経済安定委員会 第1号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/10/16
会議録
○圖司委員長 これより会議を開きます。 それではまず国政調査承認要求の件を議題といたします。 去る第十回国会におきましては、経済安定に渇する総合的基本施策並びに関係各行政機関の総合調整に関する施策を適正化するために、経済安定行政に関する事項につきまして国政調査を実施いたし、行政当局を監視督励いたしまするとともに、当委員会の意思を行政面に反映せしめ、また同時に議案その他の審査にあたり大いに貢献するところがあつたのでありますが、法律案等の審査のために、その調査を終了するに至らず、そのうち特に国土総合開発に関する件、電源及び公共事業に関する件、自立経済計画に関する件、及び事業者団体法等経済法令に関する件、以上四件につきましては、閉会中審査を行つて参つたのでありますが、これまた諸般の事情のため審査を終了するに至らなかつたのであります。 つきましては、本会期中におきます国政に関する調査は、これら前国会で調査を終了いたさなかつた部分を含めまして、あらためて日本経済の自立計画並びに国土総合開発計画等、経済の総合的基本施策に関する事項について、調査を実施いたす必要があろうと認められますので、これについてお諮りいたします。本会期中も、またただいま申し上げましたようなことで、国政調査を実施することとし、議長にその承認要求をいたしたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○圖司委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決しました。 なお、衆議院規則第九十四条によります手続等につきましては委員長に御一任を願います。 —————————————
○圖司委員長 次に国土総合開発に関する件につきまして、その説明を聴取いたしたいと存じます。今井田説明員。
○今井田説明員 それでは私から国土総合開発計画の最近の進捗状況につきまして簡單に御説明申し上げます。 御承知のように昨年五月国土総合開発法が制定されまして以来、この法律に基きますところの総合開発審議会を数回にわたりまして開きまして、国土総合開発の基準となるべき事項につきましていろいろな点を取上げ、それらの問題につきまして審議御決定を願つたものも相当あるのであります。現在この審議会におきまして、特に取上げております問題は、特定地域の指定という問題であります。法律第十条に基きますところの特定地域を指定いたしまして、この特定地域の総合開発から、まず日本の国土総合開発計画を進めて参ろうというふうな方向で進めて参つておるのであります。昨年来これの準備に当つておりまして、その後政府部内の関係各省の意見もまとまりまして、九月の二十六日に経済安定本部長官、及び建設大臣の名をもちまして、総理大臣に十九地域を特定地域と指定することを要請しているのであります。この要請によりましてただいま総理大臣から審議会の方に諮問に相なりまして、現在十九地域が特定地域として適当なりやいなやということを審議会におきまして審議中でありまして、おそらく今月の末までには、審議会で十九地域に対する審議が完了いたしまして、総理に対する答申があろうかと思うのであります。従いましておそらく月末までには正式に特定地域が決定されることになろうかと思うのであります。現在までに予定されております地域は、先ほど来申し上げておりますように十九地域でありまして、この地域の範囲及び地域につきましては、お手元に差上げてありまする資料によりましてごらん願いたいと思うのであります。 そのほか総合開発に関連いたしましてただいまわれわれのところで作業いたしております問題は、やはりお手元に差上げてございます総合開発を促進するための法律案の問題であります。御承知のように国土総合開発法は、いわば一種の組織法でありまして、実際に国土総合開発を進めて参ります上におきましては、いろいろとこれで不備の点が多いのであります。たとえば計画の作成にいたしましても、あるいは地域の開発を実施促進いたす上におきましても、これだけでは不備な点が多々あるように見受けられるのであります。そこでこれらの不備の点を補いまして、総合開発を最も効果的に促進いたして参りますためには、どうしてもこれをささえる行政的措置なり、あるいは諸般の保護特典を与える根拠となる法律を必要とすることは明らかであります。そこで政府といたしましては先般来総合開発を促進するための法律案を準備しておるのであります。この法律案のねらいといたしますところは、第一は先ほど申し上げましたように、計画の作成の手続を制定しようとすることであります。第二のねらいは、国土計画と公共事業費との吻合をはかるということであります。御承知のように公共事業費の配分につきましては、今日いろいろ批判があるのでありまして、われわれといたしましてはできるだけ正確に、できるだけ諸般の事情に適応するようなふうに、公共事業費の配分認証を行つておるのでありますが、なおかついろいろ批判があることは免れないのであります。そこで理想といたしましては、将来国土総合開発計画を完全につくりまして、その総合開発計画に基いて公共事業費の配分を行うというようなことにいたしますれば、それらに対する批判も多くは解消することになるのではなかろうかというふうな考え方で、いわば総合開発計画というものは、公共事業費の一種のバツク・ボーンになるというふうな考え方をも持ちまして、総合開発計画を至急樹立したいというふうに考えておるのであります。さような場合におきまして、総合開発計画と公共事業費とを吻合させますためには、やはりある種の規定が必要となつて来ることは申すまでもないことでありますので、これを実施いたしますために、この法律におきまして両者の吻合をはかる点を規定したというのが第二のねらいであります。 第三のねらいは、特定地域の開発を促進いたしますために、諸般の保護助成措置を講ずる規定を盛つたというのが、この法律のねらいになつております。むろん特定地域の開発は、国土総合開発のすべてではないことは申すまでもないことでありまして、あくまでも総合開発の部分にすぎないのであります。しかしいろいろな事情によりまして、日本におきましては、特定地域の開発から総合開発を進めて参るというふうな順序になつておりますので、まず手がかりといたしまして、この特定地域の総合開発を強力に推進することによりまして、全体的な国土の総合開発を促進して参るというふうなことにいたすのも、これまた一つの行き方であろうと思いまして、そういう方向で現在総合開発を進めておるのでありますが、この場合現在の開発法のみによりましては、いろいろな総合開発の目的を達し得ないようなうらみもありますので、これらの足らざる点を規定いたしますために、特定地域の開発に役立つような点を数多く規定しておるのであります。 こういうふうな三つのねらいを持ちましたものが、われわれの現在考えておりますところの、総合開発を促進するための法律案であるのであります。ところが法律案につきましては、何分関係各省に関するところが非常に多いのでございまして、まだ完全なる意見の一致を見ておりません。従つておそらく今国会への提出はむずかしくなるのではなかろうかと考えております。特定地域の指定も目睫に迫つておりますし、できますならば今国会外の上程をいたしたいと考えておるのでありますが、先ほど申し上げましたように、いろいろ関係するところが多く、しかもまだ完全な意見の一致を見ておりませんので、場合によりますれば、今国会への上程はむずかしくなるのではなかろうかというふうにも考えておるのであります。いずれにいたしましても、特定地域の総合開発計画のその後の仕事の進め方といたしまして、先ほど申し上げましたように、特定地域の指定と、これに伴いまして国土の総合開発を促進するための法律を、政府として考えつつある、こういうことが最近におきますところの総合開発の大きな問題であるのであります。簡単でありますけれども、その後の経過をちよつと御説明した次第であります。
