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11回国会衆議院1951/08/18

議院運営委員会 第2号

発言数
222
登壇者
15
会派数
7
開催日
1951/08/18

会議録

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 これより本日の委員会を開きます。  まず第一に、講和全権委員及びその代理任命につきまして国会の議決を求める件を議題に供します。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 この問題に入る前提として、この間岡崎官房長官が梨木君に、大体この講和の調印に対しては軍事協定の問題もともに調印するのだという意見がありましたが、本日の政府の声明等を見ますと、それと違つたようなことが出ておりますので、その内容を聞くために官房長官の出席を求めてあります。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 共産党から官房長官の出席を要求しているということを聞きまして、さつそくその手続をいたしましたところ、今参議院に行つているそうで、参議院の方が済み次第当委員会に出席するということになつております。

石野久男労働者農民党

○石野久男君 議事に入る前に、私どもの方から内閣総理大臣吉田茂君不信任に関する決議案を出すことになつております。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 そういう問題は順番に審議することになつておりますから……。

石野久男労働者農民党

○石野久男君 実は第一の議案を論議するにあたりまして、その問題に関連してこの決議案をわれわれとしては問題にするわけでございますから……。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 それではそれが議題になつたときやればいいでしよう。会議の順序をきめる問題が当然起るでしようから……。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 それでは議長さんがおいでになつておりますから、議長さんに伺つておきたいことが一つあります。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 ただいまの議題の件ですか。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 そうです。—先般の岡崎官房長官の言葉では、先ほど申し上げたように、軍事協定もともに調印して来るのだということをはつきり答弁されております。そういたしますと、それは日本の新しい憲法によるところの戦争放棄の条項とあわせ考えまして、そういう全権を派遣するということ自体、私は憲法に違反するのじやないかと考える。従つて憲法に違反するようなこの政府の提案を、議長が受付けられた事情を聞きたいのです。これは憲法に違反する問題でも、政府が提案したら議会は受付けるのかどうか、この点を伺いたい。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 この点についてもう少し明確に申し上げます。われわれが手元に配付されておる米英提唱にかかるところの講和条約草案第六条を見ますと、これは明らかに日米安全保障協定といわれておる軍事協定の締結を予想しておる規定であります。こういうことは明白であります。そうすると、この全権を任命するという行為は、この講和条約に判を押すための全権であります。ところが憲法に明らかに違反しておるそういう条約に調印するということは、これは憲法上できないことであります。憲法上許されない行為をなすための全権を任命するということも、憲法九十八条によつてこれは無効であります。こういう歴然たる無効な任命行為について国会にその承認を求めるようなことをして来た場合においては、これを国会が受理する筋合いは全然ないとわれわれは考えております。そこでこれを受理された議長の御見解を承つておきたいと思うのです。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 梨木君、竹村君も一緒ですが、その問題は結局、議長はこの全権問題について当委員会に諮問しておるのですから、あなた方はこの問題についてどういう意見を持つているか、その意見をあとで言つてもらえば、別に議長に対する質問などをしなくてもいいのじやないですか。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 そういう委員長の御釈明ならばわかりました。議長の御答弁があれば聞きたいし、なければそれでよろしい。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 そうすると、今議題になつて、おります講和全権任命の内容について事務総長から御報告を願います。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 政府の方から、国会法第三十九条の規定により講和全権委員の任命について国会の議決を求めて参りました。その候補者は星島二郎君、参議院議員の徳川宗敬君、それに苫米地義三君で、この三名を全権委員として国会法第三十九条の国会の議決を求めた上で任命いたしたいということで御要求になつて来ております。  それから国会議員を全権委員代理とて任命をいたしたいから、国会の議決を求めるということで参つておりますものについて御報告を申し上げます。衆議院議員の松本六太郎君、同じく吉武惠市君、参議院議員の大野木秀次郎君、同じく伊達源一郎君、同じく参議院議員の鬼丸義齊君、この五名の全権代理の任命をいたしたい、こういうことで御要求になつて来ております。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 本問題について御意見ありますか。

椎熊三郎国民民主党

○椎熊委員 たいへんけつこうなことでございます。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 これはむしろ官房長官がおいでになつたときに聞いた方が適当じやないかと思いますが、一応私の意見を申し上げておきたいと思います。国会法三十九条によつて、議員が一般職に就任することは前例にあることですが、講和全権委員の公務員としての資格の問題について、国家公務員法並びに人事院規則の関係から、人事院の見解では一般職だということになつております。そこで国会法三十九条によることになつて来たわけですが、一般職ということになると、次官以下ということになるわけです。これは国会議員というものは、憲法上認められておる国権の最高機関という考え方から見ていかがなものであろうか。一般職の委員等に就任する場合はここの議決を経なければならぬ。この点から三十九条を設けたということについてはわかるのでありますが、特に講和全権委員というようなことで、どなたが行かれるにしても非常に重要な役員ではないか、そういう点から見るならば、これは国家公務員法を改正して特別職に加えるべきではないか。たとえば大、公使の問題にしても、そういう手続をとつて行くことが、憲法上国権の最高機関としての議員の品位を保たしめる上からみていいのじやないか。幸い国会が開かれておるのでありますし、これはきわめて部分的な改正で済むのでありますから、そういう処置をとつていただいた方が、国会議員としてよかつたのじやないかという感じを持つのであります。これは後ほど官房長官が御出席になつた上で一応御見解を承りますが、議会の側としても、議会の中からこういう人が出て行くということになれば、事務次官以下の一般職という形のもので、われわれ承認を与える、与えないの判断をする場合の一つの村料として、ちよつと私は疑義があるのじやないかという感じを持つので、私の感じたままを申し上げておく次第であります。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 その問題は官房長官が来てからはつきりすることにして、具体的に今出て来た案に対する賛否はどうですか。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 きようの党の最終的な態度は聞いておりませんが、大体われわれの方は承認することにきまつておるように聞いております。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 私の方は、あとで動議を出したいと思つておりますが、こういう国会法第三十九条による議決の件というものを上程すること自体に反対であります。そういう観点から、もちろんこれは反対でございます。

中村寅太農民協同党

○中村(寅)委員 私の方の党としましては、講和全権委員は挙国一致的な態度で臨むということに初めから主張をして参つたのでありますが、今度のこの顔ぶれを見ますと、社会党さんの方から入つていないということはまことに残念だと思います。けれども現在の段階としてはやむを得ないものであると考えますので、われわれとしてはこれに賛成いたします。

石野久男労働者農民党

○石野久男君 私の方は、全権委員の任務の面等についてまだはつきりしない点もありますが、いずれにしても国会法三十九条によるところの兼務の問題については、社会党の田中君からもお話があつたように大きな疑義を持つのであります。なお先に申しました任務の点等についての面からも、この件については反対でございます。

佐竹晴記社会民主党

○佐竹晴記君 一般職、特別職の問題については法律上疑義があると存じます。しかし先ほど事務総長からおあげになりました方々については賛成でございます。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 それでは社会党はどうですか。

