予算委員会 第26号
- 発言数
- 119 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/03/13
会議録
○委員長(波多野鼎君) 只今より予算委員会を開会いたします。 最初に分科会の担当委員選定の件についてお諮りいたします。この選定は委員各位の御希望を参酌しまして、委員長において指名することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(波多野鼎君) 御異議ないものと認めて委員長において指名いたします。各分科担当委員の氏名を参事をして朗読いたさせます。 〔岡参事朗読〕 第一分科 石坂 豊一君 野田 卯一君 安井 謙君 山本 米治君 原 虎一君 佐多 忠隆君 吉川末次郎君 菊田 七平君 櫻内 義雄君 西郷吉之助君 高橋龍太郎君 高瀬荘太郎君 木村禧八郎君 第二分科 泉山 三六君 大島 定吉君 長谷山行毅君 平岡 市三君 加藤シヅエ君 波多野 鼎君 若木勝藏君 一松 定吉君 竹下 豐次君 伊達源一郎君 高良 とみ君 矢嶋 三義君 岩間 正男君 第三分科 池田宇右衞門君 小野 義夫君 白波瀬米吉君 岩崎正三郎君 白波瀬米吉君 岩崎正三郎君 下條 恭兵君 永井純一郎君 鈴木 強平君 飯島連次郎君 藤野 繁雄君 東 隆君 第四分科 一松 政二君 深水 六郎君 山縣 勝見君 内村 清次君 山田 節男君 深川タマヱ君 新谷寅三郎君 前田 穰君 堀木 鎌三君
○委員長(波多野鼎君) 冬分科におきましては、速やかに主査と副主査の互選をお願いいたします。なお分科担当委員の移動につきましては、その手続をあらかじめ委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議はございませんでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(波多野鼎君) 御異議ないと認めましてさように取り計いいたします。
○委員長(波多野鼎君) 前日に引続きまして、質疑に入ります。只今通産大臣が出席いたしておりますので……。
○若木勝藏君 通産大臣にお伺いいたしたいと思います。 最近用紙の統制撤廃が行われる情勢にあるというようなことが巷間に言われておるのでありますが、この実情はどういうふうでございましようか、これを伺いたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) 只今用紙のマル公統制、それから配給統制を漸次外すべく係官において交渉中でございます。
○若木勝藏君 そうしますというと、やはり統制を撤廃するというふうな方向に向つておるというようにお考えられるのでありつまするが、実際におきまして用紙の需要と、それから生産の状況はどういうふうな実情になつているのか、この点をお伺いいたします。
○国務大臣(横尾龍君) 用紙の生産は、只今このところでは需要と大差ないまでに行つておりまするので、統制を外しましても差支えないと考えておるのであります。
○若木勝藏君 そういうふうな実情に入つておりまするので、用紙の全般に亘つて統制を撤廃される御意思であるか、或いは又一部分について撤廃される御意思であるか、この点を伺いたい。
○国務大臣(横尾龍君) でき得べくんば全部において統制を外したいと思います。但し新聞巻取紙のごときは多少遅れるかも知れませんけれども、外すことに向つて努力をいたしたいと思います。
○若木勝藏君 教科書の用紙というふうな方面についての統制の撤廃はどういうふうになりますか、これについてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) 最も必要な教科書でありまするから、愼重に考えなきやならんと思います。併し今のところでは新聞紙で申上げましたように、重要供給がバランスしたときにこれを外したいと思います。
○若木勝藏君 従来この統制が撤廃された場合においては、先ず割当数量といいますか、数量方面においても非常に片寄りがどちらかというと大資本の方に捲き込まれて、そうして物がそういう方面に偏在するというふうな例が多々あるように考えられるのであります。この点につきましては、この用紙の統制が撤廃された場合においては、私は全国のいわゆる学童生徒、そういう方面の実に重要な教科書の用紙がそういう捲き込みのために非常な教科書出版の方面で入手することができず、或いは教科書というような方面についての発行不能、印刷不能というような実情が出て来はしないか、こういうことを考えるのであります。その点につきましては通産省といたしまして、特に何らかの対策を講ぜられるかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) 御心配御尤もであります。通産省としては業者によく警告を與えましてそういうような偏在のしないように、殊に教科書等の重大なるものに対しては善処するように注意もし、監督もするつもりであります。
○若木勝藏君 いまの一つの問題は価格の問題でありまするが、統制が撤廃された場合において、多くの場合は価格が非常に騰貴するのであります。そういうことになりますというと、この全国の、特に義務教育に従つておるところの子供たちが教科書を入手するということが非常に困難な状態になると思うのであります。そういう方面についての対策についてお伺いします。
○国務大臣(横尾龍君) 価格の問題についての御心配御尤と思います。併し或る程度まで現在の情勢上上ることは止むを得ないじやないか、こういうふうに考えておる次第であります。
○若木勝藏君 そうすると、今この統制を仮に撤廃するといたしましたならば、現在のマル公の価格の上にどれだけ吊り上つて行くということのお見通しがあるかどうか。
○国務大臣(横尾龍君) はつきりとどれくらい上るかということは申しかねますけれども、先ず一割から一割五分用紙が上るものと予想いたしております。
○若木勝藏君 そういたしますと、これは教科書の出版業者というような方面は非常に企業を進めて行く上において困難を感ずると思うのでありますが それらに対しましては、特に金融の措置というような方面についてのお考えがあるかどうか、この点について伺いたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) 教科書の値段を引上げないように、且つ又それには金融の措置について考えておるかどうかというようなお話でありますけれども、御尤もなお話でありますが、只今のところはそこまでは考えていないのであります。
○委員長(波多野鼎君) 衆議院の本会議が始まりまして、議長撰挙があるために、通産大臣の出席を衆議院側から要求して参りましたので、暫らく休憩するの止むなきに至りました。御了承願います。暫らく休憩いたします。 午後二時十一分休憩 ―――――・――――― 午後三時四分開会
○委員長(波多野鼎君) 休憩前に引続いて会議を開きます。通産大臣が出席しております。下條恭兵君。
○下條恭兵君 私は年末の臨時国会で、通産省令を以て中共貿易を制限せられた措置に対しまして、そういうような措置をおとりになることが、結局報復的に中共から入つて来る石炭とか或いは鉄鉱石などの輸出禁止を食つて、非常な日本経済に大きな影響を與えて来るに違いない、更にそれがインフレの要因ともなつて、大衆の生活を圧迫する虞れがあるということを、指摘いたしたのでありまして、私はそのとき、ほかに何らかのこれに代るべき措置があつたのではないかというふうに考えておつたのでありますが、その後政府の措置を見ておりますと、輸出の許可制をとりまして、中共に対して輸出を禁止したような品目に対しては、だんだん輸出の許可制をとつて来られたようであります。で私はここで通産大臣に最初にお尋ねしたいの、最初から輸出禁止というような、占領下の日本として甚だ妥当を欠くような感じを與えて措置をおとりならなくても、仮に実際上中共に対する輸出制限の必要があるものとすれば、現在実施しているような輸出の許可制を以て目的を達することができたのではないかというふうに考えられるのでありますが、 〔委員長退席、理事平岡市三君委員長に着く〕 当時どうし通産省としまして、政府当局としまして、この輸出の許可制度のようなことで代用することができなかつたか、先ずその事情から承わりたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) お答えいたします。中共貿易に対してとりました輸出の許可制の強化でございますが、その強化が物によつては全面禁止と同じようなものになつたかも知れませんけれども、但しこれは許可制を強化した、こういうふうにお考え々願います。物によつては現在も許可制で行つております。決して全面的にこれをやめたということでないこうを御了承願いたいと存じます。
○下條恭兵君 今日は私当時の通産省令も、その頃の速記録も持つて棄ておりませんので、甚だ遺憾でありますが、私の記憶によれば、当時のは、こういう許可制でやるというような生ぬるいものではなかつたというふうに私は記憶しております。この点は総理大臣にも、通産大臣にも、安本長官にも、当時私は質問しましたので、はつきりしておると思うのでありますが、私が今お尋ねするのは、輸出の許可制度だけで以てあのような手荒な処置をとらなくても済まされたのではないか、或いは済まされなかつたという事情はどこにあつたかということをお尋ねしたいのであります。
○国務大臣(横尾龍君) 我々はその当時の国際情勢表考えまして、そして中共向けの戰略物資になるそういう物に対しては、全面的にこれを許可をやらないほうがいいのじやないか、こういうような考えのもとにこのことを禁止したのであります。それに、よりて勿論起り得べき向うから輸入しておるものが窮屈になるということは、あり得る、こういうふうに感じましたけれども、先刻申上げますように、世界情勢上、国連協力の立場にある以上、そのことが最も適当なり、こういうような考えからでございます。そのように御了承を願います。
