人事委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 54 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/09/25
会議録
○理事(千葉信君) それでは只今より人事委員会を開催いたします。 議題は国家公務員の給与問題に関する調査でございます。政府委員としては、すぐ淺井総裁が見えられるそうでありまするが、只今御出席中のかたは人事院の給与局長でございます。なおあらかじめ御承認願つて置きたいことは、委員外議員として松原さんが出席されておりまするので、発言をお求めになつておられまするから、適時これを許可することに御異議ございませんでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(千葉信君) それでは御発言を願います。
○紅露みつ君 給与べースの問題についてどういうふうに進行しておるのか、ちよつと説明を願つたら如何でしようか。
○理事(千葉信君) それでは紅露委員から御要求がありましたように、給与ベースの問題のうち人事院当局が勧告しました勧告の内容等について、前の八月二十三日の委員会では大体概略的な御説明を承わつたのでございまするが、もつと具体的な勧告の内容等について御説明をこの際承わりたいと思います。
○説明員(瀧本忠男君) 人事院が先般いたしました勧告の内容につきまして少しく詳細に御説明いたして置きます。 今回の勧告におきましては、いろいろ給与の体系上の問題もあるのでありますが、併し人事院は只今給与準則、即ち職階制に基きまする給与体系というものの準備を極力急いでおります。間に合えば臨時国会にも提出したいというような考えでこの準備を進めておるのでありますが従いまして多くの例題はその機会に譲りまして、今回の勧告におきましては、給与水準の引上げということと、又緊急止むを得ない二、三の点につきましてのみ勧告をいたす、こういうことに相成つた次第であります。即ち主な点はどういうところであるかと申しますると、この俸給表の額が、従来の八千円ベースというものに比べまして見かけ上では三割乃至五割程度上つたことになつておりまるが、即ち八月一日におきまして公務員一人平均一万一千二百六十三円、こういうふうな金額になるような俸給表の改訂を勧告いたすということであります。 その次に今回は企業性を持つております官庁、例えば郵政省でありますとか電通省、又は造幣庁、印刷庁、それから通産のアルコール工場、こういうような企業的色彩の濃い現業に対しましては、その作業の特殊性に応ずるために特別俸給表というものを新たに新設いたそうと、併しこの問題は職階制に基きます給与準則のときに、抜本塞源的に解決するものでありまするから、今回勧告いたしましたこういつた企業的色彩を帯びる現業に対する特別俸給表というものは中途半端な感じであるというようなことが言えるかも知れません。これは給与準則のときにより一層合理化された形になるだろうというふうに思います。 それから従来は年末手当というものが半カ月分支給されることになつております。併し民間の事業場等の定期的に支給されまする給与以外のいわゆる臨時の給与、俗にいう賞与といつたようなものでありますが、そういうものの支給状況を調べて見ますると、やはり相当出ておる。勿論民間の会社のことでありまするから、営業成績或いはそういつたことに応じましてお金の出ないところもありますが、おおむね出ておる。でその平均をとつて見ますると、一年につきまして定期的に支給される給与の一・四カ月分は出ておるという状況であるのであります。そういう事情がありまするし、一方におきまして年末或いはお盆といつたようなときに、これは我が国の国民慣習によりまして、非常に出費が多い、そういう生活上の慣習もあるわけでありまするから、両方を睨み合せまして、やはり公務員にもこの両方の時期におきまして何らかの手当が出るのが適当であるというような考えを持ちまして、今回はお盆並びに年末、即ち六月と十二月のしまいに特別手当を支給してもらいたいということを考えております。これはいろいろありまするが、まあ民間は一・四カ月分出ておりまするが、公務員の場合は両者を合しましてほぼ本俸、扶養手当、地域手当等の一月分、即ち六月末に出るのが〇・二カ月分、年末に出るのが〇・八カ月分ぐらいということをお願いした次第であります。扶養手当でありまするとか、特殊勤務地手当というようなものにつきましては、おおむね現行通りといたします。但し特殊勤務地手当につきましては、この給与べースの勧告或はこれに伴いまする法律案への意見の申出ということとかかわりなく或は関係いたすかも知れませんが、まあ研究中でございまするが、若干特殊勤務地手当につきましても、給与準則に移行いたします前に合理化を図りたい。本質的にはこの問題はやはり給与準則に繋がつておりまするので、給与準則のときにおおむね適正に特殊勤務地手当の処理ができるのでありまするが、若干はその前にいたしたいということを考えております。扶養手当につきましてはおおむね現行通り。それからこの勧告につきましては勤務地手当は本年五月十二日に勧告いたしました支給地域区分によるということに一応いたしております。併しながらこの勤務地手当が適正であつたかどうか、即ち地域によつて生活の著しく困難である地域に対しましては、地域給を支給する計画になつておりますが、そのために人事院は絶えず調査研究しなければならないということに法文上も明記してありまするから、人事院は絶えずこの調査、研究をいたして参つたのであります。でおおむねそういうものの資料を持合せておりまするので、目下そういうものの検計もいたしております。場合によりましては或は五月十七日に勧告いたしましたものを若干訂正するということになるかもわからないというふうに思つております。以上のようなものが主な点でございまするが、そのほかに奨励手当というものを制度化しよう。これは現在におきましても、例えば特殊勤務手当の中に奨励的なものが出ております。給与法によらない、給与法以外のものを別の法律等によりまして奨励手当的なものが出ておるものもあります。そういつたものを一応この給与法の枠の中へ入れまして、そして今後奨励手当というものを合理化して行く基礎を作りたい、こういうことで考えておる次第であります。 まあ以上のごとく今回の勧告におきましては俸給表の額をおおむね三割乃至五割上げまして、平均給与水準といいますか、そういつたものを従来の八千円水準から一万千二百六十円程度にいたしたいというのが骨子であります。それに二、三の緊急止むを得ませんものを申出ると、こういうことになります。 で問題の中心は俸給表でございまするが、俸給表の作成に当りましては、従来とても人事院は標準生計費という問題と、それから民間給与、この二つを基礎にいたしましてそして俸給表の作成をいたしておつたのであります。今回もその方法に変りはございません。標準生計費のごときは従前とおおむね同一の方法をとつております。ただ国民食糧需給計画というものが、昨年の七月から本年の六月までの間のものが従来のものに比べましてカロリー等も若干殖えております。従いましてこの標準生計費はカロリーが殖えて又価格も昨年よりは消費財の価格が上つておりまするからそういう意味におきましてこの標準生計費の額が違つて来ておるこういうことは申上げ得るのであります。税込で勤務地手当の附かない地域に成年単身男子、即ち十八歳程度で四千二百円ということにいたしたいというふうに考えております。 民間給与調査につきましては従来よりも相当進歩いたした方法を採用いたした次第であります。どういう方法かと申しますると、従来は民間給与調査をやりましても、その中にただ一点、即ち十四級六号、通し号俸で申しますると七十号というようなところを一点だけ用いたのであります。そして標準生計費を二級三号に押えるということで、この両者を等比級数曲線によりまして結びまして、通し号俸の七十号というものを作り上げまして操作をいたしたのであります。この中で、折角やりました民間給与調査の中で、一点どこが違つておるかと言えば、等比級数曲線というものは民間の級別の給与の平均値の曲線を作つてみますとこれがおおむね等比級数曲線になりますので、そういう意味では違つている。併しポイントとしては十四級六号、而も十四級六号と申しますれば外局の長官が四、五年勤め上げておりまして、そして初めて到達し得られるようなところで実際にはそういうポジシヨンには人がいないというようなことになつておるのでございます。まあそういうようなところを押えておつた。言い換えればこれはまあ計算方法でそういう方法をとつたのでありまするが若干上のほうを押え気味であつたということが言い得るのではないか、これは批評する人によつて違うでありましようが、そういう見方もでき得ると考えております。今回はそういう方法をとりませんで、公務員の場合と同様の職務内容並びに責任の程度を有しまする、即ち公務員の場合職務の級、一級、二級、三級、そういう級別に民間において同様の職務内容並びに責任の程度を有する職員の給与というものは一体どういうふうになつておるかということを調べまして、そういうものの平均値を作つたのであります。従つてその平均値を結んで、それを数学的に補正をいたして参るということになりますればそういう線こそむしろ民間の給与に非常にマツチしておるものであるということが言えるんではないかというふうに思うわけであります。今回はそういうふうにいたしまして、各級別の平均値を補正いたしたものを根幹として使うことにいたしました。ただそれでは通し号俸の各号俸がすぐ出て参りません。この各級の平均的なものをどこに押えたかと申しますと、それは現在の一般俸給表の各級の俸給の幅がありますが、そのおおむね真中辺に押えます。そうするとそれが通し号俸で何号であるかということがこれはおのずからわかるわけであります。そういうふうにいたしまして各級の通し号俸が何号であるかということを見まして、そうしてその間の格差が幾つあるかということからその間を割つて行つたわけであります。尤もこれは何十何円という端数が出ましては取扱いも困難でありますから、そこをラウンド・ナンバーにいたしまして、全体の通し号俸を作る。こういうふうにいたしまして作りました。ただ一級、二級の辺になつて参りますと民間給与のほうは我々の使つております標準生計費を下廻るのであります。