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11回国会参議院1951/10/08

労働委員会 閉会後第5号

発言数
54
登壇者
10
会派数
4
開催日
1951/10/08

会議録

中村正雄日本社会党

○委員長(中村正雄君) 只今から会議を開きます。  最初に法務総裁が見えておりますので、ゼネスト禁止関係の法令の経過につきまして発言願います。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 御承知の滴りゼネストは現在特別の法令を以て禁止するという制度になつておりませんので、現在のこれに対しまする取締といたしましては、昭和二十五年の政令三百二十五号、即ち占領目的阻害行為処罰令によりまして取扱う。その根拠は、ゼネストに対しましては司令部の命令によつて禁止をするという扱いになつております。これに服従しない場合において只今申上げました政令でその処罰をするということに相成つておるのでございます。この政令はポツダム政令でございまするので、講和條約の効力を生じましたる後におきましてその効力について疑義がございますのみならず、仮にそのポツダム政令が有効であるといたしましても、その根拠となつておりまする連合国最高司令官め命令というものは、当然独立後の我が国といたしましては消滅いたすわけでございますので、これの取締につきましては全然法的根拠を失うということに相成るわけでございます。  この問題につきましては爾後におきまして如何なる取扱いをなすべきかということにつきまして、ポツダム政令全体についての再審査をいたす目的で組織せられておりまする内閣総理大臣の私的な機関と考えられておりますいわゆる政令諮問委員会におきましても種々検討せられました。その結果何らかの法的措置を必要とするのではないか。そうしてこの性質を考えてみまするというと、それは正当なる罷業権というものの範囲をきめ、或いは内容を決定するというような性質ではなくして、一般的な場合において正当と認められるところの罷業権の行使が国民経済全体、或いは国民生活に回復しがたいような重大な打撃を與える場合に、その国民生活に及ぼす惨害を予防するための措置であつて、これは必ずしも労働法規の当然の範囲と目すべきかいなか疑問がある。従つてこれについてはそうした別個の見地から法的措置を検討すべきではないかというような意見がまとまりまして、そうした趣旨の答申があつたわけであります。この答申の取扱いにつきましては、政府部内におきましてもいろいろ研究をいたしておるのでございまするが、只今までのところでは、私と労働大臣と話合いをいたしました結果、政府としてはポツダム政令の効力が消滅する前に何らかの法的措置を準備することが必要であろう。そうしてそれがためには法律が必要であるが、その法律案は一応法務府において研究をする。そうしてその法務府の研究を基礎にして、更に労働省と法務府とで研究して、政府の原案として討議すべきものを作り上げて行きたい。これを各省で討議した上で最終的に政府の法律案としてきめるべきではないか、こういう段取りを相談いたしたわけであります。  只今法務府におきましては、この労働大臣との話合いの結果に基きまして、法務府の検務局が主になりまして、労働省と連絡をとりながら、只今調査すべきいろいろの項目を検討中でございます。特にこの中におきまして問題となりますような点を考えて見ますと、先ず如何なる場合にこのゼネストに対する禁止的な措置をとるべきであるか、その場合を如何に限定すべきであるかという、これが第一に重要な点であろうと思うのであります。只今までの研究は、まだ法務府自体においても結論を得るに至つておりません。従つてまだ労働省と正式に話合いをする段階になつておらないのでございますが、主眼点といたしましては、罷業権の行使が国民経済、若しくは国民生活に対して回復しがたい重大なる損害を與え、これを危殆に陷れるという虞れがあるということが明らかに認めるに足りる十分な理由のある場合に限らなければならない、こういうような考えをいたしております。そうしてこれを法的に表現いたしますように、そうしてこの意味を十分に表現いたしますように、如何なる表現を用いればいいかということを今研究をいたしているようなわけでございます。もう一度ちよつとその点を申上げて見ますると、罷業権の行使によりまして国民経済、若しくは国民生活に対し回復しがたい重大な損害を與え、これを危殆に陥れる虞れがあると明らかに認めるに足りる十分な理由がある場合、こういう場合にのみこの罷業権の制限というものが許されるのではないかと考えられます。そうしてこれもあらゆる事業についてかような場合にはやるということが、果して適当であるかは問題でございまして、只今のところではこうした禁止を受けるべき事業というものは、或る種の制限が必要ではなかろうか、その制限として一応只今研究をいたしておりまする点は次のようなものに限つているわけであります。即ち公衆の日常生活に欠くことのできない運輸事業、電信又は電話の事業、水道、電気、ガスの供給、公衆の日常生活に欠くことのできない医療又は公衆衛生、銀行、石炭鉱業というようなものでございます。これらはなお十分に検討をいたさなければならないものと思つております。  それから前回も申上げましたる通り、この権限を行使する場合におきまして、たとえ各省を代表いたしまするところの政府の閣議において、閣議決定でやるという場合におきましても、それはややともすれば政府の一方的な処分というような誤解を受ける可能性が相当あるし、そういうような場合においてはやはりそういう誤解を受けること自体がこの趣旨に反するのではなかろうか、従いまして行政府に対します、或いは内閣に対しまして独立の機関において最終決定を行なわすということが、この法案を施行する上からいつて適当ではなかろうか。そういうふうに考えておりまするので、独立の機関によつてこの権限を行使するようにいたしたいということを前回も御説明申上げたと記憶いたしております。その線に沿いまして只今裁判所によつてこの禁止命令を決定するというような方法は如何であろうかという点を特に重点的に研究いたしております。そうなりまするとそれについての手続でありまするとか、或いは又最後にこの命令を如何にして周知させるか、或いは罰則をどの程度にするかというような点が附随的に考えられる点でございます。これらも併せて研究をいたしております。併しこれもでき得れば次の臨時国会に提案をいたしたいと考えまするので、法務府といたしましても早急に一応の結論を出しまして、労働省と正式にそれを基礎として検討をいたし、そうして政府案の基礎となるべき両省協定の要綱を決定いたしたいと、こう存じておるような次第でございます。その後準備がいろいろ重要な問題でございまするので、予期のごとく進捗いたしておらないことは甚だ遺憾でございますが、只今の取扱い状況を申上げた次第でございます。

