決算委員会 第8号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1951/11/09
会議録
○三宅(則)委員長代理 これより開会いたします。 前会に引続き、昭和二十四年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十四年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十四年度政府関係機関収入支出決算を議題とし、本日はまず郵政省所管の審議から始めます。報告書百二十九ページ、郵政省、郵政事業特別会計及び簡易生命保険、郵便年金特別会計、物件、報告番号五一〇ないし五二〇、物品の調達及び処分当を得ないもの、十一件を一括して、郵政当局より説明を聴取いたします。郵政省経理局長中村政府委員。
○中村(俊)政府委員 それでは議題になりました件につきまして、御説明を申し上げたいと思います。これらの件に関しましてはそれぞれこの説明書にございます通りでありますが、そのうち特に二、三の件につきまして、追加御説明を申し上げたいと存じます。 ちようど昭和二十四年度は私ども郵政省といたしましては、特殊の状態の年度でございます。と申しますのは、御承知のように、昭和二十四年の六月に、従来の逓信省が二省に分割に相なりまして、電気通信省と郵政省にわかれたのでございます。従つてこの分割に伴いまして、従来逓信省が一括して持つておりましたところの各種の物件、資産、こういつたものを分割しなければならない、こういう非常に大きな仕事があつたのでございます。しかも郵政省といたしましては、いわゆる企業官庁といたしまして、一般会計のような会計組織でなくして、企業会計の特別の財産目録、あるいは貸借対照表、損益計算書といつたような商業的な計算方式をとつておりましたために、この財産の分割にいたしましても、あるいは物件の分割にいたしましても、非常に困難をきわめたのでございます。こういう特殊の事情のもとに、たとえて申し上げますならば、ある品物を両省にわける場合には、こまかな一つ一つの調査をいたしましてわけておつたのでは、とても間に合わないというので、一定の標準を設けまして、たとえば電信、電話の線、こういつたものは明らかに電信、電話の関係でございますので、電通省の所属にする。それからまた郵便の区分だなといつたようなものは、これはもう明らかに郵便のものでありますので、はつきりいたしますが、そのほかのもので、いわゆる共用されるもの、こういつたものは、まずとりあえず両省の間に等分にわける、あるいはまた定員によつてわけるといつたようなことに相なつておりましたために、ここに御指摘を受けましたものの中には、そういつた関係でいろいろ不都合を来したものがあるのでございます。 それから物件に関するもう一つの特殊の事情と申しましようか、それは単に郵政省関係だけではございませんが、御承知のように、当時はまだ物資関係が、ことに繊維あるいは紙といつたようなものは、非常にきゆうくつでございまして、全国一万四千の局でそれぞれ郵政事業を運営して行くためにぜひとも必要な物件は、入手困難でありますだけに、いろいろと調達に苦心をいたしまして、第一線の業務の渋滞を来さないように、こういう意味合いからいたしまして、御指摘いただいておりますような、あるいは過大に物があつたといつたようなこともできたのでございます。しかし、これは結果からごらんいただきますと、そういうことでありましたが、私ども当務者といたしましては、そういう物資入手が困難であればあるほど、できるだけ事業運行に支障を来さないようにというような配慮から、いたしたのでありまして、決して悪意があつたわけではございません。そういうような二つの特殊事情があつたということをまず申し上げて、そうして説明に入りたいと存じます……。
○三宅(則)委員長代理 委員長から申し上げますが、なるべく簡略に御説明願いまして、質疑がありました場合に御答弁を願います。
○中村(俊)政府委員 なお五一四の項目について補足説明をさせていただきます。説明書の中の最後に、「目下取り運び中である」ということがございます。この取運び中と申しますのは、この印刷物ができましたのは大分前でございますので、現状を申し上げたいと思います。これはたいへん特殊のことでございますので、特に申し上げたいと存じますが、実はこういうものであります。この品物であつて、最初に特殊ワイシヤツとしてつくりましたのは、この藍色のこの部分だけ。従いまして、これを着ますと、ワイシヤツの出ますところだけに、この部分がちようど当るのでございます。現業ではどうしても洋服が折えりでありますので、こういうものが必要なのです。ところが繊維事情が悪うございますので、全部つくつたのではたいへんだ、とてもそれだけの物資は入手できないというので、苦労いたしまして、実はこういう考案をいたしたのでございます。こういうところだけをつくつて、あとはがらんどうでございます。その見えるところだけに出すというものをつくつた。今から考えれば、ナンセンスでございますが、実はその後繊維事情が好転いたしましたために、第一こういうことをやる必要もなくなりましたが、これをこのまままだ持つておつたのであります。それをここでは「目下取運び中」とありますが、これをこういうふうに完全なワイシヤツにするつもりで取運んでおりました。ところが、こういうふうにいたしますと、かえつて新品を購入するよりも高くつくような状態でありますので、現状といたしましては、いろいろ経済比較をいたしました上、これは売払いの処分にいたしたい、こういうふうに進んでおりますので、この点も申し上げております。 それから五一五号、これも「措置方取り運び中」とございます。これは責任者に対する処分は、お手元に差上げました一覧表にも載つております通り、処分は相済みました。 同じく五一八号の責任者に対する処分というものも同様でございます。 たいへん簡単でございますが、以上補足説明を終ります。
○三宅(則)委員長代理 右に関し、会計検査院側から御意見があれば、補足説明を求めます。
○山名会計検査院説明員 各個別の事項については、それぞれ郵政省において個別案件についての善後措置並びに将来についての再発が起らないようなお気持でやつておられますので、特につけ加えて申し上げることもございません。
○三宅(則)委員長代理 以上をもちまして、会計検査院側の補足説明を終りました。 これより質疑を許します。——それでは便宜委員長から質疑を開始いたします。 まず五一九号、名古屋郵便局で、昭和二十五年四月、貯金預入申込書外一点、帳簿価格百三十一万八千四百十四円を江川商事会社に六万三千六百六十三円で売り渡したとありますが、これは事実ですか、これについて郵政省から御答弁を求めます。
○中村(俊)政府委員 これは事実でございます。
○三宅(則)委員長代理 今の御説明非常に簡単でありますが、事実でありましたならば、そういうことをかつてにやつていいものかどうか、これにつきまして、もう少しく適当な説明を求めます。
○中村(俊)政府委員 御説明を申し上げます。郵政事業が独立採算制を要請されておりますために、各種の物件の取扱いにつきましても、その線に沿つて、これを最も合理的に、しかも経済的に使用するということは、申し上げるまでもないのでありますが、御承知のように、戦時中あるいは戦後の変則的な事務の取扱い、たとえば非常に事務を簡素化するといつたようなことによりまして、保管しておりまする各種の式紙用紙にいたしましても、不適格品、あるいはまた規則の改正等によりまして、不用品というものが若干あつたのでありまして、従つてそういつたようなものを処分するということが必要になつておつたのであります。この五一九号の件もそういつたことであります。すなわち貯金預入申込書について、ほんとうはその紙質が印刷紙の五十听のものでなければならないのを三十三听のロールのせんか紙で代用いたしたのであります。紙質がたいへん悪うございまして、長期にわたつて保管することは不得策であると認めて処分いたしたものであります。また貯金預り簿は、やはりロールのせんか紙三十三听で調製されておりました。その紙質はさらに悪くて、数次の計算によりまして、それをあちらに持つて行き、こちらに持つて行くというような回送が、貯金原簿におきましては起るのでありますが、そういたしまして、しかもそれを五年間保管しなければならないという法定の帳簿なんでありますので、こういう点からいたしまして、どうしてもこれを十分活用することができないということで処分をいたしたのでございます。
○三宅(則)委員長代理 この際政府にお尋ねいたしますが、かつてに帳簿価格百三十万のものを、五万、六万の紙くず代で売り渡すということは、ちよつと受取れないのですが、それは前にいい品物を入れなかつたという責任はどこにあるのか。そういう不適格品を適格品のごとくに見るということは、はなはだ不見識きわまるものと思いますが、これを政府はどう考えておるか承りたい。
○中村(俊)政府委員 お話の通り、たいへん恐縮するのでございますが、実はその当時こういう印刷紙、五十听というようなものがございませんので、紙の事情からそういうものが得られないというやむを得ない措置に出たものでございまして、一方にりつぱなものがあるにかかわらず、こういつた、あまり長く使えないようなものを買つたということではございません。まつたくその当時の事情やむを得ず、しかも貯金事業の運行を確保するという立場からいたしたのでありまして、そういう当時の事情を何とぞおくみとり願いたいと存じます。
○三宅(則)委員長代理 さらにお尋ねいたしますが、そのように何年分も過大に買い込まなければならぬという理由はどこにあるのか。半年一年で破棄するようなものを、なぜたくさん買つたのか、この点について的確なる答弁を求めます。
○中村(俊)政府委員 本件につきましては、幸いに資材部の関係官が参つておりますので、その方から御説明申し上げたいと存じます。
○西村説明員 お許しを得まして御説明申し上げます。当時の事情は、ただいま中村政府委員からお話もありました通り、非常に事情が窮迫しておりまして、安本、通産省に一々交渉いたしまして、各四半期ごとのわくをいただいて、辛うじて間に合うものは間に合わせ、間に合わないものは市販のせんか紙とかロール紙、そういつたもので間に合せておつたのでございます。それで通産省、安本に要求をするのですが、その当時の事情といたしましては、十分な割当てはもちろんございません。それで地方に配分いたします際に、どうしても十分な数量が渡りませんので、地方から調達計画をとりますときに、地方もそれを見越して——これはよくないことでありますが、ある程度の水増しの要求があつたのは事実でございます。それが戦時中以来習性になつておりまして、かたがた要員も召集その他で常にかわつておりまして、ふなれな者が入れかわり立ちかわり担当しておりました。そういういろいろな事情が重なりまして、ここに御指摘のような過大調達になつたというような事情であります。
○三宅(則)委員長代理 重ねて質疑をいたしますが、往々にして政府事業というものは、過大水増しというようなことが行われまして、これを国民全般が税その他において負担しなければならぬ。そういうことは大いに改めなければならぬと思いますから、本委員会におきましても、そういうことをあまり簡単に、ただちに承認々々というわけには行きません。十分に警告を発し、そういうことを再び繰返さないように厳重なる警告を発しておきます、——山名局長、何か御意見ありますか。
○山名会計検査院説明員 確かに品物が紙質のあまりよくないことは、事実でございます。ところが、ほかの局ではみなこれを使つておるし、私の方でここに提出いたしましたのは、本省の方に申し込んで、もらいました中のものを売つておるということになるわけであります。その総額は預入申込書二万四千冊、預入報告書五万三千冊であります。一方二十四年度に本省からもらいましたのが、預入申込書四万六千冊、預入報告書五万五千冊で、そのうちからほごに売つてしまつておるというようなことは、これは本省の意図するところでは全然ない。また他の郵政局では、とにかく使つておるということで、現物も私の方で点検いたしましたが、郵政省が使えるといつて名古屋に送つたものの中のものをほごに売るということは、本省の意図をくまない、郵政局のほしいままなる処分行為ではなかろうかということで、これはやはりそういう意味においての、目算違いといいますか、少し出過ぎた郵政局の行為である。御承知のように、帳簿価格は、型紙によつて刷つたものですから高い。それをほごにすると、とんでもない値段になるわけであります。それで申し上げたようなわけであります。