○圖司委員長 以上の説明に対し質疑があればこれを許します。志田義信君。
○志田委員 今今井田次長から御説明をいただきましたが、その後の経過報告としては必ずしも十分な御報告ではなかつたように思うのです。それでまずその経過について私からも御質問いたしたい、かように思うのであります。一体十九地域を要請して、特定地域が今月末にはもう決定するという話でありますが、十九地域を要請した、その十九をここでまずお伺いしたい、かように思います。
○今井田説明員 お手元に「特定地域指定要請書及び総理大臣の諮問(写)」という書面を差上げてあります。その最後にこういう地図がございますが、これをごらん願いたいと思います。まず北の方から申し上げますと、阿仁田沢地域、最上地域、北上地域、只見地域、利根地域、飛越地域、能登地域、天龍東三河地域、木曽地域、吉野熊野、大山出雲、芸北、錦川、那賀川、四国、西南、北九州、阿蘇、南九州、対馬、以上の十九地域であります。
○志田委員 ほかに今後特定地域として指定を加えるような箇所をお考えになつておるかどうか。これをひとつ伺いたい。そういうお調べをしておるかどうか、あるいはその経過がどういうふうになつておるか、それをお伺いいたします。
○今井田説明員 現在考えておりますのは、これらの特定地域のほかに、若干の調査地域という地域を定めたいということであります。調査地域と申しますのは、開発法では予定されておらない地域でありますけれども、一応の地域の資源の潜在力なり、あるいはその他の国土から見まして、特定地域たり得る資格があるように見受けられるけれども、なおかつ調査が不十分であつて、今の段階におきましては特定地域として指定することが妥当でないというふうに認められますものを、調査地域といたしまして、今後調査を続けて参りたい、そういう地域を若干追加したいというふうに考えております。
○志田委員 よくわかりました。そこでお尋ねしますが、今月末審議に予定されておるものが、審議会から総理に答申になりまして、十月末には決定するという話でありますが、これが決定になりましたあかつきには、どういうふうに考えたらよろしゆうございますか、それをお伺いいたします。
○今井田説明員 今回の指定はただ単に地域の指定にとどまるのでありまして、地域の中にいかようなる開発計画が盛り込まれるかは今後の問題になるわけであります。今回の指定の基準は先ほども申し上げましたように、地域の潜在力と申しますか、レイテンシイを重視いたしまして、その地域を開発したならば、相当の経済効果が上るであろうという地域を指定したわけであります。そこでこの地域に持つております資源を、どういう形で総合開発するかということが今後の問題になるのでありまして、そのことは今回の開発法でも予定しておるのであります。従つて地域の指定がありますと、ただちにその地域におきますところの総合開発計画を、まず府県の方で立てられまして、それを中央で御提出に相なる。中央で審議会を中心として審議いたしまして、それが妥当であるということになりますと、その地域におきますところの総合開発計画というものが本ぎまりになるわけであります。きまつた後の計画をどういうふうに取上げるかということになるのでありますが、特定地域の性質上、これらの地域の開発には、相当多額の国家投資が必要になろうかと思います。現在ごくラフに考えられておりますところの、これら十九地域で予定しております政府投資は、大体三千億くらいが考えられておるのであります。むろん先ほど申し上げましたように、三千億という数字は、計画が固まつておらない前の数字でありますので、一種の予想であるのでありますが、大体公共事業費として三千億程度の金が必要であるというふうな一応の見通しになつております。ところが三千億の金を今日の国家財政の状況から見ますと、ただちに投資するということは、これはなかなか困難なことになろうかと思います。三千億と申しましても、これは一年度ではないのでありまして、大体十年間くらいの間に三千億ということになつておるのでありますが、かりにこれを十分いたしまして、年間三百億ということにいたしましても、二十一年度あたりの財政状況から見ますならば、これを出すということはなかなかむずかしいことになろうかと思うのであります。そこで今後この厖大なる財政投資を必要とする特定地域の開発をどうするかということにつきましては、これは一にかかつて政府の方針であり、またこの進行の順序なりあるいは投資の方法なりについて、国会で御審議願わなければならぬことになるか思うのでありますが、われわれの方としましては、十九地域一齊に、厖大なる国家投資をするということが不可能であるといたしますならば、まず十九地域のうちで最も国家的な意味において開発を至急行わなければならない所、あるいは経済効果の非常に高い地域を考えまして、それらの地域から順次開発を行つて行く、国家の財政状況に見合いまして、順次開発を行つて行くというのも一つの方法ではなかろうかというふうに考えておるわけであります。なおむろん国家財政投資によらずして開発を行い得る地域が、この中には相当あるわけでありますので、それらの地域につきましては、国家の財政投資によらざる開発を逐次行つて行くことは、むろんのことであります。大体そういうふうに考えております。
○志田委員 そこでその十九地域に財政投資を十年間で三千億円考えられるのだ、年間三百億円である、しかも経済効果の高い事業からやつて行くということになると、これは電力発電あたりが一番経済効果としては目に見えた仕事であるということになるのであります。そうすると経済効果という点から、そういう電力開発をやるということになれば、この前日本に参りました ○CIの勧告によりましても、昭和三十一年の末までには千三十万キロの電力を確保する、それに二千七百億円の金を必要とする、こういうことでありました。これが約三千億円近い金であります。電力を十年間に起そうとするこの海外実地調査顧問団の勧告ですらも、もうすでに三千億が十年間に消費されるということが、日本の財政投資としてもかなり大きな面として考えられるとすれば、その他の特定地域の開発の仕事は何もできないということになる。その点をどういうふうに考えておられるか。今あなたが年間三百億円の財政資金の投資をやると言われました。またやるにしても、なかなかこれは容易でないということも今おつしやつておられましたが、そのうち経済効果の点のみについてやるとすれば、電源開発はどうしてもやらなければならぬことになる。電源開発に全部吸いとられてしまうと、ほかの開発はできない。あるいは農業であるとか工業であるとかいうものの開発ができないということになりまするが、それはどういうふうにおやりになるお考えであつて、その間にあるいは段階をつけて、電源開発は十やる、農業は八やる、あるいは鉱工業、埋蔵資源、マイニングの方は四やる、三やる、五やるというような、そういうようなお調べをしているか。それをひとつ伺いたい。