併しながらこれを下廻らしては人事院の従来の給与の作り方に反しますので、標準生計費は確保する。これは現在公務員の二級の平均年齢を求めて参りますと十八・六歳ということになるのであります。ところで二級の中心は幾つかと申しますると、二級四号であります。二級四号では十八・六となるのでありますから、十八歳というのはそれよりも少し下ではないかというので、二級三号というふうに押えました。従つて二級三号を四千二百円、いうような方法をとりまして、この民間の給与調査から得ました曲線を少しく補正して下のほうを上げてあるのであります。そういうふうにいたしまして作り上げたものが今回の俸給表の基礎になつておる数字である。こういうふうにお考え願いたいのであります。 なお民間給与調査をやるにつきまして従来は百人以上の事業場を用いました。併しながら今回は五十人程度に下げております。この点もいささか問題になる点であろうかと思いますが、併しながらこれを押えたということは、これは成るべく多くの事業場を採用したいというのが趣旨であります。特に東京或いは大阪、大都市の周辺にありましてはなかなか大きな工場というものは少い。五十人くらい従業員のおります事業場というものは相当大きな工場であります。又組織ができております。こういうところを問題にしないというのも一応どうかというふうに考えまして、五十人というふうに考えたのであります。勿論我々が公務員の職務の級と同等であるということを比較いたしますにつきましては、やはりその職務内容、責任の程度ということを重視しておりますから、必ずしも五十人の事業場と、或いは千人或いはそれ以上の事業場というものと同等に扱つたということにならないのであります。それはやはり規模の程度によりまして、責任の程度もおのずから違うというような観点から、公務員の責任或いは職務内容でも合わすようにとつておりますから、小さい事業場をとつたら全体の平均が低くなつておるのではないかというこういうような大雑把な懸念はないのじやないか、殊に今回やりました我々の民間給与調査というものは、勿論人事院でやります作業でありまして、従いましてこれに従事する人間というものは数が限られております。相当高度の調査でありますから、誰にでもやらすわけに行かないということでございます。又結果を早くまとめなければならないという意味からも大きな調査をやることができない。国勢調査のように結果が一年あとに出てもよいというものではありません。従つてこれは規模が限られておるということになるのであります。併しながらこの限られたこの予算並に人員の範囲、又この集計の期間の範囲で我々が如何にしたらより一般的な情報を正確な正確といつても限度があります。その誤差の範囲というものをちやんときめましてその範囲におきまして立派な調査が得られるかということにつきまして非常に研究いたしたのであります。近来アメリカにおきましては集計学というものが非常に発達しておりまして、いわゆる無作為抽出法というものを用いまして、この調査の結果というものを非常にはつきりさせる、一定の規模でやりましても、その対象等の選択に相当の注意を払いました結果、それが高度の信頼性があるというような方法によつてやつておるのであります。最近におきまして人事院でやりました民間給与調査、これはちよつと余談になるのでありますが、民間給与調査の調査方法というものは非常に進歩した方法であるというので、統計委員会のほうでも着目されまして、日本にもこういつたいい調査があるのだということをアメリカのほうへ報告いたしたというような例もございます。ちよつと余談でありますが、かくのごとく我々の調査方法というものは相当研究されたものであるということを申上げたいのであります。 以上のような方法によりましてこの民間給与調査というものを行いました。その結果俸給表を作成いたしたわけであります。従いまして我々の作成原理というものは従来と何ら変つていない。ただ従来行なつておりましたことをより厳格に表現するという方法にしたので、そこに何らの意図は入つていない、こういうことを申上げたい。我々は最初昨年の年末頃に昨年の五月の基準で勧告したのでありまするが、これがまあ本年の一月から実施されておる。非常にずれがあるということはこれは当然認めております。昨年の基準におきまして、即ち十二月或いは十二月頃に昨年の五月以降朝鮮動乱等が起つております。その結果いろいろ経済事情に変化があつたということは御存じの通りでありますが、最初船賃が上り、生産財の暴騰、或いは繊維品等の思惑等もありました。併し消費財にそういう結果が画然と現われて来たというのはこれは比較的後の話でありまして、年末押迫つた頃からそういう状況がぼつぼつはつきりして参つたのでございます。そういう状況がございましたので、人事院といたしましては民間給与調査、即ち我々が給与べース改訂の基礎資料として用いまする民間給与調査というものは、これは例年のように五月になつてやつておつたのでは間に合わないのではないかというようなことを考えまして、特に三月分の民間給与調査について調査を行なつたのであります。これは我々は予算の点もございまするが、本年度の予算が使い得る最も早い時期にやつたということになつております。その三月分の調査をやりました。そうしてそれでは三月で勧告したらいいではないかというような議論も勿論出て参るわけでありまするが、その後の状況を見ておりますと、なかなかこの三月でやつたのではその民間給与調査の結果が得られます頃になりますると、もうすでに新しい資料が得られておる。例えばこのCPS等によりますと、三月よりも新しい資料が得られておるという状況に達しておつたのであります。そういうこともございまして、いろいろその三月から後の推移を見ておつたのでありまするが、これは三月でやるよりもむしろ五月当時得られた一番新らしい資料、五月の資料でやつたほうがより公務員の給与に適応する。即ち我々は三月より五月のほうが三・七%程度はすべて上廻つているということを統計上確認といいますか、まあ見当を付けたわけであります。三月のままでやるよりも五月でやつたほうがよろしいということになつたのであります。そのうちに減税の問題でありまするとか、その外主食の値上げの問題でありますとか、電力料金、或いはその他ガスとかいろいろなものの値上げというようなことがいろいろ言われて出した。決定したわけではありませんが、相当そういうことが取上げられている状況になつた。こういう問題も入れるべきであるかどうかということについてもいろいろ検討いたしたのでありまするが、併し確定しない事柄は何としても取上げにくい。人事院は従来確定した資料に基きまして勧告を行なつておつたのでありまするから、従つて減税のことがあろうとも、これはまだ確定していないから取上げられない。又当時におきまして電力料金或いはガス料金その他のものも確定しておらないという状況でございましたからこれも取上げられない。ただ主食の値上げだけは八月一日付を以て確定いたしましたので、主食はこれは取入れることにいたした次第であります。そういう工合でありまして、五月の水準を基礎にいたし、主食の値上りだけは八月一日から行われましたものを入れまして、そうしてこの勧告にありまする給与俸給表並びに給与体系というものが八月一日から実施せられるということを期待いたしまして勧告いたしたいということになつております。 我々のほうでいろいろ勧告に使いました資料等も、最近まとめまして人事院月報に集録いたしたのでありますが、昨日できて参りまして、ずいぶん校正等に注意いたしたのでありまするが、なお間違いがないだろうかということを目下検討しておりまするので、若しあれば正誤表を附けまして当人事委員会のほうにも成るべく早く差出したいというふうに思つております。以上御説明申上げます。
○理事(千葉信君) 御質問のあるかたは順次御発言を願います。
○紅露みつ君 ここに民間給與にマツチさせるために非常に苦労して調査されたということはよくわかるのですけれども、これにも相当委員会としては議論がございまして、どうも人事院は自主的な立場をなくして、ただ民間に何といいますか、マツチさせるために民間の給與水準というものに依存して、ただ安易な方法をとつたんじやないか。果してこれが適当であるかどうか。もう少し人事院は人事院としての考え方で勧告すべきじやなかつたろうか、こういう御意見もあるので、あとで又この点では御質問があると思うのですが、それで勧告をなさつて予算のほうには関與しないという建前はわかつておりますけれども、この見通しとして果してどうなんですか。これは勧告通りに行かなければ、これは勧告して頂いても、実際それだけのものが公務員の手に入らなければ何もならないのですけれども、そういう点はどうなんでございますか。
○説明員(瀧本忠男君) 紅露委員から御意見の最初の点でありますが、これは又委員会で十分御検討になろうかと思うのでありますが、ただ私見を言わせてもらいますれば、民間給與を尊重しておるということは、徒らに民間に追従しておるというふうにも我々考えておりません。納税者でありまする国民は、公務員の給與というものが民間よりも高いということにつきましてはやはり問題があるのではなかろうか、又精励いたしておりまする公務員の給與が民間よりも低いということは、又これは公務員の能率に非常に支障があるというふうに考えます。従いまして民間と歩調を合せるということは、少くもこれは納税者も納得させ、又公務員も納得させる方法ではなかろうか、そういうふうに考えまして、民間と大体において給與の水準を合せるということが給與政策上非常によろしいことであるというふうに考えておるのであります。尤も今後給與水準が著しく改善されまして、そういうような状況になつて参りますると、例えば公務員の給與というものは別の観点から又考えていいという時期が来ないとも限りませんが、少くも現在の状況におきましては、これは民間の水準と合せるということが適当だ。尤も民間の非常に小さい事業場と合せるということは問題があると思います。従つて相当大きい一般の民間事業場と合せるということは、これは妥当であろうというふうに考えておる次第であります。なお民間と合すだけではございません。公務員の場合におきましては標準生計費というものを考えまして、そうしてこの線だけは確保して行く、一定年齢に対しましてこの標準生計費を確保して行く、そういうことは考えておる次第でありまするから、ただ民間給與だけによつておるというわけではないというふうに考える次第であります。 第二点のほうになつて参りますると、人事院は飽くまで人事院が勧告いたしました給與水準ということを希望いたしております。従いまして人事院のものの考え方が適正で妥当性があるということをあらゆる機会に説明をいたしておるわけであります。例えばこれは国会に対しましては勿論十分御理解を頂きまするように御説明申上げておりまするし、又勧告をいたしたあとにおきましては大蔵省或いは内閣等にも十分説明いたしております。又次官会議等におきましても、この人事院の勧告がでたらめでない、十分根拠があるということにつきまして十二分の説明をいたしておるのであります。又労働組合側に対しましてもそういう説明をいたしております。そういうふうにいたしまして、我々は十分研究いたして作りましたものが妥当性があるということにつきまして、各方面にあらゆる機会を利用いたしまして十分なる説明をいたしたい又現在のところにおきましてはこういう状況でございまして、国家財政ということもいろいろあるでありましようけれども、併しそれは動きの取れないようなものではないというふうに思うのであります。従いましてこういう問題はその幅におきましてやはり考え得る相当の余地があるのじやないかというふうに考えております。人事院といたしましては、もつぱらこの勧告の妥当性につきましてあらゆる機会を利用いたしまして、あらゆる方面に御説明申上げておる、こういう状況であります。