土井直作日本社会党

○土井委員 大体わが党としては、同調することにいたして異議はありません。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 民主党はいいですね。

椎熊三郎国民民主党

○椎熊委員 異議ありません。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 大体反対は共産党と石野君のところだけですが、先ほどの法律上のことについても、動議についても別に諮ることにいたしまして、ただいま事務総長の話した全権を承認するということに対して、これは採決しないでどうですか。共産党と石野君の方は反対だが、その他は全会一致ということでよろしゆうございますか。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 それでよろしゆうございます。

土井直作日本社会党

○土井委員 しかし石野君は賛否の意思表示をせられる立場ではないでしよう。オブザーヴアーとして反対の意思表示をするということは……。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 オブザーヴアーとしてこういう意見を述べたということですね。従つて反対は共産党だけということになります。  それでは今の二つの問題を残しまして、多数をもつてこれを認めることに決定いたします。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 これが上程された場合の採決の仕方はどうですか。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 それはあとにいたします。     —————————————

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 次に、各種委員の任命につきまして同意を求める件を議題にいたしますが、まず第一に、運輸審議会委員承認の件を議題に供し、同時に事務総長から内容の御報告を願います。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 運輸審議会委員の栢原語六君と冨山清憲君、これは今まで審議会委員でございましたが、六月十二日に任期満了となりましたので、再び任命をされてあるのであります。従いまして閉会中に任命をされました分につきましては、次の国会で事後承認を得るということに規定がなつておりますので、事後承認を御要求になつて来ておるのであります。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 私の方は反対です。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 民主党の方は……。

椎熊三郎国民民主党

○椎熊委員 賛成です。

土井直作日本社会党

○土井委員 異議ありません。

中村寅太農民協同党

○中村(寅)委員 異議ありません。

石野久男労働者農民党

○石野久男君 私の方は、こういう問題がいつでも事後承認にばかりなつてしまうということについていささか異議があるのです。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 これは閉会中の分については、法律上の規定がそうなつておるわけですから……。  それでは共産党は反対のようでございますが、その他の方が賛成でございますから、多数をもつて決定することにいたします。     —————————————

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 次に商品取引所審議会委員、これまた事後承認を求める件です。その内容を事務総長から承ります。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 ただいまの商品取引所審議会委員の寺田省一君が、六月二十六日に御都合で依願退職をいたしたのであります。従つてその後任として南正樹君を委員に任命をいたしてございますので、事後承認をお願いいたしたい、こういうお申出であります。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 私の方は反対です。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 それではこれも共産党が反対のようでございますが、その他の党は賛成のようでございますから、これを承認することに決定いたします。     —————————————

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 次に、日本銀行政策委員会委員任命の件について事務総長から御報告を伺います。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 ただいまの日本銀行政策委員会委員である中山均君が六月十六日で任期満了となりましたので、政府の方では再任をいたしたい、こういうことでございます。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 これも共産党は反対ですか。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 そうです。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 これも共産党が反対のようでございますが、その他の会派が賛成のようでございますので、承認することに決定いたします。     —————————————

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 次に、公正取引委員会の委員任命の件を議題に供します。事務総長の御報告を願います。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 公正取引委員会委員は湯地謹爾郎君でありまして、これが七月十三日に任期が満了をいたしましたので、やはり再任をいたしたい、こういう件でございます。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 反対。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 多数をもつて決定いたします。     —————————————

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 次に、日本国有鉄道監理委員会委員任命の件を議題に供し、事務総長から御報告を願います。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 ただいまの日本国有鉄道監理委員会委員は、鈴木清秀君が五月三十一日に任期満了となりましたので、その後任といたしまして飯田精太郎君を任命いたしたい、こういう申出のものであります。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 反対です。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 それではこの問題も共産党の反対があるようでございますが、多数をもつて承認することに決定いたします。     —————————————

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 次に、鉄道建設審議会委員の補欠指名の件でございますが、これは前に釜谷、根本、佐藤の三君を指名したのでございますけれども、国務大臣に就任したので辞任をいたしたわけでございます。その後任でございますが、内容については事務総長から御報告を願います。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 今御説明のありました鉄道建設審議会の委員には、衆議院の方から各党の代表といたしまして割当のありました自由党の益谷、根本、佐藤の三君が出ておられたのでありますが、国務大臣になられた関係でおやめになりました。その後任といたしまして自由党の方で廣川弘禪君と増田甲子七君を推薦いたして参つたのであります。従つてとりあえずお二人だけをお願いいたしたい、こういうことでございます。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 共産党は……。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 反対です。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 それでは共産党は反対のようでございますが、他の会派は大体賛成のようでございますから、これを承認することに決定いたします。     —————————————

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 それではただいま官房長官が出席せられましたから、先ほどお話になりました質疑について……。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 官房長官にお伺いいたしたいのでありますが、今度の講和全権委員が向うで調印するのは、講和条約並びにいわゆる日米安全保障協定にも調印するということで、先般の梨木君の質問に対して明瞭にお答えになつたのであります。しかるに本日の新聞を見ますと、何かそれが変更いたしたようなことを言われておるのでありますが、やはり今度の全権委員が調印するのは双方に調印するのであるかどうか、この点をもう一ぺん確かめておきたいと思います。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 日米安全保障条約は、総理がしばしば言います通りまだできておりません。できておりませんから、できてみないとわかりません。できればなるべく多数の全権が調印されることを期待しおります。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 できておらないというのですが、しかしこの前あなたは、日米安全保障協定にも調印する権限を持つ全権を任命するのだ、その承認を求めるのだということをおつしやつたが、その前言は間違いであつたということでお取消しになりますか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 講和全権委員と申しますものは、講和に関する文書について調印することのできる権限を持つておるのであります。しかしながらまだできないものに調印するわけには行かないのでありますから、できない場合には調印いたしません。またいろいろの関係で、できてみたところが、これは調印したくないという全権があれば、調印しなくともよろしいわけであります。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 それではお伺いします。全権は幾人か行かれるようでありますが、その中で希望しない人は判を押さなくともよろしい、こういう自由が保障されておるのですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 全権は各党から出されておりますから、党の考えもありましようし、またできていない協定に対してあらかじめどうということはできないのでありますかり、これはできてからの話であります。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 それではその日米安全保障協定は、いつできるというお見込みでありますか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 なるべく早くと思つて努力いたしております。期日はわかりません。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 きようの日本タイムスの報ずる外国電報によりますと、その日米安全保障協定の内容は、九月一日に確定されるということを報道しておるのでありますが、大体そういうお見込みでありますか。この情報はどの程度にわれわれは考えたらよいのでありますか、政府の見解を伺いたいのです。

