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11回国会衆議院1951/08/22

人事委員会 第1号

発言数
83
登壇者
8
会派数
3
開催日
1951/08/22

会議録

田中伊三次自由党

○田中委員長 これより人事委員会を開きます。  議事に入る前にお知らせ申し上げます。かねてより閉会中審査を申し出ておりました公務員の給与改訂問題に関する件については、去る十八日議院の決議によつて当委員会にその審査を付託せらるることになりました。  またもう一つは、一昨二十日に人事院より国家公務員法第二十八条及び一般職の職員の給与に関する法律第二条第三号の規定に基く一般職の職員の給与に関する報告及び勧告が国会に提出せられました。この二つをお知らせ申し上げておきます。

田中伊三次自由党

○田中委員長 ただいまより公務員の給与改訂問題に関する件を議題といたしまして審査を行います。まず最初に一昨日提出せられました一般職の職員の給与に関する報告及び勧告につきまして、人事院より説明を聴取いたします。山下人事官。

山下興家人事官

○山下(興)説明員 ただいま委員長からお話がありました勧告につきまして—報告は省略してもいいと思いますが、勧告につきまして少しく補足しながら御説明したいと思います。俸給につきましては、われわれの根本観念といたしまして公務員は罷業権がない、団体交渉権もないわけでありますから、この公務員の待遇については十分にわれわれは考慮しなければならぬというので、争議の必要がないように、交渉の必要がないように人事院としては正しい行き方を考えなければならぬというのが根本の精神であります。そうしてこれは旧憲法のように、天皇陛下からいただくお金ではなくて納税者から公務員に国民に対する奉仕の代償として支給せられるのでありますから、私どものとつた策は、公務員も満足さすと同時に、納税者も十分に満足さす数字でなければならないという立場をとつておるのであります。それではどうすればいいかと申しますと、公務員の平均の生活水準を国民の生活水準に合すということであるなら、これは異議をとなえる国民もないだろうし、それからまた国会はその代表者であるから、みんなに賛成していただけるものだ、こういうふうに思いまして、それで民間給与を詳しく調べたわけであります。     〔委員長退席、田中(重)委員長代理着席〕 それで実は、今度は今までの調べ方よりは相当進歩したつもりでありまして、この前は十四級の六号という一番上の点をとり、下は十八歳くらいなところで、給仕や何かの者の摂取カロリーを国民平均の水準に持つて来て、その二点を通過した等比級数の線を書きまして、これに合すという行き方であつたのであります。ところが今度はそれよりも少し精密にやる必要があると思いまして、六級、七級、八級、九級、十級といつたように、一つずつの級の職務を分析いたしまして、それが民間で同じような職務に従事している企業体の、五十人以上の事務所などに勤めている人間の毎月きまつて受ける報酬をきれいに調べ上げまして、大体七百箇所くらいの所について調べたのでありますが、今度それを結びつける線をきれいに引いて行きました。ですから今度はもう一点上とか下とかでなくて、全部にわたつて民間の給与にぴたつと合うように考えた次第でございます。そうしましたのがいつであるかと申しますと、三月の現在であつたのであります。これは勧告する時期は、これを予算に組み込んでもらうのに十分な予備知識を持つてもらう必要がありますから、それの補正予算に組み込まれる時期に十分に間に合うようにということと、それからできるだけ最近の数字によるということのために、実はこれを五月に補正したわけであります。何で補正したかと申しますと、毎月労働省で勤労統計が発表になりますから、それによりまして三月と五月の一般の給与の上りぐあいを三月の実績にかけましたから、結局われわれが見つけたものは何であるかと申しますと、五月末の実績を調査したということにお考えくださつてよかろうと思うのであります。それによつてそれに合せて行こうということでありまして、それで五月末に、それでは公務員の給与をかりに切りかえたとしたらどうなるかということをまず出しまして、それからあとの七月末までの昇給時期その他がありますから、結局それが考慮されまして、七月末現在でここへつけ加えてありますような切りかえ表を使いましてでき上つたものは、俸給だけで八千八百八十四円となるのであります。それが俸給でございます。  それから扶養手当の方は、御承知のように今六百円、六百円、あと四百円、四百円というふうについておりますが、これは民間の給与を調べてみましても大体そんな線でありまして、少しずつ減りぐあいではありますが、顕著でありません。それで今まで通り六百円、六百円、四百円、四百円というふうにいたしますと、一人当り八百八十円ということに相なるのであります。  それから勤務地手当の問題でありますが、これはまだ採択になつておりませんけれども、二割五分、二割、一割五分、一割、五分というような五段階になつておりまして、それの勤務地はどこであるかと申しますと、今年の五月十七日に勧告いたしましたあの地域をそのまま使つていただきたいということできめましたところが、それが一人当り千二百四十九円と相なるのであります。  それから特殊勤務手当は、実は去年は二百八円でありましたのを二百五十円ということにしておるのでありますが、これはもう少し詳しく研究いたしまして、この特殊勤務手当というものの性質によつてもう少し分析いたしまして、整理して行きたいと思つております。  それでそういうことにいたしましてこれを全部平均いたしますと、今申しましたように七月末の実績で八月一日からこれを実行するものといたしますと、一万一千二百六十三円ということになるのであります。これは俸給と扶養手当と勤務地手当、特殊勤務手当というものが含まれておるのでありますから、そのほかの超過勤務手当だとか寒冷地手当だとか石炭手当だとか、こういうものはこの中には含まれておらないのでございます。  それから特別手当というのがあります。これはこの前は年末給ということで一箇月分を支給されることを勧告したのでありますが、その後、今まで申し上げましたようにきまつて支給される金額以外に、ボーナス式のもので年間を通じてどれだけ支給されておるかということを調べてみますと、大体一・四箇月分となつております。これは私どもの調査もそうなつておりますし、それから毎月勤労統計でもやはり同じように一・四箇月と出ておるのであります。これは実は日本の慣例といたしまして、年末だけでいいかどうか、六月末といつたようなものも多少はいるのではないかということも考えまして、六月末と年末とをひつくるめまして一箇月分としたのであります。それが一・四箇月をなぜ一箇月にしたかといわれますと、これはきまつて支給するような給料に比べて非常に不安定なものでありますので、やはり一箇月分というくらいな程度が適当であろうというふうに考えたわけでございます。  それから奨励手当というのがありますが、この奨励手当と申しますと、これは大体現業でありまして生産高がすつかりわかるもの、すなわち数量的にはつきりしたものに対しましては、奨励給といつたようなものをこしらえますと能率増進に非常になる次第でありますから、今度はこういう制度を一般行政の者でなくて、大体現業の方に従事する人にひとつきめたい。それの範囲なんかはこまかく研究いたしますし、それからまたどういうふうな支給をするかといえば、これは予算の範囲内でなくてはならぬと私どもは思つておるのであります。能率給でありますから個々に出るはずのものではない、そう思いますから、これについてどういうふうな支給方法になるかというようなことは、こまかく現場の一つずつできめていいものだと思いますが、それについては人事院が関与して、どういう組織であるか、どういう配分方法であるかということをよく見て、適当であればこれを承認したいと思つておるわけであります。  もう一つけ加えたいと思いますことは、郵政、電通、それから通産省のアルコール工場だとか、印刷庁、造幣庁、そういつたいわゆる現業は、どうも中に勤めている人の種類が違う。どう違うかというと、もともと民間の企業であつてもよさそうなもので、生産に直接従事する。行政の方でありますと、そういうものを指導監督するというのがおもでありますけれども、そうでなく直接生産に従事しておるという種類のものが相当ございます。これについては、人数の多いことでもありますし、何も係長とか課長とか、そういう位地につかなくとも、一生涯ずつとその業務に従事するという人が相当ありますから、これは一般行政とはどうも性質が違う、それで特別俸給表によつて、これをちようどぐあいよいようにして行こう。という意味は、熟練度によるわけです。熟練度というものは、職業がかわつて上つて行くのと性質が違う。初めのうちは熟練が早く行きますが、年月が長くなりますと、そんなに上らない、しかしその人はやはり生計を立てておりますから、そういう特殊性を十分考えまして、これを新たに特別俸給表の中に入れたわけでございます。  とにかくこういうことをいたしまして、まず予算の中に編成していただきたいという希望で今出したのでありまして第十二国会には法律案として出て行きますから、それは法律案としてはいろいろ訂正すべきところがあると思いますが、もしも間に合うならば給与準則をこれに持つて来ましてそれによつて国会において審議していただきたい。そういうふうに考えておる次第であります。一応の説明はこれで終りたいと思います。

