予算委員会 第21号
- 発言数
- 12 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/03/07
会議録
○委員長(波多野鼎君) それでは予算委員会を開きます。 過日の本委員会におきまして、木村委員の質疑に対する吉田首相の答弁の態度につきまして、本委員会で問題になつたのであります。その後この扱いを理事会に委せられまして、理事会でいろいろ研究討議をいたしました。その中間報告は先週の金曜日にいたして置きましたが、その後丁度公聴会が月、火と開かれまして、この問題を御報告する機会がありませんでしたので、改めて御報告申上げますが、理事会におきましては、吉田総理の釈明を求めるということで話を切出したのでありますが、自由党側の理事のかたのいろいろの懇請もあり理事会としましても、総理自身の釈明ということを固執しなかつたのであります。そして林副総理の釈明を聞こう、こういう態度をきめたのでありまして、それによりまして、政府側といろいろその折衝を続けて参り、時が大分経ちましたけれども、これは公聽会が二日挾まつた関係もありまして、時が経ちましたが、本日林副総理から、この件に関しまして発言を求められております。そこで林副総理の発言を許しまして釈明を聞きたいと思います。
○国務大臣(林讓治君) 只今委員長からのお話もございましたので、政府の代表といたしまして申上げたいと思います。 国会の審議権に対しましては、総理大臣はもとより、政府全体がこれを尊重いたしますことは勿論であります。去る二月二十二日、参議院予算委員会におきまして昭和二十六年度予算の予備審査に当りまして、委員各位の御質問に対し、総理大臣が答弁をいたしました際にも、総理大臣は、以上のごとき考えで懇切に答弁をいたしたのでありまして、たまたま木村委員の質問に対する答弁が、簡に過ぎたとして問題になりましたことは、甚だ遺憾であまりすが、これは時間が切迫いたしましたのと、疲労が加わつたためによるものでありまして、全く他意あるものではございません。政府は将来とも国会の審議を尊重いたしまして、答弁に当りましても、十分意を用いる所存でありますから、御了承をお願いいたしたいと存じます。 以上政府を代表いたしまして一言申上げた次第であります。
○吉川末次郎君 只今林副総理より、昨月二十二日の予備審査における木村委員の発言に対する答弁についての釈明を代つて承わつたのであります。当日私はあいにく欠席しておりましたので、その当日の事情をよく知らないのでありますが、この機会におきまして、政府の御釈明になりました答弁の態度について、議員の一員といたしまして、政府に特に希望し、又要求いたして置きたいと思うのであります。 それは本会議におきましても、又各種の委員会におきましても、野党、殊に少数党であるところの会派の代表の質問に対しましては、吉田総理その他の閣僚諸君、特に総理大臣吉田茂君の答弁は、私は甚だ国民の立場におきまして、平素常に非常にこれを不満に思つているものであります。と申しまするのは、特に共産党の諸君が質問に立ちまするというと、殆んど吉田総理大臣は、それに対して十分な答弁を意識的にいたしておらないのであります。これは各種の議会等におきまして、理事者側に立つているところの人、大会派であるところの與党の議員の、感情的な、歓心を得るということの、ためにするところの極めて卑劣にして又狡猾なるところの常套手段であります。即ち少数党の地位にあつて、そうして大会派の反対の側に立つているところの議員の質問というものが、如何にそこに聞くべきものがあり、従つてそれに答えるべき箇所が多々あるにもかかわらず、わざと自党、與党の歓心を得るためにそういうところの態度を示すのであります。これは深く冬閣僚諸君、特に吉田総理大臣が今後注意せられるように、林副総理より御伝言が願いたいのであります。特に共産党の諸君の質問たるや、ときには私たちも、多少共産党的な宣伝的な意味を含んでいるかのように感ぜられるときがないではありません。併しながら、この国会内におきましては、共産党の勢力は必ずしも数的には大でありませんけれども、世界的な政治の見地から考えまするならば、少くとも今日世界が二つに分かれておると言われている現在におきまして、その地球を覆うところの、全人類の半分の政治的な意見を代表しいるところの大きな意見であると、我々は考えなければならんのであります。今日、吉田内閣は共産主義反対、反共ということをば一枚看板にして、政局に立つておられるのであります。共産主義に反対するという立場におきましては、自由党の諸君とは、その基礎において違うところはありますけれども、我々日本社会党も又共産主義には反対であります。