電力問題に関する特別委員会 閉会後第10号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1951/08/14
会議録
○委員長(西田隆男君) 只今より委員会を開会いたします。本日は電力問題に関する調査報告書提出の件についてお諮りしたいと存じます。御承知の通り本委員会は閉会中も継続して電気料金改訂等の問題につきまして調査を進めて参つたのでありますが、なお電源開発等の他の諸問題につきましては、未だ調査を完了するに至つておりませんので、参議院規則第五十五條によりまして、閉会中の調査未了の報告書を提出しておきたいと存じます。御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西田隆男君) 御異議なしと認めます。それではさように決定いたします。報告書の内容につきましては一応調査の経過並びに結果につきまして、林専門員からその要点だけを説明して頂きます。
○専門員(林誠一君) それではできるだけ簡單に概要を申上げることにいたします。 一番といたしまして調査の概況、二番といたしましては電気事業再編成の実施に関する問題、三番は渇水期の電力需給、四番目は日発の含み資産の問題、五番目は電気料金認可権限の問題六番は電気料金値上げの問題、七番目といたしまして公益事業委員会の運営に関する問題、この七項目を以て構成したわけであります。そのうち再編成関係のような報告は、只今報告書全体といたしましては委員長からお話のありましたように未了報告になりますが、再編成の問題をまとめて報告する機会は余り時期が離れますともうないと思いますので、この辺一応実質的には完了のような内容を持つことになります。併し再編成にいたしましても、電源の帰属に関する問題等は当然今後の問題を含んでおりますので、或る見方からしますと未了の報告になるわけであります。これを全部読みますのも大変でございますから、大体の御了解を得ます意味で、問題になりそうなところだけをピツク・アツプしまして概要を申上げで御了解を得たいと思つております。 先ず第一番目に調査の概要であります。これは殆んど意見に関するようなものがありますので、ちよつと読まして頂きます。電気事業が我が国の産業の再建に占める重要性及び経済再編成の一環としての電気事業再編成問題その他に備える丸めに電力問題に関する特別委員会が初めて設置されたのは第七国会、そうして同国会に電気事業再編成法案及び公益事業法案が提案されたが紛糾のうちに時日不足のために審議未了となり、第九国会開会中の昨年十一月二十二日にマ元帥より吉田内閣総理大臣宛に電気事業再編成を急速に施行すべき旨の書簡が発せられ、同二一十四日にはポ政令による公共事業令及び電気事業令が公布せられたことは第九国会における調査報告において記述した通りである。今国会は昨年十二月十五日を施行日とするこれら政令の実施期に際会し、電力行政機関の再編成である公益事業委員会の発足、日発及び九配電会社の解散及び九地区電力会社の新設等の画期的変革が行われたので、当委員会としては国民の世論を反映し、電気事業のあり方をも考慮して事態の推移を注視しながら調査を行い、再編成の円滑な実施につき公益事業委員会に注意を喚起するところがあつた。かくして昭和二十三年二月の集排法による日発、九配電会社の指定以来さしも難航を極めた電気事業再編成を終り、本年五月一日を以て新電力会社は発足されたが、これを以て直ちに電気事業運営が發刺円滑になるわけには行かない。朝鮮事変の勃発以来事業界の異常なる活況に伴い電力需要においても著しい増加を続け、本年二月には電力緊急制限が発動されて、二冬に亘る豊水の夢は破られ、電力不足の悩みが国民の前に明白にされた。それからちよつとこの辺は含み資産の問題がありますが、これは省略いたしまして、次に料金問題、これも余り議論のないところと思いますから省略いたしまして料金の最終のところが、多少これはこの前も御意見がありましたところですから読んで見ますと、八月三日公益事業委員会の発表により今回の改訂を全国平均三割一厘に抑えられたことは、インフレ抑制が再び我が国経済再建の重要課題となつておる今日としては喜ばしいことである。もとより国民の中には値上絶対反対の意見があり、当委員会委員中にも同一立場をとる委員も少くないが、委員会調査の全般的空気を通じて或る程度の値上げは止むを得ないものと認められるが、公益事業委員会においては国民の意のあるところを察し、今後の電気事業運営指導に当つては極力合理化に努めると共にサービスの向上及び電源増強に努め、消費者の納得を得ることが電気事業今後の発展上に欠くべからざることを悟るべきである。こんな意見を加えてございます。