内閣委員会 第14号
- 発言数
- 28 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/03/22
会議録
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。 本日は都合によりまして、この際水産省設置法案、水産省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案、この一案を議題といたします。これにつきましては先回発議者から提案の理由の説明を伺つただけになつております。つきましてはこの際、政府からも出席しておられますから、御質疑がありましたならはこの際お願いいたします。
○竹下豐次君 水産の問題、特に講和條約を前に控えております今日の我が国の水産の問題につきましては、極めて重大なる性格を持つておるということは、私などもよくわかるのでありまするが、この問題につきまして農林当局、及び行政機構全体の問題について統括しておられます行政管理庁は、それぞれどういう御意向を持つておられますか、先ずそれを最初に伺うことが必要じやないかと思います。
○政府委員(城義臣君) 水産省設置法案の提出の理由につきましては、御指摘の二点、第一点が、水産業が特殊な重要産業であるというようなこと、更に第二段としてお挙げになつていらつしやる、水産業が国際的産業であるという点につきましては、政府といたしましてもよく理由は了解するのでありますが、現在行政管理庁といたしましては、各省全般につきましての、思い切つた一つ徹底的な行政簡素化をしたいという建前で、今研究を進めて参つておりますので、現在の水産庁につきましても、いろいろと研究を進めておる次第であります。然るにいつも申上げることですけれども、国際的な情勢から考えまして、もう少し具体的に申上げれば、平和近しという今日の実情におきまして、この行政制度の簡素化というような点につきましては、いわゆる朝令暮改を避けたいという政府の意図でありますので、更に悼重な態度でその辺を勘案いたして、只今更に研究を加えておるという段階になつているのであります。つきましてはこの水産省を設置したいというお考えにつきましても、実はこの機構、人員、経費などは現在の水産庁のままでよろしいというお考のようでございますけれども、今この水産庁のみを別個に切離して水産省にするとか、しないとかいうようなことにつきましては、政府としては更に全体的な立場からして愼重に配慮すべきであると、こういうふうに考えている実情でございます。つきましては、国会において御審議をされました結論が、如何ようになりますかは存じませんが、十分この委員会として、御審議の結果につきましては、御意思のあるところを尊重いたしまして、更に愼重に検討して頂きたい、こういうふうな程度に我々は只今考えておる次第でございます。
○政府委員(島村軍次君) 只今行政管理庁の城政務次官から申上げました通り、政府においては目下行政の全般に亘つての簡素化、機構改正など検討中でありまして、又農林省におきましても水産省設置に対しても研究中でありまして、未だ結論の域に達していないということを御了知願いたいと思います。
○竹下豐次君 ほかの関係と一緒に、総合的に水産省の機構の問題についてもお考えになるという、今のところでは政府の御意向のようでありますが、ただ、ほかの関係と大体において違いまする一つの点としては、水産業は外国との関係が非常に密接でありますし、講和條約が結ばれようとしておるこの際、水産業に対して日本政府が非常に関心を深く持つて、新たなる大きい機構として省を設立してまで力を入れて、そうして真すぐな道を進んで行こうと努力するんだというような意気を外国に示すということが、国際條約の締結の場合にも相当な大きな影響を与えるものではないか、従つて行政機構一般の問題と睨み合せる関係はあるけれども、そういう意味において特にこの問題は早く取上げるほうがいいのじやないか、こういう意見も世間で私どもはよく聞くところであります。そういう点につきましては、政府はどういうふうにお考えになりますか、もう一遍お伺いしたい。
○政府委員(島村軍次君) 御説の点は御意見として承わつて置きたいと思いますが、それらの問題も今後十分検討のうちへ加えるということで、ここではつきり申上げることを差控えたいと思います。
