P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
11回国会衆議院1951/08/21

文部委員会 第3号

発言数
113
登壇者
13
会派数
5
開催日
1951/08/21

会議録

長野長廣自由党

○長野委員長 これより会議を開きます。  国民プールに関して厚生当局に対する質疑の申出がありますので、これを許可いたします。小林進君。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 国民プール建設の用地として、新宿御苑の西北端の一部の空地を指定せられたき旨の請願が、去る六月一日の衆議院本会議において採択せられておるのでありますが、これが一体その後どうなつておりまするのか、厚生大臣ないしは次官でもよろしゆうございますが、お尋ねいたしたいと思うのであります。私のお尋ねいたしたいのは大臣でございまして、大臣か次官がおいでになつたら、ぜひお尋ねしたいと思うのでございます。実はこの前の厚生委員会でも、すでにこの問題は一応質問が繰返されていたようでございまするが、そのときの御答弁が国立公園部長でありまして、同じ答弁を厚生委員会と文部委員会で繰返していたのでは、ちつとも議題の疑点が進捗いたしませんので、願わくは役者をかえて、いま山回責任者から承りたいと思うのであります。

長野長廣自由党

○長野委員長 それではこの問題は質問者の御希望によりまして、ただちに橋本大臣に連絡をいたします。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 次官はどうでございますか。

長野長廣自由党

○長野委員長 それでは事務次官にも連絡をしてみましよう。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 もしおられませんければ、しかたがない、あきらめて公園部長にお尋ねいたします。

森本潔厚生事務官(大臣官房国立公園部長)

○森本説明員 次官の都合を聞いておりますが、どうなるかわかりませんので、私の答弁ではどうかと思いますが、ひとつ事情を申し上げておきたいと思います。  この前の国会で、国民プールをつくりたいという請願、陳情がございまして、それが採択になつたということを、私実は間接に漏れ聞きました。それでどういう趣旨の採択があつたかということを、文部省の事務当局に伺つたのでございます。当時こちらの委員会でございますので、私の方は、管轄外でありましたから、どういう趣旨のことであるか、文部省の見解はどうであるかと聞きますと——これはもう少し確かめなければいけませんけれども、その聞きましたところでは、国民プールをつくりたいということと、場所は新宿御苑という希望の請願であつた、国民プールをつくることは賛成であるが、場所を新宿御苑にするかどうかにつきましては、これは十分研究しなければならない、こういう意味のことを、文部省の関係の局が、ここで答弁されましたのか、あるいは内閣の方へそういう意見を報告されたのかと思いますが、大体その程度のことを聞いておりまして、その後正式には、私の方には事務的な書類もまわりませんし、内閣の方にも連絡ございませんので、一応今の請願の問題につきましては、よく承知しておらぬ、こういう状況でございます。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 今の公園部長の御説明は、これ文部省がわれわれ国会の決議を軽視しておる何よりの証拠であると思いまして、私は非常に憤慨にたえないのであります。せつかく私どもが真剣に討議を重ねて、しかも決議にして採択したものを、当面の責任者といいますか、事務的な関係者であられるあなたのところへまだ正式に通知が行つていないということは、いかに日本の官僚機構がだらけておるか、国会というものを軽視しておるかということの、何よりの証拠だと思います。これはあなたを責めてもしようがありませんので、さつそく文部当局に、委員会の名において委員長から注意をしてもらいたい。そういうこと違われわれが何を決議しても何にもなりません。この問題は委員長の責任において御善処をお願いしたい。  同時に私はここでいま一応申し上げておきます。われわれの趣旨が、間接なり直接なりあなたのところへ通じていないということは、これは非常に不本意であります。この国民プールを新宿御苑の一角にお願いしたいというわれわれ国会の趣旨を申し上げますと、軍国日本の時代には、軍隊が日本の象徴であつた。そのころには、観兵式といえば代々木の練兵場やら宮城の前でおやりになつた。天皇が御親臨になつて、はなやかに国の姿を内外に示した。これが終戦後軍国日本という姿を払拭して、文化日本の姿を出そうじやないか。文化日本の姿も、いろいろあるでしよう。あるいは文化財保護もありましようし、あるいは文化功労者に対するところの褒賞の問題もありましよう。そういう形とともに、文化を象徴するスポーツというものを通じて——かつて軍隊を通じて天皇、皇室と結んでいたように、われわれはスポーツを通じて何とか皇室と親近感を持ちながら、スポーツ日本の姿というものを、ひとつ世界に示して行こうじやないかということから、われわれは願わくは宮城の前に何かスポーツの国際的祭典の広場がほしいという気持があつたのでありますが、皇居の前の広場というのも、あまり行き過ぎであるから、一歩下つて新宿御苑—しかし御苑の風致を害するようなことではいかぬというので、荒れ果てたその一角を、せつかく国民に開放せられた御苑でありますから、そこをお借りして、皇室のその恩典をわれわれ国が感謝しながら、スポーツを通じて皇室との関係を続けて行こう、こういうような気持で、私どもは慎重審議を重ねて、採択に値するものとして提出した。それをあなた方は一あなた方というと語弊がありますが、あなたが聞かぬとおつしやればそれまででありますが、どうも不可解な態度である。われわれの総意—総意と申し上げてもけつこうでありますが、その総意を踏みにじられておるのは、われわれとして解せないところであります。その点はひとつ公園部長として十分にのみ込んでおいていただきたい思うのであります。われわれはそういう趣旨なのであります。だからあなた方は、何も敷地が新宿御苑でなくてもいいじやないかとおつしやるかもしれませんが、なかつたらわれわれは宮城の前、できれば宮城の中にでもつくりたい、宮城には弓をやる場所もあるのですから。そういうくらいの気持を、ひとつ含んでおいていただきたいと思うのであります。  次に御質問申し上げたいのは、間接ではありますけれども、あなた方が知つておられるならば、至急これを決定してもらいたい。間接にでもあなた方が耳にしておられるならば、あなたは当面の事務的処理をされる責任者でありますから、何かそれを決定する方向に努力してくださるのがほんとうであるが、どういう努力をおやりになつたか、それをひとつ私お聞きしたいと思うのであります。

長野長廣自由党

○長野委員長 ちよつとここで委員長から一言申し上げます。ただいまの厚生当局のお答えの中に、決議事項は文部省を通じて来ていない、こういうお話でありましたけれども、現在のところ常任委員会の決議なるものは、議事部から内閣を経て厚生省へ行くことになつております。ゆえに文部省を通過する必要はないはずであります。何かそこらに誤解がありはしませんか。

森本潔厚生事務官(大臣官房国立公園部長)

○森本説明員 ちよつと速記をとめていただきたいのですが…。

長野長廣自由党

○長野委員長 では速記をとめてください。     〔速記中止〕

長野長廣自由党

○長野委員長 それでは速記を始めてください。

森本潔厚生事務官(大臣官房国立公園部長)

○森本説明員 請願の点につきましては、ただいま懇談で話が出たようなことであります。  その次の新宿御苑の中に国民プールをつくるという意向並びに運動がある、それに対して厚生省はどういうことをしたり、あるいはどういうように考えておるかというお尋ねと思いますが、これにつきましては、すでは私衆議院、参議院の厚生委員会におきまして、たびたび質問が出たもので、お答えをしておるのでありますが、こちらの委員会は初めてでございますから、やや詳細に申し上げたいと思います。  御承知の通り、新宿御苑と京都御所、それから皇居前の広場、この三つを合せまして、現在国民公園という名前になつております。これは終戦後三つの旧皇室の苑地が物納になりまして、これをどういうように国として管理するか。あるいは売却してしまうか、あるいはこれを保存するかという問題が起りましたが、それがちようど昭和二十二年のころでございます。それで当時その取扱いにつきましては、非常に問題になりました。これは昭和二十二年でございますから、前の内閣の片山社会党内閣だつたと思います。そのときにおきまして、この三つの旧皇室苑地をどうするかということにつきまして、閣議決定をいたしております。それによりますと、これは公共団体なりあるいは民間にこれを処理することは適当でない、由緒のあるところであるから、国としてこれを管理して行きたい、国の責任において長く管理して行きたい。それから、従来この三つの場所は国民に対してきわめて非開放的であつたが、今後は国民公園という名前にして、国民に十分利用、活用させるということをすべきである。国が管理して、できるだけこれを国民に使わせるという方針が閣議で決定せられました。なおその閣議決定の中に、それの利用運営について、どういうようにすべきであるかということについては、権威のある委員会を設けて、その意見によつて処理すべきであるということも決定になつております。それでこの閣議決定がありまして、ついで運営の審議会が設置されたのであります。運営の審議会が設置されますころは、すでに内閣がわかりまして、今度は吉田内閣になつております。これは昭和二十四年でございますが、ちようど内閣総理大臣が旧皇室苑地運営審議会の議長になられまして、学界の専門家を集めてこの閣議決定の線に沿つてやるにはどうすればいいかということを慎重審議されたのであります。その結果、この旧皇室苑地の取扱いについてのやや詳細なる方針がきまりまして、爾後政府としましては、閣議決定の大綱並びに審議会の答申の線を尊重して管理運営して参つたわけであります。  この審議会の決定と内容の要点を申し上げますと、三つの国民公園に共通するものとしましては、たくさんございますが、大きな基本的な方針としましては、約六つございます。その一、二を申し上、げますと、第一は「由緒ある沿革を尊重し努めて原状の回復保存をはかること」——この三つの公園につきましていずれも由緒あるものである。従つていたんでおるのを元の姿に直して、いい姿にしてそのまま保存するというのが第一であります。それから第二としましては「必要に応じ史蹟名勝天念記念物または風致地区として指定すること」——これがいたまないように特別の法律をつくつてよく保存するということ。それから第三には「各苑地の特性を生かし国民生活に適合した整備運営を行うこと」——庭であれば庭らしく、広場であれば広場らしく、それぞれの特性に応じて整備運営して行く。その次に都市計画でありますが、これは一部でございますから「各苑地の特性に照しこれと関連のない施設はこれを設けないこと。特に営利を主目的とし、または利権を伴う諸施設の設置はこれを認めないこと」——それぞれの苑地は特徴があるものでありますから、それに似合つたものをつくつて、関係のないものはつくらないようにする。特に営利的なことであるとか、利権を伴うことは、これはやるべきではないということであります。それから当時におきましては、まだ公開がしてなかつたのでありますから、なるべく早く公開するようにしようというような基本方針がきまつたわけであります。  特にこの新宿御苑につきましては、今の基本方針のほかに、八つほどございますが、一つ「国民庭園として広く国民の利用に供すること」——国民庭園という言葉を使つております。それから皇居外苑は国民広場と言い、白金の御料地は自然教育園と言い、若干こういうものも使い方があると思います。国民の庭園として広く国民の利用に供する。それから二番目には「さしあたつては原状の回復に努めることとしなかんずく次の諸施設を復旧すること」——現状と申しますのは、当時空襲でいたんでおつたりあるいは芝ふをはいで畠にしたというので荒れておりますから、それを元の姿にするということを第一にしろ。それで御殿であるとか翔天亭、楽羽亭、温室、四阿、芝ふ、下水道、橋、護岸施設等がいたんでおりますので、これをもとの固有の庭にあつたもののように早く回復しろ、こういう状態であります。それから第三には「なるべくすみやかに次の諸施設を設けること。児童遊園、運動広場、休憩所、水飲場、駐車場、便所等」——これは公開に伴いまして人がたくさん来るから、従来の庭園の施設じや足りない、水飲場、休憩所、広場、そういうものを施設しなければ公開できない。四番目には「菊の栽培を復活し桜樹の保護に努めること」——桜と菊はいずれも新宿御苑として非常に有名なものでありますから、これをひとつもと通りに回復しろ。五番目は「将来は若干の小動物を飼育する施設等をも設けること——これは当時明治時代以後におきまして暫くの間ですが、あそこは小さい動物が飼育されておりました。できればそういうことも考えたらどうか。六番目は「現在予定されている都市計画街路との調整を至急にはかること」——これは都市計画街路の計画がございまして、新宿御苑の樹木を切つてしまおうという計画でございます。そうすると庭がつぶれる。だから都市計画街路をつけるならば、それをはずしてつけるようにやつてみよう、こういうことでございます。それから七番目は「苑内にある宿舎については将来適当なる処置を講ずること」——これは従来の官舎以外に、戦争中家がないものでありますから、工事小屋であるとか倉庫等に若干入つておる人があります。しかも関係ない人が若干入つておるという状況でありますから、それを整理してきれいにしようというのであります。八番目は「価値ある箇所は名勝として指定すること」——これは文部省の関係でございますが、史跡、名勝天然記念物、文化財として保護するように指定しよう、こういう方針でございます。大体もとの姿に返して、これをいいような状態に置いて、庭なら庭らしく使おう、それに関連のないことはやらない、こういう答申がございまして、爾後現政府におきましても、この方針で管理運営して参つております。  国民プールをあそこにつくりたいという運動は、もう一年以上前でございますが、去年の四月ごろ、そういう陳情なり動きがあつたようでございます。この新宿御苑につきましては、建設面は建設省が主としてやり、管理の面は厚生省がやるということになつておりますので、これをどうしたものだろうかということで両省相談いたしまして、これは慎重にせねばならぬというので、次官、大臣等にも御意見を伺いまして、結局去年の九月二日であつたと思いますが、当時プール建設の委員会の方に対しまして、大臣の命を受けまして、今申したような基本方針で管理しておるから、あそこにプールをつくることは適当でないと思うということを、公文をもつて御連絡いたしておきまして、大体その後、今申しましたような方針で管理をしておるわけでございます。従いまして、国民プールをつくることにつきましては、今お話の通り、けつこうと思いますけれども、場所につきましては、あそこは、今申した管理の方針等に照じ、適当でないだろうという考えでおります。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 今公園部長の言われましたそういう閣議決定の事項は、われわれも全部承知しておるのであります。承知いたしまして、その上でわれわれは、この文部委員会においても委員長を先頭にいたしまして現場を漏れなく調査いたしました。われわれは約二時間にわたつて調査いたしました。しかもあの新宿御苑について、それほど管理に熱心であり、それほど重要なものであつたなら、なぜ一部たりといえども隣の学校にやつているのか。あなた方は、自分たちの考えなら隣の学校にやつてやる、どこにもやつてやる。しかしわれわれ国会議員、文部委員会、厚生委員会の委員がながめて、あれくらい荒れているところを、いかに風致を全うして、しかも国民的感激の場所たらしめるか。このわれわれの決議に対しては一顧も与えない。あなた方も公園を愛するなら、われわれも国民の名においてさらに公園を愛する。閣議決定の中には、今あなたが読み上げた第三項に、国民の広場として、新宿御苑を使用せしめるということが書いてある。われわれは運動の広場としてこれを使用するということが、さらに風致をりつぱにするゆえんであるという結論を出した。決して閣議の決定を変更しようというのではない、この項目に当てはまるじやないか。どんな運動といえども、運動は広場を設ければ若干の設備が必要なのは言をまたない。それをあなた方は、広場ではあるけれども、設備を設けるというような規定がないからというようなことは、われわれを愚奔する一つの答弁であると思う。われわれは運動広場を設ける意味において、よろしいじやないかということを申し上げておるのであります。この点はもう少し慎重に、答弁をされるなら納得の行くような答弁をしていただきたい。  それからいま一つ申し上げたいことは、国家の管理においてこれをおやりになるという。われわれはでき上つたその会場の管理権をあなた方から取上げてわれわれに土地を開放せよというのではないのであります。いかにあれを最も有意義に使用するかというわれわれの意向を述べておる。管理はあなた方がおやりになればよろしい、そういう考えであります。  それからいま一つ私がここでお伺いしたいと思うのは、私ども百九十七名の衆参両院議員が、真に慎重に署名をいたしまして、これが国会の総意に近いものであるということでお願いした。その署名の中には、今の厚生大臣の橋本さんのお名前もりつぱに入つている。前黒川大臣の名前もりつぱに入つている。これはぼくは大臣にお聞きしたかつた。みずから著名して賛成を表しながら、今度は反対せられるがごとき態度をとられるのは、責任ある政治家の行動なのかどうか、あるいは責任ある国務大臣であるかどうか。これは私は民主政治、責任政治の手前から、重夫問題だと思う。だからこの問題について、あなたを通じてわれわれの委員会に書面でひとつ回答してほしい。この前賛意を表して、このたびなぜ反対するかという、その理由を書面でひとつお答え願いたいということを、あなたから大臣にお伝え願いたいのですが、いかがでしようか。