それからあとの最後のところをちよつと読まして頂きますが、以上各種事件の調査内容は、項を改めて記述するが、これら調査のために会期中十八回、閉会後の継続調査において九回、合計二十七回の委員会を開会した。これにより多年の懸案であつた電気事業の再編成は一応調査を終り、電気料金の改訂も一先ず決定を見たが、電力問題の根本的解決策である電源開発、電力不足の期間における応急策たる電力割当問題、自家用設備の返還問題等については、調査の時間なく、今後の問題として残されることになつた。それから最後になおポ政令の公布により発足を見た新電力行政機関である公益事業委員会の運営についても批判が多く、今後の動きを見守つて考慮を払う必要があると認められる。更に電力行政の中の施設の保安に関する監督は、通商産業省資源庁に電気施設部として残されておるが、かような二元的行政方式の当否についても、今後調査を行う必要があるものと認められる。そこらにまあ問題の結末を一応まとめた。 それから次に二番目の再編成の実施に関する問題といたしまして、これは大分けにしまして、再編成実施の経過、それから一番時間を余計かけました点で、人事問題を次に挙げております。次に出資比率及び株式関係、それから最後の電源帰属に関する問題、その四本建で進めております。 この経過のほうは、先ほどちよつと全般の経過にも申上げましたのでこれは省略いたします。 次に人事問題でありますが、人事問題は、大部分のところは、作り方といたしましては客観的な立場で書くということに努めまして、速記録全般を通じまして議論の筋を探し、それに該当する主要な発言を並べまして結論付けるということにいたしております。ただ初めとか終りにちよつちよつと意見に類することが入ります。その辺だけをちよつと読まして頂きます。 人事関係は、これを大別すれば、行政機構の人事と新会社の役員人事とになる。再編成の経過中にて大きな紛争を巻き起したのは役員人事であるが、順序として先ず委員会側の人事について述べることとする。五人の委員は公共事業令第七條により昨年十二月十五日附を以て内閣総理大臣によつて任命された。任期はこれも一応参考のために松本委員長以下各委員の任期をここに書いておきました。その点が多少問題だと思いますが、委員任命について決意すべきことは、公益事業法案においては、法案は前に国会に提案されて流れました法案ですが、この法案においては、最初の委員においても、第七條第一項の規定通り国会の同意を得て内閣総理大臣が任命することとなつていたが、公共事業令においては、附則第七号により両議院の同意を得ないで任命された。この方式は再編成を急ぐためにとられた便法かと解されるが、半年以上に亘る本委員会における審議を通じて判断すれば、国会と公益事業委員との関係を円滑にする途ではなかつた。そこらがちよつと意見が対立しております。次は事務的の話になりまして、先ず公益事業委員会の事務局、電力局から公益事業委員会の事務局と、それから通商産業省の電気施設部に分かれた経過をちよつと書いております。人の選び方といたしまして、公益事業委員会がそのままとろという方法をおとりにならないで多少問題を起しておりますので、記録として書いております。そこのうち中心的のことは、松本公益事業委員長は、公益事業委員会のほうは全然新らしい組織として考えて、そうして自分のほうに必要な人を自分のほうの考えでとるという考えでやつております。併し支局のほうをそのまま置くわけには行きません。成るべく早い機会に決定したいと鋭意用意をしております。これは一月の末でありましたが、公益事業委員が任命されて一月半で当時まだ支局長がさつぱり任命されていないという状態をそのまま続けております。 それから次に役人人事のとつ初めのところだけをちよつと読んで見ます。 新会社の役員人事は再編成過程中にて紛争の最も甚だしかつた問題の一つである。再編成における新会社の役員は集排法に基く手続規則第十九條により再編成計画書の記載事項の一つであるが、久しきに亘り再編成論議において対立した日発、配電両者の意見が合致することを期待するのは無理である。更に従来の企業再建整備が一の指定会社を解散して一又は二以上の新会社を設立するという形であるのに反し、電気事業の再編成は本質的には解散させる日発を各地区会社に併合する形であるから、新会社の役員については日発、配電の両方から各自有利となるように計画書を提出することは当然であつて、ここに公益事業委員会の任務の困難性がある。この問題に対する公益事業委員会の考え方は当初は重要視している様子はなかつて。一月三十一日の本委員会において新会社の役員、特に社長に対する公益事業委員会の方針如何との質問に対して、これからは速記録になりますが、要するに和衷協力のできる人を採りたいというようなお話から始まります。