人事委員会 第1号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/08/16
会議録
○委員長(吉田法晴君) それでは只今から委員会を開会いたします。議題の国家公務員の給与問題に関する調査の件でありますが、派遣議員の報告につきましては追つてお願いをすることにいたしまして、調査報告を提出しなければならんのでございますが、調査報告は未了ということでございますので、御希望であれば読み上げてもいいのでありますが、その必要もないかと思われますが、委員長、専門員に御一任願つて如何でございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉田法晴君) それでは御異議ないようでございますから、さよう取計らいます。 なお報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますから、順次御署名願います。 多数意見者署名 加藤 武徳 伊藤 保平 千葉 信 木下 源吾 紅露 みつ —————————————
○委員長(吉田法晴君) それから継続調査の要求書を提出しなければならんのでございますが、この点もこれは御異議ないものと思いますが、如何でございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉田法晴君) それでは委員長において適当に取計らいます。 —————————————
○委員長(吉田法晴君) 次には本国会の一つの大きな議題であります全権派遣の問題に関連いたしまして、人事院規則が改正せられ、十五日から施行せられておるわけでございますが、この点について人事院の説明を聞き、質疑を行いたいと思います。 先ず人事院法制局長の御説明をお願いいたします。
○説明員(岡部史郎君) それではこれから人事院が去る十五日に制定、同日から施行いたしました人事院規則一の八、全権委員等の職務と責任の特殊性に基く法の特例につきまして御説明申上げる次第でございます。 この規則を制定いたしました趣旨を、念のため一言申上げますと、この規則は言うまでもないことでありますが、決して或る官職を人事院が創設する、新たに作り出すとか、そういう考えではございませんので、現にある官職につきまして、それに対して現在の国家公務員法のすべての規定を適用することになると、その官職の職務と責任の特殊性に基いて、どういう不都合な点があるであろうかということを人事院といたしまして検討いたしました。若しもその官職の職務と責任の特殊性に基きまして、公務員法の規定を適用することが不適当であるというような場合におきましては、その不適当な規則を外すような規則を制定することが、これは人事院としてとるべき態度であるわけであります。そのことは公務員法に附則の十三条に規定されてありまして、従来もいろいろな官職につきまして、不適当と思われる公務員法の条項の適用を除外して参つたわけであります。このたび講和会議に参列すべき全権委員につきまして、この点が問題になつたわけでありますが、それよりすでに一歩遡りまして、実は全権委員というものはどういうものであるか。これは一体官職であるのかないのか。殊に、單に全権委員というものは、全権委任状を持参して行けば誰でもいいわけであるから、これは官職と考えるべき性質のものではないのじやないかというような議論もあつたわけであります。そういう点につきましていろいろ問題があつたわけでございます。又全権委員というものは、これは当然特別職ではあるまいかというような御議論もあつたわけであります。ところで、そういうような問題が起きますと、公務員法の建前といたしまして、或る職が国家公務員の職であるかどうか、或いは又国家公務員の職であるといたしましても、それが一般職に嘱するのか、それとも特別職であるのか、これは人事院が決定しなければならないということになつておるわけであります。それでありまするから、人事院といたしまして、全権委員の任命につきまして、必ずそういう点が問題になるわけでありまするから、そういう点を人事院規則であらかじめ解決しておくことが適当であろう。こういう考えの下にこの規則が制定されたわけであります。従いましてその趣旨は、第一には全権委員というものは、これは従来官制上何らとるべき手がかりはないものであることは明らかであります。従つて官制上全権委員が一つの官職であるということを規定した規定はございません。併しながら全権委員というものは、明治憲法以来しばしば任命された地位でありまして、御承知のように国際会議に参列いたしまして、政府を代表し条約等に調印するというような職務を持つている地位であります。で、このような地位を現在の公務員法の建前から考えてみますと、どうしてもこれを官職であるというように解釈するのが当然のことであろうと存じられるわけであります。