○今井田説明員 国家投資の現在のところの方式は、一応公共事業費の配分ということになつております。そこで現在公共事情費は、御承知のように二十六年度といたしまして九百七十億ばかりが予算として認められているのでありますが、その中で大体災害が、これまた御承知のように四百億程度でありまして、残りの五百七十億が大体生産事業に充てられているわけであります。この五百七十億の中で、十九地域に配分されております額の合計は、今ちよつと失念しましたが、それだけでもすでに相当あろうかと思うのであります。後ほど調べてお答えいたしますが、従つてこれらの地域に対しましては、かりに年間三百億と申しましても、三百億が全部新たに投資されるというのではなくて、すでに公共事業費の形におきまして相当入つているわけであります。それに追加いたしまして、総額が三千億程度になりますれば、大体資源の開発ができるということになつておりますので、実際はそう多額にはならなくても済んで行くのではなかろうかというふうに考えているわけであります。なお先ほどお話にありました電源開発の二千数百億というのは、総事業費でありまして、私どもの方で考えておりますのは、国家投資に要する金額だけを計上しているのでありまして、総事業費はさらにその倍額に近いものになろうかというように考えております。なお開発計画の中で、全然公共事業費投資を必要としないで、民間投資だけで開発するというものも相当この中には入つている。国家投資だけが大体その程度になる、というように考えております。
○志田委員 これはひとつゆつくりお話を承らなければならぬところでありますが、きようは時間もありませんのて、ここですぐ納得行くような御説明をいただくことはなかなか困難でありますから、いずれあとに譲ることにいたします。そこで今せつかくここに国土総合開発を促進するための法律案の第七次案というものを出しておられるのでありますが、これは法律案として出そうとするための予備審査の意味でわれわれにお見せくださつたのか、あるいはこんなものを考えているから、議員のお前たちも一度ひとつ考えてみたらどうだといつて見せてくれたのか、それともこんなものを見せたつてしようがないけれども見せなければならぬから見せるというのか。その点をひとつ……。
○今井田説明員 これはあくまでも中間的に御報告申し上げるという程度でありまして、まだ政府部内といたしましてもこういうことで進むという意見がきまつているわけではありません。従つて、国土総合開発の進行過程といたしましてこういうことも考えている、もしこれに対しまして適切なる御指示がありますならばお教え願いたい、というような意味で御提出したのであります。この形のままで御審議願うということでは絶対にございませんから、ひとつ……。
○志田委員 そこでさつきこの法律案は、今度の国会の上程には至難な点があるだろうということを今井田次長がおつしやつておられましたが、それはどういう意味でありますか。至難であるとすれば、その内容はどういう点で至難であるか。その点を……。
○今井田説明員 資源の開発につきましては、御承知のように現在電源開発に関する特殊の法規の制定があるやに聞いております。それからまた河川の総合開発というような点につきまして、単独法の制定があるというふうにも聞いております。いろいろそういうふうに資源の開発をめぐりまして、各方面でいろいろな法案が考えられております。この法案はそれらを総合する法案ではありますけれども、対象が同一でありますので、それらの政府部内で考えております諸法規といかに調整を持ちつつ進めて参るかというようなことが最大の問題であります。 それから第二番目は、先ほど私が法案の第二の目的としまして御説明いたしました、たとえば公共事業と総合開発との吻合をはかるというふうな点につきましては、多分に行政機構とのからみ合いがあるのであります。そういうふうな問題がございますので、行政機構が審議されております今日、また他の立法法規との十分なる調節ができておりません今日、おそらくこの短かい国会開会中に、それらの点を全部解決いたしまして、上程するということは困難であろうというふうな点を申し上げたのであります。
○志田委員 河川単独法その他の単独法があるいは出るかもしれない。それとの対象が同一になつてはならないので、国会の上程が至難ではないかというお話でありまするが、一体安本では河川単独法などという単独法を出すことがいいと思つておるのかどうか、その点をちよつとお尋ね申し上げたいと思います。この前私はさきの国会におきまして、政務次官及び長官にも御質問申し上げたときには、そういうものは考えておらない、そういう単独法を各地に出そうなどということは考えておらないという明確な答弁が政府当局からあつたのです。あなたは今日建設行政の大宗を握つておられる事務当局の説明員として、河川単独法と、この国土総合開発を促進するための法律案という、この第七次案との間に、対象が同一であるという考え方を持たなければならないのには、何かそこに含みがなければならぬ、それをひとつ忌憚のないお話を願えればありがたいと思います。
○今井田説明員 先国会で問題になりました、たとえば利根開発法案でありますとか、北上開発法案、これにつきましては、私どもといたしまして、はつきり法案も拝見しておりますし、それからまたその趣旨の御説明もいただいておりますので、内容を十分了承しておりますが、それらのものにつきましては、経済安定本部といたしましては反対であることは、先国会で明白に申し上げた通りであります。この促進するための新しい法律案の中には、それらの法案のねらいはすべて吸収しておるつもりで制定しておるのであります。ところがそれらの法案とは別に、新しい河川の開発に関する法律案が用意されておるかのごとく私聞いておるのであります。ところがその法案につきましては、まだ内容を十分聞いておりません。そこでわれわれの方といたしましては、河川の総合開発——河川だけの単独開発でありますとか、あるいは電源の単独開発でありますとか、そういうものはなるべく避けまして、総合開発の形で進めるのが最も理想的な姿ではなかろうかというふうに、安定本部としては考えておるのであります。しかしそれらにつきましてもまだ十分説明を聞いておりません今日、むやみにそれらの法案を否定しまして、これだけで行くのだということは軽卒だと思いまして、そういう発言をしたわけであります。
○志田委員 せつかく先国会以来、今も同様なお考えを持つておられるときに、よそからそういう似て非なる単独法を出そうなどということに、あまり気を使われない方が私はよろしいと思う。そういう機構上の譲り合いから法律を必要とするようなものが起きたとすれば、この際行政整理もやつておるときでありますから、そういう考えの人は優先的に行政整理をやつた方がいいと思います。従つてそういうことにあまり気を使われないで、国土総合開発を促進するための法律案七次案について、ひとつ信念を持つてやられてはどうか。一体今度の臨時国会に間に合わないとか、上程は至難であろうとかいうような敗北的な考えにならないで、これを闘いとつてみせるのだ、政府提出案としてできないならば、議員提出案としてもやつてみせるのだというくらいのお考えがあつてしかるべきじやないかと思うのでありますが、そういう私の思つておる気持が皆さんに通ずるかどうか、それをちよつと……。
○今井田説明員 私個人といたしましては、ただいまおつしやつたような情熱を大いに持つているのであります。従いましてできるだけ御趣旨に沿うように努力したいと思つております。