中村正雄日本社会党

○委員長(中村正雄君) 御質問ありませんか。

堀木鎌三第一クラブ

○堀木鎌三君 大体この前お聞きしたところと進んでいないように思うのですが、この前お聞きしましたので大体政府の意図のあるところはやや判明しておるのですが、少しサイドを変えて御質問すると、この法案はこの前大橋法務総裁が言われたように、前段の部分は、実質的なものは本当を言えば労働省の主管する事項なんでございますね。これは大橋法務総裁も認められたと思いますが、つまり経済問題に関連して普通の労働争議という形で起つて来る、そして一方から見れば正当な罷業権の行使だというふうな点から見れば、これはずつと前段起つて来ておる過程は労働省の所管の仕事だと、こういうふうに考えられるのですが、それ川が先ほど言われたように国民経済なり国民生活を危殆に陷れるというふうな点になつて、初めて取締的な考え方というものが出て参る。そうなるとこの全体の一連の、何といいますか、事件と申しますか、不可分な事実について問題を処理して行くのは法務府の所管でありましようか、或いは労働省との共管の形になるものでありましようか、そういう点はどうお考えになりますか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) この種のゼネストにおきましては、これは罷業それ自体は正当なる罷業権の行使として当然労働省の監督の下に行われる。そしてその罷業、つまり争議の経過から見まして、将来の発展によつて国民経済若しくは国民生活に回復しがたい重大な損害を與え、これを危殆に陷れる虞れがあるという点になりますると、各方面の産業関係の各省、或いは国民生活関係の各省、こういつた恐らくこれは何省の問題ということよりも、そういう重大な事態に相成りますると大部分の省に跨つて、それぞれの省の仕事に直接間接の影響を與えるようなことになるのではないかと、こう思うのでございます。従いましてこれらの点から見まするというと、これは殆んど政府全体の共同の所管に及ぶというような事柄ではないかと思います。ひとり法務府で管轄すべき、或いは法務府と労働省の共同所管だというような問題よりも、もう少し大きい政府全体の共同所管というような性質を帯びて来る場合が一般的ではなかろうかと存ずるのであります。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 只今の御説明で、この前も伺いましたことで、政府のお考えは大体わかつたのでございますが、国民経済なり国民生活を破壊に陷れるというようなそういう認定、或いは個々の場合におけるそういう法の発動なりをきめますということが、非常に重大な一線だと思うのでございますが、只今伺うところによりますると、特別の機関を設けるという御意思のようですが、少しそれの御構想を詳しくお伺いいたしたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 只今のところ特別の機関というよりも、むしろこれはやはり独立の機関であることが必要である。実はこの前申上げました通り、行政府の監督下にある特別機関ということも随分研究はいたして見たのであります。併しいろいろな法律的な点を考えて見ますると、行政部内におきまする如何なる機関といえども、結局政府の責任においてやられることになるわけでありまして、それに決定的な権限を與えるという場合におきましては、国会に対する政府の責任という点からいいまして、法律上いろいろな難点があるように考えられるのであります。そうなりますと、何か独立の委員会を作りました場合におきましても、これに全権を與えるということは国会に対する政府の責任という点から言つてもむずかしい。そうなれば結局においてその機関は諮問機関のごときものになつて行く、結局諮問機関の性質上ただ意見を聞くだけであつて、それに拘束されずに政府が独自の判断をする、そうして決定をする、こういうような仕組に相成るわけでございます。それで只今の研究といたしましては、それならばむしろ政府から独立いたしておりまするところの裁判所においてこれを決定するようにしたらどうであろうか。現にアメリカにおきましてもこの禁止命令、即ちインジャンクションというものは裁判所の命令として出ることに相成ると思います。これならば本当に政府の一方的な権力の発動ということでなく、それが真に公平なる第三者によつてなされたものであるということが名実共に明らかに相成る、こう思われるのであります。そこで手続といたしましては、政府の要請によつて裁判所が判決によつてこれを決定するというような方式にしてはどうかということを今研究いたしております。但しこの場合におきましても、政府がいよいよ裁判所にそれを申請いたしまする場合において、現在ありまする各省の機構を基礎とし、閣議によつてこれを決定して申請をするだけで十分であるかどうか。その間において専門家を集めました特殊の機関というものに一応諮問して見る必要があるかどうかという問題があるわけでございます。この点は別個に研究をいたしております。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 只今禁止命令は裁判所によつてというお話でございますけれども、今の裁判所でそういう専門的な罷業などに関する公正なる裁判ができるかどうか。家庭問題については家事裁判所がございますように、特にこういう労働問題に対してのいろいろ專門的な問題を処理いたしますために労働裁判所というようなものに対するお考えはございませんでしようか。その以前に、今の普通の裁判所でこういう特別な場合の公正な処理ができるかどうか、どうお考えでございましようか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 只今法務府といたしましては、特に労働関係の問題のために労働裁判所を作るという考えはございません。現に労働関係の各種の事件は通常裁判所において処理をいたしております。このゼネストにつきましても、裁判所によりて権限を行使するという場合におきましては、現在の裁判所でやり得るのではないかと考えております。

