予算委員会 第1号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/08/18
会議録
○委員長(和田博雄君) 只今より予算委員会を開会いたします。 ちよつと前に御報告申上げておきますが、地方行政委員長の西郷君から要望書を当予算委員会に対して御提出なさいましたので、御参考までにお手許に配付してありますから……今日はこの前の委員会でおきめを願いましたように、大蔵大臣に来て頂いて、補正予算の進捗状況、来年度の予算の編成方針等について御説明を願つて、そうして進むことになりましたので、……大蔵大臣は大体一時間はここに話しておられますので、できるだけ大臣の都合のつく間いてもらうことにいたしますが、そういうお含みも御考慮の中に入れておいて下さい。
○国務大臣(池田勇人君) 本年度の補正予算の編成方針並びに来年度の一般予算の編成方針につきましてのお尋ねでございまするが、御承知の通り昨年におきましては、編成方針は七月の上旬に一応決定をいたしたのであります。今年は講和條約その他の問題がありましてまだ決定いたしておりません。御承知の通り昨年七月の上旬に予算編成方針を決定いたしまして、そして大体の輪郭を内定いたしまして、それが新聞に漏れまして、そして議会におきましてはそのときの朝鮮事変を加味せずにやつたということをたびたび申上げましても、根本的に変つたとか何とかいう議論がありましたので、私はそれにこりまして、今年は講和條約その他がありますから予算編成方針はきめない、情勢に応じてできるだけおしまいまでずらして行つてから編成方針をきめる、こういう考えの下に本年はきめておりません。併しいずれにいたしましても、補正予算に組むべき事柄はだんだん殖えて参りまして、これを荏苒日を過ごすわけには参りませんので、私は今月末アメリカに立つ予定にいたしておりまするが、それまでに補正予算につきまして一般的の項目、即ち各省予算で考えられるべき点につきましては一応の目鼻をつけて行くべく実は今もここで一時間ばかりにしてくれと申入れましたのはこれから予算を見、二十日の午前中ぐらいまでには補正予算の大体の枠をきめたいと思うのであります。ただ今回の補正予算で問題になります警察予備隊の点、或いは終戦処理費の点、或いは今非常に大きい問題にたつております平衡交付金、即ち地方財政関係の分は、これはとても行くまでにはきめられません。而して又講和に伴います措置のうち本年度から手を着けなければならん問題につきましても後廻しにいたしまして、普通の各省予算で今まで考えられている問題を中心に一般会計のほうだけ目鼻をつけて行きたいというので作業をいたしておる状況でございます。従いまして来年度の予算編成方針につきましては、これは講和成立に伴う今までよりも変つた財政上の都合がございますので、この点につきましては講和條約後ゆつくり考えたい、こういう考えであります。
○委員長(和田博雄君) 安本長官が来ておられますので、ついでに安本長官から最近の経済情勢を簡単に御説明願つたら如何かと思いますが、如何ですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 委員長(和田博雄君) それでは安本長官。
○国務大臣(周東英雄君) 突然でありますが、或いは足らんところは又御質問に応ずることにいたしまして、一番お聞きになりたいであろうと思う点について申上げて見たいと思います。 今年の一月の二十日に経済自立計画というものを一つ総合的な基本計画を発表しました。実はその当時の発表内容といたしまして、二十六年度から着手し二十八年度までの三カ年に亘つて鉱工業の生産、農業の生産、或いは貿易関係というようなものについてどのくらいの目安で以つてこれを進めて行くかという案を立てたことは皆様御承知の通りであります。で一、二拾つて見ますと、その当時大体鉱工業生産におきましては、二十八年度において一三〇、戦前の二割増、全産業生産において一四〇というような目標を立てておりました。而して貿易の額というものを大体十六億ドル前後、これによつて大体収支のバランスをとるというような事柄を考えておりました。それに関連して国民生活水準は大体二十八年度に八九%ということを目安にしております。併し当時の事情といたしまして国際情勢がどう変るか、なかなか逆賭しがたいものでありましたので、條件といいますか、輪郭、すべてこれらの計画がその通り推進されようとするについては、国際的に見て第三次世界戦争が起らないということなり、或いは計画しておる原材料というようなものが予定通り入ることを前提といたしておりまして、為替レートは三百六十円を据置くということを前提として、若しこれらの諸條件に変動がありますれば、恐らくこの計画は更に延びるであろうということを申上げておきました。これは国際情勢の逆賭しがたい場合における総合計画としては、当然この見通しを立てておく必要があつたからであります。ところが当時国会におきましても、いろいろ皆様がたの御心配や御忠告を受けて、この一三〇乃至一四〇の産業指数も又恐らく楽観に終るの暦はないか、これはできないのではないかという御心配があり、非常に御質問を受け、私どもも非常に心配しつつあつたのであります。当時の状況からいたしまして、当時の輸入状況は非常に好転しつつありまして、十一月、十二月、一月、二月、三月というように向上しておりましたし、輸出も又逆に上昇を辿りつつありましたので、恐らくこの関係はできるであろうということを思つておつたのでございます。ところで実際の状況は今日までのところは三、四、五というように鉱工業生産の指数はかなり上昇いたしまして、三月は一二六、四月は一三二・三、五月は一三九・八、六月は一四〇を越しましたというような恰好で今月までは進んで参りました。貿易も実は昭和二十五年度全体を締めて参りますと、大体輸出が九億六千四百万ドルになつております。それから輸入が十二億四千六百万ドルという形になりました。輸出は去年といいますか、二十四年度に比べまして倍になりました。こういう恰好で大体いろいろ心配されておりました事柄は飛んで、価格が仮りに三割くらい上つたとしても、輸出入共に二十四年度よりも上廻つた数字が出て参りました。それからその後においても、輸出入に関しましては数字を今ちよつと持ちませんけれども、本会議で今日池田君から答弁いたしましたように、今のところ六月までは輸入も一億を越したと覚えております。私どもはこういう状況を見ますると、これも手放しに楽観はいたしておりません。勿論いろいろと国際情勢の変転に伴いますから、これらの生産の増強されて行くということに関連いたしまして、どこまでも必要な原材料の確保がしつかりと国際的にもできなければなりませんし、それに伴うて国内における産業資源の開発なり、或いは必要なる電力或いは石炭というものの供給がそれに応じて殖えて行かなければならんのですから、手放しに楽観はいたしませんが、今日までのところはとにかくこういう状態で生産も上昇いたしております。 で、この内容を特に分析して見ましても、若し日本の国内にあるストツクを使つての輸出であると、内地のものはだんだんなくなつて危険でありますが、輸入がやはり非常に殖えてそれが再確保されて出ておるという恰好になつておりますので、その点については今のところ心配いたしておりません。 それからこのほかに特需の関係が出ておりまして、本会議でどなたかの御質問にもありましたが、別に三億、これはたしか三億六千四百万ドルですか、ありまして、これは総計であります。これはその内を分けると結局九千九百万ドルがサービスであつて、あとの二億何がしというものが特需になる。特需は結局一番大きなものは機械類の輸出、車両或いは繊維類、食糧も出ております。こういう恰好で必ずしもその内容というものに対しては、軍需品に限られておるのではなくて、民需、軍需、特に共通するものがやはり多いのであります。そういう関係からいたしまして今日もなおやや増加しておるような恰好であります。今後は如何になりますか、朝鮮停戦の結果或いは減りはせんかという心配の向きもあります。産業の方面におきましてそういう特殊なものを扱つていたところが影響を受けはしないかという心配がありますが、産業全体におきましては、むしろ私どもは朝鮮等が平和になることを望みますが、なつたというような場合におきましても、むしろ日本としての置かれた地位はこれらの朝鮮の復興に関しまして相当多忙を来たすようなことになつて来るのじやないかということが考えられます。そういう関係における輸出産業の関係はそう心配すべきものではないのじやないかというふうな考えを持つております。殊に問題はこういう関係におきまして物価というものが一番大きな問題であります。これは私ども常に国民生活の上におきましても、産業の生産の上からいいましても、輸出産業の上から見ましても、余り高くなりますれば、国民生活を圧迫し輸出を減退させるということで、この点は一番心配いたしておる次第であります。最近の状況は実は生産資材と申しますか、その中で特に鋼材なりセメント、石炭或いはソーダというものはまだ上りかけております。銅は下りかけておる。それから鉄関係はちよつと下りかけておりますが、まだ高い関係にあります。その他の繊維製品の関係、これは綿糸、スフ、綿布、それから油脂類、食用油脂類ですね、皮革、ゴム、味噌、醤油というような関係は、実は極端な値下りになりまして、大体大よそ昨年の五、六月頃の形にまで今日下がつて来た。ここで御承知のようにいろいろ滯貨金融というような問題がございまして、我々いろいろ苦心をいたしております。併し一面におきましては、かなり思惑的な輸入が行われたりいたしましたので、それが開けて見れば思わずたくさん入つておるので反動的に損をしては困るというので、今度又投げに出ておるという事柄が余計値下りに拍車したと考えます。併し物のたくさん入つております関係上、これらの関連物資につきましては、国民生活と言いますか、国家的な産業の立場から見ますると、非常な結構な話でありまして、それだけの物資が余計入つておるということは力強い極みでありますが、併しながらこれらの物資、殊に繊維製品等にいたしましては、かなり日本の輸出産業の大きな部分を占めますから、これらについては余り無暗に高くなりますことが、結局向うの引合というものを消しております。どこまで下るかわからんからちよつと取引を消すというようなことが起りがちであります。こういう点につきましては、産業の健全な発達を図るために、堅実な産業に対しては一つ直接よく見た上で、これに対して考慮を払うというようにしていることはすでに御承知かと思います。そういうような形でありますので、実は先ほど申上げました生産指数の増強というようなことが、直ちに国民生活にどう響くかということについては楽観はできませんが、これは昨年の五、六月頃まではともかくも生産も殖え、そうして物価もやや安定の形がありましたので、国民生活水準も上廻りかけておる。