公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
- 発言数
- 33 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/10/08
会議録
○水田委員長 それではこれより公職選挙法改正に関する調査特別委員会を開会いたします。
○並木委員長 議事に入る前に、ちよつと委員長に確かめ、かつ要望する事項があるのですが、発言をお許し願います。 実は先日新聞、ラジオなどで承知したのですが、来る英国の総選挙に、国会から調査のため、視察団を派遣をする計画があるやに伺つております。私はこの報道を承りましたときに、非常に喜びにたえなかつたのです。選挙区制の問題やその他非常に重要事項の改正に当面しておる国会としては、ぜひ今度の英国における選挙の模様を実地に調べて来るということは、まことに有益な材料を提供するものと確信いたします。そこでこの計画がどういうふうに進められておるものか、委員長においておわかりになつておりましたら、その点をお尋ねしたいのであります。もし事実であるとするならば、できるだけ派遣のメンバーはこの特別委員会の中から出していただきたい。そしてその数もできるだけ多く——欲をいえば全員行くのが一番いいとさえ思つておるのですけれども、できるだけ多く派遣するように、この委員会としても申合せて、委員長の方からしかるべき筋の方へ要望、伝達してもらいたい、こういう気持を持つております。そのために発言したのでございますが、どういう模様でございますか、委員長のお答えをお願いしたいと思います。
○水田委員長 それではお答えいたします。選挙法の審議が進んでおるときに、各党では一応小委員会の審議がどの程度に行つておるかということに関心を持つております。たとえばポスター廃止の問題とか、あるいは選挙団体が選挙のときにどういう形の運動ができるかとか、いろいろ各党でも異論のある点がたくさんございます。そういうときに、たまたま小選挙区の代表である英国において総選挙が行われる、これを実地に視察することが、一挙にそういう問題の解決に役立つだろうというようなことから、自由党、民主党及び社会党の幹部の間で、国会からこの視察団を派遣したいという話がきまりまして、正式に事務総長の方に申入れがあり、事務総長が議長、副議長に相談の上、これを国会の運営委員会にかけて決定する、こういう運びになつておることを承知しております。
○並木委員 それはまことに私は仏けつこうなことだと思います。ついては、たまたま本日委員会が開かれたのですから、委員の皆さんに委員長から諮つていただいて、先ほど私が申しましたような二つの希望條項、つまり一つは、派遣委員はこの特別委員会の委員の中から選ばれたいということ、その二は、できるだけ多くの人を派遣してもらいたいということを申合せていただいて、そうして委員長から運営委員会の方ですか、しかるべき関係の方面へ申入れをしていただくよう提案したいと思います。
○鍛冶委員 選挙区の問題ですが、この委員会では最初に、選挙区についてこのたびの改正では当らぬときめておつたと思います。そうしてみると、ただ研究のために行くというのならばいいのですが、選挙区を改正しようじやないかという意味で派遣するということになると、今までの申合せをくつがえしてかからなければならないと思う。
○水田委員長 お答えいたします。それは選挙区制をいじるとかいう意味で派遣するというのではなくて、選挙運動方法その他について、最も先進国の選挙の実情を見るにはいい機会だというので、国会から派遣しようということになつております。 それではただいま並木委員より動議が出ましたが、この並木委員の動議について……。
○立花委員 私は鍛冶さんの意見に大体賛成なんで、委員会としてやつて参りましたのは、選挙区制の問題に触れず、技術的な選挙の問題だけをやつて行くということだつたと思う。結論も出かかつております。しかも二日後には重要な批准国会を控えておる。聞くところによると、もうすぐイギリスに出かける。ことにイギリスの選挙がこの月の月末だということを考えますと、それに間に合うように出かけなければならぬ。そうすると、批准国会にも参加しないが、そういうことをやることは、重大な問題だと思います。委員会でやつて参りました研究審査の過程から見ましても不合理だし、また重大な批准国会を控えて、それに不参加のまま行くということは、やはり国民に対して重大なる責任を果すことにならないと思いますので、私は並木君の提案に反対いたします。
○水田委員長 しかし各党できめたのは、この選挙委員会から出すというのではなくて、各党が国会から視察団を派遣するということがきまつたのですから、ほかの委員会から出ても、各党のほかの幹部が出てもいいという話になつておると思うのです。並木委員の提案は、今まで選挙法の研究をこの委員会でやつているのですから、そういうこと々決定されるなら、この委員会から人を選んでもらいたいという動議であります。これは立花さんの言うように国会中にそういうことをしてはいかぬということだつたら、だれを派遣してもいけないということになるのですが、すでにそれは派遣しようという方向へ来ておるとすれば、この委員会から出してもらいたいという要望をここで申合せをしようというのですから、これはかまわぬじやないか。
○立花委員 とにかく委員会としては、選挙法改正の問題を審議して、選区の問題には触れないのだ、選挙運動その他技術的な面の問題を今までやつて来て、選挙区の問題はたびたび出ましたが、それは触れないという結論をみんなで申し合せて、今までやつて来た。選挙法の改正の問題を取上げるとしても、どういたしましても、私ども共産党としてはそういう問題に触れる必要はないという結論で、従つて選挙区の問題の研究に参るということは、選挙委員会の結論と違うと申し上げざるを得ない。その上にさいぜん申しましたように、批准国会がありますので、この委員会から出ませんでも、批准国会をほうつておいてそういう問題の研究に行くということには、私は賛成いたしかねるのであります。
○水田委員長 それでは反対の御意見もありますので、採決したいと思います。ただいまの動議に賛成の方の起立をお願いします。 〔賛成者起立〕
○水田委員長 起立多数。それではただいまの動議の通り決定いたしました。 —————————————
○水田委員長 本委員会は、去る八月十七日に小委員会を設置いたしまして、同小委員におきましては五回にわたる会合を重ね、熱心に協議をいたしました結果、ただいままでに協議決定いたしましたところを整理いたしまして、諸君のお手元に差上げてあります通り、公職選挙法改正案要綱を作成するに至りました。もちろん本要綱は小委員会の最終的決定ではございませんでして、先刻申しました通り、ただいままでに協議のととのいました部分を整理したものでございます。要綱三十六にありますように、小委員会におきましてもなお調査研究すべきものがたくさん残されておるのであります。小委員会におきましては、これらを中間報告的意味におきまして、一応本委員会に御報告いたし、委員各位の御意見を承りたいと存じます。 なお法制局を煩わしまして、右の要綱を法文化した改正点と現行法との対照表を公職選挙法の一部を改正する法律案新旧対照表といたしまして、御参考にお手元に配付いたしてございます。ただいまより改正案の要綱につきまして、法制局の三浦部長の御説明を願います。