堀木鎌三第一クラブ

○堀木鎌三君 今の問題に関連してもう一つお聞きしたいと思うのであります。今法務総裁自身がみずから、幾分何と言いますか、自問自答をされるような感じなんですが、裁判所が発動をするという前に他の機関を一つ諮問として使うと、アメリカのインジャンクションにしても調査委員会というものがあるというふうな考え方からものを考えて行かないと困るのじやないかと私は思うのですが、それに労働問題に関しては、不当労働行為に関してはすでに労働委員会の公益委員が判定する機能を現にやつているわけでございますね。そういうふうなものについて裁判所が扱うと仮に仮定したときに、労働委員会の公益委員に一つの役目をさせると、或いは判定自身もそういうものにさせるというようなお考え方はありませんか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) まだそこまで詳細に研究が進んでおらないのでございますが、只今のところでは、これは最終的な決定は裁判所の裁判によつてやりたい。ただそれに対する政府の申請は、これは一つの大臣の專権に属せしむべきものでなく、恐らく政府の閣議決定というような形で、関係の各省の十分な連絡を経た上でやつて行くべきものであると、こう考えております。而してその閣議決定に至る準備段階といたしまして、この問題について調査判定をする特別な機関を設ける必要があるのではないかということを私としては考えておりますわけでございます。この点について、これを如何なる機関とするか、現在ありまする労働委員会にその権限を與えるか、或いはこれがために特に新たな機関を準備するのが適当であろうかという点は研究をいたしておるわけでございます。

堀木鎌三第一クラブ

○堀木鎌三君 いずれにしても一つの事務局を持つた相当機能的なものが必要だと思うのでございますが、と同時に今言われたような、若しも何と申しますか、中央労働委員会の公益委員というようなものに一つの機能をさせるとするならば、この問題は今度の労働法規の改正と併せて考えなければならん一つの問題だと思う。はた又労働省自身が今考えておるような労働法規の改正というものから見ますると、いわゆる公益事業についてのみならず、公共企業体労働関係法その他各般の労働問題について、委員会として仲裁まで発展させよう、仲裁が相当の任意仲裁だけでなしに行こうというふうな考え方を持つておるのと併せますと、そういう問題についてもやはり併せて考えなければならん問題ではないかと、こう私は考えるのであります。それで特にお聞きしたわけなんですが、まあ私自身はこの判定機関がどういう人によつて構成され、その判定機関についてどれだけの独立性を持たせるかという問題によつて、この問題に対する右か左かの問題が非常にきまつて来る、法案の運命がきまつて来る、性格がきまつて来ると、こう考えておるのですが、成るべくそういう点について至急御意見をお述べを願いたいと思つておるのです。これは前にも申上げたわけですが、その点だけ特に併せて申上げておきたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 只今の堀木委員の御見解に対しましては、私も全く同感でございまして、成るべく早くそういつた現在の労働関係の判定機関との関係を明らかにしたいと思つております。併しそれは労働省と私どもで一応いろいろな問題についての基礎的な法律問題を取調べました上で、労働省とそれを基礎にして案作成するための相談をすると、こういうことになつておるのでございますので、その労働省との相談の段階におきまして十分にその点の目的を達したいと、こう思つております。実はまだそこに参りまする本当の予備的な段階として、法務府といたしましていろいろな法律問題について専門的な見地から調査をいたしておるようなわけでありまして、実はまだそういう点から申上げますると、この委員会におきまして政府の或る程度の考え方としてお答えを申上げる段階にはなつておらんかと思うのでございますが、併し事は極めて重大な問題でございまするし、又只今の法律の立て方は、法律はむしろ国会自身がその責任においてお作りになるものでございまして、まあ政府の立場は原案を御参考に提出する程度でございまして、皆様がたで御研究を頂くべき事柄と思います。そういう意味におきまして、委員の皆様の立法上の御研究の一端といたしまして、私どもはこういう点に問題があるとして研究をいたしておるということを御参考に申し上げる程度でございまして、まだ政府案の要綱というような形で御審議を頂くという意味で申上げたわけではないことを御了承願いたいと存じます。

堀木鎌三第一クラブ

○堀木鎌三君 くどいようですが、これはもう大体大橋総裁も呑み込んでおられるように思うのですが、先ほど言われたように、政府の一方的の処分というものはとかく誤解を受けることであり、誤解を受けることと自体が事件の正常な解決を妨げる虞れがあると、これは私もここ数年間労働問題を扱つて来て痛切に考えるのですが、政府が労働問題に直接タッチして、その対立した関係に立つということは、労働問題自身を政府が一番お好みにならない政治的に持つて行こうとする傾きを誘発しやすい問題であります。だから私どもの考え方は、政府が直接に相手方にならんようにと、相手方になる、場合には、極端に政府自身の一方的な判断が構成されたという印象を與えないようにすることが問題の鍵だと思うのです。ですからその点については大体お考えになつておるように思いますが、是非その点については初めの原案のときから愼重を期せられたい、こう考えて、この点は特に御注文をいたしておきます。  それから二番目にお聞きすることなんですが、従来の労働問題で、公益事業と目されるところの事業以外にも相当今のお話だと範囲が広汎に及ぶように思われるのでございますが、事業の種別でございますね、そういう点についてそうお考えになつておるでありましようか、どうでありましようか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 実は観念的には大体現在公益事業と指定されておりますものを以て足りるのではないかという根本的な考え方です。但し現在公益事業として指定されておる指定も、これで果してあらゆる場合において十分であるかどうかということは、なお研究の余地があるのではないか、この法案におきましては、そうした将来公益事業として指定されるというような必要のある事業が、現在明らかになりましたならば、それをもこの際に含めておくような、具体的に或いは抽象的な、いずれかの方法によつて含めておくような措置を準備いたしておきたいというだけでございます。原則的に公益事業以外に何でもやれるということは毛頭考えておりません。

