食糧管理法の一部を改正する法律案両院協議会 第1号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/03/31
会議録
○議長(野溝勝君) お待たせいたしました。籤によりまして私が本日の両院協議会の議長を勤めることになりました。なお衆議院の両院協議会協議委員議長には石田博英君、副議長には倉石忠雄君、参議院の両院協議会協議委員議長には不肖私が当選し、副議長には片柳眞吉君が当選されました。右御報告申上げます。 これより食糧管理法の一部を改正する法律案について両院協議会を開きます。両院協議会は国会法第九十七條によりまして傍聴を許さないことになつておりますから、協議委員及び協議会の事務をとる職員以外の方は御退席を願います。 先ず食糧管理法の一部を改正する法律案に関する各院の議決の趣旨の御説明を願つてから、御協議御懇談に入りたいと思います。衆議院側から御説明を願いたいと存じます。
○田中啓一君 衆議院が食糧管理法の一部を改正する法律案に対しまして賛成をいたしました趣旨を申上げたいと存じます。この改正案の内容の主なる点は麦につきまして新たな方針をとろうとする点と、それから食糧配給公団の廃止等に関します点その他二三点がございますが、問題の点は麦に関しましての新たなる方針についてだと思いますからその点について趣旨を申上げたいと存じます。 結局食糧事情がだんだん安定して参りまして、すでにいも類、澱粉或いは雑穀等はそれぞれ本年三月一日までに統制が廃止になりまして、価格並びに流通はみん自由になつたわけであります。麦はもとより米に次ぎますところの農業の生産としては基幹的なものでございまして大事なものでございますが、又国民食糧から申しましても米に次ぐものでございますが、御承知の通り、昨年来麦米等の総合配給の実情等につきまして見ましても、相当に配給の辞退が行われだんだんに殖えて参つておるような実情であります。又いわゆる闇価格と申しますか、それも今米の公定価格と闇価格が開いておるようなふうには開いておりません。ほぼ現在通りの輸入があるにおきましては麦の方は大体価格は安定をして行くものだと思われるのであります。そこで強制的な供出割当というものが農民にとりましては甚だ苦痛であるものであることは言うまでもないのでありまして、相当量の輸入さえありますれば国内の麦はいずれ国内で消費されるのでありますから、これを強制買上をいたしまして又配給をしなくとも流通を自由に任せ、又価格も多少の市価の変動を認めて行くということで円満に生産者から消費者の手へ移るであろう、もとより農民の側のこれの販売の機構でありますとか、或いは資金でありますとか、そういつたような点もみずからも準備をすると同時に、政府も相当配慮しなければならんことは当然でございますが、そういつたような措置を講じつつこの際一日も早く麦の統制を排除するということが望ましいことであるというのが政府の趣旨であり、又我々もさように考えたわけであります。ただ輸入の状況は、大体今日の通り世界の情勢が推移して参りますれば、無論去年今年あたり入つて来ておりますくらいの麦の輸入というものは続け得られると思うのでありますが又実績から申しましても大差はないのでありますが、併し一朝世界に非常な変動が起きましたような際は、やはり世界的に食糧の不足ということも考えられますので、いつでも配給割当制をとる前提としましてやはり供出をさすというようなことも考えておかなきやならんのじやないかということで、さような際は政令を以て強制買上ができる、こういうことが先ず現在の実際に適した方法であろう、こういうふうに政府の原案を考えましたので、私どもは法案に賛成いたしたわけでございます。 簡単でございますが、これを以ちまして衆議院側の政府原案賛成の理由を御説明申上げます。
○議長(野溝勝君) それでは参議院側の説明を願います。
