経済安定委員会 第7号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/11/13
会議録
○圖司委員長 これより会議を開きます。 本日は貿易計画に関する件を議題といたします。まず政府当局より説明を聴取いたします。板垣政府委員。
○板垣政府委員 私より昭和二十六年度の貿易計画につきまして御説明申し上げます。 ただ念のために申し上げておきますことは、貿易計画と申しましても、実はこういう貿易の統制をやつておりませんので、一応の見通しという意味でお聞きとりを願いたいと思うのでありまするが、これも年度以来数次にわたつて改訂をして参りました。情勢の変化によりまして改訂をして参つたわけでございまするが、お手元に差上げてあります数字は、現在のところ最も確実な要素を基礎といたしまして、見通しておる数字でございます。 お手元に配付しました資料の中に、二十四、五年度の輸出入の実績が掲げてございますので、先にこれについて簡単に御説明申し上げますると、第一表は昭和二十四、五年度の輸出の実績でございまして、これを商品の別に現わしております。ごらんになりますとわかりますように、昭和二十四年度の実績が総額におきまして五億三千四百万ドルでありましたが、二十五年度は一躍九億六千三百万ドルと非常に増加を示しております。これは御承知のように朝鮮事変の影響でございます。特にこの中でも第二番目の繊維類が一億八千万から四億六千五百万と非常な増加を示しておりますが、特需品などの影響によるものと考えられるのであります。 それから第二表は、その輸出実績を地域別にわけた表でございまして、ドル地域と、ポンド地域と、オープン・アカウント地域にわけてございますが、どの地域も相当の増加を示していることがこの数字によつてわかるのであります。 第三表は輸入の方でございまして、二十四年度の輸入実績の総額が九億五百万ドルでございます。二十五年度が十二億になりまして、これも相当の増加をしております。 それから第四表が、二十四、二十五年度の地域別の表でございまして、総額におきましてはドル地域が六億四千四百万、二十五年度は七億にふえております。ポンド地域は非常にふえておりまして、一億五千五百万ドルが倍の三億一千万ドルにふえております。オープン・アカウント地域も倍以上にふえておるわけでございます。 実績につきましてはこの程度にとどめまして、次に二十六年度の貿易計画輸出入の見通しを申し上げるのでございますが、最初に輸出でございます。第五表の一枚めくりました最後に合計が出ておりますが、結局輸出の合計が十三億四千四百万ドルという見通しをしております。これはいろいろ数次の改訂によりまして、一時百四十のベースのときは、これよりずつと上まわる推定をしたこともございますが、その後いろいろ情勢が変化をいたしましたので、現在のところこの十三億四千四百万ドルという見通しを持つております。これは大体百三十六——下半期の電力状況などを見通しまして、それから過去の輸出実績、最近の輸出契約の状況、こういうものから判定いたしまして、大体この程度なら達成し得るのではないかと私どもが考えておる数字でございます。かりにこの数字を達成いたすとしますると、昭和二十五年度の実績に対しまして四六%の増加ということになるのであります。これを内容について見ますると、やはり何といいましても、大宗は繊維製品でございまして、これが六億八百万ドルという大きな数字を占めております。その次が八番目の金属製品、ことに鋼材がおもでありまするが、これは二億八千万という数字を占めております。その次が機械類の一億二千八百万であります。こういうものがおもなる数字になつております。これをさらに細部の品目のおもなものについて申し上げますと、綿糸が二千万ポンドの計画になつております。それから綿布が十二億ヤードというふうな予定であります。これは従来一番最高のときは十四億ヤード、その次は十三億ヤードというふうな見積りをしたこともございましたが、最近の情勢では十三億ヤード程度もむずかしいということで、大体十二億ヤード程度ならば何とかできるのではないかというふうに推定をしておるのであります。現に四月から九月の輸出実績を見ましても、大体この半分五億五千四百万ヤードがすでに四月から九月に出ております。従いまして残りの半年で予定の十二億ヤードは大体達成し得るのではないかというふうに考えられます。