○三宅(則)委員長代理 ただいま山名局長の御説明によりますと、郵政局は行き過ぎであると思います。これに関連して田中委員の質疑を許します。
○田中(角)委員 五一九に対して、責任者の処分はどういうふうにやられておるか。説明書に書いてありませんが、ちよつと伺いたいと思います。
○中村(俊)政府委員 お配りいたしました昭和二十四年度決算検査報告事項に対する関係責任者処分調書の第一枚目の一番左側のところに処分のことが書いてあります。
○田中(角)委員 五一七まではあるけれども、一九がない。
○中村(俊)政府委員 今のは追加分の報告でありまして、その前にお配りしたものがあるはずであります。
○田中(角)委員 わかりました。 先ほどから委員長が十何件一括して質疑を許しておつても、毎日々々、各省とも同じようなことがあるので、もう質問してもしようがないと思つておつたのでありますが、特に五一九を取上げられましたので、つつ込んで御質問すれば、幾らでも質問があるわけであります。ただ私たちの質問は、決算委員会として、ただすべきところはただし、将来かかる批難が行われないようにいたしたい、こういうふうに考えるのですが、やはり五一九などという問題は、軽々に看過すべき問題ではありません。これを掘り下げると、相当な問題が起きて来ると私は思います。行政監察委員会などに持つて行くには、一番いい問題であると思います。なぜかといいますと、会計検査院も、少しなまぬるいお話でありましたが、たちのよくない事犯であると、私は第三者として率直に表現できると思います。二十四年度といえば、もうすでに相当用紙事情も好転しているときでありますし、しかもそのときに本省から特別配付を受けたが、三箇年分を残して過剰物件を払い下げておる。その過剰物件は、同年度中に特別に本省から配付を受けておる。こういうのであつたならば、三箇年間の在庫があるにもかかわらず、本省から四万数千冊を受けて、それを故意に三箇年をオーバーするものであるとして、各局では不足があり、現に他の局では使用中のものであるにもかかわらず、これを故意に払い下げたということになると、端的に申し上げて、計画的なものであると言われてもしようがないと私は思います。検察官の立場から見れば、きつとこの陰には何かあるだろう、こういうふうに大体感じるわけであります。私たちはそこまで言うのではありません。今行政整理を私たち自由党がやつておるのですが、各省の人々は異口同音に、自由党はボスであり、反動であり、行政整理は首切りだと言い、反対のためには大臣室を占領して二晩、三晩やつておる方があるようでありますし、特に首切り反対にハンストを続けている方もあるようであります。その事情の裏に、こういうことが軽々に看過されているということは、私たちは断じて許さるべきではないと思います。乏しい財政の中で有効に予算を使つて行かなければならないことはもちろんであります。こういう問題は、ただ郵政省だけ特に取上げて言うのではありません、各省、各庁にこういう問題はたくさんある。ただ刑事的に訴追を受けないからいいでありましようという問題と、中には予算区分を乱つて、庁舎修繕として相当な予算をもらつたのだが、庁舎は十分間に合つたので自動車を購入しましたとか、中には、官舎がありませんから官舎を購入しました、こういうことは許さるべき問題ではありません。私はそういう意味で申し上げたいのですが、もう少し、五一九の払い下げに至るまでの経緯を御報告になれますか。会計検査院も、きつと事情は十分御承知だろうと思うのですが、一体だれが決裁を行つたか、処分は結果的にいつて、第三者的に見て非常に不愉快な払下げ方法をとつておられるにもかかわらず、五一九号の処分は、注意、訓告、注意であります。注意、訓告、注意を重ねておるうちに、当時の係長は課長になり、局長になり、次官になる。これは明治政府からの日本の行政組織の一大欠陥であります。私がただ発言することによつて、簡単に是正せられるとは思いませんが、私たちは昭和二十七年度予算編成にあたつて、緊急やむを得ざる支出を要求しても、予算の総額において不可能であるから、何かを切り詰めなければならぬという場合に、まず行政部費の切り詰めとか、それから終戦後、非常に変則的経済の状態で支出を余儀なくせられた金額を削除するとか、こういうことを言うのです。行政部費は、大したものは出ておりませんが、切り詰めることにはまつこうから反対であります。反対でありますが、あなた方郵政省からずつと見ていると、一部においては非常に安く払い下げておる。しかも物価がどんどん上つているときでありますから、どんなに安くしても、もちろん一山幾らのほごとして売り渡す場合は、帳簿価格よりも安くなる場合もたくさんありますが、しかしインフレが高進している場合においては、その差額は逆にならなければいかぬと、こう思われるときに、しかも貯蔵品を過大に保有しているもの——先ほどあなたは現物をお見せになりましたが、それも問題はあります。もちろん今になつてしまうと、ワイシヤツを新しくつくるよりかかるのでありますが、実際当時の感覚からいつてもおかしいのです。それは机上の論議としては、出るところだけよごれないような半ワイシヤツをつくることはいいのですが、実際猫の首に鈴をつけるようなものであつて、事実そういうものが使えるか使えないかという問題は、常識的に考えれば、お互いが十分納得する問題であります。お互いが今自分の子供に乏しいさいふの中から、着物一枚買つてやる、自分の妻に一枚の着物をあがなつてやるという場合は、そういうむだなことはしないだろうと私は思います。私は四、五年間決算委員をやつておるのですが、決算の国会における取扱いの方法その他相当深く論議もし、研究をしておつたわけであります。私は決算問題に対しては、二年間ほとんど発言をしなかつたのでありますが、先月の初めから各省に同じようなことを申し上げておる。ただ私の申し上げることが、そのまま意見として聞き入れられて、少くとも責任が明確にせられればよろしい。そしてその結果将来批難せられることが是正せられればいい。私たちが二十七年度予算編成にあたつて、相当苦労しておつて、行政部費を切り詰める、場合によつては官庁建築も二、三年停止をしたらどうか、こういうことを考えているときに、非常に大きな反撃があるのです。一々これを理由立てていつてごらんなさい、あなた方は、今のような複雑なる行政機構のもとで政治を続けて行く場合には、どうしても年々歳々庁舎は腐朽もいたしますから、営繕費用はとるわけには行かない、こういうことを言うのですが、実にうまい、こまかいものさしをもつて私たちを辟易させておるのですが、こういう面を二十七年度予算から全然なくしてもらいたい。これは莫大もない金額になると思います。そういう意味で二十件一括して申し上げても、要は目的を達成せしめればいいのでありますので、五一九の案件に対して私もことさらつつ込んで御説明を要求しようというのではありませんが、第三者が考えても非常におかしいという感覚を納得せしむるだけに調査を行われたかどうか。行われたならば、その実情はどうか。しかも場合によつては会計検査院法を発動しなければならない義務を有しておる会計検査院としては、適切な処置をとつたかどうかという問題だけを伺つておきます。
○三宅(則)委員長代理 ただいまの田中角榮委員の御発言はもつともでありますから、誠実に真相をお答え願います。
○中村(俊)政府委員 私の説明で不十分でございましたならば、なお他の説明員に説明させたいと思います。 何かこの裏に特別な事情があるのではないかというような事柄につきましては、御承知のように、特に私どもの方の郵政省では、郵政省が発足して以来監察局という特殊の部局を設けまして、そうして司法警察権まで持つた監察官を配置いたしまして、郵政事業の運行に対しまして公正なる考査あるいはまた犯罪の捜査といつたようなことに、全力をあげておる次第でございます。従つて、本件につきましても、もしそういう疑いがありますれば、もちろん私どもの方で、できる限りの調査をいたすのでありますが、今ここで申し上げますことは、そういつたような特別に犯罪的な意図といつたようなことは、本件についてはございません。また検査院もここに御指摘に相なつておりますように、行き過ぎであつたという事情は、検査院の御報告の通りでありまして、この点はたいへん恐縮に存じておる次第でございます。
○三宅(則)委員長代理 委員長から申し上げますが、今の御説明は十分ではありません。おそらく田中委員としても、十分ではないと思います。
○田中(角)委員 五一九、五二〇に対して、直接の責任者は御出席になつておられますか。それからかかる売払いを行うために、郵政省は普通いかなる事務手続をとつておられるか、しかもその最終の責任者はどなたであるか。もつと率直に申し上げますと、国有財産を払い下げる場合に普通とられておる方法、いわゆる公示入札その他をせしめておるかどうかという問題もあわせて御答弁願いたい。
○三宅(則)委員長代理 委員長から申し上げますが、郵政省にもう少しはつきりわかる人はいませんか——はつきりわからなければ、この次もう一ぺん呼び出します。
○田中(角)委員 私は与党でありますから、いじめるために申し上げるわけではありませんが、私たちは常にあなた方からいじめられておるのです。全逓の方々というと、相当強いことはわかり切つておるのですが、自由党内閣自由党内閣といつても、昭和二十四年というと、わが党内閣の責任であります。かかるものを与党から発言をして、明確なる調査の内容を御報告できないということは、はなはだ遺憾でありますし、私たちは二十件、三十件といつても、ただ中から一つか二つ掘り下げて、先ほども申し上げましたように、決算委員会の使命を果したい。こういうことを考えておるのでありまして、今決算委員会は、先ほども私は申しております。二人か三人の出席しかなくて非常に遺憾だと思つております。昔は予算、決算の両委員会しかないのでありまして、まつたく政府いじめの野党の花形戦場であつたわけであります。ここへ来られるときは、あらゆる事件関係者が全部来られて、当時は時の司法当局が政府に密接をしておつた関係上、司法当局のとつた処置さえも非難せられるおそれがあつたので、ほとんど全部が出て来ておりましたが、決算委員会は二十件一括でもいいし、深く究明しようというのであつたならば、一件に対して二時間ずつも答弁すれば、頭が痛くなつてやめるであろう。大蔵省あたりはよくそう言つておられるのでありますが、そういうことでは、お互い国民的な立場から自分の職務は遂行できない。こう考えておりますので、二十件の中で一件でも掘り下げて、その責任の所在を明確にしなければならないと同時に、われわれは二回、三回とかかることを繰返したくない。しかも全逓は外部に対しては非常に批判的であるのでありますから、内部に対してもおのずから批判的でなければなりません。これが自分のやることは百万円のものを五万円で売つても、六百万円のものを五十四万円で売り払つても、それは国会の関知すべきことではないが、われわれに対する一万五千円ベースはぜひ認めろ、こういう話では国民は納得しないと思います。そういう意味で正当な要求をせられるのでありますから、また国会の正当な要求にも応じなければいけない。
○山名会計検査院説明員 本件についての調査の概況を申し上げます。売り払いました物があります。これは品質が粗悪だということで売り払われておるのであります。くず紙としての程度は、なるほどそんなことかということになるわけでありますが、基本的に全国的な在庫量はどうかということを調べてみると、自分のところだけ取出して、まあよそに散らかせば使えるじやないか。それでは本省との売払いの関係はどうなつておるかということを調べてみると、売つた中には本省のものもあるということになると、これは出過ぎることになるということの御報告を申し上げたわけでありますが、その裏に何かあるのじやないかというお尋ねであります。検査院といたしましては、そこまでうがつた調べ方も、職権上いたしかねるのでございますが、このものをこの程度に御報告申し上げましたのは、こういうことになつております。二十四年の末に郵政省の方から各郵政局にあてていろいろな品物について標準在庫量を設定するから、不用品は売り払つて金にかえろ、必要以上のものをいつまでも寝かせて、保管費を払つてはならぬという通牒が出ております。これはよい官吏なら、売る品物がどこから来たか、ほかのところはどうかということで、現品を点検して当然考えなければなりませんが、これを処分いたしました係官は、そちらの通牒を忠実に守つて、そこがおろそかであつて売つたのではないかということで、それ以上せんさくはいたしておりません。先方でも、一応当時二十年十二月十五日の資材部長及び経理局長及び郵政局長にあてて、不用品等の処分に関するいろいろな指令が出て参つております。これに基いて処分したということでございます。 それから売払い契約の問題は、本件は業者から見積りをとりましたが、大体十万円以下という見積りでありまして、これは随意契約によることを得ます金額の範囲内でございましたので、江川商事合資会社に随意契約で売つておるような状況でございます。従つて競争契約にはよつておりませんが、会計法のあれから行きますと、形式的には十万円以下でございますので、随意契約により得た事態であります。