○羽生三七君 それでは参議院が食糧管理法の一部改正法律案を否決した理由について大要申上げたいと思います。私どもの参議院の農林委員会では、食糧問題に関する小委員会を作りまして長い間この問題に関する審議を続けて来て、その結果参議院農林委員会が小委員会の報告を採択いたしましてこれを政府に申出たわけであります。その主要なる骨子を申上げますというと、先ず第一番に食糧事情は好転したと申しましても、朝鮮動乱以後の需給関係を見ると必ずしもこれは安心とは言えないことであります。これらの詳細な数字については、私がここでかれこれ申上げなくてもすでに皆様御承知の通りだと思いますのでこれ以上は申上げません。その需給関係が必ずしも安心ができないということのほかに、特に参議院で取上げられた問題は自立経済との関係であります。これは日本がこのような多額の食糧代金を輸入食糧に支払い、なお又それに附随するような多額の食糧価格調整費を予算に計上する、こういうような形では日本の本当の意味の自立経済の達成というものは極めて困難である。従つて外国食糧に対する依存態勢を速かに切換えて、国内の食糧自給態勢というものを高度に発展させなければならないということがその第二点であります。 それから対米比価の点についても昨年に比べて本年の予算が極めて低い価格にとめられておるのも、これも又大きな問題になつたわけであります。なお又自由にされた場合に御承知のように八百八十万石買入は予定いたしておりますが、今日の家畜飼料の不足から見まして或いは工業用原料の需要から見まして、相当量というものがこれら家畜飼料並びに工業用原料に流用される結果、必ずしも食糧としての麦類というものが十分に確保されるかどうかは極めて疑わしいという結論に達したわけであります。なお又その結果、米を主として生産する農家、これに対して極めて多くの比重が加えられるものとの点も強く主張されておるわけであります。更に根本的な問題といたしましては、この法案が最初に麦の統制を撤廃を謳いながら、情勢の変化によつては再び統制をするということを規定しておるわけでありますけれども、これは参議院といたしましては、政府の食糧自給生産にいわゆる確信のない証拠であるという結論に達したわけであります。本当に確信のあるものならば情勢の変化によつて再統制をするというようなことが規定されるはずがないので、本当に確信がありますならばそういう矛盾した法律ということはあり得ない、こういうことが指摘されたわけでありまして、いずれにいたしましても参議院の基本的な問題は自給生産が不安心であるということ、特に昨年の七月から本年の三月までの実績を計算して見て、予定される二百八十数万トンの輸入計画に対して、残余の四、五、六の三カ月間に十分の輸入計画が達成されるかどうか極めて疑問がある、この点であります。それから先ほど申上げたように日本の自立経済を確立する点で、飽くまで外国依存の態勢というものを切換えて行く。それから対米比価の問題、それから法律案の内部に内包するこれらの矛盾、これら三点を勘案いたしまして、いわゆる食糧管理法の一部を改正して麦の統制を今直ちに撤廃することは、時期尚早であるとの結論に達したわけであります。 なお詳細な点については又懇談会の際に申上げたいと思います。
○議長(野溝勝君) これにて名議院からの説明は終りました。御質疑のおありの方は御質疑を願います。……御質疑も別にないようですから懇談会に入りたいと思います。 午後九時十五分懇談会に移る ————◇————— 午後九時二十五分懇談会を終る
○議長(野溝勝君) 懇談会を閉じます。
○倉石忠雄君 それでは、本案につきましては両院の議決が全く異なるものございまして、これが調整についてもいろいろ問題が多いように思うのでございまして、今日のうちに意見の一致に達することは時間の関係からも無理かと思われますから、それぞれ各院に帰りましてなお十分協議を遂げたいと思いますので、本日の協議会はこの程度にて散会されんことを願います。 なお次回は五月四日午後一時に開会されんことを希望いたします。
○佐々木秀世君 只今倉石君から日にちの問題の話がありましたが、五月の四日と申しますと、この委員が変れば又別問題ですがこのままの形で行くと、北海道の方面も私ばかりでなく加賀さんもそうですし、もう二日ぐらい何とかなりませんか。
○議長(野溝勝君) 懇談会に入りたいと思います。 午後五時二十六分懇談会に移る ————◇————— 午後九時二十七分懇談会を終る
○議長(野溝勝君) 懇談会を閉じます。 只今倉石君からの動議がありまして次回を五月の七日午後一時に再開することにしたいという動議が出ました。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(野溝勝君) では御異議ないと認めます。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午後九時二十八分散会