内閣委員会 第5号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1951/02/22
会議録
○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。 行政機構の整備に関する調査につきまして、この前に杉田専門員から群馬県下の行政視察の調査報告を聞いたのであります。本日は藤田専門員から静岡県下の行政視察の報告を伺おうと思います。
○専門員(藤田友作君) 命によりまして、私のほか吉岡調査員、立原調査主事の三名が一月十六日から十八日に至る三日間静岡県に出張いたしまして同県下における出先機関、主として農林省の出先機関である食糧事務所とその下部組織及び統計調査事務所とその下部組織を視察いたしまして、ついでに労働省の出先機関である労働基準局、公共職業安定所を視察いたしたのであります。ここにその視察の結果につきまして御報告をいたすのでありますが、先般二月十四日の当委員会におきまして、杉田専門員から私ども一行と相前後しまして群馬県下における同じ出先機関を視察せられました結果につきまして、詳しく御報告があつたのでありまして、その内容は県こそ違え全く同様な事情でありまして、すでに速記録にも載つておりますので、重ねて同じような事情を申上げることを避けまして、少しく角度を変えまして、視察調査の結果感じましたことの一端を簡單に申上げまして、御参考に供したいと思います。 これは日頃から感じておることでもありますが、およそ中央の各省がそれぞれその責任と権限を以て各種の統計調査をしております。中には行政の事務に随伴して書類或いは記録等から副次的に出て参る統計調査資料も甚だ多いのでありますが、こういうものは暫らく別といたしまして、統計を得るために行う調査について申上げて見たいと思います。 我が国の現状からいたしまして、特に国費の節約、国民負担の軽減というようなことは、刻下の急務と考えるのでありますが、中央地方を通じまして、できるだけ行政機構を簡素化し、行政事務の能率を高めるという方向に改善工夫を要するわけでありますが、4ここに比較的一般から余りやかましく論議されない面で、而も相当多額の経費と人員を要するものに統計調査費と称するものがあると思うのであります。但し国策の基礎資料、或いは行政施策の基礎とするような、真に必要な統計調査のためには、もとより十分なる人員と経費を投じまして、完全な結果を得べきことは申すまでもないのでありまして、でき得る限りこれを公表して、何人にもこれを利用し得るようにすべきであると思うのであります。ここに一例を挙げますると、農業に関する各種の調査が或いは食糧事務所でも行われており、統計調査事務所でもその主目的たる主食の收穫高予想等のほかに、さまざまな調査が行われており、又府県でもこれらと重複するような種々の調査が行われておりまして、今後ますますこの種調査の計画が拡充される勢いを内包しておるように見受けられるのでありますが、その間余り調整統一が行われていないのではないかということが考えられるのであります。 今食糧事務所が行なつておる調査を見ますると、例えば、工場設備能力の調査、加工工場合に庫調査、現在高調査、生産状況の調査、農業異動人口の調査、経営規模別調査、農家食糧現在高消費高調査、自由取引価格の調査等があるのであります。もとよりこれは食糧事務所がその業務達成上必要な調査と称するであろうと思うのであります。 統計調査事務所におきましては、その最も特色たる予想收穫高調査及び推定実收高調査を初めといたしまして、農作物の諸調査、この中には作付面積とか、反当收量、常習被害地の調査、品種の分布の調査等があるのであります。次に土壌の調査、農家経済調査及び農業経営調査、生産費調査、物価賃金調査、農地統計抽出調査、牛乳生産量推計調査及び脂肪量調査、鶏卵生産量推計調査、林業表式調査、草刈場、薪炭林の面積調査、林野の利用状況調査、水産製茶業表式調査、海面漁業漁獲量調査、養蚕收繭量調査、農業動態調査、漁家経済調査等々いろいろの調査があります。尤もこのほか臨時的センサス調査がありますが、これは主として国際的協力調査でありまするから、性質上ここには省略いたします。 次に静岡県で行なつておる調査を見ますると、先づ経営規模別調査、これは専業農家を対象として、酪農、柑橘、茶業などを行う農家はこれから除外されており、経営の規模を三反、五反、六反、七反、八反、九反、十反、十二反、十五反、十八反、二十反と規模別に分けておるのであります。 