○竹下豐次君 重ねてお伺いいたしますが、そうしまするというと、研究を急いでお進めになりまして、都合では條約の結ばれる前にでも設置することになるかも知れないというふうに承わつて置いてよろしうございますか。
○政府委員(島村軍次君) さようの結論に出るか出ないかということも、検討の上にいたしたいと思います。
○委員長(河井彌八君) 木下君は本案の発議者でありますから、委員諸君において御異議がなければ、木下君にも発言を許したいと思いますが、如何でしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。木下君。
○委員外議員(木下辰雄君) 只今竹下委員からの農林当局に対する御質問がありまして、それに対して島村政務次官からの御答弁を聞いておりましたが、私どもは行政整理をしなければならんという今日、あえて水産庁設置を提唱いたしましたゆえんのものは、先に竹下委員が言われましたように、現在非常に差迫つた講和問題、それに関連した漁業協約を最も有利に締結いたしたいということも、その原因の大きな一つであります。と申しますのは、現在の日本は四つの島に限られて、今後水産食料、蛋白資源の確保ということが大きな役割となつて今後クローズ・アツプされるということは、これは申すまでもありませんが、この間、吉田総理大臣からダレス特使に送られました書簡の中に、国際條約に対しては我々は置ちに締結に参加する用意がある、これは一九四〇年、即ち、昭知十四年までに日本が漁業に従事したその実績は、ダレス特使も認めるということを言つておりますが、これは今まで日本の漁船が五つの海に横行闊歩して盛んに漁業をやつておつた、その最も発達したのが昭和十四年頃であります。一九四〇年頃であります。その際問題が起きましたのは、日本の漁船は甚だ勇敢ではあるが、非常に酷漁濫獲する、国際協定を守らない、掠奪漁業をするというような非難が世界の各国に起つておりました。それに対してアメリカその他の国は、再び日本がああいう掠奪漁業をやるのじやないか、酷漁濫獲をして、他国の水産に非常な影響を及ぼすのじやないかということについては、非常な関心を持つて見守つておるようであります。その際において、日本が従来の農林行政の一局として、現在は水産庁でありますが、貧弱な行政の下に海外の漁船も監督し、又国際協定にいろいろの発議をするということは、甚だ外国としては心細く思つておる。それでこの間NRSに私参りました当時も、この水産省設置の動向を非常な関心を持つて見守つておるということを申しておりましたが、只今竹下委員の言われるように、日本は水産省まで作つて、そうして漁業協約に対しては十分の誠意を持つてその締結に邁進する。又海外発展の日本の漁船に対しても、強力なる水産行政で以て監督する。決して心配は要らんぞと戦前のような悪評は今後は決して取らんぞと、こうなれば安心して日本の従来の成績を十分認めるだろう。又漁業協約についても有利な締結ができるだろうと、かように私ども存じております。 この国際的な漁業であるということが、この水産省設置の大きな原因の一つでありますからして、その点を十分一つ御考慮願いたいと考えるのであります。
○政府委員(城義臣君) 只今木下水産委員長から縷々御説明ございましたが、本来私もこの日本における水産行政というものが、もつと大きく取上げられなければならないということを考えておる一人でありますので、御趣旨は全く同感であります。 ただ先ほど来、丁度委員長お見えになる前でございましたけれども、政府のほうといたしまして、今考えておる点に触れて、今直ちにということについては如何かというような事情も申上げたのでありますが、右のような私の考え方でありますので、全くこの趣旨については私もかれこれ申上げることもなく、特にこれまでの経過からいたしましても、水産省の声が非常に国会、特に参議院において強く要望されておるというような経過的な点から考え合せましても、御趣旨はよくわかるつもりでおります。