農林委員会 第45号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1951/06/04
会議録
○委員長(羽生三七君) それではこれより委員会を開きます。 本日は衆議院の農林委員会で先日肥料価格に関する問題、特に燐礦石の補給金の問題について何か決定があつたようで、それと歩調を合せて参議院の農林委員会でも極力その推進方を頼むというようなお話が各方面からありましたので御協議を申上げるわけでありますが、その衆議院で決定した案文をちよつと朗読いたします。 衆議院農林委員会は政府に対し、農家経済に至大の影響のある肥料価格について屡次その適正化を要望して来たのであるが、最近殊に燐酸質肥料の価格が異常に騰貴し、農民に多大の不安を抱かしめる等、政府の施策は甚だしく適正を欠いている。よつて政府は、この際速急に肥料価格に関する見解を明かにし、併せて肥料価格の妥当化を図ると共に思惑的価格つり上げを抑制し、その円滑な需給を図るため左の措置を実施べきである。 一、燐酸質肥料の主原料たる燐礦石が外航運賃の値上等の影響により大巾の値上をみており、若し本年度において燐礦石補給金の支出を院農林委撤廃した場合は、肥料の消費者価格はさらに急げきに高騰し、ために農業経営を破壊し、食糧生産の減退をみること必至なるに鑑み、今後も引続き燐礦石補給金を支出するよう所要の措置を講ずること。 二、燐礎石補給金支出の本来の意義に鑑み、消費者価格が予想以上に騰貴しないよう最も有効な措置を講ずること。 三、燐礦石の輸入については、外貨資金の割当、船舶の確保等について格段の対策を講ずると共に、既契約分の早期輸入の実現を図り、且つ補給金支出額を節減するための廉価購入を図るよう措置すること。 右決議する。ということで、農林、通産、安本、大蔵各大臣宛要望書を提出したもののようであります。 以上でありますので、別段正式にそういう衆議院の農林委員会から要求があつたわけではありませんが、参議院の各議員有志の皆様からも格別の御要望がありましたので、この際できれば当委員会も衆議院の農林委員会と同様歩調を合せたいと思いますが、この点御相談申上げます。
○政府委員(柿手操六君) 昨年の八月に硫安、石炭窒素その他の肥料の統制が撤廃されたのでありますが、過燐酸石灰だけはその原料たる燐礦石が全部輸入でありますため、他の肥料と同様に統制を撤廃しますと非常に価格が暴騰いたします。去年の八月の当時でいいますと硫安、石灰窒素等の窒素肥料は統制を撤廃しましても、昭和三十四年の十二月の価格に比べてせいぜい六、七割アツプ以上にはならない。然るに過燐酸については燐礦の輸入原価から申しまして、補給金をなくして統制撤廃しますと二十四年十二月の価格の十割乃至十二割程度に上りますので、これはせいぜい窒素が上る六、七割アツプ程度までを目標に、燐礦石に対して一トン当り三千三百七十円の補給金を出すということで、昨年の八月燐礦に関しては例外的に補給金制度を存続したのであります。そういうふうにいたしまして一応統制が撤廃してマル公は廃止するけれども、政府の勧告として過燐酸の価格は昭和三十四年十二月の価格の七割以上にならないようにしてもらいたい、燐礦に対してはトン当り三千三百七十円の補給金を出すということで八月以来参つたのでありますが、今年の一月以後から更に燐礦の運賃が約十ドルぐらい上つて来たわけです。でありますからトン当り約三千六百円に更に上げるというような状況でありまして、この去年の八月当時の予定では、この春肥だけはそういうふうな補給金を出すけれども秋肥からそういう補給金をやめるという想定で以て、二十六年度予算には燐礦の補給金が見てなかつたわけであります。然るに一月以降外航運賃が十ドルも上りまして非常な燐礦石の集荷価格が上つた第四十五号ということで、ここで一挙に補給金を撤廃しますと、過燐酸の価格は二十四年十二月の価格に比べて二十割以上、場合によつては二十四、五割程度の価格に上るような情勢でありまするので、一応は二十六年度予算を編成します当時は考えてなかつたものをこの際考える必要があるのじやないかという議があるわけであります。そこで政府部内といたしましては安本を中心といたしまして、農林、通産、大蔵等の事務当局がよりより協議をいたしましてその経過を申上げますと、これはやはり補給金は付けなければいかんだろう、余りに上り過ぎるからという方針に大体事務当局は一致しております。併し補給金を付ける以上は去年の八月以来やつて来ましたようないわゆる勧告価格、指示価格というようなものではなまぬるいのではないか、特にこれは司令部方面が強いのでありますが、補給金を付ける以上はマル公の物価を前提とする、それを條件にして補給金を考えるというような空気が強いのであります。我々事務当局は補給金は何割アツプをベースにするかはまだきまつておりませんが、とにかく補給金を付ける必要があるだろう、補給金を付ける以上はマル公の物価を條件とするということであればそれもやむを得んだろうという空気で、大体そういう結論になつておりますが、事務当局としての結論は一応そういうふうにいたしまして各それぞれ大臣の指示を待つておるのでありますが、いろいろ農産物の物価の問題なり或いは一般の価格政策の問題なり諸般の問題に関連がありまして、まだ政府全体としてはこれについての決定をいたしておらないというのが現状であります。