○三浦法制局参事 それでは私から、今まで小委員会で協議のととのいました点あるいは問題になつております点等につきまして大体のことを御説明申し上げたいと思います。 お手元に差上げてございます公職選挙法改正案要綱は三十六項目にわかれておりまして、その中の未決の分等につきましても、最後の方に書いてございます。それらはあとでお話することにいたしたいと思つておりますが、ただいま委員長からもお話がありました改正に伴いまする法律案の新旧対照表は六十七項目にわたりまして、一応お手元に配付いたしてあるわけでございます。なお罰則、それから要綱が固まりました場合におきまする附則における経過措置等につきましては、まだ法案化して、ございませんので、それらを入れますと、法律案の改正はさらに広汎になるかと考えております。新旧対照表との関係は、それぞれの項目ごとに参照條文を括弧書きで入れてございますから、それでお照し合せを願いまするとたいへんありがたいと思つております。 一、選挙権につきましては、「都道府県の選挙においては、選挙権者である者が同一都道府県の区域(選挙区があるものについては、その同一選挙区内の他の市町村に住所を移したときはその市町村において住所を有する期間がまだ三箇月に達しなくても、本人の申出により、新住所地において当該都道府県の選挙権を付與するようにすること」ということでありまして、都道府県の選挙においては、同一都道府県の区域内の移動あるいは同一選挙区内の移動につきましては、住所要件が三箇月に足りないでも、選挙権を付與しようというようなことであります。 それから二は、選挙に関する区域でありまするが、選挙に関する区域のうちで、町村長及び町村の教育委員の選挙についても特別の事情、たとえば町村の合併等がある場合には、町村の区域をわけまして、開票区を設定し得るようにすること。現在は市町村の議会議員等につきましては、市町村をわけまして、開票区を設けるようになつておりますが、町村長あるいは町村の教育委員の場合につきましてはそれがございませんので、特別の事情がある場合には、開票区を設けるという事務上の必要からこういうふうにしたいということでございます。 それから三は補充選挙人名簿は(1)「国会議員の選挙におては、引き続き三箇月以来市町村の区域内に住所を有していた者が同一選挙区参議院全国選出議員の選挙にあつては同一都道府県の区域」内の他の市町村に住所を移したときは、その市町村において住所を有する期間がまだ三箇月に達しなくても、本人の申出により、新住所地において別に調製する当該選挙の補充選挙人名簿に登録するものとすること」(2)は「都道府県の選挙においては、前記一により選挙権を取得した者についても国会議員の選挙の場合と同様、補充選挙人名簿に登録するものとすること」これは、国会議員の選挙につきましては、住所は選挙権の要件ではございませんで、選挙人名簿登録の要件になつております。従いまして国会議員の選挙につきまして、三箇月の住所要件に欠ける場合、つまり特別の場合、たとえば同一選挙区内の場合、それから参議院全国選出議員の選挙にありましては同一都道府県の区域というような範囲に限定いたしまして、その中の移動については、住所要件が足りない場合におきましても、補充選挙人名簿に登録いたしまして、その投票権の行使を認めようということが(1)であります。それから(2)の方は、先ほど一の選挙権のところで申し上げました、都道府県の選挙の場合におきまして、それを補充選挙人名簿に登録する場合の事柄をあげてあるわけであります。 それから次は四でありますが、選挙期日の公示または告示、これは従来の選挙期日の公示または告示を、従来の期間よりも短かくしようというわけであります。「選挙期日の公示又は告示は、次のように行うこと」、(1)の、衆議院議員につきましては選挙期日前二十五日、それから(2)参議院議員につきましては選挙期日前三十日、それから(3)知事、都道府県教育委員につきましては二十五日、それから都道府県議員、五大市の長、議員及び教育委員については二十日、五大市を除きました市の長、議員及び教育委員につきましては十五日、それから町村の長、議員及び教育委員につきましては十日ということにするわけでございます。衆議院議員の選挙につきましては、この案によりますると、現行三十日でありますのが、五日間短縮されまして二十五日前に公示をする、こういうことになります。参議院議員につきましては、全国選出、地方選出と一応わけまして、小委員会におきましてお考えを願つておきましたが、同一の選挙でありまして、全国選出と地方選出と区別いたしまして告示をいたしますことはどうかと考えまするので、やはりこれは従来通り三十日ということに委員長の了解を得て改めることにしたい、従いましてそれは現行通りということになるわけであります。それから、知事、都道府県の教育委員は、三十日が二十五日になりますから、五日間ほど縮まることになります。それから都道府県議員と五大市の長、議員及び教育委員は現行通り二十日になります。それから五大市を除きました市の長、議員及び教育委員につきましては、現行二十日でございますのが五日間縮まりまして十五日、それから町村長、町村の議員及び教育委員等につきましては、現行二十日でありますのが、十日縮まりまして十日ということになります。選挙期日の告示はあとでまた申し上げますが、選挙期日の告示あるいは公示を短縮することによりまして、選挙運動の期間が縮まつて参るということになつて参ります。 五は代理投票であります。(1)は「代理投票においては、補助者二人を選任し、その一人に選挙人が指示する候補者の氏名を記載させ、他の一人をこれに立ち合わせなければならない旨の規定を法律に設けること」、(2)は「右の補助者の不正行為に対して詐偽投票と同程度の罰則を設けること」、これは過般の選挙等の実情に照しまして、代理投票というものに不正が行われたような事態も現われておりますので、その点を法律の上に、特に代理投票の場合の代理記載等につきまして明確にいたしまして、これに違反した者について新しく罰則を設けようということでございます。 それから次の六は不在者投票であります。「疾病等のため歩行が著しく困難であるべきことを事由とする不在者投票(所謂左宅投票)はこれを廃止し、不在者投票管理者が管理する一定の投票記載所においてする場合に限り認めることとすること」従いまして在宅投票の廃止に伴いまして、医師の証明書制度等は不必要になりますし、また在宅投票の場合の代理投票ということも認められない結果になるわけであります。不在者投票は、これも過般の選挙等におきまして、病気というようなことの事由によりまして、非常に多くの医師の証明書等が出されまして、その意味による不在者投票が行われまして、結果において非常な弊害を伴つたという実例等もございますので、それらの弊害が伴いますような在宅投票の制度を廃止いたすことにしようというわけでございます。しかしながら不在者投票の制度は、制度自体といたしましては、そういう弊害が除かれ得るならば必要な制度でもありますので、これはいかして行く、こういうことでこの六が要綱としてあげられておるわけであります。 七は開票立会人及び選挙立会人についてでありますが開票立会人又は選挙立会人として届出のあつた者が十人の定数を超えた場合その互選制を廃止してくじによつてその立会人を定めることとすることこれは事務上の問題でありますが、開票立会人、選挙立会人を、従来は届出者が十人の定数を越える場合におきましては互選によつてきめるということになつておりますが、それぞれの利害関係のある代表者でありますので、互選によつてきめかねるような場合が実際問題としてあるわけでございますので、これを実情に即するようにくじによつて公平にやるということに改めるわけでございます。 