ただこの国政全般から申しまして、特に自由党といたしまして、天下に公約いたしておりまする国民の負担を軽減したいという、そういう考えからいたしますというと、戦前膨脹して、先般の行政整理では相当の效果を挙げておりますけれども、まだまだこの日本の行政機構が複雑厖大で、非常に国民の負担が重いということについては、まだまだ未だしという感を持つておりますので、将来そういう水産省が設置されるというような御熱意並びにそれによつて日本の水産行政が大いに振起されることについては、誠に希望いたすものでありますけれども、只今の段階としまして、然らばいつどうするか、というようなことについては、責任あることを申上げる段階にございませんので、その点十分御趣旨を尊重いたしまして、今後の研究を続けたいと思つておりますので、その程度で御了承頂けるのではないかと思います。
○委員外議員(木下辰雄君) 委員長もう一つ……。城政府委員の今の御意見も私御尤もと思います。併し城さんが水産委員会におられた時分には、率先して水産省の設置を唱道されておりました。又この水産省設置の最近の運動が起つた当初において、私総理大臣にお会いしましたときには、自分は水産省設置には賛成である、併し漁区拡張が先でなければならない、漁区拡張ができたならば水産省を作ることに少しも異存がないということを答えておられます。現在講和條約も締結の殆んど間際になつておりまして、その水産省設置も、農林省から分離する補正予算の問題もありますので、若しこの国会でこの水産省設置法案が通過いたしましても、次の国会において補正予算を作らなければならないという関係もありますので、恐らく本当に水産省が発足するのは昭和二十七年の三、四月頃じやないかと、かように思つております。その時分までには、恐らく吉田さんが言われる講和條約も並行的に進んでおると思いますし、又漁区拡張ということは殆んど制限がなくなるというような事態になりますので、私は現在の吉田総理大臣の心境はわかりませんけれども、果してその当時の吉田総理の言明の通りであれば、今が丁度水産省設置には最も適当な時機ではないかとも存じております。行政審議会の立場からは、恐らくこれに対して無條件の御賛成はないと思いますけれども、趣旨においては賛成するというような言葉もありましたし、海外の影響及び漁業協約の今日の段階において、日本が最も有利に今後とも水産を進展せしむるためには、私は一歩先んじてこの水産省を作るということが、最も日本のために有利ではないかということを重ねて申上げまして御考慮願いたいと思います。
○政府委員(城義臣君) 只今木下委員長からお話のありましたことについて、政府が格段にこの水産行政については考慮を払つておるということを率直に申上げたいのでありまするが、実はすでに御承知のように、思い切つた行政機構の簡素化という線の中に、具体的には今日いろいろな外局がたくさんありまするが、そういうものにつきましては、内局へ持つて行くというような大体の考慮を払つていたのでありますけれども、現在の例えば水産庁を農林省の水産局というような、いわゆる画一的に考えますと、そういう線に一応は構想上はなるのでありましたけれども、併し水産行政というものはかねて水産省というような輿論も相当強いし、国会内においてもそういう御要望も強いので、これのみについては別段に考えるべきであるというようなことを私どもも率直に主張いたしますし、実は力を入れると言うと変でございますけれども、そういう趣旨で別段に考えて参つておるような実情でありまして、十分御趣旨は尊重いたしたいと只今でも考えておる。否定したのではないのでございまするが、然らば直ちにこれを省に格上げをするということについては、全体としてどうも多少時期的にどうであろうかというような考え方でおりますので、その辺も併せて御了承頂きたいと考えておる次第でございます。
○委員外議員(木下辰雄君) 少し意見になりますが、よろしうございますか。
○委員長(河井彌八君) よろしうございます。