併しながら今言うように、共産党の諸君がよつて立つているところの政治的意見というものが、世界的に最も重視すべきところの行力なるところの意見を代表しているものでありまする限りにおきましては、共産主義に反対するというところの政府及び與党の立場に立ちましても、その言うところの共産主義的な、共産党の諸君の意見の、どこに理論的の誤りがあるのであるか、どこに錯誤心あるのであるか、どこに再考すべき、検討されるべきところの点があるということをば、政府與党及び内閣総理大臣が、国会を通じて明解にせられるということは、これは国民に対するところの政府の、共産主義的な意見対する理論的な自己の立場をば明確にするものであり、又政府が看板にしておるところの、共産主義に対するところの理論的な反駁を明らかにするもりでなければならんのであります。それは国内的に、自由党が一枚看板にす共産主義に対する態度を、国会を通じて国民に対して明解にするばかりではく、又世界におけるところの、二つの世界の一つに対する自由党内閣の理論的な立場を鮮明にするものでなげれはならんと思うのであります。その点におきまして、共産党の質問というものに対しては、答える限りでない、或いは問題でないというような態度を示すことが、若し自己の理論的立場が極りて薄弱であり、それに答えるところの理論を持たないが故に、そうした回避的な態度をとつておるのでありますならば、これは実に言語道断なことでのります。又若しそれを十分に反駁し得るところの自己の理論的基礎がありまするならば、何を以てかこの国会を通じて国民にその態度を明らかにせられないのであるか、これは現下の保守的な政治家が持つておられるところの欠陷を暴露しているものではないかと考えるのであります。今後真に自由党の諸君というものが、内閣総理大臣及び自由党内閣が、二つの世界の一つである共産主義の理論はいけない、又日本の国会におけるところの、その意見を代表するところの共産党の意見が間違つておると思われるならば、そういう忌避的に、回避的に、故意的にその問題に答えないといような態度を示すことなくして、進んで積極的に、詳細にその理論を鮮明にして、国民にその向うところを明らかにすることをば希望すると共に、又深く要求するものであるということ申上げて置きます。
○矢嶋三義君 私は本問題は、国会の権威という立場から申上げておることを前以て申上げて置きます。 我々には選良としての権利と義務がある。並びに政府委員は又政府委員としての義務というものがある。それと両々相待つて成立たせるところに、初めて国会の審議権の尊重ということもあり得る。国会の権威ということもあり得る。そういう立場を私は申上げているわけであります。 先ず私は今の副総理の釈明につきまして少し了承できん点がありますのでそれを先ず申上げます。理事会は、これに対してどういう見解をとられたかということを、私は委員長からもお答えを願いたいのであります。よく総理は本会議あたりの答弁において、共産党の質問に対して、これは共産党の宣伝であるから答弁の限りでないということを申されます。そういうときに、私はそれほど憤慨したことはありません。場合によりますと、そういう感じのするときもありますが、それほど憤慨したことはないのでありますが、あの予算委員会、予備審査における木村委員の質問に対する総理の態度というものは、どうしても私は了承できない。そうして本日の釈明は、私はピントを外れていると思うのです。これに対して予算委員の各位或いは理事は、どう考えられるかということが、私は問題だと思うのです。と申しますのは、我が会派の堀議員が、講和締結後、米軍が日本に進駐した場合に、その費用を向う様が持つてくれる、こういうように新聞に発表されているが、そのときの終戰処理費はどうなるのか、こういう質問をされた当時から、私は総理は痛い所をつかれた関係か、少し気持が変りかけたなと、ころ思つておりました。ところが、木村委員の質問になりますや、途端に、もう立場が違うから答えられない、これが第一発だつたわけです。その前に二一天作の五が出ましたけれども、そのときには、根本的な立場が違うから答えられない。それに対して木村委員は、自分も日本人であるから答えてほしいと、まあ随分下から下からと、丁寧に出ておつたと思うのです。そうして結局ああいう態度に出られた。総理の気持は、あとで総理の発言された通りに、質問をされるときには、事外交の問題は非常に微妙であるから、質問者も注意してほしい、木村委員の質問が外交に支障のあるような、そういう質問をするから、自分は二一天作の五を出した。又、立場が違ろから答えられないと、こういうふうに突つぱねたのだ。だから質問する者も、事外交に関する限りは、予算委員会においても、惡影響を及ぼすような質問は愼んでほしい、やめてほしい、そうすれば自分は丁寧に答弁する。こういうことをはつきりと総理は意思表示ざれたわけです。だから私は先般理事会に対しましても、果してあの木村委員の質問は、総理が反駁されるのに該当するや否や、それが私は問題だと思うのです。私は断じて、あの予算委員会における木村委員の予算委員としての質問は立派なものであつて、それに該当しないと思うのです。かかるが故に、私は総理の態度に対して選良の一人として不満を感じ、ここに意見を申上げているわけなのであります。 先ほどの釈明では簡單に過ぎたから、こういうふうに誤解を招いたと言われますが、根本的にそこが違うと思うのです。この木村委員の質問内容が、果して総理の考えられ、それから総理がとられたところの態度に該当する質問の内容であるかどうか、これは私は速記録で調べて頂きたいということを要望して置いたわけでありますが、これに対する理事会の私は見解を承わりたいのであります。その見解次第によりましては、只今簡に過ぎたが故に誤解を招いた、これでは私は釈明にはならない、ここ思う次第であります。先ず委員長の答弁を願います。