その他経営の組織別調査、それから交通が農家経済に及ぼす影響の調査、これは二つに分けまして、都市遠隔地帯の農家経済に関する調査と、もう一つは都市近郊地帯における農家の経済に及ぼす影響の調査というふうに二つに分れております。又労働力の農家経済に及ぼす影響の調査というのがありまして、これは耕作面積八反歩乃至十反歩の農家について、一つは労働力二人の農家、もう一つは労働力四人の農家に分けて調査しておるのであります。 このほか農村の電化、機械化の農家経済に及ぼす影響の調査というものもあります。かくのごとく県におきましても種々な農業に関する調査が行われておるのでありまして、事実農林省の出先機関である食糧事務所であるとか、統計調査事務所等の調査とは相当の重複面があるということを県当局も認めておるのであります。勿論前にも申しましたように、各行政機関又は自治體当局がそれぞれの立場において、その職責を全うするために、必然的に必要であるところの統計なり調査なりというものをみずからの手で企画をし、作成しようとする考え方は、一応肯かれるところでありますが、各個ばらばらに計画し実施するという風潮は是正さるべきであろうと思われるのであります。統計なり調査なりというものは、概して予想外の経費と人手を要するものでありまして、且つ又その結果が適正であるかどうかによつて、思わざるマイナスを招来するものであると考えます。地方行政調査委員会議が「市町村、都道府県及び国相互間の事務の再分の調整等に関し採るべき措置」として、昨年十二月二十二日附を以て参議院議長宛に提出せられました勧告のうち、「各論第十一その他の行政」の冒頭に「統計」としまして挙げております全四項の趣旨はそれぞれ適切なものと思われるのであります。 ここに一応読みまして御紹介いたしますと 1 国の作成する指定統計調査は、現行通り国の責任とし、必要に応じ、その調査を地方公共団體の機関に委任することができることとする。 2 国が指定統計調査以外の統計調査について、地方公共団體に申告若しくは報告又は資料の提出を求める場合は、統計委員会の承認を要することとし、統計委員会は、調査の重複及び地方公共団体に対する不必要な負担を避けるように調整を行わなければならないこととする。 3 地方公共団体の作成する統計調査のうち国が特に必要と認めるものについては、地方公共団体との協議により、その内容、調査方法等を定めることができることとする。 4 国は、地方公共団体の行う統計調査について、統計の改善発達に関し、勧告をし及び必要な技術上の援助を与えることができることとする。 これが地方行政調査委員会議の勧告の四項であります。統計法によりますと法の目的としてその第一条の「統計調査の重複」を除きということが明記されておりまして、立法の重要な目的と解されるのであります。元来「政府若しくは地方公共団体が作成する統計又はその他のものに委託して作成する統計」は中央地方を通じて、あらかじめ統計委員会の承認を要することになつておるのであります。例えば一般行政機関に関する問題を縦割の問題と考えますならば、統計委員会の所掌する統計調査の統制に関する問題は横割の問題であると言えるのでありまして、行政管理庁と統計委員会とは機構改革の問題については互いに経となり緯となる関係にあると申すべきであると思います。統計に関する最上級の統制機関である統計委員会でありまするからまさに本委員会の担当に属する総理府の外局でありますから一般行政機構の問題を考究するに当りましては、統計委員会の所掌する行政面の合理化改革の点について十分留意すべきであると考えるものであります。静岡県下の出先機関を視察いたしました結果考えられまする重要な問題の一つとして、行政機構改革の問題と相関連して考究すべき問題であろうと考えますので御参考までに申上げた次第であります。
○委員長(河井彌八君) 何か御質疑ありますか。
○梅津錦一君 別に異議ございません、私のほうは。
○委員長(河井彌八君) なお只今の藤田専門員の報告と、この前の杉田専門員の報告とは印刷にしまして議員諸君にお配りすることにいたします。さよう御承知願います。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時十一分散会 出席者は左の通り。 委員長 河井 彌八君 理事 楠瀬 常猪君 梅津 錦一君 委員 郡 祐一君 松平 勇雄君 カニエ邦彦君 竹下 豐次君 林屋亀次郎君 事務局側 常任委員会専門 員 杉田正三郎君 常任委員会専門 員 藤田 友作君