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12回国会衆議院1951/10/31

経済安定委員会 第3号

発言数
55
登壇者
8
会派数
2
開催日
1951/10/31

会議録

圖司安正自由党

○圖司委員長 これより会議を開きます。  前会に引続き食糧需給計画に関する件を議題といたします。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 この前民生局から主要食糧需給計画の表をいただいたのですが、安本の計画というものは長期計画の一環としてお考えだろうと思いますが、従来立てられたといわれる食糧の需給計画の一部として考えていいのかどうか、中味よりもまず考え方を伺いたいと思います。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 どういう資料を配つたか私存じませんが、おそらくこれは経済自立計画の重要な部門としての食糧需給計画の一端ではないかと思つております。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 そうしますと安本が前に立てられた需給計画、いわゆる自立計画というものは、今日の問題になつておるところの統制撤廃を前提としての計画と考えてよろしゆうございますか。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 この間お配りした資料は今手元に参りましたが、これによりますと、これは今度二十六年産米の供出割当の数量をきめる前提としての、需給推算の一部であるそうです。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 需給計画には国内増産計画も当然大きく取上げておるのですが、これはやはり統制撤廃を前提としてお考えになつておられたかどうか、お伺いたします。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 大体そうです。統制を撤廃する場合におきましても、統制を撤廃しない場合においても、今日の事態におきまして内地における食糧の生産それ自体の数量では、全部まかない得ないことは竹山君御存じの通りであります。従つて必要なる輸入食糧の数量は常にいるわけであります。幸い最近における食糧の需給状況は、二十六年産の麦の生産も、例年に比較して非常に收穫がようございますし、今年の米の生産につきましても、最近のルース台風によつての非常な損害を受けた分を除きましては、概して平年作に近かつたのであります。ルース台風で少し事情がかわりましたが、それまでは非常にいい状況でありました。さらに輸入の状況を見ましても、御承知の通り、国際小麦協定に入つて以後の状況は非常に順調であります。今年は予定の数量を越えて、米に換算して、大体三百二十万トンという輸入食糧の順調な形で進んでいるようであります。その状況をもとにして、あらためて統制の撤廃をなした場合において、どういう食糧の需給計画になるかという建前でこの表ができておるのであります。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 輸入食糧は、統制撤廃によつて現実的には増加するんですけれども、安本の長期計画から見ると、食糧の輸入計画を、どういうふうにお考えになつておるか、ある程度具体的にひとつ……。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 こまかい数字的な問題は事務の方からお答えさせますが、大体今後における需給の見通しの上に立つての輸入の数量は、だんだんと減して行きたいという気持であります。それは国内における生産を増加させて、需給度の向上に努めるということが根本になる。従つてその増産計画に並行して、輸入食糧の数量はできるだけ年ごとに減して行きたいという希望は持つております。しかし最近における人口の急激なる増加、これは主として外地からの引揚げというようなものが急激にあつたために、非常な人口の増加を来たしておりますので、そういう点についての食糧の増産計画と、輸入を年ごとに滅して行くということにつきましては、多少の時間はかかりますが、大体基本方針としては、その面に立つて考えて行きたいと思います。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 輸入の問題について農林大臣に伺いますが、たとえばパキスタンなどから非常に大麦を輸入している。パキスタンでは大麦の大増産計画をやつている。それは主として日本に売るためだということで、また価格も非常に上つて来ているということを聞いておりますが、最近高くても何でも非常に大麦の輸入をしている。ないからやむを得ないのだということかもしれないが、それは一体国家経済の上から、貿易のために、綿製品を売るがために食糧を買うという面も考えて、そういうことが起るのですか、どうですか。

根本龍太郎自由党農林大臣

○根本国務大臣 お答えいたします。私詳細の資料を持つていないから、どの国からどれだけ入れたか存じませんが、現在におきましては大麦を多量に入れるという計画は持つておりません。今外国食糧のおもなるものはやはり小麦でありますが、御指摘のようにパキスタンとの貿易関係は、向うの方が出すものと、こつちから出すものと、若干バーター的な意味もありまして、向うの方が大麦を出したい、それ以外の原料がないというような関係で、若干パキスタンの大麦がふえているかとも存じますが、特に大麦をパキスタンから買いあさるという傾向はないと、かように考えております。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 農林大臣の御説明、一部分は了承しますが、安本長官に再度伺つておきたいのは、そういうバーターの意味において今後東南アジア方面から、食糧を輸入する計画をお持ちであるかどうか。これは一時の足りない麦を入れるという問題と考えられませんので、国内の増産計画との関連において重大な問題でありますから、ひとつ伺いたいと思います。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 お話の点は、私が先ほども申しました根本の点はかわりません。食糧のような多量に外貨を支拂うものについては、できるだけこれを減すために内地の増産ということが考えられます。これはぜひやらなければならぬ。しかし内地で全部を需給するまでこれを増産するということは、ほとんど不可能に近い問題であります。従つて常にある部分は輸入に仰がなければならぬものが残りますが、その場合において今のお説のパキスタンにおける問題は、そこから必ず買うというのではなくて、やはり必要な場合において、最も有利な所から買うということが一つの眼目だろうと思います。そのほかにパキスタン等では、向うで綿糸、綿布というようなものについての需要がありますので、そういう場合にときに、バーターということも起りますが、要は必要なる輸入量について、最も有利な場所から買うということから決定をいたしておるわけであります。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 それでは事務当局にこれを補つていただきたいのですが、安本の方で麦の輸入計画について、小麦と大麦をわけてどれくらいの計画をずつと立てておられるか、伺いたい。

前谷重夫経済安定事務官(民生局長)