○理事(千葉信君) それでは只今淺井総裁が御出席になりましたが、時間の関係上、他に又御都合もありますので、できれば先に淺井総裁に対する御質問をして頂きたいと思いまして、順次御発言をお願いします。
○森崎隆君 総裁にお伺いいたしたいと思います。今給与局長と紅露委員のほうからお話があつたのでありまするが、一応この趣旨はわかつたのでありますが特に総裁にこの点につきましてお願いしたいと思うのであります。 今度の勧告案につきましては、今も局長さんから聞きましたように、民間の給与の実態というものを十分に参考にいたしまして、これとバランスをとつた勧告案である、その趣旨はよくわかつたのでございまするが、ただ私は民間の給与の水準というものそれから公務員に対しまするところの給与水準との間には、形の具体的な面ではいろいろ問題もございましようがこの二つの間にやはり一つの厳とした性格が打ち立てられなければならないと考えておるわけでございます。それはなぜかと申しますると、やはり民間の企業体につきましては、御承知の通りぴんからきりまであるのであります。どこを基準にとるかということにつきましてもいろいろ問題がございまししようが私は公務員に対する給与べースの問題は、やはり国内のあらゆる俸給生活者の給与というものにつきましては指導的な役割を演ずる。そういう意味から考えましても、やはりモデルとしての権威は、信念というものはやはり持つて頂きたいと私は思うわけであります。その意味で今局長さんから話されました国民全体の税金との関係の問題、又民間給与を遥かに下廻つた、いわゆる自分の職務に対する意欲の問題もございましようが、やはりそこには輿論に対しましてむしろこれを指導して行くといつたような厳とした態度を持つて頂かないことには、延いては公務員に対する給与水準が中心になりまして、民間給与を逆に引下げるといつたような面もなきにしもあらずでございます。と申しますのは、やはり民間の給与につきましては、使用者側と労働組合との間にいろいろな闘争とか又折衝とか、いろいろな過程を経まして、そこに一つのバランスとしてでき上つたものでありまするが、これも明らかに使用者側と労働者側との間には、どうしても手を繋ぐことのできない溝があることは私たちはつきり確認いたしておるような次第でございます。ややもすれば給与は引下げ、少くとも現状維持に持つて行こうというような意図を持つておるということは当然なことだと考えております。そういう中におきまして、公務員に対しまする給与水準というものがはつきりとモデルとして文化国家の給与のあり方を指示するといつたような大きな役割を、又その使命を先ず御認識頂いた上でこの水準は決定されべきであると私たちは考えておるわけであります。そういう意味で、この今度の勧告案のいろいろの内容を見ますと、何かこれは私の感じでございまするが、民間給与というものを調査して、それに折れて行くといいますか、それに追従して行くといつたような感じもないことはないのでございまするが、これも私の誤解であれば結構だと思います。この点につきまして、総裁におきましてはどういう信念を持つて公務員に対する今度のベース、給与水準の勧告をなさいましたか、その根本的な決意をここにはつきりとお伺いいたしたい、これが第一。 第二には、これも紅露さんから今もお話があつたのでございまするが、一体勧告されましたところの勧告案につきましては、従来山下人事官等から聞きました場合には、人事院はともかく科学的な資料に基きまして、これが最も公正な公務員に対する給与水準であるという意味で、良心的に国会並びに政府に勧告すれば、それでもう我々の任務は終つたのだ、あとは政府並びに国会の責任だといつたような逃げ口上をよく聞くのでありまするが、私はこういう現段階におきましては、人事院が一旦その自信を持つて出された勧告案につきましては、終始これが実現されるようにあらゆる努力をやはり惜しんではならないと考えておるわけであります。この点につきましては、どういう今後お考え、計画をなさつておるか、特に、新聞紙上で聞きますると政府の案というものは、或いは必ずしも人事院の勧告案と一致しておるとは言えないような空気も濃厚である今の段階におきまして、是非とも人事院の積極的なこういう方面の努力を私たちは熱望するものでございまするが、この点につきまして総裁はどういうようにお考えになつておるか、ただ是非ともこの勧告案通り出されることを熱望するという言葉だけでなくて、この言葉が具体的にどうあなたがたの活動として現われて来るか、又そう現わそうとしておるかということにつきまして御意見を言つて頂きたい。この二点について。
○説明員(淺井清君) 只今の御質問二点とも非常に根本的な重要な点だと思つております。第一点は、ともかく政府といたしましては百万人の使用人を持つておる最大の雇用主とも言うべきものでありまするから、従つてこれは模範的でなければならず、殊に憲法上最低の文化生活を国民に保障しておるものは即ち国家でもございまするからして、従いましてその給与につきましては模範的でなければならんということにおきましては全く御同感でございます。ただ問題は二つありまするが、その第一は、民間給与というものをどう見るかという問題でございます。御承知のごとく民間には非常に使用人の多いところもございますれば、少いところもございます。第二には、この国家公務員の職種と同じ職種を民間から抽出することも非常に困難なのでございます。従いまして民間給与の調査をいたしまする場合は、この二点が非常に困難でございます。我々といたしましては、成るべく国家公務員の職種に近い者、又使用人の数等におきましても考慮いたしまして、あのような民間給与の調査をやつておる次第でございます。その詳細はここに申上げる必要はないと思うのでございまするが、ただ公務員法上標準生活費と民間の生活費、この二つを考慮してこしらえる、こういうことに相成つておりまするからして、さようにやつておる次第でございまするが、ただ我々国家公務員の給与はすべて国民の負担になつておるわけでございます。従いまして国民、納税者として、又本当の使用主である国民を満足せしめるという点から見まするところにむずかしさがあるように思つております。人事院といたしまとては御趣旨に従いましてそういうふうな気持でやつておる、かように申上げていいだろうと思つております。ただその結果として出ておりまする民間の給与の高低につきましては、これはいろいろ調査の仕方によつて違いがあるだろうと思います。 第二点としてお尋ねになりました点でございまするが、これは法律上の問題を申しますれば、人事院といたしましては勧告いたせば義務は済むのでございまして、それ以上は国会及び内閣の問題に移るのでございます。併しながら一方考えますれば現在国家公務員は争議権、団体協約権等を持つておりません。その代りといたしまして人事院という制度がここに設けられておるといたしますれば、人事院といたしましては勧告をいたしました以上は、その実現のためにあらゆる努力を払うということは、これは当然のことであろうと思つております。これはお尋ねまでもなく、さようなつもりでかかつております。これは過去におきましては、例えば地域給の勧告におきましても、政府は人事院の勧告をすべてその通り受諾いたしております。寒冷地手当の勧告におきましてもすべて人事院の勧告通り受諾いたしております。石炭手当におきましては既定予算の範囲内においての制限がございまするので、少しく下廻つてはおりますが、人事院といたしましては最善の努力をしたつもりでおります。ただ給与ベースの問題は、これは地域給や寒冷地の手当の問題と違いまして、非常に予算上大きなものでございまするから、いろいろそこに問題があるのでございまするが、又新聞紙上に伝えられている政府の案云々のお話がございましたが、これはまだ決定いたしてないように承知いたしております。そこで人事院といたしましては、勧告いたしましたあとで決してこれを傍観いたしてはおりませんので、現にいろいろの方法によつて内閣と折衝をいたしております。その内容をここに申上げることはちよつとできかねるのでございますが、ただ我々といたしまして決して勧告をしたからもうそれで済んだということではないことを御承知願いたいと思います。