倉石忠雄自由党

○倉石委員 運営委員会でそんなことまで言い出すのはおかしいじやないか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 政府は新聞の報道には責任を持ちません。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 それでは、この全権はいつ出発される御予定なのでありますか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 まだ決定いたしておりません。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 そうすると、日米安全保障協定の内容がきまつてからお立ちになるのか、それともきまらない前にお立ちになるのか、これはどうですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 全権は、原則としては九月四月の会議に間に合うように出発いたします。協定の方はまだいつできるかわかりません。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 そうすると、不幸にして全権が出発した後においてこれが発表されたといたしますならば、御承知のように講和条約を結ぶ権限は内閣が持つておるのであります。そこで内閣全部が行くわけではないでしようから、その点についての法的措置はどういうふうにおやりになるおつもりでありますか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 内閣がこの全権に対して全権委任状を交付して、全権を委任するわけであります。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 そうではなくて、条約を結ぶ権限は内閣にある。内閣全部が向うに行くわけではないから、この条約が出発された後において発表された場合においては、内閣といたしましてはこれを検討する物理的な可能性がないようにわれわれは考えます。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 御説明いたしますが、これは元来講和条約が批准されて効力を発生したあとででき上るべき条約であります。それを効力発生後に相談しては間に合わないおそれがありますから、その真空状態をなくするために今から相談しておいて、批准ができて効力が発生したときは、ただちにこれも効力を発生し得るようにという考えでやつておるわけであります。そこで、これは元来独立国になつたときにできる条約でありますから、ただいまは占領下にありますけれども、独立したときを仮定して日米でお互いに相談してつくる、これは双務的の、お互いに相談してつくる条約であります。従つて政府が知らない間にでき上るのではなくて、日本政府とアメリカ政府が相談しつつでき上るものでございますから、物理的の心配はないのであります。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 今の官房長官の御説明によりますと、日本が完全に主権を回復したときに、初めて日米安全保障協定というものを結ぶ能力を持つようになるというように承つたのでありますが、そうなると、講和条約については調印いたしましても、これが効力を発生しない限り、つまり手続としては批准とか、あるいは国会の承認、そういう手続が全部済んで、しかもこの条約に規定されておる十四箇国のうちの多数の国がこれを批准とかいろいろな効力発生の条件が満された後において、初めて日米安全保障協定を結ぶ能力を日本が持つようになると思うのであります。その後においてしか日米安全保障協定に関する調印というものは起らないと考えてよいのかどうか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 これは国際慣例を無視しておられる議論でありまして、たとえば日本とただいま西独と貿易協定を結んでおりますが、講和条約が発効すれば、この貿易協定は自然になくなります。そこでただいま独立国になつた場合を予想して、講和条約効力発生後にただちに行わるべき日独の貿易協定をつくりつつあります。条約発効後つくつたのでは、貿易をやらない期間ができるといかぬからというので今からやつておるのであります。そういう協定はいろいろの国とするのであります。これも同様であつて、効力発生は批准の後でありますけれども、あらかじめやつておかないと真空状態ができてはたいへんだ、こういう考えで今から準備をしておるのであります。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 どうですか、もうたいがいわかつたと思うのですが……。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 今の官房長官の話でありますが、貿易協定のような問題と、主権を制限する問題に関連するこういう日米安全保障協定というようなものは、同日に論ずることはできないと思うのであります。これは見解ですから、それ以上は申し上げません。  最後に伺いたいのは、このアメリカの提案しておる条約の第六条を見ます。と、これに調印すれば、当然日米安全保障協定に調印をしなければならない拘束力を持つというようにわれわれには理解されるのでありますが、これはどのように政府は考えておられますか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 共産党はそう考えられるかもしれませんが、第六条は二箇国間、もしくは多数国間の協定を結ぶ権限があるということを明らかにしておるのでありまして、協定を結ぶか結ばないかは日本の自由であります。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 この条約の調印締結ということは、政府のやる行政行為ですが、その行政行為の可否は、国会議員として国会に付議されたときにこれを議論することとして、ただいま共産党議員の質問に対する官房長官の答弁は、もちろん日米安全保障協定はまだできていないので、従つてそれに対する調印を、今ここで国会の承認を求めておる全権委員にその権限を委任するかどうかということは、まだきまつておらないというように聞えたのであります。それは、この安全保障協定はまだきまつていないから、先ほどの話では、各党の態度も立場もあるから、調印する人と調印しない人と出るという意味合いに官房長官は述べられたのでありますが、それは講和条約についても、政府が委任した全権の中で、党の態度で調印をする者と、しない者が出てさしつかえないという見解ですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 講和条約は草案がすでに確定して、最終草案が発表されております。それに対して各党で研究されて、調印してよろしいものであるという考えの方が全権に参加されたのでありまして、講和条約には全権は残らず調印されるものと信じております。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 そうしますと、講和条約は条約草案が確定しているから、それに対する党の決定に基いて委任状を出すのだというように聞きましたが、今のところ時期を同じくして調印を予想せられておる日米安全保障協定については、この国会の承認を得ておる講和全権委員が、党の態度によつて調印しない場合もあつてもいい、あり得ることもあるという先ほどの答弁は、そのままに理解してよろしいですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 その通りでございます。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 もう一つ、これも政府のやる行政行為でございますが、しかし国会議員の同僚の中から全権委員が出るのであります。全権委員の資格の問題については、先般いわゆる国家公務員法上の一般職であるという見解が人事院から表明されておつたようでございますが、われわれの理解するところによりますと、一般職というと事務次官以下の為のをさすのであります。少くとも講和の全権委員、これは何人が行くという人選の問題は別問題といたしまして、少くとも国権の最高機関である国会議員を任命するポストに、これは国会の承認を得さえすれば一般職の委員等に議員がなるという場合もありますが、特に講和全権委員というような重要な行政行為を担当する者を一般職にするということについては、私は行政機関の内部においても配慮が足りないのじやないか、国家公務員法の何条でありますか、これを改正して特別職に加えれば、事務次官以下の公務員であるという一般職に対する感じを、国権の最高機関としての議員の権威保持という点から見て調整ができるのであつて、幸い臨時議会が開かれておりますから、法律改正等の手続をとつてしかるべきではなかろうか。これは国会議員の権威保持の点から官房長官にお伺いするのでありますが、こういう配慮を政府がなぜやらなかつたか。特にその点から見れば一般職であるか、特別職であるかという点に法的に相当の疑義を感ずるのでありますが、政府はこの点についてはどういうように考えて特別職とする処置をとらなかつたのであるか、その理由を伺いたいと思います。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 ただいまの御質問は、なんだか特別職は偉くて、一般職は偉くないように考えてのお話のように受取れますが、公務員法第二条に掲げてある特別職の中には国務大臣もありますが、進駐軍労務者もあり、失業者もあります。他方一般職の中には委員もあり、その他の役員もあります。政府の任命する各種の委員の中には、国務大臣では満足しないような偉い人もたくさんあるのでありまして、一般職と特別職と、その偉さによつてきめるのではないのであります。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 それは特に国会法に三十九条の規定を設けて、立法府の議員がそういう行政各部の委員等に就任する場合には、特に国会の議決を経なければならぬという規定を設けた点は、私は少くとも国会議員の、国権の最高機関という憲法上規定された品位というものを保持する配慮からなされたものと思います。なるほど特別職の中には、進駐軍労務者のようないわゆる一般職として律することが適当でないものがあることは承知しておりますが、少くとも国家公務員法にいう、人事院規則にいうところの一般職というものは、その権威上と申しますか、そういう立場から見れば、各官庁の事務次官以下のものを一般職ということが通例になつております。そこで全権委員を行政府が立法府の中から委嘱しようということになるならば、行政機関としては少くともそれだけの配慮をすべきことは私は当然であると思います。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 政府は、おつしやるような点をよく研究いたしまして、一般職の委員と同等の取扱いをすることが最善であるという結論に達したので今回の措置に出たのでありますが、これは人事院の意見でもむろんあるわけでございます。

