P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
10回国会参議院1951/03/09

文部委員会 第17号

発言数
4
登壇者
3
会派数
2
開催日
1951/03/09

会議録

堀越儀郎緑風会

○委員長(堀越儀郎君) それでは本日の委員会を開会いたします。  国立大学管理法案及び公立大学管理法案並びに国立大学管理法及び公立大学管理法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案、この三案一括して提案理由を承わることにいたします。

水谷昇自由党文部政務次官

○政府委員(水谷昇君) 只今議題となりました国立大学管理法案及び公立大学管理法案並びに国立大学管理法及び公立大学管理法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の骨子について御説明申し上げます。  現在七十校を数える国立大学は、設置後すでに二カ年を経過し、鋭意その教員組織及び施設、設備等の整備充実に努め、新らしい大学としての使命を果しつつあることは御承知の通りであります。  大学における教育及び研究をして十分その目的を達成せしめるためには、大学の人的及び物的条件の整備充実と共に、大学の管理、運営の適正を図ることが極めて重要なことであります。  政府は、かかる観点から、国立大学の管理に関する法律を制定する必要を認め、相当久しきに亙り研究を試みて来たのであります。併し、事は大学教育の成否にかかわる重要性を持ち、又世論の関心を集め種々論議せられた経緯に鑑み、この法案起草のために、特に国立大学の学長、教授及び一般学識経験者等より成る起草協議会を設け、約一年余に亙つて審議を重ね、その間、幾度か案を改めて各方面の意見を聞き又は公聴会を開く等、できるだけ慎重に立案に当つて参りました。この長期間に亙る協議会の審議の成果に基いて、この法律案を作成し、ここに御審議を煩わすことにいたした次第であります。  国立大学管理法案は、この法律の目的として冒頭に掲げております通い、「国立大学の管理についてその自治を尊重するとともに民意を反映せしめて、国立大学の適正な管理を図ることを目的とする」ものであります。大学の自治は、従来も、わが国の大学が貴重な伝統として守つて来たところでありまして、これは、新制の大学においてもますます尊重しなければならない大学行政の基本原則であります。併しながら、一方、国立大学は、国民一般が負担した国費によつて維持経営せられている国家の最高の教育及び研究の機関として、国家、社会に対して大きな責任を負つていることを考えますと、大学の自治を強調するあまり、大学の管理、運営がいやしくも独善と偏頗に陷ることがないよう、大学行政へ公正な民意を反映させる方途を講ずる必要があるのであります、かかる見地に立つて、大学の自治の尊重と、大学行政への民意の反映という二つの目標を、我が国の実情に即して最も合目的的に調和せしめることがこの法律案の根本精神であります。  次に、国立大学管理法案の内容について、その骨子を御説明申上げます。  第一に、新たに、文部省に国立大学審議会を置くことにいたしました。国立大学審議会は、国立大学長の互選する者、日本学術会議がその会員のうちから推薦する者、学識経験者でその任命について両議院の同意を得た者等合計二十人の委員を以て組織するものでありまして、国立大学に関係のある法令の立案、国立大学のための予算の見積、その他この法律に規定する特定の重要事項で、国立大学一般に関することについて文部大臣は、その基本方針を決定する場合において、あらかじめその意見を聞かなければならないことといたしました。かくして国立大学に対する文部大臣の権限行使の方式を民主化し、この法案の所期する目的を達成しようとするものであります。  第二に、各国立大学ごとに新たに商議会を設けることといたしました。商議会は、当該大学の学長、当該大学の教授のうちから選定された者、一般学識経験者について文部大臣が任命する三十人以内の商議員で構成せられるのでありまして、学則その他重要な規程の制定改廃、学部学科の設置廃止等特定の重要事項について評議会がその大学の方針を決定するに当つては、学長はあらかじめ商議会の意見を聞かなければならないことにいたしました。かくして従来、学長、学部長文は教授その他大学関係者のみによつて行われてきた国立大学の管理運営に、大学関係者以外の学識経験者が参与する途を開き、大学行政への民意の反映を図ろうとするものであります。  第三に、評議会は、数個の学部を置く国立大学に置かれ、教授会は、各学部に置かれる管理機関でありまして、当該大学又は当該学部の重要事項は、それぞれ評議会又は教授会の審議決定を経なければならないのであります。  第四に、学長及び学部長等につきましても、任期、職務等に関する規定を設け、それぞれその大学又は学部運営の責任者たる地位を明らかにいたしました。  以上述べて参りました各管理機関の組織、権限等について規定するに当りましては、最少限度必要なことな法律で規定するにとどめ、各大学の特殊事情に応じてその大学の規程で必要な定めをなすことができることとし、できるだけ各大学の自主性を尊重する建前にいたしたのであります。  次に公立大学管理法案について申上げます。  公立大学管理法案も、全国の公立大学の代表者がしばしば協議して決定いたしました方針に基いて作成いたしたものでありまして、立法趣旨においては国立大学について述べたことと同様であります。従つて、この法律案の形式も、国立大学管理法案と軌を一にし、公立大学の評議会、教授会、学長及び学部長等につきましては、国立大学の場合と異なるところはございません。ただ公立大学は、地方公共団体の設置する大学である関係上、その管理運営についても国立大学の場合と趣を異にする点がありますので、それについて特別な規定を設けたのであります。  即ち公立大学の管理について、国立大学の商議会に相当する機能を持つ機関として、公立大学参議会を設けることといたしました。公立大学参議会は、各大学ごとに設けることはせず、大学を設置する地方公共団体ごとにこれを置くことができることとし、当該大学の学長、教授のうちから選定された者及び学識経験者よりなる二十人以内の委員を以て組織され、公立大学の管理について、自治を尊重し、民意の反映を図る機関といたしたのであります。公立大学参議会は、地方公共団体の特殊事情も考慮し、任意設置の機関といたしましたが、事情の許す限りこれを設置して、公立大学の適正な管理を図ることが望まれるのであります。  最後に国立大学管理法及び公立大学管理法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案は、教育公務員特例法及び文部省設置法に所要の改正を行うものであります。  以上が、国立大学管理法案及び公立大学管理法案並びに国立大学管理法及び公立大学管理法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案の提案理由並びに内容の骨子でございます。何とぞ充分御審議の上速かに御可決下さいますようお願い申上げます。