八、投票の効力「同一氏名又は同一氏の候補者に対する投票において、その氏名又は氏のみを記載した者については、これを有効とし、その投票は、開票区ごとにこれらの者の有効投票数に比例して按分すること」これは投票におきまして、立候補岩が同一氏名の方または同一の氏の方である場合におきまして、投票する人が完全にその氏名を記載したり、あるいはまた同一氏名でありますと、どちらの立候補者に自分が投票したかということがわかるようなことが現われておればいいのでありますが、そういうことが明瞭でない場合におきましては、従来無効投票という取扱いを受けておりますので、この程度までの投票については、これを有効とすることが投票者の意思にも合致いたしますし、それほどの弊害もないだろうということで、それを有効扱いにする措置をとりたいということでございます。そうしてその投票は、開票区ごとにそれらの有効投票の数に比例して按分して行くということにするわけであります。 九、立候補届出、「立候補の届出は、選挙期日の公示又は告示の日から次の期限までとすること」衆議院議員につきましては選挙期日前十五日、それから参議院議員につきましては、全国選出議員は二十日でありますが、地方選出議員もやはり二十日といたしております。次に知事、都道府県教育委員につきましては十五日、それから都道府県議員、五大市の長、議員及び教育委員につきましては十日、それから五大市を除いた市の長、議員及び教育委員については十日、それから町村の長、議員及び教育委員については五日ということに届出の期間をいたしたい、こういうことになつておるわけであります。それで衆議院議員につきましては、その結果選挙期日前の十五日までに届出をし、それで締め切るということになります。現行は十日ということになつております。参議院議員につきましては全国選出は現行通りでありますが、地方選出が現行十日でありますのが二十日にかわることになります。知事、都道府県の教育委員につきましては、現行十日が十五日、その他地方の選挙等につきまして多少かわつて来るわけであります。それから(二)「補充立候補制度は、候補者の死亡又は辞退により、議員及び委員の場合にあつては、その候補者がその定数を欠くに至つたとき、長の場合にあつては、その候補者が一人となつたときに限り、認めることとせること」補充立候補につきまして、候補者の死亡または辞退による場合の取扱いを多少整理するということになるわけであります。 それから次は、十の立候補のための公務員の退職でありまして、「立候補の制限を受けている公務員が立候補した場合には、その届出と同時に、何らの手続を要せず当然に退職したものと見なすこととすること」これは現行におきましては、退職の申出をいたしまして、五日目に退職の取扱いをしたり、退職したものとみなすということになつておりますが、いろいろな点で事実上支障を来す場合もありますので、立候補の届出をした場合におきましては、その人が持つておる他の公務員の地位は当然にそれをやめたものとみなす取扱いをすることにいたしたのであります。これは往々にして自分が他のある公務員を兼ねておるというような場合に、それをやめる手続をうつかり怠つておりますと、当選いたしました後に、それを兼ねておつたという理由によりまして当選が無効になつたりすることもありますので、それを明瞭にするためにこういう規定を置くというわけであります。 それから十一、供託金の没収「選挙期日前十日以内に立候補を辞任した場合に限らず、それ以前に立候補を辞任した場合においても、常に供託金を没収すること」供託金の没収は、選挙期日前十日以内にやめました場合にだけ没収ということにしてありまして、それ以前に早い機会にやめましたものにつきましては没収しないことになつておるのでありますが、これは一旦立候補いたしました場合におきましては、公営その他におきまして特別の取扱い等を受けますので、期間のいかんにかかわらず、辞退の場合におきましては供託金を没収する措置をとる、こういうことであります。 それから十二、地方議会の議員の再選挙及び補欠選挙「議員の欠員が一定数に達しない場合、地方公共団体の他の選挙があるときはこれと同時に再選挙又は補欠選挙を行うべきこととなつているが、その場合の「他の選挙の範囲を同一地方公共団体の選挙に限定すること」 これは地方議会の議員の再選挙または補欠選挙の場合におきまして、一定数、たとえば欠員が二人以上の場合でなければ補欠選挙をやらないということになつておるのでありますが、そういう場合におきまして、ほかの選挙があります場合におきましては、同一地方公共団体の選挙でなくしても、縦の同一選挙等が行われます場合におきましては、その際に、その議会の議員の再選挙補欠選挙を行つてもいいというような特別措置があるわけであります。しかしながらこれは、いろいろ手続上の点等におきましても再検討を要するというような、地方等からの意見もありましたので、そういう他の選挙が行われます場合には、同一地方公共団体の選挙に限つて、これと合せまして補欠選挙等が二人以上の欠員になつてない場合におきましても、一定の要件に該当していない場合でも、行うとすることに制限するわけでございます。 それから十三、在任期間を異にする教育委員の選挙の場合の当選人「新設の教育委員会の委員の合併選挙の場合における当選人の決定について本法の適用関係を明らかにすること」これは事務上の整理でありまして、教育委員が公職選挙法制定後に新設されたような場合におきまして、その教育委員の合併選挙についての取扱いについて、本法適用関係を明瞭にするために、ある字句を整理するわけであります。 それから十四、長の決選投票でありますが、長の決選投票の制度を廃止するとともに、法定得票数、現行八分の三でありますのを引下げ、四分の一といたしまして、これに達するもののないときは再選挙を行うものとすること、長の決選投票は公職選挙法におきまして括弧書で掲げておりますように、相当広汎な條項にまたがつて関係しているわけでございますが、過般の選挙等の結果にかんがみまして、地方の決選投票は廃止した方がいいということで、従いましてそれを廃止することにいたしまして、かわりに得票数は、現在ほかの選挙の得票数よりも高くなつておりますので、これを四分の一に引下げます。衆議院の選挙も四分の一でありますが、そういうふうにいたしまして、もしそれでもなおこれに達しない人がある場合におきましては再選挙を行う、こういうことにするわけでございます。これは過般のいわゆる知事の決選投票の得票数等を見ますと、こういう程度に法定得票数を引き下げますならば、決選投票を行わないでも長の当選者をきめ得るような状態になつております。 それから十五は「同時選挙の場合の選挙期日の告示でありますが、「縦の同時選挙の場合においては、選挙期日の告示期限は、それぞれ定めるところによるけれども、告示を行う者は、都道府県の選挙管理委員会とすること」、これは前に申し上げましたように、選挙期日の告示が従来と違いまして、それぞれの選挙に応じまして期間が違うということになつて参りますと、同時選挙——ことに、いわゆる中央選挙も同時選挙でありますが、その場合におきまして告示はどこがやるかということになりますが、それは都道府県の選挙管理委員会がその告示をまとめてやる。そうして同時選挙でありまするので、選挙の期日は同一日であります。ただ、告示をいたしまする日にちが、同時選挙の場合においては早い場合とおそい場合とがある、こういうことになるわけであります。 