ことに四、五、六、七月ごろまでは大分輸出実績が落ちましたけれども、八月ごろから輸出契約状況も大分好転して参りました。従いましてこの程度は達成できるのではないかというふうに考えております。次は生糸でございますが、生糸は八万俵を予定しております。これは当初、年度初めにおきましては十万俵程度の輸出計画を持つておつたのでありますが、その後の輸出実績から見まして、十万俵はとうてい達成できないという見通しがはつきりいたしましたので、八万俵を計画しておるのであります。上半期の輸出実績を見ますると、三万四千六品俵という実績が出ております。従いまして少し半分よりは落ちておるのでありますけれども、生糸とか絹織物は、秋口から冬にかけましてが輸出時期になつておりますので、大体八万俵は行くのではないか。もつとも業界の方では八万俵はむずかしいという見通しをする人もありますが、今のところは大体私どもとしては、八万俵はどうやら行くのではないかという見通しをしておるわけであります。その他の繊維製品につきましても、ここに書いてありますような目標は立ててあるわけでありますが、今申しましたように、大体において八月ごろからの輸出契約の状況を見ますると、価格の関係その他から、引合いが活発になつて参つておりますので、この程度の目標は達成し得るのではないかというふうに考えておるわけであります。それからめくりまして鋼材その他機械類であります。機械類は最近どうもあまり成績がよくないのでありますが、鋼材などは御承知のように非常に契約状況はよくなりました。八月以降相当活発な引合いが出て参つておりますので、ここにあります九十万トン程度の目標達成は、大体可能ではないかというふうに考えられるのであります。今四月から九月の全体の輸出実績の数字を船積み実績で見て参りますと、六億九千六百万になつております。従いましてこの目標の十三億四千四百万からこれを引きますると、下半期に達成しなくてはならぬ金額は六億四千八百万になるわけでありまして、これを下半期の六箇月で割りますと大体月に一億一千万ちよつとを確保し得れば目標は達成するわけでありまして、これを最近の契約状況あるいは認証統計の状況から見ますると、大体この程度は達成し得るのではないかという見通しを持つておるわけであります。次に第六表の輸入の方でございますが、総額は一番最後に書いてあります十八億八千八百万と推定をしております。御承知のように本年の一月、三月で非常に輸入促進策を講じまして巨額の外貨予算を組みました結果、その品物が四月、五月になりまして続々と入荷をしたわけであります。他面問題を起した面もありますが、物の面におきましては非常に多量に入荷をしました関係上、この輸入の面におきましてはきわめて順調でありまして、上半期の輸入の実績総額を見ますると、すでに金額にいたしまして十二億二千三百万という数字が出ておるのであります。従いまして全体の十八億八千八百万は、まず順調に達成できるのではないかというふうに考えておる次第であります。 はなはだ簡単でございまするが、この資料につきましては一応この程度の御説明にとどめまして、御質問でもございましたらお答えをいたしたいと思います。
○圖司委員長 次に外国為替管理委員会委員奧村政府委員よりの説明を聴取いたします。
○奧村政府委員 ただいま外国為替予算の実行状況の資料をお手元に差上げておきましたが、二箇所ばかり訂正がございます。まずこの表は二十六年十月三十一日現在の資料でありますから、作成いたしましたのは昨日の日付になつておりますが、その点を御承知おき願います。それから第三ページ目のポンドの収支額でございまするが、縦の行の二行目の支払額の五月の分が二千四百五十四万七千となつておりますのを、三千八百五十四万七千と御訂正願います。それからその列の残高一億三千百三万一千となつておりますのを一億一千七百三万一千に、それから支払いの欄の四——六の計に九千七百九十五万二千とあるのを一億一千百九十五万二千と御訂正願います。 まず第一に、この資料の第一ページの通貨別輸入外国為替予算というのをごらん願いたいのでありますが、昨年の一月一日から外貨予算制度が採用されまして、各四半期ごとに外貨予算として計上した金額であります。それが合計額におきまして、昨年度には十三億四千九百万ドルの外貨予算を計上したわけであります。各幣種別並びに期別の金額はこらんの通りであります。 