○委員外議員(木下辰雄君) 只今城政府委員のほうから縷々御説明がありましたが、経費の点、或いは行政簡素化の点ということをお考えのようですが、これは尤もであります。私は各外局なんかの整理という点もそれは必要でありましようけれども、それよりもこの頃委員会、審議会というものがたくさんできております。国務大臣と同じ俸給をもらつておる委員も十名を超えております。そうして委員会によりましては、局があり課があり、厖大な予算と厖大な人員を擁しておる委員会もたくさんあるのであります。政府は行政整理と言いながら、いつの間にやら一省みたようなものをたくさん作つておるというようにも考えられるのであります。私は若し政府が真に行政整理をやるならば、こういうものを整理して、そうして必要なものはどんどん拡張するということが真の行政整理ではないか、かように存じます。そういう見地から申しますと、私は水産庁が水産省になりましても、経費及び人員は一つも膨脹しないという建前で、実はこの提案をいたしておる次第でありまして、私、簡素化の意味におきましては決して抵触しないというつもりで出したのでありますから、この点も御了承願いたいと思います。
○竹下豐次君 行政簡素化という言葉を使われておりましたが、簡素化も必要ですが、やはり、ふくらかさなければならないところはふくらかすということはお考えだろうと思つております。実はこの通常国会に行政機構の改革の法案が出るのかというふうに私どもは期待しておつたのですが、今度は出そうもありません。いつお出しになる御予定でありますか、何か見当がついておりますればお教え願います。
○政府委員(城義臣君) 今御指摘の通り今国会に出したいと考えておりましたのが、ずれて参りましたので、成るたけ速かにという程度で、甚だ漠といたしておりますが、できればこの次の臨時国会あたりにでも何とかして出したいものだというふうに非常な意気込みでおりますので、その程度に現在のところ御了承願いたいと思います。
○竹下豐次君 次の臨時国会はいつになるかわからないのでしようけれども、この通常国会も幾らか延期されるということになるのじやないかと思いますが、又夏頃でも開かれると、臨時国会があることになりますが、そうするとこの問題も一緒にあとで、そのときに政府のほうとしてははつきり肚がきまる。こういうふうに了解しておいてよろしいわけでございますか。
○政府委員(城義臣君) 肚の点でありますが、肚はきめたいと思つて努力いたしておりますので、時期的には、はつきりまだ申上げられませんけれども、肚はそう思つております。
○委員長(河井彌八君) 大体今の水産省設置を急速にやるかどうかという問題について、木下君から発案者としての御意見がありましたし、政府も政府の考えていることは大体説明によつて了解できたと思います。この点は今日はこの程度に審議をとめてよかろうと思いますが、如何でございましようか。従つて水産省設置法外、只今議題に供しましたこの二つの法律案につきまして、何か根本的の点について御質疑がありますればこの際願います。如何でございましようか……。それでは御発言もありませんから、本日はこの水産省設置法外一件はこの程度にとめて置きます。 —————————————
○委員長(河井彌八君) あとに残つております問題は、国家行政組織法の一部を改正する法律案ですが、これにつきましては関係の向きに対して、修正意見、修正案が出してありますが、まだ何も返事がありませんから、これは今日はその答えを待つて、更に審議しようと思います。あとは大体今進行はちよつとむずかしいと思います。でありますから今日は何か御意見がなければこれで散会しようと思いますが。
○竹下豐次君 この修正案は……。
○委員長(河井彌八君) ちよつとお待ち下さい。そうしますと、国家行政組織法の一部を改正する法律案、これを議題といたしまして、御意見のあるかたは御発言願います。
○竹下豐次君 この修正案ですが、その筋に今交渉中であるというお話でしたが、これはこの委員会できめたのでしようか、
○委員長(河井彌八君) ちよつと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(河井彌八君) 速記を始めて下さい。 それでは本日はこれを以て散会いたします。 午後二時二十九分散会 出席者は左の通り。 委員長 河井 彌八君 理事 楠瀬 常猪君 尾山 三郎君 委員 郡 祐一君 松平 勇雄君 カニエ邦彦君 竹下 豐次君 林屋亀次郎君 委員外議員 水産委員長 木下 辰雄君 政府委員 総理府新聞出版 用紙割当局長 鈴木 政勝君 行政管理庁政務 次官 城 義臣君 農林政務次官 島村 軍次君 事務局側 常任委員会專門 員 杉田正三郎君 常任委員会專門 員 藤田 友作君