文部委員会 第1号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/08/17
会議録
○長野委員長 これより会議を開きます。理事の補欠選挙を行います。岡延右エ門君が委員を辞任されましたので、理事が欠員となつております。理事の選挙はその手続を省略して、私より指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長野委員長 御異議なしと認めます。それでは岡延右エ門君を理事に指名いたします。 —————————————
○長野委員長 次に文部省関係補正予算に関する件について、当局より説明を聴取いたします。
○寺中説明員 それではこれより今年度補正予算といたしまして大蔵省に要求書を提出しております内容につきまして、簡単に御説明申し上げたいと存じます。事項書をお手元に御配付申し上げました通りでありまして、総額百六億七千万円になつておりますが、その大部分は六・三制の建築費に伴うものであります。第一に、文教施設の整備とありますものが約八十六億四千万円ございまして、そのA、Bは六・三制でございます。Aは十九億二千万円でございますが、これは本年度大体四十一万坪の工事を予定しておりますところの坪単価が非常に高騰いたしまして、木造は一万六千円につき二万三千円に値上りし、また鉄筋関係は三万八千円から五万二千円に値上りしたというような関係で、予定量の工事が現在の単価で行きましてはできないのであります。そういう意味で補正要求をするわけであります。 それから〇・七坪の完成までの補充といいますのは、本年度の工事で〇・七坪まで行かない。昨年の要求で六十三億を要求いたしましたが、事実四十三億しかとれなかつた。なお約三十四万坪を〇・七坪完成までに残しておるのでありまして、その関係で五十八億九千万円を要するのであります。 Cの六・三制以外の工事費値上り補填。これは文教施設費の中で盲聾学校の建築、あるいは公立学校の戦災復旧、あるいは給食施設、あるいは社会教育施設、あるいは公立の災害施設、そういうふうなものの関係で、やはり工事費値上りに伴いまして三億六千万円を要するわけであります。 Dの二十六年度発生災害の復旧。これは昨年のケイト台風並びに本年の七月大雨といつております関係で、その災害復旧に要する経費でございます。それで総額八十六億四千万円という要求をいたしておるのであります。 その次の学校給食用食糧購入運転資金、これが四億一千万円ございますか。従来はアメリカから、ただで、ミルクをもらつておりまして、それを児童に配給しておつたのでありますが、その支援、支持がなくなります。大体従来までのストックが十一月まではあるのでありますが、それ以後は見返り資金で食糧を購入いたしまして配給しなければならないという事情になつております。その見返り資金のうち約三十四億ほど別に計上する予定になつておりますが、その関係で現在ミルクを八百万人分、パンを四百万人分配給するために、食糧購入と別に運転資金といたしまして、砂糖の購入、あるいは国内ミルクの購入あるいは加工賃、あるいは輸送賃というようなものを一括用意をしまして、これは一時それで払つて、あと児童の負担でもつて返す、そしてまた運転資金として使うというようなことに四億一千万円を要するのであります。ただこの関係は、今関係方面との折衝の部面が残されまして、なお多少数字等に相違が生じて来るような事情が、現在ちよつと起つておりますので、多少狂うような結果になるかもしれぬと思つております。 国立学校建築の整備、これは公立学校関係で今年約十一億の建築費を盛つておりますが、その工事費がやはり値上りする関係で、二億九千万円を要する。また国立関係で二十六年度発生災害の復旧のために五千万円を要するという関係になつております。 その次の教科書無償配布、これは今年一億三千九百万円の予算で、小学校一年の国語、算数の教科書を配る予定になつておりますが、大体紙代の値上り、あるいは印刷費の値上り等で約四割くらいの値上りが予想されております。春に配つた分はいいのでありますが、二学期以降に配るものについて約四割の値上りがありますので、その関係で三千万円を要求したいということであります。 それから大学附属病院経営費の補充といいますのは、大学に附属した病院を持つておりますが、完全看護を実施する、あるいは薬品医療費の値上り等で、収入もふえます一面、支出が相当ふえて、現在の予算では足らないという見込みがついておりますので、その関係で六億一千万円を要求する次第であります。次に、文化財保護委員会の関係でありますが、aは災害復旧費の関係、b、は重要文化財の買取りでありまして、これはほつておけば海外へ流出するおそれのある、しかも非常に重要な国宝関係のものが相当ありまして、それらを買い取るという経費でございます。それから京都博物館、奈良研究所の設置、これは京都の市立恩賜博物館、それから奈良県の商品陳列所、これを国に寄付してもらいまして、文化財保護委員会の附属機関として運営しようというような話が進んでおります。ここに計上いたしましたのは、その修理、模様がえの経費でありまして、それによりまして寄付を受けた施設を附属機関にして行こうという経費でございます。ここに文化財関係の七千万円くらいのこまかい経費が必要なのであります。 第七にオリンピック大会の選手派遣費でありますが、これは大体来年二月ごろ開催の予定になつております冬季オリンピック大会に、スキー、あるいはスケートの選手を二十名ばかり派遣する予定になつております。開催地はオスロということになつているのであります。 それから職員俸給不足補充でありますが昨年千円ベース・アップしました際、いろいろ問題がありまして、調整号俸の改正をいたしました。また本年度に入りまして、級別定数表の改訂等の必要が起りました。そういう関係で、予定よりも相当額俸給額を多く必要とするのでありまして、現在の予算で間に合わないという見込みがついておりますので、三億一千万円を要求する次第であります。合せて百六億七千万円でありますが、その大部分は六・三制その他文教施設の関係の経費がおもでございます。
○岡(延)委員 ちよつと会計課長にお伺いしますが、六・三制工事費値上り補填、これはもう当然そうあるべきものでありますが、何年何月からこれを補填することになるのですか。
○寺中説明員 現在この十九億二千万円の要求に対しまして、必ずしも見通しがついておるということにはなつておらないので、その点はなはだ遺憾でありますが、もしこれが補正予算として通りますれば、すぐ補填をいたします。しかしこれは国会開催の時期等にもよりますので、見込みといたしましてはこの年末近く、あるいは来年初めくらいにこの金が使用できるということになるのではないかと思つております。
○岡(延)委員 いつから使用できるかという問題でなく、これは一日も早い方がいいわけです。国会との関係もあることは御承知の通りでありますが、要するに何年何月までの工事にこれを適用するかであります。これは二十六年度にできた分だけですか。
○寺中説明員 そうであります。本年度四十一万坪の工事を予定しております。それに伴う工事費値上りの補填でございます。