次の第二表の通貨別輸入予算引落し額と申しますのは、第一表の外貨予算に基きまして政府が輸入並びに支払いの許可を出した金額であります。実際予算に計上いたしましても、輸入業者から申請がなかつたり、あるいはその他いろいろな事情で外貨予算のうちで使われなかつた部分が相当あるのでございまして、下から三行目の合計欄が政府で支払い許可を出した金額であります。たとえば年度合計を見ますと、外貨予算としては十三億四千九百万ドルの予算を計上したのでありますが、実際の輸入許可並びに資金の割当等をいたした金額は十億七千七百万ドル、この間すでに二億七千万ドル見当の未使用の予算が残つております。その下の最後の欄に純支払額というのがございますが、輸入許可を出してもまたそれが実際問題として使われなかつた、たとえば輸入契約がキャンセルされて集荷ができなかつたり、その他いろいろな事情で輸入許可を出しても、なおかつ実際に支払いが行われなかつた金額が出て来るのでありまして、その不履行額というのがその金額であります。それで最後の純支払額として計上した金額が実際に支払う金額でありまして、昨年度の合計は八億七千百万ドルという数字になつております。従つて昨年度中に十三億四千九百万ドルの外貨予算を計上いたしましたが、実際それによつて支払われた金額は八億七千百万ドルになつているわけであります。これはすでに支払済みの金額と今後支払うべき金額の見積りとの合計であります。と申しますのは、昨年度の分についてはほとんど実際に支払つておるのでありますが、なお輸入許可で支払いが行われていないものが残つております。たとえば一九五一年の七—九予算で許可いたしました四億一千四百万ドル、つまり一番右の欄の合計額でありますが、これの大部分はまだ輸入契約のまま残つておるのでありまして、そのうちすでに三千三百万ドルは許可は出したが使われないであろうということがはつきりしておるものでありまして、現在のところ三億八千百万ドルは多分支払われるだろうという見積りの金額であります。これにてごらんのように、外貨予算に計上した金額から実際支払う金額は減少しております。たとえば一九五一年一月から三月までの間に輸入許可を非常にたくさん出した。この当時は第三次大戦の危惧などがありまして、世界物価の上昇をおそれて大幅に外貨予算を計上したのでありますが、そのときですら、第一表の一番下の欄の一——三のところにございます九億二千六百万ドルの予算を計上したのでありますが、そのうちいろいろな事情で使われずに実際に支払われた額は、第二表の一番下の欄の右から三つ目の七億一千万ドルというふうに、外貨予算よりはよほど減少した金額が実際の支払額になるだろうと見積られております。それから第三表は、輸入許可を出すにあたつて、ただいま政府の採用しております制度は、この四つの方法がありまして、一つは外貨資金を各需要者に割当てる制度、一つは先着順で、これは技術的に割当てることができないもの、あるいは非常に不特定多数の需要者があつて割当てることができないもので、早く申し込んだ者から割当てて行くという方法であります。第三は、主として主要原材料で特にこれを輸入制限する必要のないもの、従つて自動承認制によりまして、申し込んだものは予算のある限り必ず割当てて行くという制度、それから最後には政府の直接輸入するもの、この四つの種類がありまして、昨年度の一九五〇年中の合計額は、ごらんのように十億七千万ドルのうち六億六千八百万ドル、その大部分のものは外貨資金の割当であります。これはおもな原料、たとえば綿花とか羊毛とか、特に米ドル払いの諸原料並びに主食、こういつたものが割当制度になつておるために、この金額が非常に多いのでありまして、その次に多いのは自動承認制、それから政府輸入で、先着順のものは少くなつております。それからちよつと御注意を申し上げますが、第一表の下の方に貿易外支払予算というのがございます。これは上の表に載つておりますのは貨物の輸入の外貨予算でありまして、そのほかに、貿易外の外貨の支出に対する予算額であります。 第二ページ目の外貨資金受払い及び残高はごらんの通りでありまして、これは総額とドル、ポンド並びにオープン・アカウントの内訳を示しております。