それからその当時人事の方針でも何かないかというお話に対して、概念的に地方をそれぞれ考慮する必要があるかとか、或いは労働者に対する理解と言いますか、時代感覚のある人、或いは電気事業経営の手腕がある人というような條件を出しまして公益事業委員会が原則的に賛成したというような場面がございます。そうして三月一日に指令案の発表がございまして、三日の委員会で人事問題が松本委員長から詳しい発表があり質疑が進められております。その後六、七回に亘りまして質疑が非常に詳細にやられておりますが、それを総括いたしまして一つの筋として申上げますと、公益事業委員会側は和衷協力のできるような人間、それを中心にしてきめて行く考えである。ところが日発側の書類の出るのが遅かつた。二月の十六日になつてやつとできて来て、それが非常に邪魔をしたという筋のお話をしております。それから最後にこの問題が停頓しまして、二月の二十六日に公益事業委員会としては会長、社長、副社長というようなものをみずからきめることは間違いである、各社の定款によつて取締役会の互選によつてきめるべきである、行過ぎであつたという、いわゆる白紙還元がありまして、それでまあ軌道に乗つたということになります。それに対しまして、一方配電会社の側としまして内ケ崎さんのお話、それから森さん、小坂さんのこれに対する反対、この辺は取捨をいたしますと非常に不公平になりますから、多少冗長になりましたが、問題の中心に触れる問題は成るべくそのまま原文を取るようにしております。両方の言い分を引つくるめると結局こういうような結論が出るのじやないか、その辺からちよつと読んで見ます。以上三者の発言を比較すると、日発が主張した比率問題が無視されたままで首脳者人事が公益事業委員会と配電側で進められ、無用な不満と不安を助長して、問題の解決を困難ならしめたこと、会長制に関しては、計画書、作成当事者たる配電日発の両当事者共に積極的でなく、再編成処理の全般を通じて両当事者の協定を尊重している公益事業委員会が、会長制に関しては積極的である点が目立つている。而も会長制の推進が事態を更に悪化せしめたことは、三月十五日の本委員会における小坂総裁の次の発言に上つて明らかである。これをちよつと思い出して頂きますと、結局内ケ崎さんの会長制ということには反対ではないというくらいな、非常に軽い発言をしておられます。それから日発側も、関東と関西に関しては、それは会長制はいいだろう、併し全般的にはそういう必要ないというので否認しているのを、公益事業委員会側が二月の十日前後に会長制を全部に置くのだということを説明して、このために日発側が非常に激昂したということになつておりますから、そこを引抜いたわけであります。それから次には、その会長制の問題について、これはもう読みませんが、村上巧兒さんとか新井さんあたりの交渉経過において、自分は責任持つて仕事をやりたいという意見を言われたところが、会長の候補から消えてしまつたというので、一体会長というものは本当の首長であるかどうかという、会長制に対する新たな疑問をここに述べております。 最後の人事問題の結末ともいうようなところをちよつと読まして頂きますと、三月二十七日の再編成に関する決議が出たあとの話でありますが、併しながら公益事業委員会としては人事の根本を変更する意思なく、三月三十一日の決定指令においては、九社合計二百十五名から百十四名へ大幅に減少し、内容的には東京電力に新たに社長と目される安藏彌輔氏を加えたこと、社外役員の比率の少なかつた東京、中部、北海道等に新たに社外役員を追加したこと等に過ぎず、首脳者人事、配電、日発の比重等には著しい変化は生じなかつた。減員は殆んど配電、日発関係の中から行われ、その比率も大略指令案の比率にて行われたから、現理事中にも選に漏れる者を生じ、又地方別に見れば、大阪の支店長が役員より漏れて管内役付職員、特に火力発電関係役付職員が新会社の責任ある地位に就職拒否の決議を行う等のことあり、東北以外の各地区にて協力拒否運動を生じた。配電会社側も地区によつては減員数多く、東京電力においては常務以下全員削減されて、取締役に残る現役は社長、副社長の二名という状態にて異議の申立を行なつている。人事の混乱は新会社発足直前まで続き、不測の事態の突発すら憂慮される状況であつたので、時あたかも休会中であつたが、在京委員によつて打合会を開き、協議の上公益事業委員会に対して万全の措置を要望するところがあつた。最終的には、公益事業委員会にて新会社発足後株主総会を開いて必要なる役員の増加を図ることは差支えないとの考え方で了解工作を進め、他方総理に対する異議申立を内閣にて却下し、辛うじて五月一日の予定日に新会社の発足を見た。 以上のごとき経緯を重ねて発足した新会社であるから、当委員会としては、今後の電気事業運営を円滑ならしめるためには新会社首脳部及び公益事業委員会に対して格段の注意により円満なる事業運営を期するよう特に希望する次第である。