千六百二十五億、これが今日からやらなければならない災害の復旧で、しかも国庫から出さなければならない金であります。そのうちには学校の今度の三十三億余りのものは入つておりません。建設大臣が強硬に信念をもつて主張される初年度三割、次年度五割、三年度目二割で完成するというお考えはきわめてけつこうであります。これをやらなければ、日本の経済の復興と申しますか、生産の確保増強は困難であると思いますので、この重大なる日本の宿命的な災害に対していかなる所信をもつて国民にこたえられるか、きわめて重要な問題であると思いますから、ひとつ明確に御所信を披瀝してもらいたいと思います。

野田卯一自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 この問題についてはしばしばお尋ねがあるのでありますが、私はルース台風の実情を見まして、政府としてはこういう災害をできるだけ繰返さないようにいたさなければならぬという感じを非常に強くしております。これは單に私ばかりでなしに、あらゆる人がそういうふうに感じておられる。それにはどうしたらいいかという問題につきましては、災害復旧費を今までのように五年がかりとか、あるいは六年、七年かかつて出しておるのでは、災害の繰返しがとまらぬだろう、こういう点から、なるべく早く災害復旧費を出して片づけて行くということにすれば災害は減つて行く、こういう建前からなるべく短期間に復旧をいたしたい、こういうふうに希望をいたしております。戦争前におきましては、たいてい災害がありましたその年及びその次の年くらいに一応直してしまつておる。従つて災害の繰返しということは比較的少い。ところが終戦後になりますと、今申しました財政上の理由によりまして、こまかく刻まれまして少しずつしか毎年出せないものですから、毎年災害がだんだん累増して行くということに相なつて来ておるのであります。この態勢を転換するためには、どうしても災害の復旧期間を縮めなければならぬ、こういうことになつておるのであります。しからばどのくらい縮めるかということについては、理想からいうと戦前のようにその年及び翌年くらいがやはり一番よいのでありますが、今日の財政事情から見てなかなかそれもむずかしかろうということで、従来建設省におきましてもいろいろ、研究した結果、三、五、二くらいにやらなければならぬだろうという結論が事務当局に出ている。外部の協会等におきましても、あるいは調査会等におきましても、やはりこれは同じような結論が出ているわけです。だからこの結論である三、五、二というものを極力実現するように努力をいたしたいということを申し上げておるのであつて、私の独創でも何でもない。これは事務当局がいろいろと検討してぜひそうしたいと希望し、また外部からも希望され、権威筋からも要望されているところです。それを所管大臣としてできるだけその趣旨でやりたいということで各方面に働きかける、こういうことを申し上げているわけであります。ルース台風からと申しましたのは、それまでのたくさんのものがたまつているわけです。たまつているものについて、随時それをやつて行くといたしましても、莫大な復旧費がかさんで参りまして、とうてい財政が背負い切れぬことになります。でありますから、そういうのは議論としては非常によいでありましようが、実行上の問題としては非常に問題があるという点が一つと、もう一つは、過去の災害が累積しておりますけれども、その現状がどうなつておるかということが必ずしもはつきりしておらない。特に九州、中国、四国等におきましては、災害が毎年やつて来ておりまして終戰後におきましても十五回の台風を受けているわけです。従つて同じ場所を何べんもやられておりますから、そのときどきに一〇〇%の損害額を計上いたしますと、それがダブつて上つて来る、こういうことがありますので、ほんとうの必要なものだけにして、それに対して手当をする、こういう考え方で、今後大蔵省と建設省の出先とが一緒になりまして共同調査をしてそれをやろうと考えております。ただ数字を機械的に盛り上げてどうしようということは考えておらないのでありまして、ルース台風からは、すでに大蔵省と建設省、あるいは大蔵省と農林省とが共同調査を始めておりますから、これは相当かたい損害額の査定ができますし、しかもまたルース台風以後には災害がないのでありますから、それも動かない。それを基礎にして三、五、二をやりたいと希望し、それ以前のものにつきましては、共同調査の結果によりましてかたいところを押え、それに対してどういう対策を講ずるかということを考えて行きたい、こういうような考え方でおるということを申し上げておきます。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 今大蔵省が途中がら見えたのですか、私が今申し上げたことは大体大蔵省に申し上げたのです。政府全体というのは大蔵省も入つている。そこで現在大蔵省は金が少くて仕事が多く非常に困つていると思いますが、私が申し上げるまでもなく、それでもまだ主計局長は専門家でありますから、この災害についてはよく御存じのはずです。来年もまた一千億も来るということを仮定ではなく現実として認めてよろしかろうと思う。  そこで大蔵省で現在予算を編成中であると思いますが、今日までのような考え方で災害に——治山治水も同じことでありますが、私は今災害だけを問題にしておりますけれども、そういう従来の倒に従つて災害対策に当られる考えでおられるかどうか、主計局長に伺つておきたい。     〔委員長退席、丙海委員長代理着席〕