○志田委員 私は国土開発法が誕生して以来、本委員会にもこの問題はかかつて来ておりますし、ことにこの特定地域の問題は、日本の今後の経済自立の上においても、非常に大きな問題であろうと思うのでありますから、国土開発法のバツク・ローとして、この実施法が出ることを強力に進めて行きたいと思います。 そこで、きようは何も法案の予備審査をするのではありませんから、私は各条についてどうこうということは申し上げませんけれども、せつかく出してくれた案でありますから、私は一、二お尋ね申し上げたい。一体第七条あたりを見ておりますと、非常に中央に権限が集中されているように思う。この考え方は、多分に従来の総動員法的な考え方ではないかということで、ややもすれば政府がいろいろな法律をつくる場合において非難されたところなのでありますが、こういう開発法の規定に基いて「これに適合するように作成し又は変更しなければならない」というふうなことを、都府県の総合開発計画に入れる必要があるのかどうか。それをひとつ聞いておきたいと思います。これは各条項を聞こうと思えば幾らもあるのでありますが、ただその問題はかなり私たちは気を使わなければならぬと思うのでありまして、それをひとつお尋ね申し上げておきたい。
○今井田説明員 私見にわたるかもしれませんが、私は総合開発の体系は、まず府県計画が基礎的な単位になり、その上に地方計画があり、その上に全国計画が築き上げられるというのが一つの体系だと考えております。そこでそういう全国計画は、その積重ねのピラミダルの頂点になるわけであります。しかしそれはただ単なる積重ねであつてはならない。全国計画の中には、おのずから一つの、何と申しますか、国家的な意識が盛らるべきである。そういうふうな全国計画がかりにでき上つたといたしますと、それに抵触するような地方計画は、その限りにおいては修正されなければならないではなかろうかというような意味が、第七条に盛られているわけであります。決して総動員法的というような意味を考えているのではないのでありまして、もし全国的な一つの産業の配分計画なり、あるいは立地計画なりというものがきまりました場合には、その限度において地方計画は修正さるべきではなかろうかということをねらつたのが第七条であります。 なお法案全体にわたりまして、ただいまお話になりましたような、総動員法的な観念が見受けられるというような御意見は、現地政府部内にも、この法案につきましてずいぶんあるのでありまして、それらの点は法案として完成しますまでには十分訂正いたしたいと考えております。
○志田委員 私はこれを生み出したい方の側でありまして、つぶす方の側でないので、皆さんの方でコンクリートなものができてから十分やるということにしまして、委員長もこの点はひとつ了承しておいていただきたいと思います。 そこできようは建設省の澁江計画局長が出ておられますから、ひとつ建設省にお尋ね申し上げたいのですが、この総合開発を促進するための法律案、実施案を安本が作成するにあたつて、従来どういう経緯と交渉をもつてこれに参画せられたか、それをひとつ御説明願いたいと思います。
○澁江説明員 この総合開発を促進するための法律案は、ただいま安本から御説明があつたのでございますが、実は私の方におきましても先国会の利根川開発法、あるいは北上川開発法の法案審議の問題と関連いたしまして考えなければいけないということで、いろいろ練つておつたわけでございます。そこでこの総合開発計画を実施する法律案、これは志田委員におかれても、従来から非常に熱心な御主張をもつて当つておられたのでありますが、私どもの考え方といたしましては、話は横道にそれるかもしれませんが、今後の開発計画をどうして行つたならば促進ができるか、そのためにいかなる法律的な裏づけを必要とするか。こういう問題につきましては、まず考え方が三つくらいあるのではないかというふうに考えておるのであります。一つはこういう実施法の持つて行き方でございます。もう一つは特定地域だけを対象とした問題につきまして、法律的な裏づけを必要とする問題があるならば、これを法的根拠をもつて裏づけて行く、特定地域全般を一応対象といたしまして、それに対する開発をいかにして法的裏づけをもつて促進して行くか、これが第二の点であります。さらにもう一つの行き方を申し上げまするならば、これは具体的な計画そのものを取上げまして、それに対します法的裏づけを国会が御審議になり、しかしてその計画自体を国会で取上げ、そうして法律的な措置を必要とするものを裏づけて行く、こういつたような考え方があるわけであります。これが第三の考え方であります。アメリカあたりの開発方式については、まさしくこの第三の考え方をとつているわけでございます。先ほど来、利根川開発法のごとき、単独法はいかぬというお話がございましたが、これは利根川開発法という、具体的な計画の裏づけとしての開発法であるか、単なる計画の手続法であるかという問題によつて、取扱い方が非常に違つて来るというように私どもは考えております。具体的な特定地域としての計画ができ、それに対しまして管理形体はいかなる形体にするか、水の配分方法につきましてはかくかくの水の配分方法を規制する、またその事業費の負担歩合につきましては、かくかくの負担歩合をきめて行く、こういうふうな具体的な計画自体を取上げました法律であるならば、これは大いに論議すべき価値があるというふうに私どもは考えております。 まずさような三つの考え方がある場合に対しまして、この実施法のごとき形のものが必要かどうか、これは実は相当論議もいたしたところであります。結論的に申しますと、これにつきましてはかなり批判的な気持を持つております。と申しますのは、ただいま御指摘がありましたような、総動員法的な考え方をとることは、必ずしも総合開発計画を促進させて行くゆえんではない、やはりこれは地についた地方の計画を基本といたしまして、その具体的な計画に対する法律的な措置の上において、足らざるところがあればそれを補う、かような考え方をとらなければいけないというのが一つの考え方であります。 それからさらにもう一つ、現在の開発計画についての大きな問題は、何といたしましても資金計画とのにらみ合せでありまして、現在の段階におきまして、先ほど来御説明がありましたように、相当厖大な資金を要する、この資金計画とのにらみ合せを考えました場合には、やはり法律的にいかにこれを規制することにいたしましても、それに対する資金的な裏づけが伴わない以上は、法律が空文に終るおそれがあるのでありまして、そういつた点とにらみ合せつつ、私どもは具体的な計画にもつぱら専念して行く方が、この際のとるべき措置ではないかというふうに考えております。 さらに、この法案に関連いたしまして、現在最も必要だと考えておりますことは、総合開発計画の上において最も大事な点の一つは、ただいまの資金計画、さらにもう一歩進んだ開発計画に必要な調査、科学的な調査を裏づけとしなければいけない、こういう点でありますが、実は現状から申しますと、この点が必ずしも各省密接な関連ある調整がとれているかと申しますと、その点かなり疑問があるのでありまして、そういつたような点につきまして、この調査費の配分なり、あるいは調査方法の調整なり、あるいは調査担当者の密接な連繋なり、こういつたようなものが現在の段階では相当必要である。まずそういつたようなところから逐次進めまして、すでにそういう調査が進んでおり、具体的計画があるというものについては、むしろその具体的計画を内容とした法体系を考えて行くことも一つの方法ではないか、こういつたような考え方を実は持つておるのであります。
○志田委員 それで、先ほど今井田次長からお話がありまして、調査地域というものを考えておる。指定地域以外に、その調査地域は開発法に予定されてはならない地域、しかも特定地域には入らなかつた地域、こういうわけでありますが、その調査地域というものには、調査費のようなものをつけるお考えがあるのでしようか、それをひとつお尋ねしたいと思います。
