運輸委員会 第9号
- 発言数
- 29 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/11/07
会議録
○大澤委員長代理 これより会議を開きます。 委員長不在でありますので、私が委員長の職務を行います。 第十回国会閉会中の委員派遣報告を、御承知の通り第十一回国会の開会が特殊の国会でありましたため、今日まで聴取する機会がなかつたので、当委員会の国政調査の資に供するために、本日これを聴取いたします。 まず第一に岡村委員より願います。
○岡村委員 先般現地調査のため、関東、東海、北陸、信越地方へ派遣せられました委員を代表いたしまして、視察の概略を御報告申し上げ、あわせて所感の一端を申し述べたいと存じます。 派遣委員は、黒澤委員、畠山委員、飯田委員と私の四名でありまして、まず日程並びにおもな陳情について申上げます。 一行は七月十日上野を出発、小千谷到着後、ただちに国鉄信濃川発電所第三期工事を視察いたしました。小千谷においては、信濃川発電所第四期工事促進について、魚沼線復旧工事継続について、只見線全通促進について、只見線列車増発並びに上条駅、田中駅、藪神駅昇格について、小出駅に急行列車停車方について、同駅上りホーム上屋建築について等の陳情がありました。 翌十一日新潟に参りまして、海運局長、陸運局長、第一港湾建設部長、鉄道監理局長、自動車局長、第九管区保安部長より、それぞれ所管事項の説明を聴取いたしました後、海岸決壊箇所並びに新潟港を視察しましたが、この間松本弘代議士が、われわれと行動をともにせられ、説明の労をとられました。新潟においては、新潟港の水深十メートル維持に要する浚渫促進について、長岡、新潟間電化について、白新線実現促進について等の陳情がありました。 次いで十二日には、自動車により白新線の予知路線を視察の上、新発田に出たのであります。途中葛塚村で村民代表より、また新発田では市議会代表より、白新線について熱心な陳情がありましたが、新発田では元運輸委員の渡邊良夫代議士が種々あつせんの労をとられました。同日新発田より糸魚川に向う途中、車中において北陸、上越連絡鉄道について陳情があり、糸魚川では新潟、富山、長野三県関係者より、大糸線全通に関する熱心な陳情がありました。十三日バスに塔乗、雨を冒して大糸線未成区間を視察いたしまして、再び糸魚川に帰り、同地より金沢に向つたのであります。 金沢におきましては、まず駅長室で金沢駅改築計画について説明を聴取いたし、次いで光仙窯を訪れ、九谷焼を見学しました後、東山ホテルにおける旅館と観光懇談会に臨み、地元関係者と種々意見の交換を行いました。 十四日金沢発、七尾に至り、市役所において市長より七尾港について説明を聴取いたしました後、商工会議所における懇談会で、二十七年度七尾港修築計画について、七尾市、氷見間に鉄道敷設または国営自動車運行について、七尾駅舎拡張について、七尾線客車改善について、能登鉄道三明駅、能登中島間国営バス運行について、穴水、飯田間鉄道敷設について、鵜川港の整備について等の陳情を受けました。次いでランチで港湾を視察いたしました後、折からの快晴に恵まれ、海路和倉に至つたのであります。 翌十五日能登半島の突端輪島に参りまして、輪島港を視察いたしました。地元関係者は、同港を避難港に指定されたき旨熱心に陳情するとともに、七尾、輪島間を丙線に改修しスピード化すること、客車及び貨車の改良増発について要望いたしておりました。 同日輪島を後に富山に至り、富山港線、富山港を視察いたしましたが、同地海運支局楼上において、陸上荷役機械の増備、引込線の敷設、西突堤に燈台設置、富山駅の改築、鍋田操車場の設置、富山港線払下げ反対、高山線の電化、大糸線の完成等について陳情がありました。 次いで十六日には、高山線によつて猪谷に出まして、鉄道予定線視察のため、神岡鉄道により神岡町に至り、信飛鉄道敷設について陳情を受けた後、バスにより高山線国府駅に参りまして、駅の構内施設の改善について陳情を聴取いたしました後、高山に至つたのであります。 高山では駅楼上において地元関係者より高山線電化について、高山、松本間県道の国道編入について、信飛鉄道敷設について、高山線列車回数の増加、貨車の出まわり、老朽客車の改善について、産業及び観光資源の総合開発について等の陳情がありました。 かくて高山より列車により飛騨萩原に参りまして、跨線橋の設置その他駅施設の改善について陳情を聴取いたしました後、自動車により下呂に至つたのであります。下呂においては、中津川、下呂間鉄道敷設について、下呂、飯田間国営トラック運行について、中央線坂下経由下呂、飯田間の道路を国道編入について等の陳情がありました。 十七日、中津川、下呂間鉄道予定線視察のため、バスにより一路中津川に向つたのであります。時たまたま数日来の降雨に災いされ、道路橋梁等二、三損壊箇所がありましたが、沿線住民諸君は、われわれ委員の視察に遺憾なからしめんがために、急遽これが修理復旧に努められたのでありまして、その労を多とせざるを得ないのであります。かくてわれわれは下付知において、地元関係者の切なる要望に応じ、班を二分いたしまして、第一班は予定通り北恵那鉄道により中津川に出ることとし、畠山委員と私がこれに参加し、第二班はバスにより坂下に出ることとし、黒澤委員、飯田委員がこれに参加したのでありまして、この両班は予定線視察後中津川駅で合流いたしました。 次いで中央線により名古屋に向つたのでありますが、途中多治見において名古屋、多治見間電化について、池田駅において駅昇格について陳情がありました。名古屋到着後、鉄道監理局会議室において、陸運局長より所管事項について説明があり、名古屋駐在運輸支配人より飯田線バス転覆事故につき詳細なる報告がありました。翌十八日海運局において、局長より所管事項の説明を聴取した後、港内を視察し、港湾会館会議室で名古屋港整備に関する陳情を受けたのでありますが、名古屋においては、辻寛一、田嶋好文両代議士が終始行動をともにせられました。 次に、今回の現地調査に関する所見の一端を申し述べたいと存じます。 まず港湾関係について申し上げますと、今回視察いたしましたのは、新潟、七尾、輪島、富山及び名古屋の五港でありますが、新潟及び北陸の諸港と名古屋港とは、実に対照的な状態にあると言えると思うのであります。すなわち前者は戦後幾多の悪条件に制約せられ、港勢不振の一途をたどり、最近やや回復の兆ありとはいえ、なお昔日の面影なしと申しても過言ではないのに反し、後者は急激なる発展に対し、受入れ態勢の整備拡充に焦慮している状態にあるのであります。 新潟港の重要性については、多く述べるまでもないと存じますが、年々六十万立米に及ぶ流下土砂が港内を埋没すること、冬季激浪により外郭施設が多大の被害をこうむるとともに、東西両海岸が漸次侵蝕されつつあることは、依然本港の発展に重大な障害をなすものでありまして、特に港内の水深は最近ようやく八メートルないし七メートルを保ち得るに至つたのでありますが、いまなお一万重量トン級の船舶の出入には十分ではなく、これがため本港の背後にある幾多の工場は、所要貨物を京浜、阪神、門司等より陸送するか、または小型船により中継輸送している状態でありまして、関係官民は本港の繁栄上、水深十メートルを維持することが絶対条件であるとし、これに要する浚渫費の予算計上方を強く要望いたしておるのであります。 七尾港の修築計画、富山港の諸施設の改善計画等、いずれも戦後一変せる内外情勢により、不振に苦慮しつつある港勢を挽回せんとする努力の現われとして、新潟港に対する要望とともに、われわれは深い同情をもつて陳情を聴取したのでありまして、昔日の繁栄をとりもどすには、対満、対韓貿易の正常化にまつほかはないとも言えると思うのでありますが、あらかじめこれに備えるとともに、各種工場の誘致等がようやく実現しつつあるのにかんがみ、これら時代に恵まれない諸港の整備改善に一層の努力を払うよう、政府当局に要望するものでありまして、大陸及び半島との貿易再開にあたり、受入れ態勢の不備に周章するがごときことのなからんことを切に望む次第であります。 なお輪島港につきましては、われわれもまた避難港として好適であると考えたのでありますが、本港は去る九月二十二日政令第三百五号をもつて、要望通りの指定があつたのでありまして、地元の諸君もさぞかし満足されていることと存じ、われわれ委員といたしましても欣快とするところであります。この上は必要な調査等を可及的すみやかに完了し、諸施設を完備するよう当局に要望いたします。 次に名古屋港でありますが、本港は外国貿易の再開とともに港勢急激に進展いたしまして、取扱い貨物も年々増加し、本年に至つて月間五十万トンを突破、年間六百万トンと推定せられるのであります。しかるに現在これが荷さばきに対する施設は、月間最大四十五万トンの能力しかないのであります。すなわち雑貨用岸壁は三バースを有するのみでありまして、沖荷役用のはしけも戦前千隻あつたものが、現在三百六十三隻にすぎず、今後においてはもちろん、現在の需要にも応じきれない状態であります。よつて関係官民は、整備五箇年計画中、最も焦盾の急を要するものを取上げ、緊急整備三箇年計画として、本年度より二十八年度までにこれが実現を期しているのであります。この計画は海岸バースの増設及びこれに伴う諸施設の増備改善を含むものでありまして、その予算総額は三十四億八百七十万円、うち国庫補助十一億三千二百六十万円、地元負担十四億一千七百六十万円、民間負担八億五千八百五十万円であります。これに関連し地元関係者は、国庫負担金の増額、特定重要港湾の格付、地方債のわくの拡大、融資のあつせん、東臨港鉄道の敷設、貨車出まわりの円滑化等について、熱心に陳情していたのでありますが、このうち特定重要港湾の格付については、すでに実現したことを申し添えておきます。名古屋港の整備については、すべてを一挙に解決することはもとより困難と思いますが、本港の発展は、背後中部日本の産業の興隆に重大なる関連を持つものでありまして、わが国対外貿易に及ぼす影響も少くないと考えられますので、この際緊急を要する諸施設の整備については、国家財政の許す限り、特段の措置を講ぜられんことを望む次第であります。 次に、鉄道及び観光関係について申し上げます。今回視察いたしました鉄道建設予定線は、白新線、大糸線、飛信線、中津川、下呂線でありまして、陳情のあつたのが奥沼線、上越西線、能登半島の予定線であります。白新線は越後線関谷駅と羽越本線新発田駅とを結ぶ約三十二キロでありまして、そのうち関谷、上沼垂間約七キロはすでに完成、営業中であります。残された区間は上沼垂より新発田間約二十五キロでありますが、昭和十九年施工、約五〇%にして中止のままに相なつているのであります。