それから十六は、同時選挙の場合の立会人でありますが、「同時選挙の場合の開票立会人及び選挙立会人は各選挙を通じて定めることとなつているのを改め、各選挙毎に定めるものとすること」、これは同時選挙の場合の開票立会人、選挙立会人を各選挙を通じて適用することになつておりますけれども、こういたしますと、たとえば長の選挙と議員の選挙の場合の同時選挙の場合におきましては、長の候補者の方が少いものでありますから、議員の候補者の方から選ばれました立会人等がほとんどその立会人になるというような結果になりまして、それは長の候補者の利益を代表することにならない場合がありますので、規定上こういうことに改めようというわけであります。 それから十七は、選挙運動の期間であります。「選挙運動の期間は次のように短縮すること」これは選挙期日の告示、それから立候補の届出等につきまして申し上げましたのを要約して表に書きまして、選挙運動の期間がどういうことになるかということを一表で明らかにいたしたわけでありまするが、この表でごらん願えばおわかり願えることを考えております。選挙運動の期間だけについて申し上げまするならば、衆議院議員の場合につきましては、公示と同時に届出をいたしますれば最大限の二十五日、それから締切りの最終日に届出をいたしますれば十五日ということになるわけであります。その他の選挙等につきましては、この表で明示してございまするので、これでごらんおきを願えればと思つております。 次は十八、選挙事務所。(1)は「参議院全国選出議員の選挙事務所に関する届出は、当該事務所を設置した都道府県選挙管理委員会にも届出を要するものとすること」、これは参議院全国選出議員につきましては、全国選挙管理委員会に届け出ることになつておりますが、地方の都道府県選挙管理委員会にもこれを届けさせることにいたしまして、事務上の便宜をはかることにいたしたいというのでございます。(2)は「衆議院議員、参議院(地方選出)議員及び都道府県知事の選挙における選挙事務所は、候補者一人につき原則として一箇所とすること」現行では二箇所になつておりますが、選挙事務所を一箇所減らすことにいたしたい。しかしながらこれは、その関係條文の但書のところにおきまして、特別の事情がある地域におきましては、最高五箇所まで置けるということは従来通りでございます。 それから十九、公務員の選挙運動の禁止。(1)は「国又は地方公共団体の公務員(第八十九條の規定により立候補が認められている公務員を除く)。について全面的に選挙運動を禁止すること」、(2)は「知事、市町村長及び教育委員は、当該長又は委員の選挙において自ら候補者となる場合を除き、在職中の選挙運動を禁止すること」ということでありまして、(1)の方の公務員の選挙運動の禁止につきましては、現行百三十六條におきまして、たとえば選挙管理委員会の委員及び職員、裁判官、検察官、会計検査官、公安委員会の委員、警察官及び警察吏員、収税官吏及び徴税の吏員等をあげてあるわけであります。これをこの際、国または地方公共団体の公務員につきまして、原則といたしましては、広く一般的にその選挙運動を禁止するということにいたすわけであります。ところが公職選挙法八十九條におきましてそれぞれ立候補が認められているところの公務員、たとえば在職中の立候補が認められておる公務員としては、衆議院議員、参議院議員、その他地方議会の議員等もありますが、それ以外に国務大臣等、あるいは政令で指定いたしますところの委員、顧問、参與、その他いろいろの範囲に属します公務員がありますが、それらの人たちにつきましては、その制限を禁止するわけではございません。「第八十九條の規定により立候補が認められている公務員を除く」。というのはその意味であります。これは條文の新旧対照表百三十六條のところをごらん願えればと思つております。それから(2)の方は知事、市町村長及び教育委員は、自分がその候補者となる場合以外に在職中に知事のままで、あるいは市町村長のままで、あるいは教育委員のままで選挙運動をしてはいかぬということであります。これはほかの議員等につきましてはこういう規定を置いてないわけでありますが、知事、市町村長及び教育委員は公選による代表者でありまするけれども、その職務の性質がいわゆる議決機関的な議員の職務と違いまして、執行機関たる性質を持つておりますので、その行政執行同等に関しまする職務の性質上日ごろの事務が選挙運動等と非常に密接な関係を持ちやすいのでありまして、それらの例外が起ることを防がんとするがために、それらの影響力等を考慮いたしましてこういう規定を置こう、こういうわけであります。 それから二十は未成年者の選挙運動の禁止でありまして、「未成年者が選挙運動をなし又は未成年者を使用して選挙運動をすることを禁止する旨の規定を設けること」、これは新たに設けるわけであります。これは前にはこういう規定が選挙法におきまして認められた時代もあるわけでありますが、これは過般の選挙等の実情に照しまして、こういうことを制限した方がよいという意見が地方におきましてはほとんど大部分であります。そういう意向を取入れましてこういうことにしようというわけであります。條文は新しい百三十七の二というところに入れてあります。 次の二十一は戸別訪問でありますが(1)は「戸別訪問は、候補者と雖も全面的に禁止すること」、(2)は「選挙期日後の挨拶行為としての戸別訪問も、右と同様禁止すること」、戸別訪問につきしまては先般の公職選挙法制定の際にいろいろ議論の末百三十八條の但書というものが置かれましたのでありまして、その但書の意味も相当の理由があつたわけでありまするが、いろいろその後の選挙の結果に照しますと、どうもその但書のような規定、すなわち「公職の候補者が親族、平素親交の間柄にある知己その他密接な間柄にある者を訪問する」場合の戸別訪問はよいというような規定を置いておきますことは、かえつてその弊害を伴いやすいというようなこと等も勘案せられまして、この際そういう但書を削除いたしまして、全面的に戸別訪門は禁止することにしよう、こういうわけであります。それから(2)の方は選挙期日後の挨拶行為でありまして、これは公職選挙法の百七十八條に規定してありまして、(1)の方は選挙期間中の戸別訪問の問題でありますが、期日後の戸別訪問も許してありますので、ただいまの問題と関連してこれも禁止しようというわけであります。 それから二十二、選挙に関する署名運動、「選挙に関し、投票を得る等の目的をもつて署名運動をすることを禁止すること」、これは新設するわけでありまして、百三十八條の二として入れることになつております。これは選挙運動の期間中、投票を得る目的で選挙人の署名を求めて行くというようなことが行われた実例等もあるようでありまして、これは文書をもつていたしますれば文書図画の頒布禁止等の項にひつかかるのでありますが、それらの適用條項が明確を欠くというようなきらいがありますので、はつきりそういうことを禁止することにしようというわけであります。これはたとえば特に平和運動の署名というようなことが純粋な形において行われる場合におきまして、それを禁止しようという趣旨ではございません。 二十三、自動車、拡声機及び船舶の使用、(1)は「自動車、拡声機及び船舶の使用については、次のようにすること」ということで、衆議院、参議院の地方選出議員の選挙、都道府県、五大市の選挙につきましては、自動車または船舶いずれか一台または一隻ということになるわけであります。現行法では、自動車一台と船舶一隻、自動車、船舶おのおの一つずつよいということになつておりますが、どちらか一つということになるわけであります。