建設委員会 第1号
- 発言数
- 37 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/09/17
会議録
○藥師神委員長 それではこれより会議を開きます。 本日の議題はお手元へ御通知を申し上げましたように、災害費の補正その他取扱いに関する件であります。 これから通告によつて質疑を許すことにいたします。田中角榮君。
○田中(角)委員 本日の議題にかかりまする災害復旧費関係の事項に対し、所管大臣及び経済安定本部の方々に二、三質疑を行いたいと思います。 昭和二十六年二月二十二日の本建設委員会におきまして、災害復旧に関する法律の審議をいたしたのでありますが、当委員会におきましては、前田、西村、瀬戸山委員等の質疑に対しまして、増田前建設大臣、周東経済安定本部長官から、種々答弁を願つているのでありますが、その中から拾つてみますと、災害費国庫負担率三分の二から四分の三に変更することによつて起るところの事業量の減少部分に対しては、当然補正予算で補うということを言明せられているわけであります。特に増田建設大臣は、当時前田君の質問の要点である三分の二を四分の三に変更することによつて、必然的に減少せらるるであろうところの事業総額を、約三十億万円と押えているのでありますが、当時建設大臣は事務的に見まして、十億万円程度であろう、こういうふうな答弁をしておられます。もちろん閣議においても、当然法律を変更し、補助率を変更するのでありますから、自然減に対しては適当な処置を講ずべく努力中であり、また私どもとしてもこれが実現に対しては全力をあげて努力すると誓つておられるのであります。なお建設大臣の言明の中に、閣議においても関係大臣と種々協議の結果、はつきりとした結論は出ておらないけれども、大体御趣旨に沿い得るということを断言しておられます。同時に周東安定本部長官は、西村英一君の質問に対しても、大蔵大臣その他関係閣僚との間に十分連絡をとり、研究もし、自然減少額のみならず、今日における物価騰貴の動向等をも考えて、これが差額に対しても十分の考慮を約束せられておるわけでありますが、二十六年度補正予算編成の末期にあたりまして、われわれがこまかに数字を連ねて計算いたしますと、大体建設大臣と増田君との意見の中間、河川関係においてのみ二十億余の数字が計上されるわけであります。各省分を全部差引きいたしますと、二十五億九千余万円という大略の数字が計上されておるわけでありますが、これに対しては、補正予算の上にこれを計上するのかしないのか、関係大臣間に異論もあり、いまだまとまつておらないような状態でありますが、政府が予算審議の中途において法律を改正し、配分率を変更したのでありますから、しかもこれによるところの工事量の自然減少額に対しては、責任を負うことを前提として、法律の改正を国会に提案した以上、私は当然補正予算でかかる数字が計上せらるべきものであると確信しておるわけであります。ただ老婆心と申しましようか、もしも計上せられないというような場合が起りますと、ただに政府の問題ばかりでなく、われわれが政府の申出を了とし、法律に賛成した立場から考えましても、そのままでは差置かれないという立場に立ち至りますので、われわれの責任からも、最終的にはどうしてもこの二十五億余万円という自然減少額は当然計上せられるように御努力願いたい、こういうふうに考えておるわけであります。 なおこれは先ほどの懇談会の席上でも申し上げましたが、経済安定本部といたしましては、第一案、第二案を事務的におつくりになつておられるようでありますが、これはただ計上せられない場合のことをお考えになつておるだけであつて、先ほどの懇談会でも、経済安定本部としては当然経済安定本部長官の責任においてもおやりになるであろう、また計上せしめるであろうというような御発言があつたようでありますが、事務的にあらゆるものが完備しておると、とかく安易な方向に流れやすいというようなこともありますし、いろいろこの問題に対する過去のしきたりもありますので、経済安定本部としては、これが計上を大蔵省に対して強く要求していただきたい。私はできるならば、建設大臣及び経済安定本部長官両者の責任においても、これが補正予算に対して計上すべきものである、こう考えております。 もう一つ、災害復旧に対して申し上げたいと思います。それは二十六年度、本年度災害復旧費の府県配分、各省配分の問題でありますが、本年度予算はすでに三月三十一日、いわゆる通常国会において通過しておるのでありまして、それがためにかつて暫定予算を組んだときのようなことなく、政局は安定した。しかもその最も特筆大書せらるべきものは、年度内に予算が通過して、配分が非常に早く行われる、こういうような考えを国民は持つておるのでありますが、これの残額三分の一に対しては、いまだ配分が完了しておらないという問題であります。もちろん日本全国的に見た場合、これからの配分でもおそくないという理論も成り立つのでありますが、全国三分の一を占めるところの積雪寒冷地等の工事は、今にして行わずんば、まさに工事量は、同じ金額を投下せられて、事実上二分の一、三分の一に減少するという現状にある。すでに六月、七月、八月の農閑期で特に人手のうんと余つているときに工事を行わずして、現在農繁期に入り、降雪期を前にして、いまだ配分が完了せられないということであるならば、ほとんど全国三分の一の東北地方及び北陸地方、北海道等は、年度予算が一年ずつ繰延べられているという事実を全然改められないのでありまして、これら地域の者としましては、残額の配分を早急に行われたいと考えているわけであります。以上三点に対して、大臣の今までの折衝の経過及び所見を承りたいと思います。
○野田国務大臣 国庫負担率引上げのために、予算をそのままにしておけば事業量を減少しなければならぬという点につきましては、先般来大蔵大臣、安本長官、農林大臣と私との間におきましてしばしば話をいたしまして、補正予算にぜひこれを追加計上するようにという話合いを進めておるのでありますが、まだ結論に到達しておらない。なお補正予算に対する審議も近く再開されることと思いますので、その際はさらにこの問題を取上げまして、強く主張して参りたいと考えております。 それから本年度分の災害復旧費の府県配分の問題につきましては、三分の二は早く出たのでありますが、三分の一だけ遅れておる。それが今日に至つても解決しておらないという点につきましては、私はできるだけ早くしなければならぬと考えております。先ほど申しました国庫負担の引上率が補正予算とからんで、その決定の時期が遅れておるのでありますが、技術的に、最大の範囲におきまして、できるだけ早く解決して参りたいと考えております。