堀木鎌三第一クラブ

○堀木鎌三君 公益事業は現在労働組合法にきめてあります以外のものをお考えになる場合には、労働組合法の公益事業のほうも入る、両方が一致する、こういうことなんでしようか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 私のほうで只今研究いたしておりますのは、ゼネスト禁止法案の労働省と相談する、その相談すべきポイントを、特に法務府の立場で研究いたしておるのであります。労働組合法における公益事業の範囲という問題を今取上げておるわけではございません。従いましてこの問題はこの問題だけでやつておるのであります。将来これによりまして労働省がどういうお扱いをなさる御方針であるか、この点はまだ打合せをするところまで参つておりません。

原虎一日本社会党

○原虎一君 今大臣の答弁に関連して、幸に労働政務次官も出席されているのですが、今までの説明を聞いておりますと、ゼネスト禁止法という名称ではないが、ゼネストを取締るための法律を作る、その取締るところのいわゆるゼネストとは何ぞやということになれば、国民経済を危殆に陷れるようなストライキだ、それを今から対象産業を考えればガス、水道或いは電気というようなものじやないかというようなことになつて来ますと、ゼネストとは何ぞやという問題、これについて例えば具体的に申しますと、炭鉱労働組合が炭労を作つて、これは日本の炭鉱労働者の八〇%乃至九〇%を組織している、これがストをやる、これは厳密に言えば連合体です。これは賃金要求を連合して業主団体へ要求を出して、業主団体と協約を取交して行くのが労働組合の常道ですし、それが私が言うまでもなく、労働組合の高度に発達して行く途なんであります。そういたしますと、炭鉱、石炭産業それに自体が危殆に瀕すると認めるときには、これを禁止するという法律の建前で行けば、これは私はゼネスト禁止法ではない、ですから名前はゼネスト禁止法のごとく言うけれども、事実は一産業のゼネストを禁止するという意図を持つておるのじやないか。それがために重大なる日本の経済を危殆に瀕するようなものと認めたら禁止する。丁度今の公共事業、公益事業を労働大臣が禁止すると同じようなことに私の考えは浮んで来る。私に言わせれば、言うまでもないことでありまするが、ゼネストとは何ぞや、数産業が一時にストをやらなければならんと思いますが、どうもゼネスト禁止法ならばそうなつて来る。今大橋法務総裁の御説明によると、その辺がぼやけておる。この点を私の考え違いかも知れませんが、今までの御説明ではどうもぼやけておる。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 只今の原委員の御意見には私く同感でございます。先ほど申上げました程度においては、例えば水道、電気、ガスの事業がゼネストだ、ただこれだけを見ますというと、田舎の小さな都市のガスでも、これはとめればゼネストだ、こうなりますが、そうしたものではないので、やはりこれは全国的な国民経済全体というものに重大な回復しがたい損害を與えるというような場合に限られておるのじやないか。それで先ほども申上げましたる通り、かくのごとき表現において、果して我々の言いたいとする真意が表現されておるかどうか、この点はなお研究いたしておるのでございまして、只今お述べになりました御意見も十分参考としてなお研究を重ねたいと思います。

堀木鎌三第一クラブ

○堀木鎌三君 原さんいいですか。原さんの質問に関連してちよつと……。さつき労働組合法と言いましたが、労働関係調整法の第八條において、この法律において公益事業とは、左の事業であつて、公衆の日常生活に欠くことのできないものをいう。  一 運輸事業  二 郵便、電信又は電話の事業  三 水道、電気又は瓦斯供給の事業  四 医療又は公衆衛生の事業  第二項で、「内閣総理大臣は、前項の事業の外、国会の承認を経て、業務の停廃が国民経済を著しく阻害し、又は公衆の日常生活を著しく危くする事業を、一年以内の期間を限り、公益事業として指定することができる。」こういうふうになつておるのですが、全国的な規模にこれが従来とも起つた場合に、例えば運輸事業で全国的な罷業が起りました場合にも、従来のこれは公益事業として労働関係調整法の対象になるだけなんですね。そうすると労働省としてはその点で今原さんの言われたように、従来はこれはただ労働関係調整法の対象になつたので、公益事業の指定を受けた程度の争議行為についての制限があるだけなんであります。そうすると今度のゼネストとの関係はどういうふうに労働省としては考えておられるかという問題が起つて来るわけであります。法務総裁としてもその点については何らかの解明をされて、ゼネストとの区別をされなければならない、そういうことになつて来るわけですが、どうお考えになつておるのか。ちよつと今原さんに対する御答弁だけでは判然しない部分が出て参ります。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 只今の点は実はまだ法務府自体で検討いたしておるようなところでございまして労働省に御相談する段階にまだ行つておりません。非常に重要な点でございまして、結局只今御指摘になりました労働関係調整法による公益事業に対する罷業の制限、これに対してゼネストとして更に同じような制限をするということは全く必要のないことであります。無意味であります。そういうことでなく、真に国民経済を破壊に導く、こういうことはその事業が公益事業であるかないかという問題とは又別の点じやないか、この点を特に今研究したいと思つております。只今気のついた点を申述べた程度であります。その重要なる問題につきましては、なおこういうふうな解決案というものを申上げる段階になつておりません。なお至急研究をいたしまして、成るべく早くお答えのできるようにいたしたいと、こう考えております。又その段階になりましたならば、労働省にも御相談の上申上げたいと思います。