拡声機は現在二そろいになつておりますのを一つに減らすことになります。それから参議院の全国選出議員の選挙につき出しては、自動車または船舶は、現行法では自動車三台、船舶二隻となつておりますが、これを改めまして、通じて三台または三隻ということにするわけであります。それから五大市を除いた市及び町村の選挙につきましては、自動車と船舶は禁止いたしまして、拡声機を一そろい認めるということにする。現行法では、自動車につきましては市は一台で、町村は制限はございません。拡声機は市が二そろいで町村は制限なし、船舶も市一隻、町村には制限されておりませんが、これらの点をはつきりここで制限するわけであります。(2)は「自動車又は船舶について、両者に共通する証明書及び表示を用いるものとすること」、それから(3)は「都道府県の議員、五大市の議員及び教育委員の選挙に使用する所定の選挙運動用自動車の費用は、選挙運動の法定費用に加算しないこととすること」、これは公職選挙法の第百九十七條で選挙費用の加算の範囲をきめてございますが、そこのところで新たに都道府県の議員とか、五大市の議員及び教育委員の選挙に使用しますものは法定制限額から除外しようというものであります。 次は二十四、文書図画の掲示であります。(1)は、「文書図画のうち選挙運動用ポスターの掲示は、参議院全国選出議員の選挙の場合を除き、全面的に禁止すること」、(2)は、「参議院全国選出議員の選挙運動用ポスターについては、原則として現行通りとするが、公共施設に対する掲示の禁止はこれを緩和し、橋梁、電柱、公営住宅等に掲示しうるようにすること」、(3)は、「前記(1)による選挙運動用ポスターり廃止に伴い、現行の公営による候補者の氏名等の掲示制度を活用し、掲示箇所、掲示方法、掲示期間等に改善を加えること」、(4)は、「公営施設使用の個人演説会を開催する場合においては、候補者一人につき同一施設ごとに一回を限り、公営により、候補者の氏名、日時及び演説会場を表示する立札(一箇)を演説会開催当日その会場前の公衆の見易い場所に見易い方法をもつて掲示すること(会場内については今までと同様個人の自由とする。)(右の場合以外の個人演説会については、前記(1)により選挙運動用ポスターの掲示は、禁止されることとなる。)」ということでありまして、文書図画の掲示は、いわゆるこの中で選挙運動用ポスターと称されるものは、参議院全国選出議員の選挙の場合に使用される以外一切禁止するというのがこの案であります。参議院の全国選出議員につきましては、その選挙地域の広汎性にかんがみまして、ポスターは残しておかなければ実際上困るであろうというようなことから、それだけは残しておくことになります。さようにいたしまして、その他の選挙について選挙運動用ポスターを禁止いたしますが、それにかわりまして、公営施設の個人演説会、無料使用ができます。建物等におきまして個人演説会を開催いたす場合におきましては、その表の見易い場所に立札を公営によつて一回だけ掲示して行くということになるわけであります。個人演説会の会場内につきましては、もちろん従来通り個人の自由ということになるのであります。そういう選挙運動用ポスターが廃止されます結果、それにかわるものといたしましては、候補者の氏名等の掲示ということを公営によつて行うことにしようということになつておるのでありまして、二十四の(3)に書いてございまするように、従来投票所の入口等に候補者の氏名等を掲示いたしておつたのでありますが、それを拡充発展いたしまして、候補者の氏名等をその投票区の適当な箇所に掲示して行く、こういうことにして行くわけであります。現在投票区につきましては、たとえば衆議院議員等の場合においては一投票区に三箇所から五箇所以内ということになつておりますので、市町村についてはその数だけ掲示することになるのであります。そういうふうに掲示して、ポスターを廃止することにかえるわけであります。それから投票所の中の氏名の掲示というものはさらに別個に考えてあるわけであります。それからこういうポスターを廃止します結果、演説会の告知等につきましては、連合掲示等によりまして、それを補つて行く、こういうことになつております。 二十五の新聞紙、雑誌の報道及び評論等の自由、「新聞紙及び雑誌が選挙に関し行う人気投票は、これを禁止すること」、新聞雑誌の報道、評論の自由については、これも公職選挙法の制定の際いろいろの経過を経まして、現行の百四十八條の規定となつたのでありますが、どうも新聞紙、雑誌が選挙に関しまして人気投票を行いますことは、投票類似行為とも認められ、ことにまた選挙に立候補いたしまする人の価値判断をあらかじめ予定するというような結果にもなりがちでありますので、それらの弊害等にかんがみましてこれを禁止しようということであります。しかしながら報道及び評論の自由の点にかんがみましてこれが選挙の公正を害したり、虚偽の事実を公表するというようなことの違反に該当しない限りにおきましては、当落等の予想とか、候補者に対する新聞としての意見というものを記載したり、報道いたしましたりすることは、従来通りと一応なつております。 二十六、任意制公営立会演説会、「任意制公営立会演説会の制度を都道府県及び五大市の議員の選挙の場合にも拡張することとすること」、現行は市町村長の場合に限つておりますが、これをこのように拡げるというわけであります。これをさらに新旧対照表に書いてございますように、地方の條例によりまして、議会の議決を経ましてやりたいという場合におきまして、それを認めるということにいたしまして、その実情に即するように考えてあるわけであります。二十七は街頭演説であります。(1)「選挙運動のためにする街頭演説については、一定の証明書及び標旗を所持する場合でなければ、これを行うことはできないものとすること」(2)は「右の証明書及び標旗は、当該選挙管理委員会が候補者一人につき各一(参議院全国選出議員については各十五)を交付すること」、街頭演説を行いまする場合におきましては、証明書を出すことにいたしますし、同時に一定の標識のある旗を渡すわけでありまして、その両方を持つている場合でなければ街頭演説は行えないことにしようというわけであります。必ずしも候補者がそこにいることは必要の條件ではありませんが、そういうものがなければできないことになります。従いまして結局同時には一箇所ということにおのずから限られることになるわけであります。それからこれらの証明書と標旗は、普通の選挙につきましては、おのおの一つずつ、証明書一、標旗一でありますが、参議院全国選出議員については選挙事務所が十五箇所まで認められており、選挙事務所は選挙運動の母体でもありまするので、これは各十五まで認めよう、こういうわけであります。 次は二十八日の連呼行為でありますが、「連呼行為については、街頭演説用の標旗を掲げて街頭において又は選挙運動用自動車若しくは船舶の上において、選挙運動用拡声機を使用してする場合でなければこれを行うことができないものとすること」、連呼行為については、過般の選挙におきまして非常に弊害がありまして、これをやめたがいい、禁止したがいいという意見が圧倒的多数のようであります。この小委員会におきましてもいろいろ御検討の結果、連呼行為につきましては、先ほど申しました標旗を掲げましてやる場合と、あるいはまた標旗のない場合におきましても、選挙運動用自動車あるいはこの法律で認められまする船舶の上において、しかも両方の場合とも選挙運動用の拡声機を使用してする場合であれば連呼行為を認めよう、それ以外は一切連呼行為を禁止しようということになつたのであります。