○池田宇右衞門君 今政府で補給金を出す、これはやむを得んだろうというのだが、補給金は従前と同じトン当りですか、或いは実際に対する二十四、五割程度の価上をやはり含んでそうして補給金を出すお考えか。その補給金は大臣が折衝中でわからないと言えばわからないのだけれども、大よそ事務当局としてそこに一つの案を作つて、大臣をして大蔵当局に折衝さしておられるだろうと思いますが、この程度はどんなものでしようか。
○政府委員(柿手操六君) 補給金を出す場合に二十四年の十二月価格の何割アツプをベースにするか、現在は七割アツプであります、出す場合において今後何割アツプにするかということにつきましてはまだいろいろ案あるのでありますけれども、事務当局といたしましてもまだ確定的な案を作つておらないわけであります。いろいろな案を作りまして、これは補正予算の財源との関係もあろうと思います。いろいろな案を作りまして研究をいたしております。
○池田宇右衞門君 只今成案がない、併し成案がなくてただ補給金というようなことで、燐礦石は勿論政府の補給金にかねて司令部の斡旋によつて入つておるのでありますけれども、そうした場合にこの燐礦石に対する一般の関係会社が承服するかどうか、関係会社が大変赤字になつて来るということに相成りますならば、製造過程において能率が低下するというようなことになる心配があるのでございますが、こういう点はどうか。それから生産者はこの補給金の程度でこれを睨み合せてマル公の決定に承服するというような見通しがお付きであるかどうかという点について、ちよつとお尋ねしたいと思います。
○政府委員(柿手操六君) 過燐酸製造業者の側ではいろいろ議論があるようでありますが最近の結論としては、補給金は付けてもらいたい、但し補給金は付けて従つてマル公を付けられることは止むを得ないと思うのですがただ適正なマル公にしてもらいたい。従来と申しますか、製品についていろいろな重要物資にマル公をきめられたのでありますが、その当時は何といつてもインフレを収束するという大きな目的のために、各重要物資とも非常に蓄積なんということを考える余裕はない、とにかく物価を抑えてインフレを抑えなければならんということから相当シビヤーなマル公がきめられたのでありますが、こういうような現状になつて参りますと大部分のものは皆自由であります。燐礦石の特殊事情からマル公がきめられるのであるけれども、その場合においては従来のような考え方からでなしに、或る程度ゆとりのあるマル公をきめてもらいたい、そういうことであればマル公を付けて補給金をもらうということには大体賛成であるというようなことでございます。
○池田宇右衞門君 今部長のお話を承りますと、製造業者といたしましては適正なマル公を付けてもらいたい、その適正なマル公をお付けになるときには通産省は農民に対しまして直接の関係を持たないというような関係から、ややともすると農民に相反するようないわゆる適正価格をそこに案出されるというようなことになりますならば、実際使用するところの農民の受ける損害は甚大なものである。そこで農家の今日の農産物価の価格をよく睨み合せて、業者もこれを消費するところの農民も安心のできる、納得のできる価格を一つ決定してもらわなければならない。こう考えるのでありまして、これがマル公の価格制定に当りましては十分にこの方面の声も容れて御決定をして頂きたい。こういう用意ありやどうか、こういうことについていま一つお伺いいたします。
○政府委員(柿手操六君) 誠に御尤もな御意見でありまして、私どもといたしましても生産の仕事を担当いたしておりますけれども、無論消費者あつての製造業者であります。それらの点につきましては十分公正なる価格をきめなければならんと思つております。そうしてきめますのは物価庁がその責任と権限を持つておりまして、生産する通産省、これを消費します農林省、補給金の関係の予算関係では大蔵省というものが、十分そのお説のような点につきまして協議をいたしまして適正に決定いたしたいと思つております。
○委員長(羽生三七君) ちよつとあとからおいでになつた方に申上げますが、実は肥料価格、なかんずく燐酸質肥料の価格の異状騰貴の問題について議員の皆様から御要望があり、先日衆議院の農林委員会では委員会の決定を以て補給金の継続等について、その他諸般の肥料政策について委員会としての御決定があつたようでありまするので、只今政府側から出て頂いて事情を承わつたわけでありますが、先ほどお聞き下さつたように、このままの状態で行きますならば燐酸質肥料の価格は一昨年十二月に比べて二十割乃至二十四割の騰貴ということになるわけで、補給金の継続が極めて重要な問題になるわけでありますが、それについて総司令部側では、若し補給金を継続するならばマル公で行くべきであるという考え方を持つておられるようでありますけれども、このマル公がいいか、従来の自由価格制でいいのかという基本的な問題は別にしまして、取りあえずこの燐礦石に対する補給金の継続要望というものを、衆議院の農林委員会と歩調を合せて当委員会でも関係筋に要望したいと思うのでありますが、如何でございましようか。 