○前谷説明員 大体本年度の明年三月までの食糧輸入計画は、御承知のように三百二十万トンでございます。そのうち小麦として大体二百万トン程度を考えております。米として当初の案ですと七十万トン程度、あと五十万トン程度を大麦というように考えておるわけでございますが、御承知のように国外事情からいたしまして、そのときのフレートの関係とか買付の関係で、値段がそれぞれその時期によつて変更いたす場合がありますから、その場合においては通産、農林、安本協議いたしまして、現在の国内市場の関係、外貨の関係から見て最も有利なものに転換する。従いまして為替予算におきましても食糧は一本になつておりまして、そのときの海外市場の関係、フレートの関係等を考えまして、最も有利な買付をやるという方向へ進んでおります。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 ちよつと中断しますが、今委員長から農林大臣を先にしてくれということでありますから、委員長仰せの通り農林大臣に伺いたい。米価を九十何円とかにすえ置くということを農林委員会で言われたそうでありますが、経済安定委員会としては価格の問題は重大でありますから、そのおつしやられた根拠、それから同時にいわゆる百十円説と称するものの正体について、ひとつ伺つておきたい。

根本龍太郎自由党農林大臣

○根本国務大臣 先般の衆議院の農林委員会において質問されたのは、政府が今後需給調整をする場合に、米価をどの目安に置こうとしておるのかということであります。現在われわれの構想としましては、統制撤廃後需給調整並びに価格の調整をする場合においては、実効価格を目安として調整いたしたいということを申したのでありまして、実効価格は地方によつても違いますけれども、大体全国平均しますれば九十四円という状況なのであります。このあたりが価格調整の目安ではなかろうか、かように申したのであります。その点は実効価格を目安とするというだけであつて、それをくぎづけにしてやるということではございません。それからいま一つ、百十円説ということを言われましたが、これは農林省として正式に発表したものではございません。事務当局がいろいろ試算してみる場合、これにはいろいろの前提條件があるのでありますが、現在のC・P・Sとエンゲル系数、さらにやみ価格というものを勘案して、東京においてはこういう数字も出るという試算をしたものらしいのでありまして、農林省としての正式の構想として持つたものではございません。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 そうしますと、九十四円を目安として、実効価格で米価を安定させて行きたいという御希望はよくわかるのですが、それに対する詳しいことはよろしうございますが、重点的にどういう方法でそういうことを持つて行こうとなさるのか、それをお聞かせ願いたい。

根本龍太郎自由党農林大臣

○根本国務大臣 これにつきましては、ただいま安本、農林、大蔵三省の事務当局に検討してもらつておりますが、これには先ほど御指摘のように、当然過渡期の臨時措置としては、やはり輸入食糧を相当ふやさなければならぬだろう。しかもこの輸入食糧のうち、外米並びに小麦については補給金を現状通りつけるほか、輸入食糧について政府が放出する場合に、あるいは現在よりも安く放出することによつて操作がなされなければならぬじやないかということで、これは目下いろいろの資料をもつて検討中でございまして、構想といたしましては、やはり輸入食糧の量と、輸入食糧を放出する価格で価格の調整をする、これが構想でございます。

渕通義自由党

○渕委員 関連して……。ただいまの根本農林大臣の御答弁の米価の問題につきまして一点だけお聞きいたしたいのであります。と申しますのは事務当局の案と称せられる百十円説、この内容は特に私の聞くところによりますと、百十円説の根拠となるものは、日本人が非常に米をとうとぶという食習慣の立場から、米と麦との価値説、この価値の問題から判断して来る米価の算定というものが、百十円見当になるというようなことを聞いているのでございます。このことにつきまして安孫子長官は、かなり詳しくこの価値論の面から来るところの研究をしておられると存じ上げているのでありますが、ひとつ具体的に示していただきたいと思います。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 系数につきましてはまた御説明申し上げる機会があると思います。  それからこの問題につきましては、目下いろいろ検討中でございますので、私どもとしても先ほど大臣から申し上げましたように、結論を得ているわけではございません。いろいろな試算をいたしているわけでございます。と申しますのは、統制を廃止した場合に、一体米価がどうなるかということが最初に提示される問題であります。これは單に一つの勘と申しますか、さようなものだけで割切るわけに行かぬだろう、いろいろな理論的な根拠というものをはつきりつかんで御説明する必要があるだろうということで、いろいろ検討いたしているわけであります。御承知のように穀物価格の変動につきましてはキングの法則でありますとか、あるいは自由経済時代におきまする物価と米価との相関関係等も米価としてはございます。さようなものからいろいろな日本の現状に当てはめまして研究をいたしました結果、この点からはなかなか法則的なものを私ども見出すことができなかつたので、結局現在におきましては、C・P・Sを分析することによつて一つの目安をつけようという努力をいたしたのであります。それは現在のC・P・Sにおいて主食に充当している支出額があります。このほかに、これは米穀統制法時代もあつたのでありますが、たとえば映画を見るとか、コーヒーを飲むとか、そういうようなものも、主食の値段が上る場合には、一部をさいて主食に充当するだろうという費目がございます。これはおよそ一割程度を主食に充当するであろうというような前提を立てまして、それで家計費中におきまする主食充当の金というものを、一応目安をつけまして、このわく内におきまして米価と麦価との相関関係がどういうふうになるか。それが商品の物量面に対してどういう影響があるかということを、いろいろ検討いたしました結果、結局米価が上つて参りますれば、米の消費量が減つて麦の方に食いつくというような傾向が、そこから出て参つているのであります。その限界点が大体どの辺かということをいろいろ試算をいたしました結果、一応東京都におきましてはこれが百十円見当だ、この辺で一つの転換が行われるというようなものを一応推定をいたしたのであります。これについてはもつと研究をする必要があると思います。現在のC・P・Sは全階層につきまして平均的な価格しか出ておりませんので、実際上はこれを階層別にわけまして、そのおのおのについての特質を持つものを出す必要があると思いますが、そこまでのデータの整理ができていないのが実情でございます。いろいろ新聞等に百十円説が出まして議論いたされましたけれども、これは農林省が決定をいたしました一つの数字ではございません。私どもがいろいろ研究をいたしております一試算が出たというふうに御了承願いたいと思います。私どもは確信を持つてこの点を主帳いたすという考えはございません。

