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10回国会参議院1951/02/24

郵政委員会 第3号

発言数
60
登壇者
9
会派数
5
開催日
1951/02/24

会議録

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) それではこれより委員会を開きます。  本日は公報に掲載いたしました通り、郵政事業の運営実情に関する調査を議題といたしまして、主に今問題となつておりますところの積立金運用問題について、大蔵当局及び郵政当局に質疑をいたしたいと思います。委員のほうから順次質疑をして頂くごとにいたしましよう。

深川タマヱ国民民主党

○深川タマヱ君 ドツジ書簡に基きまして、近く資金運用部資金法案を提出されるそうでございますが、これは恒久的に政府資金を統合される御意思なのでございましようか。私の拝見いたすところによりますと、ドツジ書簡の主眼点は、朝鮮動乱後の非常時態勢に即応いたしますために、政府資金の集中管理をされようとするものだろうと存じますが、従いまして講和条約締結後におきましては、当然見直すべきものかと存じますが、これに対しまして大蔵当局は如何解釈しておられるのでありますか。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) このたび預金部を改組いたしまして、資金運用部とする法律案を用意いたしておるのでありますが、この制度は恒久的のものであるかどうかどいうことにつきましては、私どもはそういうことを念頭に置かず、一つの制度を作りたいということだけを考えておる次第でございます。

深川タマヱ国民民主党

○深川タマヱ君 もし仮にこれが臨時的、暫定的立法であるといたしますならば、簡易生命保険法第六十九条の規定、即ち積立金は有利確実に、且つ公共の利益のために運用すべし云々の第一項は、これを削除する必要はないのであつて、ただ同条の第二項の「積立金は、前項の規定にかかわらず、同項の規定による運用をするまで一時これを大蔵省預金部に預け入れることができる。」の文句のうち、大蔵省預金部とありますのを、資金運用部に改めたほうがよいのではないかと存じますけれども、これは如何ですか。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) 重ねての御質問で、御趣旨了承いたしましたのですが、このたび預金部を資金運用部にいたしますについては、これをただ当座の一時的の制度と考えておるわけではございません。ここに一つの新らしい制度を作ろうという趣旨でございますが、すべての他の問題もそうでございますように、制度というものが、将来どう変つて行くかということは、私どもの予想も予期もできないところでございまして、その意味では臨時的立法をしておるとは考えないのでございます。

深川タマヱ国民民主党

○深川タマヱ君 郵政省におきまして運用いたしておりました時代の既往投資、即ち公共貸付金及び有価証券は資金運用部に帰属せしめる必要はなく、従来通り郵政省に運用せしめても毫も差支えないと存じますが、これにつきまして如何お考えですか。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) 同法はまだ閣議の決定を見ておりませんので、事務当局から最終案について申上げることは差据えたいと思いますけれども、従来簡易保険で運用いたしておりました資産につきましては、その結末が付くまで簡易保険のほうに残すという考えで進んでおります。

深川タマヱ国民民主党

○深川タマヱ君 簡易保険は国民の福祉を増進いたしますために、国が行う営利を目的としない事業でございますことは、簡易保険法第一条及び第二条において明示しております。この非営利的本質から見ますと、積立金運用による剰余金はことごとくこれを加入者に還元すべきであるにかかわらず、本年度予算によりますと、資金運用部の剰余金八億一千万円を一般会計に納付しておるのは不合理でございまして、加入者五千五百万人の福祉を阻害しておると存じますので、この剰余金のうち、簡易保険預託金により発生した部分は、これを簡易保険特別会計に繰入るべきものと考えますけれども、これは如何でございましようか。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) 簡易保険を、国民に安い確実な保険の恩典に浴せしめるという意味で、これを助長し発展せしめて行くことにつきましては異論はないところでありまして、これを促進して参るべきであると思うのであります。併し簡易保険で集まりました金をどう運用するかということにつきましては、今度の資金運用部の精神におきましては、すべて資金運用部に統合いたしまして、これを国民全体のために総合統一して、最も効果的に無駄のないように運用するという建前になつておるのでございます。

高橋俊英大蔵省銀行局預金部資金課長

○説明員(高橋俊英君) 只今の御質問の中の剰余金の問題は、或いは資金運用部の剰余金も一般会計に繰入れる予定になつているという御趣意でございますか。

深川タマヱ国民民主党

○深川タマヱ君 そうです。

高橋俊英大蔵省銀行局預金部資金課長

○説明員(高橋俊英君) 終戦後におきまして、幾多の外地関係を失い、その他外国に関連するところの資産等も失いましたので、非常な損失が生じたわけでございます。それは他の一般の場合と全く同じでありまして、そのために各企業とも企業再建整備をやつたわけであります。それと同様な趣旨におきまして、預金部においても再建整備をやつた、銀行等の再建整備と歩調を合せてしたわけであります。その際にも相当の金額を一般会計から補充されております。それからなおその後、一般の物価が非常に騰貴いたしまして、資本の蓄積が十分できない。一般金融機関においてもそのコストが非常に高くなりましたので、特に郵便貯金等においてもそのコストが非常に高くなりましたので、そのため年々三十億以上に上るような赤字を出しておりまして、これは本年度、二十五年度におきましては全く赤字をなくしましたが、一般会計から繰入れをいたしておりまして、そういう場合にそれらの繰入れに関する法律がありますが、これは後日剰余金が生じた場合には、その剰余金を以て返済することになつておりまして、いわばその法律の趣旨に副えば、その借金を返済するまでの間は、これを一般会計の剰余金から返して行くという建前になつております。それといま一つは現実の問題といたしまして、明年度予算におきまして、郵便貯金特別会計のほうが独立いたしまして、その場合に本数億の赤字を生ずる、この赤字を一般会計、つまり一般の国民からとつた税金で埋める、従来の預金部の延長であるところの資金運用部に繰越しを生じた場合にはそれを以て埋めて、なお足らない分を税収等で埋める、こういうのが趣旨であろうというので、当分の間は剰余金を生じましても、これは全部一般会計に繰入れて、以て一般の国民の税負担を軽からしめたい、こういう趣旨でございます。