○岡(延)委員 これが二十六年度分だけであることはわかりましたけれども、実情はひとり二十六年度だけでなく、もうすでにそれ以前に相当物価値上りを見ておつたことは御承知の通りであります。それを二十六年度分以降は補填するが、その前は全然ほおかむりで行くというのは、不公平になると思うのでありますが、それについて何か特別の配慮をされるお考えをお持ちですか。
○寺中説明員 二十六年度以前と申しますと、二十四、五年の工事費に関係するということだろうと思いますが、これはその他工事費の値上りもありますし、なお認証外工事をやりましたそのことに対する工事費補填という問題を一括いたしまして、文部省といたしまして相当重要な問題と考えておるのでありますが、ただ一旦認証外になりますれば、遡及して工事費を補充するということは、手続上非常に困難でありますので、設備費の補助というような形で来年度予算にある程度の金額を要求いたしまして、事実学校かできましても、設備がなければ役に立たないわけでありますから、設備を補填するという形で認証外あるいは値上り工事の補填をしたいという考えを持つております。
○岡(延)委員 認証外という話も出ましたが、認証外の問題及びこの工事費値上りの補填、これはきわめて重要でありますから、全会朴課長が言われたように、これをできるだけ強力に実現するように努力していただきたいと思います。
○寺中説明員 努力いたします。
○小林(信)委員 ただいま岡委員の方からお伺いになつた点ですが、この工事費値上り補填の十九億二千万円というのは、いつからというお話だつたのですか。結局これは本年度政府の方で出したものについては、すべてその値上りを見て十九億二千万円というものが平等にわけられるのか、そこをお伺いたしたのです。
○佐藤説明員 平等であります。
○小林(信)委員 それから文部省のお考えとしては、ここでどうでも〇・七坪完成するというような御意向のように承つて、非常に私たちも地方の実情等をお伺いして、これに対して賛成するものであります。この際地方といたしましては、先ほども認証外の問題が出たのですが、認証外等も、相当苦しい中でやらなければならない実情にありまして、それにつきましても、最も要望しておるものは起債です。起債のわくについては、何ら今度考慮されておらないのですか。
○佐藤説明員 努力しておりますが、まだ結論が出ておりません。
○小林(信)委員 その努力されておられる方向、内容、それをお伺いしたいのですが、どんなふうに御努力なされておられますか、どんな考えでおられますか。
○佐藤説明員 各位の方が詳しいくらいでございますが、起債のわくが非常に少い。言いかえますれば、国のわくが現在全部で四百億しかありません。これに対して各省の要求は千五百七十億あつたわけです。従つて四分の一くらいしか確保せられなかつたということが六・三制に響いた大きな原因であります。そこでその間の事情は財政委員会にも十分話してありまして、私の聞いたところでは二百三十九億のわくの拡大を努力しております。しかしその中に六・三をどのくらい織り込んだかということも内々聞いたのでありますが、十五億を最優先的にやつております。従つてもし二百三十九億確保されますれば、何をおいても六・三の方に配分される。従つて現在の六五%が一〇〇%になるということがはつきりうかがい得られるのでありますが、そのわくの拡大自体がまだ結論を見ないのであります。
○小林(信)委員 これは地方の最も熱望するところでありまして、私はこの際文部省当局の御努力をお願いするのですが、今の一〇〇%に達するという見通しですが、今どんな現況にあるかおわかりになりますか。
○佐藤説明員 見通しというのは、まだはつきり申し上げられません。
○長野委員長 それでは二十七年度の予算に入つて行きたいと思います。寺中会計課長。
○寺中説明員 二十七年度の予算夢本案のうちで、重要事項に関しまして、現在大蔵省に要求案を提出いたしておるのでございます。本年は特別にそういう方針で、この重要事項を特に指示いたして一般の締めくくりは別にするというような形になりましたので、ただいまお手元にお配りしたと思いますが、その資料は重要事項に関連するものでございます。 本省関係で、方針といたしまして、義務教育の充実、学術の振興、産業教育の振興、育英事業の発展、この四つの項目を大きく取上げまして、それを中心に重要事項を考えた次第でございます。 最初に義務教育の関係で、就学奨励費でございますが、それが四十三億四千万円になつております。これは現在の厚生省に生活保護法の関係で、教育補助といたしまして約十六億八千万円の予算がありましてれ大体六十万人の長期欠席の者、貧乏で学校に出られない者に教育費を補助するということをやつております。しかし津生省でやりますと、実際の教育費に使われないで、生活費に使われて、就学奨励費としての真価を上げ得ないというようなきらいもありまして、その点厚生省ともいろいろ協議を進めておる次第でありますが、文部省として就学奨励費の観点から、もつと充実した施設を考慮したいということで、本年文部省の予算として要求するというための経費でございます。現在の生活保護法の関係で行きますと、小学校については全体の五・三%、中学校では四・五%のものがこの就学奨励を要するというふうになるのでありますが、それを文部省に持つて来て、小学校は約二・一%、中学校では約三・六%のものを追加いたしまして、そうしてその人員を約百二十五万と見ておるのであります。それだけのものが、長期欠席をして、資金がないために学校に行けない者というふうに見込んでおるのであります。それの教科書あるいは学用品、給食、あらゆる就学のための経費を補助しようという経費でございます。 二は教科書無償配布でありましてこれは今年一億三千九百万円で一年の国語、算数の教科手を配ることにい、たしておりますが、来年度はそれを二年に延ばして、しかも全額国庫負担でやりたいという要求を出しておるのであります。いろいろ地方の事情を聞きましても、ぜひとも全額国庫負担でやつてもらいたいというような事情もございますので、この九億一千万円を要求する次第であります。 学校給食食料買上げの三十六億一千万円でございますが、これはミルク及びパンの給食を、多少範囲を小さくいたしまして、ミルクは五百五十万人というようなことにいたしまして、国内粉乳の生産を見込んで、文部省としても獲得可能な限度で農科買上げをいたしたいということにしておるのであります。 四の学校給食運転資金六億八千万円でありますが、これは当初の要求より少し上つて参つたのであります。実はハンの配給を全然やめるということに考えておつたのでありますが、都会地に四百万人のパンの配給を現在やつております。それを続けて行くという建前からいたしまして、やはり小麦の一括購入をいたさなければなりませんので、これを運転資金の形で見込みました。ですから、その関係は児童の負担になつて来るわけであります。大体六回転の回転数を考えておるのであります。 五の小中学校設備費補助十億五千万円は、ただいまちよつと触れました設備費補助の形で従来六・三制建築のために努力し、また予定のものを得られなかつたものの救済というか、そういうものの、補充に充てたいという考えを持つておる次第であります。 