渕通義自由党

○渕委員 私をして率直に言わしめますと、主食統制の撤廃後一番大きく響くのは、先ほど竹山さんがおつしやつたように米価問題であります。米価が日本経済の中心をなすということになりますと、勢いベース・アツプの問題も起りましよう。ところが統制撤廃を一応発表しなくても、ああいう段階において閣議決定までされますれば、その間に処して一箇月なら一箇月前から、米価の大体の予想というものは立たなければならない。これが良心的な政治のあり方ではないかと考えておるのです。特に周東安本長官は経済の実態把握をして、まつすぐ誤りなきように率いて行かなければならない。先ほど申し上げたようにこの米価問題は、重大な長期経済計画の中に織り込まれておると考えておる。しかるに統制撤廃それ自体が、まだまだそこまで行かなかつた時代における長期経済計画の一環でありますから、そうしますとどうしてもわれわれが聞きたい問題は、米価をどの程度に押えて行こうと思つておられるのか、これが一番重大な問題だ。それによつて今後たとえば統制撤廃後におけるところの米価が百五十円した場合には、それだけベース・アツプしなければならぬ。そうするとベース・アツプできる各企業体はいいが、貧弱な企業体はそれができない。政府もまたそれをやらなければならぬということになると、相当大きな経済政策に変化が来るのじやないか、こういうことを考えてみますと、さしあたり率直にお願いいたしたいことは、あらゆる角度から科学的に検討して、米価をどの程度に落ちつかせるかという結論は、少くとも一箇月前くらいに出していただかないと、今ごろ閣議決定して、これで米価が幾らになるのだということでは、あまり良心的な政治じやないと思いますが、周東安本長官のそれに対する率直なるお考えを一言伺いたい。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 お話のように一箇月くらい前にわかつておらなければ困るというお話ごもつともです。今政府で考えておるのは来年の四月からでありまして、これからまだ半年先になります。今慎重に今後の物価の動静なり、あらゆる面を考えまして研究をいたしておるわけであります。私どもといたしましても四月以後において成行きにまかせて行くということではいけないのであつて、およそどのくらいのところに価格の目安を置くべきか、置きたいという気持があつて、それと併行して政府の手持ちの食糧の放出の時期がきまる、そういう立場に立ちまして、それは半年前からわかればいいのです。あなたも一箇月くらい前にはひとつ勉強してもらいたい、そういう意味で慎重にやつております。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 農林大臣がいなくなつたのでいないところで言われても困るかもしれぬが、百十円の資料と九十四円の資料を当委員会にお出しを願いたい。それは何も政府の案というのでなしに、ここで討議された参考資料としてのお出しを願いたい。

圖司安正自由党

○圖司委員長 速記をやめて……。     〔速記中止〕

圖司安正自由党

○圖司委員長 速記を始めてください。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 私が伺つておきたいのは、どうせ時間がないので十分でないのですが、金融の問題です。これはいずれ大蔵大臣にも伺いたいと思いますが、この資金の問題は安本でやつておられるのだから、統制撤廃後の金融上の変化がどういうふうになるか、大体のところを伺いたい。

前谷重夫経済安定事務官(民生局長)

○前谷説明員 私から現在事務的に考えられることを申し上げます。御承知のように、主食の金融につきましては、卸段階以下の配給機構については、現在市中金融に乘つています。結局、問題は集荷資金の問題であろうと思います。集荷資金の問題は、現在は糧券の発行によつてまかなつております。しかしながら糧券の発行は、大体におきまして政府の余裕金、見返り資金、そういうものの引受けによつて発行しているわけであります。切りかえ時におきましては、やはりある程度政府の余裕金を農協方面に対して融資することによつてまかなつて行く。同時に、本来といたしましては、市中金融の機能も発揮して、市中金融と政府金融と両々相まつてやつて行く、こういう考え方で作業をしております。しかしながら、現実の集荷の状況等によりまして、その点はどちらにウエートが置かれるかということについては、もう少し研究しなければならない。大体そういう考え方をもつて検討している次第であります。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 それでは今糧券発行の金融は、現実にどのくらいを、どこがどういうふうに引受けているか、長官に伺いたい。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 現存糧券は年度末におきまして、米について申し上げますと、主食については千七百七十億円で、年間の最高の場合は千七百億ぐらいじやなかつたかと思います。大体中金に前渡しをいたしまして、その糧券は見返り資金と預金部……。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 その割合、内訳はどうですか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 内訳は、数字を整理しましてあとで御提出申し上げます。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 大体見返り資金と預金部資金と、どつちが多いのですか。