○田中(角)委員 すぐお答えになれることも、お答えにならないようでありますが、私はこんなにつつ込むつもりじやないのです。ところが、相手がどんどんつつ込ませるので困つておるのですが、適宜御答弁になつた方がよいと思うのです。非常に杓子定規では——もちろん会計検査院は、会計法規に抵触しなければ批難しないのでありますから、いいのですが、私はそこに問題があると思うのです。会計検査院がそのようなことを言つておられるのであれば、会計検査院はおやめになつて、私が一番きらいな経済調査庁をおつくりになればいいのです。私は会計検査院の権限拡大論者であつて、いわゆる旧憲法と新憲法との間のあいの子的性格をやめて、今度憲法改正が、もし行われるとしたならば、会計検査院は今の三倍も五倍もでかい機構にいたしたいということを、五年間も持論として申し上げておるのですが、会計検査院の方々はどうもさつぱり私に乗つて来られないことを、私自身は遺憾だと思つております。十万円以下だから公示入札を行わなくてもよろしい。それは結果論であります。帳簿価格百三十一万八千余円であるものを六万円で処分したというのが、すでにわれわれが究明いたしたいことなんです。これが十万五千円であるならば公示入札を行つたが、十万円以内の公示入札を行わなくても法律的に処分を受けないというところに、われわれが第三者的に、常識的に考えて不合理性があるのであります。もちろんこの事案だけを言うのではなく、もしこういうものを根本的に解明するとしたならば、かかる種の受払いに対する最終的責任者はだれか、売払いの決裁を行う最終責任者はいずれか。その次に来るものは、そういう経路をとつたかとらないか。とつた場合、この責任者に対して責任は究明せられたか。もしくは事件が全然ないとしたならば、その無能ぶりは、かなえの軽重を問われる式で問われなければならないということを申し上げておるのですから、私の意の那辺にあるかを御承知の上、御答弁願いたい。
○三宅(則)委員長代理 ただいまの田中委員の御発言は、まことにごもつともな話でありまするから、郵政省の責任ある方から御答弁を願います。
○中村(俊)政府委員 御指摘の点は、まことにその通りでございまして、私どもといたしましても、今日郵政事業に対する、ほんとうに経済的な合理的な運営を確保するために——もつとも私どもの方の官庁で使用いたしておりますものは、物なんであります。ことに貯金、保険の関係は紙でありますので、この紙に関する使用の合理化ということにつきましては、非常に慎重を期さなければならぬと存じております。先ほどもちよつと出ましたような、標準在庫量というものをきめましたゆえんもそこにあるのでありまして、物資が不足なときに、ただかつ込めばよろしいというような観念を改めまして、およそ不経済でない程度の標準在庫量をきめまして、それによつて一方に物資を確保するとともに、使用の方を制限して行く、こういうことにいたしておるのでありまして、このような点に関しましては、今後再びこういうことの起りませんように、十分注意をいたすつもりでございます。
○三宅(則)委員長代理 委員長が補足して言いまするが、だれが最終責任者であるかということについては、政府委員からさつぱり御説明がないわけです。政府委員から御説明がなければ、この次大野事務次官等の御出席を得まして、答弁をいたさせます。——ほかにありませんか。
○田中(角)委員 どうもこれにばかりつつ込むようでありまして、私も本意でないのでありますが、ここは行政監察委員会でもありませんし、決算委員会ですから、責任を明らかにしておきたいというのは、私の考えではこうなんです。先ほども会議が始まる前に、私はちよつとひとり言を言つておつたのでありますが、会計検査院が、簡単に一番いじめやすいのは、各省官房会計課長所管の事項です。これはものさしではかれば、すぐわかるからです。但し、これは非常に小さい。それよりも数十億になんなんとする公団の赤字を見てみれば、これは吉田内閣が払うのだからと言つてみたところで、吉田内閣が払うのじやありません、全部国民の血税の中からこの赤字は補填して行かなければならぬのです。こういうところに、非常にわれわれの大きな問題もあり、国民もまた目ざめなければならぬ問題があるわけであります。ですから、政府がただ遺憾であつたというがごときことをもつて、経営の不正が許さるべきではありません。しかも当を得ておらないもの、いわゆる不当なものに対しては、厳重なる批判が加えられなければならないと思う。私はずつと各省にわたつて見ておるのでありますが、今の次官、局長、課長で譴責を受けない者、厳重なる注意を受けない者、戒告を受けない者で、局長、次官になつている人はありません、全部受けている。しかも昭和十二年、十三年の局長は一番古い方で、早い方は昭和八年までの局長ができているようであります。この方々の経歴を見ると、書いてはないが、ほとんど戒告処分を受けているし、大きな国損を来しております。そこに経理局長もおられますが、一言報いるならば、あなたもきつと郵政省にお入りになつてから、何回か戒告処分を受けけられたことでしよう。こういうことが軽々に看過せられているところに、なかなかうまく行かないところがあるのです。私は前日運輸省の港湾局長に申し上げたのですが、私のところは、昭和二十四年度決算に批難をせられたのはたつた一つですというから、そのたつた一つだからといつて、あなたはふんぞり返つてはいかぬのだ、その一つをなくしたときに、あなたの手腕というものは高く評価せられるのだ、こういうことを私は申し上げたら、言わなくていいことを言つて、一本とられたようなことを言つておりましたが、お互いに公人として立つている以上、そういう責任だけは明確にしておきたい。特に私は佐藤君が郵政大臣になられたときに、私は郵政大臣室で、大野君も一緒にして、お互いに友人ですから話したことがある。今占領治下にあつて、国費は大いに節約せられなければならない、こういう大原則に立つて、国有鉄道も、電気事業も、郵政事業も、なるべく早く公社にしたい、いわゆるコーポレーシヨンにしたい、独立採算制をとりたい、こう思つているのですが、私たちの感覚では、官庁組織では、赤字を屈服できない。もし可能な方法があつたならば、そういう方向に移行して行きたい、こういう考えでわれわれは公社を考えているわけですが、そうじやなく、国有鉄道は私線を全部切つてしまつて、絶対もうかるような鉄道になつたら公社にしよう、電信、電話はもうかるから公社にしよう、郵政事業はいずこの国でも赤字だから、公社にすることはしないで国有事業を続けて行こう、こういうのであつたならば、まさに本末顛倒であります。私は第三には必ず郵政事業そのものが公社に移行しなければならない。前の大臣であつた降旗君のときも、私は言つたのですが、どうも郵便局の庁舎等が、あなた方が今各地で呼びかけられております通り、メイン・ストリートにありながら、非常に古い太政官時代の風貌をしておる。あれではしようがないから、郵便庁舎をつくりたい、こういう論がほうはいとして起つておるのでありまして、私もその意味に対しては非常に賛成しておるのでありますが、そういうふうにもうからないから公社にならないというふうに批判せられておる郵政省であるだけに、あなた方が緊褌一番、赤字を屈服していただきたい、こういう大きな面から言つておるわけであります。ただ決算委員として、批難せられた事例だけでもつて、あなた方をつつ込んで行くのでしたら、まだまだりくつは幾らでもあります。五一九及び五二〇と、同案件の性質を有する物品の購入は、二十四年度から現在まで行わなかつたか、行つたか、その責任はどうか、全国の在庫数量はどういう状況であるかというところまでついて行けば、あなた方はこれは必ず責任者が出るのです。そういうところまで言う考えは持つておらないのですが、一応の発言に対しては、さらさらと御答弁を願いたい。しかも郵政本省としては、各局に完全なる物品受払いに対する委任を行つておるのか、そう言うと、そうでもないのです。五一九は局長処分、五二〇は本省資材部長が監督者であつて、決定者は配給課長であります。実行者は用品係長、処分を受けているものは係長のように思うのでありますが、そうしますと、郵政本省直結の問題であつて、大体こういう措置が正しいと私は思つておるのですが、もちろんこの五一九は本省が決裁を行つて払下げたものでは絶対なかろう。これはあとから事後承認を行つたものであろうと思う。事後承認さえ行わなければ、帳簿価格百三十一万八千余円のものを六万数千円で売り渡そうはずがない。同時に、全国在庫数量を調査せずして、必要なものであり、現に今他の局で使用いたしておるものを売り渡すはずがない。権限を逸脱して、名古屋郵政局及び横浜地方貯金局ではかかる行為を行つたのでしよう。これは完全なる法律違反であります。かかる者を厳重なる戒告というだけによつて処分したということであるならば、少し郵政本省は甘過ぎはしないか。それをもつて首切り反対と言うのは、少しわれわれに対しても酷じやないかというのが、私の結論であります。御答弁ができれば御答弁を願いたい。もし御答弁ができなかつたら、大臣を呼び出して答弁を願います。
○西村説明員 先ほどの払下げ処分の権限の問題について、ちよつと御説明申し上げたいと思います。払下げする対象の予定見積り価格が十万円以上になります場合には、資材部長を経由して、大臣の承認を経るということになつております。見積り価格の十万円以下のものにつきましては、地方郵政局長に権限が委任してございます。本件の場合も、その委任規定に基きまして、名古屋郵政局で——局長の決裁をとつたかは私は今存じませんが、その限りでやつたものと思います。
○田中(角)委員 どうせ郵政省は、この問題だけで終るのでありますから、発言をしついでに、最後まで申し上げてみましよう。私たちも行政機構の改革というものが、簡単にできるとは思つておりません。まさに天皇の名において、明治初年から非常に強大なる組織をもつてやつて来たのでありまして、今新しい憲法によつて、翼賛議会から議決議会になつて、しかも決算も議決案件でなければならないということを言つておつても、なかなかできない。しかし私たちは、今議員の中でもつて、各省の官吏と匹敵し、対抗して行けるような連中はないということをよく聞くのですが、私たちもあなた方と相当な深い争いを続けて行こうという気持であるならば、議員の中にも、りくつの言える人もありますし、事務的にも、もつと堪能な者もあるはずであります。しかし私たちは、常にそういう悪罵のもとに立つておるのですが、私たちの立場から言つて、小さいことを突き進んで言う小官僚でもなんでもない。ただわれわれは、国民の利益を代表しているのだ、国民の利益を確保しなければならぬ、公正なる政治を行わなければいかぬ、こういうふうに考えているのであります。私たちのいうところの今のこの問題でも、法律的には大したことはない。ただ第三者的に見て、会計検査院が違法性はないと言つても、常識はずれだといつて簡単に掲げたものであつても、私たちはそこに問題があるということを先ほどから申し上げておる。もちろん各省官房会計課長の専断によつて行われる官庁営繕の額は、昭和十二、三年までは五千円未満でありました。五千円までは官房会計課長が幾らでもやつた。だから工事は一万円の工事を三千五百円ずつ三つに切つて、課長がやつておつたはずです。こういうところに、公入札も行わないでよろしい、指名入札もしないでよろしい、こういうことを言われております。