石野久男労働者農民党

○石野久男君 官房長官に伺いますか、先ほど日米安全保障協定というものについては、各党はそれぞれの立場でそれぞれの考え方もあるから、その場合いやだつたら調印しなくてもよいというお話があつたのであります。なお、それに対する社会党の田中君からのお話に対して、はつきりそのように考えてよろしいという確認がなされておるのであります。そこで私はこの際、第一議題として提案されました政府の考え方の中に、現在日米安全保障協定の案文というものが全然わかつていない今日において、この国会に対して承認を求めておる意味の中には、安全保障協定に対する調印の資格を全然加味していないというような考え方で提案されておりますかどうか、それをはつきりお願いいたしたい。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 政府は、全権委員を任命すべく国会の議決を求めておるのであります。国会法三十九条によつて国会の議決を求めておるのであります。

石野久男労働者農民党

○石野久男君 それはよくわかつております。しかし先ほどの官房長官のお話では、講和条約草案はすでにわかつておる、従つて国会においては講和条約草案をよく吟味した上、参加すべきものとして三名の方を全権委員として各党は出しております。しかしながら、一方安全保障協定の内容については、おそらく自由党の諸君も民主党の諸君も知らないはずである。国会もわからない。従つてたまたまこれを同時に調印するような事態が発生する場合においては、国会が認めたところの全権は、国会の承認を得たという資格では参加できない内容を持つと考えられる。従つて官房長官のお話をそのまま受取るとすれば、当然講和条約に対しては全権であるが、日米安全保障協定ついては全権でないということに国会としてもまた理解しなければならぬと考える。政府としてもそういう考えで提案されておると理解いたしますが、官房長官はどのように考えておられますか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 私は、全権委員と申しますものは広義の解釈でありまして、これは国際慣例上、講和に関する一切の文書について調印できる資格を持つた全権であると思つております。権限としてはあるけれども、その権限を行使するかどうかということは、この安全保障条約ができていない今日、わからないのであります。

石野久男労働者農民党

○石野久男君 政府が国会議員でない方々を委員に任命し、それに委任するということならば、先方において新しく出た安全保障の内容を見ることによつて、政府の代弁者として、委任された者として調印することは可能であると思います。しかしながら国会に関しては、少くともその案の内容を見ることによつて国会の承認が必要であります。それゆえにこそ、三十九条によつて承認の議決を求めておると考える。従つてそのわからない内容を持つ草案に対しては、いま一応それに対する国会の承認の議決を経た上、全権を派遣すべきものと考える。(「君らの意見を言つてもしかたがないじやないか、質問をやれ」と呼ぶ者あり)官房長官に聞いておるのだ、君らに聞いておるんじやない。議案の内容がわからぬから聞いているのだ。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 大体あなたの意見とは違うようだが、政府の言うことはわかつたでしよう。

石野久男労働者農民党

○石野久男君 わからない。岡崎官房長官からその点をもう一回聞きたいと思います。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 政府は、講和全権委員として国会法三十九条によつて国会の承認を求めておるのであります。

石野久男労働者農民党

○石野久男君 先ほど、日米安全保障協定というものは、講和条約ができた後にきめらるべきものであるということを言われております。従つてこの日米安全保障協定に対する調印は、講和全権の持つ任務の内容ではないということを言われておるのであります。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 権限は持つのだ。但しそれに対して各党の全権の中で、反対する者は調印しなくてもかまわないというので、はつきりしておるじやないですか。

石田一松国民民主党

○石田(一)委員 今の問題ですが、そうすると、今度ここで承認を与える全権というものは、その全権の意思によつては、今後成立する日米防衛協定ですか、安全保障協定ですか、これに調印する資格、権限を与えるという承認ですか、そうだとするとこれはたいへんな問題が起るのです。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 権限はありますけれども、権限を行使するかどうかは自由だということでございます。

石田一松国民民主党

○石田(一)委員 本人の自由ということは、権限は持つておるということですか。この日米安全保障協定に対する全権をもここで承認するということですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 講和全権というのは、そういう権限を持つておるのです。但し多数国との講和条約と、米国と日本の二箇国の間の安全保障条約とはおのずから性格が異なりますから、全権委任状もおのずから異なつて、二枚出ることになります。そこで安全保障条約に調印される全権にはその全権委任状が出るし、そうでない方には全権委任状が出ない、こういうことでございます。

石田一松国民民主党

○石田(一)委員 反対の者にはその委任状は出ないということですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 そういうことでございます。

土井直作日本社会党

○土井委員 私は国際法とか、国際慣例とか、そういうことについてはしろうとだからよくわからぬが、今の問題についてちよつとぼくは常識的に疑義があると思う。ここに提案されておるのは、講和全権委員任命につき国会の議決を求める件、こうなつておる。従つて性格は講和という問題に限定されておる。しかも講和の案文というものはすでに発表されておる。ところが日米の安全保障協定という問題は、まだどういうものであるかということは全然わかつておらない。従つてこれに対して、この講和全権委員が権限があるという解釈は、ぼくはちよつと受取れない。国際慣例とか国際法でどうなつておるかということはぼくは知らぬけれども、少くともそういう日米安全保障協定に対して調印をなし得るものならば、その権限があるとするならば、これはやはりここにその文句を入れておかなければならぬ。従つてこういうことが考えられる。要するに、いまだ何ら具体的に決定しておらないものであるが、ときたまたまサンフランシスコにこういう資格で全権が行つた。その場合に日米の安全保障協定の案が出て来た。これをどうするかということについて、新たに国会を開いて、また新たに代表を出すか、それともそういう煩を避けて、すでにサンフランシスコに派遣しておる者にそういう事項について全権を委任するかというような問題が起つて来るかもしれない。しかしその場合に、要するにすでに派遣されておるところの委員は、国会議員の場合は、これはあらかじめ三十九条の承認を経なければならないという問題が出て来るが、政府の職員の場合は、これは内閣がただちに任命すれば、それでその安全保障協定に調印する可能性も生じて来る。ただ残される問題は、国会の承認を経て派遣されておる全権、この三十九条によつて承認しておる者は、国会を再び開いてやらなければ安全保障協定に判を押す権限はない、かように解釈する。官房長官は外交出なんだから、国際法というものの第何条のところにどういうものがある、慣習がどうなつておるということは詳しいが、私は常識的な考え方から見て、おそらくこういうことは違法だと思うがどうですか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 日米安全保障条約に調印する権限を与えるのは政府の任務であります。それで国会法三十九条の講和全権委員の任命を議決するかどうかという問題になるのであります。そこで講和全権委員の定義は何かということになります。今のあなたのお話では、講和全権委員というのは、講和条約に調印する全権であるというふうに考えておられますが、講和全権委員というのは、講和条約に関連のある事項についての文書に調印ができる建前になつておる。そこで、あとはこの権限を行使するかどうかはその人の考えでもあり、またそれに権限を与えるかどうかということは政府の考えであります。