従来の慣例に徴しましても、例えば一例を申上げますと、昭和五年の海軍の軍縮会議には若槻禮次郎さんが海軍軍縮会議に全権委員として参列を仰せ付けられているわけであります。この場合におきましても、全権委員というものが一つのやはり官職というのが正しかろうと、考えられるわけであります。それでありまするから、全権委員と申しますのは、そのような会議が、国際会議が起るたびに任命されるわけでありまして、常時あるわけではございません。又官職の性質といたしまして、その官職は常に任命されているかされていないかは、問うところではないわけでありまして、普段現実に人が任命されていない場合においては、それは欠員になつており、必要が起るたびに任命される官職である。こう考えるべきであると思うのであります。そういう意味におきまして、全権委員というものは、我が国において慣習上、即ち官制上ではないけれども、慣習上認められ、且つ国際法上当然に認められているところの官職である、こう解すべきものであろうと思うのであります。 その次に、然らばその全権委員は国家公務員法の建前で、特別職であるか一般職であるかという問題になります。これは申すまでもないことでありますが、国家公務員法の建前といたしまして、すべての官職を特別職か一般職かに分けまして、特別職でないものはすべて一般職、而も特別職というものは、これを同法の第二条で列挙いたしまして、列挙したものだけが特別職であるという建前をとつておりまするから、列挙していないものはすべて一般職であるということになるわけであります。一般職のうちいろいろ事情その他の変更によりまして、これを特別職にすることが必要であるということになれば、立法措置によつてこれを特別職にして頂くよりほか方法はないわけであります。そういう建前から見ますと、二条の三項に列挙してあります十五の特別職の中にどれも入りませんから、これは一般職であるというよりほかこれは仕方がございません。そういう意味でこの第一条ができ上つておるわけであります。で、全権委員若しくは全権委員代理、又はその随員を命せられた者、これを一括いたしまして全権委員等と申しますが、その全権委員等の職務は一般職であるというのが、その趣旨でございます。 次に然らばその全権委員というものは、これは誰が任命するのかという問題でございますが、これは条約の締結権が内閣に属しておるということから考えまして、内閣が固有の権限として持つておる條約締結権を全権委員に委任するのであるから、これは内閣が任命権を持つと考えるのが正しかろう、こういう考えであります。このことは任命権に関する公務員法の五十五条の規定の趣旨から出て来ると考えられるのであります。その点を明らかにしたものであります。それが第二条の全権委員等の任命権は内閣に属するものとするとした趣旨であります。 次に国家公務員法の建前といたしまして、職務に専念する義務から、一般職の職員というものは強く兼職を制限されておりますので、特定の、特別職でありますところの特定の大臣であるとか、国会議員であるとか、或いは一般職である次官とか長官であるとかいうような職にある人は、全権委員を兼ねるというようなことは、国家公務員法の建前から行きますと、これは支障があるということに、少くとも拘束を受ける、制限を受けるということになつておりますので、その制限は外す、即ち全権委員は一般職でも、特別職でもこれを兼ねることができるのだという建前をここに明らかにした次第であります。そのように明らかになりました全権委員の性質から考えてみますと、国家公務員法の規定で一番最初に申上げましたように、外して適用する必要がないものが相当多いだろうということを検討してみまして、第四条におきまして公務員法を適用すべき、或いは適用すべき公務員法の条文をここに明らかにしたわけであります。それは公務員法の規定を必要最小限度に適用いたしまして、全権委員等の活動に支障がないようにしようという趣旨でございます。従いまして、公務員法の規定のうち、官職の基準に関する規定が問題になるわけでありますが、そのうちで適用することにいたしましたのは、第二十七条の平等取扱の原則であります。これは門地、家柄、信条というような事柄について差別してはならないという平等取扱の原則であります。次は二十八条、これは公務員の欠格条項でありまして、禁治産者とか、刑を受けた者とか、そういう類の者であります。これは当然であります。次に五十五条の任命権に関する規定、これも当然適用するのが当然であろうと考えます。次に七十六条は、三十八条の欠格条項を持つておる者は、在職中いつでもその欠格条項が発生をしたら失職するという規定でありますから、これも当然のことであろうと考えられます。