○小沢説明員 ただいま田中委員から御発言になりましたことに対しましてお答えいたします。補助率がかわりましたために事業量が減る、それに対しましては、私は極力事業量が減らないように、補正予算を出していただくということで、大臣にも強く要求しているわけであります。実はまだ決定いたしませんが、事務当局としてはぜひそういうふうにしていただきたいと考えております。 それから二十六年度の過年度災害に対する配分でございますけれども、これは最初は補正予算というものがきまりませんので、ある程度調整のできるようにして、三分の一保留してございますけれども、これもなかなかきまわませんので、最低の限度、私から申し上げますと、大体十五、六億だけ、どちらにころんでもという金額を保留いたしまして、あとは各省から書類が出次第要求するというふうに考えて、おります。
○田中(角)委員 先ほど懇談会の席上でも申し上げたのでありますが、建設大臣は私が申すまでもなく、前に大蔵省の主計局長をおやりになつた方でありますので、大蔵省との折衝は万遺憾なくおやりになつていると思います。ただこの問題に対して申し上げたいのは、建設大臣がこの問題に関してはひとつ内閣を引きずつて行くような指導的立場でもつて御発言を願いたいということを申し上げたいと思います。なぜならば、三分の二から四分の三に通常国会の中途において、いわゆる予算審議中においてこのような政府の申出を了とするまでには、当委員会におきましては與野党の区別なく、政府は自分で途中において議会に要請した事項から来る必然的な結果に対しては責任を負うという建前で提案をされたのでありますし、それから審議の中途においてもそのようなことも明言せられておるのでありますから、政府の立場から考えますと、われわれが言わなくとも、政府の力でこの責任は当然果していただきたい。特に與党の議員でありますわれわれでありますので、内閣に対しては強く要望もし、主管大臣である建設大臣に対しては、その過半が建設大臣の所管の河川災害であるということを考えますと、この問題に対してはひとつ内閣の威信に関する問題でもあるだけに、二十億ばかりの金は必ず計上をせしむるという襟度を持つていただきたい。もう一つつけ加えて申し上げますと、今までのわれわれの立場ではなく、講和会議を済ませてから当委員会としては予算に関する問題は初めて討議をするのでありますが、当然来る二十七年度、予算の編成等にあたつても、われわれはただに所管の事項だけではなく、国全般の予算の編成というものに対しては重大なる関心を持つているわけであります。今までのようにただ他動的に、よその力においてわれわれがというような観念から、今度は立ち上つてわれわれ自身が文化国家をつくるのだ、それでわれわれの力で講和條約取締結後の日本を再建して行くんだという強い気持と責任を持つ以上、今までのように、ただ長い慣習によつて、それをそのまま踏襲して行くというようなことは私は許されないと思います。国土復興、経済復興という面から考えて、来年度予算の最も大きな面を占め、最も重点的に要求せられるものは、私たちの今討議をしておるところの河川の災害復旧であり、防災の事業であり、そのような問題が最も大きく浮び上り、かつまたわれわれが主張しなければならない立場にあるだろうと思います。その前提といたしましても、今年度追加予算にこれらが計上を要求するということは、ただに二十億の数字にのみこだわつて申し上げているのではありませんから、大きな立場からもひとつぜひこれが実現に対して御努力を願いたいということを重ねて申し上げておきます。
○野田国務大臣 ただいまの御意見は非常に共鳴するものであります。
○前田(榮)委員 野田建設大臣に所信をお伺い申し上げておきたいのでありますが、大体この災害復旧費については、数年来連続的に日本の国土を襲つた災害が国土を荒廃いたした点については、国民ひとしく非常に憂えている点でございまして、内閣におきましてもその点については常に御心配になつている点を私も認めているのであります。さきの国会で災害復旧事業費国庫負担法を上程された際に、われわれは建設大臣、経済安定本部長官等に質疑をいたしたのでありますが、その内容につきましては、今田中委員から申されたような言質を得て、工事量を減らないということでわれわれは政党政派にかかわらず、本委員会は政府の意思を尊重して、負担法について賛成をし、決議をいたしたのであります。もちろん野田建設大臣はその後の就任でありまして、当時の責任をとるかとらないかということにつきましては、別個な立場にもあるのではないかとも考えられますが、各省長官であると同時に、国務大臣であつて、この内閣の諸公が本委員会において言明されたことについては、共同責任を持つべきだ、思うのであります。野田建設大臣は会田中君が申されたように、工事量を減さないということの当時の閣僚の言明に対して、それを継承して国務大臣としての責任を感じられているかどうか。当時二十五年度におきましては、全額国庫負担であつたものを、それでは工事量が減るから三分の二にするということで予算を組まれ、そうしてそれでは適当ではないということから、予算審議の途中で予算はそのままにしておいて、四分の三の負担法を内閣から進んで出された。そういうことになろと、結局また工事量が減るのじやないか。工事量が減るようなことはわれわれ委員会は承服することができない、これはどうか。こういうことを各委員が非常に心配して内閣の所見を明確にして、その明確になつた上において本委員会は取扱つたのであります。しかるにその際、そのために起るところの、工事量が減る場合においては、補正予算を組む等によつて減らないようにする、こういう言明であつたことは、今田中委員が速記録をごらんになつた上の明確な質問であつたのであります。その通りに違いなかつたのであります。そうすると、建設大臣はそれは前の大臣の言明であつて、おれはその後の就任であるから、おれはおれとして独自の立場であるかち、その点についての内閣の国務大臣としての意見であつても、おれはそのことについての責任は負わない、こうお考えなのか。いや、それは内閣の方針であるから、その点については責任を持つという御所存であるのか。この点をまず第一に明確にいたしていただきたいと思います。