田中重彌自由党

○田中(重)委員長代理 次に内閣側の御意見を承ります。菅野官房副長官。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 ただいま人事院から御説明がございましたように、今月の二十日に公務員の給与に関する報告と同時に、改訂の勧告が両院の議長及び内閣総理大臣にあててあつたのでありますが、政府といたしましては、これにつきましてただいま関係の省において検討中であります。昨日この勧告につきましては閣議に報告をいたしまして、今後検討して早急に結論をきめるという態度をとつておる次第でございます。でき得れば補正予算とともにこの次の臨時国会には出したいという目標をもつて、作業を進めております。  今回の給与改訂の勧告を拝見いたしますと、前回の八千五十八円の勧告に比べまして非常に調査が精密でございまして、われわれその人事院の御努力に対して深く敬意を表する次第でございます。ことに民間給与の調査につきましては非常にたくさんのケースに当りまして、多くの職種別の精密な調査をせられまして、それをしかも各級別に公務員の俸給表に反映させるために俸給表をつくつておるということは、非常に科学的な統計の方法であるというふうに敬意を表しておるわけであります。従いまして八千五十八円の勧告のときに、われわれといたしまして非常にふしぎに思つておりました点が逐次直つて参りました。あのときに一般職の職員の給与に関する法律を政府案として国会に提出いたしたのでありますが、その法律案に盛られた考え方と人事院の勧告とやや違いまして—いろいろ御説明を申し上げたのでありますが、そのときにわれわれの考えておりました点が逐次人事院の認めるところとなりまして今回の勧告におきましてはそれが非常に接近した考え方になつておるということは、私ども非常に喜んでおる次第であります。たとえば十八歳の男子の独身者に中等度の労働を行つておる人の基本給を、俸給表のどこの点にとるかということにつきまして、この前の勧告におきましては二級の一号にとつておりましたのでありますが、われわれは、二級の一号にとるということはどう考えても実績の上からいつて妥当でないというふうに考えまして、これを二級のちようどまん中の四号にとつたのでありますが、その後人事院で年齢別の職員の数等を検討せられまして、二級の平均年齢が十八・六歳であるということを見出されまして、それによりまして二級の三号にとられたということは非常に妥当であつたというふうに考える次第であります。それからそれを基準にいたしまして今回はその中間におきましても、民間給与の各級別の実績を反映させたのでありますが、一番高いところを十四級の六号にとりまして、それで俸給表の線をつくつたわけであります。その上下の差も、先般の勧告におきましては八・三倍であつたのでありますが、今回はそれが十倍以上に開いておるということは、わが国の経済情勢あるいは労働情勢の変化ということも考えられますが、われわれがつくりました先般の給与法に対する考え方と逐次非常に似て来た、言いかえればわれわれの考え方を人事院の方で認めてくだすつたということについて喜んでおる次第であります。  その他こまかい点はまだ精査してございませんが、一言私どもの方で不審に考える点を申し上げますと、これはまだ詳しく調べた結果でないので、すぐさまこういう意見を申し上げるということはどうかと思いますが、民間給与が最近におきまして大体二割程度の値上げをいたしておるのでありますが、これはわれわれの記憶するところでは、税込みの給与が二割上つているというふうに承知しているわけであります。     〔田中(重)委員長代理退席、委員長着席〕  しかしがら今回の俸給表の実際を見ますると、税込みの新旧の両給与の差を見ますと全部二割以上でありまして、二割から三割、四割、五割と、上級に行くに従つてその差は大きいのでございますが、いずれにしましても、最低でも二割三分か六分ぐらいになつているわけであります。税を引きますと大体二割前後、これは上の方でも下の方でも大体二割前後というところになつておりまして、前の給与に比べて、手取りにおきましては二割ということになつておりますが、その間民間の給与に合せるというようなことが、ただいま人事官から御説明がありましたように、公務員の給与をつくる非常に基本的な考えでございます。民間給与に比べて二割上つておるというのはあくまで税込みのことでありまして、税引きではないというふうに記憶いたしておりますが、この点が今回の俸給表についてまず気がついた点でございます。  それからもう一点、成年男子の独身者の基本給でございますが、今回は四千二百円ときめてございます。この前は三千三百四十円ということにきめてございますが、これは税引きで見ますると、前回は二千八百九十五円、今回は三千五百九十二円になるわけでございます。この税を加えての計算でございますが、こういうふうな点も詳しく調べなければわかりませんが、今回は約六百円加えております。前回は約四百四十円ばかりになるのでありますが、こういう点も多少おかしいのではないかというような気がいたします。なおまた詳しく調べて、目下減税というようなことも考えておりますので、こういう点について、この勧告の数字をかえなければならぬじやないかということも懸念されておるような次第であります。いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、目下この内容の詳細について検討中でございまして、いろいろ不審がありますれば、また人事院の御説明を伺いまして、早く結論を得たいと思つておりますが、政府といたしましては、国家公務員法の定めるところによりまして、この勧告につきましては十分に尊重をいたす考えでおります。ことに先ほども申しました通り、今回は非常に複雑な、また努力のいる調査をせられまして、りつぱな勧告を出されましたので、われわれといたしましてはこういう調査の結果につきましては十分に尊重をいたしまして、早く財政方面ともにらみ合せまして、結論を得て給与法の改正の案をつくりたい、かように考えておる次第であります。

山下興家人事官

○山下(興)説明員 今の菅野副長官からお話がありましたことについて、今わかつておることだけをちよつと申し上げておいた方がいいと思います。それは民間給与が二割増しなのに、今度の公務員は三割ぐらいになつておるじやないかというようなお話がありまして両方とも税込みであるということでありますが、その通りでございます。ただこれは昨年の五月に比べてということでありまして、どこに比べてということは、その比べる基礎が、そのときに両方正しい状態にあつたと仮定すると、それは二割であれば三割になる道理がなくて、二割のわけでございます。ただ昨年の五月は民間の給与よりも及ばないで少かつたのであります。それでわれわれの方ではいつより何パーセント増とか何とかいうことは全然考えませんで、民間の給与の現状が幾らとつておるかということをこまかく調べてなるべくそれに合したいというのが趣旨でございます。それでより多く言い表わし方において科学性を持つと思うのであります。ちよつとお考えになると、一方は二割で、こつちは三割でおかしいじやないかと思われるのも無理はないのですが、前のは民間給与に公務員は達しておらなかつたのだ。すなわち勧告もそうであつたと申し上げる次第であります。  それから四千二百円の十八歳の者についてのお話でございますが、これは実は米価が入つておるのである。先刻申しましたように、十八歳の成年男子が摂取しますカロリーということから計算しましたのは、いつでもやりますように、理論生計費によつて、その十八歳の男子の給与はきめるのであります。そのきめるのは理論生計費でありますから、八月一日から米価がかわるということなら、そのかわつただけを入れましよう。但し今度は税で引くじやないかといえば、それはまたそのときに引くという事実があれば引いてもよろしい。とにかく予想でなくて、現実にどうなつておるということで行こうというので、米価が実は入つておるのであります。それで普通よりも少し高く出ておると思います。しかしこれはほんの二級三号、三級くらいな程度の影響でありまして、その他四級、五級、六級とずつと全体については、民間の現状の給与に合したのでありますから、今度米価が上つたために、民間の給与に影響があつたら、そのあつたときに初めてまたこれを研究するというのでありまして、米価が上つたから、すぐここへ幾らと全部に考えなくてはならぬということはとらないわけであります。結局一万一千二百六十三円の中心にほとんど総平均としては米価が入つていないということでございますが、今の十八歳へんのところだけ理論生計費が入るということでございます。それだけ弁明しておきます。

田中伊三次自由党

○田中委員長 質疑の通告がありますから、これを許します。平川篤雄君。

平川篤雄国民民主党

○平川委員 この勧告の詳細な点については、また別の機会を与えられるそうでありますから、ごく基本的な、しかも思いつきの点だけをお伺いしておきたいと思います。  ただいま官房副長官の方から非常におほめがありましたが、先ごろ新聞紙上に千五百円ベース・アップを十月から施行するというようなことが伝えられて、公務員諸君の心胆を寒からしめておるのでありますが、それはどの程度信憑性があるのでありますか、お伺いしたい。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 この点は私も新聞で見たのでありますが、まだ政府といたしましては、ただいま大蔵省で補正予算の編成の作業をやつておる最中でございまして何ら公式的にきめたものはございません。従いまして千五百円で十月からというようなものも政府の発表ではないことはもちろんでございまして、まだきまつていないと申し上げるよりほかないと思います。

平川篤雄国民民主党

○平川委員 それに付随いたしまして大蔵大臣がしばしば、今度の分は国家公務員だけ予算の手当をするけれども、地方公務員の方は独自の立場におまかせするというような言明をしておられまして、各地方自治体においては非常な脅威を感じておるのですが、この点はどうですか。

稲田耕作大蔵省事務官(主計局給与課長)

○稲田説明員 今補正予算を検討中でございますが、これはまだ何らきまつたものでございません。研究中でございます。

平川篤雄国民民主党

○平川委員 研究中ということはやめるということもあり得るという意味ですね。それはそういう意味ですか、はつきりひとつ……。

稲田耕作大蔵省事務官(主計局給与課長)

○稲田説明員 やめるというわけじやないと思いますが、一般に地方財政の苦しいことは大蔵省の方でもわかつておりますし、それから最近におきましては、府県知事の会議もございまして、いろいろな詳しい御説明を承つております。それで主計局といたしましては、給与だけの問題でなくて、地方財政の実態を各府県別につかもうという作業を今いたしております。まだその実態の調査の段階にあるわけであります。