本線は資源の開発と裏縦貫鉄道の輸送力増強という二大使命を有するものでありまして、われわれは全線を自動車により、つまびらかに視察いたしたのでありますが、沿線一帯は平坦で、全国屈指の米作地帯として著名であり、上沼垂より葛塚村に至る一帯には、天然ガスが豊富に埋蔵されているとのことで、経済価値も十分のように見受けられました。大糸線は中央線松本において分岐し、北陸本線糸魚川に至る路線で、本線は昭和四年起工後、新潟県側は小滝まで、長野県側は中土まで建設を完了、すでに営業中でありまして、現在未成区間約十七キロを残すのみでありますが、この区間も隧道、橋脚その他難工事と思われるものはすでに完成しておるのであります。本線は表日本と裏日本とを結ぶ短絡線でありまして、将来幹線の一つに数えらるべき重要路線でありますが、沿線には石灰石、石炭等の地下資源、豊富なる森林資源及び電力資源を有し、風光また明媚でありまして、資源開発線ないしは観光路線としての価値をも十分に持つものであります。さらにまた古来海なし県と称せられる長野県を海と直結することにより、長野県民に鮮魚その他の海産物を供給する最捷ルートともなり、一方戦後不振にあえいでいる北陸諸港の港勢回復に寄与するところも、決して少くないと考えられるのであります。従つて本線の完成は、新潟、富山、長野三県県民の年来の宿望で、その要望まことに切なるものがあるのでありまして、資金、資材、労力等の面において、地元の総力を結集して協力を惜しまない旨を、再三表明しているのであります。 信飛線は、高山線猪谷より神岡に出で、さらにこれを延長して上宝村を経て中央線松本に至らしめる構想をもつて、かように呼称するものでありますが、現在第一期工事として地元関係者の要望しているのは、猪谷、神岡間約二十一キロであります。この区間には、現に神岡鉄道という軌間〇・六〇九メートルの地方鉄道があり、旅客、貨物を取扱つているのでありますが、輸送力不十分なため、一般の輸送要請を満足せしめるに至つていないのであります。この予定線の沿線は、天然資源の宝庫でありまして、亜鉛、鉛鉱その他各種金属類の埋蔵量の豊富なので、世界的に有名な神岡鉱山があるのであります。そのほか千古おのを入れざる森林があり、また沿線の景観は、観光地としての発展を約束しておるのであります。第一期工事は、神岡鉄道の営業を継続しつつ新線を建設するよう地元では希望しているため、現存路線を利用しないこととなるので、建設費がやや割高になるのではないかと思われますが、地元民は相当額の負担を承知しておるのであります。本線は信飛線として完成のあかつきには、その重要性はさらに増すわけでありますが、第一期工事のみについて見るも、資源開発線として、かつ国鉄の培養線として全国屈指のものであるとの感を深くいたしたのであります。 中津川、下呂間予定線は、中央線の中津川駅から福岡村、付知村、加子母村、竹原村等を経て高山線の下呂に至る線で、本線完成後、さらにこれを延長して飯田に至らしめるよう、地元では要望しているのであります。この予定路線のうち、中津川から下付知までは、北恵那鉄道約二十二キロが通じているのでありまして、比較線として坂下、付知線約十三キロがあります。付知村、下呂間には、現在濃飛バスが一日五往復しておりますが、冬季積雪季には運転を休止するので、沿線村民は非常な不便を感じている状態であります。われわれは下呂から中津川及び坂下に向つて視察いたしたのでありますが、下呂、下付知間三十四キロには山脈の起伏があり、工事必ずしも容易であるとは考えられませんけれども、本線は高山、中央両線の短絡線としての意義のみならず、資源開発線としての価値も軽視すべきではないと思います。 鉄道新線の建設については、鉄道建設審議会において審議中であることは御承知の通りでありますが、建設費も比較的少く、しかも利害関係の広範囲に及ぶ大糸線のごとき、裏日本縦貫線の輸送力増強に貢献するところが大きいと認められる白新線のごとき、資源開発線としての信飛線猪谷、神岡間のごとき、短絡線として中津川、下呂線のごとき、いずれも諸情勢の許す限り、すみやかに建設すべき路線として推すに躊躇しないのであります。 次に能登半島についてでありますが、同地方の開発が著しく遅れているおもな原因は、交通施設の不備にあることを、今回の視察により認識を新たにいたしたのでありますが、この地方は近く国土総合開発法による特定地域に指定されるとのことでありまして、開発計画が具体化するときは、おそらく交通施設の整備拡充ということがまつ先に取上げられるのではないかと考える次第であります。今回の視察にあたり、鉄道予定線の建設促進、国営バスの運行等について熱心な陳情があつたのでありますが、これらはすべて半島の総合開発という線に沿うて考慮せらるべきものと思うのであります。 なお魚沼線、上越西線については、今回は遺憾ながら親しく視察する時間がなかつたのでありますが、魚沼線は信越本線来迎寺から上越線西小千谷に至る路線で、いわゆる撤去線の一つであります。また上越西線は、北陸線直江津から分岐し、中頸城郡、東頸城郡を横断して、上越線六日町または越後湯沢に至る路線でありまして、上越西線というのは仮称であります。この両線は、あるいは資源開発線として、あるいは短絡線として、あるいは積雪地帯の交通線として、それぞれ使命もあり、意義を持つものと推定せられるのでありますが、これら路線の建設については、われわれの受けた陳情と同様なものが、運輸省または国鉄にも提出されているとのことでありますから、当局において詳細検討の上、でき得る限り陳情の趣旨に沿うよう、善処せられんことを望むものであります。 次に、鉄道の電化について申し上げたいと存じます。電化について現在最も問題となつておりますのは電源でありますが、今回の視察にあたり、われわれは信濃川発電所筋三期工事を見る機会を得たのであります。第三期工事は、千手発電所放水路下流部で放水の一部を取入れ、これを延長十五キロ余の隧道によつて山本水槽に導き、有効落差四十八メートルの水圧鉄管を通じて流下する水によつて、発電機三台を動かす計画でありまして、最大出力は七万五千キロワットであります。われわれが参りましたときは、工事はほとんど完成し、水路隧道の通水試験中でありましたが、御承知の通り去る八月一日発電機二台を動かし、五万キロワツトの送電を開始しているのでありまして、これにより従来東京電力から買電した電力を補うことができるのみならず、高崎線の電化を完成してもなお余力があることになるのであります。なお二十八年度には調整池も竣工し、残余の二万五千キロワットの発電を行う予定とのことであります。 ここで申し添えたいことは第四期計画でありまして、今回完成した水路隧道と並行して同様な隧道を設け、発電機二台を増設して、さらに五万キロワツトの発電を行うという計画でありますが、引続きこの工事を行うときは、第三期工事に使用した設備と労力とをそのまま利用することができるのでありまして、五億円程度の工事費の節約ができるばかりでなく、工事期間も一箇年程度短縮することが可能で、着工後二箇年で完成の見込みであります。国鉄の経理面ないしは電力需給面から見て、今ただちに第四期工事に着手すべきかいなか議論のあるところと思われますが、国鉄の電化を促進すると同時に、民需用電力を直接間接に補うという大乗的見地において、この問題は国として考究すべきではないかと考える次第であります。 電化に関連いたしまして、観光問題にいささか触れたいと存じます。今回視察いたしました地方は、加賀温泉郷、美濃路、飛騨路として古来有名でありまして、豊富なる温泉と景観の美とをあわせ有し、観光立地条件を具備して遺憾がないのであります。今回は日時の都合上詳細に視察するひまがなかつたので、あるいは的がはずれているかも知れませんが、受入れ態勢、宣伝方法等になお研究の余地があるような感じがいたしたのであります。しかしながら最も大きな問題は、交通機関特に鉄道諸施設の不備でありまして、幾多の隧道、急勾配、車両の老朽等は、これら地方の発展上大きなマイナスになつていると考えられるのであります。鉄道の電化が、石炭の節約、輸送力の増強等の面から、産業の振興に貢献するところがきわめて大きいことは申し上げるまでもないのでありますが、講和後における外客の誘致、国民のリクリエーシヨンとしての旅行という問題の重要性にかんがみ、観光という見地においても、これら地方の鉄道諸施設の改善、さらに進んで電化について考慮せられんことを望むものであります。 なお鉄道施設についての陳情中、監理局長の権限に属するものについては、その都度関係局長に善処方を希望しておきましたが、臨時駅の昇格については、総裁の決裁を要することになつているそうでありますが、最近国鉄当局に確めましたところ、近く実現の運びとなるとのことでありました。 最後に申上げたいのは、国鉄の地方機構についてであります。大分時間もたちましたのもで簡単に申し上げますが、国鉄のいわゆる縦割制の可否については、いろいろ議論があるようでありますが、実施後一箇年の成果から見て、まず失敗であるという意見が多いようであります。今回の視察にあたりまして、われわれは努めて各方面の意見を聞いて参つたのでありますが、大多数の意見は、過般本委員会で行いました国鉄地方機構に関する聴聞会における各参考人の陳述を裏書きするものばかりでありました。しかも実際の業務をつかさどる国鉄職員のうちにも、新機構の不備欠陥を訴えるものが少くないという事実は、決して看過すべきではないと思うのであります。最近国鉄当局において、地方営業事務所と鉄道監理局の所掌事務の調整をはかろうという案があるとのうわさを聞いたのでありますが、機構の欠陥は、単に営業事務所のみにあるのではなく、経理、資材の面、監理局設置箇所等についても同様であります。われわれは今回の視察の結果として、国鉄はこの際弥縫的な改正によつて一時を糊塗することなく、抜本的な改正を断行して、国民大衆の不利不便を除去することが、国民の信託にこたえるゆえんではないであろうかとの感を深くいたした次第であります。 以上をもちまして、はなはだずさんではありますが、報告を終りたいと存じますが、われわれ委員一行が今回の視察にあたり特に感銘を受けたことは、地元民の政治に対する理解と熱意が並々でなかつたことと、祖国再建にきわめて熱心であることで、これは報告を終るにあたり、特に申し添えておきたいと存じます。 —————————————
○大澤委員長代理 この際国鉄総裁より、愛媛県下の国鉄バス事故につき発言を求められておりますので、これを許します。長崎国鉄総裁。
