外務委員会農林委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/11/09
会議録
○守島委員長 ただいまより外務委員会農林委員会連合審査会を開会いたします。 慣例によりまして、私が委員長を勤めますから御了承願います。 国際小麦協定への加入について承認を求めるの件を議題といたします。まず政府側から提案理由の説明を求めます。島津政府委員。
○島津政府委員 ただいま議題となりました国際小麦協定につきまして提案理由を御説明いたします。 この協定は、一九四九年三月二十三日にワシントンで署名され、その存続期間は、約四箇年後の一九五三年七月三十一日までと定められております。この協定の加盟国は、現在までに四十六箇国に上つており、この協定に基いて取引される小麦量は、世界における小麦取引量の全体の約七割になつております。 この協定の目的は、公正な安定した価格で、小麦輸出国には市場を、小麦輸入国には供給を確保することであります。わが国といたしましては、毎年百五十万トン以上の小麦を輸入しなければならない現状を顧みますと、この協定に加入して、保証された数量の小麦の輸入を確保すること、及び低廉な価格による小麦の輸入により、約七、八百万ドルの外貨節約を期待できることは非常な利益であります。 政府におきましては、このような見地から、わが国がこの協定に加入して、協定のわく内の小麦を輸入できるよう一昨年以来努力して参りました。このわが国の希望は、ようやく本年六月の国際小麦理事会において承認されました。その際、小麦理事会によつて、わが国の輸入保証数量は五十万トンとし、わが国は本年八月一日までに加入書を寄託するという條件を付せられた次第であります。加入書の寄託期間が八月一日までと定められましたのは、同日が今収穫年度の開始日に当るからであります。しかるに、この期間は国会の閉会中でありましたため、本件加入について国会の事前の承認を経るこ とは不可能でありました。 よつて、この協定への加入についての国会の承認は、これを事後に求めることとして、政府は、七月二十三日に正式の加入書を米国政府に寄託いたしました。これによりわが国は、正式にこの協定の加盟国となつた次第であります。右の事情を了察せられ、慎重御審議の上、本件につき、すみやかに御承認あらんことを切に希望いたす次第であります。
○守島委員長 それでは質疑を許します。小淵君。
○小淵委員 この国際小麦協定に加盟をして、五十万トン日本が輸入できることになつておるわけですけれども、これについては、日本の小麦の必要量が、提案理由の説明にもありますが、百五十万トン以上、百七、八十万トンのものが必要になつておるわけであります。この五十万トンの数量が決定になるまでに、日本側から九十万トンという数字の申入れをいたしたのでありますけれども、それについてイギリス等の反対があつて、五十万トンに削られたというように聞いております。その経緯をひとつただしておきたいと思うのですが、御説明を願いたいと思います。
○細田説明員 小麦協定の加入につきましては、本年度は幸いにして認められたわけでございます。昨年度も実は加入をいたしたいということで、ただいま仰せられましたように、九十万トンという数字を希望いたしたわけでありますが、それが昨年は、主としてイギリス側の反対にあいまして、加入ができなかつたのであります。今年度の加入につきましては、アメリカの農務省が終始非常に好意的にあつせんの労をとられまして、ことにあそこのアンドリユースという、国際農業局長と申しますか、そういう地位におられる方がわざわざ日本に来られまして、その足でずつと各地をまわられ、イギリスにも立ち寄られまして、そうして日本の加入につきまして非常にあつせんをされたわけであります。そういうことで、昨年も九十万トンという要請をいたしました関係上、私の方は百七十万トンばかり年間にどうしても小麦を買わなければならぬという状態にありますので、ぜひともその九十万トン程度はやつてくださいということを、再三お願いをしておつたのであります。それでそのアンドリユース氏が中に立ちましているくと折衝されました結果、五十万トン程度ならば認めようということにおちついたわけでありまして、これも初めはなかなか困難な模様でありましたが、ただいま申しましたように、アメリカ農務省の非常な好意あるあつせんで、ようやく本年は五十万トンという数量が認められた、こういうことになつております。
○小淵委員 そうしますと、五十万トン認められて、この期間というのが四箇年間になつておるようでありますが、この四箇年間の一期間が過ぎて、さらに次の改訂期に入りますと、この数量はある程度、日本側の希望を満たすような数字に改訂できるものかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○細田説明員 この期間は、御承知のように本年の八月一日から来年の七月末までに五十万トンという約束になつておるわけでありますが、本年度中にこれを増加する機会があるかどうかということにつきましては、従来あつせん役をされましたアメリカの農務省あたりの見解では、本年度内はむずかしかろうという大体の見解のようであります。その次の年度につきましては、私どもとしてはできれば、さらにこれをふやしてもらいたいという強い希望を持つておりますけれども、これにつきましては、来年度の各供出国の作柄等の関係もございましようし、またその後、日本以外でさらに加盟をしたいという国で、加盟できない国も相当あるようでありますので、その辺がはつきりいたしませんと、ふやしてもらえるものか、もらえないものか、今のところはまつたくわからないという状態でございます。
○小淵委員 そうしますと、この協定で五十万トンもらう、かりに百七十万トン必要だとすればうあとの百二十万トンは自由市場から買い入れなくてはならないことになるわけでありますけれども、これはもちろん自由市場で買入れをすることでありますから、そのときの価格において——これは見通しの問題になりますが、このあとの百二十万トンという数量の価格は、この五十万トンの、一ドル二十セントから一ドル八十セントまでの範囲を越えた額というのは、どのくらいよけいになる見通しであるか、この見通しの問題をお伺いいたしたいと思うのです。