御指摘のように、朝鮮事変以後工場賃金指数は上がつておりますけれども、併し物価の値上りというような関係上、実質賃金がやや下がつたということも私ども認めまするが、今後の状況におきましては今のような生産資材の値上りというものについては相当ありまするし、まだその方面に向つてまで現実的に値下りの状況を示しておらん物もありますが、国民生活に最も必要な部面については、只今申しました数量的に考えましても、又価格的に考えましても、昨年の五、六月まで引下がつておるという状況は、必ずや国民生活水準と言いますか、よい影響を今後及ぼすのではなかろうか。今後の物価の推移というものについて十分警戒しつつ観察いたさなければなりませんが、今のままでありますと、ややよい傾向を示すのではなかろうか、かように考えております。 大体今の現状という関係におきましてはこれくらいでありますが、この際一応今後における生産を続けて、飽くまでも原材料の確保ということが必要でありまするが、これに関連しまして、いろいろと本会議等でも議論が出ましたが、遠いアメリカ地区から確保するについては、相当価格上についても骨が折れますので、それを近いところでどうかという話がありますが、これは本会議でたしか池田君がお答え申上げたと存じますが、望みとしては中国の方面からの物が入つて来ることが望ましいのでありますが、今の現状としてはいろいろな関係から入りません状況であります。併し東南アジヤ地区に対しましては、特に日本の現状及び将来の考え方からいたしまして、積極的に東南アジヤ開発についてアメリカ等の援助が期待できるのであります。これはマーカツト声明にありました通りです。今日現地にいろいろ人が参りまして、何をどういう所からというような考え方で調査も始まつております。できれば速かにこういう調査が続けられて、アメリカの投資もあつて東南アジヤ地区の開発というものができて、その地方からの原材料が確保されるということが最もよろしいのでありますが、どこまでも東南アジヤ開発というものは従来と違つて、その現地の国及び現地の民族と日本との共存共栄の精神で以て開発し、そうしてその物を持つて来て世界民族のために貢献するように持つて行きたい、こういうふうな考え方でおります。殊に最近お伝えを申上げたいことは、問題になりました、いろいろ貿易に対して船が足らんだろうということであります。又外国船によりまする関係は非常に高くなりまするので、こういう点について船の手当がよいかという御質問がいろいろありました。幸いにして第一次から第七次までの造船計画も非常に順調に進みまして、今日におきましては、日本船で外航適格船と言いますか、そういうものが二十五年度におきましては、たしか百二十五万トンくらいになつております。これは買入れた船も入れております。今後の状況が順調に参りますれば、恐らくは本年度の終り頃までには二百万トン近くに確保できるのではないか、こういうことを考えております。これらの端的な現われは、最近における貿易外支払と申しますか、運賃等の支払が非常に減りまして、これは皆さんに喜んで頂きたいと思います。こういうことは結局将来に向つての大きな貿易を確保する上においての、どうしても必要なことであるかと考えております。船が幸いにして非常に順調な形に進んでおることを申上げておきます。
○委員長(和田博雄君) 只今の大蔵大臣及び周東安本長官の御説明に対して質問のおありのかたは、あらかじめ御通告になつておられるかたもあるのでありますが、これから質問を許します。
○佐多忠隆君 只今大蔵大臣から補正予算の構想、来年度二十七年度の予算編成方針等について御報告があつたのでございますが、それはむしろ何にもわからぬということで御報告がなかつたのも同じようだというふうに考えるのですが、成るほど講和会議その他の問題に関連しまして不確定的なところが相当たくさんあると思いますけれども、補正予算については、大体の項目なり、大体の見通し、構想は持つていらつしやるのじやないかと思うので、その点についてもう少し詳しい親切な御説明を願いたいと思います。更に明年度予算の編成方針については、いろいろむずかしい問題があるので、今年は編成方針を作らないで、概算要求なり査定を続けて行くつもりだというお話でありましたが、これに対しても問題がありますが、その問題は別として、仮にそうあるとしても、どういう事情でどういう問題があり、どういうわけで今問題が不確定なのかというような点は、いろいろ詳しく御存じのはずでありますから、一応確定していないとしても、それらのものを一応そのまま我々にお示しを下さることが親切なやり方じやないかと思いますので、改めてもつと詳しい御説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 先ほど申上げましたように、補正予算につきましてどれだけの歳出増になるか、その財源をどうするかということにつきまして、私がこの参議院の予算委員会で申上げるのには余りに数字が漠然としておるのであります。で実は今の印刷ができ上り次第に三時から省議を開くのでありますが、印刷もまだでき上らん。各省から出ております補正予算の要求額は大体一千八百億円、それをどのくらいに減らすかというのはここではなかなか申上げられません。農林省予算につきましても六百億ばかり取つたのでありますが、これなんかを見ましても、肥料需給特別会計とか蠶糸安定資金の特別会計とか、或いは食糧管理への繰入だとか、或いは単作地帯だとか、林道の開設だとか、それは種々雑多に何十件何百件あるのであります。私がこういう問題についてどう考えるかと言われれば、知つている範囲内はお答えいたしまするが、これはなかなかお答えするのに先ず大体の資料を見出さなければならない。千八百億の補正予算がどのくらいに縮まるかということは歳入のほうも見なければならんと思います。歳入の点につきましても私は七、八百億円の自然増収が予期できると言つておつたのであります。然るところ一週間くらい前に、私は知らなかつたのでありまするが、大蔵省の発表として九百億、千億の自然増収がある、こうラジオで言つておりました。問い質して見まするというと、今後法人の収入関係が、昨年の九月決算期と同様の程度であれば、という前提で計算したと事務当局は言つております。然らば昨年九月の決算期と同様な利益状況を出すかということになるとなかなか疑問があります。例えば今年の三月に、即ち紡績会社につきましては相当の利益を挙げております。一つの会社で半期にして七十億円の利益を挙げている会社もありますし、そういうようなのもあります。九月にどうするかというと、四、五十セントくらいで買つている原綿が、而も五カ月分のストツクを特つているのが、今三十二、三セント、場合によつては三十セントを割るといつた場合に、その原綿の値下りを見た場合に、果して昨年の九月のような決算ができるかということが問題だと思う。これは会社の重役によつて利益を平均するという方針によりまして、或る程度の含みが、今ないことになつておりますが、決算をどういうようにするかということによつて違いますが、昔とは違いまして、昔は在庫品につきましては一割の評価減を認めておりましたが、昨年から評価減を一切認めない、含みは一切ないということになつているのであります。これを如何に処置するかという問題、例えば別の例をとりましても、油脂会社で百六十五ドルから百七十ドルで大豆を買つている。去年の今頃までは百十ドルくらいの大豆であつたのが、昨年の秋から今年の春にかけて百三十ドルくらいの大豆が相当入つて来た。ところが今アメリカの相場でこつちに参りますると、大体シフ価格で百三十五ドルになる。そうすると三十ドルの値下りになりますと、或る大きい会社は相当な損をするのであります。この損失は邦貨に換算して四億五千万円、この損失をどう現わすかによつて大変なことになる。だからこれは昨年の九月と同じような決算をするという想像をすることは、余りに大胆過ぎる。併し鉄鋼その他につきましては相当の利益を挙げております。ほかの会社も利益を計上しているのもありますが、そういう不安定なものを持つておりますから、私が今アメリカに立ちますまでに、歳入がどのくらいになるかということはまだ少し早いのであります。補正予算は私は十月に開かるべく予定されております臨時国会の劈頭に出したいと思つておりますが、もう少し国内の様子を見、向うから帰つて来てすぐ作れる程度にまではしておいてやつたほうが安全ではなかろうかという気持を持つているのであります。而もやはり今回の補正予算はいろいろな種類のものが出ておりますが、これを補正予算で認めますと、これは氷山のようなもので、補正予算においてはちよつとしか出ないが、来年度におきましてはかなり下から出て来ますから、よほど愼重に考えなければなりません。而も今今年度におきましては、減税をいたしましても、先ほど申上げましたように、七百億、八百億の自然増収を予定して半年分の補正予算を作るのでありまするが、来年は減税をいたしましても、それがフルに一年間減税になる。例えば今の所得標準で先般税制懇話会で出している所得税の減税は八百億円でありますが、いつから施行するか、十月から施行するといたしましても三百五十億円乃至四百億円の減税でございます。自然増收が八百億円あれば、その程度のものは賄い得る確信がありますが、来年度になつてから自然増收はない、或いは減税がフルに八百億に響くということになると、なかなか来年度の分が予定が立ちにくい。而も講和に伴います来年度からの負担が相当確保されなければなりません。こうやつて見ますと、大体の輪郭はわかるとしても、総体的に考えて見ると、なかなか予算の輪郭なるものは最後の五分間くらいのところでわかる。いろいろなものを組上げて行くのであります。今私がお話申上げるとミスリード、危険だと思います。今暫らくお待ち願つておきたい。各項目をどう考えているかということは大体の考えを持つております。併しそれは大体考えだけで、全体は私として見て、又動くことはある。併し御承知の通り飽くまで緊縮財政、今まで以上に財政の緊縮を図りたい。今までも健全財政でやつておりましたが、今後はもう好むと好まざるとにかかわらず独立後の財政は今まで以上にシリアスなものであるということはお考え願いたいと思うのであります。補正予算について新聞に出ておりますが、当初予算が六千六百億、七千億円くらいに止めたいという気持はあります。併しこれにいたしましても、七千百億円になるかもわからないということは新聞に出ておりますが、これは大体の気持が出ておると思います。予算のスケールといたしましては、七千億乃至七千百億円で止めたいという気持は持つておるのであります。そういたしますと、千八百億円の補正予算の内容が大体おわかりと私は思うのであります。
○木村禧八郎君 大蔵大臣にいろいろ質問いたしたいのですが、時間も余りないようですから、而も講和を前に控えての予算委員会でございますので、講和に関連する問題について、この際大蔵大臣から二、三明らかにしてもらいたいことがあるわけです。その点についてお伺いするのです。大体只今の大蔵大臣のお話で講和後の日本の財政というものはシリアスなものであろうというお話であつた。そこで講和後において新たに財政負担となるであろうものについて、大体の項目でいいのであります。見通しで寄せた金額でもいい。外国人の財産に対する補償、これが大蔵大臣は百億とか言われましたが、或いは国防分担金がどのくらい、或いは外債の支払いがどのくらいであるとか、大体の講和後における主なる新たな財政負担の項目とおよその大体三十七年度予算に現われるであろう金額、これについて大体の見当でよろしいのですが、お伺いしておきたいと思うのです。