○長崎説明員 まことに遺憾なる事故につきまして、本委員会に御報告申し上げなければならなくなりましたことを、まず冒頭に私はつつしんでおわび申し上げます。 去る十一月三日、愛媛県東宇和郡野村町付近で、自動車の火災事故発生によりまして、三十三名の死亡者と重傷が八名、軽傷が八名という重大な結果を招来しましたことは、すでに新聞等で御承知と存じますが、まことに申訳ない次第でございまして、ことに事故によりましておなくなりになられた方方、負傷されました方々並びにその御家族の方々は申すに及ばず、国民各位に対しましても、何ともまことに申し上げようもない次第でございます。事故発生後、ただちに自動車局長を現地に派遣いたしまして、御遺族並びに負傷された方々の御弔問並びにお見舞を申し上げるとともに、事故原因の調査と将来の対策を考究いたしておりますが、何にいたしましても、貴重なる人命をお預かりいたしております交通機関が、かかる事故を招来いたしましたことは、何ともおわび申し上げる言葉がない次第でございます。 この事故の原因につきましては、本日まで当方の調査いたしましたところによりますと、運転士の座席のうしろに置いてありました映画フイルム十八巻が発火いたしまして、一瞬火となり、このような重大な結果になつたように報告を受けておる次第であります。ただ運転士も、またフイルムを所持して乗車された方も、まだ検察当局に連れて行かれたままでございますので、確実なる原因は判明いたしておりません。当日はその近在で秋祭りがありまして、乗客も超満員でございました。特に女の方々あるいはお子さんが多かつたのであります。そのために、その車には非常窓も設けてあつたのでありますが、爆発的な火焔のために、この事故をさらに悲惨な結果にいたしたように思われます。事故発生後ただちに付近の方々に、救護並びに消火に御尽力をいただきまして、その火災は約二十分で消火することができました。これら御尽力くだされました関係の皆さん方に対しましても、衷心よりこの委員会を通じてお礼を申し上げる次第であります。いずれ事故の原因が判明次第、機会を得まして御説明申し上げたいと存じますが、将来かかる事故のないように、万全の措置を講じるつもりでおります。いな現に運輸省からも通達がございましたが、フイルムの取扱いあるいは車両の改造等について措置を講ずるよう通達いたしました。今回の事故については、まことに何とも申訳なく、重ねておわびを申し上げる次第であります。 なおつけ加えて申し上げますが、遺家族の方々並びに負傷された方々に対しまして、それぞれお見舞あるいは御弔慰というようなことは、前例も参酌いたしまして、すみやかに処置を講じておる次第でございます。はなはだ遺憾なことでございまして、何ともおわびの申し上げようもございません。お許しを得まして御報告を申し上げる次第でございます。
○岡村委員 今回の事件は、今からいろいろ原因を御調査になることと思いますが、この前の桜木町の事故の起つたときの被害者に対しましては、どういうような処置をおとりになりましたか。
○長崎説明員 むろんお見舞その他の手続は全部済みまして、ただいまは全部片ずいております。
○岡村委員 そのお見舞の金額等はどの程度ですか。
○長崎説明員 ただいま詳しく存じませんが……。
○尾崎(末)委員 ただいま国鉄総裁から、今回の事故に関しての御報告があつたのでありまするが、この機会にちよつとお伺い申し上げておきたいと思いますことは、近年、特に最近こうした事故が頻発をいたします点につきましては、もとより国鉄当局におかれましても、あるいは運輸省当局におかれましても、万全と思われる手段は講じておられることと察するのであります。またしばしばそうしたことについての質問を申し上げ、御答弁も伺つておるのでありまするが、それにもかかわらず、こういう事故がしばしば出ますことについては、一体何が一番大きな原因か、こういうことについてあらましのお考えでも伺つてみたいと思うのであります。と申しますことは、もとより終戦以来の国民生活の状態なり、あるいは国鉄に従事いたします職員その他の人々の生活上、勤務上、そういう点において十分でない点があろうことは想像いたすのでありますけれども、申し上げますことは、こうした国鉄従業員の方々に、一つの強い信念と申しますか、国鉄精神と申しますか、そうしたものが欠如いたして参つておるのではなかろうかとさえ考えられるのであります。しばしば私これは予算委員会等においても論議をいたしたのでありますが、わが日本の鉄道が今日まで発達をして参りましたその中には、いろいろの犠牲やいろいろの努力があつたようでありますが、その中でわけて私どもの記憶に新たなところを、しかも記憶に新たであるのみならず、深いところのものを拾つてみますと、三つほどあるようであります。その一つは、かつて後藤新平鉄道院総裁が紀律中心主義という高らかな旗じるしを掲げまして、鉄道に携わる人々の、その執務の心得をことごとく紀律においていた。服装のごときも、今日から考えますれば、そういうことがよかつたか悪かつたかは別問題でありますが、海軍士官のごときかつこうをさせるほど、紀律中心主義によつて日本の国鉄というものの発展を強く促して参り、その次に相当期間を経ましたあとに床次竹二郎総裁が出て参りまして、大家族中心主義というものを唱えて、この旗じるしのもとに鉄道というものの非常に大きい発展を試みた。少し経まして仙石貢総裁が出まして、現場中心主義を唱えまして、そしてこの日本の鉄道をして今日のごとく仕上げて参つた、こうしたことを考えてみますと、従来幾多の総裁や大臣が出られました中におきまして、こうした特殊の思想と申しますか、精神と申しますか、こういうものを掲げて、そこに大きな力を注いで参つた時代においては、その時代のみならず、その時代の影響する範囲内におきましては、非常にりつぱに鉄道が運営されておつたように思うのでありますが、近年その局に当られる責任者の方々が、非常な努力をされるにもかかわらず、こうした事柄が頻発いたしますことは、まことに憂えにたえない事柄であります。新しく国鉄総裁としての六年をお引受け願つた長崎総裁には、何らかこうした根本的の問題についての御計画なり、お考えなりがありますか。非常にこれは迂遠な問題のように見えながら、しかも非常に重大な問題でありますので、こういう機会に、簡単でもけつこうでありますから、こうしたことに対する御所信を伺つてみたいと思うのであります。
○長崎説明員 近年事故がたびたび起るということは、まことに遺憾なことでございます。歴代総裁におかれましても、非常な御努力、御苦心をされたと存じますが、私も非常に心配をいたしておるのでありまして、これが一体どういうところに原因しているかということは、こまかく申しましたならば非常にむずかしい問題でございますけれども、しかし大ざつぱに申しますと、御承知のように、私は戦争前からずつと鉄道におつたのでありまして、ことに戦争中は、次官として置いていただいておつたわけでよくわかるのでありますが、この前の委員会でも申し上げたかと存じますが、戦争中には物資も非常に足りない、人手も弱体になつているというような関係等ありまして、施設の面においても、とにかく戦争を勝ち抜くために、何とか切り抜けて行くというような趣旨で、規格なり、デザイン、プランというようなものも、その当時の切抜け策ということでやつて来た面が相当あるのであります。ところがそれが今日になりますと、すでに十年、十五年と経過しておりますから、これに相当金をかけなければ、昔の鉄道の姿にならないので、そういう面で私はかなりすれすれのところまで来ているのではないか、こう思うのであります。第二には、何と申しましてもそれらの施設を動かすのは人間であります。昨日も国立の教習所へ参りまして、従業員諸君から選抜された若い学生諸君にお話したのですが、どんな指導的な機械ができても、どんなりつぱな装置ができても、これを動かすのは人間である。人間がそれらの機械や装置のめんどうをよく見て手当をしてやらなければ、間違いが起るのだ。人間の心持、人間の考え方、人間の働き方、これが非常な要素であるという話をして、どうかここで大いに勉強され、修行されて、一日も早く国鉄を元のりつぱな姿に帰してもらいたい、それがやがてわれわれが国民各位からお預かりしている国有鉄道をりつぱにお守りして、負わされた責任を全うするゆえんであるということを申したのでありますが、お説の通り先輩各位におかれまして、あるいは大家族主義とか、あるいは親愛主義とか、いろいろと大きなスローガンを掲げまして努力された功績は、非常に偉大なものがあると信ずるのであります。 そこで、一体お前はどう考えているかというお話でありますが、これも昨日教官の諸君に申し上げて来たのでありますが、やはりわれわれも何か一つのスローガンと申しますか、指導精神と申しますか、国鉄とはどういうものかということを、まず腹の中できめて置かなければならぬと思うのです。しかもそれはおそらく総裁自身必要であろうと思いますが、そういうことになると、私自身はなはだ不敏にして、そういうりつぱな目的というものを持つていないのです。また私がかりにそういうことを言えば、それは長崎流の国鉄になつてしまうおそれがある。そこで今私はひそかに考えているのですが、やはり歴史とか伝統とかいうようなことを申しますと、とかく頭が古いんだというようにとられるが、私はあえてそうじやないだろうと思う。なぜならば、国鉄の仕事というものは、レールの上を車をまつすぐに脱線させずに走らせればいいということであつて、それは昔も今もかわりがない。そういう意味から言いますと、私ども入つて以来教えられて来ました安全、正確、迅速、快適という四つないし五つの、われわれの守らなければならぬ信条があるはずなのです。それを守つて行けばりつばにやつて行けるのじやないか。さらにそれに加うるに何ものかを加えてもいいが、およそそういうことでやつて行けるのじやないか。今日大家族主義というようなスローガンを掲げることは、私はいかがと存じますが、しかしながら従来から言われて参りました安全、正確、迅速、快適というような言葉、そういうものを守つて行く。ことに今日のように事故の頻発する場合においては、安全と正確、確かであり確実であるということは、安全の母であると存ずるのであります。かような意味合いにおきまして、時あるごとにまず安全と正確、確かな仕事をして行くようにということを、申し述べておるような次第でございます。
○尾崎(末)委員 長崎総裁の御経験に基く御所見を伺つて、いささか安心いたしたのでありますが、先般の桜木町事件におきましても、ただいま総裁がお述べになりましたように、ひとり設備や機械等の不備、欠陥があるというだけでなくして、あの事故の発生するまぎわにおける職務に携つておる人々の心がけに、相当不備な点のあつたことも、国会における行政監察委員会、または検察庁におけるところの取調べ等においても、明らかになつて参つたのでありますから、ただいまお述べになりましたように、機械や設備の欠点、欠陥のみでなくして、これを取扱うところの人の精神に、相当の大きな影響があることは申すまでもないのでありますから、仰せになつたこの二つのものをよく組み合せ、しかもお述べになつた中で感じますことは、いわゆる時代が古いと言われるが、先に私が申し述べました紀律主義であるとか、大家族主義であるとか、あるいはまた現場中心主義であるとか、そういう時代のやり方が、今日にこれがうまく向くものであると申し上げたのではなくてその時代にはその時代に相応するやり方があるはずでありますから、お述べになりましたようなやり方を、精神部面と申しますか、大きく一つの雰囲気の中に積み上げて、これを大きく盛り育てて行く、こういう行き方をいたしまするには、昔の言葉にありますような温故知新、古きをたずねて新しきを新るという言葉は、いつの時代にもこれは適用さるべきはずのものでありますから、お述べになつたような方針を大きく取上げまして、この後万遺憾ないよう御尽力をくだされますように、この機会におきまして心から希望申し上げまして、私の質問を終ることにいたします。