その次の六・三制建築補助の七十八億二千万円、これは補正予算の要求と全然同額でありまして、補正予算で強力に要求するつもりでありますが、もし行かなかつた場合には、来年度にまわすという形でこれを予算に要求しておる次第であります。 次に教科書公社の設置でありますが、この名称はまだ仮称でありまして、主として金融のためにつくる機関でありますので、あるいは金融金庫、あるいは金融公庫というような形になるかもしれませんが、目的は、現在教科書の生産が、金融関係で非常に困難な事情にありますので、政府の預金部資金をその製作費のためにこの公社から借りましてそして公社がそれを教科書会社に貸し付ける。借りるのは六分で借りて、貸すのは九分五厘で貸すということにいたしますれば、その利ざやでこの公社の運転ができるであろう。しかしそれでは公社の運転が十分ではありませんので、当初に三億六千万円くらいの資金が必要であるわけでありまして、そういうものを合せて、四億円の当初資金でこういう形の機関を設置したいということにしておるのであります。 それから学術の振興でありますが、最初に、科学研究費の十二億七千万円であります。本年五億の予算を計上しておりますが、これは実際に当てはめてみまして、非常に不足をしております。研究歴の若い研究者に対する助成金というようなものも見込みまして十二億七千万円を要求する次第であります。 国立学校施設整備、これは三十二億六千万円でありますが、現在国立学校の建築が、戦災復旧の関係だけでも、まだ五五%ぐらいしか復旧していないのであります。また学校が各地にばらばらになつておつて、これを整備いたす必要もありまして、整備計画というものを立てておりますが、そういうものの計画実施のためには、五百億以上の金が必要であるという見込みになつております。しかし五百億を具体的に整備して行くということは、なかなかたいへんな事業でありますので、大体百五十億ということを第一期の目標にいたしまして、それの五年計画ということで、現在三十二億六千万円の経費を求しておるわけであります。 それから民間研究機関の助成でありますが、これは国会のたいんな御盡力で、民間研究機関の助成に関する法律が出まして、従来科学研究費の中に込めて要求しておつたのでありますが、これを独立させて、特に一億三千万円のうち、三千万円を学術振興会に助成する、一億円をその他の四十数団体の研究機関に助成するということの金でございます。 四と五と六は、私立学校関係でありまして、私立学校職員の共済組合、これを恩給財団並びに職員互助会というような形で、公立の職員と同じような互助組織、共済組織ができるように、一億六千万円の金を要求する次第であります。私立学校振興会の構想は、これは大体資金を三十億という一応の目標を立てております。来年度は二十五億ということにいたしまして、現在約従来の貸付金が約十八億ぐらいになつておりますので、それがもどつて来る貝込みになつておることを考え合せて、七億七千万円の金を新しく補助を受ければ、二十五億の資産の私立学校振興会ができるわけであります。これをもとにいたしまして、大体年内に終る短期の私立学校救済の貸付金融を出そうというための機関であります。それに一対する助成の金でございます。 それから私立学校設備費補助でありますが、これは本年度約十億、私立学校関係の貸付金の全を持つておりますが、そのうちの一部を設備補助にまわしたいということで、大蔵省とも交渉をいたしておりますので、来年度はその方向に従いまして、設備費の関係で私立学校の補助をはかりたいということを考えております。 在外研究員派遣の一億二千万円は、現在までは大蔵省の海外関係の支払いの金を予定して、それによつて外国に留学する者の留学資金に充てておつたのでありますが、文部省に独立の予算としてこれを持ちまして、大体六十八名の者を外国に派遣したい、約五十名を長期留学とし、約十八名を短期留学といたしまして、長期は一年、短期は三箇月ぐらいで若い研究者を派遣して、日本の学術振興の基礎をつちかいたいという意味でございます。 それから三の産業教育関係、これは御承知の産業教育振興法に基く経費でありまして、十七億七千万円は、主として高等学校職業科の設備補助に入れ、その他中学校の施設費関係、あるいは大学の現職教育関係設備費補助の関係等に、産業教育振興の最も重点的なものにこれを使いたいということで要求をいたすのであります。 それから勤労青年学級は、社会教育関係でございますが、中学校を出まして勤労に従事する者で、定時制高等学校にも行つていない者があります。それらの向学の志に燃える者に、社会教育講座の形で、現在大体九千単級ぐらいの青年学級が普及しておるのであります。これはもつと力を入れるべきでありますが、やはり財政の関係上、そう一ぺんに充実した補助をするということもできませんので、大体二千五百学級に対しまして一学級二万円ずつぐらいの補助をいたしたいということで、五千万円を要求する次第であります。 次は育英事業でありまして、これは四十億で非常に本年度より上つておるようでありますが、事実は大学の関係が、三年から四年に延びました。従来のやり方は、卒業をいたします者の奨学金を、一年に入る者の新規採用の金にまわすという形で、それほどふえなかつたのですが、今度は卒業者が出ない。三年から卒業する者がない。そのために従来と同額であれば、新規採用ができないという形になるのであります。パーセンテージといたしましては、従来の大学の二〇%というパーセンテージをごくわずか上まわる程度でございます。ただ高等学校関係は、現在わずかに三%の奨学しかいたしておりませんので、それを五%に上げたい。また単価の関係では、高学校五百円を七百円に、大学千九百円を二千百円に上げるというだけの計画で、約四十億円を要することになるのであります。 それからその他の項目で、公立学校共済組合国庫補助、これは現在平衡交付金の中に八億五千万円の国庫補助を見込んでおるわけでありますが、これが平衡交付金に入つておりますと、実際上金を出す場合に、府県間の調整が不可能でありまして、どうしても政府としてこれを単独の助成金にいたしまして、府県間の調整可能なようにするために、文部省の予算として十一億九千万円を要求するということにいたしたのであります。この点について大蔵省と協議をいたしまして、大体了解を得ているような事情になつております。 それからユネスコ国内委員会でありますが、本年ユネスコの加入を許されまして、国内委員会を設置するという既定の方針に基いて、これを中心にユネスコ精神の普及をはかるということにいたしておるのであります。 それから国宝重要文化財等防災対策というのは、従来文化財の関係では、こわれたものを修理するということだけをやつておつたのでありますが、こわれない前に災害を防止するということが、さらに重要なことでありますので、これは建築物の関係で、災害の中の火災防止関係の施設を充実するということが主であります。一億四千万円のうち一億円は、そういう方面に使うという予定をいたしております。 一般関係では、大体そういう事情になつております。合計のところで三千二億となつておりまするが、三百二十億の間違いでありますから、たいへん恐縮ですが御訂正を願いたいと思います。 