○細田説明員 今までの実績を申し上げてみますと、この小麦協定に加盟いたしましてから、すでにアメリカで九万四千トン、カナダで九万一千トン買付を了しております。その価格を申し上げますと、トン当りCIFにいたしまして、アメリカのものが平均しますと大体八十一ドル、それからカナダが八十二ドル五十セントぐらいにおちついております。この協定外で私どもすでに相当買つておりますが、これはアメリカの小麦がCIFにいたしまして、トン当り大体百ドル五十五セント、カナダも大体同様でございます。従いしまてトン当りにつきまして、十八ドル見当の差額がある、こういうことになつております。おそらくこの程度の開きというものは、今後買いつけますものについても予想されると考えます。
○小淵委員 日本に五十万トンの数量を入れるとすると、この説明にもありますように、七、八百万ドルの外貨の節約ができるという見通しをつけておるようでありますけれども、この値幅のうちのどの程度の見通しで、こういう差額が出ることに計算が立てられておるか、その見通しをお伺いいたしたいと思うのです。
○細田説明員 お配りしてあります資料の三の協定加入により、どれだけのものが浮くか、ここにありますように、現状からしまして、トン当りについて大体十八ドル見当の節約になつております。それで大体九百万ドル近いものが節約されるのではないか、こういう推算でございます。
○小淵委員 十八ドルほどの金が浮くというように計算して、こういう金額が出ておるのですが、そうすると買入れ価格は一ドル四、五十セントを中心としておるわけなんですか。
○細田説明員 御承知のように協定で買いますものは、最高価格一ドル八十セントというのがきめられておりまして、その一ドル八十セントという価格は、標準倉庫渡しの価格でございます。従いまして、それが船に乗つて日本の港まで着くわけでありまして、その間のチヤージがいろいろ異なりますので、CIF価格には多少の変化がございます。しかし今年の標準倉庫渡しの価格は、一ドル八十セントということで決定をいたしておりますので、今後とも協定の値段はそう大差がないと言えると思います。ただ協定外で買いますものは、これは御承知の通り自由市場でございますので、そのときそれの相場で上つたり下つたりがございます。今申しました現在すでに買つておりますものは、アメリカにしてもカナダにしましても、百ドル内外という数字になつておりますけれども、これが将来あるいは百十ドルくらいになるか、百五ドルくらいになるか知りませんが、その辺のところは将来買付量がかわるに従いまして多少上つて来るのではないか。だからこの差額は現状よりも先行きは、なお開く可能性が多いと考えます。
○守島委員長 小淵君に申し上げますが、質問者が非常にたくさんございますから、一人当り三十分くらいにいたしたいと思います。あなたの時間は、始まりの時間をよく見なかつたのですが、あと十五分か二十分くらいしか残つておりません。どうぞそのおつもりで簡単に要領だけをどんどん伺つていただきたいと思います。
○小淵委員 この協定にソビエト、アルゼンチンというような国々が入つておらないのですが、これは結局自由市場の方が高く売れるからというような考え方で、これに加盟しておらないのだという解釈でよろしいかどうか、この辺をお伺いいたしたいと思うのです。
○小田部説明員 ソビエトとアルゼンチンが最初入らなかつた事情は、今御質問のありました通り、一つの事情は、アルゼンチンにとつては自由市場で売る方が高く売れるということ、それからもう一つはアルゼンチン、ソビエト両方にとりまして自分らに割当てられる量が少いということ、こういう二つの理由から入らなかつたというふうに了承しております。
○小淵委員 国際小麦協定に加盟いたしますと、輸出する国々は市場価格より安い値段で売出しをしなくてはならないということになるのですが、その価格差というものは、その国々で出荷した人に補給金というような形で補填する仕組みになつておるのかどうか、これをお伺いいたしたいと思います。
○細田説明員 その通りであります。
○小淵委員 日本で輸入した小麦をさらに輸出するような場合が起つて来る。たとえば朝鮮、台湾等の米と交換をするような場合が起つたときには、結局輸入したものがまた輸出されるような形になるのですけれども、こういう場合が生じたときには、この協定に入つておると何か規約に制肘されてでき得ないのか、あるいはこういう便利な方法も時と場合によつてできるのか、この点をお伺いいたしたいと思うのです。
○細田説明員 これに加盟いたしましたために小麦粉の輸出ができないという制約は、ございません。現に沖縄向けと台湾向けには年間にいたしまして三万トンくらい小麦粉が出ております。
○小淵委員 この協定に加盟しますと、これについて発言権が千票の範囲内で生ずるようになつておるようであります。日本は資料によりますと、五十万トンにしても四十六箇国のうちで五、六番目という上位に位しておるようでありますが、一体どれくらいの発言権が持てることになるのか、これをお伺いいたしたいと思うのです。
○小田部説明員 理事会において普通に発言する場合は、千票とかなんとかいうことに拘束されなく自由でございますが、最後に投票するという場合には、これは輸出国が千票持つておりまして、それから輸入国が千票持つております。それで大体は、特別の場合を除きましては、過半数で物事が決定するのでございますが、わが国は三十二票持つております。この三十二票というのは、日本の買入れ保場証量五十万トンの総輸入額に対する比であつて、ただ端数は切り上げる、切り下げるという方法で三十二票持つております。この点に関しては、ほかの各国と同じようにそれだけのものは持つております。
○小淵委員 大体わかりましたが、これはもちろん七月二十三日に正式に加入をされておるのでありますから、一番近い国会に承認を求めるいうことに事実上なるのですが、第十一国会が八月開かれておりますが、この国会では結局日があまりにも短かいので提案することができなかつたということになつて、今回にまわつたのでありましようか、その辺のことをお伺いいたしたいと思うのです。
○島津政府委員 ただいま御指摘の通りの事情で、前回の国会に提出できなかつたのでございます。
○守島委員長 それでは竹村君。
○竹村委員 農林大臣が来てからやりたいのですが……。
○守島委員長 農林大臣は参議院の方に午前も午後も縛られまして、きようは出られないそうです。大蔵大臣もぐあいが悪いらしくて、安本長官が後刻出るということですが、その時間はまだわかりません。
○竹村委員 安孫子長官は……。
○守島委員長 今すぐということです。