○森崎隆君 今のお答えに対して重ねて特に御盡力をお願いしたいのですが、この地域給その他の問題につきましては、政府側も全面的に給与勧告を承認した、これは事実でございますが、これは人事院の勧告を尊重したという意味ではなくて、政府与党も、地域給等につきましては実際のところはまとまりがつかない、止むを得ず人事院の勧告を認めざるを得ないという立場に立つておることははつきりした事実であります。今度の給与水準の引上げに関する勧告につきましても、これについても甘い考え方を持つておりましては、私ども実は不安に思うわけであります。そこに特に我々としましても、本当は我々としましてのベースは決定しておりますので、できるだけそれに近ずける意味におきまして人事院の勧告案につきましても又いろいろ相談の上協力をいたしたい熱意を持つておるわけでございますから中心になる人事院におきまして、さつき申しましたように消極的なことは非常に私どもは残念に思います。特に今度強力な裏付けを持つておることをお願いいたしたいということを重ねてお願い申上げておきます。 それから次にお願いいたしたいのは、現在人事院で給与準則の作業が進められておることと思います。従いまして極く最近、近い将来におきましてこの案が固りまして、勧告その他の形で、勧告じやなくても、人事院がはつきりと決定される以前に大綱その他につきまして、いろいろ準則のあり方につきまして我々の意見を申上げ、ここに民主的な最後の決定に持つて行きたいと思います。今日ここで具体的問題を討議する意思はございませんが、大体局長から聞きますと、次の臨時国会にも出したいというようなお話もあつたようでございますが、そこまで作業が進んでおるといたしますれば、大体給与準則につきましての基本的な方針というものは打立てられるのではないかと思います。若しこれは次の機会に譲れとおつしやれば次の機会で結構でございますが、是非とも一つそういう面を今後やつて行きたい。私は今日総裁からお答えを願うということじやなく、又委員会の予定として希望を申しておきたいと思います。 それからいま一つお願い申上げたいのは、今度のベースの改訂に関する勧告の問題の中で、例えば扶養手当、勤務地手当等につきましては大体現行通りになつておりますが、これにも勿論簡単な説明は附いておるようでございますが、扶養手当等につきましては、もう少し原則的な理由というものが聞きたい。その理由の下に現状維持ならば現状維持となれば、これは私たち納得が行く。今地域給については不断に研究調査をしておるので、若し不合理なところがあれば直されるというようなことがあるように聞き取りましたが、これももう少し積極的に各府県の責任者、その地区々々の意向等ももう少し人事院におきまして積極的に聞くような何か機会を……、随分これまでも陳情、請願等でうるさいことだつたと思いますが、やはり人事院の責任におきまして十分聞かなければならんことだと思う。その上で民主的な決定についての一つの修正案について提示して頂きたい。これにつきまして総裁におかれましては、再修正の勧告というものを出される意図があるかないか、これにつきまして一つお伺いいたしたい。
○説明員(淺井清君) 第一の給与準則の問題でございまするが、これは只今御承知のごとく鋭意調査を進めております。併しこれはまだ事務当局において作業の進行をいたしておりまする状態でございまして人事院それ自体としては何も決定したものはございません。これは只今お示しのように、だんだん決定をいたしましたならば、これは人事院の立場から申しましても、いわゆるその大綱等を適当に発表をいたしまして、いろいろ御覧伺つて、こういうことはやりたいと思つております。 それからその次に扶養手当の問題がございましたが、これはちよつとお尋ねの御趣旨を理解しかねるのでございますが、私どもといたしましては、扶養手当というような生活給的なものは、これは将来いずれのうちにか廃止いたしたいと思つております。併しながら只今これを廃止いたしまするのは時期尚早ではないか、それで暫らく現行通りやつて行きたい、こういうように考えております。それから勤務地手当というようなものも、物価の差が少くなれば、換言すればどこもここも物価が高くなるというのならば、むしろ本給を上げることによつて操作すべき問題でありまして、これも将来は廃止いたしまするか、或いは少くともその占めるパーセンテージを漸次少くすることが必要だろうと思つております。併し現在におきましては、その勤務地手当というものも廃止する意向は持つておりません。殊に先回勧告いたしました勤務地手当は、まだ実施されないでそのままになつておる状態でありますから、これは是非今回はあのままで実施いたしたいと、かように人事院といたしましては希望いたしております。 それから次に追加勧告をする意思があるかどうかというのでございますが、これは寒冷地手当と地域給の二つについて問題がございますから、丁度いい機会でございますので申上げたいのでありますが、寒冷地手当は先に勧告をいたしまして、すでに実施されたのでございますが、これにつきましては多少極めてささやかなる修正をいたしたいと私どもは存じております。これはほんのささやかなものでございます。 それから地域給のほうは、これは絶えず研究をいたすことになつておりまするし、人事院といたしましても、一度やりました勧告を何も面目に捉われる必要は少しもないのでございますからして、訂正すべきものは訂正いたしたいと、かように思つておりまして、これは事務当局におきまして鋭意研究を進め、ほぼ事務当局限りにおきましては結論が出つつあるのでございますが人事院といたしましては、この追加勧告をいたしまする場合におきましては、これはまだ私一個の考えかも存じませんけれども、国会の両人事委員会とも何らかの形で御連絡いたしたいと、かように思つております。
○森崎隆君 もう一つ総裁に、実はこれはまあ或いは人事院の仕事じやないかとも思いまするが、いつも政府だけではございませんし、今も総裁自身のほうでも納税者の負担というようなことを申されておりますが、問題はやはりベース勧告につきましては常にこの予算というものが不離一体の関係になつて出て来るわけであります。これは当然人事院に関係がありますが、予算を組むというのは政府も国会も一緒になつてやらなければならない。財源の問題もそうでございますが、それにつきましても、これは例えば現在やつておるところのこの給与水準というものについて幾ら費用が要るか、勿論これは予算を組んで見ればわかるとおつしやるかも知れませんが、もう少し人事院という、給与の責任者というその機構から、もつと科学的に細かく、大体どの部門はどうだというような一つの調査もお願いしたいし、今度の給与水準を引上げることによつてどの部門はどうなるといつたような、いわゆるプラス・アルフアーにつきましても、予算の調査というものを、それを端的に率直にこの勧告に附けなくても、一つの説明資料の一環としまして詳しいものを私は出して頂くことも私は必要じやないかと思います。特に私はこういうことを今申上げるのは、実は総裁に対して失礼かとも思いますが、御存じの通り現在行政機構の改革というものが断行される直前にあるのでございまして、あなたがた人事院自体もその対象になつておるように実は考えておるわけでございまして、これは重大問題の一つであると存じておりますので、言い換えますればこれは悪く考えますると、行政機構の改革によりまして、人事院の整理をいたしまして、その浮いたものを以て結局ベース・アップをするというような、これはまあ現実、結果論からではございまするが、結局もうそういうことにならざるを得ないということにも私たちは考えておりまして、こういうことになりますと、将来金がなければ首切りをしてそうして上げなければならない、物価が上り金がないということになれば、いつも若干首切りをやる、こういうことになりますと、一面どういう問題が出て来るかというと、結局労働強化という問題がやはり出て来るわけであります。こういうことになりますので、人事院の給与べースの勧告というときにも予算の面並びに労働基準関係の問題がやはり不離一体の関係として浮んで来るわけであります。現在やはり国鉄の職員におきましても年間二十日でございますが、いわゆる正規の休暇というのは殆ど取つておりません。よく取りましてもまあ十日、それも思う通りに取れないというような相当強化されておる面もある。又一般の公務員におきましても、正規の休暇等は殆ど取つておらないのが現状ではないかと思う。病気でもしなければとても休めないのが現状であつて、こういうような不離一体の関係にあるのでありますから、そこに予算の問題、その他労働強化に陥らないうに、これに従つて頑張つて行くというように……現在これは四十四時間でございますか、四十五時間でございますか、一応目途にしてやつておる。これは人事院としてははつきりわかつておりますけれども、こういう面につきましても、勧告案を本当に我々は死守、守ろうとするならば、それに附滞して出て来るところのいろいろな条件につきましても、積極的に防衛という形におきまして人事院に努力を私たち要望いたしたい。それによつて初めてこの勧告というものがやはり合理的に守られて行くということになると私は思う。勧告だけをじつと頑張つてやつてくれと言つても、実際の面から今言つたような悪いフアクターが出されて、その結果人事院勧告案というものが若しそのまま法律化したとしても、公務員全体に及ぼすところの他の暗い面の影響というものは非常に大きいのであるから、例えば一日八時間労働というような勤務時間というものを九時間、十時間にして、そうして一万一千二百六十円というものを出して、ペースを押付けても、それは本人が文化生活ができるかできんか、いわゆるその健康にして云々のこの問題に触れて来るわけですから、そういういろいろな条件も一つ是非人事院におきましては、これはまあ或いは人事院の責任の埒外の仕事だと言えばそれまででございますが、もう忙がしいことはよくわかつておりますが、少くとも幹部のかたがたにおきましては、そういう面までも積極的に持出されまして、慾を言いますならば、勧告案にそういつたような面も、少くとも現状維持の建前といつたこういうことも細かく入れてもらいたいという気持を私は持つております。こういう点につきまして総裁に、私から人事院全体の今後の御協力を特に熱望するのでございます。こういう点につきまして、総裁個人の御意見でも結構でございますから、何かお聞かせ願えますれば有難いと思います。
○説明員(淺井清君) 誠に御同感でございまして、国家公務員法を修正いたしましたときに第一条の中に国家公務員の福祉利益を保護するというような文句が入りましたところを見ましても、それは同感でございまして、ベースを上げましても、実質賃金が低下するということでは結局何もならないのでございますから、人事院といたしましては、勿論只今お示しのような趣旨で考えております。ただこの問題は少しく拡がりが大きい問題でございまするからして、人事院だけの問題ではなく、これは国会にも十分御協力を願わなければならんと思つております。 それから資料の問題についてお話がございましたが、公務員給与の実態調査は、これは人事院としても精密なものをやつておりますし予算等の問題についてもございますから、これはお手許に何らかの方法で出せると思つております。