それから、切り離した事項としまして、地方教育財政確立ということがございます。これにつきましては、まだ文部省としてこまかい具体的な計画をはつきり持つているわけではありませんし、また関係方面の意向並びに関係官庁との連絡も十分についているわけではありませんが、しかし何とかして、この地方教育財政の関係を解決するために、新しい方法を考案して実施するということを、プランとして持つておるので参あります。大体の構想は、従来平衡交付金の形で入つております義務教育関係の経費を、平衡交付金から切り離して、文部省関係の補助金のようなものにいたしまして、そして地方の教育に必要な、給与費、維持費、施設費の全体をまかなえる金の大体半分ぐらいの金を、国家で補償して行きたいという構想に基いて、現在関係方面並びに関係官庁と連絡をとり、その研究を進めているような段階でございます。 それから国立学校関係もたくさんございますが、そのうちでおもなる点を二、三御説明申し上げますと、国立学校関係では、教官研究費の問題が非常に重要でありまして、現在二十億二千万円の教官研究費を持つておるのでありますが、それを大体二割増しぐらいにいたしまして、その他実験講座、非実験講座というような区別をもう少治具体的に、講座の種類によりまして準実験講座、あるいは特別実験講座というような種別をつくつて行くということを考えておるのであります。また学生経費を約三倍にする、あるいは研究旅費をやはり三倍ぐらいにするというようなことを考えておりまして、それに伴う経費を要求いたしております。 ただいま御説明いたしましたのは重要事項のみでありまして、全体の予算計画はまだまとまつていないような重情でございます。
○渡部委員 補正予算及び二十七年度予算各項については、これは説明をさらに補足してもらわなければならぬ点があるし、いろいろ問題がある思いいますが、それは今後の委員会で続けて行くことにしまして、きようは一、二のことだけお聞きしておきたいと思います。この補正予算のうち、重要文化財の買収費というものが一億ある。この買収を要するものは海外流出のおそれあるものが対象になつておると言われましたが、どういうものが現に海外流出のおそれあるものとして考えられているのか、その具体的な内容を保護委員会の方からお聞きしたいと思います。
○森田説明員 買取費の約一億円というものの一番大きいのは、今のところ新聞に載つておりましたように、フランスにあります松方コレクシヨンの管理が今度解除になりますので、これを引取るための費用が大部分を占めております。その他のもう一つの重要な部分と申しますと、これは現在私の方へ文化財保護法に基きまして買取りの請求の来ておるのを、申出の価格で計算しますと約一億数千万円になつておりますが、その中で特に国家において保管する必要のあるもの、つまり買い上げる必要のある重要なもの、またほうつておきますと——重要文化財は、御承知のように文化財保護法によりまして海外流出につきましては厳重な手続がありますので、これはその意味において防止することができるのでありますが、それ以外のものにつきましては、重要なものについても海外輸出が自由でありますので、防止する必要があると考えられるものにつきましては、博物館の列品としてこれから買い上げる予定にいたしたいと考えております。一々の名前にときましては、ただいま手元に資料がありませんし、また申出のものも全体を買うわけではありませんので、予算のとれました価格に応じて、われわれの方で順位をつけて、重要なものから買い取つて参りたいと思つております。
○渡部委員 重要文化財の海外流出、あるいは国内における散逸については、学界その他で非常に重大視しておりまして、先日も各大学または研究所、博物館、図書館関係その他が集まりまして、学術資料散逸に関する協議会というものが開かれましたが、ここでは非常にいろいろな報告がありました。これらの人たちはそれぞれその関係における権威者であつて、いろいろな情勢を知つているだけではなくて、その情勢に対する非常な憂慮をもつていろいろ相談し合つたわけです。そのうちの一つを申し上げると、実は私この夏に紀伊半島を旅行しました際に、新宮の速玉神社に行つて宝物を見たわけですが、国宝であつた後小松天皇が寄進した歴史的に相当有名になつておる名剣でありますけれども、それがなくなつておる。それでどうしたのかといつて私が質問したところが、神主さんは、これは非常に困つたことになつておるのだということでありました。これは私こまかく調べて来ましたが、そのこまかく調べて来た点については、いずれ当局の方にも申し上げたいと思うし、報告も来ているとは思います。散逸当時、警察も来て、神主さんと相談して、どうにかしてそれを防止しようとしたけれども、防止することができなかつた。その点について文部省の方に申し出たところが、一応調査の内容を出してくれということであつたけれども、その後は全然何らの達しもない。しかしこれはあの速玉神社自身にとつても非常に重大な問題であるから、ぜひ国会においてこのことを公式の問題として取上げて、これを国会の権威においてひとつ解決してもらいたいという、たつての依頼が神主さんからあつたわけであります。そういうふうな事情は他にもある。他にあるばかりでなくて非常に重要なものが散逸しているし、散逸する憂いがあるし、あるいはまたきわめて貴重な品が一部分切り取られてしまつているという事実も、学会から報告されております。それで私はまず速玉神社の事柄について、どういう報告が文部省に来ており、文部省はこれをどういうふうに取扱い処理しておるのかという点——これは文化財保護委員会のできる前でありますけれども、その事情を報告していただいて、文化財の買収その他についての事柄を、文部委員会として十分慎重に協議し解決の道をはかりたいと考えておるものですから、この点をまず質問したいと思います。
○森田説明員 ちよつと速記をとめていただきたいと思います。
○長野委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○長野委員長 速記を始めて。
○渡部委員 それでは従来の国宝重美関係のもので、どういうものが海外に流出しておるのか、あるいは国内においても散逸して行方不明のような状態になつておるのかといつたことについての、国宝重美関係の存在、あるいは存在の状態について、至急明確な調査をしていただいて、これを委員会の方に出していただきたいと思います。というのは、全国の学者間で非常にこれが問題にされまして、何とかしてこれを擁護したい、散逸しないように全国の地方史家なんかとも協力して擁護したいという空気が今非常に強いものですから、これはやはり国会としてぜひとも正式に取上げて、その散逸を防止する必要があると考えますので、その点を要求しておきます。
○長野委員長 ちよつとこの際お諮りいたします。きようは大体予算のことについて手続をとつて来ているわけでありまして、十二時に打切らなければならぬようになつております。それで渡部委員はいろいろ貴重な御意見もあるようでありますけれども、ほかにも相当の申出がありますので、この辺でひとつ留保していただきたいと思います。