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) よろしいですか……。お諮りいたしますが、只今委員外議員千葉議員より発言を求められておりますが、許可してよろしうございますか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり)

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) 異議ないと認めます。では千葉議員。

千葉信労働者農民党

○委員外議員(千葉信君) 郵政大臣にお尋ねいたしますが、先の郵政委員会においても私から郵政大臣にお尋ね申上げ、いろいろと御答弁を承りまして、当時の情勢なり、大臣のお考え、一応私承知はいたしておりますけれども、その後における郵便貯金を含む大蔵省預金部資金の運用の方法等について、一体郵政当局として何らかの事業運営上、どうしても或る程度の運用に関する発言権を確保しなければならない、その具体的な形態はどうであるにいたしましても、少くとも郵政事業、特に郵便貯金或いは簡易保険等の拡充発展という見地からすると、資金を実際に預金者であるところの国民或いは又地方団体等を通じて、これらの諸君に対して十分資金運用に関する利益を享受するという方向へ持つて行くのでなければ、而もその結付きを最も緊密にやるということが郵政省関係のこの軍用計画に関する発言であるというふうに、私どもどうしてもそういう方向に行かなければならないと考えておりますが、その後におけるこの問題についての政府部内の折衝の経過等について、この際一応郵政大臣から承わつて置きたいと思います。

田村文吉緑風会郵政大臣・電気通信大臣

○国務大臣(田村文吉君) お答えいたしますが、今お尋ねの郵便貯金の運用及び簡易保険の積立金の運用、この問題は先般大体申上げた心持において郵政省としては変りはないのであります。御承知のように昨年の暮にドツジ・メモランダムが出ましてから、資金は一応統一して運用さるべきであるということで、その趣旨に則りまして、近いうちに資金運用部資金法というようなものを作りまして、大蔵省の所管案として提出されるごとに相成るわけであります。その場合において郵政省としては根本的にどう考えるかという問題でありますが、これはすでにドツジ・メモランダムにおいて統一して運用されるということについての主義に対しては、私どもは反対するわけにも参りませんので、当然その主義によつて進められるが、今これは両省の事務局間において折衝しておるのでありますが、問題になりまする点は今の大きな、御指示のありましたような、郵政省としてはみずから集めた金、みずから保険者から徴集した金、この金が鎖の全然切れたような形で大蔵省の資金運用部で運用されるということでは誠に頼りない、こういう根本観念からしまして、現在の両事務局間に折衝されている問題としては、根本は仕方がない、それで行くということはよろしい。すでに現在貸出しをいたしておりまして、残つておりますのが約三十一億ばかりある。その金をすでに運用してしまつておる。これを理論的に言えば、すべて大蔵省に帰する、こういうことになるわけでありましようが、それは困る、そのままに残して欲しい。それから簡易保険法の中に六十九条において積立金の運用に関する規定があるのであります。その運用に関する規定が今度新らしい法律によつてできた新法律によつて当然これは効果をなくするわけだから、全部なくしてしまう、こういうのが大蔵事務当局のほうの考え方でありまするが、成るほど根本的には大蔵省、元の預金部ですが、資金運用部においてこれを扱うにしても、さような簡易保険の問題についてはすでに衆議院においても、参議院においても、院議として再開を決議しておる。又その後内輸の話でありまするが、閣議としても二回に亘つて決議しておる。こういう趣旨もあるのであるから、必ずしも蛇足であつても残して置いてもいいじやないかと、こういう問題と、この二つの問題、もう一つは、今も話のありましたように自分たちの手で一生懸命で努力して、又その再開されることが、又貯金を運用することが、郵政省みずからの手によつて行われるということで、保険の成績も、貯金の成績も上つているのだと、こういう点から見て、十分これが運用については郵政省も一緒に重大な関心を持つのはこれは当然であります。丁度現在では資金運用部の資金の総額に対して、約七五%は郵政省の所管によつて金が集められているわけであります。そういう関係もありまするので、これに対していわゆる零細な貯金者の立場として、零細な保険者の立場から考えて、これが必ず安全有利に運用されている、まあ第一に安全に運用されていると、こういう点につきましては、十分の監督のできるような立場に立つことが必要である、こういうような意味の点も強調いたしまして、目下この三つの点について事務当局間において折衝をやつておる次第であります。不日話がまとまりました上で、大蔵省から所管として資金運用部資金法という形で提出して皆さんの御審議を願うと、こういうことになろうかと考えております。まあ事務的な問題でありまするが、そういう点について在来の大蔵省と郵政省との間における見解の相違というような点があるわけでありますが、これらを調整いたしまして、そうして法案を提出するようにいたしたいと、こう考えておる次第であります。

千葉信労働者農民党

○委員外議員(千葉信君) 御意見については大体私ども了承いたしますけれども、重ねてお尋ねしたいことは、現在のいろいろな情勢なり、或いは大蔵事務当局の強硬な態度等、特にドツジ氏のメモランダムを背景とした大蔵省の現在の態度から行つて、今大臣がおつしやつたような郵政当局の立場というものを、その折衝の中で何らかの発言権を確保するという形において希望が持てる状態なのかどうかということを、この際率直に私は承わつてから、次の質問を続けたいと思います。

田村文吉緑風会郵政大臣・電気通信大臣

○国務大臣(田村文吉君) 目下折衝中でありまするので、どういう見通しかということは申上げかねておりますが、今事務当局間で折衝いたしておりまして、最後の問題は閣議において決定することに相成る次第であります。