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 累年相次ぐ災害に対して、何らか根本的な措置を講ぜねばならぬということは前々から言われておりましてわれわれとしても、ひたすらそういうふうに、気持の上ではありますがやつて来たのであります。しかし現実の問題として、国家財政が非常に窮乏しておる現状のために、なかなか思うように参らぬということを、まことに遺憾に存じておる次第であります。御趣旨の点についてはよく体しまして、来年度の予算についてはできるだけの努力を拂いたいと考えております。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 これは考えておつたつて始まらない、考えておるだけでは災害は決して直らない。共産党の人が、災害対策に対する決議案のときに、自由党が悪いのだと言われましたけれども、台風自体は何も自由党の責任ではありません。ただしかし災害に対する処置はまさに自由党の責任であります。そこで大体八千億か八千五百億くらいの見当であると思いますが、その中であれもやろうこれもやろうといつたら何千億あつても足りない。先ほど申し上げましたように、災害復旧で国庫負担が千六百億余り、こういうものを一ぺんにやれとは申しませんが、もう少し力を入れなければならない。財政が困難だと言われますけれども、ますますこのために困難になつて来ることを私は憂えておる。ただ土木災害その他の施設災害だけでありますが、このほかに見えない国民の損害というものは莫大なものがあります。従つて税金も納まらない。今年の当初予算で四百億のときに、失礼でありますが私は笑つておつたのであります。笑つておつてもしかたがない。来年度は四百億や三百億とかいう数字を考えないで、金にわくがありますならば、ある程度ほかの部面を泣いて切つてでも、これに対しては強力な施策をしなければ、日本のためにきわめて不幸な事態になると考えますから、ただ努力をするということでなしに、根本的にこの災害に対してどういうお考えを大蔵省は持つておられるか、国の大きな問題だと思いますので、もう少し積極的な明確なお答えを願いたい。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 予算の編成にあたりまして、各方面からこれは重点である、あれも重点であると言われてたくさんの重点がありまする結果は、実は結局重点ではなくなるのでございます。災害の問題につきましても、われわれ非常に関心を持つておりまするが、二十五年度においては災害の対策費が四百億であつたものが三百七十億に減るということは、われわれとしては非常に残念に思うのでありますが、公共事業その他いろいろな関係におきましてやはり相互のバランスの上に立つ結果は、そういつたこともある程度はやむを得ぬのではないかと思います。しかしこの際緊褌一番災害復旧について、ほかの何ものをも犠牲にしてやるという、大所高所からの判断であるとしますれば、この災害を克服することは必ずしも難事ではないのであります。しかしあまりにもやることが多過ぎる。ことに明年度予算の編成にあたりまして、講和関係を除いて一兆六千億というような要求を処理する場合におきまして、いかに災害に対してその点をさくかということが、結局大きな政治的な判断であろうと思うのであります。この点については、内閣において十分御検討の上御決定に相なると考えております。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 大きな政治問題は内閣でやられるそうでありますから、それはその程度でとどめておきます。  今度のルース台風に対する追加予算と申しますか、補正予算に対する考え方と、それは遅れますから、現在大蔵省でもある程度考えられておると思いますが、つなぎ資金に対してどういう考えを持ち、現在どういう作業をしておられるか承りたいと思います。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 ルース台風の被害は案外甚大なので、私ども非常にお気の毒だと御同情申し上げておる次第であります。ただいま各府県から参りました報告を拝見いたしますと、府県公共事業関係で約六百九十億という報告でございます。これをまとめる上におきましては、それぞれ重複も多少ございますし、また現地査定をいたしますと、後年に讓つて支障がないとか、あるいは単価が高過ぎる関係で、その金額は相当減るであろうと思います。しかしそれにしましても相当の金額に上ります。それを何年で復旧するか、当年度においてどの程度やるか、これもある程度問題があるのでございます。そのほかに農林省関係あるいは文部省関係において、おのおの三、四十億程度の御要求があるようであります。しかしこれはまだ補正予算を提出いたしましたばかりで、ただいま国会で審議中であります。この際において、それなら財源があるかと申されましても、編成の直後におきましてそう簡単に参らぬでございます。これが実際問題であります。しかしそう申しましても、災害にあえいでおる方々を、そのまま放置するわけに行きませんので、われわれとしては何とかいたしたいと考えておる次第であります。これは政府全体一致した考え方でございます。ただしかしその場合に、つなぎ融資の問題といたしまして、実は金がころがつておるわけではないのでありまして、預金部の金を使うと申しましても、食糧証券を買つて手に持つておる。これをどこに売つて、いかような金を調達して来るかという問題もあるわけであります。そういつた被害状況及び今年度内にどの程度復旧するというようなことは、各現地の状況をにらみ合せ、また預金部資金なり、農林中金等動員し得る資金を勘案いたしまして、どの程度のものが現実にできるだろうか、ただ空に何十億やると申しましても、現実にそれが合わなければいけないのでございますから、実はこの数日来われわれといたしましては、その問題に苦慮いたしておるわけであります。遅れましてまことに申訳ないのでありますが、決して遊んでおるわけではないのでありまして、数日中に成案を得るであろうと考えておる次第でございます。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 数日中に成案を得る、これはけつこうでありますが、もう災害が起きて一箇月以上になる。それで被害地の住民はもちろん、関係地方の行政当局は非常に苦慮しておる。災害を受けたところはきわめて貧弱になつておりますので、自力によつて努力はいたしますけれども、なかなかそうは参りません。従つて国の大きな力にすがりたいというのは当然であります。もちろん大蔵省の方々も決してこれを等閑に付しておられるとは思いませんが、これは早急にできるだけのものをやつていただかなければならないと思います。数日中にと言われますが、どのくらいの日にち根本的な方策がきまつて、従つてまた地方に対してどのくらいやれるかということも早急にしなければ、みな手を上げてしまつておりますから、その見通しでもひとつここで披瀝していただきたいと思います。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 これは御承知のようにただいま十二億五千万円だけ関係の府県にすでに融資しております。もちろんこれだけでは足りないものでありますから、そのあとの算段を実はいたしておるわけであります。一応各府県の報告と申しましても、これはおのおの御案構にはいろいろアンバランスもありますし、いろいろな点から各県に融資の不公平があつてはなりませんので、その調整をいたしております。それとこれはもちろん最終的には各省の査定によつて決定するものでありますが、これはおそらく来月の半ばぐらいにはできるのだろうと思いますけれども、そごまで待つわけにはもちろん行きませんし、できるだけ急いでそのことをきめたいと思つております。もちろんこれは関係方面の了解もいることでありますので、そういう事情もよく御了承願いたいと思います。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 そうすると全体の額については、大蔵省としてどのくらいのつなぎ融資を、いつまでに出すという見通しはついておらないということに伺つてよろしゆうございますか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)政府委員 具体的の金額としては、おつしやる通りと申し上げるよりないと思います。

内海安吉自由党

○内海委員長代理 ちよつと瀬戸山さんに申し上げますが、この問題は、次の早い機会において大蔵大臣の出席を求めて、質疑応答されることが正しいのではないかと思いますが、そのようにとりはからつてはいかがでありますか。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 けつこうであります。