こういうことは、お互いに改めなければならないし、私がつつ込んで申し上げれば、大体あなた方が六万三千円で売り渡して、これは当然本省の利益に置くべきものであるという通達を出したか、出さないか、本省から実情調査を行つたかどうか、その結果はどうか、というところまでほんとうはお聞きしたい。私はあえてそういうことを聞いて、いまさらこの問題に対して責任者の処分を求めようと思いません。しかし、あなた方が御答弁にならないところを見ると、大体そうであろうと私は思う。だから、特に私が申し上げるのは、問題が起きなければいいと私は考えております。郵政省の資材部、国有鉄道の資材局、それから文部省の教科書の問題、こういう問題は、たくさん業者もある中に、やはり専門的なものをつくらなければならないために、一大メーカーを使つております。特にいろいろな物議をかもしておるようであります。中には同じような問題がきつと批難せられると思いますが、犯罪カードの問題などは、特殊の紙質を要求せられておるのです。こういうものに対して、大蔵省の印刷庁と、ある一般民間業者が争つておる。現在あるものが紙質がいかぬので、もう今よりはもつといいものができるから、特別なものにつくらせようということが、公々然と行われておるがごときことを風聞すると、こういう特殊なものを扱うところでは、特にきれいにしておかなければならぬ。私はこう郵政省の方々に申し上げて、この問題はこれで打切りますが、五一九、五二〇に対して、名古屋郵政局及び横浜地方貯金局等でとつた処置は、当を得ない処置だと思います。それはせんさくしたでありましよう。せんさくしたけれども——批難せられるまではせんさくしないで、批難せられれば、国会に対して答弁をしなければならないからというので、一応のせんさくはしておるでありましよう。しかしせんさくをしなければ、その当時までわからなかつたという本省幹部の責任も、免れることはできないわけであります。私はそういう意味において、結論的にいつて、本件に対する処分は軽きに失したのではないかということを考えておることを率直に申し上げます。これによつて再び昭和二十五年度の検査報告にもこの種の批難が行われないように御努力を願いたい。私は昭和二十五年度の決算報告にこれと同じような批難が出て来た場合には、今度は少し辛辣に皆さんに申し上げます。
○中村(俊)政府委員 ただいまの田中委員の御発言に対しまして、私ども今後十分注意をいたしたいと思います。なおこの際当然のことでありますが、つけ加えて申し上げたいのは、この帳簿価格百三十一万八千円といいますのは、いわゆる素材としての紙に、印刷をいたしましたすべての金額を入れてございますので、この点を申し上げます。
○三宅(則)委員長代理 先ほど、代表して委員長並びに田中角榮委員から、質疑をいたしたわけでありまするが、この問題は、郵政事業一般に通じまする問題であると考えます。申すまでもなく、郵政事業は、日本文化の礎でもあり、また興隆のかてといたしまして、十分国家からも補助をいたしておるわけであります。昨年度もおそらく三十数億円というものが、一般会計から郵政事業へ注入されておるわけです。にもかかわりませず、こういうような不始末が頻繁に行われますことは、国家といたしましてまことに遺憾にたえません。この問題につきましては、本委員会といたしましては、国民にかわつて警告を発し、田中委員の言われましたごとく、再び繰返さないことを希望いたしますから、次会は大臣または政務次官、事務次官の御出席を要求しておきます。さよう御伝達を願います。 それではさらに継続いたします。報告書百三十六ページ、報告番号五二一、貯蔵品を過大に保有しているもの及び百三十七ページ、報告番号五二二、事業品を過大に保有しているもの、百三十八ページ、報告番号五二三及び五二四、貯蔵品を不当に事業品として払い出しているもの、報告番号五二五及び五二六、事業品で貯蔵品への組替等をしなかつたもの、さらに百三十九ページ、報告番号五二七ないし五二九、現品が帳簿面と符合しないもの、右九件を一括して議題といたします。これにつきまして政府委員の説明を求めます。
○中村(俊)政府委員 五二一号から以下議題になりました点につきましては、それぞれ説明書に申し上げておる通りであります。これらの点につきましては、一番最初に申し上げましたように、郵政省は郵政事業特別会計法によりまして、事業官庁として作業資産というものを持つておるわけであります。この作業資産がいわゆる貯蔵品という名目でいわれるものでありますが、この貯蔵品は、事業の用品を全国一万四千の局に配給をいたします際に、できるだけ有利にこれを調達し、それぞれこれを現場へやるのでありますが、そういつた場合に、この数量が多いだけに、これを適正に調達し、そして管理して行かなければならぬということは、これはもう申し上げるまでもないのであります。ここにそれぞれ御指摘を受けましたような事柄につきましては、この説明書にございます通りでありますけれども、私どもといたしましては、これらの点は、当初から考えております通り、いわゆる貯蔵品につきましては、標準在庫量制度の設定によりまして、過大な保有をしないように、また貯蔵品を事業の用に供します場合には、事業費——郵便費とか、あるいはまた貯金費、保険費、こういう経費にそれぞれ売り渡すといいますか、そういう経費に振りわけまして、そうして貯蔵品を事業費に決算する、こういう特殊のやり方になつておるのであります。従つて貯蔵品としてあります場合には、これはまだどの事業に使われるかもわからぬという状態でありますが、これがそれぞれの事業に決算されまして、そうして五二二号あるいはまた五二三号といつたような問題になつて来るわけでありまして、五二一号のような場合には、これは御指摘もありますが、貯蔵品をできるだけ少くして活用するという意味で、昭和二十五年度末におきましては、これを十四億六千万円程度に縮小されておりまして、漸次過大なる保有を持たないというように、努めておる次第であります。 なお御指摘をいただきましたような事柄はすべて金額で示してありますが、実はこれは物価の状況によりまして、物によりまして、それぞれの物の保有数量というものは、必ずしも金額に比例いたしておりませんので、それらのところは特に御了承を得たいと存じます。 なお御質問によりまして、お答えをいたしたいと思います。
○三宅(則)委員長代理 右に関し、会計検査院側から御意見があれば補足説明を願います。
○山名会計検査院説明員 貯蔵品、事業品の過大の問題は、これを標準在庫量によつて運用し、使用箇所に適正な手持量にしようという本省の御意図はごもつともでございますが、現場ではなかなかうまく行つていないという状況をここに出してあるわけであります。総体として事業品の運用なり、貯蔵品の買入れなりの運用がへたである。そのへたなことは、会計法規上どこにも触れませんが、へたであるところに、企業会計の資金運用、物資の回転率の悪化というような点で、企業会計の要件がありますので、それをここに記述してあるわけでございます。 それからなお現品と帳簿面が符合しないということは、たなおろしを相当長い間やられていなかつたり、またその間の物の出し入れが非常に秩序立つていない。成規の手続によつて出し入れが行われていない、さような点から発生しておるという意味合いから、警告をいたしておるものでございます。
○三宅(則)委員長代理 これに対して質疑を許します。——それでは委員長からひとつ最初に申し上げまして、田中委員にお譲りいたします。 官庁会計、特に物品会計、これは金銭会計と同様必要欠くべからざるものであります。一般の会社、法人、組合等は企業会計でありますが、企業会計におきましては、金銭会計と同様に、物品に対しまして厳重な会計制度を実施いたしております。しかるにこの官庁会計、郵政事業会計等につきましては、物品会計が、どちらかというと不健全ではないか、こういう懸念があるわけであります。もう少しく改良し、もしくは親切に、私経済、私企業と同様に、公企業、公経済も監督を厳にし、また国費を濫費しないように注意することが、必要欠くべからざる要務であると思いまするが、これに対しまして、郵政当局はどう考えておりますか、責任ある答弁を求めます。
○中村(俊)政府委員 ただいまの委員長のおつしやることは、まつたくその通りだと存じます。私ども考えますのに、金銭会計と物品会計を、どちらが重し、どちらが軽しというような考えは持つておりませんし、また制度的にもそういう径庭はございません。物品会計につきましては、それぞれ物品会計官吏の配置がございますし、また特別に物品会計だけを金銭会計と区別いたしまして経理するというようなことは、制度的にも、また私ども事務取扱者の心構えからいたしましても、さようなことにはなつておりません。
○三宅(則)委員長代理 委員長からさらに申しまするが、物品会計につきましては、きわめて厳重にやつてもらいたいと思いますが、特に現業官庁、こういうものにつきましては、国民が、ある程度じやない、大いに信頼をいたしまして、郵政事業のような大事業を、大きな人数をかかえまして、山のてつぺんまでも持つて行かなければならぬというような、津々浦々まで徹底いたしておりまする事業でありますから、どうか監督の上におきましても、いろいろ手数もかかることと思いまするが、十分によく監督せられまして、国民の信頼を、やはり官営といたしましては相当なものだと、こういう程度にまで引上げなければならぬ、と、こう思うのであります。特に郵政大臣もしくは郵政事務次官が来ましたときにはよく申しまするが、本省に帰られましても、国会ではこういうことを言われておつたということを厳重にお伝えを願います。
○田中(角)委員 簡単に五二八に対して御質問を申し上げますが、五二八が刑事事件として摘発を受けたのはいつでありましたか、もしくは刑事事件として摘発を受けたのではなく、あなた方が在庫数量を調査いたした結果、検察庁に必要な手続をとられたのか。検察庁に促されて、かかる種のことが発覚したのか、そのいずれかを御答弁願います。
○成松説明員 ただいま御指摘になりました問題につきましては、郵政省の監察官において、そういう聞込みがありましたので、それに基いて捜査を開始したのでございます。
○田中(角)委員 その期日はいつですか。
○成松説明員 二十四年の六月二日でございます。
○田中(角)委員 この事件の責任者である中村国男君というのは、懲戒免職になつておりますが、懲戒免職は八月十九日で、六月の二日から二箇月の間があります。なお二十五年十二月、裁判は確定しておるようでありますが、この菅原、中村、高岡という三人に対しては、どういうふうな御処置をとられたか、二十五年一月失職ということになつておりますが、このとき事件が発覚当時はすでにやめておつたのですか、どうですか。
○成松説明員 お答えいたします。菅原と中村両名は、起訴と同時に休職となつておつたのでありますが、刑の判決が確定いたしましたので、当然失職となつたのであります。