次は第九十三条から九十六条まで適用することにいたしたのは、そのうち九十三条から九十五条までは公務災害補償の規定であります。これは全権委員に当然適用する必要があるという規定であるわけであります。それから九十六条、公務員が国民全体の奉仕者である、全体の奉仕者として公務に專念しなければならないという服務の根本基準を規定しておる規定でありますから、これも適用すべきものであると考えるわけであります。次の九十八条の第一項と申しますのは、公務員が法令及び職務命令に従わなければならない。全権委員が遠方に使いいたしまして、本国からの訓令、指示によつて動くことは当然でありますから、この規定は適用する。それから第九十九条の公務員たるの信用を失墜してはならないという規定であります。これも適用するのが当然であろうと思うのであります。それから第百条は公務員としての秘密保持の義務を規定した規定であります。これも適用するのが当然だろうと存じますので、これらの規定を適用することにいたしまして、それ以外は一切外すことにいたした次第であります。人事院規則一の八の制定の趣旨は以上のような次第と存じております。
○委員長(吉田法晴君) 御質問ございましたら……。
○千葉信君 勿論今度人事院のほうで制定されましたこの一の八の人事院規則は、国会議員の中から国会の承認を経て、全権に代る者があるかも知れないということを予想されておるのですね。
○説明員(岡部史郎君) 予想といいますか、そういう場合がありましても、国家公務員法、人事院規則の建前からは少しも差支えがないので、その問題は専ら国会法三十一条及び三十九条の問題として考えるべきものであろうという建前で制定してございます。
○千葉信君 そこでお尋ねしたいことは、公務員法の関連の事項については一応只今のお話でわかりますけれども、国会法第三十九条等の関連では、一般職に規則付けてしまうということに、いささか私疑義を生ずる点があると思うのです。それは御承知の通り第三十九条によりますと、「内閣総理大臣その他の国務大臣、内閣官房長官、政務次官及び別に法律で定めた場合を除いては、その任期中国又は地方公共団体の公務員と兼ねることができない。但し、国会の議決に基き、その任期中内閣行政各部における各種の委員、顧問、参与その他これに準ずる職務に就く場合は、この限りでない。」こういうふうになつているわけでありまして、国会議員が仮に今度の場合、各種の委員というものになつた場合でも、国家公務員法第二条の第三項第九号によりますと、「国会の両院又は一院の議決又は同意によることを必要とずると、こうある。これは特別職であるということをはつきりなつているわけであります。従つて国会法の建前から言いますと、後段に謳われております、但書以降に謳われておりまする各種の委員、顧問参与その他これに準ずる場合、こういう場合には公務員法の場合では、これは特別職というふうはつきりなつております。而も今度の講和条約に関する全権の場合には、第三十九条のこの承認が公務員に関しては必要だということがはつきり国会法に出ているわけであります。こういう場合に国家公務員法において特別職であるということをはつきり謳つているにかかわらず、今度の規則では一般職であるということを規則付けているわけであります。この点についてはどうお考えでしようか。
○説明員(岡部史郎君) 只今の千葉さんの御質問にお答え申上げますが、実はこの国家公務員法二条三項九号では「就任について」云々、国会の同意又は承諾を要する官職が、これは特別職だと、こうありまするのは、この国会法三十九条の後段とは関係ないわけでありまして、どういう人が就任するについても、国会の同意を要することが要件となるような官職は特別職である。ところで、国会法三十九条のほうは、その官職自体は一般職であつて、これは別にそれに就くことは国会議員以外の人はちつとも差支えないのだけれども、国会議員がそれに就くのには国会の議決を要するのだと、こういうわけでありまして、その面が違うわけでございますから、これはちよつとこの国会法三十九条と国家公務員法二条三項九号とはそこに食い違い……、面が違うわけでございまして、さよう御了承頂きたいと思うのであります。
○千葉信君 そうすると、但書以降の各種の委員、顧問、参与というものは抜きにして、三十九条の前段のほうの国務大臣であとるか、内閣官房長官であとるか、或いは政務次官、及び別に法律で定めた場合を除いては、任期中公務員と兼ねることができないと、こうなつておりますが、今度の金権を公務員として、而も—般職となりますと、この点については法律できめる以外の公務員となることはできないと思いますが、その点如何ですか。