○国務大臣(池田勇人君) これは金額でなしに、予想し得べき費目はわかります。講和に伴いますものとしましては、先ず第一の問題は、草案から申しますと十四條の賠償の問題、金銭賠償でなしに労務賠償の問題、これは相手がわかつておりますが、どれだけになるかということは只今は申上げられません。賠償或いは債務を履行するだけの資源がない。併し労務賠償は相手国と話合つてするということはきめられております。これは我々として覚悟しなければならぬ問題であると思いますが、どれだけの生産賠償、金銭引上げを二十七年度に要するかということはこれはわかりません。それから連合国人の財産のいわゆる本州、四国、九州、北海道、又附属の島嶼において連合国人の財産の補償は七月十三日の閣議決定によつて我々はその財産を返還又は補償することを考えております。これによりまするというと、有体財産権、無体財産権、或いは株式等、いろいろな財産権がございまするが、私の見るところでは、大体二百億乃至三百億程度ではないかと思います。この二百億乃至三百億のものは、一度に補償したり、返還はできません。これは一年百億を限度としてやるということに私は大体考えておるのであります。 それから講和に伴いまする当然の結果として、在外事務局、その他外国通商関係の経費が殖えて参りましよう。それから講和が成立いたしまして、独立国家となれば、今まで政府が背負つておりまするところの外債の支払が問題になると思います。外債の支払は御承知の通り元本にいたしますると、ポンドの負債が六千百数十万ポンド、ドル債が六千七百数十万ボンド、それから仏貨債が五億七千八百万フラン、こういうふうになりまして、邦貨に換算いたしまして九百数十億円になつておるのであります。併し今までの未払の利子が約十年間利子を払つておりませんので、この利子が五百二十億円ばかり溜まつております。それから又外債の約款によりまして弁済基金を積むことが約款に規定してあるのであります。これを今直ちに積まなきやならんといたしますと、四百億円ばかり要るのであります。この外債の支払をどうするかということは、直接講和條約に基くものでありませんが、講和條約後、独立国家として当然考えなきやならん問題です。この外債をどう処理するかということは大きい問題であります。而して又独立国家として、私は木村君の御質問に対しまして今まで答えておりまする通りに、対日援助資金というものは私は債務と心得ております。私らが債務と心得ておるこの対日援助資金を、どうするかという問題も起つて来るのであります。これはイタリーの場合におきましては、講和條約後、一方的にアメリカが援助資金の債権を放棄するということを言明いたしましたが、日本におきましてはそういう声明はございません。あるかもわかりませんが、私はわかりませんので、債務として考えておるといつた以上、大蔵大臣としてはこれらの措置につきましては考えなきやならんと思つております。ドイツに対しまする援助資金というものは、支払方法を輸出その他によつて得た外貨資金を以て充つべしということになつておるのであります。これは大きい問題だけでございまするが、よく問題にたりまする、この国内的に申しましても進駐軍がおりました場合……、戦争終結後今までのいろいろの補償の問題があります。財産を使用しておる、こういう補償の問題がありまして、その補償をどうするか、それから在外公館の借入金の問題、これも今年中に、次の臨時国会というので、我々は成案を得て今国会に出すべく関係方面の了解を得るように書類を出しておりますが、まだ未だに〇・Kが参りませんが、この問題もありまするが、それにもまして在外財産に対してどうするかという問題があります。又国内的には戦争犠牲者に対する問題、その他各般の問題、これはまあ思いついたまま実はこれを申上げておるのでありまするが、そういういろいろの問題が出て参つて来るのであります。従いましてどれを見ましても実に……、一番大きいのは賠償の問題、或いは対日援助の問題、外債の問題、在外財産の問題、いろいろの問題があります。今各項目につきましてずつと引張り上げまして、この分は補正予算に組まされるか、これはもう来年度に廻してどういうふうな恰好で行くか、而もそれには相手方の判定に持つ場合が多いのであります。例えば外情の処理をどうするかというようなことはこれは国際的にも大問題であります。そういうものを含むところの予算を今私がここでスケールなんかについて申上げるということは非常な危険な問題があると思いますので、私は答えなかつた状況にあるので、御了承願います。
○木村禧八郎君 大体まあアイテムだけでも割合詳細に伺いましたので、これは成るほど講和後の財政負担は大変なものであるということがだんだんにまあわかつて来たのですが、この中に国防分担金といわゆる言われておるものですね、そういうものを、もう一ついわゆる再軍備費ですか、こういうものが大きいアイテムだと思うのですが、これも二つアイテムに加えべきものであるかどうかです。
○国務大臣(池田勇人君) 私はこの国防分担金と申しまするもの、日米安全保障協約によつてきめらるべき問題につきましてあえて抜かしたのは、私自身としては皆さんがお考えになるほどじやない。来年度の予算にそう大きい問題ではない、大きい問題にはならんのじやないかと思うのであります。御承知の通り終戦処理費というものは千二百億円から千百億円、千二十億円となつて参りました。而して今年の七月からは終戦処理費の支払を一部アメリカにおいて負担してくれることになつたのでドル払になつております。従いましてこれを回転基金として七十五億円のスキツヤプによつて予算を変更いたしましたが、で今年度におきましてドル払になつた関係上、終戦処理費がどれだけ減るかということが問題であるので、この問題が補正予算を組む上におきましても重要な問題です。補正予算を組むにつきましては……。併し日米安全保障協定によりまして、来年度において我々の負担すべきものが千二十億円という終戦処理費のような額に上らないということは、私は確信があるのであります。又そうなつては困る。この点は私は自分としてそう考えております。今日の日本タイムスには、大蔵大臣は千億円ということを言つたと書いてあるのでございますが、私は千億円というふうに言つたわけではない。千億円にもなるようなことはありますまいと、こう言つたのであります。今は大体……、これは率直に申上げますると、半々程度に相成つていると思つております。まだ施行は七月からでございますから、実績はわかりませんが、併し昨日もお答え申上げましたように、イギリスにおけるアメリカ空軍の駐屯による費用の分担があります。それを倣つて若し行くとすれば、これは私はその内容、日本に駐屯するアメリカ軍の規模を知りませんのであれでございますが、そういうことを考えまするというと、昨日お答えしたように、日本の負担が千億円にも、今年の終戦処理費の千億円にもなるようなことはないという私は見通しを持つておるのであります。じやどのくらいになるかと言われますると、これは安全保障協定によつてアメリカ軍がどれだけ日本に駐屯するかということによつてきまるわけであります。負担割合は私正確には知りませんが、イギリスにおけるアメリカ空軍の費用に対する負担割合は木村さん御承知だと思います。ああいうふうになるかならんかわかりませんが、或いは一つの目安ではないかということは思つておるのであります。 それから再軍備の問題でございますが、再軍備は総理が言われておりますように、我々は只今のところ全然考えておりません。併し或る人の言うように、警察予備隊が再軍備だということになりますると、これは私警察予備隊につきましては装備その他の点において強化しなきやならんと思います。その分の費用は補正予算で組むつもりでおりますが、これはわかりません。併し七万五千人の警察予備隊を増員するということは、私は聞いてもおりませんし、自分自身としても考えておりません。若し補正予算で警察予備隊の費用を計上するといたしますれば、それは装備の点であります。だからこの金額も大した金額ではございますまい。併しこの装備ということになりますると、かなり金がかかります。例えば鉄砲を持つ、鉄砲を持つということは鉄砲を持つだけかと申しますと、そうじやないのです。鉄砲を入れる倉庫から考えなければなりません。こういうことになりますと、相当の金額になるかもわかりませんが、今のところどれだけの金額になるかということは検討中であります。
○木村禧八郎君 大体わかりましたが、この再軍備の問題については再三総理大臣も又大蔵大臣も一朝でできないし、又意思がないと言われておりますけれども、ただ気になるのは二十七年度予算頃に出て来るのじやないかと點うのは、ダレスさんがUS・二ユーズ・アンド・ワールド・レポートの記者のフロムさんと会つて会談している内容がある。これを見ますと、こういうことが書いてある。今日本は漠然と安全保障の上にたたずまいしようとすることは許されない。従つて日本人は我々の措置が、日本が軍事協力と自衞をなし得るに至るまでの暫定的な協定として行われるのだと考えるべきである。日本の首相は、即ち吉田首相は会談の際にこの方針を認め、且つ日本人が自衛のための義務を盡くすべきである。日本は自由世界の自由な一員たるの世界に復帰すると同時に、日本政府はその領土を防衛するために日本の負うべき役割について協議すべきことを言明した。併し降伏條件の下では日本は軍隊を持つべきではないし、又持つてはいけないのであるから、講和條約が締結されるに至つたあとでなければ、かかる討議がなされるのは適当でない。そして又講和締結後でなければ、日本の再軍備を論ずることは不可能である。こういうふうに語つておられるのです。ですから恐らく講和まではそういうことは口にしてはいけないと、そういうことになつておるので言われないのじやないかと思うのです。で、総理或いは大蔵大臣が言われる通り、再軍備費が出て来ない。再軍備の意思がないということは尊重いたしますし、又我々もそれを希望するわけなんです。けれども、このダレスさんが、フロム記者に語つた内容から見ると、それは占領下であるから、そういうことは問題にすべきじやないのであつて、講和ができたあとにおいては、又新たな問題として出て来る可能性がある。そこで我々は二十七年度以後の財政負担について、只今大蔵大臣から伺いましただけでも、これは我々容易なものではないと考えますが、その上に再軍備費が出て来ると大変なことではないか。更に先ほど大臣はいわゆる国防分担金は一千億に上らないであろうと言われましたが、仮に上らなくても、今後は対日援助費がなくなるのですから、今まで対日援助があつて終戦処理費があつた。今後は終戦処理費と対日援助費がなくなつて、そういう国防分担金が出て来れば、そのうちの全部とは言いませんが、プラスアルフアーは又新たなる負担になるのじやないかと思うのです。そこでそういうものではない、今大蔵大臣が言われているのは、そういうような講和後において出て来るものではないのだと、やはり講和後においても、講和條約ができた後においても、依然としてこれまで総理が言われたこと、大蔵大臣が言われたことは妥当しているのだ、当てはまつているのだ、こういうふうに了解してよろしいのでございましようか。