○竹村委員 それでは安孫子長官が来てからにいたします。
○守島委員長 それでは竹尾委員。
○竹尾委員 この小麦協定は、この説明書にうたつてありますが、非常に長い期間苦労してようやく成立したものであると、こういうようなことでございます。そうした非常な苦労をしたというところに、この協定自体に何か無理があるのではないかというような感じがするのでありますが、その点ひとつ伺います。
○島津政府委員 特にどの点に無理があるということは、御説明なかなか困難かと思いますが、要するに日本がなかなか入れなかつたという理由は、協定そのものの欠陥と申しますよりは、やはり従来とも輸出国、輸入国の間に割当がきまつておつたということと、それからまた政治的な理由で、日本が晴れてこういう機関に、初期においては入りにくかつたというような事情だろうと思います。協定そのものに重大な欠陥があつてということは、ちよつと考えられないのであります。
○竹尾委員 協定そのものに欠陥はないというような御説明で、ございましたが、大体この協定には、これは前の方の御質問もありましたように、ソビエトも入らない、アルゼンチンも入らない——アルゼンチンは、ちよつとお尋ねしますが、一度入つていたのが脱退したのですか。
○島津政府委員 最初から入らなかつたそうであります。
○竹尾委員 とにかくそうした小麦の生産国である二大国が、この中に入つておらない。こういう点に、やはり協定そのものに対する何か大きな欠陥がおるように思われますが、重ねてお尋ね申し上げます。
○島津政府委員 御指摘のように、ソビエト、アルゼンチンのような国が入らないということは、世界の小麦の需給に関しまして、全般的な国際協力というところまで行かないというような御趣旨、これはごもつともと思うのでございます。先ほど御説明申し上げましたように、ソビエト、アルゼンチンともこういう協定に入ることを有利と認めていない特殊の事情があると思います。こういう国が入つて、世界全体の小麦の分量というものに対して国際的な協力ができれば、もちろん私はこの上ないことと思つております。小麦の協定そのものが、今日の形でできますに至りましたのも、いろいろ困難を克服して、ようやくここまで持つて来たというような経緯があるようであります。従いまして、この次にこの協定が改訂になるような機会に、この種の問題は取上げられてしかるべきものと考えております。もちろんこれはいろいろな事情がありまして、そう簡単に御趣旨のように、全面的な協力関係ができるかどうかということはわかりません。その意味で欠陥といえば、もちろん欠陥と言えると思います。
○竹尾委員 それではその次に移りますが、この協定の存続期間は、一九五三年の七月三十一日となつております。これは二十二條の二項にうたつてありますけれども、更新するかどうかということは、はつきりきまつておらないようですが、これは続いて更新するような情勢になるのでございましようか、その点をひとつ……。
○島津政府委員 現在におきましても、輸出国と輸入国との間の意見の対立があるようであります。しかしながら外務省出先の在外事務所等の報告に徴しますると、大体そういうような意見の対立はございますが、続けて行きたいというような希望が大勢のようであります。
○竹尾委員 今輸出国と輸入国との間に対立があると言われましたが、これは大体輸出国の一番大きなのはアメリカでございましよう。輸入国ではイギリス、こういうことになりますと、これは運営の方の條項にもなりますが、大体二大輸出、輸入国の英米によつてこの運営が左右されて、日本あたりはそれに従属的な関係に、いつも立たされる、こういうようなぐあいに考えられるのですが、その点はどうですか。
○小田部説明員 日本が今度入りまして初めて第七理事会が十月三十日から十一月二日まで行われたのであります。そのときの日本の政府の訓令というものは、日本は輸入国であるから、たとえば英国に従えとか、英国と歩調を合せろというようなことではなしに、独自の立場に立つて、あるものにおいては英国と利害が相反するものもあるし、独自の立場に立つて投票するようにという訓令を出してありますが、もちろん投票権数が三十二でございますから、それが大勢を制することはなかなか困難でございますが、そういうような立場をとつております。
○竹尾委員 日本が加入した最大の理由は、外貨の節約と補給金の減少を目ざしておるのだ、こういうふうに一応受取れるのですが、大体の理由はそういうことなんでございますか。
○細田説明員 その通りでございます。
○竹尾委員 それではそこはそれでよろしいでしよう。 それから五十万トンだけ輸入食糧が保証されたと申しましようか、これは先ほどの小淵さんのお話がありましたが、五十万トンは五十万トンでやむを得ないでしようけれども、この五十万トンの輸入と、あと百二十万トンだけは自由市場で買い上げなくちやならぬ。こういうふうにはつきり協定に入つた以上は、この輸入の手続、あるいはどういうぐあいにしてこの輸入を実現するのか。具体的には輸出国の方では補給金あたりも出しておる国もあるように聞いておりますが、これは輸入業者が直接これに当るのですか。あるいはその間に国がそれぞれ調整に当るのか。輸入に対する手続、あるいは調整というような点について、ひとつ御説明を願いたいと思います。
○細田説明員 このIWA関係で買いますものでは、カナダとアメリカとでは多少違うのでありますが、カナダでは、御承知のように小麦はホイート・ボードが独占的に扱つておりまして、ホイートボードが向うの商人を指定しておるのでありまして、この複数の商人を相手にいたしまして、日本の貿易商がオツフアーをとるわけであります。そうしまして私の方は別にだれだれを指定するということはやつておりません。これは従来民貿で食糧を輸入しておる貿易商が、同時にそういうものを扱い得るということで、一定の期日に、普通の民貿によりますものと同時に、IWAにつきましても入札を実行いたしまして、私の方は、たとえば十万トンなら十万トンとろうと思えば、安いものから十万トンに達するまで受けるという意思表示を、カナダのホイートボードへ私の方が出すわけであります。要するに日本政府がこれをとると意思表示をしたものを、ホイートボードがそれじや売るというふうに、私の方がむしろイニシアチーブをとつて、日本政府が引受けるものをホイートボードは売る、こういう了解ができまして、そういうことで実行いたしております。それからアメリカの方は、IWAを扱う向う側の商社というものは無制限であります。従いまして穀物を取引しておる商人はたれでもIWAを扱い得る、こういう建前になつております。従いまして爾後のやり方は、IWAなら幾ら、そうでない自由ものであれば幾らということで、向うの商人は二本建でオツフアーをして来るわけであります。それをこつちの貿易商が受けまして、それではIWAなら幾ら、何なら幾らということで、私の方ヘオツフアーが出て参ります。そのときに私の方の関係で、IWAでとろうと思えばその価格でとる、それでなければ自由価格でとるということで、これはむしろ私の方がイニシアチーヴをとつてやるというのではなくて、そういうふうに向うから来たオツフアーをこつちの貿易商がつかんで、一定期日に入札をいたしまして、安いものからとる、こういう仕組みになつております。