○岡村委員 先ほど私の質問に対しまして、総裁が御存じないというお話でございますが。いわゆる桜木町事故に対する善後処置につきまして、御調査の上御答弁のほどを切にお順いいたします。
○長崎説明員 取調べまして、後刻御答弁いたします。
○石野委員 今自動車の事故についていろいろと御報告を受けまして、それからまた総裁のこれから後の問題について、国鉄運営の所信というものを承つたわけでございますが、特にこの自動車の事故は、別に国鉄関係だけではなく、全般としてバスの事故が頻発しているのが現在の事情でございまして、われわれとしては国の運輸行政の上からいつても、これは非常に重要だと思つております。特に国鉄といたしましては、愛媛県の事故を契機といたしまして、国鉄バスに対して特別な指示なり何なり、その事故防止のためになさつたのでありまするかどうか、その点についての御説明を、総裁でもどなたでもよろしいですからしていただきたいと思います。
○足羽政府委員 自動車に対する運輸省の方針でございますが、これは自動車局長から御返答申し上げる事柄と思いますが、私の知つています限りにおきまして、大体御説明を申し上げたいと思います。 実は非常に事故がよく起りまして、ことにことしの夏も、北海道ではフイルムの引火事故が、これは民間のバスでございますか起つた。そういう点については自動車局長から陸運局長あて、に、引火しくすいもの、あるいはフイルムなど、そういつたものの包装の完全でないものは、これを持ち込まないように、よく車掌を指導するようにという趣旨の通牒を出して、それらの事故の防止についての行政指導と申しますか、それについての通牒を出して戒めております。たまたま今回この事故が起りましたが、まさにそれに該当する場合でございまして、自動車局長の手でさしあたつて、爾今バスにフイルムを持ち込むことは厳禁するようにという通牒を、昨日であつたかと思いますが、地方の陸運局長あてに出したわけでございます。 それからなお、道路運送法に基くこうした持込みなどに対する取締りの運輸省令を目下立案中でございまして、これは実は今度の事故の前から立案中なのでございますが、近くその運輸省令が出ることになるであろう、こういうふうに考えております。 なお国鉄につきましては、前回自動車局長が通牒を出しました場合にも、その内容を自動車局長の方から、管下の自動車事務所長の方に全部下達して、やはりその点についての注意を促しております。それから昨日の自動車局長の通牒についても、同様の処置をとつております。
○石野委員 事故防止のために万全を講ぜられるよう特に要望いたしますが、ことにこの問題は、乗務員の緊張を欠いているという点も間々ある。たとえば飲酒等を過した等から起きている場合もありますが、そういうふうに積込みの荷物等が、不慮の災害を起す場合もある。なお国有バスとかその他いろいろな交通機関の整備が不十分であるために起る事故もあろうかと思います。そういう方面に対する万般の処置、配慮をしていただきたいということを、特にこの機会にお願いしておきます。 そこで、予算委員会の関係がありますので、一つだけ質問させていただきます。ちようど關谷政務次官がおいでになりましたので伺いますが、それは最近非常に石炭の不足が告げられて参りました。従つて国鉄運営の上から行きましても、将来石炭の不足を非常に危惧されなくてはならないような状態でありますが、こういう問題が起ることに、われわれは国鉄の電化問題が非常に重要であると考えるのであります。そこで電化に対する来年度における構想ということについての所信を承りたいのであります。それといま一つは、この電化の問題に特に関係のある常磐線の問題でございますが、關谷政務次官があちらに参りましたときに、相当金額のものが、確実に来年度電化工事費として予定されているということを言つておられるが、こういう問題についての当局の、来年度に対する所信というか、はつきりした見解をお聞かせ願いたいと思うのであります。
○關谷政府委員 電化につきましては、逐次やつて行きたいというふうに考えておりますが、常磐線につきましては、大臣におかれましても、極力これをやつて行きたいというふうに言つておられたようでありますが、この点は、今年度高崎線を完成いたしましたならば、将来は東海道線その他常磐線というようなところにも手をつけたい、こういうふうに考えております。
○石野委員 あまりくどくお尋ねするのはどうかと思いますけれども、關谷政務次官が先般茨城県に参られましたときには、常磐線の電化のために、七億くらいの金の用意があるという話をしておるそうでありますが、そういう問題については、実はお話がどういう状態になつておるのか承りたいと思います。
○關谷政府委員 私が参りまして、七億というふうな数字を申し上げたことはないのでありまして、原委員もよく聞いておられたのでありますが、七億というふうな数字は決してあげておりません。なおこれは極力早くやりたいのでありますが、予算の関係等がありまするので、安本あるいは大蔵省との関係がありますから、そういう方面についてもこれから努力をするのだ、こういうことを申し上げておるわけであります。
○石野委員 いずれにしましても、電化の問題についてはわれわれとしても相当考えなくてはならない問題でありまするし、特に常磐線はすでに取手まで、電車線でありますが進んでおります。特に石炭等の節約の意味からいいましても、あるいは土浦、水戸までの電化は第二期工事としてやつてもらわなければならぬと考えておりますので、この点について来年度の確実な作業は、どの程度までやれる見通しを今お持ちなつておられるかということだけ、ひとつお尋ねします。
○關谷政府委員 まだこの来年度の予算のわくがはつきりいたしておりませんので、その点は今何ともはつきりお答えのしようがないのであります。 —————————————
○大澤委員長代理 引続き調査報告を聴取いたします。黒澤君。
○黒澤委員 先般国政調査のため、近畿、中国及び四国地方へ派遣せられました委員を代表いたしまして、現地視察の概要を御報告申し上げ、あわせて所見の一端を述べさせていただきます。 まず最初に、調査班の一行から申し上げますと、坪内委員、岡村委員、山口委員及び私黒澤が全行程を視察し、途中鳥取で稻田委員が、神戸及び京都で大澤委員がそれぞれ参加せられたのであります。 次に行程でありますが、予定通り七月二十一日東京を出発いたしまして、兵庫、岡山、鳥取、島根、山口、広島、愛媛、香川、徳島、大阪、京都等、二府九県下における主要港湾の施設、海上保安状況、造船状況、国鉄運営状況及び国鉄建設予定線、その他運輸行政各般にわたり、つぶさに実状も視察、かたがた各関係部局長より所管事項の説明を聴取するとともに、各地元関係者から熱心なる陳情を受けまして、前後十一日間にわたる行程を終え、七月三十一日東京へ帰着した次第であります。以下視察いたしました順序に従い御報告申し上げます。 七月二十二日朝、神戸海運局に参りまして、ただちに海運局長、第五管区海上保安本部長及び第三港湾建設部次長から、それぞれ所管事項について説明を聴取の後、ランチで港内を一巡し、港湾施設をつぶさに視察いたしましたが、特に痛感いたしましたことは、現在外国貿易地帯の突堤の大部分は、連合国軍に接収されておりますため、外国商船が内国貿易地帯の兵庫突堤に殺到いたしまして、非常な混乱に陥り、荷役作業に少からず支障を来している実状であります。これが対策といたしましては、まず接収施設の解除方を懇請する一方、目下工事中の第七突堤の早期完成並びにはしけの増強をはかるべきであると思われるのであります。次に港湾法に基く港湾管理者の設立状況でありますが、当市は全国に先がけて、本年四月一日管理者が設立され、次いで七月一日、暫定的に国有施設の管理の委託を受けまして、港湾の管理運営に万全を期しております。 次に陳情関係を申し述べます。海運局といたしましては、接収施設の解除、第七突堤築造に対し見返り資金の融資、はしけの増強等を望んでおり、海上保安本部といたしましては、大型巡視船並びにヘリコプターの配置、通信施設の完備、燈台の増置、勝浦水路観測所の拡充、基地の整備、たとえば港外苅藻島に基地を設けられたいというのであります。また市当局といたしましては、接収施設の早期解除、第七突堤の完成、国有施設の恒久的措置、接収施設に対し補償料の支給、海技專門学院の商船大学への昇格等、いずれも熱心なる要望がありました。 翌二十三日姫路市に参り、姫路城下の迎賓館におきまして、市長初め地元関係者から鉄道監理局の設置、姫路駅の改築、明石、姫路間の電車化等について、熱心なる陳情を受けたのでありますが、鉄道監理局の設置につきましては、いまさら喋々と申し上げるまでもなく、すでに当委員会において、その必要性を認め。これが設置方の決議がなされたものでありまして、その経緯は、各委員におかれても十分御承知のことと存じます。近き将来必ず実現しなければならないものと確信してやみません。 次に、電車化の問題でありますが、その要旨を簡単に申し上げますと、当地方は、国鉄山陽線を根幹として、姫新、播但、飾磨の各支線及び山陽電鉄のほか、姫路を中心とする神姫バス、全但バスの路線がありまして、全国有数の運輸連絡上重要な拠点であり、しかもその背後地には、豊饒な農林産の宝庫を控え、産業の発展は目ざましら、また工業関係といたしましては、広畑製鉄所の再開、大日本セルロイドの拡張、東洋、敷島、龍田等、各紡績会社の飛躍的増錘、あるいはその他の工場も尼崎地方の地盤沈下の影響を受け、漸次当地方へ移転するもの多く、これら諸工業の発展に伴いまして、旅客の数は激増し、現在の輸送力では、とうてい円滑な輸送は期し得られませんので、これが対策として、京都、明石間の電車を姫路まで延長されたいというのであります。この区間はわずか三十二キロ余りの短距離で、しかも地勢はきわめて平坦であるため、比較的僅少な経費をもつて電車化が可能で、採算的にもすこぶる有利の見通しであります。この電車化は、単に一地方の問題でなく、京阪神に直結する大都市交通政策の一環として、優先的に考慮すべきものと考えられるのであります。 次に播磨造船所を視察いたしましたが、その概要を申し上げます。