○説明員(岡部史郎君) 私お尋ねの点が、或いは誤解かと思いますが、全権委員が、法律で定めなければそれは公務員とすることができない。こういう趣旨でございますが、その点につきまして或いは御説明漏れだつたかと思いますので、申上げることにいたしますが、実は一つの官職即ち公務員が占める職というものは、どういうようにして設定されるか、作り出されるかと申しますると、主として法律或いは法律の委任に基いて、政令で設けられることもあろうかと思うのでありますが、千葉さんの御指摘のように、原則としては法律によつて制定するのが正しかろうと思うのであります。そうしてその官職は例えば各省設置法でありまするとか、国家行政組織法によつてその官職というものが制定されている、こう見るべきだろうと思うのであります。併しながら官職というものは必ずしも法律の根拠を要するものではないのでありまして、単に予算の根拠によつて任命権者が設定する場合も多いわけでありまして、例えば予算に、雇員給、傭員給というようなものがございますならば、法律に、雇員、傭員につきましては何ら根拠がなくともこれを設定することができる。或いは雇員、傭員を例に引いたのは失礼かも知れませんが、大学の講師というような場合におきましても、予算さえあればこれを任命権者が設定する。即ち任命権者というものは場合によりましては法律の根拠なしに官職を作り出せるわけであります。殊にそれは一般の非常勤の官職について言えることであります。で、常勤の官職につきましては、只今のところ法律或いは予算の根拠がなければ制定できないという、そう解してよろしいかと思うのでありますが、非常勤の官職につきましては任命権者はかなり自由に作ることができる。法律で特にこういう官職を作つてはいけないと言われない限り、非常勤の官職はこれを作ることができるわけであります。併しそんな状態では困るじやないかという御説明があろうと思うのであります。国家公務員法はそういう建前でありまするから、非常勤の官職につきましても、人事院規則を制定いたしまして、人事院規則八の七というのがございますが、これは非常勤の官職の任用について制限してございます。即ち非常勤の官職について、人事院の承認を要する官職と要しない官職とに区別いたし、それをコントロールいたしているのでありますが、実は今度の規則はその点もすつかりそういう任用に関する規定を一切外しておりますので、任命権者たる内閣は、このような非常勤の官職を任意に創設できると考えてよろしかろうと思うのであります。それが官職の制定についてそういう考え方でありますが、実は先ほども御説明申上げました通り、全権委員というものは従来から常に存している官職である。ただそれが非常勤の官職であるから、必要が起きたときだけその官職に特定の人が任命されるので、その用務が終ればその官職というものは空位になつている、ヴエイカント・チエアになつているんだ、こう考えて行くべきだろうと存ずるのであります。
○千葉信君 どうもあらゆる角度から御説明がありましたけれども、何と言いましても、憲法の第七十三条によりましても、外交関係を処理することであるとか、或いは条約を締結するということは、これは内閣の行政事務の一部のものです。そういう行政事務を担当し、而も今度の場合には人事院自体が一般職の職員であるというふうにはつきりと規則も出しております。こういうことになりますと、これはたとえ予算上の問題がどうありましようとも、任命権者の問題について法制局長の只今の御意思見がどうありましようとも、この講和全権若しくは全権代理というものは、これは公務員であるということははつきりした問題だと思います。そうなりますと、はつきりここに国会法の第三十九条に「議員は、内閣総理大臣その他の国務大臣、内閣官房長官、政務次官及び別に法律で定めた場合を除いては、その任期中国又は地方公共団体の公務員と兼ねることができない。」と、はつきり出ているわけです。これは少くとも国会法上から言えば論議の余地のない問題じやないか、こう私は思うのです。併し、この点についてはこれ以上押問答いたしましても、人事院当局としても恐らく何かの苦しいお立場から、こういう規則を作られたというふうに私ども了解しておりますので、この点につきましては、私ども委員会として別な角度からこの問題を考えて行きたいと思います。かように思いますので、一応私の質問はこれで打切ります。
○木下源吾君 これは今の人事院規則をそのまま見て行けば、全権委員というのは特別職であるのが本当なんでしよう。
○説明員(岡部史郎君) 全権委員が特別職であるのが本当であるかどうかという木下さんのお尋ねでありましたが、それは成る官職を特別職にするかしないかということは、これは公務員制度に関する政策の問題であろうと思うのであります。それでありますから特別職にすることが適当だとお考えになれば、これは特別職にすべきものだろうと思うのであります。ただ特別職にするのには法律でそれをきめるよりほかないということは先ほど申上げた通りであります。