拡声機は、先ほど申し上げましたように、大体全国選出議員を除きましては一そろいということになりますので、それを使つてやる場合でなければ連呼行為はできない、しかしながらこれは車上でもよいし、おりてやつてもいいということになるわけであります。さようなことによつて連呼行為を制限するとともに、演説会の告示等はこれをもつて行うことになるわけであります。二十七の街頭演説、二十八の連呼行為等につきましては、新しく條項を設けまして、百六十四の二、百六十四の三というところに規定してございます。 それから二十九、選挙公報でありますが、(1)は「條例の定めるところによりすべての地方選挙についても選挙公報を発し得るようにすること」これは現在は五大市長に限つておりますが、それを條例の定めるところによつて、地方選挙まで広げ得るようにして実情に即するようにしたわけであります。(2)「選挙公報は、選挙期日前五日(現行三日)までに配付するものとすること」選挙公報は、現行法では三日前までに配付することになつておりまするのを、選挙の期日五日前に配付するこということにいたしまして、有権者に選挙公報が早く届きまして、候補者の政見等を早く周知せしめるようにしようという目的であります。 三十は、投票所内の氏名等の掲示についてであります。「選挙当日、投票所内の投票記載所のボックスごとに、その適当な箇所に、候補者の氏名等を公営により掲示すること」これは先ほどちよつと申し上げましたが、現在の投票所の入口等に掲げてありまする候補者の氏名等を、投票所内の投票記載所のボックスの適当なところにこれを印刷かなんかにしまして掲げさせまして、選挙人が投票いたします際に、候補者の名前を忘れましたような場合におきましても、これを見まして、思い出して正確な氏名を書き得るように処置をしようということから、この規定を置こうというわけであります。 次は三十一でありまして、選挙運動の収支報告書の提出、「選挙運動の収支報告は、中間報告を廃止し、選挙期日から十五日以内に精算の上一回報告させることとすること(精算後のものについては現行通りその都度報告させること)」でありますが、これは従来二回選挙運動の収支報告をやつておりますのを一回に改めました。精算後のものにつきましては従来通り、こういうことにいたしまして、簡便にしたわけであります。 三十二、法定選挙運動費用、「選挙運動費用は、経済の実情に即するように定むべき旨の規定を特に法律に設けること」これは選挙運動の法定額が、経済の刻々変化して行きます実情に即してないきらいがありまして、実際の費用が法定額ではどうもまかない切れないというような声がしばしば起きますので、それらの点にかんがみまして、法律の上で一々その選挙ごとに法定額をきめるということはたいへんでもありますので、現在の公職選挙法では政令に讓つて、ある一定の単価に選挙区における有権者数を議員定数で割りましたものをかけ合せましたものが選挙運動費用になつておりますが、法律の中では政令できめるということになつておりますので、選挙の実情に即して政令できめるようにという、そういう現実的な規定を置いたにとどまるわけであります。そういうことをとにかく明らにしようということであります。 三十三、罰則「(1)詐偽投票罪の未遂を罰する旨の規定を設けること、(2)禁止規定等の新設に伴い、所要の罰則を設けること、(3)その他罰則体系について再検討すること」この新旧対照表には罰則についてはまだ載つておりません。これはほかのものが固まりましてから、それらを整理いたしますし、さらにここに書いてございますような新しい罰則を設けるようにしたいと考えておるわけであります。 三十四、補則「(1)選挙管理費用、選挙公営に関する規定の改正に伴い、選挙管理費用につき所要の改正を加えること」これはたとえば新しく公営等をいたしたり、あるいは公営を廃止したりするに伴いまして、選挙の費用を国で負担いたします場合、地方公共団体で負担します場合、一般選挙管理費用の規定がございますが、そこのところを明らかにしたわけであります。これは新旧対照表に載つております。(2)「特別市、特別区及び特定の市の特例、選挙権、補充選挙人名簿等の規定の整備に伴い、読替規定を整理すること」これも関係條項のところに整理して入れてあります。(3)「期間の計算、選挙法上の期間の計算については、当日起算制を原則とすること、但し遡及計算の場合には、初日を算入しないこと」これは選挙法におきます期間計算について、従来は民法等の原則によりまして、その翌日から起算するというようなことになつておりますが、公法上の期間計算につきましては、国会法等でもそうでありますが、大体当日起算ということが原則でありまして、そういうふうに改めたいというので、その点を一條項設けまして明瞭にしたわけであります。但し遡及の場合は、従来の慣習等によりまして、当日を入れないで、従来通り前日ということになつております。 三十五、附則「(1)施行期日、(2)経過措置、本改正に伴い、所要の経過措置を定めること」ここに所要の規定が必要でありますし、ここに経過措置もきめる必要があります。これは公職選挙法のできましたときに相当広汎な経過措置を置いたのでありますが、それと同様な事項を経過措置として置かなければならぬと思つております。これはまだ新旧対照表には入れてありません。 それから三十六以下につきましては、小委員会におきましていろいろ意見がございまして、まだ決定を見ない事項でございますので、項目だけについて将来の審議の資にしたいというわけで、事柄だけをあげてあります。 三十六、その他、「(1)選挙管理委員会制度(五、全選法、自法一八一—一九四)選挙管理委員会を強化するため、組織、権限等に改正を加え、単行の統一法を別途に制定するかどうか研究すること(2)選挙区(一三、別表第一、施行法二六)(イ)選挙区制、選挙区制について改正を加えるかどうか研究すること、選挙区制と議員定数。(ロ)最近の国勢調査(昭和二五年一〇月一日)の結果に基く人口の異動に応じて別表第一の各選挙区の議員定数につき改正を加えるかどうか研究すること。(ハ)選挙区と郡の区域の変更等(A)別表第一の郡の区域に変更があつても選挙区の所属は、その異動前の区域によることとなつているために、実際の行政区画としての郡と一致しないものを生じているが、これを現状に即するように改正するかどうか研究すること。(B)公職選挙法制定以後の市の新設、郡の名称の変更等のあつたものについては、現状に即するように別表第一を整理するかどうか研究すること。(3)供託金及び公営納付金(九二—九四)供託金及び公営「分担金の額を引上げるかどうか研究すること」そこに現行があげてあります。「(4)政党その他政治団体の選挙運動、(4)政党その他の政治団体の行う政治活動と選挙運動との関係を規正する必要があるかどうか研究すること、(ロ)組合等の組織を通じて行う選挙運動が選挙における個人の自由を害すると認められるような行為に対して立法上の措置を講ずることとするかどうか研究すること、(5)選挙執行経費の基準、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律による経費配分の基準等に関し改正を加えるかどうか研究すること」大体以上でございます。