土井直作日本社会党

○土井委員 その解釈は、ぼくはちよつと無理があるのじやないかと思う。たとえば講和に関連する問題として、かりに極端な仮定を置いては相済まぬけれども、中共とかそういうものをもし認めてくれとか、あるいは欧州の他の国を何かの形で認めてくれ、それは講和の問題とは直接関連があるようだけれども、そういう性格が異なつたようなものが現われて来た場合でも、全権は調印することができるかどうか、そういうことはできないはずであります。講和全権委員というものは、講和条約草案が発表されてこれはみな承知しておる、それに調印することについて委任されておるだけの話で、日米安全保障協定というものはまだ出ておらない。従つてこれが出て来た場合、いわゆる政府の任命した全権委員にはそれを委任することはできるけれども、国会の議決を経て承認されておる人々については、もう一回国会の承認を経なければできないと思う。(「講和条約の中に入つておる」と呼ぶ者あり)それならば最初から官房長官が言うがごとく、それに押してもいいし、押さなくてもいいというようなことはできないわけである。当然押さなければならない。もし官房長官が言うがごとく、押してもいい、押さなくてもいいというのなら、講和の条文に対しても押してもいい、押さなくてもいいという議論が同じ形で出て来る。講和条約の中にそういうものが全部くるまつておるものであるということで、押してもいい、押さなくてもいいという解釈はおかしいのじやないかと思う。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 それはおかしくないのです。講和条約の草案に対しては調印するということを承諾されて全権になつたのだから、調印することにきまつておると思います。片方のはまだわからないから調印するかどうかわからないのです。

石田一松国民民主党

○石田(一)委員 私たちは、きようは長い時間をおかけして済みませんでしたが、いろいろ議論の結果、要するに日米安全保障協定についての全権については、これは絶対に問題にならぬ、それは承認しない。しかし講和条約案に対しての調印についてならばこれを全権として承認するということで、採決をとつてやつておる。それにもかかわらず今の説明によりますと、この全権委員の任命について国会法三十九条によつて議決を求める件が、講和条約の案にも、また日米安全保障協定にも調印する権限を認める承認の件であるということになりますと、私たちの党議をもう一回やり直さなければならぬ。

椎熊三郎国民民主党

○椎熊委員 権限はあるわけなんだ。権限はあるのだけれども、行使させないというのだ。

石田一松国民民主党

○石田(一)委員 させる、させないという問題ではない。先ほどから官房長官は、これは政府の行政権によつて任命するものであるということを言つておる。そうであつたら、われわれの党は行使しないのだといつても、資格を与えておいたらしかたがないことになる。

土井直作日本社会党

○土井委員 たとえば全権委員の委任状というものが二つ出るという。それなら、やがて日米安全保障協定という案文が出たときに、あらためて政府はその出先の全権に対して、それに調印するところの権限を与えるということをおつかけて出さなければならぬということになる。国会議員を任命するのは、要するに講和条約だけに承認してやるのだから、新たに出て来るところの日米安全保障協定というものについての全権は、これはもう一回国会の承認を経なければ、国会から派遣されておる議員は調印ができない。

石田博英自由党

○石田(博)委員 全権委任状というものは二つ出るわけだ。そして一方を欲しない全権に対しては、いま一枚の方を出さないのだ。権限がないのだ。

石田一松国民民主党

○石田(一)委員 それは政府の問題であつて国会が承認するのは、全権は両方に調印する資格を持つということでわれわれは党の議決をしていない。講和条約のみに対してやつておる。だからここで名前をわけて、だれとだれは条約に対する国会の承認を与え、そうして政府側が任命しようとするところのだれとだれとは講和条約並びに防衛協定ができたとき、これにも調印する両方の権限を与えるという二つの承認をなさなければならぬ。別個にわければ話がわかるが、そうでなければおかしい。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 国会は権限を与えるのではない。

土井直作日本社会党

○土井委員 国会法三十九条によつて承認を求めることは、議員を全権に入れるからである。議員を全権に入れなければ求める必要はない。議員が政府の機関の職員に委嘱されるには、国会法三十九条によつて承認を得なければなれないがゆえに求めるわけだ。

石田博英自由党

○石田(博)委員 ただいまここで出されたいろいろの意見について種々議論が出ましたが、われわれの見解と各派の御見解との間に食い違いがあると同時に、各派の疑点がはつきりしてない点もあると思いますので、各位の御質問の趣旨について官房長官から政府の説明を承つて、それによつてわれわれの態度をここで決定をしてもちいましよう。時間もすでにおそくなつておるから、議事進行を願います。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 講和全権委員と申しますのは、講和会議に関連する文書に調印する権限を持つものであります。そこで具体的に申せば、日米安全保障条約も、講和条約と不可分の関係にありますから、これにも調印できる権限を持つものであります。しかしながら各般の国際会議において、御承知の通り全権のうちのある委員はこちらの条約に調印し、ある委員は向うの条約に調印するというようなことがしばしばありますので、全権を一人にせず大勢にして、違つた条約に調印できるようなかつこうにしておるのが通例であります。そこでまた実際的にいえば、いやだという全権に無理に手を持つて調印させるわけには行かないのであります。従つて権限はあつても行使しない場合がしばしばあるのであります。いわんや今度の安全保障条約はまだ成文を得ておりませんから、いかなるものかということは、かりに政府の任命する全権でもわからない。そこで権限を行使するかいなかはまつたく各全権が自由におきめになる。ことに各派を代表せられる全権でありますから、個人のみならず党の意見もありましようし、これはまつたく御自由である。

石田博英自由党

○石田(博)委員 ちよつとお伺いいたしますが、議会で全権を承認する行為と、全権の持つ権限関係について御説明を願います。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 議会で全権を承認されますと、政府は全権に対して一通りの権限を与えることができるのであります。承認されたあとで、政府はこれに対し必要な権限を与えます。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 先ほどの官房長官の説明によると、国会で承認されますれば、国会議員の全権は従つて日米安全保障協定にも調印する権限はあるとはつきり言われた。しかしその者の欲するところによつてしてもいいし、しないでもいいのだということでありましたが、それでは国会において承認する議員の中で、どの議員に両方に調印する権限を政府は与えられることを国会に承認を求められるのか。どの議員にどれだけ権限を与えられるのか。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 とにかく国会で議決をして全権委員の任命を承諾されれば、そのあとで政府でもつて適当に権限を付与するのであります。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 従つてこの全権は、承認したならば双方に調印する権限があるということがはつきりしておるかどうか。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 権限を与えればある。