千葉信労働者農民党

○委員外議員(千葉信君) 只今の大臣の御答弁によりますると、一応御意見なり或いは又考えておられるいろんな方策については、私どもわかりましたけれども、併し大体非常に私としては心許ない状態であるということが、只今の御答弁から察知されるわけでございます。根本から言いまして、これはドツジ氏のメモランダムがあるとか、ないとかいうことにかかわらず、大蔵省預金部資金のあの厖大な資金の状態から言いましても、これはやはり大きな国家的な見地に立つて、国家資金の一元的な運用という方向において考えられるということについては、私はその方向についてはちつとも根本的には反対すべきものを持つておらない。併しながらいろいろ従来の経過を見ますると、そういう国家的資金であるから、どうしても一元的に運用しなければならないということに籍口して、そうして大蔵当局がその運用というものを一元的に自分のほうで握ろうとする空気が非常に強いのではないか、一元的な運用と言いましても、全体の運用の中で、その運用せられる或る部面についての郵政省の国家的な一元的な運用の範囲内における発言というものに対してまで反対するというような理由は、私は大蔵省としてどういう立場からおとりになるのか、このことが非常に解せない。私はこんなことを率直に言うのは、一応ドツジ氏のメモランダムによる方針ということを言つておられますけれども、少くとも私の邪推によりますと、その考えの根本に大蔵省当局の意見というものが非常に強く入つておる。このことはその後におけるいろいろな郵政、大蔵当局の折衝の過程の中に私は非常に明確に出ておるんではないか、勿論根本的には私は今度の大蔵省預金部の運用の状態の方法について、今計画されておる短期産業資金に運用しようとするような、こういう零細な国民の貯蓄をそういう方向へ持つて行こうとすることについて、すでに私に根本的に不満を持つておりまするけれども、そういう問題を拔きにいたしても、今申上げましたように、一元的な運用という範囲内においても、郵政省の或る程度の発言権を認めるということに何の一体支障があるか、特に私はそういう点について申上げなければならないことは、現在の郵政事業は御承知の通り独立採算制という形において非常に縛られております。勿論二十六年度におきましては、三十億程度の一般会計からの繰入れということも考えられておりまするけれども、併し建前としては独立採算制という形をとつておるのでございます。従いまして、そういう独立採算制をとつて行く以上は、やはり郵政省において或る程度のこれら資金に対する発言権も、若しくは又その運用によるところの利益を、郵政省自体も事業運営の中に享受する必要がどうしても起つて来る、現在行われておりまする一般会計からの繰入れということは変則的な状態なのでございまして、若しこういう変則的な問題を恒常的にやるということにすれば、これは郵政省の独立採算制というものを根本的に変更することになる。勿論郵政事業運営の現在の状況からいたしますれば、独立採算制をとるということ自体が非常に無理なのでございまして、従いまして、そういう中で二十六年度にとられようとしているような一般会計からの繰入れ、若しくは又二十五年度に行われました待遇水準を或る程度変更するための一般会計からの繰入れ、こういうことが起つて参るのは、これは実際における郵政省のいろいろな歳出、歳入状態を見ましても、やはり何とかもつと方法を考える必要があると思う。こういう場合にやはり考えられますことは、大蔵省預金部にあるところの資金のうちの厖大な郵便貯金、或いは簡易保険の実際のこういう仕事の中から出て来るところの郵政省自体の経営の経費というものを、もう少し何らかの方法を考えなければならない。ところがそういう状態でございますので、一般会計の中から繰入れて来るという、こういう独立採算制の方向を、根本的に若しくは又恒常的に崩す一般会計の繰入れという方針を、今後ずつと継続する方向へ持つて行ける見通しがあるかどうかということが一つ。若しそれがない場合に、現在の郵政関係従業員の待遇水準というものは、仮に一般職の職員の給与という形において一律に扱われているとはいうものの、併しながら現在の段階では電通従業員の場合と同様に、郵政従業員の場合においても、少くとも新らしい級別俸給表という方向がどうしても考えられなければならない段階に来ておる。俸給の点ばかりではなく、例えば厚生福利の施設を取上げて見ましても、官舎の場合に一つの例を見ましても、非常に官舎の設立というものが極端な形において不利な状況に置れておる。例えば二十四年度において郵政、電通両省を含めまして、全国における官舎の数というものは九百七十三戸しかなかつた。二十五年度でやつとこれが千七百戸程度になつておるようでございますが、こういう官舎の例を見ましても、同じ政府企業であるところの国営鉄道等は、北海道だけでもすでに一万七千戸を数えておる。郵政、電通の四十万人の従業員を擁しているところがたつた千六百戸程度、一方国鉄の場合におきましては、北海道等は三人に一人という官舎数を数えておる。單に俸給表の問題ばかりでなく、こういう点についてやはり郵政大臣としては十分この際考える必至がある。その場合に一般会計からの繰入れということが若し恒常的に今後計画され、独立採算制という問題を全然この際変更してやつて行くか、さもなければ今問題になつておりまするところの大蔵省預金部の資金運用の問題について、單にこれは地方に資金を還元するというような問題ばかりでなく、従業員に対する待遇の問題にも影響すると思いますが、この点について一体郵政大臣はどういう具体案を考えておられるか、この二点について御答弁を承わりたいと思います。