○野田国務大臣 こういう問題につきまして法律と予算との関係はなかなかむずかしいのですが、この問題に限らず、最近予算が提出されましてから法律が出て来る、法律施行の予算的裏づけをされないで行くということがありますので、私は今みたいにめんどうな問題が起つて来ると思う。本来ならば予算が出ているのでありますから、当然議会といたしましても法律を通す場合には予算を修正される。ですから予算の裏づけのない法律を通すという形になつて来まして、あとで善処するということでいろいろな問題を起すのでありますが、今後なるべく府政の方針といたしましては、予算の裏づけのいるような法律を通す場合には、また予算を補正してかかるべし、私はそう思うのであります。そうすればあとでいざこざが起きない。いざこざが起るのは、単にこの法律ばかりではないのです。幾らでもこの例はあると思います。私はそのときの政府当局も言われておりますように、大蔵大臣あるいはその他の大臣によく尋ねまして、政府全体としてどういう態度をとつたかということを確かめまして、そのとき確かめられている方針については、私は最近就任したからというのではなく、政府一体の原則に基いて善処して行きたいと思います。
○前田(榮)委員 もちろん法律的に申し上げますと、今建設大臣がおつしやつた通りであることは私も認めますが、ただこの法律が本委員会へ上程されたのは、すでに予算審議も相当進んだ状態になつたときであり、衆議院の方の審議を終つて、参議院へ出さなければならぬというような関係等もあつて、これが修正ができないというような客観情勢があつてのいろいろな心配な点で、内閣の方も誠意を披瀝されて、本委員会で今申し上げたような質疑を行つた上で、政府の方針というものを本委員会は信用して、その上に立つてやつた。その信用が法律的に価値がないじやないかといえば、それも言われるのでありますが、従来建設委員会はあまり政党政派にこだわらず、日本の国土を守る点においてお互いに胸襟を開いて協議をいたしておるというような関係もあつて、当時の委員の諸君が、政府がそれほど誠意々披瀝するなら信用いたしてよかろう、こういうことでこの法律案を通したわけであります。もしそういうことで通したのにもかかわらず、今日のような状態になりますと、本委員会は煮え湯を飲まされたような感じがする、本委員会はこれでは国民に対してもわれわれが法律を取扱つた点についても大いに今後反省しなければならぬというようなことにもなる。こういうことが今の日本の国情で、そういう感じ等で立法府が取扱うということが、はたして実情に即することであるかどうか。こういうこと等も考えられるのでありますが、私が今建設大臣に御質問申し上げる点は、そういうような事情のもとに、この負担法の通過にわれわれも努力いたしたのにもかかわらず、ここで十八、九億の金のために、当時の本委員会におけるところの閣僚の言明が食い違つたような結果になることは非常に遺憾とするところでありまして、その点前建設大臣の意思を継いで、責任を感じて——われわれはそういう責任を感じてやるからというて、建設大臣に責任をとれ、不信任案がどうというような、そういうけちくさいことを考えるのではないのでありますが、この問題についてほんとうに腹から善処をするという決意が表明されるかされぬか、こういう点が心配なので、表明されるとするなら、前建設大臣の意思を継いで私も責任を感じておりますからくらいのお話を承ると、われわれもまた何もこれをかた苦しく取扱おうとは考えません。その点の腹を率直にここで表明していただけるならば、われわれの納得する点があると思うのでありますが、建設大臣いかがなものでありますか。
○野田国務大臣 この問題は安本長官、農林大臣、大蔵大臣、建設大臣、相関連した問題でありまして、私は補助率が引上げられたために事業量が減るということは、現在の災害の状況、災害の復旧の状況等から見まして、極力避けなければならぬということを痛切に感じておるのであります。
○藥師神委員長 ちよつと中間ですが御報告いたしておきます。安本長官は首相官邸までは出て来ておるらしいけれども、何やかや非常に忙しくて、どうしても出られぬが、局長が出ておるから、それでひとつがまんをしてくれろ、こういうお話なんです。それから大蔵省の方は、事務次官が出るように折衝したのですが、自分はどうしても出られぬから、主計局長を出すからという話だつたが、主計局長も出て来ぬわけです。それで主計官をやるからというのですが、主計官ではいかぬというので折衝しておるのですが、これはこちらの推量だけれども、今出て来ても明確な答弁ができない、そういう気持があるのではないか。安本長官もそうではないかと私は思うのです。大蔵省とほんとうに、具体的な話が進まぬ限り、ここに出て来ても答弁のしようがないのではないか。これは私の推測ですが……。 ちよつと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○藥師神委員長 速記を始めて。
○前田(榮)委員 私の建設大臣に対して御質問を申し上げた点は、要するに、建設大臣が本委員会の意思を尊重して補正予算に政府の約束した災害復旧費増額についての努力をいたしてもらうべく御意見を聞いたわけでありますから、今後とも一層最大の努力を拂つてもらうことを希望いたしておきます。 その次に経済安定本部の方に、前にちよつとお尋ねを申しておきたいのでありますが、さきの懇談会でもお話がございましたが、この決定された予算の配付が非常に遅れておる。それがために地方において災害復旧事業の実施に支障を来す点について田中委員からの質問があつたのでありますが、これに対してもつと明確な御返答をお伺いしておきたいと思うのであります。あらためて申すまでもなく、すでに予算が決定して四月一日から本年度予算へ入つておる。ややともすると、今まで政府の予算執行については、予算の配付が遅れるために、その年度内に工事の円滑な運営ができないという例が従来幾らもあるのであります。こういうことについても、たびたび本委員会においては、当局にそういうことのないようにしなければならぬということを言つて、当局の方でもそういうことのないようにするという答弁もあつたのでありますが、本年度の災害復旧費についてはどうなつておるか、明確にここで御説明を願いたい。