○圓谷委員 二十六年度の六・三制の補正予算十九億ですか、この予算について、文部当局においては、大蔵省の方が相当難関であるというので、自由党としては、これは政調会にも話をいたしまして、会長もこれについては最善の努力をするということを申し述べておるのでありますが、この予算をとつておかないと・二十七年度に行つて約八十億円予算がいるから、あくまでも二十六年度の補正で約十九億何千万円ですか、予算をとりたいということでありますので、これは委員長において文部委員会の申合せ、あるいは決議事項としてでもけつこうですが、御処置を願つて、理事あるいは委員長において大蔵当局に御交渉を願いたいと思うのです。この点について文部省においては、二十七年度補正予算は確実にとれるというお考えであるならばけつこうですが、いかがですか。
○水谷政府委員 私の方では各方面に極力努力を続けておりますが、まだ見通しはつきません。従つて文部委員会の方から折衝をいただけば、まことに仕合せだと思つております。
○長野委員長 委員長から圓谷君にお答えいたします。文部省と連絡をとりまして極力委員長として努力いたします。
○圓谷委員 最近各地方より、六・三が六・二になるのではないかということで、私どものところにも、すでに電報なども入つておるような状況であります。この点については、過日自由党の政調会においても、秘密会で、自由党がはたして六・三を六・二にするというようなことを考えたことがあるか、またこういうことを党において政策としてやつたかということを聞いたのであるが——なるほど自由党の政策の中に六・三制の再検討ということが入つておりますので、この点が確かに誤解を招いたと思うのでありますが、通常六・三・三・四を六・三制々々々と申しているのですが、党としては六・三制すなわち六・三・三・四の学制について、講和後において再検討をする必要があるのではないか。すなわちこれの研究が必要ではないかというような意味のことであつたと私承知しているのであります。しかるにその後文部大臣は、参議院の文部委員会においても、また車中談においても、六・三制は守るということを申しているのであります。ところが文部省の方のある局長の参議院における答えで、六・二の問題を取上げておるが、文部省においては、はたして六・二ということを検討されておるのであるかどうかということです。自由党としては、決して話したこともありません。私は自由党の文部部長をしておりますが、これは一体どういうところから出たのであるか。これは文部大臣にお伺いすると、まことにけつこうですが、大臣がおりませんから、水谷政務次官にお伺いするのですが、こういうことを世間に吹聴されたため、非常に不安を持つて、六・三制は守つてくれといういろいろな電報が私のところに来ておるので、これについてお答え願いたい。
○水谷政府委員 文部省といたしましては、すでに御案内の通りに、六・三制堅持を、いつも申し述べておるのであります。過日の参議院の文部委員会におきましても、文部当局といたしましては、六・三制を断固守つて行きたい、かようにお答えをいたしておりまして、御賛成をいただいておるような次第でありまして、文部省が六・二制を考えておるというようなことはありません。世間には六・二の問題を言うている方もあるということだけは申し上げましたが、それ以外のことは申し上げておりません。新聞等に六・二の問題を自由党が取上げているかのごとくに書いておりますのは、誤解である、こういうことを、私から説明申し上げたのであります。
○圓谷委員 それではもう少しはつきりさせていただきたいことがあるのです。六・三制を六・二制にするというようなことは、要するにこれは国家予算の面から——大蔵大臣は大体行政整理その他においても、予算面から考えてやるということを言われておるのであります。この点について、会計課長も来ておりますが、文部省がもし六・三を六・二にした場合において、予算面その他にいかなる利益があるかというようなことを検討されているのでありますかどうか、簡単でよろしゆうございますからお聞きしたいと思います。
○寺中説明員 政務次官から話がありましたように、大蔵省方面から、少くとも公式の方面から六・三制をどうするというような話は全然ないのでありますが、ただ世間のそういう問題に対します研究問題といたしまして、どれくらいの経費が節約になるかというようなことは研究をしてみたわけであります。その結果、六・三制といいましても、六・三の三を二年まで義務にして、それから高等学校を四年にするというような案、その他いろいろあるわけでありまして、もし大学までの年限全体を一年実質的に短縮するというようなことでありますれば、それは相当額の節約になろうと思いますが、しかしただ六・二・四というような形で、中学は三年で二年までを義務制にするというような形で行くならば、これはほとんど節約にもならぬではないかというような研究の結果を持つている次第であります。
○笹森委員 関連事項で——ただいま圓谷君から発言いたされました新制中学の三年を二年にするやのうわさ、あるいはまたそれの論議のありますことは、私ども実は非常に心を痛めている次第であります。御承知おきの通り、私どもが最初新しい憲法を論議しました際に、義務教育の年限については、教育に関係を持つ、あるいはまた関心を持つているものは、非常に慎重に、かつまたこの問題に関しては熱心に審議決定しましてさらに進んで教育基本法なり学校教育法において、義務教育を今の通り新制中学の三年まで延ばしたことは、御記憶の通りだと思います。ところが、実際はこの実施の期間をいつにすべきかということについては、その当時のあるいは閣議においても、あるいはまた国会の審議においても、非常に心してこのことを論議したのでありますが、結局するところ、日本のその当時の状況は、国際的な観点から考えて、日本の教育の義務年限を、ほかの文明国の年限と比較して、永久にこれを低くしたくない、少くとも他の国の持つておる九箇年にしたい。これが日本の文化の最低水準を守る国民義務教育の死守すべき点であるということを、私ども実は非常に主張して、それが今日の制度になつたことは御承知の通りだと思います。ところが、それを行われるにあたつて、実は国家的な財政、あるいはまた地方的な財政、さらに進んで指導する教員の養成、あるいは設備等において欠くるものがあるので、これは基本的なものは決定しておいても、実施の期間はできるだけあとに延ばした方がよかろうということを、私どもは主張したのであります。ところが、時の吉田内閣は、これを昭和二十二年から実行した。私どもはこのことについては、非常に懸念を持つたわけであります。むしろこれは自由党の内閣においてもう少し先に延ばした方がよかつたのではなしかと、実は私どもは考えたのでありますが、実際はそのことを早く決行したことが、あるいはある意味において審議する上においてもよかつたと思います。従つて今そのことをあげつらうわけではありません。しかるにこの補正予算等を見ましても、あるいはまた二十七年度の新しい要求を見ましても、どうしてもこの就学奨励費というようなものを出さなければならないような生徒の実情にあるとともに、また新制中学自体が非常に弱体である。そうして多くの施設を要する。またせつかく法的に定められて出発したものの、実際の効果をあげるには、はなはだ不十分である。