平川篤雄国民民主党

○平川委員 御研究中であるというので、しばらくその様子を見ることにいたしますが、最近人事院の廃止ということが政府筋からしきりに出ておる。あるいは内閣の一部局にするとかいうような案があるのでありますが、これは相当熟しておるものと私どもは判断をせざるを得ないのであります。しかし御承知のように団体交渉権、争議権というようなもの、あるいはそのほか国家公務員法、地方公務員法におきまして、大幅に国民の基本的権利というものを縮小せられております公務員の立場を守るために人事院ができております本旨から考えまして、政府はかようなことをおやりになるということになりますれば、当然公務員法の廃止ということをお考えになつておるのであるか。あるいは何かそのほかの方法を用意せられておるのであるか、まず一点お伺いいたします。  それからついでにもう一つ、三割の行政整理をいわれておるのでありますが、これも最近、これは座談でございますが、大蔵大臣非常な決意を示しておられたのであります。しかし行政整理ということにつきましては、必ずそのあとの受入れ態勢と申しますか、自由党内閣におかれても、やはり完全雇用というようなことについては、非常に御関心をお持ちになつておると思うのでありますが、そういう御用意がありまして、お考えになつておることであるか、この二点についてお伺いしたい。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 ただいまの御質問に、人事院の廃止について政府筋からというお話が、ございましたが、政府として、は人事院あるいは国家公務員法の今後の処置について一声もまだ発言をやつたことはないのでありまして、おそらく政府が政令その他の法令の改正についての検討をお願いしておりますところの委員の方々が、ときどき集まつてこういう問題についても話合いをいたしますが、先般行政制度のことについて話合いをいたしましたときに、そういう話が出たことが新聞紙等に載りまして、それが政府筋の発言と誤まり伝えられたのではないかというふうに考える次第でありまして、政府といたしましては、このことについて何らまだ結論ももちろん得ておりませんし、発言したことは、ございません。リッジウエイ司令官の声明によりまして、占領中にできました法令の検討をする権限を日本政府は与えられているのでありますが、それを政府自身がやることはもちろん当然でございまするがそのために多くの人の意見を聞くという意味におきまして七・八人の方々に特にお願いいたしまして、いろいろな法令についての改正意見を聞いている次第でございます。これは新聞紙等によつて御承知の通りでございますが、そのいわば政令審査審議会というような会議がいろいろ点について今検討を加えておりまして、行政制度の改正ということもその一つのテーマになつているわけでございます。そこで人事院を廃止して総理府に人事局というよなものをつくつたらどうかというようなことを考えているようでございます。しかしこれはあくまでもそういう人たちの意見でございまして、従来経済法令について、あるいは労働法規等につきまして、そういう人たちの意見がまとまりまして、内閣に答申をして来ておりますが、これをそのまま政府が改正法律案として出すというようなことは考えておりません。政府は独自の考えでもつて、そういう人たちの意見も参考にはいたしますが、新しい独自の考えでもつて新しい案をつくりまして、いずれ国会に出すということになると思います。人事院の点につきましても、ひいては国家公務員法全体につきましても、今後検討して結論をきめることでございまして、まだ何らの結論も得ておりません。しいて政府の考え方を言いますれば、政府は人事院が発足以来、国家公務員の全体の利益の保護あるいは国民負担との関係上、非常に努力して来られたことについては敬意を表しこそすれ、決してこれ軽視するような考えは持つておりません。  第二の点の行政整理の話でございますが、これも今とまつたく同様でありましてまだ政府の案はきまつておらないのであります。先般政令審査委員の方でもつていろいろ打合せをせられた結果、一つの結論のようなものが出て参りましたが、その結論におきましても、三割というような大きな数字は出ておりません。新聞紙等でもつて一部発表になつておりますから御承知と思いますが、全体の一割二分三厘というような数字でございます。しかしこれはあくまでその審議会の結論でございまして政府がどういう案をつくるかということにつきましては、目下行政管理庁を中心としていろいろ検討中でございますので、そういう段階であるということを御了承願いたいと思います。

平川篤雄国民民主党

○平川委員 ちよつと関連してお尋ねといいますか、今後よく指導をしていただきたいと思いますことは、前々からよく公務員の数が国民の七人に一人というようなことが国会内でも相当いわれておりますし、新聞やラジオでも最近もそんなことがいわれているのでありますが、そういう数がすぐアメリカなどの比率と比較せられる。しかしわれわれがしろうと考えでございますけれども、いわゆる鉄道にしても電話事業にしても、ほとんどは民間事業になつておりますのを、日本ではこれが公共企業体あるいは政府の事業になつている実情というものを考えると、これは当然の数字じやないかというような気がするのでありますが、そういうようなことに対して一向指導もせず、輿論は七人に一人の公務員を養つているのだ、そのために税金が高くなつているのだ、公務員を整理することが必要なんだというので、自由党の諸君なんか大分人気を得ているようにも聞いている。こういう点で政府ははつきりした数字をお持ちになつているのかおらないのか。あるいは持つておいでになるとすれば、そうした一つのデマと申しますか、そういうものに対して手を打たれる必要があるのではないかというふうに考えるのでありますが、当局の御見解を承りたいと思います。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 お話の通り、外国の公務員の数と比べます場合におきましては、国営事業等が必ずしも同一でございませんし、また行政組織も非常に違つておりますので、にわかにこれを同じような考えでもつて比べるということは非常に誤解を招くと私ども考えております。いわゆる七人に一人とか、あるいは七軒に一人とかいう数字につきましては、あるいは公務員の家族を入れてみたり、あるいは公務員の中から公共企業を除いてみたりいろいろの数字がございまして、どういう数字でいつているかわれわれもわからないこともあるのでありますが、国民一人当りとか、あるいは国民が公務員一人当りについて何人になるかというようなことは別といたしまして、どうしても必要な仕事をするためには公務員が必要であるということは当然でありまして、私ども政府部内におきましては、公務員の一人当りの能率を上げるということについては、各方面からいろいろ検討しておるのでございますが、必要な仕事をする公務員をただいたずらに整理して国民負担の軽減をするということでは、政府の責任が果されないというふうに考えております。しかしながら一方考えますと、戦争以来あるいは終戦後のいろいろ複雑した事情によりまして、公務員の数が急激にふえておる。戦争開始前に比べますと、多いものは十倍以上にもなつており、少いものでも三、四倍というふうな数字になつております。非常にふえておるばかりでなく、今後ますますふえる傾向にあるように思われますので、この際何とか政府のやつておる仕事の能率を増進すると同時に、現在やつておる仕事が、はして国民のために現在の財政状況からしてなくてはならないものであるかどうか。もちろん、あればいいということはどの仕事でもそうでございますけれども、現在の財政状態とにらみ合せて、必ずしも今こういう仕事をやらなければならないかどうかというような点について検討いたしております。もしかりに将来はやるにしても、現在の苦しい財政状態からみて、これを省くことができるという見通しがつきましたならば、その仕事は省いて公務員の数を少しでも減らしたい、こういう考えは持つております。それからやはり統制経済以来の習慣で、国民の自由にまかしておけばいいような仕事でも、いたずらに許可、認可、届出というような事項が多うございまして、そういうことをするために、国民の自由なる活動を阻害しておる向きがありはしないか、あるいはまたいたずらに行政機構が複雑をきわめまして、国民に迷惑を与えておるのではなかろうか、こういうふうな点をいろいろ反省、検討いたしまして、できればこの際不要な仕事をやめまして、公務員の数を減らしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

田中伊三次自由党

○田中委員長 先ほどの平川君の質問に関連をして、ちよつと私確かめておきたいと思うのですが、給与改訂の問題は目下研究中である、こういう答弁なんですが、研究中であるということは、改訂するかもしれぬ、改訂せないかもしれぬというふうに聞える。これは聞く方もどうかと思うし、言う方もどうかと思うが、給与の改訂はこの際何とかやりたい、こういう考えのもとに、給与改訂に伴う財源の捻出についてせつかく努力研究中—どの程度に改訂を行うかということについては研究が完了せなければ言明できない。その意味において研究中である、こういう趣旨なのか。あるいは新聞に書いてあることはまつたくでたらめのことで、そういう方面には向つていない、やるのかやらぬのかもわかつていないというのか、その点はどうなのかということをひとつ—ここは国民的影響の非常に深いことですから、あまり消極的に陷らぬように、その点はもう少し積極的に、さしつかえない限度で話をしてみてください。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 先ほどのお答えの言葉が足りないでまことに申訳ありません。研究ということは、先ほど初めの方に委員長が仰せられました通りであります。政府はかねてから公務員の給与の改訂ということについて検討しておるのでございまして、人事院からも勧告が出るということを漏れ承つておりましたので、その勧告の出るのを待つておつたのでございますが、二十日に勧告をいただきましたので、目下その勧告の内容についていろいろこまかい点を検討いたしまして、その上で財源あるいは方法等につきまして詳細な、具体的な案を考えたいと思いまして、その検討中であります。するかしないか検討中というわけではないのでありましてする考えでもつて具体的な案をつくるのに目下研究中、こういう意味でございますので、御了承願います。