これで人事は終つております。 それから出資比率、株式の問題でありますが、これは余り問題のところはないと思いますから、飛ばしておくことにいたします。 それから電源帰属に関する問題、これは一応工事中及び未開発水利権につきましては、両者の協議が成立しまして、公益事業委員会も認めたという形になつておりますが、再編成令の別表第三の前書において、新会社発足後運営の状況を見て別表第三の施設に変更を加える必要があるときには、四カ月以内に協議が整えばそれでよろしいと、協議が整わないが動かす必要があれば八カ月以内に公益事業委員会が聽聞会を経た上で変更を命ずることができるという規定がございまして、これが今後の再編成の完成までの懸案になることになります。その点をちよつと書いております。それで帰属問題についての当委員会に反映しました空気として極く簡單にちよつと書いておりますところは、公益事業委員会で作りました昭和二十六年度の電力需給対照表という表がお配りされております。それによりまして、各地区の供給力に対して融通で以て差引きを受ける形になる会社と、出し越しのほうになる会社と両方ありますが、いずれにしてもその差引きを全体の供給力で割りましたパーセンテージをとつて見ますと、やはり北陸地区が七%もらつてやつとやつて行けるということで、もらい越しが一番大きい。その次は関東が六・六%、著しく足らないという数字がこれで出るわけであります。その状況から北陸地方が非常に問題になつたけれども、委員会としては取上げなかつたと、そこらは相当揉めましたので、ちよつと書いております。ちよつとその辺だけを読んで見ます。この需給状況を反映して、北陸地区からは工事中の成出発電所を北陸に帰属されたいとの強い要望が委員会においても幾たびか発言されたが、これは遂に実現するに至らなかつた。これに対する松本委員長の答弁は、帰属と融通とは別途に考慮するということであつたが、この方針によれば、独立採算制による地区会社を設立して企業意欲の振興を図るという再編成本来の目的と必ずしも一致せぬ面が生ずる。結局帰属問題は各地区需要の消長、電源開発の進行との関係において、今後引続き検討して行く必要がある。これがやや結論に近いところになつております。 それから返還問題をちよつとここで触れておりますから、これもちよつとお聞きを願います。帰属問題に関連して、一言返還問題に触れておく必要がある。今回の再編成を急速に実施する必要から公益事業委員会は一月八日の声明において、既設発電設備又は他の資産讓渡のことは、新会社が設立して再編成完成の後に新会社と前所有者又は他の希望者との間において交渉することにする。但しこの場合といえども公益事業委員会は公益を考慮に入れて認可不認可の決定をする権限を保有するものであるという声明をいたしております。本件に関しては、当委員会にて根本的に調査をしたいという申出もあつたが、各種事件輻湊のため遂にこれに着手するに至らなかつたということで結んでおります。この辺も御意見があろうかと思います。事実上はそういうふうになつておるわけであります。 それから次に渇水期の電力需給でありますが、これは大したことはないと思いますから省略いたします。要するに、二十四年の十二月と二十五年の十二月と比べまして、最大電力において百数十万キロの増加があつたと、それで非常に需給の苦しくなつたところへ、二月になつて渇水期が来たために一時緊急制限の措置がとられ、その結果割当量の七五%に抑えろという命令が出ておりまするが、超過を使用していた鉄鋼関係では、二割の超過に今度の制限の二割五分で四割五分の制限ではとてもやつて行けないという問題を簡單に報告しております。 それから日発の含み資産問題、これは実は原稿がまだ完備いたしておりませんが、結局含み資産の問題の調査の結果、どうしてもこのような問題を防ぐためには、会計方式の整備とか、それから渇水準備金制度を作らなければ、こういう問題はそのときの天気の模様などで何遍でも起る問題であるから、渇水準備金制度の確立に進まなければならないということに結論を持つて行つております。 それから電気料金認可権限の問題、これは大して問題はないと思いますから、おしまいの結論的のことだけをちよつと読んで見ますが、要するに公益事業委員会に電気料金の認可権を向うにやれというマーカツトの書面によつて移つて行つたと、併し実質的にはその通りにも行かないということを最後に書いております。 各委員から熱心な質疑が繰返されたが、物価統制令が外されていない現状においては、一般物価政策に関連する方法で電気料金も決定されなければならない。そのような現実の日本経済の実情を十分に考慮されたいとの要望がなされた。