○下條恭兵君 その問題は又いずれ適当な機会に総理大臣にお尋ねすることにいたしたいと思いますが、通産大臣に更にお尋ねしたいのは、当時私ども当然予想されましたところの、これまで中共から入つておつた重要原料が入らなくなつて来る、このことから日本の産業の発展上非常に重大な支障が起きはしないかということ私は指摘してお尋ねしたのでありますが、これに対してそれぞれ手を打つておられるということを当時御説明を承わつておつたのであります。それから相当の時日も経つておりますし、果して中共から入りました粘結炭の代りはどこから来ているか、鉱石の代りはどこから来ているか、或いは大豆はどうなつているか、工業塩はどうなつているかという点を大体のことで結構でございますから、御説明を願います。
○国務大臣(横尾龍君) その当時から非常に御心配をされておりました物資でありますが、その当時申上げた通り、中共から入つて来にくいのだからこれを確保するためにあらゆる手を盡したいということを申上げたと思います。幸いに鉄鉱石も大体において見込みが立つているのでございますが、丁度需要面から申しますと、約五百五十万トンぐらいの鉄鉱石で、そのうちに国内でできまする鉄鉱石が約百万トン、硫酸滓が五十万トン、それから砂鉄を鉱石の代わりに入れるべくいろいろと研究をしておつたのでありますけれども、これが約四十三万トンくらいは使用できる、こういうようなことでやつておつたのでにございます。結局残りの三百五十万トンくらいを輸入しなければならん、これに対しては御存知のように、海南島もさほど今までも入つて来ておりませず、又満州方面からくの鉱石、勿論大冶の鉱石もこれは入つていなかつたのであります。それでフイリピンとか又香港経由で、これは産地がよくわかりませんが、約三十万トンくらい入つております。フィリピンからも約百二十万トン入つております。マレーからは七十万トン、インド及びゴアが三十万トン、残りが百万トンから百五十万トンくらいな量が、これを各地に求めなければならんのであります。併しこれは大体においてアメリカ、カナダに依存するのでありますが、これについては大体の見当はあるのでありますので、鉄鉱石に関しまして余り心配はない、こういうように考えております。一番の問題に粘結炭であります。これは御承知の通り主に我が国は開らん炭に依存しておつたのであります。現在におきましても、中共貿易が許可される物もありまするので、それの代償として幾らかずつは入つて来ているのであります。最近に米炭二十万トン、又カナダ炭も二十五万トンくらいは入つております。これは他に求めを場所が少いので、極力米大陸に依存して、そうしてその筋にお願いして行くことになります。それから塩のお話でありますが、塩はこれは山東又は太沽というようなところ 中国から入つて来ておつたのがその主なものでございます。それで大体輸入を要しまするのが約百八十万トンだと思います。食料が九十万トン、工業塩が百万トン、又次に持越すものが四十万トンと仮定いたしますと、二百三十万トンくらい国内需要がある。それについて国内でできます五十万トンを差引きますと、百八十万トンくらいを輸入しなければならん。現在におきまして、九十二万トンは大体団買付済と承知しております。あとの百万トン、これは地中海塩が大体入つて来るものとこういうように考えております。大豆は御存じの通りアメリカが豊作であつたので、アメリカから得られるものと思うのでありますが、要するにこれを輸送する面が一番今後我々がカか盡さなけれびならん問題じやらないか、こう考えて、この点に対しましては関係当局、官庁と話し合つて折角努力中であります。さように御承知を願います。
○下條恭兵君 私は昨年、現に指摘したと同じような経過を辿つておるように聞きますのですが、そこで私はこの問題についてなお一点だけ通産大臣にお尋ねしたいのは、中共に対する輸出を禁止してから丁度三カ月になると思うのでありますが、従来はこれまでの間のストックがあつたり、その他で、今日までの生産には恐らく大した支障はなかつたのじやないかと思うのでありますけれども、今承わると、地中海の塩にせよ、或いはカナダの粘結炭にせよ、輸送計画はこれからお立てになるというふうに私は伺つたのでありますが、そうしますと、その輸送計画などが予定通り行かなかつた場合、なかなか大変だろうと思うのでありますが、予定通り行かなかつた場合、今後において基礎物資の生産に支障の起きる虞れがないかどうか、この見通しを一つ伺いたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) 大体現在、今までは順調に入つて来ているのでございます、詳しいことは表に書いてもとで御報告してもよし、又一部報告させてもいいかと思います。
○下條恭兵君 そこで更にお尋ねしたくなつて参るのでありますが、我々たびたび指摘しましたように、中共貿易を無視して日本の経済の自立はあり得ないと思うのでございます。これは恐らく通産大臣も同様の見解を持つているのじやないかりと思うのでありますし、その証拠には今通産大臣は、中共に対して極力物資の買付を努力中だということをおつしやつたのでありますが、そういうことになりますと、昨年の十二月六日の中共に対する輸出禁止の措置は非常に遺憾な措置だつたと言わざるを得ないと考えるのでありますが、そこで今中共貿易に対する隘路になつておりますのは、一体中共側のほうなのか、或いは、日本側のほうに何かの事情があつて中共との貿易がうまく行かんのであるか、この点一つ御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) 中共貿易が、中共と申しますか、むしろ私は中華民国と申上げたいと思います。このほうに対する貿易は私は日本にとつては最も重大なるものと思います。但し現在の情勢は、私は戰略物資になるものを中共に渡すということは、これは我々としてもむしろ解決が長引くようになるのじやないか、当時から私は、一時の不便は忍んでも早く来るべき復興を望むことがよくはないか、こういうような断定の下に十二月十六日にああいうような措置をとつたのであります。この点に対してはよく御了承願いたい、そう考えております。一応お答え申上げます。
○下條恭兵君 それではその問題はそれだけにしまして、更に私は通産大臣にお尋ねしたいと思いますのは、昨年の暮、これも同様に製鋼原料としての屑鉄が非常に逼迫しておるということをお尋ねしたのでありますが、そのとき通産大臣は大体二十六年度の使用量だけはあるので、そのあとは沖繩海域その他の沈沒船の引上げなどをやりたいということを言つておられたようでありますが、そこで現在そういう計画がどのように進展しておりますか。更に又年末屑鉄のマル公の引上げなどもあつたようでありますけれども、なお現在あのような値段では沈船の引上げは採算が合わんというようなことを私は聞いておるのですが、それらに対してどのようになつておるか承わりたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) スクラップの問題に関しましては、この前申上げました通り、年内には国外のものを集めまして大体行きそうに考えております。又国内にも相当のス波ラツプが残つておるように見受けられます。但しその以後に来るべきものに対してどうするかということで、琉球その他の土地に沈んでおるところの船の引揚げスクラツプということに対して、いろいろ話もありまして現在その筋に懇願中でございます。これは只今のとこ、ろ、これだけ申すよりほかに申上げ得ないのであります。その点悪しからず御了承願います。要しまするのに、スクラップの値段は、若しも許可されるといたしますならば、もう少し今回のスクラップのマル公と申しますか、或いは何かの形式になつております値段では、私はそろ損失なくスクラップの仕入れができはせんかと、かように考えております。併しこれから物資がますます騰貴いたしますとするならば、そのときにおいて又遠隔な土地でありますれば、これは又おのずから違いますけれども、現在海外にありまするものを考えるときに、さほど困難じやない、かように考えております。まだ一つ低能船のスクラップ化が、輸送画になつたので多少減ることは事実であります。これらも減りましたけれども、併し各地に散在しておりまする戰傷の災害を受けた工場その他の建物も有利に転向いたしますれば、まださほど今年度に対しては心配ない、かように考えております。
○下條恭兵君 私はこの問題を繰返しお尋ねしますのは、鉄と石炭とが二大基礎物資である、その一方の鉄が年内の原料が僅かにスクラップのほうでも見通しがついておる。而も鉄鉱石に至つては、まだ年内の生産計画に対しても輸送計画中のものその他が確定しないものがあるように先はど承わつたのでありますが、そういう関係から我々が近来聞きますことは、この製鉄関係は、労働組合のほうからも経営者側のほうからもいずれも聞くのは、原料の将来の問題であります。そういう意味において臨時国会以来一・四半期も経過しましても、通産大臣の御答弁が何ら具体的に進展しておることを伺い得ないのは、これは日本の産業の将来に対して不安を持つのは、ひとり私だけではなかろうかと思うのであります。そこで私はこの鉄の生産のために将来スクラップもだんだん枯喝して行くと思いますが、若し仮にアメリカからスクラップが入つて来ないとしますれば、困難であるとするならば、一体どうして日本の製鉄原料を保持して行くのか。或いは鉱石の補充はどうしてやつて行くのか。鉄鍋一貫作業だけでやつて行くことにするのか、それともほかのメーカーをどういうふうにして働かして行く方針をおとりになるのか、そういう銑鋼生産の根本を通産省としてはどういうふうにお考えになつておるか伺いたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) 鉄鉱石の確保に対しましては、私は常に業者にもお話しております。でき得べくんば鉱石を年度に長期の契約をする。現在のようにそのときどきの契約でなしに、もはや我が国に要る鉄鋼の原料の使用量が分つておりますので、それに対応すべき、一〇〇%でなくとも八〇%くらいのものが常に安心しておれるというような契約をしてもらいたいということを常に製鉄メーカーにも話しておる。或い二、三その方面に手をつけられた製鉄業者もあるくらいに聞いております。又一面必要であれば、銑鉄の輸入もこれは考えて置かねばならん。そういうような考えをいたしまして、昨年は二十五万トンくらいと申しましたが、入つて来ましたのが十万トン以下であります。少くともこういうものも入れまして日本の製鉄原料の足らないのを、補つて行く必要があると、こういう考えを持つております。