○国務大臣(池田勇人君) おつしやる通りで、そういうふうに御了解を願いたいと思います。
○木村禧八郎君 それでは時間もございませんので簡単にもう一点だけお伺いしたいのです。それは今度の講和條約調印会議に大蔵大臣が、一万田さんも行かれるそうですが、いわゆるブレトン・ウツヅ協定ですね。あれに参加の要請を行うであろう、ということを伝えられている。九月十四日だかに総会があつて、オブザーバーとして出席されて加入を要請される。こういうことが伝えられておりますが、これは事実かどうか。それからその場合において、どういう心がまえでその要請をされるか。いわゆるブレトン・ウツヅ協定の問題、日本の為替の問題、これは重大な問題だと思う。伝えられるところによりますと、大体一ドル三百六十円で参加する。こういうふうに言われておりますが、最近ヨーロツパでさえアメリカのインフレの影響を国内措置で克服できないので、為替相場を引上げてこれを調整しなければならない、或いはブレトン・ウツヅ協定のこれまでの非常な窮屈な制限に対しては、いろいろ批判があるのです。この際大蔵大臣もやがてもう行かれるわけでありますから、その総会に出席される場合に、このブレトン・ウツヅの為替の制限の問題、そういう問題についてもう世界的に相当の論議があるのですから、この点についてはどういう心がまえで大蔵大臣は加入を要請されるか。ただ三百六十円で、このままで向うで言われる通りに参加してしまうと、こういうようなお考えで行かれるかどうか。この点最後にお伺いしておきたいと思う。
○国務大臣(池田勇人君) 私がアメリカへ行きますのは、講和條約の調印の全権として参りますので、はつきり申上げますが、国際通貨基金への加入或いは国際開発銀行への加入を要請に行くのではございません。私は大蔵大臣としてそのIMFとか或いは開発銀行に加入を要請する権限は、自由は持つていないのです。併し加入したいということは、昨年の五月に参りましたときに、向うの関係方面に自分の考えとして非公式に申述べたことはございます。併し只今の状態といたしましては、私の申上げ得る自由を持つのは、今日の新聞に出ましたように、オブザーバーとして、オブザーバーという意味は少し疑問があるのであります。私は丁度原文を特つておりませんが、まあ通例言われるオブザーバーとして武内君と、間に合えば渡辺、武内君を参加さすように指令いたしました。従いまして私は要請に行くのではございませんから、どうぞ御了承を願います。占領治下で大蔵大臣の権限といたしましてどの方法でやるかということは、その問題は申上げる自由はありません。それから若し加入することがあつた場合において、三百六十円レートについてどういう考えを持つておるかというお話でございます。加入、不加入の如何にかかわらず三百六十円レートは堅持いたします。又堅持し得られるのであります。今お話のようにヨーロツパ諸国が為替相場を切上げる……切上げるのか、切下げるのかと私は質したかつたのでありますが、ヨーロツパ自身におきましてはそういう問題がありますが、私は日本の円レートにつきましてとやこう言う人がおりますが、三百六十円レートで結構で、これを動かすべき何らの理由を認めないと思います。その状態は今日も本会議で申上げましたが、一と月の輸出入の額を見て減つたとか殖えたとかいつて心配する……。よく日本人は一カ月か二カ月間で大変なことだと言われるのですが、その六月の輸出の認証分は九千三百万ドルに減りましたが、その前の月は一億六、七千万、併し七月の認証は前月の九千三百万ドルに対しまして一億五千万ドル、これは認証というものは五月の末にずつとたくさんやつて、六月が少くて、七月の初めにやる。併し今度貿易の為替手形で見ますと、ずつと一億二、三千万ドルを続けて行つておる。今輸出も今年の四月から一億以上にずつと為替統計ではなつております。減つておりません。五月がちよつと多うございましたが、七月が一億二千七百万、貿易外の收入も五、六千万、七月は六千八百万ドルになりました。二億近い外貨の獲得であります。この四月頃から、二億を超えたり、一億九千万ドル、こういうふうな状態であります。輸出も伸びております。鉄鋼その他繊維品の輸出も、大体輸出品の半分は繊維品。鉄鍋なども輸出はできんと言つておりますが、それは言うだけで、輸出統計を見ますと、決してそう減つていない。私は輸出貿易は三百六十円レートで十分できる。今どつちかといつたら、輸入がなかなかむずかしい、こういうことなんです。輸入がむずかしいのは、レートの問題ではないので、金融の問題と、値下りの見通しと、或いは値が上るだろうといういわゆるコンマーシヤルの考え方で行つておる。私は為替相場を変更する理由は何ら認めていないのであります。若しブレトン・ウツヅ協定に入るといたしますれば、三百六十円で結構だという気持を持つております。又片一方はブレトン・ウツヅ協定に入ろうという人が三百六十円に疑問を持つようなら入れてはくれやしません。レートがはつきりせんような国は入れやしない(「それは入らんほうがいいですよ」と呼ぶ者あり)入らんほうがいいとおつしやいますが、(「入れさせられるんだ」と呼ぶ者あり)我々は国際経済に参加してやろうとすれば入るほうが結構だという気持は持つています。
○木村禧八郎君 簡単に、もう質問じやありませんから。ただ大蔵大臣非常に目先のことだけ云々と言いましたが、私の質問した趣旨はそうではない。これまで日本の為替相場も三百六十円を切下げたほうがよかつたときもあるし、切上げたほうがよかつたときもある。イギリスは三割の為替相場を切下げて、あれだけ輸出が殖えて、国際收支が非常に改善されたのです。問題は、入つてしまうと、一割上下しか動かせないという制限の問題、これは今世界的な問題になつているのです。そういう際に、加入するときには、三百六十円にとらわれるわけではないのですけれども、このブレトン・ウツヅ機構が実際これでいいのかどうかということについては一応もつと検討して、そうしてやはり臨むべきだと思うのです。そういう点を私は問い質したわけであります。これは議論になりますから、これで打切ります。
○委員長(和田博雄君) 内村君に発言許しますが、堀木君がさつきから来ていますから……。
○内村清次君 大体要求して何したのは僕が最初口を切つたのだかな。
○堀木鎌三君 いいです、あとで。
○内村清次君 予算委員会を開会中に開いて、大蔵大臣に一つここで、今国民が非常に期待をしておる問題をはつきりして頂きたいという要求をして、漸く今日開かれましたのですが、時間が一時間というのは全く不満です。併し本論はすでに大蔵大臣御承知の通りと思いますが、全国の知事会議でも非常に問題としておりますし、地方行政委員会でもすでにこうやつて予算委員会のほうにも回付されておりますが、この問題、いわゆる地方財政の確立の問題は、これはまあ基本的な或いは根本的な問題でありましようが、この差辿つた財政の危機突破の問題を、これは行かれる前に、知事の要請や各地方のこういう大会が各地に持たれつあるのですが、そういう状態をこの国会を通じて一つ安心して行かれたほうが、あなたも行かれる上について御安心だろうと思います。そういう見地から、内容の点につきましてはもうすでに大蔵大臣は御承知だろうと思います。例えば地方公務員のかたがたや教職員のかたの給与ベースの上ぐることができないのだとか、それから又戦災やその他の各種施設問題が現在ではもう財政的に行き詰つてしまつているのだ、それをやるにしても、補正予算の即ち国会が開かれて、そうしてそれが決定を見てからの工事施行では、もうすでに冬季に入つてしまうのだ、こういうような切迫した問題があるからして、何とか大蔵大臣がその前に言質を与えてやつて、全国の知事の行政危機を救つてやらなくちやいけない。こういうふうな点を私は考えまして、その点を一つ明確に今日安心するような言質をここで闡明してもらいたい。これを先ず第一点に……。
○国務大臣(池田勇人君) 府県財政の逼迫ということは、非常な強い声で私どもの耳を打つております。私も考えております。併し強い要求があるからすぐ安心をさすような手を打てと言つても、これはなかなか打てない。先ほど来申上げている通りであります。昨日も地方財政関係の参議院のかたとお会いいたしまして、一昨日でございますか、今大蔵省では実態を検討して、地財委のほうとも又県知事のほうとも数字で固めて行こう、こういうことになつておるのであります。前からの問題のように、今年は大分早くから手を着けまして、実態を見ております。我我の見る数字では、東京、大阪なんかは相当自然増收が出まして、東京、大阪につきましては普通の経費を賄つて七十七億円の余裕財源があるということを大蔵省の事務当局は見ておる。その数字については府県知事或いは地財委と検討してくれと言つております。東京大阪を除いての府県のうち、十数府県では三十四億円の財源がある、他の府県では二十八億円の財源不足がある、こういう数字になつておる。その数字を大蔵省の事務当局ばかりじやいかんから、地財委のほうとも話をし、府県知事が折角来られておるのだから、府県知事とも相談しろと言つて、相談させております。我々の見るところでは、国にそういう自然増収があると同様に、地方にもある。少くとも地方団体では二百八十億円、府県につきましてはそのうちの百九十億円は少くとも財源があるということは地財委でも話が大体きまつたようであります。而して余裕財源のある所のものを財源不足のほうへ廻すことができるかできんかという問題について地財委でお考え願いたい、平衡交付金を財源のある所を減らして財源のない所に廻すことができるかどうかお考え願いたいということを私は申出ておる。それから東京、大阪のように平衡交付金が行かん所の分は、余裕財源があつてもそのままで置くか、或いは他の今年限りの特別の措置を講ずるだけの用意があるかということを私は地財委のほうへ申入れようと思つております。やはり地方公共団体は、運託生とは申しませんが、大体今の税法の欠陥その他があつてこういうふうなことになると思えば、将来どういうふうな税法にして行くかという恒久的の考え方をきめて、而し、今年限りはこうだというふうな非常措置をとつて、余り財源で困つている国のほうに迷惑をかけずに、お互いのうちで何とかできないかということを先ず検討して下さいということを私は申出ておるのであります。さういうことをやつてなお足らんときには私は考えましよう。これは国民の負担に影響することでありますから、国だけのほほんとしてはおりません。府県のほうも余る府県も足らん府県もとにかく何とか肚を合せてできないかということを申出ておるのであります。こういう問題を抱えまして、私はアメリカへ行くまで何か色よい返事をしろと言つても、大蔵大臣はそんな危険なことはできません。殊に給与の問題なんかにいたしましても、先だつての国家公務員の給与の引上げは、予定は千円、実績は千二百円だつたそうでありますが、地方公務員の国家公務員千円ということを基準にしてはじき出した給与の引上げは千五六百円から千七八百円になりましよう。我々は千円の引上げということは六千三百円ベースで手取りが六千八百円のものを八千円くらいにしたいということでやつた。