本会議 第23号
- 発言数
- 27 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/03/12
会議録
○議長(佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。 —————・—————
○議長(佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。 一昨十日、衆議院議長幣原喜重郎君はにわかに逝去せられました。誠に痛惜哀悼の至りに堪えません。つきましては、本院は同君に対し、院議を以て弔詞を贈呈することとし、その弔詞は議長に一任せられたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。 只今の決議に基き、議長において起草いたしました衆議院議長幣原喜重郎君に対する弔詞を朗読いたします。 参議院ハ衆議院議長従二位勳一等幣原喜重郎君ノ長逝ヲ哀悼シ特ニ院議ヲ以テ恭シク弔詞ヲ呈ス —————・—————
○議長(佐藤尚武君) 日程第一、彈劾裁判所裁判員辞任の件。去る九日鈴木安孝君から彈劾裁判所裁判員を辞任いたしたい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。 —————・—————
○議長(佐藤尚武君) つきましては、この際日程に追加して、欠員となりました彈劾裁判所裁判員の選挙を行いたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。
○加藤武徳君 彈劾裁判所裁判員の選挙は成規の手続を省略いたしまして、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
○高橋道男君 只今の加藤君の動議に賛成いたします。
○議長(佐藤尚武君) 加藤君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて議長は彈劾裁判所裁判員に左藤義詮君を指名いたします。(拍手) —————・————— 〔木下源吾君発言の許可を求む〕
○議長(佐藤尚武君) 木下源吾君。
○木下源吾君 私はこの際公務員の身分保障に関して緊急質問をすることの動議を提出いたします。
○兼岩傳一君 私は只今の動議に賛成いたします。
○議長(佐藤尚武君) 木下君の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。木下源吾君。 〔木下源吾君登壇、拍手〕
○木下源吾君 私は社会党を代表いたしまして、若干の質問をこの際行いたいと思うのでありますが、今回政府が検察庁部内の人事異動を行うに当つて、大きな波紋を捲き起したことは世間周知のことであります。この際問題となつたのは木内次長検事のことに関してであつて、この問題の核心はやはり検察庁法第二十五條の規定に関することであります。私は人事委員会に席を有しておる関係上、この問題が公務員の身分保障の上に極めて重大な意義を持つものと考えまして、緊急質問をいたす次第であります。 検察庁法二十五條について、大橋法務総裁は二十五條の官というのは広い意味の官であつて、検事総長や次長検事ということは狹い意味の官だから、次長検事を検事長にする場合、本人の意に反してやれると、今でもなお考えておられるのかどうか、又将来もそういう筆法でやるつもりであるかどうか、こういうことをお尋ねしたいのであります。大橋法務総裁は委員会におきまして、こういうように言つておるのであります。官には狹い意味の官と広い意味の官と二通りあります。次長検事や検事長ということは狹い意味の官であつて、検察官は広い意味の官、即ち検察庁法第三條の規定の検事総長から副検事までを含めた総称であります。その観念をはつきりするため卑近な例を用いますと、「たい」や「ひらめ」という個々の種類を総合して魚という観念があります。次長検事や検事長は「たい」や「ひらめ」であつて、検察官は魚という官に当るのである。「たい」が「ひらめ」に変つたからといつて魚たるを失わないと同様に、次長検事が検事長に変つたからといつて検事官たることを失わないのであります。即ち二十五條に言う官というのは、官とはかような意味における総合的の観念としての官であつて、若し次長検事が検察官以外の官に転任せられたならば、その官を失うと言いますが、検察官内部の転任はその官を失うことに該当しないのであると、かように述べておるのであります。成るほど総裁の考えで行けばそうかも知れませんが、魚ということは総裁の言われる通り誠に総合的観念であるのでありまして、併しながら法律の條文にありますことは具体的でなければならない。