○今井田説明員 この促進するための法律案の中で、調査地域というものを法定したいというふうな考え方で、この法案に、何条でありましたか、その規定を盛り込んであるのであります。その中に調査費のようなものは国で出し得るのだという規定でありまして、御趣旨のようなふうにしてあると存じます。
○志田委員 あまりこれらは見ないようにしようと思うのですが、ついやはり見なければならぬ、見ればいろいろ文句も出て来る。この点は前もつて申し上げておきたいと思うのですが、たいへん少い調査費をもらつた経験がある。これは国辱ではないかと思われるような調査費を出しておる。一回出張したらなくなるというような、一体どうしてあんな金をあんなふうに調査費というような名前をつけるのか、私は非常に疑問に思う。はずかしくて言えないような金額を調査費として出しておる。そんなことでなく、調査費なら調査費らしい調査費を出さないとだめです。これは調査費の問題です。それから調査地域は、開発注に予定されていない地域がそういうふうに調査費をもらう、これは実施法によつて規定されるのだというのですが、そうすると、特定地域に対する予算の問題は別個であるということになつておつて、調査地域の方だけは調査費がつくということになりますと、あとのからすが先に立つということになると思うのですが、その点はどうですか。実施地域に対する調査費はやはりもらえますか。
○今井田説明員 それは当然出し得るものと考えております。ただ調査地域というものの性格を明らかにし、調査地域に対してはそういうものは出し得るのだということにしておきませんと、根拠がなくなりますので、そう書いてあるのでありまして、特定地域に対して国庫が補助を出し得ることは、すでに先般の開発法の中にもございますので、あの規定によりましても、調査費は十分出し得ると考えております。
○志田委員 この前の委員会で、公共事業法を出したいということを政務次官が言つておる。安本としても、これに対しては調査研究しているのだ。ところがこれで見ますと、第九条に「関係各行政機関の長は、毎会計年度、その所掌に属する公共事業の実施に関する年度計画を総裁に提出して、その実施計画に基く総裁の事業認証を受けなければならない」ということを書いてあるのですが、これは非常に公共事業法的なものではないかと私たちは思うのでありまして、ことに各省の承認という問題をどういうふうに取扱うかという問題が出て来るのではないか。各省それぞれに承認するという問題が出て来ると思うのでありますが、この法律にこういう公共事業法的な性格のものを盛り込ませるということについては、何かその方がいいと思つておやりになるのであるか。それをひとつ伺わせていただきたいと思います。
○今井田説明員 先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、これは理想でありますけれども、公共事業費の配分というものは、完全なる総合開発計画というものを作成されましたあかつきには、それに基いて行いたい。すなわち公共事業費の配分と総合開発計画との吻合をはかることをわれわれは理想といたしたい。その意味におきまして、公共事業費と総合開発計画の実施ということは、きわめて密接な関連があろうというふうに考えまして、ただいまお話がありました公共事業法というものを単独に制定するより、総合開発法の一環としてやることの方がより理想的なのではなかろうか、こういうふうな考え方で、第三章の計画の実施というものは、多分に公共事業法的な色彩のある規定を相当に盛り込んでおります。そのねらいは今申し上げましたようなことであります。
○志田委員 そうなると、やはり私はこの法律について建設省、農林省において相当異論が出るような気がします。各大臣の持つている固有の権限というものは相当あると思うので、それをあなたの方だけで、これでもつてやられるということになりますと、各省としては、あなたの方が考えているこの法律で、すべての公共事業というものが相当な制約を受けるということになるおそれがあるので、この点は相当疑問があるのじやないかと考えます。先ほど澁江局長のお話を聞いている中に、河川の開発法の問題についても一つの考え方として考えられるというような点が見られたようでありますけれども、こういうふうに公共事業を全部、公共事業費だからといつて、あなたの方の実施計画に基く総裁の事業認証を受けなければならぬということになると、何か各省の間にそれでは困るというような御意見がありやせぬかと思うのですが、建設省あたりはどうですか。
○今井田説明員 ここに規定されておりますることは、現在やつておることをそのまま書いてあるのでありまして、新しい権限を安定本部総裁がとりましたり、あるいは新しいやり方をしようということではないのでありまして、現在やつておりますことをそのまま書いたにすぎないのであります。従つて現在やつておりますやり方についての御批判があるとすれば、各省から御意見が出ようかと思いますが、新しいことをここでやるという意味ではないのでありますから、その点は御了解願えると思います。
○志田委員 それはわかります。わかりますが、つまり総合開発計画が確定したのであれば、確定したときにこれを尊重して、毎年度事業計画を樹立しなければならぬという話合いなら私はわかると思うのです。ところが現在やつているのに便乗して、さらにその権限を強化するようにとられるおそれがあるかないかということなんです。
○今井田説明員 そういうことは私の方では考えておりません。
○志田委員 それはそうだ。便乗するというのはあなたの方だから、考えていないだろう。しかしよその方で考えているのじやないか。これは建設省の方へ聞かなければわからぬことです。
○澁江説明員 公共事業の認証制度ないしは公共事業の取扱い方につきまして、この開発実施法の中に盛り込まれたということについては、私どもはやや疑問を持つておるところなのでございます。と申しますのは、公共事業の認証そのことについては、これは現在行われておるところでありますし、法律的な裏づけをしなくても、これは実施可能であるというふうに考えるのであります。もう一つは、むしろ将来の行き方としては、現在の公共事業費の認証は、これはやはり単年度々々々の計画を一応押えての制度でございまして、むしろ総合開発事業のごとき、ある程度の期間を持つた計画を立てるということになりますれば、これにつきましては、理想的に参りますならば、しかして国家財政が許すならば、やはり一つの継続費的な制度を設けることの方が、むしろ事業を円滑ならしめ、かつ促進させて行くゆえんになる、こういう考え方を持つておるのであります。さような考え方に立ちますならば、むしろ計画そのものについては、安本において十分な調整をおとり願うことはけつこうであります。しかし、それの財政的な裏づけは、むしろただいま申し上げたような継続費、あるいは将来許されるならば公債財源を目当とした一つの継続費的な事業費というものを立てていただきまして、これに基いて安本で調整された計画を各事業官庁がやつて行く、こういう結果にありたいものだという考え方を実は持つておるのでございます。