中村正雄日本社会党

○委員長(中村正雄君) 法務総裁に対する質問はこの程度で打切つて……。

堀木鎌三第一クラブ

○堀木鎌三君 ゼネストに関連してちよつとお伺いしたいのですが、この前の御説明で、大体ゼネストというのは国民経済を破綻に瀕せしめる、而もそれには経済上の目的ばかりではなく、他の目的がこれに加わつているものだという御説明をこの前の労働委員会でお聞きしたわけです。そのストライキというものに対して法務府としては一体どのような見解を持つておられるか。單に経済的目的だけがストライキの目的として挙げられるものか、それともそれ以外に例えば社会的に正義を求めるという目的がストライキの中には含まれるとお考えになるかどうかということをお伺いしたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 現実のストライキには御説の通りいろいろな目的があると思います。但しそれらの目的のうち、如何なる目的を以て行われるものが正当なる罷業権を行使すると認められるかどうか、これは又労働組合法によるところでございます。

堀木鎌三第一クラブ

○堀木鎌三君 私がお尋ねしたいのは、例えばストライキの目的として賃上げの問題なり……ところがこの賃上げの問題を解決するというためには、殊に日本の今日のような状態では、相当社会的な正義を求めるという目的がそこに附加わつて来るだろうと思うのです。そのことは必ずしもそのストライキが政治的な目的を持つて行われるということにはなるまいと思うのです。又労働問題の本質からいつて、労働者の要求するものは、単に労働條件の改善というだけではなくて、それの労働條件の改善を要望する根底にあるもの、そういうものをやはり労働者としてはストライキを通じて何事か解決を望みたいという気持を持つて来るのは、私は当然だと思うのです。従つて近代の労働問題では、單に労働條件の改善という目的だけでなく、それに伴う、そういう改善を必要とする社会的な正義を必ず求めるということになつて来ると思うのですが、その点に関しまして法務総裁としての御意見を承わつておきたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) これは労働組合法の争議権の問題だと思いますが、争議権といたしましては、その当事者間における解決可能なる範囲においては争議権を認めるが、併しその他の争議については争議権を認められない。争議権が認められないということは、それが禁止されておるということを意味しません。その争議行為としてなされた個々の行為について、行為者が正当なる争議権の行為をしたならば違法性を阻却される場合がある。損害賠償或いに刑罰法令の適用において正当なる行為として違法性を阻却されることがあります。その違法性阻却ということが、争議権の行為を逸脱した争議においては認められないというだけのものであります。それが禁止されるか禁止されないかということは……。