○下條恭兵君 その問題に関連いたしまして、通産大臣は、三月九日の新聞を見ますと、車中談として東南アジヤの資源の開先をおやりになる計画があるように言つておられるように新聞は報じておるのでありますが、この新聞記事によると、プラントを輸出して、その代金で以て云々と、こう書いてあるようでありますが、果してこのような計画がどこでどういうふうに進行しているか、御説明を承わりたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) 東南アジヤには未開発の又戰時中にいろいろ壊れたところもあるように聞いております。それに対しまして先ほど申上げましたような、或る長期の契約をいたしますならば、これを援助すべき途も考えなければならん、こう考えるので、私はそのことを業者に、或いはレールが要るならレールを貸し與える何かしてでも、一つ長期の契約をしてもらつたらどうかということを私常に考えているものですから、そのことを目途としたい。そして又施設メーカーにそのことを要望したいと考えて発表した意見であります。さよう御了承願います。
○下條恭兵君 それでは私は非常にこれは朗報だと思つて新聞を読んだのでありますが、具体的にどこの国とどういうふうに進行しているということでなしに、單にこれは通産大臣の希望的私案であるというふうに解釈してよろしいのでございますか。
○国務大臣(横尾龍君) さように御了承願います。私もその途のほうに向つて極力努力をしたいと出思います。そうすることが確保の第一歩じやないかと思います。これは私の考えでございます。そういう考えが間違つておれば取消すこともしますが、私はそのほうが是なり、こう信じますのでこれを強調したいと思うのでございます。
○下條恭兵君 私は通産大臣の考えを間違つているなんと申上げているのでなくて、非常にこれが早く実現するならば朗報だと考えて、具体的にどのくらい進んでおるかお尋ねしたわけでありますが、そこで、私は通産大臣に、私自身の希望的意見も含めてお尋ねしたいのでありますが、私はこのような今東南アジヤの開発の問題その他鉄の問題につきましては、例えば今銑鉄職人のお話がありましたけれども、非常に船の不足の今日、私は鉱石を輸入するよりも船腹の使用量から言えば屑鉄のほうが有利であろうと思います。更に又屑鉄よりも銑鉄がいいのかどうかわかりませんが、もつともつと有利なのはビレットを輸入できれば船腹の関係だけから言つたならば、ビレットが一番有利ではなかろうかと思うのでありますけれども、そういう点に関していろいろ通産省としても、或いは安本としても御研究でありましようけれども、民間の学識経験者とか、或いは直接の関係者等を集めて、特別のそういう長期の製鉄国策を立案するための委員会でもお作りになつて、急速に業者にしても労働者側にしても来年はどうなるかというような不安なからしめるような措置をおとりになる意思があるかどうかをお尋ねいたします。
○国務大臣(横尾龍君) 今の船腹平定の折に、製品の輸入が原料の輸入よりもいいのじやないか。成るほど船腹のみを考えますと御尤もの次第であります。私もその御意見に或る程度同意を表すものでありますので、鉱石にいたしましても成るべく品位の高いもの、これを輸入したい。それで品位の高いものがインド或いはマレー附近にありますので、いわゆる東南アジヤの地区の中からそういうものを、殊にマレーのごときは、現在は世界情勢のために日本人の着工ができないのでありましようが、その昔は御存じのように石原であるとか、その他の会社がやつておられたああいうような所に、そうして又それより以上の品位の所を持つて来ることは船腹のためにいいと思います。但しビレットの点につきましては、これは私現在においてはビレットを入れる考えはないのであります。というのは、原鉱石その他さえあれば製鉄能力はありますが、製鉄業育成のためにそこまで行くことは少し……ビレットを入れることは如何かと考えます。 それから製鉄に関しましての研究その他につきましては、私の聞いておりますところでは、各製鉄メーカーかいろいろと研究をし、或る種において酸素製綱ということも一部研究の緒について小さいブランドを作ろうという案があるように聞いております。その方面を助成しまして委員会、研究会を作るということで考えていない次第であります。
○下條恭兵君 最後に一つ通産大臣にお尋ねしたいのは、輸入の自動承認制を最近停止されるということが新聞に出ておつたのでありますが、これは非常に輸入契約がたくさんできたそうでありますから、大変結構だと思うのであります。で実は私は朝鮮事変が起きましてから間もなく、機会あるごとに計画経済を実施しないと、いろいろなところに支障が生じやしないかということを申上げておつたのでありますが、この間の新聞を見ましてもメーカーとかその他成るものは非常にたくさんの買付ができたけれども、非鉄金属は重要な物資であつて、全然手につかないものが相当ある。これが自動承認制を停止しなければならない理由だと書いてあつたのでありますが、果してその通りでありますかどうか、ちよつとお伺いいたします。
○国務大臣(横尾龍君) 突然といたしまして自動承認制が一時停止されました。これは予算を相当重上回つたので一時停止をしたのであります。併し遠からざるうちに再開をさせて頂くかと考えます。まだ今のお話のように必要なる物資が買付になるものがあるだろう、そういうものに対しましては、品目につきまして先方に懇願をいたしまして、輸入してもらうことに今折角話中でありますので、何とかその辺の解決がつくと考えております。
○下條恭兵君 時間が長くなるから簡單に伺いますが、最近の新聞を見ておりまして、又輸出輸入のバランスを見てみますと、輸入のほうがなかなか予定通り行かない。従つて特需を含めての輸出が非常が旺盛のために、実質上の飢餓輸出を続けておるという実情が、過去相当期間に互つて現われておつたと思うのでありますが、そこで新聞紙上の様子からいつても、むしろ輸出のほうにブレーキをかけるという方向を政府はおとりになつておつたように我々は理解しておつたのでありますが、併しなお輸入第一主義で努力されたことがよくわかるのでありますが、そうしますと、今朝の毎日新聞を見ますと、輸出のほうをどんどんやつて行つて、更に輸入のほうを増すように積極策をとるのだというふうに毎日新聞は伝えておられますが、果して政府の一方針がそういうふうに急にお変りになつたのかどうかお伺いいたします。
○国務大臣(横尾龍君) 外貨の必要なることは御存じの通りでありますが、外貨を受けるために輸出をする、これも当然と思いますが、併し国内の需要は逼迫してそうして国内安定を阻害するような輸出はこれは考えなければならんかと思います。在来輸入が優先であるとか、輸出が優先であるとかいうようなことは考えていないのでございます。いわゆる両建で行きたい、こういうふうに私は考えておるのでございます。
○下條恭兵君 通産大臣のおつしやること御尤もでありますが、少くとも過反半年の実情は、輸出のほうは、日本は国内価格と国際価格との比較などからして放つて置いても出て来ることは御承知の通りであります。そういう輸出の現実の問題として、政府のとられた措置として、当然輸入のほうに努力する期間があられたと私は思うのであります。従つてこの期間は輸入優先主義という言葉が用いられてもこれは当然のことと思いますが、確か政府はそういうふつうにおやりになつたと私は思うのでありますが、そこで私は今度ここで輸出を盛んにすること、これは勿論結構であります。結構でありますけれども、今私から通産大臣にお尋ねしようといのは、そうしてどんどん手放しで輸出さしておるうちに、輸入のほうは買付ができても船がなくて輸入ができない。その他で輸入が思わしくできないということで、国内でインフレの虞れがあるかないか、そういう点に対するお見通しをお尋ねしたいのであります。
○国務大臣(横尾龍君) 御尤もな御質問でございます。先刻申しましたように、輸出いたすといたしましても、国内の自給のバランスを考えてやりたいと思います。一時輸人々々ということがあつたここは事実でございます。これは非常に輸入が進まない、そうして外貨がたくさん手持がある。これで早く輸入をして置いて原料を確保して行くという意味において、そうして輸入原料を得て輸出をしたいというが根本の目標であつたのでありまして、輸人のみが優先という意味ではなかつたが、一時輸入という声が高かつたことはお話の通りであります。只今のお話よく勘案いたしまして、努力いたしたいと思います。
○下條恭兵君 私はまだ安本長官、大蔵大臣、農林大臣に対する質問を通告しておいたんでありますけれども、三大臣とも見えないようでありますから、今日はこれを以つて私の質問を打切ります。
○堀木鎌三君 今の下條委員の問題に関連して、実はお聞きしたいと出思いますが、何と申しますか、非常に外貨を獲得するために輸出が必要であるということは言われなくてもわかると思います。と同時に、昨年のですね、我が国の鉱工業生産指数が上つてる割合から見まするとですね、全体で見ますときには、やはり輸入原材料が枯渇しておるんじやないかということは、両者の比較から見ると、まだ輸入について努力しなければならんのじやないか。過般通産大臣が八幡に行かれる途中で、新聞記者にいろいろお話になつた記事が出ておるんでありますが、それにおきましても、相当輸入について、特に主要輸入原材料については、資金的な面の改善によつてもなお今後輸入しなくちやならないというようなお話が出ておるわけであります。無論一方においては五億二千万ドルくらいまでになりました外貨が四、五千万ドル減つておることは、大蔵大臣が言つておるところでありまして、又大体最近の実績から幾分輸入が振つて来たということも考えられますが、それだけで安心しておるわけには行かないんではなかろうか全体の傾向線というものを考えなければならないし、それから殊に通産大臣としてはこの生産の主要原材料を確保するについては、当面の御責任があるわけでありますから、その点について今度は又ちよつと輸入が振う。或いはユーザンスの決済が非常に延びて来たのが額が多くなつて来た。二千数百億円になつて来たというふうな点も考え併せなければなりませんが、それらの点について通産大臣として、だから今度慌てて自動承認制がどうだというふうな自動承認制をストップされる。これもユーザンスについて何らかの解決を見るようなことをおつしやるのですが、それらの点について一応通産大臣としてのお考えをもう少し詳しくお話を伺う必要があるんじやないか、その点を先ずお聞きいたします。