田村文吉緑風会郵政大臣・電気通信大臣

○国務大臣(田村文吉君) 御尤ものお尋ねでありますが、今の郵政会計の独立採算、従つて今後とも飽くまでも独立採算で行くつもりでいるのか、若しそうであるとすれば、今の貯金事業、保険事業というものは、みずからの投資により相当の利益を上げて、又それによつて独立採算の足し前にもすべきじやないかというようなお考え、又従つて現在の郵政従業員が、他の公共企業体等と比べまして甚だ貧弱である、又待遇の問題としては、現業員として特殊の給与等を考えてやるべきではないかというようなお尋ねでございまするが、郵政会計の独立採算を飽くまでも厳守してやるかという問題でありまするが、これはできればそういたしたいのでありまするが、郵便事業の非常に公共性を持つておりまする点から考えまして、又著しくこれを企業的に考えて原価計算主義をとるというようなことになりまするというと、よほど料金を上げて行かないというとやれない。こういうような現実に当面しておりますようなわけでありまするので、現在において少くもここ暫らくの間或いは思い切つた料金の改訂等が行われません限りにおいては、当分独立採算によつて補給してもらわなんでも済むということは困難だというふうに考えるくらいでありますが、今後の根本問題として、郵政会計というものは果して独立採算で飽くまでもやるべきものか、然らずして、丁度山の中の一軒家にも郵便物を、一日八十銭で新聞を届ける。こういうようなことがいわゆる日本の文化というような点から考えて行つた場合に、必ずしも独立採算にこれはやり遂げなければならんということを考えなければならんかどうかということは問題があると思います。暫らくこの問題については今後の推移を研究いたしました上で決定すべきだと思います。併し現在において、それだからと言つて国民の負担である一般会計から莫大な補給をもらうというようなことは、決して望ましいことではないのでありまするので、でき得る限りこれが独立採算について努力する、或いは合理化をやるとか、或いは他に收入の途を殖やすとか、大体現在の郵便の收入の少い大きな原因は、戦争前に比べまして、五割二、三分しか回復していない、数にいたしまして……。こういうものが先ず回復することが願わしいと同時に努力するというような点で、できるだけ独立採算になるように努力いたして参りたいのであります。その一端として今の資金の運用という問題が出るのでありまするが、私の考えておりますところでは、物の統制というようなものはだんだんなくなつて来た。併しインフレにならないようにするためには、或る程度まで資金の面で統制をする、こういうこともやむを得ない今日の状況だと考えておりますので、そういう意味において資金は国家に統一して運用するということは、ドツジ・メモランダムによつてやむを得ないというように考えておる次第であります。  それから今の給与関係の問題につきましては、お説の通りなのであります。飽くまでもこれが独立採算ができるかできないかということでなしに、現業の職員が今日非常に苦労している、又十分の給与も与えられていない、こういう点については全く同感なのであります。殊に今の宿泊の設備、住宅の問題、そういう問題等についてはまだまだ遺憾の点があるのでありますが、こういう点につきましては独立採算制如何にかかわらず、これは予算の編成に当りまして、できるだけ努力をいたして参つたのでありまするが、今後ともその方面に向つて進みたい。給与の問題につきましては、できるだけ現業員にふさわしい給与方法というものが、これは能率を増進する点から考えましても、どうしても必要なのであります。こういう点についても人事院と目下交渉をし、折衝いたしておりますような次第であります。何分公務員という一つの大きな枠で大きな規制が行われております関係上、なかなか簡単には参りません。折角努力をいたしております次第ございます。

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) 千葉議員に申上げますが、本日ちよつと時間がありませんので、この程度で、又あとにして頂きます。

柏木庫治緑風会

○柏木庫治君 大蔵当局にお尋ねいたしますが、ドツジ書簡が出ましてから、そのまま大蔵省ははいとやつておるのですか、若し大蔵省の考え方と違つたようなものがあるとか、大蔵省が、ここはこうしてもらいたいというような希望すべきものがあつて、ドツジ氏に申入れまして、変更を願つたことが曾つての例であるかないかを承わりたいと思います。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) 事務当局といたしましては、ドツジ覚書が出ましてから、それを内閣がどう受取られるか、その結果、その線に沿いまして法律案の起草に当つて行くことになります。特にドツジ書簡に対して事務当局として、司令部に対してかれこれ要請するということはできもしないことでございますし、そういうことはございません。