敷地は約十五万五千坪、建物約三万三千坪を有し、設備のおもなるものは、船台を五基、船渠三体を備え、目下造船中のものは、五千トン型、六千五百トン型の貨物船各一隻、油槽船では一万二千トン型、三隻であります。なお一万九千トン型の鯨工船を改装中で、近く最新式装置がなり、就航の予定でありまして、わが国捕鯨漁業界におきましては、その優秀な活動力を大いに期待しております。次に年間生産能力を申し上げますと、新造六万二千トン、修繕四十六万二千トンでありまして、わが国造船業界で屈指の地位を占めているのであります。 次に赤穂線につきましては、相生からバスによつて赤穂町を経て西大寺に至る間を、つぶさに現状を視察するとともに、係官から施工状況の説明を聴取いたしました。本線のうち相生、赤聴聞は約七〇%、赤穂、日生間は約二三%が工事完了したまま工事は中止され、以来地元関係者から工事再開方の請願が繰返されて参つたことは、皆様の御承知の通りであります。国鉄当局におきましても、本線の重要性を認め、かつ地元各位の熱望にこたえ、本年度から工事再開を決定いたしまして、七月十日地元民歓呼のうちに起工式を行い、相生、赤穂問から工事に再着手したのでありますが、岡山県香登町以西の路線が決定しておりませんので、岡山県知事を会長とする赤穂線促進期成同盟会から、香登町以西の路線を、同県邑久郡を経て西大寺町を経由するように決定するとともに、西大寺側からも工事に着手せられたいと熱心なる陳情がありました。 次いで岡山市に参りまして、県知事、市長、商工会議所会頭等から、宇野、岡山間の短絡線の敷設、上り三〇四〇号臨時急行列車を定期急行に切りかえ、勝倉線の完成、山陽本線にガソリン・カーの運転、岡山市内へ跨線橋の築造等について、それぞれ熱心なる陳情を受けました。 翌二十四日岡山鉄道監理局において、局長から業務概要の説明を聴取の後、鳥取市に向う車中で、津山市長から津山、倉吉、上井間の国営バス運行方の陳情を受け、鳥取市に参りまして、県庁において、知事、建部県議会議員、市助役、境町長、倉吉町長、山守村長、其の他地元関係者から、山陰線の電化、勝倉線の完成、智頭、上郡間の鉄道敷設、境港の整備、八橋駅の貨物取扱い開始、大正村並びに私都村に駅設置、東京行き直通列車の運転、貨車の増強、木材及び生果物に対する運賃の軽減、鳥取測候所の市内への移転方等について、それぞれ熱烈なる陳情を受けたのであります。 特に山陰線の電化その他二、三の点について、その実状を簡単に申し上げます。まず電化の問題でありますが、京阪地方と山陰地方とを結ぶ交通運輸の根幹をなす山陰線は、トンネルがきわめて多く、特に豊岡、鳥取間のごときは、延長一キロ九百九十二メートルの桃観トンネルを初めとして、三十六箇所もトンネルがあり、同区間の二四%がトンネルという、キロ程隧道では全国第一位であります。またこの区間は、急勾配の箇所がすこぶる多く、輸送力は著しく減殺されているばかりでなく、煤煙と蒸気の悪臭は、旅客並びに乗務員に甚大なる苦痛を与えている実状で、沿線各県民はもちろん、地元国鉄関係者もこぞつて、これが電化を熱望している次第であります。かかる窮状にかんがみまして、予算の許す限りすみやかに、本線の電化をはかり、輸送力の増産、石炭の節約、産業の発展あるいは観光、文化の振興を期する必要があると思われるのであります。 次に勝倉駅でありますが、この予定線のうち、関金から山守村地内までは、路盤工事は完了し、単にレールを敷設するばかりの状態になつたのでありますが、戦局の進展につれ、地元民多年の念願にもかかわらず、遂に工事は中止され、今日に立ち至つたのでありますが、この沿線には、千古斧鉞を入れない処女林が数万町歩にわたり、林産物の産出は無限で、また地下資源といたしましては、硅藻土並びに亜炭の埋蔵量は無尽蔵という、全国まれに見る一大宝庫ともいうべきであり、また地理的に見ましても、この路線は陰陽を結ぶ最短線であります。これが開通いたしましたならば、運輸系絡上多大に寄与するはもちろん、あたら奥地に死蔵されている数多くの重要資源は開発され、ひいてはわが国産業経済の発展を促進するところ少くないのであります。 次に智頭、上郡間の鉄道敷設でありますが、この区間はわずか五十八キロの短距離で、沿線は農産物が多く、人口もきわめて稠密であり、しかも経過地はおおむね平坦でありますので、建設費は比較的僅少で済み、従いまして採算的にすこぶる有利の見通しであります。この区間が開通いたしましたならば、鳥取方面から大阪へ参りますのに、約二時間短縮されまして、地方交通の利便は増進されるとともに、産業、経済の発展に寄与するところ少くないのであります。 次は境港の修築でありますが、本年度は事業費千五百六十六万円をもちまして、桟橋を築造しておりますが、当港は県下唯一の重要港湾として、港湾法によつて規定されたのでありますが、重要港湾としての機能を完全に発揮するためには、港内浚渫、護岸並びに防砂堤の築造等、さらに港湾施設の整備拡充をはかる必要があると思われるのであります。 次いで、玉造に向う車中で、国鉄労組米子地方本部執行委員長から、調停賃金の実施、労働条件並びに組合活動制限の強化反対、国鉄予算の合理的編成等について陳情を受け、玉造におきましては、島根県知事から山陰線の電化、山陰線の特別二等車の運転、身体障害者に対する運賃割引の範囲拡大、林産物の輸送増強、民間航空の大阪、松江間の開始、機帆船に対する燃料油の増加等について、熱心なる陳情がありました。 翌二十五日、出雲市において、市長から出雲今市、備後十日市間の鉄道敷設について、島根県飯石郡町村会長から国営バスの三刀屋駅、松江間直通運行方について陳情を受け、下関に向つたのでありますが、車中で浜田市長から、出雲今市以西に準急列車を運転せられたい旨の力強い要望を聴取いたしました。 翌二十六日、下関港に参りまして、港湾施設を視察の後、下関水産会館におきまして、市長、山口県会議所連合会会頭、下関商工会議所会頭等から、鉄道監理局設置、関釜連絡航路の再開、港湾施設の整備等について、それぞれ熱心なる陳情を受けました。特に鉄道監理局設置の問題でありますが、新機構発足後発生いたしました線区別の貨車需給調整の困難、山陽線の輸送手配の困難、播生操車場における貨車運用手配の困難、あるいは鮮魚輸送に与える支障等、幾多の欠陥は、新機構実施後すでに一年有余を経過した現在、依然として少しも緩和されず、一般荷主は経済的、時間的に少からず損害をこうむり、特に水産界及び石炭業界は、致命的な打撃を受けまして、その不利、不便は、一般消費者にも影響するところ少くなく、県民こぞつて鉄道監理局の設置方を熱望しているのであります。当市の立地的条件、輸送の特異性及び鉄道施設等の面から考察いたしまして、先に申し上げました姫路と同様、これが実現されなければならないと確信いたしたのであります。 次いで広島に向う車中で、岩国市長から、岩国、日原間の鉄道敷設促進方について陳情を受け、広島に参りまして、広島鉄道監理局において、鉄道監理局長、陸運局長、海運局長、第六管区海上保安本部長、山陽地方営業事務所長等から、それぞれ所管事項の説明を聴取の後、国鉄労組広島支部執行委員長から、調停賃金の実施、岩日線の完成、労働強化反対等の陳情を受けたのであります。 次に広島港の修築状況を視察いたしましたが、本年度は事業費二千九百八十万円をもちまして、物揚場八十メートルの修築、浚渫八千五百十三立方メートル、埋立一万六千二百十三立方メートルを行つておりますが、本港はかつて主として軍需品の積みおろしに專用されておりました関係上、一般商港としての施設が不備で、特に大型船に対する繋船岸壁が一箇所もないため、やむを得ず沖荷役にたよるほかなく、すこぶる不経済な荷役を行つている実状であります。なお市長から、あの恐るべき原爆の惨禍から雄々しくも立ち上り、全世界注目のもとに全市民一丸となつて、平和都市建設に邁進中の広島市の復興をさらに促進するため、港湾施設の整備拡充に格段の協力を願いたい旨の陳情がありました。 翌二十七日呉市役所において、市長から音戸瀬、戸開鑿、呉線の複線化並びに仁堀航路の存続等について陳情を受け、ただちに仁方並びに音戸町に参りまして、つぶさに現状を視察するとともに、地元関係者から実状を聴取いたしましたが、いずれも陳情の趣旨の切なることを痛感いたしました。特に音戸瀬戸の現状は、三百トン以上の船舶の航行はまつたく不可能で、呉港の発展に少からず支障を来しております。またさきに第七回国会において成立いたしました旧軍港市転換法の目的を達成するための一助といたしましても、すみやかにこれが開鑿をはかるべきであります。 次いで音戸町より海路高浜に渡り、松山港を視察いたしました。当港は内港と外港とにわかれておりまして、現有施設による荷役能力は約四十三万七千トンであります。一方山出荷を予想される貨物の量は、丸善会社、昭和工業、大阪曹達を初め、各種工業の発展に伴いまして、内港のみでも、本年度約六十万八千トンが見込まれまして、荷役力は少からず不足を来している実情であります。これが対策といたしまして、目下護岸の補強、港内浚渫、防波堤の築造を行つておりますが、これが完成いたしましても、増加の一途をたどる貨物の円滑なる輸送は、とうてい望み得ないのではないかと推測されます。今後ますます激増を予想される貨物に対応して、港湾施設の整備拡充をはかることはもちろん緊要でありますが、当港の現状にかんがみまして、特に外港における防波堤の完備並びに接岸設備の拡充をはかるのが、焦眉の急務ではないかと思われます。 翌二十八日松山駅において、松山市長から松山駅の改築方について、愛媛県貨物協会会長から、宇高航路の輸送力増強、生果物及び農業用器具機械に対する運賃の軽減方について陳情を受け、高松に参りまして、四国鉄道監理局長、高松陸運局長及び四国海運局長から、それぞれ所管事項の説明を聴取いたしました。 次に高松で受けました要望を申し上げますと、まず海運局長から宇高航路の輸送力増強及び機帆船に対する船舶検査の軽減について、次に鉄道監理局長から大型貨車航送船の配属について、また陸運局長から道路運送法の改正に伴い予算の増額及び陸運事務所の陸運局への復帰方について、鉄道貨物協会四国支部長から宇高航路の輸送力増強及び貨車新造の促進方等について、それぞれ熱心なる要望がありましたが、特に宇高間の貨車航送力の増強につきましては、四国各地で強く叫ばれている問題であります。試みに昭和二十五年度における一日平均の貨車航送実績を見ますと、八百八十七両の要請に対し二百五両という、実に輸送要請に対しましてわずか二二%しか輸送できない実情でありまして、今年度はさらにこれを下まわる見込みであります。今後出荷地域の拡大並びに各種産業の発展に伴いまして、輸送要請の量はますます増大することは明らかであり、この輸送力の逼迫を打開する方策といたしましては、さしあたり大型航送船の就航をはかる以外にはその道がないのであります。 なお陸運局関係の懸案といたしましては、四国総合開発の一環として、四国、本州間の自動車航送計画が立てられております。