○田中(角)委員 各省にも申し上げておるのですが、これは私の考えが少し自由党式であるかもわかりません。そういう非難はよく受けるのでありますが、私はそういう感覚が自由党式だとは、絶対に思つておらぬのです。それはこういうことです。いわゆる事件が確定しなければわからないような事犯ではなく、官品を横領、売却をしたり、こういうものは、調査が確定すれば、もうすぐわかるわけです。こういうものに対しても、六月に発覚して八月の十九日懲戒免官それから——、今の郵政省ばかりじやなく、各省にも事件があるのですが、三年間もかかる最終確定まで休職でもつて使つております。私も同じ人間であります。そういう意味でもつて苛酷な取扱いを言うのではありませんが、三年間も休職にしておつて、その間は、はかま人夫として報酬をもらつております。こういうものが非常にたくさんあります。一面においては公団の早船のように、つかまつても幾らでもうちができる、莫大もない保釈金は、簡単に積める、こういうことを許しておいたならば、国費の濫費を防ぐことはできない。私はいかに労働組合、職員組合がうるさくとも、こういうものは非常にはつきり、間髪を入れず処分を行うべきだ、こういうふうに考えておるのです。これは結果から見ますと、どうも官庁にも人がない。議会にも人がないと言われそうでありますが、官庁にも人がない。かかる場合に、断固として行わなかつたならば、行わなかつた責任者の無能ぶりが暴露せられるばかりであつて、しかも何箇月間も、完全に懲戒免官でもつて行かなければならないものを、失職するまで待つておるという遊惰なやり方そのものが、こういう事件をいつまでたつても根絶できないのではないか。私はこういう問題は、現実に七十五万枚の切手がなくなつておるのですから、もし彼らが売り払つたものでないにしても、ほかの責任を追究する意味において、懲戒免官にしても、何らかなえの軽重は問われないと思うのです。かかるものさえも、二箇月も三箇月もこのようにしておるということは、ひつきよう正すべきものは正すという勇気に欠けておられるのではないか。これは私は一郵政省だけに申し上げておるのではありません、各省に対してこういう憎まれ口を申し上げておるのですが、こういうところに、申訳ありませんでした、以後気をつけますだけでは済まない。なるほど私たちも改めなければならぬ、今でも二十五年度、二十六年度でこういう譴責処分を受けなければならぬことが、あなた方の方に行つておるわけなんです。そういうものを、きよう言われたから、あしたは、よし、ばりつとやろうという気持になつていただけば、私の発言の意思が徹底するのであります。こういうものをずつと見ておりますと、非常に優柔不断であり、不徹底きわまりない。このままで行つたならば、なかなか責任の所在も明らかにならない。私はこのやつた人自体よりも——内閣は、ある大臣が責任を問われるときには、内閣自体が責任を問われるのです。こういうことから考えますと、郵政省も自分の監督不行届きによつて起つた事案に対しては、やはり自分も責任を負うのだ、そういう意味に対しては、私が行わなければならない処分は、私の責任において断じて行う。なお私に対する処分は追つて沙汰があるまで待ちますから、どうぞやつてくださいというくらいのお気持になつていただければ、相当こういう事案は減るじやないか、こう思うだけに、私の意見を簡単に申しておきます。
○三宅(則)委員長代理 政府当局の御答弁はありませんか。
○田中(角)委員 答弁はいりません。
○三宅(則)委員長代理 委員長から申し上げます。ただいままでの質疑は、たいへんにございますが、いずれも国損を促し、国費の濫費であつて、あるいは感心すべからざる行為が多いと思います。本件のごときは現業事業官庁でありますだけに、本日だけではとうてい審議が不可能であると思いますから、次会には大臣並びに事務次官の両者に御出席願つて——もちろん関係各局長の列席の上に、厳重に審査を進めて参りたいと存じます。これに御異議ありませんか——。別に御異議ないようでございますから、それではさように大臣、次官の御出席を次会に求めます。 次は報告書百四十一ページ財務諸表、報告番号五三〇、財務諸表の表示が的確でないもの及び報告番号五三一、出納官吏の取り扱つた歳入歳出金の経理額及び支出残高が不確実なもの並びに報告書百四十二ページ、不正行為、報告番号五三二ないし五五〇、職員の不正行為により国損となり、または欠損を補填したもの、さらに郵便事業、報告書百四十四ページ、報告番号五五一ないし五五五、郵便専用自動車請負料が当を得ないもの、以上二十六件を一括いたしまして郵政当局より説明を求めます。
○中村(俊)政府委員 特に五三一号について、補足説明をさせていただきます。 本件につきましては、会計検査院の御指摘の中に、この不法を生じた原因の推定がここにございます。この件につきましては、私どもは郵便局が現金を二兆円以上も取扱つておる立場から、この原因の究明について非常に努力をいたしました結果、原因がそれぞれ判明いたしまして、今日までにその経理を終つておりますことを御報告申し上げておきます。
○三宅(則)委員長代理 以上二十六件の郵政省所管の批難事項に関し、会計検査院当局に格別の御意見はありませんか。ありましたならばとりまとめて御説明を求めます。
○山名会計検査院説明員 財務諸表の表示が的確でないもの——これは郵政省で別に詳細な計算表を作成して、保管金自体の経理の内容を一々明らかにするということは、非常に手間がかかるという御説明でございまして、私の方も、毎月保管金の出入りというものを一々表示するということは、非常に困難であるということは了承いたしますが、一つの事業会計の決算でございますから、年度末における貸借関係は、はつきりしないだろうか。それから郵政省の郵便局の窓口で、保険金及び年金を払つておりますが、それが予算超過をして払つておる。予算超過いたしましても、窓口に入つて参ります掛金やら郵便貯金やら、あるいは税金やらといつたような繰りかえ払い現金がございますので、これから払つて行けるので、とにかく金の支払いに困らない。しかし年度末に行つてみると、保険事業及び年金事業に、郵政事業の方が貸しがあることになるわけでございまして、その貸しが、二十五年度も二十六年度も相当の貸しがあつても予算措置がとられないままになつておる。そうして保管金の方に落ちた勘定になつて、そのままに行かれておるのです。そこに郵政省が非常に注意を払つていただいて、保険事業及び年金事業の予算的な措置をおやりになつてはどうだろうというような、一つは敵は本能寺にありといつたような一つの見方もありまして、この問題は表示の問題でございまして、バランス・シート表の作成は五月末でございますから、それまでの間に何とか経理をつけるならば、そういつたようなものの表示はできるのではないか。これはほんのテクニツクの問題でございまして、ここの間に不正があるとか、不当があるという問題ではないのであります。テクニックとしてそういつたようなものができるのではないだろうか、そうして予算経理といいますか、予算超過支払いの分の片をつけた方がいいではないかという一つの点になるわけであります。五三一号の方は、かような問題で漸次整理がついて参りまして、二十五年度中には非常に努力の跡が私の方でも見えるのであります。 不正事件は、格別申し上げることはございませんし、田中委員からただいまおしかりを受けまして、私の方も非常に気をつけて見ております。 郵便専用自動車請負料金の問題は、前の契約担当者が契約をしたそのあとに人が来ました場合に、やはり現在行われておる契約の内容がいいだろうか悪いだろうかということを、もう一ぺんせんさくして見ることが、一つの事業を預かる人の心構えではないだろうか。普通の役務上のことでやれば、前任者がやつたことについて、それを踏襲してやれば、そう過失はないといつたようなことを、行政庁ではやはり考えがちなのですが、事業会計になれば、前任者が結んだ契約であつても、後任者はその契約がはたして現状に適合するかどうかということを気をつけて、むだ金を使わぬ、生き金を使つて行くということに、私どもはねらいを置いて検査をしたいというので、こういう問題を出したわけであります。
○三宅(則)委員長代理 これより質疑を許します。——それでは委員長から最初に二三質疑をいたします。 五三二並びに五三三から、ずつと不正をいたしたもの、たとえば五三二にいたしますと、札幌におきましては三百万円もとられておる、また五三三では、広島郵便局におきまして四百万円、また東京簡易保険支局におきましてもやはり二百万円というような不正なる横領等があつたわけでありますが、こういうことを、何百万円もとられるまでうつかりしておるような郵政組織になつておるのでしようか、その辺は一体どういう実情によつてこんなことになるか、承りたいと思います。
○成松説明員 郵政省の内部組織におきましては、非常に多額の現金を取扱います関係上、もし管理者がよく注意すれば当然発覚し得るもの、あるいはまた多額の金銭をいろいろ内部牽制組織と申しますか、照合組織にもなつておりますので、そこで注意すれば、かなり早く発見されるのではないかと思われるにかかわらず、こういうふうな結果になる場合が間々あるのでありまして、まことに私どもとしては遺憾に存じておる次第であります。
○三宅(則)委員長代理 今の御説明では困るのです。委員長満足いたしておりません。 これはもう一つ申し上げておきますが、もちろん官庁会計でありまして、非常に忙しいと存じますが、国家の金でありますから、国民は郵政事業、郵便局は一番信頼を置けるというふうに思つておるにかかわりませず、こうしたような数百万円の事件がひんぴんとして起ることは、まことに不謹慎きわまるものと考えられます。もう少し内部牽制という制度を確立したいと思いますが、これに対して中村局長から承りたい。
○中村(俊)政府委員 内部牽制につきましては、犯罪及び重大なる事故ということに対する内部の牽制は、ほかの省にありません。いわゆる監察局というものが本省にございます。地方にはそれぞれ地方郵政監察局を置きまして、専心その仕事に従事しておるわけであります。それからまた、それ以外の金銭上あるいは物品上の内部牽制組織といたしましては、会計監査のために監査課というものが中央及び地方にそれぞれございます。そのほかに各局には自治監査の方法をきめまして、お互いに牽制をいたしておる次第でございます。 なお五三三号の、四百万円という非常に大きい金額の事故金がございますが、これは広島郵便局に強盗が入りまして、盗取されました事件がございます。そういつたようなものも、この中には入つておる次第でございます。
○三宅(則)委員長代理 いつも委員長から申し上げますが、郵政省の御答弁は満足いたしておりません。他の委員も、おそらく御満足でないと思う。私のお聞き申し上げたいと思います事柄は、もう少し早くこの事情を聴取するように、月々監督あるいはその会計監査、もしくは監査でなくても責任者である郵便局長とか、その次の次長とかいうような、いわゆる最高の地位にある者が責任を持ち——係長以下ずつと下の者が現金を取扱つて、知らないでおるというようなことは、普通の事業会計にはありません。たびたび言うことでありますが、一般の企業会計、商工業会計にありましては、取扱いはさせましても、責任のある判を押しましたり、責任のある小切手を切る者は、社長、専務、いわゆる最高責任者であります。しかるに郵便局にあつては郵便局長、その次の次席というような人がやつておりませんで、若い青年の事務員や女の子等が取扱つておつたり、あるいはチンピラ青年等がやつております関係上、こうしたことが間々行われると思う。官庁会計において、はなはだしきものがあると考えておりますが、政府は現状においてどういうふうに監督しておりますか。判を押すだけで、あまり事実の監査をしておらないのじやないか、こういうことに対して中村局長から御答弁を願います。
○中村(俊)政府委員 御承知のように、これは郵政省だけの問題ではないと存じます。それぞれ会計官吏は法によつて定められておりますために、それぞれ指定された者がこの衝に当つておるのであります。若い事務員が現金を取扱つておると申しましても、これもやはり法の命ずるところによりまして、出納員としての辞令を交付し、責任をはつきりいたしまして取扱つておるのでございます。ことに私どものような現業官庁におきましては、たとえば保険にいたしましても、保険の集金に参る。これは一々各戸にまわるわけでありますので、集金人といつたような人がやはり金銭を取扱う以上は、かつてに取扱わせるわけには参りませんので、出納員を正式に命じまして取扱わせておるというようなことで、責任ははつきりいたしておるのであります。なお現業で申しますならば、郵便局長というものが、日常現金の出し入れに対して注意をし、また実際の計算もみずからやつて参るというような事柄につきましては、本省から十分通達をいたしておる次第であります。
○三宅(則)委員長代理 たびたび同じようなことを言いますが、局長の御答弁、満足ではありません。私といたしましては、どうしても国損を少くし、国費を濫費させたくないという、一面国を思い、民を思う念から発言いたしておるのでありまして、個人的に何ら意見はありません。今後の官庁会計全般に関しまして御忠告申し上げるのでありますが、その責任所在というものを最高の地位の者、その省なら省、局なら局というような建前を選ばなければならぬ、今後の経理状況を監査し、もしくは立法方面から考えましても、これは十分に注意しなければならぬことでありますから、どうぞそのつもりで今後も御答弁願います。 さらに皆様方の御質疑を許します。田中委員。