安孫子藤吉食糧庁長官

○安孫子政府委員 これはそのときの政府全体の余裕金として、糧券を引受けましてから、そのときの状態によつて出違うのぢやないかと思います。たとえば見返り資金の方が多い場合もあるし、預金部の方が多い場合もございますし、あるいは政府の引上げ超で、日銀に政府資金の余裕があります場合には、政府資金でやつて行く。こういう形で、ときどきによつて割合が違つて来ると思います。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 そこで大臣に伺いますが、見返り資金というものは永久にあるものではないし、ますます少くなつて行く。それから預金部資金というものは、そういうふうに大きく米に固定して行く。これは私は政府がやつているから割合短期で済んでいるのだろうと思う。農協にやらせることになれば、平均売りをしますから、値が上るまで持つている。そういう関係からいえばますます長期になりますが、今後どういうお考えで資金計画を考えるか。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 お話のように、見返り資金の方はだんだん減るというか、ふえることはないのです。今のところ見返り資金を持つておるのは四百何十億ぐらいだろう。預金部がだんだん多くなるでしよう。統制撤廃後においてどうなるかということに対しては、おそらく、それはお話の通りかなり固定することはあり得るかもしれませんが、私はまた見方としては、預金部資金を農林中金を通して、あるいは商工中金を通してやるという両面が出て来ると思いますが、昔のような形において非常に固定するものとも私は考えない。ということは、竹山さんも御承知の通り、農家形態というものは非常にかわつておると私は思うのです。それだけに今後の金融はむずかしさもあり、かつ農家の保護のために考えなくちやならぬと思うのですが、昔のように小作米として收納した米を、たとえば山形の本間さんみたいにたくさん持つており、相当長いこと固定する者が多いとは考えられません。農家の形態が自作農になつて、小作も少くなつて、経営形態が小さくなると、そういつまでも売らずに持つておるということは少くなる。それをどうするかということになれば、小さな農家の米を、共同販売の形において、各個人からいえば、共同形態において月別平均売りということをやらして行かねばならぬと思いますが、それだけに実体が小さくなつておりますから、昔のようにいつまでも売らずに持つておるというような力が少くなつておるかと思いますので、そういう点は差引考えられるのではないか、必ずしも長く固定するというようなかつこうに行かないじやないか。これらも将来のことでありますので、今から断定はできませんが、一面においては、過小農に対する関係等から見て、金融は相当つけて、農業倉庫担保の金融も考えなければならぬが、同時に小さくなつておるために、そう長く固定するということもないのではなからうか、かような考えのもとに、生産金融並びに集荷金融について考えて行きたいと思つております。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 今の考え方に基いて、安本が預金部から一千億近い金をどう考えても出さなければならぬのですが、そういう資金繰りの計画を立てられたのかどうか。これは出す希望じやいけない、金の話なんだから、すぐにでも起る問題ですが、そういう計画があるのかどうか、伺いたい。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 これはただいま大蔵省とも話し合つて研究を進めております。おそらく四月から以後の問題でありまして、米穀年度からいえば途中でそれだけに大きな金はすぐには私はいらぬと思う。これは出来秋の直後に問題が起るのと違つて、農家の手持ちはかなり少くなつておる。そういうときでありますから、経過的な場合において、あなたの御指摘のようにすぐに一千億いるとは思わない。しかし、来年の米穀年度の始まる十一月以降における問題としては、中金の自己資金なり、農協の自己資金なり、それに対して政府の預金部資金というものでどのくらいになるかということは、もう少し研究して行きたい。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 非常に安本長官語るに落ちておる。私も何もこの春非常に多額にいるとは思わない。問題は明年以後の問題なんですが、いやしくも米はそのときになつて考えるというようなことではきわめて乱暴な話で、農協の自己資金をもつてまかない得るというような話であるならば、これは初めから大蔵大臣の考えておるいわゆる財政負担、国家資本を逃避して、農民の責任において米の処分をさせようとする考え方が、露骨に現われて来ていることの一端であると私は思う。そこを私は伺うので、統制を撤廃しても、資金については政府が見ておつたと同じように絶対に安心をしろということを、政府は農協の諸君には言つている。それをまだ安本長官が今のような段階のお話では、これは何を根拠に言つておられるか、私は非常に不安心でありますから、もう一度明確に御答弁願いたいと思います。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 お話の点は、私はそう心配しないのです。政府としては必要な部面において、もとより資金運用部資金等について、農中を通して金を出すことは覚悟しております。しかしあなたの言うように、すぐに一千億いるというような考え方には、私はすぐにはうなずけないということを言つているのです。しかも農協の自己資金については、使つてはならぬというようなお話でありますが、私はそこに農業協同組合の強化というものを考えなければならぬと思うのです。しかも融通の問題は、先ほど私が申しましたように、小作料として收納した米を持つておるかつての地主階級の保管とか何とかいうものとは違つておるということを頭におかなければならぬ。その間において過小農になつた個々の農家としては、そうたくさんの持米はない。長くじつと売らないで持つておるものが少いものについての融通というものに対しては、農業証券担保等によつて——それは全額の融通ではありませんので、ある程度までの資金の融通については、ならして、そうたくさんのものが出て来ることはないのではないか、こういうように思うのです。同時に問屋というものが新しく政府にかわつて出て来ます。もとよりその間において政府にかわる問屋というものを通して、あるいは農中からも補給の形をとりたいと思つております。そういう関係から行くものはもちろんでありますが、問屋等における自己資金というものもやはりある。これは一面において農業倉庫というものが活動して、一万円以下も考える。同時にそとからの金というものもあり得ると思います。だから、今の政府がやつておる金の総体というものを、全部農業協同組合なり農家だけに、金融して行かなければならぬことはないだろうと思う。それをあなたは今から考えておかなければならないと言われますが、今から何億いるということは、これは何もすぐきめなくてもいいと私は思う。来年の十一月以降において本格的な問題が起つて来るし、そうなれば日本の全体の経済なり、政府の資金なりあるいは民間の資金なりというものが、もう少しかわつて来ると私は思う。