稻田清助文部省大学学術局長

○政府委員(稻田清助君) 簡単に補足いたしまして説明をお許し頂きたいと思つております。  この三法案提案の理由及び内容につきましては只今の説明に盡されておると考えられるのでありますが、第一点は只今の説明に申上げました起草に際しまして設けました、大学管理法起草協議会の性格及びその審議会の経過につきまして極く簡單に申上げたいと存じます。元来この国立大学或いは公立大学の管理の方法につきましては多年慣例を以て成り立つておつたのでありますが、今回新たに多くの大学が発足するに伴いまして何らか法律的の根拠を以て管理方式を定める必要があると考えまして、いろいろ案を練つて参つたのであります。昭和二十三年十月でありましたか一応、大学校試案要綱を発表いたしまして、教育刷新審議会国立大学学長会議等に相談いたしまして、この法案に対しまする論議が各方面から起つて参つたのであります。或いは大学の教職員の側と学生、或いは大学教育に関係のある種々の団体等からいろいろ意見等が述べられたのであります。文部省においてもこの法案の重要性に鑑みまして非常に慎重に立案に当らなければならないと考えましたところ、昭和二十四年三月日本学術会議から大学管理法立案のために、新たに民主的な機関を設けてこれに諮問す  ることを要望した建議がなされました機会に、いろいろ考究いたしまして同年九月に至り、大学管理法案起草協議  会を設置いたしまして立案いたしたのであります。この協議会は教育刷新審議会、日本学術会議、大学設置審議会、国立大学学長会議、大学基準協会、全国大学教授連合、日本私学団体総連合、日本教職員組合から推薦された者それぞれ一、二名、それに経済界、言論界、地方公共団体関係その他各界の学識経験者を加えまして、合計二十人の委員を以て構成されたのであります。で協議会発足以来法案につきまして非常に愼重な審議を願つて参りました。約三十回の会議を開きまして検討いたしました結果、昨年十二月中旬協議会としての最終案を決定いたしまして文部大臣に答申されたのであります。この間におきましても第一次草案について各方面の意見を集めまして、それを参考にいたしまして第二次草案を作り、今度は全国三カ所において公聴会を開催いたしまして、その間に開陳せられました意見を聞きそれらを参考として第三次案を作る等、非常に愼重に而も各方面の意見を法案に盛込むことに努めておられたのであります。以上が大体この経過であります。  次に内容といたしましては、只今提案の理由に申上げました内容が、法律案の中におきまして各章各条に如何に按配せられておりますかという点についてのみ簡單に申上げたいと思います。  第一章は申すまでもなく目的でございます。   それから第二章は文部大臣の諮問機関として設けられまする国立大学審議会であります。で第四条に挙げてありまするように、この審議会の構成といたしましては、国立大学の学長が互選した者六人、日本学術会議がその会員のうちから推薦した者四人、学識経験者について両議院の同意を得た者十人を以て構成いたします。その権限といたしましては、第八条に規定いたしておりまするように文部大臣が国立大学一般に関しまして、次に掲げるような事項について基本方針を決定いたしまする場合においては、あらかじめこの審議会の意見を聞かなければならないということになつておりまして、そこに掲げておりまする一号から五号までにあるように、国立大学に関係のある法令の立案に関する事項とか、国立大学のための予算の見積に関する事項その他重要事項が列記して出されております。  次に第三章といたしましては各国立大学ごとに設けられまする商議会でありまして、その趣旨とするところは一般の民意が大学の運営の上に反映いたしますように、新らしく設けられる管理機関であります。従いましてその構成といたしましては第十五条に掲げでおりまするように、大学の学長及び当該大学の教授のうちから当該大学の評議会が定める方法で選定した者とし、及び学識経験のある者のうちから当該大学の評議会が定める方法によつて選定した者、こういうかたがた二十人以内を以て構成するのでありまして、これにつきましては第十八条に掲げられておりまするように学長が次に掲げるような事項について決定する場合には、あらかじめ商議会に諮つてその意見を聞かなければならないとしております。  その事項といたしましては「学則その他主要な規程の制定改廃に関する事項」、「予算の見積に関する事項」、「学部、学科、大学院、研究所その他重要な施設の設置廃止に関する事項」が羅列してあるわけであります。  次に第四章は従来もございました学内の機関でありまして、大学の最高の協議機関として評議会を第二十二条に設けております。