この計画は、鳴戸市から淡路島を経て明石市に至る、すなわち鳴戸、明石の両海峡を自動車航送によつて、四国と阪神間の物資交流をはかろうとするものでありますが、将来これが実現いたしましたならば、宇高航路の貨物の輻湊は緩和されるばかりでなく、四国地方における資源の開発並びに産業の発展に寄与するところ少くないことは申し上げるまでもありません。 翌二十九日徳島市役所に参りまして、市長から港湾施設の整備、徳島、大阪間の国営航路の開始、沼島に燈台の設置、公共船員職業安定所の設置、宇高航路の輸送強化等について熱心なる陳情を受け、次いで海運局徳島支局におきまして、所管事項について説明を聴取いたしましたが、当支局は機帆船会社の二階の一部を間借りしておりますが、事務室はわずか六坪余りにすぎず、書類の置場にさえ事を欠き、十一名の職員は辛うじて執務している状態で、事務遂行上支障を来すおそれがあるばかりでなく、関係業者あるいは船員等の部外者にも非常な不便を与えておりまして、職員はもちろん部外各関係者もこぞつて、独立庁舎の新築方を熱望しております。 次に小松島港を視察いたしましたが、本港の自然的条件はおおむね申分ありませんが、遺憾ながら大型船舶に対する諸施設が不足しているように見受けられます。たとえば荷役に最も必要な起重機は定置式で、しかも五トン以下のものが五台しかなく、また引船は小型のものわずかに二隻にすぎず、なお岸壁前の水深は六メートル程度で、大型船の接岸荷役はほとんど不可能の状態であります。一方小松島市の伸長は、一に港湾の振興いかんにかかつていると申しても過言ではないのであります。また県下唯一の重要港湾あるいは開港としての使命を全うするためにも、施設の完璧をはかり、大型船の入港を容易ならしめるべきであると思われるのであります。なお市長から港内浚渫、防波堤の蒿上げ、北港口の閉塞、魚類の物揚場の新設方について陳情を受けました。翌三十日大阪市において、近畿海運局総務部長から業務概要の説明を聴取の後、住友倉庫の屋上に参りまして、港内状況を視察いたしましたが、当港は昨年ジエーン台風により、港湾施設は甚大なる被害をこうむりまして、一時港湾機能はまつたく停止せられたのであります。その後、府、市当局を初め各関係官庁の懸命なる努力の結果、諸施設の復旧ぶりはまことに目ざましきものと見受けられますが、ここに一言指摘いたしたいことは、これら施設の復旧はもちろん必要でありますが、従来の苦い経験に徴しまして、目下工事中の隣接河川の河幅の拡大、臨港地帯の地盛り、防潮堤の増強及び排水施設の完備等、高潮に対する防災工事が完成されなければ、今後台風の都度巨額な費用と貴重な労力を費し、せつかく復旧された施設はたちまち壊滅に瀕し、災害が繰返えされることは明らかであります。よつて、まず関係各省と緊密なる連繋の上、根本的な防災工事の早期完成に全力を傾倒すべきであると認められます。 次いで大阪鉄道監理局に参りまして、局長並びに大阪陸運局長から所管事項の説明を聴取の後、吹田操車場に至り、施設並びに操車状況をつぶさに視察いたしましたが、当操車場は従業員千二百名を擁し、一日平均六千両の貨車をさばいておりまして、その取扱い数量は全国の第一位を占め阪神地方における貨物輸送に重要な役割を果しております。当局側の要望といたしましては、直接操車に従事する連結手の劇務のために、病気による欠勤者あるいは退職者続出し、現在八十名の欠員を生じ、操車能力が低下するおそれがありますので、これが対策として厚生施設を完備するとともに、欠員の補充方を強く望んでおります。 次いで梅小路機関区に参りまして、区長から業務概況の説明を聴取の上、陳情を受けましたが、その陳情の要旨を申し上げますと、当地は水質がきわめて悪く、汽罐用として不適当でありますので、水質改良について特別な措置を講ぜられたいというのであります。 次に京都駅の復旧工事を視察の後、洛陽ホテルに参りまして、府会、市公関係者から市内国有鉄道の高架線化、米原、姫路間及び山陰線の電化、舞鶴港の港湾施設の整備方等について、それぞれ熱心なる陳情を受けたのでありますが、特に市内国有鉄道の高架線化につきまして、その実状を簡単に申し上げます。東海道線が敷設せられました当時は、京都市の人口はわずかに二十三万人にすぎず、市街地もきわめて狭く、鉄道路線は市街地の南端に敷設されたのでありますが、その後文化都市として発展に発展を重ねるに従いまして、市域も数回にわたり拡張せられ、遂に人口も百十数万名をかぞえる大都市が形成されるに至つたのであります。しかるに鉄道路線は敷設当時の位置に置かれ、現在は市街地の中枢部を東西に横断する結果となり、交通、衛生、防災、観光あるいはその他の都市活動に少からず障害を来し、市民は莫大なる損害をこうむつておりますので、これを高架線に変更されたいというのであります。この路線を高架にいたしましたならば、幾多の障害による不利不便は解消するはもちろん、観光文化都市としての発展に貢献することは明らかであります。また一方国鉄側といたしましても、交通事故の防止に大いに役立つばかりでなく、市街地における勾配の修正により、道床その他の維持費の節約及び通過列車の石炭消費量の減少によりもたらされる利益は少くないと予想されます。よつて予算、資材等の許す限り、すみやかにこれが高架線化をはかるべきであると考えられる次第であります。 以上きわめて簡単でありますが、御報告を終ります。
○大澤委員長代理 次に山崎委員にお願いいたします。
○山崎(岩)委員 先般国政調査のため、東北、北海道地方へ派遣せられました委員を代表いたしまして、現地視察報告をさせていただきます。 本視察班に参加の委員は、黒澤富次郎君、岡村利右衞門君、玉置信一君、山口シヅエ君、柄澤登志子君と私山崎の六名でありまして、前後十四日にわたつて広大な東北、北海道の各地を視察し、至るところ関係官民の誠意に溢れた歡迎を受け、詳細なる地方事情の熱心な陳情等があつたのでありますが、本日ここに大要の御報告を申し上げます。 まず視察行程の大要並びにおもな陳情について申し上げます。去る八月三日夕刻上野を出発いたしまして、翌朝青森よりただちに青函連絡船に乗船、甲板より青森港の概況説明を聴取、次いで船内を視察し、渡道いたしました。半後函館着、札幌へ向いましたが、途中倶知安にて北海道炭の陸上輸送力増強並びに港頭荷役施設拡充につき、小樽にては小樽、岩見沢間電化、南小樽駅改築等につき陳情がありました。 五日には札幌市中を自動車にて一巡後、札幌鉄道監理局において、市長より青函航行の危険排除促進、正常運転実施、貨車配車の増加並びに回送の急速実施の陳情を受けた後、札幌駐在運輸支配人、札幌陸運局長、北海道海運局長、第一管区海上保安本部長代理より、それぞれ所管事項につき詳細な説明を聴取、北海道全般にわたる運輸交通の概況を承知いたしました。午後引続き北海道開発庁、道庁関係者より北海道開発五箇年計画による港湾、漁港、道路等の工事促進についての陳情を受けた後、札幌より鉄路名寄へ向いました。途中車中にて貨車増配並びに青函輸送力増強、札沼線復元促進、築別、遠別間、達布、添牛内間、芦別、深川間鉄道敷設促進の陳情を聴取、夕刻名寄に着きました。 宿舎にて少憩後、付近町村長より美深、枝幸間、北見枝幸、雄武間、築別、遠別間、羽幌、雨滝聞、士別、苫前間、士別、紋別間鉄道敷設につき、それぞれ熱心な陳情を深更に至るまで受けたのであります。翌六日北海道バター株式会社名寄工場を視察した後、名寄より旭川へ参りました。 旭川鉄道監理局においては、市長より上川、十勝三股間鉄道敷設、その他の陳情を聴取いたしました後、局長より管内全般にわたる説明を聴取いたしましたが、特に北海道国鉄職員の待遇改善につき強く要望されたのであります。終つて市中を自動車にて一巡、旭川を立ち、富良野に向いました。 夕刻冨良野に到着、ただちに町郊外旭台に登り、芦別山脈の山々を背に、雄渾にして雅趣に富む芦別平原を視察いたしました。北海道高原観光連盟理事長より、毎日新聞百景当選の富良野連峯を大雪山国立公園と同様、国立公園に編入方の陳情を聴取し、山をおりまして、町役場会場において付近関係町村長より金山、紅葉山間鉄道敷設、狩勝隧道の徹底的改修工事実施、狩勝峠より芦別山脈一帯を大雪国立公園に編入、観光道路整備、種子馬鈴薯の輸送確保等十数件にわたり、それぞれ陳情が長時間にわたりなされたのであります。 七日朝富良野発、登別に向いましたが、途中芦別町に下車、深川、芦別間鉄道敷設につき関係付近町村長より熱心な陳情を聴取いたしました。また滝川駅にては構内踏切りの立体交叉工事実施につき、苫小牧駅においては日高線に客車專用列車運転実施促進、苫小牧港築港工事促進につき陳情を受けたのであります。 翌八日は室蘭市役所において、市長より室蘭港の石油供給施設の改善、検疫所の設置、老朽施設更進、室蘭本線を幹線とし、急行及び直通列車の運転実施その他の陳情を聴取、また富川より占冠を経て御影または十勝清水に至る日勝線敷設促進の陳情につき、関係村長より説明を詳細にわたつて受けたのであります、午後、室蘭港拓殖埠頭よりランチにて港内を一巡いたしましたが、鉄道埠頭の石炭積込み機械の実動状況、富士埠頭、日本製鋼所の荷役諸施設、石炭船の沖荷役による船積みの状況等を視察の後、本輪西雑貨埠頭に上陸、虻田に向いました。 虻田駅より自動車にて支笏、洞爺国立公園、洞爺湖畔に至り、昭和新山の奇観を望見、湖上をランチで疾走し、中島を訪れ、その風光を賞美いたしました。夕刻宿舎にて、虻田または豊浦より洞爺、喜茂別を経て定山渓に至る鉄道敷設、観光諸施設、特に交通網の整備促進、その他の陳情を受けたのであります。 翌九日朝雨に煙る洞爺湖をあとに、虻田より道南、檜山半島の東瀬棚に向いました。途中長万部駅より当地方選出の川村善八郎代議士が同乗されましたが、同君は以後私ども一行が離道するまで同行され、この間の視察につき各般にわたりまして、犬馬の労をとられたのであります。また同駅頭にては八雲、熊石間の鉄道敷設につき関係町村長の陳情があり、午後東瀬棚に到着いたしました。ここでは関係村長等より東瀬棚、貝取澗間鉄道敷設促進の陳情を聴取、終つて瀬棚港に参りまして、船入澗浚渫作業を視察、自動車にて道南西海岸を南下、江差に向いました。 途中沿道住民より道南西海岸鉄道敷設促進の熱烈なる陳情が至るところでなされ、ために自動車もよく進み得なかつたのであります。同夜は宿舎において、檜山支庁長より道南西海岸鉄道敷設促進、江差、奥尻、久遠、瀬棚間社営連絡航路の安全航行確保、その他につき陳情がなされました。 翌十日は自動車にて、檜山半島の先端部である江差、上ノ国、大島、江良、松前の諸町村を通り、国営バス路線石崎線、建設未成線福山、松前両線を視察いたしまして、渡島大沢駅より鉄路函館に向い、二日間にわたる自動車旅行から解放されたのでありますが、途中江差においては江差港を視察、修築費増額の陳情を聴取、松前その他随所においては、福山、松前両未成線完通の陳情を受けました。 