○国務大臣(横尾龍君) 私が先ほど申しましたことは、先刻の下條委員にお答えしたように、私は是非原材料の輸入を確保して、そして生産を上げて行きたいというのが根幹であるのであります。で輸入に対してどうするかというお話であります。先ず最近禁止になりました自動承認制、これは二、三日うちということ、最近のうちということを申上げたのでありまして、その他輸入に対しての金融等に関しましては、お話のようなユーザンスの問題もありましようし、そういうことについては大蔵省とも相談いたしまして確保して行きたいと思うのであります。何を申しましても、原料の輸入こそ我が国に最も緊要なるものと考えられます。この点に対しては、関係方面ともよく相談をいたしまして善処したいと、こう考えるのであります。
○堀木鎌三君 どうも通産省が右へ行つたり、左へ行つたりするという感じがいたしますのでお聞きいたしたのでありますが、今の御答弁でははつきりしないんでありまして、今までの大体言われましたことだけが繰返されておるように思うのでありますが、もう少し具体的に通産大臣にお聞きいたしたいんでありますが、最近の通産省の発表によりますると、現在国内にあるストツク、及び現在契約して現に入つて来るもの、及び緊約済み等から、我が国の原材料については余り心配がないのだというふうな御発表もあるのであります。ところがこれを数字だけについて見ると或いはそうかと思うのでありますが、一方先ほども通産大臣がおつしやるように、船舶の輸送面から、或いは従来とも契約ができておりながら契約が完全に一〇〇%遂行されるわけではないというふうな二つの点から、実はあの数字はそのままそれでいいのだというふうに考えられない節もあるのであります。そういう点から言いまして、先ほど船の点につきましてはお触れになつたのですが、もう一つは、やはり契約の遂行率が、従来どの程度になつておるかという問題も非常に問題になり得ると思うのであります。それが結局実はこういうことを申上げるのも、お聞きしたいと思いますことは、安本で出しておりまする輸入計画と実績の分につきましても、これを一々数字を挙げますのは面倒でありますから挙げませんが、それらの点及び今の工場在庫が非常に減つて来ておる。この工場在庫の調べは通産省のお調べと思うのでありますが、工場在庫の原材料の不足、そういうもりからどういうふうに見られるのか、一応御説明願いたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) 買付予想と申しますか、計画と申しますか、それに対して実績は、これはお話の通り必ずしも予想そのまま入つてきておるのではないのであります。多少時期の、ズレもあるといたしまするが、原材料は大体七〇%から七五%くらいは入つて、予想通り入つて来ておるかのように考えます。工場在庫は漸次減つて来ておる、これはお話の通りであります。それ故に常に私はいつ頃にどういう工合に変化するかということを勘案いたしまして、輸入等についても又船舶の手当等につきましても善処して行きつつあるのでありますが、事必ずしもそういうように運ばんものがあることも事実であります。これに対しましても、今後十分の努力をいたしたいと考えております。さよう御了承願いたいと思います。
○堀木鎌三君 もう一点お尋ねいたしますが、総理大臣は、この前の臨時国会にも言われたのですし今度の通常国会でも言われたのですが、中共貿易は昨年の十二月のあの時以来、成るほど、減つておるが、これは政治と事業とは別なのである。だから未だに香港を通じて或る程度の商取引があることは私もよく存じておりますが、先ずこの点から見まして、そう簡單に総理大臣のおつしやるようには行かない。総理大臣としては、そう言つておられても責任が済むかも知れませんが、通産大臣としてはそうは言えないと思うのであります。実際に昨年と比較いたしまして、最近、中華民国でも中共でもよろしうございますが、向うのほうを通じてどの程度ができておるのか、その割合は以前と比べてどの程度か、その点を明らかにして頂きたいと思うのであります。
○国務大臣(横尾龍君) 甚だ杜撰でありますけれども、それに対する数字を今持合せてございませんので、よく調べまして御返答いたしたいと思います。
○堀木鎌三君 併し事実ですから総理大臣に御遠慮なさるには及ばない、こう思いますので、事実だけをお知らせ願いたいと思います。ともかく私どもの知つている限りでは、そういうふうな総理大臣の言つておられるような、楽観をしておられる状況でないことは、爾後通産省自身がそれの対策として各方面に相当、先ほど下條委員のお答えになつたように、非常に相手先を変えなければならない。そうしてそれに伴う船舶も約百万トン近く不足する。或いは運賃も非常に上つておるという問題がありますので、大体正確な数字がなくとも、こうである。相当最近におきまして中共貿易がそう楽観を許さないのみならず、殆んどノミナルな程度のものである。これは無論個々につきますと、ときどきややできるというふうなことも、具体的な問題についてないでもありませんが、実績的に見ますると大したものでないということは、よくわかるのであります。そういう意味から行きますと、先ほどの問題に帰るのでありますが、やはり工場在庫が通産省自身でお調べになつしおるものにつきましても減つて来ておることは明らかであります。それから過般新聞にお出しになりました既契約の分というものを合せて楽観をされておりますが、その遂行率等を考えますと、これも楽観を許されない。責任大臣もして通産大臣はいよいよ責任をお感じにならなければならない、こういうふうに考えるわけであります。何も責任の帰趨を私は取上げるわけではありませんが、何と申しますか、むしろ通産大臣としては、ユーザンスの期限の延長をしようじやないか、或いはスタンプ手形も全面的に拡充したいというふうなことをお言いになつておるのに、最近の現状が自動承認制をストップされるというふうなところに行きますから、私はこの間の事情を詳しくここで我々の納得するように御説明願いたい。こういう意味で先ほどお聞きしたのですが、それについて重ねてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) 只今のお話の中共貿易のことに対しましては、これはたびたび申上げましたように、早く正常に復することを望むものであります。但し現在はまだその点に到達しないことを遺憾に存ずるのであります。それから輸入の促進について、今のお話のように、ユーザンスの期限延長というお話でありますが、これもまだ一概に延長することがいいということも、すべての情勢から考えて、先般大蔵大臣がこの委員会で説明いたしましたように、或るものによつては延ばす必要がある、或るものによつては縮めることも必要なのだというようなお答えをしたのでありますが、私もさような考えでありますが、その他スタンプ手形であるとか、輸入の円資金に対する手当についての考慮は、輸入の促進に最も必要な問題でありますので、こに対しましてもよく当事者と懇談をして輸入に支障のないように進めて行きたいと、かように考えております。
○堀木鎌三君 それでは余りお尋ねいたしませんが、無論私はユーザンスの問題も、必ずしも全面的に延ばすのがいいのだとは言つておりません。大蔵大臣及び今通産大臣がお答えになりましたように、いろいろと品目的に考えなければならなるまいという点は同意しているのでありますが、新聞に、過般の旅行で、鉄鋼原料鉱産物、塩などは二カ月延長して六カ月程度にしたいと考えておるというようなお話が出ておるのであります。つまり製品過程に至りますまでの期間、それからその他を勘案いたしまして、更に製品として向うへ行きます過程を考えて、いろいろ考えなければならんということも私は十分考えなければならんと思いますが、全体の傾向としてちよつと輸入が振るつて来ると、すぐ今度は輸出だと言われるし、輸出が振るわないと今度輸入だと言われるし、もう実際にその点について、やはり一つの計画的なものの下に強力に御推進願わなければ、そのときの金の都合、金の問題につきまして、実は大蔵大臣がいられればここで質疑をいたしたいと思いますが、この問題はこの程度にとどめておこうと思います。 もう一つ、どうしてもお聞きしなければならんことは、実は前の国会の時に、通産省としては非常にカをお入れになりましたのがいわゆる設備の近代化、機械の更新というものを非常に大きくお取上げになつて、我々もその御説明を聞いたわけであります。たしかその時の金額が約七十億くらいが要るというお話でありましたが、この間大蔵大臣に聞きますと通産省から予算措置を御要求になつたのは何と七億であつた。その十分の一であつた。而もその内容を更に検討すると、いろいろな疑問があつて、二十六年度予算はそのままだこういうわけなんです。昨年当時丁度グレー報告が日本の内外にやかましかつた。そのグレー報告は、日本の産業設備というものが非常に老朽化しておる、産業の効率的な経営に堪えられない一つの大きな欠点である、こういうことを指摘したわけであります。誠に私は通産省としては機宜を得た処置をなさつたというふに考えておりましたが、今回二十六年度予算に何らこれが出て参りませんのは、どういうわけでございましようか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) 只今の要求の数十億というのは補助金かと思いますが、大体日本の設備の老朽化ということはお話の通りであるし、又工場の近代化ということも非常に重要な問題だと考えます。