○竹尾委員 食糧庁長官がおいでになりましたから、これで終りますが、もう一つこの小麦の市場価格が、協定価格と申しましようか、その価格よりも大体下まわらない、こういうような見通しであるようでございますけれども、御承知のように、非常に価格の変動のはげしいものでありますので、必ずしも市場価格が協定価格よりも下まわらないという確信がおありでございましようか。
○細田説明員 この協定の価格を市場価格が下まわるかという御質問かと思いますが、そういうことはまずまずないと思います。
○守島委員長 竹村君。
○竹村委員 私ひとつお伺いしたいのは、大体この国際小麦協定に加入すべきかどうかという問題は、ほんとうから申しますと、日本農業のあり方について、政府が根本的な対策を樹立された後でなければならないと思うのであります。ところが御承知のように、最近主食の統制撤廃等で政府のいろいろな方針がぐらついているように、実際におけるところの日本の農業のあり方、今後の食糧問題に対する政府の施策がはつきりしていない。従つて、実は農林大臣にお伺いしたがつたのでありますが、御出席がないので、長官にお聞きしたい。 大体日本の今後の麦、小麦等における生産についてどういう目標を持たれておるか、また今後現在の生産量をどれだけ増産でき得る見通しを立てておられるのか、あるいはまたこのままで放任されておくのか、でき得るならば、この協定に加入して、現在五十万トンと言われておるが、これを百万トンにもふやし、さらに多く輸入するという方針で行かれるのか、この点をお伺いしておきたいと思います。つまり現在の麦あるいは小麦の生産量をどれだけにふやそうと考えておるのか、あるいはこのままに置いておこうと考えておるのか、この点の考えを聞かしてもらいたいと思います。
○安孫子政府委員 今のお話の点は農林大臣からお答えすべき事柄だろうと思います。抽象的に申しまして、できるだけ国内の増産をはかりまして、海外からの輸入数量を減らしたいということが基本になつておるわけでございます。増産に関する手段といたしましては、いろいろ技術的な問題もありますし、社会的な問題、制度的な問題がからんで参ります。そういうものを増産の目的をできるだけ達成しやすいような環境に置くということについて、農林省としてはいろいろ努力をいたしておる次第であります。できるだけ国内自給度を高めるということが基本方針になつておるわけであります。
○竹村委員 国内的に高めるという方針をとつておる。方針はそういう方針であられるが、具体的に現在の生産量を実際にふやす場合に、たとえば何箇年たつたならば何倍になるとか、あるいはいや当分五、六年はだめだとか、そういうような具体的な点を聞かせていただきたい。
○安孫子政府委員 その点は食糧庁とも間接的には関係をいたしておりますが、主として農政、農業改良あるいは農地局との関係においての問題でございます。次官と連絡をしましてお答えをいたします。
○守島委員長 ちよつとお断りいたします。ただいま官房長官が見えましたが、時間の都合があるそうでございますから、官房長官に対する質問を先にいたします。それでちよつと竹村君お休みくだすつて……。並木君。
○並木委員 官房長官にお尋ねをしたいのですが、実はタベからけさへかけてのラジオ及び新聞で、麦と米に対する統制の撤廃時期あるいは方法などについて、官房長官の談話というものが報ぜられました。昨日来、本会議でもいろいろこの点ではもめたのですけれども、私どもは本日この小麦協定を審議するについては、政府の施策というものが非常に関係が深いのでありまして、そういう見地から、官房長官の談話の内容、そしてそれがアップ・ツー・デートのものであるとわれわれは了解するわけなのですけれども、そうであるかどうか。官房長官の談話によつて、今までいろいろ疑問にされていた点が一掃されて、あれが最終的のものであり、最も権威あるものであると思うのでありますけれども、そういうような点について、内容を明らかにしていただきたいと思います。
○岡崎政府委員 ラジオでどういうふうに言つておるか、私は聞かなかつたのですが、新聞にも一、二出たのを見ましたが、新聞に出たのはみな一致したものではなかつたので、並木君のおつしやる意味がどういう点であるかはつきりしていただいて、つまりラジオで言つたどこが問題なのか、はつきりしていただくと、もつとはつきりお答えできると思います。
○並木委員 どこが問題とかいう表現ではなくて、官房長官の発表された談話の内容を、ここで一致させていただきたい。まちまちならば、ここで御報告くだされば、それが権威あるものになるのですから、その点をお尋ねしているわけです。
○岡崎政府委員 これは原則的には政府声明であります。政府声明をもつとこまかくいえば、麦の統制撤廃は米と離してやることに政府声明でもなつております。そこでできるだけ早くやりたい、でき得れば年度内にも行いたい、こういうのが一つでございます。米の統制撤廃は、おそくとも二十七年の米穀年度といいますか、つまり来年の十一月以降はぜひやるつもりである。しかし條件が整えば、その前でもやりたい気持は何らかわるところはない、こういうことであります。
○並木委員 わかりました。つまりそれが最終的かつ権威あるものである、こういうことになりますか。
○岡崎政府委員 権威があるかどうか知りませんが、それは政府声明に何らかわかつておらない。根本趣旨は政府声明であり、それをもう少し砕いていえば、そういうことになるというわけであります。
○並木委員 それで私は思い出したのですが、ラジオでは、たしか麦の方は三月からというふうに聞いたと思うのです。三月からという点は誤りなのですか、麦の方はできれば年内にもやりたい……。