函館においては鉄道監理局において、局長より管内の状況説明の後、国鉄労組青函地方本部の代表者より国鉄職員の給与、諸手当の改善、青函航路浮流機雷対策確立前の夜間運航絶体反対等、真剣な陳情を聴取、次いで連絡船埠頭を視察、終つて市役所に至り、市長より青函航路の機雷対策の早急実施、青函航路の貨物運賃引下げ実施、するめ、いか塩辛の運賃等級の改正等につき、陳情を聴取したのであります。 翌十一日は建設未成線戸井線を視察、戸井村役場において完通促進、戸井線を延長して椴法華、臼尻を経て鹿部に至る環状鉄道敷設等につき陳情を聴取いたしました。午後函館港をランチにて一巡後、函館海上保安部の巡視船「だいよおまる」に乗船、津軽海峡を横断いたしまして、青森県の大間へ向いました、船中においては函館保安部長より管内概況、特に浮流機雷につき説明を聴取いたしました。 大間港においては、官民多数の歓迎を受けて上陸、大間港の修築費増額、大間、大畑間鉄道完通の陳情及び連絡船基地としての大間港拡張計画の説明を聴取、自動車にて建設未成区間を視察いたしました。 翌十二日早朝宿舎を出発、自動車にて桑畑、大畑間の建設中止線を視察、大湊においては、町役場前高台より旧大海湊港を望見、下北埠頭をまわつて付近一帯を視察いたし、野辺地港にては継続事業として野辺地港修築工事施行、野辺地駅拡張の陳情を聴取、次いで小湊港に参りまして、現作は遊休の状態にあります貨車航送施設を視察、町長より航送施設竣工以来、遊休放置されること七箇年に至る間の町当局の苦難困窮並びに開始方促進運動の今日までの経緯等、真情にあふれる説明を聴取いたしました。 青森市に参りまして、県議会応接室にて県知事、市長等と懇談少憩後、建設未成線津軽線を視察するため、自動車にて津軽半島の北端三厩へ向いました。途中奥内村、蟹田町には下車、現在着工中の蟹田線の進捗状態を視察いたし、また蟹田、三厩間の一部完成されている路床、隧道を窓外にながめ、夕刻三厩村に到着、村長等より重ねて津軽線完通の陳情を受け、ただちに青森に向け帰路につき、深更に至り宿舎に着いたのであります。 翌十三日は国営バス十和田線により、十和田国立公園を視察いたしました。途中、国鉄東北地方自動車事務所長より種々説明を聴取しつつ、酸ケ湯、睡蓮沼、蔦温泉、十和田発電所、石ケ戸と随所に車をとめては風光を探り、奥入瀬の渓流に沿うバス路線の状況を視察、子の口よりランチにて御倉、中山両半島に沿い、湖岸を疾走し、休屋に至りました。 翌十四日は十和田南線により毛馬内に至り、好摩を経て仙台に向いました。車中、盛岡鉄道監理局輸送長より、管内の概況を聴取し、好摩駅にては盛岡市長等より山田線災害復旧工事促進、建設未成線生橋線完通促進、貨車増備等の陳情を受けたのであります。 十五日宿舎において松島町長より、東北本線海岸まわり新松島信号所を一般駅に昇格の陳情を聴取した後、宿舎を出発、雄島五大堂より松島湾を望み、関係者より種々松島港の観光施設整備計画を聴取した後、瑞巖寺を参詣、終つてランチにて松島湾内を一巡、塩釜港に入り、港湾施設を視察し、第二管区海上保安本部において、本部長より管内概況及び塩釜港工事事務所長より港湾全般の説明をそれぞれ聴取、次いで市関係者より塩釜港を特定重要港湾に指定方、浚渫工事費、増額等につき陳情を受け石巻市長より三陸沿岸鉄道敷設促進並びに敷設法の別表を石巻起点に改正されるよう、公聴会を石巻市に開催されたい旨の陳情がありました。同所より仙台市陸運局に至り、局長より東北五県にわたる局内概況並びに要望事項を聴取、さらに鉄道監理局において、まず貨物協会宮城、福島両県支部長より貨車新造八千両の陳情を受け、続いて仙台駐在運輸支配人、仙台監理局長、東北営業支配人等より、それぞれ所管事項について懇篤な説明がなされたのであります。終つて仙台市、運輸省、国鉄等、関係官民合同主催の懇談会に出席、二週間にわたる視察における相互の健康を大いに祝したのであります。同夜仙台を立ち、臨時国会開会当日の十六日早朝、帰京いたした次第であります。 次に、今回の現地視察の所見の一端を簡単に申し上げます、まず第一に申し上げたいことは、申すまでもないことではありますが、地方国民の私ども国会への期待が事実きわめて大であることであります。すでに申し述べましたように、視察中受理いたしました陳情は八十六件の多数に上り、いつどこへ参りましても実に熱心に、地方民はその胸中の不満、不備の点を率直に私どもに表明し、要望されるのでありまして、地方国民の私どもに対する信頼はきわめて強いのであります。このことは当然ではございますが、これこそ民主政治の根本をなすものであり、私どもはその信託を決して裏切るようなことがあつてはならないのでありまして、責任の重大さを痛感いたした次第であります。 まず鉄道輸送力の問題でありますが、すでに申し上げましたように、本視察中至るところで貨車増備、複線化促進、駅舎拡張、青函航送の輸送力確保等の陳情を受け、また各監理局では、国鉄当局よりその実情の説明を聴取、種々要望を受けたのであります。北海道におきましては昨年秋以来、経済界の活況に従い、石炭、コークス、セメント、金属、紙等の輸送需要が急激に増大いたしまして、今年度第一・四半期には昨年同期の輸送実績より一五%増の、出貨予想六百三十九万トンをはるかに上まわり、七百八十万トンに至りまして、一方これに対し輸送量は全能力を出し尽しましてやつと六百三十一万トン、輸送需要に対し八二%であり、従いまして在貨も期首四十万トンより期末には四十八万トンに漸増いたしており、前年のそれに比較して月平均四倍となつております。輸送量は期首月二百万トンより期末月二百二十万トンと増送しておりますが、前年に比べて月平均一・二倍にすぎないのであります。特に青函航路経由本州行貨物の状況は、朝鮮事変前の輸送要請に比して、今年度は異常な増加を示しており、前年に比べ、月平均在貨は十七倍に膨張し、これに対する輸送量はわずか一・二倍の増加でありまして、その請求車対使用車の割合も四〇%を下るありさまで、滞貨は例年のごとく夏場に至つても緩和されず、目下一万両以上の申込み滞貨を持ち、うち一箇月以上も経過したものは三千両以上もある実状であります。このような輸送状況は、目前にばれいしよ、雑穀等の秋作並びに家庭用暖房炭の繁忙期を控え、まさに危機に直面しておるのでありまして、これが対策の樹立は緊急の重大事であります。すなわち現地当局者の要望せる貨車九百両の増備、青函航路の浮流機雷対策の科学的樹立による貨物船の夜間運航再開等を、すみやかに実施すべきでありまして、これが実現は単に北海道のみならず、日本経済の安定に資するゆえんであるのであります。 次に、書函航路の浮流機雷につきまして少々申し上げます。すでに申し上げましたように、本調査員の一行は海上保安庁パトロール船を利用して函館港より大間港に渡船、津軽海峡の最短距離を横断いたした次第でございまするが、その目的の一は、世上問題となり、本院においても論議いたされました浮流機雷に対するパトロール船の警戒状況の実態調査であり、他の一は、函館、大間間連絡に対する実地調査の目的であります。けだしこの企図たるや、議会開設以来の壮挙かと考えられます。由来津軽海峡における浮流機雷の問題は、朝鮮事変を機会として今に始まつた問題ではなく、今次大戦の終戦後も、約二箇年の長きにわたつて、この恐怖に追い込まれた経験を持つているのであります。従いましてこの問題は、たとい朝鮮事変が早急解決することあるとも、なお両三年間はこの恐怖の払拭に、万全の策を立てねばならぬものと判断してかからねばなりません。日本海方面の浮流機雷は、海流及び風向きにより、自然北海道沿岸に流れて参るのでありますが、昨年度、五月より十二月までには十個程度でありましたのが、今年に入りましては、六月までに浮流機雷四十二個、漂着十個、計五十二個と激増いたしまして、特に津軽海峡付近に現われた機雷は、五月中十四個、六月六個、七月四個、計二十四個を数え、ために書函連絡船は危険防止のため、五月九日より夜間運航を停止し、可動航送能力十六運航を十四運航にとどめましたが、これによる失力は七月末までに、貨車にして四千五百両、輸送量にして六万三千トンと推定されるのであります。かかる情勢に対しまして、第一管区海上保安本部においては、警備船の増補による特別機雷警戒を実施し、その他海流調査、機雷情報速報の実施等、対策に腐心しており、さらにヘリコプターの借用方を連合軍当局に懇請中でありますし、警備船の増置、見張所の新設等の計画を推進しているのであります。国鉄においても連絡船の見張り監視を厳重にし、救難訓練を実施しており、さらに夜間航行再開に備えて、探照燈の完成、防雷綱の作製、船員への諸手当、災害補償等につき研究中でありますが、一刻も早く科学的な対策が樹立され、円滑なる正常航送を期待いたす次第であります。 次に、東北地方における輸送状況につき、仙台鉄道監理局管内を取上げて申し上げます。当管内においても、昨年朝鮮事変前までは、在貨一万トン程度のものでありましたのが、秋ごろより上昇の一途をたどり、年度末には七万四千トンに至り、本年に入りましても在貨は減らず、輸送成績は最大限度に発揮いたしまして、前年に比し一・四倍も増送しているにもかかわらず、八月当初には在貨五万トンを上まわる状態であります。しかもこの発送成績の陰には、老朽車の酷使、乗務員の過労的作業等が強行されておるのでありまして、貨車増備、施設の改良は、まさに焦眉の急務であります。 次に、港湾関係について申し上げます。今般視察いたしましたおもな港湾は、函館、室蘭、青森、塩釜の四港と、その他瀬棚港、大間港、大湊港、野辺地港、小湊港であります。北海道の港湾につきましては、戦時中に放置された諸施設は、いまだ復旧整備の域を脱しない状態でありまして、さきに公布となりました北海道開発のためにする港湾工事に関する法律により、国におきましては特定重要港湾と同様、大幅の補助をいたしておりますが、いまだ十分な整備は行い得ない実情であります。特に主要港湾室蘭、小樽等の荷役施設は、老朽その極に達しておりまして、反面陸上貨物の海運転移は日に激増いたしており、特に石炭輸送に関しまして、早急な荷役機械の整備が緊要であります。当面の緊急措置といたしましては、室蘭港におけるトランスポーター一基、貯炭場等の新設、小樽港における荷役バースの増設、融炭設備の新設等は、強力に実施すべきものがあると考える次第であります。また東北地方の港湾も未整備のものが多く、大型汽船の接岸可能のものは数港を数え得るのみで、海運はために機帆船輸送の域を脱しない状態であります。青森港、塩釜港のごとき、東北の海の玄関として、背後地の条件にも恵まれている港湾においてすら、あるいは岸壁を欠除し、あるいは航路泊地の一部の水深の維持すら十分でなく、ために外国貿易船も港外碇泊、はしけ積取りをしている現況でありまして東北地方の開発が海運に負うところ大なる点を考えるとき、東北の発展はまず港湾の整備に重点を重く施策において、初めて成功するものと痛感いたしました。