でいろいろと国家財政のことも考えて、初め考えて見ましたものをいろいろと縮めて六億くらいのものにいたしましたけれども、只今も申上げましたように二十六年度の国家予算が補助金の確保ということに対して要求を許さない情勢にあつたので、甚だ遺憾でありましたけれども服したような情勢でございます。中小企業或いはその他のかたがたの企業の近代化に対して予算を取り得なかつたということ対しては、深く恥じ入るものであります。中小企業の近代化、そうしてこれの指導ということにつきましては、もう御存じの通り必要なる新らしい機械の輸入、これらにつきましてはでき得べくんば輸入税額の減免等も是非実行して行きたいというふうに考えます。その他設備しました後においての融資等につきましても、これ又考えなくてはならんときがあるかと思います。且つ償却等に関しましても一般の償却と異なつて、短時日の間に償却を必要とするようなことも考えるわけでございます。私は実はこの近代化ということにつきましてはただ單に機械の輸入というようなことばかりでなしに、機械の設置又機械と関連して原材料の輸送経路それから又でき上りました完成品の輸送、又遠くであれば発送であるとか、これも非常に重要なる問題だと、かように考えます。これらにつきましては御存じの通り戰前には能率技師というものがあつたのであります。そのようなものを是非強化して行きたい、そのためにその第一歩といたしまして各通産局で診断制というものをとつております。工場診断ということをやらしております。こういうことによりまして機械の近代化と、そうして更新ということを並び行いまして行くならば幾らか近代化を増進し、そうして私がなし得なかつた補助金に対して穴埋めができませんかと、こういうように考える、さように考えまして私は今申上げましたようにその方面に是非実行ができる、実現ができるように努力したいと、こう考えております。
○堀木鎌三君 通産大臣、実はそうお力をお落しになる必要はないのであつて、この間あなたのおいでにならないときに、大蔵大臣に一体どうしたのだというお話をしたのであります。この問題は日本の産業においても最も先に取上ぐべき問題じやないかということでお話したのであります。大蔵大臣としては、実は通産省から七億くらいの要求があつたし、その資金的な面については産業別に自己資本で或る程度できる部分もあるだろうし、いろいろ考えられるので事務的にまだそこまで行かなかつた、併しその問題については今後取上げたいと思うという話がありましたので、余り恥じ入るだけでなしに、実は私としてはお諦めにならないで、この問題を早急に取上ぐべきだろうと、こういう点から実は御質問をいたしているのであります。了度お揃いのときやるはずであつたのでありますが、御族行でできなかつたのであります。と申しますのはいろいろな観点から批判の余地はありますが、今後の産業の趨勢を見てみますると、相当原材料は高くなつて来ている。これは海上運賃が大きな原因なんです。もう一つ、国際割当機構に入つて十分に日本に原材料が割当てられて……、十分でなくても、正当に割当てられるという状態がない、従つて各方面に自由経済的な下に貿易取引をするという点から見まするといろいろなものが上つて、日本においては上つて来るわけです。原材料の高騰ということは、これはもう覆うべくもない。これを場合によれば国際物価より確かに上廻る大きな一つの原因がある。そこへ以て来て製品の価格というものは今のところどんどん上つておりまするので、その点の物価政策というものを安本長官、又大蔵大臣に頻りに私は質問したわけでありますが、一方やはり製品については大体各国とも統制に入つて来ております。御承知の通り統制に入つて来ておる、価格も或る程度抑えられている。そういうふうな情勢から考えますと、全体から見ましても製品というもので、現在の材料の上りだけを確保して、原材料の上りだけが今かかつて製品が上つて行つて……、マーケットは引合うと考えられない時代が来るのじやないか。現に今でも民間では原料高の製品安という言葉がありますが、今よりはもつとその点は考えられる。そういう傾向が強くなるということが考えられる。そうすると結局それが老朽の機械を使つて、能率の上らない状態におきましてやつて参りますと、一体その原料高の製品安の部分がどこへしわ寄せされるか、こういう問題になつて来れば、これはもう言わずと知れた労銀に入つて参ります。いわゆるチープ・レーバーというものに入つて来る。私はそれを一番心配する。そうすると世界的に見まして、何だ日本は民主化心々々というが、これはやはりチープ・レーバーに立つた製品安だと、こういうことにならざるを得ないのであります。いわんや今の内閣のように、資本蓄積、資本蓄積ばかりのほうへ目をお付けになつているならば殊にそうです。併し今の資本蓄積という観念が、今申上げました設備の近代化、更新化と結付いて参りますれば、これは資本蓄積も相当労働の生産性が上つて、労働者に還元するというふうな面が出て参ると私は思う。この点につきにましては單純な一つの問題としてお取げにならんで、どうせこの予算は、通産大臣を前に置いておいて言つたら悪いのですが、どうせ破綻します。物価高その他からもう破綻するのは、これはもう議会で頬かむりしてお通しになつたつて変つて参ることは明らかです。だから今からそういう点については十分御用意なさらなくちやならないことは、そういう事務的な面を別にいたしましてもですよ、あなたの言われる日米経済協力というふうな面から来るところの、非常な日本産業界に対する異変というようなものは考えなければならん。そうするとむしろそれに間に合つて、そういうことをお考えにならなくちやならくないと思うのですが、その点について、ただどうも遺憾かとおつしやらないで、どういうふうにされるのか、重ねてもう少しその点についての御熱意のほどと申しますか、通産大臣が諦めておしまいになる程度のものだとは私は思わない。大蔵省の財源と睨み合して止むを得なかつたという程度のことだとは思えないのですが、重ねて御所信を伺いたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) とにかく私は止むを得ないと諦めたと……、諦めはいたしませんでございます。いろいろと今のお話のようなことも私も御同感でありまするので、近代化に対する金融、或いは又その他に対しましては、機会あるごとに私は主張もし、努力もしたいと思います。今お話のように、至つて老朽なもので製品が高くなる、これもお話の通りであります。これも先刻申上げますように、診断制というようなものも強度に活用いたしまして、そして少しでも能率を上げるようにいたしたい、指導して参りたいと思います。これが先ず最初に現在打たなければならん手じやないかと、こう考えるので申上げた次第であります。今の御意見よく尊重いたしまして善処いたしたいと思います。
○堀木鎌三君 意見を尊重するとおつしやつて、頬かむりされては困るのです。重ねてお尋ねしますが、今度の、予算的措置……まだあなたはそうおつしやいますが、大蔵省に事実金がたくさんある。見返資金だつて千億以上ある。預金部資金の運用でも余裕金が幾らあるかというと、どうしても四、五百億以上あります。だから決してお諦めになる必要はない。必要だとお思いになるなら私材料まで挙げて申上げたのですが、要するにあなたのほうの御熱意によつて……、大蔵大臣はともかくも或る程度考慮することを言つたのです、あなたのほうの御熱意如何にかかつておる。あなたはすぐその点についておやりになるかならんか、これだけもう一遍おつしやつて頂きたい。どうも昨年越しの問題なんですからもう少しはつきりおつしやつて頂きたい、こう思うのです。
○国務大臣(横尾龍君) 只今の大蔵大臣も考えておられるというお話でございますが、道が開けますならば是非その道は開きたい、こう考えております。さよう御承知願います。
○山田節男君 私は特需問題について通産大臣に一つ質問申上げたいと思います。集は私は今朝横浜のJ・L・C、アメリカの兵站本部の出張所になつておるJ・L・Cの調達部長のスコット大佐に会いました。いろいろ一時間ばかり会談してこれは容易ならざる問題じやないかということを言いましたので、あえて通産大臣に御意見を伺うのであります。と申しますのは、朝鮮事変以来ダラー・コントラクトと申しまして、いわゆる現地のダラーで支弁する特別調達が日本に非常に殖えておる。過日土蔵大臣の言明によつても昨年六、七月頃から今年二月までにすでに数億ドルに及んでおるというのであります。そうしてこの特需は大体二つに分けられると思うのです。一つはサービス、それからもう一つは生産。サービスは例えば日本通運のようなものに請負わせまして、そうして例えば彈薬であるとか或いはその他の物資を輸送さすことになつております。それからもう一つの生産部面は、これは例えば簡單なのは修理で、例えば自動車の修理、その修理に要する部分品などは大体向うから送つて来ておるようであります。ところがすつとよく東京、横浜の現地で見ますと生産までそれが伸びておる。私今朝横浜のJ・L・Cの本部へ行つて見て驚いたことには、百数十人の入が来ておる、その日その日の入札のために来ておる。それを私見ただけでもびつくりしたのでありますけれども、非常にたくさんの生産財を要する注文をやつておるのであります。これを私見まして、又私今朝スコツト大佐に会いました理由は……、この特需が非常に殖えて来て、全国的な統計はわかりませんけれども、東京、横浜だけでも三万数千人に上つておる。そうしてこの特需関係のものは、由来米国共和都の調達局を経由してやるので、いわゆる終戰処理費でやるのじやないのであります。いわゆるダラー・コントラクトでされるのでありますから、契約はアメリカと日本の事業者との直接契約になつておる。それがために今堀木委員が言われたように、ダンピングになる。向うではユニツト・プライスで入札をやります。そこで値段を極度に下げさすということになると、先ず第一に犠牲をこうむるのは労働者です。私今朝スコット大佐にスペシャル・コントラクト、ダラー・コントラクトを無理やりにやるというと、いれゆる世界的問題になる。これはダンピングのコントラクト、明らかにダンピング・コントラクトで、マッカーサー元帥の言つておる労働政策から言えば真反対なことをやつておるじやないか。こういうことを私は言うたのでありますが、こういう意味から、殊に生産財に関する特需は、これは外貨獲得の意味から言えば輸出と少しも変らない。そういう意味で、私は一、二御質問するのでありますが、こういつたような生産部門の特需という方面に関して通産大臣は朝鮮事変勃発以来こういうものが必要になつて来て、それ以来特需というものが、従来今日までどのくらいな仕事をしており、又どれだけのドルを獲得したかということをおわかりになれば、これを第一番に聞きたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) 今の総額で二億一千八百四十二万ドルかと思います。その中サービスが七千七百四十五万七千ドルばかりかと思います。