然るところ、地方のほうは手取りが国家公務員が六千七、八百円のときに七千円を超えておるではありませんか。それへ持つて行つて国家公務員の千円に合わしてやつて千六、七百円になる。今回我々が計画しております千円アツプとか千五百円とかアツプした場合には、今まで通り地方がやれば二千円アツプになるか、二千五百円アツプになるかわかりません。然るにそういうやり方で、国家公務員のいいところは右へ倣えで、財源は平衡交付金で国が負担するのだということは、大蔵大臣は承服できません。そこで地方公務員の実際給与と、国家公務員の実際給与を洗つて見ようということで、先般来から国家公務員の七万七千人の履歴書と家庭全部を調べまして、国家公務員のと合わせて見ますと、先だつての給与引上げの前におきまして、職種によつて違いまするが、三、四百円は上になつております。そして千円アツプした後になりまして千五、六百円になる。東京、大阪が入つているかどうか疑問に思います。多分入つていないと思いますが、東京、大阪の実際給与の調はまだ届いておりません。東京、大阪はまだお出しになつておりません。そういうところを考えて見ますと、地方公務員の給与引上げも必要でございましよう、併し国家公務員の給与の実際を見て千円アツプした場合において、右へ倣えで地方公務員まで千五百円とか、二千円アツプしていいかということは、国民としてお考え願わなければならん問題であります。而して私は国家公務員の給与を上げても地方公務員のことは知らんと言つていない。国家公務員に本当に並ぶようにしよう、不公平の起らないように制度を変えるとか、制度を是正するような考え方でやつて行こうということを、友人にも今朝話したわけなんであります。決して国家公務員と地方公務員にむちやなことをしようとは私考えていない。少くともこれは将来の財政、国の財政、地方の財政に影響することでありますから、こういうやかましいときに、一つ真劍に将来を思い現在を考えて、立派な制度を打ち立てようじやありませんかということを、私は地財の人にも、県知事の人にも、或いは党の人にも言つておるのであります。今明日出るまでに、そういう案が出来ますまでに……いつでも断を下します。いつもわからんところをそのままに置いて、声が大きいからおいそれと色よい返事をすることは、私としてできないと申上げるよりほかない。而してとにかく大きい問題だから、補正予算は、私は帰つてから最後の断を出すから、早くそういう結論を出してくれということを事務当局のほうにも申入れております。関係の官庁にも言つておる次第であります。従いまして、今のことはそういうことが固まつて来ればいつでも断を下します。併し固まらざる限りはなかなかよい返事ができないと思うのであります。
○内村清次君 只今のお話で大体大蔵大臣の気持もわかりました。併し不幸にいたしまして非常に不足財源で悩んでおりまする、而も又これは根本的には税制改革をやつてもらわなくては、どんな御検討を要請せられましても歳入の面では財政の確立はできないというような地方の人たちからの大蔵大臣との面接の状態を私たち聞きまして、そういうような面から見ますると、非常にあなたがまだ頑固だ。こういうような言葉がやはり適切に私の胸にぴんと来る。そこで問題は、御答弁によりますと東京、大阪のように、これはまあ相当自然増収が見込まれておるところの県、そういうような、即ち余裕のある県、財源を持つている県は、先ず地財のほうで一つこれを何とか検討してくれんかというような、あなたのほうの、何と申しまするか、地財に対するところの命令でも出しておられるか。そういうようなことで果してあなたが出て行くまでの間に、本当に悩んでおるところの人たちが安心するかどうかはとてもむずかしいと思う。やはりそれは一応政府としてとるべき措置ではありましよう。併しこうやつた二十五、六年の赤字の県というものは、これは一様に悩んでおる問題であるからして、それに対して先ず打開の途を一つあなたのほうで積極的に出してもらいたい。同時に又その国家公務員のほうと地方公務員のほうの給与ベースのアツプの差というものがあるのだ、これは御検討下さいますとそのデーターは出るのでありましようが、併しその給与ベースというものは、必ずしも現在の生活費、即ち物価に対するところの生活費に対しては、到底これは不足しているということだけははつきりしているわけです。そこでこれは一様に国家公務員も同じことですが、地方公務員もやはりベース・アツプというのは目睫の問題として非常にこれは要望しているのであります。そこで不足財源のことは何とか一つ財政の補正をしてやろうと、こう考えながらも、而も全般的には大蔵大臣のお考えを或いは勘案して、公務員ベースと大体平均的になるような地方もあるかも知れません。そういうようなことで考えておりましても、現在の赤字で手の着かないのが、現在の即ち地方の状態であろうと思うのです。そこでこれを何とか解決してやつて頂きたい。それにはやはりあなたのほうでは、先ほどから色よい返事とおつしやるのですが、もう一度強い返事をそういうところで出してやらないと、この問題はあなたの御不在中に相当各県の問題となつて、あなたも御心配なさる点が出て来やしないかと杞憂いたしますが、この点はどうですか。根本的な改革は別ですがね。
○国務大臣(池田勇人君) 頑固だとおつしやいまするが、これは私がね、頑固と言われても、国のためにならんことはしたくない。今給与ベースのことをお考えになつておりまするが、私は地方の歳出というものも考えて見なければならん。給与ベースが問題になる前におきまして、各府県の財政がどういうふうな状態になつているか。昭和二十四年度の決算、昭和二十五年度の決算見込……殆んど決算ができております。そういうところから見て、地方の財政の膨脹が如何にもひどいのであります。臨時費などにつきましても、二十四年度に比べまして二十五年度は三百億円が全体として出ております。そこで給与の問題は関係者が多いから声が大きくなるのですが、私は地方のかたがたにも十分各府県の財政を検討してもらいたい。各府県について、例えばこの府県はこれだけの赤字が出る、今年度の予算でどれだけのものが搾れるか。搾つた上でこのくらい搾つてもなおこれだけの赤字だということを検討しなければ、片一方は付にも搾らずにどんどん歳出を殖やして置いて、これだけ足りないと言つて出されたときに、私はそうですかと言つて出す金はどこから出しますか。各府県の人は平衡交付金の制度があるから大蔵大臣に、頑固な大蔵大臣にどんどんお頼みになるかも知れませんが、この大蔵大臣がそういう財源をどこから求めるか、陳情に行くところがない。それだから私は本当に各府県ごとに洗つて見て、これだけの歳出を減らしてもたお且つこれだけの赤字があるというならば、他の府県で余つたところで融通ができんものか。こういうことは私は一応考えて、然るべき後にやるべきではなかろうかと思うのであります。今私はこの府県がこれだけ足らんというときに、他の歳出を見ずにおいて、それじやこれだけ出しましよう、これだけ出しましようということは賛成しかねるのであります。勿論これはいつまでも放つて置くべき問題ではなかろう。できるだけ早く結末をつけよう、こういうので、一昨々日でしたか、自由党のほうで三十数名の県知事が寄りまして申出がありまして、実は土曜日に調査を見てから私は結論を出したいと思いましたが、七曜日まであなたがたが折角来ているのだから、土曜日まで待たせますまい、明日十時からやりましよう、だから帰つて省議を開いて資料を作りますと言つてやつておつたのであります。できるだけ早く固めて断を下しまするが、ただこういうのがあるから、いろいろな調があるから、おいそれと出すわけには私の立場として行かない、こう申すのであります。急ぐことは急ぎます。
○内村清次君 急ぐことをお約束できましたから幾らかいいのですけれども、併しこれはやはり根本問題は、すでにこのシヤウプ勧告がありまして、あなたのほうで二十六年度の財政をきめられたときにおいて、平衡交付金の即ち制度をきめたときにおいて、こういう問題は、無理はもうちやんとわかつておるはずだつたのです。これは私は常にそのときに意見を申述べておつたのでありますが、どうしても税制の改革をやらなくちやいかない、或いは又行政関係の再配分その他の点についてお考えもなくちやならん、これはわかるのです。これは是非検討して案を出してもらわなくちやならんのですが、とにかく現在の危機の状態ということは深刻ですよ、これは。そして余裕財源から貸してやつていいじやないかと言つても、そう簡単にできますか。実際においてこれはできないだろうと思うのですな。そういうようなことをやつておりますると、やはり各県は、地方自治を尊重させるために、地方産業を……やはり余裕財源はあるところはあるところで、即ち地方の繁栄を目途として、財政規模を考えて行くものであるから、他の貧乏県に貸してやるというようなことはしたいだろうと思うのです。そうしますといつまでもやはり赤字の財政のところはいつまでも産業の振興ということはできない、地方自治の発達ということはできない。こうなつて来ると、国の大蔵大臣が一つ考えてやるべきじやないか、こう思うのですが、幸いにして急いで結論を作るとおつしやるのですが、出発前までは結論をつけてやつて頂きたい。この点を特に要望しておきます。
○委員長(和田博雄君) 大蔵大臣非常に急がれておるようですが、堀木君と下條君が前から質問の要望があつたので、御両氏の質問が終るまでは池田君、いて頂きます。では、堀木君。
○堀木鎌三君 非常に先をお急ぎになりますから、お聞きしたいことはたくさんありますが、極く一、二点にとどめたいと思います。 先ず私は、ほかのこともありますが、やはり講和に対して全権で行かれますし、本議会の性質に鑑みまして講和に関連した経済問題について一、二お尋ねしたいと思います。実は、特に総理大臣が経済問題については非常にお暗いようなんで、これは池田大蔵大臣に非常に期待するところが国民としては多大だろう、こう考えますので、そういう点からお聞きいたしたいと思います。先ず賠償問題について先ほど木村君からの質問に対してお答えになつたのでありますが、これはまあ、フイリツピンは八十億ドルでありますとか、ビルマは何億ドルでありますとか、いろいろ問題が提起されることだろうと思うのです。昨日の本会議で大蔵大臣は、現在の日本の資源的から見ては現在は賠償の余地はない、支払能力はないのだという点を強調しておられるのでありますが、今度の賠償問題は前の草案と異なりまして、相当違つた趣きになつて参るということも御承知の通りでありますが、やはり或る程度具体的な話合いが起るのじやなかろうか。併しながら、丁度大蔵大臣が各省から要求されるときに、全体の日本経済の枠から見て、予算の枠をおきめになると同じように、やはり日本の産業構造、或いは国民の生活水準、或いは国民所得の面その他各般の経済の面から見まして、ひとり大蔵大臣として財政の規模だけでなしに、各般の規模から見ましてお考えにならなければならない、そういう枠がないと、これは收拾がつかないのじやないか、こういうふうに考えるのでありますが、そういう点におきまして、支払の能力の限度として、どの程度という金額的のものは、現在お出しにならないだろうと思うでありますが、どういう要素とどういう要素というものを、どの程度に持つて行こうと考えるかという、全権としては構想がおありになるだろう、こう考えられますので、それを先ず一点としてお開きいたします。それからもう一つお聞きいたしたいのは、先ほどもお触れになりましたように、イタリーの場合と違つて、対日援助については、債務として残るというような考え方が基本になつておるようでありますが、こういう問題に対しまして、今まで御折衝になりました経過がありますかどうか、或いは新らしく今後この問題を御交渉になる予定であるかどうかという点を第二段としてお聞きいたしたいのであります。なお外債支払については金額までお上げになつていろいろお話があつたわけでありますが、大体これもイタリーのときと同じように、或いは何か具体的なお話合いがありましたらこの点、もう少し、どういうような解決方法で行くか、又この借替えについて、従来とも御交渉がありましたかどうか、そうして又、そういう借替えの方法についてお話合いがあつたかどうか、そういうふうな問題をお聞きすることができたら非常に仕合せだ、是非お答えを願いたいものだと、こういうふうに考えております。なお最後に、先ほど警察予備隊は強化しなければならないというふうなお話があつたのですが、これは條約の結果に基いて、日米安全保障協定の結果に基いて、警察予備隊の強化をお考えになつたのかどうか、ただそれとは別個にお考えになつたのかどうか、その点をお答えを願いたいと思うのであります。