即ち法務総裁の言葉を借りれば、次長検事たる「たい」、「ひらめ」はやめた。やめたということは「たい」、」ひらめ」は死んだ、この場合「たい」、「ひらめ」は死んでもなお魚は生きておると強弁せられるかどうか。こんなことは私が言うまでもなく自明の理であつて、総裁の言われておることは誠に詭弁というよりも、誰も考えないと思う。このような考えで官吏の身分の保障が失われるということは国家のために誠に遺憾である、こう考えざるを得ない。そこでもう一歩進んで明らかにして置きたいことは、元来二十五條は身分保障の規定であることは言うを待たないところであつて、その官を失うとは、現にその人が保有しておる官を失うことを意味することは勿論でなければならない。そうしてその官は任官によつて初めて保有せられるのでありますから、任官という法律行為の内容によつて、現に保有する官の内容如何が定まることも理の当然でありましよう。果して然らば、次長検事任官の内容はどうなつておるか。任官の内容を表示したる公文書、即ち辞令書には、次長検事に任命すると書いてあるのである。なお一級に叙するとその官の級別が書かれてある。その次に任命の月日と任命権者たる内閣の表示がある。更にその後にこの任命を天皇が認証せられておるのである。これは即ち一級官たる次長検事に任命するという国家の意思表示であつて、ここに初めて個人と国家との間に次長検事という内容を持つ官吏関係が発生するのでなければならない。併しこれは決して検事総長から下は副検事までを含めた広い範囲の内容を持つ検察官という官に任命せられることでないことは明らかである。ただそのうち、次長検事という一つの官に任命せられたのであります。而もこの官吏は旧日本の官吏ではない。吉田総理の官吏でもない。ましてや大橋法務総裁の隷属物たる官吏ではない。国民全体の奉仕着たる公務員であつて、国民全体がその身分を保障しておるのである。こういうことについて一体どういうように考えられておるのか。果して然らばこの人の保有する官は次長検事だけであつて、広い意味の検察官という官を保有していないことはもう明白だ。総裁のいわゆる観念上の検察官には任命の手続もなければ、免官の手続もありません。同一の法律のように規定されていながら、次長検事、その他の個々の官のごとく一級官、二級官というような級別の規定もないのであります。よくお考えを願わなければならん。 次に、大橋法務総裁は検察庁内の派閥抗争を解消するために、やむなくやつたんだということが伝えられておるのでありますが、検察庁内に派閥抗争があるということそれ自体は、国民の誠に憂慮しておるところであります。内外の情勢容易ならざる今日において、而も嚴粛なるべき検察庁内において派閥抗争があることは誠に憂うべきことである。これを解消することの急務であることは言うまでもありません。併しだ、現政府において、而も大橋総裁のような考え方でこのような派閥抗争が解消さるるということは、決して私は望まれないと思うのである。これらのよつて来たる原因は、保守的にして反動的な政策が必然的に派閥抗争をそこに発生せしめておるということに気付かなければならないのである。これを解消せしめるものは一つ、民主主義的にこれを解消せしむる道よりほかにない。天下り的な、独裁的な、そうして独善的な措置では断じて解消されないと思うのである。派閥抗争の内容を伺いますると、塩町派、反塩野派というようなことを言われておるのであるが、この塩野派というのはすでに御承知のように、往年の塩野氏は古い日本の政党政友会のそれにくみしてです、検察陣を政党化した張本人であることは国民ひとしく知つておるのである。(拍手)今やこれらの派閥がなお残つておつて、而も終戰後一時窒息したかに見えたが、最近ますますその頭を持上げて、検察庁内は救うべからざる泥沼に陷つておる。今塩野派の衣鉢を継ぐ巨頭と言われる人物を木内次長の代りに中央に呼び戻して、而もこれを次長検事にした場合、どういう結果が起りますか。次長検事は検事総長の補佐役であり、大切な人事権を掌握するところの要職にあるのであります。このような措置を講じて一体派閥抗争が解消されるという理由はどこにも見出されないのであります。ただ我我が考えられることは、今や目前に四月選挙の重大な時期を控えておつて、それとからんで往年の塩野氏が政党との関係に立つてやられたことを思い起すならば、国民はこれに対して一抹の危惧を感ずることであろうと思うのであります。(拍手、その通り」と呼ぶ者あり)又恐らく法務総裁は強引に権力を以て木内検事を転迭することには成功したかも知れません。