こういう点について、非常なジレンマを感じておるような次第であります。従いまして、今出ました新制中学の二年というようなことを考えることについての苦しい状況は、私どもわかるのでありまして、そのことを懸念して、実は第十国会の本委員会においても、私は特に文部大臣に対して、この学校制度を根本的に改正する考えありやということを聞きましたら、ただいま文部政務次官の仰せられましたように、そういう根本的なところの研究はするかもしれぬけれども、今かえようとする意思はないということをはつきり申されたのであります。従つて、この際私どもの意見としましても、苦しいことがあるならば、これを突破するためにただいまの二十七年度の予算の就学奨励費のようなものをぜひ実現するために、文部当局としても一層努力されたいし、われわれ委員としてもこの点について力を注ぎたいと思う次第であります。私がまわつて歩いております全国の各地においても、特に新制中学の最高級である三年生においては、非常に就学率が悪い。ある地方においては中学全体において七割しか就学していない、三割は出ていない。特に農繁期等においては、非常に出席率が悪い。従いまして、先ほどの課長の御説明にもありましたように、単に生活を保護するとか、あるいは教科書を与えるとかいうばかりでなくて、実はそれ以上に深刻なものがありますことを、よほど注意して考えていただかなければ、われわれが初め憲法を考えたときの日本の教育の最低水準を破壊するという傾向さえ心配せられるのでありますから、ここに特に注意していただきたい。のみならず、先般来私は多くの陳情を受けておるのであります。六・三制が各地で建築物において非常に困難を感じておる。従いまして、これらの点については、今は申し上げませんけれども、将来いずれあとの時間に申し上げたいと思いますが、この拡充のためにも一層力を入れていただいて、そうした困難を克服するようなことに、文部当局におきましても、腹をきめていただきたい。ただいまお話のありました補正予算並びに二十七年度の予算において、確信ありやいなやという質問も、そこから発しておるのじやなかろうかと思います。さらにまた先ほど小林委員からも特に御発言がありました補助の規定ばかりではなくさらに起債というものが、補助以上に問題の大きな解決になります。補助があつて初めて起債というものが許される現在の制度において、この点をよほど大きく同時に考えていただかなければならない。私どもは、地方財政委員会の方にいろいろ相談いたしますと、これはむしろ逆に、国会の方で予算を増してくれろということを言われる。しかし、国会は予算を増す機関ではなく、提案するのは文部省でありますから、こういう点については、文部省はよほど腹をきめて、大蔵省にものを言う場合にも、それが実現するように努力していただきたい。また岡谷委員からの御発言に対して、六・二の声がこの委員会において全然出ないようにしていただくことを特に要望をして、これに対する文部政務次官の確信を、もう一度伺つておきたいと思います。
○水谷政府委員 ただいま笹森委員から、非常に力強い御激励をいただきまして、まことに感謝にたえません。仰せの通り文部当局といたしましては、この六・三制を先金に実施するために、最善の努力を続けておるのでありますが、御承知の通りに新制中学の設備の建築におきましても、もうすでに四分の三は〇・七坪の教室も完成しておりますので、あと四分の一になつておりますから、見通しももうついておるのであります。従いまして、私どもは補正予算といたしまして、単価の値上りの分十九億二千万円をぜひ獲得をしたいと努力を続けておるのであります。さらに二十六年度におきまして、不足分を、ただいまの値上りに換算をいたしますると約五十八億でありますが、この五十八億の分は二十七年度においてぜひとも獲得いたしまして、〇・七坪だけをひとまず完成させたいと考えておるのであります。その後におきましては、先刻ちよつと会計課長から御説明申し上げたのでありますが、最低義務教育費の国家補償、こういつたような仮称をただいまいたしておりますが、これを二十七年度から実現させてもらつてそうして教育財政の確立をはかりたいと思つております。この中には教員の俸給その他老朽校舎も四十年目ごとに改築のできるような予算を盛り込んで考えておるのであります。これはただいまの平衡交付金制度が、地方財政の困難に伴いまして、ややともすると教育費に食い込むことが多いのでありますから、この平衡交付金から、教育に関する経費は別わくにしてもらいたいという考えでもつて、計画を立てておるのでありまして、この点は十分御説明を申し上げまして御了解をいただいて御協力を願いたいという考えを持つております。かようなふうに六・三制の完全実施につきましては、文部省といたしましては、少しも方針がかわつておりませんし、これを実現するために、目々努力を続けておるような次第でありますから、文部委員会におかせられましても、ぜひとも御協力を願いたいとお願い申し上げる次第であります。
○小林(信)委員 時間がないので、大体の条項についてお聞きしたいのですが、今の政務次官の説明された問題は、おそらく昭和二十七年度予算要求額のうちの第六項がこれに該当するもので、これからお議を承つて行きたいと思うのですが、次の機会に譲ることにいたしまして、今問題になつておる今年度の補正予算の、しかもこの六・三建築の補助金の問題ですが、ただいま皆さんのお話を聞いておりますと、文部省の要求するものが非常に実現が困難であるというようなお話であつて、私たちもこれは仄聞しておるわけです。しかしただいま委員長から、断固委員会の要望にこたえて、その実現方について文部省と協力をするというような心強いお話を承つたわけでありますが、しかしわれわれの伺つたものから考えますと、大蔵当局あたりのこれに対する意向というものは、なまやさしいものでなくて、相当根強いものをもつてこの予算を要求通りに通さないようなふうがある。一つのうわさからすれば、大蔵大臣が、教育制度の改正を根本的にやるならば、快く予算を出してもいいけれども、現在の制度そのままにおいては、予算を出すことはできない。ビター文も出すことはできないというふな、無謀な放言までされておることを聞いたのです。あるいはまた一般公務員の行政整理をする建前からして、教員の行政整理もしなくてはならぬが、教育者の行政整理を、簡単に他の公務員と同じようにすることは、非常に政策的にも不体裁である。そこで六・三制という策をここに弄して、行政整理をやるというふうなことまでうわさされておるのです。とにかく国民は、六・三制というもので、その経済的な負担をして、ほんとうに民族の将来、あるいはわが子のためを考えて、あらゆる犠牲を忍んでその実現方に努力して今日まで来たわけです。これがやや完成の希望を見ようとするときに、再び六・三制というようなことがうわさされるとすれば、単に国民が非常に失望するだけでなくて、その政策というものに対して、非常な疑惑を持つ結果になるとも思います。そういう根拠もあるとするならば、委員長のその熱意は、私は十分確信するものでありますけれども、相当これに対しては、政府も文部省も、それから委員会としても、何らかの方法によつてその根拠を明白にして、どうかして六・三予算というものが文部省の要求する通りに実現することを私たちは願いたいのであります。