土井直作日本社会党

○土井委員 同じことだ。疑義があることだから明確にしておく必要がある。大体全権の委任という問題は、政府の行政権限によつてできるのです。国会になぜ承認を求めるかというと、国会議員なるがゆえに求めるのだ。国会に承認を求めるということは、国会議員をこの講和の全権委員にすることがいいか悪いかということをここで認めるか認めないかということを決定する。すでに案文が提出されておるものについてわれわれはそれを認めるか認めないかということが問題になるわけで、承認を与えるか与えないかという問題が出て来る。国会としての権限は、議員が一般職の政府の職員として全権に加わるその資格を与えるということを、三十九条の上で認めるか認めないかということだ。ところがそれは講和の案文に対する問題を前提としておる。だから日米協定の問題ならば、自然その問題は別個に考えなければならぬ。そうなつて来ると、いわゆる個個の人がそれぞれの関係において全権として委任され、甲は承認を与える、乙は承認を与えなくてもよろしいという政府の解釈は当を得た解釈ではないと見ておる。全権というものは政府の行政権限によつて任命されて行くのであるから、当然日米安全協定の問題についても調印せざるを得なくなるわけだ。

岡崎勝男自由党内閣官房長官

○岡崎政府委員 そういう御質問はまつたく国際情勢に反しておる。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 岡崎君に対する質問はこれで終りたいと思いますが、賛成の諸君の挙手を願います。     〔賛成者挙手〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 それでは岡崎官房長官に対する質問はこれで打切りました。     —————————————

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 次は、国会代表の問題を議題に供します。議長から御発言願います。

林讓治自由党議長

○林議長 今回の講和会議で調印される平和条約は、当然国会の承認を得べきものでありますから、国会独自の立場から、議院側として会議の実情を見ておくことがきわめて必要と思いますので、そのために国会議員の代表を会議に派遣いたしてはどうかと思うのであります。その員数につきましては諸般の関係で十二名とし、本院の代表は七名にいたしたいと考えますので、ただいま申し上げました国会議員団派遣の件について皆さんに御相談をお願いしたいと思います。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 ただいま議長から議員団派遣の件が提示されましたが、これに関して各党の御意見を伺います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

土井直作日本社会党

○土井委員 社会党としては賛成でありますが、ただいま議長から御提案になつた趣旨を、われわれはかように解釈してさしつかえないかどうか、念のためお伺いしておきます。講和の調印後、批准国会を開かなければならぬ。従つてサンフランシスコで開かれる講和会議の模様を立法府が独自の立場で十分見ておく必要がある。従つて全権並びに政府の人々とは別個の形で、独自の面で派遣する、こういう解釈の上でよろしゆうございますか。

林讓治自由党議長

○林議長 先ほど申し上げましたように、国会独自の立場からということを特に申し上げたつもりであります。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 私の方は、講和全権委員を派遣すること自体が反対ですから、反対です。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 共産党は反対のようでありますが、その他の方は賛成のようでありますから派遣することに決定いたします。内容は七人をどうするか、事務総長から御説明願います。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 ただいま七名ということでありますので、先例通り各党派に割当てますと、自由党が五、民主党が一、社会党が一、こういうことになります。

石田博英自由党

○石田(博)委員 このたび国会から派遣される議員団は、次回の国会における条約批准の国会運営、審議のために派遣されるのであります。その見地から、わが党に五名割当てられておるのでありますが、われわれといたしましてはなるべく各党の国会運営の責任の衝に当つておられる方の派遣が適当であると考えておるのであります。幸い承るところによりますと、そういうふうなぐあいになつておると考えられるのでありますが、もし民主党の党内において国会運営の責任の衝に当つておられる方、たとえば国会対策委員長のような人が、党内の御事情で一名という制限では派遣不能という状態になるようでありますならば、わが党といたしまして一名を民主党にお譲りを申し上げてもよろしいという態度であります。

椎熊三郎国民民主党

○椎熊委員 国会が独自の態度で送るということは、わが党も賛成であります。それに各党の国会対策委員長を入れるということであるならば、わが党は一名の割振りだと編成上困難であります。その間の状況を察知されて、各党対策委員長を出すという趣旨から二名にせられたということは好都合でありますから、賛成します。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 そうすると自由党四名、民主党二名、社会党一名で御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 では決定いたします。     —————————————

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 閉会中委員派遣に関する件を議題に供します。内容については事務総長から報告申し上げます。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 議会が終りますと、国政調査等によりまして、今回も前回御承認を得ました通り、各常任委員会が従来持つておりました案件をそのまま継続をいたして審査をしようということに御決定願つております。従いましてまた実情調査をいたしたいという希望が相当出るのではなかろうか、これに対してどういたしたものか、御討議を願いたいと思つております。実は中間に今回の三日間の会期がありましたので、従来御決定の三分の一に達する人数の範囲における十日間の出張は、今までの閉会中にほとんど各委員会で実行されて成果をあげておると考えております。従いまして今後の状態においてどうなさいますか、予算上は相当きゆうくつでございますので、事務局の案といたしましては、同じようにまた繰返すこともいかがかと思いますので、各委員会からの申入れによりまして、議長並びに運営委員長等と御相談して、万やむを得ないと認められるごく少数に限つてお願いをするということ以外には方法がなかろうかと考えております。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 ただいま事務総長の発案の通り決定いたして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 さよう決定いたします。     —————————————

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 次に、人事承認の件を議題に供します。事務総長から報告願います。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 人事承認の件についてお願いいたしたい。それは法制局第二部長の福原忠男君でございますが、東京高等検察庁の検事の方にぜひ割愛をしてくれという申出があります。御本人ももともとそちらの方の方でありますので、適当な時期にもどりたい、こういう御希望もありますので、万やむを得ないことと考えましてお許しを願います。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 ただいまの人事承認の件は、提案通り承認いたして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 さよう決定いたします。     —————————————

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 議院運営委員会に、小委員及び庶務小委員が従来設けられておりますが、従来通りこれを設置することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 決定いたしました。     —————————————

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 それから、前国会で継続審議になつておるものが、今なお審議途上にありますが、この件をすべて前国会通り継続審議に本日決定することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 さよう決定をいたします。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 法政委員会及び人事委員会から、住民登録法の施行が七月一日からということになつているから、その程度のこと及び人事委員会の方で、公務員の給与改訂の問題等一、二追加をしてもらいたい、こういうことでありますから御了承願いたいと思います。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 ただいまの件は御了承を願うことにいたします。     —————————————

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 次に決議案並びに緊急質問の件を議題に供します。  まず第一に、内閣総理大臣吉田茂君不信任に関する決議案を議題に供します。石野久男君。