だからそう一概に、一千億いるから、これはとてもできぬだろう、それを政府はすぐに一千億全部出すか、こういう質問は今少し早過ぎると思います。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 私が注文を言つておるのではない。それは農協の諸君に農林大臣は一千億出すと言つているのだ。それで、周東さんは御承知なくてもよろしいですが、農林大臣はおいでならないのですけれども、農林大臣は、農協に一千億は融通してやるから、君らは統制撤廃に賛成しろということを、露骨に言えば言つておるのです。(「農業協同組合の整備資金だよ」と呼ぶ者あり)整備資金じやない。それは米の買上げ資金です。  それから私周東さんに講釈するようで恐縮なんですが、東北の農協などは、笹山君もいるが、出た米を自己資金でまかなえるというような考えを持つておれば、何も今日農村は問題はない。ですから、農協の資金でやれとおつしやるならば、これは農協だつて今日考えておかなければならぬ。そのときになつてお前ら自己資金でやれ、資金がなければ問屋資金でやれ、こういうことであつては、政府與党がお困りになりはしないかということてあつて、この点は一番大事な点であります。そのときに考えるというやり方ではたいへんだから、もう一ぺん伺いたい。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 どうも竹山さんと食い違つている。二つに考えていると思う。私は農林大臣はどういうことを言つたか知りませんけれども、まず第一に米価が下つたような場合には、出来秋にそれに対して必要量を買い上げる。これに対しては政府は資金を出す。これは米穀特別会計において相当な発行限度をきめるわけですが、これについてはよろしいと思います。  それから次には、売らないで時期を待つ。たとえば月別平均売りの範囲における必要な金を得るために、七月出すか八月出すか知りませんが、これについては必要な限度で政府は金を出そう、農中なんかを通じて金を出そう、そのときに金は全部政府資金である必要はないと私は言うのです。これは竹山さんはわかると思う。絶対に農業証券担保に貸す金が政府の金でなくてはならぬことはない。その間において当然できる組合と、できぬ組合とありましよう。しかしそれほど弱い一面もないことはないと思う。それは昔からだつて自己資金で融通し、なおかつ足らぬところを農中に借りる。農林中央金庫とは何かということをあなたに言う必要はないだろうと思うが、全国的に調節をとつて、さらに足らぬところを政府資金が助けて行くということであります。その程度が戰前と戰後と非常に違つておるということは私も認めます。しかしそれをあなたは全部やらなければならぬという考え方で御質問になるからおかしいというのだ。たまたま農林大臣が一千億出すと言つたかどうか私聞きません。最高限度そのくらいのものは考えられると言われたのかもしれぬが、私はもう少しおちついて考えればそこまではいらぬのではないか。しかもそれは短期で行きますから回転すると思う。農業証券における貸付というものは、御承知の通りそう長期なものではないと思う。前より実際に長期にならぬと思う。私の見方が違うかもしれませんが、それは本間さんが売らぬときはいつまでも長く借りておけるけれども、今のはそう長期で担保金融を借りておくことはできぬと思う。だから回転総数が一億になるとは思うが、全額で一億になるとは思わぬ。しかし必要な限度のものは必ず政府で保証するから心配はいらぬ、そう御承知願いたい。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 問題は、農村の資金がそんなにゆとりがあつて遊んでおるくらいなら、今農協は苦しみはしない。今米の操作に政府が一千億の資金を動かしておるということは事実です。これはお認めになるだろうと思う。そうすると、農協にそんなに金があり余つて、よそへ投資するほどの金があることはないから、その資金はどこかからわつて動かさなければならぬ。だからお話のように、農協があるものの一部分は使つてもよろしいでしよう。何も私はそれを言うのではない。米というものの現実の操作に、国家資金というか預金部資金を通じて、政府がそういう大きな金融操作をしておる。それのかわりを民間資本でやらせろ、こうおつしやるならば、それだけの分をどこかから生み出して来なければならぬ。それを農民の自由にまかせろ、こういうことであるならば、結局金詰まりのために農民は非常なひどい目にあう、こういうことです。それでは政府はまるで肩がわりをしてしまつて、肩抜きをしてしまうことになるのですが、それでいいですか。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 そういうこは言つておらぬのです。政府は必要な金は出しますと言つておるのです。大きいのは来年の十一月以降ですが、そのときまでにはもう少しはつきりしたことがきまりましようが、それを今日まで一千億近く出しておるから、同じく政府は一千億を全部出さなくてはならぬということを前提に置いてのお尋ねだから、それはおかしい。しかし必要な限度における問題は、政府はそれに応ずるだけの覚悟はいたしております。これはわかつております。それが千億か、八百億か、六百億かということは、今から断定はいたし得ないのではないか、必要なものは預金部から借りて、生産金融あるいは集荷金融については出そう、こう言つておる。そこらにもう少しゆとりを持つて考えたらいいのであつて、農業協同組合の資金で十分にまかなえるとはだれも言つていません。しかしそれは地方によつてはやり得るものもあるし、短期で回転して行かなければならぬ。それは二回転すれば五百億で済むものであるし、三回転すれば三百億で済むものである。しかしその総額がどのくらいになるか、今ぜひ一千億の責任を持つかということでありますから、それは必要な限度において考えなければならぬと思う。一千億がいいかどうかということは、一年先のことですから、まだ考える余地があるのではないか。しかしそれはあくまでもこういうことをやる以上は、農村にも迷惑をかけないように、しかも消費者にも迷惑をかけないように、生産金融、集荷金融とということについて考えて行く、こういうことで御了解願えるのではないかと思う。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 私が一千億と言つたんじやないのです。だから私はさつきから事務当局に伺つておるのは、幾らそういう資金がいるのか、だからそれを資金運用部資金で幾らやるつもりか、あるいはあなたのおつしやるように自己資本で何ぼやらせるつもりか。安本というところは計画を立てるところなのだから、そういう資金計画というものがつかなければ、統制撤廃の具体的な内容にはならないだろうと思う。おそらくドツヂ氏に行くのかどうか知らぬけれども、司令部と折衝をする場合において、この金融の問題の計画なしには私は話にならないと思う。だから答弁をなさらぬならなさらぬでもよろしいが、事務当局にそういうものがあるのかないのかを私は伺つておるので、私は一千億にこだわつてはちつとも言つたつもりはないのですから、どうか……。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 それは十分に考えて計画は立てて行かなければならなぬ。四月一日以後の問題でありますから、もう少し私はゆとりがあつてさしつかえないと思います。