○山田節男君 今のお出しになつた数字についてでありまするが、今朝そのT・L・C、アメリカの兵站部へ行つて見ますと、あの一隅に商工会議所連絡室というのがある。そうして日本の業者が入札をしたいものは、商工会議所の連絡室に先ずその何と申しますか、リストに載つける、こういうようになつておることは、この少くともダラー・コントラクトでやるものについては通産省が何かの意味において今それを規制しておられるのかどうか。規制しておられるとすると、監督と言いますか、こういうことをやつておるのか、どうかということをお聞きしたい。
○国務大臣(横尾龍君) 通産省では規制いたしておりません。
○山田節男君 なぜ私がこういうことを申上げるかというと、今問題になつてる日米経済協力の問題にしても、私が今朝行つて響いたことは、若しこのままにしておけば日本の将来の日米経済協力というものは結局この特需の変形的なものになりはしないか。そういうものになるならば、日本の経済の自主性というものもなくなる。ただ向うの軍需景気に煽られて、それだけで日本の産業が発達し、復興するとすれば、これは日本経済として非常に跛行的なものになる。だからすでにこうしてサービス以外のいわゆる生産に関するものでも二億ドル以上のドルを獲得しておるならば、通産省においてもこれを放つておくというわけはないと思うのです。のみならずこうして非常に日本の金属類にしましても、殊にニツケルとか鉛とか、こういつたものは貴重物資として日本になかなか手に入らない。而もこういうような特需で以つて、どんどん向こうに要求される。而もそれがためにユニツト・プライスで入札のために業者はひどく安くそれをやりますので、労働者の賃金は下る。私は時間がないから申上げませんが、それらは米国兵站部調達局を通じてやつておるが日本の労働者の賃金は非常に安いと思う。このために今堀木委員も言われたように、現にこれはダンピングになつておる。こういうことは結局アメリカで例えば自動車の部分品を作るということが、アメリカでやるよりか日本でやるほうが安い。そういうわけで日本のが安いということになる。こういうものをどんどん日本でやられたらこれは労働者の賃金を搾取されるのみならず、日本の産業というものは、自立産業というものは非常に低く、跛行性を帯びて来るという憂が多分にあると思う。ですからそういうようなものに対して、通産省が今まであずかり知らんということは私非常に不満である。将来そういう特需が拡大して来て、日本の貴重物資を資材としてやるということははつきりしておる。ですから通産省としても、そういうようなものに対して将来何らかの手を打つて、これを統制というと何ですが、日本の産業の自立性を確保するために或いは労働者の賃金を、ソーシヤル・ダンピングの犠牲において外貨獲得をするということは許されないと思うのですが、通産省として将来こういう生産部面における特需に対して、それらの統制というと語弊がありますが、規制を加える必要があると思います。こういう御意思を持つて頂けるかどうかということを、一つはつきり承わりたい。
○国務大臣(横尾龍君) 只今の問題につきましては、よく考究いたしまして善処したいと思います。
○山田節男君 今の二億ドルにも余る通産部面の特需ですが、これの業種別、その金額、これを簡単なのでいいですが、分類した資料を提供して頂きたいことをお願いいたします。
○国務大臣(横尾龍君) 後刻をよく調べまして書面でお答えいたします。
○矢嶋三義君 通産大臣が丁度お見えになつておりますので、この際、私は紙の割当統制撤廃についてお伺いいたしたいと思います。最近、紙の輸出制限によつて内需の確保を図られるための処置をとられたわけでありますが、用紙の割当統制並びに価格統制をやめられるおつもりかどうか、やるとするといつやられるのか、お尋ねいたします。
○国務大臣(横尾龍君) この前同じような質問を受けましたときもお答えいたしましたように、成るだけ早く価格統制、配給統制をやめたいと考えております。
○矢嶋三義君 下條さんがやられだとすると、丁度私いなかつたので、ダブるかも知れませんが、ダブつていたらそういうふうにお答え願いたいと思います。それでは通産大臣はこの統制をやめた後に、そう需給並びに価格の暴騰というものについて、どういうふろにお考えをなされておるか伺いたい。
○国務大臣(横尾龍君) 需給は大体生産と見合つたものと考えております。併しいろいろな情勢の下で、価格は一割から一割五分くらい上昇するものではないかと考えます。
○矢嶋三義君 通産大臣は専門家ですから私言葉は返えしませんが、一割五分程度の上昇というものは少し甘く見ておるのではないかと思います。私は少くとも五割程度の価格の上昇を見るのではないかと思うのですが、そういうふうな場合、譲つて通産大臣の言われるように一割五分か二割程度の上昇となつた場合、これは生計費並びに教科書の価格への影響というものを、どういうふうにお考えになつておられるかということをお伺いいたしたい。世界経済に移行しつつある日本の現在の動向から、大蔵大臣に言わしめるならばインフレではなく、健全で好景気になると、こう言われますけれども、国民の生活水準の低下ということは、今の動向では好むと好まざるとにかかわらず必至だと思うのです。そうなつた場合に紙の統制撤廃ということがこの義務教育の教科書の価格に大きく影響するということは、私相当重大だと思うのであります。現在の政府が、義務教育の無償促進という立場から小学校並びに盲聾唖学校の一年生に来年度から教科書を僅かであるけれども、二冊だけ無償で支給したいというような法案を提案されておるように思うのであります。そういう点から考えるときに、こり用紙の統制撤廃が国民生活の生計費に及ぼす影響、それにもまして義務教育の生徒児童が使うところの教科書の価格の影響というものをどういうふうに考えておられるか。なおそれに対するところの対策をどういうふうにお考えになつているかということを伺いたい。
○国務大臣(横尾龍君) 現在でも紙の統制が大部外れております。併し今後の世界情勢からすれば幾らか、いわゆる二割五分であるか或いは五割であるか或いは一割五分であるかということは考えようによりますけれども、幾らかの上昇をするということは事実であります。これは止むを得ないかと考えるのであります。義務教育の書籍に対して非常なる上昇は私はないではないか、多少の上昇はあるが、統制を外したからといつて急激に上昇するものとは考えないのであります。
○矢嶋三義君 統制を解いて価格が実際上つて見ないとわからないわけですが、随分通産大臣、非常に専門家だからかも知れませんが、非常に楽観されているようでありますが、併し国際パルプがあつたように高いし、輸出制限をして内需を確保してはおりますけれども、価格次第ではパルプは人絹方面へ流れることも考えられますし、私は相当の暴騰ということを考えておかなくちやならんのじやないか。そういう暴騰した場合には今申上げましたように、義務教育の無償推進という立場からも、私は何らかの政府は対策を講ずべきである。策あつて然るべきだ。策を持つて然る後に統制は外さるべきものと、こういうふうに私は要望するわけなんです。更にもう一つ、統制を撤廃するに当つては対策を講じておいてやつて頂きたい点は、現在ですら教科書の出版会社というのは非常に資金難で参つておるわけなんです。それで今国会にも教科書出版に当つて必要とする保証金の率を下げて、そうして七十数社からあるところの教科書の出版全社に十分出版ができるように、而もそれが必要なときに確実に生徒児童に行き渡るというような立法措置はしつつあるのでありますか。用紙が非常に高騰したときに、一部の財閥がこれを万一にも買占めるというようなことがあつた場合には、教科書出版会社の、中小企業に属する部類の出版会社というよのは非常に私は圧迫を受けるし、と同持に、教科書の配給というものが適時的確に行われないというような事態よ起ると思うのです。それでそういう方面も中小企業の救済方法という立場からも、教科書は円滑に製本されて、そうして適時的確に生徒児童に確実に渡り、而も適切なる価格によつてこれが確実に配給できる、こういうような対策を十分講ぜられ、そういう点まで考慮せられて、そうして統制の撤廃ということに善処して頂きたいということを要望しておく次第であります。
○岩間正男君 私も通産大臣に三、四点質問申上げたいと思います。実は船舶の問題ですが、これは山崎運輸相が今病気なされておるそうですが、山崎運輸相と横尾通産大臣と御一緒におられたときに質問いたしたいと思いますから、その点は保留します。 只今山田委員のほうから、特需の問題が出されたのでありますけれども、二億二千万ドルに上る厖大な特需、こり内容の品目、数量というようなものについて、そういうような資料の発表が今要求されたようでありますが、私も非常に重要な問題と思いますので、そのうちで、これは資料が頂けないと正確にならないのでありますけれども、大体特需の内容というよろなものを、大ざつぱに分けたらどういうことはなるのですか。品目、そういう点について簡単にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) 大体機械とか、金属、それから木材、繊維であります。それから化学製品、こういうものに分けております。殊にトラツクというようなものが一番多いのではないかと考えます。