そうして庁内には波紋が收まつた、沈んだというようなことを言われたそうでありますけれども、実際の内容は、我々の知れるところではそうではなく、ますます波紋が拡大する傾向にあるかのごとく見えるのであります。その一つの現われといたしましては、検事総長はその進退さえも考えておるということが新聞に散見されておる。政府は波紋をなくす、平和を求めようとして、平和を求めるために力によつて、平和を求めるためには戰争で征服する以外にないと考えでおる、そのイデオロギーがかかることを現出しておる最大の原因だと私は思うのであります。(拍手)ますます今後激化するであろうところの検察庁内の波紋に対して、大橋法務総裁は責任をとられるか、この点もお伺いして置きたいのであります。 公務員の身分保障や生活の問題を一体現政府はどう考えておるか。私は今ここにただ單に法規の解釈に関する疑義を質すこと以上に、進んで今回の検察部内の紛糾の原因をつらつら考えまするに、内外の情勢容易ならざる今日において、治安の維持に最も直接重要な政府部門に、かくのごとき不祥事を生じたことは誠に遺憾至極である。これは公務員の身分保障、このことをないがしろにした結果であるとは言いながら、これを不問に附すことは甚だ国家のために危險であると考えます。私は時間が迫つておりますので、簡單に一つお尋ねして置きたいのでありますが、この前にも吉田内閣の農林大臣は、飯山水産庁長官を理由なくして、かれこれつまらん理由を附けて詰腹を切らした。それが人事院において第三者的立場から公正な審理の結果、あのように人事院がそれを取消しておる。更に又給與の問題につきましても、民主的に人事院が科学的にいろいろな勧告をいたしましても、これに耳もかさない。たまたま予算を握つておるというその権力によつて、独善的につまみ銭をやつて雇人を使うかのごとき態度である。今地域給の問題が全国に欝勃として起つておるにもかかわらず、当然改訂をしなければならないにもかかわらず、政府は進んでこれを解決するという考えは毫も示しておらない。公務員に対して独善的で、独裁的で、一方的で、そうして押付けて行くという態度は、封建時代の雇用主以外の何者でもない。(「人事委員長頑張れ」と呼ぶ者あり)この点について私は総理大臣に今日出席を要求したのであるが、見えておらんから林副総理にお尋ねするのであるが、一体かくのごとく反動的政策を現在やらなければならないような現実的、具体的條件が一体何でありますか、国民の前に明らかにこれを示す必要を感じないかどうか。終戰後我が国の民主化のために、国民、国会共に全力を傾注して参つているのである。出る法案も、出る法案も民主的とは逆に……。国鉄の仲裁委員会の裁定や專売の裁定である。現在民間の労働調停の機関なんというものは、殆んど労働者が自暴自棄に陷つて、これさえも用いようとしておらない。民主主義の機関は独善的であつてはならない。人事院でも、仲裁委員会でも、調停委員会でも、これらに耳を傾けて、国民の声を聞いて政治を行わなければならないのである。然るに現政府は、公務員の身分保障について、生活安定について、一方的な考えでこれをやらなければならないというような現段階を、如何なる條件の下にかくのごときことをしなければならないか。その詳細な説明が国民の前に明らかにせらるべきであると私は考える。然らざればです、公務員も、労働者も創意工夫というものが抑え付けられ、国家の再建にみずから進んで働く意欲が抹殺せられるであろう。だだ一党一派の優勢のみを考えていいものであるか。全国民は諸君の指導よろしきを得るならば、欝勃とみずからの力を随所に発揮いたしまして、国家の再建に貢献するであろうことと私は考えます。たまたま今回の木内検事の問題にからんで、法務総裁の取扱、これに対していわゆる国民の前に法律の見解を明快にして頂くと共に、現政府の公務員の身分保障、生活安定に対するその意図を明らかにしてもらいたい。私は切に諸君に要望するものであります。(拍手) 〔国務大臣林讓治君登壇、拍手〕
○国務大臣(林讓治君) お答えいたします。公務員の給與に関する人事院の勧告などの取扱につきましては、政府は国家公務員法の定むるところによりまして、これを尊重し、財政その他の事情を考慮いたしまして、法律案を提出いたしたのでありまして、決して一方的行為とは考えておりません。公務員の人事及び給與につきましては、法令の定むるところによりまして、公正妥当なる取扱いをいたしたいと考えます。 なおその他の問題につきましては、所管の大臣よりお答えをいたします。(拍手) 〔国務大臣大橋武夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(大橋武夫君) 只今木下議員より御指摘の通り、次長検事も官でございまするが、検察庁法第二十五條に、いわゆる「その官を失い、」という場合の官は、同條の文理から見まして、検察官というものを指すものであることは明らかでございます。