柏木庫治緑風会

○柏木庫治君 資金の問題でありますが、今は集中排除、地方分権というようなことが、民主主義国家として日本が盛んにやつていることなんでありますが、この資金を一つにするということが、こうした民主主義的やりかたと逆を歩んでいるような気持がいたしますので、この点私は反対をいたしたい気持を持つております。いま一つは簡易保険事業が国営保険として日本で世界に例を見ないような発展を遂げた。その理由は創始以来長きに亘つて積立金を国家財政の用に供することなく、国債その他有価証券及び公共貸付を対象として、逓信省みずから投資に当つたということが最も大きな原因だと思うのであります。逆に英国が一九二八年に遂に国家保険を廃止するのやむなきに至つたというようなことは、逓信省の集めたものを全部大蔵省が運営したことによつたということも最も大きな原因の一つだと思うのであります。保険の勧誘はたくさんの人を用いて困難なことであり、又実際この郵便貯金の問題にいたしましても、郵便局に働いているかたがたが直接間接に非常な熱意を以て勧誘している。これが金の集まる最も大きな働きを持つているのであります。実際問題といたしまして、その集まつたものが我々の手で運用されるというとことに熱意が起りますし、又そういうふうに指導者は指導して来たであろうと思うのであります。それでありますから、私は今大蔵省に預金してあるものも、今後預金することなく、むしろすべてを郵政省に運用方法を任して行くということのほうが、この保険及び貯蓄に当つておる人の働きをますます増進させる最も大きなものであると思うのであります。このときに自分たちが一生懸命集めたものも、その運用に当つては、郵政省を自分と考えておりますから、自分たちは何らの関係はないのだということになりましたならば、世界に例を見ないような日本の簡易保険も英国の轍を踏むのではないかと私は考えられる、この点におきまして、何と言うても仕事は人であります。人の心が萎靡するか、奮い立つかによつて一切を決すると思うのでありますが、大蔵当局も非常に有能の士が多いと思いますが、同時に郵政省も非常に皆有能であります。私はこの預金を永久に大蔵省が一存で動かして行くということが、保険事業、郵便貯蓄に関係しておるたくさんの人々の心を萎靡させることによつて、この仕事の目的が半減どころではない、殆んど消えるのではないかというふうに考えますので、これは大蔵当局と郵政当局の両方に、云々という問題は今深川氏、千葉氏その他たくさんお話しがありましたが、私はこの法案の陰に人の心を壊し、人の心を萎靡させる、その姿が事業を沈滞させるのだ、こうした立場からむしろ大蔵省は預金を郵政省にしてもらうのではなく、郵政省のほうに一切の運用を任して、大蔵省のほうが注意とか、口出しをするというようなことは郵政省も認めて行く、こういう方向に進んで行くことが私は日本国家のために一番有利であると思いますので、私のこれと同時に申上げることはどうかと思いますので、私はそういうやりかたに向つては心から反対をいたすものでありまして、まだこれはきまつていないそうでありますから、一つ郵政、大蔵両当局は資金だけに促われずに、その金の生れて来る根本は人間の働きにあるのだ、その人間がより働けるような構想に進めて頂きたいという希望を申上げて賛成をいたしたいと思います。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) 長い間の懸案でありました本問題につきましては、大蔵省事務当局といたしましては、それぞれの主張を持つておつたことでございますが、最近これは内閣において各方面の意見をお取りまとめ願いまして、妥結に進みつつあるのでございますので、今更私どものほうの意見を繰返して申上げることも如何かとは存ずるのでございますが、お尋ねもございますので、御指摘の点についてお答え申上げたいと思います。地方分権の世の中に資金を中央に集めて、これを総合運用することは必ずしも適当でないという御趣旨のように承わつたのでございますが、やはり資金の性質といたしまして、これを国全体の利益のために総合運用するということが必要なことは明らかであると思うのであります。即ち国全体の経済が成り立ちませんのでは、一部々々の地方の存在というものを経済的に危くするという、こういう事情でございますので、その地方から集まつた金は必ずその地方に返すという原則だけでは参らないのでございます。全般的に資金が中央に集中し過ぎるという話につきましては、現在の預金部におきましても、地方債の引受等におきましても、相当の量の資金を還元しておる次第でございます。問題は大所高所から、又資金の流動性という性質から考えまして、中央において資金を総合して適当に再配分するということが、国民経済を維持する上において最も適当であろうと私どもは考えている次第でございます。  それから第二の御質問の点でございますが、従業員諸君の熱意を保持するために、地方から集まりました資金は、これらの担当者の手で運用できるごとにしたらどうかというお考えでございますけれども、只今申しましたように、資金は国民全体のために利益になるように、総合的見地から運用すべきものであるという考えを持つておりますので、單にこの保険を集めるために資金をそのかたがたの考えに基いて運用するという考えは必ずしも同意しがたいところでございます。それから大体中央に集まりました資金は、大蔵省で運用するということになつております。これは財政金融の担当者といたしまして、大蔵省が担当するのが適当であろうという考えでありまして、さらばと言いまして、大蔵省がその指示によりまして、これを運用するということではないことは勿論でございます。大蔵大臣も内閣の方針に従われて政策を行われる。その実施担当者といたしまして、大蔵省として資金を運用するのでございます。行政面の担当者として、大蔵省に資金の運用が割当てられて行くということであるのであります。決して大蔵省の手にあるから、大蔵省だけの考えで資金を動かすのではない、こういうことは御了承願いたいと思います。

田村文吉緑風会郵政大臣・電気通信大臣

○国務大臣(田村文吉君) 只今柏木委員からの御発言は、私ども非常に敬意を表して拝聴いたしたのであります。それに対して大蔵当局はどうか、郵政当局はどうかというお考えでありまするので、この機会にもつと千葉議員に対する御答弁に附加えて、申上げて置きたいと思います。この集めた金がその省において運用されるということが如何に従業員の士気を鼓舞し、その事業自体の発達に寄与するかということは、もうお説の通りだと思います。戦前に簡易保険を始められた当時より、ずつとそのまま郵政省において取扱つて参つたのであります。たまたま戦時中になりまして、すべてが統制下に入り、資金もすべて統制されるというようなことから、あの特例となつて資金が大蔵省の預金部に預けられるということになつて参つたのであります。そこでもうすでに戦争も済んだ。郵政当局といたしましては、従前の郵政省における運用に返したい。こういうことから御決議もあり、又閣議決定をして参つたのでありまするが、これは私ドツジ氏にもお目にかかつてお話を聞いたときに、まだ今日の日本の状態は平常の状態に返つたとは思えない。まだ非常時が続いていると考える、かような意味で、その点についてお前の意見ではあるけれども、今日はこれを一括した運用に任せるというふうに統制さるべきだ。今度のドツジ・メモにもございますが、この金は第一に安全に運用される、これは第一保険者としても、貯金者としても考えることなんであります。その点は第一に考えて欲しいということも附加えられておつたのであります。そこで問題は集められた金が一体大蔵省が運用することがいいのか、もつとほかの、例えば郵政省なら、一番金をよく集める郵政省でまとめて運用するのがいいのかということについては、これは私は議論があると思います。必らずしも国家の財政及び資金に対する監督行政をやつておる大蔵省として扱つたほうがいいか、或いはこれは預金を集めている、又保険金を集めている郵政省自体がやることがいいか。或いは又別の機関においてこれをやることがいいか。これは私は議論があるところだと思います。現在のアメリカにおきましては、郵政大臣が主管者となつてこれを運営しているのであります。イギリスは或いは大蔵省が運営している形になつて、指導者になつているかも知れませんが、少くもアメリカにおいては郵政省が主管者と  してやつておるのであります。そこで問題が現在の状況下におきまして、長く大蔵省としてはこの預金部として大蔵省で扱つている。こういう過去の歴史もありまするので、その点につきましては、まだ私のほうとすると、今後検討されて行くべき問題があると、こういうふうに考えておるのでありまして、問題は資金はすべて大蔵省に一任されることがいいかどうかということは、ドツジ・メモによつて大蔵省資金運用部ということで出て参りましたから、今当面はそのこととして取上げておりますが、根本観念としては、今柏木委員のお話のように、できるだけこの事業を盛んにし、又国民の貯蓄を奨励し、又将来の安定をさせるためには、この事業をやる人自体が運用するという形のほうがいいじやないか。こういう御意見もまさしく傾聴してお聞きする意見であると考えておるのでありますが、先ず一応の経過はさような状況にあるということを申上げて置きます。