本委員会としては、国民経済の全般を熟視した上で公正妥当な決定がされることを強く要望し、権限問題に対する質疑を打切つた次第である。この程度であります。 それから将来の問題になると思いましたので、マーカツトの書面を参考として載せておいたのであります。 電気料金の値上問題、これは数字上の問題で余り意見らしいものもございませんから、ただ最後のところで、これは最終の委員会の結果のほうからちよつと御了解を得ておいたほうがいいと思いますから……数回に亘り質疑応答を加え、審議を盡したその結果、七月十九日の委員会の散会後に、委員長より当委員会を代表して公益事業委員会に対して今までの委員会の意見を伝達し、その善処方を要望することに決定した。その主要な点は社会党、共産党、労農党は値上げ絶対反対であるが、委員会の大勢として要望する点はどういうことで、これこれを要望したということにいたしております。……項目をちよつと読んで見ましようか、これは。燃料費は石炭の量、及び單価の両面からして会社案に対して可能なる範囲において削減すること。再評価は一〇〇%償却定率法を改め、再評価は大体一般産業と同等六〇%程度にし、償却は定額法によること。修繕費は資産の増加を伴うもの、又は償却と重複すると認められるものが多く含まれており、十分検討を加え、できるだけ減額すること。人件費その他諸費等合理化を徹底し、他の費用もできる限り節減すること。販売電力量の算定については、すでに六月の実績において増加しており、十分検討訂正を加えること等について一時間五十分に亘り詳細に公益事業委員会の善処を要望した。かくて八月三日公益事業委員会は、会社案に対して種々再考をなし、大幅の削減を行い、全国平均値上率三割一厘を認可した。それで終つております。それから最終の点はこれが一番問題であると思いますから少し全文をゆつくり読んで見ます。 公益事業委員会の運営に関する問題。今国会はあたかも公益事業委員会の発足に当り、新制度の確立、諸規定の制定と並行して、電気事業再編成の重要任務を果し、更に電源開発その他の基礎的企画を樹立して、我が国電力事情の改善を期するという極めて多忙な時期であつたから、平常時の常識を以てこれを批判することはできないが、当委員会における調査の過程において種々問題があつたから、今後の参考として重要事項数点を記述して報告することとする。 一番目、国会は国民の代表として重要問題は常に反映せられ、これに基く調査を行う必要あることは当然である。然るに当委員会が国政調査権に基き調査をしようとするとき、公益事業委員が当委員会の出席要求に応じ得ないという事態がしばしば発生した。これは今国会の冒頭に述べた通り特にかような事態を生じやすい時期であつたことは認めるが、平常といえども突発事件発生の場合には、同様の状況となる可能性があるから公益事業委員会としては、これに対応し得るだけの準備を考慮しなければならない。而してその根本原因としては公益事業委員会が国会を重視しているかいないか、重視しながら事件処理の日程にこれを入れて計画しているか否かを考慮する要がある。次に公益事業委員会における事件処理の経過を見ると、許し得る日程の大部分を当事者との交渉に消費し、国会又は聽聞会に対する検討の時間的余裕を與えることが少い。みずからの責任を重んじ、愼重に事を処理することは当然であるが、公益事業委員会が最も民主的機関であることを考え、前前に事実、事案というのはフアクトです。事実又は資料を公開し、余裕を以て国会又は公聽会の意見を聞いて事件を処理すれぼ世上の悪評を消し、みずからの事績も改良されるであろう。三番目、公益事業委員会内部における仕事の処理にはその根拠、経路等につき不明確なものが多いことは本報告書を一読すれば明らかである。委員会内における事件の処理に当つては明確且つ公正を旨とすべきである。 大体以上の通りでございます。
○委員長(西田隆男君) 只今報告書の内容の概略を林専門員から説明をお願いしました。委員諸君のほうでこの報告書の中に記載しておいてよろしいというような重要問題についての御意見がございましたら御発言を願います。……御発言もないようですから報告書の内容の細部の事項については委員長に御一任を願います。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西田隆男君) 御異議ないと認めます。それではさように取計らいます。 それから委員長の提出する報告書にあらかじめ多数意見者の署名を附することになつておりますので、本件につき賛成のかたがたの御署名をお願いします。 多数意見者署名 高橋進太郎 三輪 貞治 境野 清雄 小野 義夫 結城 安次 岡田 信次 水橋 藤作 山川 良一 奥 むめお 加賀 操 古池 信三 須藤 五郎 山田 節男 吉田 法晴
○奥むめお君 これが一応片付きましたら、ちよつと聞きたいのですけれどもよろしうございますか。