〔「大賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○片柳眞吉君 私は国会で休会前のたしかこの委員会だつたと思いますが、その際に安本長官も大蔵大臣もそうだと思いますけれども、ある程度補給金を考慮するような口吻の答弁があつたわけでありますが、ところがこの間の米価問題に関連しまして、私なり池田さん等から質問した場合には大蔵大臣の答弁がややぼけて来ておつたのであります。そんな意味からこのラインで強力に関係筋に……、これについては全面的に賛成であります、特にこの米価の問題から見て参りましても、ややもすると昨今の情勢から生産者米価が抑えられるというような傾向が強くなつて来ている。そういう点から見て参りましても、それからこの間申上げたように再びパリテイが非常な上昇を避ける点からも、この際補給金は少くとも私は必要であるというふうに考えますので、これは強力に一つ委員長から関係方面へ御伝達をお願いしたいと思います。
○岡村文四郎君 本当の責任者がおいでになつておらんので残念でありますが、併しながら実情については、そこにおいでになつております柿手さんなんかは二十年余一日のごとく日本の肥料のために骨を折られており、農林省の課長もその通りでよく御存じでありますが、マル公を外しておくと現在の状態のようになることは火を見るよりも明らかだと思います。初めから。そこで今頃我々が言うのはちよつとおかしいのですが、仕方ないから何らかの方法によつて、單なる決議では私はいかんと思いますがこの際は決議で結構で、あとから十分な交渉をいたしませんと、米の価格が御承知のようにパリテイ指数を基準にして論じておつたものが、肥料が上りその他のものが上つて来ると、指数が非常に上り過ぎてこれではどうもならん、こういうので抑えかけておるようなわけでもある。大蔵大臣が国際市場価格にさや寄せすると言つておられたのがここへ来ると又しりごみをする。こういうわけですから、結局とどのつまりは農家が泣きつらをする以外に途がなくなると思いますから、この際一つ御臨席の柿手さんも農林省の課長も一つ百姓の味方になつて、日本の食糧増産のためにうんと努力してもらおうということと、こうなるということはあなた方も大体御承知であつたと私は思います。そこで上のほうで補給金も出さんしいろいろ言われますと方法がつかんと思いますから、私はマル公も統制も当然やるべきだ、そうしなければ今の実情では絶対にうまく行かん。成るほど補給金を出すと言えばマル公なり統制なりしなければいかんということは当然のことと思いますが、止むを得んから統制もマル公も決して不服じやない。ただ一時やつてみたがそのときに行かなくて元に戻すということははずす時分から筋書があつたわけで、これから高くなれば再統制をするというこういう條項もあつたと思いますから、この際は断じてそれをやつてもらわにやいかんと思います。それが私の考えが間違つておるかどうか、柿手さん一つ聞きます。
○政府委員(柿手操六君) この問題に関する今までのいきさつは、先ほどまだ岡村さんがお見えにならなかつたと思いますが、御説明申上げた通りであります。事務的には関係各省意見が一致いたしております。岡村委員のお考えと大体同様なことになつております。政府全体といたしましては、先ほど申上げましたように、まだいろいろなものが関連いたしておると思いますが、まだその決定に至つておらないという実情でございまして、私これ以上お答えいたしかねるので御了承願います。
○委員長(羽生三七君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(羽生三七君) 速記を始めて下さい。 他に御発言ございませんか。御発言がなければこういう形で申入れをすることで如何かと思いますのでお諮りいたします。 この件について、この件というのは只今の肥料問題、衆議院では肥料価格に関する件と言うのでありますが、この件につきまして六月二日の衆議院農林委員会における決議は、当委員会としても全く同感であるから、速かに右決議に対応して適当な措置を講ぜられたく当委員会の総意を以て右申入れする。参議院農林委員会、関係申入れ先は農林大臣、通産大臣、安本長官、大蔵大臣、以上でありますが、これでよろしうございましようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生三七君) ではさよう御決定願います。 なお御承知のように畜犬競技法案も残つておりますが、本日は御承知のように本会議に重要法案がたくさん採決になりますし、提案者もお見えになつておらんようですから本日はこれで散会いたしたいと思います。 午後二時十九分散会 出席者は左の通り。 委員長 羽生 三七君 理事 西山 龜七君 片柳 眞吉君 岡村文四郎君 委員 池田宇右衞門君 白波瀬米吉君 瀧井治三郎君 平沼彌太郎君 宮本 邦彦君 江田 三郎君 門田 定藏君 飯島連次郎君 加賀 操君 溝口 三郎君 三浦 辰雄君 政府委員 通商産業省通商 化学局化学肥料 部長 柿手 操六君 事務局側 常任委員会專門 員 安樂城敏男君 常任委員会專門 員 中田 吉雄君