森本潔厚生事務官(大臣官房国立公園部長)

○森本説明員 簡単にお答えしておきますが、最初この新宿御苑の一部を、隣の学校にすでに譲つたじやないかというお話でございますが、これは事情がございます。と申しますのは、昭和二十年から国が管理するまでの間、東京都がこれを一時管理しておりまして、その時代に決定になつておることであります。国が直接管理する一年か一年半前に、東京都が決定しておる次第であります。その事情を申し上げておきます。  次に、運動広場とあるからどうかというお話でありますが、これはちよつと管理の方針から申し上げたいのであります。御存じの通り、あそこを開苑したときに、芝ふも何もございませんでした。畑になつておりまして、ともかくあそこはほんとうに荒れ果てた草木もないというところでありました。それを二、三年かかりまして、大体芝ふのかつこうができて参りました。芝ふというのは、元来入るものではなく、見るところでございます。最近におきましては、あの芝ふとか日本庭園とかいうところには入れないようにし工おりますが、そうしますと、ことに春とか秋になりますと、町内会の団体でありますとか、あるいは中・小学校の学生が団体で見に参ります。そういうのが何百人と来る。ところが芝ふへ入れないと弁当を食う場所もない。子供だから遊びたいのに遊ぶ所もないというので、今お話の予定地でありますが、あの附近をしわ寄せしまして、そういう時期には弁当を使わせたり、まあ少し学校の運動場ぐらいの人持でゆつくり遊んでもよろしいというしわ寄せの場所として、あそこを予定しておるわけであります。あそこはそういう意味の運動場に考えております。それから運動広場というのは、最初の考えでも、今言つたように野球をするとた、テニスをするとか、マラソンをやるとか、あるいはトラック・フィールドとかそういう特定のことでなしに、だれが行つても、まりを投げたい者はまりをほうつてもよろしい、弁当を食べる者は食べてもよろしい、かけつこするならしてもよろしいというように、特に用途を指定せずに自由に遊ばせる、こういう意味の運動広場に聞いておりますし、また現実にあそこの性質から考えましても、そういうものがほしいので、そういうふうにしたいと思います。これは管理上どうしてもそういう必要があるわけであります。  あとの署名された橋本大臣の点につきましては、私事務の者としまして、大臣の見識並びに見解によることと存じますので、こういうお話があつたことは伝えておきますけれども、これはむしろ大臣御自身の御判断で、一身上の行動に属することと思いますので、お伝えだけはしておきます。

長野長廣自由党

○長野委員長 ちよつとこの際申し上げます。この運動場の問題は、議事部から内閣へ常任委員会の決議書類を送付いたし、さらに公報に掲載をいたし、さらに内閣より厚生省の方に送りまして、確かに書類は厚生省の手に入つておるわけであります。森本公園部長におかれましては、すみやかにこの書類がどこへ停滞しておるかということを明かにしていただきたい。なるべくこの委員会中にひとつ即刻お願いしたい。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 今の問題は、委員長からかたい御通達がありましたから、私は省略いたします。  次に、今も言われまするように、運動広場に使用せられているが、私どもが現実に行つて——公園部長は実際にあの場所を見られたかどうかしりませんが、あそこは現実にほうつてあるような、野放しのような野球場になりまして、だれか知らぬ、わけのわからぬ者が入つて、あそこで野球をやつております。それから、いま一つの第二候補地言われる所は草ぼうぼうで、いかに遊園地といつたところで、あんなところで弁当を開いて飯を食えるような、そんな形にはなつておりません。しかもあそこには御存じのように、われわれの方の中産階級以下の、鶏小屋よりも悪いような、まるでぼろだらけの鶏小屋があつて、わけのわからぬ鶏があつちこつちに置いてあつて、あれこれ風致を害するものはなはだしい、実に醜悪そのものの鶏小屋が点在いたしております。あれをもつて運動場にするの、飯を食うの、休憩所にするのなんということは、あまりにも考え方が甘過ぎると思うのであります。そういうような考え方でおられるならば、それはむしろ私は根本的に改めていただきたいと思うのであります。それは重大なる間違いです。同時に、いやしくもこうやつてわれわれ衆参両院議員が全会一致の形でお願いしていることに対して、あなた方は、どうも一つを許せばまた次に許さなければならないというようなことを理由にせられているそうでありまするが、その点をいま一度お伺いいたしたいと思うのであります。

森本潔厚生事務官(大臣官房国立公園部長)

○森本説明員 最初の菊の栽培所、それからもとの御料野菜の栽培所、それから今の運動広場の場所のあれというお話でございますが、これはほとんど昔のような状態にはまだ復元いたしておりません。今申したように運動広場の方だけは昔のようになるように、菊の栽培にしましても当時の栽培の面積、それから数から申しまして、まだほんの少しでございますが、復旧しておりません。それから御料野菜の方も同様でございまして、あそこも当時は相当広大なあの面積を、全部フルに使つておりましたが、そこまで手が伸びておらぬところでありますが、だんだんやつております。それから今の家禽の問題でございますが、あれも費用問題等で、りつぱなものではございません。あそこにおりますのは、天然記念物の鶏でございます。現状は確かにいいなと言つてもらうことはできないと思いますが、せいぜいこれをよくしたいと思つております。それから一つを許せばどうという問題ですが、これは管理運営の方針に照しまして、合致したものは、いろいろ施設をすべきだろうし、合致をしないものは、施設をすべきでないだろう、こういうことで、その都度決定して行くものじやないかと思つております。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 今の御答弁では、われわれは愚されておるように思いますが、次官がおいででありますから、次官にお尋ねいたします。次官は、現在の国民プールに予定されておる地域をごらんになつたかどうか。私どもはああやつて署名いたしまして、二百有名の連中が何とかするからには、しばしばあの現状を国会の委員会の名において見ておるのであります。あそこに行つてごらんなさい、どこに天然記念物に指定されるようなものがありますか、麦が植えてありますよ。しかも草ぼうぼうであります。温室はこわれて、ガラスは一枚もない。しかも板づけの、実に醜悪なる家禽小屋があつちこつちに散在をしておる。そうしてえたいの知れない者が鶏の番をして、ふらふら飛び歩いておる。われわれのいなかに行つても、ああいう醜悪な現場はございません。なお、あなたはりつぱに管理を全うしておると言われるかもしれませんが、そういうことは改めて、国民感激の場所にしたらどうか。いやしくも、個人の欲望や個人の立場からどうこう言つておるのではありません。国会の名において、国民の意思を袋してわれわれは言伝つておるのであります。もしこの言葉が採用されなければ、これは国会と行政官庁との、大きな懸隔になろうと思います。もつと根本的に大きく言えば、民主政治のあり方に対する基本問題だろうと思います。私どもは真剣に質問申し上げておるのであります。最近の現場を見られたなら、こうであるという具体的なはつきりした御答弁を得たいと思います。

宮崎太一厚生事務次官

○宮崎説明員 ただいま御質問でありました新宿の御苑の問題につきましては、私も就任以来しばしばお話を承つておりまして、先般も現場へ行つて見て参つたのであります。仰せのように、あの場所は荒れたままになつております。しかしながら、私どもといたしましては、新宿御苑というものは由緒ある公園である、かつ今後独立国となりました際には、あれが東京のまん中における最もすぐれた庭園といたしまして、諸外国の人たちに、あそこをいろいろ見ていただかなければならぬというふうに感じておりますので、鋭意努力いたしまして、あの復興に努めたいと思つておる次第であります。あの場所そのものは、現在仰せの通りでありますけれども、費用もいただきまして、これを修理いたしたいと思つております。今度の補正予算にも、その点お願いしたわけでありまして、荒れておることは荒れておりますけれども、なるべく旧の姿に復旧したいという考えで、あの御苑の管理をいたしておるような次第であります。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 どうも今の次官の説明を聞いておりますと、厚生省だけがあの風致を旧に復帰するように、自分だけがそういう熱意に燃えておるようにおつしやるのですけれども、われわれが特に国民の名において、国民にあれされた公園なのであります。それを責任を持つてあなた方に事務移管しただけであります。われわれ国会議員が、あの風致を保存し、旧の姿にりつぱにもつて行きたいと望むことは、あなた方に劣るものではないのであります。われわれは、その立場からこそ曇の中、寒さの中もあすこを放浪し、あすこをたずねて、どうしたら国民感激の場所にできるか、どうしたら旧来以上のものにりつぱに保存できるかということを慎重に考慮して、その考慮の結果として、われわれは会議を開き、あるいは審議を重ねて、そうして一応あの貧民窟にも道路をつくつて、あすこを開放せしめて、あのごみ捨て場所をきれいにして、ひとつ国民プールを建設しよう、そうして皇室とスポーツとの関係を結びつけたい、それ以外にないではありませんか。あとの場所は、もつとその費用をかけるなり、その管理をやつて、りつぱなものにするでありましよう。外国使臣を呼んで、あなた方が大いに接待をしてもらいたい。外国使臣を接待するに、いささかも支障がない程度にそれをつくり上げたいというのが、われわれの熱望なのであります。それをあなた方だけ一生懸命に心配しておるように言われることは、非常におかしい。あなた方以上に、われわれは国民の立場を考えおるのであります。しかも、御承知のように前の公園部長が、このときには大臣、次官並びに皇室の御意向までも聞いて、そうして結論を出して、これは国民プールとして適当であるという一つの口頭の承諾も与えられた。これが途中でひつくり返ることは、出目庁の、いわゆるお役所の職責が異なるといえども、官庁の考え方というものは、私は一本でなければならぬと思う。前の公園部長において、これを適当なるものと判断せられたものが、今の指揮者がかわつて、今それがいけないという理由は那辺にあるのか、その理由をはつきり私はお聞きしたいと思うのであります。

宮崎太一厚生事務次官

○宮崎説明員 私も厚生省に長くおりまして、飯島君ともよく会つておりますが、飯島君が大臣、次官の承諾を得てやつたかということについては、私疑問に思つておりますが、その点につきましては私存じません。ただ大臣、次官等が、あれはいけないというようなことを言われたことは、私知つておりますけれども、最初の方でどういう話がありましたか、私はつまびらかに存じておりません。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 それは先ほど公園部長に申し上げました。ちやんと黒川前厚生大臣が、われわれのつくつた書面に賛成であるとの署名をされている以上は、言葉は右と左になろうとも、われわれは書面こそ一つの確証でありますから、証拠物件がある以上は、私はあなたの言葉よりも飯島君が大臣の承認を得た、次官の承認を得たということは正しいと思う。一体あなた自身も、われわれの賛成の名簿に署名せられたじやないか。署名せられておいて、なぜ反対せられるか、それをまず伺いたい。

宮崎太一厚生事務次官

○宮崎説明員 私は署名いたしておりません。黒川厚生大臣に、私この問題につきまして伺いましたところが、これは許さない方針であるということを、強く私に、言われましたので、私のところに来られた方には、そのことをお答えいたしておきました。それから、今の厚生大臣は署名されておるようでありますけれども、今は許さぬということを言つておられます。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 あなたの言葉を通じて、私は納得することができないのであります。一応今の橋本大臣と黒川前大臣に——大臣は来れないというから、私はあなたにお願いするのでありますが、書面でひとつこの委員会に御答弁願いたい。これをぜひお願いいたします。  なお次官にお聞きしたい。私はあなたのところへも、国民プールの問題でお願いに上りました。われわれ署名した二百名を代表した代議士諸君や、都会議員、区会議員が行つたときも、あなたは忙しいと言われた。私は憤慨いたしました。あなたも忙しいだろう、私も私用で来たのじやない、国会議員として公務で来たのだ、そういう失礼な話があるかと私は言いました。私ばかりかと思つたら、ほかの連中も、どうもあなたのところに会いに行くと、不穏当な態度をされるというもつぱらの評判です。これは感情問題じやない、これも大勢の人間が言うというのは、輿論だと思う。一体国会議員と次官がどういう関係であるかということを、ここでお話願いたいと思う。

宮崎太一厚生事務次官

○宮崎説明員 私は国会議員の方々のみならず、一般の方々がおいでになります場合におきましては、きわめてひまをさいてお会いしている方針であります。ただおいでになつたときに、ちようど私の方が予算の問題でやつておるときにおいでになつた場合と、それからこの間ちよつと新聞にも出ましたごたごたが起つております最中で、私の方があつちごつちといろいろ連絡をしなければならぬときにおいでになつたのでありまして、それでお断り申し上げたのであります。あとの方に対しましては、お会い申し上げております。私は就任当初のときは、ずいぶんいろいろな方面に忙しかつたので、御無礼申し上げたと思いますが、ほかの方々にお聞きくださればわかりますけれども、私は努めて皆さんに丁寧にお会い申し上げることを私どもの方針として、部下にも言うておるような次第でございまして、もしあのときに失礼申し上げて、趣旨が徹底しなかつたとするならば、この際おわび申し上げておきます。