三木治朗日本社会党副議長

○三木治朗君 只今までの各委員の御質問で、大体過去の各郵政関係の士気に大きな影響を及ぼすということは大体皆様おわかりの通りでありますが、ここでお尋ねしたいのは、郵政当局及び大蔵当局も、大体このドツジ書簡によつて見ましても、その保険や厚生その他によつて蓄積された金は大蔵省に集まり、それをいろいろ長期の地方債その他によつて地方に還元して、まあいわゆる資本蓄積を完全にして、日本の再建に寄与するということがドツジさんの狙いと思われるのでありますが、その線に沿つてやつておられるのでありますが、今までの話によつて考えて見ますると、折角集めようというこの資金の源が思うように集まらなくなつたんでは、これはドツジさんの考え方にも反するし、日本の再建に資するわけにも行かん。ただ一つところに集中して一括したところの大きな立場から運用しようとしても、その集めるところの末端の士気が衰え、今まで話があつたような工合に、集まるべき金が思うように集まらないということになるのじやないかという憂が多分にあると思います。その点に対して、これが大蔵省で全部運用するようになつても、この資金の集中することには何ら差支えないという工合に、大蔵省も郵政当局もお考えになつているのかどうか。いわゆる資金源の枯渇を来たす憂はないかということについての御所信を先ず伺つて置きたいと思います。それからなおもう一点は、各地を視察などに参りまして、公聴会等において強くその地方の有力者から要望されることは、いずれも簡易保険の資金の地方還元を熱望しているのです。これは單に郵政当局やなんかの要望でなくして、やつぱりその土地のすべての人々が地方還元を熱望していることは至るところ同様であります。従つてこれは或る意味における国民の輿論とも言えると思うのでありますが、そういう輿論を無視して、こういう今考えていられるような行きかたを強行しても、そのことによつて悪い影響があるかないか、私どもは非常にこれは国民の総意に反することだと思いますし、民主国家としての日本が、いわゆる一般国民の総意を無視して強行するということは甚だ面白くないと思うのですが、そういう点に対する御所見はどうですか、伺います。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) この簡易保険の本来の狙いは、国民に保険を付けさす、確実有利な保険を付けさすということにあると思うのですが、これによつて資金ができるだけ集まつて参りまして、そうしてこれが国家全体のために有利に使われるということは誠に好ましいことである。そこでどれだけ国民が保険料を払込むことができるかどうかということに対しましては、結局国民経済を早く回復せしめまして、国民全体としての資力というものを増して行くことが必要なのでございます。仮に一時的に無理な金の集めかたをいたしましても、それが長く続かんといつたようなこともございましようし、大局においては資金が十分に集まらんといつたようなことにもなると思うのであります。お尋ねの点の、資金を確保できるかどうかという点につきましては、そういう考えを持つているという次第でございます。

柏木庫治緑風会

○柏木庫治君 大蔵当局のお話を承わりますというと、今も一時的に無理に集めてというお言葉がありましたが、簡易保険が今日まで来たことは一時的でなくて自然にやつて来たのだと私は思う。今一つは、保険の目的は保険金をかけさす、資金が集まると資金に非常に重きを置いて……。この二つのようでありますが、金は甲から乙、乙から丙へと動いている、歩む間に物が消えて参ります。そうして動いておる間にインフレの起る一つの最も大きな原因があると思います。だから月給なら月給、賃金を渡したときにすぐ保険にかけてもらうことが、これが本当の意味で物の費えを少くし、インフレを防ぐ一番大きなことでありまして、そこからできて来た貯蓄でありますが、一番私は保険の目的は、金を集めるということよりも金の動きをなるべく少くして、物の費えを少くして、そうしてインフレを防ぎ、それが而も資金となつて有用に使われ、かけた人の老後を守つてやるという、そのほうがむしろ重いのでありまして、資金を集める目的がそこにあると思うのであります。従つてごの仕事に携わつておる人の士気を衰えさしてはいけないということは、集まる金の量だけの問題でないことは、大蔵当局は知つて頂きたいと思うのであります。どうも当局の説明から行きますと、集まる資金だけにとらわれて、資金を集める根本の理由を忘れておるのじやないかと思うのであります。国全体のための利益と申しますが、国全体の利益を私どもは念願しておるから、郵政省の従業しておるかたがたの士気を萎靡させないようにし、而も資金が集まつて、大蔵当局だけが有能とは私は思つていない。日本の官庁に携わつておるものは、これは確かに資金面においては大蔵当局が仮に有能でありましても、その有能な大蔵当局に郵政省のほうから加わつて行つて、有能な知識を貸して行きますならば、少しも日本の政府の仕事としては支障はないのじやないか。今大蔵当局が目論んでおることをやるならば、さつき申しました集める金だけでなく、集めるという底にあるところの物の費えと、インフレ抑圧の一つになる。これを少く集めるということは、そこに恐ろしさがありますし、従業員の意欲を萎靡させるのだということが私の申上げることでありまして、どうも私のお尋ねすることと大蔵当局の答えがピントを外れておるように思いますので、私の意見だけを申上げて置きます。