○木下源吾君 そうすると税四条でこういうこと……、これは適用する、これは適用しないということは余ほど芳しまぎれに、どうも一般職について法律を改正しないで間に合わせでやろうというところに真意があるわけでしよう。
○説明員(岡部史郎君) この規則制定の趣旨は現在のところ一般職と考えるよりほかない。全権委員という官職につきまして、然らば国家公務員法の規定を全部適用して支障がないだろうかということを考えますと、いろいろ適用しないほうがふさわしい条文が多いと考えられますので、適用するにふさわしい条文だけを選び出して適用する、その他は外すということにしたわけでありまして、このような制度は実は公務員法というものが緻密になつておりまして、個々の官職についてはすべての規定を適用するのが不適当な官職が多かろう、その場合においては遠慮なしに附則第十三条の規定に基いて、法律又は人事院規則を以て適用を外して行つていいのだという建前になつておるわけであります。この建前をとつたわけであります。必ずしも苦しまぎれという考えは当らないかと思うのであります。
○木下源吾君 そこでこの全権委員に似た特別職、これと同じような特別職には大使及び公使というのがある。これは片一方は始終あるわけなんですが、片一方はときたまよりない、こういうのだけれども、これは同じじやないか。大使、公使も全権も、国のすべてのいろいろのことをやる。こういう点については政府は研究したり考慮した何かないのですか。
○説明員(岡部史郎君) 木下さんの仰せの通り、大使、公使というものは、これは昔から官制上立派に設けられでおりますところの外交官の具体的な官職であるわけでありますこれは国際的にもきちんとその地位が固まつておりますが、これにつきまして国家公務員法の一般職に属すべきものではあるまいというのが、これは一致した考えだろうと思うのであります。この点におきまして国家公務員法制定以来、大使、公使に関しましては一般職の取扱をしておらないわけであります。特別職として規定されておるわけでありますが、全権委員につきましては、これを大使、公使と見ることは、全権委員を大使と解することは、これは無理であろうと思うのであります。大使はおのずからその性格について異なるわけでありますが、併し実質においては似たところはあるのじやないか。似たところをつかまえれば特別職もよかろうという御説も立とうと思うのであります。特別職としていいから特別職に規定すべきものであるといつて、法律を改正して特別職にされるということは、これは十分考えられることであります。現在のこの公務員法の下においては、全権委員は大使、公使と違うのだから、大使、公使と同じように特別職として解釈することはできないというだけのことでございます。 —————————————
○委員長(吉田法晴君) それでは次の問題に移るわけでありますが、次の問題に移ります前に、この問題についてどういうように取扱をするかということについて御相談をいたしたいと思うのでありますが、如何でしようか。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○委員長(吉田法晴君) ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(吉田法晴君) 速記を始めて下さい。
○千葉信君 山下人事官にお尋ねしたいと思うのですが、今日総裁、何かの所用でこちらのほうにおいでにならなかつたのか、その理由は何ですか。
○説明員(山下興家君) 総裁の来られないということは、どういう理由かということを私は知りません。とにかく差支えがあつて来られないから、私に代りに行つてくれという要求があつたから出て参りました。
○千葉信君 そうすると、総裁は登庁をしてはおられるわけですか。
○説明員(山下興家君) その通りでございます。
○千葉信君 どういうわけか、総裁に対しては、参議院の人事委員会として特にできるだけこちらのほうも尊重して、衆議院と同様にせいぜい委員会に出席して頂くように、特に森崎委員なんかからも何回も浅井総裁にも直接委員会を通じてお願してあるんですが、特に今日のような非常に給与べースの問題にとつて重要な段階のときに、又ぞろ御出席にならないということは、私どもとして非常に不満でございますから、どうか私どもの浅井総裁に対するできる限り出席して頂きたいという要望を、山下人事官から特に浅井総裁に御伝言願うことを冒頭にお願しておきます。 御質問申上げたいことは、八月十日の衆議院における人事委員会で、人事委員諸君の質問に答えて、相当具体的な勧告内容等について御発表があつたようでありまするが、この際、私どもとしても、この問題は非常に公務員諸君の直接の利害に大きな影響を持つておりますので、この際直ちに勧告してもらうことを先ず希望いたしまするけれども、若しその内容等について、衆議院の人事委員会で御発表になりました内容、若しくは又できればもつと具体的な御発表をこの際お願いしたいと思いますが、先ず概略の御説明をこの際承わりたいと思います。