小林進社会民主党

○小林(進)委員 ともかくあなたは次官でありますから、国家の次官として私どもは敬意を表します。しかし、われわれも国家の最高機関である。われわれの方にもひとつ大いに敬意を表していただかぬと、今でも行政府が立法府を押えている、官僚独善、非常に官閥が多いところでありますから、十分そういうことは御注意をしてもらいたい。私一人の感じなら、言わぬけれども、あなたのところへ行つた者が、みなそう言つて来る。そこにあなたに大いに反省してもらわなければならぬ点があると思う。それから私は、この前も会議を開いていろいろ討議したその結果に基いて、どうも官僚というもの——官僚と、いうのは、あなたを含めてでありますが一部人が、何か皇室がわれわれにくだされた、国民にくだされた料地を、自分たちの財産であるように考えて、自分たちだけがこの公園を最大に愛して、あとの国会議員なんというものは、並び大名その他大勢の附和雷同のような人間に考えられておる。言われたから署名捺印して持つて来たのだろう、こういうふうに軽視されておるようにとらざるを得ない。またあなた方は、そうとる理由があるでしよう。いやしくも一国の大臣が来て、あのときには判を押したが、今度は反対だという無責任な者がおるから、あなた方はそうおとりになつたのだろうと思いますが、そういう一部のものは除いて、われわれは真剣に考えてこれが一番いい方法だ、国民の要望である、そうはつきりした結論を出して署名捺印してわれわれは行つておる。この二十名はどんぐりじやない、並び大名じやない、烏合の衆じやない、一人々々が責任をもつて署名している。これはわれわれの財産だ、その事務的な仕事はあなた方にまかせますが、われわれが大綱を決定する、われわれの財産だ。そうすることが一番正しいことだと考えまして、こうして熱意をもつてお願いしている。われわれの意向を、ちつともあなた方はお考えになつていない。自分たちだけが公園を愛し、自分たちの考えが一番正しいと思つておる。これを言いかえれば、国会の委員会とあなた方との対立だ。今ここで敗れるということは国会、国民の総意が、またあなた方の前に屈辱されるという大きな問題であるということをわれわれは決意しておる。あなた方の主張が正しいか、われわれの主張が正しいか、民主政治、議会政治のあり方をかけて争うのでありますから、どうかその覚悟であなた方は御考慮願いたいと思います。  以上申し上げて私の質問は終ります。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 大体小林委員の方から質問されたのが、私たち文部委員全体の意向であつて、そういう切実なものを文部委員会は持つておるということを御承知願いたいと思うのです。いずれこの問題については、いろいろお聞きしなければならぬと思うのですが、この際承つておきたい点は、先ほど問題になりましたいわゆる鶏を飼つてこれを天然記念物と称しておる点でございます。あの区画というものは、従来から新宿御苑の中でも、その庭園としての生命のうち外にあるところのように、区画から考えますとわれわれは見て来たのですが、やはりあれも含めなければ、新宿御苑の庭園としての生命はないのか、その見解を承りたい。

森本潔厚生事務官(大臣官房国立公園部長)

○森本説明員 あの今お話の一画は、菊の栽培所と、先ほど申し上げました御料野菜の栽培所に全部充てたのであります。当時は全部フルに使つておつたのであります。今は菊の方も半分しか手が伸びておらない、野菜の方もうまく行つておらない。こういう状態で、本来の庭園としては、あそこの由緒ある菊を保存するために、それから御料野菜を栽培するために、この二つのために設けられたのであります。今全部フルに動かすだけの、また経営するだけの域に達しておらないのであります。先ほどの鶏の件、あの鶏舎というものは、今の新宿中学の方に敷地を譲りまして、あの鶏舎はあの場所にあつたのでございます。それの敷地が東京都の運動場になつたものでありますから、現物をあつちに移転したものでございます。そういうわけでございまして、これはいずれも土地が狭くなつたので、鶏舎があそこに移転した。の他の場所は当時全部フルに使つておつたのであつて、今後菊の栽培を十分にする、あるいは御料野菜等の栽培を十分にするということになれば、あの面積がいると考えております。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 その御料野菜という問題ですが、それをどうでもあそこでやらなければならぬかということを、私はお伺いしておるので、ほかのところでその問題は解決できて、新宿御苑としては、あれをしなくてもいいと考えるなら、厚生省としても非常に考えが違つて来るだろう。それから家禽の問題ですが、今あそこでやつておるのは、厚生省直轄で経営しておるのか、何か全国協議会みたいなものが利用しておるものであるか。その程度のものだつたら、厚生省としてもこれは相当考え直す余地があるのではないかと思うのでありますが、その点はいかがですか。

森本潔厚生事務官(大臣官房国立公園部長)

○森本説明員 御料野菜をあそこでつくるかつくらぬかということはもう少し研究させていただきたいと思います。これを最近の例で申しますと、貞明皇后の御大葬がございました、その際新宿御苑より野菜を日に十種類ずつ供えたということもございます。それたら、この席で申し上げるのはどうかと思いますが、ことに貞明皇后様は、あそこの土地と深い関係があるものでございますから、あそこの野菜を非常に愛用されましてお召上りになつた。また伺候者等がございますれば、それを御下賜になるとか、いろいろ御用を承つておりました。それから現に宮中関係の三殿の方のお供物もあそこで差上げておるということでございます。その辺もう少し研究させていただきたいと思います。  それから鶏の方の管理でございますが、これは新宿御苑保存協会というものがございまして、そこに委託をしてやらせております。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 大体今のお話を聞くと、先ほど小林委員からの質問の際に、厚生省としてどうでもあそこを確保しなければならぬという御説明は、大分われわれの期待するように向いて来ておるように思うのですが、あそこの部面を全面的に考えてみましても、新宿御苑の庭園という一つの生命から、相当区画されたところのように考えられるし、厚生省があそこに対して考えておるように、どうでもあそこを使わなければならぬというふうには考えられない。家禽等の問題も、私たちが行つて見たところでは、単にあそこを何かほかのものに利用されないように、一応ここで何かするのだということで、体裁でやつておるというだけならば、先ほども小林委員からお話もありましたように、まことに風致を害することはなはだしいものがあるわけであります。それから貞明皇后様があそこで何かおつくりになつて云々というお話があつたのですが、あそこにいるのは、どういう連中か知りませんけれども、私たちが質問をして聞いたところでは、おそらくあの庭園に関係のある人たちがあそこに住んでおるのでなくて、部外者があそこに住んでおるように承つたのですが、その人たちが非常にでたらめな、お百姓さんに見せたらほんとうに笑いものになるような耕作方法で、麦等を栽培しておるのです。その中から皇后様のお召しになるものを持つて行くなんということは、存外のことです。そういう点を総合して考えてみると、何だ厚生省としては、あそこを非常に固執しておる、ほんとうに新宿御苑とか、国民プールとかいう問題のうち外に、あそこを固執するように考えられる。先ほど運動場の方の問題も、いろいろ御説明があつたのですが、私たちが当時あそこを見たときには、決して公園としては、子供が臨時に弁当を食べるとか、あるいはあそこにいる人たちが、ボールを投げ合つて運動し、競技をするところのようには見えなかつたわけであります。もうごみ捨場のような状態であつたのを、われわれの方で国民プールに使用したらというふうな意向が出ると、すぐにああいうふうな形に整地して、何かそこにりくつをつけておるのじやないかというふうに考えられる。先ほども小林委員が申しましたように、決してあそこに行つた人たちの弁当を使うところとか、簡単な休憩をするところというふうには使用されておらない。部外者が入つて来て、ネットを張つて野球をやつたら、ほかの入園者があすこで弁当を食べる余地はない。しかし、現在事実そういう管理方法がとられておる。これは何か国民プールをつくることを阻害するべく計画的に進めておる以外には、私たちには考えられない。先ほどの第二候補地として家禽の鶏舎がある点等は、これは全体から見て、なるべくもつと合理的な国民の運動方面等に利用されるようなところとしては、決して庭園の風致を害するものでもなし、またそこにおいて国民プールのような国民全体の利益を得るような施設参をするには、最も適当なところであるというふうに私たちは考えて来たのですが、とかく厚生省の方では、ごみ捨場にしておいてもつたいないと思えば、すぐに片づけてりくつをつけて、ほかのものに使用するようなかつこうをつけ、また今御説明があつたように、ほかのところで栽培される、あるいはほかのところで経営される方が至当であるようなものも、あえてそういう名を借りてそこでつくつて、このところを使わせないというふうに考えられるのですが、厚生省としては、その点が全然別の意図があるのでなくて、何か今おつしやつたような点であそこを使用しなければならぬのか、はつきりその点をお伺いしたいのです。

森本潔厚生事務官(大臣官房国立公園部長)

○森本説明員 先ほど申しましたように、今のところでは、あそこを運動広場等に完成して行きたい、それから菊の栽培も、仰せの通りやつて行きたい、それたら御料野菜も、当時の通りの姿に返して行きたい、こういう考えで整理をして進めておるわけであります。御存じの通り、あの芝ふにしましても、庭にしましても、大きいものでありますから、簡単には整理ができない。芝ふをだんだんやつておる。日本庭園の世話をやつておると、あつちの方が手がお留守になるというような事情等がありまして、ほんとうのまん中の方であるとか、特に人に見せる庭の部面、そういうところから比べると、整地が非常に遅れておる、手がついておらないということになつて行つたのじやないかと思いますが、先ほど申しましたような方針のもとにこれを整理して参りたい。しかし整理の段取りが遅れておるじやないかということは言われるかと思いますけれども、そういう考えで進んで参りたいと思います。

長野長廣自由党

○長野委員長 この際大蔵省の三計局の方がお見えになりました。主計局長がおつつけ見えられるそうでありますから、一応この問題はここでしばらくおきまして、予算問題を審議したあとで続けたいと思います。その理由はただいま厚生当局のお話に基きまして調査いたしましたところが、先日の厚生常任委員会の決議は、すでに内閣を通じて厚生省に渡つております。しかるに、厚生省においてこの書類の行先が今のところわからないということになつておる。だから、この際ここ三、四十分の間に御調査を願いたいと思います。それから私は多数の人とともに現場を見ましたが、おそらくこの厳粛なわが東京の各方面の復興事業の中で、しかもその中心地帯で、由緒深いあそこがあの草ぼうぼう、どことなし聞え来る鶏の声、すでにその鶏が国宝でないことは明らかである。こういう現状でこれを審議しておりましたならば、たちまちの間にこれは議員との間の対立となつて、おもしろくない結果になる。それでわずかの時間で足ることだから、もう一回ひとつ当局は現場を三、四十分の間にごらんを願いまして、はたして貞明皇后様のために耕作をしておるかどうか、その点ももう一回再確認をしていただきたい。そうしないと、これは非常に問題になつて来る。この点を申し上げまして、一応この問題は後刻にまわすことにいたします。     —————————————

長野長廣自由党

○長野委員長 文部省関係予算に関する件を議題といたします。岡延右工門君。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員 実は大蔵大臣に伺いたいのでありますが、大蔵大臣の昨今のお忙しいことはよくわかつておりますので、非常に頭がよくて、温厚であられる主計局長にちよつとお伺いいたします。  実はどこからとはなしに、六・三制を六・二制にするというようなうわさが伝わつておる。これがしかも自由党の方針であつて、文部省と対立をしておる、こういうことであります。ところで自由党の方針はどうしてきまるか、これは政調会においてきまる。ここには政調会の文部部会の部長も副部長もいる。それから文部委員長及び文部関係の有力な人はみんなここにいるが、そんなことは聞いていない。六・二制にするということは、とんでもないことだと考えている。それにもかかわらず、自由党は六・二制にするのだということが、大きく新聞に書かれておる。そこで全国の文教関係者は、非常に動揺しておる。九州各県の文教関係者は大会を開いて、大挙して上京しておる。おそらくあなたのところにも陳情に行つたでしよう。ところが、この六・三制を六・二制にするという問題は、ひとりそれだけの問題ではない。結局全面的な学制改革である。終戦後数年にして今の制度ができたのであります。それがために、いろいろ学校関係者は動揺しておる。そこに一つのブランクができておる。今度また改革をすることによつて、非常に大きなブランクができる。しかもそういうことをすることによつて、要するに政治家というものは信を国民の問いに失う。これは政治家としては最も慎むべきことであろうと思います。ところがどうもそういつたことが、大蔵省あたりの官吏の口から漏れたのではないかというふうに、われわれには想像される節がある。一つの実例を申し上げます。私は長崎県選出でありますが、実は長崎大学には水産学部がある。あなたはお聞きになつていることでありましようが、今度はその学部の制度が三年制になつたために、どうしても新たに実習船がいる。それがなければ資格を与えられない、船に乗ることができない。ところが大蔵省の文部省予算を査定するところのある係官は、そんな学部は廃止してしまえ、これは鹿児島あるいは東京へ追いやつてしまえ、こういう乱暴なことを言つたそうであります。こういうようなことは、文部大臣の権限である。この大学の学部をどうするかという問題は、国会の問題である。大学設置法というのは、国会の問題である。それを一課長級の人がそういう暴言をなすことは、文部大臣の職権の干犯であり、国権の最高機関である国会の干犯であると私は思う。私にはこういうところからそういう話が出たということを、想像する根拠が多少あるのでありまして、私はこれをきわめて遺憾とするものであります。あなたはそういうようなことを言われる気配を感じていたかどうか、主計局長からお聞きしたいと思います。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 六・三制を六・二制にするということについては、私どもが案を立てるという筋合いのものではございません。そういうことを、私ども軽々に申したことはございません。これは非常に重要な問題でありまして、もちろん国会が最終的な決定をすべきでありますが、内閣においてこの問題を決定をすべき筋合いのものだと思うのであります。私どもいろいろなことで案を立てることはございますが、そういうことを、軽々にこうすべきであるというふうな決定をすべきものではないと私は思います。お話のようなことがありましたとすれば、はなはだ私の不徳のいたすところでありまして、深くおわび申し上げます。六・三制を六・二制にするということがいろいろ新聞に出て、私どもも迷惑いたしておるのでありますが、ただそういういろいろなうわさが出る、話が出るだけに、この問題についていろいろ検討すべき筋合いはあるのだろうと思います。廃止するとか、六・二制にするとかいう問題でなしに、そういう声のあることは、どこに問題があるのだろうか、こういう検討は常に必要であると思うのであります。私どもこれをどうするということではありませんが、お話なり意見なりを聞いてはみたいと思うのでありますが、その決定についはどうということはございません。現在御承知のように、政令諮問審議会というものがございまして、先般来労働問題、行政改革の問題、現在は教育の問題をおやりになつでいるようであります。内閣でもそれほどの慎重さをもつてお扱いになつているのでありまして、私ども事務局がとやかく申し上げて、意見をさしはさむことではございません。またすべきではないと思つております。そういうような考え方は、絶対持つておりませんことを御了承願います。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員 もちろんそうあるべきことだと私も信じます。そこでこの問題は、先ほども申し上げました通り、決して自由党の意思決定が行われたものでない。ここには自由党の文部関係の有力者がことごとく網羅されているのでありますが、実はわれわれは正式にそういう話はひとつも聞いたことはない。だから、これはもちろん自由党の政策としてコンクリートされていないということは、明瞭なことでありますが、これがさように大きく伝わつたゆえんは、六・二制という問題が出ておつたところへ、主計局の査定が零と出た。一応そういう段階があるそうでありますが、それによつて六・二制という話が出たのと、補正予算において一応零と出たから、これはまさしく六・三制を廃して六・二制へ移行するのだという疑惑かなり深くさせた。要するに、何かしらんそこに根拠があるように伝えられた次第であります。その点はわれわれも国家の財政が苦しいことは、よく存じておりますので、あなた方の昼夜兼行でこの予算を組んでいられることに対しては、深く御同情を申し上げます。実はわれわれ自由党の政策でないという論より証拠には、一昨日でございましたか、われわれは自由党の与党でございますので、長野衆議院の文部委員長主催のもとに、自由党の衆参両院の文部委員が集合いたしまして、そうしていろいろ六・三制堅持の方針を協議いたしまして、大蔵大臣とも折衝いたしたのであります。そのときに、要するに非常に苦しい、苦しいから、これは一つは財政的な理由によつて補正予算がなかなか困難であるということになつたんだという非常に腹を割つたお話がありました。それは決して政策でなくして、要するに苦しいという事実問題から、まあ一応二十七年度の本予算の方へ譲つてもらいたい、こういう気持を持つていたという話がございました。それで私からも、実は六・二制にするという意向が伝わつたゆえんは、十九億何千万円かを補正予算において要求したのであるけれども、零と出たから、極端に言うと、一銭でもいい、そこに顔を出すことによつて六・二制へ行くのではないということを天下に示すゆえんであるから、願わくはできるだけのことをしてもらいたい。一銭でもよろしい、そういうことを申したのです。大臣もそれを了とされまして、幸いにして補正予算に相当額組まれたということを聞いておるのでありますが、その額が幾らであるか、主計局長からでもよろしい、あるいは文部省の内示されたという意味において、久保田管理局長からでもよろしいが、幾らを補正予算に組んでいただいたか、その点を伺いたい。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 六・三制その他いろいろ言われますが、六・三制と言われますと、口を開けば建物のことばかり出てしまうのでありますが、私はそういう問題でなしに六・三制は建物も大きい問題でありますが、建物以外にもずいぶんやるべきことがあるのじやなかろうか、ことに先生の素質なんか非常に大きい問題じやないかと思います。そういう点もあわせて考えるべき問題であろうと実は私は思つております。ただ現実の問題として、建築費の問題もいろいろあるので、ことに単価が値上りになつて、十九億不足したということで、予算の補正要求があつたことは事実であります。ただ私どもの立場を御了承願いたいと思うのは、私ども今度の補正予算を組む上において、物価騰貴ということを全然考えないのであります。考えないというとおかしいのでありますが、それは全部節約してやつていただく、もし節約してできなければ、規模を減らしてやつていただくという立場をとつております。従つて、たとえば鉄道なんかにおきまして、汽車をとめるわけには行きませんから、石炭を買う経費の値上り等は認めますが、そのほかにおいて一切物価騰貴の経費を含んでおりません。今問題になつておりますのは、物価騰貴に伴う規模が小さくなつたということなんでありまして、私どもの事務的な立場からは、いろいろ問題があるとは思うのでありますが、ただいままでいろいろ各地方のお話を聞くところによりますと、すでにある程度着手しておられるという向きもあり、ことに山間地あるいは北部地方においては、いろいろ問題もあるように承りますので、そういつた点につきまして調整をいたすという建前で、多少のものを例外的なものとして考えたいというふうに、実は昨日省議を決定いたした次第であります。その金額については、計算をいたしておるのでありますが、大体九億円程度であろうかと私は考えております。大体そういうことで文部省にもお話を申し上げることにいたしております。