○国務大臣(池田勇人君) 條約草案第十四條の全文につきましてはお話の通り、前の七月十三日と、一昨日の朝の発表とは違つております。前の分は原則として賠償の義務はあるが、日本が経済上適当な地位を保つためには、今能力がない、尤もこれこれは、業務賠償はしろ、こういうようになつておる、今度の分はこういうのがなくなりまして、賠償をする資源が現在のところ欠けておる、こういう表現になつております。やはりこれは根本の趣旨は余り違わないのじやないか。金銭賠償じやない。今の尤もというところがなくなりまして、労務賠償ということにたつておる。而うして堀木君は、私が行くときに、その賠償の範囲、或いは種類について腹案があるかどうかとおつしやるが、私は今何もございません。これは條約が批准し、成立いたしましてから、当事者間できめることであるのであります。従いましてアメリカに行くときに、この賠償の範囲、種類につきましての腹案は全然持つておりません。対日援助について、債務と心得ておるということを、今再確認するようだがこのことについて最近何か交渉の結果そうなつたかというお話でございますが、何もこの問題で話はございません。ずつと前にマツカーサー元帥が、そういうことを言つておられましたし、又先の国会、この前の十、九、八の三回分国会でこのことは常に私が言つておることで、講和に伴う債務として考うべきアイテムの一つとして申上げただけで、最近の交渉によつてそういうことを確認したわけでも何でもないのであります。従来からの私の考えがそうであります。第三点の外債支払について交渉したか、或いは腹案があるかという問題でありましたが、外債支払につきましては、これはイギリスのほうの人も一、二会いました。又アメリカ系の銀行家もこの問題を持つて参りますが、一切触れておりません。ただ向うの申出では、外債を支払う場合におきましては、代理店を昔やつたことがありますから、我々を考えてくれ、こういうお話であります。外債の支払方法その他につきましては、向うからもありません。私も努めて触れておりません。而してこの支払につきましては、大蔵大臣どういうふうに考えておるか。イタリーの支払につきましては、イギリスとイタリーの関係とアメリカとイタリーの関係とは違います。違いますが、イタリーの方式によるかどの方式によるかということは、私は検討はいたしますが、これは軽々しく申上げることではないのであります。私は一切最近において他の話とも相談したことはございません。又意見を述べたことはございません。又警察予備隊の増強の問題につきましては、これは講和條約ができる、できんの問題と直接の関係はないのであります。今の警察予備隊の実状を見まして、私はもう少し内容を強化する必要があると考えまして、補正予算に出そうとしておるのであります。直接に講和條約に基いてこうこうするということではございません。
○下條恭兵君 一言だけ……。
○委員長(和田博雄君) 簡単に一つ…。
○下條恭兵君 大体事情ははつきりいたしましたが、併しそうなつて参りますと、大蔵大臣にお聞きしたいことは、大蔵大臣が今度の講和條約の全権としてお出でになるという使命の具体的なものは何でございましようか。その点をはつきりお聞きしたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 閣僚の一人といたしまして、講和條約に調印するということが務めであります。(笑声)
○下條恭兵君 それで結構です。私は特に昨日委員長に通告して、いろいろ準備して参りましたが、時間がないということですから三点だけお尋ねしたいと思います。最近の貿易は非常に不振であつて、特にドル地域向けの輸出が悪いということを聞いておりますが、その結果ドルの不足が非常に激しくなることは予想されるわけであります。これに対して政府としましては対日援助の打切りから後のドルの不足に対してどういう対策を持つておられるか、お尋ねしたいと思います。この問題に関連しまして、私の記憶によれば、昨年末は年末五億ドルからの資金を持つておつたと思いますし、又年度末においても四億何千万ドルか、相当のものを持つておつたと思いますが、現在ドル並びにポンドの残高はどのくらいになつておるか。そして若し減つておつたり或いは殖えておるものがあればどういうわけであるか。それから先の見通しというようなことを併せて簡単に御説明を願います。
○国務大臣(池田勇人君) 貿易は先ほど申上げましたように、何ら悲観すべき状態ではありません。併し内容を検討して見ると、お話の通りにポンド地域の輸出は相当旺盛であります。で、オープン・アカウントのほうもかなり順調に行つております。而して減つておるのはドル地域の輸出が減つております。ドル資金にはかなり因つております。ただドル資金は今までの不足は、これは今までの援助資金と特需関係のドルで賄つております。特需についても朝鮮関係の特需、又貿易外のアメリカ人の日本国内において消費する金額は相当に上つており、すでに賄つております。併し日本の貿易としては前からそうであつたのでありますが、ボンド地域が割合にいいのであります。ドル地域が悪いのでありますが、これは御承知の通りに前は生糸その他によつて償いをつけておるのでありまして、だからこれからは貿易はできるだけドル地域のほうを一つ盛んにしなければならない。私は昨日も或る銀行家に言つたのですが、金を貸す場合もコンマーシヤル・ベースによつてこれは採算がついて輸出もいいからと言つても、ドル地方のほうへ行かずに、ポンド地域のほうへ行くから輸出商社、或いは金融についてはできるだけ締めてドルのほうを盛んにしなければならない。いわゆるドル・プライスというような言葉、そういう考え方で行かなければならないと思います。従いまして、最近の状態から申しますると、そういうふうでございまするが、東南アジアの開発だとか、或いは日米経済協力だとか、或いは特需関係とか、こういうことになつて参りますと、今のところは相当ドルが入つて参りますから、何と申しましても、原料を今特にドル地域なり、アメリカから仰いでおる関係上、貿易全体としては非常に順調に来ておりますが、この点が心配になりますので、今後注意して行かなければならんと思います。それでは今ドルがどのくらいあるかということは……。
○委員長(和田博雄君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(和田博雄君) それでは速記を始めて下さい。
○下條恭兵君 ちよつとそれでは簡単に言いますが、ドル・ユーザンスをやる意思があるかどうかお尋ねしておきます。
○国務大臣(池田勇人君) ドル・ユーザンスはやりたいと思つておりますが、相手の関係もありますので向うの銀行家といろいろ折衝いたしております。やりたいと考えております。
○下條恭兵君 やるとすれば大体実施できるという時期というものの見通しをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) これはこの国内金融その他にも非常に影響がありますので、又相手もありますので、例えばドル・ユーザンスをやる場合はこちらへ来ておる三大銀行だけを相手にするか、或いは取りきめをしておるその他の九銀行がどのくらい持つかといういろいろな問題がありますので……。で、やりたいということ以上に金額と意見を言うことは今謹しみたいと思います。
○下條恭兵君 もう一つだけお伺いしたいと思いますが、見返資金の今までの積立金は来年度の予算でこれをお使いになるということは……。
○国務大臣(池田勇人君) 見返資金の積立は八月の十日現在で大体八百億ばかり、そのうち五百億円が国債を持つております。これはもともと国債を償還するという建前で……償還はいたしませんが今保有しておるのであります。その他の分が三百億ばかりあります。併しこれは御承知の通りに初めの予定よりも造船資金のほうに先般七十七億円殖やしました。その他いろいろな関係で、繰入とかいろいろ関係がありますので、二十六年度末においては大体八百億程度、うち、五百億円国債を保有したのを二十七年度に引継ぐ予定であります。それは先の国会で御説明申上げた通りであります。ただ違うのは七十七億円の分が造船の資金で殖えたというだけであります。
○下條恭兵君 それは来年度はどういうような使途にお使いになる予定ですか。
○国務大臣(池田勇人君) 来年度は来年度の予算のときにきめたいと考えております。
○委員長(和田博雄君) 池田君が非常に忙しいので……、もう一時間半から二時間過ぎてしまつたのですが、周東安本長官がまだ残つておりますので、周東長官に五分間ばかりお聞きされたら……。
○矢嶋三義君 大蔵大臣にちよつと……、大蔵大臣にめつたにお目にかかれませんので、ここで簡単に二、三先ほどから大蔵大臣の御説明によつてこの講和條約締結後の財政負担が非常に複雑であり、非常に重大なものだということはよくわかつておるのでございますが、私は端的にお伺いしたい。それは一点についてでありますが、非常に国家財政の窮迫というような立場から新学制の六三制というものが財政的な立場から、特に大蔵省を中心に検討されているというような噂がありますが、随分と国民は動揺して、最近陳情団も盛んに上京しつつあります。その一つの裏附として、今度文部省のほうから〇・七坪と、それから御承知のように単価の引上げによる補正予算七十八億の要求は全面的に削除せられるという、こういうふうに報せられておりますが、この六三制に対する国家財政の関連上、大蔵大臣はどういう見解を持つておられるか。なお本年度の文部省の要求の七十八億、これは全面的に現在削除されているやに承わりますが、これらは如何に対処されるおつもりでありますか、その点を承わりたいと思います。