○説明員(山下興家君) 千葉さんの御質問にお答えいたします。今月の十日でしたか、とにかく衆議院で一応の御説明はしたのでありますが、それを記憶を辿つて申しますから、若し足らないところがあつたら御質問になればお答えをしたいと思います。 それは、私どもは民間給与についていろいろ研究をいたしまして、最近の資料を求めた、それは最近と申しますと、本年五月が最近の資料となつております。もう少し詳しく申上げますと、実は細かい資料は三月で締切つて調査いたしたのでありますが、併し三月から五月までの間の上昇は、これは又もう一遍やりかえるということは困難でありますから、全産業の給与のベースの上り工合が、五月までの発表がありましたから、それで三月から五月まで上つたその割合で以て修正いたしまして、それで出ました答えは、先ず大体民間の給与にして五月の調査であるとお考えになつて大差はないと思います。それで全体の資料はそういうふうにしまして、五月を基礎としたのでございます。それでその結果によりますと、平均一人当りの給与が一万一千三百円程度になるのであります。そういうふうに今のところ出ておるのでございます。それは、その中にはこの前の勧告のときにも書きましたように、石炭手当だとか、寒冷地手当、それから超過勤務手当は含んでおらないのでございます。実はこれはこの前衆議院で申上げるときに忘れまして、この話を申さなかつたのでありますが、これは含んでおりません。それは結局民間の給与を細かく調べましたあげく出たのでございます。で、いつもやりますように、理論生計費を研究しなければならんのでありますが、それは大体十八歳の男子が摂取しますカロリー、国民の平均のカロリーを摂取する者に土台を置きまして、そしてそれによつてマーケツト・バスケツトをこしらえて、すつかり研究をいたしました。そしてそれと、衣料関係、そういうものも細かな調査をいたしましたあげく、勤務地手当が支給されておらない場所での給料は、四千二百円程度であるという結果になつたのでございます。その二つから結局曲線を描きまして、それによつて五月から七月まで昇給いたしますから、七月末現在で切替えたとしたら、その表を出します。その切替表によつて切替えたとすると、今のように一万一千三百円程度になるのであります。それで我々は八月一日からこれを実施されることを期待しておるということでございます。大体そういうところでございますが、まだほかに何でも……。
○千葉信君 これはそのとき御答弁になりましたかどうか、今速記録は持ち合せておりませんけれども、何か今度の俸給表では、倍率が十倍強になるというような御発表があつたわけでございますが、これは事実でございますか。
○説明員(山下興家君) そういう発表は実はしなかつたのでございます。併し実際約十倍になりますということは、この前は八・三であつたのが、今度十倍になるというのはどうしたのであるかというふうにもなると思います。けれどもこれは忠実に民間の給與を調べまして、今度の調べ方はこの前のように十八歳の人が一点と、十四級六号に相当するのが一点で、それを結び付けたのでなく、各級の職務分析をいたしまして、それに相当をする民間の企業の給與をきれいに洗いざらい調べて行きまして、そうしてその一つずつの細かな点をずつと画きまして、それを満足するような曲線を作つたのでございます。それでそれによつてやつたのでありますから、これはどうも出たとこ勝負でございまして、この前のは昨年の五月の実態であつたので、今度のは今年五月の実態でありますから、その間にいろいろな給與の面は変つて来ておるだろうと思う。それで結局生活給からだんだん立ち直りまして、そうして能率給に民間の給與が変りつつあるということの実証ができるだろうと思うのでございます。
○千葉信君 非常に巧妙な答弁ですけれども、この前の給與ベースの改訂の勧告の際には、確かこれが国会で問題になりました当時、人事院の主張としては現行の八・三倍という倍率は不当であるという意思表示を、これは非公式でしたかどうかわかりませんけれども、されたはずなんです。それが今度の場合には民間給與を調べたところが、もつと開いておるから、それを今度は十倍強にしたのだという御意見で、人事院は一定の識見を持たないで、人事院の基本的な主張や理想や意見というものを簡単に放棄するという結論になつて来ておると思うのです。併しこのことは勧告が出ない先から論議しても仕方がないと思いますから、次の問題について御質問申上げたいと思います。家族給は今度の勧告では大体従来通りとお考えになつておるかどうか、それからもう一つは、地域給は今度の増額された本俸、家族給等、従来と同じ支給率で考えられておるかどうか、この二点を……。
