内閣委員会 第28号
- 発言数
- 26 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/05/24
会議録
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。昨日に引続きまして水産省設置法案並びに水産省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、この二案を議題といたします。
○梅津錦一君 水産省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案に関係があると思うのですが、今まで水産関係の金融機関は農林中金を使つておつたと思うのです。将来水産省が独立するような場合になれば、農林中金から従つて金融機関の枠が外れるということになるから、独立の金融機関の行政措置をとらなければならん、こう思うわけですが、それで発議者は何かお考えがあるかどうか。その点をお伺いしたいと思うのです。
○委員外議員(木下辰雄君) 現在通り水産業協同組合或いはその連合会が中金の構成分子になつておりますので、水産省が独立いたしましても農林中金を母体として金融をすることに変りはありません。
○梅津錦一君 農林中金の問題とからんで、中小企業の特に融資の対象になつておる、俗にいう中金ですか……、協同組合に融資する中金ですか、こういうような、発議者のほうで特に水産業者だけの中金というようなものを考えておられるか、その点をちよつとお聞きいたしたいのですが……。
○委員外議員(木下辰雄君) 水産業だけの金融機関を作りたいという要望は相当ありますけれども、現在の水産だけではなかなかその金融機関はできないというような状態でありますし、丁度昨年末から廣川農林大臣の主唱によつて水産銀行を作る案もありましたが、これも立ち消えになりまして、やはり現在通り農林中央金庫に水産金融は依存するはかなかろう。又農林漁業資金融通法が先の国会で通過いたしまして、特別会計としてもやはり農林中央金庫に業務を委託して、そうして農林同様水産金融をやることになりましたので、現在のところは他に金融機関を作つてやるという構想は今のところありません。
○梅津錦一君 この際お聞きしたいのは、沿岸漁民の、小さな網元ということになりましようか、沿岸業者の金融状態、経済状態をお聞かせ願いたいと思います。
○委員外議員(木下辰雄君) 漁村金融は今のところ非常に枯渇しておりまして、各地における零細漁民の金融は非常に困つております。併し漁業手形制度ができまして以来、これに依存して相当活溌に金融をしておりまするが、これとてもまだまだ零細漁民の期待に副うほどの金融はできておりません。併し漁業法の改正によりまして、漁業権の全部が、政府が一旦買上げまして、近く漁業権証券が発行され、それによつて約組合の取得するものが百三十億余りでありまして、それが今度の漁業制度改革に対する大きな金融を担当することになります。又それに伴つて今の農林中金の特別会計によります現在は六十億の見返資金が出ておりますが、更に近く六十億又追加されまして、百二十億の見返資金が出るということが大蔵農林の両省で大体折衝がまとまつたようであります。それで新たに六十億殖えますれば、その中の一部は漁業金融のほうに資金として廻る予定であります。今後は多少漁業金融も円滑に行きはせんかとかように存じております。
○梅津錦一君 やはり特に私は水産業者の一番困つておるのは漁網だと思うのですが、これは商売道具だと思うのですが、この漁網が津浪や何かで流されて、一夜にして大損害を受ける。それに対する補償制度というようなものが現在考えられているか、或いは、そうした場合に特別な措置が国として考えられているか、その状態、並びに発議者としては、そういう一夜にして漁具資材が流された場合に対して措置をお考えになつているかどうか、その点を伺いたいと思います。
○委員外議員(木下辰雄君) 漁業の漁具ですが、今非常に資材も高くなりまして、これを一旦流された場合における漁民の困却は非常なものでありますので、数年来水産委員会及び水産庁におきまして、漁具災害補償制度というものを立てたいというので、今調査中でありますが、調査完了次第漁具災害補償制度を作りたいと思つて、今折角調査しております。
○梅津錦一君 漁船或いは漁網、そういうようなものを中心にして保険に、海上保険と言いますか、何保険と言いますか、とにかくそういう保険に入つておる保険率がおわかりでしたら、大体のところでいいのですが……。
○委員外議員(木下辰雄君) 漁船に対しては、昭和十二年でしたが、漁船保険法というものが制定されまして、今日は約三万隻の漁船が保険に入つております。それは漁船保険法による保険に入つております。本年の目標は四万隻にいたしまして、今保険を大いに勧誘しております。一般の保険会社に加入しておる漁船もありますが、これは主として大型船でありますが、これは今のところ何隻入つておるかわかりませんが、いずれ調査いたしまして、お答えいたします。