岡延右エ門自由党

○岡(延)委員 その九億というのは、ちようど要求の大体半分でございまして、不満ではありますけれども、われわれとしましては、大蔵当局の苦衷のほどもよくわかりますので、これは今後大いに奮発していただくといたしまして、それはたとい金額は九億にいたしましても、六・三制を六・二制に変更するようなことがないという意思表示の現われとしてこれを了承いたしまして、私はこの程度で終ります。

笹森順造国民民主党

○笹森委員 実は、私は文部当局とあわせて、同じ問題を両方の角度からお尋ねしたいと思いますので、この際次官にも御出席を願つてお答え願いたいと思います。  私どもは、昭和二十六年度の補正予算の要求案の大綱というものと、昭和二十七年度の予算要求案重要事項というものとのプリントをいただいて、それをもとにして審議しているのでありますが、その後文部省と大蔵省との御折衝によつて、私どもに示されておりますものはし最初この通りに実現することを期待しておつたのでありますが、なかなかその通り行かないというので、委員長も非常に努力してくださつて、この要求の通りにかなうように努力しようということを、この委員会でお話されたのでありますが、現段階に及んで、そのことは、私どもがこの示されたものによつて実現すると思つて審議を進めてよろしいのか、その後の両者の間の交渉の経過、現状、あるいは要求に対して大蔵省側において、意見あるいは内示等あつたかどうか、現段階においての状況を、どちらからでもよろしいから、お示し願いたいと思います。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田説明員 補正予算の内示は、きのうの夕方全面的にいただいております。

笹森順造国民民主党

○笹森委員 それは私ども審議の対象としてお出しを願える段階でありますか、そうでありませんか、お伺いいたします。もしそうであるならば、すみやかにこの機会にお出し願わなければ、私どもせつかく力を入れて審議しても、すべてのものが結果を生むことにほど遠いことになつては残念でありますから、お尋ねいたします。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田説明員 昨日いただきました内示は、六・三に限つて問題を申し上げますと、一応補正の予算を盛ることはできないということでありましたが、夕方、またけさほどになりまして、もう少し考えたいということで、これから文部省と大蔵省が相談をして、今主計局長からお話がありましたように、どういう形にこの予算を理論づけるかということについて、相談をしたいというふうに私は考えておりますので、ここの委員会で内輪の関係を今まで一切申し上げて来ておる筋合いでありますから、その程度に御了解願つてよろしいかと思います。

笹森順造国民民主党

○笹森委員 しからばそういうことを審議する機会を、委員長はいつ私どもにお与えくださいますか。この委員会としての期間も、もうほとんどないと思いますが、いずれの機会にそれらの的確なる資料をいただき、御相談願えますか、委員長にお尋ねいたします。

長野長廣自由党

○長野委員長 お答えいたします。どうもここ最近のところでは、ちよつとまだ無理だろうということであります。また実際上、今までわれわれが予算折衝をしましても、これはまだ相当の日時を要するように思いますが、ちよつと今委員長として、その点に対する確かなお答えはいたしかねますから、御了承願います。

笹森順造国民民主党

○笹森委員 それでは今のことはそれだけにいたしまして、いずれかの機会にそれらの計数等についてお尋ねし、審議したいと思いますが、原則的な理解について、文部当局と大蔵当局の両方に関越をもつてお尋ねしたいと思います。それは数点にまとめてお聞きしたいと思います。一つはこの前からの文部大臣のお話でも、六・三制の〇・七坪完成までの補充、あるいはまたそれ以上にまで行かなければならない、これで満足しておるのではないということを、天野文部大臣も前から申しておられるのであります。私どもはこの前の委員会においても、小林信一委員からも御発言がありましたように、数年前から特に全国の状況をよく考えてみて、積雪寒冷地における体操場というものは教室である、ゆえにこれなしには五箇月、六箇月というものは体操という教育はできぬという実情にかんがみて、当時関係方面にも地方の実情を訴えて来る者を私が同道いたしまして、ようやくその理解を得てこれを幾らかやつたわけであります。この積雪寒冷地における特別な体操場を教室と考えて、この〇・七坪以外にある土地においてはすでにこれを建設しておる実例があるのでありますが、このことに対する文部当局の必要性に関する認識と、その認識に基いて補正予算なり、あるいは二十七年度の予算にどういうぐあいに大蔵当局はこれを理解して計上してあるか、この関連性について両方のお答えをここでお願いしたいと思います。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田説明員 二十七年度の私どもの要求は、〇・七坪の学校を基準に置きました下足坪数が、まだ三十五万坪ほど残つておりますので、これを完成したいというふうに考えております。  それから雨天体操場について、これが必要であるかどうかという点は、おつしやる通りに私ども理解しておりますので、昨年来全体のわくのうち大体九千坪を雨天体操場に振り割けるわくといたしまして、雪の多い寒冷地に百坪を単位とした割当をいたして来ております。雪の多い地域につきましてもほぼ同じような行き方で行きたいと考えております。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 ただいまの六・三制の教室の問題につきましては、笹森委員のおつしやいました通り、〇・七坪を目標としてやつておることは、御承知の通りであります。ただ〇・七坪と申しましても、一律には行きませんので、御承知のように積雪寒冷地帯あるいは北海道のごとく、非常に分教場の多いような所は、必ずしもそう参らないことは御承知の通りであります。そういう地方性は従来もある程度やつたのでありますが、今度の補正予算においても、そういう点を中心にして考えたいと存じております。大体御趣旨の通りに考えたいという考えを持つておるということを御了承願います。

笹森順造国民民主党

○笹森委員 こまかい点で恐縮ですが、この前は三十四万坪と私は聞いたようでありますが、三十五万坪が正確でありますか、その点をお尋ねしたいのと、それから九千坪というのは、それはただいまの特別のわくの九千坪ということを考えられるのは、いつからいつまでの年度のことであるか、その点をもう少し明確にお答え願います。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田説明員 坪数の関係は、あとで正確な数字にいたしまして出したいと思います。今の九千坪は、その年度年度のわくでありまじて、二十六年度も九千坪、本年度も九千坪、二十七年度も九千坪に持つて行きたいという考えでございます。

笹森順造国民民主党

○笹森委員 実はこの問題で、まだ私どもは十分に日本政府の独自の立場でやれない当時から、関係方面と、私自身も直接折衝を続けて、特にそれらの非常に熱心な要求を持つている地方の意思を代表し、実情を述べて話をして来たのであります。そしてまた現に今日あたりでも、それらの陳情を私どもは直接関係の地方から聞いておる次第であります。九千坪というのは、最初の出発のわくであつて、年々それは増して行く、一応そこに道を切り開いたというのが、当時私どもの折衝した相手方の意見でありまして、それを依然として九千坪でやるとしたならば、これは一体いつの年になつて今の要求を満たすのか、容易ならざることであると考えます。先ほどお話の三十七万坪の不足分を満たすためにさえ国費が必要であることは、むろん私どもも了解しておりますが、特に痛切に感じております九千坪というものは、もつとわくを広げるという要求を、文部当局においても強力に出していただいて、そうしてお考えをしていただく余地があるならば、せめてその三倍ぐらいにしていただかなければ、私どもは非常に教育上の支障を来しているという実情をここに申し上げておいて、これは管理局長等においても、将来私の希望としてお聞きとりを願いたいと思います。  この問題はそれだけにしておきまして、次にお尋ね申し上げておきたいのは、これも文部当局と大蔵当局と両方にお尋ねしたいのでありますが、新制大学ができまして——それは国立、私立ともでありますが、数年前に発足しましたものが、ある条件をもつて設立を認可して、それは一両年の間、あるいは両三年の間、必要なる学校の内容の施設なり、あるいはまた教授陣なり、あるいはまた学校の設備なり、あるいはまた学校の基本金なりを整備するという約束をもつて、この委員会がこれを通過せしめて、文部大臣の認可というような形をとつて学校が発足しておるのであります。伝えるところによりますと、その後の状況がなかなか思わしくなくて、中には廃校のうき目を見なければならぬものも過去においてあつた。また現在においても、非常にこの整備拡充が予定の通り進んでおらぬという状況からして、文部省においては、これが実施の調査を今始めるとか、始めておるとか聞くのでありますが、その点は文部当局において、今どういうお考えで何をしておられるか、お答えを願いたいと思います。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田説明員 御指摘の点は、一応私どもの学校の認可をいたしますについての、条件になつておる点でございまして、その条件をどの程度に履行しておられるかということについては、文部省としましても、大学設置審議会の方に、一応の状況を回答しなければならぬ関係に置かれておりますので、とりあえず今文書をもつて、どういう程度に条件を履行しておられるかという関係のことを、全般に通じて伺つておる程度でございます。それによつて、これから後にどういうふうに持つて行くかということについては、まだ研究いたしております程度で、現に二、三のつぶれた学校があるのでございますが、これはむしろその後の関係において合併をしたものとか、あるいは最初の計画が履行できなくて生徒がやつて来なかつたというような関係のために、二、三廃校になつたものがございます。

笹森順造国民民主党

○笹森委員 そこで実は大臣にお尋ねすれは一番いいのですが、次官でもけつこうですから、お答えを願いたいのですが、そういう状況を今調査中である、どうしていいかはきめておらぬ。これは事務当局としてはそうでありましよう。そこで国家の方針として、これは大蔵省と関係を持つから、私この問題を出しておるのでありますが、せつかく一つの希望を持つて一つの企画を約束して、そうして発足いたしましたものが、いろいろ国内の経済の情等によつて、学校において十分に努力しながらも、なかなかその状況が十分に予期したところに進んでおらぬ。従つて、それは国立学校等においても、その施設の整備をしなければならない。それがために、今度の三十七年度の予算にもそれが相当額出ておるのでありますが、同時にまた私立学校においても、この私立学校の助成において、相当このことを考えてもらわなければならないのではなかろうか。伝えるところによりますと、その約束した条件を満たさないものは廃校にしてしまう、しかもまた廃校にすることによつて今まであつたところのものも、その学校がなかつたと同じ取扱いにしてしまつて、一切その特権をなくしてしまうのだ、こういうようなはげしい話さえ、実は巷間に流布されておるような状況であります。こういうことであつたのでは、非常に残念でありますので、むしろ文部当局においては、これらのものを文部大臣なり、あるいは次官なりが、国の一つの方針として、親心をもつて助成して行く、そういうぐあいにして、これを達成せしむる方に力を入れるべきであつて、今申しましたような一つの心配が、巷間に流布されるような態度を文部省がとつて、それを監督してやかましく言つて、そういう約束通り行かないものはつぶせというようなことであつては、たいへん困ると思うのです。従いまして、文部当局がそういうものに対して——国立の学校でも、実は地方の寄付金を約束して学部をつくつたり、あるいはまた大学にしたものを、私どもは相当知つております。しかしそこの実状は、なかなかそううまく行つていない、また私立学校においても、同様な苦難を持つておる学校が非常に多い。しかし結局するところ、対象は日本のそうした大学教育を受けようという学生のためであつて、これは国家的な仕事でありますから、国立の大学といわず、私立の大学といわず、文部当局はもつと熱意を持つて、それらを達成せしめるような方向をとるべきではないかと私は思う。従いまして、まず文部当局において、これらの困つております国立なり私立の学校に対して、調べているだけで、まだ方針がきまつておらないというのは、事務当局の話でありますが、文部当局自体としては、大体の気持はどういうつもりであるか、この際次官からでもよろしゆうございますから、お答えを願いたいと思います。