○紅露みつ君 勤務地手当の問題で総裁に伺いたいと思いますが、この問題はもう非常に微妙でもございますし、全国的に広汎に拡つて参りまして、まあ前の勧告が幸か不幸かそのままになつておるということから、これは非常に拡がつて来たと思いますが、お話のありました寒冷地手当とか石炭手当とかとは大分違いまして、毎月のものでございますから、本当に本俸と同じような考えで各地から、その漏れたところと申しますか、とにかくまあ公平を欠いている、これでは困るという陳情が非常に多いわけです。でその実情は総裁疾うに御承知の通りでございますが、臨時国会にこれが出されるということになりますと、非常なもう時期は切迫しておりますので、ここにいろいろな憶測からデマも飛んでおります。幾日に決定をするとか、月末までには必ず人事院も取りまとめるんだとか、或いはどこの県がどれが入つてどれが落ちるんだというようなことが非常にこれは流布されまして、そうして大きな関心の的になつているわけです。今日ここに傍聴されておるかたがたも恐らくこの問題のかたがたが大部分であろうと思うのですが、実際非常な混乱を来しておるのですね。で臨時国会に出されるとするならば、今研究中ですと総裁のお言葉でございますけれども、大体これはまとまつているのではなかろうかと私どもは考えますが、或いは今まだ完成していないということでございますなら、これは早くとにかく発表して頂きまして、そうして国会としても又これを審議さして頂かなければならないと思いますのですが、でこれをいつまで、臨時国会に入りまして、上程する間際にというようなことで、早くしなければならないということになりますと、予算的な問題も、もう予算がこうなつているからというようなことで、無理押付けにやられるというような心配もありますし、今申上げるように地方的に非常な……国家的に非常に不経済です。陳情隊が押しかけるというようなことで、精神的にも物質的にもこれは非常な不経済なんでございますので、まとまつておりますでございましたら一刻も早くこれは発表して頂いたほうがいいと思いますし、それからそうでありませんでしたら、やつぱり大分先にやらせるおつもりでございましようか、大体いつ頃これをお取りまとめになる御予定になつておりましようか、伺つておきたいと思います。
○説明員(淺井清君) 何と申しますか、人事委員会は人事院にとつては本家みたいなものですから、ここで率直に申上げたいと思います。全くお示しのごとく北は北海道から南は九州まで、若干の修正を要する状態になつております。そこでその案をまとめまして、実は私がここへ来るのが遅れましたのは、今朝に至りまして私が初めてそれを見たという状態でございます。それでこれは私が単に個人的に見ましただけでありまして、何も人事院としてまだ決定をいたした段階になつておりません。それからこれはみんな一つずつ予算に関係がございますので、この方面の折衝をしなければならん。本来これは法律上申しますると或いはいけないのではないかと思つております。なぜかというと、この勧告は国会及び内閣にすべきものでございまするから、併しこれはお許しを願わなければならん、それは補正予算というものの編成が進行いたしておりますので、およそこのくらいのものが要るんだということを折衝の必要がある。それはやるつもりでおります。内閣のほうといたしましても、この折衝には応じてくれると思つております。そういう状態で、まだどこを引上げ、どこを入れるかということは最終的には決定いたしませんが、只今事務当局の試案ともいうべきものが決定いたしておる状態です。 それからこの勧告をいつにいたしまするかは、これは全然まだきまつておりません。そこで私のほうとしてはここで申上げかねると思います。いつにいたすのがよいか、これはいろいろ問題があろうと思つております。これはちよつとまだ申上げかねるのでございます。それから要するにこの臨時国会にやりまするか、或いはそれより先に述びるか、こういう問題でございまするがう私といたしましては修正をするなら成るべく早いほうがいいのではないか、こういうふうに考えておりますが、この点はまだ如何とも決定いたしておりませんでございます。
○木下源吾君 今日は総裁お久し振りで、御ゆるりと……。この間のベース勧告ですがね、七月の切替に勧告されている。ところがもう九月、こういう時期になつて、人事院としてはただ勧告すればいいのだというだけではやはりないと思うのです。一般にはやはり勧告が出ると非常に期待して、そうしてもらえるというようなことになるのです。これに対しては別に人事院の責任とか何とかというのではなくて、勧告する以上は実現することがやはり目標なんです。それについて政府或いは国会に協力を求めているという何か事実がありまするならばこの際お聞かせを願いたい。 もう一つは、八月がずれて行くとなると、実際にそれだけなければ困るものを先へずれたならば、何らかの方法でこれを埋合わせしなければならん。こういう点も考えておるわけです。これについてもやはり一つ。それと御承知のように先にずればずれるほどベースの金額が変るわけです。八月の場合と十月の場合……、この前の何かお話では、一カ月に三・四%ほど動くという……、こういうことになつて、これらもやはりもらう側からすれば非常に影響する問題がありますからして、そういうことについてどういうように考えておられるのか。何とかして自分の勧告した通りやらしたいということについてはどういうような、一つ国会なり或いは政府に協力をしてもらうという行動をやつておるのかという点、若しありましたらお聞かせ願いたい。
○説明員(淺井清君) ちよつと具体的にどうということはございませんが、要するに国会及び内閣に勧告をいたしましたこと自身は、すでにこれについて国会及び内閣の協力を求めている、こういうことでございます。ただ内閣に対しましては、これはいろいろな方法で以て是非人事院の勧告通り採用してもらえるように努力いたしております。その具体的なことはちよつと今ここで申上げかねると思います。 それからこの勧告の数字がずれるということでございまするが、これはその後の物価の推移がどうなつているかということになると思います。その点について給与局長からお答えを申上げてもよろしいかと思いまするが、又ベースはこれは定期昇給等もありまして、絶えず幾らかずつ上つているということもあるように思つております、
○木下源吾君 八月から十月の点も一つ。
○説明員(瀧本忠男君) 先ほど三・四%というお話があつたのでありますが、我々のほうでそういう御説明をしたかどうか知りませんが、とにかく昇格ということと昇給ということとございますから、従いましてベース計算をいたす場合に、五月でやる場合と八月でやる場合と違う、こういうことを申上げております。我々のほうといたしましては、勧告にも八月一日にやるということを言つておるのでありますから、もつばら人事院としてはその線でお願いしたいというふうに……、八月一日ということであります。
○木下源吾君 このお願いしたいはよくわかるのですが、もうすでに八月が過ぎてしまいました。そうすると実質的にもらうほうの側はそれだけ損害するわけです。何もそれは権利として獲得しておるわけじやなくても、実際においてはやはりそれだけなければ暮して行けないのだということの目途でやつておられるのですね。これはまあ繰上支給とか或いは何とかいう名前でもいろいろあるのだろうが、この点については人事院もやはり責任を持つて、勧告した以上は心配だろうと思うのですが、心配ならばじつとしているわけもないと思う。ただ勧告したのだからいい、人事院の立場として勧告すればいいということになつて、そういう勧告したこと自体が協力を求めておるのだということにもなろうが、これはまだ実行するまではあらゆる機会に協力を求める親切がなければならん。それは多分おやりになつておると思う、人事院が。言われないことは言わなくてもいいが、具体的に言うならば補正予算の場合に、強く給与のことは政府が一生懸命やるような、そういうようなことも一つ考えられて何かやつておられると思うのです。新聞で見ますと、今度は批准国会が済めば、外国の大公使館、そういうところには別の公務員法とか何とかということを言ておる。そういうことは向うからあなたのほうに協力を求めて来るだろうと思う。お互いに政府と協力しなければ実際において公務員の利益は守られないわけなんです。具体的にどういうふうなことをやつておられるか、それを一つお聞きしたいのです。若しもそれをお話になつたからというて、我々はそれを捉えてどうこうという意味ではないので、実に何百万の人々は一にただそれを、勧告を頼りにして、勧告を出してもらいたい出してもらいたいといつて、出してしまつたらいつの場合でもそれは実行されないというのじや、すでに八月のものはずれて行つておるというようなことでは、私は社会問題として皆不安だ、動揺しておると思う。かれこれさつきからいろいろ話を聞いておると、やつておることを、又やろうとしておることを一つお話し願えれば、又国会としても御協力することができる問題は十分に御協力して行きたい。こう思つておるので、どうか一つその辺のところをざつくばらんにお話が願いたい。
○説明員(淺井清君) 御尤もなお尋ねでございまするけれども、まあ人事院としては勧告いたしました給与法の中にも八月一日実施、こういう線を出しておるのでございます。さてそれじやずれた場合にどういう方法があるかということについてはいろいろ考えたのでございまするけれども、給与法が改正されない限りこの埋合せを遡及してやるという方法はどうもないのでございます。その最後の手に残つておつたのが繰上支給の問題でございまして、これも人事院は努力いたしまして、不十分ながらこれが実現しておる、こういう状態になつておる次第でございます。なお内閣とは十分折衝をいたしたいと思つております。それから在外公務員法云々のお話がございましたが、これは在外公務員に対してはどうしても特例が要るだろうということはよく了解をいたしております。これについては公務員法の附則十三条によつて特例を設けるべきではないか、こういうふうに思つております。