○岡崎政府委員 いや年度内ということであります。
○並木委員 わかりました。
○林(百)委員 関連して、官房長官にお聞きしますが、麦の方は本年度内にできて、米の方は来年度に延ばさなければならない、その事情はどこにあるのですか。政府としてはなるべく早くおやりになるのが公約だと思うのですが、延ばすに至つた事情は、どういう事情にあつたのですか。
○岡崎政府委員 麦の方の統制撤廃は、すでにこの前国会に提出したくらいでありまして、これは成立しなかつたのでありますけれども、政府としては、もう條件は前から整つておる、こう考えておるわけであります。不幸にして国会の承認を得なかつたために今まで来ておるわけであります。米の場合はそれと事情が異なりますから、初めからずれがあるわけであります。
○竹村委員 それでは先に官房長官にお伺いしたいのですが、麦の統制撤廃を四月からするということは、いわゆるそういう條件ができておるということは、具体的に申しますと、麦は十分生産されて、国内の消費量を上まわつておるというような考えであるのか、あるいはやはり不足だが統制を撤廃するというのか。不足であつて統制を撤廃するというのであるならば、それに対するところの対策は、一体輸入食糧をどんどん入れて行くという観点からやられるのか、この点をお伺いしたい。
○岡崎政府委員 麦の方は輸入もむろんやつております。それで輸入も小麦協定等が有効に動けば、ますます順調に行くと思つております。一方において麦の配給辞退等のことも起つておることでありますので、麦については、統制を撤廃して十分やつて行けると考えております。ただ、今竹村君は四月以降と言われましたが、われわれはまだ日を幾日と限定しておるわけではない、できるだけ早く行いたい、それについては、いろいろ政府声明にもあるような米の方の状況も見て、できるだけ早く適当の時期に撤廃したい、こう言つておるだけであります。
○竹村委員 そうすると、麦の配給辞退等もあるし……ということは、結局麦や小麦というものは国民はあまり好んでおらない、こういうふうにわれわれは理解するのですが、そういう観点から、麦の配給辞退等があるのだから、当然、はずしても、あまり混乱は起らない。まあ消費者の方では麦というものはあまり好まない、また小麦ももちろんですが、あまり好まないから配給辞退が起つているのだ、従つて統制をはずすのだ、こういうお考えですか、この点をお伺いしたい。
○岡崎政府委員 いや、好まないということは決してないと思います。例を自分のことに引いてはいかぬでしようが、私などはほとんど大部分一日麦ばかり食つております。ただ、麦が非常にたくさんあるということは事実です。
○竹村委員 官房長官は、今私は麦を好んでおるという。もちろんそういうことでしよう。われわれもあえて麦や小麦というものを必ずしも好まないとは考えない。しかしあなたが毎日麦あるいは小麦等を食べておられるのは、結局根本的には、やはり日本の農業のうちに占める、たとえば牛乳とかあるいはハムとか、こういうものとの関連においてのみ初めてそれを好むわけなのです。従つてはつきり申し上げますと、今後たとえば麦食あるいは小麦粉等の消費を増大させようとするならば、日本の農業の中に占める、たとえば有畜農業の面において、根本的な対策を政府は立てて、そういうような農業を建て直して、その上において初めてこの需要というものが増大できるとわれわれは考えておるのです。従つてたとえば小麦協定に入つて小麦をどんどん入れて行く、そうしてこれを国内において十分消費させようと考えるならば、少くとも日本の農業のいわゆる有畜化というものが日程に上されて、そうして政府はこれに対する根本的な対策を立てられておらなければならないと思う。こういう点について政府の方においては、何ら持つておられないような感じがするのですが、これに対して官房長官は、現在の政府は一体どういうふうにして日本の農業を建て直して行かれるお考えであるか。
○岡崎政府委員 それは農林大臣という所管大臣がおるのでありまして、私が何も差出がましく出る必要はありませんが、しかし有畜農業ということはむろん必要でありますから、農林大臣等がぬからず考えております。しかしそれだけで麦を食えということではありません。昔から日本はうどんも食つておる、麦も食つております。いろいろやつておりますから、何も牛乳がなければいかぬ、バターがなければならぬということもないのであります。
○林(百)委員 さつきの私の質問に官房長官は答えられなかつたのですが、麦は本米穀年度内に統制撤廃したい、米は来米穀年度、十一月ごろとおつしやいましたが、主要食糧の統制撤廃の問題については、国民も非常な関心を持つておりますから、ここで話せる限りの詳しいことを話していただきたいと思うのですが、ドツジ氏と政府との交渉では、結局米の統制撤廃はしてもいいということになつているのですか、それからまずお聞きしたいと思います。それがわれわれは、ドツジ氏は米の統制撤廃は今のところはどうもデイスアプルーヴアルだというような印象を受けているのですが、政府との折衝ではいいのですか。いいが、時期、方法、いろいろな條件が出ているが、どういう條件ならいいと言われているか、その辺をもう少く詳しく、あまりかたくならなくてもいいから聞かしてもらいたいと思います。
○岡崎政府委員 今林君は自分の質問に答えていないとおつしやつたけれども、そんな話はさつき質問されなかつたのであります。しかしドツジさんがどう言つた、こう言つたということは何ら関係がありません。政府としてはつきり申しております。「各般の條件が整い次第、米の統制を撤廃する方針である、」こうはつきり書いてあります。
○林(百)委員 そうするとドツジ氏との話合いで、各般の事情が整備し次第、米の統制を撤廃してもいいという了解を得ているのですか。それとももうあちら様の方の了解なしに、日本政府の独自の判断でできるということになつているのですか。
○岡崎政府委員 その点は別に林君が御質問されなくても、今申し上げたように、政府の声明として、米の統制を撤廃する方針である、こう書いてあるのですから、この声明を信用してくださればけつこうだと思います。
○守島委員長 林君、御承知の通りずいぶん込んでおりますし、あなたは関連ですから、簡単に切り上げていただきたい。