水谷昇自由党文部政務次官

○水谷説明員 ただいま御質問の点につきましては、お説の通り、設立を設可した以上、文部省といたしましては、これを育成して完備させたいという方針で進んでおるのであります。従つて、全国の学校に一々交渉をする余裕はありませんが、縁故の深いところは、それぞれ大臣も私も実地に視察をしたりいたしまして、学校の当局とよく相談をし、また地元の知事あるいはPTAの役員の方々とも懇談をいたしまして、それぞれこれを育成するように仕向けて、現にそういう実績をあげておるところも相当ある次第でありまして、文部省といたしましては、育成の方針に向つて進んでおります。

笹森順造国民民主党

○笹森委員 その関連性において、大蔵当局から、二十七年度の予算要求重要事項に関してわれわれに提示されたところの計数についてのお考えと、具体性がどれだけあるか、お答え願いたいと思います。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 二十七年度予算の問題につきましては、早いろいろ検討中であるのであります。今月の十日に各省からいろいろ重要事項を出していただいたのでありますが、各省とも御承知のように非常に厖大な御要求でありまして、なかなかそう簡単にその結論を出すまでに至らぬのであります。昨年もいろいろ予算を出していただきましたのですが、たしか一兆五、六千億の御要求であつたと思います。今度の補正予算にいたしましても、一千八百億からの御要求でありまして、その中から予算をピックアツプするということでなしに、予算というものは全部をにらんでいろいろプライオリティを考えるべきものでありまして、ただいまのところ、文部省の予算についてどう考えておるかということについては、まだそこまで検討いたしておりませんので、意見を申し上げることを差控えたいと思います。

笹森順造国民民主党

○笹森委員 ただいまの大蔵省の側のお答えがその程度であるために、実は私どもは、もつと的確な資料の上で相談いたしたいということを、再度申し上げておるのですが、まだそういう段階でないというので、今ここで審議してもしかたがないと思いますが、ただいま文部当局から言われました点は、これは教育上非常に大事な点であるということに対する理解を、十分に大蔵当局において持つていただく。それはナンバー・ワン・プライオリティか、ナンバー・ツー・プライオリティか知りませんが、教育上のプライオリティがそこにあるということだけは、ぜひ十分に御了承願いたいと思います。  その次にもう一つの条項ですが、これならば多分的確にお答え願えるのではないかと思うのですが、二十七年度の予算要求案重要事項の中で、義務教育費の充実の中の二番目の教科書の無償配布の問題であります。これは題目は非常にけつこうでありまして、教科書の無償配布というと、全部の教科書の無償配布のような印象を与える。去年、こ前の国会の委員会においても、大臣なり次官なりと、このことではいろいろ意見の交換もお願いしたのでありますが、その当時の文部当局のお考えでは、単に一年生の教科書のみならず、二年、三年、四年と、結局小学校ばかりでなく、義務教育である中学校にまでこれを及ぼしたい、単に教科書ばかりでなく、学用品にもこれを進めて行きたい考えで、実に私どもとしてさもあるべきだという抱負を、文部当局が述べられたことを承知をしておるのであります。そこで引続き努力するということでありましたが、二十七年度の予算においては、一年、二年ということに、大体説明を受けたのであります。しかもそれは全額国庫負担でやろうということであります。そこまでの話を聞いたのでありますが、なお実際の具体的なことで、文部省の方の関係の方にお尋ねしたいのは、その教科書いうものは一体何々であるか、全部であるか、あるいは国語・算数のようなものだけであるのか。ただここでは教科書無償配布という題目を掲げておるのでありまするが、中を聞いてみると、ごくわずかなものにしかすぎないというような状況になつておるのですが、何の教科書をどれだけどうするつもりであるのか、まず文部省からお答え願います。

水谷昇自由党文部政務次官

○水谷説明員 二十七年度に要求をいたしておりますあの額は、一年と二年に対しまして、国語と算数だけを計上したわけでありまして、お説の通りに二十六年度実行いたしてみたところ、地方の御意向等も参酌いたしまして、全額国庫負担した方がいい、こういうことで、ただいま申しましたように金額が非常に上りますから、国語と算数に限定をした次第であります。

笹森順造国民民主党

○笹森委員 その点で関連して大蔵当局にお尋ねしたいのでありますが、私どもはしばしばここで論議しておりますように、義務教育は無償とすると、憲法で明記しておるわけであります。従つて、今申し上げました最小限度のものは、これこそ先ほど主計局長の言葉をかりて言うと、プライオリティがなければならない、憲法で規定されておるものでありますから、従いまして少くともただいまごく内輪に見積つております教科書無償配布の問題、しかも一年、二年のそれで、わずか国語・算数というだけのものが、ここで文部省から出されておるのに対して、今の大蔵当局においては、一体必要性をどの程度に認識しておられるか、どういう努力をするつもりであるか、今の段階においてその気持をここに御発表願いたいと思います。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 義務教育無償の段階というものは、各国の実情によつて非常に違うのであります。教科書を無償にするということも、義務教育無償の一態様であります。おのおのの国の財政経済の事情によつて違うので、教科書の範囲いろいろかわつて来るのであります。国語・算数以外にも、全部無償という考え方ももちろんございます。ただその場合において、財政負担との関係をて、現在においてはどの程度にすべきかという問題になろうかと思うのであります。ただ私ども本年度教科書の無償配布をやりました場合におきまして、いろいろな問題点に実は遭遇いたしておるのであります。もちろん今年度は初年度でありますから、多少テスト・ケースという点もございます。市町村においてなかなか金を払つてくださらぬとか、あるいは教科書をつくる会社において金融に困つておるとか、いろいろな問題を聞くのであります。ただ私ども教科書の一これは多少私見にわたりますが、現在のような検定と申しますか、昔のような国定教科書でない組織のもとにおける無償配布がいいものであろうかどうか、この点については、非常に問題があるのではないかというふうに、私は承知いたしております。現在のような段階で、おのおのの教科書をおのおのの会社でつくり、次には役に立たぬということになりますかどうですか、そういつたような行き方がいいのか悪いのか。この点については、文部省としても御意見があろうと思いますが、そういつた無償配布制度にからむ教科書の認定問題というのも、あわせて御検討なさる必要があるのじやないかということも、文部省からも聞いております。こういう問題ともよく考え合せまして、明年度の無償配布の問題を考えて行きたいと思います。何しろ相当金額が張ることでもありますので、まあ物事はなかなか急いではうまく行かない、急げばかえつて失敗するということでもあります。順を追うて、国民の負担力というものをにらみ合せながら、やつて行かねばならぬというふうに思つておる次第であります。

長野長廣自由党

○長野委員長 ちよつとここで申し上げますが、実は主計局長も大分重要な問題を控えておるようでありまして、なるべくひとつ簡単に、御迷惑があるようではいけませんが、できるだけひとつ簡単にして進めたいと思いますが、いかがでしようか。質問者の各位は……。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 異議ありません。

長野長廣自由党

○長野委員長 それでは小林信一君。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 六・二制の問題が、非常に地方の人たちを動揺させておることについて、自由党の岡委員から、文部省の意向あるいは与党である自由党の考え、それから大蔵省にも説明を求めまして、大蔵省の意向も聞かれまして、大体わかつたわけでありますが、もう一つ、私は心配でありますからお聞きしますが、今主計局長も言われましたように、政令委員会で、今教育の問題が取上げられておるということまでおつしやつたのですから、相当この問題は大蔵省としても慎重に考えておられると思いますが、もしそういうところからでも一つの意見が出、またそれが何らかの方法で六・二制というふうな意向か出るかもしれぬということにつきましては、予算をつくつておられる大蔵省としては、そういうことも予想して予算を組むこともあるのですか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 そういうことはございません。事務的な方針のもとに予算を組むごとがございますが、そういつた基本的な大きな問題は、これを軽軽にかえるという前提のもとに予算を組むことは、不可能でもあるし、またやるべきことではないと思います。ただ政令委員会でおやりになつておるのは、単に六・二制の問題でなしに、全般の学校教育問題をやつておられるので、単に学制改革の問題ばかりじやないと思います。これは今年になりますか、いつになりますか、それに基いて政府もいろいろ計画をお立てになることでありましようし、その結果を待つて私どもは適当な処置をとることに相者と存じております。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 それがまた私たちとしては、大蔵省として当然行くべき道であると考えておるのであります。一応文部省があり、国会がそういうこと決定しておる以上、新たなるものが出て来ない以上は、大蔵省としては基方針通りに、これに対して財政的にらゆる努力をなすことが、その任務だと考えておるのでありまして、最近地方からいろいろな陳情がありまして、その心配を訴えられておることは、私たちとしては非常に心外にたえないのであります。要するに、文部省としても、文部大臣が六・三制は堅持する、国会の各党を通じまして意見の一致しておるところの、六・三制を堅持しなければならぬと言つておることは、これは単に学校教育制度の問題ばかりじやなくて、地方が六・三制に対して、あらゆる犠牲を払つて今日まで努力されたことを考えてみても、そうあるべきでありまして、この際そういうふうな心配が国民にあることは、大蔵省としてもまた相当御考慮していただかなければならぬ点だと考えておりす。そこで補正予算の問題についてお聞きしたいのですが、今度の補正予算の問題につきましては、当初予算が国会に上程されましたときに、私たちといたしましては、この当初予算というものは、昨年の七月に骨格予算を組まれたのです。ところがその当時朝鮮事変というものが起きて、非常に経済的に特別な問題が出て来た。それが非常に反映いたしまして、その当初予算というものは当然修正されなければならないのだ、大蔵大臣がここで修正する意見はないと言うけれども、補正予算等によつてこれを修正することを考えておるかという点を質問しましたときに、大蔵大臣も面目がありますから、現在は考えておらないけれども、そういう事態が出た場合には、補正予算を組むことについて、決してやぶさかでないというふうな答弁をされております。その中で物価騰貴というようなことが非常に問題になつたのでありますから、そういう場合には、補正予算を組むのは当然であるということを言明されております。今度の各省からの予算というものは、非常に厖大である。ことに文部省の予算といたしましては、この建築の問題その他につきまして、やはり物価の騰貴によつて補正を受けなければならぬ分が、たくさん要望されておるのは当然であります。これに対して大蔵省といたしましては、その経費の節約とかあるいは規模の縮小とかいうようなことで、予算を計上することをこばんでおるようですが、大蔵省としては、その理由は何ゆえであるか、これは財政的に大きな問題かもしれませんが、その基本的な態度を簡単にお伺いしたいと思います。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 私、大蔵大臣と御一緒に、たびたび委員会にも出席いたしておりますが、大蔵大臣は、物価騰貴のために補正予算を組むということは、一言もおつしやつたことはないと思います。物価騰貴のために補正予算は組まない。その後の情勢の変化によつて組むのはしかたがない。これはたびたびおつしやつておられると思います。これは私しよつちゆうおりますので、おそらく違つておらぬと思います。今年の当初予算は、昨年の十月ごろの編成であるわけであります。当初朝鮮動乱の影響を織り込まずにつくりましたが、それが一応閣議決定になつたあとで、朝鮮動乱の影響を入れて、これはかわつておるわけです。ただ御承知のように、ちようど今年の国会がありました当時、二月ごろは非常に物価が上つた時であります。たしか五月に比較して六、七割上つております。現在御承知のように非常に下つて来て、当時綿糸が一こり二十七、八万円したのが、十三、四万円になつておる。綿糸が一こりそのくらい下つておるという状況で、その当時とは大分かわつております。しかしそれがどうあろうにもかかわらず、物価騰貴については補正予算は組まないで、やむを得ざる場合は規模の縮小をしたい。これは原則であつて、たとえば公企業などにおきまして、鉄道で一億四千五百万トンの輸送をする場合に、石炭が足りない。それが足りないということになれば、それはしかたがないから、それに必要な石炭を買う。しかし一般的な一般会計の経費については組まないということはたびたび言つおります。それならば現存何ゆえに組んでおるかと言いますと、現在組んでおりますものは、その後における情勢の変化に伴うものだけでありまして、たとえば米のパリティが上つたから生産者価格を上げる、従つて消費者価格も上げるので、食糧特別会計に繰入れをするとか、あるいは予備隊等の問題もございますが、情勢の変化に伴うものでありまして、物価騰貴に伴う経費をどんどん入れた場合には、これはインフレになつてしまう。つまり財政の建前としては、物価が上つて行く時代におきましては、できるだけ歳出を切り詰めて、財政支出を少くして騰貴を押えるということが財政原則であります。一方不景気の時代においては、雇用の原則からいつても、できるだけ歳出を出して、一般の景気をなにして行く、これが私はかわらざる原則だと思います。少し長くなりましたが、私どもはそういうふうなつもりでおります。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 その問答をしでおりますと、委員長の先ほどの御指示に違反いたしますから、簡単にこの点につきましてもう一つお伺いいたしますが、なるほどそういう見解で予算が組まれておるといたしましても、当初文部省が予算を獲得いたしまして、これを地方に配賦して建築を各町村とも始めている。ところがこれが物価の値上りによつてその目的を達成することができないというような問題も、やはりその基本方針に浴つて、大蔵省は縮小せよ、あるいは節約せよ、こういうようなことも考えられるわけですか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 これは見解の相違でありますけれども、当時の物価の単価、四月の補正予算が配賦される時の予算単価に基いて配賦していただきたかつたと思うのであります。しかしいまさらそういうことを申し上げても、あとの祭りでありますが、予算というものは一応の見込みでありますから、その後においていろいろな事情でかわります。かわります場合には、それがのみ込み得るかどうかという問題で判断すべき問題であつて、物価騰貴という問題は、これに限つたことでなしに、すべてにあるわけであります。従つてそういうものは補正予算の、新規の事項とは扱わない。ただこれも原則でありまして、六・三というような、ただいまおつしやいましたような事情によつて多少の調整はいたさなければならぬ。これらも、物価騰貴を見るとか、いろいろな言い方もりますが、私どもはこれを最小限度にとどめたいということで、申し上げておるわけであります。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 それでは先ほど〇・七坪の問題につきまして、大蔵省もこれに対しては一つの了解を持つておられるようでありますが、これも地方の実情等をよく考えていただかないと、せつかく〇・七坪についての一つの基本的なものを持つておいでになりましても、非常に不安な点があるのであります。なるほど文部省といたしましては、〇・七坪というものをもつて一応今日の新しい制度が実現できるものとして考えている。しかしこれは文部省といたしましても、私たちがしよつちゆうお伺いしておるところでは、満足すべきものではない、最低限度のものとして六・三制の問題を〇・七坪で考えておられるわけでありますが、しかし地方の実態というものは、いわゆる認証外というようなもので建築しておるものが非常に多いのです。これに対しても大蔵省としては、数字でも御承知だと思いますが、こういうことを地方が苦しい財政の中でやらなければならないやむを得ない事情というものを、相当御考慮になつておられると思います。これに対して大蔵省としてはどういうふうにお考えになつておるか。それはまあ地方のかつてだ、そのために地方財政が苦しいならば、これは自分からやることであるからやむを得ないというふうなことまで考えておられるかどうか。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田説明員 今小林委員の御指摘の認証外工事の問題は、これは前からの継続の仕事になつておりまして、私どもとしては、ぜひこれを起債の面に乗りかえて行くことが一つ。もう一つはこれは実際に骨折つてくださつた人たちに対する、いわば正直にやつた人が非常に不利益をこうむるという形になつている部分の救済として、できるだけこれを設備の方の関係の補助にして、その穴埋めをして行くということにいたしたい。こんなふうに願つて、大蔵省とは、二十七年度の問題としては、まだ特に交渉はいたしておりませんで、大蔵省側の見解は、伺つたとしても申し上げる段階でございませんし、おそらくただいまお話願うということはできぬかと思つております。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 私はその認証外をどういうふうに取扱うかということをお伺いしておるのではなくて、地方の実態というものは、〇・七坪というふうなものは、ほんとうに建築したものの一部分であつて、地方はどうかして満足な教育をしたいために、実際においては認証外を相当やつて、校舎の建築というものをやつておる。従つて大蔵省なり文部省なりが、〇・七坪というものを基準にして予算を計上しておるのでございますが、それが地方の六・三建築実現のために払う、ところの全部じやない、〇・七坪に対する予算の計上というものは、ほんとうに一部にすぎないという点を、大蔵省ははつきり認識しておられるかどうかということを、私は大蔵省にこの際あらためて認識していただきたいために申し上げたのであります。どこの学校でも、小学校、中学校を通して、〇・七坪で勘定されるそのままで校舎を建築して行くとするならば、これはもう六・三制というものは、決して実現しない状態にあるのです。新制中学を建てようとするならば、当然今日の校庭あるいは敷地というものは、二つの学校を満足させる状態には必ずしもないのです。新たに敷地を設定して、そこに建築するとすれば、小学校を通して中学校まで〇・七坪で満足することはできないのですから、当然認証外というものを相当に持たなければならぬ。そういう実態にあるのに対して、〇・七坪を基準にして予算を計上しておられるけれども、それが満足な十分な予算であるとお考えになられると、今回あたりも、一切の経済政策と込みやられまして、地方の実情に沿わないところの予算になつて来る。今回のような補正予算の問題は、それらの問題を一切勘案されまして、相当地方の財政なりあるいは教育に対する熱意というようなものを御考慮になつて、できるだけ予算は組んでいただきたい、こう私は申し上げたいのであります。そこで先ほど、六・三の内容というものは、単に建築だけの問題じやないというような御見解から申された九億でありますので、やはり九億というものは、文部省の方から要求されましたあらゆるものを含めての九億であるか、建築の値上りに対するところの、いわゆる文部省で要求されました十九億に対しての大蔵省の見解が九億なのでありますか、そこをちよつとお伺いしたいのであります。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 いろいろお話をお伺いいたしておりますと、東北地方で、すでに仕事におかかりになつたところもあり、いまさらなかなか坪数を減らすということも不可能であり、あるいは再配当というようなこともいろいろむずかしい点があり、また先ほどお話がありましたような雨天体操場等の問題もありまして、そういつたものの調整といたしまして、九億程度補正予算で出す。このやり方につきましては、実はけさほど来文部省当局といろいろ御相談いたしておるところでありまして、文部省の御意見を聞きまして、御納得の行くように配分いたしたい、こう考えております。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 私は非常に寡聞で、様子をよく知りませんから、お伺いしたのでありますが、今の九億と言明されたのは、文部省から出されておるものは、補正予算全体につきましては相当厖大な数字なんですが、その一切に対して九億でおるのか、六・三建築の値上りに対して要求しておる十九億に対しての九億であるのか、そこをお伺いしたいのであります。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 値上りの分ということになりますか、十九億に対して一応その程度の査定をしたのでありまして、これをどういうふうに御配当になりますか、文部省と相談の上で適当にいたしたいと考えます。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 文部省の方にお伺いしますが、文部省はどういう見解を持つておられるのですか。九億出されたものは、値上り分十九億に対しての九億であるのか、それとも全体の百何億という厖大な補正予算の要求額に対しての九億であるか。