○岩間正男君 その機械とか化学製品、そういうものの中に今朝鮮事変に関連して問題になると思うのでありますが、兵器的な性格のものはないのでありますか。軍需品ですな、そういうふうな性格のものは特需の中に含まれているのでありますか、いないのでありますか。
○国務大臣(横尾龍君) 軍需的というかどうかは、こちらでははつきりいたしませんが、兵器はけだしないものと思います。
○岩間正男君 そういうことは十分に今まで通産省として調査された事実はございますか。精密に、これも山田委員の御質問の中にもあつたのでありますけれども、非常にこれは日本の生産と、それから日本のおかれている立場から考えると、非常に重要な問題だと思うのでありますが、通産省の対策としては、殊に朝鮮事変以来起つて来た新らしい情勢、それからこれによつて日本の経済情勢が一変するというよろな大きな問題でありますから、当然調査されなくちやならないし、又されていると思うのでありますけれども、こういう調査を今されておりますか、どうですか。この点を伺いたい。
○国務大臣(横尾龍君) 実は只今まだやつておりません
○岩間正男君 その点はやはり非常に重要じやないかと思います。それは生産計画の上から考えてもそうです。それからもう一つは、日本の産業の性格、これは平和産業であるか、或いは軍需産業であるかは非常に問題のあることであります。そういう点から考えて、いわゆるポツダム宣言下にある日本として、この品目について十分調査される必要があるのではないか。我々の耳に入つた一、二の例を申しますと、どうも軍需的の性格を持つたものが非常にその中に含まれているのであります。ここに例を挙げますと、こうういう事実を御存じであるかどうか。これはお伺いしたいのでありますが、例えば日本製鋼赤羽の工場でありますが、pD工場ですが、ここでは戦車を作つている。戦車の製造、修理、そのほかにまあ機銃、その他重火器、軍用自動車、こういうものが作られておる。又相模原の小松製作所では日本製鋼と同じようなものがやはり作られておる。神戸造船では小型空母が修理されておる。浅野ドツクでは上陸用舟艇、こういうようなもの、それから日本建鉄船橋工場、こういうところでは戦車のキヤタピラ、それから同じく荒川工場ではガソリン爆弾、そのほか古河鉱業、日光の古河鉱業でありますが、ここではロケツト弾のハネ、三菱の下丸子工場では戦車その他が作られておる。こういうことを我々が、これは一例でありますけれども、聞いておりますけれども、こういう事実については、これは御調査にならないのでありますか、非常にこれは特調的に出て来ている問題だと思うのでありますが、御存じないのであるかどうか、この点をお伺いいたします。
○国務大臣(横尾龍君) いろいろ品目をお挙げになつての御質問でありますが、不幸にしてその品目については存じませんが、或いは修理をいたしたり、或いは又私は全体に見て、まだ日本で今兵器を作るだけの資材や能力がないと思います。戦車を作ることも、日本でそういうような技術がないかと思いますので、実は実態において存じないのであります。存じないのみならず、そういうように私は考えております。
○岩間正男君 これは御調査が十分なされていないということでの御返答でありますから、これは非常に私不確実なるものと思うのであります。我々はそういうことを聞いて、又そういう情報を得ているのであります。こう点についてこれは十分通産省としても調査される必要があると思うのであります。このほかいろいろな問題、そういうような軍事的な性格のものが作られておる点については、或いはまだ国会だけが、我々議員がここで論議しているので、下のほうではそういう事実が現実に起つている、こういうふうに思われるのです。そこで非常に論議としては或る意味では、現実がぐんぐん進んでおりますから古くなつたかも知れません。原則論を繰返すようなきらいがあるのでありますけれども、一体これは、特需というものはどういう性格のものなのですか。これはちよつとお伺いしたいのですが、商行為でありますか、それともこれは関係方面の命令というような形で来ているのでありますか。それから最近の特需なんかでは直接AOGあたりからの注文もある、こういうようなことを聞いているのでありますが、これは通産省としてはどういうふうに特需というものの性格をつかんでおられるのでありますか、その点を伺いたい。
○国務大臣(横尾龍君) 特需も一つの商行為と、こういうふうに考えております。
○岩間正男君 そうしますと、これは無論これについて又いろいろ問題があると思いますが、支拂いの遅延の問題とか、それから単価の問題とか、なかなか単価が格安である、先ほどのお話しもありましたが、入札によつてどんどん引下げられて行つて、それで日本の低賃金の問題が先ほど山田委員からもお話が出たのでありますけれども、そういうような問題があるのでありますが、こういう点について、商行為とすれば、これを拒否することができるのであるかどうか。ところが恐らくこれは拒否されないような形でこういう仕事がぐんぐん進められている。而もそれに対しましては相当なそれに対する悪請があり、又勧告がある。そこで当然労働者の立場から言いますというと、非常に残業というものがそこに起つて来る。そうして当然労働強化、又その商品に対する規格が非常に厳重だ、こういうような問題が当然起つて来ておるようでありますが、こういうことにつきまして、これは通産省としては、商行為であるならば当然それに対して自由な行動をとれるのだと我々は解釈するのでありますが、通産大臣の御意見は如何でありますか。
○国務大臣(横尾龍君) 私は先般の特需の入札のあつたときに、日本では一つもとれないで多額のものが外国に落ちたという話を聞きました。これらを見てもやはり商行為である。こういうふうに考えておるのであります。
○岩間正男君 PDを通じた中にやはり非常にその製品品目が不明確なものがある。そうしてそういうものが非常に命令的になつて来ておる。それで止むを得ずそういうようなところに態勢が強化されて行つておる面があると思うのでありますが、通産大臣は御存じでありますか。
○国務大臣(横尾龍君) 甚だうかつでありますが、まだそれなことは存じません。
○岩間正男君 これは御存じないのか、悪く推測しますと、或いは知つて知らない振りをされるのでありますか、非常にこれは怠慢だと言わざるを得ない。こういう問題を調査も不十分であるし、そういう問題について御存じない、これは非常に怠慢だというふうに考えますが、そこで次にお伺いしたいのは、こういうような武器が作られておる、こういう事実がある、こういうことになりましたら通産大臣としてはどういうふうに処置せられますか。先ほどからいうとそういうものは作られていないというお話でありますが、どうも現実はまるで只今お答えになつたのと違つた現状が至るところに出ておると思うのでありますが、当然それに対しましては通産大臣としてはどういう御処置をおとりになるお考えでありますか伺つて置きたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) 私はないものと考えておりますので、通産大臣がどう処置をとるかというような話でありますが、ないと考えておりますから処置についても又考えていないのであります。
○岩間正男君 これはそういろ工場なんか御覧になつてはつきりおつしやるわけではないわけですね。先ほどのお話によりますと、そういう事実があつた場合にはどうしますか。
○国務大臣(横尾龍君) まだあるかないかもわかりませんので、今どうするかということは申上げかねます。
○岩間正男君 この点は今の段階では恐らく押問答になると思うのでありますが、そういう事実は非常にある、あるということは言えると思うのであります。これはいうまでもなく講和を結ばない、全面講和を達成しない日本の立場、仮に全面講和が達成したとしても、当然これは日本産業の非軍事化の條項から考えて違反である。こういうふうに我々ははつきり考えるのでありますが、通産大臣はどういう御意見でありますか。
○国務大臣(横尾龍君) 違反といろと何の違反でございましようか。
○岩間正男君 これはポツダム宣言違反だと考えます。つまりポツダム宣言の條項には、はつきり日本産業の平和産業としての性格を規定しております。それから軍事基地化の問題とかそれから産業の軍事化、こういう問題に対しましてははつきりした條項が十二條ですか、十三條ですか、今詳かに承知しておりませんけれども、そういう点ははつきりしておる問題でありまして、従つて軍需品のようなものが作られる産業の中にはそういう軍事的性格のものが織込まれて来る、こういうことになると、国際法違反だというふうに考えるりでありますが、これはどういうふうにお考えでありますか。
○国務大臣(横尾龍君) 軍需品は作つていないと思いますので違反でないと思います。
○岩間正男君 これは通産大臣がそれでお務まりになつていられるというところに日本の態勢があるのではないかというふうに思う。全くこういう国会の論議そのものがこれは大衆から指弾されるだろうと思うのですが、本当に知らないのは一体国会だけじやないか、こういうことになると思うのですが、これは知らないのでありますか。先ほどから繰返しておるのでありますが、これは知らない振りをされておるのでありますか。こういう点は非常に問題になるだろうと思います。そういうような事実が上ればなおはつきりする問題と思うのでありますが、仮にそういうような事態が起つておると問題を設定しますが、そういう場合にはどういうふうなお考えですか。これに対してどういうふうな措置を、今後そういうことが起つたり、そういう事実が上つた、そういうような場合には通産大臣としてどういうふうに御処置なさるお考えでありますか。
○国務大臣(横尾龍君) いろいろと仮定の下にお聞きになるようでございますが、仮定の下に対する御返事は避けたいと存じます。