○委員長(西田隆男君) どうぞ。
○奥むめお君 大体原案として三割一分平均と、こう公表されておりましたが、非常に政府のほうで粘つて強硬に申入しておりましたように新聞が傳えております。そうしてその結果三割一分と非常に家庭電力、殊に定額燈は上りました。この間の経緯が知りたいと思いますが……。
○委員長(西田隆男君) 私が知つております範囲だけお答えいたします。私はこの委員会を代表しまして公益事業委員会に参りまして、公益事業委員五人のかたと次長、経理部長、総務課長八人と一時間五十分ぐらいに亘つて話をいたしました。その際私が申しましたことは今林君が言つたような項目についてですが特に家庭用の電燈料金について公益事業委員会は是非安くしてもらいたいという意見を強硬に述べました。その際松本委員長、松永委員長代理等々のお言葉では、お濠端の意見がそれと全く反対だという意見も述べておられまして、それにもかかわらず強硬に述べて政治的な感覚で料金をきめるこういつたのに対して、最初の公益事業委員会の裁定がなされた、あのとき書類が来ておりましたのを皆さんにお配りすることにしておりましたが、政府並びに公益事業委員会側が司令部と交渉しておりました最中ですから、悪い影響を與えてはならんと思つて、その御配付を遠慮しておるわけですが、あの書類の中には家庭電気料金を値上げしろということが強く要求されております。そうしてむしろ大口の電燈料金を下げろということが司令部の意向として非常に強く表現しておる。そのために政府と安本なんかが行つて交渉した結果が、却つて逆になつて、二十八億か九億かの経費は削減されたけれども、家庭電燈料金が上つて五千キロの大口料金が幾らか下げられたというような恰好になつた。当委員会として申しましたのは、公益事業委員会としてはよくわかつてくれまして、多分訂正されるであろうという意向はあつたようでしたけれども、家庭電燈料金を思い切り下げたことを発表しておりましたが、却つてあとで政府のほうが交渉したために藪蛇という結果になつておるように考えております。
○奥むめお君 あれは公益事業委員会があの権限を持つておるのに、政府なり、物価庁なりがああいう強硬に申入れするということは、委員会の運営権限の問題ですか、そういうようなことはどういうふうに……。
○委員長(西田隆男君) あれは実際に言つたら公益事業委員会が発表する前に、公益事業委員会側として安本なり、政府なりに十分連絡をとるべきだつたと思うんですが、その連絡は最終段階においては余りよくとられていなかつたようですが、公益事業委員会としての案が発表されましたときには、政府側はもう意見がなさそうだという感覚に基いて公益事業委員会側は多分やつておつたのだろうと思いますが、安本としてはこの委員会でもやられましたし、輿論がそうであるし、自由党の意見がああいう意見でだから、どうせ黙つておられんというので周東君が向うにぶつかつた。その結果ああいうふうになつたので、公益事業委員会側の権限問題でなくて、政府との連絡がうまくとれていなかつたために、ああいう結果になつたと解釈すべきだと思うんですよ。
○須藤五郎君 その前にいわゆるお濠端から公益事業委員会に手紙が来ておる。これは巷間伝わるところですが、何割以下に下げてはいけない、何割以下にしてはいけない、それから地域差を一〇%以上付けてはいけないという手紙が来ておるということがよく言われておるのですが、この前松永さんが見えて、今朝出かけに向うから手紙が来てそれに目を通して来たということを言われたのですが、その手紙を発表してもらおうということをこの委員会でお話がありましたが、その後発表になつたのでしようか。その後お濠端からそういう指令というものが事実来ておるのでしようか。
○委員長(西田隆男君) 指令が来たことは間違いありません。その内容はあとで読ませますが、公益事業委員会側から委員長個人に宛てて原文を送つて参りました。これを翻訳して委員諸君にお配りする予定にしておりましたが、今申しましたように、政府と公益事業委員会とが同時に司令部と交渉するような結果になつたので、その途中において、若し委員諸君にお配りすることによつて司令部の御機嫌を損じてはならないと考えまして、お配りすることを差控えました。当委員会としては翻訳してお配りするばかりに準備しておりました。今その内容を読ませます。もうお配りしてよいと思いますから……。