平川篤雄国民民主党

○平川委員 ただいま行政整理等についていろいろお考えを承りましたが、大体私もその点ならば了承をするのであります。人員の整理よりも機構の整備、合理化というような点から割出される点については私も異存はないのであります。ただそこで給与の問題に返つてお伺いをしておきたいと思いますことは、とかく政府では財政的見地から予算の範囲ということを非常にお考えにならざるを得ない点があるわけです。ところが中では今度の米価問題なんかに現われましたように、予算のわくというものが、かえつて米価の本質的な制定というものを阻害をしておるような向きがある。従来人事院の勧告と政府の案というものが衝突をいたしました多くの理由はそこにあるのでありますが、今回民間給与に近づけて考えたという点に、原則的に副長官は御賛成になつておるのでありますが、ただいまのように行政整理の問題は別といたしまして、民間給与を下まわらない程度のものにするという原則についてはお認めになつておるわけですか。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 お尋ねの点は、この前一般職の職員の給与に関する法律の改正案を出しましたときにもるる申し上げました通り、政府も民間給与を下まわらない給与を公務員に与えたいという気持はまつたく人事院と同一でございます。先般の法律の改正案につきましては、多少人事院と見解が違いまして、違つたような数字になりましたけれども、俸給表のつくり方等についてはまつたく同じ考えで、同じ数字を使つてやつたことは御承知の通りであります。ただ予算の点を全然考慮に入れないで、純科学的に出して来るのが人事院の勧告でございまして、政府はこれを実施案とする場合におきましては、どうしても公務員の給与ばかりでなく、ほかのすべての支出あるいは歳入を考えまして、予算のわくをきめなければなりませんので、人事院の勧告そのままを実行するということは原則としてはしたいのでありますが、必ずしもできない場合も多いのでございます。そういう場合におきましても、先ほど私から申し上げました通り、人事院の調査、数字あるいはその考え方等についてはわれわれは十分尊重いたしまして、それと予算上の要求とをどういうふうに調整するかということについていつも苦心をするわけでございまして、やはり税を払う国民の負担ということと、公務員の給与を何とかしなければならないというこの二つの要請を考えて、一つの具体的な案をつくりまして、最後の御決定は国会の方にお願いする、こういう段取りになると考えておる次第であります。

平川篤雄国民民主党

○平川委員 ただいまの副長官のお考えはいつでもわれわれと対立するところでありまして、ただいまここで長々と論議をする気持はありません。また将来いろいろ検討をしなければならぬときが来るだろうと思いますので、本日はそれは留保いたしますが、それでは最後にお聞きいたしたいのは、大蔵大臣は今度の講和の全権として向うにおいでになるのでありますが、それまでに補正予算の大体はきめて行くかのようにいわれておるのですが、一体どの程度それが進行ておるか、もしさしつかえなければ、給与予算としてはどのくらいのものならば出すことができるかというようなことをお伺いいたしたいのであります。そのほかに、この次の臨時国会は当然この補正予算の関係とにらみ合せて開かれるものだと思いますが、一体いつごろお開きになる予定であるか承りたいと思います。それに先だちまして人事官の方から、この補正予算改訂に要する予算は大体どのくらいになるか、それの増額の程度はどのくらいかということを一応承つておきたいと思います。

稲田耕作大蔵省事務官(主計局給与課長)

○稲田説明員 ただいまの御質疑でございますが、この二十日に、補正予算につきましては朝から省議をやりまして一応未決の問題はありましたが、即日その晩から内示をいたしまして、それでただいまは夜を徹しまして、各省の復活要求に対しまして事務当局が折衝中でございます。そしてこの復活要求には、御承知のように二千億近い要求に対しまして、大蔵省原案といたしましては、四百億ちよつとの数字で査定いたしました関係上、非常に深刻な復活要求があるようでございまして、いつまでこれがかかるということは、われわれとしてまだ見通しがつかないのでありますが、大体全権団の御出発は三十日ごろと承つておりますが、それまでには大体大綱を決定してお出かけになるというお気持のようでございます。補正の段階は今そういう段階でありますが、給与のべースにつきましては、一応わくを検討いたしまして補正の交渉は進めております。従いまして大体この復活要求のきまり方によりまして、われわれの四百億をちよつと出た原案に対しまして、どのくらいの復活を認めなければならないかという問題がありますし、一方におきまして、また主税局関係におきまして勤労所得とかそういう税法の改正でございますが、そういうものを検討いたしておりますから、そういうものと相まつて、お尋ねのベースにつきましてもそういうものがそろいましたときにはつきりいたすと思います。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 臨時国会のお尋ねがございましたが、まだ政府はこの次の臨時国会をいつということはきめておりません。私の個人的の見解を申し上げますと、今度の臨時国会におきましては、平和条約の承認を求めるという関係上、早くても九月の末あるいは十月の初めごろじやないかというふうに予想されております。それから先ほどのお尋ねで、今大蔵省の方からお答え申し上げましたが、大蔵大臣が全権団の一人としてアメリカへ参ります前に補正予算の大綱だけでもきめたいという気持は持つておつて、今その線に沿つて作業を進めておるようでございますが、かりに大蔵大臣がアメリカへ参りましても、そのあとには内閣法に基く代理の国務大臣ができますので、臨時国会に出します法律案あるいは補正予算案の提出には支障のないようにいたしたい、かように考えておる次第であります。

田中伊三次自由党

○田中委員長 その数字は人事院でわかりますか。

山下興家人事官

○山下(興)説明員 私どもの方では予算にどれだけ影響があるかということは、ちよつと申し上げにくいのでございますが、私どもの方でかりに概算しましたところによると、いつからそれを実施するかということで非常にかわるわけでございますが、八月からにしますが、とにかく年間でいいますと、十二箇月分だと政府機関で三百六十二億、国鉄、専売その他政府関係の機関で百八十四億、そういう概算が出ております。

平川篤雄国民民主党

○平川委員 地域給のことで一言お尋ねしておきたいのですが、この新給与改訂計画の概要を見ますと、とりあえず去る国会に発表せられましたあの案を大体考えておられるようでありますが、御承知のようにこれに対して全国から相当な反撃が起つておるのであります。その中には妥当なものも妥当でないものもありますが、何といたしましてもあの勧告案を政府案として出さなかつたということが、非常にむつかしい問題になつておると私は考えるのであります。あれが曲りなりにでも実施されておりますならば、今回またやり方もあるのでありますが、あの昨年の五月を基準にいたしました地域給の原案がいまだに実施もせられず、しかもそれをそのまますえ置きして、このたびの給与勧告にもそれを使われるということについては、よほどこれは人事院としても責任を感じられなければいけないと思うのです。なおこの秋から職階制に基く給与準則も行われるということでありますが、一体どういう時期に勤務地手当を改訂せられる意思があるのか、あるいはまた元からの案のように、だんだんと幅を縮めて、五段階を四段階なり三段階なりにして行くというのは、われわれも賛成をしておるところでありますが、そうしたことは一体どのような時期におやりになろうとするのであるか、できれば今回の大幅な給与引上げの機会というものは、もともと人事院が言われておつた絶好の機会だと思うのでありますが、このことについて前々国会におきまして、私は人事院がこの地域給の基本的な調査をせられる予算というものを全然とつておられないということについて、それでほんとうによろしいのかということを念を押してお尋ねしたのでありますが、出先機関を使うからけつこうだというようなことであつたのです。一体やはり同じように今でもそのお考えをかえておられないかどうかというようなこと、この給与改訂の勧告に基きまして、従来の地域給の勧告をどういうふうに扱われるおつもりであるのか、はつきりこれをいろいろな点からお話を願いたいと思います。