淺利三朗自由党

○淺利委員 建設当局にお伺いしたいことは、災害復旧に際し、原形に復旧することの困難な場合、あるいは不可能な場合には、その必要な工事は災害復旧工事とみなすという規定について、その補助率は、超過事業については改良工事並とするという法律制定の際に、われわれは一旦災害工事と見た以上は、必ずこれは災害費の率をもつてやるべきだということを主張したにかかわらず、あの法律が決定したのであります。しかるにその後の実施の状況を見ますと、会計検査院の査定と、建設当局の査定によつてきめた工事額との間に意見の間隔があつて、各府県において、会計検査院は建設省の認定して災害復旧工事とみなしたものについて、さらにこれを減額査定をして、その補助費の返還を命じたという事例が頻々としてあると承つております。この実情について、今日までどのくらいの件数があり、またどのくらいの返還額を要求されておるか、まずその点についてお伺いしたいと思います。

伊藤大三建設事務官(河川局次長)

○伊藤説明員 災害の復旧については、実は昭和二十五年度におきまして減額の問題が出たわけであります。その場合におきまして、実は超過分という言葉が法律上出て来たわけであります。それが二十六年度の災害におきましては、補助率におきまして減額の問題は起きましたけれども、原形復旧部分につきましてはスライドで拂う。しからざる分については一般の改良の補助率によるということになつたわけであります。ところが過年度の災害につきましては、実は二十四年度以前の査定につきましては、はつきりした区別をいたして設計を見ていなかつたわけであります。補助率は全部三分の二で見まして、その超過分に当るようなものについても——これは若干ありましようが、全部原型復旧と同じ補助率で補助いたして参つた。ところがこれがその後の法律の改正によつて二つにわかれなければならないことになりましたので、県におきましても従来の設計につきましていろいろと変更をいたし、そして原形復旧部分と超過部分と出して来ておるわけであります。これを全部私の方で現場につて一々見るということもなかなか困難でありますので、そういう部分につきましては府県の申請を審査いたしますが、府県の申請をある程度信用できるものとして進めて参つたわけでございます。ところがこの部分につきまして、会計検査院におきましては現在の法規に照して、現場について見られるので、こういう部分を見ますと、若干の相違が出て来たことと存ずるわけでございます。今そういう部分がどのくらいの金額になるかという問題につきましては、私の方で調査をいたしておりますが、十分な資料がございませんので、今ここではつきりお答えできる段階になつておりませんのを遺憾といたします。

淺利三朗自由党

○淺利委員 実は最近の岩手県の例で見ますると、何か四千万円か六千万円程度の返還を命ぜられておるやに承つておるのであります。こういうことは当初われわれの心配いたしまし通り、どこまでが原形復旧の程度と見るか、工事を変更した場合に、その限度をどうするかということは実質的に問題の一つであります。しかし災害の復旧に対して原形に復することが不適当であり、あるいは不可能であると認めた場合には、災害防止という目的の上から、これを災害工事とみなした以上は、これと原形復旧との間に差等を設けて、補助の率を異にすることは穏当ではないということを当時主張したのであります。ただその当時は全体の予算が少いのに、一箇所に集中して多くの金を使えば、全体の上において復旧が遅れるというので、われわれは当時、予算の少い際であるから、暫時それを認めたのであります。しかし根本的において、将来日本の災害が頻発する、しかも年々災害の度が多くなつて、原形復旧ではとうてい日本の災害は防げないという現状から見たならば、必ずこれを災害工事とみなして、災害の補助率によるべきものと思うのであります。ことにこの災害を受けた後には、いずれの府県におきましても、財政力が貧弱であり、普通の改良費の率ではとうていできないのであります。積極的に改良することは……。府県の財政力が負担できますならば、災害の復旧のためにやる必然的にやむを得ざる工事であります。そうするとこの災害復旧に伴つて必要とする工事に対して、府県の一般の改良工事と同じような率をもつてするということははなはだしい不合理である。でありますから、現在会計検査院が軍に法律の解釈一点張りで、そういう結論を出すということで、府県が一旦事業を実施した後において補助費の返還を命ぜられるということになりますれば、これから先の仕事はまつたくできない。過去にやつた仕事の跡始末に県の財政がみなとられてしまつて、これから積極的にできないということになると思うのであります。今後の予算の編成におきましても、こういう場合にはむしろ災害工事と認めた以上は、当然これは災害復旧の補助率に準ずべきであるとわれわれ確信するのであります。これについて政府は近くこの法律を改正して、今のような余剰工事に対する減額の規定を削除する御意思があるかないか、もし政府みずから進んでやらないならば、国会においてその立法をした場合は、政府はそれを忠実に実施する意思があるかないか。その点をあわせて明快に御答弁を願いたい。

野田卯一自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 ただいまの点につきましては、政府部内におきまして補助率の引上げについて検討をいたしております。われわれの希望いたしましては、単純なる原形復旧は同じことを繰返すことになりますので、改良を含んだ復旧にしなければならぬと考えておりまして、今までと同じような補助率にするか、あるいはそれと多少違つた補助率にするかという点もありますので、目下検討いたしておる次第であります。