○岩間正男君 吉田総理のような御答弁を(笑声)大分通産大臣も熱達されたようでありますが、仮定であるか仮定でないかは、これはここで水掛論みたいで、繰返すよりは事実がはつきり証明する問題だと思います。これにつきましてはいろいろお伺いしたいことがあるのでありますけれども、いずれもり少し詳しく事実を挙げてお伺いしたいと思います。 もり一点お伺いしたいのは、先ほどの中共貿易の問題でありますが、中共貿易については、堀木委員の御質問に対しまして、先ほど通産大臣は一日も早く正常に復することを希望しておるというような御答弁があつたと思うのでありますが、これは日本の今の産業の情勢と、それから国内の情勢、又国の外、国内外の情勢を見ますと、御希望されるような方向にだんだん近ずいているとお考えになりますか。それから遠ざかつているとお考えになりますか。どういうふうに情勢を把握されているのでありますか、この点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) これに関しましては岩間さん私よりも余計御存じたと思いますので、私は近まつているとむ考えないのであります。併し私よりもあなたのほうがよく御存じかと思いますから、私から御意見を承わりとうございます。
○岩間正男君 私は通産大臣に伺つておるのであります(笑声)。
○国務大臣(横尾龍君) 不幸にして私外交のことは余りわかりませんので、情勢は新聞で見るだげでございますから、誤まつた御説明になるかも知れませんから避けたいと思います。
○岩間正男君 そこに問題があると思うのです、只今のような御答弁のところに……。外交のことをお考えにならないで一体日本の一番重大な政策であるところの輸出入の問題ですね、これがどうしておわかりになりますか、そういうところから言つてすべての問題がでて来ておるとこれは解釈してよろしいのでございますか。そういうところから御答弁になるのは口上としか思えないのでありますが、その点については議論は先に保留しまして、それではお伺いしますが、中国から中日貿易促進会を通じまして、これは一月の中頃だと思うのでありますが申入れがあつた。そういう貿易についての申入れがあつたようでありますが、又いろいろな資産財を、その他食糧、そういうようなものについて日本に数重をわざわざ上げて、そうしてこういうものを輸入してもいい、こういうようなことがこれは中国から申入れがあつた。こういうことを聞いておるのでありますが、そうしますと、今の通産大臣のそういう状態に近ずきたいと、こういう御希望からすれば、当然このような申入れに対しては、これはいろいろ関心を持たれることと思うのでありますが、先ずこの事実を御存じでありますかどうでありますか。
○国務大臣(横尾龍君) そういうような話は私まだ承わつておりませんのでございます。
○岩間正男君 これは私も聞いたのですから別に確めたものではございませんが、大体の規模として、総額が一億一千五百万ドル程度で、鉄鉱石が五十六万トン、石炭が粘結炭これは百五十六万十トン、食糧が六十万トン、それから非鉄金属としましてボーキサイト三千トン、それから塩五十万十トン、その他綿花、大豆、胡麻、落花生、桐油、混毛、こういうようなものについての品種が上げられているのでありますが、こういう事実に対しまして、これは今御存じないというお話でありましたが、御存じないとしてもこういうような中国からの一つの貿易についての向うの意思が伝えられていることについて、これは通産大臣としてはどういうふうにこれはお考えになりますか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(横尾龍君) 今お話のようなそういうものが仮にあつたといたしましても、これに対する條件があるであろうと思います。その條件がこちらが受入れられるか受入れられんかということが、話も聞いておりませんのでここで御回答はできかねると思います。
○岩間正男君 條件については私も聞いておりませんが、こういうような平和産業的なものなのでありますが、こういうものについてもこれは日本の今の政府としましてはこれは拒否されるのでありますか。
○国務大臣(横尾龍君) 無條件でもらえるものですけれども、先刻お話いたしましたように、これに代りまするものを何々、而もそれが禁止をしておりますものであるといたしますならば、折角の申出でありますけれども、條件が合致いたしませんのでこれはいたし方ないと思います。
○岩間正男君 最後にお聞きしますが、先ほどの一日も早く正常に復することを希望しておるとおつしやつておるのでありますが、通産大臣としては中共貿易の再開がこれはどうしたつて日本民族の今置かれておる立場からすれば、もうのつぴきならない問題だと思う。我々の立場としましても、あの輸出禁止そのものは第九国会におきましても、吉田総理にも質問した問題でありますけれども、大陸から切離された日本の経済体制というものはあり得ない、こういうふろに考えるのであります。それが逆に地理的な條件、そういうものを無視されまして、日本がまるでこれはああいう形によつて輸入禁止という形になつたのでありますが、どうしてもその矛盾が到るところに出ておる。そうしてその矛盾の現われが国会の論議の中でもしばしば繰返されており、それだけじやなくて、日本の国民生活に大きな影響を持つておる、こういうふうに考えられるのでありますが、こういうものについて一日も早く近付くということを希望しておられるのでしたら、これに対するところの通産大臣としての御努力、これを伺いたいと思うのであります。
○国務大臣(横尾龍君) 中共に対する輸出の制限をいたしましたのは、これは先般も申上げまするように国連協力であります。このことに関しましては、あなたのお立場と私らの立場は違いますので、おのずから判断に甲乙があるかと思います。私は一日も早く正常に復して朝鮮動乱が熄んで、そうして正常なる貿易が再開されることを望むものでありまして、現在のような段階で一日も早くということじやないのでありますから、さように御了承願いたいと思います。
○岩間正男君 そういうふうにおつしやられますと、質問を打切ろろと思つたのでありますが、併し継続しなければならない。立場ということでありますが、我々の立場というこれは問題じやない。国連協力というようなことはどこで……。国会で少くとも決定されなくちやならない問題でありますが、決定された事実がございますか。国会の審議を通じて国民の意思が、多数の意思がはつきわ反映して決定され、そうして政策というものが決定される、執行機関だというふうに考えるのであります。そういう点から言いますと、ポツダム宣言の條項と、それから国連協力、或いはまあもつと厳格な意味で言えば国連軍協力、国連協力と国連軍協力とほ性格が非常に違つていると考えられますが、国連軍協力、こういうものを一方的に決定される、そうして国の全体的な意向というものが、何ら正式な手段によつて反映されることなく、而も隣国の、近い中国や我々の敵対行為のところまで追込んでしまう。そうして断ちがたいところの東亜の長い何千年に亘るところの一つの連帯ロープを切つてしまう。そうして八千マイルも離れたところの国との経済的な一環として、こちらがその手先的な方向でやつて行く。こういうことはどういう大きな矛盾が来るかということは、余りによく見えている問題だと思うのでありますが、立場が違つているとか何とか、そういう問題でありましようか。そういう点から立場が違つているのだから、これは禁止したのは止むを得ないというのですが、少くとも中共向輸出禁止問題を国会の審議にかけないで、一通産省の省令によつてなしたがごときことは、これは非常な不当であると言わざるを得ない。実に国会無視であり、民族の意思を没却したところの行為であると言わなければならない。只今のような民族の運命に実に重大な関連のある問題が、軽々しく一省の省令改革、こういうような形でなされたこと、而もそれに対して今のような御答弁では、甚だ当を得たものでない、こういうふうに考えられる。又軍に私がそんなことを言つておるだけでなくて、日本の産業資本家、こういう人たちの線においてさえも、現在この矛盾のために大きく動揺しておる。その矛盾が発生しておる。そうして一方におきまして、日本の生産計画が、そのために根本からやはりいろいろな影響を受け、そうして高い物を遠いところから船賃を高く拂い、そうしてそういう形で買つて来なければならない。そういう形が非常に出ておると思いますが、こういう点について通産省は、今のような御答弁で十分能事終れり、こう考えるのでありますか。この点だけ伺つて置きます。
○国務大臣(横尾龍君) お答えいたします。これはもうこの前もあなたからお聞きいたして、そうして私もそのときには、こういう問題には意見が相違いたしますから、もうこれで御答弁申上げませんと申上げたことを再び繰返したいと思います。
○岩間正男君 意見の相違じやありません。我々は何回でもこの問題を繰返さなければならない。日本人の記憶がだんだんだんだんと底に沈んでしまつて、そうして一つの原則に反した行為が繰返される。そういうような上にどんどん時日が軍ねられて忘却の中に追込まれる。そうしてとんでもない不当なものが既成事実として行われて行く。この不当なものに対しては、我々は何回でも繰返して、国民的な警告を発しなければならない、こういうように考えております。
○委員長(波多野鼎君) 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四分散会 出席者は左の通り。 委員長 波多野 鼎君 理事 石坂 豊一君 平岡 市三君 佐多 忠隆君 伊達源一郎君 藤野 繁雄君 櫻内 義雄君 東 隆君 木村禧八郎君 岩間 正男君 委員 池田宇右衞門君 泉山 三六君 白波瀬米吉君 野田 卯一君 一松 政二君 山本 米治君 山縣 勝見君 内村 清次君 加藤シヅエ君 下條 恭兵君 永井純一郎君 山田 節男君 若木 勝藏君 西郷吉之助君 菊田 七兵君 深川タマヱ君 堀木 鎌三君 矢嶋 三義君 国務大臣 通商産業大臣 横尾 龍君 政府委員 大蔵省主計局長 河野 一之君 農林政務次官 島村 軍次君 通商産業大臣官 房長 永山 時雄君 労働政務次官 山村新治郎君 事務局側 参 事 (委員部第一課 勤務) 岡 篤市君 常任委員会專門 員 野津高次郎君 常任委員会專門 員 長谷川喜作君