山下興家人事官

○山下(興)説明員 ただいま勤務地手当のことについて平川さんからいろいろお尋ねがありましたが、私どもも、この地域給については十分研究を前からしております。それは前にはあまり合理的でなかつたものだから、これを何とかして多少でも合理的なものにしようと思つて、一年半以上かかりまして、そうして御承知のように三百八十都市のCPSや何かをすつかり調べまして、研究はしたのでございます。この前みたいに出しましたが、いろいろな事情のためにまだこれが実施されておらないということは、まことに残念であります。これはできるだけ早い機会に実行されるように私どもは希望しておるのであります。それについていろいろ改訂をすべきものがあるというお話で、今のように一年半もかかつてこしらえたものがまだ実行されないのに、また改訂をしなければならぬということになると底止するところを知らないというわけでございまして、これは私どもよく申すのでありますが、ぼろ着物の破れたのを、片方をつくろうと、また片方が破れるというようなわけで、これは絶対に合理的にするということはほとんど不可能な問題でありますから、平川さんがおつしやるように、それはぜひ早くなくしたいのだというわけでございますが、ただなくするのには、今のように生活給であります以上は、ただなくするわけにはいかぬと思う。何とかしてこれを適当な方法を講じたいと思つて、せつかく苦心しておるのでありますけれども、どうもこれは給与ベースを上げるという考え方と、地域給を取払うという考えとは、一緒にできないもののような感じがするのであります。それで地域給をなくするのは、たとえば東京の人が暮らせるようにするというのには、二割五分は減すわけにもいかぬようだ。そうすると元来の給与というものは地域給といつたようなものがないのでありますから、場所によつて給料が違うわけはないのでありますから、全国打つて一丸として、これを一ぺん二割五分にして、それを今度は給与に繰りかえて行くと、確かになくなるわけなのであります。但しそれをするためには一人当り千円くらいかかるのだ。なかなかこれはたいへんな仕事でありまして、どうしたらいいのかまことに困るのであります。今度改訂の勧告をいたしましたのも、私どもはあれは決してまつたく合理的なものとは申しません。ありとあらゆるところにぼろが出て来るわけでございます。しかしとにかくそういう状態であるから、一ぺん実行してから、今度これをきれいになくするというのは別のまた国策として考える必要があるのじやないだろうか、そういうふうに思つておるのでございます。ただ今度の勧告の中に改訂を入れなかつたのはどういうわけだとおつしやれば、それは予算にえらく影響するほど改訂をしなくてはならぬものだというふうには、今のところまだ考えておらないのでございます。幾らかそれは予算には関係はするでありましようが、そういうものはまだほかにもたくさんありますから、それで今度の意見の申出のときに、法律案として申出るときか、またその近くにあるいは多少は入ることがあるかも知れませんけどれも、それまでの間十分研究をいたしまして、ぼろの中でも、多少は着られるようなものにしたいと思つておる次第でございます。

平川篤雄国民民主党

○平川委員 山下さんのお答えは、気分としてはなかなか私も同感でございますが、おつしやることにはずいぶん矛盾があり、それから人事院の当局自体がそういうことをおつしやつたのではたよりなうてしようがありません。ひとつはつきりと方針を立てていただかなくちやいかぬと思う。これは相当大きな政治問題にもなつていると思う。そういうようなわけでありますから、本日は私もそれ以上追究することはやめますが、はつきりした態度、計画をもつてお臨みを願いたいと思う。これは当然給与体系を考える場合に、やめるならやめるように考えて行かなくてはならぬし、それから今度地域給の勧告自体を改訂する場合には、やめる立場から考えてみるということも必要である。そうすると相当性格のかわつたものが出て来るのではないかと私は思います。それが全然その方針がないために、今おつしやるような御答弁しかできないのだろうと私は思う。どうかこれはまだ今からでもおそくないのでありまして、臨時国会の開かれるまでに何らかの結論を見つけていただきたい、こういうふうに考える次第であります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 この次に機会を私に与えていただけるということでございますから、簡単に質問申し上げたいと思います。  先ほど山下人事官の方から御説明がありましたのに対して、政府の方でそれに答えられまして、官房副長官から、民間の給与が基準になつておるというふうな御説明があつたと思います。この民間の給与の基準になつておりますものが、こちらにいただきました資料によりますと、官房副長官の方ではたいへん政府の意見が取入れられたというふうに賞揚されておられるようでございますけれども、十八歳の基準の賃金が新給与水準は大体四千四百九十円というふうに押えられておると思うのでございます。これは米の値上りその他も含められて十八歳前後のものにはそういうものを考慮されてきめられておるというような人事官の御説明でございましたけれども、その点について民間が一体どのくらいになつておるのか、民間のどれくらいのものにこれが相当されておるかというようなことについて御答弁願いたいと思います。

山下興家人事官

○山下(興)説明員 今のは十八歳で四千四百九十円というのでなしに、勤務地手当がないところで考えましてそれに税が加わりまして四千二百円ということになつております。十八歳でございまして義務教育を済ましたところでございますから、給仕といつたような程度のところでございます。それがまず親がかりでなしに、独立の生計を営んでおるものと仮定いたしまして、それで計算したのでございます。米価が入つておるのは、これは理論生計費でありますから、入ることができるのであります。また今度税引だとなつたら、また引いてもいいわけでございます。ところが先刻申しましたように、これは二級、三級といつたようなところだけにしか影響がないのでございます。四級、五級というずつと上の方は、みな民間給与にぴたつと合しておりますから、そういう情勢が米価の改訂、その他租税とかいろいろなものが影響しまして、民間の給与に将来何か変化が現われて来ましたら、そのときにまた勧告をし直すということにしたいと思つております。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 いろいろな変化が現われて参りましたらという御答弁でございましたが、もうすでに石炭にいたしましても、米価にいたしましても値上りいたしまして民間では十八歳が大体七千五百円くらいの要求をいたしているように承つております。十八歳七千五百円で一万五千円ベースの要求というのが、大体民間の今の常識になつているように思うのでございますけれども、そういう点はどういうふうに考慮なすつておられるでしようか。

山下興家人事官

○山下(興)説明員 私ども十八歳のところは、これは理論生計費でありまして、民間が幾らだというところはそこでは押えておらないのであります。もう少し上の方の四級とか五級とかいうようなところを民間ので押えておる。しかしそれは税込みでの勤務手当なしで、四千二百円を下らないことという気持でおります。民間ではここら辺になりますと、実は年齢層にいろいろな差がありまして、割合に年をとつた者が入つておる。それでたとえば小使なんか、子供があつたりしまして、民間給与はここら辺で急激にかわつたりしております。人員構成が違いますから、それでこの下の方は私どもは理論生計費で行くというので、立場がちよつと違うのでございます。民間の給与はもう少し上の方について考えるというわけでございます。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 どうも御答弁の趣旨がよくのみ込めないのでございますけれども、理論生計費の元になりますものは、やはり生活ができるということが基礎になるのだと思うのでございます。そうでございますね。

山下興家人事官

○山下(興)説明員 さようでございます。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 それが基礎になつて、民間では七千五百円の要求が出ておると思うのでございます。先ほど官房副長官から御説明願いました中で、政府としては喜ばれておりますこの方式が、私ども現業で実際に働いておる者、またいろいろな行政面を担当されておる者に直接接触しております国民の側の考え方を聞きまして、それを代表してのいろいろな意見を総合いたしますと、実際に現業の仕事をやつておる者の給与というものが非常に低い。それからテーブルで指揮し、監督しているような人の給与が非常に高い。上と下の開きが非常に多いということが、最近の給与べースに対する国民の納得の行かない一つの疑問であつたと思うのであります。それが二・一スト以来、二千九百円ベースのときが十倍になりまして六三べースのときが七倍、現行は八・三倍というふうに開きが少くなつておりましたのが、政府では今度喜んでおられるようでありますが、今度の勧告では再び十倍強という開きが出て来た。どういう理由でそういうふうになすつたのか、その点についてもう少し御説明願いたいと思います。それを申し上げますと、これは公共企業体の例でございますけれども、実際官公庁でもございます。窓口で実際に国民と接触している者、国鉄で申しますならば、車を取扱つております連結手、操車掛、庫内手、機関士、こういうような人たちが職制が下で、そのためにベースが改訂になりましても幾らも恩恵にあずかることができない。かりにベースを千五百円改訂いたしましても、実質的には百円か二百円しか上らない。それでも国民からはベース改訂で千五百円上つたとか、いや今八千数百円もらつているとか言われて、非常に現場で働いている若い青年層、実際非常に重い仕事をしている連中は困つている。困つているだけでなしに、実際にやめて行つているわけです。ですからそういう点も御考慮の上にべース改訂が行われなければ、実を伴わないものになると思うのでございますけれども、十倍強の開きができたという根拠について、人事院はどういう御判断でこれをなすつたのか、また政府はどういう立場でこれを喜んでいるとおつしやつているのか、その点につきまして御説明願いたいと思います。