○志田委員 ただいま今井田次長から、認証の問題は、従来ともやつておることであるというお話でありましたが、あなたの方で出されておる、「昭和二十四年度監査による公共事業の批判」という本を見ましても、認証制度についてはなお今後認証の方法、形式あるいは時期の点は、種々改善を要すると書いてある。従つて従来やつておることだから、今度の新しい法律にもそのまま盛り込んでいいということにはならないと思う。総合開発と、災害とかそういうものの復旧対策に対する認証の考え方とは、非常に違うんじやないか、この点はひとつお考えくださいまして、従来認証は全部安定本部としてやつておるのだということでなく、経済安定本部として考慮すべき事項の中に、現にあなたの方で書かれた本の中に書いてあるのだから、批判の対象になつておるということは事実です。そういう点に対しましては、安定本部として十分考慮して、新しい法律をつくるときですから、うまく行く方法を考えてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○今井田説明員 その批判の中に書かれておりますのは、認証制度そのものを批判したのではなく、認証のやり方についての批判であろうと思うのであります。確かに認証のやり方につきましては、相当今後改善すべき余地はあろうかとわれわれも考えておるのでありますけれども、認証制度そのものについての批判ではない。従つて、新しく私ども考えます法律案におきましても、認証制度そのものは行うが、しかしそのやり方については十分考慮するということを前提にした規定であることはむろんのことであります。
○志田委員 私はあなたがせつかく御説明くださることにあげ足をとるつもりはないのですけれども、非常に官僚的な御説明であると思う。認証のあり方というけれども、認証というものは、事務的にこれを見て行くと、公共事業の推進上、認証業務をいかに改善するかの反省の資料が出ておるわけです。従つて認証自体が悪いというのじやなくても、認証の方法その他において悪いということになりますれば、そういう点はもちろん改善しなければならない。さらに認証制度そのものも考える必要があるのじやありませんか。たとえば直轄事業はいいといつても、直轄事業の中にも請負事業もある、どつちがいいかということはわからない。従つてあなたの方はやり方が悪いとか、形式が悪いのだとか言われるが、それだけにとどめられないで、公共事業に対する財政投資の認証については相当考えなければならぬというようなことは、やはりお考えを願いたいと思うのです。単に方法であるとか、期間であるとか、手続であるとかいうことでなく、ここは実例として出ておることを私は申し上げておるのではない。実例は東北七県あたりから出した実例、その他島根県あたりから出した実例、そういうものであろうと思いますが、公共事業の監査の方法ということでなく、公共事業の監査そのものについても、やはりいろいろなお考えを持つておるのじやないか。端的に申し上げますと、公共事業法というものはやはり出した方がいいと思う。そういうものをやりたいというあなたの気持は、私は十分わかるのでありまして、この機会に公共事業法を単独法で出した方がいいと思う。国土開発法にそれを入れようということになると、これは非常にいろいろな無理が出て来る。単に認証の問題だけで出て来るばかりでございません。後に監査、調査の一元化ということをわれわれが考えて来るときに、またこれがこれでぶつかつて来るのです。この国土開発法に入れるとこれが出て来る。さらにその下からずつと持つて行きますと、公共事業委員会というものはその他の関係各省との間に——あなたがさつき機構上の問題があると言つたのは、おそらくそれではないかと私は思うのですが、そういうものとの関係が出て来る。従つて公共事業法というものを単独で出された方が私はいいと思う。むしろそれからこれだけのものは抜いてしまつた方が国土開発法としてはいいと思いますが、それはどうでしよう。
○今井田説明員 その点は十分研究いたします。
○圖司委員長 村上清治君。
○村上(清)委員 一点だけ御質問いたします。ただいま規定を諮問中の特定地域——これが先ほどのお話では、今月の末ごろまでに決定するような段取りになつておるのですが、その規定が決定する前、あるいは決定したあとにおきまして、十九特定地域のうちで、あるいはその地域外の区域の変更というような場合が妥当であるという事情があつた場合は、事務的にはどういう処理をなさるお考えでありますか、もつと具体的に申しますと、ある特定地域の区域、現在申請して諮問しております区域、これに書いてあります区域ですが、この区域を多少変更した方が、ある特定地域の総合開発の上において合理的であるというようなこともあり得ると思います。さような場合に安本あるいは建設省で案を立て直して変更する事務手続をなさるのか、あるいはそれは一旦指定したあとで、先ほどお話がありましたいわゆる調査地域として取扱うのであるか、その事務的な方法についての腹案をお聞きしたい。
○今井田説明員 地域につきましては、経済安定本部長官及び建設大臣へ地域を要請します際に、一応予定しておりまして、その地域がはたして妥当であるかどうかということにつきましては、審議会で現在十分審査をされておるわけです。その答申に基きまして、正式にきまるわけでありますので、もし将来変更する必要が起りました場合には、同じような手続を経ないと地域の変更はむずかしかろうと思います。
○村上(清)委員 今の御説明によりますと、さような場合は、先ほどお話のあつた調査地域として取扱う方法で行きたい、こういう意味ですか。
○今井田説明員 その追加し、あるいは変更すべき地域が非常に広汎な地域にわたりまして、しかも調査地域としてきめることが妥当である場合には、そういうふうにいたしたいと考えておりますし、なおきわめて小さな地域でありまして、地域の追加または変更の方が妥当であるというふうに考えられました場合には、変更の手続をとるようにいたしたい、具体的な例によりまして、ひとつ判断いたしたいと思つております。
○村上(清)委員 そうしますと、先ほどお話のあつた調査地域というものが新たに指定されるという場合を考えますと、調査地域の調査が完了した場合には、あらためて特定地域を追加指定する、そういう方針ですか。現在諮問しております十九地域のほかに、調査地域の調査の完了したもので、特定地域に指定したいという地域があつた場合には、十九地域のほかに追加指定したい。こういう御意向ですか。
○今井田説明員 お話の通りでありまして、もし特定地域にすることが適当であるというものが調査地域にございますれば、特定地域にいたしたいというふうに考えております。
○村上(清)委員 もう一点、その地域が単独の地域である場合は今のお話の通りですが、先ほど申しました現在指定されるものとしまして、現在指定されます特定地域と関連のある場所があつた場合、かりに現在の十九地域の一つの地域に関連のある地域が調査地域となつて、それが特定地域に指定すべきものなりという結論が出た場合に、新しい地域として指定する方針であるか、あるいはすでに前の指定された地域の一部として特定地域にするというのか、その点お伺いいたしたい。
○今井田説明員 具体的な事例によりませんとはつきりお答えいたしかねるかと思うのでありますが、われわれが特定地域を選定いたします際には、あくまでもその地域内におきまするところの開発に総合性を持たせる、総合性があるということが前提条件になつておるわけであります。従つてその隣接地域でありましても、それを加えることによりましてより総合開発の意味が加重されます場合には、その地域に追加し、あるいは変更するということになろうかと思います。しかし別の開発目的を持つ総合開発地域であります場合には、その地域は単独の地域として指定いたしたい、具体的な事例によりまして判断いたしたいというのであります。
○圖司委員長 有田喜一君。