堀木鎌三第一クラブ

○堀木鎌三君 おつしやる通り労働法規の対象としては当事者間の話合いによつて例えば労働條件の改善というような問題については解決できると思うのです。併し同時に労働組合、私が今申しましたような社会的な正義を求めるという観点に立つて、やはり例えば官庁労働組合が曾つて官僚制度の打破というようなことを賃上げ要求と一緒に掲げたと思うのです。併しその官僚制度の打破ということは、それは当事者間の話合いで解決される問題ではないわけです。従つてその問題は直接の争議の目標としては必らずしも妥当であるかどうかということは第二の問題になると思います。おつしやる通りそういう場合の対象となるのは労働條件の改善ということだけだと思います。併しそれはそれとしていいと思うんです。併しそういうような社会的な正義を求めるという労働者の気持はストライキの場合にも現われて来るし、ましてやゼネストの場合においてはそれが非常に顕著に前面に出て来ると思います。そういう場合にその社会的な正義の要求に対しまして、例えば法務府がゼネスト禁止法によつて、これは労働條件改善以外の目標であるとしてこれを禁止するというようなことになりますると、この労働者の本質的な要求というものがそこで取締られる、或いは禁止されるという結果になつて来ると思うんです。ストライキとゼネストとの関係をもう少し詳しく法務総裁としての御見解を伺いたいと思います。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 先ず第一に申上げておきたい点は、ゼネストの取締は法務府がやるわけじやございません。これは政府全体の責任においてやつて行くことであります。今私のほうは政府の法律顧問たる立場におきまして、ゼネストの制限を立法化する場合において如何なる点が法律上最も研究を要する点であるか、こういう専門的な法律上の研究をいたしておるわけでありまして、これに基きまして或る研究ができましたならば、それを基礎として労働省と法務府とでこれをやつて行く。そのでき上つた法律を如何に運用し、如何なる関係機関がこの責任の機関として、政府の代表として行動するかということは、又その上できまるのであつて、只今法務府がどういう立場でゼネストを取締るかというような御発言がございましたが、それはそうした考え方でゼネストの禁止法を今法務府がタッチしておるのではないということを御承知を願いたいと思います。法務府といたしましては、ただ法律問題についての専門的な立場から、この法案を立法化する際の各種の法律問題について基礎的な研究をいたしておるということに過ぎないわけであります。  次にストライキについてどうこうという御質問でございますが、この点は組合法におきまする争議権の問題でありますが、争議権につきましては、法務府として別に正当ならざる争議についても取締をいたしておるわけじやございません。争議が行われる場合において、争議にはややともすればいろいろな民事上の損害賠償を伴い、或いは、又刑事上の問題を伴う場合がございます。これらの民事上、刑事上の不法行為につきましては、正当な争議権の行使として行われる場合においては、それは労働組合法の規定によりまして違法性の阻却、従つて責任は負わないでよろしいという明らかな規定がございます。これはただ正当な範囲の争議権に属する場合においてのみこの規定は適用になるわけでありまして、正当な争議の限界を超越して行われた争議の場合におきましては、その限りにおいてこれらの法規による違法性阻却という保護は與えられない。その場合においては損害賠償の問題については、普通の損害賠償の規定が適用されるわけでございます。又不法な行為につきましては、普通の犯罪の取締という法規が適用されるのでありまして、法務府の立場において取締りをするというのは、この犯罪の取締というだけでございます。これはあらゆる場合における犯罪について取締りをする立場にあるわけでございますから、そういう意味においてただ取締るということはあり得る。ここのゼネストはそうした意味の犯罪の取締りというふうには我々は考えておらないのでございます。これは正当なる争議権の行使でありましても、それが国民経済に回復することができないような重大な損害を與えて、現実の国民生活に損害を與える、こういう場合においては、それが正当なる争議権の行使であつてもやはり公共の利益という立場から制限をすることが必要ではなかろうか。その制限を規定する法規をこのゼネスト関係の法規として只今研究をいたしておる。こういうわけでございます。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 ちよつと大橋法務総裁にお伺いしたいんでございますけど、従来この裁判所関係のかたがたの中にはこういう労働問題、労働争議に関する専門的なかたが非常に少のうございまして、いろいろとこの問題が起きました場合の判決などに対しましても、或いはその取扱いに対してまあ非常に不満があつたわけでございます。殊に地方労働委員会などの判定と逆な判決を下されるような場合もございますし、そういうことからいたしまして、今の普通裁判所でこういう微妙な、重要な問題を取扱われる能力があるかどうか、それで正しいのかどうか、どうお考えでございましようか、お伺いしたい。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 実は裁判所と申しましても、私どもはこのゼネストの性質上、これはまあ地方の小さな争議についてそれを制限するようなことは事実上まあそうないわけであります。それで或る程度全国的な規模を持つた事件の場合でなければこういうことは現実には問題となり得ない。そこで各地方裁判所にすべてこういう権限を與える必要はなかろう。第一審といたしましては少くとも東京高等裁判所くらいだけでいいんじやないか、こう思つておるのでございます。そうなりますると、裁判所はその権限を與えられますれば、やはり専門的な教養のある裁判官によりましてこの問題を処理するような部を必ず作つてくれるだろうということを予定いたしております。これはまあ予想でありまして、裁判所はどうされるかどうかは裁判所の自由でありますが、普通の考え方といたしましては、これが全国の各地方裁判所についてこの問題についての專門的な人を網羅するということは不可能であります。東京の一つの高等裁判所にそうした部を作るというようなことは、裁判所としても十分に考えて頂ける事柄ではないか、こういうことを前提として今裁判所ということを問題にして研究をいたしておる次第でございます。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 私はただ例を言つたわけでありまして、各地方裁判所という意味ではございません。ただ公正なる專門家による判定というものが下されることを希望しておるわけでございます。高等裁判所なり、或いはこういう重要な問題を取扱いになるそういうかたがたの中で、特にこういう問題に関して専門的な教養なり知識経験というものをお積みになるような養成と言うのでしようか、御努力をしておいででございますか、如何でございましようか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 裁判官の教養につきましては裁判所において努力をされておると思うのでございますが、これは私の管轄にございませんので、私から申上げることはできません。

原虎一日本社会党

○原虎一君 直接ゼネスト禁止法に関係はないのですが、赤松委員から出ましたから、一つ実例を申上げて、法務総裁の今後のお考えの参考にしたいと思います。  問題の起きたところは埼玉県朝霞町で、これは検務局長は知つておるはずですが、これは二十個足らずの工場主の組織する使用者団体と労働組合が協定を結んでおる、工場主が逃げて仕事をやらない。事業は特需関係の仕事をやつておるが、なかなか事業主を信用しないで発注せず、却つて組合を信用してこれに発注をしたのであるが、要するに事業者団体の会長の了解の下に業務管理を遂行して、四十数人の労働者が失業しないで済んでいる。たまたまレッド・パージにかかつた男が、その工場主の息子さんと学友のために入つて来た、そのパージにかかつた入が入つて来たことを私は別に何とも言いませんが、その人が逆に労働組合をつぶそうとした、そうして幹部を導いて暴力を振わせた。併しながら医師の診断によれば一週間以内のかすり傷だ、それで警察当局も問題にしないで済ました。すべて済ましたような形になつておつたが、一ヵ月になつて書類が浦和裁判所に廻つて来た、それを傷害罪としてその幹部十名を検挙した、逮捕状を出した。業務管理で特需をやつておるのに逮捕状を出した。而も三十日を経過しておる者を喚び出して、逮捕して十日の拘留をした。これは検事が労働組合のことを知らん、僕に言わせれば。私は検事正にも会いましたけれども、こういうことが起きておる事実がありますから、赤松さんの言われることは単なる杞憂ではないということを総裁にもう少しお考え置き願いたい。いわんや大問題を扱うときに、それは高等裁判所の判事なら相当に教養もあり知識もありましようけれども、併し労働問題に関する限りにおいてはまだそういうことが相当に地方ばかりではない、あるということを、これは中央におられるとわからないといけませんから、事実を申上げて置きます。検務局長はよく調べればわかるのであります。十日の拘留をした、その理由を申上げれば、警察署長に対しては暴力を肯定しておりながら、僕のところに来ては否認しておる。十人からの人間を拘留に付して、逮捕して、そうしてあとの仕事は、特需関係のスプリング・ワッシャーを作つておるが、幹部を検挙したらやれない。それを否定したからと言つて十日間の拘留をした、逮捕しなければならんような問題ではない。労働問題を解する検事ならそれは否定したからと言つたつてできない問題であると思う。それが知識がある検事がやつたとすれば、それは他に何か意思がある。それでなければこれは労働組合を解しない検事であると言わざるを得ない。こういう事実があるということを御参考までに申上げて置きます。