○委員長(和田博雄君) ちよつと待つて下さい。新聞社のかたに申上げますが、今の外貨の現在量はこれは新聞にも載せてくれないようにお願いします。これは速記をとめている点でありますから、ちよつと御注意を申上げます。
○国務大臣(池田勇人君) 六三制の問題について、大蔵当局は財政上の見地からこれを変更する意思があるかどうかこういう御質問が第一の点ですが、これは私はここで言明いたしかねます。こういう大問題を閣議にもかけずに大蔵大臣がとやかく言うことはよくないと思います。私は今の財政方針といたしましては、六三制は続けて行くという考えでおります。これは多分本会議でも総理大臣はそうおつしやたのじやないかと思います。私はそういうつもりでおります。併しこれは将来永久に変えられない問題かということになりますと、これは別でございます。私は只今のところこの方針を続けて行く考えでおります。第二の補正予算で、文部省から出ておる八十六億円か七億円の補正予算の要求をどうするかという問題につきましては、私は内容を見ておりません。金額だけ聞きましたが、これは予定の建築をやつて行こうという考え方から組まれた金額が大部分だと思いますが、その分につきましては、一応先般の閣議では物価高によりまする事業分量保持のための補正予算は、成るべく認めないということを私は発言いたしております。従いまして、それが伝わりまして、事務当局は全部削つたのだと思います。今のところはまだこれから帰つて聞くのでありまして、正確なことは知りませんが、私は物価高によりまするいろいろな事業費は、事業分量を維持するために補正予算の要求されておる場合においては原則として削減する、こういう考えでおります。
○矢嶋三義君 その原則として削減するというのは了承できるのでございますが、六三建築の遅れているところは、地方公共団体の中でも非常に財政力の弱い公共団体が残つている実状でありますし、末端の調査によりますと、半分だけ立ててあと腐りかけているというような状況でありますので、原則ということは了解いたしますが、この補正については更に御検討を切に要望するものでございます。更にもう一つこれに関連してお伺いいたしたい点は、先般大野文部大臣に六三制はどうかと言いました。ところが六三制は堅持する、そうして自分の研究では、又自分の知つている經済学者の意見では大体総合して我が国の經済力から言つても、持ちこたえるものと自分も結論を持つている、こういうふうに言われた。そこで日米安全保障協定によるところの財政負担というものは、どの程度組まれているかと質問いたしましたところが、それらは一切知らない。こういうふうに答弁されたわけですが、大蔵大臣は先ほどこの日米安全保障協定に伴うところの負担は、終戦処理費の一千二百億、一千億以上は出ないものと私は考えておるという御答弁でございました。その構想の下に予算を考えられておられると察するのでございますが、そういう角度から国家の金融財政を預つているところの大蔵大臣としては我が国の経済力という立場から考えても、六三制というものは今後堅持して行けるという確信の下に立たれているのかどうか、その点承わりたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 率直に申上げますが、六三制を考えましたときと、そうして実行いたした状況から考えまして、このままで行けば私は堅持いたしたいと思います。併し先ほどから話がありましたように、日本のこれからの負担がどうなるか、經済力がどのくらい伸びるか、こういう大きい問題になつておりますから、六三制は堅持したいという考えの下にいろいろな点を研究しなければ結論は出ません。これは安全保障協定の負担分がどうなるかという一つの問題だけを噛み合わせる問題ではございません。而も又六三制のやり方にいたしましても、非常に問題で、校舎の問題につきましては、百人の陳情団の中で九十八人までおりますが、六三制実施に伴う教員の養成につきましては、百人中一人ぐらいしかないのでありますが、私は六三制の問題は校舎の新築もさることながら、教員の再教育その他の補充が最も大きな問題であると考えておる次第であります。従つて大問題でございますので、私はこういう際に、責任ある大蔵大臣としてとやかく申上げられませんが、ただ今申上げましたように、六三制は持続するというつもりで予算の編成に当りたいという気持で進んでおるのであります。
○矢嶋三義君 今の問題は重大問題でありますから、随分問題があると思いますが、この点打切りまして、もう一つお伺いいたしたい点は、さつき地方財政の確立の問題につきまして、将来の抜本的解決はさておいて、来年の三月まで如何に地方公共団体は財政的に生き延びるかという問題でございますが、これにつきまして大蔵大臣は現在検討中である、早急に結論を出したいと言われたが、先般の予算の審議のときにも、地方財政の実態把握の点につきまして随分論議もございましたし、なお大蔵大臣としては地方財政はなかなか把握しがたいから、今後とも努力するという言質をここで与えられたわけであります。本日なおそういう御答弁では、ちよつと悪くとりますというと、そういうことでずつとサンフランシスコに行かれまして、そのまま地方財政というものは来年の三月まで苦しむのじやないかと思うのであります。そこで私は質問申上げるのですが、知事会議は五百七十七億赤字だと言つておる。ところが地方財政委員会のほうでは、二百五十五億の起債の増加と、三百七十五億の平衝交付金の増額を要求しておる。而も地方財政委員会は二百八十二億の地方税の増收ということを表面にはつきり出しておるわけで、従つて知事会議のほうは地方のことばかり考えて、国家的な立場から考えないで五百七十七億ということを出すというようなことも或いは考えられるかも知れませんが、少くとも私は地方財政委員会が大蔵大臣と全く同様の立場で地方のことを考えると同時に、国家全般のことも私は考えられておると思いますが、そうなりますれば、地方財政委員会から出ましたところの或いは二百八十二億の増收とか、二百五十五億の起債とか、三百七十五億の平衝交付金の増額というものは相当含みを持つておるものと考えます。大蔵大臣としては相当これを尊重していいのではないかと思うのでありますが、この数字に対しまして大蔵大臣はどういうようにお考えになつていらつしやるか。なおさつき検討して、何とか一部の所を、苦しい所を、救済策を具体的に立てられると言われたのでありますが、これは大蔵大臣がサンフランシスコに飛ぶ前あたりに、大体結論が出て来ますのでございますか、その点承わりたい。これで私の質問を終りたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 私は調査をぐずぐずしているというわけではございません。この前の国会が終りましてから、直ちに各財務局を通じ、府県の協力を得まして、各府県の二十四年度、二十五年度の決算、今年度の状況を取りまして、各府県全部出して頂きまして、東京、大阪の一部が出ておりません。市につきましては、百十の市から出て来ております。町村については一千しか出ておりませんが、それを全部集計して結論を出ました。その結論は一昨々日の自由党の本部で三十数名の知事に結論を申上げたのであります。今ここで申上げましたように私の見るところでは、東京、大阪では自然増收がありますために、七十七億円の予備費がある。その他の府県につきましては、合計して黒字の出る所が三十四億円、赤字の出る所は二十八億円になる。この調査を御覧になりますればわかります。而して知事の諸君或いは地財委のほうもそれを検討せられているのでしよう。私は無責任なことを言つて日を延ばしているのではありません。一番力を入れて早く結論を出そうとしてやつているということについて御了承願いたいと思います。それから地財委のほうと知事のほうとで我々の数字が誤つているとすれば、こういう結論にして欲しいと言われるならば、数字についていわゆる地についた議論をしたい、こういうので進んでおるのであります。だから何百億と言わずに、この府県についてはどれだけの赤字だからここをこう切詰めれば、赤字なしに行くのだ。この府県はこれだけの黒字が出るのだ、こういうように全般的に考えないで、余つた所はそのままにしておいて足らん所へ出して行くということになると、税金を納める国民が辛いということになるのであります。それを私が常に申上げておるのであります。決して延ばすという気持ではありません。向うへ行くまでに結論が出ればいつでも出す。大蔵事務当局は大体これで賄えるのじやないかということを言つておりますが、君は結論を出す出すと言うが、ほかの人の意見をよく聞いて結論を出しなさい、こう言つておるのであります。非常に急いでおる次第でありますから御了承願います。
○委員長(和田博雄君) 周東安本長官がまだおられますから、周東安本長官に対する御質問がありますれば……。
○下條恭兵君 安本長官に少しお尋ねしたいことがあるのであります。伝えられるところによると、大蔵大臣が向うに持つて行かれる資料をお作りになつたといつて、その資料といたしまして、收入で二十億一千万ドル、支出は二十億ドルで差引黒字が一千万ドルというような資料が伝えられておるようでありますが、先ほどからいろいろ安本長官からも、大蔵大臣からも、貿易関係の楽観的な見通しを伺つて一面意を強うしておるのでありますけれども、このような計画は果して実現できるのかどうか。非常に私どもは不安に思うのでありますが、こういう点の少し細かい御説明と、それから今度これをお作りになつてこれが可能だという基礎を一つ御説明願いたいと思います。