山下興家人事官

○山下(興)説明員 この最低と最高の比率というものはなかなかむずかしいのでございまして、純理論から申しますと、いろいろなことが考えられるの、であります。しかし現在は生活給から能率給に移りかわる途中でありますから、私どもは民間給与を調査して、かくのごとくなつておるというので、それに盲従をするという立場をとつておるのであります。なぜかというと、そこにひとつもイデオロギーを入れないで行こう。という意味は、われわれの給与というものは、今これを上げてもらいたいということを国民の納税者に訴えるのであります。そうすると国民としては、国民全体の平均の生活水準に公務員を持つて行くのには異議がないだろう。そうすればその中の低いものと高いものとの比率といつたようなものも、人事院なんかがかつてにある種のイデオロギーをもつてきめるべきものではなかろう。民間の給与もだんだん生活給から能率給にかわりつつあるのだから、その状態をそのまま持つて行こう。この前は八・幾らというものが多いと思つたけれども、世の中がだんだんかわつて来て、現実に一〇になつたのだから、もう私どもはそこに何らの理念を入れないで、出たところをそのままをとつたといつたら国民は納得してくださるだろう、そういう気持で行つておるのでございます。これがもうりつぱに生活給と離れてしまいますと、今度はほんとうの給与という立場で、われわれは理念的にこれをいろいろ考えたいと思つておるのでございます。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 先ほど私、人事院の今回の勧告につきまして意見を申し上げておいたのでありますが、その中で上下の差が結果的に十倍以上になつておるということは、この前の政府の案に対して大体似たような数字になつたので、その点は人事院が政府の考え方を認められたのであるといつて喜んだと、こういうふうに申し上げたのでありまして、この前の八千五十八円のときの勧告では、十八歳の成年男子の生計費の基準を今度のものよりずつと下にとりまして、それから次官級の十四級六号というのを民間の最低のものにとつておりましたために、上下の差が八・三倍ということになつておりましたが、政府はこれに対しまして別の考え方をもちまして、その最低の基準給をちよつと上げまして、それから十四級六号に普通の民間の対等の給与を当てましたので、その結果として十倍以上になりまして、それが改正案として国会の御承認を得て法律になつたわけでございまして、現行では十倍以上になつておるわけでございます。それと同じような考えで、結果的に見て同じようなことになりましたから喜んだのまでありして、別に別の意味があるわけではございません。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 山下人事官のお話によりますと、イデオロギーをもつてやつておるのではなくて、むしろ民間給与に盲従して行くというのが建前であるというような御答弁でございましたが、さようでございますか。

山下興家人事官

○山下(興)説明員 その通りでございます。これはわれわれがもう少し理念的に動けばいいじやないかとおつしやるかもしれませんが、しかし納税者にお願いして、何とかしてこの際公務員の給与を上げてくださいというのならたれ一人も反対があつては困るのでありますから、民間の給与に合しさえすれば、これはもう何も理念が入らないのでありますから、これに対して反対を唱える人はないだろうということであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 そういたしますと、少くとも国家公務員の給与を勧告される人事院といものの国民に対する指導性というものがほとんどないのではないかというふうに考えるのでございますが、私どもといたしますれば、民間ではもうすでに臨時工というようなもの、あるいは何も労働組合などで保障されておりませんような人たちの給与は四千二百円くらいでございまして、普通働いておる労働者、きまつて組合に組織されておる民間の一般にいわれておる常識的な労働者の給与ベースの要求というものは、実質的に給与されておるのは十八歳で六千円を下つておりません。大体それが標準になつて来ておるというのが、私たちの常識になつておると思うのであります。そういうような少しでもいい面は、この給与ベースの勧告案では盲従はなされておらないように思います。組合にも何も組織されておりません臨時工のような—非常に今政府の失業政策、行政整理やその他首切りの政策によりまして失業者はふえているが、保障されていない労働者の標準がここに入つておる。全官公の労働者は保障されて、組合もございまして—かりに形式的でありましてもまだ組合があるのでございましてそこに取入れられる給与ベースの標準というものが、今問題になつております臨時工の四千二百円程度が標準になつておるというのは、これは少し妥当ではない、こういうふうに考えるのでございますが、その点につきまして実例を申し上げますと、これは北海道でも東京でもそうでございますけれども、使う方では臨時工がなぜいいかと申しますと、給料が安くて、あなたがおつしやるいわゆる能率給の組織が非常に巧みに—利潤の追求が目的になつておりますから、巧みに会社の方では取入れておりまして、給与は安いけれども、徹夜をしてみたり、休日をとらなかつたり、時間外をやつたりして、能率給でもつてからだをすり減らして実際の収入を上げるというやり方をやつておるわけでございます。それを全官公の労働者の方に—超過勤務の予算もない、いや何もかもないという予算のわくでしばられております全官公労働者の給与の中にあなた方がお組みになつて、それがいわゆる利潤を追求することを目的にしている民間の給与形体に盲従して公務員の給与をきめるというのでは、あまりにも不見識ではないかと思うのでございますが、そういう点につきましては、全官公の能率給というものはどういうふうにおやりになるつもりでありますか。

山下興家人事官

○山下(興)説明員 今は昔と違いまして、公務員の給与が民間の給与よりもよほど下つておるのであります。それでせめて民間の給与の線までにまずこぎつける。これについては納税者の異議なく承知してもらえるだろう、すなわちそれの代表者である国会も承知してもらえるだろう、そういう最低線を今行つておるのでございまして、それで決して満足するわけではないのでございます。それは生活給の問題であります。今十八歳の問題がちよつと出ましたが、これはこういうことでございます。ずつと民間の給与にならつて行きましたけれども、その最後の給仕というようなところに行きますと、急激に民間では高くなつておる。それは実情にそむいておると思うのでございます。なぜかというと、民間では非常に年をとつた、子供を持つたような人で小使になつておる人がたくさんあります。しかし公務員ではそういう人がないのでありますから、公務員の十八歳というところは、カロリー摂取は国民の平均カロリー摂取でよかろう。それで住居費、衣類費その他を入れまして勘定をしたところで、四千二百円は東京のようなところでなく、東京になりますと五千三百円ですか、それだけあれば何とか暮せるという最低線をそこで押えたわけであります。その一点だけを民間の給与に合すというのとはちよつと差がありますけれども、これはそういう民間の給与からその一点離れたということには、理論があるわけであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 それでは、これで最低線が保障されておるという見通しのもとにこれが組まれたわけでございますか、それとも先ほどおつしやいましたように、米価の値上りその他の値上りが現実に現われて来た場合には、それもまた考慮して、新しい勧告案がなされるという前提のもとに、この勧告案がなされたのでございますか。

山下興家人事官

○山下(興)説明員 今申しましたように、二元的に考えておりますから、十八歳のところに行きますと、理論生計費で行つておるから、米価が入つておる。そのほかは米価の影響をまだ受けておらぬのですね。たとえばこれは三月のところで調べておりますから、八月以後の米価の上り方は影響を受けておりません。それでその受けていないのについて調べたわけであります。それでこれから後何箇月か経つて、米価が上つた、あるいは税がどうなつたということで、民間給与にまた影響がありますれば、そのときにまたそれにならつた別の勧告を出すつもりでございます。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 官房副長官にお尋ねしたいのでございます。今講和を前にいたしまして、先ほど平川さんの御質問にもありましたようですが、池田大蔵大臣がすでにお立ちになる前に、補正予算をお組みになつていらつしやらなければならないというような状況になりましたのは、これはやはり昨年の七月ころの物価を基準にして、ダレス氏の来る前に組まれた予算であつたというところに、大きな原因があつたと承つております。そうしてしかもそれが朝鮮内戦のために非常に大きな影響を受けまして、日本の予算というものはほとんどめちやくちやになつてしまつて、現場をまわつてみますと、現場では十一月で一年分の予算がもうなくなつてしまう。これは資材などの関係でございますけれども、そういうようなことが現われておると思うのでございます。そういたしますと、今改訂を行おうとする標準になつておる物価が、本年の三月でございまして、生活の中での重要な主食その他の値上りがまだ行われていない前のものが基準になつておるというようなことで、この勧告がやられようとしておるわけでございますが、今人事院の山下さんのお話を聞きますと、そういう状況が現われて来たらば、また勧告案を出そうというお話でございます。そういたしますと、国民の生活というものは毎日々々追われておりまして、もう米が上つて現実に配給をとる金に困つておるのでございます。これが官公吏の主婦たちの毎日の生活だと思います。だから内職をしても何も追いつかない。生活はもつとめちやくちやになつて来ておる。もう現実に米は上つておる。そういうやり方がいわゆる官僚式だといつて今まで非難の的になつていた元ではないかと思う。それに対しまして民間では、たとえば富士鉄のようなところでございますれば、夏季手当をぽんと一万五千円も出す。あるいは税金を全部会社が負担してしまう。都民税は全部会社が負担して、本人たちは一文も負担しないという便宜が行われるのでありますけれども、スト権を奪われました官公庁ではそれができない。ですから非常に苦しみがあるわけです。ですから勧告を行う場合には、こういうような公務員の特殊な立場というものを御考慮になりませんと、すぐまた実質的には生活の内容がかわつてしまつて来る。そういう無責任な勧告案というものをお出しになることも、あるいはこれをたいへんりつぱだとおほめになることもおやめになつて、むしろ現実の現状に応じたものを出すべきだと考えるのでありますが、これが山下人事官の御答弁によりますと、あとでまた追加されなければならない、そういう場合もあるだろうということでありますが、そういうことにつきまして、官房長官の方ではどういうふうにお考えでございますか。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 目下のところでは、九月あるいは十月に臨時国会を開いて補正予算を出す考えております。これはお尋ねのように、いろいろ経済界の情勢がかわつたために、当初の予算をそのまま実行することができない面もございましようし、また新しい情勢に即応した、新しい支出の点もあると思います。詳細はまた補正予算ができましたときに御討議を願いたいと思うのでございます。それにつけ加えまして公務員の給与でございますが、公務員の給与は、御承知の通り一銭といえども法律なくしては出せないようになつております。従いまして、新しい情勢に合せるためには、どうしても新しい法律を出して国会の御審議を経なければならぬわけでありまして先ほどもたびたび申し上げました通り、今度の臨時国会におきまして給与法の改正を出しまして、できるだけ最近の情勢に合せた、また国民負担の点等もにらみ合せた、一つの具体的な改正案を出しまして御審議を願いたい、かように考えておる次第であります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 非常に抽象的なことしかおつしやいませんので、お伺いしても無理だと思うのでございますが、しかし事態の困窮というものは、そういう政策が続けば続くほど防ぐことはできないと思いますので、もう一言念を押しておきたいと思うのでございますが、これは三月の基準でありまして、現実に米その他上つております。今の公務員の生活におきましては、この勧告案でもまだ改正しなければならぬ、不十分だというふうに私ども考えられるのでございますが、山下人事官はどういうふうにお考えになるか、また政府は、それに対してどういうふうにお考えになるか、この点をひとつ伺つておきたいと思います。