中村正雄日本社会党

○委員長(中村正雄君) ほかに法務総裁に質問がなければ、この程度で打切つて……。

堀眞琴労働者農民党

○堀眞琴君 名前は存じませんが、ゼネラル、ストライキの禁止法案がまとまつて国会に提出されるのはいつ頃になりますか。

大橋武夫自由党法務総裁

○国務大臣(大橋武夫君) 近く開かれる臨時国会中には是非ともと思つております。   —————————————

中村正雄日本社会党

○委員長(中村正雄君) では次の議題に移ります。今日あと行政整理なり機構改革について議題に扱つておつたわけでございますが、行政管理庁関係が見えておりませんので、労働省関係だけで一応調査できる議題に限定して議事を進めて行きたいと思います。  最初に労働省のほうからお答え願いたいわけですが、この前の委員会で労働関係法規についての改正については何らかの三者構成の委員会をこしらえて、そこで白紙に返して大体案を作成したい。こういうお話がありまして、その後新聞に労働法規関係審議会をこしらえるというふうにきまつたという報道がなされておつたわけでありますが、この労働法規関係審議会の構成なり或いは人選をどうなさつておるか。又はいつ頃から発足なさるかという見通しについて一応お話願いたいと思います。

山村新治郎自由党労働政務次官

○説明員(山村新治郎君) お尋ねの問題につきましては閣議でもいよいよ決定になりまして、目下人選を急いでおります。従いまして最近のうちに発足になると思います。

中村正雄日本社会党

○委員長(中村正雄君) お尋ねしました人選の方法等についてはどういう具体的なことをやつておられるか、その点をお聞きしておるのですが。

富樫総一労働大臣官房総務課長

○説明員(富樫総一君) 閣議決定によりまして、この審議会と申しますか、会を設けることになつておりますが、大体労使、公益、おのおの七名ぐらいという見込でございます。労働側は目下総評に推薦方を依頼をして、これは総評の傘下組合に限定するという意味でございませんで、従来とも各種委員会のときにそうでありますが、総評に入つておらない組合等とも連絡の上で、労働界全般の代表者の推薦方の斡旋を願うという建前で推薦を依頼してございます。経営者側に対しましては、日経連に対して同じような意味合いを以ちまして商工会議所その他と連絡の上推薦方を斡旋願うということでございます。中立側は労働大臣が委嘱するということになつております。ここ一両日中に確定する見込でございます。確定次第直ちに第一回会合を開くという運びでございます。

中村正雄日本社会党

○委員長(中村正雄君) 確定といいますのは、推薦が終るという意味ですか、きまるという意味ですか。

富樫総一労働大臣官房総務課長

○説明員(富樫総一君) 推薦に基いて委嘱するということでありますから、推薦がありますれば殆んどそのまま、何らかの特殊の事情ない限り委嘱するということになると存じます。

中村正雄日本社会党

○委員長(中村正雄君) 何か御質問ありませんか。

堀木鎌三第一クラブ

○堀木鎌三君 今のお話で、中立は労働大臣が委嘱するでしようが、労使双方の意見を入れて労働大臣が委嘱されるのですか、單純な労働大臣の專断で御委嘱になるのですか。

富樫総一労働大臣官房総務課長

○説明員(富樫総一君) それは堀木委員がそこら辺の工合はよく御想像できると思いますのですが、建前としては労働大臣の委嘱でございまするが、実際問題としてはなかなか簡單にはそういうふうに行かんので、労政当局において円滑に行くように、円滑に行くという究極の目的に合うように然るべくやることと思います。

中村正雄日本社会党

○委員長(中村正雄君) ございませんか、なければ人員整理の議題に移りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕   —————————————

中村正雄日本社会党

○委員長(中村正雄君) じや一応労働省のほうから大体この前の委員会でいろいろ討議したわけですけれども、その後政府におきまする人員整理については大体の案ができたように新聞に発表になつております。従つて今日行政管理庁が見えておりませんので、労働省関係だけのもので一応審議を進めたいと思いますので、第一には労働省関係の整理実数、及びどういう方法でこれを整理するかという具体的な方針について、もう一つはこれは一般の行政整理に伴いまする失業者の救済対策、これは労働省が何と言いましても主管でありますので、全体的にどういうふうにお考えになつておるか、この二つの問題を議題としまして、最初労働者から所見を聞きたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山村新治郎自由党労働政務次官

○説明員(山村新治郎君) 今回の行政整理に際しまして、労働省関係の結論といたしましての数字を申上げたいと思います。多少数字の土に変化があるかも知れませんが、合計定員二万四千五十六名に対しまして二千九百六十五名という結論でございます。従つてその整理率は一二%ということに相成つておる次第でございます。而してその内容の主なものでございまするが、基準局につきましては、只今基準局長が参つておりますから詳しい御説明がございますが、大体二一%の整理率でございます。なお婦人少年局は、これは皆様方のお蔭で、その点につきましてはゼロで相済んだ次第でございます。なお職安関係につきましては六%の整理率、それから労政につきましては二〇%の整理率という数字が示されておる次第でございます。  なおこの基礎数字につきましては、勿論これを尊重しなきやならないとは存じまするが、十分に各局課におきまして或る程度の機動性は持ちながら、遺憾なくこの整理を進めて参りたいと存じておる次第でございます。一応整理の状況につきましての御説明を申上げました。なお基準局長から只今基準局の問題がございますので、御説明がございます。