淺利三朗自由党

○淺利委員 大臣の御検討なさるという御答弁でありますが、ぜひ責任を持つてそういう方向に進んで、御検討を願つて、これをただちに実施に移していただきたい。幸いに安本長官もおられますから、協力してぜひこの問題を遂行していただきたいと思うのであります。同時に予算措置の上においても、ただ過去の被害額を基礎として予算を組まれるのでありますから、査定の際においては原形復旧では不可能である。さらにこれにある改良を加えたものをもつて災害の復旧とみなすという見地より、予算の編成もあわせてやつていただきたいという希望を申し上げます。  なおこの際ついでに伺つておきたいことは、先刻来災害復旧費の問題について重点問題として、国の予算のどれだけをさくかということが大いに論議されたのであります。しかし日本の現状から見ましたならば、限られたる国費の中から日本が再建途上において各方面に出すべき費用は莫大であります。この際においていかに災害復旧が重点であると申しましても、すべての費用をこれに集中するということは、常識的に見て期待できないとわれわれは悲観しておるのであります。しかし災害のごときは、これを緩慢に三年なり五年なり長い間かかつて復旧して行くということになれば、災害がさらに災害を生むという現状で、二千億も三千億もますます累増して参ると思うのであります。でありまするから、財政の局限されたる今日においては、いわゆる健全財政を維持せんと思つても、やはり愛国公債というようなものを発行して、公債によつて五年のものは一年でやるとか、二年でやるというように、早き機会においてこれを実施することを考うべき時期ではないか。健全財政とは申しましても、今日の実情を見ますれば、国は税収入の範囲で工事をするが、地方に対してはこれを起債によつてやらしめている。そこに矛盾があるのであります。むしろ国家が国債を募つて、それも外債とか何とかであれば格別ですが、国民の持つている貯蓄なりあるいは余剰の資材を求めて、これを国内に頒布するということになるならば、右のものを左にやるのであるから、そうはなはだしい財政上のインフレを来すものではないじやないかと、われわれ常識的には見ております。もしこの理論が立たないならば、国だけが健全財政をしても、地方において起債を認めるということに矛盾があるのであります。この点についてはあるいはその筋の制限もありましようし、また各般の事情もありましようが、もはや今日においてこの災害の現状を見たならば、一日も早くこれを復旧して、毎年々々マイナスを加えることを防止するということは、むしろ多少のインフレを忍んでもこれを実行すべき時期ではないか。こういうことについて建設大臣は、大蔵次官もされておりますので、この災害の見地から見て、どういうふうにお考えになつておるか。この際われわれに御教示を願いたいと思います。

野田卯一自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 災害復旧のために、政府としても起債したらどうか、現に地方団体においては起債が認められておるのだから、政府としても起債をしたらいいじやないかという御説であります。私は考え方といたしましてはもちろんそういう考え方はできると思いますが、ただ今日の実情におきましては、国家的な資金、民間的な資金全体を通じて、経済安定本部におきまして資金計画を立てて、その間において割振つてやつておるのでありまして、私は地方団体と中央政府の財政というものは一体だというふうに考えておるのでありまして、どういう方向でどの団体がどういうふうに財源を受持つて行くかという受持ち方の問題だろうと思います。現在においては、中央財政をしつかり固めて、インフレを抑制するという方向で参つておるのでありまして、この健全財政の方針というものは、戦後インフレを退治するためにとられた一種の鉄則的なものでありまして、私はこの鉄則に対しては相当敬意を拂つて行く必要があるのじやないかと思います。災害復旧のほかにも公債を発行してやりたいという意図が今あることは御存じの通りでありまして、この点につきまして、なるべく健全財政の線で資金を合理的に重点的に配分するという意味合いにおいて、これを達成することをもつて第一義といたすという現在の方針を、私は現在においては相当尊重すべきものじやないかと考えております。

淺利三朗自由党

○淺利委員 一応はごもつともな御意見のようでありますけれども、しかし日本が今日災害亡国の現状に直面して、今までの施策のみを踏襲するというだけで、はたして日本の再建ができるかどうかという重大な問題であると思うのであります。一方において財政計画を立てておるといいながら、あるいは宝くじを発行して民間の余剰資金をかき集める、あるいは一方においては特需景気によつて非常に遊蕩な気分がみなぎり、東京温泉のごとき淫蕩なる方面に多くの金が浪費される。これらを愛国公債として吸収して有益に使うということは、必ずしも日本の財政計画の上においてそうマイナスになるものじやないというふうに私の常識においては考えられます。でありますから、日本の災害復旧という問題は早急にこれを実施しなければ百年の悔いを残すという見地から、一大勇断をもつて政策の転換をはかる時期に達しているのじやないかという意味において、ドツジさんにはドツジさんの意見がありましようけれども、日本の閣僚当局は日本の現状に即した政策をお立てになることを特に私は希望申し上げるのであります。これ以上は意見になりますから申し上げませんが、どうぞそういう方面について再検討を加えていただきたいと思います。