山下興家人事官

○山下(興)説明員 それは私どもの最初からの立場でありますが、すべて何もかも政府機関などによつて発表せられた過去の事実によるのであつて予想は許さないという立場で私ども来ておつたわけであります。それでインフレになりますと、もちろんだんだん上つて行きましよう。デフレなら下つて行く。それを予想をすると、まことに都合のいいものが出て来ると思うのでございます。ところが私どもは、数学は決して予想を許さぬという、これを鉄則として出発しておりますから、今でもそういうふうになるわけであります。それで三月のだけれども、三月ではあまりひどいから、五月までの間はいろいろな統計が出ておりますから、そういうものによつて補正をして、五月までは行く、五月から先はまだ統計が出ないから、見ないのだという立場でございます。インフレだと、それは実情に沿わぬじやないかと言われると、それもそうかもしりませんが、しかしこういう方法をとつて来たものですから、今さらちよつとこれをかえろというつもりはないのでございます。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 お答え申し上げます。政府の方といたしましても、やはり数字的な根拠をもちまして、具体的な案をつくりませんと非常に困るのであります。従いまして人事院と同じようなことが言えるのでありますが、ただ政府は、今後の施策等も取入れるということができますので、たとえば減税をするような場合におきましては、そういうふうなことも頭に入れるというふうにして、具体的な案をつくるようにして、なるべく最近の数字で、そして最近の情勢に合うような給与法をつくりたい、かように考えておりますが、目下のところは、先ほど申し上げました通り、まだ具体的な案ができませんから、具体的に数字をあげてお答えできないことを、非常に遺憾に思います。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 おつしやいますのは、勤労所得税の問題でございますか。それを引かないようにするというようなことを考えているのですか。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 勤労所得税というか、つまり所得税を減税する場合におきましては、そういうことも考慮に入れる場合もあるわけでありまして、今度の場合というわけではございませんが、そういうふうなことも考えられるということであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 そういたしますと、引くということが考慮されているだけでございますね。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 減税をいたしますには、減税案を出しまして、国会の審議を経なければならないのでありまして、まだそういうふうなことも具体的にきまつておりませんが、かりにたとえば、人事院とまつたく同じ立場にありまするが、政府の方は施策ということを自分で考える立場にありますから、将来の施策もそれに加えて具体的な案ができる、かように例をあげて御説明申し上げたわけであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 給与につきましては、実情にはふさわしくないと思いますけれども、今のところやむを得ないというような山下人事官の御説明であつたと了承いたしてよろしゆうございますね。これに関連いたしまして、これはもうすでに現実の問題となつて、たいへん大きな生活問題として全国から、ことに寒冷地からの要求なのでございますが、石炭とか寒冷地の手当の問題について、一言御答弁をいただきたいと思います。  御承知のように、戦争によりまして石炭の値段が非常に上り困つておるわけでございます。ことに北海道では、家庭用暖房炭の貯炭は一つもございません。全部特需のためとかその他のために運び出されてしまいまして、買えない状態が起きて非常に困つております。それだけではなしに、官公吏は、人事院の勧告によりますと、とうてい買えないではないかというようなことで、非常に困惑いたしております。それにつきまして、政府の方ではどういう方法でこれを保障なさろうとしておるかという点、それと人事院の方では、勧告をどの程度までお進めになつていらつしやるかという点、こういう点につきまして、まず石炭手当から御答弁願いたいと思います。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 石炭手当につきましては、先般人事院から意見書が出て参りまして、六千二百カロリーで一トン五千円の単価できめるべきであるというふうな御意見が出て参りました。政府はいろいろ検討いたしまして、最近の資料等もとりまして、これを従来の例と振合いを保つ意味におきまして、五千二百から五千六百カロリーの平均のカロリーの石炭の値段一トン四千七百円といたしまして、これは運般賃等も入つておりますが、四千七百円といたしまして、先般、八月末日をもつて支給することにいたしました。従来は八月と十月の二回に半分ずつわけてやつたのでありますが、ただいま御質問のような事情もよく承知いたしておりますので、なるべくこの際夏季におきまして入手するのに便宜のように全部一回に全額支給する、こういう方法をとつた次第であります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 そういたしますと、四千七百円といたしますと、三トンでございますと二方四千百円を一回に支給するということでございますか。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 さようでございます。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 これは増田官房長官のときに三トンの現物を確保する。しかも燃える石炭を三トン確保するということが約束されていたと思うのでございますが、その観点からいたしますと、これは税引その他がありまして、前には三トン買えないような、二トン五分も買えない、二トン三分くらいしか買えないという状況であつたのでありますが、これは現物が確実に三トン渡るというように、税も差引かないということになつているし、燃える石炭が保障されるということが考慮されているかどうかということにつきましてお伺いしたいと思います。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 政府は石炭手当を法律のきめるところに従いまして出すよりいたし方がないのでありまして、法律には石炭をやれということはないのでありまして、石炭代を渡すように、それから税金も所得税法には特に石炭手当だけ減税するというふうな規定がございませんので、何ともいたし方がない次第でございます。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 そういたしますと、税はやはり差引かれることになりますと三トンの保障ができないことになります。政府の方では三トンが基準になつて、今三トン分幾ら幾らというようなお話であつたと思うのでございますが、その点はどういうように御考慮になつておりますか。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 これは給与でも何でも同じでございますが、現物をそのまま支給するという考え方の場合は別といたしまして、石炭手当といたしまして三トン分の石炭手当をもらう場合におきましては、それから税法の定めるところによつて税金を引かれるというとはいたし方ないことでありまして、その結果あるいは現実には二トン半しか買えなかつたというようなことが起り得る場合があると思いますが、これは法律の規定上何ともいたし方がない、かように考えております。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 いろいろの不都合な税法につきましては、改正の先例もたくさんあると思うのでございます。ことに資産関係の税金なんかにいたしましても、いろいろ関係方面の勧告をおいれになつて、非常にすなおに改正なさつた例もあると思うのでございまして、この石炭手当などにつきましても、これは政府が権限をお持ちになつているのでございますから、税法を改正なすつてこれを国会にお諮りになる、あるいはこれはその他いろいろな方法があると思うのでございますが、それをおやりになるお考えはございませんでしようか。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 ひとりこの問題ばかりわでなく、税法の改正において、なるべく税を安くしようということは現内閣の一貫した方針でありまして、検討中でございます。

淵上房太郎自由党

○淵上委員 ちよつと時間が経過いたしましたが、きわめて簡単にただいまの質問に関連して、この機会にお伺いしておきたいと思います。大蔵省がお急ぎのようでありますから、ちよつとお伺いいたします。先ほど御説明がありましたように、現在補正予算に対する要求、その要求査定並びに復活要求等の経過概要をお話になりましたが、この給与改訂による要求また復活要求の事実があつたかどうか、ちよつとお伺いいたします。

稲田耕作大蔵省事務官(主計局給与課長)

○稲田説明員 お答えいたします。今の査定の問題は、給与ベースの問題は一応わく外にいたしまして、その他の経費についてやりとりをやつておりますが、結局これがどういう点で最終的にきまるかという問題が残りまして、ひいては財源に関係がいたして参るものでございますから、一応復活要求が終るまでは、財源の点におきまして問題が残るわけであります。

淵上房太郎自由党

○淵上委員 ただいまの御説明を伺いますと、この給与改訂による原予算に対する不足額、新規所要額というものを、先ほど質問応答がありましたが、はつきり御説明がなかつたようでありますけれども、これは今の要求の問題と別扱いだ、現在の段階においてはわく外に置いた、かように御説明になつたものと了承してよろしゆうございますか。

稲田耕作大蔵省事務官(主計局給与課長)

○稲田説明員 実は人事院の勧告もまだ未発表でございましたし、またその他の資料といたしまして主税局が用意いたしております勤務所得のいわゆる基礎控除ないしは扶養控除に対する考えもまだ最終的でありませんので、一応わく外といたしまして、ほかの経費について復活要求を内示いたしたいのであります。