(「嘘を言え」「ノーノー」と呼ぶ者あり)従いまして、第二十五條の保障は検事総長、次長検事等がその地位を失うことによつて検察官たる身分を失う場合に対するものでございまして、これらのものが検察官中の他の官に転じる場合にまで及ぶものではございません。これを裁判官の身分保障の関係と比較をいたして見まするというと、裁判官につきましては、裁判所法が身分保障の対象といたしまして、免官のほかに転官、転所を挙げておるのでありまするが、検察庁法では裁判所法と同時に制定されておりながら、ただ單に「その官を失い、」という場合のみを規定いたしておるのであります。これを比較いたして考察いたしまするならば、検察官については、転所は勿論転官についても保障はないものと見るほかはないのであります。(「わかつたか」と呼ぶものあり)このことは、裁判官が完全な職務上の独立を持つものであるに対しまして、検察官はいわゆる検事同一体の原則の下に、上官の指揮の下に立つというこの本質的な相違に基くものと言わなければならんのであります。裁判官につきましては、旧憲法、新憲法を通じまして、憲法みずからがその身分を保障いたしておりまするのも、全くこの性質上の差違によるものということができるのであります。又旧裁判所構成法においても、裁判官と検察官の身分保障は明確な差違を設けておつたのでありまするが、これも同一なる理由によるものと考える次第であります。 従いまして、現行法の下においてこの両者の間に差違があるということは決して理由のないことではないのであります。ただ、なお検察庁法二十三條には、検察官が非能率その他の事由により職務を行うに適当でないという者につきましては、検察官適格審査会の議決を経て、免官ができることとなつておるのでありまするが、転官についてはこのような特別の手段を講じてないのでありまするから、若し第二十五條が転官を保障いたしておるといたしまするならば、特定の官についてその他の官に転ずることが必要であるという場合におきましては、その意に反して適当な官に転ぜしめる方法が全くないということになりまして、第二十三條によつて罷免を強行するという以外に途はないということに相成りまするが、かくのごとき結果が如何に不合理であるかということは何人も疑いを差挾む余地はないと確信をいたすのであります。(「そうじやない、君の都合で転任さすのだ」と呼ぶ者あり)検察庁法第二十五條は以上のごとく解釈を下しておりまするが、検察官は他に職務を停止せられ又は俸給を減額せられないという保障がありますること、又検察官も公務員法による一般職の国家公務員でありまするから、その職務或いは官の下がる場合、即ち降任につきましては、国家公務員法の身分保障が検察官にも及ぶということを考え併せまするというと、検察官の身分については十分なる保障がなされておると考えるのであります。この保障を通じて検察官の地位の安定が確保されておる。かように私どもといたしましては考えておる次第でございます。 ただ検察庁法の解釈は別にいたしまして、従来司法部内におきましては、部内の慣行といたしまして、検察官の転任につきましても、憲法上保障せられましたる裁判官と同様に、でき得る限り本人の意思を尊重して発令を行なつて来たという慣行があるのでございます。私はこの慣行は検察の公正を期する上におきまして極めて適切な方法であるということを確信いたすのでありまして、就任以来今日まで極力この方針を維持して人事を管理いたして参つたのでありまするが、今回木内次長検事の更迭に際しまして、この慣行に必ずしもよることができないということにつきまして(「どういう理由があるのだ」と呼ぶ者あり)決意をいたしたのは、全く異例の措置を決意いたした次第でありまして、極めて異例の場合におきまする極めて異例の措置でありまして、これを他に及ぼすつもりのないということは(「君の都合でか」と呼ぶ者あり)もとより申すまでもないのでありまして、もとより私は今後におきましても、この慣行を守ることによりまして、検察人事の円滑なる運営をいたしたい、かように考えておりますことを申添えて置くのであります。 なお、今回の異動につきましては、私といたしましては、今日の時局に対応いたしまするため、検察陣の刷新強化を図りたいという以外に何らの意図を持つたものではないということを申上げて置きます。(「反動強化」と呼ぶ者あり)又木下議員が、派閥の解消がこれによつてできるかどうか、少くとも私にはできないであろうと、こう言われたのでございまするが、果して派閥の解消ができるかできないかは、私はここで言葉を以てお答えすることではなく、今後の実績によつてお答えをいたしたいと決心をいたしております。(拍手) —————・—————