渕通義自由党

○渕委員 今の竹山さんの問題が起つたそもそもの原因は、私は二日前の新聞を見ますると、マーカツト少将から、なぜ日本の政府は統制撤廃後におけるところの具体的な資料を持つて来ないか、こういうことを言つておられるのですが、もしそれを持つておいでにならぬということになれば、政府は何かしら少し早まつたのではないかというような感なきにしもあらず、おそらく国民全体はそういう感じを受けているのではないか、そういうところに竹山さんの問題も生れて来るんだと思うし、農林大臣の一千億も飛び出した。要は統制撤廃後における具体的な処置いかん。これが答案ではないか、これに対する答案が竹山さんの意見であり、国民の聞かんとするところではないかと私は考えて、国民を代表する意味におきまして、一言交渉の過程をお聞かせ願いたい。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 私は計画の問題については、いずれその機会があると思います。ないのではない。しかし問題は四月以後です。あなたのさつきの御質問に、一箇月前にきめなきやおかしい——何も来月からはずすのではない。四月以後の問題で、そこには事情の変化もあり、講和もあるということで、愼重に計画を立てて行かなければならぬのでありまして、およそものによつては、たとえば輸入食糧はどうのこうのというように、計画のきまつているものもある。しかし金融の問題につきましては、今から一千億出すと言つたところで、本格的には、四月以後については経過的にはそうたくさんいらぬのです。なぜかというと、今年の大きな出来秋には政府はみな買うから、問題は来年の十一月以後の問題である。それを今日から何ぼで買うとか何とかいうことは意味ないことです。事柄というものは、実態的に合うように考えて行けばいい。それを私は言つている。私は具体的に言うて、出来秋における月別平均売りをさせるために、売り急ぎをさせぬだけの金融の問題、まただんだんと問屋が強くなり、自分で信用がつけば資金繰りもつくだろうが、政府がかわつてみずから農村に行き、信用手付を打つて米を買つて、そうして都会地へ持つて来るという場合における集荷金融をどうするか、どのくらいの範囲になるかということについては、もちろん計画を考えて行きますが、それは今お話のように何がどうということを今言うのは少し早過ぎるのではないか。しかし少くともそういうふうな生産金融なら生産金融については、預金部あるいは政府の資金等において考えをいたしておきますが、それを今何ぼか言えと言つたところで、それは私は無理だ、こういうことを申し上げたのであります。竹山君の言われることは、なるほど農林大臣の言われる通りじやないか——それは私はどういう意味かということを知らぬが、しかし大よそ政府が考えておる一千億くらいいろいろな点で使つている、その同じものをすぐ出すと言つたかどうか知らないが、その形はかわつて来ると思うから、私は同じ姿でいいとは思わないのですけれども、それはいい限度におきまして預金部等において相当に考えて行ける。しかしこれは、今後における預金部の預金の増加の傾向なり、いろいろな問題がならんで参りますからかわるかもしれませんが、おのずから需要の範囲においても資金は違つて来る。長い間統制でやつて来ましたから、統制の頭で物事はすべて考えられますが、自由になつた場合おのずからその形が違つて来ると私は考えております。

渕通義自由党

○渕委員 大分安本長官が金融の問題について——私のお願いした問題は、国民が何かしら不安に思つている。二日前のマーカツト少将の言つたことは、統制撤廃後における状態をはつきりつかんで、具体的な問題を示してもらいたい、たとえば諸物価のはね上りが幾らになるだろうかという具体的な問題を言われているのです。これはなるほど国民の言わんとするところをマーカツト少将が言つてくれたのだ。決して統制撤廃に反対するものではない。そういう点がはつきりするならば、喜んで日本政府の言うようにしようじやないかという腹構えがあるのではないか、私はその問題を聞いたのだ。今竹山さんの言うように、一千億とかいろいろな問題があります。なるほど農林大臣はわれわれに対しまして、一千億出しますと言うのでそういうことになつている。現にわれわれのところに陳情書がたくさん来ておりますが、この大多数は農業協同組合長名義と町村長、議長名義で来ている。私はこの実態はわからぬ。なぜなれば、おそらくこれは農民自体の反対陳情ではないということを私は知つておる。それは一部の手先の人が自分で原稿を書いて、それに判を押させたことを知つております。しかし何とはなしに国民が不安を持つていることは、統制撤廃後における具体的な問題——大体米価の問題はこの程度を上下するであろう、この程度肥料の価格は上るだろう、農機具は上るだろうという具体的なものを示してもらえば、それによつてなるほどそうかといつて一応納得するのではないか。そういう問題をお聞きしているのであつて、おそらくマーカツト少将の言つた言葉もそうではないかと考えておるのですが、その点誤解のないようにお願いして、国民の不安を一掃してもらいたいということで質問したのですから、どうぞあしからず。

竹山祐太郎国民民主党

○竹山委員 どうも與党の中からも出るくらいで、周東さんに米の問題を責めるのも無理だと思いますが、これは私はちつとも見解が食い違つてないと思うので、ないならないと率直におつしやればいいし、これからやるというのなら、これから研究をするということも率直におつしやればいい。しかし今お話のように、農協の連中はそういうことをたよりにしてやつておるのだ。その点がぐらついて来るということになれば、これは考え直さなければならぬということにもなつて来るのですから、私は周東さんを責めるのではない。農林大臣がそういうことを言つたということを聞いたから私は伺つたのですが、この点はこれだけで済む問題ではなくて、重大な問題です。あなたも御存じのように、農村金融というものを自前でやつて行けばいいのだということになりやすいから、われわれは心配をする。これだけの大きな問題を農村に押しつけておいて、政府は資金がなければそのときはしようがないということになるおそれが多分にあるからわれわれは心配をするので、いくら早過ぎたつて、これは早過ぎるということはない。政府が決意をした以上は——何か新聞で言う閣議決定の要綱の中には、資金は十分考えるということが書いてある。だからそれは單なる抽象論ではないと私は考えて、安本当局には少くともその具体的構想というものがあるだろう、こういうふうに伺つたのですが、遂に今までの御答弁をもつてするならば、ないというふうに私は了解せざるを得ない。何とかしてやろうという気持はよくわかりますけれども、それではわれわれは満足しません。しかし時間もないし、笹山君から関連質問があるそうですから、私はきようはこの程度にいたしておきます。