ただいまもそこにお見えになつておられる方たちが、その問題でやはり陳情されておるようですが、この方たちの意向をお伺いしますと、現在の補助金の制度においても、父兄の方たちの熱意を満たすには足りない。もつとこれに対して政府は積極的に予算の計上、その他あらゆる問題を考究されたいということが要望されておるのであります。ことに起債のわくを大きくしてもらいたい。すでに小・中学校において老朽学校が出ておる。これが六・三の新らしい中学校建設のために等閑視されておつて、今危険な状態にある。これも何とかしてもらいたい。あるいは認証外工事に対するところの助成方法も考慮してもらいたい。ことにこれは秋田県でありますが、私は東北地方を見てまわりまして、雨天体操場は〇・七坪の助成に該当すべき性質のものであるけれども、これがいまもつてそのわく内に入つておらない。この際文部省は、積極的に〇・七坪の中にごの雨天体操場も入れていただいて、そうして東北地方の特殊事情というものを考慮してもらいたいということまでも言つて来ておるやさきに、二十六年度の補正予算が全面的に削られるというようなことで、今全国に大きな衝動を與えておるのであります。この際委員長といたしましても、委員長の手腕というものは、もちろん私たちも信頼しておりますけれども、委員長だけでなく、委員会全体の力と相まつて委員会を開くなり、あるいは各関係省をここに呼んでいただいて、そうして文部省の意向等をわれわれからも話をしたり、また関係当局等の意向も聞いたりして、この実現方には一般国民が今不安を感じておるのでございますから、早く不安をなくするように御努力を願いたいと思います。それにつけましても、昭和二十七年度の予算書の第一項、義務教育の充実の問題のところで、先ほど課長さんから、六項の六・三建築補助七十八億二千万円というものの説明をお聞きしたのですが、これはただいまの御説明によりますと、補正予算で実現しなかつた場合にはこの要求をするというお考えですか、ちよつとお伺いいたします。
○寺中説明員 その点は、もちろん補正予算でとるというのが第一目標でありますが、もし行かなかつた場合に、要求が出ていなければ、大蔵省としては考慮できないというような形になるのですから、それで二十七年度に同様の要求を出しておくという、一種の予算提出上の技術といたしまして、そういう形を出しておるわけで百あります。内容は同様なものであります。
○小林(信)委員 私たちは、かつてこの席で、当局から、来年度はさらに〇・七坪を〇・九坪にして、そうして新制中学の整備拡充をはかりたい、これを文部大臣も実現することを確信しておる。こういうことを聞いておるのですけれども、そのわれわれに対する説明というものが、この要求書から見ますと何ら見えておらない。本年度文部省が希望したものを実現することに、今汲々としておるような状態であるということを、そのまま見せておるだけで、積極的なものがないことは、これは文部大臣といたしましても、ここで言明した以上、いささか問題になると思うのですが、その点はいかがですか。
○水谷政府委員 すでに御承知の通りに昭和二十六度の予算の獲得の場合に、私どもは六十三億円を要求したのでありますが、それが皆さんの御援助を得てようやく四十三億を獲得することができました。そこで残りの約二十数億円でありますが、これさえ獲得できれば〇・七坪が完成できる、こういう腹合いでありました。ところが今日になつてみますと、値上りが非常に莫大でありまして、値上りの分、すなわち木造におきましては単価一万六千円を今度は二万三千円に上げる、それから鉄筋でありますと、三万八千円を五万二千円に上げなければ建たない。こういつたような関係でありまして、それを計算いたしますと、値上りの分だけで十九億二千万円というような莫大な額に上るのであります。不足分を計算をいたしますと、ただいま御説明申しましたように五十八億という莫大な数字になるのであります。かように値上りによつて莫大な数字になりますから、私どもはこの際まず〇・七坪だけを完成いたしまして、その後においては別な方法でもつて考えないと実現が困難である。こういう意味合いで、先刻御説明申し上げましたように、教育財政の確立をはかりたい、かような計画を立てておるような次第であります。でありますから、〇・九坪に上げるとか、あるいは中学校の分は一・二坪にこれを拡充するということは、今の場合はちよつと望みにくいと考えております。財政の余裕を見てこれは計画を立てたい、かようにただいまのところは考えておる次第であります。
○小林(信)委員 だんだん文部省の腰が弱くなつて来るようなことがうかがわれるのですが、この際教育財政の確立というような大きな目標を掲げて、こういうことをわれわれは考えておるからというようなこよで、われわれをごまかされると、また前の〇・九坪の問題が、今次官の御説明では、一応ここではさしおいて、〇・七坪完成に一路邁進するというようなことにおちつかれるようなことになるわけですが、やはりこの際この経済情勢というものを考えても、文部省が力強く要望さえすれば、ここで約二十億の値上りというふうな予算をあえてきめなくても済むことになるわけなんです。いたずらに名目的な予算を言うのではなく、実質的に地方の実情というものをお考えになつて、どうしても今回の補正予算というものを獲得しなければ、それぞれ用意されておる地方は非常に困ると思います。おそらく文部省としましては、値上り分の二十億だけでも獲得すればいいというふうなことで、おちつきはしないかと私は心配しておるのです。そんなものでなく、どうしてもこの際〇・七坪の予算が獲得できるように、合計七十何億というこれを獲得するように、私はぜひとも御努力願いたいと思うのです。その上で先ほどの教育予算の財政確立の問題もお考えになればいいので、それをするからしばらく待てというふうな、そういうことはこの際私は聞くことはできない。こういうことを申し上げて、どうでも地方の要望というものを実現するように、御努力を願いたいと思うのであります。
○浦口委員 六・三建築の値上りの点については、委員長初め政府委員にも、いろいろ御努力を賜わつておるのでありますが、これは文部省関係ばかりでなく、値上りによる補正予算は、各省関係とも全面的に認めないというような報道がされておりますが、文部省も各省と同じような意味合いで認められないものか、あるいは大蔵当局は、文部省だけについては各省とは特別に考えておるのかどうか、その点お尋ねをいたします。