○議長(佐藤尚武君) 日程第二、開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長小串清一君。 〔小串清一君登壇、拍手〕
○小串清一君 只今上程せられました開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案の委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告申上げます。 開拓者資金融通法による農地開拓者に対する貸付金の財源は、従来開拓者資金融通特別会計の負担で発行する公債又は借入金によつて調達して来たのでありますが、健全財政の見地から、昭和二十四年度以降は一般会計からの繰入金を以て充当いたし、昭和二十六年度においても営農資金として十億一千四百四万円、共同施設資金として四千二百二十五万円、営農促進対策資金として三億六千七百万円、合計十四億二千三百二十九万円を一般会計から繰入れまして、その貸付の財源に充てようとするものであります。なおこの繰入金については、将来貸付資金が償還されることが予想されますので、この繰入額に相当する金額に達しますから、予算の定めるところにより一般会計に繰入れる規定を設けようといたすものであります。 さて本案の審議に当りまして、各委員から、いわゆるインベントリー・フアイナンスとの関連、開拓者の入植の状況、開拓者に対する資金貸付計画、徴税措置等について熱心なる質疑が行われまして、これに対して政府からも懇切な説明がありましたが、その詳細については速記録によつて御了承をお願いいたしたいと存じます。 かくて質疑を終り、討論に入り、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。 右御報告申上げます。(拍手)
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。 —————・—————
○議長(佐藤尚武君) 日程第三、放送法第三十七條第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。電気通信委員長寺尾豊君。 〔寺尾豊君登壇、拍手〕
○寺尾豊君 只今議題となりました放送法第三十七條第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件について、電気通信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。 本議案の内容は、昭和二十六年度における日本放送協会の收支予算、事業計画及び資金計画の三つから成つておりまして、收支予算は予算総則と收支予算書から成つております。その大要を数字について申上げますれば、昭和二十六年度の予算総額は、收入支出おのおの六十三億七千四百四十七万円でありまして、收入は前年度に比較して十六億五千万円、支出は十七億七千八百万円をそれぞれ増加しております。收入は資本收入と事業收入に分れておりまして、資本收入は八億七千九百万円、事業收入は五十四億九千五百万円となつております。而してこの事業收入は、現在月額三十五円となつております受信料を五十円に引上げるものとして算定してあります。支出のうち資本支出は十一億九千二百七十万円でありまして、その主なるものは放送施設の建設費八億六千六百万円であります。又事業支出は五十億三千百七十七万円でありまして、前年度に比較して十四億八千万円の増加であります。この経費の増加の主なるものは、施設の増加及び番組改善について必要となつた増額、物価の値上り等によるものでありまして、職員の給與べースは前年度と同額の一万二千円の据置となつております。なお予測しがたい予算の不足に充当するための予備金として、一億五千万円を計上してあります。次に、事業計画はその主眼を番組の充実及び刷新、施設の拡充整備、事業の合理化、能率化に置いております。最後に、資金計画は、事業計画に基く年度中の資金の出入に関する四半期別の計画であります。これに対しまして、電波監理委員会は、本收支予算、事業計画、資金計画につきまして、妥当なものであると判定するとの意見を附しております。 以上は本議案の内容でありますが、電気通信委員会におきましては、去る二月二十三日予備審査として本案の付託を受けまして、以来四回に亘つて委員会を開催いたし、その間において参考として、日本放送協会会長及び同経営委員長より意見を聽取するなど、愼重審議を重ねたのであります。