亀井光労働省労働基準局長

○説明員(亀井光君) 基準局の行政整理の経過並びに結果を申上げます。  当初基準局の行政整理につきましては、原案としまして五〇%というふうな整理率が示されたのでございまして、我々としましては、当然こういう数字には絶対反対でございますので、その後の折衝を進めて参つて来たのでございますが、結論的に申上げますと、一般の整理率が三〇%という整理率になつておりますのに対しまして、基準局としましては、本省が二〇%、それから地方の職員の中で労務要員と申しますか、守衛或いは運転手、電話交換手、こういうふうな者につきましては五%の整理率、その他につきましては本省と同じように二〇%という整理率になつております。更に労務加配の事務としまして七百十名の定員がおるのでありますが、この労務加配が、米の統制撤廃に伴いまして四月一日からその事務がなくなるという建前からいたしまして一〇〇%の整理率になつたわけであります。更にもう一つ基準局といたしましては、労災保険特別会計の職員がございますが、これは整理をしない、整理率ゼロという建前で、原案は五%程度でございますが、ゼロになつておる次第でございます。大体は今の率でございまして、政務次官が今申上げました二一%という全体の率は、多少低くなりまして、と申しまするのは、労務要員に対しまする整理率の五%というのは、先ほど行政管理庁のほうから連絡がございました関係上、これを引きますると二〇%切れる整理率になるのじやないかと、かように思つております。

山村新治郎自由党労働政務次官

○説明員(山村新治郎君) なお今回の全般的な行政整理に伴いましての起ります重要な問題といたしましての、失業問題でございますが、これは誠に馘首されたかたには気の毒でありまして、何とかこのかたがたを一日も早く安定した職業に就けて上げたいと存じておりますが、大体の今回の対象十二万人につきまして、実数が然らばどのくらいの出血があるかということにつきましては、いろいろな見方もございますが、割合に相当病気欠勤その他の事由によりましての実際出血というものは思つたほど少い……、この前に大体十七万のときに十万前後じやないかという予想が一応各省との統計によりまして想定が付いておる次第でございまするが、果して然らば今度の十二万について幾らの数字になるかということにつきましては、まだ確実な資料を持つておりませんが、その十七万に対する十万のことを考えますときに、相当実際はいい按配に実質の出血というものは少なくて済むんじやないかという予想もされておるわけですが、併しこれらの点につきましてはいずれも一日も早く職業を安定させなければならないという見地から、各省とも十分連絡を取りまして、一日も早くその転職の機会の斡旋を十分申上げることは勿論でございまするが、同時に労働省といたしましての立場から職業転換と申しますか、転換の一つといたしまして職業補導の面を十分先ず強化いたさなければならないということを考えまして、只今折衝中の補正予算につきましても約一億ほどの補正予算を要求いたしておりまして、この職業補導の面を強化いたして参りたいつもりでおるのでございます。従いまして、この職業補導が然らば幾らぐらいの人間を吸収できるかという問題になりまするが、大体当初といたしまして、の予想は、万人ぐらいのかたがたを職業補導によつて転換せしめることができるのではないかと考えておる次第でございます。併し根本的にはこの失業者を救うという問題は、何と申しましても国の根本的な経済力が進展する、大きく発展するということによつてのみ解決される問題でございますので、これは政府全般といたしましての立場からも、この問題につきましては善処いたして参りたいと考えておるのでございます。非常に大きな問題でございますので十分に愼重に労働者としては考えて行きたいと思います。

中村正雄日本社会党

○委員長(中村正雄君) お諮りいたします。実は労働大臣が今日出ておりませんし、又行政管理庁の長官も呼んだわけでありますが、恐らく今日、明日は出席が不可能であろうという状態でありまするので、大体行政整理の問題とか、或いは整理後の救済対策につきましては、やはり関係大臣に来てもらいまして御説明願わんとむだではないかと思いますので、一応この問題はこのくらいで今日は打切つて、他日の委員会に廻したいと思いますが、御異議ございませんか。

赤松常子日本社会党

○赤松常子君 ちよつと一言……、婦人少年局の局員はそのまま存置するということに決定いたしましたことは当然なことではございましたけれども、本当に感謝する次第でございます。いろいろ婦人団体及び労働組合婦人部の運動もございましたこともさることながら、当局も御熱心に御奔走なさつたことを一応感謝申上げておきますが、どうぞ新らしい藤田局長に御要望申上げますが、今後一層国際的ないろいろな関係もございますし、是非とも存置された以上十分なる御活躍をお願いいたしたいと思います。各婦人団体、各労組と緊密な連絡を取つて頂きまして、十分な御活躍を御要望申上げておきます。

藤田たき労働省婦人少年局長

○説明員(藤田たき君) このたび皆様がたのお陰さまで百七十名そのまま残りまして、その上地方委譲のことも行われずに済みましたこと、本当に有難く感謝いたしております、一言申上げます。

中村正雄日本社会党

○委員長(中村正雄君) 明日十時から今後の委員会の運営に関することを議題にいたしまして委員会を開くことにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五分散会  出席者は左の通り。    委員長     中村 正雄君    理事            一松 政二君            原  虎一君    委員            赤松 常子君            椿  繁夫君            堀木 鎌三君            堀  眞琴君   国務大臣    法 務 総 裁 大橋 武夫君   事務局側    常任委員会專門    員       磯部  巖君    常任委員会專門    員       高戸義太郎君   説明員    労働政務次官  山村新治郎君    労働大臣官房総    務課長     富樫 総一君    労働省労働基準    局長      亀井  光君    労働省労働婦人    少年局長    藤田 たき君

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