○田中(角)委員 質問というよりも、私は郵政省に相当つらく当りましたので、最後的にひとつ私の意見だけ述べておきます。 郵政省は、明治時代から古い官庁としては、非常に地味な官庁であります。今はでな国鉄や何かと比べると、非常に大きな世帯を持ちながら、しかも大きな現業を持ちながらも、山村のはてまで繰広げられておるところの末端の郵政省の方々は、非常に苦労をしておられます。しかも比較的に求めて与えられない待遇にあるということも、われわれは十分承知いたしておりますが、事件や違法性を指摘せられるものを言うと、山奥の苦労をしておる人たちではなく、比較的中央に事件が片寄つております。これは各省ともそうでありますが、同じ機構の中でこういう違法者を出すという場合も、これは郵政省自体の問題としても、いろいろな問題が起るだろうと私は思いますので、いわゆる郵政省の大きな屋台骨を肯負いながら苦労をしておるような正直者が馬鹿を見るというような気分を内部から起させないためにも——あなた方はこれから新しく公社になるでありましようから、とにかく郵政事業が飛躍的に発展しなければならないときにあたつて、特別なる御配慮を願いたいということと、私は国の行政面における会計経理の監査は、憲法の規定によるところの会計検査院一本がよいのだ、別な面でもつていろいろなことをすることは、行政機構の紛淆を来す、こういうことはやめた方がよいのだということを考えておりましたが、郵政省でも国鉄でもそうでありますが、監査課を設けてやつておられるようであります。私はただいま監察局長のいろいろな話を聞いて、やはり自粛をする意味から、やられた方がよいのじやないかということを考えております。であるから、監査課を設けられておる以上は、非常に御苦労な話ではありますが、自粛自戒をせられて、なるべく金銭出納面に対して、違法性を指摘せられるようなことのないように御努力願いたい。われわれは国鉄とか郵政省における監査を行つておられる方方の事績いかんによつて、新しい方面から検討して行かなければならぬ。今までは会計検査院一本であつた。われわれはそういうこと自体が官庁の権限紛淆でよくない、こう思つておつたのでありますが、きようはあなたのお話を承つて、とにかく非常に複雑なしかも厖大なる組織をお持ちになつておるのですから、適切なる処置をとるために、もちろん監査課の存在も必要であると思つておるのであります。特に私は、いつも人から、郵政大臣は伴食大臣であるというようなことを聞くのであります。私は友人であるから言うのではありませんが、佐藤君が郵政省に行つたときには、伴食どころではなく、自由党の花形が行つたのであるから、郵政省も今度は飛躍的に発展しなければならぬということを申し上げ、また期待もしておるのでありまして、特に郵便局は国民とは密接なる関係にあり、零細なる方々の貯金を預かつておられるだけに、銀行よりももつと確かだという観念が失われた場合には非常に危険である。こういう意味から、郵政省に対しては、特に将来金銭出納において違法性が根絶せられるように希望しておきます。
○三宅(則)委員長代理 ちよつと委員長より申し上げます。田中委員の御発言も、私まつたく同感であります。特に関連いたしまして、五五二について簡単に質問いたします。先ほど名古屋の事件があつたようですが、また名古屋と挙母間において昭和二十四年に自動車を請負わした数字は、積算して百十二万余円もあるのでありますが、実は一分から七分超過いたしますと、これを一時間に切り上げて超過料を払つた。こういう関係は官庁会計だから一分や二分の時間を一時間に繰上げるというふうに加算することになる。これははなはだ不穏当と思いますが、こういう措置をやつておるのですか。
○安部説明員 私どもの方の算出は、一般自動車の公定運賃のきめ方と同じやり方でやつておりまして、これは、確かに御説のように、一分はみ出しましても一時間ということになつているのでありますが、民間もみなこれでやつおりますし、われわれとしてもやむを得ないのであります。その場合に、できるならばそういう不経済なやり方をしないように指導いたしておるのでありますが、ただ郵便物運送の時間といいますものは、やはり列車の到達便の関係あるいは配達の出発時間その他の関係で、なかなか思うように参らないのであります。しかしながら、ここに指摘されたものにつきましては、できるものは全部整理をいたしまして、項目としましては数項目ございますが、そのうち三件は時間をもう少し繰上げまして、より経済的にこれを活用する、その他のものにつきましてはこれを繰下げまして、端数によつて一時間の算出になることをやめまして合理化をはかつたのであります。さよう御承知を願います。
○三宅(則)委員長代理 五五五、名古屋及び一宮間でも、そんなようなことがあつたとなつておりますが、これも関連しておりますか。
○安部説明員 これは荷量、つまり運送します量目の相違が、契約のものと事実のものが、つまり契約の当時に契約の基礎になりました算定の荷量が、その後減少したのにかかわらず、そのままになつておつた、こういう事例でございます。この分につきましては、御指示の通り、ただちに改訂を行いまして減額を実施いたしたわけであります。なお今後もかようなことのないように、常時現実の荷量と契約の基礎になりました算出の荷量との一致につきまして、十分指導いたしたいと思います。
○三宅(則)委員長代理 会計検査院側から、五五二、名古屋挙母間、五五五、名古屋一宮間、この二件に関しまして説明を求めます。
○山名会計検査院説明員 五五二の点は、ここに三時五十三分から仕事をするとありますのを、四時からすれば、一時間分深夜割増を払わぬで済むではないかという案件でありまして、このように仕事をする時間を、もうちよつとあとにすれば、もう夜が明けるといいますか、日出の時間になるではないか、深夜でなくなるではないかという時間が何分々々とある、こういう問題でありまして、駅に行つて何分ですからということで、逆にはじいて、駅の汽車の出発する時間、そこで作業する時間が十五分、この間の距離の時間は自動車にして何分、その間の準備として何分、そうすると始動するのは何分でなければならぬ、それで三時五十分になるのですから、そこを上に立つ人が能率を上げるようにしてやれば深夜割増料を払わぬでも済む。会社の社長になれば、こんなところにも目をつけるだろうと思います。そこで私どもといたしましては、企業会計としては、こういうところに目をつけることが大事ではないかという問題でございます。 五五五は、先ほど申しましたように、郵便で米を送つたり、もちを送つたりした当時の荷量が、そのままの状態で踏襲されておつた。人がかわつたということも、もちろんありましようが、かわつた場合には、はたしてこの荷量が現在妥当するかどうかということを、もう一ぺん点検して、むだ金を使わないように配慮しなければならないではないかということで、調べてみますと、一日に四・四一トンが一・九一トンとか、あるいは三・三六七トンが一・〇三トンになつているというふうな状況で、これは米や、もちを郵便で送つた当時のものが、そのまま採用されていた。そこがぼんやりしておつたといいますか、手ぬかりがあつた点を指摘したわけであります。郵政事業には、かようなむだ金を使わないようにということで、私どもこまかい調査をやつておりますが、それがここに出ているわけであります。
○三宅(則)委員長代理 今会計検査院山名第三局長が申しました通り、郵政事業には、国庫から三十数億円を補助しているのですから、なるべくその補助を少くするように、企業会計の独立採算はむずかしいかもしれませんが、そういうふうな気持でやつてもらいたいと思います。なお郵政事業につきましては、事件が頻発しておりまして、本日は全部完了するわけに参りませんので、郵政大臣並びに郵政次官に対する質疑は次会に留保いたしたいと存じます。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三宅(則)委員長代理 御異議なしと認めまして、さよう決します。 —————————————
○三宅(則)委員長代理 次に労働省所管に移ります。 報告書一六五ページ、労働省、労働者災害補償保険特別会計、未収金、報告番号五八〇ないし五八七、労働者災害補償保険保険料の徴収、不足をきたしたもの、及び一六七ページ、失業保険特別会計、未収金、報告番号五八八ないし五九九、失業保険保険料の徴収不足をきたしたもの、右二十件に関しまして、便宜一括労働省当局の説明を聴取いたします。労働省大臣官房会計課長飼手真吾君。
○飼手政府委員 ただいま御指摘のありました労災保険及び失業保険の保険料の徴収の不足を来しております点につきましては、検査院の御指摘の通りの数字が出ておるのでございます。こういう徴収不足が出ましたにつきましては、両特別会計保険とも、発足日なお浅く、関係職員のふなれもありましたし、経済界の非常な変動に伴いまして、保険料の算定の基礎になります賃金その他の算出の対象が、絶えず動いておりましたこと、それから係員の不足、ふなれ等も手伝いまして、特に両保険とも事業主の自主性を極度に尊重する民主的な体制になつておりまして、事務を簡素化いたします趣旨から、申告納入制を取上げておりますので、その間経済界の変動に伴いまして対象の把握が非常に不行届きであつた点は遺憾に存じておるのであります。ただわれわれといたしましては、両特別会計とも、それぞれ監査官制度を設け、あるいは職員の教養訓練、特別な徴収事務の教養など、万般の努力をいたしておるのでございますが、検査院の御指摘の通り、こういう事案が出ておりますことは、まことに申訳ないことと思つております。この事案後に、それぞれ職員の相当数の整備もいたしましたし、今後とも教養、監察、各方面の対策も充実いたして、かかる事案のないように、遺憾なきを期しておる次第でございます。
○三宅(則)委員長代理 政府当局の説明は終りました。次は会計検査院側から、検査第二局長大沢君。
○大沢会計検査院説明員 ただいまの議題になつております点は、記述してあります通りに、賃金に対しまして一定の比率で徴収すべきところの労災保険保険料及び失業保険の保険料は、その賃金額を申告のときに過小に申告しているために、それに基いて徴収して徴収不足になつている。こういう点を会計検査の結果発見いたしまして、それぞれ徴収決定の是正措置をとつていただいた件であります。 なお一六五ページの、労働者災害補償保険特別会計の案件の前に、少しく概況的に書いてありますことを申し上げますれば、この会計におきましては、表面上の収入超過は二億九千五百余万円ということになつておりますが、実質には約二十五億の欠損になつている。これは結局いわゆる保険料を算定されたころの労災事故よりも——労災事故といいますか、労災事故に対する補償金が、その後の物価変働その他によつて非常に多くなつたために、収支が償わない状況になつて、このままにしておいたんでは、この保険特別会計の運営上非常に支障を来すであろう。これに対しまして、ある程度の料率の引上げなり、あるいはやむを得なければ、別途に財源を講ずるなりする必要があるのではなかろうかと考えるということを述べた次第であります。 なおその欠損の一因といたしましては、先ほど申しましたような賃金の把握が不十分なために、とるべき保険料の収入が少くなつているということも一因であろうかと思いまして、その点も検査した結果、先ほど申しましたような点が出て来た次第であります。
○三宅(則)委員長代理 以上に関しまして質疑を許します。——ありませんか。——それでは委員長より質疑をいたします。 労働者災害補償保険特別会計の決算は、二十三年度におきましては八億一千五百余万円の損失、二十四年度におきましては十七億三千五百余万円の損失、合せて二十五億余万円に上ります損失を計上しておりますが、これは主として保険料と支払い補償費との不均衡に原因するものでありまして、政府は二十四年八月及び二十五年四月の二回にわたつて料率の調整を行つておりまするが、説明書には、さらに実情に即した料率の改訂を行うべく目下検討中ということでありますので、その後いかようになつておりますか、二十五年度におきましての損失の状況をお示し願いたい。なお労働者災害補償保険料及び失業保険料の徴収不足がその後いかように改善せられておりますか。右二件につきまして、当局の御説明を求めます。