○国務大臣(周東英雄君) お手許の資料というのはどういう資料か知りませんが、今大蔵大臣初め全権が向うに行きますについて、関係当局、殊に安本と大蔵当局と日銀関係で、日本の現状を把握し、将来に向つてどういうふうに産業を持つて行つたらいいかということについての資料を研究しておることは事実でありますが、今御指摘のものはその資料かどうか知りませんが、ちよつと聞こえなかつたのでありますが、併しお尋ねの点、即ち今後における輸出輸入の関係が二十億ドルとおつしやいましたが、二十億ドル前後に貿易或いは貿易外収支共になつて、バランスが合うのじやないかというお話が甘くないか、こういう御質問のようでありますが、私どもは先ほども一般情勢について申上げましたように、最近における状況はともかく輸出入ともこの五月頃はぐんぐん伸びて来た、この点は一、二月の国会でもいろいろ御意見を伺い、鞭撻を受けた。その当時も我々考えておつた経済自立の計画、非常に控え目でありましたが、それすらも甘いと言われましたが、まあ偶然か、うまく行つたのか、ともかくいろいろな国際情勢が我が国に幸いいたしまして、以後の状況はぐつと輸出輸入共に伸びて来た、而して生産の指数も上つているということは先ほども申上げた通りであります。而も今後における状況が、同じように今後も続くかどうかということについて、一番心配だろうと思います。このことが続かなければ、結局今のような輸出輸入の関係を考えても、机上のプランでありまして、この点は何も神様でございませんから、将来はどうなるということは確実には言えませんけれども、今の状態について、日本の生産について、原材料の供給等については、アメリカその他の諸国について積極的な協力をしてくれるようです。殊にOIT、即ち稀少物資についてすら、これは日本に対して相当量の割当があるようであります。今日までのところ原材料を供給してくれる。こういうふうに考えられますし、一歩進んで、今日まで開発せられたところから出る資源だけでなくして、将来の問題として世界人類のためにも、現在おけのものでは足らんわけであります。そういう面まで考え、将来の日本の産業復興を考えて、南方の東南アジア地区の開発ということは、相当積極的に協力をしてくれるようでありますから、これらの点を考え合せて、原材料の供給は可能ではないか。それが参りますれば、今言つたような生産の指数は上昇し得るのじやないか。ただ今私どもが考えておりますのは、五月が一三九・八、六月が一四〇を超えておると思います。このままで進めば、二十六年度で一年を通じての平均が一四〇前後になるのじやないかと思う。昭和二十七年にはどうなるか、恐らくそれ以上、その程度確保できる。併しただ単に原材料の供給さえあれば無制限に伸びるかというと、これは結局電気、石炭という動力関係に非常にネツクが起つて参りますから、今のままの設備と、今のままの動力源の供給量からいたしますと、おのずから最大限がきまつて来ると思いますので、一歩進めて、それ以上に二〇〇にするとか、一八〇にするというなれば、そういう点にも考慮を払わなければならんと思いますが、只今そこにお手許に出た程度の数字でありますると、これはかなり原材料の供給が円滑に進めば、その程度はなし得るのではないかと、かように考えております。
○下條恭兵君 先ほどから大蔵大臣もドルが不足になつて来つつあることを御説明になつておられたのでありますが、終戦後暫らくソ連に向けて機関車の輸出、そのようなものがいろいろあつたようでありますが、最近はソ連の貿易関係はどういうふうになつておるか、ちよつとお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(周東英雄君) 最近の状況は、ソ連の関係はないと思います。
○下條恭兵君 私どもこれからいろいろなことを研究して行きます上に、現在手近な中共から物が入らんために、遠いアメリカから運んで来るために、運賃も嵩むし、或いはコストも上つて来るということで、鉱工業製品が割合コストが高くて、輸出が困難だという事情があると聞いておるのでありますが、今日は安本長官は詳しい資料を持つて来ておられないかも知れませんから、極めてラフなもので結構でありますけれども、例えば中国から入れた場合の鉱石なり粘結炭の、中共から入つて来た場合の鉱石なり粘結炭がどれくらいのコストになつて、アメリカから現在入れておるものがどれだけ、その差が何倍くらいになるということを大掴みで結構でありますから、御説明願いたい。なお将来東南アジアからいろいろなものを輸入されようと計画してておるようでありますけれども、これは東南アジアとアメリカと置換えた場合に、果して事実上どれくらい格安になつて来るかというような点を御説明願いたい。
○国務大臣(周東英雄君) 今ちよつと訂正をしておきます、あなたのために……。初めソ連とおつしやいましたが、それは中国のことですか。
○下條恭兵君 ソ連に対して……。
○国務大臣(周東英雄君) 二番目の問題は中共ですか。初めはソ連でいいのですね。ソ連はありません。それから中共についての開らん炭、粘結炭をアメリカに置換えた結果、その価格等がどうなるかというお話でありますが、これは詳しいことを私、数字を持ちませんが、大体価格においてとにかく十ドルくらい違つております。だから十二、三ドル、大体倍くらいの恰好になります。そのくらいであります。それから東南アジア地区の問題でありますが、これは開発計画がどういうふうに行きますか、今後具体的に突き進むわけでありますが、かなり生産資材等に関するものについては、アメリカ本国から得るよりは、船運賃等においてよほど違つて参ります。今日の値の上り方というものが、主として運賃に非常に大きな関係がある。中共から、中国地区から来ておりましたのと、アメリカから来ておりますものとは、非常に運賃が上つております。そういう関係でありますから、東南アジア地區の開発がうまく行つて、その地方の国民どの貿易が進みますれば、よほど価格は下つて参る。條約の点についていろいろインド、ビルマ等の問題について御質問があつたようでありますが、併しこの問題と別個に貿易というのは現にやはり進んでおりまして、先ほど池田君も言いましたように、南方地域の交換関係がうまく進んでおります。むしろ国によつてはいろいろ日本に輸入を欲しているものが多々あります。そういうものが長期的に契約されれば、その地区における粘結炭、鉄、ボーキサイトというようなもりがもう少し順調に入つて来る見込も具体的になつて参ります。
○下條恭兵君 只今私がお尋ねしたことはあとで恐縮ですが、一つ資料でかなり詳しいものを頂きたいと考えるのであります。なぜこういうことを申上げるかというと、船を、仮にアメリカから将来もずつと輸入するとしましても、全部日本船で運ぶようになればよほど違つて来ると思いますし、又そのほかに日本の設備の近代化によつて相当のところがカバーできるというような面もあろうと思いまして、私は今できないとおつしやる中共貿易を再開しろという意味で申上げるのではなしに、私はそういう意味でお尋ねしているのであります。でありますから、一つ資料をお願いしたいと思うのであります。 最後に私は安本長官にお尋ねしたいと思いますのは、先だつて農林大臣は来年度から米の自由販売をやるというふうに発表されたと思うのであります。私はそこで安本長官にお尋ねしたいと思いますのは、今年の米の作柄も方方で旱害であるとか言われまして必ずしも豊作であるかどうか疑問と思いますし、而もこれから台風の季節に入りますので、これを通過しないうちに今年の作柄を予想することは無理だろうと思います。のみならずアメリカでも小麦が割合不作で、最近アメリカの小麦の値段も上りつつあるようだというふうに聞いているのであります。そういう際に一万ドル資金は非常に不足している。そうして日本の作柄はまだはつきりしない。その中でアメリカのほうでは小麦が値の上るような傾向にあるというような際に、果して自由販売にしてもいいほど輸入食糧が豊富に入る見込が立つているのかどうか。それに対する資金のメドなんかははつきりついておられてああいうことを発表しておられるのかどうかということをお尋ねしたい。
○国務大臣(周東英雄君) お尋ねでありますが、根本君があちらで言つたことは、帰りまして聞きますと、別にやると言つておらんようであります。併し農相は、いろいろ今日の米だけ残りました統制、政府配給制度の行き方についていろいろの点において矛盾というか、問題が起つております。従つて状況によつて若し米も統制を外すというような形になつて来れば、どういうことを準備しなくちやならんかということを研究しつつあるということを言つたようです。これははつきりと本人が言つている。来年から外すということを言つたわけではないようです。私どもも十分主食の中でも最も大事な米の問題でありますから、愼重にこれを取扱うべきであると考えております。今年の作柄等については、大分何か雨が続いて作柄が心配されましたが、最近の十日以上続いた日照等の関係でよほど取り戻しているように聞いておりますが、それにしてもまだお話のようにいろいろ今後における災害等も考えまして愼重にやつて行きたいと思います。
○木村禧八郎君 先ほど下條氏が御質問したので、資料でいいのですが、簡単に事務当局が見えておりますから……石炭と塩と鉄鉱石について中国から輸入した場合、アメリカから輸入した場合、塩はアフリカでしようが、ちよつとその価格の比較です。すぐわかりましたらいいのですが、できれば東南アジアに振替えた場合も……。
○説明員(平井富三郎君) 詳しいデータがございませんので手許にございますデータで申上げますと、石炭でございますが、北米から石炭を輸入いたしますのに大体十九ドル、北米から石炭を一トン運びますのに十九ドルであります。鉄鉱石はフイリツピンから輸入いたしまするというと、運賃は約八ドル程度で済むわけであります。従いまして石炭次、鉄鉱石につきましても約二十ドルの運賃が十ドル内外節約されるというふうになると思います。それから塩でございますが、紅海から輸入いたしますのは、最近におきます運賃は百三十シリング程度であります。
○木村禧八郎君 今運賃だけ言われたのですが、価格ですね。要するに素人にわかるように説明してもらいたいのです。例えば石灰を中国から入れた場合に、粘結炭幾ら、開らん炭幾ら、北米カリフオルニアから入れたときには幾ら、塩は長蘆塩を輸入するときには幾ら、それからマガジ湖あたりから輸入するときには幾ら、鉄鉱石は前の海南島あたりからとつて来た場合には幾ら、それを今度アメリカ或いはフイリツピンですか……そういう比較なんです。
○説明員(平井富三郎君) そういう詳しい資料を作りまして差上げますが、中国から輸入いたしました輸入実績というものは非常に少いわけでございます。例えば開らん炭で考えますと、従来輸入しておりました量は年間三、四十万トン程度であります。その値段で約十ドル内外、アメリカから輸入いたしました石炭が約二十ドル、これは併し、石炭の品位の問題もございます。御承知のように開らん炭は四〇%程度の灰分でございます。そういうような品位の点からも換算いたしませんと実際の比較はできない。塩につきましては中国から輸入したことも若干ございますが、非常に量としては僅かでございます。従つて的確な比較はこれはなかなかできないと思います。大体塩につきましては主として地中海方面から輸入を仰いでおるという現状であります。塩につきましての一番の問題はやはり運賃であります。今後東南アジア方面において塩の増産が可能になりますれば、運賃において、今申上げたような点において非常に節約ができるというふうに考えております。
○木村禧八郎君 その価格の比較は……。
○説明員(平井富三郎君) あとで申上げますが、大体今申上げましたように、アメリカとフイリツピンその他の地区から運びます運賃の約半額で、二分の一程度で済むということに考えております。それからFOBコストは大した差はないかと思います。
○委員長(和田博雄君) ほかに御質問がなければ、今日の予算委員会はこれで閉会いたしたいと思います。 午後三時四十九分散会 出席者は左の通り。 委員長 和田 博雄君 理事 石坂 豊一君 平岡 市三君 佐多 忠隆君 藤野 繁雄君 東 隆君 木村禧八郎君 岩間 正男君 委員 池田宇右衞門君 小野 義夫君 白波瀬米吉君 安井 謙君 荒木正三郎君 伊藤 修君 内村 清次君 上條 愛一君 小酒井義男君 下條 恭兵君 飯島連次郎君 高良 とみ君 西郷吉之助君 堀木 鎌三君 矢嶋 三義君 国務大臣 大 蔵 大 臣 池田 勇人君 国 務 大 臣 周東 英雄君 政府委員 大蔵省主計局長 河野 一之君 事務局側 常任委員会專門 員 野津高次郎君 常任委員会專門 員 長谷川喜作君 説明員 経済安定本部総 裁官房長 平井富三郎君