農林委員会 第9号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/02/21
会議録
○委員長(羽生三七君) それではこれから委員会を開きます。 昨日の協議に基きまして、食糧統制に関する小委員会から、食糧管理に関する申入の草案が提出されましたので、これに基いて御協議を進めたいと思います。最初に片柳小委員長から御報告をお願いいたしたいと思います。
○片柳眞吉君 昨日の小委員会で委員長に、皆さんの御意見を総合して文案を整理する権限を委任せられましたので、お手許に配りました案を作成したわけであります。一応これを朗読して頂きまして簡単に御説明いたします。
○専門員(安楽城敏男君) それでは朗読いたします。 昭和二十六年二月二十一日 参議院農林委員会 吉田内閣総理大臣殿 岡崎内閣官房長官殿 周東経済安定本部長宮殿 広川農林大臣殿 池田大蔵大臣殿 食糧管理に関する申入(案) 政府はかねての方針を固持して食糧の管理を大幅に緩和することとなし、その一環として本年産麦類について供出制度を廃止せんとしている。 官僚統制の弊にこりた国民は食糧の管理についてもその緩和改善を望むや切なるものがあり、事情が許すならば統制を緩和乃至撤廃することが望ましい。 併し事食糧に関しては民生安定の基盤をなすものであるから、その対策は寸毫も忽がせにすることを許されず、食糧管理政策の転換については、生産者及び消費者双方の事情を勘案し、慎重の上にも慎重を期さなければならない。 政府の食糧管理緩和政策は、望鮮事変勃発前外国食糧の望外な輸入に端を発したものである。然るに朝鮮事変の勃発とその後の推移とによつて当時と現在とでは事情は一変し、現に、三百二本数万トンの輸入計画に対し、輸入を見込み得るものが二百八十数万トン、而もこのうち昨年七月乃至十二月の六カ月間に輸入せられたものは僅かに九十万トン余であつて、残り百九十万トン余が本年一月乃至六月の六カ月間の輸入に期待せられ、毎月三十数万トンという未だ曾つて見たことのない大量の輸入の実現に対しては非常な困難が予想され、なお、本年六月までの食糧の需給については一応の計画は立つているが、その後については未だ確かな見通しを得がたい状態である。かような情勢にあるにもかかわらず、政府は麦類の統制を撤廃せんとする方針を変更せず、ただ情勢の変化に備えるため、必要のある場合には従来通りの供出制を採用せんとするという態度をとらんとしており、首尾一貫せざる憾がある。而も麦の買入価格に対しては、対米比価をむしろ引下げんとしており、現下の諸情勢に適合せざるのみならず、食糧増産の方向とも逆行している。 政府は食糧問題の重要性に鑑み、よろしく冷静に内外の諸事態を見極め、いやしくも従来の行がかりにとらわれる等のことなく、食糧管理方式の転換に慎重を期し、特に次の事項について善処せられたい。 一、食糧需給の見通し、特に本年一月乃至六月の輸入計画の達成及び七月以降の輸入計画の策定及び実施につき、内外の諸情勢に即応し、改めて慎重な考慮を払い、今後の見通しについて希望的楽観に堕することを厳に戒め、周密な再検討を遂げ、食糧管理方式の転換に遺憾なきを期すること。 二、右により総合勘定の上、食糧確保の確実な見通しの下に、今後麦類の統制を廃止せんとする場合は、首尾一貫した政策を確立することとなし、自由販売を建前としながら、何ら具体的計画性のない強制供出制を併用するがごときことについては再検討すること。 三、麦類の統制を撤廃する場合、麦類が主食以外に転用せられ、主食の不足を来たすような危険を招来し、又価格の騰落を惹起するがごとき事態を発生せしめないよう飼料の確保等万全の策を立てるごと。 四、麦の対米比価を、最近の食糧事情において麦類の主食として果すべき役割の重要性に鑑み、且つ又物価の現勢、特に肥料事情等を勘案して、これを適当に引上げると共に、この引上げの負担を消費者に転嫁せしめないよう処理し、これに関連し、この際肥料及び飼料等の価格の調整についても適当な措置を講ずること。右申入れする。以上であります。