○小沢説明員 二十六年度の過年度災害費の配分につきまして前田さんからお話があつたわけでありますが、これは先ほど申し上げましたように、予算の調整という意味から、三分の一ということでありまして、三分の二はさつそく各省に通達いたしまして、書類か出してそうして認証しておるということでございます。それで、それでは三分の二出して、あと三分の一どうしてとつておいたということでございますが、四月の初めにおきましては、三分の二出せば仕事にはさしつかえないという考え方からやつたのでございますけれども、その補正予算の問題、いろいろな問題で調整がなかなか進まないということと、それからあとの三分の一を保留しておきますと、今前田さんのおつしやつたように、仕事にさしつかえるということから、さつそく事業量の最低の十五、六億を先ほど申し上げましたように保留しまして、各省に通達して認証をするという段取りになつております。認証済みの額は二百八億でございますけれども、あとは各省から書類が来ればいつでも認証するという段階になつておる次第でございます。
○淺利委員 災害復旧費の予算補正の問題は、大蔵省からも見えませんから、留保しておきます。この際に一言伺つておきたいことは、先般懇談会の際にも伺つたのでありますが、大体今回の予算においては、地方に一部負担させるという建前にあの法律はできておる。ところが、今回の政府補助に対して地方の負担金は相当多いのであります。しかるに、地方の負担金は、多くは、財政の関係上起債に依存しておるというのが現状であります。しかるに今回地方起債が四百億のわくに制肘されておるという関係上、地方自治庁及び地財委の方を調べてみますると、災害費については五割程度、一般の公共事業費については三割程度しか起債を認められないという現状である。そういうことからして、地方においては、せつかく補助はもらつても、その実施ができないというような現状であります。最近あるところを見ますと、砂防工事について入札はしてみたけれども、現金がないために着手ができない、こういう現状でありましたならば、机の上においてはりつぱに事業はできることになつておりますけれども、実際にはできぬことであります。これは前に安本当局にもお話はしてありますが、建設大臣といたされましては、これに対して今どういう手を打つておられるか、また起債のわくの拡大ということが可能性があるかどうか、その点についてのお見通しを伺つておきたい。
○野田国務大臣 起債のわくが四百億で縛られておるために、地方団体が非常に困つておられるということは皆様御指摘の通りであります。政府の方においても、四百億というわくよりも、もつと広げてもいいじやないかというような考えをもちまして、予算編成当初におきましても、その線で交渉したと私は存じております。最近におきましても、このわくを拡大するように司令部と交渉中でありますが、まだこの結果ははつきりしていない、こういうような状況になつております。そこでこのわくが狭いので、そのわくの中でも災害復旧とかきわめて緊急を要するものにつきましては、あるいは五割とか六割とかいうふうに比率をよくしまして、他の災害より優先するという策をとつておることは御承知の通りでありまして、今後政府としてはできるだけ起債のわくの拡大に努力したいと考えております。
○淺利委員 何か新聞で見ますと、起債のわくを百億円、それから平衡交付金百億円、そのほか臨時的の融資として百億円という意見を、自由党においては先般全国の知事会議の際に出されたと聞いておりますが、政府においてはこれに同調されておるのかどうか、その点についてはまだ確かなことはおわかりにならぬでしようか。その点をちよつとお伺いしたい。
○野田国務大臣 ただいまの自由党の線は、私ははつきり存じておらないのでありますが、府政の部内におきましては、地方財政の困窮した現況を救うために、起債額を百億円程度増額をしよう、これは大体内部的に意見がきまつております。しかしながら平衡交付金をどの程度増額するかということにつきましては、まだ計数その他についていろいろとはつきりしない点がありまして、未定になつている、こういう実情でございます。
○淺利委員 今回の補正予算の増額に伴つて、自然地方の負担というものは増加しなければ、事業の執行はできないと思うのでありますが、この起債のわくの拡張は、あわせて重要問題としてお取上げになつて、極力この実現を期するように、御努力を希望して、私の質問を打切ります。
○藥師神委員長 お諮りいたします。が、ただいまこちらで決議文の草案を用意いたしておりますので、一応朗読いたします。 公共土木施設災害復旧事業費予算補正に関する決議案 去る第十国会において「都道府県災害土木費国庫負担に関する法律」並びに「昭和二十五年度における災害事業費国庫負担の特例に関する法律」を廃止し、「公共土木施設災害復旧事業国庫負担法」を制定の結果、昭和二十六年度公共事業費中、災害復旧事業費は、当初予定事業費に比し二十五億九千余万円の減額となつた。 本法制定に当り、政府は当初予定の事業量は、これを減少せざるよう予算的措置を講ずる旨言明したが、未だこれに対する増額の措置が講ぜられていないのは甚だ遺憾である。 本委員会は、前記法律制定の結果に基く事業費の減額に対してこれに相当する国庫負担金を速かに補正予算に計上することを、政府に対し強く要望する。 ただいま読上げたような決議をして、そうして議長を通じて強く政府に要望したいと、かように存じておりますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藥師神委員長 御異議なしと認めます。 なお、この案文について多少の修正を要する問題があつた場合、その他手続等については、委員長に御一任を願いたいと思います。 それでは、大蔵省へ今折衝に専門員が参つております。その情報がわかるまで、陳情団からひとつ陳情を受けることにいたしたいと思います。 それでは、暫時休憩をいたします。 午後零時五分休憩 ————◇———— 午後零時三十八分開議
○藥師神委員長 それでは再開いたします。 大蔵省から主計局長が見えましたから、ひとつお願いいたします。