○梅津錦一君 小型の、機帆船というのですか、手で漕ぐようなのですね。ああいうような木造船の小型のは保険に入つておりますか。
○委員外議員(木下辰雄君) 手漕船は小型も入つておりますけれども、実は漁業界の要望といたしましては、農業みたいな共済制度にいたしまして二十トン未満では保険に強制加入をする。二十トン以上の船は任意加入という方式を立てて、丁度農業の共済補償制度みたいなものを立案いたしまして、実は法制化して今回会に提出する運びになつておりましたけれども、いろいろな関係でまだ司令部のほうの了解を得るに至らず、今回会に出せませんでしたが、近く是非実現いたしたい、かように考えております。現在の小さい船は入つておりますけれども、非常に小さい船はまだまだ入つていないのです。今申しました三万隻という船は中、大型の船が大部分であります。
○梅津錦一君 今まで農林大臣が水産庁として特に力こぶを入れておるというような点ですね、あればお聞かせ願いたいと思うのですが……。何故こういうことを申上げるかと言えば、米麦に対する事業税が撤廃になり、又養蚕に対する事業税が撤廃になつておる、こういうふうに、農林大臣はこの点に対しては、関係方面との永い折衝によつて、現在農民はこうした事業税を免れているわけですが、農林大臣がそういう立場から、特に水産関係の税問題に対して力こぶを入れたということがあれればお聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(山本豐君) 農林大臣としましては所管の仕事が非常に多いのでありまして、特に終戦直後等におきましては食糧問題というようなことで、非常に手が抜けんような事情がありまして、水上産等につきましてはつい下積みになる、あと廻しになるというようなことがあつたのでありますが、今度の大臣におかれましては御承知のように、新聞にもちよつと出たと思うのでありますが、例の五ポイント計画というふうな、ああいうような問題につきまして特に重点を置かれまして国際的情勢の現在の事情におきましてはむずかしい問題でありますが、以西の漁区の資源問題であるとか、或いは沿岸の資源の保護の問題であるとか、こういうことは非常に関心を持つておられるわけであります。我々といたしましては大臣の線に沿いまして、極力これを実現したい、現在途中にあるわけでありますが、問題はやはり相当莫大な予算を伴うものであります。今期国会にもそういう問題を予算の解決次第、非常に熱意を持つているのでありますが、補正予算が出ないというふうな事情で、次の臨事国会まで見合わさざるを得ないというような事情であるのでありますが、そういうような意味におきまして、大臣のほうでもいろいろ関心を持つておられる、こう思つております。
○委員外議員(木下辰雄君) 税の問題についても御質問がありましたが、現在水産方面の税は、所得税はこれは水産の特殊性を認められまして、五年平均でせいぜい儲かつた場合には税を課するというようなことができるようになつたのであります。今までは第一年目に百万円損をし、第二年目に百万円損をして、三年目に二百万円儲かりましても、それに対して相当、百五、六十万円の税を取られておりましたが、今回は收支が根拠となりますから、そういうような税を払わんでもいい、こういうことになつたのであります。それからもう一つの附加価値税、現在の事業税ですが、主として自家労力で以て営業を営む漁船に対してはかけないということになりましたので、以西なり沿岸漁業に対してはかけない。それから前は船の税は、附加税と船舶税の二つあるわけであります。附加税は非常に安かつたのでありますが、現在は全部固定資産税となりまして、これは地方税ですけれども、市町村長が選定する五名の評価員によつて評価したのを基準として課税する、こういうふうになつております。これは船舶税舟税と言つたときよりも大分高率になるようですけれども、評価員さへ公平にやりますればそう多大な税でないと思います。それからそのほかに漁業権税というものがありますが、これは私どもは非常に不当と思つております。今度新たに免許が下りまして、免許料、許可料というものを納めて行く、これは先に申しました漁業権証券に対して補填する金ですが、百七十億を漁業権証券で発行すると、百七十億に利子をつけたものを、再び政府から漁民に返してやるという方式でありますが、その上に漁業権証券に対しては漁業権税がかかつて来る。これは将来は何とかして我々は漁業権税は撤廃いたしたいと思つておりますけれども、撤廃しないとしたら、もつと安くやつてもらいたいという漁民の非常な要望に従つて私どもいろいろ考えております。さよう御承知願います。