淵上房太郎自由党

○淵上委員 ちよつと時間が経過しましたが、きわめて簡単にこの機会にお伺いいたしたいと思います。先ほど人事官の御説明によりますれば、また前にもそういう御意向を伺つたのであります。勤務地手当というものは将来やめたいというような御意向のように拝承いたしております。私どもは大体本俸あるいは扶養手当等が現在より相当上げられて、少くとも一応生活に支障がないという程度まで参りますならば、勤務地手当というものは現在いくらか減してもよいのじやあるまいか、あるいは現在の制度の五段階をもう少し簡素にしてよいのじやないか、かように私は平素考えておるのでありますが、それではいかなる場合にその勤務地手当を減額するかという問題を考えるのに、先ほど山下人事官からの御説明によりますれば、今度の給与改訂とは別個の問題に扱つておる、かようにお話になつておるのであります。私は勤務地手当を減額するような場合はすなわち給与を上げて要するに生活に支障のない給与全体の適正化ということから考えまして、俸給並びに扶養手当を上げた機会に、勤務地手当を減額するという方法でなければいけないというように考えておるのでありますが、このたびの新給与の勧告にあたりましては、勤務地手当は考慮に入れてないというお考えを御発表になつておりますが、一体勤務地手当を、先ほどお話のように、将来漸次やめるとか減して行きたいという考えは、いかなる場合、いかなる機会にこれができるとお考えになつておりますか、私この機会にお伺いいたしたいと思います。

山下興家人事官

○山下(興)説明員 われわれの勧告の基礎となりましたところは民間の給与であり、そのときはどういうふうにして調査したかというと、結局東京にある者としましてそれをまず考える、そうして二割五分のついたところから今度はあとの操作に移つておるのでありまして、勤務地手当が入つておつて、なお足りないから今度はベースを上げるということを勧告するのでありますから、どうもその中から勤務地手当を差引くということになると、ちよつと勘定がまた合わなくなつて来るのであります。それで勤務地手当というものをほんとうになくするということなら、東京の人でもやはり生活ができるようにする必要がある。そうすると勤務地手当がない状態において、今度は民間との比較にしなくちやならぬ。そうすると今のよりも、大体において一人当り千円くらいもう少し上げなければ解決しないだろうと思うのであります。結局どういうときに解決するかといわれますと、国策としてこれを何か考えて、この際勤務地手当というような、変なものを置いておかないようにする。これは人員の交流の上からいつても何からいつても、非常に不ぐあいだから、ああいう生活給はできるだけ早く取去るという、国策としてここに財源が与えられれば、すぐにでも解決する問題でもあります。それでなかつたら、これは今のところちよつとぐあいが悪いのでございますが、デフレにでもなれば多少でもやれるかしらん、あるいはまたこの勤務地手当をなくすのに、一ぺんにやるのは金がかかるから、二段にやつて行こうというようなことも考えられる。つまりどうして金が出るか、金を出す余裕があるかどうかということによつて、この問題は処理されるものだと思つております。

淵上房太郎自由党

○淵上委員 もう一つ内閣にお伺いいたしたいのでありますが、この給与改訂の勧告は、いずれ国会へ提案をされ、あるいは審議される。これは当然議決以後に実施されるものだ。かように解釈するだろうと思うのでありますが、米の値段は八月一日から上り、また近くふろ銭も上る。ガスも郵便料も、これは国会の審議を要するでしようが、すでにだんだん上つて来ておる。そこで改訂給与の実施は遡及することはないと思うのですが、さように解釈すべきものか、お伺いいたします。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 理論的には、遡及してはいけないということはないのでありますが、今までの例等からいいますと、遡及することはなかなか困難であるというふうに考えております。しかしまだ具体的な案が全然きまつておりませんから、遡及するかしないか、いつから実施するということは、ちよつとここで申し上げられないのであります。

淵上房太郎自由党

○淵上委員 もう一つ同じ問題でありますが、勤務地手当も、現在一月二日から施行されているのは、第十二条第三項に規定する法律が実施制定施行されるまでの間ということで、百分の二十五、百分の十五、百分の五というふうに暫定的に三段階に規定されておるのでありますけれども、すでに今日まで八箇月間その暫定で実施されたのであります。この勤務地手当につきまして、遡及させることを国会が決定すれば、内閣においてもこれは異議はないのでありますかどうか、その点を伺つておきたいと思います。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 法律できめるということは国会の自由でございますが、ただ、こういう給与のようなものはすぐ予算にも影響いたしますから、うらはらとなるところの予算の見通しがつかないと実施不可能ということになるのじやないかというふうに考えておる次第であります。勤務地手当につきましても、できるだけ早く改正法を出したいと考えております。

淵上房太郎自由党

○淵上委員 ただいまの予算の関係でこれは当然のことでありますが、先ほどの山下人事官から御説明のあつた問題も要するに財政の問題であり、財源の問題である。財源が豊富になれば、何も勤務地手当を今減らす必要もないわけであります。財政の制約を受けるからこそ、私どもは本俸が上つた機会にでも、それとにらみ合せてある程度の勤務地手当を減額を考慮する。そういう機会がなければ考慮されないのではないかということを考えておるのでありますが、ただいま官房副長官の御説明にありましたように、やはり勤務地手当を何箇月か遡及させる、たとえば十月に決定されましても八月一日に遡及させるということ、これは財源の問題に相違ありませんが、先ほど申しましたように、御承知のごとくすでにもう一月から暫定の勤務地手当が支給されておるのであります。十月になりますと、あと一、二箇月で今年は済んでしまう。この一年公務員の立場があまりにかわいそうであつたから、少くとも勤務地手当に関する財源だけはこの機会に、これは特に内閣に考慮をしていただくように要望いたしておきたいのであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 行政整理について一言だけお伺いいたしたいと思います。  先ほど平川さんから御質問がありましたときに御答弁があつたのでございますが、私あまり確実に伺つておりませんのでお聞きするのです。今各官庁、市町村などをまわりますと、市町村長から市町村会議員までが非常に関心を持つておりまして、役場の事務ももうやれなくなるというので、この真相を早くきわめてもらいたいということを、非常な熱望をもつて私どもに対して言われておるわけでございます。国政調査に出かけましても、これは政党政派を超越してやつていただきたいというようなたくさんの請願があつたわけでございまして、政府の方でもこの点について、でき得るならば御答弁が願いたいと思うわけでございます。そこでこれは私の聞き間違いだと困りますので伺いますが、先ほど一割幾らというような官房副長官の御説明であつたと思うのでありますけれども、それが行整政理の基準であるというように拝承してよろしゆうございましようか。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 お答え申し上げます。先ほど私がお答えいたしましたのは、政府の案ではないのでございます。政府が法律、命令の改正についていろいろ御研究を願つている委員の方々の結論といたしまして、大体人員は三十八万、それは全体の公務員について中央地方を通じて一割二分あまりになるという結論が出たのを、それを政府は聞いておるだけでありまして、政府の案でも何でもないのであります。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 私の伺つたところでは、政令の審議のいろいろの委員会でこれが上申されたというようなことでございますが、そうでございますね。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 はい。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 そういたしますと、やはり一割二分三厘というようなことが案として出されておりますれば、政府はこれに基いていろいろ御検討になると思うのでございます。ただいまも御質問になつておりました勤務地手当のことですらも、予算のわくの限度でというようなお話がありましたが、毎年毎年の給与ベースその他も、予算の方が先にきまつておりまして、それからいろいろのものが割り出されて来るというようなことがいわれておると思うのでございます。人員整理というような審議会でいわれましたことは、もう少し根深いところに根拠を置かれまして、改廃すべき諸官庁あるいは委員会、審議会というようなものまでも具体的に論議に上つておるというように承つておりますが、この一割二分余りというようなことは、ただ審議会の方だけではなしに、政府の方でもこれに対応した御見解がやはりあると思うのでありますけれども、そういう基準についてはまだ何ら進展していないのでございますか。どういう状態でございますか。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 先ほどお答え申し上げました通り、その答申を参考にするということは事実でございます。それからまた政府自身といたしましても、先ほど申し上げたような意味において、行政制度の改正を考えていることも事実でございます。しかしながらまだ答申が出ただけでございまして、政府独自の案をつくる立場に目下ありますが、その案はつくられておりません。きようもこれから検討しようと思つております。

柄澤登志子日本共産党

○柄澤委員 ベースの改訂が現実に予算の問題に上つて来ておるのでございまして、これと行政機構の改革というようなものは、やはり切り離すことができない問題だと思うのでありますが、現在問題になつておりますベース改訂と行政機構の改革とは同時に行われるものでございましようか。それともベース改訂は当分今の定員法の定員に基いて行われて、行政機構の改革はもつとあとの問題になつて来るのか、その点についての政府の御見解を承りたい。

菅野義丸内閣官房副長官

○菅野説明員 私どもの方では、ベース改訂と行政制度の改正とは必ずしも関連しておるというふうには考えておりません。まつたく別々のものが個々に行われるというふうに考えております。

田中伊三次自由党

○田中委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつてお知らせすることにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時二十二分散会

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