○淺利委員 さきに田中委員、前田委員より建設大臣並びに安本当局に質疑があつたのであります。ただいま主計局長がお見えになりましたが、この災害復旧費の補正予算の問題のかぎは大蔵省が握つております。でありますから、安本当局並びに建設大臣の御意見だけを伺つても、最後の結論は出ないのであります。そこで大蔵省の予算のかぎを握つておられる主計局長に特にお聞きしたいのであります。 先刻来問題になつておりました災害復旧の予算は、二十五年度において全額国庫負担であつたものを、二十六年度においては三分の二の補助という予算を計上しておる。しかしてその後において政府当局から、場合によつては四分の三または全額まで補助し得るという法律が出たのであります。そしてその結果が、全国の財政収入を勘案したために、約二十億の予算不足を生じたというのが現状であります。すなわちこれが法律改正の結果に伴つたところの不足額であります。これに対して政府が何ら予算措置を講じないということになれば、さきにわれわれがこの法律を通過せしめる際に政府の言質をとつて、そうして政府がもしこの法律改正の結果予算が不足になつたならば、補正予算によつてこれをカバーするという言質を與えたということは、先刻田中委員から、速記録によつてこれを明確にされたのであります。ここにおいて、政府がさきに国会に言質を與えた、その言質を実行されるかどうか、これは政治の信任の問題であります。目下大蔵当局は、これに対してどういうお考えを持つておるか、その点について明確に御意見を承りたいと思います。
○河野説明員 公共事業費千八十億の配分の問題といたしまして、建設省関係あるいは農林省関係の災害の予算をどういうふうに配分するか。当初はおつしやいますように三分の二というようなことで進んでおつたようでありますが、必ずしもそれははつきりしたものでもなし、予算が出た後におきまして、国庫負担に関する法律で四分の三程度のものを出すことになつた、その際におきまして、おつしやつたようなこともあつたように拝聴をいたすのでありますが、実はこれは現在の予算の建前から言いますと、一応実施後の状況で、いろいろ配分もかえ得るというような建前にもなつておるのでございます。農林省と建設省とどういうふうに配分するかということは、そういつたこの後における事情の変更というようなこともにらみ合せて考えるべきではないかというような考え方を、実は私ども持つておつたのであります。その配分がなかなかきめにくいという点もまたよくわかるのでありますが、これまで、一方そういうことをいたしますと、国だけでなしに、地方の問題として地方負担が増加する関係もありまして、これは国、地方を通じて総合的に考えていただかなければならぬと私は思うのであります。本年度の補正予算はまだ正式に確定したわけでありません。そういつた御趣旨の点も拝聽いたしまして、大蔵大臣によく申し上げることにいたしたいと思います。
○淺利委員 最後の決定は大蔵大臣でありましようけれども、予算の全体のかぎは局長が握つておられるのですから、現在の予算経営の面において、これは取上げらるべき可能性があるかどうか、またやるとすればどの程度をやるというお見通しか、その点を伺つておきたい。
○河野説明員 これが河川に幾らとか砂防に幾らとか、はつきりきまつた公共事業費の内容であるならば、そういつた問題がはつきり大写しに出て来るわけなのでありますが、御承知のように本年度は、別に物価騰貴の問題についてもそういう問題は考えないし、公共事業費全体といたしましてこの程度にしたいというふうな考え方もありますので、もしそういつたような、後日における事情の変更があつた場合におきましては、ほかの方を ——少くとも現在の公共事業費の建前はそういうふうになつておりますが、ほかにおける優先順位をどういうふうに考えるかという問題として、これは安本当局として考えていただきたいというふうに、私は原則的に思つているのでございます。地方債のわくは御承知のように四百億ということになりますので、今度の災害におきましてどういうふうに——地方の負担も非常に苦しい、平衡交付金の増額ということについていろいろ言われておる際でもありますので、そういつた点について相当考えなければならぬじやないかと思います。その中のわくの問題としてどういうふうに考えるかという、これも一つの補正予算的なところもあります。補正予算なしで行けるところもあります。そういつた問題としてまず考えてみたいというふうに思うわけであります。
○淺利委員 先般農村関係においては、森林法の発布の結果、この法律実施に伴うために、やはり法律実施の必要上の予算措置を講ずるということでこれも幾分は見ておられるやに承つております。そういたしますと、これらの権衡からいたしましても——この法律が政府提案であり、事業量は最初から減らさない。さきに全額国庫負担の制度を廃止したときは、国庫負担だけでは災害復旧の事業は遅々として進まないから、地方にも負担さしてこれを実施するという意味においてあの制度が改正になつたと記憶してあります。そういたしますれば、要はこの災害復旧事業をすみやかに完成するという目的のもとにこれが立てられた。そうして同時に、地方財政を緩和するという意味において、あの四分の三までの補助をやる、あるいは全額までやるという法律が改正されたと思うのであります。そうすれば、この事業の分量を減らさぬで、災害復旧を一日も早く完成するという目的からいえば、当然これは当初の目的に沿うて予算措置を講ずるということがなければならぬことと思うのであります。大蔵大臣に話されると申しますが、これは事務当局の案として、大蔵大臣の最後決定を見るように強く推し進めていただきたいと思うのであります。 なおこの際あわせてお伺いしたいことは、この災害復旧等に関する地方起債のわくの問題であります。先刻建設大臣にも申し上げたのでありますが、現在四百億円のわくに縛られておるがために、本年度の公共事業費、災害復旧費というものが相当莫大であるが、これに対して府県が負担を要する。しかるに府県の財政の今日から見れば、起債による以外にこれをまかない得ない現状であります。現在各府県においては、補助予算の割当があつても、これを実行する財源に苦しんでおる。でありますから、予算の表面においては、今年はこれだけの災害復旧事業をする、これだけの公共事業を実施するということが現われておりますけれども、実施の結果から見れば、今の起債のわくの制限の結果、その何分の一か残される。地財委の方で調べますと、災害復旧に対しては地方負担の五割、一般公共事業費については三割しか起債が認められない。こういうことであれば、政府当局が当初予想したところの災害復旧の事業なり、あるいはまた公共事業の実施は、描ける餅にすぎない結果になるのであります。これについては、先刻、国務大臣として、起債のわくの拡張についてももつぱら努力されておるということでありますが、大蔵当局においても、これに対して何らかの御考慮があるはずと思うのでありますが、これに対してどういうふうに今はなつておりますか、その実情についてできるだけ伺つておきたいと思います。