○片柳眞吉君 簡単に御説明いたします。前文のほうは大体従来の案と趣旨一変つておりません。ただ文章を多少簡潔にいたしたことが第一点と、それから前の案にありました麦のクーポン制に対する点と、それから食糧配給公団の関係だけは、この案では落しております。考え方は昨日までの政府当局とのいろいろの質疑応答で、我々と言いま下るか、少くとも私どもは依然としてこ一月から六月までの輸入計画更には七月以降の輸入につきまして非常な憂慮をいたしておりまするけれども、併し政府当局はやはりこの点については非常な強気な実は御説明をしておりまして、これは或る意味では水かけ論になると思うのであります。そこで第一点といたしましては、ともかくいろいろ御説明はありましたけれども、もう一遍慎重に再検討して欲しい。その上で食糧管理方式の転換の策を一つ極めて周密慎重に立てて頂きたいという点が眼点でありまして、それを第一に謳つたのであります。併し再検討の上、飽くまで従来通りの輸入計画等につきまして確信がある場合におきましては、おのずから議論は又別になつて来るわけでありまするから、さような意味で再検討した上で、やはり食糧確保の確実な見通しができろという場合には、その方向で行くということは理論上成立するわけでありまするから、併しその場合にも昨日までの御説明にありましたような、自由にするれども、必要がある場合には、これはやはり大体従来通りの強制供出制をとるということは、これは理論的に矛盾ありはせんだろうか。而も昨日の農林大臣の御答弁によりますれば、少くとも本年度はこの供出制は採用せぬという御答弁がありましたわけでありまして、非常に先の問題のようにも伺えるのでありまして、そこで食糧確保に自信がある前提に立ちまして、統制を外す場合といたしましては、要するに首尾一貫した態度をとつて頂きたいという意味で、もう一遍この強制供出制を最後に付ける考え方につきましても、再検討して頂きたいということを第二に謳つたのであります。第三もやはり食糧確保に非常な確信がありまして、統制を外す場合におきましては、昨日までのいろいろの委員各位の御意元のように、現下の飼料事情等から見て参りまして、相当その方面に麦が流れる危険もあるのでありまするし、又消費者の面からしますれば、差当りは相当高い麦を買わざるを得ないというような心配が非常にされるわけであります。その意味でかような主食以外にどんどん麦が充当される、或いは価格が非常に乱調子に騰落することのないように、飼料の確保或いは価格調整等の対策につきまして、万全の策を立てて頂きたいというのが第三の申入事項であります。最後に、同じく議論になりました麦の対米比価を、昨日までの皆さんがたのいろいろな御意見によりまして、これを適当に一つ引上げ、是正をして頂きたい。更にこれに関連いたしまして、肥料、特にこれは燐酸肥料が主でありまするが、肥料及び飼料等の価格の調整についても、適当な措置をとつて頂きたいという点で整備をいたしたわけであります。要するに考え方は、我々は今後の食糧需給につきましては、非常な心配をしておりまするので、これにつきまして、もう一遍再検討をして頂きたい。その上で一つ食糧管理方式の転換策を考えて頂きたい。併しそれでもなお飽くまで自信がある場合におきましては、爾後の措置は二、三に書いてあるような、理論的にも実際的にも矛盾がない、心配がない一つの措置を講じて頂きたいというふうに、実は振分けて書いたのであります。 以上簡単に説明を終ります。
○委員長(羽生三七君) 只今の片柳さんの御説明に対して御意見がございましたら、御開陳をお願いいたします。格別御意見もないようでございますが、この食糧統制に関する小委員会は、昨年来しばしば継続されて、一応只今の小委員長の報告によつて、少くとも食糧の管理方式のうち、なかんずく麦を中心とする問題については、一応の結論が出たわけでありますので、而もこの問題に関しては、小委員会並びに当農林委員会では再三の研究討議を重ねて来た結果でありますので、皆さんに格別の御意見がなければ、この草案を御決定願いまして、政府に申入れるよう取計らつてよろしいかどうか、お諮りいたします。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生三七君) では御異議がないようでありますので、この草案を確定案と決定しまして、当委員会からそれぞれ主管大臣に申入れることにいたします。 それでは今日はこれで散会いたします。 午後二時二十九分散会 出席者は左の通り。 委員長 羽生 三七君 理事 西山 龜七君 片柳 眞吉君 岩男 仁藏君 委員 白波瀬米吉君 瀧井治三郎君 平沼彌太郎君 宮本 邦彦君 江田 三郎君 小林 孝平君 三橋八次郎君 溝口 三郎君 三浦 辰雄君 政府委員 農林政務次官 島村 軍次君 事務局側 常任委員会専門 員 安楽城敏男君