○木下源吾君 この地域給のことですが、これはこの間の勧告で従来通り五月十七日ですか、あれを主張されておる。これを変えるということは人事院としても面子もあるだろうし、平つたく言えばいろいろその他の事情もあるだろうと思うので、先般この委員会で私が提案して、そうして委員会で満場一致で決定して、いろいろ杜撰の点、修正の点あるならば自発的に一つやつてもらいたいということを決定しまして、そうしてあなたのほうへ申入れておるわけです。これらは我々の側で可能な範囲の御協力だと思つておつた。それを国会がそういうようにしたならば、あなたのほうも国会の意思はおわかりになつていいと思う。同時に衆議院も何とかそういうような手を打つてもらい、人事院はこの国会の考え方をやるのだというような一つ筋道を立てて行かれるのがいいので、衆議院に対しては何かそれ以外におやりになつておらないのかどうか、若しおやりになつておらんとすれば、そういうことが非常にあなたたちに役立つならば、我々の側でも大いにそういうことを手助けしてもいいと、こう考えておる。衆議院の状況はどんな状況ですか。
○説明員(淺井清君) 地域給の問題ですが、これは人事院の面子などを少しも考えていないので、悪いところは直すほうが面子であろうと思つておりますから、これはすでに最前から申上げましたように修正をいたすつもりでおります。これにつきましては両院の人事委員会へ何らかの形で御連絡したいと思つております。衆議院のほうは一昨日でございましたか、委員長にそのことを私からちよつと話してあるだけの程度でございますが、いずれ何か連絡があるだろうと考えております。
○木下源吾君 今は事務のほうでやつておるということ、修正の意思がある、時期又範囲の点は別としまして、これは私は本委員会の決定を、申入れを非常に尊重して頂いてよい、こう思うわけです。それは従来は修正するということは委員会でもなかなか言われなかつたことなんです。この修正を今度すると、事務当局でもよろしいと思うのだけれども、この前の場合だと大都市の周辺だとか、或いは朝鮮の動乱によつて経済的変動、いろいろそういう条件、基礎条件を考えられていたようですが、今回の場合などもそれ以後そういう変化が来ておる。例えば安全保障の問題でもこうポピユラーに軍港ということもはつきりして来ておる。或いは又飛行場、軍港では横須賀、飛行場ではどこ、まあ北海道なども多いほうですが、そういうふうにきまつて来ておるのですが、従つてその準備としても行政的に著々政府は準備しておられるのだ。そのために私はこの問も横須賀へ参りまして、晩がた来て見てくれというからどういうことかと思つたら、もうこれは甚だ不名誉なことであるが、海軍の白い服を着た人たちが町一ぱい、それにはステキガールなどが附いているというような実情である。これはもうほかもそうだと思うが、殊に北海道の千歳を中心とするそういうところも御同様です。こういうような現実に変化の来ている問題については十分御考慮なさらなければいかんだろうと思うし、或いは又従来人事交流の面から見て、県の中に地方事務所が五つある場合に三つまでは附いたが、どうもあとの二つは附いておらんというような面もあり、これは人事交流に県当局は困つておりまして、又この間は私は石川県へ行つて見ましたが、非常に主食が高い、どういうわけか私は仔細に調べて見ましたところが、なかなか言わんです。実際調べたら例のあの米をいつて、それからかき餅、そういうようなものを製造して外国へ行つている。これは大袈裟に言えばどうか知りませんが、そういう実情で、あれは七尾というところですね。人口三千くらいの市だと思うんですが、五十軒そういう専業がある。これは去年から調査してもなかなか現われない。そういう事情のために主食が非常に高いというような面もある。かれこれ修正する場合にはお互いに皆協力を求められるならば、我々も又国会の費用でなんと言わんでも、我々の仲間は皆自責でできるだけ満足の行くように調べをしているので、これらのことも十分今度の場合考えて、従つてどういうような一体基準と申しますか、そういう標準というものが、若し事務当局が作る場合あつたとするならば、まあ輪廓でもいいからお話を願い、更に若し足らんと思えば我々のほうからも非公式なり何なり一つ御意見を申上げたい、こう考えているわけであります。
○説明員(淺井清君) お尋ねのように事務当局の試案には或る一定の基準があるのであります。これは給与局長から御説明申上げたほうがいいかと思います。
○説明員(瀧本忠男君) 地域給の改訂勧告ということにつきまして、人事院としてどういうふうに決定になるか、これはわからないわけですが、併しそれにしましても、とにかく事務当局で案を作らなければこれはお話にならんわけであります。そういう見地から我我事務当局といたしましてやつておるわけであります。尤もこの作業は実は臨時国会の開催される日にち等も勘定に入れまして、今人事院の給与局の事務当局におきましては給与準則の作業というものは実は非常に大きな作業でありまして、これを成るべく早くやりたいというのでそのほうにかかり切りでやつておつたのであります。併しそうは言つてもやはりこちらのほうも放つて置けないものでありますから、それに大体参議院の人事委員会のかたがたがほうぼう国政調査をされました結果を我々直接承わつておることも多々あるわけであります。又国政調査に行かれませんでもいろいろな関係からお話を承わつておる点もございます。これは衆議院も同様であります。それから又我々のほうといたしましても給与局の係官を派遣いたしまして調査をし、我々の問題にしておるところはいろいろ調べております。又人事院の地方事務所を使いまして府県と連絡させ、又直接調べておる事情もあります。そういう工合でありまして、もう大体修正勧告をいたすとするならば、我々が従来疑問に思つておつたような点につきましては大体資料が取揃つたというふうに考えていいのではないかというふうに考えられますので、実は土曜日と一昨日と昨日で大体人事院の事務当局の試案というものを作成したわけであります。それの基準といたしましては、何といいましても先般の五月十七日の案におきましては地図の書き違いがございましたり、或いは県のほうから町村名を言われますときにはつきり言われなかつたために、同じ名前であつて違つたものを指定したというようなものもあるのであります。これは我々のほうも不注意でございましたが、県としてもこれは非常に不注意であつたと思います。そういうように何らの手落ちが全然なかつたとは言えませんが、そういうものにつきましては勿論訂正をすることがいいであろうというふうに考えております。又我々は府県に何回か照会を発しまして、府県内における経済、地理的関係から生計費等の順序というものによりまして市町村名の序列を作つてもらつてその資料を頂いておるのであります。これは府県におきましてもいろいろ研究されたでありましようし、我々は何回か照会しましたので、その都度又研究もあつたこととは思いますが、併しそれにしても府県としてなお研究不十分であつて、序列をやはり違えたほうがいいというようなものも事実あります。そういうようなものもやはりこれは有力な資料としなければならんというふうに考えておるのであります。又総理府統計局の消費者物価指数の地域差指数でありますが、この地域差指数におきまして従来と相当序列が違つた都市もあるのであります。こういうものは新たに考慮するのが適当であろうというふうに考えております。併し全体的に最近の統計局における消費者物価調査の地域差指数というものを昨年の五月以前の資料と比較して見ますと、その相関度というものは非常に高いのでありまして、全体的にあの資料を訂正しなければならんというふうなことは我々考えておりません。非常に相関度が高いのでありますから、あれを相当利用してよろしい、ただ部分的にそういう問題がある点は考えなければならん、こういうふうに考えております。 以上のようなわけでございまするが、更にこの東京の人事院、それから地方事務所或いは国会の人事委員会等、いわゆる中立機関におきましていろいろ御調査になりました結果というものは、これを参考にいたしまして、そうして修正する必要がある、そういうことで修正をやろうというふうに考えております。ただ先ほど御指摘のような地方事務所のあるところは願い出ろというようなお話になつて参りますると、相当大きな問題ではなかろうかというふうな感じがちよつといたしております。
○木下源吾君 それらについて人事院としてはいつ頃検討せられるか、お気持は……。
○説明員(淺井清君) 最前紅露さんにお答え申上げましたが、これから人事院として事務当局の試案を検討いたしたいと思つております。これからのやり方は、これは人事院の責任において決したいと思つております。その間どういうふうにこれを取扱いますか、どういうふうに国会の両人事委員会へ御連絡するかということが問題であります。 それから第二の問題としていつこの勧告をするか、こういうことが問題になつて来るだろうと思います。まだこの点は全然私も腹案はございません。
○木下源吾君 それでは事務的の点では、大体この前は国家公務員は九億万円くらいの予算、こういうお話でしたが今回の場合は事務的にどのくらいな予算を、これは不正確でもよろしいが、大体の点が若しおわかりだつたら……。
○説明員(瀧本忠男君) その予算の話でございますが、これはなかなかいろいろむずかしい問題があると思います。只今の案にもいろいろ伸縮の幅もございまするしいたしますので、なかなか的確にお話申上げかねると思います。大体予算の額で申しませんで、給与体系の中におきまして地域給の占める割合というような点でお話を申上げて見ますると、最初の八千円ベース頃の説明のときだつたと思いますが、この地域給の幅は非常に狭めるのがいいというようなことで、たしかこれは大蔵省のほうの係官が前のときに御説明があつたのではないかというふうに思うのでありますが、一〇%というようなことを言われたように私ちよつと記憶があるのですが、併しこれはなかなか一〇%で納まるものではないのでありまして、我々の勧告におきましても一二・幾らかというような相当余裕のある勧告がしてある。全体のバランスから申しまして、このパーセントが余り殖えるということはこれはとてもできんことであるというように考えまするので、これは我々事務当局といたしましても人事官会議のほうで最終的に御決定になるから何とも申上げられませんが、パーセントという点からいいますれば大体一二%というような、この程度のところが一応の目安になるのであるが、併しそれもはやすでにパーセントとしては行過ぎるパーセントではないかというふうに考えております。