水谷昇自由党文部政務次官

○水谷説明員 十九億二千万円に対する九億だと解釈しております。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 そうすると、私たちは今九億というお話を承つたのですが、そのほか文部省から要求されておるものは、どれもこれもみな重要な問題なんですが、これに対してはまだ予算的な折衝、あるいは大蔵省としての真意は発表する段階にはなつておらないのか、一応承りたいと思います。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 補正予算におきまして、文部省の予算の要求は相当多額でございます。これにつきまして、個個のものにつきまして、昨日私どもの一応の方針を内示を申し上げまして、目下折衝いたしております。六・三制のみならず、ほかのものも含めて、現地折衝いたしております。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 そうすると、一々お伺いする段階にはなつておらないようですが、この際私が申し上げたいことは、地方の実情というものは、非常に大きな責任を負わされておるので、犠牲をあえてして六・三教育の完成ということに、父兄あるいは町村の当局は懸命な努力をしておりますから、その他についても、十分の御検討をお願いいたしたいと思うのであります。  加えてお伺いいたしたいことは、給与ベースの問題で、昨日人事院の方から勧告が出ておるのでありますが、これは国家公務員の問題であつて、われわれが心配するのは、地方公務員である教職員の給与ベースの改訂の費用の、ことであります。これにつきまして、大蔵省としましてはどういう考えを持つておられるか、お伺いしたいのです。まず全体といたしまして給与ベースにつきましては、いつ上げるか、これをお伺いし、それから私たち文部委員として心配するのは、中、小学校と高等学校の先生たちの問題なんですが、これに対する御見解をこの際承りたいと思します。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 昨日人事院の給与の勧告があつたようでありますが、私どもは、前からこのことのあるべきを予測いたしまして、現在の補正予算にある程度のものを計上いたしたいと思つております。米価の値上りもございますし、その他物価の状況等をいろいろ検討いたしておりますが、千円ないし千五百円程度のものを、やはり上げねばならないのではないかというふうに考えております。この点はいろいろ検討いたしまする必要がございますので、ただいまはつきり御返事申し上げることはできない次第であります。  それから地方公務員の問題でありますが地方公務員については、御承知のように平衡交付金の増額ということが非常に問題になつておるようであります。地方団体といたしましても、実は私ども般来地方財政の全般を調査いたしまして、地方財政の状況につきまして四十六都道府県、それから百六十の市、千百六十の町村を調査いたしまして、昭和二十四年度の決算と昭和二十五年度の決算見込みと本年度の当初予算、これだけを全部調べておりますそれを基礎として地方財政の状況を把握いたしたい。それから給与問題につきましては、今までのところ七十数万人を調べております。そのうち七万人程度は履歴書その他カードによつて個人別調査をやつておるわけであります。大体結論は出ておりますが、そういうところから考えて、もし国の方で千円ないし千五百円が上つた場合にどうすべきか、新しい歳出の需要になるわけです。一方におきまして、地方団体におきましても、大体二百八十億ぐらい自然増収があると、私ども考えております。そのうち百九十億程度は府県で自然増収があるだろうと考えております。そのうち大阪、東京とかいうところは七十億ほどございましようが、こういつた新しい自然増収と、地方財政実態調査の結果に基く新規の需要、これをベース・アップを含めて個々の府県について調整をいたしまして、そうしてその結果として、平衡交付金が新たに増額を要するかどうかということについて検討いたしたい。この点につきましては、知事の方々からもいろいろお話を聞いております。あるいは市町村長会の方からも、いろいろ資料が出ております。地財委、あるいは地方自治庁あたりと真剣に検討いたしておる段階でございます。

長野長廣自由党

○長野委員長 ちよつと小林君に申し上げますが、主計局長はいよいよ時間が迫りましたので、なおあとに質問の方もありますから、あなたの御発言は非常に尊重しますけれども、あとの方の発言も尊重しなければならぬはめにありますので、しかるべくお願いいたしたいと思います。

小林信一国民民主党

○小林(信)委員 ただいま御説明を簡単に承つたのですが、大蔵省の見解と地方自治体の見解とでは、相当に食い違いがあるやに私たちも考えております。なるほど当事者といたしましては、おのおの見解を持たれた上で、いろいろ主張されるのでしようけれども、先ほども大蔵大臣を代理されまして主計局長から御説明があつたわけでありますが、六・三制というものは、単に校舎の問題だけでない。今は教員の素質の問題等をおつしやつたわけなんですが、その生活を安定させるということにつきましても、これは重大な問題であると思います。いたずらに数字的な問題だけに終始されまして、これらに不安を与えておくということは、六・三制の問題について忠実なるゆえんではないと思いますから、しかるべく御配慮願いたいということをお願いいたしまして私の質問を終ります。

浦口鉄男公正倶楽部

○浦口委員 時間がないそうですから、簡単にお尋ねいたします。実はこれは大蔵大臣にお聞きしたいのでありますが、大臣にはなかなかこの委員会に出ていただく機会がないと思いますので、この際主計局長にお尋ねいたします。  教育が非常に重大なことは、いまさら申し上げるまでもないことであります。大蔵当局といたしましても、予算編成上教育に非常に重点を置かれておるということは、よく承知できます。また全体の予算の編成の上から、これを勘案しなければならぬということも了承して申し上げるわけでありますが、基本的に申し上げると、教育予算が経済情勢によつてあまり大きな変動があるということは、教育の本質からいつて、たいへん好ましくないと思うのであります。そうしたことから、昨年でございますか、これは議員提出と私は承知しておるのでありますが、義務教育費国庫負担法というようなものが草案されて、頭を出しかけたのでありますが、当時の情勢でまだ時期でないというような関係当局の御意向によつて、これが表面に出なかつたということを承知いたしております。そこで講和を機会といたしまして、日本の経済の前途は、必ずしもまだ安定したという時期に達したとは思いませんが、大蔵当局といたしましては、二年五年後の大きな見通しの上に立つて、こうした少くとも義務教育費については、あまり大きな変動を来さないような措置をお考えになつておられるかどうかということをお尋ねしたいのです。  それからまた、それとかわつた方法で、教育税というようなことも、よく問題になつておるわけでありますが、この点についても、現段階において大蔵当局はどの程度御研究になつておるか、あるいは御意見を承つておきたいと思います。なぜなれば、実は終戦後六・三制の実施によつて、いろいろ日本の当時の情勢、経済状態その他において、無理な点があるということは承知しながらも、全国のPTAは、その基本的な重大さに協力をいたしまして、建築に、あるいはその他すべての点において、非常に経済的負担をみずから進んでやつているということは、御承知の通りであります。これはたいへん大づかみな数字ではありまするが、全国の六・三制の児童が約一千万人とかりにいたしまして、現在の情勢から見ますると、いわゆるPTAの会費として負担をしておられますのが、最低経営的に負担をしている額を見ましても、一年に一児童について千円ということを考えました場合に、すでにこれで百億であります。そのほか臨時会費その他によれば、私の見ますところでは、おそらく一年にTPAが負担をいたします六・三の補助的経費は二百二十億ないし三百億というふうに私は踏んでおるのであります。もちろん教育の重大さから、当時の国家の経済的な苦難が、いかに苦しい中にもPTAが自発的にこれを負担するということも、教育上の一つの大きな課題であるとは思いますが、しかしこれにはいろいろ不合理性を含んでおります。そこで全国からいろいろこれに対する批判、あるいは中にははげしい反対もあることは、すでに御承知の通りであります。しかもその負担方法が、貧富にかかわらず一律に負担をさせられるというような面が非常に多いのでありまして、教育の根本性から申しましても、これはやはり——税という名前が適切かどうか、あるいは教育基金というふうな名目で呼ばれるか、それは別といたしまして、国民の能力に従つて教育財政を確立するという意味の財政的措置がなさるべきだというふうにも私考えますし、なお輿論にも一部そういう強い輿論が出ているわけでありますが、この際河野主計局長のこれに対する御意見並びに大蔵当局としてもし御研究の過程にあるならば、その実情をお知らせ願いたいと思います。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 教育費の確保の問題でありますが、教育費というものは、財政当局は、一体制度がきまりました上におきましては、そうめつたに削減のできるものでは実はないのであります。しかしその額が非常に上りますことにおきまして、常に財政上いろいろな問題を出しているわけでありますが、これに関連して全額あるいは一部国庫負担というようなことも、よく言われるのでございます。これにはまずその教育ということを、どこの事務としておやりになるのが適当であろうか。国が直接やるということにするのか、あるいは地方団体がその地方自治の内容としておやりになるのかというところに、一つ問題があろうかと思います。もし地方自治の重要な内容であるとしておやりになる場合には、経費の責任と仕執の責任とは、これは本質的には一致すべきが当然なのでありまして、つまりほかの人のさいふで仕事をやるというのはおかしな話で、従つて地方自治の内容として教育をおやりになる場合においては地方の負担ということは、これは原則的なものだと思うのであります。但し、地方団体といたしましては、教育費というものは非常に大きな額を占める。九百億程度の地方団体の教育費でありましようか、そのうち約六百億近くは教員の俸給であろうと思います。東京都の例は、あるいは適当であるかどうか知りません。山梨県あるいは鳥取県等の財政力とは非常に違うと思いますが、学童一人当りの教育費というものは一そんなに違わないのであります。おそらく財政力においては十倍以上の差があつても、教育費自体は、児童一人当りにすればそう大して違いはない。従つて貧弱府県に、教育費の負担というものは非常に重くなる事実があるということは、いなめないのであります。ことに府県財政におして、八十万人の府県職員のうち、六十万人というものは学校職員でありまして、これのベース・アツプその他で学校負担が、ことに貧弱府県がお困りになつておるということはその通りであります。従つて、この貧弱府県における財政の確保の手段として、教育の内容面が低下することを防ぐために、財政の面から義務教育費の国庫負担ということをあわせて考えなければならぬという問題が起ると思う。この問題につきましては、来年度の問題として、地方平衡交付金の問題とあわせて考えなければならぬ問題だと私は考えております。  それからもう一つは、教育費を確保することの一つの手段としての教育税の問題であります。あるいはPTAの問題もお話になりましたが、率直に申し上げまして、私は教育税という制度は古いと思います。過去においてアメリカにおいて十六州ばかりが財産税を基本として、その一定パーセンテージを教育税としておとりになつておりました。しかし税源というものが、財産でなしに証券あるいは勤労に向つて行く場合において、そういう税が教育のように非常に伸びて行く経費については適当でないということがわかつて、現在においてはほとんどすべての州において実行されておりません。国民の税負担というものは、公平でなければならぬのでありまして、従つて教育だけのために税制をかえるとか、あるいは目的をつくるということは、現在の——これは私見でありますが、進歩した税制の下においては、なかなか困難ではないだろうかと思います。むしろ教育費を、ほかの面でいかにして実質的に向上させて行くか、あるいは確保するかという問題であるかと思います。  それからPTAの負担の問題、百億あるいは三百億ということになりまして、これが義務教育の無償の原則に反するということは、これはごもつともな話であろうと思います。しかし結局国家の財政が負担するといいましても、究極のところ個人のふところから出るのでありまして、PTAの負担が全部いいとは私も思いません、しかしまた必ずしも悪くないと思うのであります。もしPTAの負担三百億というものを国で負担せいといいましても、これがために相当な財政負担を要すると思います。基礎控除千円上げるにつきましても、二十五億ぐらいの金がいる。つまり一万円上げれば二百五十億の金がいるというような現在の国民の負担の現状において、どういうふうにこの問題を解決すべきか、そういつた全般の問題を考えて、決してその状態がいいとは申しませんが、ものことというものは、順を追うて漸次に理想に向つて進むべきものであつて、一方国民の負担が重くて、税金の問題がなかなかうるさいことは御承知の通りであります。国民経済の回復と相まつて、順次こういう点が是正されて、行かなければならぬ、私はそう信じておる次第であります。