内海安吉自由党

○内海委員長代理 ちよつとこの機会にお知らせ申し上げます。大蔵大臣から、本日の参議院の本会議において重要法案がたくさんあるので手放すことができない、そこで来る二十日あるいは二十一日午前中にはきつと出席して皆さんの御質問に答えたい、こういう回答を得ておりますが、御了承願います。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 経済安定本部長官がおいでになりますから、公共事業費、なかんずく災害予算に限定をして簡単に御質問を申し上げたいと思います。  災害復旧の緊急性ということは私が申し上げるまでもありません。ただ大ざつぱな数字で申し上げますと、過年度災害が千二百数十億、それに九月までの本年度災害が三百三十七億、ルース台風の災害が五百三十四億というのでありますから、総額二千億の重荷がわれわれの予算の上にかかつておるわけであります。これを戦前のように災害復旧は原則として三箇年で行う、しかも現在考えておる初年度は三、次年度は五、三年度は二ということになりますと、驚くなかれ一年度六百億、二年度千億、三年度四百億という莫大な数字が計上せられるわけであります。これを今年度災害だけで見ますと、五百三十億の概算数字を七〇%に査定したとして見ましても、九月までの災害分を加えますと、約七百億の巨達に額するわけであります。これに十分の三を乗じた場合は二百十億万円であります。これに対して現在まで支出されておる部分は、八十億の予備金の中から十五億円、特別措置によつて十三億円ということによつて十三億円ということになると、百八十億という巨額の数字が年度すでに第四・四半期に入ろうとする今日に至つていまだ残つているわけであります。だから全国民はこの災害の復旧が可及的すみやかに行われない場合、祖国の再建も不可能ではないかという心配をしておるのであります。その意味において私は内閣の所信を五項目にわけて簡單にお聞きしたい。  第一は、災害復旧について大体三箇年でやりたいという政府の方針を堅持せられるかどうかという問題。  次にその場合、三、五、二という建設省その他直接災害を持つておる省で考えておられるような比率を、経済定安本部長官も理想として、また現実的にもお認めになるかどうか。  第三は、関係各省大臣特に建設大臣、公共事業の総括的な責任の地位にある経済安定本部長官、予算の元締めとしての大蔵大臣は、災害復旧費総額支出に対して今まで具体的にどのような方法を講じられたのか。幾ら、どのような状態に出そうかということについては少くとも関係大臣として深刻に研究されておらなければならないし、またされておるだろうと考えますので、関係大臣の一応の交渉の経過をお聞きしたい。  第四は、河野主計局長がいろいろなことを申しておられたようでありますが、それは一事務官僚のよく答弁するところではありません。だから私は建設大臣あるいは経済安定本部長官というのではなくして、国務大臣としての両大臣にお伺いしたいのは、予算の関係は大蔵大臣池田君でなければわからない、また聞かなければならないというわれわれ議員の態度も不可解でありますが、国務大臣として予算はどういうふうに提出しよう、また提出の見込みであるということは当然お答えになれるはずと思いますので、現在補正予算は参議院で審議中でありますが、災害の問題はまつたく非常手段によつて解決しなければならないという重大な段階にある場合、再補正を行う意思があるかどうか。明日で会期が切れますから、一週間や十日間の延長が認められたとしても、現在の段階において技術的にむずかしいであろうということはよくわかりますが、ただ大蔵事務当一の発言によりますと、非常にたくさんの要求があるにかかわらず、限られた財源しか持たない現在、なかなかむずかしいと簡単につつぱなされてしまつたのでは、国民は祖国の再建という熱情も冷却せしめられてしまう。非常的な処置によつてもこの問題だけは何とか解決しなければならないという気持でおりますが、引続き来月の初めから通常国会が開かれますので、技術的に今から非常処置を講じ得る態勢になつておらなければ、通常国会の当初これに対する補正予算の提出はかたいのではないかという考えがありますので、本国会に提出できない場合、来通常国会の当初お出しになるお気持があるかどうか。  第五点は、本年度発生災害の復旧費を一体どのくらいお出しになるつもりか。先ほど申し上げたのですが、一千二百八十五億の過年度災害は別としても、本年度三割にして百八十億の残額があるのでありますから、この分だけでも何らか処置をりなければならない。三年間で乏しい財政の中からできない場合に五箇年でやろう、それでもむずかしいときは十箇年でやろうというような、災害民に対する問題というよりも、国全体の国土の保全、再建、法律の活用という面から考えましても、最も大きな施策として取上げて行われなければならない問題でありますので、大体内閣としては災害に対して幾らぐらい出すのか。実際非常に無理をして十三億の金をお出しになつたでしようが、予算のわくの中ではこれほどつらい災害の金を押えるよりも、もう少し大局的に考えて押え得る金もあると私は思います。われわれ與党といたしましても十分研究もし、また研究しなければならない問題ではありますが、十三億と言わず、五十億か六十億を一挙に出し得る態勢にあつたならば、このように問題も紛糾しないし、また災害復旧というものに対して非常に明るい希望も持てたのでありますが、何分にもこれから最小限やらなければならないものの一割近い金でもつてものをやろうといつても、どうにもならないのでありまして、こういう問題に対して見込みがお立ちになつたらひとつ伺いたい。災害復旧に対して一番熱意を持たれている関係大臣であります経済安定本部長官としてはどの程度出すお見込みであるか、その数字を御提示願いたい。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 お尋ねの第一点でありますが、これは私どもも御承知のように去年は減税か公共事業かという議論をやつた一人でありますくらいに、希望としては災害復旧を早くやるということについては同感であります。しかし実際上の処置になりますと、初年度三、次年度五、あと二という形になりますと、あなたの今お示しになりましたこの災害復旧及び他の公共事業を合せただけでも二十億を加えなければならぬというかつこうになつて、そのことが来年度の予算にあとを引いて事実言うべくして不可能なことを組んでもかえつて申訳ないので、出すく言つて出さないようなことになつては困る。こういうことで非常に苦慮しております。今までの経過といたしましてすでに三十一日に野田君が現地を見ておいでになつてお帰りになつて、ただちに私ども中心になりまして関係省集まつてルース台風に対する処置をどうするかということについて、数項目にわたつて検討を加え、それに基く一つの案はできております。そうして私どもも大体その線に沿うて大蔵大臣と話を進めるべくすでに閣議において話を進めているわけであります。大蔵当局においても今日主計局長がどのような答弁をされたか私は知りませんが、これは大蔵大臣は初め何とか早くやりたいという希望を持つておりました。ところがそれは補正予算を出したあとでありまして、御承知のようにすでに千七百億かの自然増牧があつてそこで四百七億を減税にまわし、千三百億を追加予算に出したわけであります。りくつから言うと、ちよつと残りがないわけであります。それから来年度私どもどういう線を引くかというようなことでまだ結論が出ておらぬことはまことに遺憾でありますが、この方法をどうするかということについて腹を割つて大蔵大臣と懇談を進めております。それにつきましているく関係方面とも今日も野田君と二人話をして来たような次第であります。今何ぼくらい出すのだ、こう言われても、これに対してただ希望的数字を申し上げてはかえつて惑わずばかりでありますのでこの点は御容赦を願つておきたい。決して一日もゆるがせにすべきものでない。そこで私どもは何といたしましてもこの際およその出さなければならないものに対するつなぎ資金でも早く出して行くべきだ。こういうことで今大蔵大臣と折衝中であります。私どもも幸いに野田君が大蔵省に長くおられて予算のこともわかつておりますし、大体の財政の歳入歳出の見通しを立てた上で折衝をしておりますので、今日ただいまの御質問に対して一々数字をもつてお答えすることはできませんし、またしない方がかえつていいのではないか、こういうふうに思つておりますのでこの点は御了承を願います。