評議会の構成といたしましては、第二十三条に学長、各学部長、各学部から出ました教授二人、附置研究所の長となつておりまするが、それぞれの大学の自主性を尊重いたしまして、相当この構成につきましては同条の第二項及び第四項あたりに伸縮性を持たすような規定があるわけであります。当該大学の定めるところによつて或る重要な職を加え、或いは又或る職の数を制限するというようなことができるようになつたわけであります。この評議会の職能といたしましては第二十五条に掲げられておるわけでございまして、大学の重要事項が評議会の審議決定を経なければ実施できないという定めになつております。このような評議会にかける事項として、先ほど申上げました商議会できめました事項であるとか、その他職員及び学生の福祉及び厚生とか、或いは学生の懲戒等大学運営に関する種々の重要事項が種々列記されております。  第五章といたしましては、国立大学の各学部に置かれまする教授会の規定でありまして、教授会は第二十八条によりまして学部長及び学部の教授の全員をもつて組織するのでございます。更に教授会は、学部長及び教授をもつて構成する教授会の定めるところによつて、助教授或いは常勤の講師を加えることができるようにいたしております。第二十九条といたしまして教授会の権限が規定いたしてあります。学科、講座並びに教育及び研究に関する施設の設置廃止に関する事項、学科目の種類及び編成と、学生の入学及び卒業の認定その他の事項が列記いたしてあるわけであります。更に第六章で、学長の任期、第七章は学部長その他の管理機関の権限等が規定いたしてあります。公立大学管理法案と国立大学管理法案の相違点は、第一にこの中央に文部省に置かれまする審議会の構成及び職能が違つて参ります。いま一つは地方に置かれまする公立大学の参議会と、国立大学の商議会が似ておるようで非常に構成及び権限が違つておる。この二点が重要な相違でありまして、他は大体共通いたしておるわけであります。即ちこれは公立大学と文部大臣との関係、国立大学と文部大臣との関係の相違から参つておることでございまして、公立大学審議会の構成といたしましては、地方公共団体の長がその構成分子に入つておる点が特色でございます。又、公立大学審議会の権限といたしまして、第八条にありまする通り、公立大学に関係のある法令の立案に関する事項その他公立大学一般に関する重要事項について基本方針の決定をいたす場合には、あらかじめこの審議会の意見を聞かなければならないというふうになつておるわけであります。次に第三章の公立大学参議会が、国立大学の商議会と違う点でありまする  が、第十二条にありまするように、地方の条例で設置いたすのであります。  構成分子といたしましては学長、教授表及び地方の学識経験者、これはまあ同じでありますが、権限といたしまして、公立大学を置いておりまする地方公共団体の長は、地方公共団体が設置いたしまする大学に関する重要事項について、基本方針の決定をする場合に、あらかじめこの参議会の意見を聞かなければならない、つまり国立大学の商議会が学長の諮問機関であるのに対比いたしまして、こちらは地方公共体の長の諮問機関ということになつておるわけであります。   以上が大体この公立大学管理法と国立大学管理法の関係でございまして、もう一つの法律でありまする施行に伴う関係法律の整理は、先ほど提案理由の説明にもありましたように、教育公務員特例法或いは免許法等関連のあります点について、必要な修正を出しましたにとどまる性質のものであります。以上概略の御説明を申上げました。

堀越儀郎緑風会

○委員長(堀越儀郎君) 御発言がなければ本日はこれで散会いたしたいと思います。    午後二時十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     堀越 儀郎君    理事            加納 金助君            若木 勝藏君    委員            大谷 瑩潤君            左藤 義詮君            荒木正三郎君            梅原 眞隆君            高橋 道男君            大隈 信幸君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   政府委員    文部政務次官  水谷  昇君    文部省大学学術    局長      稻田 清助君   事務局側    常任委員会專門    員       石丸 敬次君    常任委員会專門    員       竹内 敏夫君

国会会議録検索システムで原文を見る ↗