○有田(喜)委員 いずれ日を改めてゆつくりと御質問したいと思いますが、ただ二、三関連して質問をやつてみたいと思います。 第一にお伺いしたいことは特定地域の指定について、十九の地域が近く正式に答申されるということでありますが、その地域の指定についての標準というか、目標といいますか、これはたとえば発電利水ということを中心とした指定、同じく総合開発と申しましても、発電水利を中心としてあるいは治水を考える、あるいは利水を考える、こういうような方法もある。これは国土保全に中心を置いて、治水を中心にして発電利水を考える、あるいは農業利水を考える。いろいろあろうと思いますが、この十九の特定地域を指定されたのは何を中心として目標を置かれたか。それをひとつ第一にお伺いいたしたい。
○今井田説明員 特定地域の性格は、開発法の十条にはつきりその性格が規定されておるのでありまして、御承知のように、第一の形は国土保全、第二の形は資源の開発、第三の形は都市周辺の整備、この三つの要件の類型に属するものを特定地域として指定するのであるという大まかな性格が、そこにきまつているわけであります。そこで今回十九地域をどういう標準、どういう基準、どういう方針によりまして選定いたしたかということにつきましては、お手元に特定地域指定要請地選定の基本方針及び作業概要というものが差上げてございますが、その中に書いてあるのでありまして、ここにございますようにこの第一ページに、特定地域指定要請地選定の基本方針ということが書いてございます。きわめて簡単に申し上げますと、第一は地域の総合的な発展力を持つておるという点を重視したことであります。その内容といたしましては、地域の資源的な潜在力がなければならない。しかもその潜在力というものは単独であつてはならないのであつて、数種の資源を総合的に潜在力として持つておるようなところでなければならぬ。それからまた一の二といたしまして、生産力の基盤育成への寄与が顕著なものでなければならぬ。それから計画に総合性がありましたり、あるいは国家的な要請への適合がありましたり、開発効果が高いものでなければならぬ。また第三に大きな問題といたしましては、絵に描いたもちであつてはならないのであつて、実現性のあるものでなければならぬ、というふうにいろいろ基準を設けまして、総合的にそれらの地域を検討いたしまして、この十九地域を選んだわけであります。そこで初めから電源の開発でありますとか、農地の改良でありますとか、そういうことを選定の基準といたしたのではないのでありまして、それら地域の持つておりますところの総合的な潜在力と申しますか、ポテンシヤリテイと申しますか、開発を行いますならば、その地域から総合的な開発効果が期待できるというふうな地域を選んで、十九地域を定めたわけであります。
○有田(喜)委員 方針はわかつておるのですが、私の聞きたいことは、あまりりつぱなことばかり唱えておりましても、現実の問題がただちに資金の問題を伴う。それで今日の日本出して、ことに講和後の自立経済を造成する意味で、何を最も根本にするか、そこに重点を置いた総合開発をやらないと、何もかにもやりたいということでは、ほんとうの実現性は私はないと思う。さような意味において、私は今回の十九の指定地は何に重点を置かれたかということをただしたい。ここに書いてあることは、これは読めばわかる。安定本部として真の腹の中は、どこに重点を置いているか、それを聞きたい。
○今井田説明員 今私が朗読いたしました紙の裏に、資源開発の緊要度という表がございますが、資源の開発としましては、ここに掲げられておりますような資源の開発を重点に置いてやつておるわけであります。今お尋ねの、何を重点として十九地域を定めたかと申しますと、十九地域にはおのずからそれぞれの性格があるのでありまして、たとえば只見地域を例にとりますれば、これは明白に電源の開発であります。しかし九州の阿蘇地域を取上げますれば、ここでは農地の改良であるとか、山林の問題であるとか、そういう問題が重点になるのであります。たとえば一つ三つの地域を選定するのでありますれば、電源の開発なら電源の開発、治山治水なら治山治水ということで、重点を貫けるのでありますが、十九の地域にはそれぞれの性格がありますので、この場合におきましては何を重点としてやつたかということを言われますと、やはり抽象的にはなりますけれども、基本的な方針を御説明するより仕方がなかろうかと思います。しかし気持ちといたしましては、先ほどもお話がございましたように、また今も申し上げましたように、この裏に書いてございますところの、資源の開発に最も貢献する地域を選んだということは、申し上げられるであろうと思います。
○有田(喜)委員 十九の指定の方針はわかるのでありますけれども、同じくどこもかも平面的にやろうとするだけでは、これは実際できない。おのずから制限されたところの資金その他の面から申しまして、たとえば只見川の開発、あそこに電源開発の中心を置いてやる、こういう根本の方針だけでもたいへんな資金を要すると思うのだが、十九指定地域にはおのずから順序というものがあるだろうと思う。さような意味において重点を考えられて、順序を確定はしておらないであろうが、どういうところに気持を置いておられるか、これをお伺いしたいのであります。
○今井田説明員 お話のごとく、国家財政の現状におきましては、十九地域を一齊に開発するということはもちろん不可能だと思つております。それで何分厖大な国家投資を前提としております地域でありますだけに、その開発にはおのずから一つの順序と申しますか、プラス・アルフアとしまして、総合開発に国家投資を行います場合には、平面的にそれを按分するか、あるいは重点的にそこにある一、二の地域につぎ込むかという問題が起ろうかと思うのでありますが、そういう場合には、おのずから一つの順序というものが生まれて来るだろうと思います。その場合の順序をどこにきめるかというふうなことも、確かに問題になるのでありまして、これにつきましては十分審議をする必要があろうと思われますので、現在審議会におきまして、そういうふうな場合にはどこからまず開発に着手すべきかというふうなことも、審議をお願いしておりますが、まだ結論を得ませんので、はつきり申し上げられないと思います。
○有田(喜)委員 事務当局にこれ以上お伺いしても無理だと思いますが、私の希望でありますけれども、かように十九の特定地域を指定されるということは、必ずしも反対ではありません。しかしこれはおそらくピンボケになるだろうと思います。こういうことをやるならば、むしろ日本は小さな国なんですから、全面的に全部やるという気持でもいいくらいに思う。しかしそうやつてはなかなか実現ができないから、かように指定されるのも悪いとは申さないが、もつと重点的な指定をやつてもらいたい。現実に伴うように、着々や指定地域を広げて行く。何も一回やつてしまいではない。そういうようなやり方をやらないと、実際これを広げてしまうと、それぞれの要望があつて、ごく薄いものになる。真に深みのある、根本的な、総合的な開発ができないように危惧するのであります。この点はやはり御考慮願いたいと思います。 それから次に伺いたいのでありますが、たとえば電源開発に例をとれば、これは企業形態はいろいろありましようが、先ほどちよつと触れましたように、同じく総合開発といいましても、電源開発に重点を置いた開発、そうして治水のことも同時に考慮する、あるいは農業利水、あるいは工業用水等もあわせて考慮するという行き方があると思います。さような場合に、たとえば今の電力会社が開発計画をやる、そのときに、政府は他の治水あるいは利水の点をどういうふうに総合し、それにプラス・アルフアをつけて開発されて行くか、またそのやり方によつては非常に複雑になつて、かえつて電源開発を遅らすというような弊が出て来る。そういう実施方法について政府はどういうふうに考えておられるか、それをお聞きしたい。