田中角榮自由党

○田中(角)委員 私は與党議員でありますので、責任がある発言をしなければならないという立場におりますので結論的に一つ申し上げておきます。ただいま経済安定本部長官が御答弁になつたことと同じことを大蔵大臣も申されたわけでありましよう。私が結論的に御要求申し上げたいのは、また與党議員としてぜひとも目途をつけていただきたいというのは、これほど大きな問題になつておる災害復旧という問題に対して、荏苒日をむなしゆうすることは吉田内閣としては非常にマイナスだ。しかも国民自体もこれが総合的な予算を編成してみなければというようなことであつたら、これは非常に困るのでありまして、少くとも災害復旧というものをどういうふうにしよう、これを三年度にやることが無理であつたら、少くとも五年度にやろう、経済復興三箇年計画、五箇年計画、十箇年計画というものを樹立しておる現在でありますので、災害復旧五箇年計画、十箇年計画、こういうものを立てないときにおいては、年々歳々重なる災害を続けたならば、このまま行つたら日本は滅亡する以外にないという立場にありますので、二十七年度の予算編成の途次にある現在、われわれは通常国会に臨む当初において、少くとも日本の災害復旧はこうするのだ、災害復旧に対する基本的な憲法を定めていただきたい。これは現内閣の使命であろうと思います。なお私は責任であると思います。私はその一言だけを申し上げまして、あと十日間あるのでありますから、しかも補正予算は現在審議中であり、減税はわれわれが国民にいたした公約でありますが、しかしほんとうにやむを得なかつたならば減税は少しセーブする。われわれが今二はいの飯を三ばい食べたいということは確かでありますが、しかもこのような災害復旧をなさずして祖国が滅亡するよりは、二はいの飯を一ぱいにしても再建の希望には燃えたいというお気持が国民全般にあると思います。その意味において少くともあと十日間あるのでありますし、十日後には二十七年度の厖大もない予算を出さなければならない。こういう状態にあるときに、私はこの災害復旧の問題を根本的に解決せずして、二十七年度の予算をつくることは無理だと思つておりますので、あえて私がここでものを申さなくても、皆さんが頭が痛くなるほど研究しておるのでありますが、私は一まとめに申し上げてわれわれ與党の代表者として内閣にある大臣諸公は、可急的すみやかに、抜本的な災害復旧に対する方策を立てて、通常国会に臨まれるように強く希望申し上げておきます。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 今田中君からも責任問題が出たのでありますが、私はこの際ごく簡単に国務大臣の責任について野田建設大臣には前に質問を申し上げてあるので、安本長官のお考えを承つておきたいと思います。今回の台風による地方民の困窮は、言語に絶するものがあるのでありまして従来の台風とは災害の程度が生活実態へ食い込んでいる点において異なつておる。各委員からも強い希望があり、本日衆議院の本会議においても共産党を除く各党の提案による決議案が可決を見ておるのであります。これは先ほど今回の問一題は重大で従来のような、ただ三、五、二の比率でやるとか、非常に努力しているとか同情を持つているとかいう言葉は国民は味わつておられないのであります。実際は予算をどこまで出すかということだけが最後の問題になつている。従つて大臣の今までの答弁のように、努力している、これくのことをやつているが、関係方面の予解云々とか、あるいは全般の国家財政の振当ての関係とか、こういう言葉は局長や課長くらいが言うことであつて、国務大臣としてはこの問題に腹をきめてやるとかやれなければどうという国政に対する責任を持つか持たぬかということの披瀝がなければ、われわれは納得できないのであつて、われわれ議員として大臣に対する質問の重点もそこにあるわけであります。従つてただ努力するとかいうことはなしに、この問題が解決できなかつたら責任を持つという言明をされるかどうか。これだけを聞けば、今後この問題がかりにどうなろうとも、私は全国の災害者諸君へのみやげにすることができると思うので、責任のある大臣の説明を承らしていただきたいと思うのであります。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 勇ましく言葉だけ責任を持つということを言つても、実行ができなければいかぬのでありまして、先ほどお答えいたしましたように、今度の災害は今までの災害の対策が徹底していなかつたことによるので、普通の行き方ではいけないということに腹をきめて、ひとつ案を立てて折衝中であります。ぜひそうやりたいと思つております。私はむしろはつきりと見通しがついた上で申し上げたい。言葉だけ勇ましく申し上げても意味がないと思つております。先ほどから申し上げたことは、実際の上においてのりくつであつて、政治的に見れば、災害を受けた関係地域の国民をどうするかということが問題なのでありますから、それについては私どもは今考えておることをぜひ実現させたいと、それぞれ相談中であるということだけを申し上げておきます。

前田榮之助日本社会党

○前田(榮)委員 これ以上私も、ただ言葉だけ勇ましいことを言つてもいかぬそうでありますから申し上げませんが、災害の問題はたくさん問題がありますが、さしあたり各災害府県として困つているのはつなぎ資金の問題であります。安本長官におかれても、大蔵大臣との交渉の結果、どうなるかまだほんとうにわからぬものを、たつて申し上げてもらいたいといつても困難でありましようから、ただ今つなぎ資金としては十二億五千万円か出ておりますが、これでは足らぬので、できれば六十億ぐらいのくめんばしたい、そういう建設大臣等のこれははつきりした約束ということでなしに、誠意を披瀝されたのでありますが、安本長官も大体そのくらいのところは努力をしようということが言われるかど6か、  これだけ聞かせてもらいたいと思います。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 建設大臣の答弁されたことはやはり一緒に相談した内容であります。

内海安吉自由党

○内海委員長代理 ただいま田中委員並びに前田委員より熱烈な御要望がありましたが、これはしごく同感であります。よつて周東国務大臣並びに野田国務大臣、あわせて池田大蔵大臣三者御協議の上、ぜひともこの要望に対し て御善処あらんことを要望しておきます。