笹山茂太郎国民民主党

○笹山委員 私は前の委員の発言をよく聞いておりませんからあるいは重複するかもしれませんが、政府は今度の統制撤廃について、国民経済的に、また生産者あるいは消費者の関係において、どういうふうな効果をねらつてこういう処置を講ぜられるのか、そういつた点について、ひとつ簡單明瞭にお願いしたいと思います。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 お答をする前に、重ねて竹山君に言つておきますが、それははつきりしているのですよ。私は、金額を今きめよう、それはまだできぬと言う。しかし必要なものは、この移りかわり並びに移りかわり以後においても、従来もやつたように農村における弱い農家の救済のために、また出来秋に値が下らぬように、売り急ぎをせぬような必要な資金的措置は必ず講ずる。しかしただ金額を何ぼと言われれば、農林大臣は言つたのかもしれぬが、それは少し違うので、必ずしもそこまでしなくても済むのじやないかということをつけ加えた。しかし必要なものは私も出すと言つた。それからあなたは農業協同組合に自己資金をやれと言つたが、それは私も実際上の指導をしておるからわかつておりますが、場所によつて違うだろうけれども、もう少し強くなり得るのです。ある時代においては農林中央金庫が五大銀行の上にいたことがありますから、それは自己資金でやつたということもあり得るし、大きな肥料金融をやつたことも御存じの通りで、今はうんと弱つていますからその通りとは言わない。今の農業協同組合の救済の問題も考え進んでおりますけれども、そんな弱いことではいけないというのです。その必要な金は政府が出しますということははつきり申し上げてある。それを金額的にきめろとおつしやるからそれは無理だと申し上げていますけれども、あくまでも自己資金だけあつたらよろしい、と言うことは、かつての栄えた時代においてもできなかつたことで、これについて政府はちよつとも反対もしなければやらないとも言つていない。むしろやると言つているのに、あなたの質問の中にやらぬというのはけしからぬと言つておるのがおかしい。  それから笹山さんの御質問でありますが、統制撤廃の問題については、これはいろいろ思想的にお考えが違うかもしらぬけれども、本来私は、統制をし、農家のつくつたものは強制的に出させて政府で買つて、政府が配給するという姿は異例な姿だと思います。これは決して原則的な姿でないということはあなたも御存じだろうと思う。しかもこれは非常に食糧がきゆくつであつて、外からの援助も得られず、日本国内においてのみ産する食糧で全部が行かなければならなかつた戰争時代の遺物だと私は思います。絶対量は足りずしかも外からの輸入は仰がれない、これをいかにして均等に食べさせるかというところにあの制度が生れたのです。その間において、ずいぶん無理な、やむを得ざる統制でありますが、やつた結果は、ずいぶん罪人もつくつたり何かした不自然な形であつた。今日幸いにして講和になりまして、あるいは講和前からでもありますが、世界の孤兒でなくて、外国からの輸入も援助を受けて非常に順調に入つて来ておる、しかもそれは最近三百二十万トンも入つておる。こういう形になりますと、異常なときは別といたしまして、日本国内における需給の関係というものは、バランスを得て来たことは事実だ。少くとも絶対に輸入を得られなかつたときと違つて、必要量の二百七、八十万トンか三百二十万トン前後というものが、ずつと続いて入つておりまして、おかげで十月末日の米穀年度の移りかわりには、持越量を持ち得るような形になつておる現状においては、これはできればはずして、自由な形に持つて行くことの方が自然であると私は思う。いろいろ議論がありますが、問題は移りかわりにおける混乱というものが一体どうなるかということであります。もしもこれが自然に輸入が入る自然の形になつておればそう心配はなかつた。何と申しましても長い間、十年以上統制して配給を受けておつた形をはずしたときに、個々の消費者はどういう形で食糧が得られるかということの不安のあることは事実であります。米屋の形もしつかりと問屋関係がすわつておらない、ここに不安のあることは私は事実だと思うのですれども、理論的にここまで需給の関係がバランスを得た際においては、自然に返るということの方が実際だろうというところから出ておるわけです。政府といたしましてはいろいろ議論がありますし、私どもも非常に心配いたしておりますが、やる以上は、農家に対してはやはり自然のままに放置しておいて、かつてのように出来秋に非常に値下りをして生産費を償わぬような形、いわゆる豊作貧乏というようなことにはならぬようにという立場からいたしまして、かつてもやつておつたように、そういう場合における最低価格保証の意味において、政府で買うという制度をとつて、農家に損失を與えないようにする。それから移りかわりにおいての金融の問題、先ほども竹山君から質問がありまして申し上げましたが、これについては政府は積極的に買う。そして農業倉庫等に保管をする。農業倉庫はかなりいたんでおりまして、はたして農業倉庫が虫食いを防ぎ得るかどうかということについては、相当に農業倉庫の補修修繕に対して財政的な助成もしなければならぬ、というようなことで、農家に対する関係は保護できる。問題は消費者に対する点だと思う。政府といたしましてはこの間においてさらに特別な外国食糧の輸入もつけ加えつつ、必要な場合に、先ほど大臣が言つたように、量並びに価格によつて相当安く放出して調整をするという行き方はどうか。さらに四月以後の問題について、急激に問屋養成ができておらないとすれば、いかにりくつできめても、問屋関係がないために、四月以後ただちに消費都市等に食糧がまわらぬということではいかぬので、政府の持つておる食糧を各都市会地等に配置しつつ、実態的に配給のできるように措置を講じて混乱を防ごうというふうなことも考える。その間におきまする政府の施設の面等、自由にした場合における財政負担は相当に軽くなると私は思う。しかし過渡期においては必ずしもそうならぬ場合がある。というのは、ある程度相当に買つたものも安く売るという問題が起ります。しかしこれは間違つた形で罪人をつくるような、実際とちよつと合わぬような制度というものをはずして明るくし、国民道徳の健全な発展を望むということが一つのねらいでもある。私は大体かように考えております。実際問題としていろいろこれに対して困難を伴うことはあると思う。長年統制になれた形から申しますと、これはどうだろうかという不安が非常に多い。そこにいろいろな論議をかもしておる。これに対して政府あるいは自由党の方が、もつとしつかりした実のあるところを示し、宣伝と申しますか、そういうことの足りないことは私は率直に認めます。認めますが、そういう点は、今後最後決定をいたしますれば、十分努力して行く。目下関係方面と折衝中でありますから、どうかよろしくお願いいたします。