石野久男労働者農民党

○石野久男君 内閣総理大臣吉田一茂君不信任に関する決議案をわが党から出しておるのでありますが、これは先ほど国会法三十九条の規定によつて議決を求める件でも問題になりましたように、今回調印されようとしております講和条約につきましては、その内容において、特に第六条等における問題は、日本の憲法に触れる問題があるとわれわれは考えております。なお日米安全保障協定の問題は、先ほどの官房長官の説明によりましても、すでに講和条約草案の内容に含まれておるというようにいわれております。これらの問題は、吉田内閣総理大臣からは私どもに対してほとんど草案の審議過程においては十分の説明をなされないで、独善的に祕密的に行われて来たものであります。今回私どもがこの講和条約に調印をする全権を派遣するにあたつて、私どもとしてはこういうような内閣総理大臣の、特にそれが行政府における態度としまして憲法を無視するような行為は、日本の岐路を決するこの問題につきましては非常に重大であると考えております。私どもとしては、このような総理大臣の態度は、今日行われんとする講和会議の調印にあたつては許しがたいものであると考える。その意味において、内閣総理大臣吉田茂君は日本民族の興亡を決する重大問題である講和につき、国会と国民に対し条約草案の十分なる説明をなさず、世論と国会を無視し、祕密独裁的に憲法違反の講和条約並びに日米安全保障協定に、軽率にも調印せんとしている。よつて内閣総理大臣吉田茂君の退陣を要求するという決議案を、三十名の連名によつて運営委員会にお諮りしておるわけであります。よろしく皆さんの御協議を願います。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 ただいま御提出になりました内閣総理大臣吉田茂君不信任に関する決議案は、本日ほかに多数の議題もございますので、その議題終了後あらためて運営委員会を開催して協議いたしたいと思いますが、これに賛成の方の挙手を願います。     〔賛成者挙手〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 多数であります。本日の議事の終了後運営委員会を開いて取扱いを決定することにいたします。  次に、椎熊三郎君外百一名提出の領土権確保要望に関する決議案を議題に供します。

椎熊三郎国民民主党

○椎熊委員 講和の草案の内容を見ますと、日本の領土の問題についていろいろ不満の点がある。そこでこれに対する国民の意思を国会で決定しておいて、将来日本の国土の主権確保のために有利な状況にしておきたい。世界の正義に訴えて、日本の自主性を確保したいという念願から決議案を提出する。おそらく満場一致賛成だろうと思いますが、御賛成くだされば本日の本会議に上程せられたい。趣旨弁明は私どもの方からやります。御賛成を願います。

石田博英自由党

○石田(博)委員 この決議案を拝見してみると、まことにわれわれといたしましてはけつこうな決議案と存ずるのであります。しかしながら、案文中なお今までの経緯にかんがみて検討を要するところが多々あると存じますので、外務委員会に送付しまして、慎重審議せられんことを望むものであります。以上の動議を提出いたします。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 ただいま石田君の発言でありますが、趣旨には全面的に賛意を表明されておる。しかも講和会議に臨む日本国民の総意をわれわれが表明するということにつきましては、会期も本日で終りでありますので、この機会を逸することはできないと思う。従いまして事理きわめて明白なる決議案でございますから、自由党の方でも御賛成願つて、本日の本会議に上程することを強く要望いたします。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 それでは採決いたします。本案を石田君の動議のごとく担当委員会に送付することに賛成の諸君の挙手を願います。     〔賛成者挙手〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 賛成者多数。よつて本案は担当委員会に送付することにいたします。  次に、引揚促進に関する決議案を議題に供します。

土井直作日本社会党

○土井委員 引揚促進に関します決議案はしばしば国会で論議され、満場一致をもつて議決をされておるわけであります。しかしながら今回の講和問題を中心といたしまして、たまたま交戦各国が一堂に会する機会に遭遇するのでありますから、このチャンスを逸することなく、議会はすみやかに同胞が引揚げのできまするように、これに拍車をかける必要があると思いますので、本会議において議決をいたしまして、しかもそれをサンフランシスコの講和会議に日本国民の意思として明快に表明する必要があると考えるのであります。何とぞ本会議上程方を特にお願い申し上げる次第でございます。

石田博英自由党

○石田(博)委員 引揚問題はまことにわれわれとしては重大な関心を持つものであります。また残留同胞については同情おくあたわざるものであります。これに関する決議案は、自由党としては満場一致可決すべきものとして、本日の会議上程に賛成いたします。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 共産党は反対。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 共産党以外は賛成でありますから、本日の会議に上程することにいたします。提案説明は従前通り、賛成討論等はなし。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 反対討論だけはお許し願いたい。     〔「必要なし」と呼ぶ者あり〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 反対討論は認めないことに決定いたします。  次に、河田賢治君外二十四名提出の信託統治反対に関する決議案を議題に供します。

石田博英自由党

○石田(博)委員 この決議案は重大なものがあると存じますので、外務委員会に送付して慎重審議を願います。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 ただいまの動議のごとく、当該委員会に送付することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 さよう決定をいたします。  次に、災害復旧に関する緊急質問を議題に供します。

石田博英自由党

○石田(博)委員 十分間を限つて緊急質問を本日お許しいただきたいという動議を提出いたします。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 十分間という時間の制限をして、緊急質問を許すことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 さよう決定をいたします。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 次に地方財政確立に関する緊急質問、これは大矢省三君より提出されております。

石田博英自由党

○石田(博)委員 この問題はまことに重大なる問題であるとは存ずるのでありますけれども、この短期の国会に議題山積しておりまするので、当該委員会において慎重審議願つた上で、適当な機会に御相談を申し上げるごとにいたしたいと思います。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 この問題は、内政問題特に地方財政が非常に本年度窮迫した状態にありますので、全国の府県知事会議は、どうしてもこの臨時国会で取上げて明らかにされない以上、あくまで籠城してやるということが本日の新聞紙にも報道されておるような状況であります。その意味において本会議を通じ、全国民の希望しておるこの切実なる問題に対する政府の明快なる方針を示す絶好の機会であると思う。本日の本会議において、災害復旧の問題と同様、むしろそれよりも火のついた問題だと思いますので、特にこの問題は緊急質問を時間を限つて許していただきたい。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 採決いたします。本問題につきましては当該委員会で検討の上、しかるべく措置するという動議に賛成の諸君の挙手を望みます。     〔賛成者挙手〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 賛成者多数。よつて本問題は当該委員会に付議して慎重審議することにいたします。  次は、鹿児島県大島郡日本復帰に関する緊急質問、二階堂進君からの提案でありますがこれを議題に供します。

石田博英自由党

○石田(博)委員 これはわが国の古来からの領土であつた島の帰属に関することでありますので、十分間を限つて本日お許しいただきたいと存ずるのであります。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 本問題は、十分間を限つて本日緊急質問を行うことに決定いたしまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 さよう決定をいたします。  次に、南千島帰属に関する緊急質問を議題に供します。

石田博英自由党

○石田(博)委員 これも同様の理由をもつて、十分以内を限つて上程されたい。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 ただいまの問題も、十分以内を限つて許すことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 さよう決定をいたします。     —————————————