○専門員(渡邊一郎君) ちよつと読んで見ます。 一九五一年七月十七日附 聯合国最高司令官総司令部 経済科学局工業課 日本の電力会社に依る料 金値上申請に対する評釈 一、料金構成。電力会社中若干のものは、電力供給の範囲の決定並びに料金賦課方法について、現在その解決策として、全く新らしい料金案を申請している。この新料金案は若干の利点を有しているが、又同時に若干の欠点をも有している。現行料金は稀に見る満足な働きをなしつつあり、且つ條項と原理に於て公平適正である。申請料金案の有する利点は、現在の料金制を変更し、それに伴う簿記記録や需用者に対する料金計算の変更、その結果生ずる需用者側の混乱又は誤解を正当化するには不十分である。従つて、現在の料金構成は引続き実施せらるべきものと考える。 二、料金の値上高。料金値上高は次の二つの目的を達成するごとく計画される。 (イ) 諸会社をして材料及び消耗品の価格騰貴と賃金値上げとによつて生じた営業の原価増加分を需用者から回收することを得せしめること。 (ロ) 電気事業を健全なる財政的基礎の上に置き、以て電力会社をして社債や株式の発行という成規の手続により需用者側が会社に負わす電力需要の増加に応ずるに必要な施設を拡張する新規資金を調達することを得しめること。 三、日常営業の原価を補償するための料金値上。日常営業の原価増加を補償するための料金値上げの必要は一般に認められている。尤も若干の需用者はこの必要性を認めることを澁つている。この收入増加は現行料率の中でのキロワツト量とキロワツト時量又は円料金のうちのいずれか一つを変更することによつて達成することができると考える。更に又料金は電力消費者側からこれらの消費者に提供するサービス供給の原価に比例して徴收すべきものと考える。 (イ) 定額電燈料金(A1料金、一般小口電燈料金)は定額需用者に対するサービス供給の原価を回收するに十分ではない。この料金は五〇%以上一〇〇%以下の率を以て値上げさるべきである。六十乃至百ワツトの電燈に課する料金は、二十乃至四十ワツトの電燈の料金に比して高率を以て値上げさるべきである。かような値上げは、大きな電燈による電力量の過大消費に対する償いを会社に與えるのに役立ち、且つそれら大燭光電燈の使用を差控えしめる(現に必要なものを除く)傾向があり、かくして、不必要負荷を減じて必要目的に要する或る程度の追加供給力を與えるであろう。ラジオに対する料金は、三十ヴオルト・アンペア並に二十ヴオルト・アンペアに対する料金を含むべきものである。百ヴオルト・アンペア以上の機器及び三百ヴオルト・アンペア以上の機器に対する料金は小なるヴオルト・アンペアの機器に対する料金よりも高率を以て値上げさるべきである。現行定額料金制においてとられている画一性はこれを維持する必要がなく、もつと電力消費者に対する会社側のサービス供給の原価に一致するやう調節さるべきである。 (ロ) A2料金(従量電燈料金)は、当該電力会社の必要とする收入の全般的増加率にほぼ等しい率を以て値上げすべきである。 (ハ) C1料金(大口電燈料金)C2料金(業務用電燈及び電力料金)、D1料金(小口電力料金)及びD2料金(大口電力料金)はすべて需用料金(=基本料金)條項を有するのであるが、これらの需用料金は少くとも五〇%だけ値上げすべきである。需用料金計算の規定は、電力会社をして最大需用電力計の取付けを促進せしめるようもつと電力消費者に有利に調節さるべきである。電力量料金は、電力の生産及び供給に要する日常の運転原価の増加を償うために、僅少量(一〇%乃至二〇%)だけこれを値上げすべきである。燃料費調節條項は燃料費の増加に伴う料金の値上げを規定している点から見て超過使用料金は値上げの必要なく、又あつても僅少なる値上げにとどむべきである。 四、電気事業を健全なる財政基礎の上に置くための料金値上。 (イ) 会社を健全なる財政的基礎の上に置くためには、料金基底(=適正報酬計算の基礎)の引上げを必要とする。料金基底というのは、レート・ベースという言葉は、日本では珍しいのですが、アメリカで使つている適正報酬計算の基礎になる固定資産の価値というのです。これは、再生産原価を基礎として、これを現在物価で計算した会社資産の価値から、その現在の状態に相応する減価償却を減じて達成することができるであろう。此のことは新らしい一の手続であつて、日本には先例がないであろうが、併し、合衆国においては多くの支持者があるのであつて、合衆国では、多年の間、それは料金基底に含まれる固定資産の価値を定める合法的方法であつた。併しながら現行日本の再評価法は、資産の再評価を規定してゐるのであるから、この法律は電力会社の料金基底の中に算入される固定資産の増額を達成するための既成の乗物というわけである。資産の再評価は、この法律によつて規定された最高限まで達成されることが望ましい。何故ならば資産にかかる固定費は電気事業のサービス供給原価の大部分であるからである。併し、新聞の報道、請願又は聽聞会における不平等から判断すると一〇〇%の再評価に対する一般の反響は激しい反対を示している。それ故心理的な理由から法律に規定された額よりも少い再評価が、今回は得策であると思う。