笹山茂太郎国民民主党

○笹山委員 周東先輩の御意見よくわかりますが、私の聞かんとするところは、およそ制度の改善をする場合におきましては、現在の制度にはいろいろの欠点があるでしよう。そういつた欠点のどこを改正するというようなねらいがなくちやならぬじやないかというふうに思います。従つて生産者に対しましては、現在の制度においてはこういう点において欠点がある。今度の自由販売によつてこういう点を改善して行こう、あるいは現在要請されておるところの国民の経済の運行あるいは自立経済の関係からいたしますとどうしても現在のインフレ関係について手を打たなければならぬ、こういつた点もありましよう。あるいは消費者に対しまして、現エンゲル系数がこれ以上とにかく上らないというようなことなども、考えていただかなければならぬでしよう。そういつたいろいろの点を考えると、それではどういう効果をねらつて、今の制度を改正するか、今度の統制撤廃によつて農民にはこういう利益がある、消費者にはこういう利益がある、あるいはまたインフレ防止策に対してはこういう利益があるというようなことを、ひとつ具体的に示していただきたいと思います。

周東英雄自由党経済安定本部総務長官・中央経済調査庁長官・物価庁長官・賠償庁長官

○周東国務大臣 統制撤廃はどういう利益があるかということを、生産者消費者について言えということでございますが、これは笹山さん御存じだと思います。先ほど申しましたように自由になることによつて、農家が自由に自己の生産米を処理し得るという立場は大きな利益だと思います。もとより供出制度があつた場合における買上げ価格というものは、合理的な形できめられなくちやならぬということは十分に考えておるわけでありますが、何と申しましても、政府が一つの制度を設けて配給の責任者となつて米を買い上げ、これを消費者のために売るという間には、その価格決定において多少十分ならざる点もあると私は思います。これが自由に売られるとするならば、自分の満足する方法で、満足する価格で、しかもときどきにおいて販売ができるという利益は、私ははつきりつかまなければいけないと思います。今日出来秋の十月から一月くらいまでの間に、とにかく全部供出していなければ罰則等で責められる。本来農家というものは、あなたも御承知のように、出来秋以後月別平均に売らせることを従来われわれのモツトーとして指導して来た。というのは他の物価の高低に応じて、自己の生産物であるところの米の価格もまた高低するのであります。自然にそこに調和を保つて売り買いをするかけであります。これが今までの強制供出の立場においては、ある時期にくぎづけされて全部とられて行く。これを救うためにバツク・ペイの制度があるのでありますが、そこには常に問題を起しがちであるので、こういうものはむしろ自由に売らせた方が私はよいと思う。のみならず極端に言えば自由になることによつて、農家経済の実態から申しますれば、みずからもつと必要な、もつと有利な作物に転換してつくつて行く方が、個人だけのことを考えるならば、より金銭收入をあげることもできるだろうと私は思います。これがとにかく今のような制度において縛つておりますから、そういう点がやりにくくなつておるのじやないか。これは釈迦に説法ですでにあなたも知つておられることと思います。しかし一面においてはずされた結果における弊害というものは、御承知の通り従来農家が米というものに非常識であつたときは別として、ともすれば農家経済が圧迫される。ことに出来秋等の問題に対しては、先ほど申し上げたような処置を講ずることによつて、農家の負担を軽くすることができるのじやないか、こう私は考えます。消費者に対してどういう利益があるかということでございますが、これも私はあまりこまかいことを申し上げたくないのでありますが、とにかく今日においては確かに国民全部とは申しません。現在の制度が、工場労働者、比較的中小以下の人については、ともあれ一定の量だけは確保できるというところに利益があることは認めますが、しかし今日のC・P・I、エンゲル系数を見ましても、そこに占める食糧というものが、配給によつて受けるものと、ほかで調達するものと二つあるということは明らかであります。しかもそれらのものをともかく買つておくというのですが、そういうものがやみに流れる、これは一たびつかまれば犯罪になる。しかし事実は、C・P・Iという公の統計によつて現われている数は、大体配給のものでやるほかない。従つて今日は実効価格という言葉さえ使われている。配給のものとやみのものとの中間のものがこうだ、それを両方で調整してつくつていますというような説明を受けると、われわれにもわけがわからないのです。しかし今度は公々然と買えることになるわけでありましよう。私は罪をつくらずして、実際消費者が、必要な米を必要なだけ買つて行ける、こういうところは消費者には大きな利益がありましよう。その間に、消費者の側に米が高くなつて十分に買えない階級ができはせぬかということについての御心配は、私はもとよりもつともだと思います。これに対し政府としては、できるだけ価格が上らぬようにという処置は講じたいと思いますし、先ほど農林大臣が言つたように、はずしたらえらく上るだろうというような不安な、気分的な考え方も手伝つていると思います。先のことですから神様でないとわかりませんが、先ほど食糧庁長官の言つていたように、統計下における状態であるとはいえ、米価がこれくらいに上つたときにおいては、主食の転換の分量がどうなるかという、エンゲル系数に現われた他のものを節約して米に行き得る限度が一つある。その限度と米と麦との転換率との偏差と言いますか、そういうものから見た一つの考え方も参考にして見ると、極端に米価は上つておらないようです。しかしこれは自由にした場合と、統制下における材料をもととしての統計というもので、一率にすぐに私は断定できないと思いますけれども、一つの参考にはなると思う、そうえらく値上りはしないとも考える。しかしこれはゆだんならぬ問題でありますから、計画的な措置としては、できるだけ値上りの少い措置を講ずるつもりであります。これについてはすべてが決定した場合において私はお話を申し上げることができると思います。これはどれだけの数量、どういう価格になるかといういうことになるとわからない。従つてそういう処置がつけられれば、消費者は大ぴらにどこでも買えるという形にする方がいいのではないか、もとより国際状勢の問題は、いろいろあなたの御心配もあつて、もう少し今のままにしておいてはどうかという議論は、私は御議論として傾聽するところでありますが、むろん物事は大きな変革を與えるときには常に大きな心配とともに、決してそれは片寄つた立場ではなく、国民の立場からいろいろ御心配になることは私もわかりますが、それらについてはできれば自然の形に返すのがよろしい。そこに消費者並びに生産者を通じて明るい取引が行われ、そこにもつと自由な形においての利益もあると私は考えます。

圖司安正自由党

○圖司委員長 本日はこの程度にとどめまして、次会は来る十一月二日午後一時より開会することといたします。  これにて散会いたします。     午後零時四十九分散会

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