中川幸平自由党

○中川幸平君 大蔵当局にちよつとお尋ねしたい。先ほど来各委員からいろいろ御意見もあり、お尋ねもあつたので繰返して申上げる要もありませんが、十五、六年前に、私の最も関係のある小さい農村が学校を建てる際に、その附近の小さい郵便局長の世話で、当時今から言うと、極く小さいものですが、二万円か三万円の金を斡旋してもらつて、そうして学校が仕上つた覚えがあります。当時村においては郵便局のお蔭で学校が建つたということで、簡易保険や郵便貯金を村を挙げてやつたことを記憶いたしておるのであります。さような点から考えて見まして、これらの事業について、この資金の運用の如何がその事業の操作に至大な関係があることは申すまでもないわけであります。併し今回預金部資金が早急に運営されるということは、この金融拘束の際に誠に結構なことです。その預金部資金の運営について大蔵省は考えておられる、これ又よき案だと思いまするが、かように苦労されてやつたこの金が運用されるに当つて、郵政当局の発言権を多分に入れなければならないことは、これ又当然なことであります。今立案中であると申されますが、その法案の中に、さような点を十分に汲み入れてあるかどうかという点について一言お尋ねいたしたいのであります。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) 大蔵省に集まりました金を最も適切に運用するということにつきましては、大蔵省初め各省の御意見も十分に織込んで行くということは先ほど申上げました通りであります。只今こしらえております資金運用部資金法におきましても、その構想を取入れる予定でございますが、只今は閣議の問題にもなつておることでございますから、私よりはお答えを差控えたいと思います。

中川幸平自由党

○中川幸平君 法案の中に委員会とか何とかというような構想があるか、どうですか。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) 従来は預金部資金運用審議会というものがありましたが、それを更にその趣旨を徹底せしめました一つの審議会を設ける予定になつております。

中川幸平自由党

○中川幸平君 ちよつとこの際お諮り願いたいと思いますが、只今申されたように、この法案に相当さようなことが見てあるとは思いますけれども、本委員会として、何か決議か申合せかの形式で、大蔵当局なり、大蔵委員会のほうに申入れることにしたらどうでございましようか。

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) 中川委員の発言でありますが、昨日衆議院の郵政委員会におきましても活発な論議があつたようでありまして、私たち傍聴いたしましたが、その結果を見ましても、郵政委員会から大蔵委員会に申入れる決議をされたようでありますから、大変いいことだと考えます。皆さん如何ですか。今中川委員から申出られました案文を読んで見ますが、   簡易生命保・険及び郵便年金積立金の運用に関する郵政委員会申合せ。   さきに第五国会において簡易生命保険及び郵便年金積立金の運用再開に関する決議をなしたのであるが、今次国会に提出を予定される資金運用部資金法案は本積立金の運用部預託を義務付けており、右決議の趣旨を否定している趣であることは遺憾である。従つて積立金の運用管理の如何が両事業の消長を支配し、延いては資本蓄積にも悪影響を招来する慮れがある事実に鑑み、右の統合管理を飽くまでも非常臨時の一時的措置たるがごとく立法化すると共に、簡易生命保険法及び郵便年金法中必要なる改正は慎重検討の上、單行法案として提出すべきことを大蔵委員会に申入れること。  以上であります。皆さん如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) それではさような申合せをいたしまして、大蔵委員会に申入れます。なお大蔵委員会に対しては、後に法案が提出された場合には、こちらから合同審査を申入れ、なお公聴会等を開くことを随時申入れることを口頭で申添えることにいたしまして異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) 御異議ないと認めます。そこで先ほど柏木委員、三木委員から御質問がありました点を私から一点大蔵当局に聞いて置きたいと思うのでありますが。現在赤字状態にある簡易生命保険及び郵便年金特別会計の収支状況を改善して、独立採算制を確保するためには新契約の大量獲得が絶対必要であると思いますが、大蔵当局はどうお考えになりますか。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) 私は本当に国民のためを思いますならば、保険に入りましてそれを継続して行くこと、そうして料金が安いということであろうと思います。單に新契約に入りましても、どうもインフレで生活費が足りなくなつたので、やむなくかけ捨てにする、解約するというような例もこのインフレの高進期には相当数あるわけでございます。そういうようなことで解約になりますと、かけた金額に対しまして極く僅少しか返してもらえないというようなことにもなるのであります。こういうことは国民にとつて非常に迷惑な話である。できるだけ長くかけられる。そうして保険本来の目的を達成せしめるといういうふうに措置して行くことが適切であると思います。

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) そうすると、新契約の大量獲得よりは、保険契約の持続のほうがウエイトが大きい。こういうお考えですか。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) 私の申上げましたのは、新契約の獲得が二の次であるということを申上げたのではございません。いずれも並んで必要だと思います。併しこの契約をいたしました以上は、それを続けて行かれるというように仕向けて行くべきものであると思います。

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) そうすると、私の先ほど申上げました「絶対必要である」という言葉は、それは賛成ですか、賛成でないのですか。「新契約の大乱獲得が絶対必要である」という私のその言葉に対しては賛成であるか、不賛成ですか。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) 御指摘の事項を即答いたしますことも甚だむずかしいことでございますが、それがかけ続けられて行くということであれば勿論結構なことでございます。

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) それがためにはどうしても郵政省に積立金運用を再開させる必要があると思いますが、どう考えられますのですか。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) 郵政省に積立金運用を再開せしめることは直接の関係がないように私は判断いたします。

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) 郵政省が資金の地方還元の原則により、地方公共団体に対する直接融資を再開すれば、地方公共団体が簡保事業の経営、殊に新契約の募集に対し熱意ある協力をなすことは既往の実績の示すところであると思いますが、これに対してはどうお考えになりますか。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) これは先ほど申上げましたことに帰着すると思いますが、この資金の運用はこれを総合いたしまして、そうして国民経済全体のレベルを上げて、行くということが大事であると考えます。