○木下源吾君 それでは総裁にちよつとお尋ねいたしたいと思いますが、国家公務員のベース並びに手当の問題で予算に関係する場合、やはり公共企業体など政府の予算というものに関連があるので、そういう影響はなおざりにできないわけです。公務員の場合には折角予算が何とか捻出できても、公共企業体の場合にはないというようなことで抑えられるというような点もあるわけなんです。そういう点については人事院としてそういうことをしなくてもいいし、やるべきでないというように考えておるか知らんが、現実にやはり勧告を実現させるためには、やはりそういう重大な予算の点などについても関心を持たなければいかんと思います。そういう点について何か総裁でもよろしい、事務当局でもいいが検討せられた何かあつたらこの機会に一つ話してもらいたい。というのはどうもよく公務員の場合はあるけれども、地方公務員のほうは財源がないのだ、それは何とかなれても、国鉄はないのでは困るというようなことが往々出るわけなんで、そういう面については我々はできるだけそれらの方面にも実現させるようなやはり努力をして上げなければならないこう考えておるわけですが、そういう点について心当りというか、お調べになつたものが何かあつたならば一つお聞かせを願いたい。こういうふうに思うわけです。
○説明員(淺井清君) 人事院といたしましては公共企業体等には関係は直接ないのでありまするが、これまでの経験からいつも苦しい経験をしまするのは国鉄の問題であろうと思つております。これは額が多いことだけでなしに国鉄の予算、私予算のことはよくわからないのでありまするけれども、この給与予算の総額を限定されておるように承知いたしております。そのために他のほうからの流用等がきかないのであつて、そのためにこの全部がお預けを食うというような従来しばしばにがい経験を持つておりますが、これは人事院として如何ともしがたいので、この点は一つ国会等においても御研究を願いたいと思つております。
○木下源吾君 国会もそのつもりでお尋ねしておるので、その状況を若し片鱗でもわかつておれば、これはお話を願いたいと思う。我々やつぱりそういうことを考慮に入れつつ全体の実現のために国鉄なり或いは公共企業体、地方公務員なりの場合も考慮しなければならん、こう思うのです。それでお尋ねしておるのですが、それでその場合どうですか、お調べになつて何か参考になるようなことはございませんか。
○説明員(瀧本忠男君) この国鉄の問題でございまするが、これは私の私見になりますが、国鉄の場合の地域給というものは、非常にこの国鉄の職責並びにその家族がある場合には、国鉄を比較的よく利用できるというような事情にありまして、そういう関係でこの公務員の場合と違えて考えるのが至当ではないかというように思つておつたんです。従つて又現実に、現在国鉄では相当違つた体系でやつておられるのです。そういう事情でございまするが、先ほどの勧告をいたしましたあとにおきましてこの問題はやはり問題として現われて来たわけです。国鉄との関係も十二分に我々あるというふうには思うのですが、併しながらそこに若干の違いがあつて然るべきじやないかというような感じはいたしております。併し国鉄は先ほど総裁も言われましたように直接我々と関係がございませんから、一応問題の埒外にありますが、併しそうは言いながら、先ほどいろいろな御質問がございまして、我々も研究しておる段階を申上げましたが、そういう地域の指定というようなことの試案を作成するに当りまして、そういう面から全然国鉄のことを問題にしないで案を進めておるというようなことはないのです。併し予算等の問題になつて参りますれば、これは言つて見てもどうにもならんことでございまして、それで大体どれぐらい国鉄で要るものであろうかというくらいな見当はつけておりますが、併しそれ以上立入つた研究ということはいたしておりません。
○木下源吾君 実はこの間の調停委員会の案が、仲裁委員会に持込まれ近々決定を見るだろう、他面又国鉄も相当この給與の面では仲裁委員会その他の決定を尊重して実現させるというような責任ある情報も我々聞いておるわけです。従つてそれらは一にかかつて皆予算の問題なんです。ですから人事院としては離れているのだから自分には関係ない、こういうふうにおつしやられるかも知らんが、やはり国鉄の面などに対しても重大な関心を持つて一つ進めて頂きたい、これは要望しておきます。 もう一つは先ほど今度の修正に対する要素をいろいろ挙げられて、調査の方法等も具体的に聞くことを得たのですが、実は何と言つてもこの給與の問題は、支給を受ける者がこれは実際にぶつかつて来る、それで我々は労組の組織、この組織の意向というものを十分に尊重しなければならん、こういうふうに我々は考えて進んで来ておる。御承知の通り従来都道府県のいろいろな調査や或いは具申というようなものは随分杜撰なものがあり、又本当に調査するだけの何を持つておらないわけなんです。それより以上にやはりこの労組組織等のいろいろの調査、そういうもののほうが妥当性を持つておる場合が多い。今度の場合やはりそういうような点についても関心を持つて考慮せられた節があるかどうか、それを一つお聞きしたい。
○説明員(淺井清君) その労組の研究ということを仰せられましたけれども、この問題に対しましては、理事者も労組も全く大体見解が一致しておるのが常なんでございます。私の手許へ陳情に来られる人を見ましても、必ず理事者側と組合側の代表者が一緒になつて来られる、そうして一致した意見なんでありますので、大体私どものほうで受けた陳情によつてやりましても、それは労組の意見というものは十分入つておる、そういうふうに思つております。
○木下源吾君 私は今日は昨晩から身体の調子が悪くてだるくてしようがないが、折角見えられておるからこの機会に重要であるからもう一、二お聞きしておきます。 先ほどもお話があつた給與準則の内容がすでにそちらこちらで多少批判の対象になつております。なかんずく諸手当、只今の寒冷地手当或いは石炭手当、或いは地域給というようなものについての考え方、又それを本給の中に吸収すべきだというような考え方、従来もそういうことを部分的に話されたことがあるが、準則に対してはこういう諸手当はどういうような地位を占め、どういうように考えておられるかその作業を進めておられるならば、その基本的な態度というものをお聞かせ願いたい。
○説明員(瀧本忠男君) 先ほども総裁から申されましたように、給與準則はまだ事務当局で案を作りまして、そうしていろいろ検討している段階です。一応の大綱案というものができ上りまして、これは人事院の機関でありまする各省の人事課長或いは秘書課長等を以て構成しております人事主任官会議というものがあります。その人事主任官会議で説明いたしましていろいろ御意見を承わつておる。この人事主任官会議では一応各省の給與担当官に説明してくれということがございましたので、その試案の説明を私したわけなんであります。そういう関係から大綱案なるものがいろいろ一般の向きに漏れたとは私は言いませんが、一般の人が知つておるということはあり、と同時にこれは又職員組合側にも二回に亘つて説明をいたしておるのです。試案に対してそういう組合側の意見も出してもらおうと思いまして、そういうことをやつております。従つて多くの人が知つておるわけです、併しながらこれはまだ決定案というようなわけではないのでありますから、いろいろ御意見を承わつて、そうして修正をして大綱案なるものを作り上げたい、こういうふうに思つております。ただ事務当局が作りました意見を言つてみろと言われますならば申上げてもいいのですか。
○木下源吾君 要点だけを……
○説明員(瀧本忠男君) 要点だけですと、現在給与法以外の法律、寒冷地手当、石炭手当の法律とか年末手当の法律とか、こういうものは給与体系としててんでんばらばらになつているのは非常におかしいのでありますから、これを差当り一つの給与法の範囲に取入れて行きたいということを思つております。併しながら寒冷地手当をすぐやめてしまうとか、石炭手当をすぐやめてしまうことを今考えているわけではございません。又地域給も同様であります。これはやはり漸を追つてその時期が到達しまして、そうして給与水準が非常に上るということならばそういうときに考えよう。この際はそういう問題につきましては、とにかく体系を整備するというようなことを考えているだけでございます。ただ奨励手当のごときは十分進歩した方法でこれを考えて行きたいと、そういうようなことは思いまするが、それから又現在の特殊勤務地手当というものはいろいろな要素のものがあそこに含まれておりますから、これを適当に分割するというようなことは考えております。そのほか新らしく給与法以外のものを給与法の範囲の中に取入れます場合につきましては、それほど大きな変化をこの際やろうということを考えているものではございません。
○木下源吾君 それでは最後ですが、要望を一点お挙げするが、地域給の修正といいますか、変つたものを出されるということに決定しましたならば、従来のあの勧告もすでに実施されていなければならん時期であることは言うまでもありませんが、すでに御承知の通り前国会においてそれが延びておるので、今度の臨時国会はどのくらい長くなるかわかりませんが、とにかく臨時国会で結末がつくようにできるだけ一つ早く出してもらいたい、こういうように考えます。 それからもう一つ今度の国会、臨時国会、或いは通常国会にいろいろ法案を出されるだろうと思うのでありますが、なかんずく今の準則のようなものについてはよそへいろいろ発表されているその限度でよろしいのですが、一つ専門員室のほうもそういう資料を一つもらうとか、或いは説明をしてもらう、こういうように一つお願いしたい、或いは出ておるかも知らんが、私はこの頃よく聞かんから知らんけれども、そういうようにしていろいろ円滑に行くように一つお願いしたい。