○林(百)委員 そうしますと、政府は来年の四月から米の統制を撤廃する、あるいはその前から公約で主食の統制を撤廃するということを言つておられた。ドツジ氏が来てから急にそれが変更されたわけですが、ドツジ氏との交渉に関係なく、政府は独自の方針で米穀の統制撤廃ができるというなら、麦は本米穀年度、それから米は来米穀年度、その間に準備の不足あるいはいろいろの手続、いろいろ両者の間に差違があるというなら、どういう点でまだ手続が完了しておらないか、どういう点で万般の施策が整わないから米の方だけは来米穀年度になるか、ということを聞かしてもらいたいと思います。
○岡崎政府委員 これは先ほども申した通り、麦の方はもう情勢が熟したと思つたからこの前の国会に統制撤廃の案を提出したくらいなのでありまして、これが通過しておれば、とつくに麦の統制は撤廃をやつておつたわけであります。しかしその際は米の統制は続ける方針で来ていたわけでありまして、ただ政府もしくは自由党としては、統制撤廃はできるだけ早くやりたいということを再々繰返しておる。繰返してはおりますが、これも内閣を組織して半年のうおにできるものもあれば、一年たたなければできないものもある。また三年たたなければできないものもありましよう。機の熟するに従つてやるのであつて——機の熟するというのは、国内の産米の状況にもよりましようし、外米、外麦等の輸入の状況にもよりましようし、それから金融の措置とか、あるいはマーケットをつくるかつくらぬかとかいうこととか、貯蔵の問題もありましよう、いろいろな準備があるわけでありまして、これを一々検討して、機運が熟したらやる、こういうつもりでございます。
○守島委員長 あなたばかりに時間を与えられないから、もうよいでしよう。
○林(百)委員 それではいずれ官房長官にまた来てもらつて、もう一度その問題について聞きたいと思います。
○並木委員 関連して伺います。講和條約が来年の二月か三月には成立する予定でしよう。そうすると、ここで完全に日本の自主権が回復いたします。ですからこういう問題は、そのときには閣議でやろうと思えば、もうぴたりとできる状態になると思うのです。これは念のために官房長官に確かめておきたいのです。
○岡崎政府委員 お説の通りであります。
○並木委員 統制撤廃の問題はこの間閣議できまつたわけです。池田大蔵大臣のごときは、いまだに四月一日からはやれるということを豪語しておるそうですけれども、その豪語しておる根拠は、今言つた講和條約成立後は、日本政府の自主性が完全に回復するからだというところにあるようでございます。そうすると今官房長官のお話によりますと、十一月以降、またその前でもできるだけ早くやりたいということは、先般の閣議の決定をここに全然白紙にもどしてしまつた。従つて池田大蔵大臣の豪語というものは何らいわれなき、根拠なきものであるというふうに了解いたしますが、その通りでありますか。
○岡崎政府委員 池田大蔵大臣が何を言われたか、これは池田大蔵大臣に聞いていただきたい、私はそのことは聞いておりません。なお閣議の決定というものを、並木君はどういうふうに御存じか知りませんけれども、私どもの了解しておりまする閣議の決定は、四月一日に統制を撤廃するということにはなつておらないのであります。この声明の趣旨と何らかわつておりません。
○竹村委員 官房長官に伺いたいと思います。たとえば本年度末で麦の統制を撤廃される予定である、こう言つておられるのですが、その場合にもしドツジ氏と話合いができておればよいけれども、できてなければ政府はお気の毒な立場になると思うのです。その点ははつきりしておるのですか、その点を聞いておきたい。
○岡崎政府委員 私は希望を言つておるのでありまして、何も本年中に統制を撤廃するということに決定したということは申しておりません。政府がお気の毒だとかなんとかいうことは大きなお世話であります。
○竹村委員 それからもう一つ聞いておきたいのですが、もし麦の統制を撤廃するとするならば、日本政府だけで独自にやれるというのですか。
○岡崎政府委員 並木君にお答えした通りであります。
○竹村委員 それから私具体的に食糧長官の方にお聞きしたいのですが、先ほどの官房長官の話を聞いておりますと、非常に情勢が熟しておる、こう言つておられるのですが、麦なんかの統制撤廃するのに條件が熟しておるということの具体的な点は一体どういうことですか、それを聞いておきたい、いたずらに政府の方では、條件は熟しておる、熟しておると言つておられますが、実際現実がそうでなかつたならば、国民は非常に迷惑するので、食糧庁長官から具体的にお聞きいたしたい。
○安孫子政府委員 麦については、この前の法律案を御審議願つたときに申し上げておきましたように、一つは配給辞退が非常に多いということ、これははつきりいたしております。それから一つは、実効価格が非常に公定価格と接近いたしておる。これも事実がはつきりいたしております。それから消費者の立場を考えた場合に、麦につきましては、輸入食糧が三分の二を占めております。三分の一が国内産の麦になります。その食糧構造の面から行きましても、はずしても適正な価格操作ができるだろうという見当をつけております。そういうような各般の事情を考慮いたしますと、麦については、現在のような直接配給制度をとらなくとも、需給の操作の上においてまず問題はなかろう。それから統制経済につきましても、やみ価格と公定価格が非常に接近して来るということは、統制方式について再考すべき段階に来ておるのだというふうに、私どもは理解していいのじやないかという観点からいたしまして。麦については統制方式を変更するという措置をとつてよかろうという結論を出して、この前御審議を願つた次第であります。
○竹村委員 そういたしますと、全部でありませんが、その一つとしては、たとえば配給辞退が非常に多いということ一つだけをとつてみましても、配給辞退が多いということは、結局におきましては、さつき私が申しましたが、国民があまり好まないという形になつて来ると思います。その際に外国から入れるところの大麦あるいは小麦というものが相当な量になつておる。そこに問題があるのではないかと思うのですが、そうなつて参りますと、先ほど長官も言われましたように、大体現在の実効価格と非常に接近しておるということ自体、結局生産費、あるいはまたその生産費の上に立つた再生産を可能にするような実効価格が生まれていないからだとわれわれは思うのです。従つて外国食糧をどんどん入れて来ることは、国内の麦価を非常に下げて行くという役割を果していると思うのです。もちろんこれは小麦協定に入つたならば国際価格とほとんど同じではないか、こういうふうに言われるかもしれませんが、しかしそこには日本の農業の零細農の現状から考えましても、この国際価格に競争できるような日本の農業の立場でないのですが、これに対して、日本の農民の生産、つまり再生産を可能にし、日本の農業を確立して行く意味から、一体どういうような対策をとつておられるのか、これを聞きたい。それでないと、結局日本の農業というものが破滅するような形になつて来ると思うのですが、その辺はどういうような対策を講ぜられるのか、聞かしていただきたい。