○郡祐一君 議事進行について。提案者のほうから非常に御熱心な又周到な御説明もあり、御答弁も伺つておるのでありますが、何分にも水産省の設置というのは、実質から考えましても、行政機構の上から考えましても、非常に大きな問題であり、只今警察法の一部改正について公聽会等をいたしておりますけれども、あの警察法の一部改正案に比べれば、遥かに重要な実質を持つておるものだと思います。従いまして委員長にお願いし、又委員各位にも御同意を得て、公聽会等の手続を至急私はとるようにお願いしたいのです。それからこの問題はひとり主管大臣である農林大臣のみならず、行政機構の問題といたしまして、内閣官房長官、それからこの法律に伴いまして予算上等の措置を如何にいたしたらよろしいかということについて大蔵大臣、それから今後の資金の面、貿易の面、それらの関連等から経済安定本部長官、まだ他にも委員長においてお選びを頂いて結構なんでありまするが、政府の責任者を、これは今まで本委員会でも経験があるのでありまするが、さして重大でない問題であつた場合ですら、主管大臣の出席を得ませんでしたがために、あとで政府側の意向として受取つたところが食い違いがあつて少し困つた例もあるのであります。このたびの問題では、少くとも農林、大蔵、経済安定本部、それぞれの大臣及び官房長官の出席を求めて、その意見を十分聽取いたしたいと思います。殊に一般の意向を十分に聞きまして、正しい判断ができまするよう、各学識経験者、関係者、又一般を代表いたしました各方面から適当な人間を選んで、公聽会をお開き下さるよう、議事進行に関してお願いをする次第であります。
○委員長(河井彌八君) 郡君の御発議は二点あると思います。即ち一つは、公聽会を開くこと、或いは場合によつては公聽会でなくてもそれに代るような適当な方法をとつてもいいかと思うのですが、それが一つ。それからもう一つは、政府の当局の出席を求めて十分審議する、この二点だと思います。第二の点につきましては、別に議事進行として申出がなくとも、これはどうしても実行すべき問題だと思います。それから第一点につきまして、これも必要かと考えます。併し今日はや、はり委員会の決議が必要なんです。その決議をする点から申しますと、定足数が遺憾ながら足りない。これは委員諸君が午後にでもお揃いになりましたら、決議をとろうと考えます。それだけお答えいたして置きます。実は本日も農林大臣の出席を求めておりましたことは御承知の通りであります。大臣は総司令部に行つたという報告でありますが、従つてお見えがありません。午後にでも、今お話のような手続は、農林大臣ばかりでなしにとろうと考えております。そのことを申して置きます。
○梅津錦一君 農林大臣或いは安本、大蔵にも関係があると思うのですが、いつでもこのようにこちらから出席を求めて、来られないなら、我々はいつまでおそれを待つ必要はないと思う。議員立法である以上、誠意を以てこちらから、行政上の立場から閣僚の出席を求めて、誠意を持たないで来ないというなら、我々はもう相手にする必要はない、こう思うわけです。当然であると思う。行政上の立場から当然来るべきものを、何回言つても来られないというなら、これは止むを得ない。我々の意思で決定するようにここに考えるほかないと思う。そういうふうに私は……。
○委員長(河井彌八君) 梅津君の御発言は、来ないなら来ないで、どしどし進めてしまうと、こういう御意見ですか。
○梅津錦一君 いつまで待つても来られないなら、止むを得ないと思う。
○委員長(河井彌八君) わかりました。できるだけ要求しますし、出て来るのは当り前です。又併し委員諸君も成るたけ出られるようにしで欲しいと委員長は特に希望して置きます。
○梅津錦一君 特に出られない人に一つお願いしたいのですが……。(笑声)
○委員長(河井彌八君) 本日は一時半まで休憩いたします。 午後零時六分休憩 —————・————— 午後三時開会
○委員長(河井彌八君) それでは、これより内閣委員会を再開いたします。先ほど郡委員から水産省設置法案に関して、公聽会を開くという動議がございましたが、そういう点について懇談をして頂きたいと存じます。これより懇談に入ります。 午後三時二分懇談会に移る —————・————— 午後四時二分懇談会を終る
○委員長(河井彌八君) 懇談会を終ります。本日は、大蔵、農林の各大臣、経済安定本部長官それから官房長官の出席を要求しておつたのでありますが、農林、労働それから経済安定の各委員会のほうに御出席になつて、こちらのほうにはお見えにならなかつたのであります。明日議事散会後に本委員会を開きまして、以上の各大臣と官房長官の出席をお願いして審議を進めたいと存じます。本日はこれにて散会いたします。 午後四時三分散会 出席者は左の通り。 委員長 河井 彌八君 理事 楠瀬 常猪君 梅津 錦一君 委員 郡 祐一君 松平 勇雄君 溝淵 春次君 上條 愛一君 楠見 義男君 栗栖 赳夫君 林屋亀次郎君 委員外議員 木下 辰雄君 政府委員 行政管理庁管理 部長 中川 融君 水産庁次長 山本 豐君 事務局側 常任委員会専門 員 杉田正三郎君 常任委員会専門 員 藤田 友作君