今、委員会における質疑の主なるものを申上げますと、先ず受信料は三十五円から五十円と四割二分も値上げされるが、物価及び生活費に及ぼす影響はどうかとの質問がありました。これに対しまして、現在の受信料金は昭和二十三年七月に定められたものであるが、その後の他の各種の料金に比較すると、値上げは必ずしも不当とは考えられない。又受信料の生計費中に占むる比率は現在〇・二二%であるが、今回の値上げは、平均生計費の〇・〇九%の増加に過ぎないとの答弁がありました。次に、昭和二十六年度の有料契約者増加見込数は、年度初頭の契約者数九百五万に対して四十五万として算定してあるが、その見積は少な過ぎはしないかとの質問に対しましては、この見込は従来の実績を基礎として算定したもので、大体妥当なものであると考えるとの答弁でありました。次に受信料値上げ等による收入増加額約十六億五千万円は、どのようなことに使用するかとの質問に対し、この増加額は、主として放送設備の整備拡充、放送番組の充実及び刷新並びに物価の値上りに伴う経費に充てるものであるとの答弁でありました。次に、受信料の徴收は現在三ヵ月ごとに行なつているが、値上げに伴い、支拂困難を感ずる向きも出て来るであろうから、集金回数を多くして、一回の集金額を百円程度にすべきでないかとの質問に対しまして、集金回数の増加は多大の経費増加となるから実現困難と思うが、十分検討したいとの答弁がありました。次に、受信機の改善は民間放送の開始を控えて極めて必要なことであり、又放送の発信面の充実にも増して重要なことであるが、これに対する研究費は少な過ぎるではないかとの質問に対しましては、本予算には二千五百万円程度を計上しているが、更に必要に応じては予備金支出も考えているとの答弁でありました。その他受信機に対する課税免除、国際放送の再開、高性能受信機の低廉購入施策等について、各委員より熱心な御質疑がありました。 かくいたしまして、三月十日質疑を終えまして、討論に入つたのでありますが、先ず日本社会党を代表して山田委員より、受信料の値上げは諸物価の高騰に鑑みやむを得ないものであること、協会は放送番組の充実改善に一層意を用いること、受信不能地域の解消に一段と努力すること、職員の給與ベースは最近の物価高に鑑み、適当に引上げかたを検討すること、国際放送の開始について研究と準備に遺憾なきを期すことを條件といたしまして本案に賛成、労働者農民党の水橋委員は、受信料値上げに伴う増收は、受信者の利益に還元する施策を実施することの意見を附して同じく賛成、緑風会の新谷委員は、協会は我が国における放送事業全般の中核体として、且つ公共的使命に鑑みて予算の実行に当るべきとの意見を附して同じく賛成、自由党を代表して鈴木委員は、協会に民間事業の長所を取入れ、世論を傾聽しつつ適正な判断の下に放送文化の研究と向上に努力すること、受信料引上げは、他の公共事業の料金に比較してやむを得ないと認めるとの意見を附して賛成、更に平林委員は、受信料の値上げは受信者の負担増加となることを念頭に置いて予算執行に当ること、受信料の徴收方法についても、よくそれぞれの立場を考慮して善処すること、中央集権の弊を改めて地方の特色を生かすよう努力することの意見を附して賛成の意を表せられたのであります。 かくいたしまして討論を終え、採決をいたしましたところ、全会一致を以ちまして、本議案はこれを承認すべきものと議決をいたした次第であります。 以上御報告を申上げます。(拍手)
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本件の採決をいたします。本件全部を問題に供します。本件は委員長報告の通り承認を與えることに賛成の諸君の起立を求めます。 〔起立者多数〕
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本件は承認を與えることに決しました。 次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後十一時二十三分散会 —————・————— ○本日の会議に付した事件 一、故衆議院議長幣原喜重郎君に対し弔詞贈呈の件 一、日程第一 彈劾裁判所裁判員辞任の件 一、彈劾裁判所裁判員の選挙 一、公務員の身分保障に関する緊急質問 一、日程第二 開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案 一、日程第三 放送法第三十七條第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件