○亀井政府委員 労災補償保険におきまする赤字の問題は、先ほども会計検査院から御報告がございましたように、当初この制度を創設いたしました時におきまする保険料率の問題が、一番赤字の原因になつておると思うのであります。と申しますのは、終戦直後でございまして、災害の発生に対しまする統計が、何ら完備されていなかつた関係上、昭和十二、三年ごろの古い統計を基礎としまして、災害の発生率を算定いたしたのでございます。従いまして、その間における補償費とのアンバランスが生じて参つたことが、一番大きな原因だと考えられますし、また第二には、医療費の高騰で、当初一人当り予定しておりました療養費の額を越えて、給付がなされるという結果を生じて参りましたことも、またこの赤字の大きな原因をなしておると思うのでございます。そこで、われわれとしましては、数度の保険料率の改訂を行つて参つたのでございますが、特に本年四月からは、いわゆるメリツト制度という新しい制度を採用いたしまして、この保険料の負担の公平をはかりまするとともに、さらに保険料率そのものにつきましても、現在並びに将来におきまする給付に要する経費を勘案いたしまして、率の引上げを行つた次第であります。従いまして、今後におきましては、この特別会計の経済というものは、逐次改善をされて参るものと考えておるのでございまして、従来の赤字を、大体四年計画程度におきまして逐次埋めて参りまして、最後におきましては、いわゆる支払い備金までも今後の経済の上に計上し得るような措置を講じたいという考えであるわけであります。現在の状況を申し上げますと、十月十五日現在の収支のバランスの状況を見ますと、十億円の支払い元受けの残が残つております。その十億の中から国庫余裕金としまして、前年度末に借入れをいたしました金額の残の三億がございます。かりにそれを引くといたしましても、一応七億の支払いの元受けの残がございます。また一方給付の方はどうかと申しますと、十月十五日現在におきましては約七億の支払い未済があるわけでございます。従つて、収支は十月十五日現在におきまして、とんとんという形になるわけでございます。しかし、労災保険は、御承知のように三回において保険料の徴収決定をいたし、徴収をいたしまして、その三回目の徴収決定が十一月において行われまして、爾後の保険給付の財源をそこから埋めて参るというふうなことからいたしまして、十月十五日末におきまして一応収支のバランスがとれておりますことは、四月一日から施行いたしましたメリツト制度、あるいは料率の引上げというものが、効果を生じて来ておるものと思料いたしますし、また今後の経済の見通しにつきましても、われわれとしましては、先ほど申し上げましたように、一応明るい見通しを持つておる次第であります。
○三宅(則)委員長代理 委員長から、さらに質問いたします。これはちよつと飛び離れた事件ですが、今日の日本の再建上におきまして、労働基準法との関係を多少考慮する必要があると思います。本日の政令諮問委員会あたりで聞かれたと思うのでありますが、どういうのか、この際参考に意見を承わりたいと思います。
○亀井政府委員 労働基準法の改正につきましては、五月三日いわゆるリツジウエイ声明が行われまして、占領治下において制定されました政令その他につきましての改廃を、日本政府みずからの手にゆだねられましたことをきつかけといたしまして、基準法の改正について各方面の意見が提出されて参つたのでございます。労働省といたしましては、基準法そのものが、単に国内的な問題として影響がありますのみならず、国際的なつながりを持つておることからいたしまして、これらの意見について慎重な検討を加えて参つたのでございます。さらにまた、政令諮問委員会からも、この問題に関します答申がなされたのでございまして、この問題の取扱いといたしましては、労働省として慎重を期し、目下のところ労働基準法で定められております中央労働基準審議会におきまして、この改正問題を審議いただいておるような次第でございます。労働省としましては、その審議の結果を待ちまして、慎重にこの問題の処理を行いたいというふうに考えております。
○三宅(則)委員長代理 もう一点申し上げておきます。今日の電力不足、あるいは産業の開発上必要欠くべからざる資材下足等の場合におきまして、重工業なら、今日の八時間原則でけつこうでしようが、軽工業、家内工業に属するような事業におきましては、あながちこれを八時間原則ということはないと思います。むしろ九時間でも十時間でもやつてこそ、日本の再建に役立つと思うのですから、労働省におきましても、諸外国の例もありましようが、少くとも軽工業におきましては、もう少し緩和して、実情に即するようにしたいと思いますが、これは決算委員会とつながると思いますから、この機会にもし抱負がありましたら、お示しを願いたい。
○亀井政府委員 この問題も、先ほどの法規そのものの実態の改正にかかわる問題でございまして、われわれとしましても、中央労働基準審議会の答申を待ちまして慎重に考慮いたしたい、かように思つております。ただ労働時間の問題は、特に国際的に非常にむずかしいつながりもございます関係上、慎重な処理をいたしたい、かように思います。
○田中(角)委員 簡単に五八八ないし五九九に関連して伺いたいのですが、失業保険料の徴収ということは、ある面においては、無理というより、むずかしい場合が起きて来る。これは経済界の変動が非常にはげしいのでありまして、大きな企業は全然操業不能になつて、失業保険料の徴収ができないという場合の処置をどうなさるか。これは政治的な問題としても、大きな問題だと思うのでありますが、給料を非常に遅延しながらも払つておる。しかも一年間分ぐらいの給料を払うので、たいへんであつて、保険料や源泉課税の金額は払えない。これは事業者自体が、帳簿上は、支払つた形態をとつておりながら、実際は払つておらない。こういう場合、失業保険の対象になる人がたくさん出て来るわけでありますが、事実は徴収は不可能であつて、しかも法人としての資格を喪失する、いわゆる破産宣告を受けるとか、もう一歩資産以上の負債を持つておつて解散決議をするというような場合は、どういうふうになりますか。
○亀井政府委員 私の直接の所管ではございませんが、御答弁申し上げます。失業保険は、保険料の徴収と給付とは切り離して考えておるのでございまして、事業の不振その他によりまして保険料が徴収できない場合におきましては、それは保険料の滞納額として残つて参りまして、給付の面としまして、本人が六箇月以上被保険者でございまして失業した場合には、給付は給付として支給する建前になつております。その点労災と違うのでありまして、保険料を納めないから給付をしないという原則ではないわけでございます。
○田中(角)委員 私たちは失業保険という問題に対して、大きな関心を持つておりますが、その場合には額が非常に大きな額で、しかも保険料の徴収と給付を別に考えた場合、相当な手を打たないと、こういう焦げつきともなつている失業保険料の徴収は非常にむずかしい。しかも破産宣告を受けるということになつたり、特に解散をいたしたというような場合は、一般の税金でも損金へ計上するというのでありますが、私の考えでは非常に悪意にこれを運用すると、六箇月間だけ新しい会社をつくつて、六箇月納めて、それで六箇月遊んでおる。ただ私は若い青年を考えるのでありますが、六箇月間給付をもらつておりながら、受けておる間は何も転職をしようとしない。ほとんど仕事をやつておりません。これは失業保険法のこういう高度の恩典的な法律の持つ欠陥だと思うのであります。私はこの制度の上から来る青少年、いわゆる働ける者がこれを運用しているということ、しかも一年、二年、三年と現在のような経済状態が続くとしたならば、業種はかわつても、次々と別の面から失業者に対する給付をしなければならぬ。それで徴収は不可能である。しかも悪意の人が非常に乗じやすいという場合、将来労働省はいかなる見解をお持ちになつておるか。
○亀井政府委員 ただいまの御懸念は、失業保険制度をつくります際にも、大きな問題になつたのであります。失業保険が惰民を養成する制度になりはしないかという懸念は、労働省としましても当初から心配をいたしまして、これに対してはいろいろの措置を講じて参つておるのであります。働く意思があつて職業につけないというものを、われわれは失業と考えておるわけであります。従いまして、本人に働く意思があるかどうか。もし意思がないとしますれば、われわれは失業とみなさないのでございます。そこでその意思の判断といたしましては、毎週一回保険金を支給するわけでございまして、まず安定所に参るということが一つの要件でございます。それから第二段には、安定所では御承知のように、適材適所で配置するために、適性検査その他の方法によりまして、本人に能力に応ずる適職をあつせんするわけであります。従いまして、そのあつせんを拒んだ場合におきましては、われわれとしては本人に働く意思がないと認めまして、給付金を打切ります。そういう措置、それからさらに問題にいたしますのは、働きながら、失業者を装つて保険金をもらう、こういう不正な者につきましては、常に目を光らしておるのでございまして、多くの場合は投書によつて発見をしますし、あるいはときたま抜打ち的に往復はがきによりまして本人の自宅を調査をする、その返事を見まして、疑わしきものは再調査をする、あるいは元雇われておりました事業所に対しまして同じような調査をする等、いろいろな角度からいたしまして、そういう働く意思のない、失業者を装つておる受給資格者に対しましての措置は、十分講じておる次第でございます。今後もこの方針につきましては厳重に行いまして、失業保険が惰民養成の制度にならないように、われわれとしましては努力をいたすつもりでございます。
○田中(角)委員 わかりました。私もこの失業保険の問題を、少し研究したいと思つておつたのですが、実際現在のままでは惰民養成になりやすい、またなりつつあると私は考えております。私は極端な論かもわかりませんが、二、三箇月前から考えておるのは、郷里に帰れる者が帰らない。それから郷里では長男であつて、ちようど失職して帰つてくれればなおいいのだけれども、もらつているうちだけは遊んでいようというので、遊んでいるために、ろくな仕事をやつておりません。思想的にも非常に悪化しております。しかもそういうものは特に若い者に多い。私の例から申し上げますと、二十四、五くらいの人が、当然もらえるのだというような感覚を持つておりますが、私の考えでは、少くとも働き得ない者という年齢的なものを、あなた方の条項の中に考えてくれなければいけないのじやないか。それから要扶養家族の数とか、それから一つの生活形態を持つておる中で、その人でなければどうにもならないというようなものも、深刻に考えなければならぬのじやないか。しかも今の場合は、ほんとうにはかま人夫というのであつて、ネクタイをしめて、毎日カラーをとりかえておる連中が失業保険をもらつておつて、毎日将棋や碁をさしておる。だから、私たちもこの制度そのものの欠陥を痛感しておるのであります。私たちが申し上げるまでもなく、特別御研究であろうと思いますが、特に私は、徴収不能になつた企業から保険料に対しては国損になる、こういう見通しである場合には、特別な配慮を願いたいと思います。
○亀井政府委員 御趣旨の点は、今後法律の改正の研究の経過におきまして、十分検討いたしたいと考えております。
○三宅(則)委員長代理 それでは報告書百六十八ページ、六〇〇ないし六一三、職員の不正行為に因り国に損害を与えたもの十四件を議題といたします。これに対します説明を求めます。労働省会計課長飼手君。
○飼手政府委員 ただいま議題に上せられました職員の不正行為により国に損害を与えましたものは、茨城県の労働基準局の六〇四号の事件一つを除きまして、他はいずれも労災保険並びに失業保障両特別会計に関連するものでありまして、一般会計のものも含めまして、私どもとしては、非常に遺憾に存ずるのでありますが、特に保険会計につきましては、保険金の性質上、零細な大衆を対象にした保険金の性格の上から見まして、かかる不正事項の生じましたことは、非常に遺憾に思います。何分にも取扱います件数が、両会計とも非常に多く、現金の動く機会が非常に多いため、全国津々浦々にまで支払い場所が散在いたしております関係、また支払いを受ける者が経済的にも非常に弱者であつて、許すべからざる威圧を簡単に受けるというふうないろいろな条件がございまして、かような重要問題が起きておりますことは、非常に遺憾に存じます。私どもといたしましては、かようなことのないように、先ほども御説明いたしましたが、監察官制度を初め、その他諸般の制度の運用とまちまして対策を講じているのでございますが、今後ともかかる事態の生じないように、諸般の措置をいたしたいと存じております。
○三宅(則)委員長代理 以上をもちまして当局からの説明を終りましたが、会計検査院側から補足的説明を願います。大沢会計検査院第二局長。