○委員長(波多野鼎君) 理事会におきましては、林副総理の釈明が、どういう内容のものであるかということは承知いたしておりません。直接ここで釈明ざれたのを、私初めてここで聞いておるわけであります。それから総理の答弁 態度並びに木村委員の質疑の内容が、総理が取上げたような意味において取上くべきものであつたか、それともそれとは違つたものであつたかということにつきましては、理事会では討議いたしませんでした。
○矢嶋三義君 それでは副総理にお尋ね申上げます。副総理から今釈明を承わつたわけでありますが、只今の副総理の釈明というものは、総理に通じられているのかどうか、それが第一点。それからもう一つの点は、只今私は委員長に御質問申上げましたように、総理はあの木村委員の質問を、ああいう質問は予算委員会にすべきものでない、こういうふうにお考えになつておられるのかどうか。あの質問はあれで結構なんだが、自分は疲れておつたから簡單にやつたので、ああいう誤解を生じた、こういうふうにお考えになつているのかどうか。この二つについて副総理の御答弁を願います。
○国務大臣(林讓治君) 只今申上げましたのは、総理大臣ともよく折合わせております。なお簡單にという言葉は、その内部に含まれておるものと考えておりますので、先ほど吉川委員から御希望のありました点は、とくと総理に伝えまして、今後後注意をいたさせるようにいたしたいと思います。
○矢嶋三義君 第二点の御答弁、どうもはつきりしないのですが、もう一遍はつきり、木村委員の質問は、ああいう質問内容を認められるのかどうか。その点について総理はどうお考えになつているのかということですが。
○国務大臣(林讓治君) 只今その点につきましては、総理とはよくお話いたしておりませんので、お答えいたしかねます。その簡にという言葉のうちに全部を含まして、私ども釈明をいたしたわけなのであります。
○矢嶋三義君 その点については、少くも私個人は了承できません。当時の状況からいつて、はつきりと木村氏の質問内容が適当でないのだ、だから自分はこういう態度をとるのだということを、はつきり意思表示されておられるのでありますから、それが間違いであつた、これからは善処するという御気持が総理にあられて、あのダレス特使が帰つた後に、本会議で報告されるときに、議運でも、條件となりました、今後外務委員会なり或いは予算委員会に出席されて、十分質疑に答えると御約束になつた、それを今後履行されるならば、私は今の釈明は十分了承するものでありますが、併しながら木村氏の質問内容を否定されてお帰りになつた総理に代つて今釈明された副総理の、簡に過ぎてという言葉、並びにその簡についての副総理の今の御説明では、私個人としては了承できないのであります。
○委員長(波多野鼎君) ほかに御意見ございませんですか。 それでは只今副総理から、政府においては国会の審議権を十分尊重して善処したいという意向を表明されましたが、今後の政府の予算委員会その他国会における態度を注視することにいたしまして、又予算委員会としては、今後質疑に十分答えてもらう、親切に而も責任を持つて答えるということを要望いたしまして、この問題はこれで打切ることにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(波多野鼎君) 御異議ないものと一認めます。 なお本日の予定は、社会党並びに共共産党の代表質問があることになつておりましたが、総理が止むを得ない用事で出席不可能とのことであります。代表質問でありますので、是非総理がいるところで質問したいというのが各党の御意見でありますので、本日の委員会はこれを以て散会いたしまして、明日に今日の日程を繰下げて、明日十時から開くことにいたします。 それでは本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十一分散会 出席者は左の通り。 委員長 波多野 鼎君 理事 石坂 豊一君 平岡 市三君 佐多 忠隆君 伊達源一郎君 藤野 繁雄君 櫻内 義雄君 東 隆君 木村禧八郎君 岩間 正男君 委員 池田宇右衞門君 大島 定吉君 小野 義夫君 白波瀬米吉君 長谷山行毅君 一松 政二君 安井 謙君 山本 米治君 山縣 勝見君 永井純一郎君 吉川末次郎君 若木 勝藏君 西郷吉之助君 菊田 七平君 堀木 鎌三君 矢嶋 三義君 国務大臣 国 務 大 臣 林 讓治君 政府委員 内閣官房長官 岡崎 勝男君 大蔵省主計局長 河野 一之君 事務局側 常任委員会專門 員 野津高次郎君 常任委員会專門 員 長谷川喜作君