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) 地方財政との関連でありますが、地方財政は目下深刻な窮乏状態にある。簡保年金はその本質及び沿革から見て、主として地方公共事業資金に放資せられるべきものであるが、郵政省における直接運用再開による新契約の増加はそれだけ積立金の蓄積増加となり、地方資金の供給源を増大培養する結果となり、地方財政難の緩和が期待されると思いますが、あなたはどう考えますか。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) 地方財政は大分窮迫しておるようでありまして、これに何らかの措置を講ずることは必要だと思いますが、これにつきましては、財政上の措置として平衡交付金或いは簡易保険の積立金以外の郵便貯金その他の政府資金もございます。これらを総合して地方財政対策というものを考えることを適当と考えます。

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) 郵政省における直接運用の再開により、従業員の士気を振作し、勤労意欲を再び向上せしめ、事業の再建発展のために十分な活動をなさしめることができるということは考えられませんか。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) お尋ねの点に関しましては、資金を総合運用するということが大事でありまして、今お尋ねの点は決して問題ではないということではございません。簡易保険の普及発達ということにつきましては、更にもつとほかの分野について、或いは改善を要すべき点がございますならば、それを考えて行くべきではないかと考えます。

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) そもそも柏木委員が言われた通り、三十年来郵政大臣が本積立金を運用して来て、公共の利益に貢献して来たのでありますが、それが戦後一時停止されて来たのでありますが、この数年間のこの事業の経営をめぐつて、経済界の変動その他の諸般の情勢に急激なる変化があり、その結果本事業の危機を打開して、以て国民経済生活の安定と社会福祉の増進を目標とするためには、郵政省における積立金の直接運用の再開を必要と我我は考えておりますが、これはどう考えられますか。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) まあ従業員の士気の鼓舞、その他地方に対する資金の供給その他はまあ簡易保険の問題のほかにいろいろな機会においていろいろな問題を総合して対策を講ずべきものであろうと考えます。

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) 只今読み上げましたのは、昭和二十四年の十月二十四日に、大蔵大臣、郵政大臣連書の上、連合軍最高司令部経済科学局長に両大臣の意見として提出されたようであります。然るに今日になつて意見を異にされるのは、当時両大臣は科学局長に対して虚偽の申請をしたものであるかどうか。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) 当時は、只今の日付はドツジ覚書が出る前と了解いたしますのですが、そのときにおきましては、内閣の方針に従いまして、そういう意見を提出したものと記憶いたしております。

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) あなたはドツジさんの代表者として出ているのではなくして、今まで質疑応答を重ねられた、今の質問は日本の大蔵省当局としてのお考えを聞いたのであります。然るに今まで答弁になつたのは何ですか、大蔵当局の意見じやなくて、ほかの意思を代表して答えられていたのでありますか。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) 只今私が申上げましたのは、大蔵当局の事務的見解として申上げたわけであります。それをどう総合調整いたされまして、そうして新法案に盛つておりますかは、おのずから別個の問題と考えます。

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) さようでございますか。よくかりました。そこで大蔵当局にも申上げて置きますが、昨日衆議院の郵政委員会におきましての空気を察知せられましたように、各委員の今の質疑の中には、これはすでに只今申上げました大蔵大臣、郵政大臣連署の下に、連合国最高司令部経済科学局長に提出された内容は、今委員のおかたからの意見を殆んど取入れられて、これを稟請されておるような次第であります。日本の国民の意思は今もなおこれを期待すること大きいと思いますから、どうかこの点を慎重に考慮せられて、議会に提出せられるならば、議会は権威を保つために、政府の期待に副うことも困難と思うから、十分この点を御審議願いたい。ごう思つております。これは昨日衆議院でもたびたび言われましたようでございますから、この空気は大蔵大臣に篤と御伝達を願います。

柏木庫治緑風会

○柏木庫治君 私はもう一件大蔵当局に申上げて置きますが、保険の継続が最も好ましいというようなお言葉でありましたが、私も同じ考えであります。併し新契約ができて行くことと、保険の継続は私はこれは歩調を揃えて行くのでありまして、継続払込のほうができろけれども、新契約はできない、恐らく私はこの歴史を調べて見ましたならば、同じ歩調で歩んでおると思います。これは保険の一つの仕事でありまして、決して二つではありませんから、一方が萎靡したならば、一方も必らず萎靡する、新契約硬得の努力をするならば、同時にその努力の姿は過去に契約したものの継続にも及ぼして行くものであつて、あなたの答弁は別のように考えての御答弁でありましたが、私はこれは一つであると思つております。重ねてこれは申上げるわけでありますが、四民全体の利益と断定して仰せになるようでありますが、私どもはそれが別々に行われることが国民全体の利益であると考えておる。それが経済の自主確立に大きな力をなすということを考えておるのであります。でありますから、衆議院では国会の権威を保つというような言葉があつたか知れませんが、私は本当に国民全体の利益幸福のために、これを大蔵省一つにすることはためにならない、こう考えておることを特に申上げて置きたい。

舟山正吉大蔵省銀行局長

○政府委員(舟山正吉君) 新契約と継続の問題につきましては、只今お読み上げになりました文章から新契約という字が頭に強く響きましたので、即座にお答えとしてそういうことを申上げた次第でございました。両者一体として考えるべきごとでありますことは、私といたしましても少しの異論もないところでございます。

大野幸一日本社会党

○委員長(大野幸一君) それでは本日はこれを以て散会いたします。御苦労、様でございました。    午後零時二十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     大野 幸一君    理事            中川 幸平君            柏木 庫治君    委員            三木 治朗君            深川タマヱ君    委員外議員   千葉  信君   国務大臣    郵 政 大 臣 田村 文吉君   政府委員    大蔵省銀行局長 舟山 正吉君    郵政事務次官  大野 勝三君    郵政省簡易保険    局長      金丸 徳重君   事務局側    常任委員会専門    員       生田 武夫君    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    大蔵省銀行局預    金部資金課長  高橋 俊英君

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