○水谷政府委員 私の聞いておるところによりますと、値上り単価について認めないということは、大蔵省の方では、基本的に値上りの方は認めないといつて見えるそうでありますが、ほかのはともかくも、文部省の六・三建築の予算の値上りについては、学校の建築でありますから、これを認めてもらわなければ、所要の教室が建たないのでありますから、これは特にひとつ認めてもらえるものと考えまして努力を続けておる次第であります。なおここに御説明申し上げますと、さきに二十六年度の予算の要求に得られなかつた不足分をこの補正で要求すべきが当然であると私どもは考えておりますが、しかしこの値上りの分が非常に莫大な数字に上りましたので、あわせて要求はいたしておりますけれども、先ほど心持を申し上げましたように、値上りの分だけ補正で獲得ができれば、不足分は二十七年度にまわしてもやむを得ないかもしれない、こう考えているわけであります。ところで、今おつしやつたように、大蔵省が値上りの分は一切認めない、こういうようなことを聞いておりますので、もし十九億二千万円が獲得できないというような場合は、十五箇月予算としてひとつ獲得すべく、二十七年度の予算の要求にもただいま申し上げましたように七十八億の要求をしておるような次第であります。ぜひともこの補正は獲得いたしたいと思いますが、そういうふうなことにも考えております。
○長野委員長 別に質問ありませんか。
○笹森委員 この昭和二十六年度補正予算要求案大綱の一のdについて、ちよつとお尋ねいたしたいと思います。二十六年度発生災害復旧のことであります。ここに四億七千万円の計数が出ておりますが、文部当局においては、この額だけで十分だというお考えでありますか。私どもは、各地において起つておりまするその実際を見ると、非常にこの額では少いように考えますが、これはどういう関係からこういう計数をお出しになつたか。また実際の災害は、総額で幾らであるか、それをカバーするのにはいかなる方法をとるべきか。これは各地の要請についての見通しがあると思いますから、お答え願います。
○佐藤説明員 この数字は府県から来ました数字をそのまま集計したものであります。従つて府県ができると確信のある数字でありますから、われわれとしてはこれを確保することは、府県はできると考えております。
○笹森委員 私の仄聞するところによりますると、これが大体一割にも達しまい、こういうことを実は聞いておるのです。それはあなたの方で実際御調査なされて、実際に受けた災害—単に台風等だけでなく、火災その他によつて幾坪の災害があつて、それを復旧するために今設備しなければならないものと、災害を受けておるもので復旧しなければならない坪数、それに対する補助その他の金について、もし地方で繰りかわしをするというなら、それらの調査ができておるかどうか、お答え願います。
○佐藤説明員 この災害復旧費は、いわゆる特定災害だけでありまして、局地的な火災その他については入つておりません。従つてその問題については、申訳ないのですが、大体火災その他には補助をしない、むしろ起債で見てもらうべく自治庁と連絡をとつてやつております。従つて特定災害に対する数字だけであります。
○笹森委員 文部省としては、その火災等における学校の、特に義務教育をやつておりますものについての方針は、一体どうなつておるか、もし課長でいけなければ、次官からその方針をひとつ御説明願います。
○水谷政府委員 この点につきましては、文部省といたしましては、本心は補助もしたいという考えはあるのでありますが、ただいまの財政上から言いますると、それができないので、起債の方をあつせんをいたしまして復興をしてもらう、こういうことにただいまなつております。
○笹森委員 この一点だけで質問を終つておきますが、私が全国いろいろな各地の状況を見聞いたしまして、六・三制の問題が大きく取上げられておりますとともに、義務教育を与えております小学校の建築物の五十年以上経て非常に危険に陥つて使用禁止になつておるものが、非常に多いと思います。おそらく文部省でも、坪数など出て偽ると思いますが、現に私の見聞しました若干の学校は、毎週一回定時的に校長が生徒に、今でも避難訓練をやつておる。風が吹くと集まれ、そうして校外に出ろ。こういうような非常に危殆に瀕しておつて、身命の危険を感ずるような学校がたくさんあります。それが単に風のときばかりでなくて、雪の積るというようなときに、いつつぶれるかわからぬというような状況にありまするものを、それをこの小草校において一体どれだけの——今のお話では、起債のことはせわするということでありますが、大体小学校においては、補助はやつておらぬような傾向です。しかし特殊の場合においては、ぜひとも補助をやつてもらわなければならない。それで非常に危険を感じておる特殊の問題を補助の対象として考えておるかどうか。しかもこれはまた二十七年度の予算においてぜひ頭を出していただいて、この危険な状況を救つていただかなければ、義務教育を無償とする憲法の建前からいつても、これは人道上の問題だと思う。従つて、文部省で使用禁止の危険建築物が幾つあるかおわかりでありますればお示しを願い、さらにそれに対する対策をことではつきりと、私どもの安心の行くような文部当局の御発言を要望いたして私の発言を終ります。
○水谷政府委員 私どもも、笹森委員と同様、小学校の老朽校舎の改築に対しましては、助成をいたしたいということを考えておりますが、何分にも六・三制の中学校の建築補助の予算が思うように獲得できませんので、手がまわりかねておるような次第であります。従つてただいまは助成しておりませんが、今後においてはそれも助成の対象にするように、計画は立てておるのであります。詳しい点は、佐藤施設課長から御説明申し上げさせます。
○佐藤説明員 現在四十年以上の危険な校舎は、百六十六万坪あります。それを全部国で救うことは、とうていできませんので、特に緊急性があり、特に危険であるというものをとつてみますれば四十四万八千坪あります。これをできれば来年度から補助して行こう、またそれに伴う起債もとつて行乙うということで考えております。資料は後ほど差上げます。
○長野委員長 約束の時間がずつと過ぎましたから、最後に委員長におきましては、この二十日に委員会をもう一回開きまして、予算その他の問題について十分審議をなし、皆様の御熱意をひとつ発揮していただいて、関係各大臣の反省をも促したいものであると考えます。(「大蔵大臣を呼べ」と呼ぶ者あり)もちろん大蔵大臣は一番関係が深いから、関係各大臣というのは、大蔵大臣も含んでおります。 なお次に、皆さんが全国的に非常に熱意のあることはけつこうですけれども、毎年の予算関係からすると、昨年も二十三億以上は六・三制の建築に出せないと言つたのが、四十三億に二十億増額したのも、ほとんど期限が最後に迫つて解決したことでありまして、最近とかくのうわさが出ておりまするけれども、これは予算の計上に関する大蔵省の手心というか、その他従来行われておる慣習的な現象でありまして、にわかにこれによつてびくびくすることは、かえつてわれわれの腰を弱めるおそれがありますから、二十日においては、さらに皆さんお互いに腹をこしらえまして、理想の実現に努力せられたいと思います。 もう一つは、圓谷委員から先ほどお話がありましたように、自由党としては決して六・三制を六・二にするというようなことを、私どもに通知はして来ておりません。それはいろいろ議論もありましようけれども、われわれには、そういうことをはつきりして参つておらないのであります。でありますから、これらの問題につきましても、お互いに十分腹をこしらえまして、万一さような議論がありましたならば、よくその理由を聞いて、その理由に基いてこちらが正しき判断を下して誤りなき予算の実現をするようにいたしたいと存じます。 本日はこの程度で終りといたします。 午後零時三十五分散会