○安孫子政府委員 麦の統制撤廃と申しましても、無條件で行かぬだろうと思います。日本の麦作の保護、それから生産の増強ということを、どうしても主眼に置いて考えなければならぬだろうという点からいたしまして、この前御審議を得ました食管法の改正等におきましても、やはり一定価格による政府の無制限買入れという制度をとることを前提として、統制撤廃、統制方式の変更ということを考えておるわけであります。麦作の生産増強につきましては、もちろん価格面だけからではいけないと思いますが、価格面における支持というものがやはり非常に大きな力を持つておりますので、そうした制度を置き、また一方におきましては、技術の面なり、あるいはいろいろな農業経営の面からの改善もあわせてやるということによつて、日本の麦作の増産を今後はかつて行くというふうに考えております。
○竹村委員 それからいわゆる支持価格で、ある程度一定の価格で買い入れる場合、これと米との比率はどのくらいに考えておりますか。
○安孫子政府委員 この前の国会で御審議願つたのは、生産費その他物価事情を参酌してこの価格をきめるということで、御審議を願つたと存じております。
○竹村委員 たとえば最近の新聞等によりますと、麦の米に対する比率を引下げて五〇くらいにするということらしいのですが、そういう考えがあるのですか、ないのですか。
○安孫子政府委員 これは生産者と消費者の立場といろいろわかれておりますが、生産者の立場から申しまして、自由時代におきましては大体対米比価が六〇台ではなかつたかと思つておりますが、その前後におちつかせるということは、いろいろ議論はあろうかと思いますけれども、結論といたしましては、そういうところではないかと思つております。
○竹村委員 大体今度の輸入食糧のうちで、今いろいろ聞いた条件が熟しておるという面から考えても、ほんとうは小麦、大麦等の麦は米に振りかえるべきではないかとわれわれは考えるのですが、たとえば小麦等を輸入してこれを再び東南亜地区に出し、そうして米と振りかえて入れるというような構想はあるのですか。
○安孫子政府委員 粒食を非常に好む関係からいたしまして、できるだけ米を入れたいと私どもは考えております。しかしながら米と申しても、御承知のように南方の細長い米は、実は日本人の嗜好に適しないので、日本種の系統から申しますれば、加州米、ブラジル米、あるいはエジプトの一部というようなことになるわけでありますが、これは外貨の事情もございますし、日本人の消費性向の問題もございますので、その辺をいろいろ総合いたしまして米の輸入量を決定いたしたいと存じます。できるだけ多くはいたしたいと思いますけれども、消費者が非常に好まない性質の米を買い入れるということもまたどうかと思いますので、以上の関係からいろいろ考えて決定したいと思つております。
○竹村委員 大体二年くらい前から国内の小麦の生産を、事実上非常に抑制しておられる。その事実をはつきり申し上げますと、従来日本の小麦と大麦との価格の比率は小麦が非常に高かつた、一割、二割は必ず高かつたのであります。ところがこの国際小麦協定の問題が出かかつてから、たとえば政府に買い上げる場合におきましても、大麦よりも小麦の価格を低く押えておられる。こういう事実から、政府は国内の小麦生産というものを抑制して、外国の小麦を入れるということを二年前から計画しておられたのだと、私たちは考えておつたのですが、この小麦の価格を大麦より落した理由は一体どこにあるのか、この点をお聞きしたいと思います。
○安孫子政府委員 昨年大麦と小麦の対米比価をかえまして、小麦がその点において不利になつたのは、御指摘の通りでございます。この考え方は小麦を押えるという意味ではございませんが、配給辞退あるいは消費者の消費性向というものから逆に考えて参りますと、実体的価値がそういうところにおちつかざるを得ないという点から、そういう措置を講じたのであります。しかしながら、これはまた生産増強の面からいろいろ問題がございますので、この際あわせて小麦の生産の発展のために、いろいろ別途の財政支出をするというようなことを総合的に考えたわけであります。今後につきましては、もちろん小麦の増産を基本といたした対米比価を再検討いたしてみる必要があるだろうと考えております。
○竹村委員 今の答弁を聞いておりますと、事実上抑制したことはないとおつしやつていますけれども、昔から高かつた小麦を特に大麦よりも値段を押えておるということになりますと、これはやはり実際においては一つの政治的な抑制策です。先ほどから聞いておりますと、最低価格で買い入れるのは、大体対米価比を六〇%ぐらいに押えると言われておりますが、麦の生産費は、米とほぼ同じぐらいの生産費がかかる、こういうことが政府の出しておられる統計にはつきり出ているわけです。そういたしますと、政府は大体生産費を償うもので国内産を保護して行くと言つておられますけれども、割合はたとい六〇にきめられたとしても、生産費を割つていることははつきりしておる。この点について、国内の二毛作の地帯の保護あるいは農業の発展という点から考えて、生産費を計算してこれを買い入れるという方式で米の六〇%になりますならば、この価格は実際においては非常な相違があるのですが、この辺はどういうふうにお考えになりますか。