浦口鉄男公正倶楽部

○浦口委員 税制全体の問題とも関連いたしまして、非常に大きな問題でありますが、時間もないようでありますから、御意見を承つただけにとどめておきたいと思います。  なおこの際久保田管理局長にお尋ねしておきますが、これは第十国会の最後に近い五月二十八日に六・三建築の予算に対する起債が三五%減らされたことについて、この委員会において質問を申し上げたのでありますが、そのときの管理局長の御答弁では、必ずしも三五%パーでなされるということではないということと、値上り分は来るべき補正予算に要求してあるので、これによつて実現すると思う。それで二十六年度の一万教室の予定は大体大した支障なくできる予定であるという御答弁をいただいたのであります。私は、先ほど小林信一委員の御質問に関連して、大蔵大臣が値上り分は補正予算で組むと言明された、されないという問題が今出ておりましたが、それに対して実ははつきりした記憶を持つておらないのでありますが、少くとも当時管理局長としては、この値上り分は含まれるものであるという確信のもとにこの予算を十九億二千万円組んだと思うのであります。これが、かりに九億に減らされたといたしましても、非常に大きな狂いが出たわけであります。その狂いが一体どこから出たかということをお聞かせ願いたいと思います。なぜならば十九億二千万円というのは、実は値上りの補填と申しながら、二十六年度当初予算計上は六十五億と思いますが、それが実は四十二億に削られまして、その差額の二十億の復活予算というふうに見てもよいと思いますから、これが大幅にこういうふうに減らされるということは、値上りの分と当初予算の食い違いで四十億の食い違いになると思うのでありますが、その辺の見通しと、現在に至つた食い違いを、これは久保田管理局長の責任を追究するということでなしに、むしろどうしてこうなつたか、経過をお知らせ願つた方が、責任を軽くすることでないかと思うので、この点を伺いたい。

久保田藤麿文部事務官(管理局長)

○久保田説明員 ただいま御指摘の、起債が三五%減らされて六五%程度になるのじやないかという問題と、十九億を九億に査定された結果として、昨年の六十数億に対して四十一億出ておる。その不足分という三点が、今の話ではちよつとこんがらがつてしまつたように思うのでありますが、起債の不足しております関係については、その補正予算ができ上りますと同時に、また起債そのものの増加も今盛んにやつておるわけであります。それから出て来る六・三関係のわくがどれだけになるかということで解決される程度であると推測いたしております。十九億は、正確なことはきまつておらぬわけでありますので、かくありたいという希望になるかもしれませんが、十九億は単価増の関係だけのものでございますので、今度の九億のつなぎは、単価増の上においてつないで行けば、御理解をいただけると存じます。六十数億に対しての四十一億の差額の分は、新しい単価で計算される建前にならなければならぬと考えますのと、補正予算としての大蔵省の全体のわくからまかなつていただきたい。そのままお願いした分は五十八億になるわけでありまして、去年の単価増のほかに生徒増の関係がそこに入つて来ておりますので、そういう数字にもどつて参ります。現在の段階では、二十七年度の本予算に送り込むという形に相ならざるを得ぬと考えております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 文部省に対してはもとより、大蔵に対しても、いろいろ質問や意見があるわけですが、まだ補正予算も二十七年度予算も編成の過程であつて、固まつたものがないというのであるから、一々の問題については申し述べませんが、予算編成あるいは配分の上で、従つてまた文教予算に関しても、全体として影響がなければならぬような二、三の問題について、第一にお聞きしたいことは、対日応和及び安全保障協定が、財政上または予算編成の上に相当の影響がある。従つてその特に影響するような主要な項目はどういう項目であり、その内容は金額としてどのくらいの程度に達しておるか、この点をお聞きしておきます。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 対日講和ができまして後にアメリカ軍が駐屯する場合において、どういう財政負担が起るかという問題につきましては、ただいまのところ、明確に申し上げる自由と申しますか、申し上げられないのではないかと私は思うのでありまして、御了承願いたいと思うのであります。しかしそのほかの問題は別にいたしましても、いろいろな戦争の善後処理の問題で相当な金がいる、つまり平和条約の中の規定だけをごらんになりましても、十四条に連合国財産の補償の問題があり、それからいわゆる役務賠償の問題がある。これらの問題は、直接に講和条約から来る安全保障の問題で、どういうとりきめになるか、私は存じません。そのとりきめの仕方いかんだと私は思いますが、今まであります終戦処理費というものが、これに類似したものが全然なくなるというのは、少し行き過ぎた考え方じやないかと私は思つております。そのほかに在外公館も派遣しなければならないし、また国内における戦争犠牲者の問題もございます、いろいろな問題が起つて来るだろう。大体大きな点は、そういう点だろうと思いまして、申し上げます。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 それでは補正ないし二十七年度予算において、そういう重大な財政上ないし予算編成上にかかわるようなことは、実質的に予想されないで、予算を組んでおるわけですか。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 現在の段階においては、明年度の予算を組む段階にはないのでございます。つまり講和後におけるアンノウン・フアクターが非常に多いのであります。そういう点が順次私は明らかになつて来ると思うのであります。そういういろいろな前提はございますが、見通しとしましては来年度の予算を編成いたしたい。従いまして、現在の段階では、まだいろいろと各省から施策の御要求がありますのでそれを検討いたしておりますが、最後的な決定はそういう点をにらみ合せなければできないというふうに私は考えております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 私は非常におかしいと思うのですが、そういう事柄が予想されており、あるいは予定されていなければ、各省予算の問題が考慮されないのじやないか。それが予算上に重要なフアクターとなつて来るのであつて、そのフアクターが全然予定にも上つていないような状態で、今日各省からの補正予算なり、二十七年度予算が提出され、あるいは予定されておるというような問題についての検討をなされるためには、当然先ほど申し上げたようなフアクターが予想されておるはずだと思うのです。その点が明らかにされないと、文部委員会におきましても、文教予算がこれだけ必要であり、これはどういう問題との関連において考えらるべきじやないかという、文部委員会の空気もあり得ると思うので、そういう点について、できるだけ私は大体の見通しを一応報告してほしいと思います。というのは、参議院の本会議においては、大蔵大臣はある外貌だけは示したようには見えますけれども、しかしながら、これは私たちまだ新聞の記事によつただけであつて、具体的な点はなお確かめていないので、その点を聞きたい。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 各省の予算の御要求がありますにつきまして、これは省によつていろいろ違いまして、講和後の日本の財政経済の問題その他いろいろな懸案の問題について、特にそういう考慮を払われることなく出し得る省も相当あると思います。しかし、予算を編成する上においては、そういう点を考えなければならないことは、おつしやる通りでありまして、われわれとしては、もちろんそういうことを検討いたしております。しかし御承知のように、これはアンノウン・フアクターが非常に多いのでありまして、それが講和会議の結果いろいろどういうふうに進展して行くのか、これはほんとうを言いますと、何人もわからないと思います。ただ私どもとしては、ある程度の前提を置いて考えなければならないのであります。たとえて申し上げますと、連合国財産の十四条の問題にいたしましても、連合国に財産を戦前の状態において返還するという経費にいたしましても、これはなかなか範囲の広い問題で、そう簡単にきまる問題じやない。私どもは二百億ないし三百億というふうに予定いたしておりますが、これについても何年間に支出するかということがまず問題になつて来る。外債にしても二億五千八百万ドルくらいあるが、日本の金に直して元本到来の分が九百億円、利子の到来のものが五百億円、明年度において百億以上の償還が起るということは、一時に片づく問題じやないのでありまして、関係の列国といろいろ交渉しなければ、規模というものはきまらないものであります。今からどうきめてかかる、これは一人よがりできまらないと思います。賠償の問題についても、われわれは賠償の能力がないと思いますけれども、平和条約の明文にちやんと入つておつて、資源としてはできないけれども、労務、役務としてそうする義務があるのだ、これも今後関係の、列国といろいろ交渉をする鰻である。こういう問題がいずれは逐次明らかになるでありましようが、御承知のように国内的ないろいろな戦争犠牲者の問題などもあるのであります。こういう問題は全般的に、また国民の負担ができるかどうかという負担の点の中で、いろいろ検討を要する問題であります。そういう点を検討して、あわせてある程度の見通しを得たい。見通しを得た上で予算の——もちろんある程度進行中でありますが、最後的にはそういう問題と相関連して事柄がきまるであろう、そういう段階はまだ一月、二月先である、こういう意味で申し上げたのであります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 アンノウン・フアクターというのは、これは基本的なその線上における変化を意味するのであつて、もちろん基本的な線というものが、大体どういうふうなものであるかということが、わかつておらなければならぬはずだと思うわけです。だからこそ、参議院で大蔵大臣が、ある一定の非常に広い見通しであろうと思うが、数字を出されて、その数字が実はまだわれわれとして知つていないから、その点についてお聞きして、それがわれわれといたしましては、文教予算の方にどういうふうに響くものかというようなことも、つぶさに検討した上で、文教予算の個々の問題についても、文部省あるいは委員会が要求するものがあれば、それは要求しなければならないというふうな問題も出て来るわけです。従つて大蔵大臣が参議院で述べられたような内容を、新聞以上に、もしもつと詳しい形で報告していただければそれでいいというのが、私の質問の趣旨ですから、その程度においてお答え願いたいと思います。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 大臣は数字のことをそう詳しく申し上げておられません。またその数字は非常に動く数字で、相手方があり、こつちだけできめることができない数字である。今後の交渉にまつてしいろいろあることでありますので、その数字はこちらできめましても、その通りになるはずはありません。しかし大体達観いたしまして、明年度はたいへんであろうということは、御了承を願えると思うのであります。今までの占領地経済であつた時代から、政治的にも自立し、また経済的にも自立しなければならぬという段階において、かつ戦争の善後処理——国際的にも国内的にもこれを処理しなければならぬ時期において、財政上非常に困難な問題があるということは、よく御了承願えると思うのであります。それがわからなければ、文教予算もということもごもつともでありますけれども、私は文教予算の犠牲においてということを考えておるのでは決してないのでありまして、教育費というものはなかなか削減の困難なものであることは御承知の通りであります。それはそれとしても、できるだけ文教予算の充実については努力したいという考えにはかわりないわけであります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 そういたしますと、来年度の予算は、少くとも非常に困難であると言われる意味は、たとえば賠償とか駐兵に関する国家的な支出、それから連合国財産の返還とか、あるいは外債問題といつたようなものを含めて、来年度の対外関係の支出というものが、現在の予算における占領費その他の終戦処理費、その他われわれ国内の立場から見れば、対外関係に重点を置かれるような予算よりも、もつときゆうくつになり、もつと重大な影響を国民生活に及ぼす可能性があるのだ、あるいは各省の予算の配分の上に及ぼす可能性があるのだ、そういうふうな見通しを持つておられるかどうか。

長野長廣自由党

○長野委員長 この際ちよつと渡部君に申し上げますが、私の聞き違いか知らぬが、文部予算については、やや遠くはないかと思われるようなものもあります。もちろんあなたには計画があつて、必要な計画通りあなたの構想に基いての御質問だとは思いますけれども、実は時間も非常に切迫しておりますし、個々にわたつて云々というわけにも行きませんし、局長も非常に急いでおる関係もありますので、非常に尊重はしますが、その辺しかるべく……。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 これはひとつ御了承願いたいと思うのであります。今年の予算は六千五百七十四億でありますが、そのうちも終戦処理費が千二十億、平衡交付金が千百億、公共事業費が約千百億、それから価格調整費が二百二十五億、国債費が約二百億、インヴエントリーフアイナンスが五百億、こういうものを引いて行きますと大体四千億程度のものが全部四つか五つの項目にとられてしまう。あとの三千億程度のものが行政費、その中に文教予算が入つておる。予算の規模を決定し、性格を決定するものは、三千億にあらずして、——性格は別でありますが、規模というものはこの四つの経費でもつてどうなるのかということ、そういつた問題で、予算の総額なり、従つて国民の負担がきまつておるのは、現在でもそうであります。明年はその点についてもつと変転が大きくなるのじやないか。そういう意味で申し上げておるのでありまして、決して文教予算を軽視するとがなんとかいうのでなしに、予算自体として最後的に決定されるのは、そういつた講和後におけるいろいろな新情勢を織り込んできまるであろう。しかしその際において文教予算、ほかの予算というものをあらためて検討するということもありましようけれども、それでは間に合わぬので、文教は文教、厚生は厚生としてそれぞれ施策せられるところを十分に検討して行つて、ある程度の結論まで行きたい。しかし最後的には今言つたような事情できまらないのだ、こういうふうに御了承願いたいのであります。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 それでは簡単にしますが、その前に委員長の方で文部委員会を、たとえば大蔵大臣を呼んで開くとか、また呼べない場合も、主計局長に出て来ていただいて開くとか、休会中でも文部委員会をしばしば開くという            ような考えはありますまいか。参議院等においては、非常にしばしば開いておる。ところが衆議院の方では、文部委員会はあまり開かれていない。参議院で問題に去るような重要問題は、当然衆議院においても問題になるべきであつて、こういう諸問題が日常起きて来る、あるいは将来予定されておる。そういう事柄に関して衆議院の文部委員会が、つとめて具体的な問題にタッチしながら、文部行政の方針あるいは予算について討議して行くことが、非常に重要だと思います。それがあるならば、私はもちろん簡略にしますけれども、そういう見通しはありますか。