西村英一自由党

○西村(英)委員 私は両大臣が見えておりますから、一言お尋ねかたぐ要望しておきます。要するに災害予算が非常に少いということ、もう一つの問題は、災軍票駿の硬いろいろ左右されて確立されていない。それで今まで周東大臣のお話も、現在の段階としてわれわれも舞は在患いますが、ある一定の三、五、二というような方法でやるといたしましても、これはそのたびたびに相談したのでは、やはり財政の面に左右されて、なかなか確立が容易でないと思うのであります。今まで災害が累増しておつたにかかわらずいろいろなことでそのときの財政によつて左右されまして、少額になつたのでありますから、この際画期的にやろうとすれば、この災害予算の確立のために、三箇年でやるなら三箇年でやるということを法文化する、あるいはその他の方法で確立の方法をきめるということでないと、年々歳々それはかわつて来るものである。この確立するということに対しては非常に大きい決心がいるわけでありまするが、しかしその決心がなければ、これは災害が起るたびに問題になるのでありまして、今日こういうふうに論ぜられておりましてもまたあしたは財政の面によつて違うのであります。災害としましても、とほうもない災害、一災害につきまして二千億も五千億もというようなことになれば別ですが、今までの終戦以来の災害を見まして、ひどくてもこの程度ということは大よそわかつているのでありますからして、これを早急に解決することが最もいいので、しかもその方法をとるためには、どうしてもある方法でこれを確立さしておきたい、かように思うのでありますが、大蔵大臣と両大臣御相談のときは、そういうことにつきましても御相談なさることを希望いたすものであります。もう一つ私は過年度災害を集積いたしますると、相当な額に上つておる。しかもこれをこなすのには、かくかくの金がいるというようなことを申されて、とほうもない金になるのであります。しかし過年度災害といいましても、これはもうずいぶん前の災害であります。野田建設大臣も、これは一ぺん洗う必要があるというようなことを言つておりますが、みなそういうような気持でおるのでありますが、これは明年からでも過年度災害につきましては、再調査をさつそくやつていただきまして、そうしてほんとうに災害として取上げなければならぬもの1その他のものは防災工事というようなもので金をつけまして災害としてやるものにつきましては、これはどうしてももう1ぺん再調査をして、そうして再調査で決定額が出ましたならば、それに対して国家は責任をもつてある率でもつてこれをこなすというような方法を講じられんことを希望するものであります。私は予算の確立ということについて特に両大臣に、また大蔵大臣も交えたときのお話におきまして、あるいは法律なり、閣議決定なり、その他の方法でその確立の面について両大臣の御留意を希望するものでありまするが、御答弁があるならひとつ聞かせていただきたいと思います。

瀬戸山三男自由党

○瀬戸山委員 今の問題と関連いたしておりますから、ついでに伺いますが、建設大臣も災害復旧については、初年度三、二年度五、三年度二の比率でやりたいという強い熱意を持つておられるようであります。それから経済安定本部の長官も、大体同じ考えを持つておられると思います。西村委員が言われましたように、災害を重大視すれば当然こういう結論になると思います。しかもこれは先ほどから申しておりまするように、きわめて重要な問題一であります。それならば今西村委員が言われたように、毎年同じ議論を繰返す必要はないのでありますから、この際例の災害復旧の国庫負担法で、三、五、二の比率を法制化する御意思があるかどうか、つけ加えて承りたいと思います。

野田卯一自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 ただいまの三、五、二の問題でありますが、私はルース台風をよく調べまして、それに対しまして三、五、二でやるようにしたいということを閣議でも申しておりますし、大蔵大臣にも話しておるわけであります。これにつきましては、これは打明け話になるわけでありますが、本年度の秋田あたりのルース台風以前のものも終らせなければならぬ。それから過去のものも終らせなければならぬ。非常に拡大強化しろという意見もあるのでありまして、もちろん非常に手広く考えるという考え方もあると思います。が、今日の財政の現状からいたしまして、私はルース台風以後からやろう、過去の分は一応洗つてからでないといけないというのは、財政的見地おも織り込んでおるのであります。それから技術的の問題もあります。それから私の方で実際にルース台風以前のものを調べておりまして、もう数府県はでぎ上つておりますが、これをやつてみますと、やはり大分減つて来ておる実例があるのであります。でありますから、各県のものを調べまして、今まで調べたところはどちらかと申しますと、あまり災害が重くなつて来てない地方を調べたのであります。ところがまだたび重つておる地方は、ルースにもやられておりますので、ルースの方は急いでおりますから、過年度分に手がまわつていない、こういう状況になつておりますので、こういうものを見きわめませんと、三、五、二を一方的にやるというようなことは、あまり強く言えないのではないか。ルース台風からは目途がついておりますが、過去の点がわからないから愼重に臨んでおるのであります。しかし将来の問題として、やはり三、五、二というものを法制的にも確立して、災害対策の基礎を固めることは必要であります。同時に予算制度といたしましては、災害の程度というものは年によつて違いますので、災害基金制度というようなものをつくりまして、少しずつためて行く。そうして毎年々々の災害復旧というもは同じような金額にしておいて、そうして災害復旧基金というものをつくつて、そこから出すとか、何とかいうことをやらぬと、財政上困る。司令部の方から一度災害基金制度をこしらえろということを言われたことがありますが、普通の健全な財改運営としては当然のことであると思います。今はそこまで手が及びかねているということでありますので、皆さんのおつしやることはまつたく同感でありまして、今すぐやるかといいますと、過去のものは愼重を要すると思いますが、将来の方向としてはそういうようにやりたいと思います。

内海安吉自由党

○内海委員長代理 それでは最後に三池さん。

三池信自由党

○三池委員 私は委員長に要望しておきたいのでありますが、その第一点は大蔵大臣は当委員会に出席されるということが非常にむずかしいのですが、ぜひ大蔵大臣に災害復旧に対する認識を深めてもらう意味におきまして出席してもらいたいということは、大分前からの要望であつたわけです。それで委員会を開くのにあらかじめ大蔵大臣の御都合を聞いてからお開きになつたらどうかということを要望したいと思つておりましたが、その点は委員長においてすでにそういうとりはからいをするということでありますから、この点はもう解消したわけでありますが、この災害復旧につきましてつなぎ資金、あるいは予算の要求という面で委員長に私の要望を一言申し上げたいと思います。  先日来たびたびの委員会において建設大臣その他各方面からいろいろの御意見があり、いずれも熱心に超党派的に論議をされたのであります。今日は本会議で決議案も可決されたような次第であります。建設大臣はまた実に熱心に災害復旧に対する大臣の意図を表明されまして今後台風の災害ということについては三、五、二の方針を堅持して行く。過年度災害に対してはこれがどうなつているかわからないから、一ぺん調書をして一掃しようというようなことでありましたが、これはいささか私大臣のお言葉とも思えない。過年度災害がたとえ累次にわたつておりましようとも、非常な国費を使つて復旧したものがその後どういう状態になつているかわからないということはおそらく大臣の失言であつて、それが従来のような災害の復旧方策であるのか、あるいは別途にこれをやるのか、ともかくもこれを調査するということは必要であり、それを一掃することを私たちは要望してやみません。そういうふうに大臣も熱心にやつておられるのですが、先ほど安本長官は前田委員に対して責任問題云々でおみやげの要求があつたということでありますが、これに対しまして大蔵大臣もこの次は御出席になると思いますけどれも、大蔵大臣に対する当委員会での質問、あるいは鞭撻、それに対してどういう御答弁があるかわかりませんが、ともかくも予算の獲得がなければ災害の復旧という所期の目的が達し得ないわけであります。委員長は與党の方でもあられますし、何とかよけいに予算を獲得するということに対しまして、委員会の立場なり、あるいはまた別途の立場において何か有効適切な方策を考究していただきまして、幾らかでも目的を達するように最善の努力をするような方策に出てもらいたいということを、私は強く要望したいのであります。これが私の委員長に対する要望であります。