○水田委員長 以上ただいま説明されたところが、大体小委員会が今まで検討して協議決定したところでございますが、先ほどお話申し上げましたように、最終決定ではなくて、項目三十六に掲げておりますようなまだ未研究の問題をたくさん残しておりますが、一応中間報告的な意味で委員会に御報告した次第であります。従つて委員会からのいろいろな御覧を承つてさらに小委員会は研究を続行するということにしたいと思いますが、御意見ございますか。
○井手委員 この選挙法の百三十九條ですが、「何人も、選挙運動に関し、いかなる名義をもつてするを問わず、飲食物を提供することができない。」飲食物提供のことだけは非常に厳格に規定してある。ところが最近大分選挙気構えで選挙戰が熾烈になることを予想しておりますが、明らかに選挙前に、大量の物品の配付をやつておる人間が多い。何千何万というものをもつて、大衆相手に物品の配付をやつておる。これは明らかに特定の選挙運動を目的にしておる。こういうことをやられると、対抗上他の議員もこれをやらなければならぬということになつて来る。これはこの機会に何とかわれわれ委員会としては阻止しておかなければならない現状にあるのではないか。全国的にこれが非常に瀰漫しておる。これは非常に問題である。特定な知人とか交友関係にある者に、相当の礼儀的な物品の贈與をするということならよいけれども、明らかに何千何万というものを自動車に積んでまわつて、地区的にずつと配付しておるという実情がある。これはこの飲食物どころの騒ぎじやない。これは何とか委員長においても、各委員においても御研究になつて善処されるように願いたい。これはこの暮からますます熾烈になる。他の議員も非常に困る問題だと思う。これは特定の選挙運動を目的にしておるのだから、具体的にそれを目的にしているということをもつて律するよりほかしかたがないから、これは禁止規定を一本入れることにぜひお考えを願いたい。これは弊害きわまりないので困る。
○水田委員長 ただいまの御意見は十分検討いたします。
○石原(登)委員 実はこの選挙法を審議する参考として、私選挙のことを特に研究している学者に二、三ぜひ聞きたいことがあるのですが、いつかの機会にこういう人を呼んでいただきたい。たとえば、根本の問題になるのですが、選挙権者と、いわゆる代表するところの定員の問題、あるいは選挙の執行の実情によつては、大多数の人の意思が殺されて小数の人の意思によつて国政あるいは府県政が運用される、こういうような例が私は今後相当出て来ると思うのであります。具体的に言いますならば、当選者の総合した得票よりも、落選者の総合した得票の方が多い、こういうような事例が今回の地方選挙にはつきり現われて来ております。こういうことは代議政治において正しいことであるかどうかということについて、私は一つの疑問を持つております。その他いろいろお尋ねしたいことがありますので、どうか適当な時期に、そういうことをお尋ねできるような方をぜひお呼び願いたいと思います。
○水田委員長 これは委員会の審議の進行につれて参考人としてここへ学者も呼ぼうし、それから公聽会を開いて一般の意見を聞くということをやりますので、その点は十分機会があると思います。
○佐々木(更)委員 六の不在者投票の点でございますが、かように修正いたしますと、病院、特に国立病院、大病院、こういうものの集団的な投票不能な人々ができると思いますが、これは全国的に相当数に達しておるのでなかろうかと思うのでございます。こういうものの数等を御研究くださいまして、そういう一箇所で何百人、何千人という集団的な投票不能者を出さない何かの規定をここに設けていただきたいということを希望する次第であります。 それからもう一つは、二十四の文書図画の掲示のうち、公営施設使用の個人演説会でございますが、これに対してはポスターは全面的に禁止されておりまして、結局連呼によつて当日これを告知する、むろんその場所等に掲示はいたしますけれども、従来の経験にかんがみて単なる一枚の公示看板だけでは、なかなか演説会のあることを告知せしむることが困難ではなかろうか、こう思うのであります。従つてこの規定から参りますと、当日になつて連呼行為で聽衆を集めるということになりまして、せつかくの演説会が著しくその効果を減殺することになると思うのでございます。ポスターの掲示を禁止するならば、何らか公営の方法において、数日前からでも聽衆に対して演説会があるということを告知せしむる方法をひとつ御研究になつていただきたいと思うのでございます。
○水田委員長 今のポスターの問題は小委員会でも非常に議論があつて、一応そういうことに決定いたしましが、これは本委員会においてさらに相当論議される問題と思いますので、そこで最後案をきめたいと思います。
○山口(六)委員 私もただいま佐々木さんの御意見のありました二十四と、二十七、二十八、二十九に関連して、お伺いをしたいと思います。今佐々木さんの御意見にありましたように、私もこの点はこれだけで個人演説会というものを、あるいは公営の演説会の場合においても、これを徹底するにはたして十分であるかということに多少疑問なきを得ないのであります。そこでそれを徹底する方法に対して何か具体的な考え方を持たなければならないのではないかということが一つ。それから二十四に関連しては、個人のポスターの廃止に伴い、この際別に公営ポスターということを考えるといつた考え方はないかということを提案してみたいと思います。 それから二十七に関連してお伺いしたいのは、一応一定の証明書及び標旗を所持した場合でなければならぬと書いてありますが、一応文字の順列からいいますと、二つが整つて初めて行うことができるという解釈を私はしておるのであります。しかしこの程度の表現だと、おそらく別々にこれを用いて別々にやる場合があり得ると、従来の選挙から見て私は想像いたします。その点を明確に表示されたいのですが、 これについて伺いたいと思います。 それから二十八の拡声機の連呼行為、この点もここに書いてある通り解釈できるような気持もいたしますけれども、しかしこれは拡声機を通してやる意味であるのか、あるいは拡声機さえあればそこにメガホンを何十、何百使つてもよいのか、その点をやはり一応明確に表示を願いたいと私は考えます。 それから二十九の選挙公報の点につきましては、従来の因襲と惰性だけで考えられないで、公報に関してもつと改正の要はないか。さしあたり具体的な用意はありませんけれども、この点に関しましても委員の諸君とともどもに考える必要があるのではないか、一応かように考えます。 以上に関連しまして、この改正にはないようでありまするが、従来ラジオの放送が規定されておるのであります。これは公営として実施されておるのでありまするから、従いましてその点に関しまする新しい改正は一応ないように考えまするけれども、今後民間放送等が逐次発達する過程にありますので、この点に関しまする考え方はどういう考え方を持つておられるか、あわせてお伺いしたい、このように考えます。