御存じのようにオープン・アカウトと申しますのは、インドネシアとか、タイとか、スエーデンその他十四の国家と日本との間で清算協定をしておる分でありまして、お互いに輸出し輸入したもので相殺し得るものは、現金決済をしないという制度でありまして、その相殺できなかつた部分について米ドルで決済するというのが、オープン・アカウントでありまして、これは各国別によつて、アカウントが別になるのでありますが、ここでは便宜上合計額を計上しております。 概括して申し上げますと、昨年上半期においては、最初のことでありますから、慎重な予算を実行しましたために、外貨支払いが少く、従つて手持ち資金は増加したのであります。昨年の六月、韓国動乱を契機といたしまして、輸出及び特需の収入が非常に増加し、その反面、国際物価の先高見込み等のために、昨年後半以来輸入の促進をはかることが望ましかつたために、七月以降自動承認制あるいは長期の予算計画、また国内方面においては日銀ユーザンスを実施しまして、輸入の促進をはかつた結果、外貨は今年の上半期においては減少いたしました。つまり昨年年中においては、ドルにおいて一億九千六百万ドル、ポンドにおいては一千万ドル、オープン・アカントが二千三百万ドル、合計三億二千九百万ドルの受取り超を示したわけであります。それが昨年下半期の輸入促進の結果、今年になりまして支払い超に転じまして、ドル資金におきましては、一月、六月の間に約一億四千万ドルの支払い超過となりまして、六月末においては三億二千二百万ドルに減少したわけであります。またポンドについては一月、三月までの間に、約四百万ポンドの支払い超過をいたしまして、残高は三月初めにおいては千二百万ポンドの最低額を示したわけであります。しかし四月以降また国際情勢が小康にもどり、また外貨予算の規模も少し縮小いたしまして、ドルの節約に努めました結果、七月以降再び受取り超過に転じまして、九月末には、先ほどの資料にあります通り、ドルは四億八千四百万ドル、ほぼ正常化するようになりました。またポンド及びオープン・アカウントにおきましては、その後の輸出の増進によりまして、別表に示しましたような増加を示しております。以上をもつて一応外貨予算とその実施状況の説明を終ります。
○圖司委員長 これにて政府当局の説明は終りました。この際質疑があればこれを許します。勝間田清一君。
○勝間田委員 これは政府の方にお尋ねをして、また時期をあらためて御説明を願いたいと思うのですが、ドル収支の問題について、具体的な対策を得ておれば聞かしていただきたい。まだできなければ、時期をあらためてその問題を御説明願いたいと思うのですが、その御意思があるかどうか。
○板垣政府委員 ドル対策の問題につきましては、私どもは非常に苦心をしおりまして、現在いろいろと知恵をしぼつておるわけでありますが、まだ固まつておりませんので、詳細につきましては、いずれまた御説明申上げたいと存じます。さしあたり現在の段階において御説明申し上げますと、先ほど貿易計画を申し上げましたが、今輸出もあの通り参りまするし、輸入の方も一応全体としては順調と申し上げましたが、これを通貨別にわけてみますと、ポンド地域、オープン・アカウント地域はあまり問題がありませんが、ドル地域に対しまして、現在の私どもの見通しでは、輸出が二億九千万ドル、それに特需の三億ドルを加えましても五億九千万ドルしかない。それに対しまして輸入は九億九千四百万ドルという見積りになります。ただ本年度におきましては、そのほかに貿易外のネツト受取り、それから対日援助分が約一億七千二百万ドルばかりありますので、大体今年度におきましては、ドル収支の面におきましてもつり合うものと考えております。しかしながら来年度以降のことを考えますと、対日援助も全然なくなりまするし、こちらのほしいように輸入するといたしますれば、どうしても多少ドルが不足するという点がございますので、それをどういうふうにして埋めるか。一面にはドル地域への積極的輸出、他面にはドル量の削減、さらには従来ドル地域から買つておりました物を、できるだけポンド地域に転換するという方針を進めておりましたが、今後も積極的に進めなくちやならぬと考えております。多少具体的な点も現在考慮中でございますが、詳細につきましてはもう少し固まつてから御説明を申し上げたいと思います。
○圖司委員長 御質疑はございませんか。——別に御質疑がありませんでしたら、本日はこの程度にとどめまして、次会は公報をもつてお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十七分散会