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 これをもつて本日の議事の問題は決定を願いました。例によりまして、本日の本会議の順序等を事務総長から承つて決定をいたしたいと思います。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 その前に、これは本国会が召集された憲法五十三条の後段に関する問題でありますが、われわれはこの国会は、われわれが憲法五十三条の後段の規定に従つて要求した臨時国会の召集だということを公報によつても承知しております。先般の本国会前の議院運営委員会においても、その点は政府の方にもやや不明確な点がありましたけれども、認められたのであります。しかるに昨日吉田内閣総理大臣のわが党の淺沼議員の質問に対する答弁を伺つておりますと、われわれの憲法の規定によるところの臨時国会の召集は、今回は全然取上げておらぬ。ただ内閣が全権委員任命等の必要だけで臨時国会を召集したのだということを明快に表明しておるのであります。これは岡崎官房長官の本委員会における答弁とも食い違うばかりでなく、臨時国会召集に関する憲法五十三条の蹂躙である。こういう総理大臣の答弁に対し、官房長官にこの一点だけはぜひたださなければならぬということで先ほど質問継続を希望したのでありますが、これも動議によつて打切られた。これはただ単に現内閣だけの問題ではなくして、将来の国会運営上きわめて重要な問題だと思うのであります。現実にわれわれの要求が出された以上、政府が次の国会を召集するまでの間において、これに対する態度を決定しなければならぬということは憲法五十三条に明確である。それをわれわれはやられたということを公報でも承知していたのでありますが、総理大臣がそういうことは全然ないということを明確にするにおいては憲法無視もはなはだしいと思う。この点は総理大臣の独断によつて憲法を蹂躙したようなことを、私は議長は默つて見ておるべきではないと思う。本委員会としても、この問題ははなはだ重大であると思う。ことに臨時国会においてはわれわれは内政問題で、今地方財政に関する問題について緊急質問を要求したのでありますが、これも多数で委員会まわしとして保留された。私は内政問題について、いろいろ政府が補正予算等準備しておるが、この短かい会期の現在の瞬間まで提案に至らなかつたから、臨時国会召集の目的は次に持ち越したという事実を認めるにやぶさかでないのでありますが、少くとも憲法五十三条の後段によつて四分の一以上の要求があれば臨時国会を開くという、憲法で認めた国会議員の要求権を蹂躙した昨日の総理大臣の答弁は承服できない。これは特に議論するまでもなく、何らかの形においてこの憲法の規定を尊重する明確な—昨日の答弁の取消しないしは訂正を、私は議長から当然総理大臣に要求すべきだと思う。議論を抜きにして、議長においてさようにとりはからわれんことを私は求めます。

石田博英自由党

○石田(博)委員 問題はきわめて重要な問題でありまして、それぞれ問いただす点もあると思いますので、本日重要案件を片づけた後において運営委員会を開きまして御協議願いたい。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 私はふまじめとはあえて申しませんけれども、そういう態度はないと思う。これから本会議を開くならば、運営委員会を開いて議論するひまはない。

石田博英自由党

○石田(博)委員 速記録を調べなければわからぬ点もあります。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 明らかに出ておる。

石田博英自由党

○石田(博)委員 あなたはそうおつしやつても、われわれは速記録を調べなければわからない。

田中織之進日本社会党

○田中(織)委員 議長の職権においても、ただちにそこまで国会において明らかにすべきであると思う。われわれが要求した臨時国会が、その目的の議案を審議することができなかつたという事実関係は認むるにやぶさかではなといつておる。幸いに要求した講和に関する経緯は説明を受けたのですから、その点は手続上の問題で、私は当然議長の立場において明らかにすべきだと思う。

土井直作日本社会党

○土井委員 今田中君が言うように、議長の手で速記録を十分お調べ願いまして、そういう内容がありますならば、総理大臣の方にただちに申達して適当に処置をしていただきたい。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 以上の処置を議長にとつてもらうことに一応……。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 それでは本日の議事の順序について御相談をお願いしたいと思います。この前一応申し上げました弔詞演説があるわけですが、これは本国会の一番主題の講和全権委員の問題が日程第一にございますから、ごく簡単だと思いますので、これが済みましたあと、決議案の前にやつたらどうかと思います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 それならば日程第一の講和全権委員任命につき国会法第三十九条の規定により議決を求めるの件、ただいま申し上げました三人の方の任命を起立採決でお願いしたいと思いますが、その採決方法並びにこれに対して質疑が米原昶君、討論として梨木作次郎君から通告が出ておりますので、この点の取扱いをおきめ願つて議事進行の順序をお願いいたしたい。

竹村奈良一日本共産党

○竹村委員 この問題は、先ほど官房長官にもただしましたけれども、実はこれ以外にいろいろな点についてはつきりしない点もありますし、またわが党はこれを上程すること自体にも反対でありますから、この点を明らかにしたいと思いますので、ぜひ質疑並びに反対討論を許していただきたいと思います。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 第一の講和全権委員任命につき国会法第三十九条の規定により議決を求めるの件は、なるほどこれだけはまことに形式的なものでありますけれども、内容はきわめて重大だと思うのでありますから、この点についてはわれわれは反対の理由を明確にしておかなければならぬので、ぜひ討論を許してもらいたい。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 本問題に関しましては、討論を省略してただちに採決すべしという議論がありますが、討論を省略してただちに採決に賛成の方の挙手を願います。     〔賛成者挙手〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 多数で討論をしないことにいたします。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 採決の方法は、御反対の方があるようでありますから起立採決で……。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 記名投票で……。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 記名投票の要求は、出席議員の五分の一以上なければできません。

梨木作次郎日本共産党

○梨木委員 われわれは記名投票を、法定数を集めてあとで議場でやりますから、その点含んでおいていただきたい。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 運営委員会といたしましては起立採決ということにいたします。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 日程第一が済みましんら、その当時出ておりませんでしたから日程には載つておりませんが、全権委員に関連いたしまする全権委員代理の任命の件を、日程変更でここへお入れを願つた方がいいと思います。これもやはり起立採決、それが終つたら、ただいまの国会議員団の派遣の動議を出していただきまして、これも起立採決で御決定を願つた方が関連の問題でありますからけつこうだと思います。それをおきめ願いまして、日程第二以下第六まで各委員の任命並びに指名等の件の議決をお願いする。これは一応全部起立採決でお願いします。それからただいまここに載つておりませんが、日本国有鉄道の監理委員会の委員の任命も追加をいたしてお願いをいたします。そのあとに残りますのは、ただいま御決定願いました決議案と緊急質問と弔詞演説がございますが、その順序はやはり弔詞演説から……。

椎熊三郎国民民主党

○椎熊委員 弔詞から願います。

大池眞衆議院事務総長

○大池事務総長 弔詞演説を有田喜一さんがおやりくださるそうであります。次に緊急質問がありますから、緊急質問を済ましていただいて決議案をお願いする。緊急質問は、村瀬さんの災害復旧、二階堂さんの鹿児島県大島郡の復帰の問題、佐々木秀世さんの南千島帰属の問題に関する緊急質問、この三緊急質問を願いまして、ただいまの海外同胞引揚問題の決議案を上程するという順序になります。

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 それではただいま事務総長からお話の通りの順序にすることにいたしまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小澤佐重喜自由党

○小澤委員長 さよう決定をいたします。本会議は九時二十分に開くことにいたします。  暫時休憩いたします。     午後八時五十五分休憩     〔休憩後は開会に至らなかつた〕

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