○三浦法制局参事 先ほど佐々木さんからもお話がありました不在者投票につきまして先に申し上げます。不在投票につきましては、今度制限いたしまするけれども、この法律の中でも、特に不在者投票管理者が管理する一定の投票記載所において記載する場合はいいとするのでありまして、不在者投票管理者が管理する一定の投票記載所というのは、従来大きな病院や療養施設等は選挙管理委員会の方で指定してあるはずであります。しかしながら指定してないような病院もあるかと思います。そういうものにつきましては今のそういう管理者が指定されませんと、そこでは不在者投票は行われないという結果になるのではないかと考えております。先般の選挙でその実情がどういうふうになつておるかという数字的な点につきましては、これは全国選挙管理委員会の方でお調べになつておるかと思いますので、もしわかつておればそちらの方からお答えしていただいたらどうかと思います。 それから今お話がありました街頭演説とか連呼行為、文書、図画等の問題についてでありまするが、文書、図画の掲示、いわゆる個人演説会を開催いたします場合に、会場の表に一個立看板を公営で立ててやるという問題でありますが、これはもしできることでありますならば、数多く、そうしてさらに数日前からできるとたいへん双方に都合がいいとは考えておりまするが、実際問題といたしまして、数をふやしますることは、それに伴いまするところの選挙管理委員会の事務上の手数、それから労務者の使用等の問題で、広範に各選挙等についてこういうことになつておりますから、非常にむずかしい点があるように聞いておりますので、その点はどうかと考えます。数日前からいたすということになりますと、ただ立看板が一個でありますし、その会場は二、三日前からいろいろな人が使うことになるかと思いますので、表に立看板が競合して何個か並ぶということに相なるだろうと思います。ただ行う日が違うわけでありますので、立看板を見ますれば、演説を行います日時が違つておりますから、はつきりいたすと考えておりますが、それらの点につきましては、当日開催する者に一個ということにいたしまして、あとは連呼行為の方におきまして、呼出しによつてそれを補つて行こうというのが大体小委員会の意向であつたように承知しております。 それから先ほどの街頭演説、連呼行為等の場合についてであります。ことに街頭演説における証明書、標旗の問題でありますが、これは新旧対照表の四十三のところをごらん願いますと、條文では明確にいたしております。要綱はほんとうの概要だけしか書いてありませんが、この條文の方では、証明書、標旗は必ず両者を同時にその場合に持つていなければできないということに明瞭に規定してございますので、その点の心配はないと思います。 それから連呼行為につきましては、拡声機を使用いたしましてやることが原則になつておりますので、拡声機を使用しない場合においては連呼行為は行えない。ただ拡声機を車上に置いておくということは連呼行為の場合の使用にはならないと考えまして、マイクを通じて連呼をするという場合でなければいけないということの立法の趣旨はなつております。しかしながら、今御意見のありましたような意味におきまして、言葉が少し足りないというようなことでございますれば、百六十四條の三でございますが、その点はなお私の方で研究をいたします。
○鍛冶委員 今の演説会の公営のポスターの点ですが、この前のとき、私いなかつたのですけれども、不可能であるというお説であつたようですが、この前の二十四年の衆議院の選挙のときは、公営で市町村に十枚のポスターを張つてもらつたのです。しかるに今日不可能であるという理由が私理解できないのですが、どなたがおつしやつたか、不可能の理由をまず聞きたい。
○三浦法制局参事 その点はこの前の小委員会におきまして、全国選挙管理委員会の選挙課長の金丸君が来ておりまして、そういう意見を述べられました。これは小委員会におきましてもいろいろ検討の結果、どうもやはり事務上の点において難点がありそうだということで、その点を変更することにいたしたわけであります。仰せの通りずつと前の臨時特例法におきましては認めておつたのでありますが、今度は個人演説会をすべての選挙につきましてこれを行うことになりますので、衆議院だけの選挙ではないことになります。衆議院の選挙の場合に、またほかの地方選挙が行われておるというようなこともあり得ますので、それらの場合にすべてそういうことにしなければならぬということは事務上非常にたいへんなことで、それがちよつとでも欠けるようなことがあつた場合に、それを理由として選挙無効というようなことになりすと、かえつて選挙の執行上支障を来すことになるからという御意見でございました。 それからなおさつきお尋ねがございました点で、私忘れましたが、放送の点について御質問がございました。放送の点につきましては、現行の公職選挙法におきましては、日本放送協会の施設を使用してやるということに一応限定してございます。これを立案いたします場合におきまして、昨年でございますが、やはり民間放送の問題が起つて来ておりまして、放送法案等がまだ法律になつておりませんで問題になつておりましたので、そのときいろいろ考えましたが、全国画一的に普及して、候補者について不平等のないような施設を利用することが必要であるということで、日本放送協会にいたしました。しかしながら民間放送につきましては、放送法の中で、演説等の放送を行い得るような規定がございます。そうしてほかの民間放送を利用して、選挙運動の演説を行うというような場合におきましては、一人の候補者に許した場合に、すべて同じ條件にある候補者について平等にそれを許さなければならぬという規定が特に放送法の中に置いてございますので、今度民間放送でそういう問題を取上げました場合におきましては、その方でそれらの点を考慮するということにしなければ、一人だけに許すということになつてはいけないので、それらの点の公平性というものは、そちらの方で別途に考慮せらるべき問題だろうと思つています。それから料金という点につきましては、無料には必ずしもならないと考えております。法律では無料にする場合も予想しておりますけれども、必ずしも無料になるとは限らないということであります。
○寺本委員 今の放送のことですが、小委員会でちよつと落ちたのではないかと思います。最初われわれの案では、録音で放送できるようにしたらいいじやないか、放送のたびに、たとえば遠隔の地に演説に行つておつて、放送局まで帰つて来るのはたいへんだから、事前に録音でとつておいてやるということでありましたが、それがちよつと落ちているのではないかと思います。
○水田委員長 最初の案から落ちていると思いますので、これはすぐに追加いたします。
○鍛冶委員 掲示の点ですが、今の説明ではわれわれは不可能とは考えられません。それは事務は煩雑になることは認めます。煩雑になつて困るということと不可能ということとは違う。これはよほど考えていただかなければならぬと思います。
○水田委員長 委員会でその問題は論議することにいたします。
○鍛冶委員 二十九ですが、公報はこれを見ると市町村の場合も全部出すことになつているようですが……。
○水田委員長 任意制です。市町村できめれば出せる。
○鍛冶委員 それから三十のボックスですが、これは相当議論したので、いいことには違いないが、これは選挙によつて十人か十五人くらいならば各ボツクスにやられますが、何百人にもなりますと各ボックスに出すということは相当困難だと思う。これはボックスではなくて投票所ではどうかということであつたと思うが、ここにまたボツクスに出すということになつているので、これはなお研究の余地が残つているのでないかと思います。
○水田委員長 それではこの際理事の補欠選任に関する件につきましてお諮りいたします。本日理事の前田種男君が委員を辞任されましたので理事が一名欠員となりました。つきましてはただいまよりその補欠選任を行いたいと思いますが、これは先例によりまして委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○水田委員長 御異議なしと認めます。それでは門司亮君を理事に指名いたします。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十三分散会