長野長廣自由党

○長野委員長 お述べの通り、必要な場合には開きたいと思つております。そうしてその必要な場合には、もちろんこちらも注意しておりますが、委員の各位も十分御留意をしていただいて、御要望もしていただきたいと思います。それから、ただいま参議院がやるからとつちもやらなければならぬというお言葉もあつたようでありますけれども、参議院がやるから、必ずこちらもやるべき性質のものでもないと思います。そこらの点は、そのときどきにおいて緩急を認めてやりたいと思つております。

渡部義通日本共産党

○渡部委員 私はきようの質問はこれで打切つてもよいと思います。ただ参議院がやるからこちらもやるのじやなくて、参議院は頻繁に開いておる、しかも参議院の委員会における諸問題の見方と、これの重要さを勘案して開いておるのだろうと思う。衆議院は、衆議院の委員長をも含めた委員会としてのいろいろな問題の重点あるいは見方、そういうものは独自なものがあると思いますから、そういう意味において、今後も委員会をしばしば開いてもらいたい。これは少数の委員の要求がある場合に、各委員が分散しておる場合には、その意向を聞いてもいいから、できるだけしばしば開いてもらいたい。また開くべきであるという要望をしておいて、私はこの種の問題については、主計局長よりも大蔵大臣に今後十分文部委員会として質問しなければならぬと思いますから、大蔵大臣の出席される機会を待ち、あるいはそれがどうしてもできなかつた場合、主計局長にさらに出席してもらつて、質問を今後続行したいと思います。  私の質問はきようはこれで打切つておきます。

長野長廣自由党

○長野委員長 御趣旨には非常に賛成であります。ただ、ものによりましては地方議会で扱うべきようなものまでも、ともすれば取上げられることがなきにしもあらずと考えます。私は国政の上において重要なことは余さずやりたいと思つております。どうぞ御協力をお願いいたします。  それでは私の方から一つ大蔵当局にお尋ねいたします。閣議で、かつて給食は継続するということを決定したと記憶いたしております。また司令部もこれを認めて、地方の理事者には半ば強制的に実施を求めて今日に至つたものと思つております。しかるに、関するところによると、あるいはこの予算が継続しないではないかということでありますが、はたしていかがでございましようか。私どもはアメリカに対する信義の点も考えねばならぬし、政府の信用あるいはまた与党的立場においても、またいろいろとこの点は考えさせられると思いますので、この際以上の点につきまして、当局のお答えをお願いいたします。

河野一之大蔵事務官(主計局長)

○河野(一)説明員 給食の問題につきましていろいろ問題があるようであります。従来学校給食につきましては、見返り資金の負担においてやつておつたわけであります。ちようど見返り資金がアメリカのこの七月から始まる年度からなくなりまして、今後どういうふうにいたすか、いろいろ問題を生じておることは、委員長も御承知の通りであります。私どもといたしましては、今年度は少くとも見返り資金で続けたいというふうに考えております。こういう考えで関係方面に折衝いたしたいと思つておるわけであります。明年度以降につきましては、見返り資金の残もまだ四、五百億程度ございますから、これを使うことにいたしますか、あるいはそういうことは別の行き方をいたすか。この点につきましては、明年度の財政の問題とあわせまて、よく検討いたして参りたい、こういうふうに考えております。

長野長廣自由党

○長野委員長 それでは予算問題につきましては、ただいま渡部君からも御希望がありました通り、おそらく皆さんも同様と思いますから、今後の推移を見まして、適当の機をとらえて委員会を開くことにいたしたいと思います。     —————————————

長野長廣自由党

○長野委員長 それではこれより厚生関係の国民プールの問題について、審議を継続いたしたいと思います。  委員外の質問を希望されております。野村議員に御質問をお願いいたします。実は今まで調さをしましたところが、あの国民プールに関する国会側からの通知は文部省にまわされております。そうして文部省としては用地決定権がないので、これを厚生省の方へまわすべく、一応電話で交渉をしであるそうでございます。近くその文書をあちらへまわすことになつておるそうでありますから、それをお含みの上で御質問願います。

野村專太郎自由党

○野村專太郎君 国民プールを新宿御苑の中に建設いたす、こういうことが全国的、国民的熱望のうちに、先般数万の署名を得まして国会になされたのであります。これが請願にあたりましては、特に文部委員会におきまして、委員長並びに委員各位の非常なる御協力を得まして御採択をいただいたことに対しましては、特に私は東京都民の一人といたしまして、非常に感激を持つているわけであります。そこでこの問題は、文部委員会におきましても、厚生委員会におきましても、しかも各党の委員の各位が、一たび現地に歩を運びましたときには、超党派的に、この候補地としては新宿御苑の中が最も適当であるとの理解を持つに至つたわけであります。しかも国会内におきまして、各党にわたつて多数の衆参両院議員の署名を得、国民的意思といたしまして明確な、具体的な方法もとられました。先ほどこれが所管でありまする厚生省の次官並びに公園部長のお話を伺いましても、私ら請願者の一人といたしまして、どうもすつきり納得いたすことができない。東京都におきましても、古橋、橋爪の両君が、敗戦下において世界的の記録を樹立いたした、こういう点に対して安井都知事も、これを機会に新生日本の意識を高揚し、そうしてこれが記念のプールをこしらえたいということを、東京都としても持つているということであり、しかも国会の両院における賛成を得、しかも当委員会におきまして非常なる御理解を得ましたことは、私は非常に欣快にたえないのであります。そこで私ら地元の者といたしましては、現在の新宿御苑のあり方、管理については、非常に不満であります。この荒廃している候補地に対しましては、戦前は天皇の御料でもあり、行き届いた管理はあつたと思いますが、現神はその片鱗すらないのです。しかし、私らはこの天下の名園たる新宿御苑、しかも日本趣味的なあの名園を保存することに対してはやぶさかではない。しかもあの御苑の西北に当りましては、御承知のように国民学校の敷地にすでに分譲をいたしております。これについては、すでにごの御苑関係の審議委員会にかけられまして都市計画の五号線——四十メートルの幅員の道路が、あの名園の性格等から検討して決定いたしております。これは当初は、あの池の一角をかすめるわけだつたのでありますが、あの名園の本質というものを保持する上から、これを西北に曲げまして、あの庭園を保存しながら都市計画を樹立する。これはどの内閣にかわりましても、この決定は変更さるべきものでないと私は考える。しかも戦後におきましては、すでに路線の工事もできている。皇室がほんとうに理解をして下賜されたあの名園を、私らは完全に保存しながら、しかも文化あるいは体育の向上、文化の高い国民の志気をいやが上にもあげまするためには、この国民プールの建設こそ、他の候補地はいろいろあろう思いますが、私は日本を象徴する皇室、また歴史上最も由緒の深いあの御苑の一角に置くことが、この国民プールの建設の趣旨から見て、最も妥当であろうと私は思う。このことを特に文教の担当委員会たる本委員会の委員長始め各委員、関係の文部省方面でも御理解をいただいたことは、私は非常に心強く存ずるわけであります。しかし、かんじんの厚生省関係がこれに対して承知をしないのは、どうも私はまことに納得できない。私はこの国民的熱望に対しまして、いかにも残念に思つておるわけです。現在のあの管理の状態は、荒廃の極である。あれを公開した後においては、あの名園を非常にこわしたというので、一時これを中止せねばならぬというようなことを、新聞に散見することもあつたのです。御承知の通り新宿の盛り場の粛正等、私らは地元におりますので、新宿の浄化ということに対しては、非常に努力いたしてお るのでありますが、たまたま夜間の入場というようなことが行われまして、その結果、今日非常に混乱を来しているのであります。今日の国の財政から見まして、厚生省関係の予算から見ても、この御苑の管理に対して十分予算をとることの困難なことは、私はわかるのですが、一たび現地に参りますれば、あの名園の管理に対しては、私は非常に不満を感ずるのです。むしろ先般国会において首都建設法が通過をいたしました点からも、もし国、厚生省が今日のような怠惰な、不徹底な管理をやるならば、よろしく東京都に管理を移すべきだという意見すら、東京都民は持つておるわけであります。どうかこういう意味におきまして、御採択をいただきました以上は、いろいろな候補地がありまするが、この国民プールの建設の趣旨から見まして、あの名園を保持しながら、しかも国民的感情と理解によつて、全額工費を国に寄付するとすれば、厚生省予算の困難な折から、この新宿御苑の合理的な経営に非常に資するところがあろうと感ずる点におきまして、私はこれは最も妥当であろうと思う。しかも前段申し上げました都市計画の第五号路線も、あの名園にふさわしい雅致のある路線を設定いたし、これに近接してあの森林の間の荒廃した土地にこれをやりますならば、何ら支障がない。さきの閣議決定の趣旨から行きましても、私は何ら矛盾を感ずるところはないと思う。先ほど伺いました厚生省関係の説明によりますと、まつたくわからない。従来の宮内省の新宿御苑関係の吏員の人たちは全部出してしまつて、ごく平凡な厚生省関係の住宅でも建てるのではないかというようなことに対しては、私は非常な憤りを感じておるわけです。そういうわけでありますから、委員の各位は現地をごらんいただいて御了承いただいておりますが、これらの全国的な要望、特に地元の東京都で、私は新宿と渋谷の両区において、これが推進のために区会議長並びに両区の区長を中心にしまして、熱烈に皆様の御理解におすがりいたしまして、これが実現を期待いたしておるわけでありますが、どうか委員長さん並びに委員の方の御協力、また文部省の御協力によりまして、これが実現しまするように御配慮を願いたい。委員外の質問をお許しいただきまして、たいへんありがとうございました。

長野長廣自由党

○長野委員長 厚生省から何かお言葉がありますか。今の質問以外でも、御調査の結果御意見がありましたら……。

森本潔厚生事務官(大臣官房国立公園部長)

○森本説明員 請願の取扱いにつきましては先ほどお話があつた通りでありまして、目下厚生省の方で御検討中のことでありますので、私の方にまだ参つておらぬのであります。それから休憩中に、現地を見たりもう少し考えてみたらどうかという御意向があつたようでありますが、この問題を決定するにつきましては、すでに去年一応考えております。それからその当時におきましても、厚生省だけではございませんで、建設省とも打合せをしたり、一応いろいろ籍したのでありますが、今のところは先ほど申し上げましたような考えで、いるということしか申し上げられません。なお今日の委員会の御意向は、帰りましてとくと大臣に御報告申し上げておきます。

長野長廣自由党

○長野委員長 ちよつと一言お尋ねしておきます。それではすでに閣議で決定した第三項とはまつたく合致しておる性質のものであるが、それにもかかわらず従来の方針を改めない、こういう意味でございましようか。

森本潔厚生事務官(大臣官房国立公園部長)

○森本説明員 ただいまのお話の点は、閣議の決定には大綱の中に入つておりまして、新宿御苑の管理に関して、今お話の点については、運動広場に国民プールがあるかどうかということかと思いますが、われわれ今相談いたしましたところ、国民プールは運動広場という中には入らぬのではないか。先ほど申しましたように、自由に種目を限定せずに、弁当を使つてもよろしい、あるいはまり投げしてもよろしい、かけつこしてもよろしいというのではございませんで、あそこは庭を見るだけであつて、あまりそういうことをさせておりませんので、そういう運動のためにやはり広場的なものがいる。従つてそれをつくるべきであるというような審議会の決定じやないかと考えております。従いまして、そういう解釈でございますので、プールというのは適当でないのではないかと考えております。

野村專太郎自由党

○野村專太郎君 スポーツにも、いろいろありましようが、特に水泳こそは、日本のあらゆる競技、スポーツの中におきましても、最も日本的なものである、しかも今日は各小学校においてもこれを非常に奨励をいたしておるのですから、この閣議決定のわくの中に考えてもいいのじやないか、かように考えておるわけであります。先般あの広場に三笠宮様をお迎えしまして、地元で一万人スクェア・ダンスというのをやつたのですが、そのときに三笠宮様が非常に理解をされて、ここに国民プールという話があるので、こういうようにみなが寄つたときに呼びかけてみようじやないかということを、私が御接待申し上げたときにお話があつたわけでありますから、皇室においては相当民主化し理解されているのではないか、こういうように私は考えております。特に先ほど申し上げました決定した都市計画の路線の問題のごときも、私はあの名園を保存しこれを維持する点では決して人後に落ちない。余談ですが、不忍池なども、復興することに私が努力をしまして、今日のような形になつております。そういうようなことで私はあの蘭を保存して行くということに対しては、何人にも劣らないのであります。しかし今日のあの現状というものは、まことに不満であります。これはさつき公園部長からるるお話ございましたが、これはよく現地をおわかりのことであります。しかし天下の識者の中には、何かあそこだけはもう少しゆつくりした空地を残しておきたいというような考え方もあろうかと思いますが、現地はおよそこういうこととは遠いもので、何の利用もできないような現状でもありますから、あの十九万坪の一角に、しかもこの閣議決定のわくのうちである運動広場のうちに、国民のスポーツの大宗である水泳のプールを建設すること、しかもこれは国民プールなんですから、そういう点に対しましては、これをいなむ何ものもないと私は考えております。そういうわけですし、しかもその管理の状態は、かりに新宿の方から入りましてたまたま千駄谷口の方に通ずるための人件費さえないというような貧弱な状態である。こういうことでは、私はあれを公開した趣旨に合致しない、かように考えるわけです。このことに対しては非常に強い熱望がございますので、十分ひとつ御再考をいただくようにお願いしておきます。

長野長廣自由党

○長野委員長 最後に一言しておきますが、どうも今まで述べられた厚生当局のお話は、現地の実情でないのであります。もう一度つけ加えますと、私も見ましたが、実に言語道断、あの保存の状態は、あまりに誠実さを無視しおるがごとくわれわれは感じとして聞くのであります。私がもう一回御調査してもらいたいと言うたのは、その点であります。なおこの問題は、今日の状態をもつてせられましたならば好ましからぬ経過をたどるのではないかと思います。それで虚心坦懐、ぜひとも早く御調査を進められて、適当な結論を得るようにしていただきたいと思います。そしてこの問題は、文部当局に議会からまわされておりますが、文部当局と厚生当局との間で、よほど円満に交渉が進められないと、またそこにも一つの摩擦を起すおそれがありはしないかと思うのであります。つきましては、両省におきましても虚心担懐に、何とぞ早くひとつ御解決を願いたいと思います。  以上を申し添えまして、ここに本日の委員会を終ることにいたします。     午後一時五十三分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