○安孫子政府委員 麦の生産費については、公式に農林省として発表したものではございませんけれども、いろいろ検討いたしますと、相当高い生産費についておることは御承知の通りであります。場合にまりますと、米よりも高い場合もある。生産費の議論になりますと、いろいろ問題がございますが、そういうことは拔きにいたしまして、コスト計算をすると、麦作は相当高い。それをなぜ六〇に押えるのだという議論が出て参りますが、自由時代におきまして、対米比価が大体そういうところにあつた、それでも相当の生産があつた。それから消費者の立場も一面やはり考えなければなりませんので、その辺を調整いたしますれば、大体六〇見当でいいのではないかという考え方をいたしております。もちろんだんだん話を詰めて参りますれば、生産者価格は八〇なり、あるいは九〇なり、あるいは米と同じにいたしましてそして麦作を奨励する。しかしながら、それではまた消費者の方ではたまらない。その間に二重価格をとるべきじやないかというような御議論もあるいは発展をすれば出るだろうと思います。そういうことを前提として私どもは考えておりません。そういたしますと、やはり自由時代における対米比価というようなものが一つの基準になると考えるべきではないか。もちろん麦作の奨励に一つきましては、価格面だけで解決すべき問題ではありませんので、そのほかの総合施策によつてやるべき問題であります。全部を価格面だけで解決するわけには参らぬだろうというふうに存じております。
○竹村委員 私は決して消費者の面を考えないということではないのです。これは大臣に聞くのがほんとうですが、現在の政府のやつておる資本主義、自由経済の法則からいいましても、元来資本主義経済の根本は、結局再生産をするための利潤ということが考えられるべきである。それに、そういう価格がきめられない。ところが農民にだけは、たとえば消費者の面も考えて、価格の面では生産費を六〇%で押える。そのほかのことでいろいろな施策を進めると言われますが、しかし政府の方ではあまり進められてない。この生産費、の四〇%の損失に対する補償は何らされていない。その場合に、たとえば消費者のためだというので、そういう形で価格を押えられますと、結局においては日本の麦作というより、むしろ日本の農家経済が破滅することは当然なんです。この当然なことをそのままにして、まあしかたがないからという形で放任されるということは、結局日本の農家を破滅さすことである。その方針がそのまま政府の政策として行われておると思うのですが、これに対してどれだけ具体的にそういう破滅を救うための施策が政府でやられておるか—実際はやられていないのですが、これに対してはしかたがないからこのまま進んで行くということは、結局現在の政府は農家の破滅するのをそのまま放任されるということになると思うのですが、この点はどうお考えになりますか。
○安孫子政府委員 農家経済が相当一時に比べまして、窮乏化いたしておることは御承知の通りでありますが、それをできるだけそういうことでないようにという意味で、麦等につきましても対米比価六〇程度の最低価格支持制度というものをつくりたいということを考えておるのであります。窮乏化を促進するためにそういうことをやるのだという意味ではございません。逆におとり願いたい。
○竹村委員 そういたしますと、たとえば麦の問題については先ほどから言つておりますように、配給辞退が出ておる上になお外国の小麦をどんどん輸入される、こういうことで野放しになつておるわけですが、しかし日本の食糧問題を解決するためには、まだまだもつとやるべき施策があると思うのです。たとえば日本の牧野あるいは山林等を開放して開墾するということになりますと、少くとも百万町歩くらいはふえるということが、一応いろいろな形において統計の面に現われておるわけなのですが、こういうことをそのままにしておいて、外国食糧だけをどんどん入れて行くということは、いかに政府が弁解されましても、結局は農家を破滅に追いやる結果になると思うのですが、この点はどうですか。
○安孫子政府委員 農家経済の破滅と申されますけれども、また外国食糧をどんどん入れるというお話でありますけれども、私どもとしては決してどんどん入れておるわけではありませんので、やはり日本の食糧事情を安定するために必要な程度の輸入をしておるのであります。それで輸入食糧を非常に減らしますと、現在の制度におきますれば、政府の買入れ価格以外に売ることは禁ぜられておるのでありますが、やみ価格は暴騰する。やみ価格の非常に高いことを望むような行き方は、私どもとしてはとるべきではないのでありまして、やはり国民の食糧全体の安定という点から、必要とするものは輸入すべきだという観点で輸入をいたしておるのであります。これは麦作農家を不当に圧迫するために輸入しておるのではない。その点ひとつ誤解のないようにお願いしたいと思います。
○守島委員長 竹村君、あなたの時間が来ましたが……。
○竹村委員 もう一点。今農家を圧迫するために入れて行くのではないとおつしやるけれども、しかし先ほども言われましたように麦の配給辞退が出ておる。配給辞退が出ておるということは必要がないということではないか。そういたしますと、こういう配給辞退が出て来るような現状のもとにおいて、さらに輸入をどんどんされるということは、結局において麦作農家を圧迫することになる。やみ価格をどうとかこうとか言われますけれども、先ほど言いましたように、たといやみ価格であつても、生産費というものは米の生産費に近い生産費がいるのだと農林省の統計がはつきり言つておるように決してそれは高くない、現在の価格は生産費を償つていないわけです。その上にどんどん輸入をされておるということは、われわれにはどうも納得できない。少くともこれが米で入れると言われるなら別ですが、しかし麦や小麦で入れるというところが、われわれはどうしても納得できないのです。それならばなぜ配給辞退が起るか、この原因は、一体金がないのか、あるいは米の配給辞退はないが一麦の方では配給辞退があるという現実を一体どういうふうに考えておられるか、そういう現実があるのに、なぜ輸入されるのか、その点がわれわれにはわからない。
○安孫子政府委員 これも御承知のことだと思いますけれども、配給辞退のおもなる原因は、私はやはり現在の統制方式が、変更すべき段階に来たことが一つの理由だと思うのです。配給辞退の地域別状況を見ますと、産地において多い。それは結局現在のプール計算方式による統制方式というものが、ある段階に参りますと、生産者価格よりも高くて消費者価格よりも安く、消費者が引取つて引合うという事態が出て来るのは御承知の通りと思います。そういう現象が相当産地を中心とした消費地において現われておる。これがために配給辞退が多い。これが大きな原因だろうと思います。そういう点から私どもはぜひこの統制方式の変更をやるべき段階に来たのじやないかということも考えておるわけであります。配給辞退が多い原因というものは、そういうところにあるのだというふうに了解をいたしております。
○守島委員長 連合審査会はこれにて散会いたします。 午前十一時五十三分散会