それで他の大産業によつて行われ、反対者たちによつて広く宣伝された七〇%と一〇〇%の間をとつて、八五%とすることが合理的な妥協案である。残りの十五%の再評価は法律の下に、引続きできれば一年以内に、達成されることとなろう。 (ロ) 合理的にして支持するに足る直線(定額)減価償却は、これらの再評価された資産を基礎として行うべきである。減価償却準備金を増大する需用に応ずるための新規建設を賄うための臨時的の援助資金として使用することは、極めて正常である。併し、新規建設の資金を得るのみの目的で過度の減価償却費を作り出す謀は、公益事業委員会によつて完全に防止されなければならない欺瞞である。というのは、電力消費者が使用に対し経費を負担しているその新規施設の建設資金を調達する負担が不正に消費者にかけられることになるからである。このような新規建設のための資金調達は経営者の役目であつて、それは通常には会社の証券(社債及び株式)の発行によつてなさるべきである。建設され支払が行われた発電所が、稼動した後にこのような物的資産を担保に用いて社債や株式を発行し、減価償却準備金を補償するために、このような証券の発行から生ずる売上金を以て、減価償却準備金からの正当な支出でさえも埋合はされなければならない。それ故減価償却準備金は、新規建設を賄うのを助ける回転資金となる。併し新規建設は終局的に又永久的には株式及社債を発行して賄なわれなければならない。 (ハ) 資産の再評価によつて、貸借対照表の負債のほうに資本剰余金が生ずるであろう。再評価による最大の利益を收めて、電力会社を確固たる財政的基礎の上に置くために、資本剰余金の一部は、現在の株主達に、インフレーシヨンによる彼らの株券の真実価値の減少への幾分の補償として分配するべきである。インフレーシヨンに対して、このような償いがなければ、将来公益事業株式の引受け手がなくなり、発行不可能となるであろう。又公益事業株式の発行なくしては、増加する電力需要に応ずるための新規建設を賄う正常な道による資金調達は不可能であろう。公共事業会社が、発行済の株式と社債の大体同額を持つていることは、正常な財政である。現在所持している各株券所持者に、もう正株追加発行すると、(現在持つている各人の株を計六株とする)発行済の祉債と株式の価値を大体平均させるであろう。このような追加発行株券は、資本剰余金から擦除する。この増加した株式に対する合理的な利益配当の支払相当金は、料金の中に含めるべきである。このところちよつと……。発行済社債と株式は、大体平均と書いてありますが、現在社債が約百億で、長期借入金三百億で、合計四百億ですが、そうしますと、現在の資本金が大体七十二億ですから、それの六倍、四百二、三十億と大体一致するわけで、ここに社債と書いてあるのは、恐らく社債とそれから復金及び見返資金からの長期借入金を含める意味だと考えます。 (ニ)増大せる固定資産税と保険料(若しあれば)の支払相当金は、又同様に料金増額の中に含まるべきである。 五、若し以上の評釈に従えば、結果は次のごとくであろう。 (イ) 料金は経営を行うための公正にして必要な日々の原価を会社にもたらす。 (ロ)インフレーシヨンのためこうむつた損失を株券所持者に幾分補償する。 (ハ)電力事業会社の財政的状態を一層強化する道を準備する。以上は日本の経済に或いは電力消費者の心理に、余り重大な衝撃を與えることもない。それは大体に見積つて、二五%から四〇%の料金値上げとなる。ずれの電力会社においても総收入が、現今料金の下での同様の販売で入手される收入の四〇%以上の値上げとなる場合には、如何なる事情ありともその値上げは承認すべきではないと信ずる。 ハワード エヤース大佐 公益事業燃料部
○委員長(西田隆男君) 今読んだような内容が、公益事業委員会側に手交されております。 それから委員長から皆さんに一言御挨拶申上げます。先例によりますと、特別委員会は次期国会まででなくなることになつております。当委員会も何らか国会で決議されない限り、明日の十五日で一応委員会は解消することになります。一月二十七日委員長に選任されまして以来、非常に重要な電力の再編成或いは電力料金の改訂等について、委員諸君の熱心なる御協力を得まして、大過なく過し得たことは、誠に有難うございました。厚くこの際お礼を申上げておきます。(拍手) 本日の委員会はこれにて散会いたします。 午後二時五十九分散会 出席者は左の通り。 委員長 西田 隆男君 理事 高橋進太郎君 結城 安次君 水橋 藤作君 委員 岡田 信次君 小野 義夫君 古池 信三君 三輪 貞治君 山田 節男君 吉田 法晴君 奥 むめお君 加賀 操君 山川 良一君 境野 清雄君 須藤 五郎君 事務局側 常任委員会專門 員 林 誠一君 常任委員会專門 員 渡邊 一郎君