○河野説明員 地方債のわくの問題でありますが、この問題も実は補正予算と相関通いたしておるのであります。農林漁業金融の金額あるいは住宅公庫の金額あるいは商工中金の問題、その他一般の財政もそうでありますが、預金部資金とあわせてその配分計画を立てる、ことに今年度におきましては、見返り資金が打切られました関係上、当初の資金計画というものに多少の狂いが出て参つたのであります。つまり見返り資金が四、五十億ほど減るのであります。そういつた関係で、預金部、見返り資金及び一般会計を通じて資金計画を現在検討している段階であります。地方債の問題につきましても、これは財政の方から見る平衡交付金と地方債の面との両方でこの問題が解決せられるわけであまして、そういつた点とにらみ合せて、この地方債の問題を解決いたしたい、従いまして、まだ決定を見るに至つていないのでございますが、相当程度は地方債をふやさなければならぬのではないか。本年は幸いにして非常に災害が多かつたという年ではありませんけれども、そういつたような一般的な地方団体の財源ということから考えて、少くとも数十億ないし百億近くはふやしたいというふうな考え方をもちまして目下その案を検討し、関係方面と折衝をいたしている段階であります。
○淺利委員 先般の地方知事会議においては、起債のわくは二百億以上という、要望があつたようであります。はたして百億の起債のわくの拡張で、政府の当初予定した事業ができるというお見通しがついているのでありましようか。
○河野説明員 当初の計画と申しますと、物価騰貴という面を考えますならば、御承知のように今年度の予算は昨年の十月ないし十一月ごろの物価を基準としたもので、その後相当上りましたので、この公共事業費自体について十七、八パーセントくらいの物価騰貴だというふうに平均的に見ているのでありますが、もちろんその物価騰貴ということを考えれば、事業分量は減ると思います。しかし物価騰貴があるから、必ずその分だけは補正して増額するのだという建前は、財政当局として現在の段階においてはちよつととりにくいかと思うのであります。事業の効率をはかつて、規模の縮小をできるだけ少くするような考慮で私はやつていただきたいと思つております。現在の状況から考えて、災害の復旧は急速を要すると思うのでありますが、それだからといつて、そこにある程度の優先順序というものはあると思うのでありまして、そういつた点で、限られた国家資力を有効に使うという建前から復旧をやつていただきたい、こういうふうに考えております。私どもは必ずしも十分とは申し上げかねるのでありますが、現在の段階においては、新しい資本蓄積の範囲内において新しい投資をやつて行くという建前からではなかなか困難であろう、こういうふうに考えております。
○田中(角)委員 質問というよりも意見になるかもわかりませんが、ちよつとお聞き取り願いたい。予算元締めの主計局長に対して予算編成の講義をするのは釈迦に説法になりますが、ひとつ第三者の意見としてお聞き願いたいと思います。大体この二十億の予算の要求は筋が通つていると考えます。筋が通つているというのは、具体的に申し上げますと、政府が今年度予算を組みましたときは三分の二で組んだはずであります。それは議論ではなくて、各種の速記録に登載してありますから、これは論をまたないところであります。特に衆議院においては、すでに予算審議終末の段階において、四分の三の法律案が出て来たわけであります。もちろん私は、その法律案に対しましては本会議において自分で報告をした関係上、十分に承知をしているのであります。本委員会といたしましては、全額国庫負担だつたものが三分の二になり、四分の三になりという問題に対しましては、半年以上にわたつて建設、安本、大蔵当局との折衝を重ねて参つたのでありまして、予算を三分の二で組み、しかも説明書まで印刷をしてしまつたのに、四分の三に変更する法律案を出した。事業量が減れば一体どうするのですか。これは全額国庫負担の問題は当時でもそうだつたのであります。もちろん村瀬君、前田君、私、淺利君、西村君がこの問題に対しては長いこと論議を重ねておつたのでありますが、全額国庫負担の問題は、当時の客観的な情勢から来たものであるし、一つの試案としてやつたものであつて、三分の二に変更する場合もやむを得ない場合がありました。そして四分の三にするときには、当時われわれの議論では、三十億工事量は減るのではないかということに対して、増田建設大臣は、十億程度しか滅らないと思います。但し閣議におきましてもすでに予算説明書は印刷をしてあるのですが、それに対し当然起る結果に対しては、予算説明書は参考程度に添付するものであるから、これが予算の増額に対しては、内容は変更することは当然であり、関係閣僚間においても十分了解のもとにということを説明しているのであります。そういう各大臣の言質を得て、われわれが災害復旧費というものは四分の三に変更しても、究極においては減らないのだ、こういう條件付きで通したようなつもりでありますので、われわれの立場からいうと面子のいかんをいうのではありませんが、なお政府の発言に対して言質をとつているから云々ということではありませんが、それだけの答弁を速記録に、関係大臣から求めて登載をしてあるだけに、今の要求は筋の通らないものではない、こういうふうな結論を持つている。ただそんな問題で言つているのではありません。私は先ほども申し上げました予算の元締めであるところの主計局長に対して、釈迦に説法、こういうことは新憲法下今度の補正予算の編成は、日本国民が日本人の手で何とか予算をつくれるという一つの踏み出しだと私は思つております。講和條約は調印せられたりといえども、いまだ批准が完了しておりません。もちろんわれわれは、占占領軍の治下にある国民といたしましては、本年度追加予算という問題に対しては当然同一には考えているのでありますが、国民的感覚から考えましても、現実的にわれわれが観察する状態から考えましても、とにかく二十七年度の予算は、二十六年度の予算よりもわれわれの手でつくられるという気持だけはあると思います。と同時に、その前提としての十何箇月予算の案としての二十六年度補正予算に対しては、われわれだけではなく、国民も相当強い関心を持つていると思います。私はその新予算を組む場合のわれわれ国民の態度というものは、新しい立場で、新しい角度から予算編成に当らなければならない。しかし乏しい限られた予算の中から、厖大な支出を抑圧して考えるのでありますから、もちろんうまく行こうはずはありません。うまく行こうはずはありませんが、私は現在の予算編成の中からも二十億という、しかも筋の通つた災害復旧費は出し得るという確信を私自身持つておるのであります。私がもしも主計局長であつたならば、断じて二十億組みます。