○説明員(山下興家君) 扶養手当につきましては、研究をしたあげく、民間では少しずつ扶養手当が下りつつあるような傾向はあつたのでありますけれども、まだこれを改訂するほどの域に達しておらんということでございましたから、やはり今までのように六百円、四百円といつたようなものをそのまま使うということにいたしました。それから地域給の問題でございますが、地域給も実はだんだんと都会と田舎との差が減つて来そうな情勢であつたのでありますが、必ずしもそうでないような結論にも達しましたから、それでこの前勧告いたしました通り、二割五分、それから五階級ということにいたしました。
○千葉信君 開会式の関係で時間がないようなんですが、最後に一点お尋ねしたいことは、一体勧告はいつされるつもりか、臨時国会が済んでからでなければ出さないのだというような考え方のようだというような情報がありましたが、又その頃にならなければ浅井総裁も病気が治らないだろうというような……。一体いつ頃勧告をなされるつもりであるか、その点をこの際はつきり承わりたい。
○説明員(山下興家君) これは私どももできるだけ早くやりたいと思いまして非常に焦つておるのでございます。併し事務の都合で、いろいろなことでごたごたしておりますので、まああと……とにかく最近に出しますから御了承願います。
○木下源吾君 ついでだからお聞きしておきますが、この前は勤務地手当はですね、勧告をこの前されたのですが、今後これはいつ頃又やられるかということに対して、ベースの勧告のときにこれはやろうという考えだ、こういうことで答弁されているのであります。そこで今度ベース勧告に、勤務地手当のあの勧告を更に検討してですね、勧告をされるというようなことを考えておられるかどうか。
○説明員(山下興家君) 地域給については相変らず研究しております。ただ今度ベースについての勧告をいたしましたのは、殊に非常に早くやらなければならんと思つて急いだのは、予算に問に合うようにという問題なんであります。それでどうせこれから続きまして法律案の、それが何になりますか、給与準則になるかならないかわかりませんが、とにかくそれを勧告したいと思つている。それまでの間は時期がまだありますから、予算に組込んで考えてもらいさえすれば、あとは又あとで考えられる、それまでの間に十分研究いたしまして、若し改訂すべきものがあるなら、その際改訂をするつもりであります。
○木下源吾君 この前の勧告ですね、地域給の勧告、その後各方面からいろいろ人事院にも情報も、或いは陳情、請願の形でいろいろ来ておると思うのですが、国会でも各議員から、いろいろ意見があるわけなんであります。これはどうしても国会ではやはり修正をするとか、或いは別の案で行こうというようなものが出て来るに違いないと思う。その場合には、やはりあなたの今言われる予算の問題、この前には約九億円の総額が要るという話だつたが、あのままで行くということになれば、九億円で釘付けになつて、若し政府が法律を出そうとしても、法案を出そうとしてもそうなる。この予算の問題とからみ合わせて補正予算が今目先に見えておるのだから、これを修正をする。それがあるならば早くそれをする段取をしなければいかん。やはり人事院はこの前の案を修正するということは面子にかかわるということならば、これは国会のほうで相当不満があるのである、これをやり直せというような一つの申合せをしてやつたら、私は人事院がやりいいだろう、こういうように考える。ですから今度いつ頃その地域給の勧告を、あの勧告以外に勧告を又する機会があるならば、いつ頃するのだというようなことを聞いておいて、補正予算といものに対する、対応したような態度をやらなければいかんじやないか、こういうように考えてお聞きしておる。ざつくばらんに出さなければ出さない、出すつもりがないならば出すつもりはない、補正予算に間に合わすつもりなら間に合わすつもりのようにやるというようにお考えを願いたい。
○委員長(吉田法晴君) ちよつと途中ですが、時間がございませんので、実は明日午前十時から引続いてやるのですが、御答弁は明日に持ち越すことができるならば御了承願つて、又一点御相談しなければならぬことがありますので、今日はこの程度で散会したいと思います。明日一つお願いしたいと思います。別に……、それでは今日の委員会はこれで散会いたします。 午後二時四十四分散会 出席者は左の通り。 委員長 吉田 法晴君 理事 加藤 武徳君 伊藤 保平君 千葉 信君 委員 木下 源吾君 小野 哲君 紅露 みつ君 事務局側 常任委員会専門 員 川島 孝彦君 常任委員会専門 員 熊埜御堂定君 説明員 人 事 官 山下 興家君 人事院事務総局 法制局長 岡部 史郎君