○大沢会計検査院説明員 ただいま不正行為がたくさん上つているのでありますが、この表の中に収入官吏とか、資金前渡官吏とかの肩書のありますのが、責任のある出納官吏自身の不正行為でありまして、これは責任者自身がやつているのでありますが、そのほかの肩書のないのは、全部出納官吏の補助者が行つた不正行為であります。こうした結果を見ますと、出納官吏の補助者に対する監督が、十分に行つていない結果が、こういうことを来すのではなかろうかと考えます。そしてその原因をいろいろと考えてみますと、一番多い職業安定所を例にとりますと、安定所長が出納官吏になつております。ところが、安定所長というのは、御承知の通りいろいろな職業あつせんとか、その他会議打合せ等で、安定所におつて、実際に金庫の番をする時間はほとんど少い。ことに司令部関係から、あまりじつとしている所長は無能だとさえ言われるような関係で、方々飛びまわる。そうした安定所長に責任のある出納官吏の地位を与えておくと、勢い補助者まかせになる。補助者の方は、自分は責任ある出納官吏でないから、またこれも気持の上に若干の余裕といいますか、心にゆだんが出る。そして遂にそこに不正行為を惹起する、こういうことが非常に大きな原因ではなかろうかと考えます。 このいろいろな態様を見ますと、中には受給者の資格表まで巧妙に偽造してしまつたり、あるいは各人の支給台帳を非常に巧妙に偽造しておりまして、これは出納官吏がちよつと目を通したり、あるいはそろばんを入れてもわからぬということもありますが、中には簡単にぱちぱちとそろばんを入れてみれば、当然そこに差額が出て来るのがわかつているのに、すぐ判を押してしまうから、その差額を補助者が領得してしまつたという例もあります。こうしたことに関しましては、会計検査院といたしましても、出納官吏に対する弁償責任の追究ということに関して、最近非常に注意を払いまして、今までは、所長は忙しいのだから、ある程度補助者に仕事をまかせておくのもやむを得ないのではなかろうかというような気持の方が強かつたのでありますが、最近になりましては、もしも出納官吏が責任を持つておるならば、まかせ切りであつたらこれは当然責任を追究すべきだというように考えまして、いわゆる弁償責任の追究を強くすることによつて補助者に対する監督を厳重にしていただく。なおその場合に、制度上監督できないならば、ほんとうに責任を持ち得る庶務課長とか、その他の人に出納官吏の任務を持つてもらう、どちらかにする必要があるのではなかろうか、こういうように考えている次第であります。
○三宅(則)委員長代理 以上をもちまして会計検査院側からの補足的説明を終りました。質疑を許します。——それでは委員長から最初に申し上げますが、こうしたような零細な金を集めたものに対しまして、中途半端な官吏が横領する、こういうことは、非常に不見識きわまるものであります、大沢局長の言われましたごとく、安定所長もしくはその次席、あるいは庶務課長という上の方の一、二番目ぐらいの人が責任を持つてやる、こういう方法にいたしまするならばよろしいと思いますが、ややもしますると、会計はずつと下の係長、その下の年も割に若く、経験も足りない、世間的地位もない人がやつている。こういう人は、譴責せられましても、あるいは懲戒せられましても、何ら苦にならない。こういうことではいかぬと思いますから、もつと高度の責任ある者を責任者にする、こういう制度でよろしいと思いますが、労働省当局はどういうふうに考えておられるか承りたい。
○飼手政府委員 ただいま御指摘の通り、実際に事務の責任のとれる者が、制度上にもその責任者であるべきだという御意見につきましては、私も賛成申し上げる次第であります。事いやしくも零細な金を大衆から預かります以上、そしてまた大衆に払い出さねばならぬ性質の金でありますだけに、それぞれの現場におきまして、実際に最高の責任を負える者が、それについて経理を担当すべきだと考えるのでございますが、何分二十四年度のころは、企業整備、行政整理その他で、日本の経済が非常に動いており、失業者が非常な勢いで激増しておりました。全国の各安定所には失業者が殺到しておる。失業保険を支払うこと自体に、もうてんてこ舞いをしておる上に、日雇い労働者の求職の非常なはげしい運動があるというふうな時代でありましたので、つい所長その他責任者が、大事な会計事務についておろそかになつた事実がございまして、非常に遺憾に思うのであります。世の中がだんだん安定して、安定所が正常に業務を行い得ましたならば、必ずや所長みずからがこの仕事を担当し、最後まで責任を負うべき性質かと存ずるのでありまして、保険行政上所長みずからが責任を負うべき正常な態勢を、世の中のしずまりますと同時に、取運ぶようにいたしたいと思います。
○三宅(則)委員長代理 委員長から重ねてお尋ね申し上げます。さきの問題につきましても、郵政省に対して同じようなことを申したのでありますが、労働省に対しても、企業会計原則等を勘案して申し上げるわけです。私経済——会社、組合、法人等におきましては、会計が第一であります。ことに決算報告、これは各会社、各企業の基準点でございまして、決算がうまくできないような、欠損するような会社は、私経済においては評判がよろしくない、認められない。にもかかわりませず、公経済の方になりますと、往々にして大欠損、使い込み、不正等々がありましても、割合に簡単な警告、戒告あるいは譴責等々によりまして免除せられておるという事柄は、はなはだ均衡を欠くと存じますので、今飼手官房会計課長が言われましたように、ぜひ各官庁とも、その省、その局、その部署の最高責任者もしくは次席あたりが責任を持つという制度にやりたい。個人あるいは会社等によりましては、社長、専務、常務等の最高の指導者が責任を持ち、管理をいたしておるわけですから、官庁会計の方もそういうようにいたしたいと思います。 ただ一つここでお伺いいたしたいのは、埼玉県労働部職業安定課ですか、三百万円何がし、兵庫県でやはり三百六十九万円、九州の直方の方において二百四十万円というふうに、零細な料金等をごまかしておるのでありますが、これらもそういうふうに何百万円を使い込まれるまで監督ができなかつたであろうかどうか、そういうふうに見のがしてよろしかつたかどうかということを、労働省当局から一言承りたいと存じます。
○飼手政府委員 委員長御指摘の通り、何百万円というふうな巨額な金が、大勢の人から寄託された中から、職員によつてごまかされておることは、非常に遺憾なことであります。たといいかなる事情がありましようとも、忙しいとか、人手が足りないとか、暴力による圧迫があつたとか、いかなる事情がありましようとも、許しがたい罪悪でございます。私はこれについては当局者として一言も弁解の言葉もございません。今後かようなことのないようにあらゆる方途を講じて行きたいと思います。
○三宅(則)委員長代理 今飼手課長も申しましたが、もちろんこれは零細な労働者もしくは会社等の皆様から出しました金でありますから、今申したことは、ぜひ間違いのないようにしてもらいたいと思いますから、労働本省から各安定所を初めといたしまして、現業官庁に対しまして、そうしたことのないように、厳重に警告、戒告してもらいたい、かように思うわけです。これにつきましてもう一度ひとつ政府当局から確固たる気持を発表されたい。
○飼手政府委員 重ねて申し上げます。保険金の性質上、保険の全体の連帯の精神から申しましても、まさに御指摘の通り、ある意味では税金以上に大事にいたさなければならぬ金だと存ずるのでございます。今までも、われわれ及ばずながら努力をいたしたつもりでございますが、今後重ねて監察制度その他諸般の制度を整備するのみならず、関係者を厳重監督いたしまして、かようなことがないように、大臣以下一心同体となつて監督に当りたいと思います。
○多武良委員 一つだけお伺いいたします。ここには不正行為の期間が書いてありますが、これは会計検査院で発見されたことと思います。労働省自体ではこういう会計検査はやつておられないのでありますか。
○飼手政府委員 二十三年度当時から、この保険制度を実施いたしましたが、その当初から監察制度については、十分なる監督監査が必要であるということで、監察制度を二十三年度から強化をいたしまして、二十四年度においても、労災保険失業保険両方とも、専門の監察官を選任いたしまして、これに対する監査を厳重にやつておるのであります。特に二十四年度におきましては、取扱い件数の非常な増加に伴いまして、手不足が非常にこういう問題を起す理由になりますので、両特別会計とも相当員数の増員をいたしまして、これの手不足を補うというようなこと、それから経費等につきましても、及ばずながら協力をいたしまして、教養、訓練、講習等の手段を講じまして、二十四年度も及ばずながら十分努力いたした次第であります。
○多武良委員 これに載つておるのは、会計検査院だけのもので、省自体で、これに載つていないもので発見されたものが相当ありますか。
○亀井政府委員 労災の関係においては、ただいま会計課長から御説明がございましたように、監察官制度をもちまして地方の監査をいたしておるのであります。その際に未然にこれを発見し、未然に防止した事件もございますし、また軽微なものにつきましては、大きくならないうちにそれを発見し、本人に弁済させまして、国に損害を与えないというような事件も二、三ございます。
○多武良委員 今の二、三というお話ですが、たくさんあつたのですか、二、三ある程度ですか。
○亀井政府委員 具体的に発見いたしまして、弁済その他で処理いたしましたのが二、三ございます。たくさんはございません。
○三宅(則)委員長代理 ちよつと伺いますが、行政整理は一般の官庁もやりまするし、また失業者もあるわけだと思いますから、これらに対する政府の対策——省自身の行政整理でなくて、全般の対策について、どういう考えを持つておるか承りたいと思います。
○亀井政府委員 行政整理の跡始末をいかにするか、その離職者に対する対策いかんという御質問でございますが、これにつきましては、まず第一には、やめました当初におきまするやめられた方々の生活の定安ということを、われわれとしまして考えなければならぬということからいたしまして、今回の行政整理におきましては、従来の退職金四割ないし八割増しの退職金を支給することによりまして、当座の生活安定をはかるという措置を講じております。それから第二点は、できるだけ本人に就職の機会を与えるということからいたしまして、従来国家公務員の身分を失いますと、その監督下にありまする民間の会社工場に対する一定期間の就職制限があつたわけであります。今回につきましては、その就職制限も広汎に廃止をいたしまして、できるだけ本人の発意に基きまする就職の機会を与えてやる。第三点といたしましては、安定所の窓口におきまする職業紹介でございまして、これにつきましては、できるだけ求人の開拓をいたしまして、広く適職を見出し得る機会を与えるということからいたしまして、安定所の職員につきましては、行政整理も行わない建前で、全員をあげて求人の開拓をし、さらに行政整理を行いまする主管庁の方におきましては、それぞれ主管庁みずからにおいて就職の心配をするとともに、もよりの安定所と連絡をいたしまして、集団的にそれらの求職あるいは職業の紹介を安定所に依頼するというふうな措置を講じます。第四点は、技術の転換と申しまするか、日本の独立後における自立経済を達成する意味におきまして、必要な技術をできる限り今度の離職者に与えまして職場の転換をはかる。あわせてそれが日本の経済の交流に寄与ができるようにという趣旨からいたしまして、職業補導施設の強化拡充をはかりまして、それに約一万人ほどの人を収容し得る予算的措置を、本国会の補正予算に計上いたしておるような次第であります。こういうあらゆる手段を講じまして、できるだけ行政整理によつて職を去られます方々に対しまするあたたかい手を差延べたい、かように思う次第であります。
○三宅(則)委員長代理 ただいま労働基準局長が申しましたように、行政整理等は、今後もあるわけでありまするから、あたたかい手を延べると同時に、また惰民をつくらぬように十分注意していただきまして、日本国民皆働、みんなが働く、こういう精神を高揚するように労働基準局は御指導を願いたい、かように強く委員長からも申し上げておきます。 ほかに御質問ございませんか。——御質疑がないようでありますから、本日はこの程度にしておきます。次会は来る十四日、水曜日午後一時より郵政及び電気通信両省所管事項の審議を郵政大臣及び郵政次官の出席を求めていたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十七分散会