○理事(千葉信君) それでは御発言がなければ、最後に三点私から人事院当局に御質問申上げます。 先ず第一点は、地域給の問題について只今人事院当局のほうで用意されている事務局案というものは、大体これは私ども人事委員会の一致した意見として要望した事項に対する修正というよりも、当然人事院自体が黙つておかれても今度は修正しなければならないはずの事務的な最小限度の消極的な修正の案が今人事院で確定され、又は結論の出されようとしている事務局案だと思うのであります。それで私ども今度の臨時国会までにどうしても人事院として地域給の問題に対してやつてもらいたいという大きな修正というものは、それはこの前のいろいろな事務上の誤りであるとか、或いはその後における常時研究、調査しつつあるところから判明した結論から出る修正等だけではなくして、この前の地域給の修正の際に、人事院当局がとつた勧告に対する給与政策上のやり方をどうするかという問題が大きく残ると思うのです。これは事務当局のほうでその点について操作をされたはずもありませんので、従つて事務当局が作成されたその案に対して、更に人事官会議等で最後の態度を決定する場合に問題になる点だと思います。この前人事院事務当局で研究された結論の上に、更に一月から実施された地域給の給与からこれを減額することは給与政策上芳しくないというので、殆んど全地域が既得権を保障されて勧告をされているわけです。ところがあの当時ここにも速記録がありますが、人事院当局の答弁からいいましても、給与ベースの改訂が思う通り行われなかつたという事実と、それからそういう状態の中で一月以降とにもかくにも既得権というか、実績という形において給与された地域給であるからこれを保障したのだという、既得権を保障するという態度をとられた。そうしてその場合に御答弁になつたことは、地域給の改訂が地域給だけの単独の改訂でなくして、給与ベース全体の改訂と同時に行なわれればこういう既得権を保障するという方策をとらなくてもよかつたという、こういう御答弁であつた。それで今度私どもの見通しでは、今度の臨時国会で地域給の問題が審議されるときは、同時に給与ベースの問題が審議されますし、八月或いは十月といういろいろな説もありますけれども、いずれにしても同時に改訂が行われるということは必至の状態だと思うのです。そういう状態になつて来ますと、この前既得権を保障するという給与政策を取入れた人事院の政策の根拠というものが、今度の場合は放棄しなければならない形になつて来ていると思うのです。こういう問題について一体事務当局案を審議される場合にどういう御方針で審議されるつもりであるか、まず第一にこの点について総裁から御答弁を承わりたいと思う。
○説明員(淺井清君) 只今の御質疑でありますが、人事院といたしましては、今回は成るほどベースの改訂と一緒にしておるのでありますけれども、あの際申上げました給与政策上の措置を変更いたそうという考えは持つておりません。それだけ申上げればよいかと思います。
○理事(千葉信君) 給与政策上のこの前の方針を変更する考えは持つておらないとは、一体理窟からいいましてもそれは強引な答弁であつて、どういう立場からそういう態度をおとりになるつもりか、その点の解明をこの際承わりたい。
○説明員(淺井清君) それはこの前の案というものはまだ一回も実現されていないのでございます。従いましてすでにあの勧告によりまして新たに地域給を獲得した地域もございますし、或いは従来の地域給をそのまま確保し得たという地域もあるのでございます。それをまだ一回も実施しておりませんのにこれを変更いたしまして、全部新規まき直しで高いところは下げ、低いところは上げるという操作をいたしまするならば、これは却つて混乱を生ずるのではないかと思つております。でありまするからして人事院といたしましては、この際にともかくもこの前に勧告しました案をそのまま実現いたしたい、こういうように思つております。なおそれに若干の修正をする、こういうことになりますから、今回の修正におきましては新たに地域給を獲得する地域、或いは高くなる地域は出るだろうと思つております。
○理事(千葉信君) そうしますと、この前国会に対してお話になりました給与政策を取入れて勧告をした態度というものは、非常に今度は珍妙な恰好になつて来ると思うし、それから又先ほど総裁が人事院は面子の点にかけて、この前の勧告を修正することを人事院の面子と考えているというふうに非常に立派な御答弁がありましたが、只今の御答弁では私ども到底承服できませんが、これは又私ども委員会としてこの問題は考えることにして、その次に第二の問題は、給与準則の問題でございます。これは今人事院のほうでいろいろ御研究されている給与ベースの作業の状態では、非常に私どもの考えておりました時期よりは早められた形がございます。この点についての人事院当局の非常に積極的な御態度を私ども感心しておりますけれども、ただここで問題になつて来ますことは、どういう形の結論が給与準則の場合に出て参つたにしましても、御承知の通りに職階制に関する法律の附則の点からいいますと、職階制に格付する給与準則の設定の場合に、その給与準則に移行するときに、現在もらつている給与水準はこれを保障するという形の附則がたしかあつたはずでございます。そういたしますと給与準則の結論がどのような形で出ましても、やはり成る程度の予算上の問題もこれに附帯して起つて来るのじやないかということが当然考えられるのでございます。そういうことになりますと、現在のただでさえ、例えば日米経済協力による低賃金政策の要請であるとか、或いは講和条約の締結に伴う賠償、軍備負担等の問題のために、当然これは国民生活の水準の切り下げであるとか、或いは給与の据置という問題に発展する慮れがあるし、又政府のほうでもそういう問題を有利に利用して、予算上の問題に籍口して今度の給与の引上げの場合にも御承知の通りに見通しは非常に不利な情勢が起つて来ている。そういう通見しの不利の段階の状態の中で給与準則の勧告を行う、臨時国会前に行うとか行わないとか、こういう態度をとられるということは、給与準則の問題を政府当局の利用するところに持つて行かれやしないか。こういう点について総裁としては何らかの考慮を持たれているかどうか、この点をお伺いしたい。
○説明員(淺井清君) 御尤もの御質疑でございまするけれども、人事院といたしましては、この給与準則というものは、これは遅かれ早かれどうしても勧告して制定してもらわなければならんものだと思つております。そこでその時期がいつになりますか、又只今千葉さんの御指摘になりましたような虞れ、そういうものが十分ないように考慮することは勿論でございます。
○理事(千葉信君) 次に第三番目の問題は、先ほど森崎委員からも強い御要望がありましたし、又紅露委員、木下委員からも御要望が出ましたように、給与ベースの引上げのためには、単に人事院としては勧告するだけであつてはならないという要望に対して、総裁のほうからは単に給与ベースの引上げの問題だけに限らず、例えば地域給、寒冷地給、石炭手当の引上げの支給の問題等についても、人事院としては単に勧告だけで足れりとせずに、従来非常に努力して来ているじやないか、そのためにああいうふうに非常に有利な条件で地域給、寒冷地給等の勧告が政府の実施するところになつたじやないか、こういう御答弁に対しては、私ども従来人事院が非常にこういう問題に対して消極的であつたというふうに考えておりましたので、先ほどの御答弁を聞いて実は少々驚き入つたわけでありますが、併し何と言いましても、今度の私の一番問題にしておりまする給与ベースの引上げに関する問題については、いろいろ総裁としても政府と御折衝なされておるようでありますし、御努力をされておるようでありますし、又実際そういう努力をしておるという御答弁を承わつただけで、ただどういう交渉やどういう折衝をしたかというその折衝の経過等については今お話になれない、こういうお話でございましたが、私ども無理にそういう経過を承わろうとは思いませんけれども、ただここで一つ承わつておきたいことは、総裁も恐らく、大蔵省で八月の二十三日か四日に、給与ベースの引上げについては千五百円程度の予算を計上するというような閣議の決定があつたということも伝わつておりまするし、それから又最近では岡崎官房長官が全官公の代表者諸君に対して、折角千五百円の引上げをやろうと思つてこれまで進んで来たけれども、現在の段階に至つてその千五百円も非常に危険な状態に陥つておる。恐らく今の見通しではやつと千円ぐらいが可能ではないかという段階に落込んで来ておる。そこで一つ全官公の諸君もこの際どうしても千五百円を引上げてもらいたいならば一生懸命騒いでくれ、君らのほうで騒いでもらえばこの問題が或いは有利になるかも知れないから頑張つて欲しいということを全官公の諸君に岡崎官房長官が非公式かも知れないけれどもはつきり言つておる、こういう事実がある。こういう状態に対して、人事院としては一体そういう状態を知つておるか、それから又そういう具体的な金額の問題等についてこれまで話合されたかどうか、その点をこの際できるだけ差支えのない限りお話を願いたいと思います。
○説明員(淺井清君) 仰せになつたことはよく存じております。併し閣議で以てベース改訂に幾らといつたことはきまつたとは承知いたしておりません。又事実その通りであります。これはなお人事院としては努力をしなければならんが、第一に国会の人事委員会でさような悲観論をお唱えになつては私ども非常に困るのでありますからして、これは一つ人事院を更に何して下すつて、強硬に国会としてもやつて頂きたい、そう思つております。 〔「その通り」と呼ぶ者あり〕
○理事(千葉信君) それでは閉会する前に、二十八日に委員会を開会する予定になつておりますが、その場合に政府委員その他のかたがたで、若し御質問の相手が御希望でありますればお申出願いたいと思います。
○森崎隆君 二十八日に給与問題全般について承わりたいと思いますが、やはり人事院総裁以下のかたがたをお願いしたい。それから今のべースの問題で大蔵大臣或いは官房長官あたりは是非お願いしたいと思います。
○理事(千葉信君) それでは一応そういうことにいたしまして、次回は二十八日午前十時から開催することにして、本日はこれで散会いたします。 午後一時八分散会 出席者は左の通り。 理事 加藤 武徳君 千葉 信君 委員 西川甚五郎君 木下 源吾君 森崎 隆君 小野 哲君 紅露 みつ君 委員外議員 松原 一彦君 事務局側 常任委員会専門 員 熊埜御堂定君 説明員 人事院総裁 淺井 清君 人事院事務総局 給与局長 瀧本 忠男君