私は二十七年度予算に対しては、相当な発言をすべく、今から準備もし勉強もしておるのでありますが、新しい立場から、新しい角度から言う場合には、長い伝統にとらわれて生れて来た予算というものは一朝一夕には変革もできませんし、特に専門家というものは案外視野が狭いものです。なぜならば、非常に厖大な支出を限られた予算の中にはめ込まなければいけない、何十年来のわくがある。特に五年、六年と占領治下において動かせないというようなわくも考えられただけに、予算の編成というものに対しては相当な制約を受けております。受けてはおりますが、私は新しい予算の面から考えて、公共事業費、特に災害復旧費というものは最優先的のものであると考えております。六千数百億円の中から千数百億円のものを見れば、まさに二割に該当すべきものではないかと言うけれども、私は日本がほんとうに立ち上ることを考えたならら、まず水を制するものは国を制するということは、支那のことわざではなくて、現在の日本はまさにそうです。地ならしもできないうちに家を建ててどうなるか。日本人自体が敷地の造成は簡単だ、建物自体はその次に簡単だと考えている。ところが着物を入れるたんすには実に金をかけている。人間を入れるたんすには金をかけないで、着物を入れるたんすには金をかける日本人の長い伝統というものは、そう簡單に破れるものとは思いませんが、しかしそういう角度からものを見ることが必要だと思います。私はそういう意味からいつて、ここに一つの例を申し上げますが、私のところでは、今一箇年に二千万円ずつ五箇年、約一億円の仕事をやつて行けば、この間三日ばかり調査をしたのでありますが、一万三千石ずつは、黙つていて年々歳々もうかる事業があるのであります。そうして見ますと、農林省のあの山の土の開拓などは即座にやめて、こういう方に転換すべし。私はこういう事例をたくさん知つている。この次の予算審議にあたつては、そういう現実的、技術的の数字をつかもうと思つて今研究しておるのでありますが、私はそういう意味からいつても、何としても二十億は出すべし、こういうふうに考えております。私も與党の議員でありますから、党内において折衝するということは考えております。これは党内における場合は二十億が十億になつてもよいだろうという妥協はできますが、二十億はりつぱに出してもらおうと表に出して言うつもりで発言をしておるのでありまして、この叫びは必ずしも私のみではなくて、二十七年度予算に対しては、今まで災害復旧費や公共事業費というものにあまりウエートを置かなかつた人たちまでも相当大きな声で叫び出して来るという自信のもとに申し上げておるわけであります。社会保障の問題その他いろいろな問題がありますが、われわれが常に考えているものは生産第一主義、生産第一主義は何といつても災害の復旧からです。あなた方が今考えておる石炭の問題、肥料の問題、電気の問題、鉄の問題等に重点的に金を出しておられますが、ここで一例を申しますと、新潟県の帝石は国から補助をもらつて現在採油をやつております。これは非常に重要なものです。ただ道路が悪い、橋が通れないために、帝石は、六億も八億も損をしておる。私はこういうところまで主計局に見てくださいとは言わない。ただ公共事業費を配分する責任にある経済安定本部長官は、このくらいの経済企画は当然すべきである。私はそういう例は全国至るところにあると思います。私はこの前の建築制限令のときにもそういうことを言つたのでありますが、一例を言えば、重工業方面ではどんどんとビルをぶつ建てておる。私はビルをつくる資金が政府融資の中から流れるとは言わない。もちろんそうではないでしよう。しかしそれだけの余裕があるものならば、そういうものに対する支出を幾分か食いとめても、焦眉の急務であるところの災害復旧はやらなければならない。特に私の言いたいのは、今各都道府県の農村で青年の人口過剰にあえいであるところは、この二十億の災害復旧費がもらえるかもらえないかということでたいへんな問題が起きております。その青年に仕事を與えることによつて、道路もよくなり、川もよくなり、まして青年の思想の悪化も防げるといつた事情を私たち地方をまわつて見ているのですが、そういういろいろな面からいつても、何とかして二十億を出していただきたい。先ほど淺利君は住宅の問題そのほかいろいろ言いましたが、住宅金融に出される三十億よりもこの二十億の方が非常にウエートが強いとは申しません。もちろん建設委員会所管の事項でありますので、われわれも建設関係にはあらゆるものを出してもらいたいのですが、あなた方のものさしから見れば、今お組みになつたものの中で、二十億のわれわれの要求よりも程度の低いもの、生産度の低いものはずばりと切つていただいて、二十億だけはさらりと出していただきたい。所管大臣たる建設大臣は予算編成の大家である。関係閣僚との間に了解を得ていると言われるが、周東安本長官、増田君との間に了解を得たという相手は池田さんだと思います。まして現在予算編成の事務的最高峯である河野さんが出ておられるのですから、技術的にむずかしいということはおつしやらないで、最後に一ふんばりされて、ぜひとも入れていただきたい、私たちもそれを入れていただくように、側面的には大いに努力いたします。
○淺利委員 日程にはないのでありますが、先刻住宅公庫の問題を主計局長からお話になりました。それについて一つお尋ねしたいと思います。 本年度の住宅金融公庫に対する融資の申込みは、先般公庫の総裁の説明によりますと、四百五十億円に達している。個人住宅の場合は需要の二十四分の一にすぎない状況であるということであります。現在の非常に深刻なる住宅問題を緩和するには、政府は相当の補正額を計上するのでなければ、とうてい住の方面において民生の安定は期せられないと思うのでありますが、これに対しては今補正予算において政府はどの程度の増額を見ておられまするか。政府資金並びに融資額というふうなものについて、もし現在わかつておるものがありましたらば、一応お聞きしたいと思います。
○河野説明員 住宅公庫の出資につきましては、今年度の予算に百億あるわけでありまして、一般会計と預金部資金から五十億ずつ出しております。淺利さんのおつしやつたような最近の事情にかんがみまして、ある程度ふやさねばならぬと存じておりますので、一応一般会計から三十億ということを予定いたしております。この増額方につきまして、建設省よりいろいろ御希望があるのですが、総理及び大蔵大臣が帰つて来られましたので、最終的決定が閣議においてなされるというふうに考えております。