○今井田説明員 私どもといたしましては、そういうある会社が電源開発を行います際に、治水あるいは利水の面で、いろいろ具体的なトラブルが起ることを避けたいために、あらかじめそういうものを総合的に計画を立てて行きたいとい歩のが、この計画のねらいの一つであるわけであります。放つておきますと、おのずからそういう問題が起ろうかと思うのでありますけれども、未然にそういうことを避けたい、そのために総合的な開発計画をつくるのだというのが、一つの建前であります。だがすでに着手されております地域につきましては、そういう問題も現在あろうと思われますし、総合開発を進めて行きます上におきましても、そういう問題は起ろうかと思います。しかも治水、利水の面で、そういう問題が起ろうかと思うのでありますが、新しく開発する地域にはそういう問題はなかろうと思います。それからまたすでに開発を進めております地域で、そういう問題が起りました際には、その地域の主目標、根幹となります事業が、優先的に考慮さるべきでありまして、ただいま只見地域でありますれば、電源開発が根幹事業となり、開発の主目標であります場合には、その主目標に従つた判定なり調整なりが加えられて行くことになろうかと思います。
○有田(喜)委員 そうすると、ただいま只見川なら只見川の開発に例をとりますと、政府がそこの総合開発の計画、しかもその実施計画をお立てになつて、それをだれがやるか、その計画に相応してやるものを選ぶ、こういう形になるのでしようか。
○今井田説明員 現在のところでは、特定地域の開発計画は府県で立てることになります。地方自治体が開発計画を立てることになつております。そうしてその内容につきまして、審議会が審議いたしまして、勧告すべき必要があるものはこれを勧告して訂正せしめるというふうな建前になつております。ただ私どもの方で現在考えております実施法案におきましては、それよりもやや強いものを考えております。ある程度この特定地域の開発計画につきましては、政府でこれを承認するというふうなところまで進んだらどうか、オーソライズするというところまで進んだらどうか、そのオーソライズするにつきましては、相当の財政的援助も与えるし、いろいろの保護、特典も与える。そのかわり、一つの承認というふうな手続を経る必要があるというふうにいたしたらどうかというふうにも考えておりますけれども、これはあくまでも固まつておらない前の問題であります。現在の手続といたしましては、計画を府県で立てて、審議会がある程度の勧告をし得るということにとどまつておるのでありまして、政府が計画を立てて、ある事業者に行わせるというふうなことにはなつておりません。
○有田(喜)委員 府県が計画を立てるということは、もちろん小さいものについてはそれでけつこうでありますが、河川に一つの例をとりましても、数府県にまたがる河川がある。もつともつと大きな総合開発を樹立しなければならぬ場合が多いと思います。特に重点的に今後日本がやるべき開発計画というものは、そんな府県なんというようなちつぽけな考えのもとに計画を立てるのは不適当じやないか。もちろん小さいものは府県でよいのでありますが、たとえば国家みずからが、国家的の見地から徹底した総合開発計画を樹立して、それを実施しなければ私はだめだと思いますが、さようなお考えであつたならば、政府はこの際根本的に頭をかえていただいて、国家的の見地からこの問題を解決していただきたいと思います。それからさつき聞きましたように、計画は国または府県、実施するのはそれに相応するところのあるいは会社、あるいはその他のいろんな企業形態が出て来ましようが、そういうものに実施させる予定なんですか、その点をもう一回はつきり伺いたい。
○今井田説明員 実施主体はどこというふうに確定はしておられないのでありまして、事業主体は民間団体であります場合もありましようし、地方自治体である場合もありましようし、いろいろな場合が起るかと思うのであります。それらの問の事業計画だけは総合性を持つ計画にいたしたいというふうに考えております。なお計画を立てますのは、先ほど私は府県単位というふうに申し上げましたが、最初の単位は府県単位でありまして、府県が計画をつくるのでありますが、少し広い地域になりますれば、地方計画というものが設定されまして、今のお話になりました河川のようなものにつきましては、地方設定ということをいたしまして、地方でそういう総合開発計画をつくるということにもなつておりますが、いずれにいたしましても、お話のように、そういう大きなものにつきましては、国家的な意思なり、国家的な計画なりが当然盛り込まるべきことはおつしやる通りでありますので、今度の法案におきましても、そういうような規定を考えまして、若干従来の開発方法を訂正するような規定を盛り込んだらどうかというふうに考えております。
○有田(喜)委員 もう一点お伺いしたいのですが、そういう根本的の計画が立てられて、たとえば民間団体がそれを実施するというような場合に、政府の投資といいますか、政府の資金との関連はどういうようになつているか、またどういうようにやるようなお気持でおられるか、と申しますのは、たとえば電源開発にある会社が当るとすると、電力の部分では採算が合うが、他の治水上の要請、あるいは農業利水あるいは工業用水の要請があつても、それまで会社が負担してはやつて行けない、そういうような場合は、政府から別のものを出して、採算が合うような開発をさせるお見込みなのか、あるいはそういうものを一つの国家機関として全部ひつくるめてやつてしまうというようなことをお考えになつておられるのか、いろいろな場合があるでしようが、たとえば民間団体がやるような場合は、どういうようにそれを調整される方針であるか、そういうことも承りたい。
○今井田説明員 いろいろな場合がおつしやるようにあろうかと思うのであります。たとえば一つの堰堤をつくる、その堰堤が治水にも利水にも利用される、しかも発電のダムにもなるというような場合には、費用の振りわけを行いまして、その間の調整をはかつて参りたい、そういう規定もこの法律の中に用意いたしまして、公平を期したいというふうに考えております。
○有田(喜)委員 最後に希望を申し上げておきますが、今日の日本といたしまして最も大事なものは、私は電源開発だと思う。日本は資源は乏しいが、唯一の資源は水力電気である。この開発をやるのが今日日本に課された最も重要な使命だと思うのであります。これは普通の今までのような考え方で進んでおつては、いつまでたつても真の電源開発はできません。そこで安定本部を初めとし、その他関係官庁におかれましては、十分電源開発を徹底的にやる腹をきめられて、まんべんなく各地をやるというような考えでは、なかなかこれは遂行できませんので、重点的に考えられまして、今日の日本として最も緊急を要するところの電源開発に重点を置かれ、そうして利水と同時に治水も考えられた総合開発をまずやる。そうして着々他の地域にも広げて、また他の資源開発をやるというふうに順序を追うてやつてもらわないと、まんべんなくやつておつてはいつまでたつても電源開発はできないと思うのであります。この点大いに御考慮されて、この開発に進まれんことを切望します。 なおあらためて他日にゆつくり御質問したいと思いますので、きようは時間がありませんから、この程度にとどめておきます。
○圖司委員長 ほかに御質疑はありませんか。御質疑がありませんければ、本日はこれにて散会いたします。 次会は来る十九日午後一時より開会することといたします。 午後零時二十九分散会