内海安吉自由党

○内海委員長代理 よく了承しました。藥師神委員長とも御相談しまして、あなたの御希望に沿うように努力いたします。

小平久雄自由党

○小平(久)委員 私は、直接災害の問題ではないのでありますが、前回の当委員会におきましても問題になりました河川の総合開発こ関係する問題として、最近の一新聞の報道がきわめて重大なることを報じておりますので、それについてお尋ねをしたいと思います。建設大臣もおそらく、ごらんになつておると思いますが、去る十三日の毎日新聞は、その三面記事のトップに、しかも四段抜きで「五十里ダム建設に不正」ということで大々的に報じております。私はこの記事を見まして、実は私は現地の事情に若干通じておりますので、このような事実は実際問題としてないだろうと私自身は思いましたが、その後地方の新聞等を見ますると、この毎日新聞の記事を、これまた大々的に取上げて、関係地方民は非常な不安に襲われてお一るのであります。御承知と思いますが、五十里ダムの建設地点は、自然決壊をして下流に非常に大被害を及ぼしたことのある地点であります。それがために建設当局におきましても、これが建設につきましては、長年の間実地検査等を行つておるわけでありますが、御承知の川治温泉のすぐ上流に今度適地を得られまして、ようやく建設にとりかかつた。このこと自体につきましては、もちろん関係地方民は、鬼怒川筋の治水、水利という点から非常に喜んでおりますが、その当時から、一面またきわめて不安な考えを持つておることも、先ほど来申したような事情もありまして、これまた事実であつたのであります。しかるところ、たまたま建設省の役人のズキャンダルがもとになりまして、工事自体にすら非常に不正があるということを報じ、特にこの記事の最後の点に至りましては、「係官が現場を調べた際、堤防の中心をコンクリートで固めべるきところを砂利でゴマ化したり、鉄材を節約して土盛りしてしまつたりしている事実も発見され、摘発がおそかつたら、工事場附近の住民の生命、財産を奪うところだつたと係官は胸をなで下している。こういう記事まで書いております。従いまして、関係地方民がの記事を見て非常に驚標するとともに、一面むしろ憤激に近い情を抱いたということも、これはやむを得ないことであります。そこでその後の新聞の記事等を見ておりますると、地方紙には、建設省から係官が参りまして調査をしたところが、工事自体には不正はないのだというようなことを一応報じておるようであります。しかし一旦こういつた大新聞がこのように大げさに取上げた記事が地方民に與えた不安というものは、なかなか一朝にしてはぬぐい得ないのであります。従いましてこういうことは、今や全国的に重大問題として取上げられておりまする河川の総合開発というようなことにつきまして、私は非常にその前途に不安を投げかける一つの事実だと思う。この記事に対しまして建設省当局では、さきにも申す通り係官が出張して調べられたようでありますが、一体この新聞記事は事実、はたして無根であつたのかどうか、それからまた、おそらくこれは無根ということになるだろうと思いますが、かりに無根の場合でありましても、一体こういう記事を、おそらく建設省の皆さんも見ていられるでありましようから、ただ調査したところが無根でありたからよろしいということで捨てておくということは、私は今後の河川行政のためにはなはだとらざるところだと思う。そこで一体こういう記事の出所なりに対しまして、建設省ではどういう処置をとつたか、さらにまた積極的に今後地方民のこの不安を解消するためにどういう方策をとる考えか、主としてこの三点について、この際建設大臣の品からひとつ御答弁をお願いしておきたいと思うのであります。

野田卯一自由党建設大臣・北海道開発庁長官

○野田国務大臣 五十里ダムの問題ははなはだ遺憾な問題でありまして、あのことがわかりますと、建設省といたしましては、ただちにただいまお話がありましたように係官を現地に派遣いたしまして、詳細取調べをさせたのであります。その結果事案の内容は、労務資材の方面を取扱つております課長及びその部下五名が、その工事出張所で買い入れるものにつきまして、その供給する業者から、こちそうになつた、あるいは多少金品をもらつたかもしれません。そういう問題でありまして、その事案の内容は目下建設省において取調べ中でありまして、まだはつきりいたしません。事柄の性質はほぼわかつておりまして、大した金額のものでもないと思いますが、饗応を受けた、あるいは多少金品を受けたのではないかという疑いがあるのであります。われわれが一番関心を持ちます、工事に非常な欠陷があるとか、あるいは憂慮すべき問題を含んでおるかということにつきましては、さつそく手わけをいたしまして厳重に取調べたのでありますが、その結果は、そういうことはない、新聞に書いてあるよう  なことは全然無根であるということを、私は明瞭に監察官から報告を聞いておるのであります。こういう世間に非常に大きな影響を與え、また総合開発それ自体に将来悪影響を及ぼすような新聞記事の出し方につきましては、われわれも新聞社その他に対しまして十分愼重な態度をとつてくれるように、いろいろな方法をとりまして反省を促し、また将来愼重にやつてもらうように希望いたしておるのでありまして、今後もさらにその点注意をいたしたいと思います。なおこのダムが総合開発上必要であり、下流に対して将来大きな災禍をもたらすようなことはないという点につきましては、今後あらゆる機会を利用いたしまして現地の人が納得するように万全の措置をとりたい、こういうように考えておる次第であります。

内海安吉自由党

○内海委員長代理 災害復旧に対する本日の御質疑はこの程度といたしたいと思います。  本日はこれをもつて散会いたします。次の日程は公報をもつてお知らせいたします。     午後四時二十九分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