○淺利委員 三十億ということでは非常に僅少であつて、その目的を達しないと思うのでありますが、何かほかに預金部資金なり何かから出す融資の金はどのくらい予定されておりますか。
○河野説明員 住宅公庫の問題についてはいろいろ問題があるのでありまして、淺利さんのおつしやるように、できるだけ多きを望みたいのでありますが、またこういつたものについて一般会計の金額をふやすというようなことは容易でありませんし、またこれは金利のつかない金でありまするので、そこに限度がある。従つてよそから金を借りてやろうとすれば預金部の問題になるわけでありますが、この点は先ほど申し上げましたように、預金部の新しい蓄積をどういうふうに配分するか。つまり直接一般会計の問題ではおりませんが、預金部資金の配分の問題として考えたい。このほかに農林漁業もございまするし、鉄道の建設、通信の建設にたくさんの新規資金の御要求がございますので、その間のバランスをとつてきめなければならない。まだその額につきましては決定を見る段階に至つておりません。
○淺利委員 この問題については建設当局から数字を示していろいろ交渉されておると思いますから、ここに委員会として重ねて数字等をあげる必要はないと思いますが、最近新聞紙上でごらんになりましても、あまりに部屋が狭いために幼児が圧死させられておるというふうなことまであるのであります。この戦後における住宅の不足というここは、日本における重大なる社会問題であります。ことに狭いところに雑居しておる関係で、これが思想の上にも非常に影響しておる。近来、青少年の思想の悪化なり、あるいはいろいろふしだらな行為をするというふうなことも、こういうような住宅の安定がないということから来る問題であると思うのであります。いまさらその理由を詳しくは申し上げる必要はないと思うのでありますが、少くとも七、八十億はなければ、当初の計画した住宅が建たぬと思うのであります。日本においてはむしろ住宅の年次計画を立てて、何年のうちにこれを充実するというようなことがあつてしかるべきであると思うのであります。予算がないないと申したならば、これはいつまでもできないのであります。ただどこに重点を置き、どういうふうに見るかということは結局認識の問題でありますから、これらについては、ぜひ今回の予算においても、三十億といわず、少くとも七、八十億、もしできなければ五十億のほかに、融資においてあとの分をきめて、百億程度の資金がなければ、この要求が満たせないと思うのであります。これは実際日本の社会問題でありますから、大蔵当局においてはこの点特に重要にお考えを願いたいと思うのであります。なおこの問題については、さらにまた時をあらためて、大蔵大臣等にも御意見を承つてみたいと思うのであります。またほかの委員もうれに対しては意見があると思いますから、私は簡単でありますけれども、ともかく三十億程度ではとうていこの住宅政策の完成はできないと思うのでありますが、主計当局におかれても特にこの事情を認識されて、十分の御配慮を願いたいと思うのであります。
○藥師神委員長 この際私からもひとつ希望意見を述べておきたいと思いますこの災害の問題については所管大臣——所管大臣といつても安本もあれば大蔵省もありますが、まず建設大臣はちようど法律制定当時にはおられなかつたのだけれども、とにかく連帶責任制として、この問題などをどうお考えか知りませんけれども、われわれは大臣自体の腰がどうも微温的のように感じられるのですが、もう少し職を賭してもこういう問題は筋道を立てるように奮闘してもらいたいと私たちは思うのです。それからなお大蔵省の方では技術屋がおらぬのですから、ものの軽重ということがなかなかわかりにくいと私は思う。先ほども主計局長の口吻のうちに、経済効果の多いものに金をおろして行くというような言葉があつたようですけれども、私は何も言葉じりをとるわけじやないのですが、災害復旧なんというものは、大体災害を受けたあとの跡始末をするので、つまり積極性を持つていない。すべて消極的なものだから、割方金を捨てるような感じを免れない。それで新しく開拓とか干拓とかいうような建設事業を始めて行くのはすべて目に立つて、国土の開発に優先的に寄與し得るように多く考えられがちなんですけれども、われわれの頭から見ると、それはむしろ反対であつて、すでに過年度災害さえも一千億に上つているのですが、この新しく開発する問題は待つこともできるのです。これは事業分量を減すこともできるのですけれども、一度受けた災害というものは、これはもう早急にやらないと災害が災害を生んで来ることになる。本年度やれば一千億で済むものが、来年度まで延びれば一千五百億も二千億もかかつて来るということになるのだから、まず国土の開発をやろうと思えば、災害をなくする——災害をなくすることはできませんけれども、災害の復旧ということが先決要件にならなければならぬと私たちは思うわけです。とにかく現在予算編成難で、われわれは大蔵大臣のように減税などをそう期待しておりません。今日の情勢では、補正予算の編成においても、二十七年度予算においても、相当予算の編成難にぶつかるとわれわれは見ておるわけなんですけれども、とにかくこの間に立つて、ものの軽重ということはどうしても安本の責任として、大蔵当局の蒙を開くと言うては語弊があるかもしれぬ、それは大蔵当局に怒られるかもしれないけれども、大蔵当局には技術者はおらぬのだから、どういう問題を先にするかということは、安本にちよつとしつかりやつてもらわぬと、かたがつかぬと思う。これはとにかくみんなが遠慮し合うようなことでは話がつかぬ。われわれものずきでやつているのではない。閉会中に委員会を開くのも容易なことではない。人を寄せるにも、電報を打つたりずいぶん苦労さんたんして委員会を開いているのです。主計局長に最後には来てもらつたけれども、私はいやみを言うわけではないが、どうも大蔵省は、一口に言えば横着といいますか、こういう委員会に出て来ることを好まぬ。こういう問題は、今日の民主政治からいえば、ここに出て来て、親切に確実な責任ある答弁はできぬにしても、これは考慮中であるとか何とかいうことを言つてもらえば、われわれ国民に対する務めもできるのではないかと思う。閉会中北海道のはてまで電報を打つて開いたが、出て来るのを澁るということは、もつてのほかではないかと思う。これは主計局長には矢を向けてはなはだ済まぬのでありますが、本問題解決のためにも三者一体で努力してもらいたい、これを要望しておきます。 本日は以上をもつて散会いたします。 午後一時二十二分散会