特に注意を払うべきは、函館港における書函連絡船用緊船岸壁は、四基設置されているのでありますが、その対と相なるべき青森港内岸壁は、三基の設備よりありません。従いまして四対四の荷揚げ緊船岸壁をフルに利用して、交互輸送の迅速敏活をはかるというわけには参らぬのであります。 ここにおいて、戦時中ではありますが、当局はこの欠陥を是正して、海陸輸送面に一大飛躍を遂げんため、陸奥湾内夏泊半島の東部に位する小湊港に、当時の金にして数百万円を投じて、緊船岸壁その他これに対帯する一切の設備並びに燈台に至るまで築造いたしましたが、その利用を見ずして終戦となり、今日なお宝の持ちぐされと相なつております。大港は冬季間、湾内特有の西方暴風雪を夏泊半島においてさえぎり、いかなる悪天候にも大風波を知らざる天然の良港であります。この良港に設備せられておりまする緊船岸壁及び可動橋に、多少の修理を加えて利用することにより、函館港の四基に対し青森側の受入れ四基となつて、海陸輸送の面に絶大なる好影響を与え得ることは、津軽海峡浮流機雷によつてこうむつておる輸送上の障害を、相当の程度まで除去し得るものと断言することができます。いわんや冬季間暴風雪大波浪のまつただ中にあつて、レーダーによる機雷の発見も困難となり、夜間航行の探照燈の機能もその価値を失うことあるべきは、火を見るより明らかなりと思惟されるにより、本設備を利用して、あとう限り昼間輸送にその重点を置かねばならないことは、朝鮮事変の経過に照して明瞭なりと申さねばなりません。 さらに小湊港の東部にあり、大湊線の分岐点に位する好辺地港における機帆船用の港湾設備は、小湊港とともに運輸港として築造せられたものでありまするが、本港の利用はもつぱら機帆船の運航に向けられるべきでありまするが、国鉄との連絡引込線も完備しておりまするので、青函連絡船による輸送力の補充を機帆船の利用にまつことも、緊喫の要務となつており、厖大なる北海道の農産物と本州における物資の交流輸送の部面に取上げらるべき重要課題と信ずるものであります。 戦後のわが国に取残された開拓の宝庫とも申すべき北海道と本州との連絡には、既存の青森港のほか、さらに最短距離として二つのルートが残されております。一つは下北半島大間港であり、他の一つは津軽半島三厩港であります。大間港は運輸港としてすでに数十万円を投じて防波堤の築造、海底岩盤の掘鑿等の諸工事を施行して参つたのでありますが、終戦後諸般の事情により、一時工事を中止しておりましたところ、本年度より三百五十万円を投じて工事の再開を始めた次第であつて、今後五百トン級の旅客連絡船数隻の繋船岸壁を築造し、防波堤百メートル程度の延長と港内浚渫により、連絡港としての面目を一新することができるのであります。本港竣成のあかつきには、函館との連絡においてわずかに一時間半をもつてなされるのみならず、津軽海峡並びに太平洋の魚田開発の基地ともなり、かつまた避難港としての使命をも果し得るのであつて、大畑線の完成と相まつて、北海道連絡に一新機軸を画するものと信ぜられるのであります。大畑線は大畑、桑畑間十六キロの工程は一〇〇%施行を見るにいたり、桑畑、大畑間十四キロは未着工ではあるけれども、特に難工事と思われる箇所はないのであります。よつて一には大間港の拡張工事をなし遂げ、次には大畑線の完成をはかることが、北海道連絡最短距離実現の要諦かと認めるものであります。 津軽半島三厩港は第二漁港の指定を受け、本年度においては既施設に対してさらに五百万円の工事費を投じて、防波堤の延長、海底浚渫を施行中でありまするが、二十七年度においても木工事が継続いたされまするので、本港竣工のあかつきには、単に漁港としての使命達成のみならず、避難港として、はたまた浮流機雷警戒根拠地として重要なる役割を果すはもちろん、対岸北海道松前線との連絡において、海陸運輸の面に及ぼす効果は、画時代的とも申すことができると信じます。むべなるかな国鉄当局、運輸当局においては、終戦以来最初の起工である二十六年度新線建設にあたり、本半島を縦貫する津軽線中、青森、蟹田間を取上げられましたが、本工事は幸いにもこの十一月末をもつて竣工、十二月初旬常業開始の運びと相なりまして、他方母数十年来の夢が実現せられたものであり、その感激の状態を現実に目撃することができたのであります。ついては蟹田、三厩間二十七キロは、その工程の六〇%が施工済みであつて、トンネルの掘鑿、鉄橋の橋脚等の難工事が完了いたしておりまするので、豊富なる地下資源、林産資源の開発と北海道連絡増強のため、蟹田、三厩間工事の継続方を強く要請せられておる次第であります。ちなみに国鉄当局において、津軽海峡海底トンネル掘鑿計画のため、数年間にわたり測量の実施をいたしましたが、海底トンネルは三厩港が起点と相なつでおりますることを付言いたしたいと存じます。 次に、今視察における陳情の大半は、鉄道建設の問題であり、私どもも努めて地方民の御要望にこたえるべく視察いたして参りましたが、東北、北海直地方の未開発資源を開拓し、産業文化を振興せしめるには、どうしてもまず鉄道建設をいたさねばならないことを再確認いたした次第であります。現在北海道においては建設中止線七線、復元線一線、予定線、請願線等の国鉄調査線四十六線ありまして、今回の視察において現地調査いたしましたのは、建設中止線の福山、松前、戸井の三線であり、現地調査はいたしませんが、地元より詳細説明を聴取いたしましたのは、建設中止線では辺宮内、遠羽線、復元線の札沼線及び調査線等十四線であります。また東北地方においては、建設中止線の大畑線、津軽線を現地視察いたしましたほか、現地より説明を受けましたものは、中止線の生橋線、気仙沼線、その他山田線等であります。いづれに参りましても、地方民から建設中止線の早急完通の強い要望とともに、戦後の新情勢に対応して予定線の一部変更、新たに編入等希望いたしておりまして、従来よりの予定線、調査線に対する観念を一掃いたしまして、まつたく新たなる観点から再検討すべきであると痛感いたした次第であります。三厩港の対岸福山線は、渡島大沢、松前間のわずか五・五キロが土工工事一〇〇%完成のまま、放置されておるものでありまして、これが完通には建設費わずか一億四千万円をもつて足り、しかも営業係数八十二と予想せられる採算線であります。また松前線は松前、原口間二十四キロでありまして、途中松前、館浜までの七キロは土木工事完成、残る十七キロも七割程度完成しており、この工事費に当局では七億一千万円と推定しております。また戸井線は五稜郭、戸井間二十九キロ中、二十六キロの瀬田来までは土工工事一〇〇%完成しており、全線完通工事費約七億七千万円と見ておりますが、常業係数の予想も概して悪ないのであります。次に、国鉄の経営、特に機構問題について申し上げます。昨年八月実施いたしました国鉄地方機構の改正は、公共企業体として発足した国鉄といたしましては、去る二十四年行いました未曽有の人員整理に次ぐ大改革であり、その徹底的な縦割主義、二段階体系、運転と営業の明確な分離、管理区域の独自的な区分等、従来の機構及びその観念を抜本的に改正いたしましたものでありまして、当初より縦割によるセクシヨナリズム化、運転と営業の実際上の分離の困難性、営業事務所の有名無実化、行政経済区域に適合せざる管理区域による弊害等が憂慮されていたのでありますが、たまたまかかる大改革の実施が、朝鮮動乱後の経済界の活況による輸送要請の激増期と合致いたしまして、国鉄内部の全国的機構改正に伴う混乱と、現有施設の老朽も影響いたしまして、莫大な滞貨を生じ、日本経済に甚大な悪影響を与えておりますことは、まことに遺憾のきわみであり、かかる大改革の実施が諸般に及ぼす影響の大なることを、国鉄は慎重に考慮すべきであつたのであります。しかも当初危惧いたしておりました種々の弊害も、実施後一年を経過しました今日、各所に現れておるのでありまして、特に青森県においては、経済の其盤たる交通を三監理局に分割管理されましてより、全県の行政経済の円滑なる活動はまつたく不可能となり、全県方の困惑は非常なものがあります。一方もつぱら運転管理の万全を期し、円滑なる海陸連絡輸送の実現をモットーとして発足いたしました青函監理局は、激増する輸送需要に応じ切れず、設置以前における六倍もの滞貨を生じておるにもかかわらず、輸送実績は以前に比してわずか二割内外増送しているにすぎないのであります。特に津軽海峡浮流機雷の危険により、輸送に与えたる打撃のいかに甚大なりしか。さらにこの危険と恐怖は、今後数年間継続するものと考えねばならぬゆえんのものについては、終戦後の経験に照して申し上げた通りであります。冬季間大暴雨雪にはばまれて、青函の交通途絶すること十数回に及ぶは例年の事例でありますが、国民の鉄道たる国鉄は、かかる地方事情を勘案して、さきに本委員会において決議いたしましたことく、国民の地方利便をはかる上からも、国鉄経営上からも、最も能率的と天下に是認されておりまする青森鉄道監理局設置を、早急に実現すべきであると確信いたす次第であります。 最後に、観光関係につき簡単に申し上げます。今回視察いたしましたおもなものは、支笏、洞爺国立公園、十和田国立公園の一部と、日本三景の一つである松島及び北海道の中央に位する富良野町の芦別平原等でありまして、いずれも天然の観光資源を豊富に有しており、国内情勢のようやく安定せる今日では、施設等も次第に整備され、また観光客も年々増加いたしておるのでありますが、いまだ不備なる点を多々存しており、地元民は観光による地方産業文化の発展を真剣に計画し、不備なる諸施設の整備、特に交通網の発達を熱望いたしておりますが、私どもといたしましては、文化国家建設という立場より、かかる地元民の熱意をむなしく枯らすことなく、りつぱに成就せしめるよう方途を講ずべきでありまして、ぜひとも国家的施策を強力に推進せしめねばならぬと痛感いたした次第であります。 以上大要を申し上げて、祝祭報告といたす次第でございます。
○大澤委員長代理 この際お諮りいたしますが、残余の班の報告につきましては、便宜上会議録に参照としてこれを掲載し、会議録を通じてごらん願いたいと存じますが、このとりはからいに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大澤委員長代理 御異議なければさようとりはからいます。 —————————————
○大澤委員長代理 なお現在内閣委員会において審議中の行政機関職員定員法の一部を改正する法律案は、当委員会の所管事項に関係がありますので、内閣委員会に連合審査会を申し入れたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大澤委員長代理 それではさよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十八分散会